高周波モジュール

申请号 JP2016566097 申请日 2015-12-09 公开(公告)号 JPWO2016104145A1 公开(公告)日 2017-08-31
申请人 株式会社村田製作所; 发明人 武 小暮; 武 小暮; 農史 小野; 農史 小野; 啓之 永森; 啓之 永森;
摘要 基板 (200)において、抵抗(24R)は、増幅回路(11)の 位置 とデュプレクサ(24)の位置との間に配置されるので、増幅回路(11)と、デュプレクサ(24)を介したメインスイッチ(26)から受信 端子 (P24)への経路との間の空間に結合が生じることを抑制する。高周波モジュール(100)は、デュプレクサ(24)のRX端子(242)が増幅回路(11)側に向いても、上述の結合を抑制するので、当該結合によって形成される経路を介して低域の送信 信号 の高調波が受信端子(P24)へ漏洩することを防止することができる。すなわち、高周波モジュール(100)は、低域及び高域のアイソレーション特性の低下を防止しつつ、基板レイアウトの 自由度 を確保することができる。
权利要求

第1帯域内の信号を送受信するように構成された第1送受信部と、 前記第1帯域より高い第2帯域内の信号を送受信するように構成された第2送受信部と、 が基板に配置された高周波モジュールであって、 前記第1送受信部及び前記第2送受信部は、それぞれ、アンテナに接続されるアンテナ端子と、受信回路に接続される受信端子と、送信信号を増幅するように構成された増幅回路と、前記増幅回路が増幅した前記第1及び第2帯域内の送信信号をそれぞれ前記アンテナ端子へ通過させ、かつ前記アンテナ端子からの前記第1及び第2帯域内の受信信号をそれぞれ前記受信端子へ通過させるように構成された分波回路とを有し、 前記基板において、前記第2送受信部の分波回路の位置と、前記第1送受信部の増幅回路の位置との間に配置される結合阻害素子であって、前記第1送受信部及び第2送受信部による信号の送受信に影響を与えない結合阻害素子をさらに備える、 高周波モジュール。前記結合阻害素子は、前記基板の厚み方向に延伸するビア導体を介して前記基板のグランドに接続される、 請求項1に記載の高周波モジュール。前記基板は、前記結合阻害素子が実装される第1面と、前記第1面に対向する第2面とを有し、 前記基板は、前記第2面に複数のグランド電極をさらに備え、 前記結合阻害素子は、前記ビア導体のみを介して前記グランド電極に接続される、 請求項2に記載の高周波モジュール。前記ビア導体のみを介して前記結合阻害素子に接続される前記グランド電極は、前記基板において、前記第1送受信部のグランド及び前記第2送受信部のグランドと電気的に分離される、 請求項3に記載の高周波モジュール。前記結合阻害素子は、ゼロオーム抵抗である、 請求項1〜4のいずれかに記載の高周波モジュール。

第1帯域内の信号を送受信するように構成された第1送受信部と、 前記第1帯域より高い第2帯域内の信号を送受信するように構成された第2送受信部と、 が基板に配置された高周波モジュールであって、 前記第1送受信部及び前記第2送受信部は、それぞれ、アンテナに接続されるアンテナ端子と、受信回路に接続される受信端子と、送信信号を増幅するように構成された増幅回路と、前記増幅回路が増幅した前記第1帯域内及び前記第2帯域内の送信信号をそれぞれ前記アンテナ端子へ通過させ、かつ前記アンテナ端子からの前記第1及び第2帯域内の受信信号をそれぞれ前記受信端子へ通過させるように構成された分波回路とを有し、 前記基板において、前記第2送受信部の分波回路の位置と、前記第1送受信部の増幅回路の位置との間に配置される結合阻害素子であって、前記第1送受信部及び第2送受信部による信号の送受信に影響を与えない結合阻害素子をさらに備える、 高周波モジュール。前記結合阻害素子は、前記基板の厚み方向に延伸するビア導体を介して前記基板のグランドに接続される、 請求項1に記載の高周波モジュール。前記基板は、前記結合阻害素子が実装される第1面と、前記第1面に対向する第2面とを有し、 前記基板は、前記第2面に複数のグランド電極をさらに備え、 前記結合阻害素子は、前記ビア導体のみを介して前記グランド電極に接続される、 請求項2に記載の高周波モジュール。前記結合阻害素子が前記ビア導体のみを介して接続される前記グランド電極は、前記基板において、前記第1送受信部のグランド及び前記第2送受信部のグランドから電気的に分離される、 請求項3に記載の高周波モジュール。前記結合阻害素子は、ゼロオーム抵抗である、 請求項1〜4のいずれかに記載の高周波モジュール。

说明书全文

本発明は、異なる帯域の信号を同時に無線で送受信する高周波モジュールに関する。

近年、異なる帯域の信号を同時に無線で送受信する通信方法として、例えばキャリアアグリゲーションが知られている。キャリアアグリゲーションに対応する高周波モジュールとしては、アンテナと、受信回路と、送信信号を増幅する増幅回路と、分波回路とを帯域毎に必要とする。

キャリアアグリゲーションを実現する高周波モジュールを小型化すると、各帯域のアイソレーション特性が低下する。具体的には、低域用の増幅回路で増幅された送信信号の高調波が、高域用の受信回路へ漏洩しやすくなる。

そこで、特許文献1に記載された高周波モジュールは、低域用の増幅回路に含まれる整合回路を基板内部のグランドパターンに接続せず、基板裏面のグランド端子に接続することにより、基板内部のグランドパターンを介して送信信号の高調波が高域用の受信回路へ漏洩することを抑制している。

低域の送信信号の高調波は、グランドパターンに限らず、他の経路を介することでも、高域用の受信回路へ漏洩することがある。他の経路としては、素子間及び伝送線路間に生じる結合(電磁界結合及び静電結合)によって形成されるものが存在する。例えば、低域用の増幅回路の増幅素子と、高域用の分波回路の素子との間の空間に結合が生じると、当該素子間に経路が形成される。

特開2007−124202号公報

本願発明者らによれば、高域用の分波回路の素子の向きを調整すると、当該素子と低域用の回路素子との間の結合を抑制できることが分かった。具体的には、高域用の分波回路の素子の各端子のうち受信回路に接続されるRX端子が、低域用の増幅回路と反対側に位置するように高域用の分波回路の素子の向きを調整すれば、上述の結合を抑制できる。また、高域用の分波回路の素子の向きに限らず、高域用の分波回路の素子と、低域用の回路素子とを互いに遠ざけるように各素子を配置しても、上述の結合を抑制できる。

しかしながら、そのような各素子の配置は、基板レイアウトの自由度を制約する。

そこで、本発明の目的は、異なる帯域の信号を同時に無線で送受信する高周波モジュールであって、各帯域のアイソレーション特性の低下を防止しつつ、基板レイアウトの自由度を確保できる高周波モジュールを提供することにある。

高周波モジュールは、第1帯域(例えば900MHzを含む帯域)内の信号を送受信するように構成された第1送受信部と、第1帯域より高い第2帯域(1,800MHzを含む帯域)内の信号を送受信するように構成された第2送受信部とが基板に配置されたものである。

具体的には、前記第1送受信部及び前記第2送受信部は、それぞれ、アンテナに接続されるアンテナ端子と、受信回路に接続される受信端子と、送信信号を増幅するように構成された増幅回路と、前記増幅回路が増幅した前記第1及び第2帯域内の送信信号をそれぞれ前記アンテナ端子へ通過させ、かつ前記アンテナ端子からの前記第1及び第2帯域内の受信信号をそれぞれ前記受信端子へ通過させるように構成された分波回路とを有す。

第1送受信部の増幅回路及び第2送受信部の増幅回路は、アンテナ側と送受信回路側とのインピーダンス整合のために、それぞれ整合回路を含んでもよい。

第1送受信部の分波回路は、中心周波数が900MHzの送信信号をアンテナ端子へ出し、中心周波数が940MHzのアンテナ端子からの受信信号を受信端子へ出力するように、例えば複数のSAW(Surface Acoustic Wave)フィルタで構成される。同様に、第2送受信部の分波回路も、1,800MHzを含む帯域で信号を分波するように、複数のSAWフィルタで構成される。

本発明の高周波モジュールは、さらに結合阻害素子を備える。結合阻害素子は、前記第1送受信部及び第2送受信部による信号の送受信に影響を与えないものである。例えば、結合阻害素子は、高周波モジュールにおいて、第1送受信部及び第2送受信部と電気的に分離されることで、第1送受信部及び第2送受信部による信号の送受信に影響を与えない。

本発明の高周波モジュールの結合阻害素子は、前記基板において、前記第2送受信部の分波回路の位置と、前記第1送受信部の増幅回路の位置との間に配置される。

このように結合阻害素子を基板に配置すると、第1送受信部の増幅回路と、第2送受信部の分波回路との間の空間に結合(電磁界結合及び静電結合)が生じにくくなる。当該結合が生じにくくなるので、第1送受信部の増幅回路から出力された送信信号の高調波が、第2送受信部の分波回路の通過帯域の周波数成分を含む場合であっても、当該高調波は、当該結合によって形成される経路を介して受信端子へ漏洩しにくくなる。

例えば、第2送受信部の分波回路の素子の各端子のうち受信端子に接続されるRX端子を第1送受信部の増幅回路側に向けても、上述の漏洩が抑制されるので、第1帯域及び第2帯域のアイソレーション特性は低下しにくくなる。また、第2送受信部の分波回路と第1送受信部の増幅回路とを互いに近づけても、上述の漏洩が抑制されるので、各帯域のアイソレーション特性は低下しにくくなる。

以上のように、本発明の高周波モジュールは、結合阻害素子を備えることで、第1送受信部の増幅回路から出力された送信信号の高調波が第2送受信部の受信端子へ漏洩することを抑制するので、各帯域のアイソレーション特性の低下を防止しつつ、基板レイアウトの自由度を確保できる。

また、前記結合阻害素子は、前記基板の厚み方向に延伸するビア導体を介して前記基板のグランドに接続されてもよい。これにより、結合阻害素子は、第1送受信部の増幅回路と第2送受信部の分波回路との間の空間のうち、基板内部の空間に生じる結合をさらに抑制することができる。

さらに、前記ビア導体のみを介して前記結合阻害素子に接続される前記グランド電極は、前記基板において、前記第1送受信部のグランド及び前記第2送受信部のグランドと電気的に分離されてもよい。これにより、第1送受信部の増幅回路から出力された送信信号の高調波は、共通のグランドパターンを介して、第2送受信部の受信端子へ漏洩しにくくなる。

また、前記結合阻害素子は、インダクタ及びキャパシタであってもよいが、0(ゼロ)オーム抵抗であってもよい。

この発明の高周波モジュールは、異なる帯域の信号を同時に無線で送受信しても、各帯域のアイソレーション特性の低下を防止しつつ、基板レイアウトの自由度を確保できる。

本発明の実施形態に係る高周波モジュールの回路例を示す図である。

(A)は、本発明の実施形態に係る高周波モジュールの上面(素子実装面)図であり、(B)は、A−A断面図である。

本発明の実施形態に係る高周波モジュールの変形例1に係る高周波モジュールの断面図である。

本発明の実施形態に係る高周波モジュールの変形例2に係る高周波モジュールの上面(素子実装面)図である。

本発明の実施形態に係る高周波モジュール100の概要について、高周波モジュール100は、LTE(Long Term Evolution)規格で信号(例えば700MHz〜2,700MHzの信号)を送受信するものである。高周波モジュール100は、信号の送受信のために、送信信号の増幅、周波数分割による送信信号と受信信号との分波、及び通信の帯域切替を行う。高周波モジュール100は、キャリアアグリゲーションを実現する。すなわち、高周波モジュール100は、複数の帯域の信号を同時に無線で送受信する。

高周波モジュール100は、低域用の増幅回路の位置と、高域用の分波回路の位置との間に、結合阻害素子を基板に配置することで、低域用の増幅回路から出力された送信信号の高調波が高域用の受信回路へ漏洩することを抑制するものである。

結合阻害素子とは、素子間及び伝送線路間の結合(電磁界結合及び静電結合)を阻害するものである。本実施形態では、結合阻害素子として0(ゼロ)オーム抵抗の抵抗チップを用いて説明する。

次に、高周波モジュール100の詳細について、図1を用いて説明する。図1は、高周波モジュール100の回路例を示す図である。

図1に示すように、高周波モジュール100は、低域送受信部10と、高域送受信部20とを備える。

低域送受信部10は、入力端子P10と、第1アンテナ端子P17とを備える。入力端子P10には、低域の送信信号が入力される。第1アンテナ端子P17は、低域用のアンテナANT1に接続される。高域送受信部20は、入力端子P20と、第2アンテナ端子P27とを備える。入力端子P20には、前記低域の送信信号に比べて高域の送信信号が入力される。第2アンテナ端子P27は、高域用のアンテナANT2に接続される。

本実施形態では、一例として、低域送受信部10が主に送受信する600MHz〜1,000MHzの周波数帯域を第1帯域と設定し、高域送受信部20が主に送受信する1,600MHz〜2,700MHzの周波数帯域を第2帯域と設定して説明する。

低域送受信部10は、増幅回路11と、整合回路12と、サブスイッチ13と、複数のデュプレクサ14及びデュプレクサ15と、メインスイッチ16と、を備える。

増幅回路11は、入力端子P10に入力された低域(600MHz〜1,000MHz)の送信信号を増幅し、増幅後の送信信号を整合回路12へ出力する。整合回路12は、例えばインダクタ及びキャパシタを備え、第1アンテナANT1側と、増幅回路11側との間でインピーダンスを整合する。

サブスイッチ13は、共通端子P13と、複数の個別端子P134,P135とを備える。共通端子P13は、整合回路12に接続される。個別端子P134は、デュプレクサ14に接続される。個別端子P135は、デュプレクサ15に接続される。

メインスイッチ16は、サブスイッチ13との組により、整合回路12と第1アンテナANT1との経路に用いられるデュプレクサをデュプレクサ14及びデュプレクサ15から選択するために、整合回路12といずれかのデュプレクサとの接続と、該デュプレクサと第1アンテナ端子P17との接続と、を切り替える。ただし、切替は、制御IC213(図2(A)を参照)から出力される制御信号に基づく。

デュプレクサ14は、例えば、LTE規格のband19(800MHzの帯域)において、周波数分割により送信信号と受信信号とを分波する。具体的には、デュプレクサ14は、共通端子と、2つの個別端子とを備える。デュプレクサ14は、単一の筐体に一体形成される送信側フィルタSt14と、受信側フィルタSr14と、を備える。受信側フィルタSr14は、平衡−不平衡変換機能を有する。

デュプレクサ14の共通端子は、メインスイッチ16の個別端子P164に接続される。デュプレクサ14の一方の個別端子には、送信側フィルタSt14と、サブスイッチ13の個別端子P134とが接続される。デュプレクサ14の他方の個別端子には、受信側フィルタSr14と、受信端子P14とが接続される。受信端子P14は、高周波モジュール100が実現される基板以外のメイン基板の受信回路(不図示)に接続される。

送信側フィルタSt14は、例えばSAW(Surface Acoustic Wave)フィルタであり、830MHz〜845MHzを通過帯域とし、その他の帯域を減衰帯域とするフィルタである。受信側フィルタSr14は、例えばSAWフィルタであり、875MHz〜890MHzを通過帯域とし、その他の帯域を減衰帯域とするフィルタである。なお、SAWフィルタに代えて、BAW(Bulk Acoustic Wave)フィルタを用いることができる。

デュプレクサ15は、例えば、LTE規格のband17(700MHzの帯域)において、周波数分割により送信信号と受信信号とを分波する。具体的には、デュプレクサ15は、共通端子と、2つの個別端子とを備える。デュプレクサ15は、単一の筐体に一体形成される送信側フィルタSt15と、受信側フィルタSr15と、を備える。受信側フィルタSr15は、平衡−不平衡変換機能を有する。

デュプレクサ15の共通端子は、メインスイッチ16の個別端子P165に接続される。デュプレクサ15の一方の個別端子には、送信側フィルタSt15と、サブスイッチ13の個別端子P135とが接続される。デュプレクサ15の他方の個別端子には、受信側フィルタSr15と、受信端子P15とが接続される。受信端子P15は、高周波モジュール100が実現される基板以外のメイン基板の受信回路(不図示)に接続される。

送信側フィルタSt15は、例えばSAWフィルタであり、704MHz〜716MHzを通過帯域とし、その他の帯域を減衰帯域とするフィルタである。受信側フィルタSr15は、例えばSAWフィルタであり、734MHz〜746MHzを通過帯域とし、その他の帯域を減衰帯域とするフィルタである。

メインスイッチ16の共通端子P16は、第1アンテナ端子P17に接続される。第1アンテナANT1は、低域の信号の送受信に適した形状である。

高域送受信部20は、低域送受信部10と同様の構成を備え、送受信する信号の帯域が異なる。高域送受信部20は、増幅回路21と、整合回路22と、サブスイッチ23と、複数のデュプレクサ24及びデュプレクサ25と、メインスイッチ26と、を備える。

増幅回路21は、入力端子P20に入力された高域(1,600MHz〜2,700MHz)の送信信号を増幅し、増幅後の送信信号を整合回路22へ出力する。整合回路22は、例えばインダクタ及びキャパシタを備え、第2アンテナANT2側と、増幅回路21側との間でインピーダンスを整合する。

サブスイッチ23は、共通端子P23と、複数の個別端子P234,P235とを備える。共通端子P23は、整合回路22に接続される。個別端子P234は、デュプレクサ24に接続される。個別端子P235は、デュプレクサ25に接続される。

メインスイッチ26は、サブスイッチ23との組により、整合回路22と第2アンテナANT2との接続経路に用いられるデュプレクサをデュプレクサ24及びデュプレクサ25から選択するために、整合回路22といずれかのデュプレクサとの接続と、該デュプレクサと第2アンテナ端子P27との接続と、を切り替える。ただし、切替は、制御IC213から出力される制御信号に基づく。

デュプレクサ24は、例えば、LTE規格のband1(2,100MHzの帯域)において、周波数分割により送信信号と受信信号とを分波する。具体的には、デュプレクサ24は、共通端子と、2つの個別端子とを備える。デュプレクサ24は、単一の筐体に一体形成される送信側フィルタSt24と、受信側フィルタSr24と、を備える。受信側フィルタSr24は、平衡−不平衡変換機能を有する。

デュプレクサ24の共通端子は、メインスイッチ26の個別端子P264に接続される。デュプレクサ24の一方の個別端子には、送信側フィルタSt24が接続される。デュプレクサ24の他方の個別端子には、受信側フィルタSr24と、受信端子P24とが接続される。受信端子P24は、高周波モジュール100が実現される基板以外のメイン基板の受信回路(不図示)に接続される。

送信側フィルタSt24は、例えばSAWフィルタであり、1,920MHz〜1,980MHzを通過帯域とし、その他の帯域を減衰帯域とするフィルタである。受信側フィルタSr24は、例えばSAWフィルタであり、2,110MHz〜2,170MHzを通過帯域とし、その他の帯域を減衰帯域とするフィルタである。

デュプレクサ25は、例えば、LTE規格のband7(2,600MHzの帯域)において、周波数分割により送信信号と受信信号とを分波する。具体的には、デュプレクサ25は、共通端子と、2つの個別端子とを備える。デュプレクサ25は、単一の筐体に一体形成される送信側フィルタSt25と、受信側フィルタSr25と、を備える。受信側フィルタSr25は、平衡−不平衡変換機能を有する。

デュプレクサ25の共通端子は、メインスイッチ26の個別端子P265に接続される。デュプレクサ25の一方の個別端子には、送信側フィルタSt25が接続される。デュプレクサ25の他方の個別端子には、受信側フィルタSr25と、受信端子P25とが接続される。受信端子P25は、高周波モジュール100が実現される基板以外のメイン基板の受信回路(不図示)に接続される。

送信側フィルタSt25は、例えばSAWフィルタであり、2,500MHz〜2,570MHzを通過帯域とし、その他の帯域を減衰帯域とするフィルタである。受信側フィルタSr25は、例えばSAWフィルタであり、2,620MHz〜2,690MHzを通過帯域とし、その他の帯域を減衰帯域とするフィルタである。

メインスイッチ26の共通端子P26は、第2アンテナ端子P27に接続される。第2アンテナANT2は、高域の信号の送受信に適した形状で形成される。

高周波モジュール100の動作について、LTE規格のband19で送受信する例で説明する。LTE規格のband19で送受信する場合、制御IC213は、デュプレクサ14を介して送信信号を第1アンテナANT1へ出力するために、サブスイッチ13及びメインスイッチ16の接続を切り替える制御を行う。具体的には、制御IC213は、共通端子P13と個別端子P134とが接続され、共通端子P16と個別端子P164とが接続されるように、制御信号をサブスイッチ13及びメインスイッチ16へ出力する。

入力端子P10に入力された送信信号は、増幅回路11で増幅された後、整合回路12、サブスイッチ13、及びデュプレクサ14の送信側フィルタSt14を順に通過することで、704MHz〜716MHzの周波数成分が主な周波数成分となるように濾波される。その後、送信信号は、メインスイッチ16、及び第1アンテナ端子P17を順に通過し、第1アンテナANT1へ出力される。

LTE規格のband19の受信について、第1アンテナANT1が受信した受信信号は、第1アンテナ端子P17、及びメインスイッチ16を順に通過し、デュプレクサ14に入力される。受信信号は、受信側フィルタSr14によって、875MHz〜890MHzの周波数成分が受信端子P14へ出力される。

高周波モジュール100は、キャリアアグリゲーションを実現するため、LTE規格のband19以外のbandでも同時に信号を無線で送受信する。以下、LTE規格のband19と同時に信号を送受信するbandをband1として説明する。LTE規格のband1で信号を送受信する場合、制御IC213は、デュプレクサ24を介して送信信号を第2アンテナANT2へ出力するために、サブスイッチ23及びメインスイッチ26の接続を切り替える制御を行う。具体的には、制御IC213は、共通端子P23と個別端子P234とが接続され、共通端子P26と個別端子P264とが接続されるように、制御信号をサブスイッチ23及びメインスイッチ26へ出力する。

入力端子P20に入力された送信信号は、増幅回路21で増幅された後、整合回路22、サブスイッチ23、及びデュプレクサ24の送信側フィルタSt24を順に通過することで、1,920MHz〜1,980MHzの周波数成分が主な周波数成分となるように濾波される。その後、送信信号は、メインスイッチ26の個別端子P264、共通端子P26、及び第2アンテナ端子P27を順に通過し、第2アンテナANT2へ出力される。

LTE規格のband1の受信について、第2アンテナANT2が受信した受信信号は、第2アンテナ端子P27、メインスイッチ26を順に通過し、デュプレクサ24に入力される。受信信号は、受信側フィルタSr24によって、2,110MHz〜2,170MHzの周波数成分が受信端子P24へ出力される。

以上のように、高周波モジュール100は、LTE規格のband19(低域)とband1(高域)とにおいて同時に信号を無線で送受信する。高周波モジュール100は、band17とband7とにおいて同時に信号を無線で送受信する。なお、高周波モジュール100は、2つの帯域に限らず、互いに通過帯域の周波数が異なる3つ以上の帯域であってもよく、2つの低域、及び1つの高域の複数の帯域で同時に信号を送受信する態様であっても構わない。高周波モジュール100が、2つの低域と1つの高域の3つの通過帯域で同時に信号を送受信するとき、合計3つの通過帯域を低域、中域、及び高域と定めてもよい。3つ以上の通過帯域の内、低域、高域のいずれかを互いに異なる複数の通過帯域を含むように設定してもよい。

本実施形態に係る高周波モジュール100は、増幅回路11から出力された低域の送信信号の高調波が高域送受信部20の受信端子P24,P25へ漏洩することを抑制するために、抵抗24Rと、抵抗25Rとを備える。抵抗24R及び抵抗25Rは、それぞれ0(ゼロ)オーム抵抗の抵抗チップである。ただし、高周波モジュール100は、抵抗24R及び25Rに代えて、インダクタ及びキャパシタ等の他の素子を備えてもよい。

図1に示すように、抵抗24R及び抵抗25Rは、高周波モジュール100の入力端子P30と、出力端子P31との間でシリーズ接続される。抵抗24R及び抵抗25Rは、低域送受信部10及び高域送受信部20と電気的に分離される。すなわち、抵抗24R及び抵抗25Rは、低域送受信部10及び高域送受信部20による信号の送受信に影響を与えない。

以下、抵抗24R及び抵抗25Rを含む高周波モジュール100の回路素子の基板への配置について、図2(A)及び図2(B)を用いて説明する。図2(A)は、高周波モジュール100の上面(素子実装面)図である。図2(B)は、A−A断面図である。

図2(A)に示すように、高周波モジュール100は、図1に示す回路例を実現する複数の素子が基板200に配置されてなる。具体的には、基板200には、IC211と、制御IC213と、複数のチップ素子(抵抗、キャパシタ、及びインダクタ等のいずれか)212と、デュプレクサ14,15,24,25と、サブスイッチ13,23を含むスイッチIC217,メインスイッチ16,26を含むスイッチIC219とが配置される。

基板200の平面視において、−X側かつ+Y側の基板200の隅には、アンプ素子214と、複数のチップ素子215とが配置される。これらアンプ素子214と、複数のチップ素子215は、低域送受信部10の増幅回路11を実現する素子である。

基板200の平面視において、基板200の+X側にはデュプレクサ24とデュプレクサ25とが配置される。ただし、実際の高周波モジュール100は、デュプレクサ14,15,24,25以外にもデュプレクサDUPを備えるため、より多くのデュプレクサが図2では示されている。

ここで、デュプレクサ24は、サブスイッチ23に接続されるTX端子241と、受信端子P24に接続されるRX端子242とを備える。デュプレクサ25は、サブスイッチ23に接続されるTX端子251と、受信端子P25に接続されるRX端子252とを備える。

図2に示すように、RX端子242は、基板200の平面視において、デュプレクサ24の−X側に配置される。TX端子241は、基板200の平面視において、デュプレクサ24の+X側に配置される。換言すれば、デュプレクサ24は、受信端子P24を介して受信回路に接続されるRX端子242が、TX端子241より増幅回路11側となるような向きである。RX端子252は、基板200の平面視において、デュプレクサ25の−X側に配置される。TX端子251は、基板200の平面視において、デュプレクサ25の+X側に配置される。換言すれば、デュプレクサ25は、受信端子P25を介して受信回路に接続されるRX端子252が、TX端子251より増幅回路11側となるような向きである。

ここで、抵抗24R及び抵抗25Rを備えない、従来技術の高周波モジュールにおいて、高域用のデュプレクサのRX端子が増幅回路側に向くと、当該増幅回路と、当該RX端子から受信回路への経路との間の空間に結合が生じることがある。当該結合により、低域用の増幅回路から出力された送信信号の高調波であって、高域用の分波回路の通過帯域の周波数成分を含む高調波が、高域用の受信回路へ漏洩してしまうことがある。

そこで、本実施形態に係る高周波モジュール100では、基板200においてデュプレクサ24,25の各位置と増幅回路11の位置との間に抵抗24R及び抵抗25Rを配置することで、低域の送信信号の高調波が受信端子P24,P25へ漏洩することを防止する。

具体的には、図2に示すように、基板200において、抵抗24Rは、デュプレクサ24の位置と、増幅回路11の位置との間に配置される。すなわち、基板200において、抵抗24Rは、デュプレクサ24の位置と、アンプ素子214及び複数のチップ素子215の各位置と、の間に配置される。

このように抵抗24Rを配置することで、増幅回路11と、デュプレクサ24を介したメインスイッチ26から受信端子P24への経路H1とが、抵抗24Rを空間的に介すようになる。これにより、増幅回路11と経路H1との間の空間には電磁界結合及び静電結合(以下、単に結合と称す。)が生じにくくなる。例えば、増幅回路11を実現するアンプ素子214と、経路H1に含まれるデュプレクサ24との間の空間に結合が生じにくくなる。その結果、高周波モジュール100は、増幅回路11から出力された送信信号の高調波が、当該結合によって形成される経路を介して受信端子P24へ漏洩することを抑制する。

同様に、基板200において、抵抗25Rは、デュプレクサ25の位置と、増幅回路11の位置との間に配置される。すなわち、基板200において、抵抗25Rは、デュプレクサ25の位置と、アンプ素子214及び複数のチップ素子215の各位置と、の間に配置される。

このように抵抗25Rを配置することで、増幅回路11と、デュプレクサ25を介したメインスイッチ26から受信端子P25への経路H2とが、抵抗25Rを空間的に介すようになる。これにより、増幅回路11と経路H2との間の空間には結合が生じにくくなる。その結果、高周波モジュール100は、増幅回路11から出力された送信信号の高調波が、当該結合によって形成される経路を介して受信端子P25へ漏洩することを抑制する。

また、デュプレクサ24及びデュプレクサ25と、増幅回路11とを互いに近づけて配置したとしても、抵抗24R及び抵抗25Rは、増幅回路11と、経路H1,H2との間の空間に生じる結合を抑制するので、増幅回路11を実現するアンプ素子214と、経路H1,H2に含まれるデュプレクサ24及びデュプレクサ25との間の空間に生じる結合を抑制する。

以上のように、高周波モジュール100は、デュプレクサ24,25のRX端子242,252が増幅回路11側に向いたり、デュプレクサ24,25及び増幅回路11が互いに近づいたりしても、低域の送信信号の高調波が受信端子P24,P25へ漏洩することを防止することができる。すなわち、本実施形態に係る高周波モジュール100は、LTE規格の各帯域のアイソレーション特性の低下を防止しつつ、基板200におけるデュプレクサ24,25及びアンプ素子214を含む各素子の位置及び向きの設定の自由度(以下、基板レイアウトと称す。)を確保することができる。

なお、抵抗24R及び抵抗25Rは、それぞれ立体形状のチップ素子であり、基板200に実装されると、基板200の上面の法線方向に凸となる形状である。高周波モジュール100は、当該凸の量がより多い結合阻害素子を備えてもよい。すなわち、高周波モジュール100は、基板200の上面の法線方向により高い形状の結合阻害素子を備えてもよい。結合阻害素子は、より高い形状であれば上述の結合を阻害する効果がより高くなる。

また、抵抗24R及び抵抗25Rの詳細な配置について、抵抗24Rは、基板200において、デュプレクサ24のうちRX端子242の位置と、アンプ素子214の位置と、の間に配置される。抵抗24Rは、当該間のうち、RX端子242側に配置される。高周波モジュール100は、基板200において、抵抗24Rを、RX端子242の位置により近い位置に配置することで、増幅回路11とRX端子242から受信端子P24への経路との間の空間に生じる結合をさらに抑制することができる。

同様に、抵抗25Rは、基板200において、デュプレクサ25のうちRX端子252の位置と、アンプ素子214の位置と、の間に配置される。抵抗25Rは、当該間のうち、RX端子252側に配置される。高周波モジュール100は、基板200において、抵抗25Rを、RX端子252の位置により近い位置に配置することで、増幅回路11とRX端子252から受信端子P25への経路との間の空間に生じる結合をより効果的に抑制することができる。

また、図2(B)の断面図に示すように、抵抗25Rは、基板200の厚み方向(Z方向)に延伸するビア導体266と内部配線265とを介してグランド電極261に接続される。グランド電極261は、アンプ素子214、デュプレクサ24,25、及び抵抗24R,25Rが実装される基板200の実装面(上面)と対向する下面に配置される。デュプレクサ25,DUPは、各端子が内部配線264及びビア導体263を介して電極262及びグランド電極261に接続される。図示は、省略するが、抵抗24Rも、ビア導体と内部配線とを介してグランド電極に接続される。

高周波モジュール100は、抵抗24R及び抵抗25Rがそれぞれグランドに接続されるビア導体266に接続されるので、増幅回路11と経路H1,H2との間の空間のうち基板200の内部においても結合が生じることを抑制することができる。ただし、抵抗24R及び抵抗25Rは、それぞれグランドに接続されないビア導体に接続される態様であってもよい。また、抵抗24R及び抵抗25Rは、基板200の上面に実装されるのみで、基板200の配線パターンに接続されない態様であっても構わない。

次に、図3は、高周波モジュール100の変形例1に係る高周波モジュール100Aの断面図である。変形例1に係る高周波モジュール100Aでは、抵抗25Rは、ビア導体266Aのみを介してグランド電極261Aに接続される。

このように、高周波モジュール100Aは、内部配線を介さずにビア導体266Aと抵抗25Rとを接続することにより、上述の結合を抑制する効果を高めることができる。

さらに、図3に示すように、ビア導体266Aのみを介して抵抗25Rに接続されるグランド電極261Aは、デュプレクサDUP等の低域送受信部10及び高域送受信部20の各構成が接続されるグランド電極261と異なる。これにより、増幅回路11から出力された送信信号の高調波は、共通の内部配線及び共通のグランド電極を介して受信端子P24,P25へ漏洩しにくくなる。

上述の例では、結合阻害素子としての抵抗は、デュプレクサ毎に設けられていたが、以下のように、より多くの抵抗を設けてもよい。

図4は、高周波モジュール100の変形例2に係る高周波モジュール100Bの上面(素子実装面)図である。高周波モジュール100Bは、デュプレクサ24,25を含む高域送受信部20の各デュプレクサと、増幅回路11とを区画するように、複数の抵抗20Rが配置される点において高周波モジュール100と相違する。

図4に示すように、複数の抵抗20Rは、Y方向に沿って配列される。これにより、増幅回路11と、デュプレクサ24,25を介したメインスイッチ26から受信端子P24,P25への経路H1,H2と間の空間に結合がさらに生じにくくなる。

10…低域送受信部 11…増幅回路 12…整合回路 13…サブスイッチ 14,15…デュプレクサ 16…メインスイッチ 20…高域送受信部 20R…抵抗 21…増幅回路 22…整合回路 23…サブスイッチ 24,25…デュプレクサ 24R,25R…抵抗 26…メインスイッチ 100,100A,100B…高周波モジュール 200…基板 211…IC 213…制御IC 214…アンプ素子 212,215…チップ素子 217,219…スイッチIC 241,251…TX端子 242,252…RX端子 261,261A…グランド電極 262…電極 263,266,266A…ビア導体 264,265…内部配線

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