Apparatus and method for oxidizing organic materials

申请号 JP53743397 申请日 1997-04-18 公开(公告)号 JP2000512538A 公开(公告)日 2000-09-26
申请人 バッテル・メモリアル・インスティチュート; 发明人 ゲッティング,ジョン・ジー・エイチ; スーマ,ジェフリー・イー; バットナー,アール・スコット; ブライアン,ゲイリー・エイチ;
摘要 (57)【要約】 本発明は、電気化学セルのアノード液の中に高いセリウム濃度を用いることにより有機物質を 酸化 させる方法及び装置である。 本方法及び装置は、更に、超音波ミキサを用いて、電気化学セルの中の有機物質の酸化速度を高める。
权利要求
  • 【特許請求の範囲】 1. 水溶液中の有機物相の混合物を分解する方法であって、 (a) 多孔膜によって分離されたカソード隔室及びアノード隔室を有する電気化学セルを準備する工程と、 (b) 前記アノード隔室の中のアノード液の中の水溶液と約70゜Cよりも高い運転温度では実質的に反応しない酸化剤を準備する工程と、 (c) 前記混合物を乳化させて、前記有機物相の表面積を増大させる工程と、 (d) 前記電気化学セルに電流を流して、前記アノード隔室の中の有機分子を酸化させる工程とを備えること、を特徴とする方法。 2. 請求項1に記載の方法において、前記有機物質は発エネルギ物質であること、を特徴とする方法。 3. 請求項2に記載の方法において、前記発エネルギ物質は、戦争用化学剤及び高性能爆薬から成る群から選択されること、を特徴とする方法。 4. 請求項1に記載の方法において、前記運転温度は、約80゜Cから約1 00℃であること、を特徴とする方法。 5. 請求項4に記載の方法において、前記運転温度は、前記電気化学セルの外側の流体ジャケットによって維持されること、を特徴とする方法。 6. 請求項1に記載の方法において、前記酸化剤がセリウムであること、を特徴とする方法。 7. 請求項6に記載の方法において、前記セリウムの濃度が、約1.0Mから約1.7Mであること、を特徴とする方法。 8. 請求項1に記載の方法において、前記電流密度は、前記有機物質1ポンド当たり少なくとも約4kWhであること、を特徴とする方法。 9. 請求項1に記載の方法において、前記攪拌乳化する工程は、 前記有機物質を超音波ミキサに通す工程から成ること、を特徴とする方法。 10. 請求項1に記載の方法において、更に、カソード液の温度を前記アノード液の温度よりも低い温度に維持する工程を備えること、を特徴とする方法。 11. 請求項10に記載の方法において、前記カソード液の温度は、前記カソード液の凍結温度よりも高いこと、を特徴とする方法。 12. 請求項11に記載の方法において、前記カソード液の温度は、約25゜Cから約70゜Cであること、を特徴とする方法。 13. 水溶液の中の有機物相を分解する装置であって、 (a) 多孔膜によって分離されたカソード隔室及びアノード隔室を有する電気化学セルと、 (b) 前記アノード隔室の中のアノード液の中のセリウムと、 (c) 前記有機物相の表面積を増大させる攪拌乳化機とを備えること、を特徴とする装置。 14. 請求項13に記載の装置において、更に、 前記電気化学セルの温度を上昇させるヒータを備えており、前記電気化学セルに電流を流すことによって、前記アノード隔室の中の前記有機分子を酸化させるように構成されたこと、を特徴とする装置。 15. 請求項13に記載の装置において、前記有機物質は発エネルギ物質であること、を特徴とする装置。 16. 請求項15に記載の装置において、前記発エネルギ物質は、戦争用化学剤及び高性能爆薬から成る群から選択されること、を特徴とする装置。 17. 請求項14に記載の装置において、運転温度が、約30゜Cから約80 ゜Cであること、を特徴とする装置。 18. 請求項14に記載の装置において、セリウムの濃度が、約1.5Mから約1.7Mであること、を特徴とする装置。 19. 請求項14に記載の装置において、前記攪拌乳化機は、前記電気化学セルの前で前記有機物質を混合する超音波ミキサであること、を特徴とする装置。 20. 請求項14に記載の装置において、前記ヒータは、前記電気化学セルの外側に設けられる流体ジャケットであること、を特徴とする装置。 21. 請求項20に記載の装置において、更に、カソード液を冷却するための第2の流体ジャケットを備えること、を特徴とする装置。 22. 有機物質を分解する装置であって、 (a) 多孔膜によって分離されたカソード隔室及びアノード隔室を有する電気化学セルと、 (b) 前記カソード隔室に入る有機物質を混合するための超音波ミキサとを備えており、 (c) 前記電気化学セルに電流を流すことにより前記アノード隔室の中の有機分子を酸化させるように構成されたこと、を特徴とする装置。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】 有機物質を酸化させる装置及び方法 発明の分野 本発明は、一般的に、酸化物を酸化させるための装置及び方法に関する。 より詳細に言えば、本発明は、触媒が再生酸化剤である電気化学的な触媒酸化を用いる装置及び方法に関する。 発明の背景 多くの有機物質は貯蔵され、最終的には廃棄を必要とする。 しかしながら、廃棄は、環境的な規制が高まるにつれて、益々困難になってきている。 また、焼却の如き通常の廃棄方法は、別の廃棄物を生成する可能性があり、また、有機物質が発エネルギ物質である場合には特に、有害物質を発生する可能性がある。 電気化学セルにセリウムを使用することは、1995年5月30日に発行されたSilva et al. の米国特許第5,420,088号によって教示されている。 このSilva et al. のプロセスは、潜在的な触媒物質の固形物から触媒物質を回収することを目的としている。 潜在的な触媒物質の固形物を電気化学セルに入れる前に、油又は有機物質を潜在的な触媒物質の固形物から抽出又は除去するのが好ましい。 しかしながら、有機物質は、潜在的な触媒物質の固形物と共に電気化学セルの中で反応することができるが、触媒物質の回収効率は低い。 電気化学的な触媒酸化技術を用いる切削油の分解が、アノード液であるHNO 3の中の触媒として銀(II)を用いて研究されてきた(Surma et a l.1991)。 この研究は、ほぼ完全な油の分解(99.9>%)が達成されることを示している。 温度、銀の濃度及び電極の電流密度から成る運転パラメータを選択することによる油の分解速度の最適化により、99.9%よりも高い分解効率が得られている。 約70℃までの運転温度が好ましいと言われている。 Bray et al. の研究(1989)は、電気化学的な方法を銀又はセリウムの如き触媒酸化物と組み合わせて用いることにより、有機化合物を分解することができることを示している。 しかしながら、この研究は、セリウムは工業的な有機物酸化プロセスを実行するためには、速度論的に十分な速度を有していないことを示している。 従って、環境、並びに、有機物質を取り扱う人間の両方にとって安全な有機物質の廃棄方法が必要とされている。 発明の概要 本発明は、有機物//酸のエマルジョンのセリウムによる電気酸化は、そのエマルジョンの有機物相に特異的であり、従って、銀よりも高い有機物反応速度を達成するという予測しない発見に基づいている。 従って、本発明は、電気化学セルのアノード液の中に高濃度のセリウムを用いることによって有機物質を酸化させる方法及び装置である。 より詳細に言えば、有機物質は、有機液体(例えば、油)、及び、可燃性固形物質(例えば、紙製品、プラスチック、ゴム、布、テープ及び木材)を含んでいる。 本発明は、セリウムは、ある条件の下で、有機物質(特に、切削油)の分解において少なくとも銀と同程度の効果を示すことができるという発見を含む。 より詳細に言えば、セリウム(IV)による可燃性物質の酸化を行う条件は、温度が高く(すなわち、>85゜C)、電気触媒の濃度が高いことである。 電気触媒としてセリウムを用いると、アノード中の電気触媒の減損がほんの僅かの状態で、触媒電気化学酸化プロセスを連続的に運転することができる。 セリウムの唯一の損失は、隔膜を通ってカソード隔室の中にゆっくりと移動することに起因するものである。 トリムゾル(Trimsol)の分解を行うための電気触媒として銀を用いた場合には、その触媒の一部が、塩素との沈降反応で失われる。 また、アノードをカソードに関して分離する隔膜を横断するセリウムの移動は、銀に関して観察された移動よりも、かなり少ないことが観察された。 電気触媒としてセリウムを使用することは、銀を使用する場合よりも多くの利点を有している。 より詳細に言えば、セリウムは、銀のように塩化物として沈降(析出)ことに起因する損失を生ずることがない。 セリウムは、有害物質又はリストに挙げられた物質ではなく、消尽したアノード液の処分を容易にする。 セリウムを用いるセルの運転は、また、より高い電流密度を用いることができ、これにより、電気触媒が銀である場合よりもより高い効率を生じさせるという利点も有している。 また、セリウムを選択される電気触媒とするという、パイロットプラントの運転に関する他の利点も観察された。 セリウムは、リストに挙げられた化合物でもなく、また、有害な化合物でもないので、セリウム系の電気化学的酸化プロセスを焼却よりも魅的な代替技術とするという別の利点も認識されている。 本方法及び装置は、更に、攪拌乳化機を用いて、有機物相のサイズを減少させると共に有機物相の表面積を増大させ、これにより、電気化学セルにおける有機物質の酸化速度を向上させる。 本発明の目的は、有機物質を酸化させる方法を提供することである。 本発明の上記主題は、本明細書の終結部分に特に指摘され且つ明確に主張されている。 しかしながら、本発明の運転の構成及び方法、並びに、その別の利点及び目的は、同一の参照符号を用いて同一の構成要素を示している添付の図面に関連して以下の説明を参照することにより、最も良く理解することができる。 図面の簡単な説明 図1は、本発明の装置の概略図である。 図2は、油の分解量、並びに、装置のCO 2濃度を時間の関数として示すグラフである。 図3は、種々の運転温度に関する油の分解量と時間との関係を示すグラフである。 図4は、種々の運転温度に関するクーロン効率と時間の関係を示すグラフである。 図5は、力率を温度の関数として示すグラフである。 図6は、例5に関する油の分解量、CO 2濃度及びクーロン効率を時間の関数として示すグラフである。 好ましい実施の形態の説明 本発明の好ましい方法によれば、(a)多孔膜によって分離されたカソード隔室及びアノード隔室を有する電気化学セルを準備する工程と、(b)上記アノード隔室の中のアノード液に、水溶液とは反応しないが有機物相とは反応する酸化剤を加えて混合物を形成する工程と、(c)上記混合物をセリウムと一緒に加熱する工程と、(d)上記加熱された混合物を乳化して上記有機物相の表面積を増大させる工程と、(e)上記電気化学セルに電流を流して上記アノード隔室の中の上記有機物の分子を酸化させる工程とによって、有機物質が分解される。 上記有機物質は、任意の有機物質とすることができるが、本発明のプロセスは、非混和性の有機液体に関して特に有用であり、特に限定するものではないが、 戦争用の化学剤(例えば、サリン(C 410 FO 2 P))、及び、高性能爆薬(例えば、HMX(C 4888 )、RDX、ニトロセルロース、トリニトロトルエン、及び、ニトログリセリン)を含む発エネルギ物質に関して特に有用である。 勿論、あらゆる可燃性有機物質は発エネルギ物質である。 酸化剤は、セリウムであるのが好ましい。 セリウムに関して、電気化学セルは、アノード液に適合する任意の温度で運転することができ、約30゜Cから約1 00゜Cの温度で運転するのが好ましく、更に、約80゜Cから約100゜Cの温度で運転するのが最も好ましい。 セリウムの濃度は、少なくとも約0.5M( モル)である。 セリウムの濃度は、約1.0Mから約1.7Mであるのが好ましく、更に、約1.5Mから約1.7Mであるのが最も好ましい。 セリウムの濃度が高くなればなるほど、電気化学セルをより高い電流密度で、また、より高い電流効率で運転することが可能になる。 電流消費量は、有機物質1ポンド当たり約4kWhから約9kWhの範囲である。 大部分の有機物質は、ほぼ100%のクーロン効率で処理することができる。 すなわち、使用される電力量は、有機物質をCO 2及びH 2 O、並びに、アノード液に存在する可能性がある無機酸に完全に酸化するために必要とされる理論電力に極めて近い。 有機物質を水の中に混合して混合物を形成し、この混合物を攪拌乳化機に通した場合に、より高い効率が得られる。 上記攪拌乳化機は、より完全な混合を行うと共に有機物質を水の中により均一に分布させる。 溶液の場合に、上記攪拌乳化機は、上記有機物質/水の混合物を完全に均質化する。 2相系の混合物の場合に、上記攪拌乳化機は、有機物相を破壊してより小さな「泡」にし、これにより、 混合物を乳化すると共にその表面積を増大させる。 溶液の場合でも、あるいは、 多相系の混合物の場合でも、上記攪拌乳化機は、混合物の物理的性質を改善して電極に良好に接触するようにする。 攪拌乳化機は、任意の攪拌乳化機とすることができ、特に限定するものではないが、超音波振動機及び高速プロペラを挙げることができる。 また、電極を振動させ、液体と電極との間の物質/電荷移動係数を増大させることによって、より高い効率を実現することができる。 本発明の装置が図1に示されている。 電気化学セル100は、多孔膜106によって分離されたカソード隔室102及びアノード隔室104を備えている。 電気化学セル100は、アノード液中の濃度が少なくとも1Mであるセリウムの溶液で満たされている。 セリウムは、一般的に、三価のセリウムイオン(Ce(I II))として存在するので、アノード隔室の中で四価のセリウムイオン(セリウム(IV))に酸化される。 四価のセリウムイオンは、有機物質と反応して該有機物質を分解する。 上記電気化学セルを通って流れる電流は、アノード隔室1 04の中の三価のセリウムイオンを再度酸化させるエネルギを与え、カソード隔室102の中の有機分子を引き続き酸化させる役割を果たす。 供給原料は、定量ポンプ110を有するアノード液のループ(閉回路)108に供給される液体有機物から構成することができる。 代わりに、製紙用パルプ及び木片の如き固形物を、アノード液タンク112のスクリーン(篩)付きのケージ(図示せず)を介してアノード液ループに導入することができる。 アノード液は、攪拌乳化機114を有するアノード液ループ108を通して圧送することができる(ポンプ113)。 攪拌乳化機114は、酸化速度を高めるために有機物の表面積を増大させる役割を果たし、100ワット乃至5,000 ワットあるいはそれ以上のエネルギをアノード液/有機物質の溶液に与えることができる。 この溶液は、乳化された後に、電気化学セルのアノード隔室104に入り、そこで金属触媒が酸化される(例えば、Ce 3+がCe 4+になる)。 セリウム(IV)は、速度論的に速く強力な酸化剤であり、有機分子と反応してこれを酸化させることによって、還元される。 セリウム(IV)は、還元された後に、 電気化学セル100の中で再度酸化される。 この反復操作により、セリウムは、 酸化触媒として作用して、酸化されている物質からアノード116へ電子を搬送する。 アノード液は、電気化学セル100の後に、アノード液タンク112に入る。 このアノード液タンクは、気液分離器及びサージタンクの役割を果たすだけではなく、固形物を酸化させる機能も有している。 アノード液タンク112を出たガスすなわち気体は、凝縮器117に通される。 アノード液タンク112には、固形物の酸化を評価する場合には、物質移動を促進する攪拌機118が設けられる。 アノード液ループ108及びカソード液ループ120の温度、圧力、密度及び流量が測定される。 アノード及びカソードのセル温度は、電気化学セル100の外側の流体ジャケット122との間の熱交換によって、別々に維持することができる。 アノード液の運転温度は、約20゜Cから約100゜Cの範囲とすることができるが、約3 0゜Cから約100゜Cの範囲であるのが好ましく、更に、約80゜Cから約1 00゜Cの範囲であるのが最も好ましい。 運転圧力は、約1気圧の大気圧であるのが好ましい。 加熱操作は、別個に行うか、あるいは、電気化学セルに電流を流すことによって行うことができる。 カソード液の温度は、アノード液の温度とほぼ同じにすることができるが、気体状の窒素酸化物(NO x )の発生を低減させるために、カソード液の温度をアノード液の温度よりも低い温度に維持するのが好ましい。 カソード液を、該カソード液の凍結温度よりも僅かに高い温度まで冷却することができる。 カソード液の温度は、アノード液よりも約30゜Cだけ冷たい約25゜C乃至約70゜Cの温度に維持されるのが好ましい。 カソード液ループ120は、多孔性隔膜106によってアノード液ループ10 8から分離されており、上記多孔性隔膜は、混合作用を最小限にすると共に導電率を維持するように選択されている。 カソード液ポンプ123は、カソード液をカソード液ループ120を通して移動させる。 カソード液ループ120の中における主要な化学反応は、硝酸のHNO 2への還元反応であり、このHNO2の一部は、カソード液タンクからの溶液にO 2をバブリングするすなわち吹き込むことによって、再度酸化される。 補給酸(酸添加装置125)をカソード液ループ120に加えて酸濃度を維持する。 上記酸は、セリウムが溶解することのできる無機酸である。 上記酸は、セリウムに対して高い溶解度を有する硝酸であるのが好ましい。 他の酸としては、硫酸及び塩酸を挙げることができる。 アノード液タンク112及びカソード液タンク128から発生したガスすなわち気体は、NO xを除去した後に、大気に排気される。 ガス配分器(図示せず) が必要に応じて、カソード液の廃ガスのNO x及びアノード液の廃ガスのO 2の調節混合を行う。 また、必要に応じて、上記発生ガスを反応槽(図示せず)に通し、そこで、NOのNO 2への気相触媒酸化を行わせることができる。 NO 2は、N Oよりも迅速に水に吸収されるので、上記反応は、NO xスクラバ124の効率を大幅に向上させる。 ガスは、NO xスクラバを出た後に、大気に排気される。 スクラバの温度は、該スクラバ124を通って伸長している冷却コイル126によって維持される。 実例のためのデータ収集 386コンピュータをAIMAX−PLUSデータ収集/制御ソフトウエアと共に用いて、オペレータの過失が殆ど無い状態で、プロセス制御を行った。 測定されたパラメータを自動的に記録し、コンピュータが、4つの最終的な制御要素を直接制御した。 アノード液及びカソード液の温度を電動弁によって調節した。 この電動弁は、アノード液及びカソード液の温度を設定値に維持するように開閉する。 第3の電動弁が、アノード液ループとカソード液ループとの間の差圧を最小限にした。 (過去においては、上記両ループの一方に圧力が形成されると、隔膜の破断が生じていた。)。 第4の最終的な制御要素は、補給HNO 3の速度、 すなわち、定量ポンプである。 HNO 3の添加により、酸濃度が設定値に維持され、H 2の発生を阻止した。 最終的な制御要素は総て、コンピュータから発生される4−20アンペアの信号によって制御された。 通常の運転の間に、コンピュータは、プロセスダイアグラムを表示し、このプロセスダイアグラムによって、オペレータは制御パラメータを監視する。 測定された総てのパラメータを上記プロセスダイアグラム上に表示し、オペレータに実時間の測定値を与えることができる。 パラメータの測定に加えて、制御システムは、アノード液ポンプ及びカソード液ポンプ、電源の電圧及び電流、並びに、コンピュータによる総ての最終的な制御要素をオーバーライドする機能の手動制御をオペレータに与える。 例 1セリウム又は銀を用いた場合、また、乳化操作を行った場合又は行わない場合について、電気化学セルの中の有機物相の分解を比較するための実験を行った。 この実験においては、攪拌乳化機は、Heat Systems−Ultras onics社(ニューヨーク州Farmingdale)の超音波ミキサMod e1800Dであった。 銀(II)の酸化電位は約1.98ボルトであり、また、セリウム(IV)の酸化電位は、約1.64ボルトであるので、銀はセリウムよりも性能が優れていると予測された。 有機物質は、トリムゾル切削油であった。 乳化操作を行わないテストに関しては、有機物相は、効果的に分解されなかった。 超音波混合操作を行わない場合には、非混和性の有機液体の酸化は、殆ど又は全く検知されなかった。 また、超音波乳化装置の運転を不用意に中断した場合には、有機物の酸化速度は急激に低下した。 乳化操作を行った場合のテストに関しては、下の表1.1にその結果が示されている。 表1.1:有機物分解速度 酸 化 剤 温 度 有機物相の量 有機物分解速度 (゜C) (g/hr) 銀(II) 70 20mlバッチ 24 セリウム(IV) 95 10mlバッチ 24 セリウム(IV) 85 10mlバッチ 6.24 セリウム(IV) 80 10mlバッチ 0.4 銀(II) 70 118ml連続 51 セリウム(IV) 95 116ml連続 60 セリウムの有機物分解速度は、温度によって強く影響される。 銀は、70゜C に関してだけ示されており、その理由は、70℃より高いと銀は、水の分離及び酸素の放出を生じさせるからである。 70℃よりも高い温度におけるテストを試みたところ、約85゜C程度までしか達せず、それよりも高い温度では、水溶液からの酸素の発生によりテストを行うことが困難であった。 有機物分解速度は、 存在する有機物相の量又は濃度の関数でもあり、有機物相の量が減少すると低下する。 従って、セリウムが、10mlの有機物相に関して、20mlの有機物相で始めた銀の分解速度に等しい分解速度を有するということは、セリウムの分解速度は銀の分解速度よりも高いことを示している。 連続運転のテストにおいては、共に最適な運転温度で運転した場合に、セリウムは銀よりも高い分解速度を示している。 セリウムは、高い温度の水溶液と激しく反応することはないが、水溶液を沸騰させないことが好ましい。 例 2サリン(C 410 FO 2 P)の分解を証明するための実験を行った。 水中のサリンに関して、リン酸、フッ化水素及び二酸化炭素に分解させるためには、サリン1モル当たり26ファラデーの電荷、すなわち、サリン1ポンド当たり約5kW hを必要とする。 電気化学セル100は、大気圧において約40゜Cと60゜C との間の温度で運転された。 銀の濃度は約0.5Mであった。 廃ガスを分析することによって、分解効率は、99.9999%よりも良好であると計算された。 従って、サリンに関しては、セリウムを用いることは、銀に比較して、分解効率を何等改善しないように思われる。 例 3本発明に従ってオットー燃料(OTTO Fuel II)の分解を証明するための実験を行った。 OTTO Fuel IIの元素分析の結果は以下の通りであった。 炭素:32.50重量% 水素: 5.22重量% 窒素:12.87重量% 酸素:49.41重量%。 (1)電気化学的酸化を行わない基準又は調節、及び、(2)電気化学的酸化を行う2つのテストを行った。 運転条件は、上記基準テストにおいて電流を通さないことを除いて、両方のテストに関して同一であった。 銀及びセリウムを酸化剤として用いて両方のテストを行って、銀とセリウムとの間の分解性能を比較した。 銀に関する運転条件は、以下の通りであった。 電気触媒の温度=50゜C、 4M−HNO 3 /0.5M−銀、及び、 OTTO Fuelの初期濃度≒1,000ppm。 銀によるOTTO Fuelの全有機炭素(TOC)に関する分解速度は、セルを通る1クーロンの電荷当たり約0.004−0.020ppm−TOCであった。 セリウムに関する運転条件は、以下の通りであった。 電気触媒温度=75゜C、 4M−HNO 3 /1.5M−セリウム、及び、 OTTO Fuelの初期濃度≒2,600ppm。 セリウムによるOTTO Fuelの全有機炭素(TOC)に関する分解速度は、セルを通る1クーロンの電荷当たり約0.025ppm−TOCであった。 これは、セリウムを用いた場合の分解速度が、銀に比較して、少なくとも25%、 また、最大で6倍だけ増大するという予測しない結果を示している。 電気化学セルは、超音波振動を用いて又は用いずに運転されたが、分解性能の差は観察されなかった。 この結果は、予測されたものであり、その理由は、4M −硝酸の中のOTTO Fuelの濃度は、ほぼその溶解度の限界であり、従って、OTTO Fuelは溶液中に存在していたからである。 セリウムによる電気化学セルの運転を約2時間にわたって行った。 その結果、全有機炭素の28% が分解した。 この実験を最後まで行ったと仮定すると、上記条件における完全な分解は、約7時間の間に生じたであろうことが予想される。 例 4切削油、より詳細に言えばトリムゾル切削油の分解を証明するために、実験を行った。 これらの実験は、上に説明し且つ図1に示す触媒電気化学酸化システムで行った。 最初の7つの実験は、トリムゾル切削油を酸化させるための最適運転条件を決定するために行った。 表4.1は、上記7つのテストに関する条件を列挙している。 表4.1:電気触媒としてセリウム(IV)を1.5M/Lの濃度で使用した場合のパラメータを検討するための運転条件: 実験番号 電流密度(アンペア/m 2 ) 温度(℃) 実験 1 3,750 80 実験 2 2,500 80 実験 3 5,000 90 実験 4 5,000 80 実験 5 2,500 97 実験 6 2,500 85 実験 7 3,750 95 上記7つのテストは総て、10mlのトリムゾル油の酸化に関するものであった。 トリムゾル油は、1ml/分の供給速度で10分間にわたって連続的に供給された。 供給が終了した後に、アノード隔室からのCO 2の発生が油が注入される前の基準値に到達するまで、装置を運転した。 図2は、実験5のデータに関するものであって、トリムゾル油が約1時間の間にほぼ完全に分解したことを示している。 図3は、分解速度に与える温度の効果を示しており、また、図4は、クーロン効率に与える温度の効果を示している。 この実験のデータの表現方法は、 その後の総ての実験に関する表現方法を代表するものであって、CO 2濃度のデータが、分解された油の計算値と共に示されており、全分解効率及びクーロン効率のデータが示されている。 図4において約10分の時点でCO 2濃度がシャープに増大していることは、比較的大きなトリムゾル油の初期の分解速度に対応している。 酸化速度は、アノード液の中の油の濃度が減少するにつれて、減少している。 このデータは、酸化速度がアノード液の温度に対して強い関係を有していることを示している。 これは、各々の実験に関して示されたクーロン効率において明らかである。 一般的に、セルが高い温度(すなわち、90゜Cよりも高い温度)で運転された場合に、より高いクーロン効率が得られることが示されている。 実験3及び実験4においては上記傾向の例外が存在している。 その理由は、セルは高い電流密度で運転されていて、アノード表面における副反応(すなわち、 水の酸化:H 2 O→e - +H + +O 2 )によって非効率性が生じているからである。 力率対温度をまとめたものが図5に示されている。 トリムゾル切削油の酸化に関して合理的且つ費用対効果比の良好な性能を得るためには、90℃よりも高い温度においてCEOプロセスを運転する必要があることが示されている。 これらの条件において、トリムゾル切削油の酸化に必要な電力は、分解される切削油1ガロン当たり205kWhであることが観察される。 これは、1ガロンの処理量当たり6.00ドル乃至10.00ドルの範囲のコストに対応する。 例 5連続運転下におけるパイロットプラントの性能を評価するために、3つの追加のテストを行った。 より詳細に言えば、これらのテストは、異なる運転条件下で達成可能な定常状態の分解速度を決定するために行われた。 対象とする主要な運転パラメータは、アノード液隔室の中の切削油の濃度であった。 これらのテストの総括が下の表4.1に示されている。 テスト8のデータが図6に示されている。 アノード液の中の油の濃度が増大するに従って、テスト8の間に、60ml/時の定常状態の酸化速度が得られたことが観察された。 クーロン効率は、テスト1乃至7よりもかなり高く、その理由は、テスト8におけるアノード液の中の油の濃度は、それ以前のテストに比較してかなり高いからである。 テスト9のデータも、CO 2濃度の曲線が平坦になっていることにより証明されるように、定常状態の油の分解速度が得られたことを示しており、また、その分解速度がテスト8の分解速度に極めて近いことを示している。表5.1:パイロットプラントの連続運転を行うための運転条件 テスト8 テスト9 テスト10 電流密度 3,750 2,500 2,500 (アンペア/m 2 ) 温度(℃) 95 95 95 油供給速度 1.8 4.0 1.0−4.0 (ml/分) セリウム濃度 1.5 1.0 1.5 (モル/リットル) テストの継続時間 3 5 8 (時間) 全供給油(ml) 115.42 507 500 テスト9の継続時間全体を通じて、アノード液隔室への油の供給速度を変えた。しかしながら、その平均速度はテスト8の速度に極めて近かった。従って、定常状態の条件は、これら2つのテストに関してほぼ同じであることが予測された。供給速度を4ml/分まで増大させた期間の間に、80ml/時の定常状態の油分解速度が観察された。アノード液の中の有機物(油)の濃度を更に増大させることにより、より高い速度が達成可能であることが予測される。 結言本発明の好ましい実施の形態を図示し且つ上に説明したが、本発明の広い特徴から逸脱することなく、多くの変形及び変更を行うことができることは、当業者には明らかであろう。従って、添付の請求の範囲は、本発明の真の精神及び範囲に入るそのような総ての変形及び変更を包含することを意図している。

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ブライアン,ゲイリー・エイチ アメリカ合衆国ワシントン州99336,ケネ ウィック,サウス・フィルモア 508 (72)発明者 ゲッティング,ジョン・ジー・エイチ アメリカ合衆国ワシントン州99353,ウエ スト・リッチランド,ウエストレイク・ド ライブ 4021 (72)発明者 バットナー,アール・スコット アメリカ合衆国ワシントン州98366,ポー ト・オーチャード,ベイビュー・ドライ ブ・サウス・イースト 7058

    QQ群二维码
    意见反馈