ゲルマニウムの生成プロセス

申请号 JP2016524207 申请日 2014-06-26 公开(公告)号 JP2016527492A 公开(公告)日 2016-09-08
申请人 マリンクロッド エルエルシー; マリンクロッド エルエルシー; 发明人 ウィリアム シー. ウーラント,; ウィリアム シー. ウーラント,; デイビッド ウェイン パイプス,; デイビッド ウェイン パイプス,; メリッサ ダイアン ペリーゴ,; メリッサ ダイアン ペリーゴ,;
摘要 本開示は 放射性 同位元素を生成するプロセスに関する。プロセスは、開始材料を含むターゲット体をボンバードすることを含み、開始材料をボンバードすることによってターゲット体内に放射性同位元素が生成し、プロセスは更に、ボンバードされたターゲット体を崩壊させること、ボンバードされたターゲット体を酸性化合物で剥離分解して剥離分解溶液を生成すること、無極性溶媒を用いて剥離分解溶液から放射性同位元素を抽出して酸性化合物を除去し、放射性同位元素を含む無極性溶媒部分を生成すること、放射性同位元素を含む無極性溶媒部分を洗浄すること、及び 水 を用いて無極性溶媒部分から放射性同位元素を抽出することを含む。
权利要求

放射性同位元素の生成プロセスであって、 開始材料を含むターゲット体をボンバードすることであって前記開始材料を前記ボンバードすることによって前記ターゲット体内に放射性同位元素が生成する、前記ボンバードすること、 前記ボンバードされたターゲット体を崩壊させること、 前記ボンバードされたターゲット体を酸性化合物で剥離分解して剥離分解溶液を生成すること、 無極性溶媒を用いて前記剥離分解溶液から前記放射性同位元素を抽出して前記酸性化合物を除去し、前記放射性同位元素を含む無極性溶媒部分を生成すること、 前記放射性同位元素を含む前記無極性溶媒部分を洗浄すること、及び を用いて前記無極性溶媒部分から前記放射性同位元素を抽出すること を備えるプロセス。ターゲット体を用いてゲルマニウム68を生成する方法であって、 ガリウム−ニッケル合金を含むターゲット体をボンバードすることであって前記ガリウム−ニッケル合金を前記ボンバードすることによって前記ターゲット体内にゲルマニウム放射性同位元素が生成する、前記ボンバードすること、 前記ボンバードされたターゲット体を崩壊させること、 前記ボンバードされたターゲット体を酸性化合物で剥離分解して剥離分解溶液を生成すること、 無極性溶媒を用いて前記剥離分解溶液から前記ゲルマニウム放射性同位元素を抽出して前記酸性化合物を除去し、前記ゲルマニウム放射性同位元素を含む無極性溶媒部分を生成すること、 前記ゲルマニウム放射性同位元素を含む前記無極性溶媒部分を洗浄すること、及び 水を用いて前記無極性溶媒部分から前記ゲルマニウム放射性同位元素を抽出すること を備える方法。請求項1に記載のプロセスにおいて、前記放射性同位元素がゲルマニウム68である、前記プロセス。請求項1に記載のプロセスにおいて、前記開始材料がガリウムを含む合金である、前記プロセス。請求項4に記載のプロセスにおいて、前記合金が、ニッケル、インジウム、スズ、鉄、ルテニウム、オスミウム、クロム、レニウム、モリブデン、タングステン、マンガン、コバルト、ロジウム及びこれらの組合せからなるグループから選択された金属を含む、前記プロセス。請求項5に記載のプロセスにおいて、前記合金がガリウム及びニッケルを含む、前記プロセス。先行するいずれかの請求項に記載の方法またはプロセスにおいて、前記合金が、前記合金の重量で約10%から約80%のガリウムを含む、前記方法またはプロセス。先行するいずれかの請求項に記載の方法またはプロセスにおいて、前記合金が、前記合金の重量で約60%から約75%のガリウムを含む、前記方法またはプロセス。先行するいずれかの請求項に記載の方法またはプロセスにおいて、前記金属が、前記合金の重量で約20%から約90%の量で前記合金に存在する、前記方法またはプロセス。先行するいずれかの請求項に記載の方法またはプロセスにおいて、前記合金が、前記合金の重量で約60%から約75%のガリウム及び約25%から約40%のニッケルを含む、前記方法またはプロセス。先行するいずれかの請求項に記載の方法またはプロセスにおいて、前記合金が、前記合金の重量で約60%のガリウム及び約40%のニッケルを含む、前記方法またはプロセス。先行するいずれかの請求項に記載の方法またはプロセスにおいて、前記酸性化合物が塩酸(HCl)及び硝酸(HNO3)を含む、前記方法またはプロセス。先行するいずれかの請求項に記載の方法またはプロセスにおいて、前記酸性化合物が4.5MのHCl及び10MのHNO3を含む、前記方法またはプロセス。先行するいずれかの請求項に記載の方法またはプロセスにおいて、前記酸性化合物が銅(II)硝酸三水和物及び硝酸を含む、前記方法またはプロセス。先行するいずれかの請求項に記載の方法またはプロセスにおいて、前記ターゲット体が粒子加速器によってボンバードされる、前記方法またはプロセス。先行するいずれかの請求項に記載の方法またはプロセスにおいて、前記粒子加速器がサイクロトロンを含む、前記方法またはプロセス。先行するいずれかの請求項に記載の方法またはプロセスにおいて、前記無極性溶媒部分がHClで洗浄される、前記方法またはプロセス。先行するいずれかの請求項に記載の方法またはプロセスにおいて、前記無極性溶媒部分が10MのHClで洗浄される、前記方法またはプロセス。先行するいずれかの請求項に記載の方法またはプロセスにおいて、水を用いて前記放射性同位元素が前記無極性溶媒から抽出されて前記放射性同位元素を含む水部分を生成する、前記方法またはプロセス。先行するいずれかの請求項に記載の方法またはプロセスにおいて、前記放射性同位元素を含む前記水部分が加熱されて前記水を蒸発させて前記放射性同位元素を得る、前記方法またはプロセス。先行するいずれかの請求項に記載の方法またはプロセスにおいて、前記無極性溶媒が、ヘプタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ペンタン及び四塩化炭素からなるグループから選択される、前記方法またはプロセス。先行するいずれかの請求項に記載の方法またはプロセスにおいて、前記無極性溶媒がヘプタンである、前記方法またはプロセス。ゲルマニウム68の生成に使用されるターゲット体であって、 熱伝導性材料及び冷却剤経路を含むベース層、及び 前記ベース層に配置された開始材料であって、照射された後にゲルマニウム68を形成することができるガリウム−ニッケル合金を含む前記開始材料 を備えたターゲット体。

说明书全文

本願は、2013年6月27日出願のU.S.Provisional Patent Application No.61/840,103の優先権を主張し、その内容全体が参照としてここに取り込まれる。

本開示は、概略として、照射されるターゲット体からゲルマニウム68を生成する新規なプロセスに関する。そのプロセスはターゲット体の照射を含み、ゲルマニウム68を生成する種々の抽出技術が続く。

陽電子放射断層撮影(PET)は、人及び動物における生化学的、分子的及び/または病態生理学的なプロセスを追跡する陽電子放射ラジオトレーサを用いる生体内撮像方法である。PETシステムにおいて、陽電子放射性同位元素は、人体の外科診査なしに、研究中の病気及び病理学プロセスの正確な位置を特定するための標識として作用する。これらの非侵襲的な撮像方法があれば、診査外科手術のようなより伝統的かつ侵襲的な手法とは逆に、病気の診断は患者にとってより快適なものとなる。

一例によるそのような放射性薬剤の作用物質群はガリウム68(Ga−68)を含み、これは放射性同位元素ゲルマニウム68(Ge−68)から得られる。Ge−68は約271日の半減期を有し、電子捕獲によってGa−68へと崩壊し、顕著な光子放出がない。Ga−68は、陽電子放出によって崩壊する。これらの特性によってGe−68は校正用線源及び発信用線源のための理想的な放射性同位元素となる。したがって、長寿命母体Ge−68の入手性は、それによる短寿命ガリウム放射性同位元素の生成のために、重大な関心事となる。

PET撮像方法のためにGa−68を得るのに使用されるGe−68を生成する改善されたプロセスが必要とされ続けている。本開示は、照射されるターゲット体からGe−68を生成するための改善されたプロセスに関する。

したがって、簡潔にいうと、本開示は放射性同位元素を生成するプロセスに関する。プロセスは、開始材料を含むターゲット体をボンバードすることを含み、開始材料をボンバードすることによってターゲット体内に放射性同位元素が生成し、プロセスは更に、ボンバードされたターゲット体を崩壊させること、ボンバードされたターゲット体を酸性化合物で剥離分解して剥離分解溶液を生成すること、無極性溶媒を用いて剥離分解溶液から放射性同位元素を抽出して酸性化合物を除去し、放射性同位元素を含む無極性溶媒部分を生成すること、放射性同位元素を含む無極性溶媒部分を洗浄すること、及びを用いて無極性溶媒部分から放射性同位元素を抽出することを含む。

本開示はさらに、ターゲット体を用いてゲルマニウム68を生成する方法に関する。方法は、ガリウム−ニッケル合金を含むターゲット体をボンバードすることを含み、ガリウム−ニッケル合金をボンバードすることによってターゲット体内にゲルマニウム放射性同位元素が生成し、方法は更に、ボンバードされたターゲット体を崩壊させること、ボンバードされたターゲット体を酸性化合物で剥離分解して剥離分解溶液を生成すること、無極性溶媒を用いて剥離分解溶液からゲルマニウム放射性同位元素を抽出して酸性化合物を除去し、ゲルマニウム放射性同位元素を含む無極性溶媒部分を生成すること、ゲルマニウム放射性同位元素を含む無極性溶媒部分を洗浄すること、及び水を用いて無極性溶媒部分からゲルマニウム放射性同位元素を抽出することを含む。

本開示はさらに、ゲルマニウム68の生成に用いるターゲット体に関する。ターゲット体は、熱伝導性材料及び冷却剤経路を含むベース層、及びベース層に配置された開始材料を備え、開始材料は、照射された後にゲルマニウム68を形成することができるガリウム−ニッケル合金を含む。

本開示の種々の態様に関連して上述した構成の種々の改良が存在する。更なる構成が、これらの種々の態様と同様に取り込まれてもよい。これらの改良及び追加構成は、個々に、または任意の組合せにおいて存在し得る。例えば、説明する実施形態の1以上に関連して以下に示す種々の構成は、本開示の上記態様のいずれかに、単独で、または任意の組合せにおいて取り込まれ得る。再度になるが、上記の概要は、本開示の特定の態様及び状況を、特許請求の範囲に記載される事項を限定することなく読者に習熟させることを意図するにすぎない。

本開示の種々の構成、態様及び有利な効果は、添付の図面を参照して以降の詳細な説明を読めばより良く理解でき、図面を通じて同様の符号は同様の部分を表す。

図1は、一実施形態の粒子加速システムのブロック図である。

図2は、一実施形態のサイクロトロンの模式図である。

図3は、本開示によるターゲット体の前面の実施形態である。

図4は、本開示によるターゲット体の背面の実施形態である。

本開示は、放射性同位元素を生成するプロセスに関する。特に、本開示は、放射性同位元素の開始材料からGe−68を生成するプロセスに関する。本開示はまた、ターゲット体を用いてGe−68を生成する方法と同様に、Ge−68の生成に用いるターゲット体に関する。

プロセスは、概略として、開始材料を含むターゲット体をボンバードすることを含み、開始材料をボンバードすることによってターゲット体内に放射性同位元素が生成し、プロセスは更に、ボンバードされたターゲット体を崩壊させること、ボンバードされたターゲット体を酸性化合物で剥離分解して剥離分解溶液を生成すること、無極性溶媒を用いて剥離分解溶液から放射性同位元素を抽出して酸性化合物を除去し、放射性同位元素を含む無極性溶媒部分を生成すること、放射性同位元素を含む無極性溶媒部分を洗浄すること、及び水を用いて無極性溶媒部分から放射性同位元素を抽出することを含む。

プロセスは、高純度放射性同位元素(例えば、ゲルマニウム68)を反復的に生成し、かつホットセルでの実行が容易である点で改善されたプロセスである。さらに、改善されたプロセスは、揮発性ゲルマニウム化合物の形成を減少させ、形成された場合にはこれらの化学種の消失を防止する。すなわち、改善されたプロセスは、揮発性ゲルマニウム化合物の形成を抑制するが、形成された場合にはそれらは保持及び捕捉される。またさらに、改善されたプロセスでは、最終溶液に含有されるHClが少ない。

A.ターゲット体 本開示の実施形態において、ターゲット体が図3及び4に示され、概ね符号70が付される。ターゲット体70は、Ge−68などの放射性同位元素の生成に用いられる。ターゲット体70は、開始材料から放射性同位元素を生成するボンバードプロセス中に使用される。本開示のある実施形態では、1つのターゲット体70のみがボンバードプロセスに使用される。他の実施形態では、2つ(デュアル)のターゲット体がボンバードプロセスに使用され、3個以上も考えられる。デュアルターゲット体がボンバードプロセスに用いられる場合、より多くの量のGe−68などの目標放射性同位元素をプロセスの終了時に回収することができる。デュアルターゲット体が用いられる場合、各ターゲット体70は、本開示の他の箇所に開示されるように、同じまたは異なる量の放射性同位元素開始材料を含み得る。同様に、デュアルターゲット体の構成は、例えば、ターゲット体が同一の構造及び組成を有するようなものであればよい。

ある実施形態では、ターゲット体70はベース層72を備える。ベース層72は、熱伝導性材料74及び冷却剤経路76を含む。ターゲット体70は複数の層を有していてもよく、その少なくとも1層は、その層がエネルギー帯電粒子で照射される時に放射性同位元素が生成するように適合される。ある実施形態では、ターゲット体70は、エネルギー帯電粒子で衝突または照射された時に放射性同位元素が生成できる濃縮された放射性同位元素開始材料を含むベース層72を含む。同様に、放射性同位元素は、医療診断または治療の目的のための放射性薬剤として、単独で、または他の物質(例えば、標識剤)との組合せにおいて使用されてもよい。

ベース層72は、ベース層72上に配置された放射性同位元素開始材料を含む。本開示のある実施形態では、ターゲット体70は、約1.0グラムから約2.0グラムの放射性同位元素開始材料を含む。他の実施形態では、ターゲット体70は、約1.2グラムの放射性同位元素開始材料を含む。一実施例として、開始材料は粉末状で提供され、その後、ターゲット体70にプレス加工される。

本開示のある実施形態では、開始材料は、ガリウムを含む合金を含む。合金は、合金の重量で約10%から約80%、一実施形態では約60%から約75%のガリウムを含んでいればよい。合金はまた、ニッケル、インジウム、スズ、鉄、ルテニウム、オスミウム、クロム、レニウム、モリブデン、タングステン、マンガン、コバルト、ロジウム及びこれらの組合せからなるグループから選択された金属を含んでいてもよい。その金属は、合金の重量で約20%から約90%、一実施形態では約25%から約40%の量で合金に存在していればよい。

本開示のいくつかの実施形態では、合金はガリウム及びニッケルを含む。これらの実施形態において、ガリウム−ニッケル合金は、合金の重量で約60%から約75%のガリウム及び約25%から約40%のニッケルを含む。一実施形態では、ガリウム−ニッケル合金は、合金の重量で約60%のガリウム及び約40%のニッケルを含む。他の実施形態では、ガリウム−ニッケル合金は、合金の重量で約61%のガリウム及び約39%のニッケルを含む。

ターゲット体70のベース層72は、銅、アルミニウム、ニッケル及び/または他の導電性材料などの金属を含む。例えば、ベース層72はアルミニウムから成形され、そして銅でコーティングされる。ターゲット体70のベース層72は、導電性であるので、ターゲット体70が照射される間に温度が上昇するとターゲット体70から熱を効率的に発散するように適合されることができる。また、ある実施形態では、冷却剤経路/チャネル76は、ターゲット体70の長手方向に沿うチャネルまたは溝の一部として形成される。冷却剤チャネル76は、ターゲット体70が帯電粒子で照射される間にターゲット体70から熱が除去されるように液体がターゲット体70に沿って流れるのを促進する。

ターゲット体70のボンバード処理中に、衝突する帯電粒子とターゲット体70の材料の原子核との間の原子核相互作用によって、それらの核の部分を放射性同位元素に変換できる。例えば、ボンバード処理の後に、ベース層72は、Ge−68、Ge−69及びGe−71のようなゲルマニウム放射性同位元素を含み得る。ベース層72はまた、ボンバード処理の後に、Cu−62、Cu−64、Cu−61、Cu−60、Zn−62及びZn−63のような他の放射性同位元素も含み得る。

B.ボンバード処理 本開示によると、開始材料を含むターゲット体70は、ボンバード処理を介して照射される。開始材料のボンバード処理によってターゲット体70内に放射性同位元素が生成する。本開示の一実施形態では、ガリウム−ニッケル合金が開始材料であり、ボンバード処理後にゲルマニウム放射性同位元素が生成される。本開示の他の実施形態では、ガリウム−ニッケル合金がボンバードされてGe−68放射性同位元素が生成する。

照射の一例による方法は、陽子ボンバード処理によるものである。本開示のある実施形態では、ターゲット体70は粒子加速器によってボンバードされる。例えば、陽子ボンバード処理は、ターゲット体70を、ターゲットが集積ビーム強度でボンバードされる適切な位置でリニア加速器ビームに挿入することによって実現される。本開示のある実施形態では、ターゲット体70は、約170マイクロアンペアから約300マイクロアンペア、一実施形態では約175マイクロアンペアから約185マイクロアンペア、他の実施形態では少なくとも約180マイクロアンペアのビーム電流でボンバードされる。他の実施形態では、ターゲット体70は、少なくとも約300マイクロアンペアのビーム電流でボンバードされる。ある実施形態では、ターゲット体70は、約25.0MeVから約35.0MeV、一実施形態では約28.0MeVから約30.0MeV、一実施形態では約29.0MeVから約29.5MeVのビームエネルギーでボンバードされる。

ここで図1を参照すると、例示の粒子加速システム10のブロック図が示される。システム10は、複数の層を有する例示のターゲット体12を含み、その少なくとも1層は、その層がエネルギー帯電粒子で照射される時に放射性同位元素が生成するように適合される。ターゲット体12は、エネルギー帯電粒子で衝突または照射された時に放射性同位元素が生成できる濃縮された放射性同位元素開始材料を含むベース層14を含む。同様に、放射性同位元素は、医療診断または治療の目的のための放射性薬剤として、単独で、または他の物質(例えば、標識剤)との組合せにおいて使用されてもよい。ベース層14は、ガリウム−ニッケル合金などの放射性同位元素開始材料を含む。

ターゲット体12のベース層14は、銅、アルミニウム、ニッケル及び/または他の導電性材料などの金属を含んでいればよい。ターゲット体12のベース層14は、導電性であるので、ターゲット体12が照射される間に温度が上昇するとターゲット体12の熱を効率的に発散するように適合されることができる。

粒子加速システム10は、線18で示すように、帯電粒子を加速するように構成された粒子加速器16を含む。帯電粒子18は加速し、粒子18がターゲット体12に衝突すると放射性同位元素材料が生成するのに充分なエネルギーを得る。したがって、ベース層14は、放射性同位元素及び放射性同位元素開始材料の混合物を含むことになる。放射性同位元素の生成は、加速された粒子18がベース層14の開始材料と相互作用すると発生する核反応を介して促進される。例えば、放射性同位元素Ge−68を生成する際には、ガリウム−ニッケル合金が、加速器16を介して加速された陽子18で照射される。陽子18は、粒子18がターゲット体12に向けて加速されるように帯電粒子18を加速器16に投入する粒子発生源20から発生する。

加速された帯電粒子18がターゲット体12に衝突するにつれて、相当量の粒子の運動エネルギーがターゲット体12に吸収される。加速された粒子18によって与えられたエネルギーの吸収によってターゲット体12が昇温する。ターゲット体12の過熱を軽減するために、ターゲット体12は、ターゲット体12に隣接して配置された冷却システム22に結合される。冷却システム22は、水などの液体がターゲット体12に沿ってまたはそれを通って循環することにより、その照射中にターゲット体12によって吸収される熱を除去するようにターゲット体12に流動的に結合される液体コネクタを含む。図示される実施形態では、冷却システム22は、ターゲット体12から分離してターゲット体12の背後に配置されて示される。他の実施形態では、冷却システム22はターゲット体12の一部であってもよいし、ターゲット体12から離れて配置されていてもよい。

粒子加速システム10は、粒子加速器16、ターゲット体12及び/または冷却システム22に結合された制御システム24を含む。制御システム24は、例えば、粒子18の加速エネルギー、加速された帯電粒子18の電流の大きさ、及び加速器16の動作及び機能に関する他の動作パラメータなどのパラメータを制御するように構成される。制御システム24は、例えば、ターゲット体12の温度を監視するようにターゲット体12に結合されていてもよい。制御システム24は、冷却剤の温度を制御し、並びに/または流速を監視及び/若しくは制御するように冷却システム22に結合されていてもよい。

本開示のある実施形態では、粒子加速器はサイクロトロンを含む。サイクロトロンは、帯電粒子を高速に加速し、帯電粒子をターゲットに衝突させて核反応を発生させ、放射性同位元素を生成することができる。ここで図2を参照すると、例示の粒子加速器40が、ターゲット体12との使用について図示される。粒子加速器40は、陽子などの帯電粒子を加速するのに使用されるサイクロトロンを含む。サイクロトロン40は、帯電粒子を加速するのに定常磁界及び交流電界を採用する。サイクロトロン40は、所定距離だけ離隔された2つの電磁石42及び44を含む。粒子発生源46が電磁石42及び44の間に配置される。ある実施形態では、電磁石42及び44はパイ形または楔形であってもよい。粒子発生源46は帯電粒子47を、電磁石42及び44の間に配置された中心領域から粒子47の軌道が始まるように射出する。磁界48が電磁石42及び44の面に垂直に内側または外側に向くように、一定の方向及び強さの磁界48が電磁石42及び44全体にわたって生成される。電磁石42及び44全体にわたって図示される点48は、電磁石42及び44の面から内方向または外方向に向く磁界を表す。言い換えると、電磁石42及び44の表面は、磁界の方向に対して垂直に配置される。

電磁石42及び44の各々は、それぞれ接点52及び54を介して制御部50に接続される。制御部50は、例えば、制御部50に内包された交流電圧源を調整することができる。交流電圧源は、矢印56で示すように、電磁石42及び44の間の領域における交流電界を生成するように構成される。したがって、電圧源によって供給される電圧信号の周波数によって電磁石42及び44の間に振動電界が発生する。帯電粒子47が粒子発生源46から放射されるにつれて粒子47は電界56の影響を受けるようになり、これは、電荷が正か負かに応じて粒子47を特定の方向、すなわち、電界に沿う方向または電界の反対方向に移動させる。帯電粒子47が電磁石42及び44の周りを動くにつれて、帯電粒子47はもはや電界の影響下になくなる。一方、粒子47は、それらの速度に垂直な方向に向く磁界の影響を受けるようになる。この時点で、移動中の粒子47は、図2の円形経路47で示すように、粒子47に均一な円形運動を起こさせるローレンツを受ける。したがって、帯電粒子47は、電磁石42及び44の間の領域を通過する度に交流電界による電気力を受け、それによって粒子47のエネルギーが増加する。このように、粒子47がそこを横切る短い期間中での電磁石42及び44の間の領域における電磁石42及び44の間での電界の反復的反転によって、粒子47が電磁石42及び44の縁部に向かって外向きに渦を巻くようになる。

最終的に、粒子47は、ある半径でホイル(不図示)に当たり、それによって粒子47はターゲット体12へ向けて接線方向に再度方向付けられる。粒子47が加速する間に得られるエネルギーは、粒子47がターゲット体12に衝突する時にターゲット体12に蓄えられる。結果的に、これがターゲット体12内での核反応を開始させてターゲット体12の層内に放射性同位元素が生成する。制御部50は、磁界48の強さ及び電界56の強さを制御することによって、ターゲット体12に衝突する際の帯電粒子の速度と、したがってエネルギーとを制御するように適合される。制御部50はまた、ターゲット12及び/または冷却システム22に結合されて、図1に関して上述したようなターゲット12及び/または冷却システム22のパラメータを制御することもできる。

本開示のある実施形態では、ターゲット体は約1日間、約3日間、約5日間、約7日間、約10日間または約14日間ボンバードされる。本開示のある特定の実施形態では、ターゲット体は約4.4日間ボンバードされる。ボンバード処理の長さは、生成される放射性同位元素に影響し得る。特に、ターゲット体の長時間のボンバード処理によって目標放射性同位元素がより多く生成する。本開示全体にわたってここに使用される「長時間の」ボンバード処理とは、少なくとも5日間行われるボンバード処理をいう。

C.崩壊寿命 ターゲット体の照射及びボンバード処理の後に、ターゲット体は通常、不要な短寿命同位元素が崩壊する期間にわたって放置される。ある実施形態では、ターゲット体は、待つことなく処理されてもよい。しかし、ターゲット体が待つことなく処理される場合、ターゲット体を崩壊させる充分な時間の欠如からもたらされる純度の問題が起こり得る。ある実施形態では、ボンバードされたターゲット体は約6日間かけて崩壊させられる。他の実施形態では、ボンバードされたターゲット体は約7日間かけて崩壊させられる。ある実施形態では、ボンバードされたターゲット体は約14日間かけて崩壊させられる。他の実施形態では、ボンバードされたターゲット体は少なくとも14日間かけて崩壊させられる。この崩壊時間中に、例えば、Ge−69、Ge−71、Cu−62、Cu−64、Cu−61、Cu−60、Zn−62及びZn−63などの短寿命材料が崩壊させられてなくなる。

D.酸性化合物での剥離分解 放射性同位元素を含むターゲット体を崩壊させた後、ターゲット体は酸性化合物で剥離分解される。ある実施形態では、酸性化合物は塩酸(HCl)及び硝酸(HNO3)を含む。ターゲット体がこの酸性化合物で剥離分解される場合、放射性同位元素開始材料は溶解し、HCl、HNO3及び放射性同位元素を含む剥離分解溶液が形成される。ある例では、剥離分解溶液に水が存在していてもよい。ターゲット体の剥離分解は、ターゲット体から銅を除去することにもなる。本開示のある実施形態では、ボンバードされたターゲット体を剥離分解するのに用いられる酸性化合物は、約3Mから約6MのHCl及び約6Mから約15MのHNO3、ある実施形態では4.5MのHCl及び10MのHNO3を含む。

本開示の他の実施形態では、ターゲット体を剥離分解するのに使用される酸性化合物は、銅(II)硝酸三水和物(Cu(NO3)2・3H2O)及び硝酸(HNO3)を含んでいてもよい。この化合物が用いられ、かつ、例えばガリウム−ニッケル合金のターゲット体が用いられる場合、2倍の反応が起こり得る。まず、反応1、2及び3に示すように、溶液中の銅イオンが、ガリウム、ニッケル及びゲルマニウム開始材料を電気化学的に置換する。 反応1−銅によるガリウムの単一の置換 3Cu+++2Ga0→3Cu0+2Ga+++ 反応2−銅によるニッケルの単一の置換 Cu+++Ni0→Cu0+Ni++ 反応3−銅によるゲルマニウムの単一の置換 2Cu+++Ge0→2Cu0+Ge++++

この置換の後に、第2の反応が起こり、これは(反応4に示すように)硝酸中に形成された金属の銅の溶解を伴い、それは同様に溶液中に硝酸銅(II)を補充する。 反応4−硝酸中の銅の溶解 3Cu0+8HNO3→3Cu(NO3)2+2NO↑+4H2O

剥離分解処理に用いられる酸性化合物の量は、約20mlから約100ml、一実施形態では約60mlから約100ml、一実施形態では約20mlから約40mlの範囲である。一実施形態では、ターゲット体を剥離分解するのに用いられる酸性化合物の量は約30mlである。本開示のある実施形態では、各約10mlの3回の洗浄処理が、ターゲット体を剥離分解するのに用いられる。

剥離分解プロセス中に木炭ベントが用いられてもよい。木炭ベントは、剥離分解プロセス中に用いられる剥離分解セルの上部のベントホールに取り付けられた活性炭のキャニスタを含む。ベントホールは、ターゲット体の剥離分解中に生成され得るいずれかのガスについての、剥離分解セルからの単一の出口である。生成され得るそのようなガスは、ベントホールを介して通過しなければならないので活性炭によって捕捉される。ある例では、これは四塩化ゲルマニウムの捕捉を含む。

デュアルターゲット体がボンバードされ、処理されている場合には、剥離分解溶液は、後続の抽出工程の前に剥離分解プロセスの終了時に合成される。すなわち、各ターゲット体は、上記に開示されたプロセスによって個別に剥離分解されてから、2つの剥離分解溶液が、無極性溶媒の抽出工程用のものに合成される。

E.無極性溶媒を用いた抽出 放射性同位元素を含むボンバードされたターゲット体が酸性化合物によって剥離分解されて剥離分解溶液を形成した後に、剥離分解溶液から放射性同位元素を抽出するのに無極性溶媒が用いられる。この工程は、酸性化合物から所望の放射性同位元素を、所望の放射性同位元素を含む無極性溶媒部分に移す。使用される無極性溶媒が本開示の範囲内である限り、この産業に適した任意の無極性溶媒が本開示において使用されればよい。使用できる適切な無極性溶媒は、ヘプタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ペンタン及び四塩化炭素を含む。本開示の一実施形態では、抽出用の無極性溶媒としてヘプタンが用いられる。

ある実施形態では、抽出プロセスで使用される無極性溶媒の初期量は、約100mlから約140mlであり、一実施形態では約120mlである。ある実施形態では、剥離分解溶液が無極性溶媒と合成される前に、無極性溶媒が予め平衡化される。無極性溶媒は、10MのHClで予め平衡化されればよい。特定の実施形態では、無極性溶媒を予め平衡化するのに、約80mlから約120ml、一実施形態では約100mlの10MのHClが用いられる。

無極性溶媒がHClで予め平衡化されると、無極性溶媒が第1の分離用ロート(「第1のロート」)に加えられる。予め平衡化済みの無極性溶媒を第1のロートに加える前に、第1のロートが約10℃以下の温度に冷却される。冷却された第1のロートに予め平衡化済みの無極性溶媒が加えられた後で、ただし剥離分解溶液が加えられる前に、剥離分解溶液が第1のロートに加えられる時のHCl濃度が10Mとなるように濃縮量12MのHClが第1のロートに加えられる。例えば、第1のロートに加えられる前に剥離分解溶液が4.5MのHClを含有する場合には、加える濃縮HClの体積は、剥離分解溶液の体積の2.75倍となる。したがって、例えば、剥離分解溶液が30mlであるとすると、剥離分解溶液を加える前に、82.5mlの濃縮HCl(2.75×30)が第1のロートに加えられることになる。

第1の分離用ロートが冷却され、予め平衡化済みの無極性溶媒が加えられ、必要量の濃縮HClが加えられた後のこの時点で、剥離分解溶液が第1のロートに加えられる。その後、剥離分解溶液及び無極性溶媒が第1の分離用ロートにおいて混合される。剥離分解溶液及び無極性溶媒は、約3分から約7分間、一実施形態では約5分間混合される。

混合の後に、剥離分解溶液及び無極性溶媒が分離可能となる。分離が起こる際に、第1の酸性層及び第1の無極性溶媒層が形成される。第1の無極性溶媒層は、放射性同位元素の少なくとも一部を含む。ある実施形態では、第1の無極性溶媒層は、最初の抽出後の層において放射性同位元素の約80%を含む。ある実施形態では、分離は約2分から約5分かかる。分離が行われると、第1の酸性層が第1のロートから第1のビーカーに排出される。ある実施形態では、第1のビーカーは、約3mlから約7mlの、一実施形態では約5mlの予め平衡化済みの無極性溶媒を含む。無極性溶媒は、10MのHClで予め平衡化される。特定の実施形態では、無極性溶媒を予め平衡化するのに、約80mlから約120ml、一実施形態では約100mlの10MのHClが用いられる。第1の酸性層が第1のビーカーに加えられ、第1のビーカーが予め平衡化済みの無極性溶媒をそれに含む場合に、無極性溶媒は−−酸よりも低濃度の場合−−ビーカーの上部に浮いてキャップを形成し、それが、溶液から揮発する四塩化ゲルマニウムを捕捉することになる。ある実施形態では、無極性溶媒は酸よりも高濃度であり、酸の底部に移動することになる。

第1の酸性層が第1のロートから除去された後に、残留した第1の無極性溶媒層が第2のビーカーに排出されて蓋が被せられる。その後、第1のビーカーにある第1の酸性層が第1のロートに足し戻される。第1の酸性層が第1のロートに戻される時に、予め平衡化済みの無極性溶媒が第1の分離用ロートに加えられる。ある実施形態では約10mlから約30ml、一実施形態では約20mlの予め平衡化済みの無極性溶媒が、第1の酸性層とともに第1のロートに加えられる。その後、第1の酸性層及び無極性溶媒が混合され(例えば、約3分から約7分の混合)、第1の酸性層及び放射性同位元素を含む第2の無極性溶媒層への混合の(例えば、約2分から約5分)後に分離可能となる。

第1の酸性層と放射性同位元素を含む第2の無極性溶媒層との間で分離が発生した後、第1の酸性層が第3のビーカーに排出される。ある実施形態では、第3のビーカーは、約3mlから約7mlの、一実施形態では約5mlの予め平衡化済みの無極性溶媒を含む。第1の酸性層が第3のビーカーに加えられて第3のビーカーが予め平衡化済みの無極性溶媒をそれに含む場合に、無極性溶媒はビーカーの上部に浮いてキャップを形成し、それが、溶液から揮発する四塩化ゲルマニウムを捕捉することになる。

第1の酸性層が第1のロートから除去された後に、残留した第2の無極性溶媒層が、以前に排出された第1の無極性溶媒層を含む第2のビーカーに排出されて蓋が被せられる。その後、第3のビーカーにある第1の酸性層が第1のロートに足し戻される。第1の酸性層が第1のロートに戻される時に、予め平衡化済みの無極性溶媒が第1の分離用ロートに加えられる。ある実施形態では約10mlから約30ml、一実施形態では約20mlの予め平衡化済みの無極性溶媒が第1の酸性層とともに第1のロートに加えられる。その後、第1の酸性層及び無極性溶媒が混合され(例えば、約3分から約7分の混合)、第1の酸性層及び放射性同位元素を含む第3の無極性溶媒層への混合の(例えば、約2分から約5分)後に分離可能となる。

第1の酸性層と放射性同位元素を含む第3の無極性溶媒層との間で分離が発生した後、第1の酸性層が第4のビーカーに排出される。ただし、この時、第4のビーカーは予め平衡化済みの無極性溶媒をそれに含まず、第1の酸性層は廃棄される。

第1の酸性層が第1のロートから除去された後に、残留した第3の無極性溶媒層が、以前に排出された第1及び第2の無極性溶媒層を含む第2のビーカーに排出される。これにより、その全てが以前の抽出からの放射性同位元素を含む第1、第2及び第3の無極性溶媒層を含む貯留された無極性溶媒層が形成される。プロセスにおけるこの時点で、放射性同位元素は、剥離分解溶液から抽出されたことになり、貯留された無極性溶媒部分に含まれている。

F.洗浄 放射性同位元素が剥離分解溶液から、放射性同位元素を含む貯留された無極性溶媒部分に抽出された後、無極性溶媒部分が洗浄される。本開示のある実施形態では、無極性溶媒部分は酸によって、一実施形態ではHClによって洗浄される。

本開示のある実施形態では、貯留された無極性溶媒部分は、洗浄される前で無極性溶媒の抽出後に、第1の分離用ロートに戻される。この時点で、色素を含有する約3mlから約5mlの無極性溶媒が第1のロートに付加されて、放射性同位元素を含む着色無極性溶媒層を生成する。ある実施形態では、色素はアゾ系色素であり、一実施形態では赤色色素であり、または他の実施形態ではアゾ系色素はD&C赤色17号である。したがって、貯留された無極性溶媒部分に色素が付加されると、放射性同位元素を含む貯留された無極性溶媒部分は、放射性同位元素を含む着色無極性溶媒層に変換される。色素は、洗浄プロセス中に無極性溶媒層と洗浄(例えば、酸性)層とを容易に識別できるように付加されることができる。

無極性溶媒部分が第1の分離用ロートに(色素とともに、または色素なしに)付加された後に、酸が第1の分離用ロートに加えられる。一実施形態では、酸はHClである。一実施形態ではさらに、酸は10MのHClである。ある実施形態では、約20mlから約40ml、一実施形態では約30mlの酸が第1のロートに加えられる。酸が第1のロートに加えられた後に、酸及び無極性溶媒部分が混合される。酸及び無極性溶媒部分が約3分から約7分間、一実施形態では5分間混合される。

混合後に、酸及び無極性溶媒部分が、第2の酸性層と放射性同位元素を含む無極性溶媒部分とに分離可能となる。ある実施形態では、分離は約2分から約5分かかる。分離後に、第2の酸性層が第1のロートから排出され、廃棄される。

第2の酸性層が排出及び廃棄された後、酸(例えば、10MのHCl)が、無極性溶媒部分をまだ含んでいる第1のロートに再度加えられる。ある実施形態では、約20mlから約40ml、一実施形態では約30mlの酸が第1のロートに加えられる。酸が第1のロートに加えられた後、酸及び無極性溶媒部分が混合され(例えば、約3分から約7分)、第3の酸性層と放射性同位元素を含む無極性溶媒部分とに分離可能となる(例えば、約2分から約5分の分離時間)。分離後、第3の酸性層が第1のロートから排出され、廃棄される。

第3の酸性層が排出及び廃棄された後、酸(例えば、10MのHCl)が、無極性溶媒部分をまだ含んでいる第1のロートに再度加えられる。ある実施形態では、約20mlから約40ml、一実施形態では約30mlの酸が第1のロートに加えられる。酸が第1のロートに付加された後、酸及び無極性溶媒部分が混合され(例えば、約3分から約7分)、第4の酸性層と放射性同位元素を含む無極性溶媒部分とに分離可能となる(例えば、約2分から約5分の分離時間)。分離後、第4の酸性層が第1のロートから排出され、廃棄される。

第4の酸性層が第1の分離用ロートから排出されると、第1のロートに残留する無極性溶媒部分が混合される(例えば、約3分から約7分間)。この混合は、ロートに残留する過剰な酸(例えば、HCl)を回収する。混合後、無極性溶媒及び過剰な酸が、第5の酸性層と放射性同位元素を含む無極性溶媒部分とに分離可能となる(例えば、約2分から約5分の分離時間)。分離後、第5の酸性層が排出及び廃棄される。この時点で、無極性溶媒部分は洗浄されたことになり、水を用いる抽出のために準備される。

G.SPEカートリッジを用いたゲルマニウム放射性同位元素の濃縮 ある実施形態では、抽出がジオールカートリッジを用いて行われる。本開示によって使用され得る適切なジオールカートリッジの実施例は、固相抽出(SPE)カートリッジである。抽出にジオールカートリッジが用いられる場合、放射性同位元素を得るのに以下の例示的処理が実行される。

以下の例示の部材/試薬がジオールカートリッジ抽出に使用される:(1)真空ポンプ(例えば、Welch Model 2027自浄式乾式真空システム)、(2)使い捨て30mlシリンジ、(3)ジオールカートリッジ、(4)18ゲージ1”の針、(5)テフロン(登録商標)面ストッパ、(6)50mlガラス廃液瓶、(7)10mlガラス試料回収瓶、(8)n−ヘプタン、(9)0.5MのHCl、及び(10)ゲルマニウムを含有するヘプタン溶液。

例示の処理では、真空装置が、50mlガラス廃液瓶をテフロン(登録商標)面ストッパに嵌めることによって構成される。その後、真空ポンプからのホースが針に接続され、その後に針がテフロン(登録商標)面ストッパに挿入される。この時点で、新たな針がカートリッジ及びシリンジとともに得られる。シリンジからプランジャが除去され、そして廃棄される。そして、シリンジ外筒がカートリッジに取り付けられる。上記新たな針もカートリッジに取り付けられる。その後、針が、ガラス廃液瓶上のテフロン(登録商標)面ストッパに挿入される。

真空装置が構成されると、カートリッジが準備される。真空ポンプがオンされ、25mmマーキュリ(Hg)に設定される。その後、5〜10mlのヘプタンをシリンジ外筒に移すことによってカートリッジがプリウエットされ、真空引きによってヘプタンがカートリッジを介して引かれる。この工程は、カートリッジをヘプタンで飽和させ、酸素がカートリッジへ引かれるのを防止することを補助する。次に、ヘプタンがガラス廃液瓶に回収される。

カートリッジが準備された後、放射性同位元素(例えば、ゲルマニウム)が充填される。まず、例えばゲルマニウムを含有するヘプタン溶液がシリンジ外筒に移される。その後、真空引きによって溶液がカートリッジを介して引かれる。次に、溶液がカートリッジに完全に通されると、カートリッジを乾燥させるために空気がカートリッジを介して少なくとも1分間引かれ続ける。最後に、溶液が新たな廃液瓶に回収され、保存されて、例えば翌日など、後に分析される。

放射性同位元素が充填されると、次の工程は放射性同位元素の溶出となる。まず、真空装置の残りをそのままにして、10mlガラス瓶がテフロン(登録商標)面ストッパに取り付けられる。その後、約5mlの0.5MのHClをシリンジ外筒に移すことによって放射性同位元素が溶出され、真空引きによって引かれる。そして、溶出物は10mlガラス瓶に回収される。溶出物がカートリッジに完全に通されると、カートリッジを乾燥させるために空気がカートリッジを介して少なくとも1分間引かれ続け、この時点で真空引きがオフされる。そして、瓶が真空装置から除去される。瓶は保存され、例えば、ガリウム68がゲルマニウム68から形成された後に分析される。これは、溶出の翌日に行われればよい。ある実施形態では、カートリッジが(例えば次の日に)再度分析されて、ゲルマニウム68からのガリウム68などの残留放射性同位元素を回収してもよい。

本開示のある実施形態において、前述したジオールカートリッジ抽出が用いられる場合には、以下のH章に記載される水を用いる抽出を用いる必要はない。

H.水を用いる抽出 放射性同位元素を含む無極性溶媒部分が洗浄されると、水を用いて放射性同位元素が無極性溶媒から抽出される。水を用いる抽出の前に、放射性同位元素を含む無極性溶媒部分が第1の分離用ロートから第2の分離用ロート(「第2のロート」)に移される。本開示のある実施形態では、無極性溶媒部分が第2のロートに移される前に、第2のロートは約10℃以下の温度に冷却される。

放射性同位元素を含む無極性溶媒部分が第2のロートに加えられた後に、水が第2のロートに加えられる。ある実施形態では約5mlから約15ml、一実施形態では約10mlの水が第2のロートに加えられる。水が加えられると、水と無極性溶媒部分とが第2のロートにおいて混合される。ある実施形態では、水と無極性溶媒部分とが、約5分から約15分、一実施形態では約10分、第2のロートにおいて混合される。混合の後、水及び無極性溶媒部分は、貯留される無極性溶媒部分の層と放射性同位元素を含む第1の水の層とに分離可能となる。ある実施形態では、分離は約2分から約5分で起こる。ある実施形態では、貯留された無極性溶媒部分が着色される。分離後、放射性同位元素を含む第1の水の層が第5のビーカーに排出される。

放射性同位元素を含む第1の水の層が第5のビーカーに排出された後に、貯留された無極性溶媒部分の層をまだ含んでいる第2のロートに水が再度加えられる。ある実施形態では約5mlから約15ml、一実施形態では約10mlの水が第2のロートに加えられる。水が加えられると、水及び貯留された無極性溶媒部分の層が第2のロートにおいて混合され(例えば、約5分から約15分)、貯留された無極性溶媒部分の層と放射性同位元素を含む第2の水の層とに分離可能となる(例えば、約2分から約5分)。分離後、放射性同位元素を含む第2の水の層は、放射性同位元素を含む第1の水の層を含んでいる第5のビーカーに排出される。

放射性同位元素を含む第2の水の層が第5のビーカーに排出された後に、貯留された無極性溶媒部分の層をまだ含んでいる第2のロートに水が再度加えられる。ある実施形態では約5mlから約15ml、一実施形態では約10mlの水が第2のロートに加えられる。水が加えられると、水及び貯留された無極性溶媒部分の層が第2のロートにおいて混合され(例えば、約5分から約15分)、貯留された無極性溶媒部分の層と放射性同位元素を含む第3の水の層とに分離可能となる(例えば、約2分から約5分)。分離後、放射性同位元素を含む第3の水の層は、放射性同位元素を含む第1及び第2の水の層を含んでいる第5のビーカーに排出される。そして、第5のビーカーは、無極性溶媒抽出プロセスからの放射性同位元素を含む第1、第2及び第3の水の層を含む、放射性同位元素を含む貯留水部分を含む。この時点で、放射性同位元素が無極性溶媒から貯留水部分に抽出されたことになり、無極性溶媒は廃棄されてもよい。

I.放射性同位元素の取得 放射性同位元素を無極性溶媒部分から抽出した後に、放射性同位元素は水部分からそれ自体によって取得される。ある実施形態では、放射性同位元素を含む貯留水部分は、水を蒸発させるために加熱される。特定の実施形態では、単一のターゲットに対しては約3mlから約4ml、デュアルターゲットに対しては約4mlから約6mlの体積となるまで貯留水部分を蒸発させるように、貯留水部分が加熱される。ある実施形態では、貯留水部分は約65℃から約75℃の温度に加熱される。加熱プロセスは数時間かかり、ある実施形態では約1時間から約6時間続く。

加熱/蒸発が行われた後に、放射性同位元素が得られる。ある実施形態では、放射性同位元素が、放射性同位元素を含有する更に濃縮された溶液において得られる。ある実施形態では、溶液は透明かつ無色である。ある特定の実施形態では、得られる放射性同位元素はGe−68である。ある実施形態では、取得できる放射性同位元素の量は約100mCiから約500mCiである。

本開示に照らして、開示の意図される範囲から逸脱することなく、添付の特許請求の範囲に規定されるように、ここに詳細が示されるプロセスにおいて変形例及びバリエーションが可能であることは明らかである。

実施例 以下の非限定的な実施例は例示目的のみのために提供され、したがって限定的な意味で捉えられるべきではない。

実施例1:デュアルガリウム−ニッケル合金ターゲットの7日間のボンバード処理 本開示による第1のガリウム−ニッケル合金ターゲットが、約186.35マイクロアンペアの平均ビーム電流及び29.4MeVのビームエネルギーで約7日間ボンバードされた。

本開示による第2のガリウム−ニッケル合金ターゲットも、約186.35マイクロアンペアの平均ビーム電流及び29.1MeVのビームエネルギーで約7日間ボンバードされた。

各ターゲットについて約2週間の崩壊時間後、ターゲットは、本開示全体にわたって記載される放射性同位元素の生成プロセスによって各々処理された。すなわち、各ターゲットは、4.5MのHCl及び10MのHNO3を含む酸性化合物での剥離分解、ヘプタンを用いた抽出、10MのHClでの洗浄、及び水を用いた抽出を受けた。

第1の水抽出は9.5mlの水を用いた。第2の水抽出は9.9mlの水を用いた。第3の水抽出は9.9mlの水を用いた。

処理された両ターゲット溶液はともに貯留され、Ge−68含有量について測定された。約479ミリキュリーの合計Ge−68放射能が得られ、これは約40ミリキュリーのGe−69を含んでいた。各部分における放射能の概要が表1に与えられる。 表1:デュアル7日間ターゲットからの放射能部分

抽出された割合から分かるように、Ge−69は化学的にはGe−68のように挙動する。

実施例2:ガリウム−ニッケル合金ターゲットの4.4日間のボンバード処理 本開示によるガリウム−ニッケル合金ターゲットが、約183.5マイクロアンペアの平均ビーム電流及び29.5MeVのビームエネルギーで約4.4日間ボンバードされた。

約18日間の崩壊時間後、ターゲットは、本開示全体にわたって記載される放射性同位元素の生成プロセスによって処理された。すなわち、ターゲットは、4.5MのHCl及び10MのHNO3を含む酸性化合物での剥離分解、ヘプタンを用いた抽出、10MのHClでの洗浄、及び水を用いた抽出を受けた。

第1の水抽出は9.5mlの水を用いた。第2の水抽出は9.2mlの水を用いた。第3の水抽出は9.5mlの水を用いた。

約104.321ミリキュリーの合計Ge−68放射能が得られ、これはいくらかのGe−69を含んでいた。各部分における放射能の概要が表2に与えられる。 表2:4.4日間ターゲットからの放射能部分

本発明またはその好適な実施形態の要素を紹介する際、冠詞「a」、「an」、「the」及び「said」は、その要素の1以上があることを意味することが意図されている。文言「備える」、「含む」及び「有する」は包含的なものが意図されており、列挙された要素以外に追加の要素があり得ることを意味する。

上記方法及び構成(濃度、範囲などを含む)において、本開示の範囲から逸脱することなく種々の変形がなされ得る。上記の説明に含まれる全ての事項は例示的に解釈され、いかなる意味でも限定的でないことが意図されている。

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