Feed-forward multi-terminal power synthetic type power amplifier

申请号 JP2001525835 申请日 2000-09-14 公开(公告)号 JP3989731B2 公开(公告)日 2007-10-10
申请人 株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ; 发明人 廣田哲夫; 野島俊雄; 鈴木恭宜;
摘要
权利要求
  • 複数系統の入出力ポートを備え、各系統に送信信号を増幅し、主信号として出力する主増幅器を有する多端子電力合成形電力増幅器と、
    各系統の上記入出力ポート間において対応する上記主増幅器を含んで構成され、その主増幅器が出力する上記主信号中の歪み成分を除去するフィードフォワード増幅回路とを含むフィードフォワード多端子電力合成形増幅器において、
    各系統の上記フィードフォワード増幅回路は、
    その系統の上記主増幅器を有し、上記歪み成分を検出し、上記主増幅器からの主信号成分と共にそれぞれ出力する歪み検出回路と、
    検出された上記歪み成分を増幅する補助増幅器を有し、増幅された上記歪み成分により上記主信号中の歪み成分をキャンセルする歪み除去回路とを含み、
    上記多端子電力合成形電力増幅器は、
    上記複数の系統の送信信号が入力され、それらを電力分配及び合成して上記複数系統に出力する入力側多端子電力合成器と、
    上記入力側多端子電力合成器の上記複数の系統の送信信号がそれぞれ入力され、それらを増幅する上記主増幅器と、
    上記主増幅器のそれぞれの出力が入力され、それらを電力分配及び合成して上記複数の系統に出力する出力側多端子電力合成器とを含み、
    各上記系統の上記フィードフォワード増幅回路の上記歪み検出回路は、
    対応する上記入力端子からの送信信号を線形信号伝達経路と、主増幅器経路に電力分配する電力分配器と、
    上記主増幅器経路に直列に挿入された第1可変減衰器、第1可変位相器、上記入力側多端子電力合成器の対応する入出力系統、上記主増幅器、及び上記出力側多端子電力合成器の対応する入出力系統と、
    上記主増幅器経路の出力と上記線形信号伝達経路の出力が与えられ、それらを電力分配合成し和成分と差成分をそれぞれ上記主信号成分と上記歪み成分として出力する電力分配・合成器とを含み、
    上記歪み除去回路は、
    上記主信号成分を伝達する主信号伝達経路と、
    上記歪み成分を伝達する歪み注入経路と、
    上記歪み注入経路に直列に挿入された第2可変減衰器、第2可変位相器、及び上記補助増幅器と、
    上記主信号伝達経路の出力と、上記歪み注入経路の出力を電力合成することにより上記主信号成分に含まれる歪み成分を上記補助増幅器により増幅された歪み成分によりキャンセルし、上記主信号成分に含まれる増幅された送信信号を出力する電力合成器とを含み、
    第1及び第2パイロット信号を発生する第1及び第2パイロット信号発生手段と、各系統において上記電力分配器の入力側に挿入され、上記第1パイロット信号を結合する第1パイロット信号結合器と、上記出力側多端子電力合成器の出力側において上記主増幅器経路に挿入され上記第2パイロット信号を結合する第2パイロット信号結合器と、上記歪み注入経路に挿入された第1パイロット信号抽出器と、上記電力合成器の出力側に挿入された第2パイロット信号抽出器と、上記第1及び第2パイロット信号抽出器により抽出された上記第1及び第2パイロット信号のレベルを検出する第1及び第2レベル検出手段と を含み
    上記第1パイロット信号の検出レベルが最小となるように上記第1可変減衰器と上記第1可変位相器を制御 する第1制御手段と 、上記第2パイロット信号の検出レベルが最小となるように上記第2可変減衰器と上記第2可変位相器を制御する 第2制御手段とを含 み、
    上記第1及び第2パイロット信号発生手段は、全系統に対し共通に設けられた、上記第1及び第2パイロット信号を発生する第1及び第2パイロット信号発生器と、所望の系統 の上記第1及び第2パイロット信号結合器を選択し、上記第1及び第2パイロット信号を供給する第1及び第2切替器とを含み、
    上記第1及び第2レベル検出手段は、所望の系統の上記第1及び第2パイロット信号抽出器を選択する第3及び第4切替器と、全系統に対し共通に設けられ、上記第3及び第4切替器により選択された系統の上記第1及び第2パイロット信号抽出器からの上記第1及び第2パイロット信号のレベルを検出する第1及び第2レベル検出器とを含み、
    上記第1及び第2制御手段は、全系統に対し共通に設けられた、上記第1及び第2レベル検出手段の検出レベルに基づき各上記第1可変減衰器、第1可変位相器及び第2可変減衰器、第2可変位相器を順次に制御する第1及び第2制御手段を含むことを特徴とするフィードフォワード多端子電力合成形増幅器。
  • 说明书全文

    【発明の属する技術分野】
    本発明は、複数の送信信号を増幅する多端子合成形電力増幅器に関し、特に、アレーアンテナに用いて好適な多端子電力合成形電力増幅器に関する。
    【従来の技術】
    マルチビーム通信を行う衛星搭載用電力増幅器として、多端子電力合成形電力増幅器が例えば米国特許No.4,618,831に示されている。 図1に、いわゆるマルチポートアンプである多端子電力合成形電力増幅器10の基本構成を示す。
    多端子電力合成形電力増幅器10は、複数のハイブリッドにより構成される入力側多端子電力合成器3と、複数の主増幅器4Mと、入力側多端子電力合成器に対応する出力側多端子電力合成器5により構成される。 入力側多端子電力合成器3は、4入力4出力の場合を例に図2に示すように、π/2ハイブリッドHBを複数組み合わせ構成される。 出力側多端子電力合成器5も同様の構成である。 一般にポート数Pとハイブリッドの段数mの関係は、P=m となる。
    多端子電力合成形電力増幅器10はマルチビーム、アダプティブアレーなどのアレーアンテナと組み合わせて使用される。 マルチビームアンテナ及びアダプティブアレーアンテナでは、トラフィックの変動に応じて各アンテナエレメントのビームの電力が増減する。 このとき、ビームの最大送信電力は、フルトラフィック時であり、1つのアンテナエレメントに最大でアンテナのエレメント数倍の送信電力が集中する可能性がある。 例えば、1エレメントの最大送信電力を1Wとし、エレメント数を8とすれば、最大8Wの電力が1エレメントに給電される可能性がある。 従って、アレーアンテナの各エレメントの増幅器は、フルトラフィック時を想定して飽和出力を設計する必要がある。 このため、個別増幅器によるアレーアンテナは、大規模な装置となる。
    これに対して、多端子電力合成形電力増幅器10をアレーアンテナに用いると、ビーム間のトラフィック変動があっても入力側多端子電力合成器3により、例えば入力端子IP の入力信号は多端子電力合成器3によりその全ての出力端子に電力を均等に分配し、それぞれの主増幅器4Mを経て出力側多端子電力合成器5によりもとの系統と同じ出力端子OP に出力するので、それぞれの主増幅器4Mに入力される電力は理想的には常に互いに等しい。 このため、フルトラフィック時を想定した飽和電力を端子数分の1にして各個別増幅器の飽和電力を設計できる。 従って、多端子電力合成形電力増幅器10は、アレーアンテナの各エレメントに個別増幅器を設ける場合と比べて、増幅器の飽和電力を低減できる利点がある。 このように、多端子電力合成形電力増幅器のアレーアンテナへの適用は効果がある。
    【発明が解決しようとする課題】
    しかしながら、多端子電力合成形電力増幅器には、江上、川合らの論文「多端子電力合成形マルチビーム送信系」、電子情報通信学会論文誌B、Vol.J69-B,No.2,1986,2月で述べられているように、次のような特性が要求される。 第1に、多端子電力合成器のπ/2ハイブリッドの電気的特性が均一で低損失であること、第2に、主増幅器の電気的特性が均一であることである。 これらの特性のばらつきは、電力増幅器10の出力ポート間に電力洩れを生じさせる。 これらの技術的課題のうち、π/2ハイブリッドは特性のばらつきを小さく、高精度に構成することが比較的に容易であるが、主増幅器の電気的特性を均一にすることはかなり困難である。
    江上らの論文で述べられているように、多端子電力合成形電力増幅器のポート間のアイソレーションを30dB、ポート数を8とすれば、主電力増幅器の利得の標準偏差は0.7dB以下、位相量の標準偏差は5deg以下とする必要がある。 このような標準偏差の条件を満たすように主増幅器を、装置温度等の変化、経年変化などを考慮して多数製造、調整することは困難である。
    この発明の目的は、装置温度の変化、経年変化などによらず高いポート間アイソレーションの実現が可能な多端子電力合成形電力増幅器を提供することにある。
    【課題を解決するための手段】
    この発明によれば、フィードフォワード多端子電力合成形電力増幅器を、複数系統の入出力ポートを備え、各系統に送信信号を増幅し、主信号として出力する主増幅器を有する多端子電力合成形電力増幅器と、各系統の上記入出力ポート間において対応する上記主増幅器を含んで構成され、その主増幅器が出力する上記主信号中の歪み成分を除去するフィードフォワード増幅回路、とを含むように構成し、その主増幅器が出力する上記主信号中の歪み成分を除去する。
    フィードフォワード増幅器の特性により各系統の主増幅器の歪みが除去され、特性が均一化されるので、ポート間の洩れ電力を小さくすることができる。
    【発明の効果】
    本発明は上記構成を備えることにより、以下の効果を奏するものである。
    (1)独立した複数の主増幅器の電気的特性を均一化することができる。
    (2)装置の温度変化、経年変化等に対して十分安定した電気的特性を得ることができる。
    (3)製造における調整が簡易となる。
    (4)各ポートごとにフィードフォワード構成化することで、多端子電力合成器の電気的特性と各電力増幅器の電気的特性の不均一による他ポートへの電力漏洩を各電力増幅器の非線形歪と合わせて検出し、除去できる。
    (5)アレーアンテナのビーム形成に影響を与えない電力増幅器が提供できる。
    (6)アレーアンテナ用電力増幅器の小型化、経済化、低消費電力化ができる。
    【発明の実施の形態】
    原理的構成 この発明によるフィードフォワード多端子電力合成形電力増幅器の原理的構成を図3に示す。 この発明によれば、図1に示した入力側多端子電力合成器3と、主増幅器4Mと出力側多端子電力合成器5から成る従来の多端子電力合成形電力増幅器に対し、各系統の入出力ポートIP -OP 間において主増幅器4Mを含むフィードフォワード増幅回路40 を構成する。
    多端子電力合成形電力増幅器では、ハイブリッドの電気的特性と主増幅器の電気的特性のばらつきにより、ポート間に電力漏洩を生じる。 そのため、ポート間で干渉が生じ、アレーアンテナで形成されるビーム指向性が所定の設計通りにならない。 アレーアンテナで形成されるビーム指向性を設計どうりにするには、ポート間アイソレーションをなるべく小さくする必要がある。 そのためには、主増幅器及び入力側及び出力側多端子電力合成器を構成するπ/2ハイブリッドの特性のばらつきを小さくする必要がある。 π/2ハイブリッドの特性は比較的に容易に高い精度で構成できる。 そこで、この発明の原理によれば、各系統ごとに主増幅器に対しフィードフォワード増幅回路を構成することで、主増幅器の電気的特性のばらつきを小さくする。 その結果、他ポートへの電力漏洩を小さくでき、従って、ポート間アイソレーションを大きくできる。
    第1 提案例 図4に本発明に関連する第1提案例を示す。 この提案例は、図3に示した原理的構成における各フィードフォワード増幅回路40 を入力側多端子電力合成器3と出力側多端子電力合成器5との間に各ポートに対応して構成したものである。 即ち、この第1実施例では、N系統の入力端子IP ,…,IP を有し、N系統の入力電力合成及び分配を行う入力側多端子電力合成器3と、入力側多端子電力合成器3のN個の出力端子にそれぞれ接続されたN系統の独立したフィードフォワード増幅回路40 ,…,40 と、N系統のフィードフォワード増幅回路40 ,…,40 の出力端子OP ,…,OP にそれぞれ接続された入力端子を持つ出力側多端子電力合成器5とからフィードフォワード多端子電力合成形電力増幅器が構成される。
    各フィードフォワード増幅回路40 は入力信号を主増幅器経路4AM と線形信号伝達経路4AL に分配する電力分配器41と、主増幅器経路4AM に直列に挿入された第1可変位相器4P1 、第1可変減衰器4A1 及び主増幅器4Mと、主増幅器経路4AM の出力と線形信号伝達経路4AL の出力を分配合成し、主信号伝達経路4BM と歪み注入経路4DL に出力する電力分配・合成器42と、歪み注入経路4DL に直列に挿入された第2可変位相器4P2 、第2可変減衰器4A2 及び補助増幅器4Xと、主信号伝達経路4BM の出力と歪み注入経路4DL の出力を電力合成し、主増幅器4Mの生成した歪みをキャンセルする電力合成器43とから構成される。 フィードフォワード増幅回路40 の電力分配器41から電力分配・合成器42までのループを歪み検出回路40A と呼び、電力分配・合成器42から電力合成器43までのループを歪み除去回路40B と呼ぶ。
    線形信号伝達経路4AL と主信号伝達経路4BM は単にケーブルから成る遅延線路であり、電力分配器41、電力分配・合成器42、電力合成器43などは、例えば方向性結合器あるいはハイブリッドで構成される。 歪み検出回路40A の線形信号伝達経路4AL に対し、第1可変減衰器4A1 と第1可変位相器4P1 を調整して電力分配器42の歪み注入経路4DL への出力側で主信号成分がキャンセルされ、主増幅器4Mによる非線形歪み成分(差成分)だけが残るようにすることにより、歪み検出回路40A のループを平衡させる。 同様に、歪み除去回路40B の主信号伝達経路4BM の信号に対し、第2可変減衰器4A2 及び第2可変位相器4P2 を調整して電力合成器43の出力側で主増幅器4Mの非線形歪み成分がキャンセルされ主信号成分だけが残るようにすることにより、歪み除去回路40B のループを平衡させる。 主増幅器4Mの非線形歪みを除去するためのこの様なフィードフォワード増幅回路自体はよく知られている技術である。
    次に本発明に関連する第1提案例のフィードフォワード多端子電力合成形電力増幅器の電気的特性の均一性について説明する。
    図4に示す各フィードフォワード増幅器40 は、歪検出回路40A と歪除去回路40B に遅延線路4D1, 4D2を持つ。 歪検出回路40A 及び歪除去回路40B は、電力分配・合成器42及び電力合成器43で、それぞれの経路4AMと4AL及び4BMと4DLからの信号を等振幅、等遅延、逆位相になるように片方の経路で振幅と位相を調整して二経路の信号を合成する。 このとき振幅と位相の調整精度により、歪検出回路40A 及び歪除去回路40B のループ平衡性がきまる。 日本国特許出願公開No.1-198809号「フィードフォワード増幅器の自動利得調整回路」に示されているように、例えば、30dB以上の歪抑圧量を得るためには振幅偏差及び位相偏差がそれぞれ±0.3dB及び±2deg以内のループ平衡性を達成する必要がある。
    線形信号伝達経路4AL を構成する遅延線路は電力分配器41と電力分配・合成器42間を接続するケーブルであり、その長さにより遅延量が決まるので、この遅延量のばらつき、即ち長さのばらつきは非常に小さくできる。 第1可変位相器4P1 はこの遅延線路4AL を基準として調整すればよいので、これも精度高く決めることができる。 実際のループの平衡調整においては図5の実施例を参照して後述するように、第1パイロット信号を使って位相及び振幅調整を行うことにより、高精度にループ平衡調整ができ、その結果、ループの位相偏差を±2deg以内、振幅偏差を±0.3dB 以内とすることが比較的容易に可能である。 歪み除去回路40B のループ平衡調整も同様に遅延線で構成された主信号伝達経路4BM を基準として第2可変位相器4P2 を第2可変減衰器4A2 と共に調整すればよいので、図5の提案例を参照して後述するように第2パイロット信号を使って位相偏差±2deg以内、振幅偏差±0.3dB 以内の高精度のループ平衡調整ができる。
    このように、多端子電力合成形電力増幅器における複数の主増幅器の均一な電気的特性を実現する方法として、それぞれの主増幅器をフィードフォワード構成化することが有効である。
    フィードフォワード増幅器の位相特性は、図4のフィードフォワード増幅器の構成より、歪検出回路40A と歪除去回路40B の遅延線路4D1, 4D2の加工精度で決まることが容易に分かる。 また、複数のフィードフォワード増幅器の利得特性については、歪検出回路40A にて主信号を遅延線路4D1 から送信信号を基準として相殺し、歪み成分を検出することから、フィードフォワード増幅器入力信号のレベルが等しい場合において、均一な利得特性にできることが容易に分かる。
    このようにして、複数の独立した主増幅器の電気的特性を均一化するには、それぞれの主増幅器をフィードフォワード構成にすることで達成できる。
    この発明に関連する第1提案例はこのことを多端子電力合成形電力増幅器に利用することにより、従来困難であったポート間アイソレーションの高い多端子電力合成形電力増幅器を実現可能にするものである。 これは、素子の不均一な電気的特性のない、いわゆる理想的な多端子電力合成形電力増幅器を実現できることを意味する。
    第2 提案例 図5に本発明に関連する第2提案例を示す。
    フィードフォワード増幅回路40 における歪検出回路40A と歪除去回路40B のループの平衡性は変動する。 これは回路の負荷変動、温度変化、経年変化などで容易にループの平衡条件が変化するためである。 この問題を解決する方法として、パイロット信号を用いたフィードフォワード構成のループの平衡性を達成する自動利得調整回路(日本国特許出願公開1-198809号、フィードフォワード増幅器の自動調整回路)がある。 これによると、パイロット信号を各ループに注入し、検出し、検出されたパイロット信号のレベルを最小にするように、可変位相器と可変減衰器を調整してループの平衡性を達成する。 この方法を用いて構成された移動通信用基地局電力増幅器(楢橋祥一、野島俊雄、移動通信用超低歪多周波共通増幅器、電子情報通信学会無線通信システム研究会技術報告RCS90-4,1990)が実用化されている。
    この第2 提案例においてもフィードフォワード構成のループの平衡性を容易に達成するためにパイロット信号を用いる。 第2 提案例は、フィードフォワード構成特有のループ平衡性の経時変化による劣化を修正するために、図4の提案例におけるフィードフォワード増幅回路40 に第1及び第2パイロット信号を用いて歪検出回路40A 及び歪除去回路40B のループ平衡性を容易に修正できるように構成したものである。 パイロット信号を用いたループ平衡性の達成方法については、前述の日本国特許出願公開1-198809あるいは米国特許No.5,166,634に示されている。 本提案では、これらに示されているのと同様の制御方法によりループの平衡性を達成する。
    フィードフォワード増幅器40 の入力にハイブリッドまたは方向性結合器による第1パイロット信号結合器451 を設け、第1パイロット信号発生器441 で発生された第1パイロット信号PS1 を第1パイロット信号結合器451 からフィードフォワード増幅器40に入力する。 第1及び第2パイロット信号発生器441, 442としては、例えば米国特許No.5,166,634に示されているCWを用いる方法(特願昭63-23574号「フィードフォワード増幅器の自動 利得調整回路」)、低周波の変調波を用いる方法(特願平3-249440号「フィードフォワード干渉回路」)、周波数拡散波を用いる方法(特願平3-140349号「フィードフォワード干渉回路」)などを使用した発振器を用いる。 第2パイロット信号結合器452 は、第1パイロット信号結合器451 と同様にハイブリッドまたは方向性結合器にて主増幅器4Mの段間に挿入される。 第1パイロット信号抽出器461 は、ハイブリッドまたは方向性結合器にて実現され、歪増幅回路4DL に挿入される。 第2パイロット信号抽出器462 は、ハイブリッドまたは方向性結合器にて実現され、電力合成器43の出力側に挿入される。
    第1パイロット信号抽出器461 で検出された第1パイロット信号PS1 のレベルがレベル検出器471 で検出され、第1制御器481 に入力される。 第1制御器481 は、第1パイロット信号PS1 のレベルを最小にするように、主信号の伝達経路4AM の第1可変位相器4P1 と第1可変減衰器4A1 を段階的に調整する。 これにより、歪検出回路40A のループ平衡性を達成することができる。 第2パイロット信号抽出器462 で検出された第2パイロット信号PS2 のレベルがレベル検出器472 で検出され、第2制御器482 に入力される。 第2制御器482 は、第2パイロット信号PS2 のレベルを最小にするように、歪増幅経路4DL の第2可変位相器4P2 と第2可変減衰器4A2 を段階的に調整する。 これにより、歪除去回路40B のループ平衡性を達成することができる。 この様なループ平衡調整は定期的に行っても、あるいは必要に応じて行ってもよい。 また、第1及び第2制御器481, 482によりそれぞれ歪み検出回路40A と歪み除去回路40B のループの平衡制御を行う例を示したが、1つの制御器で両方のループ平衡制御を行ってもよい。
    なお、図5の提案例では第1及び第2パイロット信号発生器441, 442と,第1及び第2レベル検出器471, 472と,第1及び第2制御器481, 482とを各系統のフィードフォワード増幅回路40 に専用に設けた場合を示したが、図7の実施例で後述するように、これら第1及び第2パイロット信号発生器441, 442と,第1及び第2レベル検出器471, 472とを全系統に対し共通に1つずつ設け、それぞれ第1及び第2パイロット信号発生器481, 482と、第1及び第2レベル検出器471, 472とをそれぞれ切替器により所望の系統の第1及び第2パイロット信号結合器451, 452及び第1及び第2パイロット信号抽出器461, 462に接続するように構成してもよい。 第1及び第2制御器481, 482は第1及び第2レベル検出器471, 472の検出レベルに基づいて全系統の第1及び第2可変減衰器4A1, 4A2と、第1及び第2可変位相器4P1, 4P2を制御する。
    このようにして、フィードフォワード増幅器40 の歪抑圧特性を安定的に得ることができる。 また、独立した複数の主増幅器4Mの電気的特性のばらつきを容易に小さくすることができる。 また、フィードフォワード増幅器に関する各種の歪補償技術、パイロット信号の高感度化技術、などを本発明に適用しても同様な効果があることは容易に類推できる。
    以上の第1 提案例及び第2 提案例により本提案は、フィードフォワード多端子電力合成形電力増幅器の調整の簡易化、経年変化、温度変化などによる電気的特性の偏りの防止、アレーアンテナのビーム形成に対して影響を与えないなどの利点がある。
    第3 提案例 図6に本発明に関連する第3 提案例を示す。 第1及び第2 提案例では図3における入力側多端子電力合成器3と出力側多端子電力合成器5の間に各ポートに対応して主増幅器4Mを含むフィードフォワード増幅回路40 を構成する場合を示したが、図6の提案例では、図3において、各入力ポートIP から、主増幅器4Mを経て出力ポートOP に至る各系統全体でフィードフォワード増幅回路40 を構成した場合である。 具体的には、図6の提案例は、図4の提案例において、入力側多端子電力合成器3を全系統の主増幅器4Mの入力側に移し、出力側多端子電力合成器5を全系統の主増幅器4Mの出力側に移した構成であり、その他の構成は図4と同様である。 従って、各入力ポートIP からの入力信号は対応するフィードフォワード増幅回路40 の電力分配器41に供給され、そのフィードフォワード増幅回路40 の電力合成器43の出力から出力ポートOP に各系統の信号が出力される。
    各入力ポートIP の送信信号は、フィードフォワード増幅回路40 の電力分配器41に入力される 力分配器41から、第1可変減衰器4A1 、第1可変位相器4P1 、入力側多端子電力合成器3、主電力増幅器4M、及び出力側多端子電力合成器5を経て電力分配・合成器42に至る主増幅器経路4AM と、電力分配器41から遅延線路4D1 を経て電力分配・合成器42に至る線形信号伝達経路4D1 とにより歪検出回路40A を構成する。
    電力分配・合成器42は主増幅器経路4MA の出力信号と遅延線路4D1 の出力信号とを分配・合成して歪み除去回路40B の主信号伝達経路4BM に和成分を出力し、歪み注入経路4DL に差成分である主増幅器の非線形歪成分を出力する。 電力分配・合成器42から電力合成器43に至る遅延線路により構成される主信号伝達経路4D2 と、電力分配・合成器42から第2可変減衰器4A2 、第2可変位相器4P2 及び補助増幅器4Xを経て電力合成器43に至る歪注入経路4DL と、電力合成器43は歪み除去回路40B を構成している。
    主信号伝達経路4BM の出力と歪注入経路4DL の出力は、電力合成器43にて電力合成され、それにより主信号伝達経路4BM の出力信号中の歪成分は、主信号伝達経路4BM の出力信号の歪成分と等振幅、等遅延、逆位相の歪注入経路出力信号を合成することにより除去される。
    この提案例で特徴的なことは、各系統の主増幅器経路の主信号は主増幅器4Mの入力側に設けられた入力側多端子電力合成器3により全系統の主増幅器4Mに分配され、それら主増幅器4Mからの出力が出力側多端子電力合成器5により合成されてその大部分の電力が対応する1つの系統の電力分配・合成器42に供給され、残りの電力が他の系統の電力分配・合成器42に分配される。 この時、上記1つの系統の電力分配・合成器42には他の系統からの洩れ電力も入力されるが、その洩れ電力はフィードフォワード増幅回路40 を構成する歪み検出回路40A により歪みとして主増幅器4Mによる非線形歪みと共に検出され、歪み除去回路40B の電力合成器43でキャンセルされる。
    即ち、全系統の電力合成器3、5及び主増幅器4Mの特性のばらつきに起因するポート間の電力の洩れも歪みとしてそれぞれの歪み検出回路40A により検出され、その歪みは電力合成器43においてキャンセルされる。 このことは、構成部品の電気的特性にばらつきが非常に小さい、従ってポート間アイソレーションが非常に高い理想的なフィードフォワード多端子電力合成形電力増幅器を実現できることと等価であることを意味している。 また、この構成によれば、主増幅器4Mの特性のばらつきについて要求される条件はないので、それだけ安価な増幅器を使用することができる。
    実施例 図7の実施例は図6の提案例に対し、図5の提案例で示したと同様な第1及び第2パイロット信号による歪み検出回路40A と歪み除去回路40B のループ平衡を行うための構成を付加したものである。 ここでは、各系統の入力ポートIP と電力分配器41の入力側との間に第1パイロット信号結合器451 を設け、出力側多端子電力合成器5の各出力と電力分配・合成器42の入力との間に第2パイロット信号結合器452 を設け、各歪み除去回路40B の電力分配・合成器42と補助増幅器4Xとの間の歪み注入経路4DL に第1パイロット抽出器461 が設けられ、電力合成器43の出力側に第2パイロット信号抽出器462 が設けられる。
    切り替え器6及び7により選択した系統に対し第1及び第2パイロット信号発生器441, 442からの第1及び第2レベル検出器471, 472と切り替え器8及び9により選択した所望の系統のパイロット信号抽出器461, 462から抽出した第1及び第2パイロット信号のレベルをレベル検出器471, 472により検出する。 レベル検出器471, 472の検出レベルは第1及び第2制御器481, 482に与えられ、これらに基づいて第1可変減衰器4A1, 第1可変位相器4AB, 及び第2可変減衰器4A2, 第2可変位相器4P2 が制御される。 切り替え器6と8は連動して同じ系統を選択するように第1制御器481 により制御され、切り替え器7と9は連動して同じ系統を選択するように第2制御器482 により制御される。
    入力端子IP の送信信号は、第1パイロット信号結合器451 に入力される。 第1パイロット信号結合器451 は、第1パイロット信号PS1 を系統nに結合する。 第1パイロット信号結合器451 の出力は、フィードフォワード増幅回路40 の電力分配器41に入力される。
    電力分配・合成器42は主増幅器経路4MA の出力信号と遅延線路4D1 の出力信号とを分配・合成して歪み除去回路40B の主信号伝達経路4BM に和成分を出力し、歪み注入経路4DL に差成分である主増幅器の非線形歪成分とポート間洩れ電力を歪みとして出力する。 第2パイロット信号結合器452 は、増幅された送信信号系統1に第2パイロット信号PS2 を注入する。 電力分配・合成器42の和成分出力は遅延線路にて構成される主信号伝達経路4D2 に供給され、電力分配・合成器42の差成分出力は、第1パイロット信号抽出器461 、第2可変減衰器4A2 、第2可変位相器4P2 及び補助増幅器4Xにより構成される歪注入経路4DL に供給される。
    主信号伝達経路4D2 の出力と歪注入経路4DL の出力は、電力合成器43にて電力合成される。 即ち、主信号伝達経路4D2 の出力信号中の歪成分は、主信号伝達経路4DL の出力信号である歪成分と等振幅、等遅延、逆位相の歪注入経路出力信号を合成することにより除去される。
    第1パイロット信号PS1 は、トーンまたは変調波を発生する信号発生器と所定の周波数に変換する周波数変換器にて構成される第1パイロット信号発生器441 にて生成する。 第1制御器481 は切替器6と8に所望の送信系統を選択するよう制御し、それによって、第1パイロット信号PS1 を選択された送信系統の第1パイロット信号結合器451 に注入し、その送信系統の第1パイロット信号抽出器461 により歪み注入経路4DL から第1パイロット信号PS1 を抽出する。
    第1パイロット信号抽出器461 により抽出された第1パイロット信号PS1 は、第1レベル検出器471 に与えられ、そのレベルが検出される。 第1レベル検出器471 は、第1パイロット信号PS1 がトーンの場合、狭帯域フィルタ、周波数変換器とレベル検出器にて構成される。 第1パイロット信号PS1 が変調波の場合、帯域フィルタ、周波数変換器、検波器、判定器、搬送波同期回路等により構成される。 第1レベル検出器471 にて検出された第1パイロット信号のレベルは、第1制御器481 に入力され、第1制御器481 は、入力された第1パイロット信号の検出レベルを最小にするように第1可変減衰器4A1 と第1可変位相器4P1 を段階的に制御する。
    これらの制御アルゴリズムは、従来から実用化されている摂動法、最急降下法、または各種の適応アルゴリズムなどで実現される。 第1制御器481 は、選択した系統の可変減衰器4A1 と可変位相器4P1 を調整後に、第1パイロット信号PS1 注入する系統を切り替える切替器6、8を制御して別の系統の可変減衰器4A1 と可変位相器4P1 を調整する。 第1制御器481 の制御手順は、予め決めた順に系統を選択することを切替器6、8に指示し、第1パイロット信号の検出レベルを最小にするように選択した系統の可変減衰器4A1 と可変位相器4P1 を1ステップまたは数ステップ制御し、切替器6、8に別の系統を選択する信号を送出する。 このようにして、N系統を順次制御する。
    第2制御器482 により制御されて切替器7、9は所定の送信系統を選択し、選択された送信系統の第2パイロット信号結合器452 に第2パイロット信号発生器442 から発生された第2パイロット信号PS2 が注入される。 第2パイロット信号抽出器462 により抽出された第2パイロット信号PS2 が第2レベル検出器472 に与えられ、第2パイロット信号のレベルが検出され、第2制御器482 に与えられる。 第2レベル検出器472 は、第2パイロット信号PS2 がトーンの場合、狭帯域フィルタ、周波数変換器とレベル検出器にて構成される。 第2パイロット信号PS2 が変調波の場合、帯域フィルタ、周波数変換器、検波器、判定器、搬送波同期回路等により構成される。 第2制御器482 は、入力された第2パイロット信号のレベルを最小にするように第2可変減衰器4A2 と第2可変位相器4P2 を段階的に制御する。 これらの制御アルゴリズムは、従来から実用化されている摂動法、最急降下法、または各種の適応アルゴリズムなどで実現される。 第2制御器482 は、第1制御器481 の場合と同様に選択した系統の可変減衰器4A2 と可変位相器4P2 を調整後に、切り替える切替器7, 9を制御して別の系統を選択し、可変減衰器4A2 と可変位相器4P2 を調整する。
    上記構成により、第1パイロット信号PS1 を用いてフィードフォワード構成の歪検出回路40A の平衡性を達成し、かつ、第2パイロット信号PS2 を用いて歪除去回路40B の平衡性を達成する。 また、制御器481, 482により、送信系統を切り換えてフィードフォワード増幅回路のループの平衡性を順次達成する。 電力増幅器のすべてのフィードフォワード増幅回路のループの平衡性を達成することで、電力増幅器におけるすべての送信系統の電気的特性を均一化できる。 本発明の電力増幅器に使用される第1及び第2パイロット信号については、拡散符号で周波数拡散されていてもよい。
    図8に本発明に関連する第4提案例を示す。
    図8の提案例は、図6の第3提案例において切り替え器6、7、8、9を用いず、それぞれの系統に対し専用の第1及び第2パイロット信号発生器(441 〜441 、442 〜442 )と、第1及び第2レベル検出器(471 〜471 、472 〜472 )と、第1及び第2制御器(481 〜481 、482 〜482 )を設けたものである。 これにより、全送信系統のフィードフォワード増幅回路40 〜40 の全ループの平衡性を同時に達成する。 第1パイロット信号PS1 及び第2パイロット信号PS2 の周波数は、増幅器の相互変調歪みによる混変調を回避する周波数にそれぞれ設定される。 これにより、電力増幅器のすべてのループの平衡性を達成することで、電力増幅器におけるすべての送信系統の電気的特性を均一化できる。 電力増幅器のすべてのループの平衡性を達成することで、電力増幅器におけるすべての送信系統の電気的特性を均一化できる。
    図9に本発明の第実施例を示す。
    図9は、本発明によるフィードフォワード多端子電力合成形電力増幅器100 をアレーアンテナに応用した実施例であり、FDD(frequency division duplex) を使用し、送信信号と受信信号では異なるキャリア周波数を使用する場合である。 図3〜8のいずれかで示した本発明によるフイードフォワード多端子電力合成形電力増幅器100 の出力系統OP 〜OP は、それぞれ共用器(デュープレクサ)71 〜71 に入力される。 共用器71 〜71 は、アンテナ70 〜70 で周波数の異なる受信した信号と送信信号を分配する。 アンテナ70 〜70 で受信された信号は、共用器71 〜71 を経て受信機(72 〜72 )に入力される。 受信機72 〜72 では所定の信号処理を行う。 このように、本発明のフィードフォワード多端子電力合成形電力増幅器100 は、アレーアンテナ70 〜70 と組み合わせることができる。
    図9のフィードフォワード多端子電力合成形電力増幅器は、これまで述べてきた図3から図8のいずれの増幅器構成であってもよい。
    図10にこの発明の第実施例を示す。
    図10はこの発明によるフィードフォワード多端子電力合成形電力増幅器100 をアレーアンテナに応用した他の実施例である。 ここではTDD(time division duplex)を使用し、図9の共用器71 〜71 がRFスイッチSW 〜SW に置き換えられた構成となっている。 送信タイムスロットではRFスイッチSW 〜SW はフィードフォワード多端子電力合成形電力増幅器100 側に接続されて増幅器100 により増幅された送信信号をアンテナ70 から70 から送出する。 受信タイムスロットではRFスイッチSW 〜SW は受信機72 〜72 側に接続され、アンテナ70 〜70 からの受信信号を受信機72 〜72 に供給する。 この様に、この発明による電力増幅器は、無線通信方式によらず、マルチビーム及びアダプティブアレーアンテナのための送信増幅器として適用できる。
    【図面の簡単な説明】
    【図1】図1は多端子電力合成形電力増幅器の構成を示す図。
    【図2】図2はハイブリッドを用いた多端子電力合成回路の一例を示す図。
    【図3】図3はこの発明による多端子電力合成形電力増幅器の原理的構成を示す図。
    【図4】図4は本発明に関連する第1提案例を示す図。
    【図5】図5は本発明に関連する第2提案例を示す図。
    【図6】図6は本発明に関連する第3提案例を示す図。
    【図7】図7は本発明の第実施例を示す図。
    【図8】図8は本発明に関連する第4提案例を示す図。
    【図9】図9は本発明の第実施例を示す図。
    【図10】図10は本発明の第実施例を示す図。

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