【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は10ピン・ボウリングのようなボウリング・ゲーム、一層詳しくは、紫外光に感応した結果として比較的暗い状態で蛍光を発する1 つまたはそれ以上のゲーム要素で遊ぶことのできるボウリング・ゲームに関する。 【0002】 【発明の背景】周知のように、10ピン・ボウリングのようなボウリングは、2つの主フォームで行われる。 1 つのフォームは、複数のチームが互いに競うリーグ・ボウリングである。 他のフォームはいわゆるオープン・ボウリングであり、個人個人がリクリエーションの目的で厳しくゲームを行うかあるいは個人ベースで互いに競い合うようにゲームを行うかまたはこれらを同時に行うものである。 【0003】ボウリング場経営者、すなわち、ボウリング設備の所有者は、リーグ戦が行われていないときに設備をふさいでくれるのでオープン・ボウリングをあてにしている。 オープン・ボウリングで生じる収入の流れがなくなると、たいていの経営者は財政困難に陥ることになろう。 したがって、或る一定のボウリング設備を用いるオープン・ボウラーの数を維持し、増やすことが望ましい。 【0004】この目標を達成するために、ボウリング設備にオープン・ボウラーを引きつけるように普通のボウリングに変化を付けてきた。 オープン・ボウラーを引きつけるのに良い結果を得た1つのプロモーションは、 「ムーンライト・ボウリング」と呼ばれることも多い、 いわゆる「ブラックアウト・プロモーション」である。 そのために、ボウリング設備の照明をほの暗くし、レーン情報の照明を全部排除するのである。 ムーンライト・ ボウリングは、常連のボウラーでないことが多い顧客を引きつける寛いだ気楽な雰囲気を与えるために、ボウリング場経営者に特に人気がある。 このような新しい顧客は、設備を使用するオープン・ボウラーの数を維持あるいは増大させ、したがって、オープン・ボウリングで生じる収入の流れを維持あるいは増大させることになる。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】ムーンライト・ボウリングの出現は実際に非常連客を引きつけることで成功したが、それでもなお、ボウリング場経営者は、その設備を使用する非常連ボウラーをさらに増大させるという目標を掲げている。 本発明はこの目的を達成することに向けたものである。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明の主目的は、新規で改良したボウリング・ゲームを提供することにある。 一層詳しくは、本発明の目的は、ボウリング設備でのオープン・ボウリングにボウラーを引きつけ、普通のボウリング・ゲームに変化を付けるのに特に適したボウリング・ゲームに変化を与えることにある。 【0007】本発明の一局面によれば、ボウリング設備は、選択的に暗くすることのできる囲いを包含する。 この囲い内には、細長いボウリング・ゲーム用表面要素が設置してあり、その両側にガター要素が設けてある。 囲い内には、表面要素上に配置できるようにボウリング・ ゲーム用ピンが設けてある。 同様に、囲い内には、ボウリング・ゲーム用ボール要素が配置してあり、これらのボール要素は表面要素上に配置したピン要素に向かって表面要素上を転がるようになっている。 【0008】囲いは、通常それを照明するための選択的に作動可能な普通の照明手段を包含する。 また、紫外光照明手段も囲い内に設けてあり、これは選択的に作動させて表面要素、その上に配置したピン要素および表面要素上を転がされるボール要素に紫外光を向けることができる。 これら要素のうちの少なくとも1つでその表面のところあるいはその表面に充分にちかいところには紫外光感応性染料または顔料が設けてあり、紫外光照明手段にさらされたときに目で見える蛍光を発するようになっている。 その結果、囲いは普通の照明手段を全体的あるいは部分的にオフにすることによって選択的に暗くすることができ、ボウリング・ゲームを行うときに、紫外光照明手段を作動させ、暗くした囲い内で染料または顔料が蛍光を発することになる。 【0009】蛍光を発する紫外光感応性染料または顔料を用いることにより、いわゆる「ムーンライト・ボウリング」という新規な特徴を加えることができ、これはボウラーにとって魅力的であり、この新規な特徴を有する設備にボウラーを引き寄せることになる。 【0010】本発明の一実施例では、染料または顔料を備えた要素はボウリング表面要素である。 あるいは、ガター要素であってもよい。 【0011】本発明の別の実施例では、染料または顔料を有する要素はボウリング・ピン要素である。 【0012】本発明のまた別の実施例では、染料または顔料を有する要素はボール要素である。 【0013】本発明は、これらの構成要素のうちの任意の2つ、3つあるいはすべてが紫外光感応性染料または顔料を備えることも意図している。 【0014】本発明の別の局面によれば、ボーリング・ レーンは、平坦な上面を有する細長い構造を包含し、この上面をボーリング・ボールが転がることができる。 紫外光感応性染料または顔料はこの構造上にあり、蛍光を発したときに平坦な面で可視化することができる。 染料または顔料は平坦な上面をほぼ全体的に覆っているか、 あるいは一部のみを覆っている。 【0015】平坦な上面に紫外光を向ける選択的作動可能な紫外光光源が設けてあり、この光源が作動すると染料または顔料の蛍光によって平坦面の全体あるいは選択部分が照明されるようになっている。 【0016】本発明のまたさらに別の局面によれば、上述のボーリング・レーンは平坦な上面のほぼ全面を覆うフィルムを包含し、このフィルムと上面との間に接着剤が介在してフィルムを上面に接着している。 紫外光感応性染料または顔料はボーリング・レーンに含有させられる。 【0017】好ましい実施例では、染料または顔料はフィルムあるいは接着剤またはこれら両方に含有させられる。 【0018】非常に好ましい実施例では、染料または顔料は接着剤に含有させられる。 【0019】好ましくは、染料または顔料は乾燥接着剤の0.2〜約3.0重量パーセントの範囲で存在する。 【0020】本発明は、乾燥接着剤が上面の3000平方フィートあたり約10〜約150ポンドの範囲の量で存在することを意図している。 【0021】より好ましくは、染料または顔料は通常の照明状態あるいは昼光ではほぼ無色である。 【0022】好ましくは、フィルムは透明である。 【0023】本発明のまたさらに別の局面によれば、ボーリング・レーンのための紫外光蛍光発生式保護コーティングが設けてあり、これはポリエステル類、ポリカーボネート類、ポリスチレン類、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、アクリル類、ポリウレタン、 フルオロカーボンポリマーおよびナイロンからなるグループから選定した材料の薄い透明なフィルムを包含する。 感圧式接着剤がフィルムの片面に塗布してあり、これはアクリル、ビニルアクリルコポリマー、ラバーレジン、シリコーンの感圧式接着剤からなるグループから選定する。 昼光ではほぼ無色であるが、紫外光では蛍光を発する紫外光感応性染料または顔料が接着剤に分配してある。 【0024】好ましい実施例では、保護コーティングは、フィルムの片面の3000平方フィートあたり約1 0ポンド〜約150ポンドの範囲の量でフィルムに被覆した接着剤を有する。 【0025】好ましい実施例では、フィルムはポリエチレン・テレフタレート・ポリエステルであり、接着剤はビニルアクリル・コポリマー接着剤である。 【0026】他の目的および利点は添付図面に関連して行う以下の説明から明らかとなろう。 【0027】 【発明の実施の形態】 【実施例】本発明によるボウリング設備の実施例が図1 に概略的に示してある。 このボウリング設備は、全体的に10で示す囲いを包含し、この囲いは鋸刃状の天井1 2と、対向した端壁14、16と、側壁18(1つのみが示してある)と、床20とを有する。 床20上には、 周知のように並んだ状態で複数のボーリング・レーン2 2が支持されている。 レーン22は天然木構造でもいわゆる合成レーン構造でもよいし、それぞれ、平坦な上面24を有し、この上面の両側部にはガター25(図2) が設けてある。 上面24はその上をピット端28に向かって1つまたはそれ以上のボーリング・ボール26が転がるようになっている。 周知のように、ボウリング・ピン30が上面24のピット端28上に通常は概略的に3 2で示す自動ピンセッタによって三角形配置に揃えられる。 【0028】ピンセッタ32はいわゆるマスキングユニット34(普通の構造でよい)によって隠されている。 ボール戻し兼ラック(全体的に36で示す)がレーンのアプローチ端38付近に設けてある。 図1に極めて凝縮して示してある領域40は、ボウラー用の座席、バーあるいはグリルまたは両方、子供を収容する領域、器具保管部、レンタル部などの通常の設備を収容し得る。 【0029】通常の場合、囲い10は比較的窓がない。 もしあるとすれば、窓は、一般に、領域40付近に設けられることになり、設備10に入る光の量を厳しく制限することになる。 そのため、天井12およびその鋸刃状部分に、普通のレーン照明、代表的には、いくつかの蛍光灯42が設けてある。 さらに、普通のランプ44をマスキングユニット34の背後に配置してレーン22のそれぞれのピット端28を照明するようにしてもよい。 【0030】領域40では、選択的に作動可能な蛍光灯46の形をした付加的な普通の照明が設けられる。 【0031】本発明によれば、各レーン22またはレーン対が少なくとも1つの紫外光源を備えている。 好ましい実施例において、このような光源の1つが50で示してあり、これは天井12の鋸刃部分の1つに設けてある。 別の光源が52であり、マスキングユニット34の背後に取り付けてある。 【0032】非常に好ましい実施例では、紫外光源5 0、52は選択的に作動可能であり、約200〜400 ナノメートルの範囲の波長で紫外光を発する。 これよりも短い波長は、潜在的に環境に合わないため、好ましくない。 【0033】本発明によれば、囲い10内のボウリング要素の1つまたはそれ以上の要素がその表面あるいはその表面に充分に接近したところに紫外光感応性染料または顔料を備え、光源50、52の発する紫外光を受けたときに目に見える蛍光を発するようになっている。 蛍光を発する要素の効果を強めるために、設備10の所有者がレーン照明灯42、44をオフし、照明灯46を暗くするかオフにすることが考えられる。 照明灯46はバー、グリルなど収容する領域40を照明しているので、 一般的に言って、照明灯46は暗くするだけになろう。 【0034】ボーリング・レーン上面24が染料または顔料を備えた要素である場合には、一般的に、光源50 のみで照明することになる。 しかしながら、ピン30が染料または顔料を備えている場合には、紫外光源52で照明することになる。 【0035】あるいは、ボール26が染料または顔料を備えている場合には、これら紫外光源50、52すべてで照明してもよい。 【0036】本発明の1つの好ましい実施例として、上面24が染料または顔料を備えると好ましい。 しかしながら、ガター25、ボール26、ピン30のそれぞれが染料または顔料を備えた要素であってもよい。 あるいは、これらの要素のうち3つあるいは4つすべてが染料または顔料を備えてもよい。 【0037】次に図2を参照して、ボーリング・レーン22およびそこに染料または顔料を含有させる好ましい方法を説明する。 レーン22は一連の横に並べたボード54からなるものであってもよく、ボードは、レーン上の位置に応じて、マツあるいはカエデのような堅材で作ることになる。 あるいは、ボードを合成レーン構造で覆ってもよいし、全体的に合成レーン構造なしとしてもよい。 好ましい実施例では、ボード54は商標「Guardia n」で販売されているタイプの保護コーティングで覆った上面56を有する。 このタイプの保護コーティングは、Suiterに与えられた合衆国レター特許4,795,152、 4,867,816および4,944,514により充分に開示されている。 保護コーティングは3〜7ミルの範囲にある厚さの無色透明なフィルム58を包含し、このフィルムが透明な感圧式接着剤60の層によってボード54の上面56 に接着されている。 【0038】好ましい実施例では、フィルム58は、ポリエステル類、ポリカーボネート類、ポリスチレン類、 ポリプロピレン、或る種のポリエチレン、ポリ塩化ビニル、アクリル類、ポリウレタン、フルオロカーボン・ポリマーおよび或る等級のナイロンからなるグループから選定される。 非常に好ましい実施例では、フィルムはポリエチレン・テレフタレート・ポリエステルである。 【0039】接着剤60は、種々のアクリル、ビニルアクリル・コポリマー、ラバーレジンおよびシリコーンの感圧式接着剤からなるグループから選定した感圧式接着剤である。 好ましい接着剤はビニルアクリル・コポリマー接着剤である。 【0040】本発明によれば、接着剤60はそれを塗布するフィルム58の表面の3000平方フィートあたり乾燥接着剤の10〜150ポンドの範囲で存在する。 好ましい被覆重量はフィルム表面の3000平方フィートあたり乾燥接着剤の44ポンドである。 【0041】多くのタイプの公知の紫外光感応性染料または顔料を使用できる。 或る特定の染料または顔料の選定は、代表的には、蛍光を発するときに発生させようとしている所望色に依存する。 好ましい染料は、オハイオ州クリーブランド市のDay-Glow Color Corp.から入手できる、「Columbia Blue」−Day-Glo Tracer Dye D-298 として知られるものである。 この特別の染料は、昼光ではほぼ無色であるが、紫外光の下では強烈な青い蛍光を発する。 それは、360〜380ナノメートルの範囲の波長を有する紫外光の下ではあざやかな蛍光を発する。 【0042】染料が通常の光あるいは昼光の下では無色であり、コーティング、フィルム58あるいは接着剤6 0内での存在がわからないようになっていることが望ましい。 【0043】好ましくは、染料は接着剤の乾燥重量の約0.2〜約3.0重量パーセントの範囲で使用される。 【0044】染料材料は種々の普通の手段のうちの任意の手段で接着剤60内に分配することができる。 【0045】先に述べたように、紫外光感応性染料または顔料はガター25の全長にわたって被覆してもよい。 また、ボーリング・ボール26に含ませてもよい。 図3 を参照して、周知のように、普通のボーリング・ボールは、代表的には、種々の形状を採り、1つまたはそれ以上の片となっている内部コア62からなる。 コア62はカバー64で取り囲まれている。 通常の場合、カバー6 4はポリエステルあるいはウレタン樹脂で作られる。 【0046】本発明によれば、染料または顔料は、乾燥状態で、粉砕され、カバー64を形成するのに用いられるカバー原料と混ぜ合わされる。 一般的に言って、カバー64の厚みのために、接着剤60に含有させるよりも高い重量パーセントの染料または顔料を用いて、充分な量の染料または顔料がボールの表面に存在し、紫外光を受けたときに蛍光を発するようにすることが望ましい。 あるいは、ボールを染料を含有する仕上げ材で被覆してもよい。 【0047】さらに、ピン28が紫外光感応性染料または顔料を含有してもよい。 図5でわかるように、代表的なピン28はプラスチック・ベース68を備えた木製コア66を包含する。 このコア66は保護スキン70で包まれている。 スキン70は種々の材料のうちの任意の材料、たとえば、登録商標「Surlyn」の下に販売されている重合材料で形成してもよい。 この場合も、乾燥染料または顔料を粉砕し、Surlynに混ぜてからピンのコア66 に塗布する。 この場合にも、ボール26に関連して先に述べた理由のために、接着剤60に含ませるよりも多い重量パーセントの染料または顔料を用いる必要があるかも知れない。 【0048】もちろん、或る場合には、対象物に紫外光感応性染料または顔料含有仕上げ剤あるいはコーティングを塗装するだけが望ましいかも知れない。 この場合、 染料または顔料をポリウレタン・コーティング材に混ぜるとよい。 たとえば、レーン22と組み合わせたガター25に蛍光を発する染料または顔料を含ませたい場合、 この染料または顔料を含有する普通のポリウレタン仕上げ材で塗装するとよい。 【0049】ボウリング・レーン上面が蛍光を発するようにしたい場合、そのほぼ全面あるいは選定した表面部分に染料を含ませることになる。 選定部分のみに染料を含ませたい場合、代表的には、といって常にと言うわけではないが、ピン・デッキ28に最も近いレーン部分がその選定部分となろう。 或る場合、「ハイブリッド」形式を用いてもよい。 たとえば、フィルム58を染料含有接着剤60と共にレーンのアプローチ端に設置し、最も酷使される領域でボーリング・レーン上面を保護するようにし、レーンの他の部分で染料含有コーティングあるいは仕上げ材を使用してもよい。 【0050】 【発明の効果】本発明によるボウリング設備あるいはボーリング・レーンあるいは保護コーティングを前記の説明から視覚化できる範囲で明らかなように、暗くした設備で紫外光にさらされて蛍光を発する染料または顔料と一緒に用いた場合、いくぶん不気味ではあるが、ミステリアスな楽しい雰囲気を観察者が感じる。 染料または顔料を含有する要素はすべての観察者にとって目立つけれどもいわく言い難い満足を与える。 その奇抜さは多くの人々を魅了し、その結果、ボウラーによって極めて良く受け入れられる普通のボウリング・ゲームに新規な付加価値を与える。 【図面の簡単な説明】 【図1】 この図は本発明によるボウリング設備の概略側面図である。 【図2】 この図は図1に対して直角な概略断面図である。 【図3】 この図は本発明によるボーリング・レーンの断片拡大断面図である。 【図4】 この図は本発明によるボーリング・ボールの部分破断立面図である。 【図5】 この図は本発明によるボウリング・ピンの部分破断立面図である。 【符号の説明】 10・・・囲い 12・・・天井 14・・・端壁 16・・・端壁 18・・・側壁 20・・・床 22・・・ボーリング・レーン 24・・・平坦な上面 25・・・ガター 26・・・ボーリング・ボール 28・・・ピット端 30・・・ボウリング・ピン 32・・・ピンセッタ 34・・・マスキングユニット 36・・・ボール戻し兼ラック 40・・・領域 42・・・蛍光灯 44・・・普通のランプ 46・・・選択的に作動可能な蛍光灯 50・・・紫外光源 52・・・紫外光源 54・・・ボード 56・・・ボード上面 58・・・フィルム 60・・・透明な感圧式接着剤層 62・・・コア 64・・・カバー 66・・・コア 68・・・プラスチック・べース 70・・・保護スキン |