Receiving sensitivity detection device and a receiving device

申请号 JP2007549074 申请日 2006-11-27 公开(公告)号 JP4650847B2 公开(公告)日 2011-03-16
申请人 パイオニア株式会社; 发明人 尚 菅沼;
摘要
权利要求
  • 被変調波信号から受信感度を検出する受信感度検出装置であって、
    前記被変調波信号の搬送周波数を含み所定の低い周波数範囲までを通過帯域幅として有し、前記被変調波信号から該通過帯域幅内の下側信号成分を抽出する下側狭帯域フィルタ手段と、
    前記被変調波信号の搬送周波数を含み所定の高い周波数範囲までを通過帯域幅として有し、前記被変調波信号から該通過帯域幅内の上側信号成分を抽出する上側狭帯域フィルタ手段と、
    前記下側信号成分のエンベロープを検出する下側エンベロープ検出手段と、
    前記上側信号成分のエンベロープを検出する上側エンベロープ検出手段と、
    前記下側エンベロープ検出手段で検出される下側エンベロープ信号をピークホールドすることで平滑信号を生成する第1のピークホールド手段と、
    前記上側エンベロープ検出手段で検出される上側エンベロープ信号をピークホールドすることで平滑信号を生成する第2のピークホールド手段と、
    前記第1,第2のピークホールド手段で生成される平滑信号のうち、レベルの小さい平滑信号を選択して受信感度を示す受信感度信号を生成するセレクタ手段と、
    を具備することを特徴とする受信感度検出装置。
  • 被変調波信号から受信感度を検出する受信感度検出装置であって、
    前記被変調波信号の搬送周波数を含み所定の低い周波数範囲までを通過帯域幅として有し、前記被変調波信号から該通過帯域幅内の下側信号成分を抽出する下側狭帯域フィルタ手段と、
    前記被変調波信号の搬送周波数を含み所定の高い周波数範囲までを通過帯域幅として有し、前記被変調波信号から該通過帯域幅内の上側信号成分を抽出する上側狭帯域フィルタ手段と、
    前記下側信号成分のエンベロープを検出する下側エンベロープ検出手段と、
    前記上側信号成分のエンベロープを検出する上側エンベロープ検出手段と、
    前記下側エンベロープ検出手段で検出される下側エンベロープ信号と前記上側エンベロープ検出手段で検出される上側エンベロープ信号とのレベルを比較し、前記下側エンベロープ信号のレベルが前記上側エンベロープ信号のレベルより大きいとき、前記下側エンベロープ信号を第1の前置信号とし、前記下側エンベロープ信号のレベルが前記上側エンベロープ信号のレベルより小さいとき、基底レベルの第1の前置信号を生成する第1の前段セレクタ手段と、
    前記下側エンベロープ検出手段で検出される下側エンベロープ信号と前記上側エンベロープ検出手段で検出される上側エンベロープ信号とのレベルを比較し、前記上側エンベロープ信号のレベルが前記下側エンベロープ信号のレベルより大きいとき、前記上側エンベロープ信号を第2の前置信号とし、前記上側エンベロープ信号のレベルが前記下側エンベロープ信号のレベルより小さいとき、基底レベルの第2の前置信号を生成する第2の前段セレクタ手段と、
    前記第1の前段セレクタ手段で生成される前記第1の前置信号を高速充電低速放電することで平滑信号を生成する第1の高速充電低速放電手段と、
    前記第2の前段セレクタ手段で生成される前記第2の前置信号を高速充電低速放電することで平滑信号を生成する第2の高速充電低速放電手段と、
    前記第1,第2の高速充電低速放電手段で生成される平滑信号のうち、レベルの小さい平滑信号を選択して受信感度を示す受信感度信号を生成する後段セレクタ手段と、
    を具備することを特徴とする受信感度検出装置。
  • 請求項1又は2に記載の受信感度検出装置により生成される前記受信感度信号に従って、前記被変調波信号に基づいて検波された検波出力に対し自動受信制御を行う自動受信制御手段、
    を具備することを特徴とする受信装置。
  • 被変調波信号から受信感度を検出する受信感度検出方法であって、
    前記被変調波信号の搬送周波数を含み所定の低い周波数範囲までを通過帯域幅として、前記被変調波信号から該通過帯域幅内の下側信号成分を抽出する下側狭帯域フィルタ工程と、
    前記被変調波信号の搬送周波数を含み所定の高い周波数範囲までを通過帯域幅として、前記被変調波信号から該通過帯域幅内の上側信号成分を抽出する上側狭帯域フィルタ工程と、
    前記下側信号成分のエンベロープを検出する下側エンベロープ検出工程と、
    前記上側信号成分のエンベロープを検出する上側エンベロープ検出工程と、
    前記下側エンベロープ検出工程で検出される下側エンベロープ信号をピークホールドすることで平滑信号を生成する第1のピークホールド工程と、
    前記上側エンベロープ検出工程で検出される上側エンベロープ信号をピークホールドすることで平滑信号を生成する第2のピークホールド工程と、
    前記第1,第2のピークホールド工程で生成される平滑信号のうち、レベルの小さい平滑信号を選択して受信感度を示す受信感度信号を生成するセレクタ手段と、
    を備えることを特徴とする受信感度検出方法。
  • 被変調波信号から受信感度を検出する受信感度検出方法であって、
    前記被変調波信号の搬送周波数を含み所定の低い周波数範囲までを通過帯域幅とし、前記被変調波信号から該通過帯域幅内の下側信号成分を抽出する下側狭帯域フィルタ工程と、
    前記被変調波信号の搬送周波数を含み所定の高い周波数範囲までを通過帯域幅とし、前記被変調波信号から該通過帯域幅内の上側信号成分を抽出する上側狭帯域フィルタ工程と、
    前記下側信号成分のエンベロープを検出する下側エンベロープ検出工程と、
    前記上側信号成分のエンベロープを検出する上側エンベロープ検出工程と、
    前記下側エンベロープ検出工程で検出される下側エンベロープ信号と前記上側エンベロープ検出工程で検出される上側エンベロープ信号とのレベルを比較し、前記下側エンベロープ信号のレベルが前記上側エンベロープ信号のレベルより大きいとき、前記下側エンベロープ信号を第1の前置信号とし、前記下側エンベロープ信号のレベルが前記上側エンベロープ信号のレベルより小さいとき、基底レベルの第1の前置信号を生成する第1の前段セレクタ工程と、
    前記下側エンベロープ検出工程で検出される下側エンベロープ信号と前記上側エンベロープ検出工程で検出される上側エンベロープ信号とのレベルを比較し、前記上側エンベロープ信号のレベルが前記下側エンベロープ信号のレベルより大きいとき、前記上側エンベロープ信号を第2の前置信号とし、前記上側エンベロープ信号のレベルが前記下側エンベロープ信号のレベルより小さいとき、基底レベルの第2の前置信号を生成する第2の前段セレクタ工程と、
    前記第1の前段セレクタ工程で生成される前記第1の前置信号を高速充電低速放電することで平滑信号を生成する第1の高速充電低速放電工程と、
    前記第2の前段セレクタ工程で生成される前記第2の前置信号を高速充電低速放電することで平滑信号を生成する第2の高速充電低速放電工程と、
    前記第1,第2の高速充電低速放電工程で生成される平滑信号のうち、レベルの小さい平滑信号を選択して受信感度を示す受信感度信号を生成する後段セレクタ工程と、
    を具えることを特徴とする受信感度検出方法。
  • 請求項4又は5に記載の受信感度検出方法により生成される前記受信感度信号に従って、前記被変調波信号に基づいて検波された検波出力に対し自動受信制御を行う自動受信制御工程、
    を備えることを特徴とする受信方法。
  • 说明书全文

    本発明は、例えば無線放送等の電波の受信感度を被変調波信号から検出する受信感度検出装置と受信装置に関する。

    従来、受信感度(Receive Sensitivity)の変化に応じて検波出のレベルを調整することにより、ノイズ抑制効果が得られるようにしたFM受信装置が提案されている(特許文献1参照)。

    図1(a)は、この従来のFM受信装置の基本構成を示したブロック図であり、到来電波をフロントエンド部で中間周波信号に周波数変換した後、中間周波フィルタ及び増幅部で帯域制限と増幅処理を施すことにより、所望の周波数帯域の中間周波信号(IF信号)にし、そのIF信号を検波部が検波することで生じる検波出力をアンプに通して出力するようになっている。

    更に、受信感度検出手段としての整流平滑部が、中間周波フィルタ及び増幅部で生成される上述のIF信号aを整流平滑することによって、受信感度を示すSメータ信号bを生成し、このSメータ信号bの電圧レベルに従って上述のアンプの増幅率を自動調整することで、検波出力のレベルを調整している。

    かかる構成のFM受信装置によると、図1(b)(c)に模式的に示すように、IF信号aの振幅が到来電波の受信電界強度に応じたレベルとなり、Sメータ信号bもIF信号aの振幅に応じた電圧レベルとなることから、Sメータ信号bの電圧レベルに従ってアンプの増幅率を自動調整すると、S/N比の良い検波出力cを出力することができるとされている。

    特開平8−18468号公報

    ところが、上記従来のFM受信装置では、IF信号の占有周波数帯域内に隣接妨害波が侵入すると、Sメータ信号の電圧レベルがその妨害波の影響によって変動してしまい、受信感度を正確に検出することができなくなるという問題がある。

    すなわち、例えば我が国のFM放送では、受信周波数帯のなかで各放送局のチャンネル周波数帯域が約100kHzごとに隔てて割り当てられているのに対し、FM放送を受信するFM受信装置内の中間周波フィルタの帯域幅が、図1(d)に模式的に示すように、中心周波数(搬送周波数)foを中心として約±100kHz程度に設計されており、±75kHzの周波数を最大周波数偏移としてFM変調されているIF信号(被変調波)をFM検波することで、音声再生ができるようになっている。

    そして、予め決められている受信エリア内での混信を防止するため、夫々所定の受信エリア内の放送局のチャンネル周波数帯域は200kHz以上隔てた周波数に決められているが、その受信エリアの外の受信エリア(他の受信エリア)内に位置する放送局からの放送波を遠距離受信する場合等では、約±100kHz離れた放送局の放送波を受信することとなる場合があり、図1(e)に例示するように、その隣接している放送波の中間周波数成分が隣接妨害波NZLやNZUとなって、IF信号の占有周波数帯域内に侵入する。

    このため、従来のFM受信装置に設けられている受信感度検出手段としての整流平滑部によって、隣接妨害波が混入したIF信号を整流平滑すると、希望波本来の受信感度を正確に検出できなくなる。

    また、一般に受信感度は、受信装置内の様々な処理回路で利用される重要なパラメータであることから、隣接妨害の影響を抑制し、正確なSメータ信号を生成することが重要となっている。

    本発明は、このような従来の問題に鑑みてなされたものであり、隣接妨害の影響を抑制して、受信感度を正確に検出する受信感度検出装置を提供することを目的とする。

    また、正確に検出した受信感度に基づいてノイズ抑制効果の向上を図る受信装置を提供することを目的とする。

    請求項1に記載の発明は、被変調波信号から受信感度を検出する受信感度検出装置であって、前記被変調波信号の搬送周波数を含み所定の低い周波数範囲までを通過帯域幅として有し、前記被変調波信号から該通過帯域幅内の下側信号成分を抽出する下側狭帯域フィルタ手段と、 前記被変調波信号の搬送周波数を含み所定の高い周波数範囲までを通過帯域幅として有し、前記被変調波信号から該通過帯域幅内の上側信号成分を抽出する上側狭帯域フィルタ手段と、前記下側信号成分のエンベロープを検出する下側エンベロープ検出手段と、前記上側信号成分のエンベロープを検出する上側エンベロープ検出手段と、前記下側エンベロープ検出手段で検出される下側エンベロープ信号をピークホールドすることで平滑信号を生成する第1のピークホールド手段と、前記上側エンベロープ検出手段で検出される上側エンベロープ信号をピークホールドすることで平滑信号を生成する第2のピークホールド手段と、前記第1,第2のピークホールド手段で生成される平滑信号のうち、レベルの小さい平滑信号を選択して受信感度を示す受信感度信号を生成するセレクタ手段と、を具備することを特徴とする。

    請求項2に記載の発明は、被変調波信号から受信感度を検出する受信感度検出装置であって、前記被変調波信号の搬送周波数を含み所定の低い周波数範囲までを通過帯域幅として有し、前記被変調波信号から該通過帯域幅内の下側信号成分を抽出する下側狭帯域フィルタ手段と、 前記被変調波信号の搬送周波数を含み所定の高い周波数範囲までを通過帯域幅として有し、前記被変調波信号から該通過帯域幅内の上側信号成分を抽出する上側狭帯域フィルタ手段と、前記下側信号成分のエンベロープを検出する下側エンベロープ検出手段と、前記上側信号成分のエンベロープを検出する上側エンベロープ検出手段と、前記下側エンベロープ検出手段で検出される下側エンベロープ信号と前記上側エンベロープ検出手段で検出される上側エンベロープ信号とのレベルを比較し、前記下側エンベロープ信号のレベルが前記上側エンベロープ信号のレベルより大きいとき、前記下側エンベロープ信号を第1の前置信号とし、前記下側エンベロープ信号のレベルが前記上側エンベロープ信号のレベルより小さいとき、基底レベルの第1の前置信号を生成する第1の前段セレクタ手段と、前記下側エンベロープ検出手段で検出される下側エンベロープ信号と前記上側エンベロープ検出手段で検出される上側エンベロープ信号とのレベルを比較し、前記上側エンベロープ信号のレベルが前記下側エンベロープ信号のレベルより大きいとき、前記上側エンベロープ信号を第2の前置信号とし、前記上側エンベロープ信号のレベルが前記下側エンベロープ信号のレベルより小さいとき、基底レベルの第2の前置信号を生成する第2の前段セレクタ手段と、前記第1の前段セレクタ手段で生成される前記第1の前置信号を高速充電低速放電することで平滑信号を生成する第1の高速充電低速放電手段と、前記第2の前段セレクタ手段で生成される前記第2の前置信号を高速充電低速放電することで平滑信号を生成する第2の高速充電低速放電手段と、前記第1,第2の高速充電低速放電手段で生成される平滑信号のうち、レベルの小さい平滑信号を選択して受信感度を示す受信感度信号を生成する後段セレクタ手段と、を具備することを特徴とする。

    請求項3に記載の発明は、受信装置であって、請求項1又は2に記載の受信感度検出装置により生成される前記受信感度信号に従って、前記被変調波信号に基づいて検波された検波出力に対し自動受信制御を行う自動受信制御手段、を具備することを特徴とする。

    従来の受信感度検出装置の構成を表したブロック図及び機能を説明するための説明図である。

    実施形態に係る受信感度検出装置の構成を表したブロック図及び機能を説明するための説明図である。

    実施例に係る受信感度検出装置及び受信装置の構成を表したブロック図である。

    図3に示した受信感度検出装置の機能を説明するための説明図である。

    図3に示した受信感度検出装置の動作例するための波形図である。

    更に図3に示した受信感度検出装置の動作例するための波形図である。

    本発明の好適な実施形態について図2を参照して説明する。 図2(a)は、本実施形態の受信感度検出装置の構成を表したブロック図、図2(b)〜(e)は、中間周波フィルタと後述の下側狭帯域フィルタ及び上側狭帯域フィルタの周波数特性を模式的に表した説明図である。

    図2(a)において、この受信感度検出装置1は、下側狭帯域フィルタ2と、上側狭帯域フィルタ3、エンベロープ検出部4,5、ピークホールド部6,7と、セレクタ部8を備えて構成され、FM受信装置に設けられている中間周波フィルタ(図示略)によって所定の帯域幅Wで帯域制限された被変調波信号(IF信号)SIFから、受信感度を示す受信感度信号(以下、「Sメータ信号」と称する)SMTを生成して出力する。

    すなわち、FM受信装置内のフロントエンド部が局発信号と高周波受信信号(RF信号)とを混合することにより周波数変換した中間周波数の信号を生成すると、図2(b)に示すような中心周波数(搬送周波数)foを中心とする通過帯域幅Wを有している上述の中間周波フィルタが、その中間周波数の信号を帯域制限することでIF信号SIFを抽出し、そのIF信号SIFを受信感度検出装置1が入力するようになっている。

    下側狭帯域フィルタ2は、図2(c)に例示するように、上述の中心周波数foを含み、且つ中間周波フィルタの低域カットオフ周波数(fo−W/2)までの周波数範囲(以下、「下側サイドバンド」と称する)WLのうちの少なくとも一部の周波数範囲を通過帯域幅F2として設定されたバンドパスフィルタで形成されており、被変調波信号であるIF信号SIFから通過帯域幅F2内の信号成分(以下、「下側信号成分」と称する)SLを抽出して出力する。

    このように、通過帯域幅F2が決められることで、下側狭帯域フィルタ2は、隣接妨害波の混入の有無にかかわらず受信感度を検出するために必要な信号成分である搬送波成分(搬送周波数foの成分)を常に通過させ、更に、上側サイドバンドWU内に隣接妨害波が侵入した場合には、その上側サイドバンドWU内の隣接妨害波を通過させず、下側サイドバンドWL内に隣接妨害波が侵入した場合には、その下側サイドバンドWL内の隣接妨害波を通過させるフィルタ特性を発揮する。

    上側狭帯域フィルタ3は、同じく図2(c)に例示するように、上述の中心周波数foを含み、且つ中間周波フィルタの高域カットオフ周波数(fo+W/2)までの周波数範囲(以下、「上側サイドバンド」と称する)WUのうち少なくとも一部の周波数範囲を通過帯域幅F3として設定されたバンドパスフィルタで形成されており、IF信号SIFから通過帯域幅F3内の信号成分(以下、「上側信号成分」と称する)SUを抽出して出力する。

    このように、通過帯域幅F3が決められることで、上側狭帯域フィルタ3は、隣接妨害波の混入の有無にかかわらず受信感度を検出するために必要な信号成分である搬送波成分(搬送周波数foの成分)を常に通過させ、更に、下側サイドバンドWL内に隣接妨害波が侵入した場合には、その下側サイドバンドWL内の隣接妨害波を通過させず、上側サイドバンドWU内に隣接妨害波が侵入した場合には、その上側サイドバンドWU内の隣接妨害波を通過させるフィルタ特性を発揮する。

    また、図2(c)に例示した通過帯域幅F2とF3は、各々中心周波数foを含み、下側サイドバンドWLと上側サイドバンドWUをほぼ包含する周波数範囲に決められているが、変形例として図2(d)に例示するように、中心周波数foを含む下側サイドバンドWLの一部周波数範囲と、中心周波数foを含む上側サイドバンドWUの一部周波数範囲に決めてもよい。

    また、他の変形例として、図2(e)に例示するように、通過帯域幅F2が下側サイドバンドWLと中心周波数foを含む他、上側サイドバンドWUの一部周波数範囲(ただし、上側サイドバンドWU内に侵入する隣接放送チャンネルからの隣接妨害波を通過させることのない周波数範囲)までをも包含するように決めると共に、通過帯域幅F3が上側サイドバンドWUと中心周波数foを含む他、下側サイドバンドWLの一部周波数範囲(ただし、下側サイドバンドWL内に侵入する隣接放送チャンネルからの隣接妨害波を通過させることのない周波数範囲)までをも包含するように決めてもよい。

    要は、FM受信装置が利用される場所や地域、例えば日本国内や外国等によって、各放送局に割り当てられているチャンネル周波数帯域の割り当て状況が異なることから、例えばFM受信装置の製造時における調整の際等において、中間周波フィルタの帯域幅W内に侵入する可能性が有ると想定される隣接妨害波の周波数範囲と中心周波数foを含むように、両者の通過帯域幅F2,F3が決められる。 ただし、通過帯域幅F2は上側サイドバンドWUに侵入する隣接妨害波を通過させず、通過帯域幅F3は下側サイドバンドWLに侵入する隣接妨害波を通過させず、且つ中心周波数foを中心として互いに対称な周波数範囲となるように決めることが好ましい。

    エンベロープ検出部4は、整流器と、所定の時定数を有するフィルタ回路等を有して形成されており、下側信号成分SLをエンベロープ検波することで、下側信号成分SLのエンベロープ(包絡線)を示す下側エンベロープ信号ELを出力する。

    エンベロープ検出部5は、整流器と、所定の時定数を有するフィルタ回路等を有して形成されており、上側信号成分SUをエンベロープ検波することで、上側信号成分SUのエンベロープ(包絡線)を示す上側エンベロープ信号EUを出力する。

    ピークホールド部6は、所定の時定数を有する充放電回路等で形成されており、下側エンベロープ信号ELをその時定数に従ってピークホールドすることで、第1の平滑信号Smaを生成して出力する。

    ピークホールド部7も同様に、所定の時定数を有する充放電回路等で形成されており、上側エンベロープ信号EUをその時定数に従ってピークホールドすることで、第2の平滑信号Smbを生成して出力する。

    セレクタ部8は、上述の時定数に従ってピークホールドされている第1,第2の平滑信号Sma,Smbの瞬時振幅を逐一比較し、レベルの小さい方の平滑信号を、受信感度を示すSメータ信号SMTとして出力する。

    すなわち、セレクタ部8は、第1の平滑信号Smaのレベルが第2の平滑信号Smbのレベルより大きいとき、下側サイドバンドWL内に隣接妨害波が侵入している可能性があり、第1の平滑信号Smaのレベルが第2の平滑信号Smbのレベルより大きくなったと判断して、レベルの小さい第2の平滑信号SmbをSメータ信号SMTとして出力する。 一方、第2の平滑信号Smbのレベルが第1の平滑信号Smaのレベルがより大きいとき、上側サイドバンドWU内に隣接妨害波が侵入している可能性があり、第2の平滑信号Smbのレベルが第1の平滑信号Smaのレベルより大きくなったと判断して、レベルの小さい第1の平滑信号SmaをSメータ信号SMTとして出力する。

    次に、かかる構成を有する本実施形態の受信感度検出装置1の動作について説明する。

    IF信号SIFが図2(a)に示した下側狭帯域フィルタ2と上側狭帯域フィルタ3に入力すると、各通過帯域幅F2,F3で帯域制限された下側信号成分SLと上側信号成分SUが抽出され、引き続き各エンベロープ検出部4,5から下側エンベロープ信号ELと上側エンベロープ信号EUが出力される。 更に、下側エンベロープ信号ELと上側エンベロープ信号EUがピークホールド部6,7で夫々ピークホールドされることにより、第1,第2の平滑信号Sma,Smbが生成される。

    ここで、図2(b)に示した中間周波フィルタの帯域幅Wのうちの下側サイドバンドWL内に隣接妨害波が侵入して、IF信号SIFにその隣接妨害波が混入していると、第1の平滑信号Smaのレベル(瞬時振幅)が第2の平滑信号Smbのレベル(瞬時振幅)より大きくなり、セレクタ部6がレベルの小さい第2の平滑信号Smbを、隣接妨害の影響を受けていないSメータ信号SMTとして出力する。

    一方、中間周波フィルタの帯域幅Wのうちの上側サイドバンドWU内に隣接妨害波が侵入して、IF信号SIFにその隣接妨害波が混入していると、第2の平滑信号Smbのレベル(瞬時振幅)が第1の平滑信号Smaのレベル(瞬時振幅)より大きくなり、セレクタ部6がレベルの小さい第1の平滑信号Smaを、隣接妨害の影響を受けていないSメータ信号SMTとして出力する。

    また、下側サイドバンドWL及び上側サイドバンドWU内に隣接妨害波が侵入していないときには、第1,第2の平滑信号Sma,Smbのどちらのレベルが小さくなるかは不確定となるが、両者とも隣接妨害の影響の無い平滑信号であるため、レベルの小さい平滑信号が選択されることで、隣接妨害の影響を受けていないSメータ信号SMTが生成される。

    以上に説明したように本実施形態の受信感度検出装置1によれば、中間周波フィルタの帯域幅Wを下側サイドバンドWLと上側サイドバンドWUに分け、下側サイドバンドWL内のIF信号SIFの成分と上側サイドバンドWU内のIF信号SIFの成分のうちで、レベルが小さくなった方の成分に基づいて生成した平滑信号をSメータ信号SMTとするので、隣接妨害波の影響を抑制して正確な受信感度を示すSメータ信号SMTを生成することができる。

    そして、本実施形態の受信感度検出装置1で生成されるSメータ信号SMTの電圧レベルに従って、検波出力を利得制御等することにより、S/N比等の向上を図った受信装置を実現することが可能である。 また、Sメータ信号SMTの電圧レベルに従って、受信装置に設けられている様々な処理回路を制御することで、高品質の受信を行うことが可能である。

    なお、本実施形態では、下側サイドバンドWL内に侵入した妨害波の有無を検出するための狭帯域フィルタ2とエンベロープ検出部4とピークホールド部6から成る第1の系統と、上側サイドバンドWU内に侵入した妨害波の有無を検出するための狭帯域フィルタ3とエンベロープ検出部5とピークホールド部7から成る第2の系統との、2つの系統を備えた構成となっているが、変形例として、更に狭帯域フィルタとエンベロープ検出部とピークホールド部から成る系統の個数を増やして、夫々の系統で生成される平滑信号のうち、レベルの最も小さい平滑信号をSメータ信号SMTとしてもよい。 かかる変形例によれば、より精密に、正確な受信感度を示すSメータ信号SMTを生成することができる。

    ただし、この変形例の場合にも、各々の狭帯域フィルタの通過帯域幅には、少なくとも中心周波数(搬送周波数)foが含まれようにし、且つ下側サイドバンドWLの側の下側狭帯域フィルタと、上側サイドバンドWUの側の上側狭帯域フィルタとの個数を同数とすると共に、中心周波数foを中心として対称な通過帯域幅となる1対ずつの狭帯域フィルタで構成することが望ましい。 更に、各々の下側狭帯域フィルタでは、上側サイドバンドWUに侵入する隣接妨害波を通過させず、且つ各々の上側狭帯域フィルタでは、下側サイドバンドWLに侵入する隣接妨害波を通過させないように通過帯域幅を決めればよい。

    次に、実施例に係る受信感度検出装置について図3乃至図6を参照して説明する。 図3は、本実施例の受信感度検出装置の構成を表したブロック図であり、FM受信装置に設けられた場合の構成を示している。 また、図3において図2(a)と同一又は相当する部分を、同一符号又はサフィックスを付けた同一のプリフィックス符号で示している。 図4は、FM受信装置に設けられている中間周波フィルタと、受信感度検出装置に設けられている下側狭帯域フィルタと上側狭帯域フィルタのフィルタ特性(通過帯域幅)を表した図である。 図5及び図6は、受信感度検出装置に設けられている各構成要素の入力又は出力信号の波形を模式的に示した波形図であり、同じ時間軸に統一して示している。

    図3において、まずFM受信装置の基本構成を説明すると、放送波等の到来電波を受信するアンテナANTと、選局のための局発信号とアンテナANTから出力される高周波受信信号(RF信号)とを混合することによって、中間周波数帯の信号に周波数変換するフロントエンド部9と、該中間周波数帯の信号を所定の通過帯域幅Wで帯域制限することで、中間周波信号(IF信号)SIFを生成する帯域フィルタ(中間周波フィルタ)10と、IF信号SIFを増幅して検波部12に供給する中間周波増幅部11と、検波部12でFM検波された検波出力(すなわち、復調信号)Sdetを入力し、後述の自動受信制御を施して出力する自動受信制御回路13が備えられている。

    ここで、FM受信装置が我国のFM放送に適合させた構成となっている場合、帯域フィルタ10の中心周波数(搬送周波数)foが10.7MHzで、帯域幅Wがその中心周波数foを中心として約±100kHz程度の周波数範囲に設計されている。

    自動受信制御回路13は、ソフトミュート回路13aとセパレーション制御回路13b及びハイカット回路13cを有し、送信局側の送信アンテナから受信アンテナANTまでの距離等の影響によって到来電波の電界強度が変動したり、無線伝送路内の建築物や地形等の影響を受けて到来電波にフェージングが生じた場合等に、各回路13a,13b,13cが、Sメータ信号SMTの電圧レベルに応じて復調信号Sdetに対して所定の自動受信制御を行うことで、ユーザーに対し良好な音質の再生音を提供することが可能な出力信号Soutを生成して出力する。

    より詳細に述べると、ソフトミュート回路13aは、電子アッテネータ(減衰回路)等で形成されており、上述のフェージング等の影響でSメータ信号SMTの電圧レベルが所定値より小さくなると、復調信号Sdetに対する増幅率を0〔dB〕から次第に減衰させていく。 こうして、復調信号Sdetに対し徐々にミュートを掛けることで、障りの原因となるノイズ成分を抑制した信号にし、出力信号Soutとして出力する。

    セパレーション制御回路13bは、上述のフェージング等の影響でSメータ信号SMTの電圧レベルが所定値よりも小さくなると、復調信号Sdetに基づくステレオ再生を止めてモノラル再生の制御を行い、そのモノラル再生した信号を出力信号Soutとして出力する。

    ハイカット回路13cは、カットオフ周波数を自動調整することが可能な高域遮断フィルタ(別言すれば、低域通過フィルタ)等で形成され、上述のフェージング等の影響でSメータ信号SMTの電圧レベルが小さくなるのに応じてカットオフ周波数を下げることによって復調信号Sdetの高域周波数成分を除去し、その高域周波数成分を除去した信号、すなわち耳障りの原因となる高域ノイズ成分を抑制した信号を出力信号Soutとして出力する。

    そして、各回路13a,13b,13cが図示の如く直列接続されているため、これらの各回路13a,13b,13cが有する上述の各自動受信制御機能によって所定の処理が施された出力信号Soutが生成され、図示しないスピーカ側へ出力される。

    ただし、検波部12の出力に対して各回路13a,13b,13cを直列接続する代わりに、検波部12の出力に対して各回路13a,13b,13cを並列接続し、Sメータ信号SMTの電圧レベルと各回路13a,13b,13cの各々の自動受信制御機能によって発揮される効果との関係を所定のアルゴリズムに従って解析して、ユーザーにとって最も良好な受聴環境を提供することが可能な各回路13a,13b,13cの何れか1つを選択し、その選択した1つの回路の出力信号のみを出力信号Soutとして出力するように、自動受信制御を行ってもよい。

    次に、受信感度検出装置1の構成を説明する。
    本実施例の受信感度検出装置1は、IF信号SIFを入力する下側狭帯域フィルタ2及び上側狭帯域フィルタ3と、エンベロープ検出回路4,5と、高速充電低速放電回路6,7と、前段セレクタ回路8a,8bと、後段セレクタ回路8cを備えて構成されている。

    下側狭帯域フィルタ2は、所定の通過帯域幅F2を有するバンドパスフィルタで形成されており、通過帯域幅F2は、図4(a)に示す帯域フィルタ10の帯域幅Wに対し、図4(b)に示すように中心周波数foと下側サイドバンドWLとを包含する周波数範囲に決められている。 そして、IF信号SIFのうち通過帯域幅F2を通過する信号成分を下側信号成分SLとして出力する。

    このように、通過帯域幅F2が決められることで、下側狭帯域フィルタ2は、隣接妨害波の混入の有無にかかわらず受信感度を検出するために必要な信号成分である搬送波成分(搬送周波数foの成分)を常に通過させ、更に、上側サイドバンドWU内に隣接妨害波が侵入した場合には、その上側サイドバンドWU内の隣接妨害波を通過させず、下側サイドバンドWL内に隣接妨害波が侵入した場合には、その下側サイドバンドWL内の隣接妨害波を通過させるフィルタ特性を発揮する。

    上側狭帯域フィルタ3は、所定の通過帯域幅F3を有するバンドパスフィルタで形成されており、その通過帯域幅F3は、図4(c)に示すように、中心周波数foと上側サイドバンドWUとを包含する周波数範囲に決められている。 そして、IF信号SIFのうち通過帯域幅F3を通過する信号成分を上側信号成分SUとして出力する。

    このように、通過帯域幅F3が決められることで、上側狭帯域フィルタ3は、隣接妨害波の混入の有無にかかわらず受信感度を検出するために必要な信号成分である搬送波成分(搬送周波数foの成分)を常に通過させ、更に、下側サイドバンドWL内に隣接妨害波が侵入した場合には、その下側サイドバンドWL内の隣接妨害波を通過させず、上側サイドバンドWU内に隣接妨害波が侵入した場合には、その上側サイドバンドWU内の隣接妨害波を通過させるフィルタ特性を発揮する。

    エンベロープ検出回路4は、下側信号成分SLをエンベロープ検波し、下側エンベロープ検出信号ELを生成して出力する。

    エンベロープ検出回路5も同様に、上側信号成分SUをエンベロープ検波し、上側エンベロープ検出信号EUを生成して出力する。

    前段セレクタ回路8a,8bと後段セレクタ回路8cは、図2(a)に示したセレクタ部8に相当している。 ただし、前段セレクタ回路8a,8bは、下側エンベロープ検出信号ELと上側エンベロープ検出信号EUから隣接妨害波の影響を予め十分に除去するために設けられ、後段セレクタ回路8cは、第1の平滑信号Smaと第2の平滑信号SmbからSメータ信号SMTを生成するために設けられている。

    まず、前段セレクタ回路8aは、比較器とアナログスイッチ等で形成されており、下側エンベロープ信号ELと上側エンベロープ信号EUとの瞬時振幅のレベルを比較し、次式(1a)(1b)で表されるように、その比較結果に基づいて第1の前置信号SWaを出力する。

    すなわち、前段セレクタ回路8aは、下側エンベロープ信号ELのレベルが上側エンベロープ信号EUのレベルより大きいとき(EL≧EU)、下側エンベロープ信号ELを第1の前置信号SWaとして出力し、一方、下側エンベロープ信号ELのレベルが上側エンベロープ信号EUのレベルより小さいとき(EL<EU)、第1の前置信号SWaのレベルを強制的に基底レベル(本実施例では、0ボルト)に設定する。

    このように前段セレクタ回路8aは、下側エンベロープ信号ELのレベルが上側エンベロープ信号EUのレベルより大きいときには(EL≧EU)、上側サイドバンドWUに隣接妨害波が侵入しているか否かを問わず、下側サイドバンドWLには隣接妨害波が侵入していないと判断し、下側エンベロープ信号ELを第1の前置信号SWaとして出力する。

    一方、下側エンベロープ信号ELのレベルが上側エンベロープ信号EUのレベルより小さいときには(EL<EU)、前段セレクタ回路8aは、上側サイドバンドWUに隣接妨害波が侵入している可能性があると判断し、上側エンベロープ信号EUを第1の前置信号SWaとして出力しない。 更に、仮に上側サイドバンドWUに隣接妨害波が侵入した場合、下側エンベロープ信号ELにもその隣接妨害波の影響を受けて、いわゆるノイズ成分が混入したり波形歪みを生じる場合があることから、単純に下側エンベロープ信号ELを第1の前置信号SWaとして出力することはせず、強制的に第1の前置信号SWaを基底レベルに設定することで、隣接妨害波の影響を除去している。

    前段セレクタ回路8bは、比較器とアナログスイッチ等で形成されており、下側エンベロープ信号ELと上側エンベロープ信号EUとの瞬時振幅のレベルを比較し、次式(2a)(2b)で表されるように、その比較結果に基づいて第2の前置信号SWbを出力する。

    すなわち、前段セレクタ回路8bは、上側エンベロープ信号EUのレベルが下側エンベロープ信号ELのレベルより大きいとき(EU≧EL)、上側エンベロープ信号EUを第2の前置信号SWbとして出力し、一方、上側エンベロープ信号EUのレベルが下側エンベロープ信号ELのレベルより小さいとき(EU<EL)、第2の前置信号SWbのレベルを強制的に基底レベル(本実施例では、0ボルト)に設定する。

    このように前段セレクタ回路8bは、上側エンベロープ信号EUのレベルが下側エンベロープ信号ELのレベルより大きいときには(EU≧EL)、下側サイドバンドWLに隣接妨害波が侵入しているか否かを問わず、上側サイドバンドWUには隣接妨害波が侵入していないと判断し、上側エンベロープ信号EUを第2の前置信号SWbとして出力する。

    一方、上側エンベロープ信号EUのレベルが下側エンベロープ信号ELのレベルより小さいときには(EU<EL)、前段セレクタ回路8bは、下側サイドバンドWLに隣接妨害波が侵入している可能性があると判断して、下側エンベロープ信号ELを第2の前置信号SWbとして出力しない。 更に、仮に下側サイドバンドWLに隣接妨害波が侵入した場合、上側エンベロープ信号EUにもその隣接妨害波の影響を受けて、いわゆるノイズ成分が混入したり波形歪みを生じる場合があることから、単純に上側エンベロープ信号EUを第2の前置信号SWbとして出力することはせず、強制的に第2の前置信号SWbを基底レベルに設定することで、隣接妨害波の影響を除去している。

    高速充電低速放電回路6は、図2(a)に示したピークホールド部6に相当し、充電の時定数に較べて放電の時定数が大きい充放電回路で形成されている。 そして、第1の前置信号SWaが基底レベルから増加する期間(すなわち、立ち上がり期間)で高速充電を行い、第1の前置信号SWaのレベルが減少する期間(すなわち、立ち下がり期間)では、その高速充電した充電電圧を低速放電せることで、第1の前置信号SWaに含まれている高い周波数の成分(すなわち、上述の放電の時定数に較べて高い周波数の成分)を平滑化し、その平滑化した信号を第1の平滑信号Smaとして出力する。

    このように、高速充電低速放電回路6が第1の前置信号SWaに対して高速充電低速放電の処理を行うと、下側サイドバンドWL及び上側サイドバンドWU内に隣接妨害波が侵入していない受信状態のときには、隣接妨害の影響を受けていない本来の受信感度を示す第1の平滑信号Smaが生成されることとなる。

    また、下側サイドバンドWL内に隣接妨害波が侵入していないが、上側サイドバンドWU内に隣接妨害波が侵入している受信状態のときには、上述の基底レベルに設定された第1の前置信号SWaを含めて高速充電低速放電の処理が行われるため、隣接妨害の影響を除去するための補正処理が施された受信感度を示す第1の平滑信号Smaが生成されることとなる。

    また、下側サイドバンドWL内に隣接妨害波が侵入し、上側サイドバンドWU内に隣接妨害波が侵入していない受信状態のときには、隣接妨害の影響を受けている第1の平滑信号Smaが生成されることとなる。

    また、下側サイドバンドWL及び上側サイドバンドWU内に隣接妨害波が侵入している受信状態のときには、隣接妨害の影響を受けている第1の平滑信号Smaが生成されることとなる。

    高速充電低速放電回路7は、図2(a)に示したピークホールド部7に相当し、充電の時定数に較べて放電の時定数が大きい充放電回路で形成されている。 そして、第2の前置信号SWbが基底レベルから増加する期間(すなわち、立ち上がり期間)で高速充電を行い、第2の前置信号SWbのレベルが減少する期間(すなわち、立ち下がり期間)では、その高速充電した充電電圧を低速放電せることで、第2の前置信号SWaに含まれている高い周波数の成分(すなわち、上述の放電の時定数に較べて高い周波数の成分)を平滑化し、その平滑化した信号を第2の平滑信号Smbとして出力する。

    このように、高速充電低速放電回路7が第2の前置信号SWbに対して高速充電低速放電の処理を行うと、下側サイドバンドWL及び上側サイドバンドWU内に隣接妨害波が侵入していない受信状態のときには、隣接妨害の影響を受けていない本来の受信感度を示す第2の平滑信号Smbが生成されることとなる。

    また、上側サイドバンドWU内に隣接妨害波が侵入していないが、下側サイドバンドWL内に隣接妨害波が侵入している受信状態のときには、上述の基底レベルに設定された第2の前置信号SWbを含めて高速充電低速放電の処理が行われるため、隣接妨害の影響を除去するための補正処理が施された受信感度を示す第2の平滑信号Smbが生成されることとなる。

    また、上側サイドバンドWU内に隣接妨害波が侵入し、下側サイドバンドWL内に隣接妨害波が侵入していない受信状態のときには、隣接妨害の影響を受けている第2の平滑信号Smbが生成されることとなる。

    また、上側サイドバンドWU及び下側サイドバンドWL内に隣接妨害波が侵入している受信状態のときには、隣接妨害の影響を受けている第2の平滑信号Smbが生成されることとなる。

    出力段セレクタ回路8cは、第1,第2の平滑信号Sma,Smbの瞬時振幅のレベルを逐一比較し、次式(3a)(3b)で表されるように、レベルの小さい方の平滑信号を選択して出力することにより、電圧レベルによって正確な受信感度を示すSメータ信号SMTを生成して出力する。

    このように、出力段セレクタ回路8cがセレクト処理を行うと、高速充電低速放電回路6,7までの処理によって予め隣接妨害の影響が十分に除かれた第1の平滑信号Sma又は第2の平滑信号Smbのうち、より隣接妨害の影響が除去されている平滑信号(レベルの小さい方の平滑信号)を選択することになり、より正確なSメータ信号SMTを生成することとなる。

    次に、かかる構成を有する本実施例の受信感度検出装置の動作について説明する。

    まず、図5を参照して、下側サイドバンドWL及び上側サイドバンドWU内に隣接妨害波が侵入していない場合、すなわち隣接妨害波の影響を受けていない受信状態における動作について説明する。

    図4(a)に示した下側サイドバンドWLと上側サイドバンドWU内に隣接妨害波が侵入していない場合、図5に例示するように、IF信号SIFのエンベロープはほぼ平坦となる。 更に、図4(b)(c)に示した通過帯域幅F2,F3を有する狭帯域フィルタ2,3を介して抽出される下側信号成分SLと上側信号成分SUは、中心周波数foを中心として、ほぼ互いに逆方向の周波数偏移となることから、その下側信号成分SLに基づいて生成される下側エンベロープ信号ELと、その上側信号成分SUに基づいて生成される上側エンベロープ信号EUも、互いに位相が反転するような波形となる。

    更に、前段セレクタ回路8a,8bにおいて、下側エンベロープ信号ELと上側エンベロープ信号EUのレベルが比較されることで、第1の前置信号SWaと第2の前置信号SWbが、下側エンベロープ信号ELと上側信号成分SUに追従して変化する。

    そして、第1の前置信号SWaと第2の前置信号SWbが、高速充電低速放電回路6,7において高速充電低速充電の処理が施されることで、図示するような平滑化された第1の平滑信号Smaと第2の平滑信号Smbが生成され、後段セレクタ回路8cがレベルの小さい方の平滑信号を選択して出力することで、正確に受信感度を示すSメータ信号SMTが生成される。

    このように、下側サイドバンドWLと上側サイドバンドWU内に隣接妨害波が侵入していない場合には、正確に受信感度を示すSメータ信号SMTが生成され、このSメータ信号SMTの電圧レベルに従って、自動受信制御回路13内のソフトミュート回路13aとセパレーション制御回路13b及びハイカット回路13cが復調信号Sdetに対して自動受信制御を行うことで、フェージング等の影響があった場合でも、ユーザーにとって良好な音質の再生音を提供することが可能な出力信号Soutを生成して出力する。

    次に、遠距離受信等の際、隣接妨害による悪影響を受けてIF信号SIFに妨害波が混入した場合の動作例について、図6を参照して説明する。

    ただし、一例として、帯域フィルタ10の中心周波数foより100kHz高い周波数側に搬送周波数を有し、その搬送周波数を中心として最大周波数偏移が±75kHzとなっている隣接放送チャンネルの放送波が上側サブバンドWU内に侵入した場合について説明する。 つまり、図1(e)に示した妨害波NZUが侵入した場合について説明する。

    上側サブバンドWU内に隣接放送チャンネルの放送波が隣接妨害波となって侵入すると、IF信号SIFの希望波成分のエンベロープに、図6に示すような妨害波によるノイズ成分が重畳して生じることとなる。

    上側下側狭帯域フィルタ3に入力され、更にエンベロープ検出回路4,5でエンベロープ検波が行われると、上側エンベロープ信号EUは、侵入した隣接妨害波が直接的にノイズ成分となって希望信号に混入(重畳)した波形となり、下側エンベロープ信号ELは、直接的ではないが隣接妨害波の影響を受けてノイズ成分や歪みが希望信号に混入(重畳)した波形となる。

    そして、それらの下側エンベロープ信号ELと上側エンベロープ信号EUの各々の瞬時振幅のレベルが前段セレクタ部8a,8bにおいて比較される。

    ここで、下側エンベロープ信号ELのレベルが上側エンベロープ信号EUのレベルより大きいときには、上記式(1a)(2b)の関係に従って、前段セレクタ部8aが下側エンベロープ信号ELを第1の前置信号SWaとして出力し、且つ前段セレクタ部8bが第2の前置信号SWbを強制的に基底レベル(0ボルト)に設定する。 また、下側エンベロープ信号ELのレベルが上側エンベロープ信号EUのレベルより小さいときには、上記式(1b)(2a)の関係に従って、前段セレクタ部8aが第1の前置信号SWaを強制的に基底レベル(0ボルト)に設定し、且つ前段セレクタ部8bが上側エンベロープ信号EUを第2の前置信号SWbとして出力する。

    したがって、隣接放送チャンネルの隣接妨害波が上側サブバンドWU内に侵入した場合には、第1の前置信号SWaが、隣接妨害波の影響を受けていない期間では下側エンベロープ信号ELとなり、間接的であっても隣接妨害波の影響を受けている期間では、強制的に基底レベル(0ボルト)に設定される。 更に、第2の前置信号SWbは、隣接妨害波によるノイズ成分が混入している上側エンベロープ信号EUと殆ど同じ波形となると共に、第1の前置信号SWaが隣接妨害波の影響を受けていない期間では、強制的に、基底レベル(0ボルト)に設定される。

    そして、これらの第1の前置信号SWaと第2の前置信号SWbが、高速充電低速放電回路6,7において夫々高速充電低速放電の処理が施されることで、図示するような第1,第2の平滑信号Sma,Smbに平滑化されて、後段セレクタ部8cに供給される。

    そして、後段セレクタ部8cでは、レベルの小さい方の平滑信号が選択されることで、殆ど隣接妨害の影響を受けていない下側サイドバンドWL側の被変調波成分(下側信号成分)SLに基づいて生成された第1の平滑信号Smaが選択されて、Sメータ信号SMTが生成される。

    なお、隣接放送チャンネルの放送波が下側サブバンドWL内に侵入した場合、すなわち、図1(e)に示す妨害波NZLが下側サブバンドWL内に侵入した場合についての詳細な動作説明は省略するが、図6に示したエンベロープ信号EL,EUの符号を入れ替え、前置信号SWa,SWbの符号を入れ替え、平滑信号Sma,Smbの符号を入れ替えると、妨害波NZLが下側サブバンドWL内に侵入した場合の夫々の波形となる。 そして、かかる場合には、図6に示されている平滑信号Smaと同様な波形(レベルの小さな波形)からなる平滑信号Smbが高速充電低速放電回路7で生成されることとなり、更に図6に示されている平滑信号Smbと同様な波形(レベルの大きな波形)からなる平滑信号Smaが高速充電低速放電回路6で生成されることとなることから、高速充電低速放電回路7で生成されることとなるレベルの小さい方の平滑信号Smbが後段セレクタ部8cで選択されて、正確な受信感度を示すSメータ信号SMTが生成される。

    また、下側サイドバンドWLと上側サイドバンドWUの両方に隣接妨害波が混入した場合には、不可避的に正確なSメータ信号SMTを生成することが困難となる場合があるが、従来の受信感度検出装置との性能比較をすると、本実施例の受信感度検出装置の方が正確なSメータ信号SMTを生成することができる。 つまり、下側サイドバンドWLに侵入する隣接妨害波の最大周波数偏移がその搬送周波数を中心として一般に±75kHzと決められ、上側サイドバンドWUに侵入する隣接妨害波の最大周波数偏移もその搬送周波数を中心として一般に±75kHzと決められているとしても、実際の隣接妨害波の最大周波数偏移は±75kHzの範囲よりも狭い周波数となっている場合が多い。 このため、本実施例の受信感度検出装置によると、 第1,第2の前置信号SWa,SWbを妨害波の影響を除去するように基底レベル(0ボルト)に設定してから高速充電低速放電回路6,7で高速充電低速放電の処理を行うことで、実際の隣接妨害波の影響を低減するように動作することなり、従来の受信感度検出装置よりも正確なSメータ信号SMTを生成することができる。

    以上説明したように、本実施例の受信感度検出装置によると、下側狭帯域フィルタ2とエンベロープ検出回路4が、下側サイドバンドWL内に妨害波が侵入したか否かを示す下側エンベロープ信号ELを生成すると共に、上側狭帯域フィルタ3とエンベロープ検出回路5が、上側サイドバンドWU内に妨害波が侵入したか否かを示す上側エンベロープ信号EUを生成し、前段セレクタ部8a,8bが、上記式(1a)(1b)(2a)(2b)に示したように、下側エンベロープ信号ELと上側エンベロープ信号EUのレベルを比較して、その比較結果に基づいて妨害波の影響を除去する処理を施した前置信号SWa,SWbを高速充電低速放電回路6,7に供給するので、高速充電低速放電回路6,7で生成される第1,第2の平滑信号Sma,Smbのうちレベルの小さい方の平滑信号を後段セレクタ回路8cが選択することで、正確なSメータ信号SMTを生成することができる。

    すなわち、前段セレクタ部8aでは、下側エンベロープ信号ELのレベルの方が上側エンベロープ信号EUのレベルより大きいとき、下側エンベロープ信号ELを第1の前置信号SWaとし、また、下側エンベロープ信号ELのレベルの方が上側エンベロープ信号EUのレベルより小さいときには、第1の前置信号SWaを強制的に基底レベルに設定することで妨害波の影響を除去して高速充電低速放電回路6に供給し、前段セレクタ部8bでは、上側エンベロープ信号EUのレベルの方が下側エンベロープ信号ELのレベルより大きいとき、上側エンベロープ信号EUを第2の前置信号SWbとし、また、上側エンベロープ信号EUのレベルの方が下側エンベロープ信号ELのレベルより小さいときには、第2の前置信号SWbを強制的に基底レベルに設定することで妨害波の影響を除去して高速充電低速放電回路6に供給している。

    このように、前段セレクタ部8a,8bで、予め妨害波の影響を除去する処理を施した第1,第2の前置信号SWa,SWbを生成してから、高速充電低速放電回路6,7でホールド処理を行うので、妨害波の影響を抑制した第1,第2の平滑信号Sma,Smbを生成することができ、後段セレクタ回路8cで、第1,第2の平滑信号Sma,Smbのうちレベルの小さい方の平滑信号を選択すると、正確なSメータ信号SMTを生成することができる。

    なお、本実施例では、下側サイドバンドWL内に侵入した妨害波の有無を検出するための狭帯域フィルタ2とエンベロープ検出部4と前段セレクタ部8a及び高速充放電低速放電回路6を有する第1の系統と、上側サイドバンドWU内に侵入した妨害波の有無を検出するための狭帯域フィルタ3とエンベロープ検出部5と前段セレクタ部8b及び高速充放電低速放電回路7を有する第2の系統とから成る2つの系統を一組の(一対の)処理系統として備え、高速充放電低速放電回路6,7で生成される平滑信号Sma,Smbのうちレベルの小さい方を、後段セレクタ部8cがSメータ信号SMTとして選択する構成となっているが、変形例として、更に、同様の構成から成る処理系統を追加して備え、各処理系統の高速充放電低速放電回路で生成される平滑信号のうちレベルの最も小さい平滑信号を後段セレクタ部8cがSメータ信号SMTとして選択する構成としてもよい。

    そして、個々の処理系統における下側狭帯域フィルタと上側狭帯域フィルタの通過帯域幅が他の処理系統と互いに異なる周波数範囲となるように設定することで、より精密に、正確な受信感度を示すSメータ信号SMTを生成することができる。

    ただし、この変形例の場合にも、各々の処理系統における下側狭帯域フィルタと上側狭帯域フィルタの通過帯域幅には、少なくとも中心周波数(搬送周波数)foが含まれようにし、且つ中心周波数foを中心として対称な通過帯域幅となるように構成することが望ましい。 更に、各々の下側狭帯域フィルタでは、上側サイドバンドWUに侵入する隣接妨害波を通過させず、且つ各々の上側狭帯域フィルタでは、下側サイドバンドWLに侵入する隣接妨害波を通過させないように通過帯域幅を決めればよい。

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