中性子捕捉療法に用いられるビーム整形体

申请号 JP2018516559 申请日 2016-07-12 公开(公告)号 JP2018535717A 公开(公告)日 2018-12-06
申请人 南京中硼▲聯▼康医▲療▼科技有限公司; Neuboron Medtech Ltd.; 发明人 ▲劉▼渊豪; ▲陳▼▲韋▼霖;
摘要 中性子捕捉療法に用いられるビーム整形体(10)を開示する。中性子捕捉療法に用いられるビーム整形体(10)は、ビーム入口(11)、ターゲット(12)、ターゲット(12)に隣接する減速体(13)、前記減速体(13)の外を囲む反射体(14)、およびビーム出口(17)を含み、前記減速体(13)は減速体(13)の中性子に対する減速能 力 を調整するために取り替えることができる。中性子捕捉療法のビーム成形体(10)は、腫瘍のビーム中性子エネルギー領域、中性子ビームフラックス等の指標に対する実際の要求に応じて異なる材料の減速体(13)を選択して中性子に対する減速能力を調整するだけで、同じ医療装置で異なる患者を治療することができ、構成が簡単で、使用適合性に優れる。
权利要求

中性子捕捉療法に用いられるビーム整形体であって、 前記ビーム整形体は、ビーム入口、ターゲット、ターゲットに隣接する減速体、前記減速体の外を囲む反射体、及びビーム出口を含み、前記ターゲットは前記ビーム入口から入射される陽子ビームと核反応を起こして中性子を発生し、前記減速体は前記ターゲットから生じた中性子を減速し、前記反射体は逸脱した中性子を前記減速体に戻して熱外中性子のビーム強度を向上させ、前記減速体は取り替えられて減速体の中性子に対する減速能を調整することを特徴とする、 中性子捕捉療法に用いられるビーム整形体。前記減速体は、ターゲットの後方に位置するベース部およびベース部と別体で設けられる拡張部を含み、前記拡張部は独立して取り替えられて減速体の中性子に対する減速能力を調整することを特徴とする、 請求項1に記載の中性子捕捉療法に用いられるビーム整形体。前記ベース部はターゲットの後方に隣接しかつターゲットに固定され、前記拡張部はベース部の後方に装着されてベース部に隣接することを特徴とする、 請求項2に記載の中性子捕捉療法に用いられるビーム整形体。前記拡張部は第一拡張部と第二拡張部とを少なくとも含み、前記第一拡張部はベース部の後方に装着されてベース部に隣接し、第二拡張部は第一拡張部の後方に装着されて第一拡張部に隣接し、前記第一拡張部と第二拡張部とは独立して取り替え可能であることを特徴とする、 請求項2に記載の中性子捕捉療法に用いられるビーム整形体。前記反射体には拡張部に対応してベース部の後方まで延びるガイド溝が設けられ、前記ガイド溝にスライドレールが設けられ、前記拡張部はガイド溝に装着された後、スライドレールによってベース部の後方まで移動しベース部に隣接し、 前記ガイド溝は第一拡張部に対応する第一ガイド溝と第二拡張部に対応する第二ガイド溝とを少なくとも含み、 前記第一拡張部と第二拡張部との構造寸法が同一で材料が異なるとき、第一拡張部と第二拡張部とは、それぞれ第一ガイド溝又は第二ガイド溝中に装着されることができ、 前記第一拡張部と第二拡張部との構造寸法が異なりかつ材料も異なるとき、前記第一拡張部は第一ガイド溝に装着され、前記第二拡張部は第二ガイド溝に装着される、 ことを特徴とする、 請求項4に記載の中性子捕捉療法に用いられるビーム整形体。反射体は、拡張部の両外側に設けられかつガイド溝中に装着される補助反射体をさらに含み、拡張部がスライドレールによってベース部の後部に装着されるとき、補助反射体とベース部の外を囲む反射体は散乱する中性子を共同して反射することを特徴とする、 請求項5に記載の中性子捕捉療法に用いられるビーム整形体。前記反射体に回転軸が設けられ、前記回転軸にはベース部の後方に位置しベース部に対して回転可能な回転盤が設けられ、前記拡張部は回転盤中に装着された後、回転盤と共にベース部の後方に回転運動してベース部に隣接し、 前記回転盤は第一拡張部に対応する第一回転盤と第二拡張部に対応する第二回転盤とを少なくとも含み、 前記第一拡張部と第二拡張部との構造寸法が同一で材料が異なるとき、第一拡張部と第二拡張部とは、それぞれ第一回転盤又は第二回転盤中に装着されることができ、 第一拡張部と第二拡張部は構造寸法が異なりかつ材料も異なるとき、前記第一拡張部は第一回転盤中に装着され、前記第二拡張部が第二回転盤中に装着される、 ことを特徴とする、 請求項4に記載の中性子捕捉療法に用いられるビーム整形体。反射体は拡張部の外周に設けられる補助反射体をさらに含み、拡張部が回転軸の周りで回転してベース部の後方に装着されるとき、補助反射体とベース部の外を囲む反射体は散乱する中性子を共同して反射することを特徴とする、 請求項7に記載の中性子捕捉療法に用いられるビーム整形体。前記ベース部、第一拡張部および前記第二拡張部の材料は、すべて、Al、Pb、Ti、Bi、C、D2O、AlF3、フルエンタル、CaF2、Li2CO3、MgF2およびAl2O3中の任意の一種又は多種で調製造することができることを特徴とする、 請求項3に記載の中性子捕捉療法に用いられるビーム整形体。前記反射体はPb又はNi中の少なくとも一種で製造され、前記補助反射体の材料は反射体の材料と同じであることを特徴とする、 請求項5又は7に記載の中性子捕捉療法に用いられるビーム整形体。

说明书全文

本発明はビーム整形体に関し、特に中性子捕捉療法に用いられるビーム整形体に関する。

原子科学の発展に従って、コバルト60、線形加速器、電子ビームなどの放射線療法は、すでにがん治療の主な手段の一つとなった。しかし、従来の光子または電子療法は、放射線そのものの物理的条件の制限で腫瘍細胞を殺すとともに、ビーム経路上の数多くの正常組織に損傷を与える。また、腫瘍細胞により放射線に対する感受性の度合いが異なっており、従来の放射線療法では、放射線耐性の高い悪性腫瘍(例、多形神経膠芽腫(glioblastoma multiforme)、黒色腫(melanoma))に対する治療効果が良くない。

腫瘍の周囲の正常組織への放射線損傷を軽減するすために、化学療法(chemotherapy)における標的療法が、放射線療法に用いられている。また、放射線耐性の高い腫瘍細胞に対し、現在では生物学的効果比(relative biological effectiveness、RBE)の高い放射線源が積極的に開発されている(例えば、陽子線治療、重粒子治療、中性子捕捉療法など)。このうち、中性子捕捉療法は、上記の2つの構想を結びつけたものである。例えば、ホウ素中性子捕捉療法では、ホウ素含有薬物が腫瘍細胞に特異的に集まり、高精度な中性子ビームの制御と合わせることで、従来の放射線と比べて、より良いがん治療オプションを提供する。

ホウ素中性子捕捉療法(Boron Neutron Capture Therapy、 BNCT)はホウ素(10B)含有薬物が熱中性子に対し大きい捕捉断面積を持つ特性を利用し、10B(n,α)7Li中性子捕捉と核分裂反応により4Heと7Liという2種の重荷電粒子を生成する。図1と図2は、それぞれホウ素中性子捕捉の反応概略図と10B(n,α)7Li中性子捕捉の原子核反応式を示す。2種の重荷電粒子は平均エネルギーが2.33MeVであり、高い線エネルギー付与(Linear Energy Transfer、LET)及び短い射程という特徴を持つ。α粒子の線エネルギー付与と射程はそれぞれ150keV/μm、8μmであり、7Li重荷粒子の場合、それぞれ175keV/μm、5μmである。2種の粒子の合計射程が細胞のサイズに近いので、生体への放射線損害を細胞レベルに抑えられる。ホウ素含有薬物を選択的に腫瘍細胞に集め、適切な中性子源と合わせることで、正常組織に大きな損害を与えないで腫瘍細胞を部分的に殺せる。

ホウ素中性子捕捉療法の効果は、腫瘍細胞のある箇所でのホウ素含有薬物の濃度と熱中性子数によって決まるので、2次元放射線癌治療(binary cancer therapy)とも呼ばれる。このことから見れば、ホウ素含有薬物の開発の他に、中性子源の放射フラックスと品質の向上も、ホウ素中性子捕捉療法の研究にとって非常に重要である。

しかし、従来技術のホウ素中性子捕捉療法のビーム整形体の設計はほとんど全体式固定構造で、このようなビーム整形体から出される中性子ビームの品質は固定されることが多いが、しかし実際の治療過程では、中性子ビーム品質に対する要求は一律ではない。患者が異なれば、腫瘍の位置、深さ及び腫瘍の種類は異なる可能性があり、これは治療過程中の中性子ビームの品質に対して異なる要求をもたらす。しかし、従来技術の全体式固定構造のビーム整形体では、患者の腫瘍の具体的な状況に基づき中性子ビームの品質を調整して患者の実際の状況に応じて治療することができない。

したがって、上記問題を解決する新しい技術的解決手段を提供する必要がある。

上記解決するために、本発明の一態様は、中性子捕捉療法に用いられるビーム成形体を提供する。前記ビーム整形体はビーム入口、ターゲット、ターゲットに隣接する減速体、前記減速体の外を囲む反射体、及びビーム出口を含み、前記ターゲットは前記ビーム入口から入射する陽子ビームと核反応を起こして中性子を発生し、前記減速体は前記ターゲットから生じた中性子を減速し、前記反射体は逸脱した中性子を前記減速体に戻して熱外中性子のビーム強度を向上させ、前記減速体は取り替えられて減速体の中性子の減速能力を調整する。

さらに、前記減速体はターゲットの後方に位置するベース部およびベース部とは別体で設けられる拡張部を含み、前記拡張部は独立して取り替えられて減速体の中性子に対する減速能力を調整する。

さらに、前記ベース部はターゲットの後方に隣接しかつターゲットに固定され、前記拡張部はベース部の後方に装着されてベース部に隣接する。 さらに、前記拡張部は第一拡張部と第二拡張部とを少なくとも含み、前記第一拡張部はベース部の後方に装着されてベース部に隣接し、第二拡張部は第一拡張部の後方に装着されて第一拡張部に隣接し、前記第一拡張部と第二拡張部とは独立で取り替え可能である。

前記反射体に、拡張部に対応してベース部の後方まで延びるガイド溝が設けられ、前記ガイド溝にスライドレールが設けられる。前記拡張部はガイド溝に装着された後、スライドレールによってベース部の後方まで移動しベース部に隣接する。前記ガイド溝は、第一拡張部に対応する第一ガイド溝と第二拡張部に対応する第二ガイド溝とを少なくとも含む。前記第一拡張部と第二拡張部との構造寸法が同一で材料だけ異なるとき、第一拡張部と第二拡張部とは、それぞれ第一ガイド溝又は第二ガイド溝に装着することができる。第一拡張部と第二拡張部との構造寸法が異なりかつ材料も異なるとき、前記第一拡張部は第一ガイド溝に装着され、前記第二拡張部は第二ガイド溝に装着される。

さらに、反射体は拡張部の両外側に設けられかつガイド溝に装着される補助反射体を含み、拡張部がスライドレールによってベース部の後方に装着されるとき、補助反射体とベース部の外を囲む反射体は散乱する中性子を共同して反射する。

さらに、前記反射体には回転軸が設けられ、前記回転軸にはベース部の後方に位置しベース部に対して回転可能な回転盤が設けられている。前記拡張部は、回転盤内に装着された後、回転盤と共にベース部の後方に回転運動してベース部に隣接する。前記回転盤は、第一拡張部に対応する第一回転盤と第二拡張部に対応する第二回転盤とを少なくとも含む。第一拡張部と第二拡張部との構造寸法が同一で材料だけ異なるとき、第一拡張部と第二拡張部とは、それぞれ第一回転盤又は第二回転盤に装着することができる。第一拡張部と第二拡張部との構造寸法が異なりかつ材料も異なるとき、前記前記第一拡張部は第一回転盤に装着され、前記前記第二拡張部は第二回転盤に装着される。

さらに、反射体は拡張部の外周に設けられた補助反射体をさらに含み、拡張部が回転軸の周りで回転してベース部の後方に装着されるとき、補助反射体とベース部の外を囲む反射体は散乱する中性子を共同して反射する。

さらに、前記ベース部、第一拡張部および前記第二拡張部の材料は、すべて、Al、Pb、Ti、Bi、C、D2O、AlF3、フルエンタル、CaF2、Li2CO3、MgF2およびAl2O3中の任意の一種又は多種で製造することができる。

さらに、前記反射体はPb又はNi中の少なくとも一種で製造され、前記補助反射体の材料は、反射体の材料と同じである。 従来技術と比べて、本願は以下の有益な効果を有する。本願の中性子捕捉療法に用いられるビーム成形体は、ベース部と拡張部とから成る減速体を設計し、拡張部を取り替え可能な2つの部分として設定するものであり、実際の治療過程では、患者の具体的な病状(患者の腫瘍の深さ)に応じて、異なる材料の拡張部を選択して取り替えることで、減速体は中性子ビームを減速可能なので、治療中に患者に実際に必要とされる中性子ビームの品質が得られ、構造が簡単であり、適用が柔軟である。

ホウ素中性子捕捉の反応概略図である。

中性子捕捉療法に用いられるビーム整形体の構造図である。

本発明の第1実施形態のガイド溝を使用して拡張部を装着した構造図である。

本発明の第2実施形態の回転盤を使用して拡張部を装着した構造図である。

中性子捕捉療法は効果的ながん治療の手段として、近年ではその適用が増加しており、そのうち、ホウ素中性子捕捉療法が最も一般的なものとなった。ホウ素中性子捕捉療法に用いられる中性子は原子炉または加速器で供給できる。本発明の実施形態は加速器ホウ素中性子捕捉療法(Accelerated-based Boron Neutron Capture Therapy)を例とする。加速器ホウ素中性子捕捉療法の基本モジュールは、一般的に荷電粒子(陽子、デューテリウム原子核など)の加速に用いられる加速器、ターゲット、熱除去システム及びビーム整形アセンブリを含む。加速後の荷電粒子と金属ターゲットとの作用により中性子が生成され、必要な中性子収率及びエネルギー、提供可能な加速荷電粒子のエネルギー及び電流、及び、金属ターゲットの物理的・化学的特性などにより、適切な原子核反応が選定される。よく検討されている原子核反応は7Li(p,n)7Be及び9Be(p,n)9Bであり、この両方はすべて吸熱反応でエネルギー閾値がそれぞれ1.881MeVと2.055MeVである。ホウ素中性子捕捉療法の理想的中性子源はkeVエネルギーレベルの熱外中性子なので、理論的には、エネルギーが閾値よりやや高い陽子によるリチウムターゲットへの衝撃で、比較的低いエネルギーの中性子が生成され、あまり多くの減速処理を要しないで臨床適用が可能になる。しかし、リチウム(Li)及びベリリウム(Be)の2種のターゲットは、閾値エネルギーの陽子と作用する断面が大きくないので、十分な中性子束を確保するために、一般的には比較的高いエネルギーを持つ陽子で原子核反応を引き起こされる。

理想的なターゲットには、中性子収率が高く、生成した中性子のエネルギー分布が熱外中性子エネルギー領域(後ほど詳細に説明)に近く、強い透過性のある放射線をあまり多く生成せず、安全かつ簡単で操作しやすく、耐高温性を持つなどの特性が必要とされるが、実際にすべての要件を満たす原子核反応は見つからないので、本発明の実施形態ではリチウムターゲットを採用する。ただし、この分野の技術者がよく知っていることとして、ターゲットの材料に、上記の金属材料を除くその他の金属材料を採用できる。

熱除去システムの要件は、選定された原子核反応により異なる。例えば、7Li(p,n)7Beの場合、金属ターゲット(リチウム)の低い融点と低い熱伝導率により、熱除去システムの要件は9Be(p,n)9Bより厳しくなる。本発明の実施形態では、7Li(p,n)7Beの原子核反応を採用する。

さらに、中性子捕捉療法技術を使用する実際の治療過程中では、異なる患者の腫瘍の具体的状況(腫瘍の位置、深さ及び腫瘍の種類)は異なる可能性があり、陽子とターゲットとが核反応を起こした後に生成される中性子ビームの品質に対する具体的な要求(ビーム中性子エネルギー領域の具体的な範囲、中性子ビームフラックスまたは中性子ビームの前向性等)が異なる可能性がある。中性子捕捉療法技術を腫瘍患者の実際の治療過程にさらに柔軟に精確に応用し、より多くの種類の腫瘍治療に応用するために、本願は中性子捕捉療法に用いられるビーム整形体に対する改良を提案する。好ましくは、加速器ホウ素中性子捕捉療法に用いられるビーム整形体に対する改良である。

図2から図4は本願中の中性子捕捉療法に用いられるビーム整形体10であり、該ビーム整形体10はビーム入口11、ターゲット12、ターゲット12に隣接する減速体13、減速体13の外を囲む反射体14およびビーム出口17を含む。加速器ホウ素中性子捕捉療法は、加速器によって陽子ビームを加速し、陽子ビームはターゲットの原子核力に打ち勝つエネルギーまで加速され、ターゲット12と7Li(p、n)7Be核反応を起こして中性子を発生する(図1を参照する)。生じた中性子は、減速体13によって減速され、散乱する中性子は反射体14を通してビーム軸に反射されまたビーム出口17から射出される。

減速体13の材料を種々のものとすることができる。減速体13の材料は、ビーム中性子エネルギー領域、中性子ビームフラックスまたは中性子ビームの前向性という指標に対して大きな影響がある。したがって、本願では減速体13を取り替え式に設定し、これにより異なる腫瘍状況(位置、深さ、タイプを含む)に対して同じ医療装置を使用して中性子捕捉療法を行うことができない、という問題を解決する。

減速体13は、ベース部131と拡張部132とを含み、ベース部131と拡張部132とは別体式構造である。いわゆる別体式構造は、ベース部131がターゲット12の後方に位置し、拡張部132がベース部131の後方に装着されるということである。ベース部131は取り替え式に設定されてもよく、固定式に設定されてもよい。ベース部131が取り替え式であるとき、ベース部131と拡張部132とをそれぞれ取り替えることができる。ベース部131が固定式であるとき、拡張部132だけが取り替えられる。もちろん、ベース部131と拡張部132とを一体的に設けてもよく、異なる腫瘍状況に対して、減速体13の全体を取り替えて減速体13の減速能力を変化させてもよい。

本実施形態では、ベース部131と拡張部132とに別体式設計を採用し、かつベース部131は固定式である。減速体13のベース部131はターゲット12の後方に設置されかつターゲット12に隣接して固定され、拡張部132はベース部131の後方に装着されかつベース部131に隣接する(他の実施形態では、拡張部132はベース部131に隣接せず、ベース部131と拡張部132との間に隙間を残してもよい)。本実施形態では、拡張部132は、第一拡張部133と第二拡張部134とを少なくとも含む。第一拡張部133はベース部131の後方に隣接し、第二拡張部134は第一拡張部133の後方に隣接する。このようにして、拡張部132は、2つの構造の積層式に形成され、第一拡張部133と第二拡張部134とをそれぞれ独立して取り替えることができる。指摘する必要があるのは、減速体13を製造する材料は多種あるため、拡張部132を2つ以上(3つ、4つ、5つ又はもっと多い)の多くの構造の積層式に設定してもよい。これにより減速体の減速能力がさらに細かく変わるため、中性子ビームの品質に対するより的確なニーズを実現し、それによって異なる腫瘍に対する治療効果が向上される。

以下では、減速体13の拡張部132の取り替えをどのように達成するのを具体的に説明する。 図3を再び参照すると、図3は本願の第1実施形態の構造図である。反射体14にガイド溝141が設けられ、ガイド溝141にスライドレール142が設けられ、拡張部13がガイド溝141に装着された後スライドレール142に伴ってベース部132の後方まで摺動運動しかつベース部132に隣接し固定される。ガイド溝141は、第一拡張部133に対応する第一ガイド溝143と、第二拡張部134に対応する第二ガイド溝144と、を含む。減速体13の全体構造が円柱体で、第一拡張部133と第二拡張部134との構造寸法が同一であるとき、得られるべき中性子ビームの品質要求に応じて異なる材料の第一拡張部133と第二拡張部134を選択して第一ガイド溝143又は第二ガイド溝144中に装着すればよい。つまり、このような場合には、第一拡張部133と第二拡張部134との構造寸法が同一であるため、第一ガイド溝143と第二ガイド溝144に装着される拡張部132の材質は、減速体13を通過した後に得られる中性子ビーム品質を所望の条件にできればよく、第一ガイド溝143と第二ガイド溝144に第一拡張部133または第二拡張部134のいずれを装着するかに対して別に制限しない。減速体13の全体構造が円柱体、又は円錐、又は円柱体と円錐との組合せで、かつ第一拡張部133と第二拡張部134との構造寸法が異なるとき、得られるべき中性子ビームの品質要求に応じて異なる材料の第一拡張部133と第二拡張部134とを選択し、第一拡張部133は対応して第一ガイド溝143にだけ装着でき、第二拡張部134も対応して第二ガイド溝144にだけ装着できる。

反射体14は、拡張部131の両外側に設けられかつガイド溝141に装着される補助反射体145をさらに含む。補助反射体145は、拡張部131と一体に製造された後にガイド溝141に装着されてもよく、拡張部131がガイド溝141に装着された後に独立してそれぞれガイド溝141に装着されてもよい。拡張部131がスライドレール142によってベース部132の後方に装着されるとき、補助反射体145とベース部131の外を囲む反射体14とは、散乱する中性子に対して共同して反射を行い、それにより散乱する中性子が中性子ビーム主軸に反射され、さらに熱外中性子のビーム強度を向上させる。

図4を再び参照すると、図4は本願の第2実施形態の構造案内図である。第2実施形態では、第2実施形態と同じ部材は第1実施形態と同一の符号を採用する。反射体14に減速体13のベース部131の中心線と平行に一本の回転軸15が設けられ、回転軸15にベース部131の後方に位置しかつベース部131に対して回転可能な回転盤146が設けられる。拡張部132は、回転盤146に装着された後、回転盤と共に回転軸15を中心にベース部131の後方まで回転しかつベース部131に隣接して固定される。回転盤146は、第一拡張部133に対応する第一回転盤147と第二拡張部144に対応する第二回転盤148とを少なくとも含む。減速体13の全体構造が円柱体で、第一拡張部133と第二拡張部134との構造寸法が同一であるとき、得られるべき中性子ビームの品質要求に応じて、異なる材料の第一拡張部133と第二拡張部134を選択して第一回転盤147又は第二回転盤148中に装着すればよい。このような場合には、第一拡張部133と第二拡張部134との構造寸法が同一であるため、第一回転盤147と第二回転盤148とに装着される拡張部132の材質は、減速体13を通過した後に得られる中性子ビーム品質を所望の条件にできればよく、第一回転盤147と第二回転盤148に第一拡張部133又は第二拡張部134のいずれを装着するかに対して要求はない。減速体13の全体構造が円柱体、又は円錐、又は円柱体と円錐の組合せで、第一拡張部133と第二拡張部134との構造寸法が異なるとき、得られるべき中性子ビームの品質要求に応じて異なる材料の第一拡張部133と第二拡張部134とを選択し、第一拡張部133は対応して第一回転盤147にだけ装着だけ、第二拡張部134も対応して第二回転盤148にだけ装着できる。

反射体14は、拡張部132の外周に設けられる補助反射体145’をさらに含む。補助反射体145’は、拡張部132と一体に製造された後に回転盤146中に装着されてもよく、拡張部131が回転盤146に装着された後に独立して回転盤146に装着されてもよい。拡張部132が回転軸Z周りを回転してベース部131の後方に装着されるとき、補助反射体145’とベース部131の外を囲む反射体14とは、散乱する中性子に対して共同して反射を行い、それにより散乱する中性子が中性子ビームの主軸に反射され、それにより熱外中性子のビーム強度を向上させる。

減速体13は、速中性子作用断面が広く、熱外中性子作用断面が狭い材料で製造される。好ましくは、減速体13は、Al、Pb、Ti、Bi、C、D2O、AlF3、フルエンタル、CaF2、Li2CO3、MgF2およびAl2O3中の少なくとも一種で製造される。さらに説明すると、減速体13のベース部131は、Al、Pb、Ti、Bi、C、D2O、AlF3、フルエンタル、CaF2、Li2CO3、MgF2およびAl2O3中の少なくとも一種又は多種で製造され、第一拡張部133と第二拡張部134の材料も、Al、Pb、Ti、Bi、C、D20、AlF3、フルエンタル、CaF2、Li2CO3、MgF2およびAl2O3中の少なくとも一種又は多種で製造される。つまり、本願中では、第一拡張部133、第二拡張部134及びベース部131の材料は互いに合致してもよく、互いに異なってもよい。反射体14は中性子反射能力に優れる材料で製造され、好適な実施例として、反射体14はPb又はNi中の少なくとも一種で製造される。

また、減速体13の後端に熱外中性子吸収体(図示略)が設けられてもよく、減速体13と反射体14との間に隙間通路18が設けられ、熱外中性子吸収体とビーム出口17の間に空気通路19が設けられ、反射体14内に非照射領域の正常組織用量を減少させることができる放射シールド16が設けられる。いわゆる隙間通路18は、実体材料で被覆しない中空の中性子ビームを通しやすい領域で、該隙間通路18は空気通路又は真空通路として設けられてもよい。隙間通路18を設けることで、熱外中性子のフラックスを増加させることができ、空気通路19を設けることで、中性子ビームの主軸から逸脱した中性子を主軸に連続的に戻して、熱外中性子ビームの強度を増加させることができる。放射シールド16は、中性子ビーム中の漏れ光子を遮蔽するための光子シールド161と、中性子ビーム中の漏れ中性子を遮蔽するための中性子シールド162と、を含む。光子シールド161は反射体14と一体に設けられてもよく、別体に設けられてもよく、中性子シールド162はビーム出口17に隣接する位置に設けられてもよい。

陽子ビームはビーム入口11から入射されターゲット12と核反応を起こして中性子を発生し、中性子は中性子ビームを形成し、中性子ビームが一本のビーム主軸に限定され、形成される中性子ビームでは減速体13により中性子が熱外中性子エネルギー領域まで減速され、熱中性子吸収体が中性子ビーム中の熱中性子を吸収し、これにより治療時に浅層の正常組織に過剰な用量をもたらすことを回避する。反射体14は、ビーム主軸から逸脱した中性子をビーム主軸に戻して、熱外中性子のビーム強度を向上させ、これにより患者の治療に最も合致するビーム品質を取得する。

熱中性子吸収体は熱中性子の作用断面が広い材料で製造され、好適な実施例としては、熱中性子吸収体は6Liで製造される。好適には、光子シールド161の材料には鉛(Pb)を選択して製造され、中性子シールドの材料にはポリエチレン(PE)を選択して製造される。当業者によく知られているように、光子シールド161は他の材料で製造されてもよく、光子を遮蔽する作用を果たせればよく、中性子シールド162も他の材料で製造されてもよく、他のところに設定されてもよく、漏れ中性子を遮蔽する条件を満たせばよい。

本願の中性子捕捉療法のビーム整形体は腫瘍のビーム中性子エネルギー領域、中性子ビームフラックス等の指標に対する実際の要求に応じて異なる材料の減速体を選択して中性子に対する減速能力を調整するだけで、同じ医療装置で異なる患者を治療することができ、構成が簡単で、使用適合性に優れる。

本発明の開示する中性子捕捉療法用ビーム整形アセンブリは、以上の実施例に記載の内容及び図面に示す構造に限定されるものではない。本出願に基づく、本明細書に開示された構成要素の材料、形状、および位置における明らかな変更、置換、または修正は、いずれも本発明の特許請求の保護範囲内にある。

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