制御されたスペクトルの光ビームを発するための発光装置

申请号 JP2015510854 申请日 2013-04-30 公开(公告)号 JP2015524047A 公开(公告)日 2015-08-20
申请人 アルシメジュ テクノロジィArchimej Technology; アルシメジュ テクノロジィArchimej Technology; 发明人 メジュディ ンシリ; メジュディ ンシリ;
摘要 本発明は、制御されたスペクトルの光ビームを発するための発光装置(1)に関する。前記発光装置は、それぞれが波長λ1またはλ2の光ビームを発する少なくとも2つの別個の 光源 (Si〜N)とスペクトル多重化手段(25)とを含む。前記スペクトル多重化手段(25)は、少なくとも1つのレンズおよび/または光学プリズムから形成される光学アセンブリ(25)を含む。前記光学アセンブリ(25)は、色分散特性を有し、前記光ビームを互いに空間的に近づけるように移動させる。さらに、少なくとも波長λ1またはλ2を有するそれぞれの光ビームは、自由空間内を対応する前記光源(Si〜N)から前記光学アセンブリ(25)へと伝搬する。したがって、発光装置(1)は、特に頑丈であり、小さい寸法を有し、そして低いコストで生産される。
权利要求

それぞれが少なくとも1つの波長λ1またはλ2の光ビームをそれぞれ発する少なくとも2つの別個の光源(S1〜N)と、スペクトル多重化手段(25;51,55,52;25,41)とを含む、制御されたスペクトルを伴う光ビームを発するための装置(1)において、 前記スペクトル多重化手段(25;51,55,52;25,41)は、少なくとも1つのレンズ(25;51,52)および/または光学プリズム(51)から形成される光学アセンブリ(25;51,55,52)を備え、前記光学アセンブリ(25;51,55,52)は、色分散特性を有し、スペクトル選択的反射を伴うことなく前記別個の光源(S1〜N)からの光ビームによって通過されるように配置されるとともに、前記スペクトル多重化手段(25;51,55,52;25,41)が前記光ビームを空間的に重ね合わせるように前記光ビームを互いに空間的に近づけるべく配置され、 前記発光装置(1)は、少なくとも1つの波長λ1またはλ2の前記各光ビームがそれぞれ自由空間内を対応する前記光源(S1〜N)から前記光学アセンブリ(25;51,55,52)へと伝搬するようになっている、 ことを特徴とする装置(1)。前記スペクトル多重化手段が前記光学アセンブリ(25)のみによって形成されることを特徴とする請求項1に記載の装置(1)。前記各光源(S1〜N)が前記光学アセンブリ(25)の物体焦点上に配置され、前記物体焦点がこの光源(S1〜N)により発せられる光ビームの波長に対応し、それにより、前記光学アセンブリ(25)の出で、光ビームが空間的に重ね合わされて平行にされることを特徴とする請求項1または2に記載の装置(1)。前記各光源(S1〜N)が前記光学アセンブリ(25)の物点上に配置され、前記物点がこの光源により発せられる光ビームの波長に対応し、それにより、前記光学アセンブリの出力で、光ビームが単一の像点(53)で空間的に重ね合わされることを特徴とする請求項1または2に記載の装置(1)。前記スペクトル多重化手段は、光学アセンブリ(25)と、均質化導波管(41)と、光学コリメーション手段(38)とを備え、前記光学アセンブリ(25)が光ビームを前記均質化導波管(41)の入力へと送るように配置され、前記光学コリメーション手段(38)が前記均質化導波管の出力に位置されることを特徴とする請求項1に記載の装置(1)。前記導波管(41)が液体コア光ファイバにより形成されることを特徴とする請求項5に記載の装置(1)。前記別個の光源(S1〜N)が互いに同一平面上に配置されることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の装置(1)。前記別個の光源(S1〜N)は、一直線に配置されるとともに、波長λ1またはλ2のそれぞれの増大する程度によりランク付けされることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の装置(1)。前記光学アセンブリは、軸外で使用されて横色収差を有する少なくとも1つの光学系(25)を備えることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の装置(1)。前記光学アセンブリは、通常は色収差の補正のために使用されるダブレットレンズまたはトリプレットレンズを備えることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の装置(1)。前記光学アセンブリは、光学プリズム(51)と光学合焦手段(52)および/または光学コリメーション手段(55)とを備えることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の装置(1)。前記各光源(S1〜N)が発光ダイオードであることを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載の装置(1)。少なくとも12個の光源(S1〜N)を含むことを特徴とする請求項1から12のいずれか一項に記載の装置(1)。互いに異なる周波数の光源(S1〜N)のうちの少なくとも2つの光強度を変調するようになっている変調手段(24)も備えることを特徴とする請求項1から13のいずれか一項に記載の装置(1)。前記光源のうちの少なくとも2つの光強度を互いに独立に制御する制御手段(24)も備えることを特徴とする請求項1から14のいずれか一項に記載の装置(1)。

说明书全文

本発明は、革新的なスペクトル多重化手段を利用する、制御されたスペクトルを伴う光ビームを発するための装置に関する。スペクトル多重化とは、組み合わされた光ビームの最終的なスペクトル組成にそれぞれが寄与する幾つかの光ビームの空間的な組み合わせを意味する。

本発明の分野は、特に、それぞれが別個の光源により発せられる少なくとも2つの波長のスペクトル多重化の分野であるが、これに限定されない。別個の光源は特に準単色光源である。

制御されたスペクトルを伴う光ビームを発するための様々な装置が従来技術において知られている。

例えば、スペクトロメータは、異なる波長、すなわち、470ナノメートル(nm)の青色、574nmの緑色、および、636nmの赤色で発光する複数の発光ダイオード(以下、英語では「Light−Emitting Diodes」であるためにLEDと称される)を備える、G.K.KurupおよびA.S.Basuによる文献「Multispectral absorbance photometry with a single light detector using frequency division multiplexing」(2010年10月3日〜7日にオランダのフローニンゲンで行われた化学および生命科学のための小型システムに関する第14回国際会議)から知られている。

この文献によれば、3つのLEDにより発せられる異なる各光ビームがそれぞれの光ファイバと結合され、その後、ファイバマルチプレクサ(または、英語では「ファイバスプリッタ(fibre splitter)」)がこれらの異なる光ビームを組み合わせて混合する。

そのような装置の欠点は、LEDにより発せられる光ビームを、その開口数が一般にLEDにより発せられる光ビームの発散に対して制限される光ファイバと効率的に結合させることが難しいという点である。したがって、光強度の損失は重大である。また、LEDと対応する光ファイバとの位置合わせは非常に正確でなければならず、そのため、工業生産の可能性および位置合わせの再現性が制限される。また、ファイバスプリッタがかなりのコストを有する。

Zeissにより市販されるColibri顕微鏡光源も知られており、この光源では、それぞれ400nm、470nm、530nm、および、625nmである4つのビームが二色性の反射体およびミラーを備えるユニットを使用して組み合わされる。内部反射の組を使用して、4つのビームは、白色光の単一ビームを出で形成する。

そのような装置の欠点は、組み合わされ得るビームの数が制限され、困難を伴わずしてその数が4を超えることができないという点である。また、組み合わせることが望ましいビームの数が多ければ多いほど、二色性ミラーの配置が更に複雑になってコストがかかり、エネルギー効率が低下する。

本発明の目的は、従来技術の欠点を有さない、スペクトル制御された光ビームを発するための装置を提案することである。特に、この装置のスペクトル多重化手段は従来技術の欠点を有さない。

特に、本発明の目的は、原理および製造が簡単であって、特に幾つかの例では良好な再現性をもって製造できる能力を有する、スペクトル制御された光ビームを発するための装置を提案することである。

本発明の他の目的は、3つあるいは更には4つを超える光ビーム、例えば12個の光ビームを混合させることができるようにする、スペクトル制御された光ビームを発するための装置を提案することである。

本発明の他の目的は、スペクトル制御された光ビームを低コストで発するための装置を提案することである。

本発明の他の目的は、エネルギー損失が最小限に抑えられる、良好なエネルギー効率をもってスペクトル制御された光ビームを発するための装置を提案することである。

この目的は、それぞれが少なくとも1つの波長λ1またはλ2の光ビームをそれぞれ発する少なくとも2つの別個の光源と、スペクトル多重化手段とを備える、スペクトル制御された光ビームを発するための装置によって達成される。

本発明によれば、スペクトル多重化手段は、少なくとも1つのレンズおよび/または光学プリズムから形成される光学アセンブリを備え、前記光学アセンブリは、色分散特性を有し、スペクトル選択的反射を伴うことなく別個の光源からの光ビームによって通過されるように配置されるとともに、スペクトル多重化手段が前記光ビームを空間的に重ね合わせるように前記光ビームを互いに空間的に近づけるべく配置される。

本発明によれば、発光装置は、更に、少なくとも1つの波長λ1またはλ2の各光ビームがそれぞれ自由空間内を対応する光源から光学アセンブリへと伝搬するようになっている。

それぞれの波長は各光源と関連付けられる。以下の全体にわたって、光源の波長、または、光源からの発光の波長、または、光源の波長λ1またはλ2のそれぞれが言及されるときには、この関連する波長が指定される。各光源は、この関連する波長から離れた他の波長で発することができる。少なくとも1つの波長λ1またはλ2の各光ビームはそれぞれ、いかなる場合でも、特定のスペクトル幅を有する。

重ね合わされた光ビームは、重合ビームまたは多重化ビームとして知られるビームを形成する。光ビームは、1つの点であるいは好ましくは無限遠で重ね合わされ、それにより、単一のコリメート多重化ビームを形成することができる。

光学アセンブリは、その色分散特性に起因して、多色光ビーム(すなわち、少なくとも2つの波長を備える)を、それぞれが対応する波長の少なくとも2つの光ビームへと変換できる。

したがって、光の逆戻りの原理により、それぞれが少なくとも1つの波長の光ビームを光学アセンブリの出力で互いに空間的に近づけることができる。本発明に係る装置における光学アセンブリの使用の選択は、使用のこの意味に照らして行われる。本発明に係る装置は、回折格子もフィルタホイールも使用しない「逆光学スペクトロメータ」と見なされ得る。

本発明に係る用語「色分散」は、色収差を含む。

光学アセンブリは、少なくとも1つのレンズおよび/または光学プリズムによって形成され、また、スペクトル選択的反射(すなわち、特定の波長の光ビームの部分のみの反射であり、他の波長の光ビームの部分は他の好ましい方向に伝送されあるいは偏向される)が存在しない。特に、二色性反射体または回折格子が存在しない。したがって、本発明に係る発光装置は簡単な構造を有する。本発明に係るスペクトル選択的反射は、任意の光学系に、特に界面に存在する可能性があり、したがって反射防止処理によって軽減され得る迷反射を含まない。

光学アセンブリの色分散特性、および、光の逆戻りの原理は、光ビームを空間的に近づけることができるようにする。したがって、そのような装置の製造コストが低減される。また、そのため、その各スペクトルがそれぞれ対応する波長を中心として位置付けられる4つを超える光ビームを簡単な態様でスペクトル的に多重化することができる。

関連する光源により発せられる光ビームの伝搬は、前記光源から光学アセンブリまでの自由空間内で行われる。「自由空間」とは、光ファイバまたは配線されたあるいは同軸の伝送ラインなどの材料輸送媒体とは対照的に、信号を経路付けるための任意の空間媒体、すなわち、空気、星間媒体、真空などを意味する。したがって、光源により発せられる光ビームと導波管との間に結合が存在しない。例えば従来技術の装置に存在する場合がある「ファイバ・ツー・ファイバ」として知られる結合が存在しない。したがって、本発明に係る装置は、エネルギー損失が殆どない。光ビームが効率的に混合され、また、重ね合わされたビームの強度が高い。また、この特徴は、光源の位置決めの高い自由度を与え、それにより、本発明に係る装置の製造コストを低減するとともに、連続生産を可能にする。

好ましくは、光源は、可視にある波長(400nm〜800nm)で発光する。

光源は、6nmよりも大きいスペクトル幅を有する光ビームを発することができる。

本発明の有利な変形によれば、スペクトル多重化手段が光学アセンブリのみによって形成される。この変形では、光学アセンブリだけが光ビームを互いに空間的に近づけてそれらの光ビームを重ね合わせる。

好適には、各光源が光学アセンブリの物体焦点上に配置され、前記物体焦点がこの光源により発せられる光ビームの波長に対応し、それにより、光学アセンブリの出力で、光ビームが空間的に重ね合わされて平行にされる。

この変形の利点は、それが最小限の光学素子を必要とするという点である。したがって、本発明に係る装置の製造コストが低減される。この変形は、「無限遠点」変形例として知られる場合がある。

例えば、この従来の形態において、光学アセンブリは、平行光線(「コリメート」ビームとして知られる)を有するとともに多色(少なくとも2つの波長を備える)である光ビームを、光学アセンブリの2つの異なる別個の焦点にそれぞれ収束するとともに多色光ビームの2つの波長に対応する少なくとも2つの光ビームへと変換する。

光の逆戻りの原理により、それぞれが光ビームを発する2つの光源が、それぞれの発光波長に対応する物体焦点に配置される場合、光学アセンブリから出る光ビームは、各光源により発せられる光ビームが重ね合わされて混合されるコリメート光ビームである。したがって、この第2の形態は本発明に係る装置で利用される。

あるいは、各光源が光学アセンブリの物点上に配置され、前記物点がこの光源により発せられる光ビームの波長に対応し、それにより、光学アセンブリの出力で、光ビームが単一の像点で空間的に重ね合わされる。

この代替案は、「無限遠点」変形例の「ポイント−ポイント」形態の等価物に対応する。

本発明の他の変形によれば、スペクトル多重化手段は、光学アセンブリと、均質化導波管と、光学コリメーション手段とを備え、光学アセンブリは、均質化導波管、すなわち、その出力に光学コリメーション手段が位置される均質化導波管の入力へと光ビームを送るように配置される。

均質化導波管は、光学アセンブリにより互いに空間的に近づけられる異なる光ビームの均質化の機能を果たすことができるようにする。均質化導波管の出力では、光学コリメーション手段により平行にされる均質なビームが得られる。

均質化導波管は一般に1mm以上のコア直径を有し、それにより、「従来の」光ファイバによって果たされ得ないこの均質化機能を成すことができる。

光学コリメーション手段は好ましくはアクロマートである。

均質化導波管を液体コア光ファイバによって形成することができる。そのような光ファイバの利点はその大きな直径(例えば、直径が5mm、最大で10mm)であり、それにより、大きな体積(例えば、直径が5mmで厚さが3mmの円筒)にわたって配設されるときであっても光ビームが光ファイバの入力に位置されることが確保される。光学アセンブリにより実施される光ビームのより小さい空間的な相互接近は、そのような均質化導波管の使用によって補償され得る。

変形によれば、均質化導波管を六形の均質化ロッドによって形成することができる。時として、用語「光パイプ」が使用される。例えば、N−BK7材料から形成されるTECHSPEC(登録商標)均質化ロッドを使用することができる。

他の変形によれば、空間フィルタリングシステムを使用して均質化機能を果たすことができる。例えば、光学アセンブリは、焦点またはそのレベルに簡単なフィルタリングホールが存在する焦点領域に光ビームを合焦させる。

好ましくは、別個の光源が同一平面上にあるように配置される。

別個の光源は、一直線に配置され得るとともに、波長λ1またはλ2のそれぞれの増大する程度で(すなわち、光源と関連付けられる波長の増大する程度により)ランク付けされる。

本発明の特定の実施形態によれば、光学アセンブリは、軸外で使用されて横色収差を有する少なくとも1つの光学系を備える。この横色収差は、本発明に係る色分散特性を形成する。

軸外使用は、波長の横空間分散を際立たせ、あるいは更には、それを消失させる。これは、見掛けの大きさの色収差として知られる場合もある。

そのような光学系のコストは、光学設計の既知の解決策によってそのような光学系がこの収差に関して具体的に補正されなければ、本質的に軸外で利用される任意の光学系が横色収差を与えるため、一般に低い。

光源は、それらの光ビームが光学系の出力で多重化されるように、波長λ1およびλ2に対応する光学系の焦点にそれぞれ配置され得る。

光学系は、「軸外で使用される」と言われ、すなわち、その光軸から外れている。言い換えると、光学系の物体焦点に収束する入射光ビームは、この光学系を前記光学系の光軸と平行な状態のままにしない。したがって、異なる波長に対応する光学系の焦点は、対応する光源をこれらの焦点の位置に配置できるように十分に別個である。このようにすると、スペクトル多重化は、軸外で使用される収差のある光学系によって正確に且つ自動的に行われる。

変形によれば、光学アセンブリは、軸上で使用されて横色収差を有する少なくとも1つの光学系を備える。

光源は準単色であってもよく、各光源は、波長λ1またはλ2の光ビームをそれぞれ発する。

発光装置は吸収スペクトロメータの光源部分を形成でき、本発明に係るスペクトル多重化手段は、分析されるべきサンプルを照らすようになっている多重化(または重ね合わされる)光ビームを形成するために光ビームを混合させることができる。

この実施形態の変形によれば、光学アセンブリは、通常は色収差の補正のために使用されるダブレットレンズまたはトリプレットレンズを備える。したがって、ダブレットレンズまたはトリプレットレンズは、その設計使用外で用いられる。例えば、クラウン−フリントダブレット(ダブレットの2つのレンズのそれぞれのために使用される2つのタイプのガラスの名前から)である。

この実施形態の他の変形によれば、光学アセンブリは、光学プリズムと光学合焦手段および/または光学コリメーション手段とを備える。一般に、光学アセンブリは、 コリメート光ビームを形成して光源から光学プリズムへと方向付けるように配置される光学コリメーション手段と、 プリズムから出現する光ビームを共通の焦点へと方向付けるように配置される光学合焦手段と、 を備える。

逆方向で使用される、少なくとも1つのレンズおよび/または光学プリズムを備えるスペクトル分解のための任意の光学系を本発明に係る光学アセンブリとして利用できることが考慮され得る。

好ましくは、各光源が発光ダイオード(LED)である。LEDは、発散光ビームを発する準点光源である。

本発明に係る発光装置は、4つ以上の光源、例えば少なくとも5個、8個、または、12個、あるいは更には、少なくとも12個の光源を含むことができる。数十個の光源を想起することさえできる。

光源の波長は340nm〜800nmとなり得る。

また、本発明に係る発光装置は、互いに異なる周波数の光源のうちの少なくとも2つの光強度を変調させるようになっている変調手段を備えることもできる。

特に、本発明に係る装置は、各光源の光強度を互いに独立に変調するようになっている変調手段を備える。

したがって、多重化ビームにおける各光源の寄与度は、周波数フィルタリング検出、例えば同期検出を利用することによって容易に見出され得る。そのため、特に信号は観察された周波数で雑音から干渉を受けるだけであることから、多重化ビームを受ける検出器の信号対雑音比を向上させることができる。

好ましくは、本発明に係る装置は、光源のうちの少なくとも2つの光強度を互いに独立に制御するための手段も備える。

特に、本発明に係る装置は、各光源の光強度を互いに独立に制御するための手段を備える。

したがって、多重化ビームにおける各光源のエネルギー寄与度を容易に制御できる。

スペクトル制御されるマルチスペクトル光源が得られ、各スペクトル寄与度の強さは独立に制御される。

例えば、本発明に係る光源は、1つずつ順々にONされ得る。それぞれの瞬間に、1つを除く全ての光源のエネルギー寄与度はゼロである。そのような実施形態は、例えば吸収スペクトロメータのための光ビームを発する装置を製造できるようにする。そのようなスペクトロメータでは、サンプルを通過した後にその波長がその後に分解されなければならない白色光をサンプルへ送る代わりに、それぞれの瞬間に、単一の波長のみが送られる(無論、各光源のスペクトル幅にしたがって)。そのため、スペクトル分解の最終ステップが省かれる。サンプルにより透過されるビームにおける波長を分離する代わりに発光装置を制御する選択がなされる。あるいは、全ての光源を同時にONすることができるが、先に規定された変調手段を使用すると、吸収スペクトロメータでは、空間的分離により、依然としてスペクトル分解の最終ステップを省く。

また、光強度制御手段は、各光源の光強度をサンプルによる吸収に対して及び/または検出器の応答に対して適合させることができるようにする。

また、本発明は、スペクトル制御された光ビームを発するための少なくとも2つの本発明に係る装置Mを備える、スペクトル制御された光ビームを発するための設備M2にも関連し、各装置Mは重合ビームとして知られる光ビームを供給し、スペクトル制御された光ビームを発するための設備M2は、スペクトル制御された光ビームを発するための各装置Mのそれぞれの重合光ビームを空間的に重ね合わせるように配置される補助的なスペクトル多重化手段を更に備える。

したがって、更に一層多くのビーム、特に準単色ビームを重ね合わせることができる。特に、本発明に係る発光装置と比べて少なくとも2倍多くの光ビームを重ね合わせることができる。

補助的なスペクトル多重化手段は、好適には、任意の従来の多重化手段を備える。幾つかの例が以下に与えられる。

補助的なスペクトル多重化手段は、少なくとも1つの二色性ミラーのアセンブリを備えることができる。反射または透過の組を使用して、それぞれの発光装置と関連付けられる各光ビームを空間的に重ね合わせることができる。

補助的なスペクトル多重化手段は、その幾つかの入力光ファイバから発生する光ビームを一緒に多重化するように配置されるファイバマルチプレクサを備えることができる。そのようなファイバマルチプレクサのために用語「ファイバスプリッタ」を使用できる。

スペクトル制御された光ビームを発するための各装置は、それぞれの導波管と、スペクトル制御された光ビームを発するための他の装置と共通の光学コリメーション手段とを備えることができ、また、補助的なスペクトル多重化手段は、導波管のそれぞれから発生する光ビームを多重化するように配置される。特に、スペクトル制御された光ビームを発するための各装置は、それぞれの均質化導波管を備えることができる。これらの変形において、導波管(随意的には、均質化導波管)は、対応する光学アセンブリによって重ね合わされるあるいは互いに近づけられる光ビームが伝搬する各発光装置に対応する。異なる導波管の出力は、ファイバスプリッタによって多重化され(または混合され)た後、共通の光学コリメーション手段によって平行にされる。

また、本発明は、サンプルを照らすための手段を備える、少なくとも1つのサンプルを分析するためのスペクトロメータにも関連する。サンプルを照らすための手段は、スペクトル制御された光ビームを発するための本発明に係る装置M、または、スペクトル制御された光ビームを発するための本発明に係る設備M2を備える。

本発明に係るスペクトロメータは、吸収スペクトロメータを形成できるとともに、 分析されるべきサンプルにより透過される光ビームを収集することができる少なくとも1つの検出器であって、波長λ1またはλ2のそれぞれで検出器により受けられる光束に関連する信号を供給することができる少なくとも1つの検出器と、 分析されるべきサンプルによる各波長λ1またはλ2のそれぞれの吸収を決定できる信号処理手段と、 を備えることができる。

本発明に係る吸収スペクトロメータは、従来の吸収スペクトロメータとは異なり、回折格子またはマルチチャネルリニア検出器(例えば、CCDセンサまたはフォトダイオードアレイ)などの高価で大型の光学構成要素を使用しないため、そのコストは制御されたままである。

また、本発明に係るスペクトロメータは光源を直接に組み込む。本発明に係る吸収スペクトロメータは、互いに異なる周波数の各光源の光強度を変調するようになっている変調手段と、光源と同期して検出器により供給される信号を復調するようになっている信号処理手段とを備えることができる。

好適には、本発明に係る吸収スペクトロメータは、光源のうちの少なくとも2つの光強度を互いに独立に制御するための手段を備える、本発明に係る発光装置または発光設備の変形を備える。

したがって、既に説明したように、実施される原理は根本的に異なる。これは、実施される原理が、分析されるべきサンプルにより透過される光ビームを検出のラインに沿ってスペクトル的に分解する代わりに(変調によって、あるいは、単一の光源の即座の作動によって)発光を制御することから成るからである。したがって、本発明に係る吸収スペクトロメータは、以下の多くの他の利点を有する。干渉光に対するその感度が限られるが、その測定ダイナミクスが広範囲に及ぶとともに、その検出閾値は、光回折格子を使用する吸収スペクトロメータに対して低い、および、 その測定速度は、測定スペクトルを走査するために機械的な動きを伴う単色スペクトロメータ(フィルタホイールまたは回折格子モノクロメータ)に対して向上される。この速度は、光強度変調を利用する変形においては非常に良好である。

実際に、従来技術では、サンプルにより透過されるビームのスペクトル分解が完全ではない。検出のライン上の所定の位置では、以下が分かる。すなわち、構成要素の主要部(全てではない)が波長λ1にあり、また、干渉光が透過ビームの他の波長の全てにある。この干渉光は、本質的に、回折格子の使用によってもたらされる拡散に起因する。発光を制御する代わりに操作することから成る原理の変更が、この欠点を解決する。

本発明に係る吸収スペクトロメータは、分析されるべきサンプルを照らす多重化光ビームが結合される少なくとも1つの光ファイバを含むことができる。

本発明に係る吸収スペクトロメータは、コリメート光ビームをサンプルへと方向付けるために本発明に係る装置または設備の出力に配置される光学コリメーション手段を含むことができる。

本発明に係る吸収スペクトロメータは、分析されるべきサンプルによる各波長λ12(および、適用可能な場合にはλi〜N,i>2)の吸収に応じて各光源の光強度を変更することができるフィードバック手段を備えることができる。したがって、検出器の感度および線形性の最良の領域で動作することが確保される。このようにすると、信号対雑音比が向上される。

本発明に係るスペクトロメータは、蛍光スペクトロメータを形成できるとともに、 分析されるべきサンプルにより発せられる蛍光光ビームを収集するように配置される少なくとも1つの検出器と、 サンプルにより受けられる波長λ1またはλ2のそれぞれに応じて検出器により受けられる(蛍光光ビームの)光束に関連する信号を供給するようになっている信号処理手段と、 を備えることができる。

サンプルにより受けられる波長λ1またはλ2のそれぞれは、一般に、励起波長として知られる。

検出器は、所定のスペクトル帯域だけを検出するように設けることができる。

蛍光スペクトロメータは、本発明に係る発光装置(または発光設備)が光源のうちの少なくとも2つの光強度を互いに独立に制御するための手段を備える変形例において特に有利である。この場合、信号処理手段は、各波長λ1またはλ2のそれぞれの(励起の)所定の強度と励起の継続時間とに応じて検出器により受けられる光束に関連する信号を供給する。励起の継続時間は光強度制御手段によって制御される。したがって、時間分解蛍光を実現できる。励起の継続時間に応じて、異なる分子は同じ励起を受けない。急速励起時間に取り組むことは、急速検出に取り組むよりも費用がかからない。本発明は、好ましくは、例えばLEDを使用することにより急速励起時間に取り組むことができるようにする。

例えば、検出器は、簡単な強度検出器を備え、また、信号処理手段は、励起波長(サンプルにより受けられる波長λ1またはλ2のそれぞれ)に応じて検出器により受けられる蛍光光ビームの全強度に関連する信号を供給する。

これに代えてあるいは加えて、検出器はスペクトロメータを備えることができ、また、信号処理手段は、励起波長に応じて検出器により受けられる蛍光光ビームの蛍光スペクトルに関連する信号を供給する。

蛍光スペクトロメータは、対応する波長λ1またはλ2のそれぞれの吸収に応答してサンプルにより発せられる蛍光光ビームの強度に応じて各光源の光強度を変更することができるフィードバック手段を備えることができる。

本発明に係る蛍光スペクトロメータは、互いに異なる周波数の各光源の光強度を変調するようになっている変調手段と、光源と同期して検出器により供給される信号を復調するようになっている信号処理手段とを備えることができる。

本発明に係る吸収スペクトロメータまたは本発明に係る蛍光スペクトロメータは基準チャネルを備えることができる。すなわち、サンプルを照らすための手段により発せられる光ビームの一部は、分析されるべきサンプルへと方向付けられず、基準サンプルへと方向付けられる。したがって、サンプルにより受けられる波長λ1またはλ2のそれぞれに応じて検出器により受けられる光束に関連する信号および吸収をそれぞれ計算するために基準を利用できる。基準サンプルではなく、基準チャネルをスペクトロメータに容易に組み込むことができるようにする簡単な空の位置(外気)を設けることができる。

あるいは、最初に基準サンプルを分析した後に、分析されるべきサンプルを分析することによって較正を行うことができる。

また、本発明は、サンプルを照らすための手段を備える蛍光撮像機器または吸収撮像機器にも関連する。サンプルを照らすための手段は、スペクトル制御された光ビームを発するための本発明に係る装置Mまたはスペクトル制御された光ビームを発するための本発明に係る設備M2を備える。

本発明に係る撮像機器は、蛍光顕微鏡機器を形成できるとともに、 分析されるべきサンプルにより発せられる蛍光光ビームを備える戻り信号を収集するようになっている収集手段と、 戻り信号の光学的拡大のための手段と、 を備えることができる。

同様に、本発明に係る撮像機器は、吸収顕微鏡機器を形成できるとともに、 分析されるべきサンプルにより反射されるあるいは後方散乱される光ビームを備える戻り信号を収集するようになっている収集手段と、 戻り信号の光学的拡大のための手段と、 を備えることができる。

本発明に係る蛍光顕微鏡機器は、対応する波長λ1またはλ2のそれぞれの吸収に応答してサンプルにより発せられる蛍光光ビームの強度に応じて各光源の光強度を変更することができるフィードバック手段を備えることができる。

同様に、本発明に係る吸収顕微鏡機器は、対応する波長λ1またはλ2のそれぞれの吸収に応答してサンプルにより反射されるあるいは後方散乱される光ビームの強度に応じて各光源の光強度を変更することができるフィードバック手段を備えることができる。

本発明に係る蛍光顕微鏡機器または吸収顕微鏡機器は、互いに異なる周波数の各光源の光強度を変調するようになっている変調手段を備えることができる。信号処理手段は、光源と同期して検出器(例えば表示手段)により供給される信号を復調するように設けることができる。

また、本発明は、異なる波長の光ビームにより連続的に照らされる少なくとも1つのサンプルを観察するためのマルチスペクトル撮像機器であって、 スペクトル制御された光ビームを発するための本発明に係る装置Mまたはスペクトル制御された光ビームを発するための本発明に係る設備M2を備えるサンプルを照らすための手段と、 それぞれの瞬間に単一の光源を1つずつ駆動させるようになっている、別個の光源のための制御手段と、 撮像手段と、 を備えるマルチスペクトル撮像機器にも関連する。

本発明は、一般に、分光分析機器または撮像機器などの任意の機器で照明手段を形成するための、スペクトル制御された光ビームを発するための本発明に係る装置Mまたはスペクトル制御された光ビームを発するための本発明に係る設備M2の使用に関する。本発明に係る発光装置に関して述べられる利点の全ては、これらの異なる使用にある(特に、発光の適合性、および、発光のスペクトル制御)。

また、本発明は、(博物館、宝石商店、歯科医の使用のために歯を検査するための機器等内の)物体の演色を最適化する照明手段を形成するための本発明に係る発光装置Mまたは本発明に係る発光設備M2の使用にも関連し得る。

最後に、本発明は、発光波長λ1またはλ2またはλ3のそれぞれの準単色光ビームをそれぞれ発する少なくとも3つの半導体チップを備える発光ユニットに関する。半導体チップは、それらの発光波長に応じた有色度合いによってランク付けされる。

チップの発光波長は、チップの発光スペクトルにわたるチップの最大強度に対応する波長である。この波長は、一般に、発光スペクトルがベル形状である場合には、チップの発光スペクトルの中心にある。

用語「チップ(chip)」は、英語では、半導体チップを示すために使用される。より具体的には、用語「マイクロチップ」を使用できる。光ビームを発する半導体チップに関しては用語「LEDチップ」も使用できる。

本発明に係る発光ユニットは、マルチコアLED(英語では「マルチチップLED(multichip LEDs)」として知られる)の一般原理を採用するが、その原理を変更する。従来技術において、マルチコアLEDは、LEDの発光の強度を最適化するように形成される。したがって、各半導体チップは1つの同じ発光スペクトルを有する。これに対し、本発明によれば、各半導体チップが完全に異なる発光波長を有するべきことが望まれる。また、本発明によれば、半導体チップは、それらの発光波長にしたがって配置される。更に、本発明によれば、半導体チップが多数となることができ、例えば1つの同じ光源内に12個の半導体チップを設けることができる。

これらの半導体チップが同一平面上にあってもよい。

特に、半導体チップを一列に並べることができる。それらのチップを円または楕円の円弧あるいは任意の他の円錐円弧に沿って分布させるようにすることもできる。

好ましくは、半導体チップの幅は、1mm未満、例えば90μm〜500μm、あるいは更には、90μm〜200μmである。チップの最小寸法に沿って測定されるチップの寸法を示すために半導体チップの幅が引き合いに出される。

2つの隣り合うダイオード間の距離は、好適には、90μm〜500μmである。この距離は、特に、各半導体チップのスペクトル幅と、2つの隣り合う半導体チップの発光波長間の差とに応じて変化し得る。この距離は、本発明に係る光源で使用することが望まれる半導体チップの数によって決まる。

2つの隣り合うダイオード間の距離が固定されてもよい。

あるいは、第1のダイオードと隣り合うダイオードとの間の距離は、第1のダイオードの発光波長と隣り合うダイオードの発光波長とに伴って変化する。

特に、本発明に係る発光ユニットは、光源を形成するために、スペクトル制御された光ビームを発するための本発明に係る装置で使用され得る。したがって、本発明は、光源がそのような発光ユニットにより形成される、既に説明したようなスペクトル制御された光ビームを発するための装置に関連し得る。

本発明の他の利点および特徴は、決して限定的でない実施形態および実施の詳細な説明を読むことにより、また、以下の添付図面から、明らかになる。

スペクトル制御された光ビームを発するための本発明に係る装置で利用される2つの光源の発光スペクトルを示す。

本発明に係る発光装置の第1の実施形態を示す。

本発明に係る発光装置の第2の実施形態を示す。

本発明に係る発光装置の第3の実施形態を示す。

本発明に係る発光装置の第4の実施形態を示す。

本発明に係る発光設備の一実施形態を示す。

本発明に係る吸収スペクトロメータの一実施形態を示す。

本発明に係る蛍光スペクトロメータの一実施形態を示す。

本発明に係る蛍光顕微鏡機器の一実施形態を示す。

本発明に係るマルチスペクトル撮像機器の一実施形態を示す。

本発明に係る発光ユニットの一実施形態を示す。

最初に、図1を参照すると、本発明に係る発光装置で利用される2つの光源の発光スペクトルが描かれる。

波長λ1またはλ2のそれぞれで準単色である2つの光源の光強度にはそれぞれI1(λ)またはI2(λ)のマークが付されている。各スペクトルI1(λ)またはI2(λ)はそれぞれ、動作波長λ1またはλ2としてそれぞれ知られる波長でピークを有する「ベル形状」(例えば、ガウス分布)を成す。このピークは、動作波長に対して比較的小さい半値全幅を有する。

したがって、第1の光源S1は、以下を伴うベル形状の発光スペクトルを有する。 動作波長λ1=340nmにおいて高さI1,max(光強度I1(λ)の最大値、すなわち、I1,max1))のピーク、および、 λ1のピーク付近の半値全幅Δλ1、ここでは10nmに等しい。

同じように、第2の光源S2は、以下を伴うベル形状の発光スペクトルを有する。 動作波長λ2=405nmにおいて高さI2,max(光強度I2(λ)の最大値、すなわち、I2,max2))のピーク、および、 λ2のピーク付近の半値全幅Δλ2、ここでは10nmに等しい。

このとき、光源S1,S2は準単色と見なされ得る。これは、 Δλ11<<1であることから、光源S1の半値全幅Δλ1が波長λ1に対して小さく、 Δλ22<<1であることから、光源S2の半値全幅Δλ2が波長λ2に対して小さい からである。

他のスペクトル形状を有する多色光源の使用に備えることもできる。本発明によれば、光源の位置に応じて、動作波長または発光波長として知られる波長を中心として位置付けられるそのスペクトルの一部だけが使用される。したがって、そのスペクトルがこの動作波長で高い強度を有する場合には、多色光源を使用することができる。

ここで、光源は、発光ダイオード(英語では「Light−Emitting Diodes」であるために「LED」)を備える。発光ダイオードの使用は故障のリスクを減らすことができるようにし、LEDは、通常はスペクトロメータなどの装置で利用される光源、例えば白熱光源または放電源よりも長い寿命を有する光源である。また、LEDは、サイズがより小さいという利点を有する。

図2を参照すると、本発明に係るスペクトル制御光ビーム発光装置1の第1の実施形態が描かれる。

この実施形態では、12個の光源が存在する。図を読み易くするため、5個の光源、すなわち、S1,S2,Si,SNだけが示されている。ここで、N=12である。しかしながら、望み通りの多くの光源を設けることができる。

これらの光源S1〜S12は準単色光源と見なされ、各光源は、波長λ1〜λ12の光ビームをそれぞれ発する。

準単色光源とは、その発光スペクトルの波長が狭い光源を意味する。これは、発光ダイオードS1,S2の発光スペクトルが示される図1に照らして理解されてもよい。

図1に関連して描かれる光源S1,S2に加えて、10個の他の光源S3〜S12は、以下の波長の光ビームを発する。 光源S3:λ3=450nm、 光源S4:λ4=480nm、 光源S5:λ5=505nm、 光源S6:λ6=546nm、 光源S7:λ7=570nm、 光源S8:λ8=605nm、 光源S9:λ9=660nm、 光源S10:λ10=700nm、 光源S11:λ11=750nm、 光源S12:λ12=800nm、

したがって、光源S1〜S12は、色度の増大する程度でランク付けされる。

変形として、利用される用途に適した任意の他の波長を使用することができる。

好ましくは、光源の波長は340ナノメートル〜800ナノメートルを成す。

この第1の実施形態において、光源S1〜S12は、好適には、それらのそれぞれの発光スペクトルが重なり合わないように選択される。このことは、そのそれぞれのスペクトルが図1に示される光源S1,S2の例を依然として挙げると、 波長λ2における光源S1の光強度I12)がピーク値I2,maxに対して非常に低い、例えば、このピーク値の5%未満、好ましくは1%未満であり、 波長λ1における光源S2の光強度I21)がピーク値I1,maxに対して非常に低い、例えば、このピーク値の5%未満、好ましくは1%未満である、 ことを意味する。

好適には、光源はそれぞれ、それらの前方に配置される光学フィルタを備えることができ、それにより、更に一層のそれらのそれぞれの半値全幅を制限できる。この光学フィルタは、当業者に知られる従来のスペクトルフィルタであり、その「通過帯域」として知られる特定の波長範囲にわたってのみ光ビームを伝えることができるようにする。このフィルタは、例えば、吸収フィルタまたは干渉フィルタであってもよい。

12個の光源S1〜S12は、図2に示される発明の実施形態では、密閉型の発光ダイオードである。このことは、発光ダイオードS1〜S12のそれぞれが、ここでは、光を発してパッケージ内に配置されるチップ(または、英語では「LEDチップ(LED chip)」)を含み、パッケージが、一方ではチップが発光しているときにチップにより放出される熱を放散できるようにし、他方ではチップの動作のためにチップへ電力を与えることができるようにすることを意味する。

したがって、パッケージは、一般に、例えばエポキシ樹脂などのエポキシドポリマーあるいはセラミックなどの耐熱性のある電気絶縁材料によって構成される。

パッケージは、一般に、半田の2つのスポットを用いてプリント回路基板21に半田付けされる2つの金属ピンを備え、これらの半田スポットは、一方では発光ダイオードをプリント回路基板上に固定できるようにし、他方ではLEDに電流を供給できるようにする。

変形として、1つの同じパッケージが幾つかのチップ(英語では「マルチチップLED(multichip LED)」)を含んでもよく、このとき、パッケージは、一般に、チップがパッケージに組み込まれる場合と同じ数の金属ピン対を備える。この場合、これはマルチコアLEDと称される。パッケージの様々なチップは同一である。

それぞれの変形では、金属ピンを単純な導電面に置き換えて、「表面実装デバイス」におけるSMD(すなわち、英語では「Surface Mounted Device」であるためにSMD)として知られる技術を使用するようにしてもよい。

以下、図11を参照して、本発明に係る光源の製造のための他の可能性について説明する。

プリント回路基板21、すなわち、PCB(英語では「Printed Circuit Board」であるため)21は、ここでは、当該技術分野において良く知られる「FR4」タイプのガラス繊維強化エポキシ樹脂から形成される。

必要な電力を供給するために、プリント回路基板21はコネクタ22を備える。図を読み易くするために、コネクタ22は全ての図に示されていない。図7を参照すると、このコネクタ22には各発光ダイオードごとに調整される電流を供給する電源・制御ボックス24に連結されたケーブル23が接続されていることに気付く。

発光ダイオードS1〜S12はそれぞれ、それらの発光波長λ1〜λ12の光ビームを発する。各光ビームは一般に発散ビームであり、LEDは、準ランバート態様で発光する光源である。

発光装置1は、多重化された光ビーム26を形成するために光源S1〜S12の光ビームを混合させるスペクトル多重化手段を備える。

図2に示される発明の実施形態において、これらのスペクトル多重化手段は、光軸A1を有する厚い両凹レンズ25により形成される光学アセンブリ自体によって形成される。そのようなレンズ25がその光軸A1から外れて動作されるときに横色収差を有することは知られている。

実際に、レンズ25は、波長λ1〜λ12に対応する焦点F1〜F12を有する。横色収差に起因して、これらの焦点は、異なる別個のものであって、レンズ25の光軸A1と交わる一直線に整列される。

レンズ25のこれらの特異点の光学的特徴は、これらの点から発生する光ビームが、伝送されて、「コリメート」光ビームとして知られる平行光線を有する光ビームの形態へとレンズ25により変換されるという点である。

したがって、焦点F1からレンズ25の方向に波長λ1で発せられる光ビームは、同じ波長λ1の平行光ビームとしてレンズ25から出現する。同じように、焦点F2からレンズ25の方向に波長λ2で発せられる光ビームは、同じ波長λ2の平行光ビームとしてレンズ25から出現して、波長λ1の平行光ビーム上に重ね合わされる。したがって、焦点F1,F2から発せられる2つの光ビームは、レンズ25の出力で混合されあるいは「多重化される」。

これにより、光源S1〜S12をそれぞれ横色収差を有するレンズ25の波長λ1〜λ12に対応する焦点F1〜F12の位置に配置することによって、LED S1〜S12により発せられる光ビームがレンズ25の出力で多重化されて、ここではコリメート光ビームの形態を成す多重化された光ビーム26が形成されることが理解される。

したがって、多重化された光ビーム26は、それが幾つかの混合された波長を備えるため、多色光ビームである。

図3は、本発明に係る発光装置1の第2の実施形態を示す。

図3は、それが図2とは異なる限りにおいてのみ記載される。図2に示される実施形態では、光源S1〜S12がレンズ25の波長λ1〜λ12に対応する焦点F1〜F12の位置に位置付けられるが、この実施形態では、これが当てはまらない。したがって、「ポイント・ツー・ポイント」光学的共役が利用され、「焦点無限遠」ではない。光源S1〜S12は、レンズ25が光源と共通の像点37との間で光学的共役を果たすような位置に位置付けられる。この像点37に配置される空間フィルタ穴39は、レンズ25から出現する光ビームに対して空間フィルタリングを行うことができるようにする。

共通の像点37がその物体焦点に配置されるようにアクロマートコリメーションレンズ38が配置され、これにより、コリメート多重化ビーム26を得ることができる。

図4は、本発明に係る発光装置1の第3の実施形態を示す。

図4は、図3とのその差異に関してのみ記載される。

図4に示される例において、レンズ25の幾何学的収差は、共通の像点が光源S1〜S12に関して得られないようになっている。

各光源は、レンズ25によってそれぞれの像点401〜4012で結像される。レンズ25は、光源S1〜S12を単一の点で結像しないが、光源のそれぞれから生じる光ビームを互いに近づける。したがって、点401〜4012は、小さい寸法を有する焦点ボリューム内、例えば直径が数ミリメートルで且つ高さが数ミリメートルである厚いディスク内で組み合わされる。そのため、均質化導波管41が、像点401〜4012を形成する光ビームが導波管41内を進行するように配置される。導波管は、例えば、3mmの直径と75mmの長さとを有する液体コア光ファイバである。各光源S1〜S12から発生する光ビームは、均質化された光ビームが導波管の出力で得られるように導波管の内側で混合される。ビームは、それぞれの波長での各ビームの寄与度が空間的に混合されることから均質化されたと呼ばれる。導波管の出力では、アクロマートコリメータ38により、コリメート多重化ビーム26を得ることができる。液体コア光ファイバの直径は、従来の光ファイバの直径(数百マイクロメートル)よりもかなり大きい。ファイバの出力での良質コリメーションと同時にファイバにおける有効な結合を確保するために、約3mmの直径、一般的には2mm〜6mmの直径を有する液体コア光ファイバが選択される。

図5は、本発明に係る発光装置1の第4の実施形態を示す。

図5は、それが図2とは異なる限りにおいてのみ記載される。

この実施形態において、スペクトル多重化手段は、コリメーションレンズ55と合焦レンズ52とによって取り囲まれる光学プリズム51により形成される光学アセンブリを備える。コリメーションレンズは、各光源S1〜S12から出現する光ビームを平行にできるようにする。したがって、幾つかのコリメートビームがプリズム51へと方向付けられる。この段階で、幾つかのコリメートビームを空間的に別々にすることができあるいは部分的に重ね合わせることができる。プリズム51は、プリズムの反対の面で出現するこれらのビームを、それらのビームが合焦レンズ52へと方向付けられるように互いに空間的に近づけ、合焦レンズ52は、異なる光源により発せられる光ビームを像点53で空間的に組み合わせる。

プリズムとレンズとのアセンブリは、一般に、異なる波長を空間的に分離するために、スペクトロメータとの関連で使用される。これに対し、ここでは、プリズムおよびレンズは、光の逆戻りの原理を利用することにより、異なる波長のビームを空間的に近づけるために使用される。

像点53はアクロマートコリメーションレンズ38の物体焦点に位置され、それにより、多重化されたコリメートビーム26がこのレンズ38の出力で得られる。

図5に関連して説明された実施形態と図4に関連して説明された実施形態とを組み合わせることが想起され得る。特に、単一の像点53が得られない場合には、小さい寸法を有するボリューム内に位置される一群の像点401〜Nが得られる。

ここで、図6を参して、本発明に係る発光設備60の一実施形態について説明する。

本発明に係る発光設備60は、本発明に係る3つの発光装置1を備える。

より正確には、図6に示される実施形態において、発光設備60は、 それぞれが光源S1〜SN(Nは5よりも大きい)を備える3つの光源ユニットを備える、 各光源ユニットごとに、特に図3,4,5に関連して既に説明した光学アセンブリ61を備える、 各光学アセンブリ61の出力で、各光源ユニットに対応する光ビームは、単一の点で、または、小さな体積を有する合焦領域(例えば、直径が5ミリメートルで且つ高さが2ミリメートルの厚いディスク)内で組み合わされる複数の点で合焦される。各光源ユニットに対応する光ビームのそれぞれは、均質化導波管であってもよいそれぞれの導波管41内へ入る。 ファイバスプリッタ63であって、各導波管41内を伝搬するビームをファイバスプリッタ63の出力の単一の導波管64内で空間的に組み合わせるファイバスプリッタ63を備える。 3つの発光装置1に共通のコリメーション光学素子38を備える。

したがって、各発光装置1の各光源の発光波長を組み合わせる多色コリメート多重化ビーム65が出力で得られる。

また、この実施形態の変形を成すこともでき、その変形では、専用のコリメーション光学素子38が、この場合にはファイバスプリッタ63の上流側に位置される各発光装置1に対応する。この変形では、好適には、ファイバスプリッタを二色ミラーに置き換えることができる。

図2〜図5に関連して説明された幾つかの発光装置1を利用する全ての想定し得る変形が想起されてもよい。

ここで、図7を参照して、本発明に係る吸収スペクトロメータ70の一実施形態について説明する。そのようなスペクトロメータは、サンプルの正確な化学分析を行うことができるようにする。

本発明に係る吸収スペクトロメータ70は、本発明に係る発光装置1により形成される照明手段を有する。

多重化光ビーム26は、チャンバ12内に配置されるここでは人の血液サンプルにより構成される分析されるべきサンプル11を照らすことができるようにする。以下、その特徴について詳述する。

単一のサンプルを設けることができ、この場合、オペレータが2つの測定間で1つのサンプルを他のサンプルと交換し、あるいは、2つの測定間で単一の支持体を単に並進させるべくサンプルの組が並行に配置される。

サンプルの前方で多重化光ビーム26の経路上に配置される光源用の偏光フィルタを設けることができる。あるいは、光源はそれぞれ、それらの前方に配置される偏光フィルタを備えることができる。この偏光フィルタは、最終的に蛍光によって再放射される光から、分析されるべきサンプル11によって吸収される光をサンプルを通じた透過後に解離させることにより、信号対雑音比を増大させることができるようにする。また、そのような偏光フィルタは、分析されるべきサンプル11の旋光性も、フィルタによって示される場合には測定できるようにする。

多重化光ビーム26は、分析されるべきサンプル11を明るく照らすように伝搬する。

サンプル11は例えばチャンバ12内に配置され、チャンバ12の壁は、透明であるとともに、発光装置1で利用される波長をあまり吸収できない。チャンバ12は、ここでは、石英から形成される平行六面体チューブから成る。

その後、多重化光ビーム26はサンプル11を通過し、サンプル中では、多重化光ビームがその経路に沿って吸収される。より正確には、多重化光ビーム26のうちの波長λ1〜λ12の光ビームのそれぞれがサンプル11によって吸収され、その吸収は波長λ1〜λ12のそれぞれにおいて先験的に異なる。

好適には、分析されるべきサンプル11に1つ以上の化学試薬を加えることができ、それにより、分析されるべきサンプル11の滴定を行うことができる。

チャンバ12からの出力では、分析されるべきサンプル11によって透過される光ビーム34が得られ、この透過された光ビーム34のスペクトルは、サンプル11の化学組成の部分的なサインのようなサンプル11の特性である。

透過された光ビーム34は、その後、「検出器ユニット」によって検出されて分析される。

特に、検出器ユニットは、分析されるべきサンプル11により透過される光ビーム34を収集する検出器31、例えば「シングルチャネル」検出器を備える。検出器31は、ここでは、シリコンタイプの半導体フォトダイオードである。

変形として、検出器は、アバランシェフォトダイオード、光電子増倍管、または、CCDセンサあるいはCMOSセンサであってもよい。

検出器31は、その後、各波長λ1〜λ12ごとに受けられる光束に関連する信号を供給する。所定の波長で受けられる光束は、サンプル11によるこの波長の吸収のレベルに関連付けられる。

検出器31により受けられる光束に関連する信号は、分析されるべきサンプル11による各波長λ1〜λ12の吸収を決定する信号処理手段32へ送信される。サンプル11の分析の結果は、その後、結果を吸収スペクトルの形態で表す表示手段33へ伝えられ、該表示手段では、波長が平軸上に示されるとともに、サンプル11の吸収レベルが対象の波長に関して例えばパーセンテージとして垂直軸上に示される。

各光源の光強度を制御して、例えば光源の周波数を変調するために、電源・制御手段24が配置される。

したがって、互いに異なる周波数の各光源S1〜S12の光強度を変調するようにしてもよい。そのため、前述したように、各光源から発生する信号を検出中に区別することができる。一般に、変調周波数は1キロヘルツ〜1ギガヘルツである。信号処理手段32は、その後、光源S1〜S12と同期して検出器31により供給される信号を変調する。これにより、特に、信号検出器のみを使用して測定を行うことができる。

あるいは、各光源を単にONまたはOFFするだけで、それぞれの瞬間に光源のうちの1つだけが光を発するようにすることができる。

これらの2つの実施形態を組み合わせるようにすることができる。

これは、多重化ビーム26のスペクトルのスペクトル・時間制御と称されてもよい。

このようにして異なる光源S1〜S12を分離することにより(周波数変調により、あるいは、連続してONにすることにより)、分析されるべきサンプル11での吸収の測定が高い精度をもって行われる。特に、前述したように、検出ノイズがかなり減少される。

LEDの応答時間は、100ns程度と非常に素早く、一般的には10ns〜1000nsである。このように素早いスペクトル制御は時間分解分光法と称され得る。したがって、そのような電源・制御手段24は、非常に急速な現象を観察できるようにする。LEDの応答時間は、適切に選択されるフォトダイオードの応答時間と同じ程度の大きさを有する。発光側および受光側の両方でのそのような応答時間に起因して、これらの応答時間(例えば数百ナノ秒)が分子の振動状態および回転状態の寿命と同じ程度であることから、非常に急速な現象を観察できる。例えば、吸収現象を経時的に観察することができる。例えば、どのような速度で分子のエネルギーレベルが励起されて脱励起されるのかを観察することができる。

また、吸収スペクトロメータ70は、分析されるべきサンプル11による各波長λ12の吸収に応じて各光源S1〜S12の光強度を変更するフィードバック手段も含む。

フィードバック手段は、特に、 電源・制御手段24と、 信号処理手段32と電源・制御手段24との間の接続ケーブル35と、 フィードバックを実施できる計算手段と、 を備える。

信号処理手段32は、実際には、分析されるべきサンプル11による各波長λ1〜λ12の吸収の測定に関連する信号を接続ケーブル35を介して電源・制御手段24へ送信する。

したがって、接続ケーブル35は、発光装置と検出器ユニットとの間でフィードバックループを確立する。このフィードバックループは、検出器31の感度および線形性の最良の領域で動作するために各波長の強度を適合させることができるようにする。

以下、図7に示される吸収スペクトロメータを用いて吸収測定を行うためにオペレータが実施する手順について説明する。

較正ステップ このステップにおいて、オペレータは、12個のLED S1〜S12を備えるプリント回路基板21へ電力を供給できるようにする電源・制御手段24を起動させ、その結果、各LEDは、それらのそれぞれの波長λ1〜λ12で発散光ビームを発する。その後に多重化光ビーム26が形成され、この多重化光ビームは、チャンバ12を照らすためにチャンバ12へと伝搬する。

その後、オペレータは「空の」測定を行う。すなわち、このステップにおいて、吸収スペクトロメータのチャンバ12は、空であって、分析されるべきサンプル11を未だ収容していない。したがって、多重化光ビーム26は、そのほぼ全体が透過光ビーム34としてチャンバ12により透過される。

変形として、オペレータは、その吸収スペクトルが知られているpH=7(水素イオン指数)の水でチャンバが満たされた状態でこの較正ステップを行うことができる。

その後、検出器31は、透過光ビーム34を収集するとともに、異なるLED S1〜S12により発せられる各光ビームの光強度に関連付けられる信号を、この信号を記録する信号処理手段32へ供給する。

この較正ステップの終わりに、信号処理手段は、各光源S1〜S12により発せられて吸収スペクトロメータの空のチャンバ12を通じて透過された各光ビームの光強度の較正値をメモリ内に記憶してしまっている。

測定ステップ このステップにおいて、オペレータは、分析されるべきサンプル11を吸収スペクトロメータのチャンバ12内にしっかりと配置して、新たな測定を行う。

したがって、それ故に、この測定ステップの終わりに、信号処理手段は、各光源S1〜S12により発せられ且つ測定されるべきサンプル11により満たされた吸収スペクトロメータ10の空のチャンバ12を介して透過された各光ビームの光強度の測定値をメモリ内に記憶してしまっている。

信号処理手段32は、その後、各波長λ1〜λ12ごとに、較正ステップで較正された値と測定ステップで測定された値との間の比率を決定し、この比率は、多重化光ビーム26を形成する単色光ビームのそれぞれの吸収に関連付けられる。

その後、結果は、オペレータが見ることができるグラフの形態で表示手段33に表示される。

1つの波長から他の波長までの吸収の相対的なレベルに応じて、オペレータは、そのレベルから、サンプル11の性質を推定することができる。それぞれの化合物は既知の吸収スペクトルを有する。したがって、サンプル11のスペクトルは、濃度によって重み付けられる既知のスペクトルの重ね合わせである。デコンボリューションにより、サンプルのスペクトル内の各化合物の分率を見出すことができる。(前述したような)本発明により与えられる高い測定感度は、化合物のこの分析の精度を高める。

ここで、図8を参照して、本発明に係る蛍光スペクトロメータ80について説明する。

図8は、それが図7とは異なる限りにおいてのみ記載される。この実施形態において、多重化光ビーム26はサンプル11へ向けて方向付けられる。多重化光ビーム26の吸収に応じて、サンプルが蛍光ビーム81を発する。

検出器82がこの蛍光ビーム81を受ける。検出器82は、例えば、フォトダイオードまたはスペクトロメータから成る。蛍光スペクトルの測定は、サンプル11の成分を特定できるようにする。

検出器82は信号処理手段83に連結される。検出器82がスペクトロメータであれば、信号処理手段はスペクトロメータの一体部分を形成できる。

特に、 電源・制御手段24と、 信号処理手段83と電源・制御手段24との間の接続ケーブル(図示せず)と、 フィードバックを実施できる計算手段と、 を備えるフィードバック手段(図示せず)を設けることができる。

信号処理手段83は、実際には、各波長λ1〜λ12と関連付けられる蛍光信号の測定に関連する信号を接続ケーブル35を介して電源・制御手段24へ送信する。

そのようなフィードバックループは、検出器82の感度および線形性の最良の領域で動作することができるようにする。

ここで、図9を参照して、本発明に係る蛍光顕微鏡機器90について説明する。

図9は、それが図8とは異なる限りにおいてのみ記載される。

サンプル11は生体組織から成ることができる。

蛍光ビーム81は、少なくとも1つのレンズの配置によって蛍光ビーム81の全体を収集できるように収集手段91へ向けて方向付けられる。

蛍光ビーム81は、その後、サンプル11の観察領域の拡大像を例えば観察者の眼の網膜上に合焦させる光学的拡大手段92へと案内される。したがって、例えば蛍光分子により既に標識化されてしまったある特定の成分をサンプル内で見つけるために、サンプル11により発せられた蛍光信号の像を得ることができる。

ここで、図10を参照して、本発明に係るマルチスペクトル撮像機器100について説明する。

本発明に係るマルチスペクトル撮像機器100は、本発明に係る発光装置1により形成される照明手段を有する。

多重化光ビーム26は、生体内観察の状況の中で、ここでは人の組織のサンプルにより構成される、分析されるべきサンプル11を照らすことができるようにする。

合焦レンズ105は、分析されるべきサンプル11上の特定の部位に多重化光ビーム26を合焦させる。

マルチスペクトル撮像では、幾つかの像が捕捉され、各像はスペクトルの非常に狭い帯域に対応する。したがって、表面により反射される光のなお一層正確な定義付けが得られるとともに、肉眼で見ることができない特徴を取得できる。分析されるべき材料または生成物の特徴である波長に応じてスペクトル帯域を選択できる。これは、異なる光源S1〜S12を選択することによって行うことができる。

したがって、マルチスペクトル撮像機器100は制御手段101を備え、制御手段101は、光源のための電源・制御手段と、幾つかの光源のうちの1つを連続的に駆動させるようになっている計算手段とを備える。これらの連続的な駆動は、手動で制御され得るあるいは自動化され得る。

合焦された光ビーム26は、サンプル11で反射ビーム102として反射されて、撮像手段103へと伝搬し、撮像手段103は、例えばレンズの組と、適切な場合にはディスプレイスクリーンとを備える。

したがって、特に生体内観察の状況の中で、非常に急速な事象を監視できる。

図7〜図10は、本発明に係る発光装置の異なる適用を示す。これらの適用と、図2〜図5に関連して説明された発光装置の異なる実施形態との全ての想定し得る組み合わせを想起できる。また、図7〜図10に関連して説明されたそれぞれの例では、本発明に係る発光装置を本発明に係る発光設備(図6)に置き換えることも想起できる。

最後に、ここで、図11を参照して、本発明に係る発光ユニット110の一実施形態について説明する。

発光ユニット110は、斜線模様を伴って示される3つの半導体チップ114を備える。各半導体チップのドーピングは、チップの中心発光波長および発光幅を決定できるようにする。チップは単一の構成要素内に組み込まれる。この構成要素は、プラスチックまたはセラミックから形成することができる。各チップは、電気絶縁性の接着剤を用いて基板(例えば、アルミニウム)上に結合され、更には時として、電極上に直接に結合される。各チップは、金線を用いた半田付けによって、2つの専用の電極1151,1152のそれぞれに微細半田付けされる。本発明が発光ユニットのチップの選択および配置にあることから、発光ユニットの製造についてはこれ以上説明しない。

本発明に係る発光ユニット110はSMD構成要素である。図11は、金属ピン1161または1162をそれぞれ備える支持体112に連結される発光ユニット110を示す。各金属ピン1161または1162はそれぞれ、電極1151,1152のそれぞれに対して電気的に連結される。これらの金属ピンは、プリント回路基板上の簡略化された配線を可能にする。

各半導体チップ114は、例えば、500μmの辺を有する正方形の形態を成す。2つの半導体チップ114間の距離は1.5mm程度である。この距離は直線117に沿って測定され、直線117に沿って半導体チップが一列に並べられる。

無論、本発明は、今しがた説明してきた例に限定されず、また、対応する発明の範囲を超えることなく、これらの例に対して多くの調整を行うことができる。

特に、既に説明された特徴、形態、変形、および、実施形態の全ては、それらが互いに不適合とならないあるいは相互に矛盾しない程度まで、様々な組み合わせを成して互いに組み合わせることができる。

「マルチチャネル」として知られる変形、すなわち、多重化ビームを同じスペクトルの幾つかのビームへと空間的に分離するための手段を更に備える変形も想起できる。

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