Chair

申请号 JP2008299789 申请日 2008-11-25 公开(公告)号 JP5433832B2 公开(公告)日 2014-03-05
申请人 有限会社ビューティフルライフ; 国立大学法人佐賀大学; 发明人 晃一 田中; 洋基 傳明地; 清美 松尾;
摘要
权利要求
  • 基準点を有する背もたれと、
    水平な前方座と、前記前方座に連設され前記前方座に対して下向きに揺動可能に枢支される後方座とを有する座と、
    上端部が、前記前方座の前端部に枢支される脚当てと、
    前記後方座の後端部と前記背もたれの下端部と を、前記背もたれが起立姿勢から傾斜姿勢まで後傾可能に接続し、前記背もたれが後傾するに伴い、前記基準点から前記後方座までの距離が前記起立姿勢よりも前記傾斜姿勢の方が小さくなるように、前記後方座の後端部と前記背もたれの下端部との位置関係を変更 しつつ前記背もたれを前記後方座に対して傾動させる、傾動機構と、
    前記背もたれの前記下端部と前記脚当ての上端部よりも下方の箇所とを連結し、前記背もたれが後傾するに伴い、前記脚当てを前方へ揺動させる連結機構とを備える椅子。
  • 前記後方座が前記前方座に対して揺動する角度を規制する規制手段をさらに備え、
    前記規制手段により前記角度が規制されるまでは、前記距離が前記起立姿勢における距離のまま一定に保持され、前記背もたれと前記後方座とが一体的に揺動するように、前記傾動機構は、前記後方座の後端部と前記背もたれの下端部とを連結し、
    前記規制手段により前記角度が規制されると、前記距離が前記起立姿勢における距離から小さくなり、かつ、前記背もたれが前記後方座とは独立して揺動するように、前記傾動機構は、前記後方座の後端部と前記背もたれの下端部とを連結することを特徴とする請求項 記載の椅子。
  • 前記規制手段は、前記後方座の側面に当設し前記角度を規制する傾斜面を有する邪魔板を備える請求項 記載の椅子。
  • 前記傾動機構は、前記後方座の前記後端部と前記背もたれの前記下端部と前記基準点との中間の位置とに両端部がそれぞれヒンジ止めされる第1リンクと、前記後方座の前記中間の位置よりも前方の位置と前記背もたれの前記下端部とに両端部がそれぞれヒンジ止めされ、前記第1リンクよりも長く形成される第2リンクとを有する請求項1から のいずれかに記載の椅子。
  • 前記脚当ての側方に、脚部のサイドサポートを付設してなる請求項1から のいずれかに記載の椅子。
  • 说明书全文

    本発明は、椅子に関し、更に詳しくは、理美容院、歯科、鼻科等のサービス(シャンプー、カット、診断、施術など)を提供する施設において好適に利用できる椅子に関するものである。

    従来より、リクライニング機能を備え、着座者が背もたれを後倒して傾斜姿勢乃至仰臥姿勢をとりうるように構成した椅子が実用に供されている。

    図6(a)、(b)は、従来の椅子の側面図である。 椅子は、平な座100と、起立する背もたれ101と、座100と背もたれ101とを揺動可能に枢支する軸103とを備えて構成される。

    一方、着座者は、着座するに際し、大腿103及び腰106を座100の上に載せ、胴体108を背もたれ101に預ける姿勢をとる。 その結果、膝105を軸として、大腿103の前方から下向きに下腿104が垂れ下がり、また、腰106は、軸103の近くに位置する。

    図6(a)の例では、頭部109は、背もたれ101よりもやや上方に位置している。 大腿107は、大転子107をその支点とするが、大転子107は、軸103とは離れた位置にある。

    図6(a)に示される起立姿勢から、着座者或いは介助者が背もたれ101を倒すと、図6(b)に示すような傾斜姿勢となる。 このとき、大転子107が軸103から離れているため、頭部109を含め着座者の上半身が、下方へズレてしまう。 このようなズレは、不快なものであり、着座者が、高齢者、身体障害者、患者のように、介護を必要としたり肉体的あるいは精神的に弱い立場にあるとき、不安を増幅させるもととなる。

    特に、図7(a)に示すように、着座者が浅めに腰掛けていると、図7(b)に示すように、このズレがさらに大きくなってしまう。 着座者の背中或いは腰106付近に皮膚の異常(例えば、褥瘡(じょくそう)、火傷、炎症等)や腰痛等がある場合、ズレを生ずると、着座者に苦痛を与えてしまう結果になる。

    例えば、理美容院においてシャンプーのサービスを着座者に提供しようとする場合、図6(b)、図7(b)の傾斜姿勢よりもさらに、椅子全体を傾け、頭部109を後傾させ例えばシャンプー台の上に載せる必要を生ずることがある。

    そのような場合、ズレを生ずると、着座者が不安・不快になるだけでなく、着座者が健常者でないときは、介助者又はサービスの提供者が、着座者の体を手で支え、頭部がシャンプー台の上に至るまで、移動させなければならない。 このような作業は重労働であり、しかも、サービスの提供者は直ちに作業に入れないことになって時間の無駄が多くなる。

    シャンプー台の上に着座者の頭部を載せようとすると、図8(a)、(b)の状態から、さらに図8(c)に示すようになるが、着座者は脚が異常に持ち上がった状態となり、不快を通り越して苦痛を感じやすい。 特に、着座者に高血圧症や脳卒中歴等がある場合、かかる姿勢は非常に危険である。

    特許文献1(特開2001−149413号公報)は、図9(a)に示すように、座を、前方座部110と、後方座部111とに分割し、さらにこれらの座部110、111とをヒンジ112により、折り曲げ可能に連結する技術を開示する。 これによれば、図9(b)に示すように、背もたれ101を傾斜させるに伴い、後方座部111とを下向きに折り曲げることができ、上記ズレの問題は若干改善できる。

    しかしながら、上述のように、例えば、理美容院においてシャンプーのサービスを着座者に提供しようとする場合のように、図9(c)に示すように、背もたれ101を大きく後ろに傾斜させると、膝105が持ち上がり、大腿103及び下腿104と前方座110との間に、隙間が空いてしまう。 よって、着座者の下半身が不安定になり、不快感を招く。 また、脚部が異常に持ち上がる点では、図8(c)とほぼ同様であり、同程度の危険性がある。

    特開2001−149413号公報

    特開2004−141247号公報

    そこで本発明は、背もたれを傾斜させる一つの動きのなかで、ズレや無理な姿勢を避け、着座者の姿勢を起立姿勢から傾斜姿勢へ安全かつ快適に移行できる椅子を提供することを目的とする。

    第1の発明に係る椅子は、基準点を有する背もたれと、水平な前方座と、前方座に連設され前方座に対して下向きに揺動可能に枢支される後方座とを有する座と、上端部が、前方座の前端部に枢支される脚当てと、後方座の後端部と背もたれの下端部とを、背もたれが起立姿勢から傾斜姿勢まで後傾可能に接続し、背もたれが後傾するに伴い、基準点から後方座までの距離が起立姿勢よりも傾斜姿勢の方が小さくなるように、後方座の後端部と背もたれの下端部との位置関係を変更する、傾動機構と、背もたれの下端部と脚当ての上端部よりも下方の箇所とを連結し、背もたれが後傾するに伴い、脚当てを前方へ揺動させる連結機構とを備える。

    この構成において、背もたれを起立姿勢とし、着座者は、その腰が基準点に当接するように着座する。 この状態では、基準点から後方座までの距離は最大であり、着座者の大転子と後方座の後端部の距離も最大である。

    背もたれを後傾させ、傾斜姿勢とすると、着座者の腰は基準点に当接しているが、本来ならば背もたれとのズレを生ずる。 しかしながら、傾動機構によって、基準点から後方座までの距離が起立姿勢よりも傾斜姿勢の方が小さくなるように、後方座の後端部と背もたれの下端部との位置関係を変更されるため、結果的に、背もたれが着座者の上半身の動きに追随することになり、着座者はズレを感じにくい。 これにより、不安感や不快感を抑制できる。 しかも、後方座を前方座に対して、下向きに揺動させて、一層、着座者の姿勢変更に追随させることができ、着座者は安心して姿勢を変更できる。

    さらに、連結機構を設け、脚当てを前方へ揺動させることにより、脚当てを上げ着座者の下腿に接触させたままの状態を維持できる。 これにより、着座者の膝下方に不快な隙間が生じにくくなるし、着座者の膝が異常に持ち上がり、危険を生ずるようなことはない。 よって、着座者は安心して姿勢を変更できる。

    第2の発明に係る椅子は、後方座が前方座に対して揺動する度を規制する規制手段をさらに備え、規制手段により角度が規制されるまでは、距離が起立姿勢における距離のまま一定に保持され、背もたれと後方座とが一体的に揺動するように、傾動機構は、後方座の後端部と背もたれの下端部とを連結し、規制手段により角度が規制されると、距離が起立姿勢における距離から小さくなり、かつ、背もたれが後方座とは独立して揺動するように、傾動機構は、後方座の後端部と背もたれの下端部とを連結する。

    この構成により、規制手段により、距離が起立姿勢における距離のまま一定に保持される状態と、距離が起立姿勢における距離から小さくなる状態とを、確実に切り替えることができる。 また、距離が起立姿勢における距離から小さくなる状態では、背もたれが後方座とは独立して揺動するため、大腿部の位置が保持され、着座者は安心して姿勢を変更できる。

    第3の発明に係る椅子は、規制手段は、後方座の側面に当設し角度を規制する傾斜面を有する邪魔板を備える。

    この構成により、シンプルな構成で、しかも確実に、揺動する角度を制御できる。

    第4の発明に係る椅子は、傾動機構は、後方座の後端部と背もたれの下端部と基準点との中間の位置とに両端部がそれぞれヒンジ止めされる第1リンクと、後方座の中間の位置よりも前方の位置と背もたれの下端部とに両端部がそれぞれヒンジ止めされ、第1リンクよりも長く形成される第2リンクとを有する。

    この構成により、シンプルな構成で、しかも確実に、傾動動作を実現できる。 ここで、傾動機構として、ガイド溝と、それに係合する爪等を用いることも考えられるが、そうすると、ガイド溝にゴミがたまるような不具合を生ずるおそれがある。 この構成によれば、そのような不具合を未然に防止できる。

    第5の発明に係る椅子は、脚当ての側方に、脚部のサイドサポートを付設してなる。

    この構成により、着座者の下腿を側方からサポートすることができ、着座者の脚が弱っているような場合でも、安全性、安心感を向上できる。

    第6の発明に係る椅子は、背もたれが起立姿勢にあるとき、後方座は前方座に対して小角度をなして下向きに傾斜するように保持される。

    この構成により、起立姿勢において、着座者は、既に大腿に対して腰が下となる姿勢をとることができ、安全性、安心感を向上できる。

    本発明によれば、背もたれの動きを着座者の上半身の動きに追随させ、不快なズレを抑制し、安全性、安心感を向上できる。

    後方座を前方座に対し下向きに揺動させることができるだけでなく、連結機構により脚当てを上げ着座者の下腿に接触させたままの状態を維持することができるため、危険を避け、着座者は安心して姿勢を変更できる。

    次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。 図1は、本発明の一実施の形態における椅子(起立姿勢)の斜視図、図2は、同傾斜姿勢の椅子の斜視図である。

    図1に示すように、この椅子は、フレーム1を有し、全ての要素は、フレーム1に対して移動可能あるいは移動不能に設けられる。 図1に示す椅子は、理美容院において、シャンプー、カット等のサービスを着座者(介護を必要とする方を含む。)に提供するのに適するように配慮された椅子である。 このため、フレーム1には、四個程度の小車輪2と、二個程度の大車輪3とが、回転自在に支持されている。 つまり、この椅子は、車椅子でもある。

    この椅子を用いると、後に詳述するように、背もたれを傾動させる際あるいは起立させる際における上半身のズレを抑制できる。 しかしながら、このようにズレを抑制できる椅子は、着座者が健常者である場合にも、着座者に快適さをもたらすものであり、理美容院だけでなく、歯科、耳鼻科等、着座者が起立姿勢から傾斜姿勢をとる施設においても、好適に利用でき、本発明の対象となる椅子には、そのような用途に供される椅子を含まれる。 ズレを抑制できるため、着座者はその体型によらず、仮に着座者に腰痛があっても、楽に寝起きができる。

    メカニズムの詳細は、後述するが、この椅子は、図1に示す起立姿勢と、図2に示す傾斜姿勢、及びそれらの中間の姿勢をとりうる。 左右一対の水平な肘掛け4が、フレーム1から斜め上方に延びるアーム4aの先端に、片持ち梁状に固定され、着座者は、肘掛け4の上に左右それぞれの肘を載せうるようになっている。 ここで、アーム4aを無段階に伸縮できるように構成すると良く、着座者の肘の高さに合わせて、肘掛け4の高さを無段階に調整できるようにするのが好ましい。

    この椅子は、座7と、座7の前端部から下向きの脚当て8と、脚当て8の下端部からほぼ直角に屈曲する足載せ9とを有する。 脚当て8の両側には、好ましくは、左右一対のサイドサポート8aを配置する。 サイドサポート8aは、その上端部を脚当て8に枢支し、サイドサポート8aの中程及び下部を、サイドサポート8aの上端部を中心として、上向きに跳ね上げられるようにすることが好ましい。

    こうすると、サイドサポート8aが、着座者の下腿を側方からサポートし、着座者の脚力が弱っているような場合でも、サイドサポート8aが添え棒の役割を果たし、椅子から下腿が横にずれて外れてしまわないようにすることができる。 それにより、安全性、安心感を向上できる。

    背もたれ5は、体圧分散できるように着座者の脊椎に沿う形状とすることが望ましい。 図3に示すように、背もたれ5には、着座者の脊椎が腰付近でS字状に湾曲するのにあわせて、前方に突出する腰当て部5aが形成される。

    また、図1に示すように、背もたれ5の上部には、枕6が着脱自在に取り付けられる。 枕6は、望ましくは、背もたれ5に対して、着座者の座高にあわせて無段階に高さ調整できるようにする。 さらに望ましくは、サービス(例えば施術など)の種類に合わせて、大小様々な形状の枕を選択的に取り付けられるようにすると良い。

    望ましくは、背もたれ5及び座7等を脱着可能に形成し、着座者の体重にあわせて、最適なものを選択的に取り付けられるようにすると良い。

    図示していないが、背もたれ5の後方に、椅子全体を押し引きして移動させるためのハンドル機構を設けるのが望ましい。 さらに、そのハンドル機構の高さを着座者の身長に合わせて上下できるようにするのも望ましい。

    また、図示していないが、椅子に昇降機構を設け、足踏みレバーにより、この昇降機構を作動させ、提供するサービスにあわせた高さに設定し、サービスの提供者が腰痛を起こさないようにしたり、着座者が座ったり立ったりするのに適する高さに設定したりすることが望ましい。

    図3は、起立姿勢にあるときの椅子を示し、図4は、中間姿勢にあるときの椅子を、図5は、傾斜姿勢にあるときの椅子をそれぞれ示す。

    図3に示すように、座7は、水平な前方座10と、前方座10に連設され前方座10に対して下向きに揺動可能に枢支される後方座11とを有する。 前方座10は、フレーム1に対して移動しないように水平に固定される。

    前方座10の後端部と、後方座11の前方とは、ヒンジ12により揺動可能に連結される。

    背もたれ5が、図3に示される起立姿勢にあるとき、後方座11は前方座10に対して小角度θ1をなして下向きに傾斜するように保持される。 小角度θ1は、約3度乃至約5度程度とすることが望ましい。

    図3に示される起立姿勢にあるときは、背もたれ5や後方座11等には、着座者の体重やサービスの提供者による力は作用しない。 このとき、空気シリンダ31のロッド33が最も延びた状態にある。 なお、言うまでもないが、空気シリンダは例示に過ぎず、バネ等の弾性材を使用することもできる。

    空気シリンダ31の基端部が軸支部32により、邪魔板30(フレーム1に固定される)に揺動自在に軸支され、ロッド33の先端部が、軸支部14により、背もたれ5の下端部に揺動自在に軸支されている。

    このため、空気シリンダ31による付勢力が作用し、軸支部14と軸支部32とは、最も離れた位置にあり、後方座11は、最も上方に位置し、背もたれ5は最も起きた位置にある。 このような位置が、起立姿勢である。

    後方座11のヒンジ12よりも前方は、その法線方向が斜め上を向く傾斜となっており、後方座11の後端部には、傾動機構20が設けられる。

    傾動機構20は、第1リンク23と第2リンク21とを有する。 図3の例では、第2リンク21は、第1リンク24よりも長く形成される。

    第1リンク23の両端部は、後方座11の後端部と背もたれ5の下端部にある軸支部14と腰当て凸部5aとの中間の位置とに、それぞれヒンジ24、25により揺動自在に連結される。 本形態では、腰当て凸部5aを基準点とするが、背もたれ5の他の一定点を基準点としても良い。 また、第2リンク21の両端部は、後方座11の中間の位置よりも前方の位置と背もたれ5の下端部にある軸支部14とに、それぞれヒンジ22と軸支部14とにより揺動自在に連結される。

    椅子が図3に示される起立姿勢にあるとき、第1リンク23の前方下側の角部23aは、第2リンク21の側面に当接している。

    第2リンク21は、空気シリンダ31からの付勢力を受けて、ヒンジ22を中心として図3の反時計回りに回動すべく第1リンク23を押し上げようとするが、角部23aは、第2リンク21の側面に当接しているため、第2リンク21は、図3の位置を保持する。 その結果、背もたれ5も図3の位置を保持する。

    邪魔板30は、規制手段に相当し、後方座11の側面に当設し後方座11の角度を規制する傾斜面30aを有する。

    しかしながら、図3の起立姿勢では、空気シリンダ31の付勢力により、傾斜面30aは、後方座11の側面から離れており、後方座11は、ヒンジ12を中心として、図3の位置からさらに時計回りに回動することができる。

    脚当て8の上端部は、前方座10の前端部にヒンジ35により揺動自在に枢支される。 また、背もたれ5の下端部にある軸支部14と、脚当て8の上端部よりも下方の箇所とは、ヒンジ36と軸支部14とにより、連結リンク37に揺動可能に連結される。 連結リンク35は、連結機構に相当する。

    このような連結リンク35を設けたので、図4〜図5に示すように、背もたれ5が後傾するに伴い、脚当て8が前方へ揺動する。

    図3に示す起立姿勢では、背もたれ5が最も起きた状態にあり、連結リンク35は、最も後方へ引き込まれた位置となる。 その結果、脚当て8は、側面視で垂直よりも内側(背もたれ5側)に入り込む位置となる。

    そのため、着座者が椅子に着座しようとするとき、着座者の下腿が脚当て8に干渉せず着座者は楽に椅子に着座できる。 逆に、着座者が椅子から立ち上がろうとするときも脚当て8が干渉せず、着座者は体重を楽に支えることができる。 このような配慮は、着座者の身体動作に不自由があるとき、極めて重要になる。

    着座者が図3に示す起立姿勢において着座した後、着座者自身の体重により、あるいはサービスの提供者が介助して、背もたれ5を傾け始めると、図4に示す中間姿勢までは、角部23aと第2リンク21の側面とが当接したまま、ヒンジ12を中心として、後方座11、傾動機構20、背もたれ5、連結リンク37、脚当て8が一体的に揺動する。

    つまり、邪魔板30により後方座11の角度が規制されるまでは、腰当て凸部5aから後方座11までの距離が起立姿勢における距離t1のまま一定に保持され、背もたれ5と後方座11とが一体的に揺動する。

    図4に示す中間姿勢では、後方座11と邪魔板30の傾斜面30aとが当接する。 このため、これ以降、後方座11は、ヒンジ12を中心に図4の時計方向に揺動できなくなり、後方座11の角度が規制される。

    なお、図3の起立姿勢から図4の中間姿勢に至ると、空気シリンダ31から突出するロッド33の長さはやや短くなり、連結ロッド37はやや前方へ移動する。 その結果、脚当て8がほぼ垂直かあるいはそれよりも前方へ傾き、脚当て8は、着座者の下腿を軽く前方へ向けて支えることになる。

    上述したように、図4の中間姿勢以降では、後方座11の揺動は規制され、前方座10と後方座11とがなす角は、最大角度θ2となる。 最大角度θ2は、例えば約30度程度とすることが望ましい。

    図4の中間姿勢から更に背もたれ5を傾けると、「背景技術」の項で指摘したズレを生じやすい。 しかしながら、本形態では、次に述べるように、後方座11の角度が規制されると、腰当て凸部5aから後方座11までの距離が、起立姿勢における距離t1から小さくなり、かつ、背もたれ5が後方座11とは独立して(後方座11は停止している)揺動する。

    図5に示すように傾斜姿勢に至ると、空気シリンダ31のロッド33は更に空気シリンダ31に入り込み突出するロッド33は殆どゼロになる。 しかしながら、これは例示に過ぎず種々変更できる。

    後方座11の揺動が規制された状態で、背もたれ5を更に傾けると、第2ロッド21と第1ロッド23の角部23aが離れ、これらのロッド21、23が開いてゆく。

    その結果、背もたれ5は下方へ潜り込むような軌跡を描き、上記距離は小さく(距離t2<t1)なる。 即ち、ちょうど腰当て凸部5aが着座者の腰の動きに追随するようになり、上記ズレが生じない。

    また、背もたれ5の下端部が下向き前方へ入り込む動きに伴い、連結ロッド37が前向きに押し出されるため、脚当て8が斜め前方へ移動する。 その結果、 着座者は、図5に示すようにフルリクライニングするに伴い、下腿を自然に上向きに押し上げられることになり、着座者は腰に負担を感じることなく、楽に傾斜姿勢乃至仰臥姿勢をとることができる。

    逆に図5に示す傾斜姿勢から背もたれ5を起こすと、図4の中間姿勢を経て図3の起立姿勢に至る。 この間にも、不快なズレを生ずることなく、着座者は、起立姿勢をとって、椅子から立ち上がることができる。

    本発明の一実施の形態における椅子(起立姿勢)の斜視図

    本発明の一実施の形態における椅子(傾斜姿勢)の斜視図

    本発明の一実施の形態における椅子(起立姿勢)の側面図

    本発明の一実施の形態における椅子(中間姿勢)の側面図

    本発明の一実施の形態における椅子(傾斜姿勢)の側面図

    (a)従来の椅子の(起立姿勢)の側面図 (b)従来の椅子の(中傾斜姿勢)の側面図

    (a)従来の椅子の(起立姿勢)の側面図 (b)従来の椅子の(中傾斜姿勢)の側面図

    (a)従来の椅子の(起立姿勢)の側面図 (b)従来の椅子の(中傾斜姿勢)の側面図 (c)従来の椅子の(大傾斜姿勢)の側面図

    (a)従来の椅子の(起立姿勢)の側面図 (b)従来の椅子の(中傾斜姿勢)の側面図 (c)従来の椅子の(大傾斜姿勢)の側面図

    符号の説明

    1 フレーム2 小車輪3 大車輪4 肘掛け5 背もたれ5a 腰当て凸部6 枕7 座8 脚当て8a サイドサポート9 足載せ10 前方座11 後方座12、22、24、25、35、36 ヒンジ14、32 軸支部20 傾動機構21 第2リンク23 第1リンク23a 角度30 邪魔板30a 傾斜面30b 角部31 空気シリンダ33 ロッド37 連結リンク

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