キャリアアグリゲーションシナリオ用の動的アンテナチューナ設定

申请号 JP2015022281 申请日 2015-02-06 公开(公告)号 JP6100812B2 公开(公告)日 2017-03-22
申请人 アップル インコーポレイテッド; 发明人 タベット,タリク; ダムジ, ネィビッド; フー, ミン; ムッケ, クリスティアン ダブリュー.; マッジギ, ヴィネイ アール.; ムジタバ, スイェド エー.; セベニ, ジョンソン オー.;
摘要
权利要求

モバイル無線通信機器の無線周波数回路を調整する方法であって、前記方法は前記モバイル無線通信機器が、 1つ以上のダウンリンク通信を無線ネットワークから受信することと、 キャリアアグリゲーションが有効かどうかを判定することと、 キャリアアグリゲーションが有効でない場合に、デフォルト設定値に基づいて前記無線周波数回路を調整することと、 キャリアアグリゲーションが有効な場合に、 キャリアアグリゲーションに用いられる主コンポーネントキャリアおよび副コンポーネントキャリアについての無線周波数状況を、前記無線ネットワークから前記モバイル無線通信機器へのダウンリンク方向で評価することと、ここで、前記主コンポーネントキャリアは前記モバイル無線通信機器から前記無線ネットワークへのアップリンク通信にも用いられ、 前記主コンポーネントキャリアを通じたアップリンク通信が電の制約を受けているかどうかを判定することと、 前記主コンポーネントキャリアを通じたアップリンク通信が電力の制約を受けている場合、前記主コンポーネントキャリアを通じた通信についての前記無線周波数回路を通じた電力伝送を最大化するために、前記無線周波数回路のパスバンドフィルタの中央周波数を、前記主コンポーネントキャリアの第1中央無線周波数に対応するように調整することと、 前記主コンポーネントキャリアを通じたアップリンク通信が電力の制約を受けていない場合、前記主コンポーネントキャリアおよび前記副コンポーネントキャリアの両方の組み合わせを通じた通信についての前記無線周波数回路を通じた電力伝送を最大化するために、前記無線周波数回路の前記パスバンドフィルタの前記中央周波数を、前記主コンポーネントキャリアと前記副コンポーネントキャリアとの間の第2中央無線周波数に対応するように調整することと、を少なくとも有することを特徴とする方法。前記無線周波数回路を調整することが、前記無線周波数回路の無線周波数部品群を1つ以上のアンテナにマッチングさせることを有することを特徴とする請求項1記載の方法。前記主コンポーネントキャリアを通じたアップリンク通信が電力の制約を受けている場合、前記無線周波数回路は、ダウンリンクおよびアップリンク通信の両方のために前記主コンポーネントキャリアによって用いられる無線周波数群上で、前記無線周波数回路に接続された1つ以上のアンテナによる前記主コンポーネントキャリアを通じた通信についての電力伝送を最大化するように調整される、ことを特徴とする請求項1記載の方法。前記主コンポーネントキャリアを通じたアップリンク通信が電力の制約を受けていない場合、前記無線周波数回路は、前記主コンポーネントキャリアおよび前記副コンポーネントキャリアの両方によって用いられる無線周波数群上で、前記無線周波数回路に接続された1つ以上のアンテナを通じた、前記主コンポーネントキャリアおよび前記副コンポーネントキャリアの両方の組み合わせを通じた通信についての電力伝送を最大化するように調整される、ことを特徴とする請求項1記載の方法。前記モバイル無線通信機器は、アップリンク送信電力ヘッドルームが電力ヘッドルーム閾値未満であるか、アップリンク送信電力レベルが送信電力閾値を超える場合に、前記主コンポーネントキャリアを通じたアップリンク通信が電力の制約を受けていると判定することを特徴とする請求項1記載の方法。前記モバイル無線通信機器は、アップリンク性能判定基準がアップリンク性能閾値未満であり、ダウンリンク性能判定基準がダウンリンク性能閾値を超える場合に、前記主コンポーネントキャリアを通じたアップリンク通信が電力の制約を受けていると判定することを特徴とする請求項1記載の方法。前記モバイル無線通信機器は、ダウンリンク受信信号強度がダウンリンク信号強度閾値を超え、アップリンクランダムアクセスチャネル(RACH)の失敗が複数回発生している場合に、前記主コンポーネントキャリアを通じたアップリンク通信が電力の制約を受けていると判定することを特徴とする請求項1記載の方法。無線周波数フロントエンドの無線周波数回路を動的に調整するように構成された無線通信機器であって、 少なくとも1つのアンテナと、少なくとも1つのアンテナに接続される少なくとも1つの無線周波数コンポーネントブロックとを有する前記無線周波数フロントエンドと、 前記無線周波数フロントエンドを通じて無線周波数信号を受信および送信するための、送受信器およびベースバンドプロセッサと、を有し、 前記ベースバンドプロセッサが、 1つ以上のダウンリンク通信を無線ネットワークから受信し、 キャリアアグリゲーションが有効かどうかを判定し、 キャリアアグリゲーションが有効でない場合に、デフォルト設定値に基づいて前記無線周波数フロントエンドを調整し、 キャリアアグリゲーションが有効な場合に、 キャリアアグリゲーションに用いられる主コンポーネントキャリアおよび副コンポーネントキャリアについての無線周波数状況を、前記無線ネットワークから前記無線通信機器へのダウンリンク方向で評価し、ここで、前記主コンポーネントキャリアは前記無線通信機器から前記無線ネットワークへのアップリンク通信にも用いられ、 前記主コンポーネントキャリアを通じたアップリンク通信が電力の制約を受けているかどうかを判定し、 前記主コンポーネントキャリアを通じたアップリンク通信が電力の制約を受けている場合、前記主コンポーネントキャリアを通じた通信についての前記無線周波数フロントエンドを通じた電力伝送を最大化するために、前記無線周波数フロントエンドのパスバンドフィルタの中央周波数を、前記主コンポーネントキャリアの第1中央無線周波数に対応するように調整し、 前記主コンポーネントキャリアを通じたアップリンク通信が電力の制約を受けていない場合、前記主コンポーネントキャリアおよび前記副コンポーネントキャリアの両方の組み合わせを通じた通信についての前記無線周波数フロントエンドを通じた電力伝送を最大化するために、前記無線周波数フロントエンドの前記パスバンドフィルタの前記中央周波数を、前記主コンポーネントキャリアと前記副コンポーネントキャリアとの間の第2中央無線周波数に対応するように調整する、 ように構成されることを特徴とする無線通信機器。前記ベースバンドプロセッサは、前記無線周波数フロントエンドの無線周波数部品群を前記少なくとも1つのアンテナに少なくともマッチングさせることにより前記無線周波数フロントエンドを調整することを特徴とする請求項8記載の無線通信機器。前記主コンポーネントキャリアを通じたアップリンク通信が電力の制約を受けている場合、前記無線周波数フロントエンドは、ダウンリンクおよびアップリンク通信の両方のために前記主コンポーネントキャリアによって用いられる無線周波数群上で、前記無線周波数フロントエンドの前記少なくとも1つのアンテナを通じた、前記主コンポーネントキャリアを通じた通信についての電力伝送を最大化するように調整されることを特徴とする請求項9記載の無線通信機器。前記主コンポーネントキャリアを通じたアップリンク通信が電力の制約を受けていない場合、前記無線周波数フロントエンドは、前記主コンポーネントキャリアおよび前記副コンポーネントキャリアの両方によって用いられる無線周波数群上で、前記無線周波数フロントエンドの前記少なくとも1つのアンテナを通じた、前記主コンポーネントキャリアおよび前記副コンポーネントキャリアの両方の前記組み合わせを通じた通信についての電力伝送を最大化するように調整されることを特徴とする請求項8記載の無線通信機器。前記ベースバンドプロセッサは、アップリンク送信電力ヘッドルームが電力ヘッドルーム閾値未満であるか、アップリンク送信電力レベルが送信電力閾値を超える場合に、前記主コンポーネントキャリアを通じたアップリンク通信が電力の制約を受けていると判定することを特徴とする請求項8記載の無線通信機器。前記ベースバンドプロセッサは、アップリンク性能判定基準がアップリンク性能閾値未満であり、ダウンリンク性能判定基準がダウンリンク性能閾値を超える場合に、前記主コンポーネントキャリアを通じたアップリンク通信が電力の制約を受けていると判定することを特徴とする請求項8記載の無線通信機器。前記ベースバンドプロセッサは、ダウンリンク受信信号強度がダウンリンク信号強度閾値を超え、アップリンクランダムアクセスチャネル(RACH)の失敗が複数回発生している場合に、前記主コンポーネントキャリアを通じたアップリンク通信が電力の制約を受けていると判定することを特徴とする請求項8記載の無線通信機器。無線通信機器に実装されている1つ以上のプロセッサで実行された際に、前記無線通信機器に方法を実施させるコンピュータプログラムであって、前記方法が、 1つ以上のダウンリンク通信を無線ネットワークから受信することと、 キャリアアグリゲーションが有効かどうかを判定することと、 キャリアアグリゲーションが有効でない場合に、デフォルト設定値に基づいて前記無線通信機器の無線周波数フロントエンドの無線周波数回路を調整することと、 キャリアアグリゲーションが有効な場合に、 キャリアアグリゲーションに用いられる主コンポーネントキャリアおよび副コンポーネントキャリアについての無線周波数状況を、前記無線ネットワークから前記無線通信機器へのダウンリンク方向で評価することと、ここで、前記主コンポーネントキャリアは前記無線通信機器から前記無線ネットワークへのアップリンク通信にも用いられ、 前記主コンポーネントキャリアを通じたアップリンク通信が電力の制約を受けているかどうかを判定することと、 前記主コンポーネントキャリアを通じたアップリンク通信が電力の制約を受けている場合、前記主コンポーネントキャリアを通じた通信についての前記無線周波数回路を通じた電力伝送を最大化するために、前記無線周波数回路のパスバンドフィルタの中央周波数を、前記主コンポーネントキャリアの第1中央無線周波数に対応するように調整することと、 前記主コンポーネントキャリアを通じたアップリンク通信が電力の制約を受けていない場合、前記主コンポーネントキャリアおよび前記副コンポーネントキャリアの両方の組み合わせを通じた通信についての前記無線周波数回路を通じた電力伝送を最大化するために、前記無線周波数回路の前記パスバンドフィルタの前記中央周波数を、前記主コンポーネントキャリアと前記副コンポーネントキャリアとの間の第2中央無線周波数に対応するように調整することと、 を有することを特徴とするコンピュータプログラム。前記主コンポーネントキャリアを通じたアップリンク通信が電力の制約を受けている場合、前記無線周波数回路は、ダウンリンクおよびアップリンク通信の両方のために前記主コンポーネントキャリアによって用いられる無線周波数群上で、前記無線周波数回路に接続された1つ以上のアンテナによる前記主コンポーネントキャリアを通じた通信についての電力伝送を最大化するように調整される、ことを特徴とする請求項15記載のコンピュータプログラム。前記主コンポーネントキャリアを通じたアップリンク通信が電力の制約を受けていない場合、前記無線周波数回路は、前記主コンポーネントキャリアおよび前記副コンポーネントキャリアの両方によって用いられる無線周波数群上で、前記無線周波数回路に接続された1つ以上のアンテナを通じた、前記主コンポーネントキャリアおよび前記副コンポーネントキャリアの両方の組み合わせを通じた通信についての電力伝送を最大化するように調整される、ことを特徴とする請求項15記載のコンピュータプログラム。前記無線通信機器は、アップリンク送信電力ヘッドルームが電力ヘッドルーム閾値未満であるか、アップリンク送信電力レベルが送信電力閾値を超える場合に、前記主コンポーネントキャリアを通じたアップリンク通信が電力の制約を受けていると判定することを特徴とする請求項15記載のコンピュータプログラム。前記無線通信機器は、アップリンク性能判定基準がアップリンク性能閾値未満であり、ダウンリンク性能判定基準がダウンリンク性能閾値を超える場合に、前記主コンポーネントキャリアを通じたアップリンク通信が電力の制約を受けていると判定することを特徴とする請求項15記載のコンピュータプログラム。前記無線通信機器は、ダウンリンク受信信号強度がダウンリンク信号強度閾値を超え、アップリンクランダムアクセスチャネル(RACH)の失敗が複数回発生している場合に、前記主コンポーネントキャリアを通じたアップリンク通信が電力の制約を受けていると判定することを特徴とする請求項15記載のコンピュータプログラム。

说明书全文

ここで説明される実施形態は概して無線通信に関し、特にはキャリアアグリゲーションシナリオ用にアンテナ設定を動的にチューニングするための手順に関する。

第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)ロングタームエボリューション(LTE)およびLTEアドバンスト(LTE-A)規格を実装する新しい無線アクセス技術システムを用いた第4世代(4G)セルラネットワークが急速に進展しており、米国内外に配備されつつある。LTE−A規格は、以前のLTEバージョンでは不可能なデータレートを累積的に実現するマルチキャリアシステムの帯域要求を満たすための、複数のコンポーネントキャリア(CCs)を集約するモードを含んでいる。無線通信機器は、複数の無線周波数帯で複数のコンポーネントキャリアを用いて無線周波数通信を送信および/または受信可能な、設定可能(configurable)な無線周波数(RF)回路を備えている。設定可能な無線周波数回路用の固定設定、例えば主コンポーネントキャリアのみを用いて通信を最大化するように調整された設定は、複数のコンポーネントキャリアによるキャリアアグリゲーションが用いられる場合に最適なパフォーマンスを提供できない。

したがって、ダウンリンク通信性能およびアップリンク通信性能の両方を提供するように、性能判定基準を含む無線周波数状況の監視に基づいて無線通信機器の設定可能な無線周波数回路の設定を適合させる手法に対する必要性が存在する。この点について、キャリアアグリゲーションを用いるLTE−Aネットワークで稼動する無線通信機器の1つ以上のアンテナに接続された無線周波数回路を動的に調整することは有用であろう。

無線通信機器の無線周波数フロントエンドの無線周波数回路を動的に調整するための装置および方法を説明する。無線通信機器は、実施形態によってはロングタームエボリューション(LTE)やロングタームエボリューションアドバンス(LTE-A)無線通信プロトコル、に従って動作する、キャリアアグリゲーションを用いる無線ネットワークから、ダウンリンク通信を受信する。代表的な実施形態において、キャリアアグリゲーションは主コンポーネントキャリアおよび副コンポーネントキャリアを用いる。主コンポーネントキャリアおよび副コンポーネントキャリアは、共通の無線周波数帯内で隣接していてもしていなくてもよく、また、2つの別個の無線周波数帯に存在して非隣接であってもよい。キャリアアグリゲーションが有効でない場合、無線通信機器は、(例えばキャリアアグリゲーションを用いずに動作する際のダウンリンク方向、アップリンク方向、あるいは両方向における通信に最適化された)デフォルト設定値群に基づいて無線周波数回路を調整する。キャリアアグリゲーションが有効な場合、無線通信機器はキャリアアグリゲーションに用いられる主コンポーネントキャリアおよび副コンポーネントキャリアに関する無線周波数状況を評価し、無線周波数回路を、アップリンクが電の制約を受けているかどうか、ダウンリンク通信が電力の制約を受けているかどうか、あるいはアップリンクおよびダウンリンク通信の両方が電力の制約を受けているかどうか、に基づいて調整する。無線通信機器は、主コンポーネントキャリアを通じた受信または送信電力伝送を最大化するか、主コンポーネントキャリアおよび副コンポーネントキャリアの両方の組み合わせを通じた受信電力伝送を最大化するように、無線通信機器の無線周波数フロントエンド内の無線周波数コンポーネントブロック群を1つ以上のアンテナ群にマッチングさせることにより、無線周波数回路を調整する。一部の実施形態において無線通信機器は、ダウンリンクデータレート、ダウンリンクデータ性能指標、ダウンリンク信号強度または信号品質、アップリンクデータレート、アップリンクデータ性能指標、またはこれらの組み合わせを最大化するように無線周波数回路を調整する。アップリンク通信が電力の制約を受けている場合、無線通信機器は主コンポーネントキャリアによる最適な性能のために無線周波数回路を調整し、アップリンク通信が電力の制約を受けていない場合、無線通信機器はキャリアアグリゲーションに用いられる主および副コンポーネントキャリアの組み合わせによる最適な性能のために無線周波数回路を調整する。

この概要は、ここで説明される主題のいくつかの態様の基礎的な理解を提供するために一部の例示的な実施形態を要約することのみを目的として提供されたものである。従って、上述した特徴は単なる例であって、多少なりとも本明細書で説明される主題の範囲または精神を狭めるものとして解すべきものでないことを理解すべきである。本明細書で説明する主題の他の特徴、態様、および利点は、以下の詳細な説明、図面、および特許請求の範囲から明らかになるであろう。

本発明の他の態様および利点は、説明される実施形態の原理を例示として図示する添付図面と共に以下の詳細な説明から明らかになるであろう。

説明される実施形態およびその利点は、以下の説明ならびに添付図面に関して最もよく理解されるであろう。これらの図面は必ずしも一定の縮尺で描かれておらず、また、これら図面は本開示の時点で当業者によってなされ得る形態および詳細において予測可能な修正を限定もしくは排除することを意図するものでは決してない。

複数のユーザ装置機器(UEs)をサポートし、ロングタームエボリューション(LTE)およびLTEアドバンスト(LTE A)ネットワークセルを含んだ、本開示の様々な実施形態に適合する無線通信ネットワークを示す図である。

キャリアアグリゲーションシナリオにおいて主キャリアセルおよび2つの副キャリアセルと通信している、本開示の様々な実装に適合するLTE-A準拠のユーザ機器(UE)を示す無線通信ネットワーク図である。

2つの帯域内(intra-band)コンポーネントキャリア(CC)周波数リソース図および1つの帯域間(inter-band)CC周波数リソース図を表す、本開示の様々な実装に適合する3通りのキャリアアグリゲーション表現を示す図である。

本開示の様々な実施形態に適合する無線通信機器のブロック図である。

本開示の様々な実装に適合するLTEネットワークにおける、UEと、キャリアアグリゲーション用のネットワークコンポーネントキャリア群とのデータおよびシグナリング通信の図である。

本開示の様々な実施形態に適合する、キャリアアグリゲーションを用いるUEのための代表的なアンテナチューナ設定を示す図である。

本開示の様々な実施形態に適合する、キャリアアグリゲーションを用いるUEのための別の代表的なアンテナチューナ設定を示す図である。

本開示のいくつかの実施形態に適合する、UEでアンテナチューナ設定を動的に選択するための手順を示すフローチャートである。

本開示のいくつかの実施形態に適合する、UEでアンテナチューナ設定を動的に選択するための手順を示す別のフローチャートである。

本開示のいくつかの実施形態に適合する、UEでアンテナチューナ設定を動的に選択するための手順を示すさらに別のフローチャートである。

ダウンリンク動作状況、アップリンク動作状況、またはそれらの両方に基づいてモバイル無線機器でアンテナチューナ設定を動的に選択する代表例をここで提供する。これらの例は、本開示の主題に文脈を追加するとともに、主題の理解を助けるために提供されている。本開示は、ここで説明する具体的な詳細の一部を用いて、あるいは用いずに実施されうることは明らかであろう。さらに、ここに開示され、また対応する図面に示される主題は、同様の利点および結果を実現するために、本開示の精神および範囲の中で様々な修正および/または変更を行うことが可能である。

本節では、本開示の一部を形成するとともに、ここで説明する実施形態に対応する様々な実装を図として示す添付図面を参照する。本開示の実施形態は当業者がそれを実施できるように十分な詳細さで説明されるが、これらの例は過度に限定的に、あるいは全てを含むものとして解すべきものでないことを理解すべきである。

ここで説明される様々な実施形態によれば、用語”無線通信機器”、”無線機器”、”モバイル機器”、”移動機”、および”ユーザ機器(UE)”は、本開示の様々な実施形態に関する手順を実行可能であってよい一般的な民生用電子機器の1つまたは任意数を記述するために置換可能に用いられ得る。様々な実装によれば、これら民生用電子機器の任意の1つは携帯電話機またはスマートフォン、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータまたはネットブックコンピュータ、メディアプレーヤ機器、電子書籍機器、MiFI(登録商標)機器、および第4世代(4G)LTEおよびLTEアドバンスト(LTE-A)通信能力を有する他の任意の形式の電子コンピュータ機器に関するものであってよい。様々な実施形態において、これらの能力は、キャリアアグリゲーションをサポートするLTEベースの任意の形式の無線アクセス技術(RAT)を用いることが可能な様々な4Gネットワークセル内で個々のUEが通信することを可能にするであろう。

さらに、ここで説明するUEは、別の第3世代(3G)および/または第2世代(2G)RATを用いても通信できるマルチモード無線通信機器として構成されうることを理解されたい。これらのシナリオでは、マルチモードUEはより低速なデータレートスループットを提供する3Gレガシネットワークよりも高速なデータレートスループットを提供するLTEまたはLTE−Aネットワークに優先的にアタッチするように構成されてよい。例えば、一部の実装において、4G対応のUEは、LTEおよびLTE−Aネットワークが利用できない場合に3Gレガシネットワーク、例えばHSPA+(Evolved High Speed Packet Access)ネットワークや符号分割多元接続(CDMA)2000EV−DO(Evolution Data Only)ネットワークにフォールバックするように構成されてよい。

3GPP LTEおよび/またはLTE−A無線通信プロトコルに準拠して通信する無線通信機器は、例えば無線ネットワークの複数のセルからダウンリンク方向へのスループットを向上させるためにキャリアアグリゲーションを用いることができる。無線ネットワークの第1セル(主セル)に関連付けられてよい主コンポーネントキャリアは、無線ネットワークから無線通信機器へのダウンリンク通信と、無線通信機器から無線ネットワークへのアップリンク通信との組み合わせに対して用いられてよい。無線ネットワークの第2セル(副セル)に関連付けられてよい副コンポーネントキャリアは、ダウンリンク通信に対して用いられてよい。複数のコンポーネントキャリアを用いたキャリアアグリゲーションを通じて実現可能な集約データレートは、1つのコンポーネントキャリアだけを用いて実現可能なデータレートを上回ることができる。しかしながら、アップリンク通信は主コンポーネントキャリアを用いるように制限することができ、各コンポーネントキャリアの中心周波数は1つの無線周波数帯に配置されてもよいし、2つの無線周波数帯に分かれて配置されてもよい。無線通信機器の無線周波数回路は、無線周波数の範囲を通じた電力伝送を最大化するため、無線周波数回路が接続される1つ以上のアンテナの無線周波数転送特性と合致するように調整(adjust)もしくは”チューン(tune)”可能である。”静的”設定は、主コンポーネントキャリアを通じた電力伝送を最大化することを可能にするが、副コンポーネントキャリアを通じた電力伝送は準最適となるであろう。”動的”設定は、無線周波数動作状況に基づいて、ダウンリンク方向、アップリンク方向、またはアップリンクおよびダウンリンク方向の両方における電力伝送を最大化するように無線周波数回路を調整することを可能にする。例えば、無線通信機器は、主コンポーネントキャリアを利用可能なアップリンク通信が、アップリンク性能が適正な動作のために、妥協可能な程度、望ましい性能未満に、または必要条件未満となるような”電力制限”もしくは、”制約を受けている”状態かどうかを判定することができる。アップリンク通信の性能が制限されていない場合、無線通信機器は、キャリアアグリゲーションのために複数のコンポーネントキャリアを用いる場合に、ダウンリンク方向における電力伝送を最大化するように無線周波数回路を調整することができる。アップリンク通信の性能が制限されている(あるいは同様に”電力制限されている”または”制約を受けている”)場合、無線通信機器は主コンポーネントキャリアを通じたダウンリンク方向および/またはアップリンク方向における電力伝送を最大化するように無線周波数回路を調整することができる。無線通信機器は、アップリンクおよび/またはダウンリンク通信が電力制限されているかどうか、制約を受けているかどうか、あるいは性能が制限されているかどうかを判定するために、無線周波数状況、信号品質、データ通信性能、リンク安定性などを監視する1つ以上の性能判定基準を用いることができる。

図1は、3GPP E−UTRA(Evolved Universal Terrestrial Radio Access)エアインタフェースに準拠した無線通信システム100であって、それぞれが、例えば無線塔として図示され、かつLTE X2インタフェースを通じて互いに通信可能な拡張ノードB(eNodeB)基地局を有する、1つのLTEネットワークセル102および2つのLTE−Aネットワークセル104a〜bを含んだ(これらを含むものに限定されないが)無線通信システム100を示している。さらに、E−UTRA準拠通信システム100は、EPC(evolved packet core)の一部としてLTE S1インタフェースを通じてLTEおよびLTE−AセルeNodeB102および104a〜bのいずれとも通信可能な、任意数のモビリティ管理エンティティ(MME)108a〜c、在圏ゲートウェイ(S-GW)108a〜c、PDNゲートウェイ(P-GW)110などを含んでよい。さらに、E−UTRA通信システム100は、LTEおよびLTE−Aセル102および104a〜bの1つ以上のeNodeBを通じていつでも無線通信サービスを受けることのできる任意数のUE106を含むことができる。一例として、UE106は1つ以上のLTE−Aセル104a〜b内に位置していてよい。図1には明示していないが、LTEおよびLTE−Aセルは各セルがカバーする地理的領域の少なくとも一部が重複していてもよい。

様々な実施形態において、キャリアアグリゲーションをサポート可能な、MME108a〜cのいずれか、および/またはLTE−Aセル104a〜bのeNodeB基地局のいずれかは、DLにおいてUE106のいずれかに制御プレーンデータを通信するように構成されてもよい。あるいは、UE106のいずれかが、制御プレーンデータをアップリンク方向でLTE−Aセル104a〜bのいずれかを通じて制御プレーンデータを通信可能であってよい。この点に関し、MME108a〜bは、eNodeBを介し、EPCおよびUE106との間で、ネットワークの他の無線アクセスネットワーク(RAN)部分を越えてノンアクセスストラタム(NAS)制御プレーンシグナリングを実行することができることを理解されたい。一部のシナリオにおいて、NASシグナリングは(それを含むものに限定されないが)対応する呼び出しメッセージを生成し、様々な通信セキュリティ機能などを実施することで、アイドルモードから接続モード(およびその逆)へのUE遷移を行わせながらユーザ機器(UE)に関する無線ベアラコネクションを確立ならびに解放するための手順を含むことができる。さらに、LTE−Aセル104a〜bのeNodeB基地局は、システム情報のブロードキャスト、MMEから発生する呼び出しメッセージの送信、UEのためのRRCパラメータ設定、ネットワークセル選択および再選択手順、UEのための測定および報告設定などを含む(ただしこれらを含むものに限定されない)、様々な無線リソース制御(RRC)制御プレーンシグナリング手順を実行するように構成されてよい。様々な実装において、RRC制御プレーンシグナリングは、以下のLTEプロトコルエンティティまたはレイヤの1つ以上とともに実行されてよい:PDCP(packet data convergence protocol)、無線リンク制御(RLC)レイヤ、メディアアクセス制御(MAC)レイヤ、および物理(PHY)レイヤ。制御プレーンデータおよびユーザプレーンデータはMACレイヤ内で多重化されてから、PHYレイヤを通じ、ダウンリンク(DL)またはアップリンク(UL)で、例えば同じ送信時間間隔(TTI)内で意図された宛先へ通信されてよいことを理解されたい。

図2は、キャリアアグリゲーションシナリオにおいて主セル210ならびに2つの副セル212および214と通信中のLTE−A対応UE206を示す無線通信ネットワーク図200を示す。一例として、また3GPP LTE−Aリリース10,11および12に関して、LTE−A対応UE206は制御プレーンデータを、例えば通信帯域幅および/またはスループットを向上するためにまとめてUE206に提供することのできる通信用の別個のコンポーネントキャリア(CC)であってよい3つの別個の無線周波数リソースF1,F2,およびF3を用いて無線カバレージを提供するために複数のアンテナを有することのできるeNodeB基地局202と(例えばDLまたはULで)通信することができる。LTE−A対応UE206の観点からすると、CC無線周波数リソースF1は主セル210に関連づけることができ、CC無線周波数リソースF2は副セル212に関連づけることができ、CC無線周波数リソースF3は副セル214に関連づけることができる。周波数リソースシナリオに関する別のキャリアアグリゲーション表現を、図3A,3B,および3Cについてさらに説明する。

通信ネットワーク図200はさらに、キャリアアグリゲーションを用いた通信をすることができない3GPP LTEリリース8および9に関する2つのLTE対応UE204および208を図示している。一例として、LTE対応UE204は制御プレーンデータをeNodeB基地局202と(DLまたはULで)1つの周波数リソースF1を用いて通信することができ、LTE対応UE208は制御プレーンデータをeNodeB基地局202と(DLまたはULで)1つの周波数リソースF3を用いて通信するように構成されてよい。単独キャリアシナリオにおいて、LTE対応UE204および208は、達成可能なデータレートスループットをDLでおよそ300Mビット/秒、ULでおよそ75Mビット/秒に制限する個別の標準指定システム帯域幅を用いる(実際の実装は変化しうる)。

図3A,3B,3Cは、様々な実施形態に適合する、2つの、帯域内(intra band)CC周波数リソース図300および310と、1つの、帯域間(inter band)CC周波数リソース図320の、3つの別個のキャリアアグリゲーション表現を示している。一般に理解されるように、3GPP LTEおよびLTE−Aにおいて、個々のCCは1.4MHzから20MHzに広がる様々な指定システム帯域幅308で通信するように制限される。そのため、キャリアアグリゲーションシナリオで実現可能な累積的なDLデータレートスループットは、およそ300Mビット/秒の単独キャリアデータレートスループットを、用いられるCCの数(LTE−Aでは5CCまで)に関する乗数によって増加させることができる。

図3Aは帯域内隣接CC周波数リソース図300を示すキャリアアグリゲーション表現を示しており、集約されたCC302,304,306の各々は、同一サービスプロバイダ指定DL周波数帯であるバンドA内における自身の個別周波数リソースF1,F2,またはF3に関連づけられている。帯域内隣接CCシナリオにおいて、3つの周波数リソースF1,F2,およびF3は周波数領域において連続的なCC周波数である。図3Bは帯域内不連続CC周波数リソース図310を図示するキャリアアグリゲーション表現を示しており、集約CC312,314,および316の各々が、単独のDL周波数帯であるバンドA内で自身の個別周波数リソースF1,F2,およびF3に関連づけられている。しかし、帯域内不連続CCシナリオ310では、3つの周波数リソースF1,F2,およびF3はバンドA内の周波数領域内で1つ以上の介在周波数によってそれぞれが分離されたCC周波数であってよい。

図3Cは帯域間不連続CC周波数リソース図320を図示するキャリアアグリゲーション表現を示しており、集約CC322,324,および326の各々が、2つのサービスプロバイダ指定DL周波数帯であるバンドAおよびバンドBにまたがって存在する自身の個別周波数リソースF1,F2,およびF3に関連づけられている。帯域間不連続CCシナリオでは、バンドAの2つの周波数リソースF1およびF2は周波数領域内でバンドBの周波数リソースF3と隔離されたCC周波数であってよい。例えば、3GPP LTE−Aリリース10はLTE用のキャリアアグリゲーションを規定しており、LTE−Aリリース11および12は様々な帯域内CC帯域ペアリングを含む、様々なキャリアアグリゲーション拡張を説明している。通信サービスプロバイダは一般に、類似および非類似のライセンスされたLTE周波数スペクトル帯を用いて稼働していることを理解すべきである。例えば、米国内では、ベライゾン(登録商標)社のLTEネットワークがバンド13および4を用いて700および1700/2100Mhzの周波数スペクトルで稼働しており、一方でAT&T(登録商標)のLTEネットワークは周波数スペクトルでバンド17,4,および30を用いて700,1700/2100,および2300Mhzで稼働する。

LTE−Aを用いる電気通信ネットワークについて、以前のLTEバージョンとの動作互換性を持たせるために、LTE−A CCが以前のLTEバージョンの対応物と同等のシステム帯域幅を用いることが必要となりうる。そのため、LTE RAT間の互換性のために、単独のCC LTE−Aシステム帯域幅のピークは20MHzを上限とされうる。しかし、様々なキャリアアグリゲーションシナリオにおいて、LTE−A CCの集約群(aggregate set)は割り当てられたLTEスペクトル帯を1つ以上用いて最大100MHz(5CC×20MHz(LTE規格の最大システム帯域幅))の累積的な帯域幅を実現可能であってよい。一般に、LTE102および/またはLTE−A104a〜bネットワークセル内で稼動しているUEは、在圏セルシステム帯域幅と同一の動作帯域を用いる。この実装により、様々なサービス品質(QoS)を有する様々なUEデータタイプ通信をサポートするのに十分な無線リソースが割り当てられることを確保している。

図4は、無線通信機器(例えばUE106、LTE対応UE204/208、またはLTE−A対応UE206)の構成要素のブロック図400を示しており、1つ以上のプロセッサ404とメモリ406を有する処理回路402と、ベースバンドプロセッサ410、1つ以上の送受信器430、および一式のRFアナログフロントエンド回路436を有するRF回路408と、を備えている。本明細書において、回路、回路群、部品、コンポーネントブロックという用語は、一部の実施形態において、無線通信に用いられるデジタル信号、アナログ信号、またはデジタルデータユニットを処理および/または操作する、無線通信機器の1つ以上の動作単位(operational unit)を示すために交換可能に用いられる。例えば、代表的な回路は、デジタルデータユニットから送信される無線周波数アナログ波形への変換および/または受信したアナログ波形の中間アナログ形式および中間デジタル形式を含むデジタルデータユニットへの変換を行う様々な機能を実行可能な、図4に示されるような個々のブロックやブロックのグループ(または明示されていない他のグループ)を含む。

RF回路408は、1つ以上のアンテナの一式(例えば主アンテナ438およびダイバーシチアンテナ440であり、これらはそれをサポートするRF回路、例えば主RF Tx/Rx1 442回路およびダイバーシチRF Rx2 444回路と相互接続されてよい)を含むRFフロントエンド436を有することができる。主RF Tx/Rx1 442回路は、対応するアンテナ(例えば主アンテナ438、ダイバーシチアンテナ440、または主およびダイバーシチアンテナ338/440)を用いたアナログ信号の送信および/または受信と適合するように”チューン”することが可能なフィルタおよび他のアナログ部品を含むことができる。

一部の実施形態において、RFフロントエンド436は、ベースバンドプロセッサ410および/または処理回路402から直接、あるいはRF回路408の他の部品を介して間接的に通信される信号(例えばデジタル制御信号)によって制御することができる。制御信号は、例えば主コンポーネントキャリアおよび/または(複数の)副コンポーネントキャリアが用いる動作無線周波数に基づいて、測定された性能判定基準に基づいて、予め設定されたテーブルに基づいて、および/または、コンポーネントキャリア周波数の送信、コンポーネントキャリア周波数の受信、無線周波数帯による送信、および/または無線周波数帯による受信のためのRFフロントエンド436の部品の動作特性と適合するように部品を調整するための計算可能な設定に基づいて、RFフロントエンド436を動的に調整することができる。

いくつかの実施形態において、処理回路402および/またはベースバンドプロセッサ410は、無線通信機器で用いられる(1つ以上の)無線周波数通信チャネルに関する情報を提供可能な、信号電力レベル、ビット誤り率(BER)、ブロック誤り率(BLER)、受信信号符号電力(RSCP)、受信信号強度表示(RSSI)、または信号電力レベルおよび/または信号品質レベルの他の指標を求めるために、受信および/または送信RF信号について”実時間”性能を監視する。

いくつかの実施形態において無線通信機器は、ダウンリンク方向のスループット、アップリンク方向のスループット、またはそれらの組み合わせを最大化するようにRFフロントエンド436の設定を調整(チューン)することができる。無線通信機器は、(例えばキャリアアグリゲーションに用いられる1つ以上の特定のコンポーネントキャリア無線周波数に応じた)所定の無線周波数、および/またはキャリアアグリゲーションに用いられる特定の無線周波数帯における、無線周波数信号の電力伝送を最大化するようにRFフロントエンド436回路の送信特性および/または受信特性を適合させることができる。

いくつかの実施形態において、ベースバンドプロセッサ410は回路、例えばコーデック416、誤り訂正ブロック426、チャネル符号化ブロック428、モデム414、変調ブロック424、チャネル同期および補償ブロック422、デジタルフロントエンド412、デジタルフィルタ418、およびデジタルチューナ420を含み、これらは通信性能の状況を監視する処理要素(ハードウェア、ソフトウェア、および/またはそれらの組み合わせ)を含んでよい。ベースバンドプロセッサ410の回路は、受信した無線周波数信号の測定結果、監視されたビット/ブロック誤り率、および受信したシグナリング/制御メッセージの少なくとも1つに応じて、RFフロントエンド436のための設定を少なくとも部分的に決定することができる。

処理回路402および/またはベースバンドプロセッサ410は、様々な実装に適合して無線通信機器の1つ以上の機能について、実行および/または性能を制御するように構成されてよい。処理回路402および/またはRF回路408の処理回路は、例えばプロセッサ404および/またはベースバンドプロセッサ410で命令を実行することにより、1つ以上の実施形態に適合した動的アンテナチューナ調整を実行するための機能を提供することができる。この点に関し、処理回路402および/またはベースバンドプロセッサ410は様々な実装に適合して無線通信機器の1つ以上の機能について実行および/または性能を制御するように構成されてよく、従って、例えばRFフロントエンド436の部品の設定を動的に調整することにより、他の通信手順に加え、様々な実施形態に適合したダウンリンク(DL)およびアップリンク(UL)通信性能調整を実行するための機能を提供することができる。処理回路402はさらに、本開示の1つ以上の実施形態に従ったデータ処理、アプリケーションの実行、および/または他の機器機能を実行するように構成されてよい。

無線通信機器、または処理回路402およびベースバンドプロセッサ410のような、処理回路402の一部または部品は1つ以上のチップセットを有してよく、チップセットはそれぞれ任意数の結合されたマイクロチップを有してよい。処理回路402、ベースバンドプロセッサ410、および/または無線通信機器の1つ以上の他の構成要素もまた、ここで開示する様々なRFフロントエンド436最適化手順に関する機能を複数のチップセットを用いて実行するように構成されてよい。いくつかのシナリオにおいて、無線通信機器は、1つ以上の送受信器430を有するLTE−A対応UE106に付随したり、そのようなLTE−A対応UE106として用いられたりしてよい。

様々なシナリオにおいて、無線通信機器の処理回路402は1つ以上のプロセッサ404/410およびメモリ部品406を有してよい。処理回路402は、LTE対応ベースバンドプロセッサ410、1つ以上の無線通信送受信器430、およびRFフロントエンド436を有するRF回路408と通信していたり、接続されたりしてよい。いくつかの実装において、RF回路408はいくつかのRATタイプを用いて通信するように構成されてよい。例えば、RF回路408の実施形態のいくつかは、1つ以上のLTE−A RATを含む、様々なRATを用いて通信するように構成されてよい。

いくつかの実施形態において、プロセッサ404/410は様々な形態で構成されうる。例えば、プロセッサ404/410は任意数のマイクロプロセッサ、コプロセッサ、コントローラ、または、例えば特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、またはそれらの任意の組み合わせのような集積回路を含む、様々な他の計算または処理手段と連合してもよい。様々なシナリオにおいて、無線通信機器の複数のプロセッサ404は、互いに結合され、および/または互いに通信するように構成されてよく、以下でさらに説明するように、無線通信機器の送信および/または受信性能を向上させるよう、これらの部品が共同してRFフロントエンド436の動的調整を実行するように構成されてよい。

いくつかの実装において、プロセッサ404/410は命令を実行するように構成されることができ、命令はメモリ406に格納されたり、プロセッサ404/410からアクセス可能な他の機器メモリに格納されたりしてよい。そのため、ハードウェアまたはハードウェアとソフトウェアの組み合わせとして構成されても、ハードウェアまたはハードウェアとソフトウェアの組み合わせと共に構成されても、処理回路402のプロセッサ404および/またはRF回路408のベースバンドプロセッサ410は、ここで説明する様々な実装に基づいて構成された際に、実装に適合した動作を実行することが可能であろう。

様々な実施形態において、処理回路402のメモリ406は、一般的な揮発性または不揮発性メモリタイプであってよい複数のメモリデバイスを含むことができる。いくつかのシナリオにおいて、メモリ406は、通常のプログラム実行時にプロセッサ404によって実行されうる様々なコンピュータプログラム命令を格納することのできる恒久的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であってよい。この点に関し、メモリ406は、無線通信機器がここで説明する1つ以上の実施形態に適合した様々な機能を実行できるように、情報、データ、アプリケーション、命令などを格納するように構成されてよい。いくつかの実装において、メモリ406は、処理回路402のプロセッサ404ならびに無線通信機器の様々なデバイス部品に情報を受け渡すための1つ以上のシステムバスと通信する、および/または接続されてよい。一部の実施形態において、ここに説明する1つ以上の実施形態に適合した様々な機能の実行を提供するため、図示しないさらなるメモリがベースバンドプロセッサ410に含まれておよび/または付随してもよい。

図4の無線通信機器600に関して図示並びに説明した部品、デバイス要素、およびハードウェアの全てが本開示に必須とは限らず、従ってそれらのいくつかは理にかなった範囲で省略されたり、統合されたり、改変されたりしてもよいことを理解すべきである。さらに、いくつかの実装において、無線通信機器に関する素材(subject matter)は、図4に図示されたもの以外の部品、デバイス要素またはハードウェアを付加的または代替的に含むように構成されてもよい。

図5は、主コンポーネントキャリア(PCC)502(無線ネットワークの特定の”主”セルとのダウンリンクおよびアップリンク通信の両方を含んでよい)と、副コンポーネントキャリア(SCC)504(無線ネットワークの別の特定の”副”セルからのダウンリンク通信を提供してよい)との両方を用いる制御シグナリングおよびデータ通信のブロック図500を示している。例えばノンアクセスストラタム(NAS)シグナリングおよび無線リソース制御(RRC)シグナリングのためのコントロールプレーンシグナリングは、無線ネットワークから主コンポーネントキャリアを通じて無線通信機器、例えばユーザ機器(UE)506へ通信することができる。

UE506は、LTEおよび/またはLTE−A無線通信プロトコルに従って動作している無線ネットワークの1つ以上のeNodeB(基地局)と通信可能な、本明細書の別の箇所で説明したようなLTEおよび/またはLTE−A対応無線通信機器を備えることができる。UE506は、例えばLTE−Aキャリアアグリゲーション無線アクセス技術(RAT)を用いて、PCC502およびSCC504の両方で同時に無線ネットワークと通信可能であってよい。一部の実施形態において、ダウンリンク(DL)データはPCC502およびSCC504の両方を同時に用いて、すなわち、より多くの帯域幅および、より多くのダウンリンクデータレートおよび/またはスループット性能を提供するため、様々なLTE/LTE−A無線通信プロトコルに規定されているようなキャリアアグリゲーションの形態を用いて、無線ネットワークからUE506へ通信される。

いくつかの実施形態において、アップリンク(UL)データは、1つ以上のLTE/LTE−A無線通信プロトコルに従って、PCC502だけを用いて(SCC504を用いずに)UE506から無線ネットワークに通信される。従って、いくつかの実施形態において、UE506は、ダウンリンク方向では共用、隣接、あるいは別個の周波数帯における複数の並列周波数キャリアを用い、アップリンク方向では1つの周波数キャリアを用いるキャリアアグリゲーションモードを用いるように構成されてよい。いくつかの実施形態において、全てのレベル1(L1)物理(PHY)レイヤ制御データ通信510は、例えばデフォルト設定により、および/またはLTE/LTE−A無線通信プロトコルに従って、PCC502を用いて通信される。いくつかの実施形態では、セル間の”セル間”通信リンク514を用い、2つの個別セルを通じた、PCC502およびSCC504を用いたUEとのパケットデータの通信の調整が提供されてよい。

LTEリリース10(およびそれ以降のバージョンリリース)は、無線ネットワークの複数のセルと無線通信機器との間のダウンリンクおよび/またはアップリンク方向において、複数のコンポーネントキャリアの集約(アグリゲーション)を用いる、より広い送信帯域幅のサポートを提供する。各コンポーネントキャリアは、LTEリリース8でキャリアについて記述された構造との後方互換性を有する。キャリアアグリゲーションは、例えば図3Aの図300で示したような隣接する無線周波数スペクトル、または例えば図3Bおよび図3Cの図310/320で示したような非隣接無線周波数スペクトルを用い、より広い帯域幅(したがって、より高速なデータレート、高いスループット性能など)を提供するために用いることができる。非隣接コンポーネントキャリアは共通の周波数帯、例えば図3Bの図310で示されるような”バンドA”にあってもよいし、別個の複数の周波数帯、例えば図3Cの図320で示されるような”バンドA”および”バンドB”にあってもよい。

以下の説明について、無線通信機器は2つのアンテナ(例えば主アンテナ438およびダイバーシチアンテナ440)と、様々な無線周波数コンポーネントブロックをアンテナ438/440と相互接続可能なスイッチマトリックスと、例えば例えば送信(Tx)および受信(Rx1)能力を有することのできる主RFコンポーネントブロック442と、受信(Rx2)能力を有することのできるダイバーシチRFコンポーネントブロック444とを含むことができる。スイッチマトリックスは、例えば2つのコンポーネントキャリアのキャリアアグリゲーションを用いる2つのアンテナを通じたダウンリンク受信および、例えば1つのコンポーネントキャリアを用いる1つのアンテナを通じたアップリンク受信について、必要に応じてRFコンポーネントブロック442/444を2つのアンテナ438/440に接続可能にする。

いくつかの実施形態において、モバイル無線通信機器は、キャリアアグリゲーションを用いる複数のコンポーネントキャリアの受信および1つのコンポーネントキャリアを用いる送信について、必要に応じてスイッチマトリックスによって相互接続可能な複数のアンテナと複数のRFコンポーネントブロックを有することができる。いくつかの実施形態において、アップリンク通信は、アップリンクキャリアアグリゲーション(不図示)のために複数のコンポーネントキャリアを用いることができる。いくつかの実施形態において、RFコンポーネントブロック442/444は、主および/またはダイバーシチアンテナ438/440に接続される際、送信および/または受信特性を調整するためにベースバンドプロセッサ410(および/または処理回路402のプロセッサ404)によって供給される制御信号によって”チューン”することができる。

いくつかの実施形態において、ダウンリンク通信は共通のアンテナを通じて受信する2つのコンポーネントキャリアを用いる。例えば、キャリアアグリゲーションに用いられる主および副コンポーネントキャリアは、主RFコンポーネントブロック442に接続された主アンテナ438を通じて受信することができる。主RFコンポーネントブロック442が受信のために、主コンポーネントキャリアの特性だけに基づいて”チューン”される場合、主コンポーネントキャリア信号については電力伝送を最大化することができるが、副コンポーネントキャリアの受信については最適に満たないであろう。例えば、主コンポーネントキャリアに関する電力伝送が正規化値”1”に合致された場合、副コンポーネントキャリアに関する電力伝送は”1”未満となり得、場合によっては大幅に小さくなる。例えば、副コンポーネントキャリアは正規化された電力伝送値”1/2”、すなわち同じアンテナを通じて主コンポーネントキャリアによってもたらされる電力伝送値を3dB下回る値を実現できる。これは、主RFコンポーネントブロック442の特性を設定する際、副コンポーネントキャリアを顧みず、主コンポーネントキャリアに適合させたことによる不十分な電力伝送に起因する。

ダウンリンクスループットは、キャリアアグリゲーションを用いることにより、主および副コンポーネントキャリアの両方を用いたダウンリンクデータの受信に基づくことができるため、主コンポーネントキャリアおよび副コンポーネントキャリアの組み合わせを用いて実現できる総ダウンリンクスループットを最大化するための、主RFコンポーネントブロック442を主アンテナ438に”マッチ”させる設定は、ダウンリンク性能を向上させることができる。しかしながら、いくつかの実施形態においてアップリンク通信は主コンポーネントキャリアだけを用いて実現することができるため、ダウンリンク受信に用いるものと同じ主アンテナおよび主アンテナ438を通じた受信に”チューン”された主RFコンポーネントブロック442を用いたアップリンク送信電力伝送のマッチングは、アップリンク通信には最適とはならないことがある。

無線通信機器は、RFコンポーネントブロック442用の設定の選択によってアップリンクとダウンリンクの性能が釣り合うようにRFコンポーネントブロックをアンテナにマッチングさせる場合、キャリアアグリゲーションを用いた場合に実現されるダウンリンク性能とアップリンク性能との両方を考慮することができる。同様に、例えば多入力多出力(MIMO)受信および/または”ダイバーシチ”受信のために(すなわち、主アンテナを通じた第1ダウンリンク通信経路と同じ情報を受信可能な第2ダウンリンク通信経路を提供するために)ダイバーシチアンテナ440を用いる場合、モバイル無線通信は、十分な(場合によっては準最適かもしれない)アップリンク送信性能を確保しつつ最大ダウンリンク受信を確保するために、主RFコンポーネントブロック442およびダイバーシチRFコンポーネントブロック444の両方についての設定を”チューン”することができる。アップリンク送信性能が無線通信機器により、電力制限されていると決定されるような場合、すなわち、アップリンクが最大送信電力レベルまたはその近傍にあり、無線通信機器がアップリンク性能が低下したまたは低下したかもしれないと判定した場合、無線通信機器は、キャリアアグリゲーションを用いている場合にはダウンリンク性能への影響を最小化しながらアップリンク性能を向上させるためにRFコンポーネントブロック442および/またはダイバーシチRFコンポーネントブロック444の設定を調整することができる。

アップリンク通信は主コンポーネントキャリアを用いるため、主コンポーネントキャリア上の受信および送信を最大化するためのRFコンポーネントブロック442および/またはダイバーシチRFコンポーネントブロック444用の設定の選択は、最大アップリンク性能および(副コンポーネントキャリアについては準最適な設定であれば、ダウンリンクについては最適未満であろうが、)高レベルのダウンリンク性能を提供できる。例えば、ダウンリンク通信の確認応答や継続のためにACK/NACKや他のアップリンクメッセージが必要な場合、アップリンク性能はダウンリンク性能に間接的に影響を与えうる。そのため、状況によってダウンリンク性能はアップリンク性能に影響を受けうる。例えばキャリアアグリゲーションシナリオにおいて、主RFコンポーネントブロック442および/または副コンポーネントブロック444についての設定を主アンテナ438および/または副アンテナ440の特性に適合するように調整する際、アップリンク性能を考慮しながらダウンリンク性能を向上させる仕組みが望まれうる。主および副コンポーネントブロック442/444の設定の調整は、実施形態によってはチューナー設定の調整および/またはモバイル無線通信機器のRFフロントエンド436のアンテナチューナー設定の調整と呼ぶことができる。

RFフロントエンド436についての設定、例えば主および副コンポーネントブロック442/444の設定は、キャリアアグリゲーションを通じた複数のコンポーネントキャリアを用いるダウンリンク性能と、1つのコンポーネントキャリアを用いるアップリンク性能とを考慮することができる。いくつかの実施形態において、アップリンクコンポーネントキャリアおよび主ダウンリンクコンポーネントキャリアは主アンテナ438(および必要に応じてダイバーシチアンテナ440)に接続された同一のRFコンポーネントブロック(例えば主RFコンポーネントブロック442)を共用する。RFフロントエンド436についての設定は、(1)キャリアアグリゲーション(例えば有効か否か)、(2)(例えば様々な判定基準を用いて判定された)アップリンク性能、(3)(例えばキャリアアグリゲーションの考慮を含む、様々な判定基準を用いて判定された)ダウンリンク性能、(4)コンポーネントキャリア周波数値、および(5)コンポーネントキャリアに用いられる周波数帯、を考慮することができる。

アップリンク性能が電力制限されていないと判定される場合、両方のコンポーネントキャリアを用いる合成ダウンリンク性能を最大化する設定が選択される。両方のコンポーネントキャリアを通じたダウンリンク性能を最大化させる設定の決定には、例えば信号強度、信号品質、スループットデータレート、ダウンリンクビット誤り率、ダウンリンクブロック誤り率など、1つ以上の代表的なダウンリンク性能判定基準を用いることができる。アップリンク性能が電力制限されていると判定される場合、主コンポーネントキャリアを用いたダウンリンク性能を最大化する設定を選択することができる。アップリンクも主コンポーネントキャリアを使用可能であるため、いくつかの実施形態において、主コンポーネントキャリアを用いるダウンリンク性能の最大化により、アップリンク性能も向上しうる。

いくつかの実施形態において、アップリンクが電力制限されているかどうかの検出は、アップリンク送信電力設定値に基づくことができる。例えば、アップリンク送信電力レベルがアップリンク送信電力閾値より高ければ、モバイル無線機器はアップリンクが電力制限されていると見なすことができる。あるいは、またはさらに、モバイル無線機器は、アップリンク性能の測定結果に基づいて、例えば、ブロック誤り率閾値より高いアップリンクブロック誤り率(BELR)および/またはブロック誤り率の変化(例えば上昇)の検出によりアップリンクが電力制限されていることを検出することができる。モバイル無線機器はさらに、ランダムアクセスチャネル(RACH)試行の繰り返しおよびアップリンク方向での失敗(特に信号電力レベルおよび/または信号品質レベルが、アップリンク通信がOKであるはずであることを示している場合および/またはダウンリンク方向における通信チャネルが1つ以上の信号強度または品質判定基準を超えていることを示している場合)の検出に基づいてアップリンク通信が電力制限されていることを判定することができる。

いくつかの実施形態において、モバイル無線機器はアップリンク性能(誤り率、報告された信号品質、報告された信号強度、アップリンク再送信試行、またはアップリンクアクセス試行)を、ダウンリンク判定指標(例えば受信信号強度、受信信号品質)と比較し、アップリンク性能がダウンリンク判定基準と合致していない場合にモバイル無線機器がアップリンク電力制限されていると判定する。モバイル無線機器はさらに、アップリンク電力ヘッドルーム(PHR)値が低く(例えばゼロまたはその近傍)、アップリンクデータレートもまた低い(例えばアップリンク用に選択された変調および符号化手法が比較的低い値を有する場合)場合、従ってアップリンクが電力制限されているように見える場合(電力ヘッドルームが低い/ない、かつアップリンクデータレートが低い場合)、アップリンクが電力制限されているかどうかを判定することができる。

いくつかの実施形態において、モバイル無線機器はまた、(例えば主コンポーネントキャリアを通じた)ダウンリンク性能と、(例えば同じ主コンポーネントキャリアを通じた)アップリンク性能との非対称性に基づいて、アップリンクが電力制限されていると判定することができる。いくつかの実施形態において、ダウンリンクが、特定の信号強度閾値または信号品質閾値を上回る信号強度および/または信号品質を示す一方、アップリンクが低データレート、低性能、低データレート、再送信の繰り返しを必要とすること、アクセス試行の繰り返しを必要とすること、またはアップリンク信号強度または信号品質の悪さを示す他の判定基準を示す場合、モバイル無線機器はアップリンクが電力制限されていると判定することができる。

図6Aは例えば主RFコンポーネントブロック442および/またはダイバーシチRFコンポーネントブロック444に関するRFフロントエンド436のための代表的なチューナ設定610の図600を示している。この設定において主RFコンポーネントブロック442および/またはダイバーシチRFコンポーネントブロック444は、副コンポーネントキャリア無線周波数帯604によって(準最適な)無線周波数信号を受信しながら、RF中心周波数606に存在し、主コンポーネントキャリア無線周波数帯602を占有する主コンポーネントキャリアによって通信される最大電力伝送を提供するために適合(あるいは等価的に”チューン”)される。

例えば上述した1つ以上の判定基準を用いてアップリンク通信が電力制限されていると判定されると、無線通信機器は図6Aに示すチューナ設定610を用いることができる。いくつかの実施形態において、チューナ設定610は、無線通信機器のアンテナおよびRF回路群によって電力伝送が最大化される周波数値の範囲を調整することができる。キャリアアグリゲーションシナリオ、例えば無線ネットワークのeNodeB(または他の同等の基地局)から無線通信機器へデータおよびシグナリング情報を伝送するために主コンポーネントキャリアおよび副コンポーネントキャリアを同時に用いる場合、チューナ設定610は主コンポーネントキャリアによる受信電力伝送に有利なように”バイアス”されてよい。

チューナ設定610はさらに、例えば無線通信機器から無線ネットワークのeNodeBへのアップリンク方向において、主コンポーネントキャリアを通じた最大送信電力伝送を提供することができる。チューナ設定610は、RF回路群に適合されたアンテナによって受信される信号についてのピーク電力伝送が生じうる中心周波数を調整することができる。いくつかの実施形態において、チューナ設定610は”パスバンド”フィルタ608の中心(または中央)無線周波数を、主コンポーネントキャリアの中心周波数と一致するように調整することができる。いくつかの実施形態において、”パスバンド”フィルタ608は、RFフロントエンド436の1つ以上の部品、例えば主RFコンポーネントブロック442および/またはダイバーシチRFコンポーネントブロック444の1つ以上の部品を用いてチューナ設定610を選択することにより、無線周波数電力伝送が実質的に最大化される周波数帯を表す。

主RFコンポーネントブロック442および/またはダイバーシチRFコンポーネントブロック444を主コンポーネントキャリアによる最適な伝送のためにチューニングすることにより、モバイル無線通信機器は主コンポーネントキャリアによる最大ダウンリンク性能を見いだすことが可能であるとともに、主コンポーネントキャリアによるアップリンク性能の最大化しようとすることもできる。副コンポーネントキャリアによる付加的なダウンリンク性能も提供されうるが、このチューナ設定に対しては準最適となるかもしれない。しかし、アップリンク電力が制限される場合、モバイル無線通信機器は十分なアップリンク性能を確保するためにダウンリンク性能は妥協してもよい。

いくつかの実施形態において、ダウンリンク受信は1つのアンテナだけ、例えば主アンテナ438によって、および/またはダイバーシチアンテナ440によって提供され、付随するRFコンポーネントブロック、例えば主RFコンポーネントブロック442またはダイバーシチRFコンポーネントブロック444は、上述したようなアップリンク電力制限条件の検出に基づいて電力伝送特性に適合するように”チューン”されてよい。いくつかの実施形態において、受信は2つのアンテナ、例えば主アンテナ438およびダイバーシチアンテナ440によって同時に提供され、主RFコンポーネントブロック442およびダイバーシチRFコンポーネントブロック444は図6Aに示したようにチューンされてよい。。

図6BはRFフロントエンド436用(例えば主RFコンポーネントブロック442用)の代表的なチューナ設定630の図620を示しており、RFコンポーネントブロック442は主コンポーネントキャリア帯622に広がる主コンポーネントキャリアと副コンポーネントキャリア帯624に広がる副コンポーネントキャリアとによる最大合成電力伝送を提供するようにチューンされる。チューナ設定630は、主コンポーネントキャリアおよび副コンポーネントキャリアによる電力伝送を等しくバランスさせるか、ダウンリンクチャネル状況に応じて主コンポーネントキャリアと副コンポーネントキャリアの組み合わせを用いてダウンリンクデータスループットを最大化する、”妥協”設定を表すことができる。

いくつかの実施形態において、パスバンドフィルタ628の中心無線周波数626を、主および副コンポーネントキャリア帯622/624の中央周波数間で調整することができる。いくつかの実施形態において、”パスバンド”フィルタ628は、RFフロントエンド436の1つ以上の部品、例えば主RFコンポーネントブロック442および/またはダイバーシチRFコンポーネントブロック444の1つ以上の部品を用いてチューナ設定630を選択することにより、無線周波数電力伝送が実質的に最大化される周波数帯を表す。いくつかの実施形態において、チューナ設定630は、1つ以上のアンテナ、例えば主および/またはダイバーシチアンテナ438/440を通じた、例えばデータレートおよび/または電力伝送によって測定されるダウンリンク性能を最大化するために用いることができる。

図6Bに示すチューナ設定630は、モバイル無線機器がアップリンク通信/性能が電力制限されていないと判定する場合、例えばアップリンク性能が性能判定基準群を満たすか、特定のデータレートを超えるか、特定の誤り閾値以下であるか、ここで説明されるような他の判定基準群に基づいてそう判定する場合に用いることができる。いくつかの実施形態において、ダウンリンク受信は1つのアンテナだけ、例えば主アンテナ438によって、および/またはダイバーシチアンテナ440によって提供され、付随するRFコンポーネントブロック、例えば主RFコンポーネントブロック442またはダイバーシチRFコンポーネントブロック444は、上述したようなアップリンク電力制限条件が存在するかどうかの検出に基づいて電力伝送特性に適合するように”チューン”されてよい。いくつかの実施形態において、受信は2つのアンテナ、例えば主アンテナ438およびダイバーシチアンテナ440によって同時に提供され、主RFコンポーネントブロック442およびダイバーシチRFコンポーネントブロック444は図6Bに示したようにチューンされてよい。。

図7Aは、移動無線通信機器のRFフロントエンド436の(例えば主RFコンポーネントブロック442に関する)RF回路の第1群用の代表的なチューナ設定714と、移動無線通信機器のRFフロントエンド436の(例えばダイバーシチRFコンポーネントブロック444に関する)RF回路の第2群用の代表的なチューナ設定714の図700を示している。図7Aに示すように、チューナ設定714は、RF中心周波数706で主コンポーネントキャリア周波数帯702に広がる主コンポーネントキャリアを通じたダウンリンク送信に関する無線周波数電力伝送を最大化するように調整するすることができ、副コンポーネントキャリア周波数帯704に広がる副コンポーネントキャリアを通じたダウンリンク送信に関する無線周波数電力伝送については除外する(および/または考慮しない)ことができる。図7Aにさらに示すように、チューナ設定716は、RF中心周波数708で主コンポーネントキャリア周波数帯702に広がる主コンポーネントキャリアを通じたダウンリンク送信に関する無線周波数電力伝送を最大化するようにも調整するすることができ、副コンポーネントキャリア周波数帯704に広がる副コンポーネントキャリアを通じたダウンリンク送信に関する無線周波数電力伝送については除外する(および/または考慮しない)ことができる。

いくつかの実施形態において、RF中心周波数706および708は一致する(またはそれに近い状態とする)ことができる。例えば上述した判定基準を用いてアップリンク通信が電力制限されていると判定されると、無線通信機器は図7Aに示すチューナ設定714を用いることができる。いくつかの実施形態において、チューナ設定714は”パスバンド”フィルタ710の中心無線周波数を、主コンポーネントキャリアの中心周波数と一致するように調整することができる。いくつかの実施形態において、”パスバンド”フィルタ710は、RFフロントエンド436の1つ以上の部品、例えば主RFコンポーネントブロック442の1つ以上の部品を用いてチューナ設定714を選択することにより、無線周波数電力伝送が実質的に最大化される周波数帯を表す。主RFコンポーネントブロック442を主コンポーネントキャリアによる最適な伝送のためにチューニングすることにより、モバイル無線通信機器は主コンポーネントキャリアによる最大ダウンリンク性能を見いだすことが可能であるとともに、主コンポーネントキャリアによるアップリンク性能の最大化しようとすることもできる。このように、副コンポーネントキャリアによるさらなるダウンリンク性能を犠牲にして、アップリンクが電力制限される状況下で無線通信機器は十分なアップリンク性能を確保することができるとともに、主コンポーネントキャリアを通じたダウンリンク性能を最大化することができる。

いくつかの実施形態において、チューナ設定716は”パスバンド”フィルタ712の中心無線周波数を、主コンポーネントキャリアの中心周波数と一致するように調整することができる。いくつかの実施形態において、”パスバンド”フィルタ712は、RFフロントエンド436の1つ以上の部品、例えばダイバーシチRFコンポーネントブロック444の1つ以上の部品を用いてチューナ設定716を選択することにより、無線周波数電力伝送が実質的に最大化される周波数帯を表す。ダイバーシチRFコンポーネントブロック444を主コンポーネントキャリアによる最適な伝送のためにチューニングすることにより、モバイル無線通信機器は(例えばダイバーシチアンテナ440を経由する)ダイバーシチ経路上での主コンポーネントキャリアによる最大ダウンリンク性能を見いだすことが可能である。いくつかの実施形態において、チューナ設定714はRFフロントエンド436内のRF回路の第1群(例えば主RFコンポーネントブロック442)を、第1のアンテナ(例えば主アンテナ438)に適合させることに相当し、チューナ設定716はRFフロントエンド436内のRF回路の第2群(例えばダイバーシチRFコンポーネントブロック444)を、第2のアンテナ(例えばダイバーシチアンテナ440)に適合させることに相当する。

図7BはRFフロントエンド436用(例えば主RFコンポーネントブロック442用)の代表的なチューナ設定734の図720を示しており、RFコンポーネントブロック442は主コンポーネントキャリア帯722に広がる主コンポーネントキャリアによる最大合成電力伝送を提供するようにチューンされる。いくつかの実施形態において、バスバンドフィルタ730の中心無線周波数726は主コンポーネントキャリアによって用いられる周波数帯722の中心周波数に調整することができる。いくつかの実施形態において、”パスバンド”フィルタ730は、RFフロントエンド436の1つ以上の部品、例えば主RFコンポーネントブロック442の1つ以上の部品を用いてチューナ設定734を選択することにより、無線周波数電力伝送が実質的に最大化される周波数帯を表す。いくつかの実施形態において、チューナ設定734は、アンテナ、例えば主アンテナ438を通じた、例えばデータレートおよび/または電力伝送によって測定されるダウンリンク性能を最大化するために用いることができる。

図7Bに示すチューナ設定734は、モバイル無線機器がアップリンク通信/性能が電力制限されていないと判定する場合、例えばアップリンク性能が性能判定基準群を満たすか、特定のデータレートを超えるか、特定の誤り閾値以下であるか、ここで説明されるような他の判定基準群に基づいてそう判定する場合に用いることができる。図7Bはまた、RFフロントエンド436用(例えばダイバーシチRFコンポーネントブロック444用)の代表的なチューナ設定736を示しており、RFコンポーネントブロック444は副コンポーネントキャリア帯724に広がる副コンポーネントキャリアによる最大合成電力伝送を提供するようにチューンされる。いくつかの実施形態において、バスバンドフィルタ732の中心無線周波数728は副コンポーネントキャリアによって用いられる周波数帯724の中心周波数に調整することができる。いくつかの実施形態において、”パスバンド”フィルタ732は、RFフロントエンド436の1つ以上の部品、例えばダイバーシチRFコンポーネントブロック444の1つ以上の部品を用いてチューナ設定736を選択することにより、無線周波数電力伝送が実質的に最大化される周波数帯を表す。いくつかの実施形態において、チューナ設定736は、アンテナ、例えばダイバーシチアンテナ440を通じた、例えばデータレートおよび/または電力伝送によって測定されるダウンリンク性能を最大化するために用いることができる。

図7Bに示すチューナ設定736は、モバイル無線機器がアップリンク通信性能が電力制限されていないと判定する場合、例えばアップリンク性能が性能判定基準群を満たすか、特定のデータレートを超えるか、特定の誤り閾値以下であるか、ここで説明されるような他の判定基準群に基づいてそう判定する場合に用いることができる。図7Bは、モバイル無線通信機器のRFフロントエンド436のRF部品回路の第1群(例えば主RFコンポーネントブロック442)を用いて、第1のアンテナ(例えば主アンテナ438)を第1のコンポーネントキャリア(例えば主ダウンリンク伝送経路上の主コンポーネントキャリアであり、アップリンク伝送も提供することができる。)に適合させることができるチューナ設定734を示している。図7Bはまた、モバイル無線機器のRFフロントエンド436のRF部品回路の第2群(例えばダイバーシチRFコンポーネントブロック444)を用いて、第2のアンテナ(例えばダイバーシチアンテナ440)を第2のコンポーネントキャリア(例えばダイバーシチ伝送経路上のダイバーシチコンポーネントキャリア)に適合させることができるチューナ設定736を示している。

図8は、モバイル無線通信機器において、キャリアアグリゲーション、ダウンリンク性能、および/またはアップリンク性能に基づき、いくつかの実施形態に適合してRFフロントエンドの無線周波数回路を動的に調整(例えばアンテナチューナ設定を調整)する代表的な方法に関するフローチャート800を示している。いくつかの実施形態において、フローチャート800に示される方法は、十分なアップリンク性能を確保するために必要なアップリンク通信のための設定調整を監視しながら、無線ネットワークからモバイル無線機器へのダウンリンク無線周波数伝送に複数のコンポーネントキャリアが用いられるキャリアアグリゲーションシナリオにおいてダウンリンクデータ通信を最大化するために用いることができる。

ステップ802でモバイル無線通信機器は1つ以上のダウンリンク通信を受信する。いくつかの実施形態においてモバイル無線通信機器は、受信したデータパケットおよび/またはシグナリングメッセージおよび/または制御メッセージダウンリンクに基づいてアップリンク性能を監視することができる。ステップ804でモバイル無線通信機器は、キャリアアグリゲーションが有効かどうかを確認する。キャリアアグリゲーションが有効でなければ、方法はステップ806へ進み、移動無線通信機器は無線周波数フロントエンドの無線周波数回路を、デフォルト値群を用いるように調整することができる。いくつかの実施形態において、デフォルト値群は、例えばLTE無線通信プロトコルリリース8以前またはLTE無線通信プロトコルリリース9以降のキャリアアグリゲーションが使用されないオプションに従って、キャリアアグリゲーションを用いずに最大ダウンリンクおよび/または最大アップリンク性能を提供することの可能なRF回路用の調整/設定(例えばアンテナチューナ設定)に相当する。

キャリアアグリゲーションが有効な場合、モバイル無線通信機器はステップ808で、第1のコンポーネントキャリアについての(例えば主キャリアセルを通じた通信についての、および/または第2のコンポーネントキャリアについての(例えば副キャリアセルを通じた通信についての)無線周波数状況を評価することができる。いくつかの実施形態において、無線周波数状況の評価は、アップリンク送信電力設定、アップリンク送信電力ヘッドルーム、ダウンリンク信号電力、ダウンリンク信号品質、ダウンリンク再送試行、アップリンクランダムアクセスチャネル試行および/または失敗、およびアップリンク変調コーディング手法(MCS)値の1つ以上に基づくことができる。ステップ810において移動無線通信機器は、アップリンク通信が電力抑制(電力制限)されているかどうかを、ステップ808で評価した無線周波数状況の1つ以上に基づいて判別することができる。

アップリンク通信が電力抑制されているとモバイル無線通信機器が判定すると、モバイル無線通信機器はステップ812で、主コンポーネントキャリアによる送信、受信、または送信と受信の両方に対して最適化される、無線周波数フロントエンドに関する無線周波数部品設定群、例えばアンテナチューナ設定を選択することができる。モバイル無線通信機器はRFフロントエンド回路を、電力伝送および/またはデータスループットおよび/または信号品質および/または信号電力、または主コンポーネントキャリアを用いてダウンリンク方向およびアップリンク方向での性能を最大化しようとする他の判定基準について最適化することができる。

アップリンク通信が電力抑制されていないとモバイル無線通信機器が判定すると、モバイル無線通信機器はステップ814で、スループットおよび/または信号品質および/または信号電力、または主コンポーネントキャリアおよび副コンポーネントキャリアの両方を用いてダウンリンク方向における性能を最大化しようとする他の判定基準について最適化される、無線周波数フロントエンドに関する無線周波数部品設定群、例えばアンテナチューナ設定を選択することができる。いくつかの実施形態において、1つのアンテナと用いられる場合または複数のアンテナと用いられる場合、RFフロントエンド回路の調整は、RFコンポーネントブロックのチューニングを含む。いくつかの実施形態において、RFフロントエンド回路の調整は、第1のコンポーネントブロックが第1のアンテナに適合するようにチューニングすることおよび、第2のコンポーネントブロックが第2のアンテナに適合するようにチューニングすることを含む。

いくつかの実施形態においてRFフロントエンド回路の調整は、主コンポーネントキャリアおよび/または副コンポーネントキャリアを例えばLTEおよび/またはLTE−A無線通信プロトコルに準拠したキャリアアグリゲーション通信の一部として用いる場合、第1のRFコンポーネントブロックが第1のアンテナに適合するようにチューニングすることを含む。いくつかの実施形態においてRFフロントエンド回路の調整は、主コンポーネントキャリアおよび/または副コンポーネントキャリアを例えばLTEおよび/またはLTE−A無線通信プロトコルに準拠したキャリアアグリゲーション通信の一部として用いる場合、第2のRFコンポーネントブロックが第2のアンテナに適合するようにチューニングすることを含む。

図9は、モバイル無線通信機器、例えばUEで、いくつかの実施形態に従ってアンテナチューナ設定を動的に選択するための手順を示す別のフローチャート900を示す。ステップ907においてモバイル無線通信機器は、無線ネットワーク、例えばeNodeB(または同等の基地局)に送信するために、アップリンクデータパケット群を受信する。ステップ904においてモバイル無線通信機器は、アップリンク伝送が制限されているか、制約されているか、あるいは低下している(例えば、不十分なデータレート、閾値レベルに満たない性能判定基準、リンク不安定、再送試行の繰り返し、アクセスチャネル試行の繰り返しなど)どうかを判別する。モバイル無線機器は、アップリンク伝送が制約を受けていることを判定するために、1つ以上の異なる判定基準および/またはテスト条件を用いることができる。

いくつかの実施形態において、モバイル無線通信機器は、送信電力ヘッドルーム(例えば低い値)、送信電力シグナリングコマンド(例えばアップリンク送信電力の増加試行の繰り返し)、送信電力レベル(例えば、閾値以上)、アップリンクデータレート性能(例えば、アップリンクビット誤り率および/またはアップリンクブロック誤り率)、ダウンリンク性能に対するアップリンク性能(例えばダウンリンク受信信号強度および/または品質が、ダウンリンク信号強度および/または品質閾値レベルに対して相対的に高い場合に、アップリンクビット/ブロック誤り率が増加および/または高い)、アップリンク無線アクセスチャネル試行(例えば、ダウンリンク受信信号レベルが十分または高い状態におけるRACH失敗の繰り返し)、ダウンリンクに対するアップリンク品質の非対称性(例えば、アップリンクデータレートが閾値に対して高い状態において、アップリンクデータレートが制限されているか、低い)に基づいてアップリンクが制約を受けていると判定することができる。

モバイル無線通信機器はアップリンク通信が制約されていないと判定すると、モバイル無線通信機器はステップ910で、主コンポーネントキャリアによるアップリンク伝送も提供(かつ監視)しながら主コンポーネントキャリアおよび副コンポーネントキャリアの両方による同時受信用に最適化する(例えば、ダウンリンクスループットを最大化する)ため、無線周波数フロントエンド内の無線周波数回路を調整することができる。いくつかの実施形態において、モバイル無線通信機器は主コンポーネントキャリアおよび副コンポーネントキャリアの両方を含む無線周波数群に関する電力伝送を最大化するために、1つ以上のアンテナチューナ設定を調整する。いくつかの実施形態において、モバイル無線通信機器はアップリンクおよびダウンリンク品質のバランスをとるためにアンテナチューナ設定を最適化する。

アップリンク通信が制約されている、例えば電力が制限されているとモバイル無線通信機器が判定すると、モバイル無線通信機器はステップ906で、ダウンリンク通信もまた制約されているかどうかを判定する。モバイル無線通信機器は、ダウンリンク通信が制約を受けているかどうかの判定に、1つ以上の判定基準群、例えば、適切な閾値レベルに対する、ダウンリンク信号強度、ダウンリンク信号品質、ダウンリンクデータレート、および/またはダウンリンク誤り率を用いることができる。ダウンリンクおよびアップリンク通信の両方が制約されている場合、モバイル無線通信機器はステップ912において、十分なアップリンク通信も提供しながらダウンリンク通信に関する品質を向上および/または保護するため、主コンポーネントキャリアおよび副コンポーネントキャリアの両方を用いるように無線周波数回路を調整、例えばアンテナチューナ設定を調整することができる。

いくつかの実施形態において、ステップ910とステップ912で選択されるチューナ設定はいずれも主コンポーネントキャリアおよび副コンポーネントキャリアの組み合わせを用いる通信を最適化することができるものであるが、両者は異なってもよい。特にステップ912において、ダウンリンクおよびアップリンクの両方が制約されている場合、アップリンク通信よりもダウンリンク通信に有利なように無線周波数調整が”バイアス”されてよい。いくつかの実施形態において、チューナ設定は少なくとも最低ダウンリンク品質レベル、例えば最低信号品質レベル、最低信号電力レベル、最低ダウンリンクデータレート、または他の測定可能なダウンリンク通信品質レベルをダウンリンク通信に提供するように選択されてよい。ダウンリンク通信が制約されていない(例えば電力制限されていない)が、アップリンク通信が制約されている(例えば電力制限を受けている)と無線通信機器が判定した場合、モバイル無線通信機器は、主コンポーネントキャリアを用いる通信を最適化する(例えば、ダウンリンク通信およびアップリンク通信の両方に使用可能な、主コンポーネントキャリアによる通信のための設定を”バイアス”する)ために無線周波数回路を調整(例えばアンテナを選択)することができる。

いくつかの実施形態において、モバイル無線通信機器はステップ908で、アップリンクデータ通信を向上させるため、(例えばアップリンクデータレート、アップリンク信号品質、アップリンク信号強度、アップリンクデータリンク安定性、または他の測定可能なアップリンクデータ通信品質レベルに基づいてアップリンク通信に対して少なくとも最低アップリンク品質レベルを提供するといったことにより)アンテナチューナ設定を最適化することができる。

図10は、モバイル無線通信機器において、いくつかの実施形態に従って無線周波数回路を動的に調整する(例えば1つ以上のアンテナに関するチューナ設定を調整する)ための手順を示す別のフローチャート1000を示している。ステップ1002において、例えばモバイル無線通信機器がRACH手順を用いて無線ネットワークとアップリンク方向で通信を確立しようとした場合に、モバイル無線通信機器はランダムアクセチャネル(RACH)処理の実施を促されたかどうかを判定する。ステップ1004でモバイル無線通信機器は、アップリンク通信が制約を受けているかどうかを判定する。例えばダウンリンク受信信号電力レベルおよび/またはダウンリンク信号品質レベルが閾値を超えている場合など、ダウンリンク通信が制約を受けていないにもかかわらず、例えばタイムウィンドウ内で複数回のRACH手順試行が失敗しているかどうか、および/または、それが繰り返されているかどうか、および/またはRACH失敗が特定数連続しているかどうかを判定する。ダウンリンク信号強度および/またはダウンリンク信号品質は、モバイル無線通信機器と無線ネットワークのアクセス部分、例えばeNodeBとの間の通信チャネル経路の特性の指標として用いることができる。いくつかの実施形態において、ダウンリンク信号強度および/または信号品質は、無線通信機器によってアップリンク方向でも使用されうる主コンポーネントキャリアを用いる信号品質の指標を提供する。

ステップ1004で、アップリンクが制約されていないとモバイル無線通信機器が判定している場合、モバイル無線通信機器はステップ1006で、主および副コンポーネントキャリアを用いるアップリンクおよびダウンリンク通信のバランスをとるように、例えば主および副コンポーネントキャリアの両方による電力転送についての設定を”バイアス”するように、モバイル無線通信機器の無線周波数フロントエンドの無線周波数回路についての設定を調整すること、例えばアンテナチューナ設定を最適化することができる。アップリンク通信が制約されている(例えば電力制限されているか、もしくは質が低下している)とモバイル無線通信機器が判定している場合、モバイル無線通信機器はステップ1008で、アップリンク通信を改善するために(例えば主コンポーネントキャリアによる電力伝送についての設定を”バイアス”するように)無線周波数回路を調整すること、例えばアンテナチューナ設定を最適化することができる。

上述した実施形態の様々な態様、実施形態、実装、または機能は、別個にも、任意に組み合わせても用いることができる。さらに、説明した実施形態の態様のいくつかは、ソフトウェア、ハードウェア、またはハードウェアとソフトウェアとの組み合わせによって実施されてよい。説明した実施形態はまた、恒久的なコンピュータ可読媒体に格納されたコンピュータプログラムとして実施されてもよい。コンピュータ可読媒体は、コンピュータまたはコンピュータシステムによって読み取り可能なデータを格納することができるいかなるデータ記憶装置に関連づけられてもよい。コンピュータ可読媒体の例には、読み出し専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、CD-ROM、半導体ディスク(SSDまたはフラッシュ)、HDD、DVD、磁気テープ、および光ディスク記憶装置などが含まれる。コンピュータ可読媒体はまた、コンピュータプログラムコードが分散的な手法により実行されうるよう、ネットワーク接続された複数のコンピュータシステムに分散されていてもよい。

上述の、説明を目的とした記述では、説明された実施形態の完全な理解を提供するため、特定の用語体系を用いていた。しかし、具体的な詳細の一部が、説明した実施形態を実施するために必須でないことは、本技術分野の当業者には明らかであろう。したがって、具体的な実施形態についてなされた説明は、例示および説明を目的として提示されている。これらの記述は網羅的であること、全てを含むこと、または説明された実施形態を開示された形態や詳細そのものに限定することをいずれも意図していない。本開示の精神および範囲を離れることなく、上述の教示を考慮した多くの変更や変形が可能であることは本技術分野の当業者には明らかであろう。

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