粒子線照射システム

申请号 JP2015098743 申请日 2015-05-14 公开(公告)号 JP2016214273A 公开(公告)日 2016-12-22
申请人 株式会社日立製作所; 发明人 滝沢 賢一; 浅野 英仁;
摘要 【課題】照射装置及びベッドのうち少なくとも1つの損傷が避けられる粒子線照射システムを提供する。 【解決手段】回転ガントリーに取り付けられた照射装置34は、中間筐体部53B及び下部筐体部53Cを有する。タッチセンサ装置61A,61Bが対向して中間筐体部53Bに、タッチセンサ装置61C,61Dが対向して下部筐体部53Cに取り付けられる。タッチセンサ装置61Aは、照射装置34の側壁であるカバー70A及びカバー70Aを中間筐体部53Bの支持部材60Aに取り付けるそれぞれ一対のカバー支持装置72A,72B及び各カバー支持装置に取り付けられたセンサ部76を有する。照射装置34の旋回時に、カバー70Aがベッドに 接触 して支持部材60A側に移動すると、カバー支持装置72A等のリンクがセンサ部76を作動させて接触 信号 が出 力 される。タッチセンサ装置61B〜61Dもタッチセンサ装置61Aと同様に機能する。 【選択図】図4
权利要求

イオンビームを加速する加速器と、 前記加速器から出射される前記イオンビームが導かれる照射装置とを備え、 前記照射装置は、前記照射装置の中心軸と交差する方向から加わるを検知するタッチセンサ装置を含んでいることを特徴とする粒子線照射システム。前記照射装置は、回転ガントリーに取り付けられている請求項1に記載の粒子線照射システム。前記タッチセンサ装置は、前記照射装置の先端部に設置されている請求項1に記載の粒子線照射システム。前記タッチセンサ装置は、前記照射装置の先端部の外周に設けられた丸棒状の接触検出部を備えている請求項3に記載の粒子線照射システム。前記照射装置が取り付けられる回転ガントリーを備え、 前記照射装置が側面に位置する、前記タッチセンサ装置である第1タッチセンサ装置を含んでいる請求項1に記載の粒子線照射システム。前記第1タッチセンサ装置は、前記照射装置の側壁となり、物体または患者との接触により移動するカバーを含んでいる請求項5に記載の粒子線照射システム。前記第1タッチセンサ装置がバランスウェートを含んでいる請求項5に記載の粒子線照射システム。前記第1タッチセンサ装置は、前記照射装置の側壁となるカバー、前記カバー及び前記照射装置の筐体部に取り付けられ、前記照射装置の中心軸に垂直な方向における前記カバーの移動を許容する複数のカバー支持装置、及びセンサ部を有し、 それぞれの前記カバー支持部装置は、前記筐体部に回転可能に取り付けられ、前記垂直な方向における前記カバーの移動によって前記センサ部を作動させるリンク部材を有する請求項5に記載の粒子線照射システム。前記第1タッチセンサ装置の前記カバーは、前記照射装置の旋回方向に面する、前記照射装置の前記側壁である請求項6または8に記載の粒子線照射システム。前記カバー支持装置はバランスウェートを有しており、 前記リンク部材が前記筐体部に取り付けられた軸部材に回転可能に取り付けられ、 前記リンク部材の一端部が前記カバーに回転可能に連結され、 前記バランスウェートが、前記筐体部に面して、前記軸部材を基準にして前記リンク部材の前記一端部とは反対側の、前記リンク部材の他端部に取り付けられる請求項8に記載の粒子線照射システム。前記センサ部は、前記筐体部に保持され、前記リンク部材の前記一端部に対向している請求項10に記載の粒子線照射システム。第2タッチセンサ装置を備え、 前記照射装置は、前記照射装置の先端部に配置されて前記筐体部に取り付けられたコリメータ収納部を含んでおり、 前記第2タッチセンサ装置は、前記コリメータ収納部に保持され、前記照射装置の中心軸方向において前記コリメータ収納部の先端面から離されて配置された接触検出装置を含んでいる請求項5に記載の粒子線照射システム。前記接触検出装置は検出部支持装置によって前記コリメータ収納部に保持される請求項12に記載の粒子線照射システム。前記検出部支持装置は、前記コリメータ収納部の側面にバネ部材を介して取り付けられる第1支持部材、及び前記接触検出装置に取り付けられて前記第2支持部材に取り付けられる第2支持部材を有する請求項12に記載の粒子線照射システム。タッチセンサ部を有し、 前記タッチセンサ部は、前記第1支持部材に取り付けられた第1センサ部、及び前記第1センサ部に接触し、前記コリメータ収納部に取り付けられた第2センサ部を有する請求項14に記載の粒子線照射システム。ガイド部材及び位置決め部材を含むスライド機構を有し、 前記ガイド部材は前記第1支持部材及び前記コリメータ収納部のいずれかに取り付けられ、 前記位置決め部材は、前記ガイド部材が前記第1支持部材に取り付けられているときに前記コリメータ収納部に取り付けられ、または前記ガイド部材が前記コリメータ収納部に取り付けられているときに前記第1支持部材に取り付けられ、 前記位置決め部材が、前記ガイド部材に形成された、内面にガイド面を形成している孔部に挿入されている請求項14に記載の粒子線照射システム。

说明书全文

本発明は、粒子線照射システムに係り、特に、がんの治療に適用するのに好適な粒子線照射システムに関する。

粒子線照射システムは、大きく分けて、加速器としてシンクロトロンを有する粒子線照射システム(例えば、特開2004−358237号公報参照)、及び加速器としてサイクロトロンを有する粒子線照射システム(例えば、特開2011−92444号公報参照)が知られている。

シンクロトロンを有する粒子線照射システムは、イオン源、直線加速器、シンクロトロン、高エネルギービーム輸送系(以下、HEBT系という)、ガントリービーム輸送系(以下、GABT系という)、回転ガントリー及び照射装置を備える。直線加速器を経てシンクロトロンで設定エネルギーまで加速された陽子イオンビーム(または炭素イオンビーム)が、HEBT系に出射され、GABT系を経て回転ガントリーに取り付けられた照射装置に達する。陽子イオンビーム(以下、イオンビームという)は、照射装置から治療台に横たわっている患者のがんの患部に照射される。

また、サイクロトロンを有する粒子線照射システムは、イオン源、サイクロトロン、HEBT系、GABT系、回転ガントリー及び照射装置を備える。サイクロトロンを有する粒子線照射システムにおけるHEBT系、GABT系、回転ガントリー及び照射装置は、実質的に、シンクロトロンを有する粒子線照射システムにおけるこれらの構造と同じである。サイクロトロンで加速されて出射されたイオンビームは、HEBT系及びGABT系を通って照射装置から患部に照射される。

ところで、X線CT装置は、特開平8−257023号公報の図1に示されるように、平方向に開口部を形成しているガントリー及びベッドを有する。X線を発生するX線管が、ガントリーに形成された開口部の周囲を旋回するようにガントリー内に設置されている。ベッドは、ベッド基台、及びベッド基台の上部に水平方向でその開口部に向かって移動する天板を有する。被検者が天板上に横たわった状態で天板を被検者と共にその開口部内に挿入し、X線管を開口部の周囲に旋回しながらX線管から放出されるX線を被検者に照射する。特開平9−140700号公報にも同様なX線CT装置が記載されている。

これらの公開公報に記載されたX線CT装置は、それぞれ、ガントリーの、ベッド側の側面で開口部付近にタッチセンサを設けている。このタッチセンサは、特に、ガントリーが傾いているとき、水平方向に移動する天板または天板上に横たわっている被検者のタッチセンサへの接触を検出する。タッチセンサがこの接触を検出したとき、天板の移動が停止される。

さらに、粒子線照射システムでは、加速器から出射されたイオンビームを照射装置からベッドに横たわっている患者の患部に照射する前に、ベッド上の患者の患部を照射装置に対して位置決めする必要がある。照射装置に対する患部の位置決めの方法の一例が、特開平1−209077号公報に記載されている。特開平1−209077号公報における患部の位置決めでは、患部の位置決めの前にX線CT装置により予め得られた断層画像情報に基づいて作成された基準画像情報、及びイオンビームの照射前に患者が横たわったベッドをこの患者の患部が照射装置に対向するように移動させた状態で照射装置に設けられたX線源と対向してベッドの下方に位置しているX線検出装置からのX線検出信号を基に作成された直交する二方向の現在の各X線画像情報を用いて、患部の位置決めのためのベッドの移動量を算出している。算出されたベッドの移動量に基づいてベッドを手動により移動させ、照射装置に対する患部の位置決めが行われる。特開平1−209077号公報には、その算出されたベッドの移動量に基づいてベッドを自動的に移動させることが記載されている。なお、特開2006−239403号公報にも、ベッドの移動量及びベッドの回転度を算出し、算出された移動量及び回転角度に基づいてベッド制御装置により照射装置に対する患部の位置決めを自動で行うことが記載されている。

特開2004−358237号公報

特開2011−92444号公報

特開平8−257023号公報

特開平9−140700号公報

特開平1−209077号公報

特開2006−239403号公報

粒子線照射システムでは、ベッド上に横たわっている患者の患部に照射装置からイオンビームを照射する前に、照射装置の中心軸を、回転ガントリーの回転によって、治療計画において計画された、その患者の患部へのイオンビームの照射方向に設定する必要がある。患部の位置決めを手動でベッドを移動させる場合には、回転ガントリーの治療室内に入った技師が、ベッドの移動を監視し、回転ガントリーにより旋回する照射装置とベッド等の干渉をチェックしている。

患部の位置決めを行うために、前述したように、ベッドを制御により自動的に移動させることが検討されている。ベッド移動の自動制御において、万が一、自動制御に異常が生じ、ベッドが旋回する照射装置の先端の軌跡よりも外側に位置した場合には、旋回する照射装置がベッド(または患者)に接触する恐れがある。照射装置が配置される、回転ガントリーに形成された治療室内に監視カメラを設置し、自動制御で移動されるベッドの動き及びベッドが所定の位置に達したかを監視し、上記のような照射装置とベッド(または患者)との接触を抑制することが検討されている。しかしながら、監視カメラによる監視だけでは、それらの接触を未然に防ぐことができない恐れがある。

このため、ベッドの移動を自動で制御する場合においてもそのような接触の恐れを回避できる粒子線照射システムの実現が望まれている。

本発明の目的は、照射装置とベッドの接触の恐れを避けることができる粒子線照射システムを提供することにある。

上記した目的を達成する本発明の特徴は、イオンビームを加速する加速器と、加速器から出射されるイオンビームが導かれる照射装置とを備え、照射装置は、照射装置の中心軸と交差する方向から加わるを検知するタッチセンサ装置を含んでいることにある。

患者が横たわっているベッドが照射装置のタッチセンサ装置に接触したとき、このタッチセンサ装置がその接触を検出し、ベッドの移動を停止させることができる。このため、照射装置及びベッドのうち少なくとも1つの損傷を避けることができる。

本発明によれば、粒子線治療システムにおいて、照射装置及びベッドのうち少なくとも1つの損傷を避けることができる。

本発明の好適な一実施例である実施例1の粒子線照射システムの構成図である。

図1に示された回転ガントリーの拡大縦断面図である。

図2のIII−III矢視図である。

図1に示された照射装置の詳細構成図である。

図4及び図6のV−V矢視図である。

図5のVI−VI矢視図である。

図4に示された、照射装置の側面に配置されたタッチセンサ装置の拡大図である。

図4に示された、照射装置の先端に配置された他のタッチセンサ装置の拡大図である。

図8のIX−IX矢視図である。

図8のX−X矢視図である。

図9のXI部の拡大図である。

図11のXI−XI矢視図である。

照射装置の中心軸が水平方向を向いている状態における、図7に示されたタッチセンサ装置における重りの作用を示す説明図である。

図7に示されたタッチセンサ装置によって照射装置の干渉を検出している状態を示す説明図である。

照射装置の中心軸が水平方向に対して垂直になっている状態における、図7に示されたタッチセンサ装置における重りの作用を示す説明図である。

本発明の好適な他の実施例である実施例2の粒子線照射システムの構成図である。

本発明の各実施例を以下に説明する。

本発明の好適な一実施例である実施例1の粒子線照射システムを、図1〜図3を用いて以下に説明する。

本実施例の粒子線照射システム1は、建屋(図示せず)内に配置されて建屋の床面に設置される。この粒子線照射システム1は、図1に示すように、イオンビーム発生装置2、高エネルギービーム輸送系(HEBT系)15、ガントリービーム輸送系(GABT系)20、回転ガントリー27、照射装置34及び制御システム108を備えている。粒子線照射システム1では、がんの患部(ビーム照射対象)に照射するイオンビームとして、陽子イオンビームが用いられる。陽子イオンビームの替りに炭素イオンビームを用いてもよい。

イオンビーム発生装置2は、イオン源(図示せず)、前段加速器である直線加速器14及びシンクロトロン加速器3を有する。シンクロトロン加速器3は、イオンビームの周回軌道を構成する環状のビームダクト4、入射器5、イオンビームに高周波電圧を印加する高周波加速空胴(高周波加速装置)8、複数の偏向電磁石6、複数の四極電磁石7、出射用の高周波印加装置9、出射用のセプタム電磁石13を有する。ビームダクト4に連絡される入射器5は、真空ダクトにより直線加速器14に接続される。イオン源も直線加速器14に接続される。高周波印加装置9は、出射用高周波電極10、高周波電源11及び開閉スイッチ12を有する。出射用高周波電極10は、環状のビームダクト4に取り付けられ、そして、開閉スイッチ12を介して高周波電源11に接続される。各偏向電磁石6、各四極電磁石7、高周波加速空胴8及びセプタム電磁石13は、図1に示すように、ビームダクト4に沿って配置されている。

HEBT系(第1ビーム輸送系)15は、シンクロトロン加速器13のセプタム電磁石13に接続されるビーム経路(ビームダクト)16を有しており、このビーム経路16に沿って、シンクロトロン加速器3から照射装置34に向かって複数の4極電磁石18、偏向電磁石17及び複数の4極電磁石19を配置して構成される。

GABT系(第2ビーム輸送系)20は、ビーム経路(ビームダクト)21を有しており、このビーム経路21に沿って、シンクロトロン加速器3から照射装置34に向かって偏向電磁石22、4極電磁石25,26、及び偏向電磁石23及び24を配置して構成される。GABT系20のビーム経路21及び各電磁石は回転ガントリー27に取り付けられる。ビーム経路21は、HEBT系15とGABT系20の取り合い部127においてビーム経路16に連絡される。ビーム経路21は回転ガントリー27によって回転されるため、ビーム経路21はビーム経路16に直接接続されてはいない。

照射装置34は、2つの走査電磁石(イオンビーム走査装置)35及び36、ビーム位置モニ37及び線量モニタ38を備える。照射装置34は、回転ガントリー27に取り付けられ、偏向電磁石24の下流に配置される。走査電磁石35及び36、ビーム位置モニタ37及び線量モニタ38は、この順に、照射装置34において偏向電磁石24から照射装置34のイオンビーム出口に向かって照射装置34の中心軸107(図4参照)に沿って配置される。走査電磁石35はイオンビームを照射装置34の中心軸107に垂直な平面内において偏向させてX方向に走査し、走査電磁石36はイオンビームをその平面内において偏向させてX方向と直交するY方向に走査する。患者102が横たわる治療台39が、照射装置34の先端に対向するように配置される。

制御システム108は、ノズル制御装置83、中央制御装置109、加速器・輸送系制御装置112、ガントリー制御装置113、走査制御装置114、ベッド制御装置115及びデータベース116を有する(図1参照)。中央制御装置109は、中央演算装置(CPU)110及びCPU110に接続されたメモリ111を有する。CPU110は、加速器・輸送系制御装置112、走査制御装置114、ガントリー制御装置113及びベッド制御装置115にそれぞれ接続される。データベース116はCPU110に接続される。粒子線照射システム1は治療計画装置117を有し、治療計画装置117はデータベース116に接続される。ノズル制御装置83は、ガントリー制御装置113及びベッド制御装置115にそれぞれ接続される。さらに、ノズル制御装置83は、照射装置34に設けられる後述の各センサ部76及びタッチセンサ94A及び94Bにそれぞれ接続される。

回転ガントリー27を、図2及び図3を用いて説明する。回転ガントリー27は、リング状のフロントリング29及びリアリング30を有する円筒状の回転胴27を備える。フロントリング29が建屋の床面46に設置された支持装置31Aによって支持され、リアリング30がその床面46に設置された支持装置31Bによって支持される。支持装置31Aは、一対のロール支持部材32及び複数のサポートローラ33Aを含む。複数のサポートローラ33Aは、各ロール支持部材32に回転可能に取り付けられる。フロントリング29はこれらのサポートローラ33Aで支持される。支持装置31Bも、支持装置31Aと同様に、一対のロール支持部材32(図示せず)及び複数のサポートローラ33Bを含む。複数のサポートローラ33Bは、各ロール支持部材32に回転可能に取り付けられる。リアリング30はこれらのサポートローラ33Bで支持される。回転ガントリー27を回転させる回転装置(例えば、モータ)44が、リアリング30を支持する複数のサポートローラ33Bのうちの一つのサポートローラ33Bの回転軸に連結される。回転ガントリー27の回転角度を測定する角度検出器45が、フロントリング29を支持する複数のサポートローラ33Aのうちの一つのサポートローラ33Aの回転軸に連結される。

回転胴27の内面に取り付けられた複数の支持部材42によって支持された治療室40が回転胴27内に設けられる。治療室40のフロントリング29側は開放されており、治療室40のリアリング30側は隔壁41によって封鎖されている。照射装置34は、回転胴27に取り付けられて回転胴27の中心に向かって伸びており、治療室40内の治療ケージ43に達している。照射装置34に接続された、GABT系20のビーム経路21は、図2に示すように、リアリング30側に向かって伸びており、回転ガントリー27の外側に位置する取り合い部127においてHEBT系15のビーム経路16に連絡される。なお、回転ガントリー27の中心線28A(図1及び図2参照)は、回転ガントリー27の回転中心であり、取り合い部127においてビーム経路21の入口の中心を通る。

治療台39は、図2に示すように、ベッド48、X方向駆動機構49、Y方向駆動機構50、上下方向駆動機構51及び回転駆動機構52を備える。これらの駆動機構は回転胴27の外側に配置される。上下方向駆動機構51はX方向駆動機構49上に、Y方向駆動機構50は上下方向駆動機構51上に、及び回転駆動機構52はY方向駆動機構50上に、それぞれ設置される。ベッド48は、回転駆動機構52上に設置され、各駆動機構によって支持される。

照射装置34のより詳細な構成を、図4〜図12を用いて以下に説明する。照射装置34は、前述した走査電磁石35及び36、ビーム位置モニ37及び線量モニタ38以外に、筐体である上部筐体部53A、中間筐体部53B、下部筐体部53C、及びタッチセンサ装置61A,61B,61C及び61Dを有する。上部筐体部53A、中間筐体部53B及び下部筐体部53Cは、この順番で、GABT系20において最も下流に位置する偏向電磁石24から照射装置34の先端に向かって配置される。

中間筐体部53Bは、矩形状の上部フランジ58、矩形状の下部フランジ59及び4本の支柱部材56を有する。4本の支柱部材56のそれぞれの一端部が上部フランジ58に取り付けられ、これらの支柱部材56のそれぞれの下端部が下部フランジ59に取り付けられている。対向する一対の支持部材60Aが、一対の支柱部材56の間で相互間に間隔を有して平行に配置され、上部フランジ58及び下部フランジ59に取り付けられている。対向する一対の支持部材60Bが、他の一対の支柱部材56の間で相互間に間隔を有して平行に配置され、上部フランジ58及び下部フランジ59に取り付けられている。走査電磁石36は、4本の支柱部材56の間に配置され、複数の支持部材129によって一対の支持部材60Aのそれぞれに取り付けられ、さらに、複数の支持部材130によって一対の支持部材60Bのそれぞれに取り付けられる。

上部筐体部53Aは矩形のフランジ55を有し、走査電磁石35が複数の支持部材128によってフランジ55に取り付けられる。フランジ55は、上部フランジ58上に配置され、上部フランジ58に取り外し可能に取り付けられる。カバー54が取り外し可能にフランジ55に取り付けられる。カバー54は、走査電磁石35を取り囲んで互いにつながっている4つの側壁を有し、照射装置34の中心軸107方向において走査電磁石35を覆っている。なお、カバー54の走査電磁石36側は開放されている。

下部筐体部53Cは、矩形状の上部フランジ62、矩形状の下部フランジ63、一対の支持部材64A、一対の支持部材64B及びコリメータ収納部65を備える。一対の支持部材64Aは相互間に間隔を有して平行に配置され、これらの支持部材64Aの両端部が上部フランジ62及び下部フランジ63に取り付けられる。一対の支持部材64Bは相互間に間隔を有して平行に配置され、これらの支持部材64Aの両端部も上部フランジ62及び下部フランジ63に取り付けられる。ビーム位置モニタ37及び線量モニタ38は、一対の支持部材64A及び支持部材64Bのそれぞれに取り付けられて保持される。コリメータ収納部65は、下部フランジ63に取り付けられる。上部フランジ62が、下部フランジ59の下面に接触されて下部フランジ59に取り外し可能に取り付けられる。

下部筐体部53Cにおいて、照射装置34の隔壁41側には照射装置34の一つの側壁を形成するカバー104Aが配置され(図5及び図6参照)、このカバー104Aは上部フランジ62及び下部フランジ63にそれぞれ固定される。さらに、下部筐体部53Cにおいて、照射装置34の隔壁41とは反対側には照射装置34の他の一つの側壁を形成するカバー104Bが配置され(図3、図5及び図6参照)、このカバー104Bも上部フランジ62及び下部フランジ63にそれぞれ固定される。カバー104A及び104Bは、下部筐体部53Cが存在する領域における、照射装置34の対向する一対の側壁を形成している。

中間筐体部53Bにおいて、照射装置34の隔壁41側には照射装置34の一つの側壁を形成するカバー105Aが配置され(図6参照)、このカバー105Aは上部フランジ58及び下部フランジ59にそれぞれ固定される。さらに、中間筐体部53Bにおいて、照射装置34の隔壁41とは反対側には照射装置34の他の一つの側壁を形成するカバー105Bが配置され(図3及び図6参照)、このカバー105Bも上部フランジ62及び下部フランジ63にそれぞれ固定される。カバー105A及び105Bは、中間筐体部53Bが存在する領域における、照射装置34の対向する一対の側壁を形成している。

タッチセンサ装置(第1タッチセンサ装置)61A及び61Bが、中間筐体部53Bに設置される。タッチセンサ装置61Aは、カバー70A、一対のカバー支持装置72A、一対のカバー支持装置72B及び複数のセンサ部76を有する。一対のカバー支持装置72A及び一対のカバー支持装置72Bのそれぞれはカバー70Aの裏面に取り付けられる。一つのカバー支持装置72A及び一つのカバー支持装置72Bは、図4に示すように中心軸107方向において互いに離されて中間筐体部53Bの一つの支持部材60Aに取り付けられる。残りの一つのカバー支持装置72A及び残りの一つのカバー支持装置72Bも、図示されていないが、中心軸107方向において互いに離されてもう一つの支持部材60Aに取り付けられる。このため、カバー70Aは、一対のカバー支持装置72A及び一対のカバー支持装置72Bによって中間筐体部53Bに保持される。

タッチセンサ装置61Bは、カバー70B、一対のカバー支持装置72C、一対のカバー支持装置72D及び複数のセンサ部76を有する。一対のカバー支持装置72C及び一対のカバー支持装置72Dのそれぞれはカバー70Bの裏面に取り付けられる。一つのカバー支持装置72C及び一つのカバー支持装置72Dは、図4に示すように中心軸107方向において互いに離されて中間筐体部53Bの一つの支持部材60Bに取り付けられる。残りの一つのカバー支持装置72C及び残りの一つのカバー支持装置72Dも、図示されていないが、中心軸107方向において互いに離されてもう一つの支持部材60Bに取り付けられる。このため、カバー70Bは、一対のカバー支持装置72C及び一対のカバー支持装置72Dによって中間筐体部53Bに保持される。

中間筐体部53Bに保持されるカバー70A及びカバー70Bは、中間筐体部53Bが存在する領域における、照射装置34の対向する他の一対の側壁を形成している。カバー70A及びカバー70Bは、照射装置34の旋回方向に面している、照射装置34の側壁である。照射装置34の、中間筐体部53Bが存在する領域には、カバー70A,105A,70B及び105Bによって形成される四つの側壁が存在する。

カバー支持装置72Aの構造を、図7を用いて説明する。カバー支持装置72Aは、カウンタウェイト73、リンク74及び固定部材77を有する。リンク74は一方に曲げられて反り返った形状をしている。カウンタウェイト73が、リンク74の反り返っている方向に突出するように、リンク74の一つの端部に取り付けられる。リンク74の、カウンタウェイト73が取り付けられた一端部とリンク74の他端部の中間で、リンク74の、反り返っている側の一面に形成された突出部78が、固定部材79に設けられた支持部79にピン(軸部材)80により回転可能に取り付けられる。固定部材79の支持部79に回転可能に取り付けられたリンク74は、リンク74の、カウンタウェイト73が取り付けられた一端部が固定部材77側に反り返るように曲がっている。

リンク74の他端部はカバー70Aの裏面に取り付けられた連結部75にピン75Aにより回転可能に取り付けられる。固定部材79は、中間筐体部53Bの一つの支持部材60Aに取り付けられた一つの支持板57に取り付けられる。

カバー支持装置72B,72C及び72Dも、カバー支持装置72Aと同様な構造を有する。スイッチ76Aを有するセンサ部76が、突出部78とピン75Aの間に位置するように、カバー支持装置72A,72B,72C及び72Dのそれぞれの固定部材79に取り付けられる。スイッチ76Aは、突出部78とピン75Aの間でリンク74に対向している。

カバー70Aの裏面の、もう一つのカバー支持装置72A及び一対のカバー支持装置72Bのそれぞれを取り付ける三箇所の各位置にも、連結部75がそれぞれ取り付けられている。もう一つのカバー支持装置72Aのリンク74の一端部が、このカバー支持装置72Aを取り付ける位置でカバー70Aの裏面に取り付けられた連結部75にピン75Aにより回転可能に取り付けられる。同様に、一対のカバー支持装置72Bの各リンク74の一端部が、それぞれのカバー支持装置72Bを取り付ける位置でカバー70Aの裏面に取り付けられた各連結部75に、別々のピン75Aによりそれぞれ回転可能に取り付けられる。

さらに、前述のもう一つのカバー支持装置72Aの固定部材79は、別の支持部材60Aに取り付けられた支持板57に取り付けられる。一対のカバー支持装置72Bの各固定部材79は、中間筐体部53Bの一対の支持部材60Aにそれぞれ取り付けられた各支持板57に別々に取り付けられる。

タッチセンサ装置61Bでは、一対のカバー支持装置72C及び一対のカバー支持装置72Dのそれぞれは、リンク74の一端部をカバー70Bの裏面の四個所に取り付けられた各連結部75にピン75Aにより回転可能に取り付けることによりカバー70Bに取り付けられる。一つのカバー支持装置72C及び一つのカバー支持装置72Dのそれぞれの固定部材77は、一つの支持部材60Bに取り付けられた各支持板57に取り付けられる。残りのカバー支持装置72C及びカバー支持装置72Dのそれぞれの固定部材77は、他の支持部材60Bに取り付けられた各支持板57に取り付けられる。

このようにして、カバー70Aが前述したように一対のカバー支持装置72A及び一対のカバー支持装置72Bによって中間筐体部53Bに保持され、カバー70Bが前述したように一対のカバー支持装置72C及び一対のカバー支持装置72Dによって中間筐体部53Bに保持される。

タッチセンサ装置(第1タッチセンサ装置)61C及び61Dが、下部筐体部53Cに設置される。タッチセンサ装置61Cは、カバー71A、一対のカバー支持装置72E、一対のカバー支持装置72F及び複数のセンサ部76を有する。カバー支持装置72E及び72Fはカバー支持装置72Aと同様な構成を有する。スイッチ76Aを有するセンサ部76は、カバー支持装置72Aの場合と同様に、突出部78とピン75Aの間に位置するように、カバー支持装置72E及び72Fのそれぞれの固定部材79に取り付けられる。スイッチ76Aは、突出部78とピン75Aの間でリンク74に対向している。一対のカバー支持装置72E及び一対のカバー支持装置72Fのそれぞれは、カバー支持装置72Aと同様に、カバー71Aの裏面に取り付けられる。一つのカバー支持装置72E及び一つのカバー支持装置72Fは、図4に示すように中心軸107方向において互いに離されて下部筐体部53Cの一つの支持部材64Aに取り付けられる。具体的には、カバー支持装置72Eの固定部材79は、その一つの支持部材64Aに取り付けられた支持部材103Aに取り付けられる支持板57に取り付けられる。カバー支持装置72Fの固定部材79は、その一つの支持部材64Aに取り付けられた支持部材103Bに取り付けられる別の支持板57に取り付けられる。さらに、残りの一つのカバー支持装置72E及び残りの一つのカバー支持装置72Fのそれぞれも、図示されていないが、中心軸107方向において互いに離されてもう一つの支持部材64Aに同様に取り付けられる。このため、カバー71Aは、一対のカバー支持装置72E及び一対のカバー支持装置72Fによって下部筐体部53Cに保持される。

タッチセンサ装置61Dは、カバー71B、一対のカバー支持装置72G、一対のカバー支持装置72H及び複数のセンサ部76を有する。カバー支持装置72G及び72Hはカバー支持装置72Aと同様な構成を有する。スイッチ76Aを有するセンサ部76は、カバー支持装置72Aの場合と同様に、突出部78とピン75Aの間に位置するように、カバー支持装置72G及び72Hのそれぞれの固定部材79に取り付けられる。スイッチ76Aは、突出部78とピン75Aの間でリンク74に対向している。一対のカバー支持装置72G及び一対のカバー支持装置72Hのそれぞれは、カバー支持装置72Aと同様に、カバー71Bの裏面に取り付けられる。一つのカバー支持装置72G及び一つのカバー支持装置72Hは、図4に示すように中心軸107方向において互いに離されて下部筐体部53Cの一つの支持部材64Bに取り付けられる。すなわち、カバー支持装置72Gの固定部材79は、その一つの支持部材64Bに取り付けられた支持部材103Cに取り付けられる支持板57に取り付けられる。カバー支持装置72Hの固定部材79は、その一つの支持部材64Bに取り付けられた支持部材103Dに取り付けられる別の支持板57に取り付けられる。さらに、残りの一つのカバー支持装置72G及び残りの一つのカバー支持装置72Hも、図示されていないが、中心軸107方向において互いに離されてもう一つの支持部材64Bに同様に取り付けられる。このため、カバー71Bは、一対のカバー支持装置72G及び一対のカバー支持装置72Hによって下部筐体部53Cに保持される。

下部筐体部53Cに保持されるカバー71A及びカバー71Bは、下部筐体部53Cが存在する領域における、照射装置34の対向する他の一対の側壁を形成している。カバー71A及びカバー71Bも、照射装置34の旋回方向に面している、照射装置34の側壁である。照射装置34の、下部筐体部53Cが存在する領域には、カバー71A,104A,71B及び104Bによって形成される四つの側壁が存在する。

タッチセンサ装置61Aのカバー70A、タッチセンサ装置61Bのカバー70B、タッチセンサ装置61Cのカバー71A及びタッチセンサ装置61Dのカバー71Bは、それぞれ、照射装置34の側壁であると同時に接触検出部である。さらに、カバー支持装置72A,72B,72C,72D,72E,72F,72G及び72Hは、接触検出部の支持装置である。カバー支持装置72A,72B,72C,72D,72E,72F,72G及び72Hのそれぞれのセンサ部76は、ノズル制御装置83に接続される。

コリメータ収納部65は、下部筐体部53Cの下部フランジ63に取り付けられて照射装置34の先端部であるコリメータ収納部65は内部にコリメータ(図示せず)を設置している。コリメータ収納部65には、イオンビームが通過する矩形の開口部69が形成される。

さらに、タッチセンサ装置85が、照射装置34の先端部に位置している。タッチセンサ装置85の構造を、図8、図9、図10、図11及び図12を用いて説明する。

タッチセンサ装置(第2タッチセンサ装置)85は、接触検出装置82、検出部支持装置87A及び87B、スライド機構132A及び132B及びタッチセンサ(タッチセンサ部)94A及び94Bを有する。タッチセンサ装置85は、スライド機構132A及び132Bをそれぞれ一対、及びタッチセンサ94A及び94Bもそれぞれ一対含んでいる。接触検出装置82は、一対の丸棒状の接触検出部82A及び一対の丸棒状の接触検出部82Bを有する(図8及び図9参照)。各接触検出部82A及び各接触検出部82Bは、コリメータ収納部65の下面(先端面)65Cと平行になってこの下面65Cよりも下方に配置される。一対の接触検出部82Aのそれぞれは両端部を除く大部分を占める直線部を有しており、これらの直線部は、コリメータ収納部65の対向する長尺のそれぞれの側面65Aに沿って配置される。一対の接触検出部82Bのそれぞれは両端部を除く大部分を占める直線部を有しており、これらの直線部は、コリメータ収納部65の、側面65Aと直交している短尺の他の側面65Bに沿って配置される。接触検出装置82は、一対の接触検出部82Aのそれぞれの一端部を1つの接触検出部82Bで連結し、これらの接触検出部82Aのそれぞれの他端部を他の接触検出部82Bで連結して矩形状のリングを形成している。

平板を直角に曲げて構成されたL字状の支持部材(第3支持部材)84Aの平板部84Aaが、コリメータ収納部65の一つの側面65Aに接触した状態でコリメータ収納部65に取り付けられる。平板を直角に曲げて構成されたL字状の支持部材84(第4支持部材)Bも、同様に、コリメータ収納部65の他の側面65Aに接触した状態でコリメータ収納部65に取り付けられる。

接触検出装置82は、検出部支持装置87A及び87Bによってコリメータ収納部65に取り付けられる。検出部支持装置87A及び87B(図10参照)は、それぞれ、支持ロッド131A及び131B、支持部材88及びコイルバネ(バネ部材)97A及び97Bを有する。

検出部支持装置87A(第1検出部支持装置)はコリメータ収納部65に取り付けられた支持部材84Aに取り付けられる。検出部支持装置87Aでは、支持ロッド(第2支持部材)131A及び131Bは、接触検出部82Aの直線部に取り付けられ、支持部材84Aの、平板部84Abに形成された二箇所の貫通孔101を別々に通ってコリメータ収納部65に向って伸びている。各貫通孔101の内径は、支持ロッド131A及び131Bのそれぞれの外径よりも大きく、支持ロッド131A及び131Bのそれぞれの、それぞれの中心軸と直交する方向への動きをあまり制約しない。支持ロッド131A及び131Bのそれぞれは、支持部材84Aの平板部84Abと下部フランジ63の間に配置された板状の支持部材88(第1支持部材)に取り付けられる。支持部材88の一端部は、一つのコイルバネ97Aによって支持部材84Aの平板部84Abに取り付けられる。具体的には、コイルバネ97Aの一端が、平板部84Abに取り付けられた取り付け部100Aにネジによってと噛み合っているピン部材99Aに取り付けられる。また、そのコイルバネ97Aの他端が、支持部材88の一端部に取り付けられた取り付け部100Bにネジによってと噛み合っているピン部材99Bに取り付けられる。支持部材88の他端部は、他のコイルバネ97Bによって、コイルバネ97Aと同様に、支持部材84Aの平板部84Abに取り付けられる。

スライド機構132Aは、ガイド部材90及び位置決め部材92を有する。ガイド部材90は、平板部84Abに対向するように、支持部材88に取り付けられる。ガイド部材90は、ガイド部材90の、平板部84Abに対向する平面側に丸孔90Aを形成しており、さらに、この丸孔90Aから支持部材88に向かう円錐状の孔部90Cを形成している。円錐状の孔部90Cの形成により、丸孔90Aの内面から、丸孔90Aの中心線上に位置する支持部材88側の一点に向かう傾斜面(ガイド面)90Bがガイド部材90内に形成される。位置決め部材92を形成したベース部材91が平板部84Abに取り付けられる。位置決め部材92は、ベース部材91から支持部材88に向って伸びる突出部であり、丸孔90A及び円錐状の孔部90C内に挿入される。位置決め部材92の先端部は半球の形状をしている。位置決め部材92の先端部である半球部がその一点に向かう傾斜面90Bに接触している。

スライド機構132Bはスライド機構132Aと同じ構造を有する。スライド機構132Bのガイド部材90は支持部材88に取り付けられ、スライド機構132Bの、位置決め部材92を形成しているベース部材91は平板部84Abに取り付けられる。

スライド機構132A及び132Bにおいて、ガイド部材90を平板部84Abに取り付け、位置決め部材92を支持部材88に取り付けてもよい。

タッチセンサ94A及び94Bは、スライド機構132A付近で並んで配置される(図11及び図12参照)。タッチセンサ94Aはセンサ部95A及び95Bを含み、タッチセンサ94Bはセンサ部95C及び95Dを含んでいる。センサ部(第1センサ部)95A及び95Cは支持部材88に取り付けられ、センサ部(第2センサ部)95B及び95Dは平板部84Abに取り付けられた支持部材93に取り付けられる。センサ部95Aはセンサ部95Bに対向しており、センサ部95Cはセンサ部95Dに対向している。タッチセンサ94A、具体的にはセンサ部95A、及びタッチセンサ94B、具体的にはセンサ部95Cのそれぞれが、ノズル制御装置83に接続されている。

コイルバネ97A及び97Bのそれぞれは、支持部材88を支持部材84Aの平板部84Ab側に引っ張っている。このため、位置決め部材92の先端部である半球部が、その一点に向かう傾斜面90Bの全面に接触し、安定して保持される。このようなコイルバネ97A及び97Bの作用により、通常、センサ部95Aはセンサ部95Bに、及びセンサ部95Cはセンサ部95Dにそれぞれ接触している。

他のタッチセンサ94Aはスライド機構132B付近に配置され(図9参照)、このタッチセンサ94Aの側には、図示されていないが、並んで配置されたタッチセンサ94Bが存在する。

検出部支持装置87B(第2検出部支持装置)(図10参照)が、コリメータ収納部65に取り付けられた支持部材84Bに、検出部支持装置87Aと同様に、取り付けられ、検出部支持装置87Aと同じ構造を有している。検出部支持装置87Bの支持部材88(第4支持部材)にも、検出部支持装置87Aと同様に、スライド機構132A及び132Bのそれぞれのガイド部材90、一対のタッチセンサ94Aの各センサ部95A及び一対のタッチセンサ94Bの各センサ部95Cが取り付けられる。なお、支持部材88に取り付けられた、スライド機構132A及び132Bのそれぞれのガイド部材90に対向する位置決め部材92を形成した、スライド機構132A及び132Bのそれぞれの各ベース部材91は、支持部材84Bの平板部84Abに取り付けられる。また、一対のタッチセンサ94Aの各センサ部95B及び一対のタッチセンサ94Bの各センサ部95Dは、支持部材84Bの平板部84Abに取り付けられた各支持部材93に取り付けられる。

本実施例の粒子線照射装置1を用いた患者の患部へのイオンビームの照射方法を、以下に説明する。患部にイオンビームを照射する前に、照射装置34の中心軸107に対する患部の位置決めが実施される。本実施例では、例えば、特開2006−239403号公報に記載されたように、回転ガントリー27の回転によるX線CT撮影及び患部の位置決めが実施される。

患部の位置決めを実施する前に、患者102の患部のX線CT撮影が実施される。このX線CT撮影は、患者102に対する治療計画立案前に実施される。X線CT撮影によって得られた断層像情報(以下、基準断層像情報をいう)は、中央制御装置109のメモリ111に格納される。

さらに、イオンビームの照射前で患部の位置決めを実施する前に、患者102が横たわる、治療台39のベッド48を治療室40内の治療ケージ43内の所定位置まで移動させる。このベッド48の移動は、オペレータが、制御室(図示せず)内で、ベッド48を所定位置まで移動させるベッド操作指令をこの制御室内に設置された操作盤(図示せず)に設けられてCPU110に接続された入力装置(図示せず)に入力することによって行われる。このベッド操作指令に基づいてCPU110から出力された制御指令は、ベッド制御装置115に入力される。ベッド制御装置115はこの制御指令に基づいてX方向駆動機構49、Y方向駆動機構50、上下方向駆動機構51及び回転駆動機構52をそれぞれ駆動し、ベッド48を所定の位置まで自動的に移動させる。

その後、患部の位置決めに必要な現在断層像情報を得るために、回転ガントリー27の回転によるX線CT撮影が行われる。このX線CT撮影には、照射装置34に設置されたX線管(図示せず)及びX線透視画像撮影装置(図示せず)が用いられる。オペレータが制御室内の上記入力装置からCPU110にX線照射指令を入力したとき、CPU110から出力されたX線照射制御指令がX線源制御装置(図示せず)及び撮影部移動制御装置(図示せず)にそれぞれ出力される。X線源制御装置は、特開2006−239403号公報に記載されたように、照射装置34に設置されてX線管を取り付けたX線源駆動装置(図示せず)を駆動し、そのX線管を中心軸107まで移動させる。撮影部移動制御装置は、X線検出装置を取り付けた撮影部移動装置を駆動し、X線検出装置をベッド48の下方でX線管に対向する、中心軸107の位置まで移動させる。

X線源制御装置はX線照射制御指令に基づいてX線管からX線を放出させる。オペレータが上記入力装置からCPU110に回転指令を入力したとき、CPU110から出力された回転制御指令がガントリー制御装置112に出力される。このとき、ガントリー制御装置112は、回転装置44を駆動し、回転ガントリー27を、中心線28Aを中心に、例えば、図3において時計方向に0°から185°まで回転させる。回転ガントリー27の回転により、照射装置34に取り付けられてX線を放出しているX線管、及びX線検出装置がベッド48に横たわっている患者102の周囲を旋回する。このため、そのX線が患者102の患部に対して照射される。X線管から放出されたX線は、患者102の患部等を透過し、X線検出装置で検出される。X線検出装置は透過したX線の検出により多数のX線検出信号を出力する。これらのX線検出信号は、画像情報作成装置(図示せず)に入力される。この画像情報作成装置には、前述の角度検出器45で検出された回転ガントリー27の回転角度の測定値が入力される。

回転ガントリー27が上記の時計方向に185°まで回転したとき、すなわち、照射装置34の中心軸107が185°の位置に達したとき、角度検出器45の角度検出信号を入力するガントリー制御装置112は、回転装置44に回転停止制御指令を出力し、回転装置44の駆動を停止させる。このとき、回転ガントリー27の回転も停止され、X線管からのX線の放出も停止される。その後、回転ガントリー制御装置113は、回転装置44を逆回転させる。回転ガントリー27は図3において半時計方向に回転し、照射装置34の中心軸107が180°の位置に達したとき、回転ガントリー制御装置113は回転装置44を停止させる。そして、回転ガントリー制御装置113は、回転装置44を再駆動して回転ガントリー27を上記の時計方向に180°から5°まで回転させる。この回転ガントリー27の回転の間、X線管からX線が放出され、このX線はベッド48上の患者102の患部に照射される。この患部を透過したX線はX線検出装置で検出され、回転ガントリー27の回転角度も角度検出器45で検出される。

上記のように、X線が放出しているX線管、及びX線検出装置を、ベッド48に横たわっている患者102の周囲に旋回させることは、患者102に対して360°の範囲でX線CTを行っていることになる。

画像情報作成装置は、特開2006−239403号公報に記載されたように、X線検出装置から出力されたX線検出信号及び角度検出器45で検出された回転ガントリー27の回転角度に基づいて患者102の患部等の現在断像情報を作成する。

もし、現在断像情報の作成のためにX線を放出するX線管を回転ガントリー27の回転により旋回させる前のベッド48の移動によって、万が一、照射装置34が、ベッド48に横たわっているベッド48または患者102に接触した場合には、患者102の安全性を考慮して照射装置34の旋回を停止する必要がある。照射装置34の旋回停止は、タッチセンサ装置61A,61B,61Cまたは61D、またはタッチセンサ装置65または65から出力された接触信号に基づいて行われる。

まず、タッチセンサ装置61A,61B,61C及び61Dによる、照射装置34とベッド48に横たわっているベッド48または患者102の接触の検出について説明する。タッチセンサ装置61A,61B,61C及び61Dによるその接触の検出の機能は同じであるため、タッチセンサ装置61Dによるその接触の検出について説明する。

現在断像情報の作成のためにX線を放出するX線管を回転ガントリー27の回転により旋回させる前に、前述したように、ベッド48を治療ケージ43内の所定の位置まで移動させなければならない。患者102が横たわっているベッド48のその移動では、ベッド48または患者102が旋回する照射装置34と接触しないように、患者102及びベッド48を、中心線28Aを中心とする、旋回により照射装置34の先端が描く軌跡よりも内側に位置させる必要がある。しかしながら、万が一、ベッド制御装置115等に異常が生じ、患者102及びベッド48がその軌跡の外側の位置に位置されたとする。

その後、前述したように、回転ガントリー27が回転され、X線管からX線を放出しながら照射装置34が旋回する(例えば、照射装置34の旋回は図3において時計方向)。やがて、旋回する照射装置34がベッド48または患者102に接触し、この接触が、例えば、照射装置34に設置されたタッチセンサ装置61Dによって検出されたと仮定する。この場合には、照射装置34の旋回によってタッチセンサ装置61Dのカバー71Bがベッド48または患者102に接触する。この接触により、カバー71Bが下部筐体部53C側に移動する。

カバー71Bの下部筐体部53C側への移動により、タッチセンサ装置61Dの一対のカバー支持部材72G及び72Hのそれぞれのリンク74が、ピン80を中心に回転され、各リンク74の、連結部75側の端部が固定部材77側に移動する(図14参照)。この結果、カバー支持部材72G及び72Hのそれぞれの固定部材77に取り付けられた各センサ部76のスイッチ76Aが各リンク74の、連結部75側の端部によって押されるため、これらのセンサ部76から接触信号が出力される。出力された各接触信号は、ノズル制御装置83に入力されて制御室内の制御盤に設けられた表示装置に警報として表示され、さらに、ノズル制御装置83からガントリー制御装置113及びX線源制御装置にそれぞれ入力される。接触信号を入力したガントリー制御装置113は回転装置44を停止して回転ガントリー27の回転を停止させ、接触信号を入力したX線源制御装置はX線管からのX線の放出を停止させる。

その後、ガントリー制御装置113は回転装置44を逆回転させる。回転ガントリー27も逆回転され、タッチセンサ装置61Dのカバー71Bがベッド48または患者102から離される。カバー71Bは接触前の位置に戻される。このため、カバー支持部材72G及び72Hのそれぞれのリンク74は、図14に示された状態から図7に示された状態に戻り、カバー支持部材72G及び72Hの各センサ部76からの接触信号の出力が停止される。

カバー71Bがベッド48または患者102に接触する原因が取り除かれて(例えば、異常状態にあるベッド制御装置115の修理完了)、ベッド48が、中心線28Aを中心とする、旋回により照射装置34の先端が描く軌跡よりも内側に位置されているとき、X線管からX線を放出しながら回転ガントリー27を回転させ、そのX線がベッド48に横たわっている患者102の患部に対して周囲から照射される。

なお、回転ガントリー27が前述の時計方向に回転しているときに、タッチセンサ装置61Bのカバー70Bがベッド48または患者102に接触したとき、タッチセンサ装置61Bの一対のカバー支持部材72C及び72Dのそれぞれに設けられた各センサ部76から接触信号が出力される。

回転ガントリー27が前述した反時計方向に回転しているときに、タッチセンサ装置61Cのカバー71Aがベッド48または患者102に接触したとき、タッチセンサ装置61Cの一対のカバー支持部材72E及び72Fのそれぞれに設けられた各センサ部76から接触信号が出力される。さらに、回転ガントリー27が前述した反時計方向に回転しているときに、タッチセンサ装置61Aのカバー70Aがベッド48または患者102に接触したとき、タッチセンサ装置61Aの一対のカバー支持部材72A及び72Bのそれぞれに設けられた各センサ部76から接触信号が出力される。

次に、タッチセンサ装置85による、照射装置34とベッド48に横たわっているベッド48または患者102の接触の検出について説明する。

前述したように、X線を放出しているX線管を旋回させる前における、治療ケージ43内の所定の位置へのベッド48の移動において、万が一、ベッド制御装置115等に異常が発生し、患者102及びベッド48がその軌跡上に位置されたとする。そして、X線管からX線を放出しながら照射装置34を図3において時計方向に旋回させたとき、タッチセンサ装置85の接触検出装置82(例えば、支持部材84B側に位置する接触検出部82A)がベッド48または患者102に接触したとする。

ベッド48または患者102の接触検出部82Aへの接触により、支持部材84Bに取り付けられた検出部支持装置87Bの支持ロッド131A及び131Bが、下部筐体部53Cの下部フランジ63側に移動する。検出部支持装置87Bの構造は検出部支持装置87Aの構造と同じであるので、検出部支持装置87Bの作用は、図9及び図11に示された検出部支持装置87Aを用いて説明する。さらに、検出部支持装置87Bの作用に伴う、支持部材84B側に配置されたスライド機構132A及び132B、一対のタッチセンサ94A及び一対のタッチセンサ94Bのそれぞれの動作も、図9及び図11を用いて説明する。

検出部支持装置87Bの支持ロッド131A及び131Bが下部筐体部53Cの下部フランジ63側に移動したとき、コイルバネ97A及び97Bによって支持部材84Bの平板部84Ab側に引っ張られる、検出部支持装置87Bの支持部材88は、コイルバネ97A及び97Bのそれぞれの引っ張り力に逆らって下部フランジ63側に移動する。この結果、この支持部材88に取り付けられた各タッチセンサ94Aのセンサ部95A及び各タッチセンサ94Bのセンサ部95Cが、支持部材84Bの平板部84Abに設置された支持部材93に取り付けられてこれらのセンサ部に接触していた各タッチセンサ94Aのセンサ部95B及び各タッチセンサ94Bのセンサ部95Dから離される。センサ部95Aとセンサ部95Bが接触状態のときにはセンサ部95A及び95Bは通電状態になっているが、センサ部95Aとセンサ部95Bが非接触状態になったときにはこれらのセンサ部は非通電状態になる。また、センサ部95Cとセンサ部95Dが接触状態のときにはセンサ部95C及び95Dも通電状態になっているが、センサ部95Cとセンサ部95Dが非接触状態になったときにはこれらのセンサ部は非通電状態になる。

センサ部95Aとセンサ部95Bが非接触状態になってこれらのセンサ部間における通電が停止されたとき、センサ部95Aに接続された電流計(図示せず)で測定される電流が0になる。同様に、センサ部95Cとセンサ部95Dの間における通電が停止されたとき、センサ部95Cに接続された電流計(図示せず)で測定される電流が0になる。電流計から出力された電流測定値0の信号、すなわち、接触信号は、制御盤に設けられた表示装置に警報として表示され、さらに、ノズル制御装置83を経てガントリー制御装置113及びX線源制御装置にそれぞれ入力される。接触信号を入力したガントリー制御装置113は回転装置44を停止して回転ガントリー27の回転を停止させ、接触信号を入力したX線源制御装置はX線管からのX線の放出を停止させる。

その後、ガントリー制御装置113は回転装置44を逆回転させ、回転ガントリー27を逆回転させる。接触検出部82Aが接触したベッド48または患者102から離される。このとき、検出部支持装置87Bの支持部材88は、コイルバネ97A及び97Bのそれぞれの引っ張り力によって支持部材84Bの平板部84Ab側に移動する。

接触検出部82Aがベッド48または患者102に接触して検出部支持装置87Bの支持部材88が下部フランジ63側に移動しているときにおいても、スライド機構132A及び132Bのそれぞれにおいて、位置決め部材92は、常に、ガイド部材90の丸孔90A及び円錐状の孔部90C内に存在している。このため、上記したように、支持部材88がコイルバネ97A及び97Bの作用によって支持部材84Bの平板部84Ab側に移動すると、円錐状の孔部90Cの傾斜面90Bが位置決め部材92の、半球状の先端部に接触する。検出部支持装置87Bの支持部材88がコイルバネ97A及び97Bによって引っ張られているため、傾斜面90Bが位置決め部材92の、半球状の先端部に接触して滑り、ガイド部材90の中心軸が位置決め部材92の中心軸に一致するまでスライド機構132A及び132Bのそれぞれのガイド部材90が移動する。ガイド部材90の中心軸が位置決め部材92の中心軸に一致したとき、位置決め部材92の、半球状の先端部の全周が円錐状の孔部90Cの傾斜面90Bに接触してガイド部材90の移動が停止され、支持部材88に取り付けられた、各タッチセンサ94Aのセンサ部95Aが各センサ部95Bに接触する。また、支持部材88に取り付けられた、各タッチセンサ94Bのセンサ部95Cが各センサ部95Dに接触する。センサ部95Aとセンサ部95B及びセンサ部95Cとセンサ部95Dが、それぞれ通電状態になる。

タッチセンサ装置85の前述した接触検出部82Aがベッド48または患者102に接触する原因が取り除かれて(例えば、異常状態にあるベッド制御装置115の修理完了)、ベッド48が、中心線28Aを中心とする、旋回により照射装置34の先端が描く軌跡よりも内側に位置されているとき、X線管から放出されたX線が現在断層像情報作成のためにベッド48に横たわっている患者102の患部に対して周囲から照射される。

ここで、カバー支持装置72A等に設けられているカウンタウェイト73の作用について説明する。回転ガントリー27が90°回転し、照射装置34の中心軸107が水平になったとする(図13参照)。偏向電磁石24は図13において右側に位置している。この状態では、上方に位置するカバー70Bの重量がカバー支持装置72Cのリンク74のピン75A側の端部に加わるため、このリンク74のピン75A側の端部が押し下げられ、カバー支持装置72Cに取り付けられたセンサ部76のスイッチ76Aがリンク74のこの端部によって押されてしまう。この結果、カバー70Bがベッド48または患者102に接触していないにもかかわらず、そのセンサ部76から接触信号が出力される。また、下方に位置するカバー70Aの重量がカバー支持装置72Aのリンク74のピン75A側の端部に加わるため、このリンク74のピン75A側の端部が下方に移動し、カバー支持装置72Aに取り付けられたセンサ部76のスイッチ76Aがこのリンク74から離される。この結果、ベッド48または患者102がカバー70Aに接触したときにおいてもスイッチ76Aが作動しない可能性がある。スイッチ76Aが作動しない場合には、カバー70Aがベッド48または患者102がカバー70Aに接触したにもかかわらず、そのセンサ部76から接触信号が出力されない。

各カバー支持装置に取り付けられているカウンタウェイト73はこのような問題を解消する。図13に示された、上方に位置するカバー70Bには、一対のカバー支持装置72C及び一対のカバー支持装置72Dが取り付けられており、カバー70Bの重量W1を4つのカバー支持装置で支持する。このため、一つのカバー支持装置72Cにおいて、連結部75にピン75Aで連結される、リンク74の端部にカバー70Bによって加えられる重量M1はW1/4である。カバー支持装置72Cに設けられたカウンタウェイト73の重量はM2である。照射装置34の中心軸107が水平になっている状態(図13)で、ピン80とピン75Aの間の距離をL1とし、ピン80とカウンタウェイト73の重心の間の距離をL2とする。M1×L1=M2×L2を満足するように、カウンタウェイト73の重量M2が設定される。カバー70Bに取り付けられた他のカバー支持装置72C及び一対のカバー支持装置72Dに設けられる各カウンタウェイト73の重量もM2に設定される。この結果、照射装置34の中心軸107が水平状態のときにカバー70Bに取り付けられた一対のカバー支持装置72C及び一対のカバー支持装置72Dのそれぞれに加えられるカバー70Bの重量が各カバー支持装置のカウンタウェイト73の重量によって相殺され、カバー支持装置72C及び72Dのそれぞれに設けられたセンサ部76のスイッチ76Aがカバー70Bの重量によって作動することを防止できる。

図13に示された、下方に位置するカバー70Aには、一対のカバー支持装置72A及び一対のカバー支持装置72Bが取り付けられており、カバー70Aの重量W1を4つのカバー支持装置で支持する。このため、M1×L1=M2×L2を満足するように、カバー支持装置72Aのカウンタウェイト73の重量M2が設定される。カバー70Aに取り付けられた他のカバー支持装置72A及び一対のカバー支持装置72Bに設けられる各カウンタウェイト73の重量もM2に設定される。この結果、照射装置34の中心軸107が水平状態のときにカバー70Aに取り付けられた一対のカバー支持装置72A及び一対のカバー支持装置72Bのそれぞれに加えられるカバー70Aの重量が各カバー支持装置のカウンタウェイト73の重量によって相殺され、カバー70Aがベッド48または患者102に接触したときに、カバー支持装置72A及び72Bのそれぞれに設けられたセンサ部76のスイッチ76Aが作動しなくなることを防止できる。

図13の状態において、上方に位置するカバー71Bに取り付けられたカバー支持装置72G及び72Hのそれぞれに設けられたカウンタウェイト73は、カバー支持装置72C及び72Dのそれぞれに設けられたカウンタウェイト73と同じ働きをする。また、下方に位置するカバー71Aに取り付けられたカバー支持装置72E及び72Fのそれぞれに設けられたカウンタウェイト73は、カバー支持装置72A及び2Bのそれぞれに設けられたカウンタウェイト73と同じ働きをする。

回転ガントリー27が270°回転し、照射装置34の中心軸107が水平になったとする(図13参照)。偏向電磁石24は、図13において左側に位置している。上方に位置するカバー70Aに取り付けられたカバー支持装置72A及び72B、及び上方に位置するカバー71Aに取り付けられたカバー支持装置72E及び72Fのそれぞれに取り付けられたカウンタウェイト73は、回転ガントリー27が90°回転したときにおけるカバー支持装置72C及び72Dのそれぞれに取り付けられた各カウンタウェイト73と同じ働きをする。下方に位置するカバー70Bに取り付けられたカバー支持装置72C及び72D、及び下方に位置するカバー71Bに取り付けられたカバー支持装置72G及び72Hのそれぞれに取り付けられた各カウンタウェイト73は、回転ガントリー27が90°回転したときにおけるカバー支持装置72A及び72Bのそれぞれに取り付けられたカウンタウェイト73と同じ働きをする。

回転ガントリー27が180°回転し、照射装置34の中心軸107が床面46に対して垂直になったとする(図15参照)。偏向電磁石24は、図15において下側に位置している。カバー70Aと連結部75の取り付け点とカバー支持装置72Aのピン75Aの間及びカバー70Bと連結部75の取り付け点とカバー支持装置72Cのピン75Aの間のそれぞれの距離はL4である。カバー支持装置72Aのピン75Aとカバー支持装置72Aのカウンタウェイト73の重心の間及びカバー支持装置72Cのピン75Aとカバー支持装置72Cのカウンタウェイト73の重心の間のそれぞれの距離はL3である。カバー70Aによってカバー70Aと連結部75の取り付け点に加えられる重量及びカバー70Bによってカバー70Bと連結部75の取り付け点に加えられる重量はそれぞれでM1ある。このため、カバー支持装置72A及び72Cにおいて、M1×L1=M2×L2が満足され、カバー支持装置72Aの、リンク74のピン75Aの端部を固定部材77側に回転させる、カバー70Aと連結部75の取り付け点に加えられる重量M1は、カバー支持装置72Aのカウンタウェイト73の重量M2によって相殺される。カバー支持装置72Cの、リンク74のピン75Aの端部を固定部材77側に回転させる、カバー70Bと連結部75の取り付け点に加えられる重量M1は、カバー支持装置72Cのカウンタウェイト73の重量M2によって相殺される。このようなカバー支持装置72A及び72Cのそれぞれのカウンタウェイト73の機能は、カバー70Aに取り付けられるカバー支持装置72B、カバー70Bに取り付けられるカバー支持装置72D、カバー71Aに取り付けられるカバー支持装置72E及び72F、カバー71Bに取り付けられるカバー支持装置72G及び72Hのそれぞれのカウンタウェイト73でも発揮される。

図15の状態とは逆で、回転ガントリー27の回転角度が0°であって照射装置34の中心軸107が床面46に対して垂直になっており、偏向電磁石24は、図15において上側に位置しているとする。このとき、カバー支持装置72A及び72Cにおいて、M1×L1=M2×L2が満足される。カバー支持装置72Aの、リンク74のピン75Aの端部を固定部材77から離す方向に作用する、カバー70Aと連結部75の取り付け点に加えられる重量M1は、カバー支持装置72Aのカウンタウェイト73の重量M2によって相殺される。また、カバー支持装置72Cの、リンク74のピン75Aの端部を固定部材77から離す方向に作用する、カバー70Bと連結部75の取り付け点に加えられる重量M1は、カバー支持装置72Cのカウンタウェイト73の重量M2によって相殺される。回転ガントリー27の回転角度が0°であるときに生じる、このようなカバー支持装置72A及び72Cのそれぞれのカウンタウェイト73の機能は、カバー70Aに取り付けられるカバー支持装置72B、カバー70Bに取り付けられるカバー支持装置72D、カバー71Aに取り付けられるカバー支持装置72E及び72F、カバー71Bに取り付けられるカバー支持装置72G及び72Hのそれぞれのカウンタウェイト73でも発揮される。

現在断像情報の作成のためにX線を放出するX線管をベッド48上の患者102の周囲を旋回させる場合において照射装置34がベッド48または患者102に接触しないとき、またはカバー70A,70B,71A及び71B及び接触検出部82Aがベッド48または患者102に接触したときにおいてこの接触の原因が取り除かれ、X線を放出するX線管をベッド48上の患者102の周囲に旋回されたとき、前述したように、患者102の患部の現在断層像情報が作成される。

位置決めデータ作成装置(図示せず)は、特開2006−239403号公報に記載されたように、画像情報作成装置から入力した現在断像情報に基づいて、X−Y平面での位置決めデータであるX方向及びY方向におけるベッド48の移動量及びベッド48の回転角を算出し、さらに、X−Z平面での位置決めデータであるZ方向(上下方向)におけるベッド48の移動量を算出する。算出されたX方向、Y方向及びZ方向におけるベッド48の各移動量及びベッド48の回転角は、CPU110に入力され、メモリ111に格納される。CPU110は、X方向、Y方向及びZ方向におけるベッド48の各移動量及びベッド48の回転角の各情報をベッド制御装置115に出力する。ベッド制御装置115は、入力したこれらの情報に基づいてX方向駆動機構49、Y方向駆動機構50、上下方向駆動機構51及び回転駆動機構52をそれぞれ駆動させてベッド48を所定の位置まで移動させ、照射装置34に対する患部の位置決めを行う。

患部の位置決めが終了した後、患部にイオンビームを照射する。患部へのイオンビーム照射の概略を説明する。照射装置34から患部に向かってイオンビームを照射するときには、X線管は、照射装置34の中心軸に垂直な方向においてその照射されるイオンビームを遮らない位置まで移動される。

ガントリー制御装置113により回転装置44を駆動して回転ガントリー27を回転させ、照射装置34の中心軸107を患部に対するイオンビームの照射方向に一致させる。イオン源で発生したイオン(例えば、陽子)が直線加速器14で加速され、直線加速器14から出射された陽子イオンビーム(イオンビームという)は、入射器5を通してシンクロトロン加速器3の環状のビームダクト4に入射される。ビームダクト4内を周回するイオンビームは、イオンビームが照射される、患部の一つの層に対応するエネルギーまで高周波加速空胴8により加速される。

CPU110からの制御指令を入力した走査制御装置114は、走査電磁石35及び36を制御し、その層におけるイオンビームの照射位置を目標照射位置に一致させる。CPU110からの制御指令を入力した加速器・輸送系制御装置112は、高周波印加装置9の開閉スイッチ12を閉じる。高周波電源11からの高周波電圧が出射用高周波電極10から周回しているイオンビームに印加され、周回しているイオンビームがシンクロトロン加速器3からセプタム電磁石13を通ってビーム経路16に出射される。

出射されたイオンビームは、ビーム経路21を通って照射装置34に到達し、走査電磁石35及び36により位置決めされている、層内の目標照射位置に照射される。その後、その層内の全照射位置に対してイオンビームが照射され、さらに、イオンビームが患部内の全ての層に対して照射される。全ての層に対するイオンビームの照射が終了したとき、患部へのイオンビームの照射が終了する。

本実施例は以下の各効果を得ることができる。

患者102が横たわっているベッド48をベッド制御装置115による自動制御により所定の位置まで移動させるときに、万が一、異常状態が生じてベッド48が旋回する照射装置の先端の軌跡よりも外側に位置したとする。照射装置34が、図3において時計方向に旋回され、照射装置34の側面に位置するタッチセンサ装置61Dのカバー71Bがベッド48に接触した場合には、タッチセンサ装置61Dのセンサ部76によってその接触が検出され、このセンサ部76から出力された接触信号が出力される。出力された接触信号に基づいてガントリー制御装置113が回転ガントリー27の回転を停止する。このため、照射装置34の旋回が停止され、照射装置34がベッド48に強く押し付けられず、照射装置34及びベッド48のうち少なくとも1つの損傷を避けることができる。

また、照射装置34のその旋回時において、カバー71Bがベッド48上の患者102に接触してその接触がタッチセンサ装置61Dのセンサ部76によって検出された場合においても、同様に、回転ガントリー27の回転が停止され、照射装置34の旋回も停止される。この結果、ベッド48上の患者102が旋回する照射装置34とベッド48の間に挟まれ、照射装置34によって押圧される事態を避けることができる。このため、イオンビームによる治療を受ける患者102の安全性をより向上させることができる。

照射装置34が図3において時計方向に旋回されたときに、タッチセンサ装置61Bのカバー70Bがベッド48に接触してこの接触がタッチセンサ装置61Bのセンサ部76で検出された場合においても、上記したタッチセンサ装置61Dの場合と同様に、照射装置34及びベッド48のうち少なくとも1つの損傷を避けることができる。カバー70Bがベッド48上の患者102に接触した場合も、上記したタッチセンサ装置61Dの場合と同様に、イオンビームによる治療を受ける患者102の安全性をより向上させることができる。

もし、照射装置34が図3において反時計方向に旋回された場合においても、カバー71Aを有するタッチセンサ装置61Cまたはカバー70Aを有するタッチセンサ装置61Aの、タッチセンサ装置61Dと同様な機能により、照射装置34及びベッド48のうち少なくとも1つの損傷を避けることができ、さらに、イオンビームによる治療を受ける患者102の安全性をより向上させることができる。

照射装置34の図3における時計方向への旋回時において、タッチセンサ装置85の接触検出装置82(例えば、支持部材84B側に位置する接触検出部82A)がベッド48に接触した場合には、支持部材84B側に配置されたタッチセンサ94Aが作動して接触信号を出力する。この場合にも、上記したタッチセンサ装置61Dのセンサ部76から接触信号が出力される場合と同様に、照射装置34の旋回が停止される。このため、照射装置34及びベッド48のうち少なくとも1つの損傷を避けることができる。照射装置34の図3における反時計方向への旋回時において、タッチセンサ装置85の接触検出装置82(例えば、支持部材84A側に位置する接触検出部82A)がベッド48に接触した場合には、支持部材84A側に配置されたタッチセンサ94Aが作動して接触信号を出力する。このため、支持部材84B側に位置する接触検出部82Aがベッド48に接触した場合と同様な効果が得られる。

支持部材84B側に位置する接触検出部82Aがベッド48上の患者102に接触した場合及び支持部材84A側に位置する接触検出部82Aがベッド48上の患者102に接触した場合においても、同様に、照射装置34の旋回が停止されるため、イオンビームによる治療を受ける患者102の安全性をより向上させることができる。

患者102が横たわっているベッド48の移動時において、患者102がタッチセンサ装置85の接触検出装置82に接触したとき、タッチセンサ装置85のタッチセンサ94Aから接触信号が出力される。この接触信号が出力されたとき、ベッド48の移動が停止される。したがって、イオンビームによる治療を受ける患者102の安全性をより向上させることができる。

本実施例によれば、タッチセンサ装置61Aのカバー70A、タッチセンサ装置61Bのカバー70B、タッチセンサ装置61Cのカバー71A及びタッチセンサ装置61Dのカバー71Bのそれぞれは、実質的にベッド48または患者102との接触を検出する接触検出部であるとともに、照射装置34の旋回方向(時計方向における旋回及び反時計方向における旋回)に面する、照射装置34の側壁である。このため、照射装置34の固定されたカバーの表面にタッチセンサを取り付ける場合に比べて、照射装置34の構造を単純化することができる。

また、カバー70A,70B,71A及び71Bは側壁であって広い表面積を有しているため、タッチセンサ装置61A,61B,61C及び61Dのそれぞれは、照射装置34と患者102が横たわっているベッド48との接触または照射装置34とベッド48上の患者との接触を広い範囲で確実に検出することができる。

カバーを支持するカバー支持装置(例えば、カバー70Aを支持する、中間筐体部53Bに取り付けられたカバー支持装置70A)において、照射装置34の筐体部(例えば、中間筐体部53B)にピン80により回転可能に取り付けられたリンク74の、このピン80を基準にしてカバーに取り付けられた連結部75に連結される一端部とは反対側に位置する他端部に、バランスウェート73が取り付けられている。このため、リンク74の、カバーに連結されるその一端部に作用するカバーの重量をバランスウェート73によって相殺することができ、照射装置34の筐体部に取り付けられたタッチセンサ装置(例えば、タッチセンサ装置61A)によりベッド48または患者102との接触を精度良く検出することができる。

前述した実施例では、現在断層像情報を得るために、前述したように、X線管からX線を放出しながら回転ガントリー27を回転させてX線管が取り付けられた照射装置34を旋回させ、X線を放出するX線管もベッド48上の患者102の周囲に旋回される。これに対して、前述の特開平1−209077号公報には、X線を放出するX線管をベッド48上の患者102の周囲に旋回させないで行う患部の位置決めが記載されている。このような患部の位置決めを行う場合にも、本実施例の粒子線照射システム1を適用することができる。回転ガントリー27を回転しないでのその回転角度を0°に維持する。

前述したように、ベッド制御装置115により治療台39の各駆動装置を制御し、患者102が横たわったベッド48を所定の位置まで移動させる。このベッド48の移動時においてベッド48または患者102がタッチセンサ85の接触検出装置82に接触した場合には、前述したように、接触信号が出力される。このとき、ベッド48の移動が停止される。ベッド48または患者102と接触検出装置82との接触の原因が取り除かれた後に、ベッド制御装置115によるベッド48の移動が制御され、ベッド48または患者102と接触検出装置82の接触が生じない位置にベッド48が移動されたとする。回転ガントリー27の回転角度が0°の状態において、このベッド48の位置で照射装置34に設けられたX線管から放出されたX線が患者102の患部に照射される。患部を透過したX線は、照射装置34に設けられたX線管と対向してベッド48の下方に位置しているX線検出装置(図示せず)で検出される。X線の検出によりX線検出装置から出力されたX線検出信号を用いて、特開平1−209077号公報に記載されているように、X−Y平面におけるベッド48の移動量及びベッド48の回転角、及びX−Z平面におけるベッド48の移動量がそれぞれ求められる。

これらのベッド48の移動量及びベッド48の回転角がベッド制御装置115に入力され、ベッド48の位置決めが行われる。その後、前述したように、照射装置34の中心軸107を患部へのイオンビームの照射方向に一致させるために、回転ガントリー27を回転させる。照射装置34の中心軸107を患部へのイオンビームの照射方向に一致させる回転ガントリー27の回転時において、照射装置34のカバー70A,70B,71A及び71B、及び接触検出装置82のいずれかがベッド48または患者102に接触した場合には、前述したように、その接触が検出され、回転ガントリー27の回転またはベッド48の移動が停止される。この接触の原因が取り除かれて回転ガントリー27の回転により照射装置34の中心軸107が患部へのイオンビームの照射方向に一致された後、前述したように、シンクロトロン加速器3から出射されたイオンビームが照射装置34からベッド48上の患者102の患部に照射される。

特開平1−209077号公報に記載された患部の位置決めを行う場合においても、本実施例の粒子線照射システム1を適用することによって、前述した各効果を得ることができる。

本発明の他の好適な実施例である実施例2の粒子線照射システムを、図16を用いて以下に説明する。

実施例1の粒子線照射システム1はイオンビーム発生装置としてシンクロトロン加速器3を含むイオンビーム発生装置2を用いているが、本実施例の粒子線照射システム1Aはイオンビーム発生装置としてサイクロトロン加速器119を含むイオンビーム発生装置2Aを用いている。

粒子線照射システム1Aは、図16に示すように、イオンビーム発生装置2A、HEBT系15、GABT系20、回転ガントリー27、照射装置34及び制御システム108を備える。HEBT系15、GABT系20、回転ガントリー27及び照射装置34のそれぞれの構成は、実施例1の粒子線照射システム1におけるそれらの構成と同じである。

ここでは、粒子線照射システム1と異なっているイオンビーム発生装置2Aについて主に説明する。

イオンビーム発生装置2Aは、イオン源118及びサイクロトロン加速器119を含む。サイクロトロン加速器119は、円形の真空容器124、偏向電磁石120A及び120B、高周波加速装置121及び出射用のセプタム電磁石122を有する。イオン源118に接続された真空ダクト125が、真空容器124の中心位置まで伸びてこの真空容器124に接続される。水平面において湾曲している入射用電極126が、真空ダクト125の開放端付近で真空容器124内に配置される。偏向電磁石120A及び120Bは、それぞれ、半円形状をしており、直線部を互いに対向させるように配置され、真空容器124の上面及び下面を覆っている。

真空容器124のイオンビーム出射口に設けられるセプタム電磁石122は、HEBT系15のビーム経路16に接続される。金属製の複数の板を有するデグレーダ123が、セプタム電磁石122と四極電磁石18の間で、ビーム経路16に取り付けられている。デグレーダ123は、サイクロトロン加速器119から出射されたイオンビームのエネルギーを調節する機能を有し、厚みの異なる複数の金属製の板(図示せず)を有している。これらの金属製の板は、ビーム経路16に垂直な方向に移動可能である。厚みの異なるこれらの金属製の板を、1枚または複数枚、ビーム経路16を横切るようにビーム経路16内に挿入することによって、ビーム経路16を通るイオンビームのエネルギーの減衰量が制御される。この結果、患者102の患部に照射されるイオンビームのエネルギーを変えることができ、患部の深さ方向に存在する各層にイオンビームを照射することができる。

本実施例においても、照射装置34に設けられたタッチセンサ装置61A,61B,61C及び61D及びタッチセンサ装置85は、実施例1の粒子線照射システム1におけるこれらと同様に機能する。

本実施例の粒子線照射システム1Aは実施例1で生じる各効果を得ることができる。

1,1A…粒子線照射システム、2,2A…イオンビーム発生装置、3…シンクロトロン加速器、4…ビームダクト、8…高周波加速空胴、9…高周波印加装置、15…高エネルギービーム輸送系、16,21…ビーム経路、20…ガントリービーム輸送系、27…回転ガントリー、34…照射装置、35,36…走査電磁石、38…線量モニタ、53A…上部筐体部、53B…中間筐体部、53C…下部筐体部、61A,61B,61C,61D,85,94A,94B…タッチセンサ装置、65…コリメータ収納部、70A,70B,71A,71B…カバー、72A,72B,72C,72D,72E,72F,72G,72H…カバー支持装置、73…カウンタウェイト、74…リンク、76,95A,95B,95C,95D…センサ部、82…接触検出装置、87A,87B…検出部支持装置、94A,94B…タッチセンサ、108…制御システム、115…ベッド制御装置、119…サイクロトロン加速器、132A,132B…スライド機構。

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