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制御方法、無線端末及びプロセッサ

申请号 JP2018089156 申请日 2018-05-07 公开(公告)号 JP2018157574A 公开(公告)日 2018-10-04
申请人 京セラ株式会社; 发明人 安達 裕之; 守田 空悟;
摘要 【課題】セルのカバレッジ外に 位置 する無線端末とネットワークとの間でD2D近傍サービスにより他の無線端末がデータを中継する機能を有するシステムおよび装置を提供する。 【解決手段】第1の無線端末100−1が、ネットワーク装置400へ、近傍サービスを利用した中継によりトラフィックが中継されるリモートノードの識別子として第2の無線端末の識別子を送るステップと、第1の無線端末100−1が、第2の無線端末100−2のトラフィックを中継するステップと、第1の無線端末100−1が、第2の無線端末100−2から所定メッセージが受信されていることにより、第2の無線端末100−2が近くに存在すると判断するステップと、第1の無線端末100−1が、所定メッセージが受信されていないことにより、第2の無線端末100−2が近くに存在しないことを通知するためのメッセージをネットワーク装置400へ送るステップと、を備える。 【選択図】図15
权利要求

制御方法であって、 第1の無線端末が、Evolved Packet Core(EPC)に含まれるネットワーク装置へ、近傍サービスを利用した中継によりトラフィックが中継されるリモートノードの識別子として第2の無線端末の識別子を送るステップと、 前記第1の無線端末が、前記第2の無線端末のトラフィックを中継するステップと、 前記第1の無線端末が、前記第2の無線端末から所定メッセージが受信されていることにより、前記第2の無線端末が近くに存在すると判断するステップと、 前記第1の無線端末が、前記所定メッセージが受信されていないことにより、前記第2の無線端末が近くに存在しないことを通知するためのメッセージを前記ネットワーク装置へ送るステップと、を備える制御方法。前記第2の無線端末が、前記所定メッセージを周期的に送信するステップをさらに備える請求項1に記載の制御方法。無線端末であって、 制御部を備え、 前記制御部は、 Evolved Packet Core(EPC)に含まれるネットワーク装置へ、近傍サービスを利用した中継によりトラフィックが中継されるリモートノードの識別子として他の無線端末の識別子を送る制御と、 前記他の無線端末のトラフィックを中継する制御と、 前記他の無線端末から所定メッセージが受信されていることにより、前記他の無線端末が近くに存在すると判断する制御と、 前記所定メッセージが受信されていないことにより、前記他の無線端末が近くに存在しないことを通知するためのメッセージを前記ネットワーク装置へ送る制御と、を実行する無線端末。無線端末を制御するためのプロセッサであって、 Evolved Packet Core(EPC)に含まれるネットワーク装置へ、近傍サービスを利用した中継によりトラフィックが中継されるリモートノードの識別子として他の無線端末の識別子を送る処理と、 前記他の無線端末のトラフィックを中継する処理と、 前記他の無線端末から所定メッセージが受信されていることにより、前記他の無線端末が近くに存在すると判断する処理と、 前記所定メッセージが受信されていないことにより、前記他の無線端末が近くに存在しないことを通知するためのメッセージを前記ネットワーク装置へ送る処理と、を実行するプロセッサ。

说明书全文

本出願は、制御方法、無線端末及びプロセッサに関する。

移動通信システムの標準化プロジェクトである3GPP(3rd Generation Partnership Project)において、装置間近傍サービス(D2D ProSe:Device to Device Proximity Service)の仕様策定が進められている。

ここで、D2D ProSeの一つの機能として、セルのカバレッジ外に位置する無線端末(Remote UE)とネットワークとの間でD2D近傍サービスにより他の無線端末(ProSe UE−to−Network Relay)がデータを中継する機能(ProSe UE−to−Network Relaying)がある。

3GPP技術仕様書 「TS 23.303 V12.4.0」 2015年3月19日

一の実施形態に係る制御方法は、第1の無線端末が、Evolved Packet Core(EPC)に含まれるネットワーク装置へ、近傍サービスを利用した中継によりトラフィックが中継されるリモートノードの識別子として第2の無線端末の識別子を送るステップと、前記第1の無線端末が、前記第2の無線端末のトラフィックを中継するステップと、前記第1の無線端末が、前記第2の無線端末から所定メッセージが受信されていることにより、前記第2の無線端末が近くに存在すると判断するステップと、前記第1の無線端末が、前記所定メッセージが受信されていないことにより、前記第2の無線端末が近くに存在しないことを通知するためのメッセージを前記ネットワーク装置へ送るステップと、を備える。

一の実施形態に係る無線端末は、制御部を備える。前記制御部は、Evolved Packet Core(EPC)に含まれるネットワーク装置へ、近傍サービスを利用した中継によりトラフィックが中継されるリモートノードの識別子として他の無線端末の識別子を送る制御と、前記他の無線端末のトラフィックを中継する制御と、前記他の無線端末から所定メッセージが受信されていることにより、前記他の無線端末が近くに存在すると判断する制御と、前記所定メッセージが受信されていないことにより、前記他の無線端末が近くに存在しないことを通知するためのメッセージを前記ネットワーク装置へ送る制御と、を実行する。

一の実施形態に係るプロセッサは、無線端末を制御するためのプロセッサである。前記プロセッサは、Evolved Packet Core(EPC)に含まれるネットワーク装置へ、近傍サービスを利用した中継によりトラフィックが中継されるリモートノードの識別子として他の無線端末の識別子を送る処理と、前記他の無線端末のトラフィックを中継する処理と、前記他の無線端末から所定メッセージが受信されていることにより、前記他の無線端末が近くに存在すると判断する処理と、前記所定メッセージが受信されていないことにより、前記他の無線端末が近くに存在しないことを通知するためのメッセージを前記ネットワーク装置へ送る処理と、を実行する。

図1は、LTEシステムの構成図である。

図2は、LTEシステムにおける無線インターフェイスのプロトコルスタック図である。

図3は、LTEシステムで使用される無線フレームの構成図である。

図4は、実施形態に係るUE・ネットワーク中継を説明するための図である。

図5は、UE100のブロック図である。

図6は、eNB200のブロック図である。

図7は、Server400のブロック図である。

図8は、実施形態に係る動作環境を説明するための図である。

図9は、実施形態に係る動作(その1)を説明するためのシーケンス図である。

図10は、実施形態に係る動作(その2)を説明するためのシーケンス図である。

図11は、実施形態に係るベアラ(EPS Bearer)を説明するための図である

図12は、実施形態に係る動作(その3)を説明するためのシーケンス図である。

図13は、実施形態に係る動作(その4)を説明するためのシーケンス図である。

図14は、実施形態に係る動作(その5)を説明するためのシーケンス図である。

図15は、実施形態に係る動作(その6)を説明するためのシーケンス図である。

図16は、実施形態に係る変更例に係るベアラ(EPS Bearer)を説明するための図である。

図17は、UE−to−Network中継手順を説明するためのシーケンス図である。

図18は、ProSeベアラへのUE−to−Network中継エンティティのDRBのマッピング(ALT.1)を説明するための図である。

図19は、ProSeベアラへのUE−to−Network中継エンティティのDRBのマッピング(ALT.2)を説明するための図である。

図20は、中継セットアップ手順を説明するための図である。

図21は、UE−to−Network中継のリモートUE開始手順を説明するための図である。

[実施形態の概要] 現状では、UE・ネットワーク中継を有効に活用するための仕様が十分に策定されていないため、UE・ネットワーク中継を有効に活用できない可能性がある。

一の実施形態に係る無線端末は、Device to Device(D2D)近傍サービスを利用した中継のための接続をネットワークと確立する処理を実行する制御部と、前記接続を確立した後、前記中継のためのディスカバリメッセージを送信する送信部と、前記ディスカバリメッセージを受信した他の無線端末から、要求メッセージを受信する受信部と、を備えてもよい。前記要求メッセージは、前記他の無線端末の識別子を含んでもよい。前記制御部は、Evolved Packet Core(EPC)に含まれるネットワーク装置へ、前記中継によりデータが中継されるリモートノードの識別子として前記他の無線端末の識別子を送る制御を実行してもよい。

前記制御部は、前記他の無線端末からの所定メッセージが受信されていることにより、前記他の無線端末が近くにいると判断してもよい。

前記制御部は、前記他の無線端末からの所定メッセージが受信されていないことにより、前記他の無線端末の識別子を前記ネットワーク装置へさらに送る制御を実行してもよい。

一の実施形態に係る制御方法は、第1の無線端末が、Device to Device(D2D)近傍サービスを利用した中継のための接続をネットワークと確立する処理を実行するステップと、前記第1の無線端末が、前記接続を確立した後、前記中継のためのディスカバリメッセージを送信するステップと、前記第1の無線端末が、前記ディスカバリメッセージを受信した第2の無線端末から、要求メッセージを受信するステップと、を備えてもよい。前記要求メッセージは、前記第2の無線端末の識別子を含んでもよい。前記制御方法は、前記第1の無線端末が、Evolved Packet Core(EPC)に含まれるネットワーク装置へ、前記中継によりデータが中継されるリモートノードの識別子として前記第2の無線端末の識別子を送るステップをさらに備えてもよい。

一の実施形態に係る無線端末は、セルのカバレッジ外に位置する他の無線端末とネットワークとの間でD2D近傍サービスにより前記無線端末がデータを中継するUE・ネットワーク中継を前記無線端末に実行させるための通知を基地局から受信する受信部と、前記通知の受信に基づいて、前記UE・ネットワーク中継を実行するための動作を開始する制御部と、を備えてもよい。

前記無線端末は、前記無線端末が前記UE・ネットワーク中継を実行するための能を有することを示す能力情報を前記基地局に送信する送信部をさらに備えてもよい。

前記受信部は、前記通知と共に、前記UE・ネットワーク中継に用いられるベアラを確立するための設定情報を受信してもよい。前記制御部は、前記設定情報に基づいて、前記ベアラの確立を開始してもよい。

前記無線端末は、前記UE・ネットワーク中継の実行を承諾するか否かを示す応答を前記基地局に送信する送信部をさらに備えてもよい。

一の実施形態に係る基地局は、無線端末に対して、セルのカバレッジ外に位置する他の無線端末とネットワークとの間でD2D近傍サービスにより前記無線端末がデータを中継するUE・ネットワーク中継を前記無線端末に実行させるための通知を送信する送信部を備えてもよい。

前記送信部は、前記UE・ネットワーク中継を実行するための能力を有することを示す能力情報を前記無線端末から受信していた場合に、前記無線端末に対して前記通知を送信してもよい。

前記基地局は、前記UE・ネットワーク中継の実行を承諾する旨の応答を受信した場合に、前記UE・ネットワーク中継を前記無線端末に実行させるための動作を開始する制御部をさらに備えてもよい。

一の実施形態に係る無線端末は、セルのカバレッジ内に位置する場合に、前記セルのカバレッジ外に位置する他の無線端末とネットワークとの間で前記D2D近傍サービスにより前記無線端末がデータを中継するUE・ネットワーク中継を実行可能であることを示す中継情報を、前記他の無線端末に送信する送信部を備えてもよい。

前記送信部は、前記D2D近傍サービスにおける同期信号の送信を基地局から要求された場合に、前記中継情報の送信を開始してもよい。

前記送信部は、前記D2D近傍サービスによる直接通信を実行している間、又は、前記D2D近傍サービスによる前記無線端末の近傍の端末を発見するための直接ディスカバリを実行している間、前記中継情報を送信してもよい。

前記送信部は、前記セルからの無線信号の受信レベルが閾値未満である場合にのみ、前記中継情報を送信してもよい。

前記送信部は、前記UE・ネットワーク中継によるデータの中継を希望する旨の要求を前記他の無線端末から受信した場合、前記要求を受信した旨を前記セルを管理する基地局に通知してもよい。

一の実施形態に係るネットワーク装置は、第1の無線端末及び第2の無線端末を有する通信システムにおいて用いられるネットワーク装置であってもよい。前記ネットワーク装置は、D2D近傍サービスによりデータが中継されるリモートノードとパケットデータネットワークゲートウェイとの間にベアラが確立されていない状態で、前記D2D近傍サービスによりデータを中継するリレーノードとして前記第1の無線端末の識別子を中継テーブルに記憶する制御部を備えてもよい。前記制御部は、前記リモートノードとして前記第2の無線端末の識別子を前記第1の無線端末の識別子に関連付けてもよい。前記制御部は、前記関連付けを前記中継テーブルに記憶してもよい。前記制御部は、前記中継テーブルに基づいて、前記第2の無線端末宛てのデータを前記第1の無線端末に通知してもよい。

前記ネットワーク装置は、前記第1の無線端末から、前記第2の無線端末が前記リモートノードであることを示すメッセージを受信する受信部をさらに備えてもよい。前記制御部は、前記メッセージの受信に応じて、前記メッセージに含まれる前記第2の無線端末の識別子を前記中継テーブルに記憶してもよい。

前記ネットワーク装置は、前記第1の無線端末から、前記中継テーブルおいて前記第1の無線端末の識別子と関連付けられていない第3の無線端末のデータを受信する受信部をさらに備えてもよい。前記制御部は、前記第3の無線端末の識別子を前記第1の無線端末の識別子に関連付けてもよい。前記制御部は、前記関連付けを前記中継テーブルに記憶してもよい。

前記ネットワーク装置は、前記第1の無線端末から、前記第2の無線端末が前記リモートノードでなくなったことを示すメッセージを受信する受信部をさらに備えてもよい。前記制御部は、前記メッセージの受信に応じて、前記第1の無線端末の識別子と前記第2の無線端末の識別子との関連付けを破棄してもよい。

前記ネットワーク装置は、前記リレーノードである第4の無線端末から、前記第2の無線端末が前記リモートノードであることを示すメッセージを受信する受信部をさらに備えてもよい。前記制御部は、前記メッセージの受信に応じて、前記2の無線端末の識別子を前記第4の無線端末の識別子に関連付けてもよい。前記制御部は、前記関連付けを前記中継テーブルに記憶してもよい。前記制御部は、前記第1の無線端末の識別子と前記第2の無線端末の識別子との関連付けを破棄してもよい。

一の実施形態に係る無線端末は、D2D近傍サービスによりデータが中継されるリモートノードとパケットデータネットワークゲートウェイとの間にベアラが確立されていない状態で、前記D2D近傍サービスによりデータを中継するリレーノードとして、前記リモートノードである他の無線端末のデータを中継する制御部を備えてもよい。前記制御部は、前記リレーノードと前記リモートノードとの関連付けを記憶するネットワーク装置から受信した前記他の無線端末宛てのデータを、前記他の無線端末に中継してもよい。

前記制御部は、前記他の無線端末が前記リモートノードであることを示し、且つ、前記他の無線端末の識別子を含む第1のメッセージを前記ネットワーク装置に通知してもよい。

前記制御部は、前記無線端末が前記他の無線端末のデータを中継する前記リレーノードになると決定した場合、前記第1のメッセージを前記ネットワーク装置に通知してもよい。

前記無線端末は、前記無線端末が前記リレーノードである間、前記他の無線端末から周期的に所定のメッセージを受信する受信部をさらに備えてもよい。前記制御部は、前記所定のメッセージの受信に応じて、前記第1のメッセージを前記ネットワーク装置に通知してもよい。

前記所定のメッセージは、前記D2D近傍サービスにより近傍の端末を発見するためのディスカバリメッセージであってもよい。前記受信部は、前記近傍の端末を発見するための第1の周期よりも長い第2の周期で前記ディスカバリメッセージを受信してもよい。

前記制御部は、前記他の無線端末が前記リモートノードでなくなったことを示す第2のメッセージを前記ネットワーク装置に通知してもよい。

前記制御部は、前記所定のメッセージを所定期間受信しない場合、前記第2のメッセージを前記ネットワーク装置に通知してもよい。

前記制御部は、前記他の無線端末宛てのデータを前記他の無線端末に中継できなかった場合に、前記第2のメッセージを前記ネットワーク装置に通知してもよい。

一の実施形態に係る無線端末は、セルのカバレッジ外に位置する他の無線端末とネットワークとの間でD2D近傍サービスにより前記無線端末がデータを中継するUE・ネットワーク中継を実行する制御部を備えてもよい。前記制御部は、前記UE・ネットワーク中継に基づく負荷レベルが閾値を越えた場合に、前記UE・ネットワーク中継に基づく新たな中継を実行できない旨を、前記UE・ネットワーク中継を実行するリレーノードを管理するネットワーク装置及び/又は前記他の無線端末に通知してもよい。

前記無線端末は、前記D2D近傍サービスにおける同期信号を送信する送信部をさらに備えてもよい。前記制御部は、前記D2D近傍サービスにおける同期信号の信号系列を変更することによって、前記新たな中継を実行できない旨を前記他の無線端末に通知してもよい。

一の実施形態に係るネットワーク装置は、第1の無線端末から、セルのカバレッジ外に位置する他の無線端末とネットワークとの間で前記第1の無線端末がD2D近傍サービスによりデータを中継するUE・ネットワーク中継に基づく負荷レベルが閾値を越えた旨の通知を受信する受信部と、前記通知の受信に応じて、前記UE・ネットワーク中継を実行させるための通知を第2の無線端末に送信する送信部と、を備えてもよい。

一の実施形態に係る無線端末は、D2D近傍サービスによりデータが中継されるリモートノードとパケットデータネットワークゲートウェイとの間でベアラが確立されている状態で、前記D2D近傍サービスにより複数の無線端末のデータを中継する制御部と、前記複数の無線端末に対して共通に設定された情報を基地局から受信する受信部と、を備えてもよい。前記制御部は、前記共通に設定された情報に基づいて、前記複数の無線端末のデータを中継してもよい。

[実施形態] (移動通信システム) 以下において、第1実施形態に係る移動通信システムであるLTEシステムについて説明する。図1は、LTEシステムの構成を示す図である。

図1に示すように、LTEシステムは、UE(User Equipment)100、E−UTRAN(Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network)10、及びEPC(Evolved Packet Core)20を備える。また、セルラネットワークのオペレータにより管理されない外部ネットワークには、Server400が設けられる。

UE100は、無線端末に相当する。UE100は、移動型の通信装置である。UE100は、セル(サービングセル)との無線通信を行う。UE100の構成については後述する。

E−UTRAN10は、無線アクセスネットワークに相当する。E−UTRAN10は、eNB200(evolved Node−B)を含む。eNB200は、基地局に相当する。eNB200は、X2インターフェイスを介して相互に接続される。eNB200の構成については後述する。

eNB200は、1又は複数のセルを管理する。eNB200は、自セルとの接続を確立したUE100との無線通信を行う。eNB200は、無線リソース管理(RRM)機能、ユーザデータ(以下、単に「データ」という)のルーティング機能、及びモビリティ制御・スケジューリングのための測定制御機能等を有する。「セル」は、無線通信エリアの最小単位を示す用語として使用される。また、「セル」は、UE100との無線通信を行う機能を示す用語としても使用されてもよい。

EPC20は、コアネットワークに相当する。EPC20は、MME(Mobility Management Entity)/S−GW(Serving−Gateway)300と、P−GW(Packet Data Network Gateway)350とを含む。MMEは、UE100に対する各種モビリティ制御等を行う。S−GWは、データの転送制御を行う。MME/S−GW300は、S1インターフェイスを介してeNB200と接続される。E−UTRAN10及びEPC20は、ネットワークを構成する。P−GW350は、外部ネットワークから(及び外部ネットワークに)ユーザデータを中継する制御を行う。

Server400は、ネットワーク装置(D2D Server)に相当する。Server400は、セルのカバレッジ外に位置するUE100とネットワーク(E−UTRAN10)との間でD2D近傍サービスによりデータを中継するリレーノード(ProSe UE−to−Network Relay)を管理する。

図2は、LTEシステムにおける無線インターフェイスのプロトコルスタック図である。図2に示すように、無線インターフェイスプロトコルは、OSI参照モデルの第1層乃至第3層に区分されている。第1層は、物理(PHY)層である。第2層は、MAC(Medium Access Control)層、RLC(Radio Link Control)層、及びPDCP(Packet Data Convergence Protocol)層を含む。第3層は、RRC(Radio Resource Control)層を含む。

物理層は、符号化・復号、変調・復調、アンテナマッピング・デマッピング、及びリソースマッピング・デマッピングを行う。UE100の物理層とeNB200の物理層との間では、物理チャネルを介してデータ及び制御信号が伝送される。

MAC層は、データの優先制御、ハイブリッドARQ(HARQ)による再送処理、及びランダムアクセス手順等を行う。UE100のMAC層とeNB200のMAC層との間では、トランスポートチャネルを介してデータ及び制御信号が伝送される。eNB200のMAC層は、スケジューラを含む。当該スケジューラは、上下リンクのトランスポートフォーマット(トランスポートブロックサイズ、変調・符号化方式(MCS))及びUE100への割当リソースブロックを決定する。

RLC層は、MAC層及び物理層の機能を利用してデータを受信側のRLC層に伝送する。UE100のRLC層とeNB200のRLC層との間では、論理チャネルを介してデータ及び制御信号が伝送される。

PDCP層は、ヘッダ圧縮・伸張、及び暗号化・復号化を行う。

RRC層は、制御信号を取り扱う制御プレーンでのみ定義される。UE100のRRC層とeNB200のRRC層との間では、各種設定のためのメッセージ(RRCメッセージ)が伝送される。RRC層は、無線ベアラの確立、再確立及び解放に応じて、論理チャネル、トランスポートチャネル、及び物理チャネルを制御する。UE100のRRC層とeNB200のRRC層との間に接続(RRC接続)がある場合、UE100は、RRCコネクティッド状態(コネクティッド状態)である。UE100のRRC層とeNB200のRRC層との間に接続(RRC接続)がない場合、UE100は、RRCアイドル状態(アイドル状態)である。

RRC層の上位に位置するNAS(Non−Access Stratum)層は、セッション管理及びモビリティ管理等を行う。

図3は、LTEシステムで使用される無線フレームの構成図である。LTEシステムでは、下りリンクにはOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)が適用される。上りリンクにはSC−FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)が適用される。

図3に示すように、無線フレームは、時間方向に並ぶ10個のサブフレームで構成される。各サブフレームは、時間方向に並ぶ2個のスロットで構成される。各サブフレームの長さは、1msである。各スロットの長さは、0.5msである。各サブフレームは、周波数方向に複数個のリソースブロック(RB)を含む。各サブフレームは、時間方向に複数個のシンボルを含む。各リソースブロックは、周波数方向に複数個のサブキャリアを含む。1つのシンボル及び1つのサブキャリアにより1つのリソースエレメント(RE)が構成される。また、UE100に割り当てられる無線リソース(時間・周波数リソース)のうち、周波数リソースはリソースブロックにより特定でき、時間リソースはサブフレーム(又はスロット)により特定できる。

下りリンクにおいて、各サブフレームの先頭数シンボルの区間は、主に下りリンク制御信号を伝送するための物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)として使用される領域である。PDCCHの詳細については後述する。また、各サブフレームの残りの部分は、主に下りリンクデータを伝送するための物理下りリンク共有チャネル(PDSCH)として使用できる領域である。

上りリンクにおいて、各サブフレームにおける周波数方向の両端部は、主に上りリンク制御信号を伝送するための物理上りリンク制御チャネル(PUCCH)として使用される領域である。各サブフレームにおける残りの部分は、主に上りリンクデータを伝送するための物理上りリンク共有チャネル(PUSCH)として使用できる領域である。

(D2D近傍サービス) 以下において、D2D ProSe(D2D近傍サービス)について説明する。D2D ProSeにおいて、複数のUE100は、eNB200を介さない直接的な無線リンクを介して各種の信号を送受信する。D2D ProSeにおける直接的な無線リンクは、「サイドリンク(Sidelink)」と称される。

「Sidelink」は、直接ディスカバリ及び直接通信のためのUE−UE間インターフェイスである。「Sidelink」は、PC5インターフェイスに対応する。PC5は、直接ディスカバリ、直接通信及びD2D近傍サービスによるUE−NW間リレーのための制御及びユーザプレーンのために用いられるD2D近傍サービスを利用可能なUE間の参照点である。PC5インターフェイスは、D2D ProSeにおけるUE−UE間インターフェイスである。

D2D ProSeのモードとしては、「直接ディスカバリ(Direct Discovery)」及び「直接通信(Direct Communication)」の2つのモードが規定されている。

直接ディスカバリは、特定の宛先を指定しないディスカバリ信号をUE間で直接的に伝送することにより、相手先を探索するモードである。また、直接ディスカバリは、PC5を介してE−UTRA(Evolved Universal Terrestrial Radio Access)における直接無線信号を用いて、UE100の近傍における他のUE100を発見するための手順である。或いは、直接ディスカバリは、E−UTRA技術で2つのUE100の能力のみを用いて、D2D近傍サービスを実行可能な他のUE100を発見するためにD2D近傍サービスを実行可能なUE100によって採用される手順である。直接ディスカバリは、UE100がE−UTRAN10(eNB200(セル))によってサービスが提供される場合にのみ、サポートされる。UE100は、セル(eNB200)に接続又はセルに在圏している場合、E−UTRANによってサービスが提供され得る。

ディスカバリ信号(ディスカバリメッセージ)の送信(アナウンスメント)のためのリソース割り当てタイプには、UE100が無線リソースを選択する「タイプ1」と、eNB200が無線リソースを選択する「タイプ2(タイプ2B)」と、がある。

「直接ディスカバリ(Sidelink Direct Discovery)」プロトコルスタックは、物理(PHY)層、MAC層、及びProSeプロトコルを含む。UE(A)の物理層とUE(B)の物理層との間では、物理サイドリンクディスカバリチャネル(PSDCH)と称される物理チャネルを介してディスカバリ信号が伝送される。UE(A)のMAC層とUE(B)のMAC層との間では、サイドリンクディスカバリチャネル(SL−DCH)と称されるトランスポートチャネルを介してディスカバリ信号が伝送される。

直接通信は、特定の宛先(宛先グループ)を指定してデータをUE間で直接的に伝送するモードである。また、直接通信は、いずれのネットワークノードを通過しない経路を介してE−UTRA技術を用いたユーザプレーン伝送による、D2D近傍サービスを実行可能である2以上のUE間の通信である。

直接通信のリソース割り当てタイプには、直接通信の無線リソースをeNB200が指定する「モード1」と、直接通信の無線リソースをUE100が選択する「モード2」と、がある。

直接通信プロトコルスタックは、物理(PHY)層、MAC層、RLC層、及びPDCP層を含む。UE(A)の物理層とUE(B)の物理層との間では、物理サイドリンク制御チャネル(PSCCH)を介して制御信号が伝送され、物理サイドリンク共有チャネル(PSSCH)を介してデータが伝送される。また、物理サイドリンクブロードキャストチャネル(PSBCH)を介して同期信号等が伝送されてもよい。UE(A)のMAC層とUE(B)のMAC層との間では、サイドリンク共有チャネル(SL−SCH)と称されるトランスポートチャネルを介してデータが伝送される。UE(A)のRLC層とUE(B)のRLC層との間では、サイドリンクトラフィックチャネル(STCH)と称される論理チャネルを介してデータが伝送される。

(UE・ネットワーク中継) 以下において、UE・ネットワーク中継(ProSe UE−to−Network Relaying)について、図4を用いて説明する。図4は、実施形態に係るUE・ネットワーク中継を説明するための図である。

図4において、リモートUE(Remote UE)は、セルのカバレッジ外に位置するUE100である。リモートUEは、ネットワーク外に位置する。従って、リモートUEは、E−UTRAN10によってサービスが提供されないUE100である。また、リモートUE100は、後述するリレーUEを介してパケットデータネットワーク(PDN:Packet Data Network)と通信できる。リモートUEは、公衆安全(Public Safety)のためのUE(ProSe−enabled Public Safety UE)であってもよい。

なお、「ProSe−enabled Public Safety UE」は、HPLMN(Home Public Land Mobile Network)が公衆安全のための使用を許可するように構成されている。「ProSe−enabled Public Safety UE」は、D2D近傍サービスを利用可能であり、D2D近傍サービスにおける手順及び公衆安全のための特定の能力をサポートしている。

リレーUE(ProSe UE−to Network Relay)は、リモートUEのためにサービスをユニキャストするための接続性をサポートする機能を提供する。従って、リレーUEは、リモートUEとネットワークとの間でD2D近傍サービスにより、リモートUEのデータ(トラフィック)を中継する。具体的には、リレーUEは、PC5インターフェイスを介してリモートUEから受信したデータ(上りトラフィック)を、Uuインターフェイス(LTE−Uu)を介してeNB200に中継する。また、リレーUEは、Uuインターフェイスを介してeNB200から受信したデータ(下りトラフィック)をPC5インターフェイスを介してリモートUEへ中継する。

また、リレーUEは、公衆安全のための通信に関係する任意のタイプのトラフィックを中継できる包括的な機能を提供することができる。

リレーUEとリモートUEは、物理層間でデータ及び制御信号を伝送できる。同様に、リレーUEとリモートUEは、MAC層間、RLC層間及びPDCP層間でデータ及び制御信号を伝送できる。さらに、リレーUEは、PDCP層の上位層としてIPリレー(IP−Relay)層を有してもよい。リモートUEは、PDCP層の上位層としてIP層を有してもよい。リレーUEとリモートUEとは、IPリレー層とIP層との間でデータ及び制御信号を伝送できる。また、リレーUEは、IPリレー層とIP−GW350のIP層との間でデータを伝送できる。

UE・ネットワーク中継では、直接通信によりデータを中継できる。この場合、PC5上の通信は、コネクションレスである。或いは、UE・ネットワーク中継では、直接ディスカバリによりデータを中継できてもよい。

(無線端末) 以下において、実施形態に係るUE100(無線端末)について説明する。図5は、UE100のブロック図である。図5に示すように、UE100は、受信部110、送信部120、及び制御部130を備える。

受信部110は、制御部130の制御下で各種の受信を行う。受信部110は、アンテナ及び受信機を含む。受信機は、アンテナが受信する無線信号をベースバンド信号(受信信号)に変換して制御部130に出力する。

なお、UE100は、「ProSe−enabled Public Safety UE」である場合、受信部110は、異なる2つの周波数における無線信号を同時に受信可能である。例えば、UE100は、2つの受信機(2 RX Chain)を有する。UE100は、一方の受信機によりセルラ用の無線信号を受信でき、他方の受信機によりD2D ProSe用の無線信号を受信できる。

送信部120は、制御部130の制御下で各種の送信を行う。送信部120は、アンテナ及び送信機を含む。送信機は、制御部130が出力するベースバンド信号(送信信号)を無線信号に変換してアンテナから送信する。

制御部130は、UE100における各種の制御を行う。制御部130は、プロセッサ及びメモリを含む。メモリは、プロセッサにより実行されるプログラム、及びプロセッサによる処理に使用される情報を記憶する。プロセッサは、ベースバンド信号の変調・復調及び符号化・復号等を行うベースバンドプロセッサと、メモリに記憶されるプログラムを実行して各種の処理を行うCPU(Central Processing Unit)と、を含む。プロセッサは、音声・映像信号の符号化・復号を行うコーデックを含んでもよい。プロセッサは、後述する各種の処理及び上述した各種の通信プロトコルを実行する。

(基地局) 以下において、実施形態に係るeNB200(基地局)について説明する。図6は、eNB200のブロック図である。図6に示すように、eNB200は、送信部210、受信部220、制御部230、及びバックホール通信部240を備える。

送信部210は、制御部230の制御下で各種の送信を行う。送信部210は、アンテナ及び送信機を含む。送信機は、制御部230が出力するベースバンド信号(送信信号)を無線信号に変換してアンテナから送信する。

受信部220は、制御部230の制御下で各種の受信を行う。受信部220は、アンテナ及び受信機を含む。受信機は、アンテナが受信する無線信号をベースバンド信号(受信信号)に変換して制御部230に出力する。

制御部230は、eNB200における各種の制御を行う。制御部230は、プロセッサ及びメモリを含む。メモリは、プロセッサにより実行されるプログラム、及びプロセッサによる処理に使用される情報を記憶する。プロセッサは、ベースバンド信号の変調・復調及び符号化・復号等を行うベースバンドプロセッサと、メモリに記憶されるプログラムを実行して各種の処理を行うCPU(Central Processing Unit)と、を含む。プロセッサは、後述する各種の処理及び上述した各種の通信プロトコルを実行する。

バックホール通信部240は、X2インターフェイスを介して隣接eNB200と接続される。バックホール通信部240は、S1インターフェイスを介してMME/S−GW300と接続される。バックホール通信部240は、X2インターフェイス上で行う通信及びS1インターフェイス上で行う通信等に使用される。

(ネットワーク装置) 以下において、実施形態に係るServer400(ネットワーク装置)について、図7は、Server400のブロック図である。図7に示すように、Server400は、制御部430、及びバックホール通信部440を備える。

制御部430は、Server400における各種の制御を行う。制御部430は、プロセッサ及びメモリを含む。メモリは、プロセッサにより実行されるプログラム、及びプロセッサによる処理に使用される情報を記憶する。プロセッサは、メモリに記憶されるプログラムを実行して各種の処理を行うCPU(Central Processing Unit)を含む。プロセッサは、後述する各種の処理及び上述した各種の通信プロトコルを実行する。

制御部430は、バックホール通信部440を介して、UE100からの通知を受信したり、UE100への通知を送信したりできる。

バックホール通信部440は、制御部430からの制御により、UE100からの通知を受信したり、UE100への通知を送信したりできる。バックホール通信部440は、送信部及び受信部に該当する。

(実施形態に係る動作) 次に、実施形態に係る動作について説明する。重複する説明は、適宜省略する。

(1)リレーUEの設定 以下において、リレーUEの設定について図8及び図9を用いて説明する。図8は、実施形態に係る動作環境を説明するための図である。図9は、実施形態に係る動作(その1)を説明するためのシーケンス図である。

まず、UE100が既存の中継を実行するケースを説明する。UE100は、コアネットワークに対して、RN事前設定(RN(Relay Node) preconfiguration)のための第1のアタッチを実行する。UE100は、リレーノードとしてではなく、通常のUE100としてアタッチを実行する。アタッチの実行により、UE100は、OAM(Operations And Management)から中継のための設定情報(例えば、初期設定パラメータ)を取得する。その後、UE100は、デタッチを実行する。

次に、UE100は、RN動作(RN operation)のための第2のアタッチを実行する。デタッチを実行したUE100は、リレーノードとしてアタッチを実行する。アタッチの実行により、UE100は、RRC関連の設定情報を取得し、リレーノードとしての動作を開始する。既存のリレーノードであるUE100は、DeNB(Donor eNB)200との間のインターフェイスとして、リレーノードでない通常のUE100とeNB200との間で用いられるUuインターフェイス(LTE−Uu)ではなく、Unインターフェイス(LTE−Un)を用いる。

このように、既存の中継を実行する場合には、リレーノードとしてアタッチしたUE100でなければ、中継できないという問題がある。また、UE100が既存のリレーノードとして機能するためには、OAMから設定情報を受信した後にデタッチを実行し、再度アタッチを実行しなければならない。このため、通常のUE100がリレーノードとして機能するためには、多くの時間を要する可能性がある。

D2D近傍サービスを利用したUE・ネットワーク中継の手順が、既存の中継と同様の手順である場合、上述の問題が発生する可能性がある。その結果、UE・ネットワーク中継を有効に活用できない可能性がある。

また、公衆安全のためのD2D近傍サービスは、災害が発生した場合に利用される可能性が高いため、UE・ネットワーク中継を開始するまでの時間が短い方が望ましい。

そこで、上述の問題を解決するために、以下の方法を実行できる。なお、以下において記述される「リレーUE(リレーノード)」は、原則として、既存のリレーUEではなく、D2D近傍サービスを利用したUE・ネットワーク中継におけるリレーUEを示す。

図8に示すように、UE100−1(UE−NW Relay)は、eNB200(DeNB)が管理するセルのカバレッジ内に位置する(In coverage)。UE100−1は、eNB200とのRRC接続を確立している。UE100−1は、RRCコネクティッド状態である。なお、eNB200は、リレーノードにサービスを提供できるドナーeNB(DeNB)である。

図9に示すように、ステップS110において、UE100−1は、UE・ネットワーク中継を実行するための能力を有することを示す能力情報(ProSe UE−NW Relay Capability)をeNB200に送信する。当該能力情報は、UE100−1が「ProSe UE−to Network Relay」になる能力を有することを示す情報である。eNB200は、当該能力情報を受信する。

UE100−1は、RRC接続を確立する際に、当該能力情報をeNB200に送信してもよい。或いは、UE100−1は、eNB200からの要求に応じて当該能力情報をeNB200に送信してもよい。

ステップS120において、eNB200は、UE・ネットワーク中継をUE100−1に実行させるための通知(ProSe UE−NW Relay Setup)をUE100−1に送信する。UE100−1は、当該通知を受信する。

eNB200は、「ProSe UE−NW Relay Setup」と共に、後述するUE・ネットワーク中継に用いられるベアラ(EPSベアラ)を確立するための設定情報を送信してもよい。eNB200は、「ProSe UE−NW Relay Setup」メッセージに当該設定情報を含めてもよい。或いは、eNB200は、所定のメッセージに「ProSe UE−NW Relay Setup」と設定情報とを含めて、当該所定のメッセージをUE100−1に送信してもよい。

eNB200は、UE100−1から能力情報(ProSe UE−NW Relay Capability)を受信していた場合に、UE100−1に対して「ProSe UE−NW Relay Setup」を送信してもよい。

また、eNB200は、後述する「Relay Interest Indication」をUE100−1から受信した場合に、「ProSe UE−NW Relay Setup」をUE100−1に送信してもよい。或いは、eNB200は、後述する「Relay overload indication」を他のUE100から受信した場合に、「ProSe UE−NW Relay Setup」をUE100−1に送信してもよい。

UE100−1は、「ProSe UE−NW Relay Setup」を受信した場合、UE・ネットワーク中継を実行するための動作を開始することができる。例えば、UE100−1は、「ProSe UE−NW Relay Setup」と共に受信した設定情報に基づいて、UE・ネットワーク中継に用いられるベアラを確立してもよい。これにより、UE100−1は、デタッチ処理を実行せずに、早期に中継を開始することができる。

なお、この場合、ステップS130及びS140の処理を省略できる。

また、UE100−1は、UE・ネットワーク中継を実行するか否かを判断してもよい。UE100−1は、UE・ネットワーク中継を実行すると判断した場合、「ProSe UE−NW Relay Setup」に基づいて設定を実行する。

ステップS130において、UE100−1は、「ProSe UE−NW Relay Setup」に対する応答を、eNB200に送信する。eNB200は、当該応答を受信する。

当該応答は、UE・ネットワーク中継の実行を承諾するか否かを示してもよい。例えば、UE100−1は、UE・ネットワーク中継の実行を承諾する場合、「ProSe UE−NW Relay Setup」に基づく設定(セットアップ)が完了した後、UE・ネットワーク中継の実行を承諾する旨の応答(肯定応答)として「ProSe UE−NW Relay Setup Complete」をeNB200に送信してもよい。

UE100−1は、UE・ネットワーク中継の実行を承諾しない場合、UE・ネットワーク中継の実行を拒否する旨の応答(否定応答)をeNB200に送信してもよい。否定応答を受信したeNB200は、UE100−1にUE・ネットワーク中継を実行させることを諦める。これにより、UE100−1が強制的にUE・ネットワーク中継を実行しなければならなくなることを避けることができる。

ステップS140において、eNB200は、UE・ネットワーク中継に用いられるベアラを確立するための設定情報(ProSe UE−NW Relay Configuration)をUE100−1に送信する。UE100−1は、当該設定情報を受信する。

当該設定情報は、例えば、UE・ネットワーク中継ための専用の論理チャネル設定(Logical Channel Config.)、UE・ネットワーク中継用のリレーノードとしてのUE100−1に割り当てられる専用の一時的識別子(RNTI:Radio Network Temporary Identifier)などである。

eNB200は、UE・ネットワーク中継の実行を承諾する旨の応答(肯定応答)を受信した場合に、UE100−1にUE・ネットワーク中継の実行させるための動作を開始してもよい。eNB200は、当該動作として設定情報(ProSe UE−NW Relay Configuration)をUE100−1に送信してもよい。

或いは、eNB200は、「ProSe UE−NW Relay Setup」を送信してから所定期間経過しても、応答を受信しない場合に、「ProSe UE−NW Relay Configuration」をUE100−1に送信してもよい。

UE100−1は、設定情報に基づいて、UE・ネットワーク中継を実行するための動作を開始する。例えば、UE100−1は、後述する動作の実行を開始する。なお、UE・ネットワーク中継を実行するための動作には、デタッチ処理は含まれていない。従って、UE100−1は、「ProSe UE−NW Relay Setup」を受信した後、デタッチを実行せずに、UE・ネットワーク中継を実行可能である。

なお、UE100−1は、リモートUEを発見している場合には、UE・ネットワーク中継を実行するための設定が完了した後、データの中継を開始できる。UE100−1は、リモートUEを発見していない場合は、後述の動作を実行できる。

以上のように、eNB200は、「ProSe UE−NW Relay Setup」をUE100−1に送信する。UE100−1は、「ProSe UE−NW Relay Setup」に基づいて、UE・ネットワーク中継を実行するための動作を開始する。これにより、UE100−1は、デタッチを実行することなく、UE・ネットワーク中継を実行できる。その結果、UE・ネットワーク中継を開始するまでの時間を短縮可能である。従って、UE・ネットワーク中継を有効に活用できる。

(2)リレーUE及びリモートUEの発見 次に、リレーUE及びリモートUEの発見について図8及び図10を用いて説明する。図10は、実施形態に係る動作(その2)を説明するためのシーケンス図である。

図8において、UE100−2(Remote UE)は、セルのカバレッジ外に位置する(Out of coverage)。UE100−2は、RRCアイドル状態である。

図10に示すように、ステップS210において、UE100−1(UE−NW Relay enable UE)は、UE・ネットワーク中継を実行可能であることを示す中継情報(ProSe Relay enabled indication)を送信する。UE100−2は、中継情報を受信する。

UE100−1は、直接ディスカバリで用いられるディスカバリメッセージに中継情報を含めて送信してもよい。或いは、UE100−1は、D2D近傍サービスにおける制御信号(Sildelink Control)に中継情報を含めて送信してもよい。或いは、UE100−1は、D2D近傍サービスにおける同期信号(SLSS、又はMIB−SL)に中継情報を含めてもよい。SLSS(Sidelink Synchronization Signal)は、D2D近傍サービスのための同期に用いられる無線信号である。MIB−SL(MasterInformationBlock−SL)は、同期信号(SLSS)を送信するUEによって送信される情報を含む無線信号である。

UE100−1は、中継情報と共に、リレーUEとしてのUE100−1の識別子を送信する。当該識別子は、リモートUEに送信先ID(Destination ID)として用いられる。当該識別子は、例えば、UE100−1のIPアドレス、eNB200から割り当てられる上述した専用の一時的識別子(RNTI)、及び、リレーUEであるUE100−1が確立した接続(PDN(Packet Data Network) connection)に関連付けられ且つ直接通信に用いられる識別子(ProSe Relay (UE) ID)の少なくともいずれかであってもよい。

UE100−1は、D2D近傍サービスにおける同期信号(SLSS)の送信をeNB200から要求された場合に、中継情報の送信を開始してもよい。UE100−1は、D2D近傍サービスにおける同期信号(SLSS)の送信を終了する場合に、中継情報の送信を終了してもよい。これにより、リモートUEは、UE・ネットワーク中継を実行するUEとリモートUEが同期するUEとが同一にできるため、UE・ネットワーク中継を有効に活用できる。

UE100−1は、直接通信を実行している間、又は、直接ディスカバリを実行している間、中継情報を送信してもよい。これにより、UE100−1は、D2D近傍サービスを利用していない場合にまで、中継情報を送信せずに済む。従って、UE100−1は、電力消費を抑制できる。

UE100−1は、eNB200(セル)からの無線信号(参照信号)の受信レベルが閾値未満である場合にのみ、中継情報を送信してもよい。閾値は、例えば、UE100−1がセルカバレッジ外に位置する場合にセルから受信する無線信号の受信レベルよりも大きい値である。また、閾値は、UE100−1がセルの中央付近に位置する場合にセルから受信する無線信号の受信レベルよりも小さい値である。従って、UE100−1は、サービングセルの中央付近ではなく、サービングセルの端部付近に位置する場合にのみ、中継情報を送信できる。これにより、UE100−1は、セルカバレッジ外の広範囲に中継情報を届けることができるため、UE・ネットワーク中継を有効に活用できる。

UE100−1は、UE・ネットワーク中継を開始していない場合に、中継情報を送信してもよい。UE100−1は、UE・ネットワーク中継をすでに実行している場合(実際に中継している場合)に、中継情報を送信してもよい。

ステップS220において、UE100−2は、UE・ネットワーク中継によるデータの中継を希望する旨の要求(UE Relay Request)を送信する。UE100−1は、当該要求を受信する。

UE100−2は、ネットワークにデータを送信したい場合、中継情報の送信元であるUE100−1に対して、「UE Relay Request」を送信することができる。或いは、UE100−2は、ネットワークと通信したい場合に、中継情報の送信元であるUE100−1に対して、「UE Relay Request」を送信することができる。

UE100−2は、「UE Relay Request」として、「UE Relay Request」専用の識別子を含むディスカバリメッセージを送信してもよい。或いは、UE100−2は、「UE Relay Request」専用の識別子を宛先とする直接通信メッセージを「UE Relay Request」として送信してもよい。この場合、UE100−2は、データを含まずに、制御情報(Sidelink Control)のみを含む直接通信メッセージを送信してもよい。

なお、UE100−2は、中継情報を受信しない場合であっても、例えば、セルのカバレッジ内に位置するUE100を発見した場合、当該UE100に対して、「UE Relay Request」を送信することができる。或いは、UE100−2は、セルのカバレッジ内に位置するUE100を発見しているか否かにかかわらず、「UE Relay Request」をブロードキャストによって送信してもよい。

なお、UE100−2は、UE100−1が既にUE・ネットワーク中継を実施している場合には、「UE Relay Request」として、ネットワークに送信したいデータをUE100−1に送信してもよい。

ステップS230において、UE100−1は、「UE Relay Request」を受信した場合、「UE Relay Request」を受信した旨(Relay Interest indication)をeNB200に通知する。これにより、eNB200は、UE・ネットワーク中継を実施したいUEを把握することができる。「Relay Interest indication」を受信したeNB200は、例えば、上述の「ProSe UE−NW Relay Setup」をUE100−1に送信する。或いは、eNB200は、UE100−1の近隣に存在する他のUE100に「ProSe UE−NW Relay Setup」を送信してもよい。

以上のように、UE100−1は、中継情報を送信できるため、セルのカバレッジ外に位置するUE100−2は、UE100−1がUE・ネットワーク中継を実施可能であることを知ることができる。その結果、UE・ネットワーク中継を有効に活用できる。

(3)UE・ネットワーク中継 次に、UE・ネットワーク中継について図11及び図12を用いて説明する。図11は、実施形態に係るベアラ(EPS Bearer)を説明するための図である。図12は、実施形態に係る動作(その3)を説明するためのシーケンス図である。

本実施形態では、図11に示すように、リモートUEとP−GW350との間にEPSベアラが確立されていない状態で、UE・ネットワーク中継によるデータの中継が行われる。リレーUEは、自身のEPSベアラとは別に、UE・ネットワーク中継に用いられるEPSベアラを確立する。また、リモートUEとリレーUEと間にD2D近傍サービス用のベアラ(D2D Bearer)が確立される。UE・ネットワーク中継では、「D2D Bearer」と「EPS Bearer」とを用いてデータの中継が行われる。

なお、EPSベアラは、E−RAB及びS5/S8ベアラにより構成される。E−RABは、リレーUEとS−GW300との間のベアラである。S5/S8ベアラは、S−GW300BとP−GW350との間のベアラである。S5/S8ベアラは、S5/S8インターフェイス上に確立される。E−RABが存在する場合、E−RABは、EPSベアラと1対1で対応する。S−GW300は、S5/S8ベアラとS1−Uベアラとの対応関係を記憶する。

E−RABは、データ無線ベアラ(DRB(Data Radio Bearer)/Radio Bearer)及びS1−Uベアラ(S1−U Bearer)により構成される。データ無線ベアラは、リレーUEとeNB200(DeNB)との間のベアラである。S1−Uベアラは、eNB200とS−GW300との間のベアラである。

S1−Uベアラは、S1−Uインターフェイス上に確立される。データ無線ベアラが存在する場合、データ無線ベアラは、EPSベアラ/E−RABと1対1で対応する。eNB200は、S1−Uベアラとデータ無線ベアラとの対応関係を記憶する。

本実施形態では、リモートUEとP−GW350との間に「EPS Bearer」が確立されず、かつ、リモートUEがアタッチを実行せずに、データ伝送が行われる。すなわち、コアネットワークにリモートUEの位置登録が行われていない。すなわち、コアネットワークは、リモートUEの位置を把握できない。従って、図12に示すように、リモートUEとリレーUEとを関連付けて記憶するServer400(D2D Server)が、リレーUEのデータを適切に伝送する。

図12に示すように、ステップS310において、リレーUEであるUE100−1は、Server400の識別子(IPアドレス(D2D Server IP)など)を記憶する。UE100−1は、Server400から識別子を受信する。或いは、UE100−1は、例えば、eNB200から「ProSe UE−NW Relay Setup」又は「ProSe UE−NW Relay Configuration」により、Server400の識別子を受信してもよい。

ステップS320において、Server400は、UE100−1の識別子(IPアドレス(UE−NW Relay IP)など)を記憶する。具体的には、Server400は、リレーUEとしてUE100−1の識別子(IPアドレスなど)を中継テーブルに記憶する。中継テーブルでは、リレーUE(の識別子)とリモートUE(の識別子)とが関連付けられている。

なお、Server400は、UE100−1からUE100−1の識別子を受信し、中継テーブルに記憶する。Server400は、「ProSe UE−NW Relay Setup」又は「ProSe UE−NW Relay Configuration」を送信したeNB200からUE100−1の識別子を受信してもよい。

ステップS330において、リモートUEであるUE100−2は、自身の識別子(IPアドレス(Remote UE IP))をUE100−1に送信する。ここで、UE100−2は、UE100−1が認識していないリモートUEであると仮定して説明を進める。UE100−2は、上述の「UE Relay Request」により自身の識別子を送信してもよい。

ステップS340において、UE100−1は、リモートUEの識別子を中継テーブルに追加するための通知(Remote UE IP addition)をServer400に送る。UE100−1は、UE100−2のリレーUEになると決定した場合に、「Remote UE IP addition」をServer400に通知する。従って、UE100−1は、新しいリモートUEを配下にした場合、「Remote UE IP addition」をServer400に通知する。

「Remote UE IP addition」は、UE100−2がリモートUEであることを示す。「Remote UE IP addition」は、UE100−2の識別子を含む。なお、「Remote UE IP addition」は、上述の「Relay Interest indication」であってもよい。

ステップS350において、Server400は、リレーUEとリモートUEとの関係を記憶する。具体的には、Server400は、「Remote UE IP addition」の受信に応じて、UE100−2の識別子を中継テーブルに記憶する。具体的には、Server400は、「Remote UE IP addition」に含まれるリモートUEとしてのUE100−2の識別子をUE100−1の識別子と関連付けて中継テーブルに記憶する。

ステップS360において、データ(トラフィック)の中継が実行される。ここで、データの中継は、リモートUEとP−GW350との間にEPSベアラが確立されていない状態で実行される。

Server400は、UE100−2宛ての下りデータが届いた場合、中継テーブルに基づいて、UE100−2に関連付けられているUE100−1に、UE100−2宛ての下りデータを通知する。UE100−1は、UE・ネットワーク中継用のEPSベアラを介してUE100−2宛ての下りデータを受信する。UE100−1は、D2Dベアラを介してUE100−2宛ての下りデータをUE100−2に中継する。これにより、UE100−2は、UE100−2とP−GW350との間にEPSベアラが確立されていない状態、すなわち、コアネットワークに位置登録がされていない状態であっても、下りデータを受信することができる。

一方、UE100−2は、外部ネットワークへの上りデータが発生した場合、上りデータをUE100−1に送信する。UE100−1は、UE・ネットワーク中継用のEPSベアラを介して上りデータをServer400に中継する。具体的には、UE100−1は、P−GW350を経由してServer400に上りデータを中継する。

UE100−1は、複数のリモートUEである複数のUE100−2の中継を行う場合、複数のUE100−2の上りデータをまとめて、1つのEPSベアラを介してServer400に中継してもよい。UE100−1は、複数のUE100−2のデータをカプセル化して、カプセル化された上りデータをServer400に中継してもよい。

また、リモートUEとしてのUE100−2の識別子が「Remote UE IP addition」により送られていないケースにおいて、UE100−1は、当該UE100−2の上りデータを受信した場合であっても、当該上りデータをServer400に中継してもよい。

上りデータを受信したServer400は、上りデータの送信先に上りデータを送る。Server400は、複数のUE100−2の上りデータが纏められている場合、中継テーブルに基づいて上りデータを分離する。Server400は、送信元のUE100−2毎に分離された上りデータをそれぞれの送信先に送る。

また、Server400は、中継テーブルにおいてUE100−1の識別子と関連付けられていない新たなUE100−2の上りデータを受信した場合、新たなUE100−2の識別子をUE100−1の識別子に関連付けて中継テーブルに記憶する。これにより、UE100−1が中継を行っている場合に、「Remote UE IP addition」を通知する処理を省略することが可能である。

なお、UE100−1は、UE・ネットワーク中継を実行している場合、UE100−2への時間・無線リソースのスケジューリングを実行し、時間・無線リソースを各UE100−2へ割り当てる。

ステップS370において、UE100−1は、リレーUEとリモートUEとの関係を中継テーブルから破棄するための通知(Remote UE IP release)をServer400に送る。「Remote UE IP release」は、UE100−2がリモートUEでなくなったことを示す。「Remote UE IP release」は、リモートUEでなくなったUE100−2の識別子を含む。

UE100−1は、リモートUEが配下でなくなった場合に、「Remote UE IP release」をServer400に通知する。UE100−1がリモートUEが配下でなくなったか否かを判断するための動作は、後述の「(5)リモートUEの位置管理」にて説明する。

ステップS380において、「Remote UE IP release」を受信したServer400は、UE100−1とUE100−2との関係を解放する。具体的には、Server400は、UE100−1の識別子と「Remote UE IP release」に含まれるUE100−2の識別子との関連づけを破棄する。

以上のように、Server400は、中継テーブルに基づいて、UE100−2宛てのデータをUE100−1に通知する。これにより、リモートUEとP−GW350との間にEPSベアラが確立されていない状態であっても、UE・ネットワーク中継による中継が実行できる。従って、UE・ネットワーク中継を有効に活用できる。

(4)リレーUEの追加 次に、リレーUEの追加について図13を用いて説明する。図13は、実施形態に係る動作(その4)を説明するためのシーケンス図である。

図13において、リレーUEであるUE100−1Aは、リモートUEである複数のUE100−2のデータの中継を実行している。

ステップS410において、UE100−1Aは、UE・ネットワーク中継に基づく負荷レベルが閾値(第1の閾値)を越えたか否かを判断する。この判断は、UE100−1Aが処理の限界を迎えたか否かの判断である。UE100−1Aは、負荷レベルが第1の閾値を越えた場合にステップS420の処理を実行する。

ここで、負荷レベルは、例えば、配下のリモートUE数、又は中継用のデータのバッファ量などのレベルである。第1の閾値は、例えば、UE100−1Aが正常に中継不能である値である。

ステップS420において、UE100−1Aは、UE・ネットワーク中継に基づく新たな中継を実行できない旨(Relay overload indication)をUE100−2に通知する。UE100−1Aは、同期信号の信号系列(シーケンス)を変更することによって、新たな中継を実行できない旨を通知してもよい。

UE100−2は、「Relay overload indication」を受信した場合、UE100−1Aが新たな中継を実行できないことが分かる。従って、UE100−2は、周囲の他のリレーUEを発見するための動作(直接ディスカバリ)を実行してもよい。或いは、UE100−2は、新たな中継を実行可能であることを示すメッセージをUE100−1から受信するまで、UE100−1Aへの上りデータの送信を控えてもよい。UE100−1Aは、負荷レベルが第2の閾値を下回った場合、新たな中継を実行可能であることを示すメッセージを送信できる。第2の閾値は、第1の閾値よりも小さい値である。

ステップS430において、UE100−1Aは、「Relay overload indication」をServer400に通知する。

ステップS440において、Server400は、「Relay overload indication」の受信に応じて、UE・ネットワーク中継を実行させるための通知(Relay setup)をUE100−1Bに送る。UE100−1Bは、上述したUE・ネットワーク中継を実行するための設定が行われたUEである。

或いは、Server400は、上述の「リレーUEの設定」の動作を実行させるために「Relay setup」をUE100−1Bに通知してもよい。UE100−1Bは、「Relay setup」の受信に応じて、上述の「Relay Interest indication」をeNB200に送信してもよい。

ステップS450において、UE100−1Bは、UE・ネットワーク中継の設定メッセージである「ProSe Relay configuration」をUE100−2に送信する。「ProSe Relay configuration」は、上述の中継情報(ProSe Relay enabled indication)であってもよい。

UE100−2は、UE100−1Bから「ProSe Relay configuration」を受信した場合、UE100−1BをリレーUEとして、中継を再開することができる。UE100−2は、UE100−1Bへ「UE Relay Request」を送信してもよい。

以上のように、UE100−1Aは、「Relay overload indication」をUE100−2及び/又はServer400に通知できる。これにより、UE100−1Aの負荷処理の増大に伴い、UE100−1Aの処理能力が低下することを抑制できる。

また、Server400は、「Relay overload indication」の受信に応じて、「Relay setup」をUE100−1Bに通知する。これにより、UE100−1Bが、UE・ネットワーク中継の実行を開始するため、UE・ネットワーク中継を有効に活用できる。

なお、UE100−1Aは、新たな中継を実行可能であることを示すメッセージをServer400に通知してもよい。当該メッセージを受信したServer400は、UE・ネットワーク中継の終了を指示するメッセージをUE100−1Bに通知してもよい。

(5)リモートUEの位置管理 次に、リモートUEの位置管理について図14及び図15を用いて説明する。図14は、実施形態に係る動作(その5)を説明するためのシーケンス図である。図15は、実施形態に係る動作(その6)を説明するためのシーケンス図である。

上述のように、データの中継が、リモートUEとP−GW350との間にEPSベアラが確立されていない状態で実行される場合、コアネットワークにリモートUEの位置登録がされない。このため、コアネットワークがリモートUEの位置を適切に把握することができないため、ネットワークからリモートUEで終端されるサービス(UE terminated service)をリモートUEに送信することができない。従って、Server400がリモートUEの位置を管理することによって、「UE terminated service」を適切にリモートUEに送信できる。

図14に示すように、ステップS510において、UE100−2(リモートUE)は、ディスカバリ信号をUE100−1(リレーUE)に送信する。ディスカバリ信号は、UE100−2の識別子(例えば、ProSe ID)を含む。

ステップS520において、UE100−1は、ディスカバリ信号の受信に応じて、UE100−2の位置を登録するためのメッセージ(ProSe ID registration)をServer400に通知する。「ProSe ID registration」は、UE100−2がリモートUEであることを示すメッセージであってもよい。UE100−1は、「Relay Interest indication」又は「Relay UE IP addition」を「ProSe ID registration」としてServer400に通知してもよい。

Server400は、UE100−2の位置を登録する。具体的には、Server400は、UE100−1とUE100−2とを関連付けて記憶する。Server400は、リレーUEとしてのUE100−1の識別子と、リモートUEとしてのUE100−2の識別子とを関連付けて中継テーブルに記憶することによって、UE100−2の位置を登録してもよい。或いは、Server400は、中継テーブルとは別に位置管理テーブルを保持しており、位置管理テーブルにUE100−1(の識別子)とUE100−2(の識別子)とを関連付けて記憶してもよい。

ステップS530において、Server400は、UE100−2の宛ての下りデータ(トラフィック)を受信する。ステップS540において、Server400は、中継テーブル(又は位置管理テーブル)に基づいて、下りデータをUE100−1に通知する。ステップS550において、UE100−1は、UE100−2の宛ての下りデータをUE100−2に送信する。なお、ステップS530及びS540は、ステップS360と同様にデータが中継される。

次に、リモートUEの位置を管理するために方法について説明する。以下の方法は、適宜組み合わせることも可能である。

(A)第1の方法 図15において、ステップS610において、UE100−2は、ディスカバリメッセージをリレーUEであるUE100−1に対して、周期的に送信する。UE100−2は、UE・ネットワーク中継が実行されている間、ディスカバリメッセージを周期的に送信し続ける。UE100−2は、通常の用途である近傍のUEを発見するための第1の送信周期よりも長い第2の送信周期で、ディスカバリメッセージを送信してもよい。これにより、UE100−2は、電力消費を抑制できる。

ステップS620は、ステップS520に対応する。UE100−1は、「ProSe ID registration」をServer400に一度通知した場合、その後ディスカバリメッセージをUE100−2から受け取っても「ProSe ID registration」の通知を省略できる。UE100−1は、UE100−2からディスカバリメッセージを受信する度に、「ProSe ID registration」を通知してもよい。

ステップS630において、UE100−1は、UE100−2からディスカバリメッセージを所定期間受信しないと判断する。UE100−1は、ディスカバリメッセージを受信する度にスタートするタイマを保持していてもよい。所定期間が経過した場合にタイマが満了する。UE100−1は、タイマが満了した場合、UE100−2からディスカバリメッセージを所定期間受信しないと判断する。

ここで、タイマは、第1の送信周期よりも長く第2の送信周期よりも短い時間が経過した場合に満了するタイマであってもよいし、第2の送信周期よりも長い時間が経過した場合に満了するタイマであってもよい。

UE100−1は、UE100−2からディスカバリメッセージを所定期間受信しないと判断した場合、ステップS640の処理を実行する。

ステップS640において、UE100−1は、UE100−2からディスカバリメッセージを所定期間受信しない場合、UE100−2がリモートUEでなくなったことを示すメッセージ(ProSe ID deregistration)をServer400に通知する。「ProSe ID deregistration」は、UE100の位置の登録を解除するためのメッセージである。「ProSe ID deregistration」は、上述の「Remote UE IP release」であってもよい。

Server400は、「ProSe ID deregistration」を受信した場合に、UE100−2の位置管理を終了する。すなわち、Server400は、UE100−1の識別子とUE100−2の識別子との関連付けを破棄する。

以上のように、UE100−1は、UE100−2からディスカバリメッセージを所定期間受信しない場合に、「ProSe ID deregistration」をServer400に通知する。これにより、UE100−1は、自身から動作を実行しなくても、UE100−2が近くに存在しないこと、又は、UE100−2が中継を希望しなくなったことが分かる。このため、UE100−2の位置を把握するUE100−1からの通知により、Server400は、UE100−2の位置を適切に管理できる。

(B)第2の方法 第2の方法では、UE100−2は、ディスカバリメッセージを周期的に送信しない。一方で、リレーUEであるUE100−1は、UE100−2宛ての下りデータをUE100−2に中継できなかった場合に、「ProSe ID deregistration」をServer400に通知する。例えば、UE100−1は、下りデータをUE100−2に送信した後、UE100−2から下りデータの送達確認を受信しない場合に、「ProSe ID deregistration」をServer400に通知する。これにより、UE100−2は、ディスカバリメッセージを周期的に送信せずに済むため、電力消費を抑制できる。

(C)第3の方法 第3の方法では、Server400は、他のUE100からの「ProSe ID registration」によりUE100−2の位置を更新する。

Server400は、中継テーブル(又は位置管理テーブル)においてUE100−1の識別子とUE100−2の識別子とが関連付けられている状態で、他のUE100−3から、UE100−2がリレーUEであることを示す「ProSe ID registration」を受信する。

Server400は、UE100−3の識別子とUE100−2の識別子とを関連付けて中継テーブル(又は位置管理テーブル)に記憶する。一方で、Server400は、UE100−1の識別子とUE100−2の識別子との関連付けを破棄する。これにより、例えば、UE100−1がUE100−2の移動に気付いていない場合であっても、Server400は、UE100−2の位置を適切に管理することができる。

(変更例) 以下において、本実施形態に係る変更例について図16を用いて説明する。図16は、実施形態に係る変更例に係るベアラ(EPS Bearer)を説明するための図である。

上述した実施形態では、リモートUEとP−GW350との間にEPSベアラが確立されていない状態で、UE・ネットワーク中継によるデータの中継が行われていた。本変更例では、図16に示すように、リモートUEとP−GW350との間にEPSベアラが確立された状態で、UE・ネットワーク中継によるデータの中継が行われる。従って、UE・ネットワーク中継では、「EPSベアラ」を用いてデータの中継が行われる。

なお、図16に示すように、リモートUEとeNB200(DeNB)との間に、E−RABを構成する無線ベアラ(Radio Bearer)が確立される。当該無線ベアラは、D2Dベアラ(D2D Bearer)と無線ベアラとにより構成される。D2Dベアラは、リモートUEとリレーUEとの間のベアラである。無線ベアラは、リレーUEとeNB200との間のベアラである。

本変更例では、リレーUEは、リモートUEの代わりに、eNB200に接続する。また、リレーUEは、リモートUEの代わりに、コアネットワーク(EPC20)へのアタッチを実行する。これにより、コアネットワークにリモートUEの位置登録が行われる。これにより、コアネットワークは、リモートUEの近辺に位置するeNB200を知ることができる。このため、上述のように、Server400が存在しない場合であっても、リモートUEで終端されるサービス(UE terminated service)をリモートUEに送信することができる。

しかしながら、リモートUEとP−GW350との間にEPSベアラが確立されているため、リレーUEは、1つのノードであるにも関わらず、リモートUEの設定(RNTI(例えば、C−RNTI:Cell RNTI)、DRX(Discontinuous Reception)設定)を受けることが想定される。この場合、リレーUEは、リモートUEの設定に基づいて、ネットワークとのやり取りを行う。しかしながら、UEが、複数のリモートUEに対するリレーUEである場合、ネットワークとのやり取りの複雑性が増加する可能性がある。

そこで、上述の問題を解決するために、以下の方法を実行できる。

具体的には、eNB200は、リモートUEとP−GW350との間にEPSベアラが確立されている状態で、UE・ネットワーク中継が実行される場合、同一のリレーUEからデータが中継される複数のリモートUEに対して設定する情報を共通化する。例えば、eNB200は、EPSベアラに関する全ての設定を同一にすることができるまた、eNB200は、無線ベアラに関する全ての設定を同一にしてもよい。

eNB200は、リレーUEから「Remote UE IP addition」を受信した場合に、追加されたリモートUEに対して、リレーUEの配下のリモートUEに既に設定している情報と同じ情報を設定する。或いは、eNB200は、リレーUEの配下のリモートUEの数が閾値を越えた場合に、当該閾値を越えた後に追加されるリモートUEに対して設定する情報を共通化してもよい。従って、eNB200は、1つのリレーUEの配下の全てのリモートUEの設定を共通にしてもよい。eNB200は、1つのリレーUEの配下の一部のリモートUEの設定を共通にしてもよい。

eNB200は、共通に設定された設定情報をリレーUEに通知する。リレーUEは、共通に設定された設定情報を受信する。リレーUEは、当該設定情報に基づいて、複数のリモートUEのための動作を実行する。これにより、リレーUEは、複数のリモートUEに対して個別に設定された設定情報に基づいて、当該動作を実行する場合に比べて、複数のリモートUEの代わりに実行する動作の回数を低減できる。

例えば、eNB200は、複数のリモートUEに対して、共通の一時的識別子(RNTI)を割り当てる(設定する)。eNB200は、共通の一時的識別子をリレーUEに送信する。リレーUEは、eNB200から受信した共通の一時識別子に基づいて、Uuインターフェイス上でのDL・UL割当情報(DCI:Downlink Control Information)を取得するためのPDCCHデコード処理を実行する。これにより、リレーUEは、1回のPDCCHデコード処理によって、複数のリモートUEのDL・UL割当情報を取得できる。仮に、複数のリモートUEのそれぞれに一時的識別子が割り当てられていた場合には、リレーUEは、リモートUEに割り当てられた一時的識別子の数と同じ回数PDCCHデコード処理を実行しなければならない。従って、複数のリモートUEへ共通の一時的識別子が設定されることによって、リレーUEは、複数のリモートUEの代わりに、PDCCHデコード処理を実行する回数が低減できる。

また、eNB200は、複数のリモートUEに対して、共通のDRXを設定する。eNB200は、共通のDRX設定をリレーUEに通知する。リレーUEは、共通のDRX設定に基づいて、リモートUEの代わりに、制御情報(PDCCH)のモニタを実行する。複数のリモートUEに対して共通のDRX設定されている場合には、リレーUEは、複数のリモートUEのためのeNB200からの制御情報のモニタを頻繁に行わなくて済む。

[その他の実施形態] 上述した実施形態では、Server400は、外部ネットワークに設けられていたが、これに限られない。Server400は、EPC20に含まれていてもよい。

上述した実施形態において、リレーUEであるUE100−1は、UE・ネットワーク中継を終了したい場合、UE・ネットワーク中継を終了する旨のメッセージをリモートUEであるUE100−2及び/又はServer400に通知できる。これにより、UE100−2は、他のリレーUEを発見するための動作を早めに開始できる。また、Server400は、セルのカバレッジ内に位置する他のUEに対して、「Relay setup」を早めに通知できる。

上述した実施形態において、RRCアイドル状態であるUE100−1が、UE・ネットワーク中継を実行するために、RRC接続確立(RRC Connection Establishment)を実行する場合に、UE・ネットワーク中継を実行する旨を示すメッセージ(例えば、「Relay Interest indication」など)をeNB200に通知してもよい。例えば、RRC接続を確立するための要求(RRCConnectionRequest)に「Relay Interest indication」を含めてもよい。

上述した変更例において、実施形態の動作(「(5)リモートUEの位置管理」を除く)が適宜実行されてもよい。

上述した実施形態では、移動通信システムの一例としてLTEシステムを説明したが、LTEシステムに限定されるものではなく、LTEシステム以外のシステムに本発明を適用してもよい。

[付記] (A)検討 (A1)ProSe UE−to−Network中継のための無線ベアラのデザイン PC5の参照点上での直接通信は、コネクションレス、すなわち、1対多直接通信(one−to−many Direct Communication)のためのシグナリングが存在しない。従って、リモートUEとProSe UE−to−Network中継エンティティ(すなわち、リレーUE)との間のRRC接続が存在しないことが想定される。

見解1:リモートUEとProSe UE−to−Network中継エンティティとの間のRRC接続が存在しない。

UE−to−Network中継エンティティは、リモートUEにPDN接続を提供するために、ProSe中継(UE)ID、PLMN ID(Public Land Mobile Network ID)、ProSeアプリケーション中継コードなどで構成されるディスカバリメッセージをアナウンスする。リモートUEは、近接したUE−to−Network中継エンティティを発見する。リモートUEは、IPアドレス割り当て及びUE−to−Network中継動作に関するユーザトラフィックの転送のためのUE−to−Network中継のL2 IDを使用する。そして、リモートUEは、UE−to−Network中継エンティティを介して、ネットワークカバレッジ内のピアエンティティへ/からリレートラフィックを送信/受信する(図17)。

見解2:UE−to−Network中継エンティティのレイヤ2 IDは、ディスカバリによりPDN接続と関連付けられる。

(A1.1)Rel−12 1対多直接通信の制限 ProSeベアラへのUE−to−Network中継エンティティの専用無線ベアラ(Dedicated radio bearers(DRBs))のマッピングは、2つの選択肢がある。

ALT.1(選択肢1):各DRBが1つのProSeベアラに関連付けられる(図18)。

ALT.2(選択肢2):各DRBが複数のProSeベアラに関連付けられる(図19)。

UE−to−Network中継エンティティによりサーブされている(サービスが提供されている)リモートUEの数に関して、ALT.1がサポートされている場合、UE−to−Network中継エンティティによってサーブされるリモートUEの最大数は、DRBの最大数、すなわち8により、制限されるだろう。加えて、現在の仕様書によれば、RRC接続状態にあるProSe UEが、直接通信送信に興味を持つ場合、当該ProSe UEは、送信先ID(Destination ID)のリストを含むSidelinkUEinformationメッセージを送信する。UE−to−Network中継エンティティがリモートUEをサーブした場合、UE−to−Network中継エンティティがRRC接続状態であり、直接通信送信に興味も持つと仮定する。また、UE−to−Network中継エンティティは、現在の手順に基づくSidelinkUEinformationメッセージを送信するかもしれない。このケースにおいて、UE−to−Network中継エンティティによりサーブされるリモートUEの最大数は、送信先maxSL−Dest−r12の最大数、すなわち、16により制限されるだろう。従って、一方の選択肢のために、UE−to−Network中継エンティティによりサーブされるリモートUEの数の観点のために拡張を検討する必要があるかもしれない。

提案1:1対多直接通信が再利用される場合、現在の仕様書の制限を考慮すべきである。

(A1.2)QoS観点(QoS Aspects) QoS制御に関して、ALT.1がサポートされている場合、各リモートUEのリレートラフィック(ユーザデータ)のQoS制御は、既存のメカニズムに従うことができる。一方、ALT.2がサポートされている場合、各リモートUEのリレートラフィックのQoS制御は、既存のメカニズムに従うことができないので、既存のメカニズムを拡張する必要があるかもしれない。例えば、DeNBは、UE−to−Network中継エンティティによりサーブされるリモートUEの数と既存のメカニズムとを考慮して、UE−to−Network中継のための無線ベアラに関してQoS制御を実行する。

提案2:ALT.1がサポートされている場合、各リモートUEのリレートラフィックのQoS制御は、既存のメカニズムに従うことができる。

提案3:ALT.1がサポートされている場合、ProSe UE−to−Network中継メカニズムのために、QoS制御が拡張されるべきである。

上記のQoS制御の観点を考慮して、無線ベアラデザインの一方の選択肢のために、UE−to−Network中継エンティティは、サーブされるリモートUEの状況(condition)の変化をDeNBへ示すべきである。直接通信送信要求のための既存のインディケーション、すなわち、SidelinkUEinformationメッセージが、再利用されてもよい。追加的に、リモートUEは、ネットワークカバレッジ、他のUE−to−Network中継エンティティのカバレッジ、又は、完全なネットワークカバレッジ外、の範囲で動いてもよい。従って、UE−to−Network中継エンティティは、サーブされたリモートUEの実際の状況をDeNBへ報告するために、サーブされたリモートUEの不在を通知すべきである。

提案4:UE−to−Network中継エンティティは、適切なQoS制御のために、サーブされるリモートUEの状況の変化をDeNBへ示すべきである。

提案5:無線リソースを効率的に使用するために、UE−to−Network中継エンティティがサーブされるリモートUEの不在を知るための方法が導入されるべきである。

合意される選択肢により、UE−to−Network中継のための無線ベアラデザインは、(ALT.1のために)サーブされるリモートUEの数及び(ALT.2のために)QoS制御の観点を考慮すべきである。

提案6:UE−to−Network中継エンティティのための無線ベアラデザインは、(ALT.1のために)サーブされるリモートUEの数及び(ALT.2のために)QoS制御の観点を考慮すべきである。

(A2)UE−to−Network中継の確立 図20(左図)に示すように、Rel−10 中継の確立手順に関して、RN(リレーノード)は、RN OAMから初期設定パラメータを取り出すために、UEとして、E−UTRAN/EPCへアタッチする。その後、RNは、UEとしてデタッチし、最終的にRNとしてアタッチする。RNは、Uuインターフェイスを確立し、中継動作を開始する。一方、ProSe UE−to−Network中継のために、Uuインターフェイス上で、UE−to−Network中継エンティティとDeNBとの間に接続が確立される。従って、ProSe UE−to−Network中継エンティティに現在の中継確立手順を適用する必要はない。ProSe UE−to−Network中継の確立手順に関しては、DeNBは、UE−to−Network中継エンティティへ中継動作の無線ベアラを追加できる(図20(右図))。

提案7:ProSe UE−to−Network中継の確立は、UE−to−Network中継エンティティへProSe UE−to−Network中継動作のDRBを追加することによって開始されるべきである。

公衆安全のユースケースに関して、災害の場合のためにセルラカバレッジの拡張が想定される場合、専用のリレーノードに加えて、通常の公衆安全UEが、中継機能を提供することが望ましいかもしれない。従って、必要に応じて、eNBは、UE−to−Network中継使用可能なUE(UE−to−Network Relay enable UEs)へProSe UE−to−Network中継動作のためのDRBを確立すべきである。

追加的に、UE−to−Networkリレーとしてまだ動作していないUE−to−Network中継使用可能なUEへ、リモートUEが中継動作を要求することが想定されてもよい。このケースにおいて、UE−to−Network中継使用可能なUEは、リモートUEからの初期要求に基づいてUE−to−Network中継としてサーブするための要求をeNBへ示すべきである。それから、eNBは、このインディケーションに基づいてUE−to−Network中継動作を開始する(図21)。

具体的には、図21に示すように、第1に、リモートUEとUE−to−Network中継使用可能UEとの間で同期が確立される。第2に、リモートUEは、中継要求をUE−to−Network中継使用可能UEへ送信する。UE−to−Network中継使用可能UEは、中継要求を受信する。第3に、UE−to−Network中継使用可能UEは、中継の要求をeNBへ示す。第4に、DeNBは、ProSe UE−to−Network中継セットアップ情報をUE−to−Network中継使用可能UEへ送信する。ProSe UE−to−Network中継セットアップ情報は、中継のための無線ベアラを追加するための情報である。第5に、UE−to−Network中継使用可能UE(リレーUE)は、中継のためのディスカバリメッセージをリモートUEへ送信する。第6に、リモートUEは、リレートラフィックをUE−to−Network中継使用可能UE(リレーUE)へ送信する。第7に、UE−to−Network中継使用可能UE(リレーUE)は、リモートUEからのリレートラフィックをDeNBへ送信する。

提案8:ProSe UEは、リモートUEからの要求に基づいてProSe UE−to−Network中継としてサーブするための要求をeNBへ示すべきである。

(A3)ProSe UE−to−Network中継のためのサービス継続性 ProSe UE−to−Network中継動作の間、以下のように、3つのサービス継続性シナリオがある。

シナリオ1:ProSe UE−to−Network中継カバレッジ→ネットワークカバレッジ リモートUEがネットワークのカバレッジ内を移動する、すなわち、S基準が満たされる場合、リモートUEはネットワークのカバレッジを優先すべきであり、それから、ProSeベアラの代わりに、DRBを確立すべきである。もはや必要ないProSeベアラが明示的に解放されるべきであるかはさらなる課題である。

シナリオ2:ネットワークカバレッジ→ProSe UE−to−Network中継カバレッジ このシナリオでは、インカバレッジUEは、RRC接続を得しなる前にUE−to−Network中継動作の開始を準備する必要があってもよい。準備に関して、UEは、ProSe UE−to−Network中継エンティティの利用可能性及び/又はProSe UE−to−Network中継エンティティの関連性をeNBへ知らせる必要があってもよい。eNBは、インカバレッジUEがネットワークカバレッジから離れる前に、ProSe UE−to−Network中継についてのDRBを確立してもよい。現在のリモートUEについてもはや必要ないDRBが、RRC又はNASにより解放されるべきかどうかはさらなる課題である。

シナリオ3:ProSe UE−to−Network中継カバレッジ→ProSe UE−to−Network中継カバレッジ このシナリオでは、サービス継続性がサポートされるべきである場合、メイク・ビフォア・ブレイクメカニズムが必要である。従って、リモートUEが現在のProSe UE−to−Networkカバレッジのカバレッジから離れる前に、他の中継エンティティとのProSe UE−to−Network中継動作の開始を準備する必要があってもよい。すなわち、リモートUEは、現在の中継エンティティのシグナルがあまりに弱くなる前に、他のUE−to−Network中継エンティティと関連する必要があってもよい。

提案9:サービス継続性がサポートされる必要がある場合、より詳細に上記シナリオが考察されるべきである。

(A4)リモートUE終端サービス 音声及びビデオの適用性を考慮して、ProSe UE−to−Network中継は、リモートUE由来データ(MO(Mobile Originated)データ)だけでなく、リモートUE終端データ(別名、MT(Mobile Terminated)データ)もサポートすべきである。従って、ProSe UE−to−Network中継のカバレッジ内であるが、すでにネットワークカバレッジ外であるリモートUEを呼び出す(ページする)方法を考察すべきである。ProSe UE−to−Network中継間のモビリティシナリオ及び/又はリモートUEとProSe UE−to−Network中継/NWとの間にRRC接続がない(すなわち、NAS PDU(Protocol Data Unit)転送がないことに起因してTAU(トラッキングエリア更新:Tracking Area Update)が想定できない)ことを考慮して、eNB又はCN(コアネットワーク)は、追加的なメカニズムと共にリモートUEを扱う必要があってもよい。

提案10:リモートUE終端サービスのデザインを決定した後、各リモートUEの存在をeNB及び/又はコアネットワークが知る必要があるか否かを決定すべきである。

なお、米国仮出願第62/145677号(2015年4月10日出願)の全内容が、参照により、本願明細書に組み込まれている。

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