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通信装置、制御方法、及びプログラム

申请号 JP2015236995 申请日 2015-12-03 公开(公告)号 JP2017103689A 公开(公告)日 2017-06-08
申请人 キヤノン株式会社; 发明人 吉川 佑生;
摘要 【課題】通信装置がサービスを発見した後の通信に関する消費電 力 を低減する仕組みを提供すること。 【解決手段】ネットワークにおいて所定の周期を有する所定長の第1の期間において第1の通信を行うことができると共に、そのネットワークにおいて第1の通信に基づいて第1の期間と異なる第2の期間を設定して、第1の通信を継続しながら、第2の期間において第2の通信を行うことができる通信装置を提供する。通信装置は、第2の通信を終了する場合に、第2の通信の相手装置へ第2の通信の終了を通知し、通知を送信したことに応じて、相手装置との第2の通信を終了するための制御を行う。 【選択図】 図8
权利要求

ネットワークにおいて所定の周期を有する所定長の第1の期間において第1の通信を行うことができると共に、前記ネットワークにおいて前記第1の通信に基づいて前記第1の期間と異なる第2の期間を設定して、前記第1の通信を継続しながら、前記第2の期間において第2の通信を行うことができる通信手段と、 前記第2の通信を終了する場合に、当該第2の通信の相手装置へ前記第2の通信の終了を通知する通知手段と、 前記通知を送信したことに応じて、前記相手装置との前記第2の通信を終了するための制御を行う制御手段と、 を有することを特徴とする通信装置。前記制御手段は、前記通知手段が前記通知を送信した後に、前記相手装置からの応答を待たずに、前記第2の通信を終了する、 ことを特徴とする請求項1に記載の通信装置。前記制御手段は、前記通知手段が前記通知を送信した後に、前記相手装置からの応答を受信したことに応じて、前記第2の通信を終了する、 ことを特徴とする請求項1に記載の通信装置。前記第1の通信は、前記ネットワークに参加している通信装置が提供することができるサービスの発見のための通信であり、 前記第2の通信は、発見され実行される前記サービスに関するデータの送受信のための通信であり、複数の前記サービスに対してはそれぞれについての複数の前記第2の通信が行われ、 前記制御手段は、実行されている前記サービスが終了した場合に、当該サービスに関する前記第2の通信を終了し、他のサービスに関する前記第2の通信を終了しないように制御を行う、 ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の通信装置。前記制御手段は、前記第2の通信の終了に伴い、当該第2の通信に用いられていた前記第2の期間を解放する制御を行う、 ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の通信装置。前記制御手段は、前記第2の通信を終了する場合であっても、当該第2の通信の他に前記相手装置との間で前記第1の期間と異なる期間において通信を行っている場合は、当該第2の通信に用いられていた前記第2の期間を解放しないように制御を行う、 ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の通信装置。前記制御手段は、前記第2の通信を終了する場合であっても、他の装置との間での通信のために前記第2の期間の少なくとも一部を含む期間が設定されている場合には、当該第2の通信に用いられていた前記第2の期間を解放しないように制御を行う、 ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の通信装置。前記制御手段は、他の装置との間での通信のための期間の少なくとも一部が前記第2の通信のための前記第2の期間の一部と重なる場合は、前記第2の期間の当該一部については解放せずに、前記第2の期間の残りの一部の期間を解放するように制御を行う、 ことを特徴とする請求項7に記載の通信装置。前記通知手段は、前記第2の通信の終了を前記相手装置へ通知するための第1の信号と、前記第2の通信に用いられていた前記第2の期間の解放を前記相手装置へ通知するための第2の信号とを前記相手装置へ送信する、 ことを特徴とする請求項5から8のいずれか1項に記載の通信装置。前記通知手段は、前記第2の通信の終了の前記相手装置への通知と、前記第2の通信に用いられていた前記第2の期間の解放の前記相手装置への通知とを1つの信号によって行う、 ことを特徴とする請求項5から8のいずれか1項に記載の通信装置。前記制御手段は、さらに、前記第2の通信の終了に伴って、前記第1の通信を終了するための制御を実行することができる、 ことを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の通信装置。前記制御手段は、前記第2の通信に対応するサービスの開始に応じて前記第1の通信が開始された場合、前記第2の通信の終了に伴って前記第1の通信を終了するための制御を行う、 ことを特徴とする請求項11に記載の通信装置。前記制御手段は、前記第2の通信に対応するサービスの開始の際にすでに前記第1の通信が行われていた場合は、前記第2の通信を終了しても前記第1の通信を終了するための制御を行わない、 ことを特徴とする請求項11又は12に記載の通信装置。前記制御手段は、前記第2の通信を終了する際に、他のサービスに関する前記第1の通信が行われていた場合は、前記第2の通信を終了しても前記第1の通信を終了するための制御を行わない、 ことを特徴とする請求項11から13のいずれか1項に記載の通信装置。前記ネットワークは、Neighbor Awareness Network(NAN)であり、前記第1の期間は、Discovery Window(DW)である、 ことを特徴とする請求項1から14のいずれか1項に記載の通信装置。ネットワークにおいて所定の周期を有する所定長の第1の期間において第1の通信を行うことができると共に、前記ネットワークにおいて前記第1の通信に基づいて前記第1の期間と異なる第2の期間を設定して、前記第1の通信を継続しながら、前記第2の期間において第2の通信を行うことができる通信手段を有する通信装置の制御方法であって、 通知手段が、前記第2の通信を終了する場合に、当該第2の通信の相手装置へ前記第2の通信の終了を通知する通知工程と、 制御手段が、前記通知を送信したことに応じて、前記相手装置との前記第2の通信を終了するための制御を行う制御工程と、 を有することを特徴とする制御方法。コンピュータを、請求項1から15のいずれか1項に記載の通信装置が備える各手段として動作させるためのプログラム。

说明书全文

本発明は、通信に係る低電化技術に関する。

近年、IEEE802.11規格シリーズに代表される無線LANが広く利用されており、それに伴って、さまざまな無線LANのネットワーク形態の製品、および仕様規格が登場している。特許文献1には、省電力で通信装置やそれが提供するサービスなどを発見するための規格としてWi−Fi Allianceによって規定されている、NAN(Neighbor Awareness Network)が記載されている。これは、通信装置が、他の通信装置との間で情報交換する期間を当該他の通信装置と同期して、無線RF(Radio Frequency)部を有効にする時間を短縮することによって省電力化を図るものである。なお、以下では、NAN規格に従って動作する通信装置をNANデバイスと呼ぶ。

NANにおける同期のための期間は、DW(Discovery Window)と呼ばれる。DW期間は一定周期で繰り返され、NANクラスタに参加しているNANデバイスは、少なくともいずれかのDW期間において、他のNANデバイスの存在や、他のNANデバイスとのサービス/アプリケーションに関する情報の共有を行うことができる。また、DW期間が共有されたNANデバイスの集合は、NANクラスタと呼ばれる。NANクラスタに参加する端末は、DW期間において、DW期間中であることを示すと共に端末間の同期を確保するための信号(Sync Beacon)や、アプリケーション情報などを共有するための信号を送受信する。サービス/アプリケーションを探しているNANデバイスは、DW期間中にサービス要求/提供信号(Service Discovery Frame(SDF))を送信する。

米国特許出願公開第2014/0302787号明細書

NANデバイスは、少ない消費電力で他のNANデバイスが提供するサービスを探索することができ、また、他のNANデバイスが探索しているサービスを自身が提供していることを通知することができる。しかしながら、NANデバイスがサービスを発見した後の通信に関する消費電力については検討されていなかった。

本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、通信装置がサービスを発見した後の通信に関する消費電力を低減する仕組みを提供することを目的とする。

上記課題を解決するために、本発明による通信装置は、ネットワークにおいて所定の周期を有する所定長の第1の期間において第1の通信を行うことができると共に、前記ネットワークにおいて前記第1の通信に基づいて前記第1の期間と異なる第2の期間を設定して、前記第1の通信を継続しながら、前記第2の期間において第2の通信を行うことができる通信手段と、前記第2の通信を終了する場合に、当該第2の通信の相手装置へ前記第2の通信の終了を通知する通知手段と、前記通知を送信したことに応じて、前記相手装置との前記第2の通信を終了するための制御を行う制御手段と、を有する。

通信装置がサービスを発見した後の通信に関する消費電力を低減することができる。

無線通信システムの構成例を示す図。

NANデバイスのハードウェア構成例を示す図

NANデバイスの機能構成例を示す図。

データリンクの確立及び通信の際の処理の流れの例を示すシーケンス図。

拡張されたService Discovery Frame(SDF)の構成例を示す図。

拡張されたService Discovery Frame(SDF)の構成例を示す図。

拡張されたService Discovery Frame(SDF)の構成例を示す図。

データ通信を終了する際に実行される処理の流れの例を示すフローチャート。

DLW期間における通信の継続判定処理の流れの例を示すフローチャート。

DLW期間における通信の終了時の通知の、送信処理の流れの例を示すフローチャート。

ユーザインタフェース(UI)の操作の様子を示す概念図。

アプリケーションとNANとの処理の関係を示すシーケンス図。

データ通信を終了する際に実行される処理の流れの例を示すシーケンス図。

以下、添付の図面を参照しながら本発明をその実施形態に基づいて詳細に説明する。なお、以下に示される構成及び手順は一例にすぎず、本発明は説明された例に限定されるものではない。また、以下では、Neighbor Awareness Network(NAN)規格に準拠した無線LANシステムを用いた例について説明するが、これに限られない。すなわち、通信装置が周期的にRF機能をオンとしてサービスの発見を行い、その後にサービスに関する通信を行う無線通信システムであれば、以下の議論を適用することができる。なお、以下では、通信装置が従う規格のことを指して「NAN規格」と呼び、NAN規格に従って形成された、サービス探索及び発見のためのネットワークについては「NAN」と呼ぶ。

(無線通信システムの構成) 図1に本実施形態に係る無線通信システムの構成例を示す。本無線通信システムは、NAN規格に従って動作可能な無線通信装置(NANデバイス101〜103)を含んで構成される。なお、無線通信システムは、例えば不図示のアクセスポイントや端末など、他の通信装置を含みうる。また、NANデバイス101〜103は、NANに参加可能であり、アプリケーションに係る通信を行うことが可能な通信装置であれば、どのような装置であってもよい。

NANデバイス101〜103は、NAN規格に基づいて、周囲の通信装置とそれらの通信装置が提供するサービスを発見し、又は周囲のNANデバイスがNANデバイス101〜103によって提供されうるサービスを発見することを可能としうる。NANにおいては、RF機能をオンにする周期を共有するNANデバイスとしてNANクラスタが定義され、NANデバイスはNANクラスタに参加する。図1は、NANデバイス101〜103がNANクラスタ104に参加していることを示している。NANクラスタ104への参加のためには、NANデバイス101〜103は、NANクラスタ104のMasterとして動作するNANデバイスが送信したDiscovery Beaconを受信するなどの、NAN規格に定められた処理を行う。ただし、ここでは、これらの処理はすでに完了しているものとし、詳細には説明しない。なお、NANデバイスは、複数のNANクラスタに参加することができ、複数のNANクラスタは、互いに異なるDW(Discovery Window)期間を有しうる。

NANデバイス101及び103は、Non−Master Non−SyncとしてNANクラスタ104に参加し、NANデバイス102は、Master又はAnchor MasterとしてNANクラスタ104に参加しているものとする。すなわち、DW期間において、NANデバイス102はSync Beaconを送信し、NANデバイス101及び103はSync Beaconを送信しないものとする。なお、NANデバイス101及び103は、例えばMaster又はNon−Master Syncとして、Sync Beaconを送信する役割として動作することもできる。

また、NANデバイス101は、所定のサービスを探しているSubscriberであり、NANデバイス103はNANデバイス101が探している所定のサービスを提供可能なPublisherであるものとする。

NANクラスタ104は、上述のようにNANデバイス101〜103が参加しているネットワークである。本実施形態では、NANクラスタ104に参加しているNANデバイスは6chでネットワークを構築するものとする。NANクラスタ104は、DW期間の長さが16TU(Time Unit、1TUは1024マイクロ秒)であり、また、DW期間の開始タイミングから次のDW期間の開始タイミングまでの時間間隔が512TUのNANクラスタである。なお、NANクラスタで使用される無線チャネルとDW期間はこれらに限られず、他のチャネルと他の期間長又は間隔を有するDW期間との少なくともいずれかが用いられてもよい。

一般に、NANデバイスは、サービスを発見/検出した後に、実際にそのサービスを実行するためのアプリケーションに関連した通信を行うことがある。この場合、NANデバイスは、NANではなく、アプリケーションに係る通信のためのPostNANを確立しうる。PostNANとは、NANクラスタとは別のネットワークである。PostNANは、例えば、インフラストラクチャネットワーク、IBSS、Wi−Fi Directなどを含む。NANデバイスは、PostNANを確立して、DW期間以外の期間において、アプリケーションによる通信をすることができるようになる。

また、NANデバイスは、PostNANなどのようなNANクラスタと異なるネットワークを構成せずに、NANの他のNANデバイスと一対一で接続を確立してアプリケーションに関する通信をすることができる。すなわち、NANデバイスは、NANクラスタ内において、DW期間と重ならない期間においてアプリケーションに関する通信をすることができる。この場合、NANデバイスは、一対一でのアプリケーションに関する通信を行う前に、通信の相手装置のNANデバイスとの間で、一対一でアプリケーションに関する通信を実行するタイミング(期間)についてのネゴシエーションを実行することができる。これにより、NANデバイスは、NANクラスタへの参加を継続しながら、NANクラスタ内の他のNANデバイスとアプリケーションに関する通信をすることができる。

NANデバイスは、DW期間と重ならない期間において通信を行う場合、フレームを送受信する必要のない状態となった後にも、その通信のための期間にフレームの送受信ができる状態を維持してしまいうる。この場合、NANデバイスにおける消費電力が増大してしまい、さらに、通信相手のNANデバイスも同様に消費電力が増大してしまいうる。

これに対して、本実施形態では、NANデバイスは、自身がDW期間と重ならない期間において通信を行う場合に、必要以上にフレームの送受信ができる状態を維持することを防ぎ、消費電力を低減する。このような処理を実行するNANデバイスの構成と、実行される処理について、以下に詳述する。なお、以下の議論は、周期的に一定の長さの時間区間においてサービスを探索/発見しながら、残りの時間区間においてサービスに関するデータ通信を行うことが可能な任意の通信装置に適用可能であり、適用範囲はNANデバイスに限られない。

(NANデバイスの構成) 図2に、NANデバイス101のハードウェア構成例を示す。なお、NANデバイス102及び103のハードウェア構成は、NANデバイス101と同様でありうる。NANデバイス101は、そのハードウェア構成として、例えば、記憶部201、制御部202、機能部203、入力部204、出力部205、通信部206及びアンテナ207を含む。

記憶部201は、ROM、RAMの両方、もしくは、いずれか一方により構成され、後述する各種動作を行うためのプログラムや、無線通信のための通信パラメータ等の各種情報を記憶する。ここで、ROMは、Read Only Memoryの頭字語であり、RAMは、Random Access Memoryの頭字語である。なお、記憶部201として、ROM、RAM等のメモリの他に、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、DVDなどの記憶媒体を用いてもよい。

制御部202は、CPU、または、MPUにより構成され、記憶部201に記憶されたプログラムを実行することによりNANデバイス101全体を制御する。ここで、CPUはCentral Processing Unitの頭字語であり、MPUはMicro Processing Unitの頭字語である。なお、制御部202は、記憶部201に記憶されたプログラムとOSとの協働によりNANデバイス101全体を制御するようにしてもよい。ここで、OSはOperating Systemの頭字語である。また、制御部202は、機能部203を制御して、撮像や印刷、投影等の所定の処理を実行する。

機能部203は、NANデバイス101が所定の処理を実行するためのハードウェアである。例えば、NANデバイス101がカメラである場合、機能部203は撮像部であり、撮像処理を行う。また、例えば、NANデバイス101がプリンタである場合、機能部203は印刷部であり、印刷処理を行う。また、例えば、NANデバイス101がプロジェクタである場合、機能部203は投影部であり、投影処理を行う。機能部203が処理するデータは、記憶部201に記憶されているデータであってもよいし、後述する通信部206を介して他のNANデバイスと通信したデータであってもよい。

入力部204は、ユーザからの各種操作の受付を行う。出力部205は、ユーザに対して各種出力を行う。ここで、出力部205による出力とは、画面上への表示や、スピーカーによる音声出力、振動出力等の少なくとも1つを含む。なお、タッチパネルのように入力部204と出力部205の両方を1つのモジュールで実現するようにしてもよい。

通信部206は、IEEE802.11シリーズに準拠した無線通信の制御や、IP通信の制御を行う。IPはInternet Protocolの頭字語である。また、通信部206はアンテナ207を制御して、無線通信のための無線信号の送受信を行う。NANデバイス101は通信部206を介して、画像データや文書データ、映像データ等のコンテンツを他のNANデバイスと通信する。

図3は、NANデバイス101の機能構成例を示す図である。なお、NANデバイス102及び103の機能構成は、NANデバイス101と同様でありうる。NANデバイス101は、機能構成として、例えば、無線LAN制御部301、NAN制御部302、NANデータリンク確立制御部303、NANデータリンク通信制御部304、アプリケーション制御部305、UI制御部306及び記憶部307を有する。

無線LAN制御部301は、他の無線LANによる通信を行うことができる通信装置との間で、対応する無線LANの信号フォーマットに従って無線信号の送受信を行うための制御を行う。また、無線LAN制御部301は、IEEE802.11規格シリーズに従って、無線LANに係る各種制御を実行する。NAN制御部302は、NAN規格に従って、サービス探索/発見等の各種制御を実行する。NANデータリンク確立制御部303は、NAN制御部302による制御の下で、他のNANデバイスとの間でのアプリケーションに係るデータ通信を行うためのデータリンクの確立制御を行う。NANデータリンク通信制御部304は、NANデータリンク確立制御部303が確立したデータリンクを通じて、アプリケーションに係るデータ通信を行う。本実施形態では、NANデータリンク通信制御部304は、一例として、データリンクを確立した後、IPv6による通信を行うための制御を行う。データリンクの確立に関する処理の詳細については、図4を用いて後述する。

アプリケーション制御部305は、NANで発見されたサービスを実行するための制御を行う。例えば、NANデバイス101がプリントサービスを発見した場合、アプリケーション制御部305は、プリントのジョブを要求するアプリケーションを実行するための制御を行う。また、例えば、NANデバイス101が写真共有サービスを発見した場合は、アプリケーション制御部305は、写真データを交換するアプリケーションを実行するための制御を行う。NANデバイス101は、複数のサービスを探すことができ、それぞれのサービスに対応する複数のアプリケーション制御部305を有していてもよい。なお、本実施形態では、一例として、NANデバイス101とNANデバイス103との間において、チャットアプリケーションが実行されるものとする。

UI制御部306は、NANデバイス101のユーザにより入力部204に対して行われた操作を管理し、必要な信号を他の機能部へ伝達する。記憶部307は、NANデバイス101が動作するプログラムおよびデータを保存する機能部である。

本実施形態では、NANデバイス101のユーザは、例えば入力部204がユーザ操作を受け付けたことに応じて、チャットアプリケーションを起動した後に、チャットアプリケーションがチャットの相手装置を探しているものとする。また、NANデバイス103のユーザも、例えば入力部204がユーザ操作を受け付けたことに応じて、チャットアプリケーションを起動しており、チャットの相手装置を待ち受けているものとする。また、本実施形態では、チャットアプリケーションに係る通信は、上述の通り、IPv6を用いて通信を介して行われるものとする。

(処理の流れ) 図4を用いて、本実施形態における、サービスの発見、NANによるデータリンクの確立、及び確立されたデータリンクを用いたアプリケーションに関する通信の処理の一連の流れについて説明する。ここで、NANデバイス101は、チャットアプリケーションによるチャットの相手装置を探しており、NANデバイス103は、チャットアプリケーションにおけるチャットの相手装置を待ち受ける処理を実行しているものとする。なお、図4では、各NANデバイスがRF機能をオンにしている期間を各NANデバイスに対応する時間軸上における縦長の長方形によって示す。すなわち、各NANデバイスは、長方形ではなく1本の線で示されている区間においてはRF機能をオフとしているものとする。

まず、NANデバイス101は、チャットアプリケーションによるチャット相手の検索のためのユーザ操作を、入力部204を介して受け付ける(S401)。NANデバイス101は、このユーザ操作に応じて、チャットアプリケーションによるチャット相手の検索処理を開始する。なお、ここでは、ユーザ操作はDW期間外に行われたものとする。この場合、NANデバイス101は、次のDW期間が到来するのを待って、そのDW期間においてチャット相手装置の探索のための信号送信を行うこととなる。なお、NANデバイス101は、ユーザ操作をDW期間内に受け付けた場合には、次のDW期間を待って又は次のDW期間を待たずに、そのDW期間においてチャット相手の検索のための信号を送信しうる。例えば、ユーザ操作の受付がDW期間の終了タイミング付近のタイミングでなされた場合には、次のDW期間を待って信号が送信されうる。

DW期間に入ると、Masterとして動作するNANデバイス102がSync Beaconを送信する(S402)。Sync Beaconは、NAN規格で規定されているフレームであり、NANクラスタ104に参加している通信装置が同期をとるための信号である。

NANデバイス101は、DW期間において、チャットアプリケーションに対応できる状態の他のNANデバイスを探すためにSubscribeメッセージをブロードキャストで送信する(S403)。このとき、NANデバイス101は、チャットアプリケーションに対応できる状態の他のNANデバイスを探していることを示す情報を、Subscribeメッセージに含めることができる。例えば、NANデバイス101は、Subscribeメッセージに含まれるService IDのフィールドに、チャットアプリケーションに対応付けられたIDの値を格納しうる。ここでは、チャットアプリケーションを示すService IDの値は「10」であるものとする。NANデバイス103は、S403においてSubscribeメッセージを受信すると、そのメッセージへの応答として、自身のチャットアプリケーションが動作していることを示すPublishメッセージを、NANデバイス101へ送信する(S404)。このとき、Publishメッセージ中のService IDフィールドには、チャットアプリケーションのIDの値である「10」が格納される。

NANデバイス101は、S404においてPublishメッセージを受信すると、チャットアプリケーションでの通信を可能とするためのデータリンクの確立を要求する、Service data link requestを送信する(S405)。なお、NANデバイス101は、S404と同じDW期間中にService data link requestを送信しうる。一方で、NANデバイス101は、Service data link requestの送信準備が完了した時点でDW期間が終了していた場合は、次のDW期間においてService data link requestを送信する。なお、S404のPublishメッセージにおいて、DW期間外でサービス発見/探索が可能であることを示すFurther Service Availabilityが付与されている場合がある。この場合には、NANデバイス101は、その情報に従って、NANデバイス103がメッセージを受信できるDW期間外のタイミングにおいて、Service data link requestを送信してもよい。

ここで、Service data link requestは、Service Discovery Frame(SDF)によって送受信されうる。このときのSDFの構成例について図5を用いて説明する。図5に示すように、SDF500は、NAN規格のSDFを拡張したものであり、NAN Attributes501に、Data Link Setup Attribute(DLSA)502が追加されている。SDF500に含められたDLSA502によって、NANデバイス101は、このSDF500を用いて、NANによるデータリンク確立の要求を行うことができる。

図5に示すように、本実施形態では、DLSA502におけるAttribute IDを「0x14」とする。また、Typeには、例えば1〜3の値が格納される。この値によって、SDFがService data link requestであるか、Service data link responseであるか、又はService data link tear downであるかが特定される。図4のS405で送信されるのはService data link requestであるため、Typeには、これに対応する値である「1」が格納される。Service IDには、データリンクを用いて通信をしたいサービスに対応する値が格納される。上述の通り、図4のS405では、チャットアプリケーションを示す数値である「10」が格納される。

図4に戻り、NANデバイス103は、Service data link requestを受信すると、Service data link responseで応答する(S406)。NANデバイス101及びNANデバイス103は、これらのやりとりにより、チャットアプリケーションに関する通信のために、NANに参加し続けながら、DW期間以外の期間においてデータリンクを確立して通信を行うことを互いに確認することができる。

なお、Service data link responseも、図5に示すようなSDF500を用いて送受信される。この場合、Service data link requestと異なり、DLSA502のTypeの値は、Service data link responseに対応する「2」が格納される。また、Service IDには、Service data link requestと同様に、チャットアプリケーションを示す値である「10」が格納される。

NANデバイス101及びNANデバイス103は、互いにチャットアプリケーションのためにデータリンクを確立して通信を行うことを確認すると、次に、通信を行うための具体的な期間を決定する。すなわち、NANデバイス101及びNANデバイス103は、DW期間外の期間のうち、いずれの時間区間において通信を行うかを決定する。この決定処理のために、NANデバイス101は、NANデバイス103へ、Data link schedule requestを送信する(S407)。Data link schedule requestは、通信を行う時間区間を決定するためのネゴシエーションを開始するためのメッセージである。

Data link schedule requestも、SDFを用いて送信されうる。図6は、Data link schedule requestとして用いられるSDF600の構成例を示している。図6に示すように、SDF600は、NAN規格のSDFを拡張したものであり、NAN Attributes601に、Data Link Window Attribute(DLWA)602が追加されている。NANデバイス101は、DLWA602が含められたSDF600を用いることによって、DW期間外のどの区間でアプリケーションに関する通信を行うかのスケジュールについて、NANデバイス103とネゴシエーションを開始することができる。

図6に示すように、本実施形態では、DLWA602におけるAttribute IDを「0x15」とする。また、Typeにはスケジューリングの開始を要求するための値として「1」を含め、このSDFがData link schedule requestであることを識別できるようにする。なお、Typeの値を「2」とすることで、SDFがData link schedule responseであることを示し、「3」とすることで、SDFがData link schedule confirmであることを示すことができる。また、Typeの値を「4」とすることで、SDFがData link schedule tear downであることを示すことができる。

NANデバイス101は、データ通信を行うために要求する区間を、Basic DLW Bitmap、Additional DLW Bitmap、及びFlexible DLW Bitmapの各フィールドによって指定することができる。Basic DLW Bitmapは、複数のNANデバイスとデータリンクを確立した場合に、その複数NANデバイスに対して共通してデータ通信を行う区間(Data Link Window(DLW))を示す。例えば、NANデバイスは、1つのNANデバイスとデータリンクを確立した後、そのデータリンクを維持したまま他のNANデバイスとのデータリンクの確立を要求する場合は、確立済みのデータリンクと同一のBasic DLW Bitmapを指定しうる。なお、NANデバイス101は、複数の通信相手のNANデバイスに対して、異なるBasic DLW Bitmapを指定してもよい。

Additional DLW BitmapおよびFlexible DLW Bitmapは、データリンクを確立する相手のNANデバイスごとに固有でありうる。例えば、特定のNANデバイスと大量のデータの通信を行いたい場合で、かつ、その区間では他のNANデバイスとのデータ通信を行いたくない等の場合には、これらのフィールドによって時間区間が指定される。なお、Additional DLW Bitmapは、Data link schedule responseの受信に応じて送信され得るData link schedule confirmで拒絶することができない区間の候補を指定する。一方、Flexible DLW Bitmapは、Data link schedule confirmで拒絶されうる区間の候補を指定する。これらの詳細については後述する。

各DLW Bitmapの各bitは、それぞれDW期間の終了タイミングを起点とした、所定長(例えば16TU)の区間に対応する。DW期間が0TUから開始してDW期間の終了直後が16TUであり、かつ、上述の所定長が16TUである場合、N bit目は、(N+1)×16TU〜(N+2)×16TUの区間に対応する。すなわち、Data link schedule requestのDLW Bitmapにおいて、N bit目が1である場合、(N+1)×16TU〜(N+2)×16TUの区間が、データ通信のために要求された区間となる。この考え方により、DLW Bitmapにおいて、例えば、0bit目が1の場合は16TUから32TU、2bit目が1」の場合は48TUから64TUまでの区間が、データ通信のために要求された区間となる。DLW Bitmapでは、複数bitに対して1が指定されうる。このように、DLW Bitmapによって、DW期間以外の期間においてデータ通信が行われるべき期間が指定されうる。なお、データ通信を行う期間の指定方法は、DW期間以外の期間を指定することが可能な手法であれば、どのようなものが用いられてもよい。例えば、上述の例では、DLW Bitmapの各ビットは、DW期間と同じ時間長の区間に対応したが、これに限られず、より短い時間長の区間に対応してもよいし、より長い時間長の区間に対応してもよい。また、必ずしもビットマップが用いられなくてもよい。例えば、(N+1)×16TU〜M×16TUの区間が特定される場合、時間区間の始点に対応する値Nと長さに対応する値M−N−1に対応する値が、DW期間以外の期間の指定に用いられてもよい。

ここでは、Data link schedule requestにおいて、Basic DLW Bitmapは0x2、Additional DLW Bitmapは0x3、Flexible DLW Bitmapは0x4が指定されたものとする。すなわち、DW期間の開始を0とした場合、Basic DLWとして32〜48TU、Additional DLWとして48〜64TU、Flexible DLWとして64TU〜80TUの各期間が指定されたものとする。これにより、NANデバイス101は、NANデバイス103に対して、これらのDW期間外のデータ通信の要求時間区間として指定することができる。

図4に戻り、NANデバイス103は、Data link schedule requestを受信すると、それに対する応答として、Data link schedule responseで送信する(S408)。Data link schedule responseも、図6のSDF600を用いて送信されうる。ただし、DLWA602のTypeには、Data link schedule responseであること示す「2」が格納される。また、Data link schedule responseでも、その送信元装置(NANデバイス103)がDW期間外でデータ通信を行うことを要求する期間を各DLW Bitmapによって指定する。このとき、各DLW Bitmapにおいて指定される時間区間は、Data link schedule requestにおいて指定された時間区間と必ずしも一致しなくてもよく、NANデバイス103が要求する期間が指定される。当然のことながら、Data link schedule requestとData link schedule responseとで、各DLW Bitmapは一致していてもよい。このため、NANデバイス103は、特段の事情がない限り、各DLW Bitmapに格納する値を、Data link schedule requestで指定された値と同一の値に設定してもよい。なお、ここでは、NANデバイス103は、Basic DLW Bitmapに0x2、Additional DLW Bitmapに0x3、Flexible DLW Bitmapに0x5を設定したものとする。

NANデバイス101は、Data link schedule responseを受信すると、最終的にデータ通信が可能となる期間を確認するためにData link schedule confirmを送信する(S409)。Data link schedule confirmも、図6に示すようなSDF600を用いて送信され、この場合、DLWA602のTypeには3が格納される。Data link schedule confirmのBasic DLW Bitmap及びAdditional DLW Bitmapには、Data link schedule responseにおいて設定された値と同一の値が設定される。一方、Data link schedule confirmのFlexible DLW Bitmapは、Data link schedule responseで設定されていない値を指定してはならない。ただし、Data link schedule confirmのFlexible DLW Bitmapは、Data link schedule responseで設定された値のサブセットであればよく、必ずしも一致していなくてもよい。ここでは、Flexible DLW Bitmapは、S407で0x4が指定された一方で、S408で0x5が指定されたため、NANデバイス101及び103のそれぞれが要求した期間が重ならない。このため、NANデバイス101は、Data link schedule confirmのFlexible DLW Bitmapを0x0とする。したがって、NANデバイス101は、Basic DLWが32〜48TUの期間、Additional DLWが48〜64TUの期間としたData link schedule confirmを送信する。なお、上述のように、Flexible DLWは、ビットマップが0である(「1」が設定されたビットがない)ため、設定されない。以上により、DW期間の終了直後から16TU後を始点として32TUの長さの時間区間においてデータ通信を行うことが、NANデバイス101とNANデバイス103との間で合意される。

NANのデータリンクが確立され、NANデバイス101とNANデバイス103は、ともにチャットアプリケーションによる通信が可能な状態となる(S410、S411)。そして、これ以降では、DW期間だけはなく、Data link schedule confirmで指定されたDLW期間においても、NANデバイス101とNANデバイス103との間で無線のパケットの送受信が行われる。すなわち、NANデバイス101とNANデバイス103は、DW期間での通信を継続可能な状態で、DW期間外に設定されたデータリンクによる通信を行うことが可能となる。

チャットが可能な状態において、NANデバイス101のユーザは、チャットメッセージの送信を要求したとする(S412)。この場合、NANデバイス101は、NANデバイス103に対して、DLW期間に入ってからそのチャットメッセージを送信する(S413)。NANデバイス103は、チャットメッセージを受信すると、チャットメッセージを例えば出力部205(例えばディスプレイ)を介してNANデバイス103のユーザに通知する。その後、NANデバイス103のユーザがチャットメッセージの送信を要求したとする(S414)。NANデバイス103は、これに応じて、DLW期間に入ってからチャットメッセージを送信する(S416)。なお、図4の例は、チャットメッセージの送信要求から、実際にチャットメッセージが送信されるまでの間に、DW期間が発生している場合について示している。DW期間では、NANデバイス102が、Sync Beaconを送信する(S415、S417)。

なお、図5におけるSDF500に、図6におけるDLWA602を追加することにより、Service data link requestと、Data link schedule requestとが統合されて送受信されてもよい。この時のSDFの構成例を、図7に示す。図7において、SDF700は、NAN規格のSDFを拡張したものであり、NAN Attributes701に、DLSA502とDLWA602とが含められている。各Attributeの機能は、図5及び図6について説明した通りであるため、ここでは詳細な説明については省略する。

NANデバイス101は、各Attributeの値を、S405及びS407で送信したメッセージにおいて設定された値と同様に設定して、このSDF700を用いてRequestを送信することができる。NANデバイス103は、統合されたSDF700形式のフレームを受信すると、Service data link response及びData link schedule responseを統合した応答を送信する。NANデバイス103は、各Attributeの値を、S406及びS408で送信したメッセージにおいて設定された値と同様に設定する。この場合、S405及びS407の要求が同時に行われ、その後S406及びS408の応答が同時に行われることとなる。この手法を、以下ではFast data link setupと呼ぶ。

続いて、上述のようにして、DW期間以外の時間区間においてデータ通信用のDLWを設定したNANデバイスが、DLWでの通信を終了する際の処理について、図8を用いて説明する。本処理は、NANデバイス101〜103においてチャットアプリケーションが動作しているときにバックグラウンドで実行される。以下では、NANデバイス103との間でDLWを設定したNANデバイス101が、チャットアプリケーションによるDLW期間での通信を終了する際の処理について説明する。ただし、以下で説明される手法は、NANクラスタ104内の他のNANデバイスがデータ通信を終了する際にも実行されうる。この処理は、例えば、NANデバイス101およびNANデバイス103の間でのチャットのやり取りが一定時間行われなかった場合、NANデバイス101がチャットルームから退室した場合等に開始される。NANデバイス101は、NANに対応していないデバイスと写真共有等を行う際に他の規格で通信を行うためにDLWでの通信をやめる場合にも、この処理を開始しうる。

本処理では、まず、NANデバイス101は、DLW期間に入るのを待つ(S801)。NANデバイス101は、DW期間およびDLW期間以外の期間では無線送受信機能(例えばRF機能)をオフとしている。NANデバイス101は、DLW期間になるとアプリケーションに係るセッションが終了したかどうかを確認する(S802)。NANデバイス101は、セッションが終了していない場合(S802でNO)は、セッションが終了するまでDLW期間でデータの送受信を行う(S803)。一方、NANデバイス101は、セッションが終了している場合(S802でYES)に、DLW期間において、NANデバイス103との間で信号の送受信を継続するかを判定する(S804、S805)。この判定処理についての詳細は、図9を用いて後述する。

NANデバイス101は、DLWでの信号の送受信を継続する場合(S805でYES)は、Service data link tear downを送信する(S806)。Service data link tear downは、図5のSDFにおいてTypeが3に設定されたフレームである。これにより、NANデバイス101とNANデバイス103との間で、セッションが終了したと判定されたチャットアプリケーションに関するデータリンクが解放される。

また、Service data link tear downにより、NANデバイス101及びNANデバイス103は、DLW期間に送受信しているデータがどのアプリケーションに関するかを、互いに把握することができる。例えば、NANデバイス101とNANデバイス103との間でチャットアプリケーションの他にクーポン配布アプリケーションなどの他のプリケーションを実行していた場合を考える。この場合、図9を用いて後述するが、NANデバイス101は、複数のサービスに関する通信を実行しているため、DLWでの通信を継続すると判定しうる。一方で、NANデバイス103にとって、クーポン配布アプリケーションのデータの送受信は、DLW期間を用いるほどには優先度が高くなかったとする。この場合、NANデバイス103は、チャットアプリケーションに対応するService data link tear downをNANデバイス101から受信した時点で、DLW期間での通信を終了すると判定しうる。この結果、NANデバイス103は、この判定(S805でNO)に応じて、S807の処理を実行しうる。

NANデバイス101及びNANデバイス103は、S806の後に、チャットアプリケーション以外に関して、DLW期間での通信を継続する。一方で、NANデバイス101は、DLWでの通信を継続しないと判定した場合(S805でNO)、NANデバイス103に向けてData link schedule tear downを送信する(S807)。Data link schedule tear downは、図6のSDF600においてTypeの値を4としたフレームであり、設定したDLWの少なくとも一部を指定して解放することができるフレームである。NANデバイス101は、Data link schedule tear downを送信することにより、NANデバイス103との間で設定したDLW期間での通信を終了し、設定したDLW期間の少なくとも一部を解放することができる。この処理の詳細については、図10を用いて後述する。

なお、このとき、NANデバイス101がNANデバイス103とDLW期間でのやり取りを続けたいが、NANデバイス101とNANデバイス103との間でDLW期間にデータを通信するアプリケーションがない場合が想定されうる。この場合、NANデバイス101は、Service data link tear down信号のみを送信してDLWの期間において信号を待ち受けることができる。

次に、NANデバイス101はBasic DLWでの信号の送受信を継続するかを判定する(S808)。例えば、NANデバイス101が、NANデバイス103との間でチャットアプリケーション用のDLWを設定した場合で、NANデバイス102との間で写真共有アプリケーション用のDLWを設定した場合について検討する。この場合、NANデバイス101は、NANデバイス102及びNANデバイス103との間に、共通のBasic DLWを設定しうる。したがって、この場合、NANデバイス101は、NANデバイス103との間でのDLWによる通信を終了しても、Basic DLWでの信号の送受信は継続する。一方、NANデバイス101は、NANデバイス102及びNANデバイス103との間で設定したBasic DLWの期間が互いに異なる場合、NANデバイス103との間で設定したBasic DLWでの信号の送受信を終了する。また、NANデバイス103は、NANデバイス101との間でのみDLWを設定していた場合、DLWおよびBasic DLWでの信号の送受信を終了する。

NANデバイス101は、Basic DLWでの信号の受信を継続すると判定した場合(S808でYES)、DW期間及びBasic DLW期間で信号の送受信は継続する。一方、NANデバイス101は、Basic DLW以外に設定されていたDLW期間での通信については終了する(S809)。これにより、NANデバイス101は、NANデバイス102とのデータリンクでの通信を継続しながら、NANデバイス103との間で設定したDLW期間での受信待機を行わなくなる。一方、NANデバイス101は、Basic DLWでの信号の受信を終了すると判定した場合(S808でNO)、続いて、DWで信号を送受信するかを判定する(S810)。S810において、DW期間で信号の送受信を継続するかを判定する方法について、図11(A)並びに(B)および図12(A)並びに(B)を用いて説明する。

図11(A)及び(B)は、NANデバイス101でチャットアプリケーションを起動する際のユーザインタフェース(UI)の操作の様子を示している。なお、図11(A)及び(B)では、チャットアプリケーションに関する説明を行うが、DLW期間で通信する他のアプリケーションが用いられる場合にも同様の処理が行われうる。また、NANデバイス101のみならず、NANクラスタ104内の他のNANデバイスも同様の処理を行うことができる。これは図12(A)及び(B)でも同様である。

図11(A)は、チャットアプリケーションを起動する際にNANがすでに起動している状態を示している。すなわち、図11(A)は、NANデバイス101がDW期間で信号の送受信を行っているときにチャットアプリケーションが起動される場合の例を示している。一方で図11(B)は、チャットアプリケーションを起動する際に、まだNANが起動していない状態を示している。すなわち、図11(B)の場合は、NANデバイス101は、チャットアプリケーションを起動してから、DW期間で信号の送受信を開始することになる。

図12(A)は、図11(A)の場合のチャットアプリケーションの起動から終了までの一連の流れをシーケンス図で示したものである。NANデバイス101のユーザは、DW期間で信号を送受信している間に、チャットアプリケーションを起動する(S1201)。この場合、アプリケーションは、チャットの相手装置をDW期間において検索するようにNAN機能に対して指示を発出する(S1202)。NAN機能は、通信相手が発見すると、アプリケーションに対して、その旨を通知する(S1203)。その後、NANデバイス101は、DLW期間においてチャット関連データの送受信を行う(不図示)。NANデバイス101のユーザがアプリを終了すると(S1204)、アプリケーションは、DLW期間での通信の終了をNAN機能へ指示する(S1205)。その後、NANデバイス101は、S810のDWでの信号の送受信を継続するかの判定を行う。このとき、NANデバイス101は、チャットアプリケーションを起動する前からDW期間で通信を行っている。このため、NANデバイス101は、DW期間でのみ信号を送受信し、DLW期間では信号の送受信を行わないと判定する(S810でYES、S811)。これにより、チャットアプリケーションにおいて、DLW期間での信号の送受信を終了した後にも、他のアプリケーションの探索を継続することができる。

図12(B)は、図11(B)の場合のチャットアプリケーションの起動から終了までの一連の流れをシーケンス図で示したものである。NANデバイス101のユーザは、DW期間で信号を送受信していない状態において、チャットアプリケーションを起動する(S1206)。この場合、アプリケーションは、NAN機能に対してNANの動作を行なうように指示し(S1207)、その後、チャット相手のDW期間における探索をNAN機能へと指示する(S1208)。NAN機能は、通信相手を発見した場合に、アプリケーションへその旨を通知する(S1209)。その後、NANデバイス101は、DLW期間においてチャット関連データの送受信を行う(不図示)。NANデバイス101のユーザがアプリを終了すると(S1210)、アプリケーションは、DLW期間での通信の終了をNAN機能へ指示する(S1211)。その後、NANデバイス101は、S810のDWでの信号の送受信を継続するかの判定を行う。この場合、NANデバイス101は、チャットアプリケーションを起動したことに応じてDW期間で信号の送受信を開始しており、アプリケーションの起動前にはDW期間での信号の送受信を行っていなかった。このため、NANデバイス101は、DW期間での信号の送受信を行わないと判定する(S810でNO,S812)。これにより、NANデバイス101は、DW期間において通信相手を探索する必要がないのに、DW期間で信号の送受信を行うことによる不必要な電力の消費を抑えることができる。

なお、NANデバイス101は、チャットアプリケーションが別の相手装置を探索する場合には、DW期間で継続して信号を送受信すると判定してもよい。

また、図11(A)の場合に、チャットアプリケーションとは別の写真共有などのアプリケーションにおいて通信相手を探索するためにDW期間で信号の送受信を開始した場合について検討する。この場合、NANデバイス101は、チャットアプリケーションを終了するときに、すでに写真共有アプリケーションの通信相手を発見している。このときに、NANデバイス101は、この通信相手との間でDW期間において信号の送受信を行う必要がないとき、DW期間で信号の送受信を継続しないと判定してもよい。これにより、NANデバイス101は、DW期間で信号を受信待機することによる消費電力を下げることができる。

また、図11(B)の場合に、チャットアプリケーションでDLW期間の通信を行なっている間に、プリンタ検索アプリケーションがDW期間で通信相手を探索し始めた場合について検討する。この場合、NANデバイス101は、チャットアプリケーションの終了時に、まだプリンタ検索アプリケーションがDW期間で通信相手を探していた場合、DW期間での信号の送受信を継続すると判定しうる。これにより、NANデバイス101は、DW期間において継続してプリンタ検索アプリケーションの通信相手の探索を行うことができる。

なお、NANデバイス101は、他の規格で通信するなどの理由で、NANでの通信を中断しなければならない場合に、DWでの信号の送受信を継続しないと判定してもよい。

続いて、図9を用いて、DLWでの通信の継続判定処理について説明する。NANデバイス101及び103においてチャットアプリケーションが動作しているときに、バックグラウンドで本処理が実行される。以下では、NANデバイス103とDLWを設定したNANデバイス101が、チャットアプリケーションでのDLW期間における通信を終了する際の処理として説明するが、NANクラスタ104の他のNANデバイスも同様の処理を実行可能である。

まず、NANデバイス101は、NANデバイス103との間でのチャットアプリケーション以外に、DLW期間で信号を送受信するアプリケーションがあるかを確認する(S901)。NANデバイス101は、NANデバイス103との間に、他にDLW期間におけるデータの送受信を行っているアプリケーションがある場合(S901でYES)は、DLWでの信号受信を継続する(S905)。例えば、NANデバイス101は、NANデバイス103との間でDLW期間に写真共有アプリケーションによる通信をしている場合は、写真のデータをDLW期間中に送受信するため、DLWでの通信を継続すると判定する。

一方、NANデバイス101は、NANデバイス103との間で他にDLWにおける通信を行っているアプリケーションがない場合、NANデバイス103以外にDLWを設定して通信している相手装置がいるかを確認する(S902)。NANデバイス101は、他の相手装置がいない場合(S902でNO)、DLWでの通信を継続しない(S904)。一方、NANデバイス101は、他の相手装置がいる場合(S902でYES)、NANデバイス103との間で設定した通信継続の判定対象のDLWの全てが、NANデバイス102との間で設定されたDLWに含まれているかを判定する(S903)。そして、NANデバイス101は、通信継続の判定対象のDLWの全てが、NANデバイス102との間で設定されたDLWに含まれている場合(S903でYES)は、DLWでの通信を継続する(S905)。一方、NANデバイス101は、通信継続の判定対象のDLWがNANデバイス102との間で設定されたDLWに含まれていない場合(S903でNO)は、DLWでの通信を継続しない(S904)。なお、NANデバイス101は、通信継続の判定対象のDLWがNANデバイス102との間で設定されたDLWと一部重複する場合は、その重複するDLWの一部において通信を継続し、残りの部分では通信を継続しないようにしうる。

S902及びS903の判定によって、NANデバイス101は、DLWを再び設定する際に生じる問題を回避できる。NANデバイス101とNANデバイス103が、設定したDLWを一度解放した後に、再びDLWを設定する場合について検討する。このときに、NANデバイス103が、別のNANデバイスとの間でDLWを設定した場合、NANデバイス101の希望するDLWと、NANデバイス103が希望するDLWとが異なる期間となり得る。この場合、NANデバイス101とNANデバイス103との間で再びDLWを設定するのに時間を要し、また、NANデバイス103が信号を受信する期間を延ばした結果、電力を浪費してしまいうる。これに対して、NANデバイス101は、DLWが設定されたままにしておくことで、NANデバイス103との間で、再びチャットアプリケーションでDLWを設定する際の手続きを省略することができる。また、NANデバイス101は、NANデバイス103との間で設定したDLWが、NANデバイス102との間で設定したDLW期間に含まれている場合、DLWにおける通信を継続しても電力を浪費することもない。

また、上述のように、NANデバイス101とNANデバイス103との間でDLW期間を用いて通信するアプリケーションが残っていた場合であっても、そのアプリケーションがDLW期間で通信するほど優先度が高くない場合がありうる。この場合、NANデバイス101とNANデバイス103との少なくともいずれかが、DLW期間での通信を継続しないと判定してもよい。例えば、NANデバイス101とNANデバイス103との少なくともいずれかは、S901で、相手装置との間でDLWにおける通信を伴うアプリケーションがあると判定した後に、そのアプリケーションの優先度を判定する処理を行いうる。これにより、不必要にDLW期間での通信が行われなくなるため、NANデバイスの消費電力を下げることができる。

続いて、図10を用いて、S807において、DLW期間での通信を終了する場合の、tear down信号の送信処理の流れについて説明する。以下、NANデバイス103との間でDLWを設定しているNANデバイス101が、チャットアプリケーションでのDLW期間の通信を終了する際の処理として説明するが、NANクラスタ104内の他のNANデバイスも同様の処理を実行可能である。

まず、NANデバイス101は、NANデバイス103との間でDLWを設定したときに、Fast data link setupが用いられたかを判定する(S1001)。

DLWの設定が、Fast data link setupによるものでなかった場合(S1001でNO)、NANデバイス101は、NANデバイス103に対してService data link tear downを送信する(S1002)。Service data link tear downを送信することによって、チャットアプリケーションによるDLW期間におけるデータ通信が継続されないことが明示される。Service data link tear downは、図5のSDF500を用いて送信されうる。なお、この場合、SDF500におけるDLSA502のTypeには、「3」が格納される。また、Service IDには、S405と同様に、チャットアプリケーションを示す値である「10」が格納される。この信号は、図4のS405及びS406で確立したアプリケーションごとの情報に対応する。

次に、NANデバイス101は、NANデバイス103に対してData link schedule tear downを送信する(S1003)。NANデバイス101は、Data link schedule tear downを送信することによって、NANデバイス103との間で設定したDLW期間においてデータ通信を継続しないことを明示することができる。Data link schedule tear downは、図6のSDF600を用いて送信可能であり、この場合、SDF600においてDLWA602のTypeには4が格納される。また、このとき、Basic DLW Bitmap、Additional DLW Bitmap、Flexible DLW Bitmapには、それぞれ0x0が指定されうる。この信号は図4のS407〜S409において確立したデバイスごとのDLWのスケジュールに対応する。

Data link schedule tear downをService data link tear downに加えて送信することで、以下の利点がある。例えば、NANデバイス101は、NANデバイス103との間でDLW期間中にチャットアプリケーションのみで通信していると認識しているものとする。一方、NANデバイス103は、NANデバイス101との間でDLW期間中にチャットアプリケーションに加えて写真共有アプリケーションで通信していると認識しているものとする。この時、NANデバイス101は、チャットアプリケーションに対応したService data link tear downをNANデバイス103に対して送信する。ここで、Data link schedule tear downがなければ、NANデバイス101はDLW期間中での通信を終了するが、NANデバイス103はDLW期間中での通信を終了せず、電力を浪費してしまいうる。このような場合であっても、NANデバイス101がData link schedule tear downをNANデバイス103へ送信することで、NANデバイス101及び103が共にDLW期間での通信を終了することができる。

一方、NANデバイス101は、DLWを設定する際にFast data link setupが用いられていた場合(S1001でYES)は、NANデバイス103に対してFast data link tear downを送信する。Fast data link tear downは、Service data link tear downとData link schedule tear down信号とが統合された信号と捉えることができる。Fast data link tear downの送信には、図7のSDF700を用いられうる。このときの各フィールドの値はS1002及びS1003で説明したものと同様であるため、詳細な説明については省略する。

なお、S1001におけるFast data link tear downを送信するかの判定は、所定フレームのビット値に基づいて行われてもよい。例えば、図6のDLWA602にバージョン情報を示すフィールドを付加し、その値に基づいて判定が行われてもよい。また、DLWA602にFast data link tear downに対応する機種か否かを識別するビットを付加し、この値が1であるか否かによってFast data link tear downを用いるかの判定が行われてもよい。また、相手装置の装置種別が既知のものであった場合は、Fast data link tear down信号を用いると判定されてもよい。これらの判定は、Service data link requestとData link schedule requestとが同一のタイミングで送信された場合に行われてもよい。すなわち、NANデバイス101は、Fast data link setupによってDLWが設定された場合に、上述の判定をさらに行ってもよい。一方で、Service data link requestとData link schedule requestとが異なるタイミングで送信された場合には上述の各判定は行われなくてもよい。この場合は、Service data link tear downとData link schedule tear downとが異なるタイミングで送信されうる。

続いて、図13を用いて、DLW期間におけるデータ通信を終了する際の、無線通信システムにおける処理の流れについて説明する。図13において、NANデバイス101は、NANデバイス103との間においてチャットアプリケーションでチャットを行っており、DLWが設定されているものの、2台のやりとりは一旦停止しているものとする。

なお、NANデバイス102は、NANクラスタ104に参加するNANデバイスによるサービスの探索/発見のために、周期的に到来するDW期間においてSync Beaconを送信する(S1301、S1303、S1309、及びS1310)。

ここで、NANデバイス101のチャットアプリケーションは、チャットの相手装置であるNANデバイス103との間で、一定期間メッセージのやりとりがなかったことに応じて、セッションを閉じるための要求を出力したものとする(S1302)。すると、NANデバイス101は、上述のように、DLW期間での通信を継続する必要があるかを判定する(S1304)。そして、ここでは、NANデバイス101は、DLW期間での通信を継続しないと判定したものとする。

続いて、NANデバイス101は、NANデバイス103がData link schedule tear downに対応していることを確認する。そして、NANデバイス101は、DLW期間中に、チャットアプリケーションによるDLW期間での通信の終了を通知するために、NANデバイス103へ、Service data link tear downを送信する(S1305)。また、NANデバイス101は、これ以降のDLW期間において通信を行わないことを通知するために、NANデバイス103に対して、Data link schedule tear downを送信する(S1306)。その後、NANデバイス101は、Basic DLW期間での通信を継続するかを判定し(S1307)、さらに、DW期間での通信を継続するかを判定する(S1308)。ここでは、NANデバイス101は、Basic DLW期間での通信を終了するが、DW期間での通信を継続すると判定したものとする。この結果、NANデバイス101は、以降のDW期間での信号の送受信を継続し(S1309)、その一方で、以降のDLW期間では通信を行わず、例えばRF機能をオフとする。これによって、NANデバイス101の消費電力を低減することができる。

このように、本実施形態では、NANデバイスは、DLW期間における通信を終了する場合には、Data link schedule tear downを明示的に送信する。これにより、NANデバイスは、必要以上に長くDLW期間での通信が可能な状態を維持することを防ぐことができ、自身の、ひいては通信の相手装置の、消費電力を低減することができる。例えば、NANデバイス101のユーザがチャットルームを退室した場合、NANデバイス101は、チャットの相手装置であったNANデバイス103へ、Data link schedule tear down信号を送信する。これにより、NANデバイス103は、NANデバイス101との間で設定されたDLW期間での通信を直ちに終了することが可能となる。

また、NANデバイスは、DLW期間での通信は終了してもDW期間での信号送受信を継続することができる。これにより、例えば、NANデバイス101のチャットアプリケーションが、NANデバイス102又は103のチャットアプリケーションとの通信の開始(再開)時のサービス発見を高速に実行することが可能となる。また、NANデバイスは、他のアプリケーションによるサービスの探索が行われている間に、チャットアプリケーションに係る通信を終了する場合、その探索を継続したままチャットアプリケーションのDLW期間での通信を終了することができる。

また、NANデバイスは、DLW期間を用いて複数のサービスに関する通信を行っている場合、大量のデータを送受信していたアプリケーションがDLW期間での通信を終了したことに応じて、通信に用いるDLW期間を減らすことができる。これによっても、NANデバイスの電力消費を抑えることが可能となる。

なお、上述の実施形態では、Service data link tear down及びData link schedule tear downを送信する側の処理について説明したが、受信側でもほぼ同様の処理を行う。ここではNANデバイス101及びNANデバイス103がDLW期間を設定して通信しており、NANデバイス101が通知を送信したものとしている。このとき、NANデバイス103は、Service data link tear downを受信すると、セッションが終了したことを認識し、図13のS1304からの処理を行うことができる。なお、この場合、NANデバイス103からNANデバイス101に対してService data link tear downを送信する必要はない。またNANデバイス103は、Data link schedule tear downを受信した場合、NANデバイス101とのDLW期間での通信は遮断されたと判定し、S1308からの処理を実行することもできる。このときも、NANデバイス103は、NANデバイス101に対してData link schedule tear downを送信する必要はない。

NANデバイス101と、NANデバイス102及び103のそれぞれとの間で設定されるBasic DLWの期間が等しく、他のDLW期間が異なる場合について検討する。このときに、NANデバイス101は、NANデバイス102及び103との間で設定したDLW期間における通信を同時に終了するものとする。この場合、NANデバイス101は、NANデバイス102及び103のそれぞれに送信すべきData link schedule tear downを、Basic DLW期間において、まとめて1回で送信してもよい。これによれば、NANデバイス101が多数のNANデバイスとの間でDLW期間における通信を行っていた場合であっても、多くの通信帯域を使用することなく、DLW期間での通信を終了することができる。

本実施形態では、NANデバイス101は、Service data link tear downを送信した後、NANデバイス103が同じ通知(又は応答)を送り返すのを待たなかったが、これが送られてくるのを待ち受けてもよい。この場合、NANデバイス101は、DLWでの通信の終了の通知を送った場合でも、NANデバイス103が送信を望む情報が残っていたときに、NANデバイス103が送信したその情報を受け取ってからDLW期間での通信を終了することができる。また、NANデバイス101は、NANデバイス103からの通知を待ち受ける場合であっても、通知がないままで一定時間が経過したことに応じて、DLW期間での通信を終了してもよい。

また、本実施形態では、NANデバイス101は、Service data link tear down及びData link schedule tear downをDLW期間において送信したが、DW期間において送信してもよい。

<その他の実施形態> 本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。

301:無線LAN制御部、302:NAN制御部、303:NANデータリンク確立制御部、304:NANデータリンク通信制御部、305:アプリケーション制御部、306:UI制御部、307:記憶部

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