【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、一般に、ネットワークを中継する中継装置に係り、特に、WAN(Wid e Area Network)やLAN(Local Area Network)間をワイヤレスで接続する中継装置、中継方法及び中継システムに関する。 【0002】 【従来の技術】近年のLANやWAN(Wide Ar ea Network)の普及により、多数のパーソナルコンピュータ(以下、「PC」という。)、ハブ、スイッチ又はルーターなどのネットワーク機器(ハブなどは「エージェント」と呼ばれる場合もある。)がネットワーク及びそのサブネットに接続され、情報の共有と伝達が頻繁に行われている。 【0003】ネットワーク機器のうちLAN又はWAN 間を接続するものとして、ハブ、スイッチ、ルーターといった中継装置が存在する。 なかでもルーターは、Et hernet、Token Ring、FDDIなどのLANメディア、V. 35やX. 21、BRIなどの物理インターフェースを経由したHDLC、FrameR elay、X. 25、ISDNなどのWANメディア、 更にはATMなど様々なネットワークインターフェースを扱うことが可能で、インターフェースとして主流を占めている。 【0004】このようなネットワークシステムにおいて、例えば、アナログ電話回線、ISDN回線などの公衆回線網と本社内のメインルーターを中継し本社内の複数のネットワーク機器を接続し、またその公衆回線とメインルーターを中継し各支店の複数のネットワーク機器を接続するなど様々なネットワーク体型が形成されている。 一般的に、ルーターと接続されるネットワーク機器はLANケーブルなどの有線の伝送媒体によって接続され、また、公衆回線とルーターとはISDNケーブルなどの有線の伝送媒体を介して公衆回線網と接続されている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、有線の伝送媒体を使用することは、設置場所などを問わずに自由かつ容易にネットワークを構築することが困難であるという問題を有している。 支店や支社、更には、工事現場、建築現場、展示会場などの地理的に離れた場所にネットワークを構築した場合、種々の情報を交換するためにはこれらの現場と本社のネットワークとを接続することを要求されることもある。 上述したように、これらのネットワークと本社のネットワークとを接続するには、 このような場所に公衆回線網と接続するための回線を引かなければならず、この方法は回線の設置作業の煩雑さとコストの上昇を招き好ましくない。 特に、工事現場、 建築現場、展示会場などの一時的に構築されるネットワークに対してこれらの回線を布設することは経済的に好ましいとは言えない。 また、例えば、会社の部署内などの主たる作業空間ではネットワークに接続可能な環境が設けられていることは勿論であるが、会社内であっても会議室やミーティングルームなどではネットワークへ接続するための環境が整っていない場合もある。 【0006】更に、ルーターに接続されるネットワーク機器は有線の伝送媒体により接続されることが一般的であるが、ネットワーク機器の台数の多い場合には外観上の見栄えが悪かったり、また、ネットワーク機器のレイアウト変更に伴うLANケーブルの増設や延長、更にはケーブルの断線などの様々な障害も考えられる。 また、 ノート型PCなどは可搬性に優れた装置であるが、いくら装置に可搬性があったとしても有線の伝送媒体がない限りこれらの機器がネットワークに接続することはできない。 【0007】そこで、本発明は、設置場所などを問わずに自由かつ容易にネットワークを構築することが可能な中継装置、中継システムを提供することを例示的な目的とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するための本発明の一側面としての中継装置は、ネットワークに接続される中継装置であって、前記中継装置に接続されるネットワーク機器へパケットのルーティングを行う中継装置において、外部装置と無線で通信を行う第1の通信部を介し当該第1の通信部と通信可能な前記ネットワーク機器に対するパケットを供給する制御部と、前記中継装置の一つに機能の拡張性を供する拡張カードを挿入可能なスロットとを有し、前記制御部は、前記スロットに前記拡張カードが挿入された状態で当該拡張カードと通信可能である。 かかる中継装置によれば、かかるスロットに無線で通信可能な拡張カードを挿入することにより中継装置が外部装置と通信を行うことができる。 よって、従来のように有線を用いた中継装置のようにケーブルの布設などの煩雑な作業が必要とされない。 これにより、本発明の中継装置は、場所や設置期間などを考慮しなくとも容易にネットワークを構築する環境を提供することができる。 【0009】かかる中継装置において、前記外部装置が無線通信媒体と公衆回線網とを中継する中継機器である場合、前記第1の通信部は、前記スロットに挿入可能な拡張カードが前記中継機器と無線通信可能である。 かかる中継装置によれば、WANと接続されるLAN側の中継装置に適用可能であり、上述したように無線でWAN と接続可能であるため場所や期間の限定に左右されることなく容易にLANを形成することができる。 前記拡張カードは、例えば、PCMCIA規格対応のPHS通信カード又は無線通信カードである。 【0010】また、かかる中継装置において、前記外部装置が無線通信手段を有する前記ネットワーク機器である場合、前記第1の通信部は前記無線通信手段と通信可能で前記スロットに挿入可能な拡張カードである。 かかる中継装置によれば、LAN間(例えば、ネットワーク内に存在するサブネット)を接続する中継装置に適用可能であり、上述したように無線でLANと接続可能であるため、有線のようにケーブルの布設などの煩雑な作業が必要とされない。 前記無線通信手段は、例えば、ブルートゥース又はIrDAモジュールである。 【0011】更に、かかる中継装置は、前記外部装置が無線通信媒体と公衆回線網とを中継する中継機器である場合、前記ネットワーク機器と無線で通信を行う第2の通信部を更に有してもよい。 かかる中継装置によれば、 上述したように無線でWANと接続可能であるのと同時に、かかる第2の通信部によりLAN間(例えば、ネットワーク内に存在するサブネット)を無線で接続することができる。 これにより中継装置は、有線のようにケーブルの布設などの煩雑な作業が必要とされない。 よって、WANとLAN、又はLANとLANの接続を容易に可能とし、場所や設置期間などを考慮しなくとも容易にネットワークを構築する環境を提供することができる。 前記第2の通信部は、ブルートゥース、IrDAモジュールである。 上述したように、LAN間の接続は拡張カードによって実現されてもよいし、中継装置に組み込まれた無線通信手段により実現されてもよい。 【0012】更に、本発明の別の一側面としての中継システムは、無線通信媒体と、前記無線通信媒体と公衆回線網を中継する中継機器と、ネットワークに接続される中継装置と、前記中継装置に接続される複数のネットワーク機器を有し、前記中継装置は、外部装置と無線で通信を行う第1の通信部を介し当該第1の通信部と通信可能な前記ネットワーク機器に対するパケットを供給する制御部と、少なくとも前記無線通信媒体を挿入可能なスロットとを有し、前記制御部は、前記スロットに前記無線通信媒体が挿入された状態で当該無線通信媒体と通信可能である。 かかる中継システムは上述した中継装置を利用したネットワークの中継システムであり、かかる中継装置で同様の作用及び効果を奏することができる。 【0013】かかる中継システムにおいて、前記外部装置は前記中継機器であり、前記第1の通信部は、前記スロットに挿入された前記無線通信媒体である。 かかる中継システムによれば、無線中継媒体を経て外部装置との中継が可能となるので、システム構成を平易にするだけでなく、設置しようとする場所などを任意に設定できるシステムを提供できる。 また、かかる中継システムにおいて、前記ネットワーク機器は無線通信手段を有し、前記スロットは前記無線通信手段と通信可能な拡張カードを更に挿入可能で、前記第1の通信部は、前記スロットに挿入された前記拡張カードである。 かかる中継システムによれば、LAN間ネットワーク機器の接続を無線で行うことができる。 更に、前記外部装置は前記中継機器であり、前記第1の通信部が前記中継機器と無線で通信可能で前記スロットに挿入可能な拡張カードである場合、前記中継装置は前記ネットワーク機器と無線で通信を行う第2の通信部を更に有してもよい。 かかる中継システムによれば、WANとLANの接続を無線で行えるだけでなく、LAN間のネットワーク機器をも無線で中継することができる。 かかる中継システムにおいて、前記ネットワーク機器は前記第2の通信部と無線で通信を行う無線通信手段を有してもよい。 【0014】更に、本発明の別の一側面としての中継方法は、複数のネットワーク機器を無線及び/又は有線で接続する中継部を有する第1の中継装置が、当該第1の中継装置に接続された前記ネットワーク機器の通信パラメータと、当該ネットワーク機器が接続される前記中継部のインターフェースとを対応させた第1のテーブルを作成するステップと、前記第1の中継装置が、公衆回線網に接続する中継機器と無線で通信可能な通信カードと通信し、複数のネットワーク機器を無線及び/又は有線で接続する中継部を有する第2の中継装置から当該第2 の中継装置に接続された前記ネットワーク機器の通信パラメータと、当該ネットワーク機器が接続される前記中継部のインターフェースとを対応させた第2のテーブルを取得するステップとを有する。 かかる中継方法によれば、パケットを送信するためのルーティングテーブルを作成可能であり、上述した中継システムにおける中継方法を実現することができる。 【0015】かかる中継方法において、前記第1の中継装置が、前記第1及び第2のテーブルを参照し、前記ネットワーク機器間のパケットのルーティングを行うステップを更に有する。 より詳細には、前記ルーティングステップは、前記第1の中継装置が受信した前記パケットが当該第1の中継装置に接続されたネットワーク機器へのパケットである場合、前記第1の中継装置が前記中継部を介し前記ネットワーク機器へ当該パケットを送信するステップを更に有する。 また、前記ルーティングステップは、前記第1の中継装置が受信した前記パケットが前記第2の中継装置に接続されたネットワーク機器へのパケットである場合、前記第1の中継装置は前記通信カードを介し前記パケットを前記第2の中継装置に送信するステップを更に有する。 【0016】本発明の他の目的及び更なる特徴は、以下添付図面を参照して説明される好ましい実施例によって明らかにされるであろう。 【0017】 【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、本発明の中継装置100及び当該中継装置100を使用した中継システム200について説明する。 ここで、図1 は、本発明の中継装置100を示す概略ブロック図である。 図2は、図1に示す中継装置100の概略側面図であって、(a)は中継装置100の概略正面図であり、 (b)は中継装置100の概略背面図である。 図4は、 図1に示す中継装置100を使用した中継システム20 0の例示的な形態を示す構成図である。 【0018】中継装置100は、当該中継装置100に接続されるネットワーク機器を中継しネットワーク(又は、当該ネットワークに接続されるサブネット)を構築すると共に、当該ネットワーク機器間でのパケットの配送を行う(ルーティング処理)。 また、中継装置100 は、当該中継装置100と異なる中継装置と通信し、L ANとLAN又はLANとWAN間の接続を行い、当該ネットワーク間でのルーティング処理を行う。 【0019】図1に良く示されるように、中継装置(以下、ルーターと称する。)100は、制御部110、R AM120、ROM130、記憶部140、表示部15 0、PCカードスロット160、中継部170とを有し、各構成要素は各々データを授受可能に構成されている。 更に、ルーター100は本実施形態においては装置の外観を画定する筐体101を有し、制御部110、R AM120、ROM130、記憶部150、中継部17 0の後述する無線中継部172を筐体101内部に格納する。 また、筐体101の正面には表示部140、筐体の背面にはPCカードスロット160の開口162、中継部170の後述する中継ポート174の開口175が形成されている。 なお、特別に図示しないが中継部17 0の無線通信機能を妨げないためにも、中継部170の無線通信機能を司る部位は少なくとも筐体101の近傍、又は筐体101の一部を形成するように設けられていることが好ましい。 【0020】制御部110は、CPU、MPUなど名称の如何を問わない処理装置を広く含み、ルーター100 の各部を制御する。 必要があれば、ルーター100は、 コンソールポート102等を介し図示しない上位装置に接続されて、制御部110はかかる上位装置と交信することができる。 制御部110は、本発明との関係では、 記憶部150に格納されるルーティングテーブル142 に基づき中継部170を介し各ネットワーク機器に対するパケットのルーティング処理を行う。 また、このとき制御部110は、当該ルーター100宛のパケットを受信しそれを記憶部140に格納又は当該パケットに基づき所定の処理を行うことができる。 更に、制御部110 は、PCカードスロット160に挿入される後述する通信カードを介し、LANとWAN間のルーティング処理を行うことができる。 より詳細には、制御部110は、 中継部170又は通信カードを介してパケットをLAN 側又はWAN側のネットワーク機器に送信する。 【0021】なお、詳述はしないが制御部110は、ネットワーク機器の通信パラメータを設定してもよい。 即ち、中継装置100はLAN側のネットワーク機器に対してDHCPサーバーとして機能してもよい。 【0022】また、制御部110(又は、図1に示すコンソールポート102にPCなどを接続して制御部11 0と交信可能な管理者)はネットワークの構成、性能、 機密及び課金を管理してもよい。 例えば、制御部110 はSNMPを使用してLAN側のネットワーク機器を管理することができる。 構成管理では、LAN側のネットワーク機器の状態監視、動作を制御する。 また、各ネットワーク機器のファームウェアのバージョンを知ることなども含まれる。 これにより、制御部110又はネットワーク管理者は、最新のネットワーク構成を把握することができる。 性能管理では、ネットワークを構成している機器の性能を測定する。 性能管理では、制御部110 又はネットワーク管理者は各機器のトラフィック状態を監視することにより不正なパケットが流れていないか、 また、パフォーマンスに問題がないかなどのネットワーク運用の監視を行う。 機密管理では、ネットワーク内の資源(情報や機器)への利用に制限をつけ、それらの資源に対する利用が正しく行われるように制御する。 制御部110又はネットワーク管理者はユーザのアクセス記録を定期的に調査することにより不正利用を発見したり、不正なユーザのネットワークへの侵入を防止したりする。 課金管理では、ネットワーク内の資源の利用状況を利用者ごとに記録する。 制御部110又はネットワーク管理者はユーザへのネットワーク資源の使用率を把握することにより資源を乱用しているユーザに警告したり、より良いサービスを提供するための資料として用いたりする。 【0023】RAM120は、ROM130や記憶部1 50などから読み出すデータ又は記憶部150などへ書き込むデータを一時的に記憶する。 RAM120は、本発明との関係では、ルーティングテーブル142から読み出すデータ又はルーティングテーブルへ書き込むデータを一時的に記憶する。 【0024】ROM130は、制御部110の動作に必要な各種ソフトウェアやファームウェアその他のソフトウェアを格納する。 ROM130は、本発明との関係では、後述する動作で説明されるルーティング処理を実行するプログラムを格納する。 【0025】記憶部140は、本発明との関係では、W AN側のネットワークアドレスと図3に示すルーティングテーブル142を格納する。 但し、上述したROM1 30がWAN側のネットワークアドレスとルーティングテーブル142を格納してもよい。 ここで、図3は、ルーティングテーブル142の一例を示す図である。 【0026】ルーティングテーブル142は、例示的に、機器の識別情報を表すMACアドレスと、通信パラメータの一つであるIPアドレスと、中継番号とを格納する。 なお、ルーティングテーブル142は更にサブネットマスクやネクストホップを含んでもよい。 【0027】MAC(Media Access Con trol)アドレスは、LANに接続される情報機器を識別するアドレスであり、IPアドレスに到達するための通信経路に配置された中継装置のハードウェアアドレスをいう。 【0028】IP(Internet Protoco l)アドレスは、TCP/IPのネットワーク環境に接続されているコンピュータに割り当てられたアドレスであり、ピリオドで4つに区切られた0乃至255の10 進数で表示される。 IPアドレスは、TCP/IPプロトコルのネットワーク層に配置されているIPプロトコルによって与えられるIPヘッダに含まれる。 【0029】中継番号は、ルーター100がパケットを送信するインターフェースを示す。 図3においては、P Cカードスロット160及び中継部170の後述する無線中継部172及び中継ポート174のポート番号(1 乃至4)に対応している。 【0030】サブネットマスクは、IPアドレスのホストアドレス部をサブネットアドレスとホストアドレスに分けるためのビットパターンである。 ネクストホップは、ルーター100が次に接続するルーターの情報を示す。 【0031】表示部150は、ルーター100の状態、 ルーター100に接続されるネットワーク機器の接続状態、PCカードスロット160へのPCカードの挿入状態を表示する。 表示部150は、例えば、LEDより構成され、図2(a)においてLEDは丸で描かれている。 表示部150は、これらの状態をLEDの点灯、非点灯で表示することができる。 例えば、表示部150はルーター100の電源が投入される、中継部170の中継ポート174にネットワーク機器に接続されたLAN ケーブルが接続される、中継部170がネットワーク機器と通信を行っている、PCカードスロット160にP Cカードが挿入されている場合に、LEDを点灯してこれらの状態を表示するなどである。 なお、本発明の表示部150はLEDを使用する以外にもLCDなどを使用しても良く、上述の機能を奏するものであればいかなる構成をも適用することを妨げるものではない。 例えば、 これらのLEDの点灯機構は、PCカードスロット16 0及び中継部の中継ポート174に設けられた接触型センサ、赤外線センサ等や、中継ポート174の電圧を所定のスライスレベルと比較するなどの手法を用いることで構成することができる。 【0032】PCカードスロット160は、PCカードを挿入するためのスロットである。 PCカードスロット160は、ルーター100の筐体の一部に形成された開口162及びかかる開口162より延在するPCカードと同一の形状を有する空間として形成されている。 なお、PCカードスロット160はPCカードと接続する図示しない接続部を備え、かかるスロットに挿入されたPCカードは制御部110と通信することができる。 ここで、「PCカード」とは、PCMCIA(Perso nal Computer Memory Card In ternational Association)とJEIDA(日本電子工業振興協会)が共同で制定したパソコン用のカード型周辺機器の規格をいう。 PCカードは、85.6mm×54mmの大きさを有して、その厚みによってタイプ1乃至3(それぞれ厚さ3.3m m、5.0mm、10.5mm)の3つの種類(又は、 厚さ18.0mmのThickタイプを含めた4種類) を有する。 【0033】本実施形態において、ルーター100のP Cカードスロット160にはPHS(Personal Handy−phone System)通信カードが挿入されることで、ルーター100はPHS中継局を介し公衆回線網を経由してWAN側のネットワークと物理的な接続を行うことができる。 更に、カードスロット1 60に挿入されたPCカードにより、ルーター100と公衆回線網とはワイヤレスで接続可能となり、従来のようにケーブルを布設することを要求されずいかなる場所であってもネットワーク間の接続を行うことができる。 【0034】ここで、「PHS」とは、設備や仕様を簡略化し、アナログ式コードレス電話をディジタル化したものである。 PHSは、一つの基地局がカバーする範囲が狭く、端末1台あたりの周波数帯域が携帯電話よりも広いため、データ通信の速度は32乃至64kbpsと携帯電話に比べて極めて高速で、快適な通信環境を実現することができる。 また、基地局設備が簡易で安価な点を生かし、例えば、地下街や地下鉄駅などにも基地局設置が設置されているため、様々な場所で通信を行えるという長所を有している。 【0035】なお、本発明に適用可能なPCカードはP HS通信カードに限定されるものではなく、その他に携帯電話を接続することで当該携帯電話中継局を介し公衆回線又は電波網に接続可能なPCカード、モバイルカードなど公衆回線を経由する無線通信可能ないかなるカードであってもよい。 また、ルーター100に設けられるスロットもPCカードサイズ対応であることに限定されず、CFスロットなどの当該スロットに対応した無線通信媒体(上述したPHSカードなどと同様の機能を有する通信媒体)を取り付け可能に構成されるに足りるものである。 即ち、中継装置100に接続可能なカードもP Cカードに限定されるものでなく、上述したCFカードなどの各種通信カードであってもよい。 また、本実施形態ではPHSカードなどの通信媒体はルーター100に対して着脱可能に構成されているが、これらのカード又は通信媒体と同様の機能を有する装置を固定的に(即ち、予め)取り付けられていることを妨げるものではない。 【0036】中継部170は、LAN側のネットワーク機器を中継する。 中継部170は、無線中継部172と中継ポート174とを有する。 【0037】無線中継部172は、例示的にブルートゥースモジュールとして実現されており、無線中継部17 2はLAN側のネットワーク機器からパケットを受信すると共に、当該パケットをブルートゥースを利用した無線信号に変換してネットワーク機器50送信する。 ブルートゥースは、スペクトル拡散型のパケット通信方式を適用し、PC、周辺機器、携帯電話及び情報端末などの間をつなぐ短距離無線の通信規格であり、音声伝送のための同期伝送チャネルとデータ伝送のための非同期伝送チャネルが設けられている。 機器の接続範囲は10m程度であるが、追加増幅器を使って100mまで延長できる。 【0038】無線中継部172は、ブルートゥース(B luetooth)を集積化し、図示しない無線信号送受信部、処理部を有する。 【0039】無線信号送受信部は、ブルートゥースモジュールが変換した無線信号を送受信する。 無線信号送受信部には、当業界で既知のいかなる構造をも適用することができる。 例えば、送信機は、D/A変換器、ローパスフィルタ、FM変調器、バースト変調器を含み、受信機は、IFフィルタ、FM変調器、閾値検出器/クロックリカバリ、周波数ホッピング制御部を含む。 【0040】処理部は、制御部110と交信すると共にブルートゥースモジュール60の各部を制御する。 より具体的には、処理部は、例えば、パケット、誤り訂正、 セキュリティー、データのランダム化などを制御するD SP(デジタルシグナルプロセッサ)として構成される。 【0041】なお、無線中継部172は、ブルートゥースモジュール以外にも、赤外線を利用したIrDAなどの当該周知の無線通信手段の適用を妨げるものではない。 IrDA(InfraRed Data Assoc iation)は、赤外線を用いた通信のための規格であり、2400bpsおよび115.2kbpsのIr DA1.0と、1.152Mbps及び4.0bpsのIrDA1.1などが存在している。 【0042】また、無線中継部172は予めルーター1 00の筐体101内に格納されることに限定されず、上述したPCカードスロット160に対応する通信カードして実現されてもよい。 この形態において、無線中継部172として機能する通信カードは上述したPHS通信カードと交換可能に使用されても良いし、図7に示すようにPCカードスロット160aを更に設けることでP HS通信カードとかかる通信カードの2のカードを挿入可能な構成としてもよい。 ここで、図7は、本発明の中継装置100の変形例を示す中継装置100aを示す概略ブロック図である。 【0043】中継ポート174は、ネットワーク機器がケーブルなどで接続される通信ポートである。 中継ポート174は、RJ−45と呼ばれる10base−T、 100base―Tといったネットワーク・ケーブルに使われている8ピンのモジュラージャック対応の接続ポートであり、本実施例においては例示的に4つ設けられている。 しかしながら、本発明のルーター100は、上述した無線中継部172を使用することでLAN側のネットワーク機器と通信を行うことができるので、かかる中継ポート174は省略されてもよい。 しかしながら、 かかる中継ポート174を設けることで、上述したブルートゥースモジュールと通信不可能なネットワーク機器であっても本実施例のルーター100はネットワークへの接続を許容することができるという長所を有する。 【0044】このように本発明のルーターによれば、インターネット又はWANへ接続するための公衆回線に対して、PCカードスロット160にPHSカードなどの無線通信カードを挿入するだけで、かかる公衆回線に接続することができる。 PHSカードは無線で公衆回線と接続することができるので、(PHS中継局と通信可能な範囲であれば)いかなる場所であってもLANを構築することができる。 また、LAN側のネットワーク機器に対してもブルートゥースを用いることで、無線LAN を構築可能となり、設置場所などの環境を問わずLAN を構築することができる。 【0045】以下、図3を参照しながら、本発明の中継システム200に適用されたルーター100の動作及び中継システム200の詳細について説明する。 本発明の中継システム200は、公衆回線網210を介してネットワーク(LAN)300とネットワーク(LAN)4 00が接続されたWAN環境下に適用されている。 より詳細には、LAN300は有線のケーブルで公衆回線網210に接続されており、LAN400はPHS中継局220を介し無線で公衆回線網210に接続されている。 例えば、LAN300は会社の本社、LAN400 は当該会社の支店、工事現場、建設現場、展示会場などとして実現されるであろう。 しかしながら、ワイヤレスでネットワークを構築可能なLAN400と同様のネットワーク構成をLAN300に適用することを妨げるものではない。 更に、図3には、例示的にネットワーク3 00及び400の2のネットワークより構成されているが、ネットワークの形態はこれに限定されず、更に多くのネットワークよりWANを構成してもよい。 【0046】公衆回線網210は、アナログ電話回線、 ISDN回線などを含む。 PHS中継局220は、PI TF(PHS Internet Access for um)が定めたPHSデータ通信の標準規格を満たし公衆回線網210と当該PHS中継局220と通信する機器とのデータを中継する基地局のことである。 なお、公衆回線網210及びPHS中継局220は、当該周知のいかなる技術をも適用可能でありここでの詳細な説明は省略する。 【0047】ネットワーク300は、例示的に一のルーター310と複数のネットワーク機器320とを有する。 図4には、例示的に、4つのネットワーク機器32 0a乃至320dが描かれており、以下明細書において特に断らない限り参照符号320は参照符号320a乃至320dを総括するものとする。 【0048】中継装置310は、ネットワーク機器32 0をネットワーク(ネットワーク300内、及びネットワーク300とネットワーク400間)に接続する機器であり、ネットワーク機器320が接続される中継ポートを有する。 図4においては、中継ポートは矩形で表示されている。 また、中継装置310は図示しない通信ポートを有し、かかる通信ポートに接続された有線の通信媒体を介して公衆回路網210に接続されている。 なお、図示しない通信ポートは、インターネットに(必要があれば、インターネット・サービス・プロバイダ(I SP)を介して)接続される公衆電話回線網、ISD N、各種専用線にモデム、ターミナルアダプタ(TA) などを介して接続可能なUSBポートやIEEE139 4ポートなどを含む。 なお、本実施形態において、中継装置310に本発明の中継装置100を使用することを妨げるものではない。 後述するように、ネットワーク4 00と同様の構成のネットワーク体系であってもよい。 【0049】ネットワーク機器320は、中継装置31 0によって接続されるネットワーク機器であり、ハブ、 スイッチ、ルーター、その他のコンセントレータ、リピータ、ブリッジ、ゲートウェイ装置、PC、サーバー、 無線中継機(例えば、無線LANの中継装置であるアクセスポイント)などのネットワーク機器を含む。 【0050】ネットワーク400は、中継装置410、 PHS通信カード420、複数のネットワーク機器43 0とを有する。 図4には、例示的に、6つのネットワーク機器430a乃至430fが描かれており、以下明細書において特に断らない限り参照符号430は参照符号430a乃至430fを総括するものとする。 なお、これらのネットワーク構成は例示的であり本発明を限定するものではない。 これらの構成が任意に変更可能であることは言うまでもない。 【0051】中継装置410は、ネットワーク機器32 0をネットワーク(ネットワーク300内、及びネットワーク300とネットワーク400間)に接続する機器であり、ネットワーク機器320が接続される中継部4 12を有する。 中継装置400は上述した本発明のルーター100が適用されており、図4においては、無線中継部413と、中継ポート414とが特徴的に描かれている。 また、中継装置410は、PHSカード420を図1において図示して図4において図示しないPCカードスロットに挿入することで、かかるPHS通信カード420を介しPHS中継局220に中継されることで公衆回線網210に接続することができる。 なお、中継装置400の詳細は上述した中継装置100の構成と同一であるのでここでの詳細な説明は省略する。 【0052】PHS通信カード420、PHS通信機能を有するPCカード対応の拡張カードである。 PHS通信カード420は当該周知のいかなる技術をも適用可能であり、ここでの詳細な説明は省略する。 PHS通信カードは、例えば、PHS中継局220と通信可能な無線通信部と、A/D及びD/A変換を行う変換部と、ディジタルデータに対して変調及び復調の処理を行う処理部と、ダイヤルアップ接続を行うダイヤルアップ部とを有する。 かかる構成によりPHS通信カード420はパケットを所定のキャリア周波数に乗せて搬送することができる。 【0053】ネットワーク機器430は、中継装置41 0によって接続されるネットワーク機器であり、ハブ、 スイッチ、ルーター、その他のコンセントレータ、リピータ、ブリッジ、ゲートウェイ装置、PC、サーバー、 無線中継機(例えば、無線LANの中継装置であるアクセスポイント)、PDA(Personal Digi tal Assistant)、PHS、携帯電話機などのネットワーク機器を含む。 本実施形態においては、 ネットワーク機器430a乃至430fのうち、ネットワーク機器430a、430b、430d乃至430f は例示的にPCとして実現されている。 また、ネットワーク機器430cは本発明の中継装置100が適用されており、かかるネットワーク機器430のうちネットワーク機器430e及び430fを接続している。 【0054】ネットワーク機器430のうち、ネットワーク機器430a、430b、430cは中継装置41 0と無線で交信することによりネットワーク400に接続されており、さらにネットワーク機器430cと無線で交信することによりネットワーク機器430e、43 0fがネットワーク400に接続されている。 また、ネットワーク機器430dは中継装置410の中継ポート174と有線の通信媒体(例えば、LANケーブル)を介してネットワーク400に接続している。 【0055】ネットワーク機器430(特に、ネットワーク機器430a、430b、430e乃至430f) は、図5に示すように、制御部431と、通信ポート4 32と、RAM433と、ROM434と、記憶部43 5と、無線中継部436とを有する。 ここで、図5は、 ネットワーク機器430の概略ブロック図である。 便宜上、図5は、ネットワーク機器430に付随する入出力装置及び表示装置を簡略化している。 入力装置を介してネットワーク機器430のオペレータは、記憶部435 に各種データを入力したり、必要なソフトウェアをRA M433及びROM434や記憶部435にダウンロードしたりすることができる。 また、ネットワーク機器4 30は、図示しない上位装置に接続されて、ネットワーク機器430はかかる上位装置と交信することができる。 【0056】制御部431は、CPU、MPUなど名称の如何を問わない処理装置を広く含み、ネットワーク機器430の各部を制御する。 【0057】通信ポート432は、ネットワークに接続されるLANアダプタ、インターネットに(必要があれば、インターネット・サービス・プロバイダ(ISP) を介して)接続される公衆電話回線網、ISDN、各種専用線にモデム、ターミナルアダプタ(TA)などを介して接続可能なUSBポートやIEEE1394ポートなどを含む。 通信ポート432は、本実施形態において、中継装置420の中継ポート414に接続されるインターフェースである。 【0058】RAM433は、ROM434や記憶部4 35などから読み出すデータ又は記憶部435などへ書き込むデータを一時的に記憶する。 ROM434は、制御部431の動作に必要な各種ソフトウェアやファームウェアその他のソフトウェアを格納する。 記憶部435 は通信パラメータ及びその設定プログラムを格納する。 設定プログラムは中継装置410から通信パラメータを受信して設定するプログラムであり、当該周知のプログラムを適用することができる。 【0059】無線中継部436は、例示的にブルートゥースモジュールとして実現されており、中継装置410 の無線中継部413と通信する。 但し、本発明のネットワーク機器430の無線中継部436は、中継装置41 0の無線中継部413と交信可能でありさえすればよく、その形態を制限するものではない。 当然、中継装置410の無線中継部413がその他の無線通信手段を使用するのであれば、ネットワーク機器430の無線中継部436もそれと対応する無線通信手段を適用しなければならない。 【0060】無線中継部436としてのブルートゥースは、ブルートゥース(Bluetooth)を集積化し、図示しない無線信号送受信部、処理部を有する。 【0061】無線信号送受信部は、ブルートゥースモジュールが変換した無線信号を送受信する。 無線信号送受信部には、当業界で既知のいかなる構造をも適用することができる。 例えば、送信機は、D/A変換器、ローパスフィルタ、FM変調器、バースト変調器を含み、受信機は、IFフィルタ、FM変調器、閾値検出器/クロックリカバリ、周波数ホッピング制御部を含む。 【0062】処理部は、制御部431と交信すると共にブルートゥースモジュール60の各部を制御する。 より具体的には、処理部は、例えば、パケット、誤り訂正、 セキュリティー、データのランダム化などを制御するD SP(デジタルシグナルプロセッサ)として構成される。 【0063】本実施形態において、ネットワーク機器4 30は中継装置410と通信する手段として通信ポート432と無線中継部436の両者を有するが、ネットワーク機器430はこれらの通信手段のうち少なくともいずれか一方を有するに足りるものである。 例えば、ネットワーク機器430が無線中継部436のみを有するのであれば、当該ネットワーク機器430は図示したネットワーク機器430a、430b、430e、430f の様に中継装置100と無線で通信を行うことができる。 また、ネットワーク機器430が通信ポート432 のみを有するのであれば、当該ネットワーク機器430 は図示したネットワーク機器430dのように中継装置100と有線で通信を行うことができる。 【0064】なお、本実施形態においてネットワーク機器430は無線中継部436を予め構成要素の一つとして格納しているが、ネットワーク機器430は拡張カードとして実現されたる無線中継部と同様の機能を有するカードを取り付けることでかかる無線中継部436の機能を達成してもよい。 【0065】上述したようにネットワーク機器430のうちネットワーク機器430cは本発明の中継装置10 0が適用されており、ネットワーク400のサブネットを構成している。 本実施形態では、ネットワーク機器4 30は図示しない無線中継部を介し上位の中継装置10 0と無線で通信することができる。 ネットワーク機器4 30cは上述した中継装置100と同一の構成を有するためここでの詳細な説明は省略する。 但し、ネットワーク機器430cの図示しないPCカードスロットにPH Sカード420が挿入されることを必要としない。 しかしながら、ネットワーク機器430cが図示しないPC カードスロットにPHS通信カード420を挿入し、かかるPHS通信カード420から無線により公衆回線網210を介しネットワーク300及びサブネットとしてのネットワーク400と通信を行ってもよい。 更には、 上述したようにネットワーク機器430cの図示しない無線中継部は上述したPCカードスロットに対応するP Cカードして実現されてもよい。 かかる形態でネットワーク機器430cが実現されるのであれば、ネットワーク機器430cの図示しないPCカードスロットには無線中継部の機能を有するPCカードが挿入されるし、又は、図7に示すような2つのPCカードスロットのいずれか一方にかかる無線中継部の機能を有するPCカードが挿入されるであろう。 かかる携帯であっても同様の作用を奏するものである。 【0066】以下、図6を参照しながら、本発明の中継システム200の動作について説明する。 ここで、図6 は、本発明の動作を説明するためのフローチャートである。 なお、以下の説明では、本発明の中継装置100が適用されたネットワーク400を主として説明を行うが、ネットワーク300については当該周知のいかなる技術を適用することを妨げるものではない。 【0067】まず、中継装置410はLAN側の(即ち、自分の配下にいる)ネットワーク機器430の機器識別情報を取得するため、ネットワーク機器430に対してかかる情報の送信を要求する(ステップ100 0)。 例えば、中継装置410の無線中継部413は図示しな制御部に制御され、ネットワーク機器430に対して機器識別情報の送信を要求する。 より詳細には、無線中継部413のブルートゥースモジュールがかかる要求情報に変調などの所定の処理を施し、送信する。 一方、中継装置410の中継ポート414は当該中継ポート414の電圧を所定のスライスレベルと比較することによってネットワーク機器430の電源投入を検出したのであれば、図示しない制御部はネットワーク機器43 0に対して機器識別情報の送信を要求する。 【0068】そして、ネットワーク機器430のうちかかる情報を受信したネットワーク機器430は当該ネットワーク機器430の機器識別情報(MACアドレスなど)を送信する(ステップ1002)。 例えば、ネットワーク機器430aがかかる要求を無線中継部436のブルートゥースモジュールで受信したのであれば、ブルートゥースはかかる要求信号に復調などの所定の処理を施し、制御部431に送信する。 そして制御部431はかかる要求に対してMACアドレスをこれと逆の手順で中継装置100に対して送信する。 一方、ネットワーク機器430dがかかる要求を中継ポート432で受信したのであれば、中継ポート432はかかる要求を制御部431に送信する。 そして制御部431はかかる要求に対してMACアドレスをこれと逆の手順で中継装置10 0に対して送信する。 【0069】中継装置410は無線中継部413及び/ 又は中継ポート414によりかかるMACアドレスを受信したら(ステップ1004)、かかるMACアドレスを中継部170の情報と共に図示しない記憶部のルーティングテーブルに格納する(ステップ1006)。 図3 を用いて上述したように、中継装置410の図示しない制御部は中継部412のうち無線中継部413又は中継ポート414のうちいずれのポートであるかを特定し、 かかる情報と共にMACアドレスをルーティングテーブルに格納する(ステップ1008)。 なお、中継装置4 10は予めユーザIDやパスワードをネットワーク機器430に対して設定しておくことで、MACアドレスの送信と同時にユーザIDやパスワードを認証することによりネットワーク400に接続可能なネットワーク機器430であるかどうか判断してもよい。 これにより不正なネットワークへの進入者を排除することができる。 【0070】また、このとき中継装置410がDHCP サーバーとしての機能を有するのであれば、中継装置4 10は通信したネットワーク機器430に対してIPアドレスなどの通信パラメータを付与することができる。 例えば、中継装置410は無線中継部413と通信する複数のネットワーク機器430に対してMACアドレスと一対一の関係の通信パラメータを含む情報をマルチキャストで送信して、当該MACアドレスに対応するネットワーク機器430に対して当該ネットワーク機器43 0のMACアドレスに対応する通信パラメータのみを有効とさせることでそれぞれ別個の通信パラメータを付与することができる。 一方、中継装置410はMACアドレスに対応する中継ポート414を特定して通信パラメータを付与することができる。 これにより中継装置10 0はかかる通信パラメータをルーティングテーブルに格納することができる。 【0071】また、ネットワーク400が個別にDHC Pサーバーを有し、かかるDHCPサーバーにより予めIPアドレスが付与されているのであれば、中継装置4 10は機器識別情報(上述した例ではMACアドレス) の代わりにIPアドレスを含む通信パラメータを予め格納してもよいし、機器識別情報及び通信パラメータを含む複数の情報を格納してもよい。 【0072】そして、中継装置410はかかるルーティングテーブルの情報を図示しない記憶部に格納されたW AN側(ネットワーク300)のネットワークアドレスに対してPHSカード420を介して送信する(ステップ1010)。 例えば、中継装置410の制御部はPH Sカード420と通信を行い中継装置310とダイヤルアップで接続を行い、かかるネットワークアドレスに対してルーティングテーブルの情報を送信する。 【0073】また、このとき中継装置410は中継装置310が格納するルーティングテーブルを送信するように要求する(ステップ1014)。 かかる要求に中継装置310が応答しルーティングテーブルが送信されると(ステップ1016乃至1018)、中継装置410はかかるルーティングテーブルを受信し記憶部のルーティングテーブルに格納することができる(ステップ102 0乃至1022)。 なお、このとき中継装置410は中継装置310より受信したルーティングテーブルのIP アドレスなどの通信パラメータをインターフェースがP HSカード20(又は、図示しないPCカードスロット)となるように中継番号を格納する。 【0074】以上の処理により、中継装置410はLA N側のネットワーク機器430のIPアドレスなどをルーティングテーブル及びWAN側のネットワーク機器3 20のIPアドレスなどをルーティングテーブルに格納しているので、図8によく示されるようにかかるルーティングテーブルを参照してパケットを対象とするネットワーク機器430に送信することができる。 ここで、図8(a)乃至(c)は本発明の中継システム200におけるルーティング処理を説明する模式図である。 【0075】より詳細には、図8(a)の(1)の矢印で示すように、ネットワーク機器430から中継装置4 10に対しパケットが供給される。 かかるパケットは中継装置410の中継部412を介し受信され、中継装置410の図示しない制御部に送信される。 制御部はかかるパケットのIPヘッダとルーティングテーブルを参照し、当該パケットを送信するインターフェースを決定する。 仮に、かかるIPヘッダが中継装置410のLAN 側に該当するネットワーク機器430であるならば、図8(a)の(2)の矢印で示すように前記制御部は中継部412の無線中継部413又は中継ポート414のいずれかを介してかかるパケットを対象とするネットワーク機器430に送信することができる。 【0076】また、図8(b)の(3)の矢印で示すように、ネットワーク機器430から中継装置410に対しパケットが供給される。 かかるパケットは中継装置4 10の中継部412を介し受信され、中継装置410の図示しない制御部に送信される。 制御部はかかるパケットのIPヘッダとルーティングテーブルを参照し、当該パケットを送信するインターフェースを決定する。 仮に、かかるIPヘッダが中継装置310のLAN側に該当するネットワーク機器320であるならば、図8 (b)の(4)の矢印で示すように制御部はPCカードスロットに挿入されたPHS通信カードを介してかかるパケットを対象とするネットワーク機器430に送信することができる。 【0077】また、図8(c)の(5)の矢印で示すように、図示しないネットワーク機器320から中継装置310を介し中継装置410に対しパケットが供給される。 かかるパケットは中継装置410のPCカードスロットに挿入されたPHS通信カードを介し受信され、中継装置410の図示しない制御部に送信される。 制御部はかかるパケットのIPヘッダとルーティングテーブルを参照し、当該パケットを送信するインターフェースを決定する。 仮に、かかるIPヘッダが中継装置410のLAN側に該当するネットワーク機器430であるならば、図8(c)の(6)の矢印で示すように前記制御部は中継部412の無線中継部413又は中継ポート41 4のいずれかを介してかかるパケットを対象とするネットワーク機器430に送信することができる。 【0078】このように本発明の中継システム200によれば、ネットワーク400で説明したように中継装置410が公衆回線網210とPHS通信カード420を介して接続可能に構成されている。 中継装置410は公衆回線網210と無線で通信することができるので、従来のように有線を用いた中継装置のようにケーブルの布設などの煩雑な作業が必要とされない。 よって、本発明の中継システムは、場所や設置時間などを考慮しなくとも容易にネットワークを構築する環境を提供することができる。 また、中継装置410をネットワーク機器43 0と無線で通信可能な構成とすることで、ケーブルの配線などを考慮せずにネットワークを更に容易に構築することができる。 本発明の中継システムは、工事現場、建築現場又は展示会場などの有線LANシステムの適用が不向きな場所であっても上述した理由により容易にLA N及びWAN間の中継を行うことができ、快適なネットワーク環境を提供することができる。 【0079】以上、本発明の好ましい実施例を説明したが、本発明はその要旨の範囲内で様々な変形や変更が可能であり、通常の有線LANシステムと代替的に適用することができる。 【0080】 【発明の効果】本発明の中継装置並びに中継システムによれば、場所や設置時間などを考慮せずに容易にネットワークを構築する環境を提供することができる。 また、 中継装置をネットワーク機器に対して無線で通信可能な構成とすることで、ケーブルの配線などを考慮せずにネットワークを更に容易に構築することができる。 【図面の簡単な説明】 【図1】 本発明の中継装置を示す概略ブロック図である。 【図2】 図1に示す中継装置の概略側面図であって、 (a)は中継装置の概略正面図であり、(b)は中継装置の概略背面図である。 【図3】 ルーティングテーブルの一例を示す図である。 【図4】 図1に示す中継装置を使用した中継システムの例示的な形態を示す構成図である。 【図5】 ネットワーク機器の概略ブロック図である。 【図6】 本発明の動作を説明するためのフローチャートである。 【図7】 図1に示す中継装置の変形例を示す中継装置を示す概略ブロック図である。 【図8】 (a)乃至(c)は本発明の中継システムにおけるルーティング処理を説明する模式図である。 【符号の説明】 100 中継装置110 制御部120 RAM 130 ROM 140 記憶部142 ルーティングテーブル150 ネットワーク機器160 PCカードスロット170 中継部172 無線中継部174 中継ポート200 中継システム210 公衆回線網220 無線中継局300 ネットワーク310 中継装置320 ネットワーク機器400 ネットワーク410 中継装置420 PHS通信カード430 ネットワーク機器 ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5K033 AA09 DA06 DA17 DB12 DB16 DB18 EC03 |