首页 / 国际专利分类库 / 电学 / 其他类目不包含的电技术 / 等离子体技术 / H05H9/00,H01H11/00,H05H13/00各组包含的各种装置的零部件 / .用于向轨道内注入粒子的装置 / Septum electromagnet for beam deflection and separation, electromagnet for beam deflection and separation, beam deflecting method

Septum electromagnet for beam deflection and separation, electromagnet for beam deflection and separation, beam deflecting method

申请号 JP2001064712 申请日 2001-03-08 公开(公告)号 JP2002270397A 公开(公告)日 2002-09-20
申请人 High Energy Accelerator Research Organization; 高エネルギー加速器研究機構長; 发明人 SAKAI IZUMI;
摘要 PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a septum electromagnet for beam deflection and separation of completely new composition and an electromagnet for beam deflection and separation, and further to provide a beam deflecting method using them.
SOLUTION: The septum electromagnet 20 is arranged in a central part, a 1st auxiliary electromagnet 30 is arranged in the front in the beam advance direction, and a 2nd auxiliary electromagnet 40 is arranged backward in the beam advance direction. In a 1st deflection magnetic pole gap 17 of the septum electromagnet 20, a magnetic field B1 directing upward perpendicularly to this paper plane is generated, and in a 2nd deflection magnetic pole gap 19 of the septum electromagnet 20, a magnetic field B2 directing downward perpendicularly to the paper plane is generated. And, by the magnetic fields B1 and B2, a beam on an extraction orbit and a beam on a revolution orbit are made to deflect with only an angle of θ/2 mutually in a reverse direction. Moreover, the deflection of the beam on the revolution orbit is negated by the perpendicularly upward magnetic field B3 in the 1st auxiliary electromagnet 30, and the perpendicularly upward magnetic field B4 in the 2nd auxiliary electromagnet 40.
COPYRIGHT: (C)2002,JPO
权利要求 【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 セプタム導体によって離隔された第1のビーム偏向磁極空隙と、第2のビーム偏向磁極空隙とを具え、前記セプタム導体を含むコイルに所定の電流を流すことによって、前記第1のビーム偏向磁極空隙及び前記第2のビーム偏向磁極空隙において互いに逆方向の磁場を生じさせ、前記第1のビーム偏向磁極空隙を通過するビームと前記第2のビーム偏向磁極空隙を通過するビームとを、それぞれ所定の角度で互いに逆方向に偏向させるようにしたことを特徴とする、ビーム偏向分離用セプタム電磁石。
  • 【請求項2】 前記第1のビーム偏向磁極空隙及び前記第2のビーム偏向磁極空隙における磁場の絶対値が互いに等しいことを特徴とする、請求項1に記載のビーム偏向分離用セプタム電磁石。
  • 【請求項3】 前記第1のビーム偏向磁極空隙は、ビーム取り出し用として用いることを特徴とする、請求項1
    又は2に記載のビーム偏向分離用セプタム電磁石。
  • 【請求項4】 前記第1のビーム偏向磁極空隙は、ビーム入射用として用いることを特徴とする、請求項1又は2に記載のビーム偏向分離用セプタム電磁石。
  • 【請求項5】 セプタム導体によって離隔された第1のビーム偏向磁極空隙及び第2のビーム偏向磁極空隙を有するビーム偏向分離用セプタム電磁石と、補助電磁石とを具え、前記ビーム偏向分離用セプタム電磁石の前記セプタム導体を含むコイルに所定に電流を流すことによって、前記ビーム偏向分離用セプタム電磁石の前記第1のビーム偏向磁極空隙及び前記第2のビーム偏向磁極空隙において互いに逆方向の磁場を生じさせ、前記第1のビーム偏向磁極空隙を通過するビームと前記第2のビーム偏向磁極空隙を通過するビームとを、それぞれ所定の角度で互いに逆方向に偏向させるとともに、前記ビーム偏向分離用セプタム電磁石の、前記第2のビーム偏向磁極空隙を通過する前記偏向されたビームを、前記補助電磁石を通過させることにより前記偏向を打ち消すようにしたことを特徴とする、ビーム偏向分離用電磁石。
  • 【請求項6】 前記ビーム偏向分離用セプタム電磁石の、前記第1のビーム偏向磁極空隙及び前記第2のビーム偏向磁極空隙における磁場の絶対値が互いに等しいことを特徴とする、請求項5に記載のビーム偏向分離用電磁石。
  • 【請求項7】 前記ビーム偏向分離用セプタム電磁石のビーム進行方向における長さと、前記補助電磁石のビーム進行方向における長さとが実質的に等しく、前記ビーム偏向分離用セプタム電磁石の、前記第1のビーム偏向磁極空隙及び前記第2のビーム偏向磁極空隙における磁場の絶対値と、前記補助電磁石における磁場の絶対値とが実質的に等しいことを特徴とする、請求項6に記載のビーム偏向分離用電磁石。
  • 【請求項8】 前記補助電磁石は、第1の補助電磁石と第2の補助電磁石とからなり、前記第1の補助電磁石を前記ビーム偏向分離用セプタム電磁石のビーム進行方向に対する前方部に配置するとともに、前記第2の補助電磁石を前記ビーム偏向分離用セプタム電磁石のビーム進行方向に対する後方部に配置したことを特徴とする、請求項5に記載のビーム偏向分離用電磁石。
  • 【請求項9】 前記ビーム偏向分離用セプタム電磁石の、前記第1のビーム偏向磁極空隙及び前記第2のビーム偏向磁極空隙における磁場の絶対値が互いに等しいことを特徴とする、請求項8に記載のビーム偏向分離用電磁石。
  • 【請求項10】 前記ビーム偏向分離用セプタム電磁石のビーム進行方向における長さと、前記第1の補助電磁石のビーム進行方向における長さ及び前記第2の補助電磁石のビーム進行方向における長さの合計とが実質的に等しく、前記ビーム偏向分離用セプタム電磁石の、前記第1のビーム偏向磁極空隙及び前記第2のビーム偏向磁極空隙における磁場の絶対値と、前記第1の補助電磁石内における磁場の絶対値と、前記第2の補助電磁石内における磁場の絶対値とが互いに等しいことを特徴とする、請求項9に記載のビーム偏向分離用電磁石。
  • 【請求項11】 前記第1の補助電極の前記ビーム進行方向における長さと、前記第2の補助電極の前記ビーム進行方向における長さとが実質的に等しく、それぞれ前記ビーム偏向分離用セプタム電磁石の前記ビーム進行方向における長さの実質的に1/2であることを特徴とする、請求項8〜10のいずれか一に記載のビーム偏向分離用電磁石。
  • 【請求項12】 前記ビーム偏向分離用セプタム電磁石の前記第1の偏向磁極空隙は、ビーム取り出し用として用いることを特徴とする、請求項5〜11のいずれか一に記載のビーム偏向分離用電磁石。
  • 【請求項13】 前記ビーム偏向分離用セプタム電磁石の前記第1の偏向磁極空隙は、ビーム入射用として用いることを特徴とする、請求項5〜11のいずれか一に記載のビーム偏向分離用電磁石。
  • 【請求項14】 セプタム電磁石内をセプタム導体によって第1のビーム偏向磁極空隙と第2のビーム偏向磁極空隙とに分割し、前記セプタム導体を含むコイルに所定の電流を流すことによって、前記第1のビーム偏向磁極空隙及び前記第2のビーム偏向磁極空隙において互いに逆向きの磁場を発生させ、前記第1のビーム偏向磁極空隙を通過するビームと前記第2のビーム偏向磁極空隙を通過するビームとを、それぞれ所定の角度で互いに逆方向に偏向させることを特徴とする、ビーム偏向方法。
  • 【請求項15】 前記セプタム電磁石に加えて補助電極を設け、前記セプタム電磁石の、前記第2のビーム偏向磁極空隙を通過する前記偏向されたビームを、前記補助電磁石を通過させることにより前記偏向を打ち消すようにすることを特徴とする、請求項14に記載のビーム偏向方法。
  • 【請求項16】 前記セプタム電磁石の前記第1のビーム偏向磁極空隙をビーム取り出し用として用いることを特徴とする、請求項14又は15に記載のビーム偏向方法。
  • 【請求項17】 前記セプタム電磁石の前記第1のビーム偏向磁極空隙をビーム入射用として用いることを特徴とする、請求項14又は15に記載のビーム偏向方法。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【発明の属する技術分野】本発明は、ビーム偏向分離用セプタム電磁石、ビーム偏向分離用電磁石、及びビーム偏向方法に関し、詳しくは、荷電粒子加速器に対するビームの入射、あるいは荷電粒子加速器からのビームの取り出しなどに好適に用いることのできるビーム偏向分離用セプタム電磁石、ビーム偏向分離用電磁石、及びビーム偏向方法に関する。

    【0002】

    【従来の技術】従来、荷電粒子加速器に対するビームの入射及び取り出しに際しては、セプタム電磁石が用いられていた。 図1は、従来のセプタム電磁石の横方向断面図であり、図2は、従来のセプタム電磁石の縦方向断面図である。 図1及び図2に示すように、内部導体1及びセプタム導体3を含む、例えば蔵型のコイルに対して所定の電流を流すことにより、紙面に垂直な磁場Bをヨーク5内に発生させる。 この磁場は、セプタム導体3で遮蔽されるため、ヨーク5の外部に漏洩しない。

    【0003】図1及び図2に示すようなセプタム電磁石を荷電粒子加速器の所定の軌道(取り出し軌道)上に配置すると、磁場B内を通過する取り出しビームは磁場B
    によって所定の度θだけ偏向して、その軌道方向を変化させる。 一方、磁場Bはセプタム導体3で遮蔽されているため、セプタム電磁石外の軌道(周回軌道)上を通過するビームは磁場Bによって偏向されることなく進行する。 したがって、目的とするビームをセプタム電磁石内を通過させることによって、荷電粒子加速器から外部に取り出すことができる。

    【0004】

    【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図1及び図2に示す構成のセプタム電磁石では、セプタム導体2に対して磁場Bより強大な電磁が作用するため、セプタム導体に対して十分な強度を有する支持機構を付与しなければならない。 その一方で、セプタム電磁石内のスペースは限られたものであるため、上述したような支持機構の設置は容易でない。

    【0005】また、磁場Bの強度を大きくすると、ヨーク5内において透磁率が飽和してしまい、磁場Bが部分的にヨーク5の外に漏れ出して周回軌道にあるビームに影響を及ぼしてしまう可能性がある。 この漏洩磁場を低減するために、磁気シールド板をセプタム導体3に隣接させて設けることも考えられるが、セプタム導体3の厚さが実質的に増大して、セプタム電磁石の性能が低下してしまうという問題があった。

    【0006】本発明は、上述した問題を生じることのない、全く新規な構成のビーム偏向分離用セプタム電磁石及びビーム偏向分離用電磁石を提供するとともに、これらを用いたビーム偏向方法を提供することを目的とする。

    【0007】

    【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく、
    本発明は、セプタム導体によって離隔された第1のビーム偏向磁極空隙と、第2のビーム偏向磁極空隙とを具え、前記セプタム導体を含むコイルに所定の電流を流すことによって、前記第1のビーム偏向磁極空隙及び前記第2のビーム偏向磁極空隙において互いに逆方向の磁場を生じさせ、前記第1のビーム偏向磁極空隙を通過するビームと前記第2のビーム偏向磁極空隙を通過するビームとを、それぞれ所定の角度で互いに逆方向に偏向させるようにしたことを特徴とする、ビーム偏向分離用セプタム電磁石に関する。

    【0008】本発明のビーム偏向分離用セプタム電磁石を、例えば、荷電粒子加速器のビーム軌道上に配置する。 そして、取り出し軌道上にあるビームを、例えば、
    前記ビーム偏向分離用セプタム電磁石の第1の偏向磁極空隙内を通過するようにする。 また、周回軌道上にあるビームを、例えば、前記ビーム偏向分離用セプタム電磁石の第2の偏向磁極空隙内を通過するようにする。

    【0009】第1の偏向磁極空隙及び第2の偏向磁極空隙にはそれぞれ逆向きの磁場が発生しているため、取り出し軌道上にあるビームと、周回軌道上にあるビームとはそれぞれ逆向きの電磁力を受け、所定の角度で逆向きに偏向される。 したがって、周回軌道にあるビームの軌道方向と取り出し軌道にあるビームの軌道方向とは、上記偏向によって互いに異なるようになるため、取り出し軌道上にあったビームの分離を容易に行うことができ、
    結果として、前記荷電粒子加速器で加速されたビームの取り出しを容易に行うことができる。

    【0010】また、本発明のビーム偏向分離用セプタム電磁石の、第1のビーム偏向磁極空隙及び第2のビーム偏向磁極空隙における磁場方向を、上述したビームの取り出しに用いた場合と相対的に逆向きにすることによって、外部からのビームの入射を容易に行うことができる。

    【0011】本発明のビーム偏向分離用セプタム電磁石は、セプタム導体を挟んで互いに逆向きの磁場が発生しているため、これらの磁場からセプタム導体に作用する電磁力が相殺されるようになる。 したがって、セプタム導体に対する支持機構を比較的簡易に設計することができる。

    【0012】また、例えば、セプタム電磁石の第1の偏向磁極空隙内の磁場が外部に漏洩したとしても、この漏洩磁場は前記セプタム電磁石の第2の偏向磁極空隙内の磁場から外部に漏洩した磁場によって相殺される。 したがって、漏洩磁場の発生を効果的に抑制することができ、磁気シールド板などを設ける必要もなくなる。

    【0013】また、本発明は、セプタム導体によって離隔された第1のビーム偏向磁極空隙及び第2のビーム偏向磁極空隙を有するビーム偏向分離用セプタム電磁石と、補助電磁石とを具え、前記ビーム偏向分離用セプタム電磁石の前記セプタム導体を含むコイルに所定に電流を流すことによって、前記ビーム偏向分離用セプタム電磁石の前記第1のビーム偏向磁極空隙及び前記第2のビーム偏向磁極空隙において互いに逆方向の磁場を生じさせ、前記第1のビーム偏向磁極空隙を通過するビームと前記第2のビーム偏向磁極空隙を通過するビームとを、
    それぞれ所定の角度で互いに逆方向に偏向させるとともに、前記ビーム偏向分離用セプタム電磁石の、前記第2
    のビーム偏向磁極空隙を通過する前記偏向されたビームを、前記補助電磁石を通過させることにより前記偏向を打ち消すようにしたことを特徴とする、ビーム偏向分離用電磁石に関する。

    【0014】本発明のビーム偏向分離用電磁石は、上述したビーム偏向分離用セプタム電磁石に加えて補助電極を設けている。 そして、前記ビーム偏向分離用セプタム電磁石の前記第2の偏向磁極空隙で偏向されたビームを、前記補助電極中を通過させることによって、前記偏向を打ち消すようにしている。 したがって、周回軌道上のビームは何ら軌道方向を変えることなく、周回軌道上を連続して運動することができる。

    【0015】すなわち、本発明のビーム偏向分離用電磁石によれば、取り出し軌道上にあるビームの軌道方向のみを変えることができ、荷電粒子加速器内におけるビームの加速を妨害することなく、取り出し軌道上にある所定のビームのみを分離して取り出すことができる。

    【0016】

    【発明の実施の形態】以下、本発明を発明の実施の形態に基づいて詳細に説明する。 図3は、本発明のビーム偏向分離用電磁石の好ましい態様の構成を示す横方向断面図である。 図4は、I−I線に沿って切った場合の縦方向断面図であり、図5は、II−II線に沿って切った場合の縦方向断面図であり、図6は、III−III線に沿って切った場合の縦方向断面図である。

    【0017】図3〜6に示す本発明のビーム偏向分離用電磁石10は、中央部において本発明に従ったビーム偏向分離用セプタム電磁石20を有するとともに、ビーム進行方向前方において第1の補助電磁石30を有し、ビーム進行方向後方において第2の補助電磁石40を有している。

    【0018】ビーム偏向分離用セプタム電磁石20は、
    ヨーク15内に内部導体11及び12を有するとともに、中央部において2重構造のセプタム導体13を有している。 また、第1の補助電磁石30は、ヨーク25内に内部導体21及び22を有しており、第2の補助電磁石40は、ヨーク35内に内部導体31及び32を有している。

    【0019】そして、例えば、ビーム偏向分離用セプタム電磁石20のヨーク15の側面に設けられた蔵型のコイル(図示せず)と、内部導体11及びセプタム導体1
    3で定義される領域Pに位置するコイルに対して、図7
    に示すような方向において所定の電流を流す。 すると、
    セプタム電磁石20の内部導体11とセプタム導体13
    とで規定される空間(第1のビーム偏向磁極空隙)17
    には、紙面垂直上向きの磁場B1が生成される。

    【0020】また、ビーム偏向分離用セプタム電磁石2
    0のヨーク15の側面に設けられた蔵型のコイル(図示せず)と、内部導体12及びセプタム導体13で定義される領域Qに位置するコイルに対して、図8に示すような方向において所定の電流を流す。 すると、セプタム電磁石20の内部導体12とセプタム導体13とで規定される空間(第2のビーム偏向磁極空隙)19には、紙面垂直下向きの磁場B2が生成される。

    【0021】さらに、第1の補助電磁石30及び第2の補助電磁石40に対して、ヨーク25及び35の側面に設けられた蔵型のコイル(図示せず)と、内部導体21
    及び22、並びに内部導体31及び32とに所定の電流を、例えば、図7に示すような方向に流すことによって、第1の補助電極30及び第2の補助電極440内の空間に対して、それぞれ紙面垂直上向きの磁場B3及びB4を生成させる。

    【0022】なお、磁場B1〜B4の絶対値は互いに等しくするとともに、第1の補助電磁石30の長さL1と第2の補助電磁石40の長さL2とは実質的に等しく、
    それぞれセプタム電磁石20の長さLに対して実質的に1/2に設定されている。

    【0023】図3〜6に示すビーム偏向分離用電磁石1
    0を、例えば荷電粒子加速器中に配置すると、取り出し軌道上にあるビームはビーム偏向分離用電磁石の上側に入射する。 すると、このビームは第1の補助電磁石30
    内の磁場B3によって角度θ/4で上向きに偏向される。 次いで、前記ビームは、セプタム電磁石20内の内部導体11とセプタム導体13で規定される第1のビーム偏向磁極空隙17に入射する。

    【0024】セプタム電磁石20は第1の補助電磁石3
    0の実質的に2倍の長さを有するため、同一強度の磁場B1から前記ビームに対して2倍の電磁力が加わり、前記ビームはさらに角度θ/2だけ上向きに偏向される。
    次いで、前記ビームが第1の補助電磁石30と同一長さの第2の補助電磁石40内に入射すると、同一強度の磁場B4によって、第1の補助電磁石30における場合と同様に、角度θ/4だけ上向きに偏向される。 したがって、取り出し軌道上にあるビームは全体として、角度θ
    だけ上向きに偏向される。

    【0025】一方、周回軌道上にあるビームは、ビーム偏向分離用電磁石10の下側に入射する。 そして、第1
    の補助電磁石30において、上記同様にして角度θ/4
    だけ上向きに偏向された後、セプタム電磁石20内の内部導体12とセプタム導体13とで規定される第2のビーム偏向磁極空隙19に入射する。 第2のビーム偏向磁極空隙19内においては、磁場B1と同一強度であって逆向きの磁場B2が存在するため、前記ビームは角度θ
    /2だけ下向きに偏向される。 その後、前記ビームは第2の補助電磁石40内に入射して、上述したように、角度θ/4がだけ上向きに偏向される。

    【0026】したがって、周回軌道にあるビームは、第1の補助電磁石30及び第2の補助電磁石40によって、上向きに角度θ/4×2=θ/2だけ偏向され、セプタム電磁石20によって、下向きに角度θ/2だけ偏向されるから、結果的に、全く偏向されない状態で、ビーム偏向分離用電磁石20内を通過していく。

    【0027】すなわち、取り出し軌道上にあるビームはビーム偏向分離用電磁石10内を通過することによって、角度θだけ上向きに偏向され、周回軌道上にあるビームはビーム偏向分離用電磁石10内を通過しても、偏向せずに進行する。 したがって、取り出し軌道上にあるビームの分離が容易になり、荷電粒子加速器外へのビームの取り出しが容易になるとともに、周回軌道上にあるビームはその軌道方向を変えることなく、安定的に周回することができる。

    【0028】また、セプタム電磁石20内にあるセプタム導体13には、第1のビーム偏向磁極空隙17内における磁場B1からの電磁力と、第2のビーム偏向磁極空隙19内における磁場B2からの電磁力とが作用する。
    しかしながら、磁場B1及び磁場B2の絶対値が等しいため前記電磁力は互いに相殺され、セプタム導体13には大きな電磁力が作用しなくなる。 このため、セプタム導体13の支持機構の構成を簡易化することができる。

    【0029】また、セプタム導体13に作用する電磁力が相殺されるため、励磁方式を直流方式からパルス方式にすることができる。 この結果、セプタム導体の発熱を減らして、セプタム導体を薄肉化することができる。

    【0030】また、磁場B1及び磁場2からセプタム電磁石20外に磁場が漏洩した場合においても、これらの漏洩磁場は互いに相殺し、実質的な漏洩磁場は著しく低減される。 したがって、漏洩磁場を抑制すべく、磁気シールド板などを設ける必要がなくなる。 この結果、セプタム電磁石20の性能の劣化を防止することができる。

    【0031】図3〜6においては、本発明のビーム偏向分離用電磁石10をビーム取り出し用として用いる場合について示したが、当然にビーム入射用として用いることもできる。 この場合においては、図3において、取り出し軌道を入射軌道とし、この入射軌道及び周回軌道にあるビームが、ビーム偏向分離用電磁石10の右側から入射し、左側から出射するようにすれば、図3に示した軌道上を逆向きに進行して荷電粒子加速器外のビームをその内部に導入できるようになる。

    【0032】以上、具体例を挙げながら発明の実施の形態に基づいて本発明を詳細に説明してきたが、本発明は上記内容に限定されるものではなく、本発明の範疇を逸脱しない限りにおいて、あらゆる変形や変更が可能である。

    【0033】例えば、上記実施例においては、補助電磁石を第1の補助電磁石30と第2の補助電磁石40とから構成し、これらをセプタム電磁石20の前方及び後方に配置している。 しかしながら、前記補助電磁石は、単一の磁石から構成し、セプタム電磁石20の前方あるいは後方に配置することもできる。

    【0034】また、上記実施例においてはセプタム電磁石20内に生成する磁場B1及びB2の絶対値を互いに同一としたがこれらは互いに異なっていても良い。 しかしながら、B1及びB2の絶対値を同一とすることにより、第1のビーム偏向磁極空隙17内を通過するビームと、第2のビーム偏向磁極空隙19内を通過するビームの偏向角度を互いに同一とすることができ、ビームの軌道方向の制御を容易にすることができる。

    【0035】また、セプタム電磁石20の長さLと、第1の補助電磁石30の長さL1及び第2の補助電磁石L
    2の合計とを等しくなるようにしているが、これらは互いに異なっていても良い。 但し、上述したように、セプタム電磁石20の長さLと、第1の補助電磁石30の長さL1及び第2の補助電磁石L2の合計とが等しくなるようにするとともに、セプタム電磁石20内の磁場B1
    及びB2の絶対値と、第1の補助電磁石30内の磁場B
    3の絶対値と、第2の補助電磁石40内の磁場B4の絶対値とを等しくすることによって、周回軌道にあるビームの軌道方向を偏向させずに、取り出し軌道上にあるビームの軌道方向のみを偏向させることができる。

    【0036】

    【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
    複雑なセプタム導体支持機構や磁気シールド板などを設けることなく、所望するビームを偏向分離させて、例えば荷電粒子加速器外へ容易に取り出すことのできる、ビーム偏向分離用セプタム電磁石、ビーム偏向分離用電磁石、及びビーム偏向方法を提供することができる。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】 従来のセプタム電磁石の横方向断面図である。

    【図2】 従来のセプタム電磁石の縦方向断面図である。

    【図3】 本発明のビーム偏向分離用電磁石の好ましい態様の構成を示す横方向断面図である。

    【図4】 図3に示すビーム偏向分離用電磁石のI−I
    線に沿って切った場合の縦方向断面図である。

    【図5】 図3に示すビーム偏向分離用電磁石のII−II
    線に沿って切った場合の縦方向断面図である。

    【図6】 図3に示すビーム偏向分離用電磁石のIII−I
    II線に沿って切った場合の縦方向断面図である。

    【図7】 ビーム偏向分離用電磁石に流す電流方向の一例を示す図である。

    【図8】 同じく、ビーム偏向分離用電磁石に流す電流方向の一例を示す図である。

    【符号の説明】

    1、11、12、21、22、31、32 内部導体 3、13 セプタム導体 5、15、25、35 ヨーク 10 ビーム偏向分離用電磁石 17 第1のビーム偏向磁極空隙 19 第2のビーム偏向磁極空隙 20 セプタム電磁石 30 第1の補助電磁石 40 第2の補助電磁石

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