Multi-stage cavity cyclotron resonance accelerator

申请号 JP2002570593 申请日 2001-07-31 公开(公告)号 JP2004530260A 公开(公告)日 2004-09-30
申请人 エル−3・コミュニケ−ションズ・コ−ポレ−ション; 发明人 サイモンズ、ロバート・スペンサー; チャンビアオ、ワン; ハーシュフィールド、ジェイ・エル;
摘要 高電流、高勾配、高効率の多段空洞サイクロトロン共鳴 加速 器(MCCRA)は室温の空洞で20MeV/mを超える加速勾配で、50MeV/段を超えるエネルギ利得を提供する。 多段空洞サイクロトロン共鳴加速器は荷電粒子源、複数のエンドツーエンド回転モード室温空洞を含んでおり、空洞を通り抜ける実質上均一な磁界を提供する。 特に、MCCRAには加速電界のRFよりも少し高いサイクロトロン周 波数 を発生するのに十分な一定の磁界が設けられる。 それぞれ空洞に結合されている複数の入 力 フィードも設けられる。 本発明の実施形態によれば、第1の空洞からのビームはカットオフドリフト管を通過し、依然として低い無線周波数電界を支持する空洞でさらに加速される。 この実施形態は数ミリアンペアの1ギガボルトの陽子ビームを効率的に生成する。 単一空洞は無線周波数エネルギの約70%をビームへ転送する。 一定またはその長さに沿って僅かに減少する静磁界を使用し、空洞中のビームの局部的な相対論的サイクロトン周波数よりもそれぞれやや低い漸進的に低下する周波数で動作する空洞間のカットオフドリフト管を使用する多空洞加速器は非常に効率的でコンパクトで連続的に動作する中間エネルギ加速器を与える。 本発明の別の実施形態では漸進的に低下する周波数は異なる周波数に対応して実質上等しいインクリメントで減少するように選択される。 荷電粒子は異なる周波数に対応してパルスで放射される。
【選択図】図1
权利要求
  • 荷電粒子を加速するための高電流、高勾配、高効率、多段空洞のサイクロトロン共鳴加速器(MCCRA)において、
    前記荷電粒子のパルスを放射する荷電粒子ソースと、
    軸方向に延在し、前記荷電粒子ソースに結合されている複数の連続的に配置された回転モード空洞と、
    前記空洞を中心に同軸的に配置され、前記複数の連続的に配置された空洞の軸方向の範囲に沿って実質上均一な磁界を与える少なくとも1つのソレノイドコイルとを具備し、各連続的に配置された空洞は荷電粒子のおおよその共鳴を維持するために漸進的に低いRF共鳴周波数で共鳴し、それぞれの前記連続的に配置された空洞のそれぞれのRF共鳴周波数は差周波数に対応している実質上等しいインクリメントで減少し、前記荷電粒子の前記パルスは前記差周波数に対応して放射されるサイクロトロン共鳴加速器。
  • 前記複数の空洞の少なくとも1つに配置されている同軸の誘電体ライナをさらに具備している請求項1記載のサイクロトロン共鳴加速器。
  • 前記複数の空洞の少なくとも1つに配置されている複数の半径方向の翼をさらに具備している請求項1記載のサイクロトロン共鳴加速器。
  • 前記複数の半径方向の翼は無線周波数二重双極子(RFDD)を与えるように構成される4つの放射翼をさらに具備している請求項3記載のサイクロトロン共鳴加速器。
  • 電気荷電粒子はイオン、電子、陽子、ミューオンからなるグループから選択されている請求項1記載のサイクロトロン共鳴加速器。
  • 前記複数の各空洞はTE 111 モードで共鳴する請求項1記載のサイクロトロン共鳴加速器。
  • 荷電粒子ソースから前記荷電粒子をパルスとして放射し、
    軸方向に延在する複数の連続的に配置された回転モード空洞を通って軸方向に前記荷電粒子を送り、
    前記複数の連続的に配置された空洞の軸方向の範囲に沿って実質上均一な磁界を与え、
    荷電粒子の前記パルスのおおよその共鳴を維持するために漸進的に低いRF共鳴周波数で各連続的に配置された空洞を動作させるステップを含み、前記連続的に配置された空洞のそれぞれのRF周波数は差周波数に対応する実質上等しいインクリメントで減少し、前記荷電粒子の前記パルスは前記差周波数に対応して放射される荷電粒子の加速方法。
  • パルスを放射するステップは、前記差周波数の逆数に対応した時間間隔で前記荷電粒子の前記パルスを放射することをさらに含んでいる請求項7記載の方法。
  • 前記複数の空洞の少なくとも1つを容量的に荷電するステップをさらに含んでいる請求項7記載の方法。
  • 前記荷電粒子はイオン、電子、陽子、ミューオンからなるグループから選択される請求項7記載の方法。
  • 前記動作させるステップは、前記複数の空洞をそれぞれTE 111 モードで共鳴することをさらに含んでいる請求項7記載の方法。
  • 荷電粒子を加速するシステムにおいて、
    前記荷電粒子のパルスを放射する手段と、
    軸方向に延在する複数の連続的に配置された回転モード空洞を通って軸方向に前記荷電粒子を伝送する手段と、
    前記複数の連続的に配置された空洞の軸方向の範囲に沿って実質上均一な磁界を与える手段と、
    前記荷電粒子のおおよその共鳴を維持するため漸進的に低いRF周波数で各連続的に配置された空洞を動作させる手段とを具備し、前記連続的に配置された空洞のそれぞれのRF周波数は差周波数に対応する実質上等しいインクリメントで減少し、前記荷電粒子の前記パルスは前記差周波数に対応して放射されるシステム。
  • 複数の各空洞はTE 111 モードで共鳴する請求項12記載のシステム。
  • 所望の双極子モードに対してカットオフ周波数を減少させる手段をさらに具備している請求項12記載のシステム。
  • 前記荷電粒子はイオン、電子、陽子、ミューオンからなるグループから選択される請求項12記載のシステム。
  • 前記複数の連続的に配置された空洞のそれぞれ1つ1つに与えられるパワー量を制御する手段をさらに具備している請求項12記載のシステム。
  • 说明书全文

    【0001】
    【発明の属する技術分野】
    本発明は荷電粒子加速器、特に実質上効率を増加するため、多数の空洞段を有し、それらの各段を横切って均一な磁界を有するサイクロトロン共鳴加速器に関する。
    【0002】
    【従来の技術】
    静止質量エネルギの約2または3倍に等しいエネルギを有する粒子を発生する荷電粒子加速器には幾つかの応用が存在する。 例えば電子(0.511MeVに等しい静止質量)は百万ボルトで加速されるとき、岩石密度、即ちその岩石がオイルを含むのに十分多孔であるか否かを決定するのに重要な特性を決定するための適切なエネルギを有するX線を発生する。 百万乃至数百万電子ボルトはまた例えば大腸菌、サルモネラ菌、リステリア菌汚染を安全にするために食料の殺菌に使用されるX線に適切なエネルギである。 陽子(938MeVに等しい静止質量)は約10億ボルトまで加速されるとき、これらが鉛、銀またはタングステン等の重金属の核に衝突するとき中性子を発生する大きい断面を有する。 これらの中性子は臨界未満のリアクタを駆動することができる。 このような臨界未満のリアクタは分裂しやすい核燃料をさらに効率的に使用し、長寿命のアクチニドを消費し、したがって通常のリアクタの廃物に関する地質的(geologic)保管問題を減少する。 これらの加速器応用では、X線管をイメージする場合のように粒子ビームを小さいスポットに焦点を結ばせることは重要ではない。 これらの応用では、拡散衝撃ゾーンは、他の方法では困難な熱問題の解決を容易にするので有効である。
    【0003】
    高エネルギの装置では、サイクロトロン放射により損失が減少されるので、線形加速が便利である。 高い電流の装置では、各空洞におけるビームの負荷は空洞材料の電気抵抗による空洞中の損失と比較して大きいので線形加速器が有効である。 これは空洞損失が高電流ビームパルス間のRFパワーの同調をオフにすることにより最小にされるパルス動作する装置では特に真実である。 低発散の良好に焦点を結んだビームについて要求が存在する連続的な電流を使用する装置では、ビーム負荷は非常に小さいので、超伝導空洞が空洞損失の問題を解決するために使用されなければならない。 別な方法では、ビームが同一の空洞を多数回軌道周回する円形の装置は、ビーム負荷が損失に関して、空洞を通過するビームの回数にほぼ比例して増加されるのでさらに効率的である。 円形の装置についての問題は、サイクロトロン周波数が粒子の相対論的質量がエネルギにより変化するときに変化することである。 通常、粒子は加速電圧の周波数が磁界中の粒子の相対論的なサイクロトロン周波数よりも低い限り加速される。 粒子がエネルギを獲得するとき、相対論的なサイクロトロン周波数は“加速”電圧の周波数よりも下に落ち、粒子はその幾らかのエネルギを“加速”電界へ戻す。
    【0004】
    1945年、ソビエトのVeksler と、この国のMcMillanは、相対論的粒子が“バンチ”し、加速電圧の位相に関して安定の状態である傾向があることを指摘した。 したがって、通常のサイクロトロン中のエネルギによるサイクロトロン周波数が変化することにより課されるエネルギの限定はシンクロサイクロトロンまたはシンクロトロンでそれぞれ行われるように加速電圧の周波数または磁界を変化することにより対処されることができる。 これらの変化が十分ゆっくりと行われるならば、荷電粒子は周波数が低下され、または磁界が増加されると、エネルギを獲得する。 このようなビームは連続的ではなく、代わりに所望のエネルギが到達された後に装置から抽出される。
    【0005】
    1958年および1959年に、Twiss 、Gaponov 、Schneider は、横方向のRF電界と、一定の軸的な磁界で螺旋形通路に沿って進行する電子が相対論的な質量の変化のメカニズムにより方位的にバンチされることを認識した。 これらはまたサイクロトロン周波数に近い周波数で放射する。 この相互作用は時には、“サイクロトロン共鳴メーザー”(CRM)不安定性と呼ばれる。 イェール大学の共同発明者のHirshfieldおよびWachtel はCRM不安定性を観察し、その特性を計算した。 CRM不安定性を、電子に対する軸方向運動の付加によるシンクロトロン加速の逆数として考えることが恐らく正解である。 JoryおよびTrivelpiece はTE 111 円形導波管空洞の軸に沿って伝導する1000ボルトのエネルギを有する電子を主として周囲方向を向く運動量を有する500,000ボルトのエネルギに加速した。 彼等は高次のモードをサポートする別の円形導波管でミリメートル波長の放射を発生するためにこれらの電子を使用した。
    【0006】
    さらに最近、Hirshfieldはさらに精巧な逆CRM加速器を構成した。 彼は磁界がTE 11モードをサポートする導波管の軸に沿って増加する点を除いて前述の装置1に類似した電子加速器を構成し、それによってドップラシフトされたRF電界は相対論的サイクロトロン周波数との同期を維持した。 この種類の装置はサイクロトロン自動共鳴加速器(CARA)と呼ばれる。 WangおよびHirshfieldは静止磁界と高周波電磁界の荷電粒子の動きをシミュレートするのに必要なコンピュータコードを開発した。 HirshfieldおよびLaPointeは最初に電子のCARAを試みた。 結果は、静止質量エネルギの2倍に等しいエネルギが実現可能なフィールド強度により到達されるが、効率はたいしたことはないことを示した。 陽子についてのシミュレートは非常に残念な結果であった。 陽子の粒子はミラーリングが生じる前に磁界中で非常にわずかの軌道しか作らなかった。 CARAの軸方向磁界は軸方向の距離と共に増加するので、放射状の磁界が存在しなければならない。 これは粒子の角速度と相互作用し、結果的にはビームを停止し、これを軸に沿って送り返す。 陽子に対するCARAでは、空洞中の電界と結果的な損失が非常に高くないならば、陽子は所望のエネルギに近いものを得るのに十分な軌道を作る前に停止することが分かった。
    【0007】
    【発明が解決しようとする課題】
    したがって、既知のサイクロトロン自動共鳴加速器の失速問題がなく、高い効率でその静止質量の少なくとも2倍に等しいエネルギに粒子を加速できる加速器を提供することが有効である。
    【0008】
    【課題を解決するための手段】
    本発明の考察にしたがって、高電流、高勾配、高効率、多段の空洞サイクロトロン共鳴加速器(MCCRA)は室温の空洞で20MeV/mを超える加速勾配で、50MeV/段を超えるエネルギ利得を提供する。
    【0009】
    多段空洞のサイクロトロン共鳴加速器は、荷電粒子ソースと、複数のエンドツーエンド回転モード室温空洞と、ソレノイドコイルとを含んでいる。 ソレノイドコイルは空洞を包囲し、空洞を通り抜ける実質上均一な磁界を提供する。 特に、MCCRAには加速電界のRFよりも少し高いサイクロトロン周波数を発生するのに十分な一定の磁界が与えられる。 それぞれ空洞に結合されている複数の入フィードも設けられる。 本発明の実施形態によれば、第1の空洞からのビームはカットオフドリフト管を通過し、依然として低い無線周波数電界をサポートする空洞でさらに加速される。 この実施形態は100mAよりも大きい電流を有する陽子ビームを生成する。 単一の空洞は無線周波数エネルギの約70%をビームへ転送する。 一定または長さに沿って僅かに減少する静磁界を使用し、空洞中のビームの局部的な相対論的サイクロトン周波数よりもそれぞれやや低い漸進的に低い周波数で動作する空洞間のカットオフドリフト管を使用する多数の空洞の加速器は非常に効率的でコンパクトで連続的に動作する中間程度のエネルギの加速器を与える。
    【0010】
    増加した磁界は軸的な運動量の不所望な損失および失速につながるので、加速器の磁界は全ての段を横切って実質上均一であり、減少した磁界は軌道半径の管理できない程度の増加につながる。 加速器の連続的に配置された空洞段は粒子の質量が増加するときに近似的な共鳴を維持するように連続的に低いRF周波数で動作する。 本発明の1実施形態では、漸進的に低い周波数は差周波数に対応する実質上等しいインクリメントで減少するように選択される。 荷電粒子は異なる周波数に対応してパルスで放射される。
    【0011】
    多段空洞のサイクロトロン共鳴加速器(MCCRA)のさらに完全な理解は好ましい実施形態の以下の詳細な説明を考慮することによりその付加的な利点および目的の実現と同様に当業者に与えられよう。 最初に添付図面を参照にして簡単に説明する。
    【0012】
    【発明の実施の形態】
    本発明は、高電流で、高勾配で、高効率の、多段空洞のサイクロトロン共鳴加速器(MCCRA)に関する。 MCCRAは20MeV/mを超える加速勾配で50MeV/段を超えるエネルギ利得を与える。 100mAを超えて加速された電流はマイクロバンチのない十分な多マイクロ秒を超えるパルスを得ることができる。 加速はサイクロトロン共鳴により与えられ、したがって強力な静止磁界が必要とされる。
    【0013】
    多段の高勾配の空洞の陽子加速器の1つの例示的なRF構造が図1に示されている。 加速器はイオンソース1、エンドツーエンドTE 111 回転モード室温空洞2、3およびソレノイドコイル4を含んでいる。 入力フィード6、7は空洞2、3にそれぞれ結合されている。 ソレノイドコイル4は空洞2、3を通抜ける実質上均一な磁界を与える。 DC電圧電源8は数キロボルト程度の加速電圧をイオンソース1へ与える。 加速器中の磁界は、増加する磁界が軸方向の運動量の不所望な損失と失速につながり、一方、減少する磁界は荷電粒子の軌道半径の管理できない程度の増加につながるので、全ての段を横切って実質上均一でなければならない。 図1で示されている加速器は説明を容易にするために簡単にされており、実際の加速器は図面で示されている2段よりも多数の空洞段を有してもよいことを認識すべきである。
    【0014】
    本発明の1実施形態では、第1の空洞2は100MHz(f )で10MWのRFパワーで駆動され、第2の空洞3はそれぞれの入力フィード6、7により94MHz(f )で7.7MWで駆動される。 加速器の連続的に配置された空洞段は粒子質量が増加するときに近似する共鳴を維持するために連続的に低いRF周波数で動作することが重要である。 10keVから1GeVへの粒子の加速は約2の係数の最初と最後の空洞状態間の集合周波数の減少を必要とする。 この周波数の減少はシンクロトロンに対する典型的な一時的に増加する周波数変化に対して反対であり、その場合に磁界も増加する。
    【0015】
    本発明の実施形態では、第1の空洞に対して負荷されていない(即ちオーム性および外部)およびビーム負荷された品質係数はQ =100,000およびQ =30,000であり、一方、第2の空洞では、これらはQ =100,000およびQ =17,000である。 これらの値は入射RFパワーの70%が第1の空洞2中で陽子ビームにより吸収され、83%が第2の空洞3中で陽子ビームで吸収されることを示している。 第2の段の後のビームパワーは13.4MWである。 67.0kGの均一な磁界は両空洞を通り抜ける。 注入された陽子ビームエネルギは10keVであり、最終的な陽子エネルギは114.0MeVであり、陽子電流は117.6mAである。 この説明の目的ではビームはゼロの開始放射とゼロの開始エネルギ拡散を有すると仮定している。 ビームをシミュレートするための16の計算粒子は100MHzにおける2サイクルにわたるπ/4のRF位相期間と、20ナノ秒のパルス幅に対応して1.25ナノ秒の時間間隔で注入される。 注入された粒子はゼロの開始放射座標を有する。
    【0016】
    第1の空洞に沿った平均エネルギ利得と軸方向速度の変化の経歴が軸方向ガイド磁界の3つの値B =66.8、67.0、67.2kGについて図2に示されている。 <γ>=1+(/U)[MeV]/938と、平均軸速度<B >=(/v )/cの単位における平均陽子エネルギの計算された変化が第1の空洞内の軸方向座標zの関数として示されている。 本文で説明したようにパラメータと、Bフィールドの3つの値についての例が示されている。 第1の空洞は半径110cmを有し、空洞(z=250cm)の後端部におけるエネルギ利得は67.0kGで最大であり、空洞内の軸方向速度の減少は67.2kGの場合程、厳格ではない。 さらにB の増加は軸方向速度の符号の反転、即ち粒子の反射につながることが発見されている。 この失速効果はポンデロモーティブの軸方向の力によるものであり、これは陽子軌道の正確な詳細に明白に基づいている。 B =67.0kGでは、軸方向速度の小さい一時的な減少だけによる実質的なエネルギ利得(/U)−(/U )=59.5MeV(γ=1.063)が空洞の通過中に発見され、ここで(/U)および(/U )はそれぞれ最後および最初の陽子エネルギの集合平均である。 陽子のサイクロトロン周波数はこの段ではRF周波数の94%よりも下に低下するので、z>200cmに対しては粒子エネルギの小さい減少は過剰な位相スリップによるものである。 第1の空洞中の平均加速勾配は23.8MeV/mである。 117.6mAのビーム電流では、第1の空洞の効率は70%である。 陽子は多数のジャイレーションを生成し、回転RF電界とほぼ平行して移動する長い通路をたどるので、強力な軸方向加速勾配が可能である。 この例では、陽子は第1の空洞中で約48回転を実行し、最終的に約17cmのジャイレーション半径に到達する。 均一な磁界を有するTE 111 空洞における陽子のこの急速で効率的なサイクロトロン共鳴加速は、数百KeVによる加速の証拠を示したJoryとTrivelpiece により電子で報告されたものと類似した結果を示している。
    【0017】
    図3のaは縦続的に動作する2つの例示的な空洞のエネルギ利得および軸方向速度を示している。 94GHzで動作する第2の空洞は110cmの半径と302cmの長さを有している。 (開始時に計算された)第1と第2の空洞中のフィールド間の相対的な位相差は0.70πに設定され、その値は第2の空洞でエネルギ利得を最大にすることが発見されている。 この位相差は最大のエネルギ利得のためにジャイレーション陽子が回転RF電界にほぼ平行に整列された速度ベクトルで第2の空洞に入ることを可能にする。 図3のaから、2つの空洞のエネルギ利得は共に113.96MeV(γ=1.1215)に到達し、軸方向速度は第2の空洞を通じてほとんど一定の状態であることが分かる。 ビーム負荷されたQ(17,000)とRF駆動パワー(7.7MW)は第1の空洞と同じ電流(117,6mA)に適合するように調節された。 陽子は第2の空洞で約43回転を実行し、最終的に約22cmのジャイレーション半径に到達する。 両空洞の平均加速勾配は20.7MeV/mである。 図3のbおよびcは加速期間中の単一陽子の軌道の横方向(x−y)と縦方向(x−z)平面の投影を示している。 特に、図3のbは図3のaのように加速を受ける陽子の軌道の横方向の平面の投影を示している。 図3のcは図3のaおよびbのように加速を受ける陽子の軌道の縦方向の平面の投影を示している。 陽子は加速期間に約90回転を行う。
    【0018】
    陽子の加速について前述した例で示されている同一の原理は他の荷電粒子種、即ち電子、ミューオン、または重イオンの加速にも応用されることができる。 ミューオン加速器の現在最も大きな問題を考慮すると、本発明の代わりの実施形態は強力な均一磁界の空洞を使用してサイクロトロン共鳴でミューオン加速を行うことができる。 図4は以下のパラメータに対する均一な67.0kGのBフィールド中の2つの空洞の1例を示している。
    第1の空洞:f=850MHz、P=10MW、Q =40.000、Q =20,000、R=13cm、L=29cm;
    第2の空洞:f=700MHz、P=4.0MW、Q =40.000、Q =10,000、R=15cm、L=39cm
    第1の空洞中の加速は10KeVから23.24MeVへであり、第2の空洞では37.1MeVへ加速される。 ビーム電流は215mAであり、最大の軌道半径は3.8cmであり、平均加速勾配は54.4MeV/mであり、全体的な効率は57%である。 これらの値は通常のミューロン線形加速器と比較して好ましい。
    【0019】
    図2−4で示されている陽子加速器の第1の2つの段の例の100MHzと94MHzのTE 111 空洞は直径220cmを有し、最大の陽子軌道直径は34cmと44cmである。 少なくともこれらの第1の段では、ほとんどの空洞の容積は陽子ビームにより横断されないが、周囲のソレノイドコイルからの磁束線で透過される。 必要とされる67kGのサイクロ磁石は(図1で示されているようにRFフィードの空間を可能にするために)恐らく室温で240cmの口径を必要とする。 これは恐らく現在の技術的水準内のものであるが、この口径を減少することは非常に望ましいことである。
    【0020】
    図5で示されている第1の別の実施形態では、空洞の直径は厚い同軸誘電ライナ9、10の形態の誘電体負荷を使用することによって減少される。 HEM 11モードの分散関係の解析では、例えば内部の真空穴のTE 11状のフィールドを有する100MHz空洞が非常に減少した全体的な直径を有することを示した。 アルミナ誘電体(ε=9.6)と、40cmの穴の直径と250cmの空洞の長さでは、外部直径は約84cmである。 共振周波数が減少し、それらの穴の直径がジャイレーションビームの増加した半径に適合するために増加するとき、連続的に配置された空洞は勿論大きくなる。 高パワーの空洞構造内にアルミナが存在することによる欠点は、これが故障問題を生じることであり、このような大きいアルミナ素子の大きい重量と価格も不都合である。
    【0021】
    図6で示されている第2の別の実施形態では、厚い半径方向の翼62が容量性負荷を与える空洞で使用され、それによって所望のダイポールモードに対するカットオフ周波数を減少させる。 対称垂直軸に沿って切断された後の構造の1/2だけが図6に示されていることに注意すべきである。 4つの対称翼が使用されるとき、2つのダイポールモードは相互に関して90°時間および空間位相がずれている。 回転(即ち円偏波された)フィールドを得るために、これらの2つのダイポールモードは時間象限で励起される。 この構造は無線周波数二重双極子(RFDD)と呼ばれることができる。 RFDD構造の簡単な例はHFSS構造のシミュレーションコードを使用して解析され、その結果は図6に示され構成されている。 極子モードの電界線は軸近くではほぼ均一であることが認められる。
    【0022】
    図6に示されているRFDD構造では、外部直径130cm、リッジ幅15cm、対向するリッジ間の中心ギャップ30cmを有し、双極子モードのカットオフ周波数は73.8MHzであることが発見され、一方、四極子モードのカットオフ周波数は78.97MHzであることが発見された。 したがって、長さ222cmのRFDD構造のセクションは100MHzの双極子共鳴周波数と、104MHzの四極子共鳴周波数を有する。 1,000−10,000程度のQ での動作はしたがってビームによりあまり四極子モードに結合せずに双極子モードで純粋に可能にされる。 簡単なTE 111 円筒形空洞よりも著しく小さい外部直径を有する陽子サイクロトロン加速器の空洞に対して全ての金属構造の装置を開発する可能性を説明するためにこの理想的な例が示されている。 RFDD構造の解析がさらに進められ、それには翼の形状を最適にし、表面の磁界強度を減少するため鋭角の角を丸くし、時間象限で両者の縮退双極子モードを励起するために入力結合を与えることが含まれていることが予測される。 RFDDに基づいて2空洞構造の最適化された設計では、セル中の粒子のシミュレーションコードKARATを使用して、構造の実際のRFフィールド中の陽子加速の研究を実行することも目的としている。 最適化された構造が一度発見されると、コールド試験モデルが組立てられ、設計を確実にするための実験的な試験を行うためにSバンドにスケールされる。
    【0023】
    前述したように、陽子は1つのTE 111 空洞から次の空洞へドリフトするが、与えられた軸方向磁界は均一で実効的な陽子質量が増加しているので、累積的な加速を行うように連続的に配置された空洞は低い共鳴周波数をもたなければならない。 陽子の単一の狭いバンチ(集群)では、各空洞中のフィールドの位相が適切に調節されるならば、空洞の縦続を通しての加速を想像することは難しくはない。 特に陽子のバンチが各空洞に到着するとき、回転するTE 111 モードの電気ベクトルの方向が陽子のモーメントに平行であるならば最大加速が実現される。 しかしながら、陽子バンチ列の均一な加速は、全てのバンチが縦続を進行するときに同一の経歴を有することを確実にするように連続的に配置された空洞の異なる周波数の位相が賢明に配列される場合のみ生じる。
    【0024】
    本発明の別の実施形態では、空洞周波数は等しいインクリメントで減少するように整列される。 例えば周波数の減少インクリメントは5MHzに選択され、空洞周波数は100、95、90、85…50MHzであるように選択されてもよい。 陽子ビームは連続する空洞間で差周波数(例えば5MHz)でパルス付勢され、それによって陽子のバンチは一時に各空洞に入り、ここでは空洞の電磁界がある方法で整列される。 特に、各空洞中のフィールドの最初の位相はしたがって最適化された累積的加速を第1の陽子バンチに与えるように整列されてもよい。 連続的なバンチが差周波数の逆数(例えば5 −1 MHzまたは200ナノ秒)に対応した時間インターバルで注入されるならば、各バンチにより見られるフィールドは第1のバンチにより見られるフィールドと同一である。 これは各200ナノ秒のインターバル後、それぞれの空洞中のフィールドが正確に20、19、18、17、16…10サイクルだけ前進されており、したがって第1のバンチにより見られるシーケンスを再構成するからである。 この例にしたがって正確な再構成は200ナノ秒のインターバルでのみ行われるので、有限幅のバンチ中の陽子は僅かに異なる加速経歴を経験し、バンチの有限エネルギ拡散につながる。 連続的に配置された空洞間の平均位相差を慎重に選択することによってこの拡散を最小にできると予測される。 さらに、位相の集中させることができる。 これらの点では、空洞の縦続は通常のRF線形加速器、すなわちリニアックのように電磁界からのエネルギにより粒子を直線で推進することによって高いエネルギレベルの粒子ビームを発生させる線形加速器と共通した特徴を有している。
    【0025】
    空洞が所望の周波数間隔を維持するために、所定のビーム電流に対して各空洞に与えられるパワー量を制御することが重要である。 図7は前述の例で説明したように間隔を隔てられた空洞周波数を有する11の空洞加速器のパワーの計算を示した表である。 各空洞では、表は最初および最終の陽子エネルギ(γ)、陽子速度(β)、ビーム負荷、総ビームパワー、軌道半径を示している。 この表で明白にされるビームパワーレベルで、サイクロトロン周波数は装置内の任意の点での空洞周波数に最も近い。
    【0026】
    図8は有限の陽子バンチ幅の影響を示している。 第1の空洞内で、加速は注入時間と独立している。 しかし、第2の空洞の加速が位相に依存するために、エネルギ拡散はパルス幅と共に増加する。 この例では、100MHzの第1の空洞に対するパラメータは図2−3のcに関して前述されたものと同様である。 94MHzにおける第2の空洞では、Q と最終的な平均ビームエネルギの小さい変化を除いてパラメータも記載されている。 5、10、20ナノ秒の例に対しては、Q はそれぞれ13,200、13,600、17,000であり、最終的な平均ビームエネルギはそれぞれ116.2、116.0、114.0MeVである。 2つの空洞中のフィールド間の相対的な開始位相差は0.70πである。 5ナノ秒の場合、最終的なエネルギ拡散は約2%である。
    【0027】
    図9は、ビームエネルギ拡散における相対的な位相差の影響を示している。 5ナノ秒のパルス幅(即ち3%のデューティ係数)では、ビームrmsエネルギ拡散の加速経歴とエボリューションが相対的な位相シフトの3つの値、即ち0.65π、0.70π、0.75πについて示されている。 約0.7%の最終的なrmsエネルギ拡散は0.75πの場合に見られ、これは0.70πの場合よりもほぼ3の係数だけ低いことが分かる。 第2の空洞のQ はそれぞれ16.500、13.200、11.600であり、最終的な平均ビームエネルギはそれぞれ114.2、116.2、117.3MeVである。 約500cmの軸の長さzの後にエネルギ拡散が顕著に減少し、最小の拡散が最大の最終エネルギに付随することは、縦方向の位相の焦点結びが発生していることを強く示唆している。 この現象は空洞間の相対的な位相の小さい変化に敏感である。
    【0028】
    加速中のバンチ形状を示すことも有益である。 図3のbとcは典型的な陽子の軌道を示しているが、有限の長さのバンチの荷電粒子の瞬間的な分布は、連続的な陽子の軌道がRF周波数のx−y平面で回転されるので、この曲線に沿って位置しない。 例示のため、図10のaおよびbは、バンチのヘッドが第1の空洞の最後(z=249.06cm)に到達する瞬間(即ち注入後671.5ナノ秒)に5ナノ秒の長さのバンチ(bunch )を有する軸に注入された16の陽子のx−zとy−z平面の位置を示している。 粒子は約4.8cmの長さのほぼ直線に沿って位置するように見られ、線形からの偏差は0.4mmよりも小さい。 これらの粒子の位置は最終的な4.8cmの移動中に第1の粒子のx−z平面におけるトレースと対照されることができ、これは図3のcで示されているように半径約17cmの振動の半サイクルである。 加速中、陽子のバンチはz方向に前進し、直線の堅牢なオブジェクトとしてz軸を中心に回転する。 線形からの小さい偏差は陽子のモーメントとRF電界との間の位相スリップと、バンチのヘッドとテール間の小さいエネルギ差から生じる。 このような長いバンチ中の軸方向の荷電粒子分散のおおよその均一性は縦方向の不安定を緩和する。
    【0029】
    以上、多段空洞のサイクロトロン共鳴加速器の好ましい実施形態を説明したが、従来技術にまさる優れた利点が実現されていることは当業者に明白である。 種々の変形、適合、別の実施形態が本発明の技術的範囲内で行われてもよいことも明白である。 本発明はさらに特許請求の範囲により限定される。
    【図面の簡単な説明】
    【図1】
    多段の高勾配の空洞の陽子加速器の2段を示した図。
    【図2】
    平均陽子エネルギの計算された変化を示した図。
    【図3】
    通過する2つの空洞の陽子のエネルギ利得と、加速を受ける陽子の軌道の横方向の平面の投影と、加速を受ける陽子の軌道の縦方向の平面の投影とを示した図。
    【図4】
    2空洞サイクロトロン加速器におけるミューオンの正規化された平均エネルギおよび軸方向速度を示した図。
    【図5】
    同軸の誘電体ライナーを有する加速器の1例を示した図。
    【図6】
    陽子サイクロトロン加速器の4翼RFDD構造の断面の1例を示した図。
    【図7】
    間隔を隔てられた空洞周波数を有する11の空洞の加速器のパワーの計算を示した図表。
    【図8】
    rmsエネルギ拡散における有限のバンチ幅の影響を示した図。
    【図9】
    2つの空洞のフィールド間の相対的な開始位相の3つの値に対する2空洞の陽子加速器で拡散されるrmsエネルギの加速経歴およびエボリューションを示した図。
    【図10】
    第1の空洞の最後における5ナノ秒バンチの陽子のx−yおよびy−z各平面中の位置を示した図。

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