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Improved particle accelerator, and the magnetic core device for the particle accelerator

申请号 JP2012517450 申请日 2010-06-04 公开(公告)号 JP2012531707A 公开(公告)日 2012-12-10
申请人 スカンジノヴァ システムズ エイビー; 发明人 フレドリック ジョン クリューソン、ウォルター; カルテンボーン、マーク、エイッチ.;
摘要 電 力 供給装置(110)、複数のソリッドステートスイッチ方式駆動部(120)、複数の 磁性 体コア片(130)、及びスイッチ制御モジュール(140)から構成される粒子 加速 器(100)を提供する。 駆動部(120)は電力供給装置(110)から電力を受け取るために該電力供給装置(110)へ接続され、各駆動部は、駆動部の出力部において駆動パルスを選択的に与える、電子的にオン/オフ制御可能なソリッドステートスイッチから構成される。 磁性体コア片(130)は中心ビーム軸に沿って対称に装置され、該磁性体コア片の各磁性体コアは駆動部の出力部へ接続された電気配線を介してそれぞれの駆動部(120)へ接続される。 スイッチ制御モジュール(140)はソリッドステートスイッチのオン/オフを制御する制御 信号 を与えて磁性体コアを選択的に駆動させる駆動部(120)へ接続され、ビーム軸に沿って荷電粒子のビームを加速させる電界が誘導される。
权利要求
  • 荷電粒子ビームを中心ビーム軸に沿って加速するための誘導型粒子加速器であって、
    電力供給装置(110)、
    前記電力供給装置(110)へ接続されて該電力供給装置から電力を受け取る複数のソリッドステートスイッチ方式駆動部(120)であって、該駆動部のそれぞれが、オン/オフ電子制御可能なソリッドステートスイッチ方式駆動部の出力部に駆動パルスを選択的に与えるソリッドステートスイッチから成る前記ソリッドステートスイッチ方式駆動部(120)、
    前記中心ビーム軸に沿って対称に装置される複数の磁性体コア片(130)であって、該磁性体コア片(130)の磁性体コアそれぞれが、ソリッドステートスイッチ方式駆動部の前記出力部へ接続された電気配線を介して、前記ソリッドステートスイッチ方式駆動部(120)の各1つと接続される前記複数の磁性体コア片(130)、及び 前記複数のソリッドステートスイッチ方式駆動部(120)へ接続され、かつ前記ソリッドステートスイッチのオン/オフを制御する制御信号を与えて磁性体コア片(130)を駆動させ前記中心ビーム軸に沿って前記荷電粒子のビームを加速させるための電界を誘導するスイッチ制御モジュール(140)、から構成される誘導型粒子加速器(100)。
  • 磁性体コア片(130)のそれぞれが少なくとも1個の環状磁性体コアからなることを特徴とする請求項1項記載の誘導型粒子加速器。
  • 前記磁性体コア片(130)の少なくとも1個が少なくとも2個の磁性体コアから成り、前記少なくとも2個の磁性体コアの外側磁性体コアと呼ばれる一番目の磁性体コアが前記少なくとも2個の磁性体コアの内側磁性体コアと呼ばれる二番目の磁性体コアに対して中心軸から外側へ向けて放射状に配置されることを特徴とする請求項1項記載の誘導型粒子加速器。
  • 前記磁性体コア片(130)のそれぞれに少なくとも2個の磁性体コアが含まれ、前記少なくとも2個の磁性体コアの外側磁性体コアと呼ばれる一番目の磁性体コアが前記少なくとも2個の磁性体コアの内側磁性体コアと呼ばれる二番目の磁性体コアに対して中心軸から外側へ向けて放射状に配置されることを特徴とする請求項3項記載の誘導型粒子加速器。
  • 前記少なくとも1個の環状磁性体コアが非ギャップ型のメトグラ(Metglas:登録商標)ステープ巻き磁性体コアであることを特徴とする請求項2項記載の誘導型粒子加速器。
  • 前記電力供給装置(110)が、電力供給ユニット(112)の1以上の前記ソリッドステートスイッチ方式駆動部(120)への接続が可能とされる接続装置から構成されることを特徴とする請求項1項記載の誘導型粒子加速器。
  • 前記ソリッドステートスイッチの少なくとも1個が絶縁ゲート双極トランジスタ(IGBT)スイッチであることを特徴とする請求項1項記載の誘導型粒子加速器。
  • 前記ソリッドステートスイッチ方式駆動部(120)がソリッドステートスイッチ方式パルス発生部であることを特徴とする請求項1項記載の誘導型粒子加速器。
  • 前記粒子加速器(100)が線形粒子加速器であることを特徴とする請求項1項記載の誘導型粒子加速器。
  • 粒子加速器のための磁性体コア装置(160)であって、
    前記磁性体コア装置(160)に複数の磁性体コア片(130)が中心軸の周りに装置された形で含まれ、前記複数の磁性体コア片(130)のそれぞれが少なくとも2個の磁性体コアから成り、前記少なくとも2個の磁性体コアのうちの外側磁性体コアと呼ばれる一番目の磁性体コアが前記少なくとも2個の磁性体コアの内側磁性体コアと呼ばれる二番目の磁性体コアに対して中心軸から外側へ向けて放射状に配置されることを特徴とする磁性体コア装置(160)。
  • 請求項10項記載の磁性体コア装置を含んで構成される粒子加速器。
  • 前記粒子加速器(100)が線形粒子加速器であることを特徴とする請求項11項記載の粒子加速器。
  • 前記粒子加速器(100)が誘導型粒子加速器であることを特徴とする請求項11項または12行記載の粒子加速器。
  • 说明书全文

    本発明は概略的には粒子加速器技術に関し、より具体的には粒子加速器及び同加速器に用いられる磁性体コア装置に関する。

    電子ビーム加速器等の工業用及び医療用粒子加速器は、全世界市場において毎年多額の売上をあげている。 これら加速器は製品、例えば医療器具や食品容器の滅菌から、タイヤ加硫、印刷インク硬化、プラスチック架橋、製紙等材料の改質、例えば自動車製造における厚板の電子ビーム溶接、及び放射線治療を含む医療用途まで広く利用されている。 他の用途として、化学物質によらない都市上の殺菌、流出ガスから硫黄及び二酸化窒素を除去するボイラー燃料ガス処理及びその過程における肥料生産なども含まれる。 特に、専門の実験素粒子物理学研究所において、線形粒子加速器を高エネルギーシンクロトロン中へインジェクターとして用いることも可能である。

    一般論として、主要な粒子加速器のタイプには3種がある。
    ・粒子が2つの異なる固定電位間の電界によって加速される静電加速器。 例として、バンデグラフ(Van der Graft)、ペレトロン、及びタンデム加速器がある。
    ・電波の電界成分によって、無線周波数(RF)共振器として働く部分的に閉鎖された導通空洞内部の粒子を加速する無線周波数(RF)加速器。
    ・バルス電圧が磁性体コア周囲へ印加されて粒子ビームを加速させる電界が誘導される誘導加速器。

    バンデグラフ加速器等の静電加速器は何年も使用されており、また例えば実験粒子施設及び又はイオンビーム施設においては猶使用されている。

    現在のRF加速器技術では、一般的に加圧ガスタンク中に封入される多種高電圧発生器が用いられる。 主要なRF加速器としては、ダイナミトロン(Radiation Dynamics Inc, RDI)と、絶縁コア変圧器又はICT(Fujitsu Japan)の2つが挙げられる。 ダイナミトロンは真空管発振器からの超音波無線周波振動によって電供給される。 ICTは通常の電源からのA. Cによって電力供給される。 また、別の高性能加速器であるロードトロン(Rhodotron)も市場から入手可能である。 しかしながら、これら加速器のすべてには、高電圧発生器、危険かつ高圧なタンク、及び潜在的に有毒かつ高価なガスなどの1又は2以上の欠点がある。

    1960年代初期に、所謂線形磁気誘導(LMI)加速器が米国政府のローレンスリバーモア国立研究所(LLNL)のニコラス・クリストフォス氏によって設計された。 当時、この研究所は「ローレンス放射線研究所」あるいはLRLと呼ばれていた。 この加速器の設計は多数の環状(ドーナツ形)磁性体コアの使用をベースとして行われ、各磁性体コアは(スパークギャップスイッチ及びパルス生成ネットワーク(PFN)を用いて)高電圧パルス発生器によって数十キロボルト(kV)で駆動されて数百kV〜数メガボルト(MV)の加速電位が生成され、荷電粒子の高電流ビームが加速された。

    この種の加速器の主要な特徴は、線形加速器(LINACs)と同様に、外面が地電位となることである。 個々のコアを駆動する電圧はすべて発生すると中心軸下方へ連続して印加され、その他のいずれの部分にも発生しない。 このことは、加速器から電磁エネルギーが「外界」へ放射されないこと、及び周囲からの絶縁が必要とされないため加速器の研究所への設置が容易であることを意味するものである。 800kVLMI加速器であるアストロン線形加速器は、1960年代にLLNLにおいて建設され[1]、融合実験における電子ビーム加速に使用された。 より大型のLMI加速器(FXR,フラッシュX線)は1970年代に建設され、X線変換ターゲット中への電子ビームパルスの加速に使用された。 FXR加速器は爆発の静止画像ラジオグラフィーに使用された。

    この所謂線形磁気誘導(LMI)加速器は図1に概略的に示されている。 図1のLMI加速器は、磁性体コアの中心ホールが、それに沿って粒子ビームが加速される中心ビーム軸と呼ばれる直線を取り巻くように配置される1群の環状磁性体コアの周囲に建設される。 磁性体コアのそれぞれには高電圧パルス発生ネットワーク(PFN)及び火花ギャップスイッチ等の高電圧スイッチから成る高電圧駆動システムが備えられる。 図の簡潔化のため、図1には駆動部は1個のみ示されている。

    高電圧スイッチには、典型例として、スイッチオンはできるがスイッチオフはできない水素サイラトロン管等のプラズマあるいはイオン化ガススイッチが用いられる。 他方、パルスを生成し、さらにパルス幅に比較して上昇及び下降時間が比較的速い矩形パルスの形状で電力を伝えるためにはPFNが必要である。 PFNは通常、スイッチ操作された末端から「開路された」末端へ移動し、この開路から反射してスイッチ操作した末端へ戻り、移動しながらPFNネットワークのエネルギー貯蔵コンデンサーからエネルギーを取り出し、そしてそのエネルギーをコア片へ「送り込む」電気パルス波を進行波方式で発生する。 パルスは、進行波がPFN構造を両方向に横断し、貯蔵されたすべてのエネルギーがネットワークから引き出された時点で終焉する。 スイッチ操作前のPFN電圧はVであり、パルス変圧器の一次側へ印加される電圧はV/2か、またはそれより僅かに少ない数値である。 PFN中の成分が不足したならば、最適パルス形状を得るために、該成分の交換後にPFNを再チューニングすることが必要である。 この作業は、PFNへ高電圧を印加しながら行わなければならないため、労力を要し、かつ危険な作業である。 その上、別の異なるパルス幅が必要な場合は、PFNの構造全体を交換するか、あるいは再チューニングする必要がある。 高電圧PFN及びスイッチにも信頼性及び安全性に関わる欠点がある。

    初期のアストロン設計に基づいて数社が加速器を建設している。 加速器の駆動に用いられる設計は、火花ギャップ、あるいはサイラトロンスイッチと厄介な高電圧PFNネックワークを基盤としており、ダイナミトロン及びICT等のRF型設計に比較してコスト競合性に劣る。

    ACライン電力をDCライン電流パルスへ変換し、次いで粒子を要求されるエネルギーレベルまで「キック(kick)」する無線周波数(RF)パルスへ変換するソリッドステートのモジュラーシステムに基づく最新設計も存在する[2]。

    RF型システムの駆動に使用可能なソリッドステートモジュラーの他の例が文献[3〜5]に開示されている。

    LLNLからも、小型誘電壁加速器(DWA)及び高い傾きで作動して加速パルスを絶縁壁下方へ送り込むパルス発生ラインが、コンパクトな一元作動を可能とするために加速器上へ一体化された荷電粒子発生装置と共に提供されている[6]。 DWA及び又はブルムライン加速器技術に基づく他の例については[7-8]に記載がある。
    粒子加速器設計の改良に関しては、コスト効率性、信頼性、オンライン化可能性、サイズ、エネルギー消費及び安全性の1または2以上の問題について広く必要とされている。

    " The ASTRON Linear Accelerator ", Beal, Christofilos及びHeater (1969年) " Solid-State Technology Meets Collider Challenge ", S & TR (2004年9月), 22-24頁

    米国特許第5,905,646号

    米国特許第6,741,484号

    米国特許出願 2003/128554 A1

    米国特許出願 2008/051358 A1

    WO 2007/120211 A2

    WO 2008/033149 A2

    本発明は、従来技術による装置における上述した問題点及び他の欠点を克服することを目的とする。

    本発明は、広義には改良された誘導型粒子加速器を提供することを目的とする。

    本発明はさらに、粒子加速器のための改良された磁性体コア装置を提供することを目的とする。

    本発明の上記目的及び他の目的は特許請求の範囲記載の発明によって達成される。

    本発明は、第一の観点として、中心ビーム軸に沿って荷電粒子のビームを加速させる誘導型粒子加速器に関する。 この粒子加速器は基本的に、電力供給配置、複数のソリッドステートスイッチ方式駆動部、複数の磁性体コア片、及び駆動部のソリッドステートスイッチを制御するためのスイッチ制御モジュールから構成される。 ソリッドステートスイッチ方式駆動部は、電力供給装置から電力を受電するために該電力供給装置へ接続され、各ソリッドステートスイッチ方式駆動部は各ソリッドステートスイッチ方式駆動部の出力部に選択的に駆動パルスを与えるための、オン/オフ電子制御可能なソリッドステートスイッチから構成される。 磁性体コア片は中央ビーム軸に沿って対称に装置され、磁性体コア片の各磁性体コアはソリッドステートスイッチ方式駆動部の出力部へ接続される電気配線を経由してソリッドステートスイッチ方式駆動部へそれぞれ連結される。 スイッチ制御モジュールは、ソリッドステートスイッチのオン/オフを制御する制御信号を与えて磁性体コア片のコアを選択的に駆動させるソリッドステートスイッチ方式駆動部へ接続され、これにより中心ビーム軸に沿って荷電粒子のビームを加速させる電界が誘導される。

    このようして、信頼性が高く、オンライン化可能であり、かつ安全性(低電圧駆動)の高い低コストな誘導型加速器を得ることが可能となる。 従来の、サイラトロンあるいは火花ギャップスイッチを備える誘導型加速器の高電圧駆動システムを完全に取り除くことが可能である。 例えば、100kVの加速構造を得るためには、100個の磁性体コアを使用し、各コアを1kVソリッドステートスイッチ方式駆動パルスによって駆動させることが可能である。 本発明の新たな概念による加速器設計にはさらに、危険で重量のある高圧タンクを不要とでき、かつ有毒かつ高価なガスの使用も不要できる利点もある。

    本発明は、第二の観点として、粒子加速器のための磁性体コア装置に関する。 本発明に係る磁性体コア装置は、基本的に中心軸に沿って装置される複数の磁性体コア片から構成される。 多数ある磁性体コア片のそれぞれは少なくとも2個の磁性体コアから成り、磁性体コアの外側磁性体コアと呼ばれる一番目のコアは、内側磁性体コアと呼ばれる二番目のコアに対して中心軸から外側へ放射状に装置される。 かかる装置に関する概念は加速部毎にある数個の磁性体コアのそれぞれについても同様に適用される。

    追加コアを中心から外側へ放射状に「入れ子状に重ね入れる」ことにより、加速電界(ボルト/加速器の長さ(m))は従来の単一コア設計よりも大きく引き上げられる。

    上記方法の実施により、装置の長さに対する装置の直径の取り決めに自由度が与えられる。 さらに、装置をさらにコンパクトにすることも可能となり、装置を従来装置よりも大幅に短くすることが可能となる。

    本発明によって得られる他の利点については、下記実施態様において明らかにする。

    従来の線形磁気誘導(LMI)加速器の基本概念について説明するための概略図である。

    例示的実施態様に従った新規な誘導型粒子加速器について説明するための概略図である。

    例示的実施態様に従った粒子加速器装置の具体例について説明するための概略図である。

    例示的実施態様に従った粒子加速器装置の別の具体例について説明するための概略図である。

    例示的実施態様に従った誘導型粒子加速器の構成及び操作原理について説明するための概略図である。

    例示的実施態様に従った粒子加速器の新規な磁性体コア配置構成の基本概念について説明するための概略図である。

    図6の磁性体コア配置が装備された新規な誘導型粒子加速器について説明するための概略図である。

    発明を実施するための手段

    本発明の構成について、その目的及び利点と共に、以下において添付図面を参照しながら説明する。 なお図面中、同一符号は同一のあるいは類似の構成部分を示す。

    図2は例示的実施態様に従った新規な誘導型粒子加速器の基本概念について説明するための概略図である。

    説明を簡潔にするため、粒子加速器は線形加速器(LINAC)であるものとして説明する。 本発明においてLINACは加速器として好ましいタイプではあるが、本発明はLINACに限定されない。

    加速器100は基本的に、1または2以上の電力供給ユニット112を有する電力供給装置110、複数のソリッドステートスイッチ方式駆動部120、複数の磁性体コア片130、電子スイッチ制御モジュール140、及び粒子源150から構成される。

    電力供給装置110には、電力供給ユニット112をソリッドステートスイッチ方式駆動部120の1以上、場合によってはすべてへ接続するための接続装置が与えられる。 このことは、例えば電力供給装置110が1個の電力供給ユニット112を有し、該ユニットをソリッドステートスイッチ方式駆動部のそれぞれへ接続することも可能なことを意味している。 また、その代替例として、駆動部120のそれぞれに専用の電力供給ユニット112を備える装置とすることも可能である。

    いずれにしても、電力供給装置110から電力を受け取るために、ソリッドステートスイッチ方式駆動部120が電力供給装置110へ接続される。 各ソリッドステートスイッチ方式駆動部120は、好ましくはソリッドステートスイッチ方式駆動部120の出力部において駆動パルスを選択的に与えるために電子的にオン/オフ制御可能なソリッドステートスイッチから構成される。

    それぞれが少なくとも1個の環状の磁性体コアを有する磁性体コア片130は、中心ビーム軸に対して対称に装置され、各磁性体コアはソリッドステートスイッチ方式駆動部の出力部へ接続される電気巻線を介してソリッドステートスイッチ方式駆動部120の一つへそれぞれ接続される。

    スイッチ制御モジュール140は、駆動部120のソリッドステートスイッチのオン/オフを制御する制御信号(オン/オフ)を与えて磁性体コア片を選択的に駆動させて磁性体コア片130の加速構造全体の中心ビーム軸に沿って粒子源150から発生された荷電粒子を加速させるための電界を誘導するため、リッドステートスイッチ方式駆動部120へ連結される。

    このようにして、信頼性が高く、オンライン化可能であり、さらに安全(低電圧駆動可能)な低コスト誘導型加速器を得ることが可能である。 従来の誘導型加速器の高電圧駆動システムを使用しなくすることが可能となる。

    例えば、100kVの加速構造を得るために、例として100個の磁性体コアを用いることができ、各コアは1kVのソリッドステートスイッチ方式駆動パルスによって駆動される。 この新しい概念に基づく加速器設計によれば、危険で重い高圧タンクは不要とされ、また有毒かつ硬化なガスも不要とされる。 また、1MV加速器を実現するために、それぞれ1kVで駆動されるコアなら全部で1000個、あるいは500Vで駆動されるコアなら全部で2000個のコアを用いることが可能である。

    本発明は10kVより高い電圧の加速構造に特に好ましく、100kV以上、あるいはメガボルト加速器にさらに好ましい。

    アストロン加速器[1]及び他のすべての「線形誘導」加速器は、今日まで、ビーム軸を多数のパルス型磁性体コアで取り囲むことによってビームを加速させる設計の一部として使用されている。 しかしながら、このような使用はそこでとどまり、他のすべての線形誘導加速器ではサイラトロンあるいは火花ギャップスイッチを用いる高電圧駆動システムが使用されている。

    本願において提供される新規な加速器設計は、製造及び所有管理(最少の維持管理要求性)の両面における信頼性、安全性、及び低コスト性において新たな世界を開くものである。

    図3は本発明の一つの例示的実施態様に従った粒子加速器の具体例について説明するための概略図である。 この実施例においては、各駆動部120はエネルギー蓄積コンデンサ122と絶縁ゲート双極トランジスタ(IGBT)の形態をとるソリッドステートスイッチ124とによって構成されている。 本実施例では、1個かつ同じDC電力供給ユニット112がエネルギー蓄積コンデンサ122を選択的に充電するため、駆動部120のそれぞれに接続される。 スイッチ制御モジュールからの適切なオン/オフ制御により、IGBTスイッチ124を操作してオンにしてコンデンサ122からコンデンサエネルギーを転送させて出力駆動パルスをスタートさせ、またIGBTスイッチをオフにして出力駆動パルスを止めるように操作可能である。 例えば、電圧制御パルス等の適当な信号をゲート(g)電極へ与えることによってスイッチがオンされ、また電圧制御パルスが止まればスイッチがオフされる。

    適当なソリッドステートスイッチの別の例として、オン/オフ両操作の制御が可能なMosFetsあるいはIGTCs(絶縁ゲート制御サイリトタ)が挙げられる。

    図4は本発明の一つの例示的実施態様に従った粒子加速器装置の別の具体例について説明するための概略図である。 この実施例においても、各駆動部120はエネルギー蓄積コンデンサ122と、絶縁ゲート双極トランジスタ(IGBT)の形態をとるソリッドステートスイッチ124を基盤として構成されている。 任意ながら有益な補足として、各駆動部120には好ましくは電圧ドループ補正(VDC)ユニット126と電圧スパイクに対する保護のためのデスパイキングあるいはクリッパダイオードと呼ばれる光ダイオード128が含まれる。

    電圧ドループ補正(VDC)ユニット126は、エネルギー蓄積コンデンサ122の充電中における電圧ドループ、あるいは降下を補正するように、従って所望の平坦程度のパルスが生成されるように出力パルスの形状を制御するように構成される。 好ましくは、VDC126は受動電圧ドループ補正回路(該回路を通してコンデンサエネルギーが移動される)、例えば並列レジスタ・インダクタ(RL)ネットワーク回路の形態で与えられる。

    図5は本発明の一つの例示的実施態様に従った誘導型粒子加速器の構成及び操作原理について説明するための概略図である。

    よりよい理解を得るため、線形誘導型加速器の操作原理のいくつかについて、例示的装置のビーム軸を含む平面における断面を示す図5の概略図を参照しながら以下において説明する。

    図5に示した複数コア加速器構造の運転について議論するためには、いくつかの「法則(rules of the game)」が必要である。 第一に、「右手の法則」が必要とされる。 この(不定な)法則は、もし貴方が導体を親指を正の電流が流れる方向に位置させて右手で握るならば、貴方の指は導体の周りを導体を取り囲む磁束線の方向にカールするというものである。 図5へこの法則を当て嵌めると、環状の磁性体コア中に誘導される磁束は図示されたように循環する。 「点」を用いて読者の方へ向かっている磁束ベクターを示し(点は矢の先端を表す)、×を用いて読者から離れる方向を向く磁束ベクターを示す(この×は矢の後端の羽根を示す)。

    この法則を加速器構造の軸に沿って右方向に流れる粒子ビームへ適用することにより、このビームによって発生した磁束が一次電流によって誘導される磁束の反対方向、すなわち正しい方向へ循環することが見出される。 もし我々が、これが想像上の「移動(transformer)」であり、ビームを二次巻線を横切る「短絡」であると考えるならば、この二次電流は一次電流によってを誘導される磁束を打ち消す方向に流れ、磁性体コア中に正味の磁束は誘導されず、そして一次電力源へ「短絡」が与えられる。 磁性体コア中に磁束変化がないということは一次巻線に電圧がないこと、すなわち短絡と定義される。 それゆえ、正の荷電粒子(プロトン)ビームは加速器構造によって右の方へ加速され、また負の荷電粒子(電子)ビームは左の方へ加速される。

    次に電磁界理論の別の法則、すなわち磁束を取り囲む導体中に誘導される電圧はその磁束の変化率に等しいという法則(ファラデ−の法則)を適用する。 5つの磁性体コアすべての磁束を取り囲むパス(path)について考える。 このパスを辿る想像上の「ワイヤ」中に誘導される電圧は、5つの磁性体コアすべてにおける磁束の変化に等しいであろう。 しかし、各磁性体コアは一次電圧Vによって駆動されることから、各磁性体コアの磁束変化率はVに等しい。 従って、すべての磁性体コアの周りのパスに沿って誘導される電圧は5Vとなるであろう。

    線形誘導加速器全般の従来操作方法についてさらに詳細に理解したいならば、基本型アストロン加速器[1]を参照されたい。

    図6は本発明の例示的実施態様に従った新規な加速器磁性体コア装置の実施例を示す概略図である。 磁性体コア装置160は基本的に、中心軸に沿って装置される複数の磁性体コア片130から構成される。 1以上の磁性体コア片130のそれぞれは少なくとも2個の磁性体コアから成り、外側磁性体コアと呼ばれる一番目のコアは、内側磁性体コアと呼ばれる二番目のコアに対して中心軸から外側へ放射状に装置される。 かかる考え方は、図6に示すように、当然加速部毎に装置される数個のコアに対しても拡大適用される。

    1または2以上の追加の磁性体コアを中心から外側へ向けて放射状に入れ子状に重ねることにより、加速電界(ボルト/装置長さ(m))は従来の単一磁性体コア設計よりも大幅に引き上げられる。 これにより、装置の長さに対する装置の直径の取り決めに自由度が与えられる。 さらに、さらに装置の長さを既存の設計よりも大幅に短くすることができるため、装置をさらにコンパクトにすることが可能となる。

    100kVの加速構造の例では、例示として100個の磁性体コアを用いることができ、ここで各磁性体コアは1kVソリッドステートスイッチ方式駆動装置パルスによって駆動される。 しかしながら、各磁性体コア片に例えば5個の磁性体コアが含まれるように磁性体コアを放射状に入れ子状とすることにより、必要な磁性体コア部は20個のみとなるため、さらにコンパクトな設計とすることが可能である。

    この新規な磁性体コア装置は、先に開示された図2〜5の実施態様のいずれかと組み合わせることが可能であるが、代替として、操作に誘導型加速原理を用いるか用いないかに拘わらず、線形粒子加速器を含めていずれか適当なタイプの粒子加速器中のいずれか適当な電気駆動装置と一緒に用いることも可能である。 しかしながら、以下において、線形誘導型粒子加速器の具体例を参照しながら新規な磁性体コア装置について記載する。

    図7は、図6に示す磁性体コア装置を備える新規な誘導型粒子加速器の概略図である。 加速器100は、基本的に、1または2以上の電力供給ユニット112を有する電力供給ユニット110、複数のソリッドステートスイッチ方式駆動部120、複数の磁性体コア片130、及び電子スイッチ制御モジュール140及び粒子源150から構成される。 磁性体コア片130は新規な磁性体コア装置160中において連結される。

    ソリッドステートスイッチ方式駆動部120は電力供給装置110から電力を受け取るために該電力供給装置110へ接続される。 各ソリッドステートスイッチ駆動部120は、ソリッドステートスイッチ方式駆動部120の出力部において駆動パルスを選択的に与える、オン/オフ電子制御可能なソリッドステートスイッチから構成される。

    磁性体コア片130は中心ビーム軸に沿って対称的に配置される。 1または2以上ある磁性体コア片130のそれぞれは少なくとも2個の磁性体コアから成り、外側磁性体コアと呼ばれる一番目の磁性体コアは、内側磁性体コアと呼ばれる二番目の磁性体コアに対して中心軸から外側へ向けて放射状に装置される。 このような装置方式は、当然各加速部に配置される数個の磁性体コアに対しても拡大して適用可能である。 各磁性体コアは、好ましくはソリッドステートスイッチ方式駆動部の出力部へ接続される電気配線を介してそれぞれのソリッドステートスイッチ方式駆動部120へ接続される。

    スイッチ制御モジュール140は、駆動部120のソリッドステートスイッチのオン/オフを制御する制御信号(オン/オフ)を与えて磁性体コア部130の磁性体コアを選択駆動させるソリッドステートスイッチ方式駆動部120へ接続され、粒子源(図7には図示せず)から生ずる荷電粒子のビームを加速器構造全体の中心ビーム軸に沿って加速させる電界が誘導される。

    このようにして、信頼性、オンライン化可能性、及び安全性(低電圧駆動性)を高度に満たす、極めてコンパクトで低コストな誘導型加速器を得ることが可能となる。

    以下に、本発明に係る加速器の利点について従来型加速器と比較して例示する。
    ・従来型加速器では磁性体コアを駆動するために高電圧(10kV〜100kV)パルス源が用いられるため、コアによるギャップあるいはサイトロンスイッチ、あるいは飽和コア磁気スイッチのスパークが制限される。
    ・従来型加速器では、磁性体コア当たり1個の電力供給源が用いられるが、上記において指摘された不要な制限が課される。 実際、望まれれば1個の電力供給源で加速器のすべての磁性体コアを駆動できるが、従来装置では設計が複雑となり、またコストも嵩む。
    ・従来装置では高電圧駆動システムが使用されるため、コア駆動パルス装置に対するオイルあるいは高圧ガスの遮断が要求され、不必要に複雑化してしまう。
    ・従来型加速器ではすべて各加速片に1個の磁性体コアを用いている。 このことは必ずしも必要ではないが、我々は例示的実施態様においても、中心から外側へ向けて放射状に追加磁性体コアを入れ子状に重ね、さらにこの考え方を加速部毎の数個の磁性体コアへも拡大して、それによって単一磁性体コア設計上方における加速電界(ボルト/装置長さ(m))を引き上げている。 これにより、装置の長さに対する装置の直径の取り決めに自由度が与えられる。 また、これによって装置の長さを既存の設計に比べて大幅に短くすることができるため、装置をさらにコンパクトにすることも可能となる。 例えば、アストロン(1969年型)の場合は、電圧は4.2MeVであり、長さは約100フィート(39.5m)であった。 中心から外側へ向けて放射状に1または2以上の追加磁性体コアを入れ子状に配置することにより、約5mの長さで4.2MeVの加速電圧を生成することが確実に可能となる。
    ・本発明加速器では、環状のギャップがなく、安価でいかなる所望サイズにも作製可能なメットグラス(Metglas:登録商標)テープ巻き磁性体コアを用いることも可能である。 また、(パルス変圧器中に用いられる分節型C磁性体コアとは異なり)複雑な磁性体コア把持あるいは取付構造も不要である。
    ・磁性体コアの冷却は強制空気によって遂行され、磁性体コアの断面積は小さいため、効率的な空気冷却に要求される高い容積・表面積比が得られる。 従って、冷却液も熱交換器も不要である。
    ・加速構造全体を「受動型(passive)」とすることが可能である(ダイナミトロンとは異なり、加速構造にダイオードも他の半導体部品も不要である)。 このことは、加速器中に、摩耗、あるいは放電による損傷、あるいは放射線による損傷を受ける部品がないことを意味する。 寿命制限のある部品は電子源(熱フィラメント)とビーム出口(金属箔)窓だけである。 これらの2つの部品は好ましくは加速器外部の延長パイプ中に取り付けられるので、これら部品の手入れのために加速器の取外しは不要である。
    ・加速器は好ましくはソリッドステート駆動モジュールによって駆動されるため、寿命制限のある部品は使用されない。 これらのモジュールは加速器から離れたいかなる便宜のよい部位にも配置可能なため、半導体の放射線による損傷は全く懸念されない。 絶縁ゲート双極トランジスタ(IGBT)駆動モジュールは使用可能な多くの駆動モジュールのうちの一つである。

    上記の実施態様は単なる例示であり、本発明はこれら例示に限定されないことが理解されなければならない。 本発明において開示、クレームに限定された基本原理が包含される他の変更、変形、及び改良は本発明の範囲内に含まれる。

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