球技用の棒状体

申请号 JP2014041603 申请日 2014-03-04 公开(公告)号 JP6284392B2 公开(公告)日 2018-02-28
申请人 鈴木 崇仁; 发明人 川▲崎▼ 勉; 瀧上 浩司; 鈴木 崇仁;
摘要
权利要求

球技用またはその練習用として使用することができる球技用の棒状体であって、 長尺状の本体の基端側に把持部を備えており、 前記本体は、主たる撓み変形が第1の仮想平面に沿って生じる第1の可撓部と、前記第1の可撓部よりも基端側に設けられ主たる撓み変形が第2の仮想平面に沿って生じる第2の可撓部と、 前記第1の可撓部および第2の可撓部の間に介在された高剛性部とを備え、 前記第1の仮想平面および第2の仮想平面は互いに交差し、 前記高剛性部は、前記第1の仮想平面に沿う方向の曲げ剛性が前記第2の可撓部の同方向の曲げ剛性以上であり、且つ、前記第2の仮想平面に沿う方向の曲げ剛性が同方向の前記第1の可撓部の曲げ剛性以上である球技用の棒状体。前記第1の可撓部および第2の可撓部の長さは、いずれも前記高剛性部の長さよりも長い請求項1に記載の球技用の棒状体。前記第1の可撓部および第2の可撓部は、いずれも偏平状に形成されており、厚み方向に可撓性を有する請求項1に記載の球技用の棒状体。前記第1の可撓部および第2の可撓部は、いずれも偏平な板状体からなり、厚み方向に可撓性を有する請求項1に記載の球技用の棒状体。前記第1の可撓部、高剛性部および第2の可撓部は、それぞれの中心線が前記本体の軸線に沿って一直線上に配置されている請求項1に記載の球技用の棒状体。前記第1の仮想平面および第2の仮想平面は、いずれも前記本体の軸線を含むように配置され、且つ互いに直交する請求項5に記載の球技用の棒状体。前記本体は、先端にボールの打撃部を備える請求項1に記載の球技用の棒状体。

说明书全文

本発明は、球技用の棒状体に関し、より詳しくは、ゴルフや野球等の球技またはその練習用に使用することができる球技用の棒状体に関する。

ゴルフや野球のようにクラブやバット等の棒状体でボールを打撃する球技においては、ボールを強く、遠くまで飛ばすことが一つの課題とされる。このような課題に対しては、棒状体のしなりを利用することが有効であるため、従来からしなりを良くするための棒状体の構成が検討されている。例えば、特許文献1には、シャフトの長手方向に沿って曲げ剛性を変化させて、曲げ剛性低下領域を複数設けることで、シャフトのしなりの向上を図ったゴルフクラブシャフトが開示されている。

特開2005−152613号公報

ところが、上記特許文献1に開示されたシャフトは、シャフト自体のしなりが任意の方向に生じるために、スイングのばらつきがあってもそれらの違いを体感し難いことから、シャフトのしなりを効率良く利用することが困難であった。

そこで、本発明は、棒状体のしなりを有効利用して効率の良いスイングを容易に行うことができる球技用の棒状体の提供を目的とする。

本発明の前記目的は、球技用またはその練習用として使用することができる球技用の棒状体であって、 長尺状の本体の基端側に把持部を備えており、 前記本体は、主たる撓み変形が第1の仮想平面に沿って生じる第1の可撓部と、前記第1の可撓部よりも基端側に設けられ主たる撓み変形が第2の仮想平面に沿って生じる第2の可撓部と、 前記第1の可撓部および第2の可撓部の間に介在された高剛性部とを備え、 前記第1の仮想平面および第2の仮想平面は互いに交差し、 前記高剛性部は、前記第1の仮想平面に沿う方向の曲げ剛性が前記第2の可撓部の同方向の曲げ剛性以上であり、且つ、前記第2の仮想平面に沿う方向の曲げ剛性が同方向の前記第1の可撓部の曲げ剛性以上である球技用の棒状体により達成される。

この球技用の棒状体において、前記第1の可撓部および第2の可撓部の長さは、いずれも前記高剛性部の長さよりも長いことが好ましい。

前記第1の可撓部および第2の可撓部は、いずれも偏平状に形成されており、厚み方向に可撓性を有することが好ましい。

前記第1の可撓部および第2の可撓部は、いずれも偏平な板状体からなり、厚み方向に可撓性を有することが好ましい。

前記第1の可撓部、高剛性部および第2の可撓部は、それぞれの中心線が前記本体の軸線に沿って一直線上に配置されていることが好ましい。この構成において、前記第1の仮想平面および第2の仮想平面は、いずれも前記本体の軸線を含むように配置され、且つ互いに直交することが好ましく、前記高剛性部は、前記第1の可撓部および第2の可撓部を前記本体の軸線において交差させた形状を有することが好ましい。

前記本体は、先端にボールの打撃部を備えることができる。

本発明によれば、棒状体のしなりを有効利用して効率の良いスイングを容易に行うことができる球技用の棒状体を提供することができる。

本発明の一実施形態に係る球技用の棒状体の正面図である。

図1に示す球技用の棒状体の断面図であり、(a)はA−A断面図、(b)はB−B断面図、(c)はC−C断面図である。

図1に示す球技用の棒状体の使用方法を説明するための図であり、(a)はアドレスの状態、(b)はダウンスイングの途中の状態、(c)はインパクトの状態を示している。

本発明の他の実施形態に係る球技用の棒状体の要部断面図であり、(a)は第1の可撓部の断面図、(b)は第2の可撓部の断面図である。

本発明の更に他の実施形態に係る球技用の棒状体の要部断面図であり、(a)は第1の可撓部の断面図、(b)は第2の可撓部の断面図である。

本発明の更に他の実施形態に係る球技用の棒状体の要部断面図であり、(a)は第1の可撓部の断面図、(b)は第2の可撓部の断面図である。

本発明の更に他の実施形態に係る球技用の棒状体の要部断面図であり、(a)は第1の可撓部の断面図、(b)は第2の可撓部の断面図である。

本発明の更に他の実施形態に係る球技用の棒状体の要部を示す図であり、(a)は本体の展開図、(b)は本体の斜視図、(c)は高剛性部が装着された本体の斜視図である。

本発明の更に他の実施形態に係る球技用の棒状体のアドレス時の状態を示す図である。

本発明の更に他の実施形態に係る球技用の棒状体の分解正面図である。

本発明の更に他の実施形態に係る球技用の棒状体の要部正面図であり、(a)および(b)はそれぞれ使用状態の一例を示している。

本発明の更に他の実施形態に係る球技用の棒状体の正面図である。

以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る球技用の棒状体の正面図である。図1に示す球技用の棒状体1は、ゴルフクラブまたはゴルフスイングの練習用として使用されるものであり、長尺状の本体10と、本体10の基端側に設けられた把持部(グリップ)20と、本体10の先端側に設けられた打撃部(ヘッド)30とを備えている。

本体10は、偏平な帯状に形成された第1の可撓部12および第2の可撓部14と、第1の可撓部12および第2の可撓部14の間に介在された高剛性部19とを備えている。第1の可撓部12、高剛性部19および第2の可撓部14は、それぞれの中心線が本体10の軸線Lに沿って一直線上に配置されており、第1の可撓部12の基端側に第2の可撓部14が配置されている。第1の可撓部12および第2の可撓部14は、例えば、チタン、アルミニウム、マグネシウムあるいはこれらの合金等の金属材料や、カーボン、グラファイト等の非金属材料からなる板状体であり、厚み方向に撓み変形可能とされている。第1の可撓部12および第2の可撓部14は、例えば、同じ材料で同じ断面形状とすることができる。

第1の可撓部12は、基端側に一対の挟持部122,122を備えている。一対の挟持部122,122間には、第2の可撓部14の先端部が挟持されており、溶接、ろう付け、接着等により一体化されている。高剛性部19は、第1の可撓部12および第2の可撓部14の重複部から構成されている。第1の可撓部12と第2の可撓部14とを連結する手段は、接着や嵌合、あるいはねじやリベットを用いた固定等、両者を確実に結合可能であれば特に限定されるものではなく、更には両者を着脱可能な構成であってもよい。また、第2の可撓部14に一対の挟持部を設けて、第1の可撓部12の基端部を挟持することも可能である。

第1の可撓部12および第2の可撓部14の軸線L方向の長さL1,L2は、互いに異なるものであってもよく、あるいは一致してもよいが、第1の可撓部12および第2の可撓部14のしなりを効果的に利用できるように、いずれも高剛性部19の軸線L方向の長さL3よりも長いことが好ましい。

図2(a)は、図1のA−A断面図である。第1の可撓部12および第2の可撓部14は、軸線Lを含むように配置されており、軸線Lに垂直な断面において互いに直交している。高剛性部19は、第1の可撓部12および第2の可撓部14を軸線Lにおいて交差させることにより、十字状に形成されている。

第1の可撓部12は、第1の仮想平面P1に沿って撓み変形が生じるように構成されており、第2の可撓部14は、第2の仮想平面P2に沿って撓み変形が生じるように構成されている。第1の仮想平面P1および第2の仮想平面P2は、軸線Lにおいて互いに直交している。上記の第1の仮想平面P1および第2の仮想平面P2は、第1の可撓部12および第2の可撓部14の主たる撓み方向を示すものである。主たる撓み変形の方向は、第1の可撓部12および第2の可撓部14に対して、それぞれ一端部を固定して他端部に外を作用させたときに、外力の作用方向に沿った撓み量が最大になる方向をいい、通常は曲げ剛性が最小となる方向である。本発明は、第1の可撓部12および第2の可撓部14が、主たる撓み方向以外の方向にも僅かに撓み変形する構成を除外するものではない。

高剛性部19は、第1の仮想平面P1に沿う方向の曲げ剛性、および、第2の仮想平面P2に沿う方向の曲げ剛性が、いずれも同じ方向で比較したときの第1の可撓部12および第2の可撓部14の曲げ剛性と同等以上の大きさとなっている。すなわち、第1の仮想平面P1に沿う方向においては、第1の可撓部12の曲げ剛性よりも第2の可撓部14の曲げ剛性が大きい値となるが、高剛性部19の第1の仮想平面P1に沿う方向の曲げ剛性は、この方向の第2の可撓部14の曲げ剛性と同等以上とされている。同様に、第2の仮想平面P2に沿う方向においては、第2の可撓部14の曲げ剛性よりも第1の可撓部12の曲げ剛性が大きい値となるが、高剛性部19の第2の仮想平面P2に沿う方向の曲げ剛性は、この方向の第1の可撓部12の曲げ剛性と同等以上とされている。高剛性部19をこのように構成することで、第1の可撓部12および第2の可撓部14にそれぞれ異なる方向への曲げ変形が生じた場合に、相互間での曲げの影響を高剛性部19によって分断することができ、第1の可撓部12および第2の可撓部14をそれぞれ第1の仮想平面P1および第2の仮想平面P2に沿って確実にしならせることができる。曲げ剛性は、ヤング率と断面2次モーメントの積から求めることができ、材質と断面形状から算出することができる。断面形状による曲げ剛性の算出が困難な場合には、一般的なゴルフシャフトの曲げ剛性の測定と同様に、3点曲げ試験によって曲げ剛性を求めてもよい。

第1の可撓部12および第2の可撓部14の曲げ剛性は、使用者が把持部20および打撃部30を両手でそれぞれ把持して、第1の仮想平面P1および第2の仮想平面P2に沿って曲げ変形を生じさせたときに、第1の可撓部12および第2の可撓部14の一方が高剛性部19との境界部から円弧状に湾曲する一方、他方の曲げ変形は目視で確認できない程度であることが好ましい。このような構成の場合、高剛性部19の曲げ剛性が、第1の可撓部12または第2の可撓部14の幅方向の曲げ剛性と同等以上か否かは、目視によって容易に確認することができる。

図1に示すように、把持部20は一対の挟持部22,22を備えており、図2(b)に示すように一対の挟持部22,22で第2の可撓部14を挟持して溶接することにより、一体化されている。打撃部30は一対の挟持部32,32を備えており、図2(c)に示すように一対の挟持部32,32で第1の可撓部12を挟持して溶接することにより、一体化されている。本体部10に対する把持部20および打撃部30の固定についても、第1の可撓部12と第2の可撓部14との固定と同様に、上述した他の公知の結合手段を適宜用いることができる。打撃部30に対する第1の可撓部12の向きは、打撃部30の打撃面であるフェースを打撃目標に向けたときに、第1の可撓部12の幅広面が打撃目標に対向するように設定されている。

上記の構成を備える球技用の棒状体1は、下記のように使用することができる。まず、図3(a)に示すように、使用者は、ボールBの前に立って図の右方向である打撃目標に向けてアドレスをとる。この状態において、第1の可撓部12は、使用者の左右方向に拡がる第1の仮想平面に沿って撓み変形し、第2の可撓部14は、使用者の前後方向に拡がる第2の仮想平面に沿って撓み変形するように、それぞれ配置される。

ついで、使用者がバックスイングを行う。バックスイングの始動時において、使用者は、主として体の回転により棒状体1を横方向(図3(a)の左方向)に振り上げ、第1の可撓部12をスイング方向にしならせる。この後、主として腕の動きにより棒状体1を更に縦方向に振り上げ、第2の可撓部14をスイング方向にしならせる。こうして、バックスイングが終了した後、使用者は引き続きダウンスイングを行う。

ダウンスイングの始動時は、腰の切り返しの動作によって、把持部20の下方への引き落としを開始する。この時点では、図3(b)に示すように、第2の可撓部14のバックスイング時のしなり方向(図3(b)の右方向)が維持される。そして、使用者が縦方向のカウンター動作を行うことにより、打撃部30が下方へと大きく加速され、第2の可撓部14のしなり方向が反転する。これにより、打撃部30には、重力と共に下方への大きな慣性力が作用する。上述したカウンター動作とは、把持部20にスイング方向と反対方向の力を作用させて、把持部20の動きを減速させる動作をいう(以下においても同様)。

この後、使用者が体の回転により棒状体1を横方向にボールBに向けてスイングすると、打撃部30に下方への慣性力が残存していることによって、第1の可撓部12には、スイング方向と反対方向への大きなたわみが生じる。そして、使用者が横方向のカウンター動作を行うことにより、打撃部30が打撃方向に大きく加速され、図3(c)に示すように、第2の可撓部14のしなり方向が図の右方向へと反転する。こうして、第2の可撓部14を打撃方向にしならせながら、ボールBを打撃する。

このように、本実施形態の棒状体1の使用方法によれば、ダウンスイング中に順次行う縦方向のカウンター動作および横方向のカウンター動作によって、第1の可撓部12および第2の可撓部14の撓み変形による大きな弾性エネルギーを棒状体1に確実に蓄積することができる。そして、この弾性エネルギーを、ボールBの打撃時に安定して放出することができるので、ボールBを正確に遠くまで飛ばすことができる。

本実施形態の球技用の棒状体1は、第1の可撓部12および第2の可撓部14の主たる撓み変形が、それぞれ第1の仮想平面および第2の仮想平面に沿う方向に限定されるので、例えば、この棒状体1をゴルフスイングの練習用として使用する場合には、第1の可撓部12および第2の可撓部14の撓みを使用者がスイング中に体感することにより、効率の良いスイングができたか否かを容易に確認することができる。また、第1の可撓部12および第2の可撓部14を、偏平状に形成することにより、スイングする前の状態でも、第1の可撓部12および第2の可撓部14をどの方向にしならせればよいかを使用者に視覚的にイメージさせることができ、効率の良いスイングを促すことができる。第1の可撓部12および第2の可撓部14には、長手方向に延びる1または複数のスリットを形成してもよく、これによってしなりをより生じさせ易くすることができる。

棒状体1をゴルフクラブとして使用する場合には、使用者に効率の良いスイングを促して、ボールの飛距離および方向性の向上を図ることができる。第1の可撓部12および第2の可撓部14の撓み易さは、使用者の体力や使用目的等に応じて適宜設定すればよいが、例えば棒状体1を練習用として使用する場合には、第1の可撓部12および第2の可撓部14に撓み変形が生じ易いものを使用して、効率の良いスイングを使用者が体感し易いように構成することが好ましい。

以上、本発明の一実施形態について詳述したが、本発明の具体的な態様は上記実施形態には限定されない。例えば、本実施形態においては、横方向の動きにより撓み変形する第1の可撓部12の基端側に、縦方向の動きにより撓み変形する第2の可撓部14を配置することで、横方向の動きよりも縦方向の動きで打撃部30がより大きく変位して、しなりを体感し易いように構成しているが、これとは逆に、第1の可撓部12が縦方向の動きにより撓み変形し、第2の可撓部14が横方向の動きにより撓み変形するように、第1の可撓部12および第2の可撓部14の幅広面の向きをそれぞれ変更することで、使用者に横方向の動きをより体感させ易くすることもできる。第1の可撓部12および第2の可撓部14は、1つの帯状体の途中を捩ることによって、捩り部の両側にそれぞれ形成してもよい。

また、第1の可撓部12および第2の可撓部14は、図4(a)および(b)に断面図で示すように、両者を一体的に被覆する円筒状の被覆管16の内部に収容することもできる。被覆管16は、スチールシャフトやカーボンシャフトなど、通常のゴルフクラブに使用されるシャフトと同様のものを使用することができ、本発明の棒状体を、外観上は一般的なゴルフクラブと同様に構成することができる。第1の可撓部12および第2の可撓部14は、図4(a)および(b)では断面が偏平な矩形状とされているが、図5(a)および(b)に断面図で示すように、複数の直線状の線状体12a,14aを互いに接するように一方向に並列させて一体化することにより、偏平な板状体にした構成であってもよい。

また、図6(a)および(b)に断面図で示すように、円筒状のシャフト18の内周面に形成する厚肉部18a,18a;18b,18bを、シャフト18の長手方向に沿った異なる高さ位置において、それぞれ周方向の異なる位置に配置することで、第1の仮想平面P1および第2の仮想平面P2に沿って撓み変形する第1の可撓部12および第2の可撓部14を構成することができる。第1の可撓部12は、本実施形態では一対の厚肉部18a,18aを互いに対向するように設けているが、いずれか一方のみを設けた構成であってもよい。第2の可撓部14の厚肉部18b,18bについても同様である。厚肉部は、本実施形態のように円筒状シャフトの内周面に形成する代わりに、シャフトの外周面に沿って部分的に形成することも可能であり、多重層により形成することもできる。また、シャフト18に塗布する塗膜の厚みを周方向に沿って変化させたり、カーボンシャフトの場合は、使用するカーボンシートの目付量を部分的に多くする等して、厚肉部を形成することが可能である。第2の可撓部14が把持可能な形状の場合には、第2の可撓部14の基端部が把持部20を兼用する構成であってもよい。

また、本体10における撓み変形の主たる方向を定める形状は、種々の形状であってもよいが、変形方向が視覚的にも明らかな形状であることが好ましい。このような構成としては、本実施形態のような偏平な帯状体以外に、楕円状の断面形状を有する構成を挙げることができる。例えば、図7(a)および(b)に断面図で示すように、第1の可撓部12および第2の可撓部14の断面形状をいずれも楕円状に形成し、それぞれの長径L1,L2が互いに直交するように配置することで、長径L1,L2と直交する第1の仮想平面P1および第2の仮想平面P2に沿って、第1の可撓部12および第2の可撓部14の撓み変形を生じさせることができる。種々の実施形態において、第1の仮想平面P1および第2の仮想平面P2は、本体10の軸線Lにおいて直交することが好ましいが、効率の良いスイングを促すことが可能でれば、直交以外の互いに交差する配置であってもよい。第1の仮想平面P1および第2の仮想平面P2が互いに交差する構成であれば、それぞれの面に沿って棒状体1をスイングすることにより、第1の可撓部12および第2の可撓部14の一方の撓みによる慣性力を利用して、他方のしなりによる大きな弾性エネルギーを棒状体1に確実に蓄積させることができ、ボールを強く正確に打撃することができる。第1の仮想平面P1と第2の仮想平面P2とがなす度は、例えば、爪とギヤとが噛合するラチェット機構などの角度調整機構により、多段階で調整可能な構成にすることもできる。

また、第1の可撓部12および第2の可撓部14は、下記のように形成することもできる。すなわち、図8(a)に展開図で示すように、矩形状の平板100の左右両側にそれぞれ部102,104を形成し、これらの耳部102,104を上下段違いに配置することで、この平板100を円筒状に丸めて本体10を形成する際に、図8(b)に示すように、耳部102,104の先端縁102a,104aを、本体10の周方向の異なる位置に配置する。そして、これら先端縁102a,104aを溶接して筒状の本体10を構成すると、この溶接部W1,W2が、いわゆるスパインと呼ばれる曲げ剛性が高い部分になるため、本体10の上下に、撓み変形方向が互いに異なる第1の可撓部12および第2の可撓部14を形成することができる。スパインの形成は、必ずしも溶接に限定されるものではなく、例えばカーボンシャフトを形成する際にカーボンシートの重なりで生じる肉厚部分をスパインとすることもできる。この構成においては、図8(c)に示すように、本体10に弾性材料等からなるリング状部材19aを外嵌し、第1の可撓部12と第2の可撓部14との間に高剛性部19を配置することにより、第1の可撓部12と第2の可撓部14のしなりが互いに干渉するのを防止することができる。

上記の各実施形態は、いずれも本体10の軸線が直線状に延びる構成であるが、例えば図9に示すように、アドレス時において第1の可撓部12がインパクト時と同様の湾曲形状となるように、第1の可撓部12がスイング方向に予め湾曲した形状であってもよい。このような構成を備える棒状体1を主に練習用として使用することにより、インパクト時の棒状体1のしなりを使用者がアドレス時にイメージし易くなり、練習効率を高めることができる。第2の可撓部14についても、使用者がインパクト時のトゥーダウン現象をイメージし易いように、アドレス時において使用者の前後方向に予め湾曲させた形状にすることができる。第1の可撓部12および第2の可撓部14の湾曲形状は、本実施形態のものに限定されず、使用用途に応じて適宜選択可能である。

第1の可撓部12および第2の可撓部14は、しなりを体感し易い撓み量に関する個人差や、上達の度合い等に応じて、曲げ剛性を調整可能に構成することができる。曲げ剛性を調整可能な構成としては、例えば、第1の可撓部12および第2の可撓部14が帯状に形成されている場合、複数の帯状体を新たに用意して、適宜の枚数の帯状体を第1の可撓部12および第2の可撓部14に積層して連結具で固定する方法を挙げることができる。また、第1の可撓部12および第2の可撓部14が中空筒状の場合には、第1の可撓部12および第2の可撓部14の中空部に挿通したワイヤをペグ等で巻き上げ可能に構成することで、第1の可撓部12および第2の可撓部14に対してそれぞれの両端部間に圧縮力を生じさせて、曲げ剛性を変化させることができる。

第1の可撓部12、高剛性部19および第2の可撓部14は、図10に示すように、把持部20および打撃部30に対して、螺合等により着脱可能に構成することができる。この構成によれば、第1の可撓部12および第2の可撓部14の配置の入れ替えを容易に行うことが出来ると共に、打撃部30について形状が異なるものを複数用意しておくことで、ソール角やライ角の調整を容易に行うことができる。

第1の可撓部12および第2の可撓部14の表裏面には、それぞれ異なる色や模様等を付与してもよい。これにより、使用者のスイングを撮像する等して、第1の可撓部12および第2の可撓部14のしなりの程度を容易に把握することができ、スイングチェックを正確に行うことができる。

また、図11(a)および(b)に示すように、第2の可撓部14の先端部に、しなりによって移動する移動体40を設けてもよい。移動体40は、第2の可撓部14に形成された貫通孔141に挿通される棒体42の両端に、鍔体43a,43bを備えて構成されており、鍔体43a,43bのいずれかと第2の可撓部14との間に隙間が生じるように配置されている。棒状体1のスイング中に、図4(a)に示す第2の可撓部14が下方にしなった状態から、図4(b)に示す第2の可撓部14が上方にしなった状態になると、移動体40は上方へと移動し、鍔体43bが第2の可撓部14に衝突する。使用者は、このときに発生する振動や音により、第2の可撓部14のしなりの状態を把握することができ、効率の良いスイングが行われているか否かをスイング中に確認することができる。第1の可撓部12についても、第2の可撓部14と同様に、しなりによって振動や音等を発生させる構成を備えることができる。

高剛性部19は、本実施形態においては、図2(a)に示すように十字状に形成されているが、上述したように、第1の仮想平面P1に沿う方向の曲げ剛性が第2の可撓部14の同方向の曲げ剛性と同等以上であり、且つ、第2の仮想平面P2に沿う方向の曲げ剛性が同方向の第1の可撓部12の曲げ剛性と同等以上になる構成であれば、材質や断面形状等は特に限定されるものではない。例えば、第1の可撓部12と第2の可撓部14とを接続する部材として円筒状部材を使用する場合には、円筒状部材の外径を太くした構成、円筒状部材の外表面に金属テープ等を巻き付けた構成、円筒状部材に環状体を外嵌した構成、円筒状部材の中空部に充填物を充填した構成等を挙げることができる。高剛性部19は、第1の可撓部12および第2の可撓部14に対して着脱可能に構成することも可能であり、高剛性部19を介さずに、第1の可撓部12と第2の可撓部14とを直接連結できる構成にすることも可能である。使用者が上級者の場合には、高剛性部19を備えない棒状体1であっても上述した使用方法と同様のスイングを行うことが可能であり、第1の可撓部12および第2の可撓部14にそれぞれ所望のしなりを生じさせることができる。

本発明は、ゴルフ以外にも、棒状体でボール状の被打撃物を打撃する広義の各種球技に適用可能であり、例えば、テニスやバドミントンのラケット、アイスホッケーのスティック、野球のバット等にも適用することができる。更に、本発明の球技用の棒状体は、被打撃物を打撃する以外に、野球ボール等のボールの投球練習用として使用することもできる。すなわち、図1に示す棒状体1において、図12に示すように、把持部20を野球ボール等と略同じ大きさを有する球状体にする一方、打撃部30の代わりに球状等の錘体130を設けることにより、棒状体1を構成することができる。図12に示す棒状体1によれば、使用者が把持部20をボールに見立てて投球動作を行うことにより、第1の可撓部12および第2の可撓部14の一方のしなりによる慣性力を利用して他方を大きくしならせる効率の良い投球フォームを容易に体感することができる。

1 球技用の棒状体 10 本体 12 第1の可撓部 14 第2の可撓部 19 高剛性部 20 把持部 30 打撃部 L 軸線 P1 第1の仮想平面 P2 第2の仮想平面

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