【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、携帯型活動記録計及びトレーニング機器を利用して総合的な健康管理を行い得るようにした健康管理システムに関する。 【0002】 【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】一般に、毎日の運動不足を解消し健康増進を図るために、歩数計等を身体に装着し、毎日その日に歩いた歩数を確認し或は目標歩数を設定することによって所要の運動量を確保することが行われている。 さらに、上記日常の運動によるばかりでなく、自転車エルゴメータやランニングマシーン等のトレーニング機器を使用して積極的な運動を行い、肥満防止或はスリム化を図ることも行われている。 【0003】ところで、各人の肥満度或は痩身度の判断の手掛りは、各人の体脂肪の割合が大きな判断基準となるが、肥満度或は痩身度は個人の基礎データ、つまりその人の性別、年齢、身長、体重に応じて異なるため、この基礎データも重要な判断要因となる。 【0004】そこで、上記歩数計の如き携帯型活動記録計或はトレーニング機器に、上記基礎データの入力機能及び体脂肪計測機能等をもたせ、それらの基礎データ及び体脂肪計の割合に応じてその人の所要運動量或は摂取可能なカロリー量を表示し、上記トレーニング機器等の使用者に明確な目標値を与えることができるようにしたものが提案されている。 【0005】しかしながら、各人の消費カロリーは、生命維持に必要な最低限のカロリーである基礎代謝と日常生活で使うカロリーである生活活動代謝と運動で使うカロリーの和であり、これが摂取カロリーより少なければ運動不足となり肥満の原因となり、摂取カロリーより多い場合には運動過剰となる。 ところが上述の如き歩数計の如き携帯型活動記録計においては、上記基礎代謝と生活活動代謝のみを考慮したものであり、運動に使ったカロリーは考慮されていない等の不都合がある。 一方、トレーニング機器については、そのトレーニング機器を使用した運動による消費エネルギーが対象となり、生活活動代謝が考慮されていない。 したがって、総合的消費カロリーをチェックし、必要な運動量或は可能な摂取カロリーを知るためには、両者のデータを別のシステムにそれぞれ入力し、その結果を出力する必要がある等の不都合があった。 【0006】本発明はこのような点に鑑み、携帯型活動記録計及びトレーニング機器のいずれか一方の個別情報を他方に取り込み、両個別情報によって総合的な健康管理ができるようにした健康管理システムを得ることを目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、 互いに通信可能なように通信機能を有する携帯型活動記録計とトレーニング機器とを有し、上記携帯型活動記録計およびトレーニング機器のいずれか一方で計測された計測データ或はその計測データと使用者の基礎データを、上記通信機能を使用して上記携帯型活動記録計およびトレーニング機器の他方に取り込み、その計測データが取り込まれた携帯型活動記録計或はトレーニング機器において上記携帯型活動記録計およびトレーニング機器で計測された両計測データ及び使用者の基礎データを演算処理し、使用者の健康管理状況をモニター表示することを特徴とする健康管理システムである。 【0008】また、請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、携帯型活動記録計は、体脂肪計、体重計、歩数計等の計測機能、個人の基礎データの入力手段及び通信機能を有しており、トレーニング機器から通信によって取り込まれた運動データと上記携帯型活動記録計における計測データ及び基礎データにより演算された基礎代謝及び生活活動代謝とを利用して健康管理状況をモニター表示することを特徴とする。 【0009】請求項3に係る発明は、請求項1に係る発明において、トレーニング機器は、携帯型活動記録計から体脂肪率、体重、歩数等の計測データまたはそれらを加工した情報、及び個人の基礎データを通信によって取り込み、トレーニング機器における運動データを加味した健康管理状況をモニター表示することを特徴とする。 【0010】さらに、請求項4に係る発明は、健康管理状況は、使用者の所要運動量或は摂取可能なカロリー、 一定期間内の運動頻度、活動能力、心肺機能、身体組成、或は日常運動量であることを特徴とする。 【0011】 【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。 【0012】図1において、符号10はバンド等によって人体に装着して歩数等を計測し得る携帯型活動記録計であり、この携帯型活動記録計10には、通常の歩数計11とともに、個人の性別、年齢、身長、体重等の基礎データ入力部12、体脂肪計13、モニター表示部14 を有し、内部にデータ蓄積演算部及び発信、受信を行い得る通信機能を有している。 【0013】したがって、この携帯型活動記録計10を身体につけて日常生活を行えば、例えば1日中に歩いた歩数或はそれにもとづく歩行距離等が計測、表示され、 また、個人の基礎データ及び体脂肪率等をもとにして、 その人の1日の基礎代謝及び生活活動代謝からなる消費エネルギー、或は摂取エネルギーに対する所要の消費エネルギー等がモニター表示部14に表示される。 【0014】また、図1において符号20,30,40 は、一般家庭やスポーツ施設等で使用されるトレーニング機器の一例を示すランニングマシン、自転車エルゴメータ、及びステップマシンであって、このランニングマシン20,自転車エルゴメータ30、ステップマシン4 0には、そのコントロールボックスに、走行距離や速度、或はステップ回数等が表示されるとともに、それに要した運動エネルギー等が表示されるようにしてある。 また、これらのトレーニング機器にもそれぞれその機器によって検出された各運動等のデータを前記携帯型活動記録計10に送信し得る通信機能が設けられている。 【0015】しかして、上記トレーニング機器を使用した場合、そのトレーニング機器で計測された走行距離や速度或はステップ回数、及び所要運動エネルギー等のデータが、その通信機能により携帯型活動記録計10に送信されるようにすれば、携帯型活動記録計10において演算処理されている基礎代謝及び生活活動代謝にさらに上記トレーニング機器で消費した運動エネルギーが加味され、トレーニングによって得られた各種のデータが総合評価され、その結果がモニター表示部14に選択的に表示される。 上記モニター表示部14の表示形式は、 総合消費エネルギー量、摂取エネルギーに対する総合消費エネルギー量の対比等を表示するばかりなく、図2に示すようなグラフを表示させるようにすることもできる。 すなわち、図2に示すようなグラフやキャラクターを表示させることによって、健康管理状況として心肺機能、身体組成、活動能力、運動量、運動頻度、日常運動量等を個別に表示して、運動の質及び量を評価すると同時に、運動経過の記録をキャラクターの変化としてトレーニングのプロセスを楽しむことができる。 【0016】このように、トレーニング機器における各データをその都度携帯型活動記録計にとり込むようにすることによって、複数のトレーニング機器を順次使用した場合でも全てのデータを携帯型活動記録計に集録させることができ、携帯型活動記録計をパーソナル健康端末とし、その一つの パーソナル健康端末のみによって総合的な健康管理を行うことができる。 【0017】なお、上記通信手段としては無線、有線、 或は接触式等のいずれも採用することができる。 また、 上記実施の形態においては携帯型活動記録計10に各トレーニング機器における運動データを取り込むようにしたものを示したが、トレーニング機器の方に各種データを送信し取り込むようにすることもできる。 【0018】 【発明の効果】以上説明したように本発明は携帯型活動記録計と各種のトレーニング機器との間で各種データを送信し得るようにし、携帯型活動記録計或はトレーニング機器において両者での計測データおよび使用者の基礎データを演算処理し、使用者の健康管理状を表示するようにしたので、基礎代謝、生活活動代謝およびトレーニング機器において消費した運動量の全ての情報を統合して総合的な健康管理情報を得ることができる。 しかも、 双方の各データを手入力によってパソコン等に入力させるわずらわしさをなくすことができ、またパーソナル健康端末を構成する携帯型活動記録計をもっていれば、個人レベルで各種のトレーニング機器を使用した場合におけるデータを一個所に集収し、そのデータにもとずいて健康管理を行うことができる。 【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の健康管理システムの概略構成を示す図。 【図2】モニター表示部における表示の一例を示す図。 【符号の説明】 10 携帯型活動記録計 11 歩数計 12 基礎データ入力部 13 体脂肪計 14 モニター表示部 20 ランニングマシン 30 自転車エルゴメータ 40 ステップマシン |