Vibration isolation mount for ambulance

申请号 JP29951098 申请日 1998-10-21 公开(公告)号 JP3115864B2 公开(公告)日 2000-12-11
申请人 株式会社デルタツーリング; 发明人 一義 千▲柄▼; 豊 坂本; 悦則 藤田;
摘要
权利要求 (57)【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 フロアに対し複数のレバーを介して揺動自在に取り付けられた下部フレームと、該下部フレームに対しリンク機構を介して上下動自在に取り付けられた上部フレームとを備え、上記下部フレームと上部フレームのそれぞれに取り付けられ反発磁極が対向する第1の永久磁石の反発力により上下振動を抑制するとともに、
    急ブレーキによる前方への加速度が入力されると、上記複数のレバーにより決定される上記下部フレームの瞬間回転中心廻りの重力片振り子運動により、上記下部フレームとフロアとに取り付けられたコイルスプリングの付勢力あるいは上記下部フレームとフロアの間に設けられ反発磁極が対向する第2の永久磁石の反発力に抗して、
    上記下部フレームが前方に揺動し、上記上部フレーム及び下部フレームの前部側を持ち上げる一方、後部側を下降させるようにして、上記前方への加速度を抑制するとともに、上記下部フレームの前方への揺動により、上記下部フレームに対して上記上部フレームを下降させて上記前方への加速度を抑制するように、上記複数のレバー及び上記リンク機構を構成したことを特徴とする救急車用除振架台。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【発明の属する技術分野】本発明は、傷病者を搬送する救急車内に設けられ、傷病者が乗せられた担架の乗り心地を改善する救急車用除振架台に関する。

    【0002】

    【従来の技術】救急車用除振架台の除振機構は、油圧、
    空気サスペンションを用いたものが大半を占めており、
    現在までに様々な乗り心地改善へ向けての対策がなされている。 また、アクティブ制御を行うことにより乗り心地を改善した除振機構も提案されている。

    【0003】

    【発明が解決しようとする課題】救急車の走行には、車の流れに沿って走行する通常走行と緊急走行時の特別走行とがあり、この走行差により乗り心地が異なる。

    【0004】そこで、除振架台の乗り心地に対する効果を確認するために、国産車及び輸入車のうちで代表的な2種類の救急車による実車走行を行い、救急車の床と担架上に寝ている人の腰部における前後・左右・上下方向の加速度を測定し、解析を行ったところ、高周波領域(10〜20Hz)は、効果的に絶縁されているが、特に前後・上下方向の低周波振動(0.1〜10Hz)が効果的に抑制されておらず、生体共振の中で特に内臓共振による容体の悪化、ノーズダイブによる血圧変動(血液が頭部に集中する感覚)、傷病者の車酔いや車体と除振架台のサスペンション調整のアンマッチという問題があった。

    【0005】本発明は、従来技術の有するこのような問題点に鑑みてなされたものであり、除振架台のサスペンションメカニズムに磁気ばねと磁気ダンパを利用することにより、急停車、急減速に起因する患者の不快感を抑制し、乗り心地を改善した救急車用除振架台を提供することを目的としている。

    【0006】

    【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明の請求項1に記載の救急車用除振架台は、フロアに対し複数のレバーを介して揺動自在に取り付けられた下部フレームと、該下部フレームに対しリンク機構を介して上下動自在に取り付けられた上部フレームとを備え、上記下部フレームと上部フレームのそれぞれに取り付けられ反発磁極が対向する第1の永久磁石の反発により上下振動を抑制するとともに、急ブレーキによる前方への加速度が入力されると、上記複数のレバーにより決定される上記下部フレームの瞬間回転中心廻りの重力片振り子運動により、上記下部フレームとフロアとに取り付けられたコイルスプリングの付勢力あるいは上記下部フレームとフロアの間に設けられ反発磁極が対向する第2の永久磁石の反発力に抗して、上記下部フレームが前方に揺動し、上記上部フレーム及び下部フレームの前部側を持ち上げる一方、後部側を下降させるようにして、上記前方への加速度を抑制するとともに、上記下部フレームの前方への揺動により、上記下部フレームに対して上記上部フレームを下降させて上記前方への加速度を抑制するように、上記複数のレバー及び上記リンク機構を構成したことを特徴とする。

    【0007】

    【0008】

    【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。 図1は、本発明の実施の形態1にかかる救急車用除振架台Aを示しており、
    フロアに前後方向に揺動自在に取り付けられた一体構成の下部フレーム2a,2bと、下部フレーム2a,2b
    に対し上下動自在に取り付けられた上部フレーム4と、
    上部フレーム4に対し前後方向に摺動自在に取り付けられた頂板6とを備えている。

    【0009】下部フレーム2a,2bの各々には、その下面にアルミニウム等の導体8a,8bが固定されており、導体8a,8bは、フロアに立設された支持プレート10a,10bにレバー12a,12bを介して前後方向に揺動自在に取り付けられている。 各導体8a,8
    bの両側には永久磁石14a,14bが所定距離離間した状態でフロアに固定されている。

    【0010】また、上部フレーム4は下部フレーム2に対し、Xリンク16a,16b及びパンタグラフ18
    a,18bを介して連結されている。

    【0011】Xリンク16a,16bの各々は、上部及び下部フレーム4,2に一端が枢着された2本の長レバー20,22と、長レバー20,22の他端に一端が枢着された2本の短レバー24,26からなり、長レバー20,22はその中間部が互いに枢着される一方、短レバー24,26の他端は上部及び下部フレーム4,2に立設された支持部材28,30に枢着されている。

    【0012】また、パンタグラフ18a,18bの各々は、略く字状に枢着された2本のレバーが前後対称に配設された4本のレバー32,34,36,38からなり、レバー32,36の上端は上部フレーム4に枢着される一方、レバー34,38の下端は下部フレーム2
    a,2bに枢着されている。 さらに、略く字状に枢着されたレバー32,34及びレバー36,38の枢着部にはコイルスプリング40が係止せしめられ、上部フレーム4の押し上げ力を発生している。

    【0013】下部フレーム2a,2bの幅方向中央部には永久磁石42,44が固定され、永久磁石42,44
    と反発(同一)磁極が対向する永久磁石46,48が上部フレーム4に固定されており、互いに対向する永久磁石42と46あるいは44と48の反発力により上部フレーム4の押し上げ力を発生している。 また、頭部側に位置する下部フレーム2aの一端は、フロアに立設された支持部材50にショックアブソーバ52及びコイルスプリング54を介して連結されている。

    【0014】さらに、頂板6は上部フレーム4に対しスライダ56a,56bを介して前後方向に摺動自在に取り付けられており、頂板6の頭部側及び足部側の下面にそれぞれ二つの突設部58a,58bを固定する一方、
    上部フレーム4の上面に固定された突設部60を前記二つの突設部58a,58bの中間に配設し、上部フレーム4の突設部60と頂板6の突設部58a,58bとの間にコイルスプリング62a,62bとゴムダンパ(図示せず)をそれぞれ介装することにより頂板6は上部フレーム4の所定位置に保持されている。

    【0015】なお、上記構成において、上部及び下部フレーム4,2と頂板6に取り付けられた部材のうち、永久磁石42,44,46,48、ショクアブソーバ5
    2、コイルスプリング54等は除振架台Aの幅方向中央部に設けられており、他の部材は除振架台Aの両側に設けられているが、図1では片側のみ示されている。

    【0016】上記構成の本発明にかかる救急車用除振架台Aの作用を以下説明する。 まず、図2に示されるように、傷病者、担架、救急車用除振架台Aの質量をそれぞれm 0 、m 1 、m 2とし、突設部60と突設部58a,5
    8bの間に設けられたコイルスプリング62a,62b
    のばね定数とゴムダンパの減衰係数をそれぞれk 1
    2 、C 1 、C 2とする。 また、パンタグラフ18a,1
    8bに設けられたコイルスプリング40のばね定数をk
    3 、対向する二つの永久磁石42,46あるいは44,
    48で構成される磁気ばねのばね定数をk 4 、下部フレーム2aに取り付けられたコイルスプリング54のばね定数をk 5 、永久磁石14a,14bと導体8a,8b
    とで構成される磁気ダンパの減衰係数をC 3mg 、下部フロア2aに取り付けられたショックアブソーバ52の減衰係数をC 4とする。

    【0017】本発明にかかる救急車用除振架台Aにおいては、急ブレーキや突起の乗り越えによって発生する生体のピッチング振動と頭足方向(前後方向)の加速度を抑制する手段として、頭部の動きを上方向にのみ規制する手段としての下部フレーム2a,2bとフロアとの瞬間中心廻りの擬似重力片振り子運動と、質量m 0 +m 1の車両進行方向と同一の並進運動を除振機構に利用している。 これは、アクティブ制御方式において、重力加速度を利用して急ブレーキ時発生する約0.5Gの加速度を軽減する方法の代わりに、図3のように急ブレーキによる加速度の反動を利用して質量m 0 +m 1重心位置を後方に移動し、後側の金属ばね(k 3 )と磁気ばね(k 4
    を作用させ、除振架台Aの傾きθを大きくする。 この時、図4に示されるように、急ブレーキによる加速度の架台進行方向成分を重力加速度の架台進行方向成分により減少する。 その残りを金属ばね(k 1 、k 2 )とゴムダンパ(C 1 ,C 2 )及び磁気ダンパ(C 3 )で減衰させる。

    【0018】また、金属ばね(k 5 )とショックアブソーバ(C 4 )により、図5のように除振架台Aの初期傾斜θ 0を与える。

    【0019】さらに詳述すると、傷病者を乗せた担架を除振架台Aに載置した状態では、図5に示されるように、上部フレーム4はコイルスプリング54とショクアブソーバ52により初期傾斜角θ 0に保持されている。
    この時、急ブレーキにより例えば約0.5Gの加速度が入力されると、コイルスプリング62aの付勢力に抗して、除振架台Aは、図2に示される点Oを瞬間回転中心として頭部側(前方)に揺動する。 次ぎに、加速度の反動すなわちコイルスプリング62aの付勢力によりm 0
    (傷病者)+m 1 (担架)の重心位置が後方に移動して、足部側のパンタグラフ18bと磁気ばね44,48
    に大荷重が加わり、図3に示されるように上部フレーム4の傾斜角θが大きくなる。 傾斜角θが大きくなると、
    図4に示されるように、急ブレーキによる加速度の前方成分は重力加速度の後方成分により減衰させるとともに、重力加速度の後方成分により減少できなかった残りの成分は、コイルスプリング62a,62bのばね力と、ゴムダンパの減衰力と、永久磁石14a,14bと導体8a,8bとの電磁誘導による減衰力により減衰させる。

    【0020】次に、上下振動を抑制する手段としては、
    磁気ばねの振動特性を利用する。 図6は、上下方向振動に対応する除振機構のばね特性と加速度振幅0.3Gのサイン波で加振した時の各周波数でのばね上の応答振幅を表している。 磁気ばね力と変位の関係は、式(3)、
    (4)で求められ、金属ばねと変位の関係はリンク構造による力の変換を考慮して求めた。 これは、実測値と5
    %のバラツキ内で収まっている。

    【0021】図6及び図7に示されるように、予め平衡点Pに設計されたパンタグラフが突起物等によるフロアの衝撃変位によって圧縮されると負のばね特性によりパンタグラフはさらに圧縮され、ばね上架台は重力方向に押し下げられる。 そして、下死点で速度が0に近づいた時に(突起の頂点付近到達時に対応)、静的な磁気ばねと金属ばねの合成ばねの正の特性により、上方向に押し戻しが開始する。

    【0022】一方、振動している状態では、パンタグラフの負のばね特性に対して、図6の点Qのように正の特性として動的な磁気ばねが作用する。 パンタグラフと動的な磁気ばねの合特性が擬似的にk=0の状態となって、共振点がほぼなくなり、伝達率を低減する。

    【0023】具体的には、振り子の振動数は、

    【数1】

    で与えられ、金属ばね(k

    5 )の固有振動数は、fより高めの値に設定する。 ショックアブソーバ(C

    4 )と磁気ダンパ(C

    3 )で減衰を与えるが、磁気ダンパの減衰係数は近似的に、

    【数2】

    で表される。 ここで、p:磁束の個数、B:磁束密度


    h:導体の厚さ、A:磁束の面積、α:実験的補正係数、ρ:導体の電気抵抗率である。

    【0024】また、磁気ばねによる力は、

    【数3】

    で与えられ、k

    m 、F

    0を定数として負荷質量との平衡点位置での磁石間距離zを選ぶことで、任意のばね定数が設定できる。 一例として、磁石とそのストローク範囲での平衡点付近及び最下端付近の磁気ばねによる力は、それぞれ

    【数4】

    に設定される。

    【0025】磁気ばねの固有振動数は、負荷質量をmとした場合、

    【数5】

    で与えられる。

    【0026】図6には、使用した磁気ばねの静的ばね定数、動的ばね定数の実測値も示されている。

    【0027】質量が56kg、72kg、82kgの3
    人の被験者とサスペンションのチューニングが硬い国産A車、柔らかい輸入B車による実車走行により、後輪車軸上の床面(除振架台支持部)及び担架上に寝ている人の腰部での、前後、左右、上下方向の加速度を測定した。

    【0028】また、床面の加速度の大きいA車とほぼ同一の加速度を再現する模擬車両C車に、本発明にかかる磁気ばね式除振架台Aを装着して舗装路を実車走行し、
    加速度の測定と官能評価を実施した。

    【0029】図8及び図9は、実車走行によるフロア上の加速度のPSD(Power SpectralDensity)と担架上の生体腰部における前後方向及び上下方向の加速度伝達率をそれぞれ示している。 磁気ばね式除振架台Aは、前後方向の振動に対して2Hz、上下方向の振動に対して3
    Hz付近に共振周波数を持ち、フロアのそれぞれの共振周波数0.4Hz及び2Hzを外している。

    【0030】図8の前後方向の振動については、0.3
    〜1Hz付近及び3Hz付近にある低周波領域での性能改善の効果が認められ、0.6〜4Hz近辺に共振点を持つ頭足部の共振が生じにくい。

    【0031】ここで、V:車速、L:ホイルベース長、
    路面形状成分をn次とした場合の上下振動ホイルベースのn次固有周波数は、

    【数6】

    で求められ、図9を見ると、最高時速80km/hまでの車速に対応する振動数成分4〜8HzでA車、B車と比較してC車は内臓共振が緩和されている。

    【0032】また、Griffinの提案するSEAT値(Sea
    t Effective Amplitude Transmissibility)を利用してフロア面と人体の腰部の振動エネルギー比を評価すると、従来品は145〜155の値を示す。 一方、本発明品は135となり、10%前後の振動エネルギー低減効果が認められる。

    【0033】さらに、模擬車両を用いて行った官能評価は以下の通りであった。 ・急ブレーキ時の頭の下がり方がかなり緩和されている。 ・車体の振動が担架に伝わってこない。 ・衝撃を受けた際、足が跳ね上がらず、引っ付いた感じである。 ・性能は従来品よりよい。 ・ローリングも良くなっている。

    【0034】図10は、本発明の実施の形態2にかかる救急車用除振架台A1を示しており、フロアに前後方向に摺動自在かつ揺動自在に取り付けられた下部フレーム72と、下部フレーム72に対し上下動自在に取り付けられた上部フレーム74とを備えている。

    【0035】下部フレーム72は、その前部及び後部に設けられた複数のスライダ76,…,76を介してフロアに前後方向に摺動自在に取り付けられるとともに、複数のレバー78,80を介してスライダ76,…,76に揺動自在に取り付けられている。 レバー78は、その下端が下部フレーム72に枢着されるとともに、その上端がスライダ76の上部に立設された支持プレート82に枢着されている。 一方、レバー80は、その上端が下部フレーム72に枢着されるとともに、その下端がスライダ76の上部に立設された支持プレート84に枢着されている。

    【0036】また、上部フレーム74は下部フレーム7
    2に対し、y字状リンク及びく字状リンクを介して上下動自在に連結されている。

    【0037】y字状リンクの各々は、長レバー86と短レバー88からなり、長レバー86の上端は上部フレーム74に枢着されるとともに、その下端は別のレバー9
    0の下端に枢着されており、レバー90の上端は下部フレーム72の上面に固定されたブラケット92に枢着されている。 一方、短レバー88の上端は長レバー86の中間部に枢着されるとともに、その下端は下部フレーム72に枢着されている。 また、下部フレーム72の両側に位置する2本の長レバー86の下端及び2本の短レバー88の下端はロッド94,96でそれぞれ連結されており、ロッド94,96に係止された複数のコイルスプリング(図示せず)により上部フレーム74の持ち上げ力を発生している。

    【0038】一方、く字状リンクは、互いに枢着された2本のレバー98,100からなり、レバー98の上端は上部フレーム74に枢着されるともに、レバー100
    の下端は下部フレーム72に枢着されている。 また、レバー98,100の枢着部と、y字状リンクを構成する長レバー86及び短レバー88の枢着部はロッド102
    で連結されており、y字状リンクとく字状リンクは互いに連動して上部フレーム74を上下動させる構成となっている。

    【0039】下部フレーム72の前部(頭部側)及び後部(足部側)には、矩形開口104,106が穿設されており、フロアに固定された突設部108及び永久磁石110,112が矩形開口104,106を介してそれぞれ突設している。 突設部108の前方及び後方には、
    複数のコイルスプリング114,116が介装される一方、永久磁石110,112の前方及び後方には、反発(同一)磁極が対向する永久磁石118,120が所定距離離間した状態で下部フレーム72に固定されており、下部フレーム72の前後動を減衰するように作用する。

    【0040】また、下部フレーム72の中央部には、左右二つの矩形開口122,124が穿設されており、フロアに固定された永久磁石126,128が矩形開口1
    22,124を介してそれぞれ突設している。 永久磁石126,128の間には下部フレーム72に固定されたアルミニウム等の導体130が介装されており、電磁誘導を利用して下部フレーム72の前後動を減衰する。

    【0041】さらに、導体130の前方及び後方の下部フレーム72には、1つの永久磁石132と2つの永久磁石134,136が取り付けられており、これらの永久磁石132,134,136と反発(同一)磁極が対向する永久磁石138,140,142が上部フレーム74に所定距離離間した状態で取り付けられており、対向する2つの永久磁石で磁気ばねを構成することにより上部フレーム74の上下動を減衰する。 なお、永久磁石134,136,140,142は、図10に示されるように傾斜した状態で下部フレーム72及び上部フレーム74にそれぞれ取り付けられている。

    【0042】また、下部フレーム72の中央部両側には、上端が下部フレーム72に枢着され、下端がフロアに枢着されたショックアブソーバ144が配設されている。

    【0043】なお、図10の実施の形態2にかかる救急車用除振架台A1においては、傷病者を乗せた担架は上部フレーム74の上に載置される。

    【0044】上記構成の除振架台A1の作用を図11及び図12を参照して以下説明する。 傷病者を乗せた担架を除振架台A1に載置した状態では、図11(a)に示されるように、下部フレーム72はコイルスプリング1
    14,116、永久磁石110,112,118,12
    0、ショクアブソーバ144等により所定の位置に保持されている。 この時、急ブレーキにより加速度が入力されると、コイルスプリング116の付勢力あるいは永久磁石110,118の反発力に抗して、下部フレーム7
    2は、瞬間回転中心廻りに頭部側(前方)に揺動する。

    【0045】この時、レバー78は、その上端及び下端がスライダ76及び下部フレーム72にそれぞれ枢着される一方、レバー80は逆に、その上端及び下端が下部フレーム72及びスライダ76に枢着されていることから、下部フレーム72の頭部側が持ち上げられる一方、
    足部側が下降する。 その結果、急ブレーキによる加速度の前方成分は重力加速度の後方成分により減衰し、重力加速度の後方成分により減少できなかった残りの成分は、コイルスプリング114,116のばね力と、永久磁石110,118の反発力と、永久磁石126,12
    8と導体130との電磁誘導による減衰力により減衰させる。

    【0046】なお、図10の除振架台A1において、y
    字状リンクとく字状リンクを連結するロッド102は必ずしも必要ではなく、ロッド102がない構成では、y
    字状リンクとく字状リンクを独立して作動する。 この場合、急ブレーキにより加速度が入力されると、上部フレーム74の傾斜角及び重力加速度の後方成分はさらに大きくなり、急ブレーキによる加速度の前方成分を効果的に減衰させることができる。

    【0047】

    【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。 請求項1に記載の発明によれば、下部フレームと上部フレームのそれぞれに取り付けられ反発磁極が対向する第1
    の永久磁石により上下振動を抑制するとともに、急ブレーキによる前方への加速度が入力されると、下部フレームの瞬間回転中心廻りの重力片振り子運動により、下部フレームとフロアとに取り付けられたコイルスプリングの付勢力あるいは第2の永久磁石の反発力に抗して下部フレームが前方に揺動することで、前方への加速度を減衰するとともに、下部フレームに対し上部フレームを下降させて、前方への加速度を減速するようにしたので、
    除振架台の乗り心地を改善することができる。 また、前方への加速度の入力時、上部及び下部フレームの前部側を持ち上げる一方、後部側を下降させ、かつ、下部フレームに対して上部フレームを下降させるようにしたので、加速度の架台進行方向成分が重力加速度の架台進行方向成分により減少し、急減速等による加速度の前方成分を効果的に減衰することができる。

    【0048】

    【図面の簡単な説明】

    【図1】 本発明の実施の形態1にかかる救急車用除振架台の概略側面図である。

    【図2】 図1の除振架台に傷病者を乗せた担架を載置した場合の各部の挙動を示す概略側面図である。

    【図3】 図2の除振架台に急ブレーキによる加速度が加わった場合の概略側面図である。

    【図4】 通常走行時と急減速時における加速度の架台進行方向成分と重力加速度の架台進行方向成分の関係を示す模式図である。

    【図5】 図2の除振架台の初期傾斜角を示す概略側面図である。

    【図6】 図1の除振架台に設けられた種々のばねのばね力と変位との関係を示すグラフである。

    【図7】 図1の除振架台が突起を乗り越える場合の上部フレームの挙動を示す概略側面図である。

    【図8】 実車走行時の前後方向の振動に対するフロア上の加速度のPSDと担架上の生体腰部における加速度伝達率を示すグラフである。

    【図9】 実車走行時の上下方向の振動に対するフロア上の加速度のPSDと担架上の生体腰部における加速度伝達率を示すグラフである。

    【図10】 本発明の実施の形態2にかかる救急車用除振架台の分解斜視図である。

    【図11】 通常走行時における図10の除振架台の概略図であり、(a)は下部フレームの側面図を、(b)
    は下部フレームの前部に設けられたコイルスプリングの平面図である。

    【図12】 急減速時における図10の除振架台の概略図であり、(a)は下部フレームの側面図を、(b)は下部フレームの前部に設けられたコイルスプリングの平面図である。

    【符号の説明】

    2a,2b,72 下部フレーム 4,74 上部フレーム 6 頂板 8a,8b,130 導体 12a,12b,78,80 レバー 14a,14b,42,44,46,48,110,112,118,120,126,128,132,13
    4,136,138,140,142永久磁石 16a,16b Xリンク 18a,18b パンタグラフ 40,54,114,116 コイルスプリング 52,144 ショックアブソーバ 56a,56b,76 スライダ

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−371151(JP,A) 特開 平8−140780(JP,A) 特開 平7−80025(JP,A) 特開 平8−131297(JP,A) 特開 平8−140782(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl. 7 ,DB名) A61G 3/00

    QQ群二维码
    意见反馈