Multiple resonance type tunneling circuit for positive digit range-4 base-2 to binary conversion

申请号 JP14524694 申请日 1994-05-24 公开(公告)号 JPH07147536A 公开(公告)日 1995-06-06
申请人 Texas Instr Inc ; テキサス インスツルメンツ インコーポレイテツド; 发明人 ARUBAATO EICHI TADEIKEN;
摘要 PURPOSE: To constitute a multilevel logic circuit by using a multi-peak type resonance tunneling device by making the binary work of an L-value show the same numeric value as that of a range N when that of the range N is impressed at the input terminal of a voltage divider. CONSTITUTION: The input of a positive digit range-4 base-2 to binary converter is the word S of a range-4 and base-2 which is a positive number and the word S is composed of numbers S0 -S4 (S0 : the least significant digit). The digits are decomposed by means of range-4 base-2 to binary converters 50. The output of each converter 50 is composed of a two-digit binary word and the word has the same value as that of an inputted multilevel digit (where, a carry digit C is the most significant binary digit and W is the least significant digit). An adding circuit 52 generates the digit in an intermediate area 3 by adding the outputs C and W from adjacent converters 50 to each other and the digit is decomposed by means of another converter 50. A decomposing stage 53 generates a word of a range-4 and base-2 of W-1 digit width and a binary bit to the word which is the digit width of the W.
权利要求 【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】値域Nの数字をL桁の二進ワードに変換するための装置であって、 入力端を有する分圧ネットワークと、 各回路の入力端が前記ネットワークに接続され、出力信号が前記L桁の二進ワードにおける数字であるL個のマルチレベルのフォールディング回路とを備え、 よって前記値域Nの数字が前記分圧器の入力端に印加されると、前記L桁の二進ワードは前記値域Nの数字の値と同じ数値を示す装置。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【産業上の利用分野】本発明は、一般的には集積回路デバイスに関し、より詳細には共振トンネルデバイスを備えた多値論理回路に関する。

    【0002】

    【従来技術】以下、本発明の範囲を限定することなく、
    共振トンネルデバイスおよび多値論理回路を参照して、
    本発明の背景について説明する。

    【0003】共振トンネルデバイス 過去10年の間にヘテロエピタキシャル技術により、研究者は種々の超格子量子井戸共振トンネル構造体の電気的特性について研究を行うことが可能となった。 チャン、エサキおよびツー(Chan,Esaki and
    Tsu)、(アプライド・フィジックス・レターズ、
    第24号、第593頁)により共振トンネルダイオード(以下RTDと称す)の最初の提案および研究について報告がなされ、その後、これら構造体における大きな負性抵抗差(以下NDRと称す)を観測したソルナー(S
    ollner)外により、研究開発に対する拍車がかかった。 量子井戸を通る電荷が移動する上では、とびとびのエネルギーステートしか利用できないので、共振トンネルダイオードの電流と電圧の関係はピークを示すことがある。 すなわち、印加電圧がゼロから増加するにつれ、ダイオード電流は増加し、その後印加電圧が大きくなるにつれて、ある範囲内でダイオード電流は低下する。 エピタキシャルスタック内にRTDの直列の組み合わせを含むマルチピーク形共振トンネルデバイス(以下、M−RTDと称す)もテストされている。 最近、テキサス・インスツルメンツ社により、製造された単一のヘテロ構造体では、室温で16の共振ピークが得られている。

    【0004】RTDの初期の研究以来、これまで多くの3端子形共振トンネルデバイスが提案され、テストされている(例えば、ニューヨーク、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ社により発行されたエフ・カパッソ、エス・センおよびエフ・ベルトラム(F.Capasso,
    S. Sen and F. Beltram)著、「高速半導体デバイス」(エス・エム・チェー(S.M.Sz
    e)編集)を参照されたい)。 従来のトランジスタのターミナルの一つまたは他方にRTDを集積化すると、共振トンネルトランジスタの大きなファミリーが得られる。 これらトランジスタのうち、最も有望視されているものとして、共振トンネルバイポーラトランジスタ(R
    TBT)(例えばエフ・カパッソ、エス・センおよびエー・ワイ・チョー(A.Y.Cho)著、「アプライド・フィジックス・レターズ」、第51号、第526頁を参照されたい)、共振トンネル熱電子トランジスタ(R
    HET)(例えばエヌ・ヨコヤマ外著、「ソリッドステートエレクトロニクス」、第31号、第577頁を参照されたい)および共振トンネル電界効果トランジスタ(RTFET)がある。 これらデバイスはヘテロ接合バイポーラトランジスタ、熱電子トランジスタまたは電界効果トランジスタのエミッタまたはドレインターミナル内にRTDを設けることにより、それぞれ製造されるものである。

    【0005】現在多くの研究所で、従来の機能できるトランジスタよりもより小さい大きさで作動する可能性を研究するため、ナノ電子デバイス、例えば共振トンネルダイオードおよびトランジスタが研究中である。 これらデバイスの設計の目標は、量子効果自体を利用し、ナノメータスケールでの寸法にスケールダウンできるようにすることである。 かかるナノ電子デバイスの例については、下記の米国特許に記載がある。

    【0006】1986年4月8日、リード(Reed)
    に発行された「量子デバイス出スイッチ」を発明の名称とする米国特許第4,581,612号、1987年11月3日、カパッソ外に発行された「負性相互コンダクタンスデバイス」を発明の名称とする米国特許第4,
    704,622号、1988年1月26日、フレイジャー(Frazier)に発行された「3端子トンネルデバイス」を発明の名称とする米国特許第4,721,9
    83号、1989年7月18日、カパッソ外に発行された「共振トンネルトランジスタ」を発明の名称とする米国特許第4,849,799号、1989年7月25
    日、リー(Lee)外に発行された「二進超格子トンネルデバイスおよび方法」を発明の名称とする米国特許第4,851,886号、1989年8月1日、カパッソ外に発行された「共振トンネルデバイスおよびデバイスの作動モード」を発明の名称とする米国特許第4,85
    3,753号、1990年3月27日、リード外に発行された「3端子量子デバイス」を発明の名称とする米国特許第4,912,531号、1990年9月25日、
    フレンズレイ(Frensley)外に発行された「3
    端子トンネルデバイスおよび方法」を発明の名称とする米国特許第4,959,696号および1991年3月12日、カパッソ外に発行された「シーケンシャルクエンチング共振トンネルトランジスタ」を発明の名称とする米国特許第4,999,697号。

    【0007】多値論理 二進演算用集積回路(IC)は、埋め込みコプロセッサおよび高性能コンピュータの性能の革新を可能としたが、スケーリング上の限界により、最終的に従来のIC
    の速度および密度の更なる上昇が阻害されることになろう。 西暦2000年を経過すれば、やがて量子機械的効果が従来のトランジスタのスケーリング度の基本的限界を決めることになろう(例えば、アール・ティ・ベイト(R.T.Bate)著、「ナノテクノロジー」、19
    90年第1号第1頁)。 0.1μmよりも小さい特徴的な寸法になると、従来のデバイスではリークが生じ、このリークがICのスケーリングによる性能の向上を阻害することになる。

    【0008】

    【発明が解決しようとする課題】将来的には、超高性能デジタルシステムは、最小データラテンシーで10GH
    zを越えるクロックレートを必要とすることになろう。
    シリコンVLSI技術に基づく二進計算を使用する現在のシステムは、複雑な桁上げリップル低減方法を使用することにより、適度に良好な性能を得ることができるが、データラテンシーおよび超高速計算が必要な場合、
    この方法はあるクラスのシステムに対しては不適当である。

    【0009】一つのMVL回路内では、多数の二進ビットを同時に処理できるので、多値論理(以下、MVLと称す)回路は、速度および密度を高める(同時に幾何学的大きさを最小とする)ことに対し可能性がある。 冗長数システムを使用することにより、桁上げリップルのない作動を行う、多値論理加算器および乗算器の例については、1992年のエル・ジェイ・ミッチェル(L.
    J. Micheel)による「MVLに関する国際シンポジウム議事録」、1991年のジェイ・ゴトウ外による「国際固体回路会議」、1991年のエス・カワヒト、ケイ・ミズノおよびティー・ナカムラによる「MV
    Lに関する国際シンポジウムの議事録」を参照されたい。 現在まで、従来の集積回路ファミリー(例えばCM
    OSおよびヘテロ接合ECL)に基づくこれら方法の実行が提案されている。

    【0010】多値論理(MVL)計算回路は、従来の二進装置よりも速度および密度の点でかなり有利であるが、MVL集積回路は近い将来でも単独で使用されることはないので、従来の二進回路と相互に動作できることが必要である。 多値論理プロセッサの性能上の利点を低下させない多値−二進コンバータの有効な構成が、多く望まれている。

    【0011】マルチ共振トンネルデバイスは、多値数システムで表示される数値を従来の二進表示に効率的に変換する回路を構成するのに、かなり有利であることが判っている。 この多値ワードを二進ワードに変換するのに必要な動作は、共振トンネルデバイスが呈する負性抵抗差を活用する回路により、極めて有効に実現できる。 従来の技術(例えばCMOSおよびヘテロ接合PCL)
    は、回路が複雑になり多くの部品数を必要とするので、
    MVLICに対しては、自然な選択とは見えない。 共振トンネルデバイスは量子スケーリング限界に達する前でも、超高速度および超高密度回路を可能とするような、
    新規な特性を有している。 多数の二進ビットは、多数の負性相互コンダクタンス領域を示すデバイスを活用するアーキテクチャにより、極めて効率的に処理されるので、従来のIC技術により構成される二進回路および多値回路よりも速いスピードおよび大きな密度が得られる。

    【0012】

    【課題を解決するための手段】一般に、本発明の一態様では、2を底とする、値域4のワードにより表示される数を、同じ値を有する従来の二進ワード(2を底とし、
    値域2)に変換する。 この変換は、一連の分解ステージにより行われる。 各分解ステージは中間のレンジ4、底2のワードおよび二進数を発生し、二進数は出力ワードの数のうちの一つとなる。 各ステージにおける分解は一組の、値域4、底2の数−二進コンバータにより行われ、各コンバータは、中間ワードの一つの数に対する演算を行うことが好ましい。 加算回路は、隣接する2を底とし、値域4の数のコンバータの出力を加算して、新しい中間ワードを形成することが好ましい。 分解ステージの出力の最初の桁は、出力二進ワードの数となる。 2を底とし、値域4の数−二進コンバータは分圧器により接続されたマルチレベルのフォールディング回路であることが好ましい。 マルチレベルのフォールディング回路は、多数のチ負性相互コンダクタンス差を呈するマルチピーク形の共振トンネルトランジスタを含むことが好ましい。 本明細書に開示された発明は、多値数システムにより表示される値を、従来の二進表示に変換できる最初の論理回路であることは明らかである。 更に本発明は、
    多値論理から二進への変換を実行できる共振トンネルデバイスを含む最初の回路であることも明らかである。

    【0013】本発明に係わるコンバータは、いくつかの技術的利点を提供するものである。 例えば、開示する新規な回路は、多値論理演算の結果を極めて高い速度で二進表示に変換できるようにするものであり、更に共振トンネルデバイスを活用しているので、ここに記載した新規なコンバータ回路は、ごく少数の部品で製造できる。
    当業者であれば、下記の説明、図面および特許請求の範囲から、他の技術的な利点は容易に明らかとなろう。

    【0014】本発明の新規な特徴については、添付した特許請求の範囲に記載されているが、本発明自体、更に本発明の他の特徴および利点については、添付図面を参照して下記の詳細な脱明を読めば、最も理解できよう。

    【0015】

    【実施例】以下の例に、多値論理演算の利点を示す。 従来のほとんどのデジタルプロセッサでは、底2、値域2
    の記数システムで数が表示される。 すなわち各数字の単位値は、2を底とする数列で増加し(1、2、4、8
    等)、各数字はわずか2つの値のいずれかしか取らない(0または1)。 従来のデジタルプロセッサのアーキテクチュアでは、単一プロセッササイクルでNビットの数の対を加算できるが、加算回路を通って桁上げビットが伝わらなければならないので、二進加算では時間の遅れが生じる。 このような桁上げビット伝搬の遅れが、プロセッサ性能の上限を決めている。 例えば2を底とし、値域2で表示される次の数を、簡単な二進演算を使って加算するには、全加算チェインを横断するよう桁上げビットが長い距離を伝わらなければならい。

    【0016】

    【数1】

    【0017】多値表示を用いてデータオペランドをエンコードし、処理すれば、このような桁上げビット伝搬の問題は解消できる。 この方法は、桁上げリップルが生ぜず、桁上げ伝搬遅延が解消されるように情報を表示するのにより広い値域を使用している。 先の例からの数を2
    を底とし、値域3で表示すると、桁上げを発生することなく加算でき、ビットの各コラムは二進加算でなく別々に加算する。 この結果を値域3で表示すると、桁上げリップルが不要となる。

    【0018】

    【数2】

    【0019】演算結果の値域がより広くても、演算結果を表示するのに使用される数システムの底は変わらないことに留意されたい。 すなわち、各桁位置の単位値は、
    1、2、4、8等々のような、2を底とする数列で増加する。 Mを底として増加するように情報をエンコードする値域nの記数の使用法は、冗長数M、Nコーディング法と称される。 数字が正の値だけをとる場合、この記数システムは冗長正数M、Nコーディング法と称される。
    したがって上記のような例の記数システムは、冗長正数2、3コーディング法と称される。 正の数値および負の数値を可能とする記数システムは、冗長符号付き数M、
    Nコーディング法と称される。

    【0020】図1には、冗長正数2、4コーディング法により表示される数字の加算器のブロック図が示されている。 数字は値0、1、2および3(4を値域とする正の数字)をとり得る。 この記数システムの数列は、2を底としている。 このブロックはワード幅が3桁までの入力ワードに対するものであるが、この技術は明らかに任意のワード幅まで拡張できる。 桁上げリップルが生じないように、冗長エンコードされた(値域4の)表示で、
    2を底とする情報を表示するのに、正の冗長数2、4コーディング法を使用する。 このことは出力数字、例えばR は同じ位または下位の位の最初の6つの数字、すなわちX 、Y 、X 、Y 、X およびY により完全に決定される。 加算は次の3つの工程により実行される。

    【0021】

    【数3】

    【0022】この演算結果の10を底とする値は、次のように示される。

    【0023】

    【数4】

    【0024】ここで、nは出力ワードの桁数である。

    【0025】図1を参照すると、まず2入力形加算回路40を用いて、入力数(X 、Y )の対を加算し、出力数のS =X +Y (工程1)を発生する。 次に値域7の多値数−二進コンバータ42(以下R7MBCと称す)を用いて、3ビット二進コードに変換する。 このR7MBC42は、上記工程2の分解関数を実行する。
    最後に、隣接するR7MBC42からの二進出力を分け、3入力形加算回路44により加算し、値域4の出力結果を発生する(上記工程3)。 図示した加算器は、任意のワード幅の2つの数の計を計算するように拡張できる。 回路内では、局部的中間演算結果しか分けないので、この回路の速度は入力桁の数とは無関係である。

    【0026】多値論理(MVL)計算回路は、従来の二進装置よりも速度および密度の点でかなり有利であるが、MVL集積回路は近い将来でも単独で使用されることはないので、従来の二進回路と相互に動作できることが必要である。 図2は、S 〜SLと表示した幅L+1
    の出力ワードを発生する多値論理プロセッサ46のブロック図である。 多値−二進コンバータ48は、多値ワードSを受け、B 〜B と表示されたM+1個の数字を有する二進ワードBに変換する。 (多値プロセッサは、
    二進ワードを変形することなく取り込むことができるので、2を底とする二進から2を底とする多値へのコンバータは、不要である。 )多値論理プロセッサの性能の利点を低下しない多値−二進コンバータ48の効率的な実現が強く求められている。

    【0027】多値ワードから二進ワードへの変換に必要な作動は、共振トンネルデバイスが呈する負性抵抗差を活用する回路により極めて効率的に実行できることが判っている。

    【0028】好ましい実施例 好ましい回路の実施例の作動に関する以下の説明では、
    入出力信号を電圧でなくてステートとして説明する。 1
    つのステートは、数の値に対応しており、各ステートに対応する電圧は、設計上の選択事項であり電圧とステートの対応は、当業者にはあきらかとなろう。 例えば、特定の回路設計では、各ステートは、次ぎのステートと0.3ボルトだけ異なっている。 底を2とし、値域を4
    とする数から二進へのコンバータの好ましい実施例では、回路電圧はステートに一般に比例している。 別の実施例では、電圧とステートの関係は、厳密にリニアでなくてもよいし、厳密に比例してなくてもよいと解される。

    【0029】図3に、正数の値域4、底2−二進変換器の好ましい実施例のブロック図を示す。 入力は正の数である値域4、底2のワードSであり、このワードは数字S 〜S (ここでS は最小位の数字である)から成る、図2の正数の値域4、底2の加算器の出力ワードである。 一般に、Sのうちの最高位の数字および最小位の数字は、加算器の設計のため二進数(すなわちこれらは0または1の値にしかならない)である。 同様に、Sのうちの次ぎに高い位の数字および最小位から一つ高い位の数字は、値0、1および2しかとらない。 以下述べる好ましい実施例の多値−二進コンバータは、このような入力ワードに対して演算を行う。

    【0030】図3において、入力ワードSは、5桁の幅に示されているが、コンバータは明らかに任意の幅の入力ワードに対して演算を行うように拡張できる。 数字は値域4、底2−二進コンバータ50により分解される。
    各コンバータ50の出力は、2桁の二進ワードであり、
    このワードは多値入力数字と同一の値を有する(桁上げ数Cは最大位の二進数であり、Wは最小位の数である)。 隣接するコンバータ50からの出力CおよびW
    は、加算回路52により加算され、これら加算回路は中間の値域3の数字を発生する。 これら中間の値域3の数字は、次ぎに別の値域4、底2−二進コンバータ50により分解される。 図3に示すように、各分解ステージ5
    3は、一組の値域4、底2−二進コンバータおよび関連する加算回路の組である。 分解ステージはWの桁幅である値域4、底2のワードに対して演算を行い、W−1桁幅の値域4、底2のワードおよび一つの二進ビットを発生する(分解ステージの最小位のコンバータの出力Wは必ず二進出力数となる)。 一般に、L+1桁幅の入力ワードに対しては、L個の分解ステージが必要である。

    【0031】図4に、値域4、底2−二進コンバータ5
    0の好ましい実施例を示す。 この回路は、分圧器(Rと表示された抵抗器)により接続された2つのマルチレベルのフォールディング回路54から成る。 各マルチレベルのフォールディング回路は、アクティブ負荷62およびマルチ負性相互コンダクタンス差デバイスから成り、
    負性相互コンダクタンス差デバイスは、マルチピークの共振トンネルトランジスタ56であることが好ましい。
    好ましい実施例では、マルチピークの共振トンネルトランジスタ56は、スイッチングトランジスタ58とトランジスタのソースに集積されたマルチピークの共振トンネルダイオード60の組み合わせであり、トンネルダイオード60は、ソース接続されたM−RTDまたは多数の単一ピークRTDを備えたディスクリートトランジスタでもよい。 第2のマルチレベルフォールディング回路への入力電圧では、分圧器(抵抗器R)による入力電圧Sの半分になっている。 次に、マルチレベルの単一フォールディング回路の作動について説明する。

    【0032】共振トンネルダイオードRTDは、一つ以上の量子井戸を電荷キャリアが飛び越える共振トンネル効果により、負性抵抗差を示す。 図5および図6a〜6
    cに示すように、印加バイアスが一つの電気接点におけるフェルミ準位を備えたデバイス内の量子導通ステートに一致すると、RTDのI−V曲線においてピークが生じる。 図6A、6Bおよび6Cは、図5におけるA、
    B、Cにおける印加電圧下のRTDの導通バンドエネルギー図をそれぞれ示す。 バイアス電圧におけるI−Vピークの位置は、デバイスを製造するのに使用されるヘテロ構造の組成および層の厚さを制御することにより調節できる。 RTDは、図7に示すI−V特性のようなI−
    V特性を有するマルチピークRTD(M−RTD)を製造するように、直列に集積化される。 この例では、同じヘテロ構造体内にRTDのスタックを製造することにより、8個のピークのI−V特性が得られた。 更に、ピークの数およびバイアス論理の双方も、製造プロセス中に制御されるパラメータである。

    【0033】図8、9Aおよび9Bを参照して好ましい実施例の、値域4、底2−二進コンバータ50の出力の作動について説明する。 マルチレベルフォールディング回路54の第1の好ましい実施例は、共振トンネルトランジスタ56と、アクティブ負荷として働くデプレッションモードのFET62から成る。 図8に示すように、
    この実施例では、共振トンネルトランジスタ56はスイッチングトランジスタ58およびマルチピーク共振トンネルダイオード60により表示できる。 共振トンネルトランジスタ56は、例えばFETとこのFETのソースに集積化されたマルチピーク共振トンネルダイオードの組み合わせでよく、後者のトンネルダイオードはソースに接続されたM−RTDまたは多数の単一ピークRTD
    を備えたディスクリートFETでもよい。 好ましい実施例において、スイッチングトランジスタ58は−0.3
    ボルトのスレッショルド電圧V1を有するデプレッションモードのFETである。 図9Aは、共振トンネルトランジスタのドレイン電流I58とVinとの関係を示す。 図には、ほぼ0.3ボルト、0.6ボルトおよび0.9ボルトで生じる3つの共振ピークが示されている。 図9Aにおける点線は、アクティブ負荷62の負荷ラインである。 図示するように、アクティブ負荷62であるトランジスタの飽和電流は、共振トンネルトランジスタ56のピーク電流よりも少なく、かつ、谷電流よりも大きくなるように選択されている。

    【0034】V inすなわちスイッチングトランジスタ58を−0.3ボルトから上にスイープする際に、高レベルで開始する出力電圧V outはV inがスイッチングトランジスタ58のV gs,on (ゲート・ソース間のオン電圧)+M−RTD60の第1ピーク電圧に達すると、低くなる。 ゲート電圧が連続して上昇するにつれ、M−RTD60はスイッチングトランジスタ58の電流がNDR領域を通って遷移し、ゲート電圧がV
    gs,off (ゲート・ソース間のオフ電圧)+M−R
    TD60の第1谷電圧に達し、再びV outが高くなるまで、スイッチングトランジスタ58の電流を制限する。 V inが更に増加すると、このサイクルが繰り返され、図9Bに示されるような入出力関係となる。 負荷トランジスタ62をシャントするダイオードは、スイッチングトランジスタ58が三極管領域に入らないように、
    低い、V outステートにクランプする。 図9Aおよび9Bに示すように、アクティブ負荷トランジスタ62の飽和電流は、V outが一つの出力電圧から他の出力電圧に切り替わる際の正しい電圧を決定する。 値域4、底2−二進コンバータ50の好ましい実施例は、図4に示すように、抵抗器のラダーを使用して組み合わされたこれらマルチレベルのフォールディング回路54のうちの2つから形成されている。 図10に、値域4、底2−二進コンバータの好ましい実施例の伝達関数が示されている。 一般に、図10に示される伝達関数を得るには、共振トンネルトランジスタ56は少なくとも2つの共振ピークを示さなければならない。 共振ピークの数および間隔の選択は、ステートと電圧との関係(すなわち数字の値とその値を示す電圧との対応関係)によって影響される。

    【0035】図9Aに示される3ピーク形M−RTDの特性は、3つのRTDを直列に組み合わせるか、または単一の結合量子移動ヘテロ構造体を用いるかのいずれかにより得られる。 RTDが直列に組み合わされている際は、チェーン内のオフ抵抗のRTDは、 好ましくない内部直列抵抗Rsを持ち込むおそれがある。 この直列抵抗

    の積に大きさが等しい電圧ヒステリシスを生じる。 累積直列抵抗値がRTD負性抵抗差を越えると、このヒステリシスの影響が生じる。 従って、直列に組み合わせできるRTDの総数は、一般に特定デバイス構造の累積直列抵抗により制限される。

    【0036】共振トンネルデバイスの電気特性は、一部は構成層の厚み、材質およびドーピングにより決定され、下記の表1に3ピーク特性を示す共振トンネルダイオードの一例が示されている。 この構造体は、エピタキシャル形成された層、すなわち基板上に形成された層1
    と層1の上に形成された層2等のスタックである。

    【0037】

    【表1】

    【0038】表1に示される構造は、図11に示される電流−電圧特性を示す。 この図には2つのカーブがあるが、1つのカーブしか明らかではない。 1つのカーブは、ゼロバイアスで始まる正の電圧ランプに対する特性であり、第2のカーブは0.8ボルトで始まり、0ボルトに低下する。 これらカーブの間の差は、測定装置の3
    mvの分解能よりも小さい。

    【0039】MVL回路において十分なノイズマージンを確保するには、M−RTDは、相対的に等しいピーク電流と谷電流、相対的に等しい間隔のピーク電圧、適当なピークー谷比および低いヒステリシスを有していなければならない。 表2は、いくつかのM−RTDパラメータの好ましい値を示す。

    【0040】

    【表2】

    【0041】同様に、FETスイッチングトランジスタのパラメータの好ましい値を示すことができる。 図3
    は、あるパラメータの好ましい値を示す。

    【0042】

    【表3】

    【0043】図12に加算回路52の第1の好ましい実施例を示す。 第1の増幅ステージは、−(W+C)を発生し、第2増幅ステージはS=W+Cとなるようにインバータ(利得=−1)となっている。 下記の表4は、実施例と図の概略を示すものである。

    【0044】

    【表4】

    【0045】以上で、いくつかの好ましい実施例について説明した。 本発明の範囲は特許請求の範囲内でこれまで述べた実施例と異なる実施例を含むと解すべきである。

    【0046】内部および外部の接続は、介在回路等を解したオーミック接続、容量接続、直接または間接的な接続または他の方法による接続でよい。 シリコン、ヒ化ガリウムまたは他の電子材料群によるディスクリート部品または完全集積回路で構成できる。 本発明の種々の実施例は、ハードウェア、ソフトウェアまたはマイクロコード化されたファームウェアを使用することができ、またはこれらで構成できると解すべきである。

    【0047】以上で、図示した実施例を参照して本発明について説明したが、この説明は制限的であると解すべきではない。 図示した実施例の種々の変形例およびそれらの組み合わせのみならず、その他の実施例については、当業者が上記説明を参照すれば明らかとなろう。 従って、特許請求の範囲はこれら変形例または実施例を含むものである。

    【0048】関連出願とのクロスレファレンス。

    【0049】

    【表5】

    【0050】以上の説明に関して、更に以下の項を開示する。 (1)値域Nの数字をL桁の二進ワードに変換するための装置であって、入力端を有する分圧ネットワークと、
    各回路の入力端が前記ネットワークに接続され、出力信号が前記L桁の二進ワードにおける数字であるL個のマルチレベルのフォールディング回路とを備え、よって前記値域Nの数字が前記分圧器の入力端に印加されると、
    前記L桁の二進ワードは前記値域Nの数字の値と同じ数値を示す装置。

    【0051】(2)前記マルチレベルのフォールディング回路は負性相互コンダクタンス差回路と直列な負荷を含む、第1項記載の装置。 (3)前記負荷は電界効果トランジスタを含む第2項記載の装置。 (4)前記負性相互コンダクタンス差回路は、負性抵抗差デバイスと直列なスイッチングデバイスを含む第2項記載の装置。 (5)前記負性抵抗差デバイスは共振トンネルダイオードである第4項記載の装置。

    【0052】(6)前記記載のトンネルダイオードは電流電圧特性において多数のピークを示す、第5項記載の装置。 (7)Mを底とする値域Nの入力ワードを二進出力ワードに変換するための装置であって、各々が前記二進出力ワードの数字の一つを発生するよう作動できる複数のカスケード接続された分解ステージを含む装置。 (8)M=2であり、N=4である第7項記載の装置。 (9)前記Mを底とし、値域Nの入力ワードの数字は負でない、第8項記載の装置。 (10)前記入力ワードの最小位の数字は二進である第9項記載の装置。

    【0053】(11)前記値域4、底2のワードは、数字S(O)〜S(L)を有し、S(O)は最小位の数字であり、前記二進ワードは数字B(O)〜B(L+1)
    を有し、B(O)は最小位のビットであり、分解ステージD(1)〜D(L)を備え、分解ステージD(n)はn桁の値域4、底2のワード1(n)のための入力、n
    −1桁の値域4、底2のワードO(n)および二進出力ビットB(L−n+1)を有し、O(n)はD(n)に印加され、各分解ステージで1(n)=20(n)+B
    (L−n+1)であり、1(L)に値域4、底2のワードS(1)〜S(L)が印加されると、数字B(0)〜
    B(L+1)(ここでB(0)=S(0))を有する二進ワードの値は、前記入力ワードの値と同じとなる第1
    0項記載の装置。 (12)i=2〜Lに対する前記分解ステージD(n)
    は、n個の値域4、底2−二進コンバータと一つ以上の加算回路とを含む、第11項記載の装置。 (13)前記値域4、底2−二進コンバータは、分圧器により接続された入力端を有するマルチレベルフォールディング回路を含む、第12項記載の装置。 (14)前記マルチレベルのフォールディング回路はマルチ負性相互コンダクタンス差回路を含む、第13項記載の装置。 (15)前記マルチ負性相互コンダクタンス差回路は、
    負性抵抗差デバイスと直列なスイッチングデバイスを含む、第14項記載の装置。 (16)前記負性抵抗差デバイスはマルチピーク形共振トンネルデバイスである、第15項記載の装置。 (17)前記マルチピーク形共振トンネルデバイスは、
    その電流−電圧特性において、3つのピークを示す、第16項記載の装置。

    【0054】(18)マルチ共振トンネルデバイスは、
    多値数システムにより示される値を、従来の二進表示に効率的に変換する回路を実現する大きな利点を有するものである。 本発明の一態様によれば、値域4、底2のワードにより示される数字を、同じ値を有する従来の二進ワード(値域2、底2)に変換する。 この変換は、一連の分解ステージ53により行われ、各分解ステージ53
    は中間の値域4、底2のワードおよび二進数を発生し、
    二進数は二進出力ワードの数字のうちの一つとなる。 各ステージにおける分解は一組の値域4、底2−二進コンバータ50により行われ、各コンバータは中間ワードの一つの数字に演算を行うことが好ましい。 加算回路52
    は、隣接する値域4、底2−二進コンバータ50の出力を加算し、新しい中間ワードを形成することが好ましい。 分解ステージの出力の最小位の数字は、出力二進ワードのうちの一つの数字となる。 値域4、底2−二進コンバータ50は、分圧器により接続されたマルチレベルのフォールディング回路54であることが好ましい。 更に、マルチレベルフォールディング回路は、多数の負性相互コンダクタンス差を示すマルチピーク形トンネルトランジスタ56(例えばFET58およびマルチピーク形共振トンネルダイオード60)を含むことが好ましい。 ここに示された新規な回路は、多値論理演算の結果を極めて高速度で、二進表示に変換することを可能とするものであり、更にこの回路は、共振トンネルデバイスを使用しているので、本明細書に記載した新規なコンバータ回路は、ごく少数の部品で製造できる。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】冗長な正の、値域4、底2の数の加算器のブロック図である。

    【図2】多値論理プロセッサおよび多値−二進コンバータのブロック図である。

    【図3】正の、値域4、底2の数−二進コンバータの好ましい実施例のブロック図である。

    【図4】値域4、底2−二進コンバータの好ましい実施例の略図である。

    【図5】代表的な共振トンネルダイオードの電流−電圧特性のグラフである。

    【図6】印加電圧を増加した場合の代表的な共振トンネルダイオードの導通エネルギーバンドの図である。

    【図7】8ピーク形共振トンネルダイオードの電流−電圧特性のグラフである。

    【図8】値域4、底2−二進コンバータの一つの出力を構成するマルチレベルフォールディング回路の略図である。

    【図9】Aは図8のマルチレベル形共振トンネルトランジスタの電流−電圧特性と、図8のアクティブ負荷の負荷ラインとの交点を示すグラフである。 Bは図8のマルチレベルフォールディング回路の伝達関数のグラフである。

    【図10】値域4、底2−二進コンバータの好ましい実施例の伝達関数のグラフである。

    【図11】実証された3ピーク形狂信トンネルダイオードの電流−電圧特性のグラフである。

    【図12】加算回路の好ましい実施例の略図である。

    【符号の説明】

    40 加算回路 42 値域7、多値−二進コンバータ 44 3入力加算回路 46 多値論理プロセッサ 48 多値−二進コンバータ 50 値域4、底2−二進コンバータ 52 加算回路 53 分解ステージ 54 マルチレベルフォールディング回路 56 マルチピーク形共振トンネルトランジスタ 58 FET 60 マルチピーク形共振トンネルダイオード

    【手続補正書】

    【提出日】平成6年8月18日

    【手続補正1】

    【補正対象書類名】明細書

    【補正対象項目名】全文

    【補正方法】変更

    【補正内容】

    【書類名】 明細書

    【発明の名称】 正数の値域4、底2−二進コンバータ用のマルチ共振形トンネル回路

    【特許請求の範囲】

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【産業上の利用分野】本発明は、一般的には集積回路デバイスに関し、より詳細には共振トンネルデバイスを備えた多値論理回路に関する。

    【0002】

    【従来技術】以下、本発明の範囲を限定することなく、
    共振トンネルデバイスおよび多値論理回路を参照して、
    本発明の背景について説明する。

    【0003】共振トンネルデバイス 過去10年の間にヘテロエピタキシャル技術により、研究者は種々の超格子量子井戸共振トンネル構造体の電気的特性について研究を行うことが可能となった。 チャン、エサキおよびツー(Chan,Esaki and
    Tsu)、(アプライド・フィジックス・レターズ、
    第24号、第593頁)により共振トンネルダイオード(以下RTDと称す)の最初の提案および研究について報告がなされ、その後、これら構造体における大きな負性抵抗差(以下NDRと称す)を観測したソルナー(S
    ollner)外により、研究開発に対する拍車がかかった。 量子井戸を通る電荷が移動する上では、とびとびのエネルギーステートしか利用できないので、共振トンネルダイオードの電流と電圧の関係はピークを示すことがある。 すなわち、印加電圧がゼロから増加するにつれ、ダイオード電流は増加し、その後印加電圧が大きくなるにつれて、ある範囲内でダイオード電流は低下する。 エピタキシャルスタック内にRTDの直列の組み合わせを含むマルチピーク形共振トンネルデバイス(以下、M−RTDと称す)もテストされている。 最近、テキサス・インスツルメンツ社により、製造された単一のヘテロ構造体では、室温で16の共振ピークが得られている。

    【0004】RTDの初期の研究以来、これまで多くの3端子形共振トンネルデバイスが提案され、テストされている(例えば、ニューヨーク、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ社により発行されたエフ・カパッソ、エス・センおよびエフ・ベルトラム(F.Capasso,
    S. Sen and F. Beltram)著、「高速半導体デバイス」(エス・エム・チェー(S.M.Sz
    e)編集)を参照されたい)。 従来のトランジスタのターミナルの一つまたは他方にRTDを集積化すると、共振トンネルトランジスタの大きなファミリーが得られる。 これらトランジスタのうち、最も有望視されているものとして、共振トンネルバイポーラトランジスタ(R
    TBT)(例えばエフ・カパッソ、エス・センおよびエー・ワイ・チョー(A.Y.Cho)著、「アプライド・フィジックス・レターズ」、第51号、第526頁を参照されたい)、共振トンネル熱電子トランジスタ(R
    HET)(例えばエヌ・ヨコヤマ外著、「ソリッドステートエレクトロニクス」、第31号、第577頁を参照されたい)および共振トンネル電界効果トランジスタ(RTFET)がある。 これらデバイスはヘテロ接合バイポーラトランジスタ、熱電子トランジスタまたは電界効果トランジスタのエミッタまたはドレインターミナル内にRTDを設けることにより、それぞれ製造されるものである。

    【0005】現在多くの研究所で、従来の機能できるトランジスタよりもより小さい大きさで作動する可能性を研究するため、ナノ電子デバイス、例えば共振トンネルダイオードおよびトランジスタが研究中である。 これらデバイスの設計の目標は、量子効果自体を利用し、ナノメータスケールでの寸法にスケールダウンできるようにすることである。 かかるナノ電子デバイスの例については、下記の米国特許に記載がある。

    【0006】1986年4月8日、リード(Reed)
    に発行された「量子デバイス出力スイッチ」を発明の名称とする米国特許第4,581,612号、1987年11月3日、カパッソ外に発行された「負性相互コンダクタンスデバイス」を発明の名称とする米国特許第4,
    704,622号、1988年1月26日、フレイジャー(Frazier)に発行された「3端子トンネルデバイス」を発明の名称とする米国特許第4,721,9
    83号、1989年7月18日、カパッソ外に発行された「共振トンネルトランジスタ」を発明の名称とする米国特許第4,849,799号、1989年7月25
    日、リー(Lee)外に発行された「二進超格子トンネルデバイスおよび方法」を発明の名称とする米国特許第4,851,886号、1989年8月1日、カパッソ外に発行された「共振トンネルデバイスおよびデバイスの作動モード」を発明の名称とする米国特許第4,85
    3,753号、1990年3月27日、リード外に発行された「3端子量子デバイス」を発明の名称とする米国特許第4,912,531号、1990年9月25日、
    フレンズレイ(Frensley)外に発行された「3
    端子トンネルデバイスおよび方法」を発明の名称とする米国特許第4,959,696号および1991年3月12日、カパッソ外に発行された「シーケンシャルクエンチング共振トンネルトランジスタ」を発明の名称とする米国特許第4,999,697号。

    【0007】多値論理 二進演算用集積回路(IC)は、埋め込みコプロセッサおよび高性能コンピュータの性能の革新を可能としたが、スケーリング上の限界により、最終的に従来のIC
    の速度および密度の更なる上昇が阻害されることになろう。 西暦2000年を経過すれば、やがて量子機械的効果が従来のトランジスタのスケーリング度の基本的限界を決めることになろう(例えば、アール・ティ・ベイト(R.T.Bate)著、「ナノテクノロジー」、19
    90年第1号第1頁)。 0.1μmよりも小さい特徴的な寸法になると、従来のデバイスではリークが生じ、このリークがICのスケーリングによる性能の向上を阻害することになる。

    【0008】

    【発明が解決しようとする課題】将来的には、超高性能デジタルシステムは、最小データラテンシーで10GH
    zを越えるクロックレートを必要とすることになろう。
    シリコンVLSI技術に基づく二進計算を使用する現在のシステムは、複雑な桁上げリップル低減方法を使用することにより、適度に良好な性能を得ることができるが、データラテンシーおよび超高速計算が必要な場合、
    この方法はあるクラスのシステムに対しては不適当である。

    【0009】一つのMVL回路内では、多数の二進ビットを同時に処理できるので、多値論理(以下、MVLと称す)回路は、速度および密度を高める(同時に幾何学的大きさを最小とする)ことに対し可能性がある。 冗長数システムを使用することにより、桁上げリップルのない作動を行う、多値諭理加算器および乗算器の例については、1992年のエル・ジェイ・ミッチェル(L.
    J. Micheel)による「MVLに関する国際シンポジウム議事録」、1991年のジェイ・ゴトウ外による「国際固体回路会議」、1991年のエス・カワヒト、ケイ・ミズノおよびティー・ナカムラによる「MV
    Lに関する国際シンポジウムの議事録」を参照されたい。 現在まで、従来の集積回路ファミリー(例えばCM
    OSおよびヘテロ接合ECL)に基づくこれら方法の実行が提案されている。

    【0010】多値論理(MVL)計算回路は、従来の二進装置よりも速度および密度の点でかなり有利であるが、MVL集積回路は近い将来でも単独で使用されることはないので、従来の二進回路と相互に動作できることが必要である。 多値論理プロセッサの性能上の利点を低下させない多値−二進コンバータの有効な構成が、多く望まれている。

    【0011】マルチ共振トンネルデバイスは、多値数システムで表示される数値を従来の二進表示に効率的に変換する回路を構成するのに、かなり有利であることが判っている。 この多値ワードを二進ワードに変換するのに必要な動作は、共振トンネルデバイスが呈する負性抵抗差を活用する回路により、極めて有効に実現できる。 従来の技術(例えばCMOSおよびヘテロ接合PCL)
    は、回路が複雑になり多くの部品数を必要とするので、
    MVLICに対しては、自然な選択とは見えない。 共振トンネルデバイスは量子スケーリング限界に達する前でも、超高速度および超高密度回路を可能とするような、
    新規な特性を有している。 多数の二進ビットは、多数の負性相互コンダクタンス領域を示すデバイスを活用するアーキテクチャにより、極めて効率的に処理されるので、従来のIC技術により構成される二進回路および多値回路よりも速いスピードおよび大きな密度が得られる。

    【0012】

    【課題を解決するための手段】一般に、本発明の一態様では、2を底とする、値域4のワードにより表示される数を、同じ値を有する従来の二進ワード(2を底とし、
    値域2)に変換する。 この変換は、一連の分解ステージにより行われる。 各分解ステージは中間のレンジ4、底2のワードおよび二進数を発生し、二進数は出力ワードの数のうちの一つとなる。 各ステージにおける分解は一組の、値域4、底2の数−二進コンバータにより行われ、各コンバータは、中間ワードの一つの数に対する演算を行うことが好ましい。 加算回路は、隣接する2を底とし、値域4の数のコンバータの出力を加算して、新しい中間ワードを形成することが好ましい。 分解ステージの出力の最初の桁は、出力二進ワードの数となる。 2を底とし、値域4の数−二進コンバータは分圧器により接続されたマルチレベルのフォールディング回路であることが好ましい。 マルチレベルのフォールディング回路は、多数のチ負性相互コンダクタンス差を呈するマルチピーク形の共振トンネルトランジスタを含むことが好ましい。 本明細書に開示された発明は、多値数システムにより表示される値を、従来の二進表示に変換できる最初の論理回路であることは明らかである。 更に本発明は、
    多値論理から二進への変換を実行できる共振トンネルデバイスを含む最初の回路であることも明らかである。

    【0013】本発明に係わるコンバータは、いくつかの技術的利点を提供するものである。 例えば、開示する新規な回路は、多値論理演算の結果を極めて高い速度で二進表示に変換できるようにするものであり、更に共振トンネルデバイスを活用しているので、ここに記載した新規なコンバータ回路は、ごく少数の部品で製造できる。
    当業者であれば、下記の説明、図面および特許請求の範囲から、他の技術的な利点は容易に明らかとなろう。

    【0014】本発明の新規な特徴については、添付した特許請求の範囲に記載されているが、本発明自体、更に本発明の他の特徴および利点については、添付図面を参照して下記の詳細な説明を読めば、最も理解できよう。

    【0015】

    【実施例】以下の例に、多値論理演算の利点を示す。 従来のほとんどのデジタルプロセッサでは、底2、値域2
    の記数システムで数が表示される。 すなわち各数字の単位値は、2を底とする数列で増加し(1、2、4、8
    等)、各数字はわずか2つの値のいずれかしか取らない(0または1)。 従来のデジタルプロセッサのアーキテクチュアでは、単一プロセッササイクルでNビットの数の対を加算できるが、加算回路を通って桁上げビットが伝わらなければならないので、二進加算では時間の遅れが生じる。 このような桁上げビット伝搬の遅れが、プロセッサ性能の上限を決めている。 例えば2を底とし、値域2で表示される次の数を、簡単な二進演算を使って加算するには、全加算チェインを横断するよう桁上げビットが長い距離を伝わらなければならい。

    【0016】

    【数1】

    【0017】多値表示を用いてデータオペランドをエンコードし、処理すれば、このような桁上げビット伝搬の問題は解消できる。 この方法は、桁上げリップルが生ぜず、桁上げ伝搬遅延が解消されるように情報を表示するのにより広い値域を使用している。 先の例からの数を2
    を底とし、値域3で表示すると、桁上げを発生することなく加算でき、ビットの各コラムは二進加算でなく別々に加算する。 この結果を値域3で表示すると、桁上げリップルが不要となる。

    【0018】

    【数2】

    【0019】演算結果の値域がより広くても、演算結果を表示するのに使用される数システムの底は変わらないことに留意されたい。 すなわち、各桁位置の単位値は、
    1、2、4、8等々のような、2を底とする数列で増加する。 Mを底として増加するように情報をエンコードする値域nの記数の使用法は、冗長数M、Nコーディング法と称される。 数字が正の値だけをとる場合、この記数システムは冗長正数M、Nコーディング法と称される。
    したがって上記のような例の記数システムは、冗長正数2、3コーディング法と称される。 正の数値および負の数値を可能とする記数システムは、冗長符号付き数M、
    Nコーディング法と称される。

    【0020】図1には、冗長正数2、4コーディング法により表示される数字の加算器のブロック図が示されている。 数字は値0、1、2および3(4を値域とする正の数字)をとり得る。 この記数システムの数列は、2を底としている。 このブロックはワード幅が3桁までの入力ワードに対するものであるが、この技術は明らかに任意のワード幅まで拡張できる。 桁上げリップルが生じないように、冗長エンコードされた(値域4の)表示で、
    2を底とする情報を表示するのに、正の冗長数2、4コーディング法を使用する。 このことは出力数字、例えばR は同じ位または下位の位の最初の6つの数字、すなわちX 、Y 、X 、Y 、X およびY により完全に決定される。 加算は次の3つの工程により実行される。

    【0021】

    【数3】

    【0022】この演算結果の10を底とする値は、次のように示される。

    【0023】

    【数4】

    【0024】ここで、nは出力ワードの桁数である。

    【0025】図1を参照すると、まず2入力形加算回路40を用いて、入力数(X 、Y )の対を加算し、出力数の計S =X +Y (工程1)を発生する。 次に値域7の多値数−二進コンバータ42(以下R7MBC
    と称す)を用いて、3ビット二進コードに変換する。 このR7MBC42は、上記工程2の分解関数を実行する。 最後に、隣接するR7MBC42からの二進出力を分け、3入力形加算回路44により加算し、値域4の出力結果を発生する(上記工程3)。 図示した加算器は、
    任意のワード幅の2つの数の計を計算するように拡張できる。 回路内では、局部的中間演算結果しか分けないので、この回路の速度は入力桁の数とは無関係である。

    【0026】多値論理(MVL)計算回路は、従来の二進装置よりも速度および密度の点でかなり有利であるが、MVL集積回路は近い将来でも単独で使用されることはないので、従来の二進回路と相互に動作できることが必要である。 図2は、S 〜S と表示した幅L+1
    の出力ワードを発生する多値論理プロセッサ46のブロック図である。 多値−二進コンバータ48は、多値ワードSを受け、B 〜B と表示されたM+1個の数字を有する二進ワードBに変換する。 (多値プロセッサは、
    二進ワードを変形することなく取り込むことができるので、2を底とする二進から2を底とする多値へのコンバータは、不要である。 )多値論理プロセッサの性能の利点を低下しない多値−二進コンバータ48の効率的な実現が強く求められている。

    【0027】多値ワードから二進ワードへの変換に必要な作動は、共振トンネルデバイスが呈する負性抵抗差を活用する回路により極めて効率的に実行できることが判っている。

    【0028】好ましい実施例 好ましい回路の実施例の作動に関する以下の説明では、
    入出力信号を電圧でなくてステートとして説明する。 1
    つのステートは、数の値に対応しており、各ステートに対応する電圧は、設計上の選択事項であり電圧とステートの対応は、当業者にはあきらかとなろう。 例えば、特定の回路設計では、各ステートは、次ぎのステートと0.3ボルトだけ異なっている。 底を2とし、値域を4
    とする数から二進へのコンバータの好ましい実施例では、回路電圧はステートに一般に比例している。 別の実施例では、電圧とステートの関係は、厳密にリニアでなくてもよいし、厳密に比例してなくてもよいと解される。

    【0029】図3に、正数の値域4、底2−二進変換器の好ましい実施例のブロック図を示す。 入力は正の数である値域4、底2のワードSであり、このワードは数字S 〜S (ここでS は最小位の数字である)から成る、図2の正数の値域4、底2の加算器の出力ワードである。 一般に、Sのうちの最高位の数字および最小位の数字は、加算器の設計のため二進数(すなわちこれらは0または1の値にしかならない)である。 同様に、Sのうちの次ぎに高い位の数字および最小位から一つ高い位の数字は、値0、1および2しかとらない。 以下述べる好ましい実施例の多値−二進コンバータは、このような入力ワードに対して演算を行う。

    【0030】図3において、入力ワードSは、5桁の幅に示されているが、コンバータは明らかに任意の幅の入力ワードに対して演算を行うように拡張できる。 数字は値域4、底2−二進コンバータ50により分解される。
    各コンバータ50の出力は、2桁の二進ワードであり、
    このワードは多値入力数字と同一の値を有する(桁上げ数Cは最大位の二進数であり、Wは最小位の数である)。 隣接するコンバータ50からの出力CおよびW
    は、加算回路52により加算され、これら加算回路は中間の値域3の数字を発生する。 これら中間の値域3の数字は、次ぎに別の値域4、底2−二進コンバータ50により分解される。 図3に示すように、各分解ステージ5
    3は、一組の値域4、底2−二進コンバータおよび関連する加算回路の組である。 分解ステージはWの桁幅である値域4、底2のワードに対して演算を行い、W−1桁幅の値域4、底2のワードおよび一つの二進ビットを発生する(分解ステージの最小位のコンバータの出力Wは必ず二進出力数となる)。 一般に、L+1桁幅の入力ワードに対しては、L個の分解ステージが必要である。

    【0031】図4に、値域4、底2−二進コンバータ5
    0の好ましい実施例を示す。 この回路は、分圧器(Rと表示された抵抗器)により接続された2つのマルチレベルのフォールディング回路54から成る。 各マルチレベルのフォールディング回路は、アクティブ負荷62およびマルチ負性相互コンダクタンス差デバイスから成り、
    負性相互コンダクタンス差デバイスは、マルチピークの共振トンネルトランジスタ56であることが好ましい。
    好ましい実施例では、マルチピークの共振トンネルトランジスタ56は、スイッチングトランジスタ58とトランジスタのソースに集積されたマルチピークの共振トンネルダイオード60の組み合わせであり、トンネルダイオード60は、ソース接続されたM−RTDまたは多数の単一ピークRTDを備えたディスクリートトランジスタでもよい。 第2のマルチレベルフォールディング回路への入力電圧では、分圧器(抵抗器R)による入力電圧Sの半分になっている。 次に、マルチレベルの単一フォールディング回路の作動について説明する。

    【0032】共振トンネルダイオードRTDは、一つ以上の量子井戸を電荷キャリアが飛び越える共振トンネル効果により、負性抵抗差を示す。 図5および図6a〜6
    cに示すように、印加バイアスが一つの電気接点におけるフェルミ準位を備えたデバイス内の量子導通ステートに一致すると、RTDのI−V曲線においてピークが生じる。 図6A、6Bおよび6Cは、図5におけるA、
    B、Cにおける印加電圧下のRTDの導通バンドエネルギー図をそれぞれ示す。 バイアス電圧におけるI−Vピークの位置は、デバイスを製造するのに使用されるヘテロ構造の組成および層の厚さを制御することにより調節できる。 RTDは、図7に示すI−V特性のようなI−
    V特性を有するマルチピークRTD(M−RTD)を製造するように、直列に集積化される。 この例では、同じヘテロ構造体内にRTDのスタックを製造することにより、8個のピークのI−V特性が得られた。 更に、ピークの数およびバイアス論理の双方も、製造プロセス中に制御されるパラメータである。

    【0033】図8、9Aおよび9Bを参照して好ましい実施例の、値域4、底2−二進コンバータ50の出力の作動について説明する。 マルチレベルフォールディング回路54の第1の好ましい実施例は、共振トンネルトランジスタ56と、アクティブ負荷として働くデプレッションモードのFET62から成る。 図8に示すように、
    この実施例では、共振トンネルトランジスタ56はスイッチングトランジスタ58およびマルチピーク共振トンネルダイオード60により表示できる。 共振トンネルトランジスタ56は、例えばFETとこのFETのソースに集積化されたマルチピーク共振トンネルダイオードの組み合わせでよく、後者のトンネルダイオードはソースに接続されたM−RTDまたは多数の単一ピークRTD
    を備えたディスクリートFETでもよい。 好ましい実施例において、スイッチングトランジスタ58は−0.3
    ボルトのスレッショルド電圧V1を有するデプレッションモードのFETである。 図9Aは、共振トンネルトランジスタのドレイン電流I58とVinとの関係を示す。 図には、ほぼ0.3ボルト、0.6ボルトおよび0.9ボルトで生じる3つの共振ピークが示されている。 図9Aにおける点線は、アクティブ負荷62の負荷ラインである。 図示するように、アクティブ負荷62であるトランジスタの飽和電流は、共振トンネルトランジスタ56のピーク電流よりも少なく、かつ、谷電流よりも大きくなるように選択されている。

    【0034】V inすなわちスイッチングトランジスタ58を−0.3ボルトから上にスイープする際に、高レベルで開始する出力電圧V outはV inがスイッチングトランジスタ58のV gson (ゲート・ソース間のオン電圧)+M−RTD60の第1ピーク電圧に達すると、低くなる。 ゲート電圧が連続して上昇するにつれ、M−RTD60はスイッチングトランジスタ58の電流がNDR領域を通って遷移し、ゲート電圧がV gsoffゲート・ソース間のオフ電圧)+M−R
    TD60の第1谷電圧に達し、再びV outが高くなるまで、スイッチングトランジスタ58の電流を制限する。 V inが更に増加すると、このサイクルが繰り返され、図9Bに示されるような入出力関係となる。 負荷トランジスタ62をシャントするダイオードは、スイッチングトランジスタ58が三極管領域に入らないように、
    低いV outステートにクランプする。 図9Aおよび9
    Bに示すように、アクティブ負荷トランジスタ62の飽和電流は、V outが一つの出力電圧から他の出力電圧に切り替わる際の正しい電圧を決定する。 値域4、底2
    −二進コンバータ50の好ましい実施例は、図4に示すように、抵抗器のラダーを使用して組み合わされたこれらマルチレベルのフォールディング回路54のうちの2
    つから形成されている。 図10に、値域4、底2−二進コンバータの好ましい実施例の伝達関数が示されている。 一般に、図10に示される伝達関数を得るには、共振トンネルトランジスタ56は少なくとも2つの共振ピークを示さなければならない。 共振ピークの数および間隔の選択は、ステートと電圧との関係(すなわち数字の値とその値を示す電圧との対応関係)によって影響される。

    【0035】図9Aに示される3ピーク形M−RTDの特姓は、3つのRTDを直列に組み合わせるか、または単一の結合量子移動ヘテロ構造体を用いるかのいずれかにより得られる。 RTDが直列に組み合わされている際は、チェーン内のオフ抵抗のRTDは、好ましくない内部直列抵抗Rsを持ち込むおそれがある。 この直列抵抗値は、ピーク電流と谷電流との差と、負性抵抗差と、正の直列抵抗値Rsとの差との積に大きさが等しい電圧ヒステリシスを生じる。 累積直列抵抗値がRTD負性抵抗差を越えると、このヒステリシスの影響が生じる。 従って、直列に組み合わせできるRTDの総数は、一般に特定デバイス構造の累積直列抵抗により制限される。

    【0036】共振トンネルデバイスの電気特性は、一部は構成層の厚み、材質およびドーピングにより決定され、下記の表1に3ピーク特性を示す共振トンネルダイオードの一例が示されている。 この構造体は、エピタキシャル形成された層、すなわち基板上に形成された層1
    と層1の上に形成された層2等のスタックである。

    【0037】

    【表1】

    【0038】表1に示される構造は、図11に示される電流−電圧特性を示す。 この図には、2つのカーブがあるが、1つのカーブしか明らかではない。 1つのカーブは、ゼロバイアスで始まる正の電圧ランプに対する特性であり、第2のカーブは0.8ボルトで始まり、0ボルトに低下する。 これらカーブの間の差は、測定装置の3
    mvの分解能よりも小さい。

    【0039】MVL回路において十分なノイズマージンを確保するには、M−RTDは、相対的に等しいピーク電流と谷電流、相対的に等しい間隔のピーク電圧、適当なピークー谷比および低いヒステリシスを有していなければならない。 表2は、いくつかのM−RTDパラメータの好ましい値を示す。

    【0040】

    【表2】

    【0041】同様に、FETスイッチングトランジスタのパラメータの好ましい値を示すことができる。 図3
    は、あるパラメータの好ましい値を示す。

    【0042】

    【数3】

    【0043】図12に加算回路52の第1の好ましい実施例を示す。 第1の増幅ステージは、−(W+C)を発生し、第2増幅ステージはS=W+Cとなるようにインバータ(利得=−1)となっている。 下記の表4は、実施例と図の概略を示すものである。

    【0044】

    【表4】

    【0045】以上で、いくつかの好ましい実施例について説明した。 本発明の範囲は特許請求の範囲内でこれまで述べた実施例と異なる実施例を含むと解すべきである。

    【0046】内部および外部の接続は、介在回路等を解したオーミック接続、容量接続、直接または間接的な接続または他の方法による接続でよい。 シリコン、ヒ化ガリウムまたは他の電子材料群によるディスクリート部品または完全集積回路で構成できる。 本発明の種々の実施例は、ハードウェア、ソフトウェアまたはマイクロコード化されたファームウェアを使用することができ、またはこれらで構成できると解すべきである。

    【0047】以上で、図示した実施例を参照して本発明について説明したが、この説明は制限的であると解すべきではない。 図示した実施例の種々の変形例およびそれらの組み合わせのみならず、その他の実施例については、当業者が上記説明を参照すれば明らかとなろう。 従って、特許請求の範囲はこれら変形例または実施例を含むものである。

    【0048】関連出願とのクロスレファレンス。

    【0049】

    【表5】

    【0050】以上の説明に関して、更に以下の項を開示する。 (1)値域Nの数字をL桁の二進ワードに変換するための装置であって、入力端を有する分圧ネットワークと、
    各回路の入力端が前記ネットワークに接続され、出力信号が前記L桁の二進ワードにおける数字であるL個のマルチレベルのフォールディング回路とを備え、よって前記値域Nの数字が前記分圧器の入力端に印加されると、
    前記L桁の二進ワードは前記値域Nの数字の値と同じ数値を示す装置。

    【0051】(2)前記マルチレベルのフォールディング回路は負性相互コンダクタンス差回路と直列な負荷を含む、第1項記載の装置。 (3)前記負荷は電界効果トランジスタを含む第2項記載の装置。 (4)前記負性相互コンダクタンス差回路は、負性抵抗差デバイスと直列なスイッチングデバイスを含む第2項記載の装置。 (5)前記負性抵抗差デバイスは共振トンネルダイオードである第4項記載の装置。

    【0052】(6)前記記載のトンネルダイオードは電流電圧特性において多数のピークを示す、第5項記載の装置。 (7)Mを底とする値域Nの入力ワードを二進出力ワードに変換するための装置であって、各々が前記二進出力ワードの数字の一つを発生するよう作動できる複数のカスケード接続された分解ステージを含む装置。 (8)M=2であり、N=4である第7項記載の装置。 (9)前記Mを底とし、値域Nの入力ワードの数字は負でない、第8項記載の装置。 (10)前記入力ワードの最小位の数字は二進である第9項記載の装置。

    【0053】(11)前記値域4、底2のワードは、数字S(O)〜S(L)を有し、S(O)は最小位の数字であり、前記二進ワードは数字B(O)〜B(L+1)
    を有し、B(O)は最小位のビットであり、分解ステージD(1)〜D(L)を備え、分解ステージD(n)はn桁の値域4、底2のワード1(n)のための入力、n
    −1桁の値域4、底2のワードO(n)および二進出力ビットB(L−n+1)を有し、O(n)はD(n)に印加され、各分解ステージで1(n)=20(n)+B
    (L−n+1)であり、1(L)に値域4、底2のワードS(1)〜S(L)が印加されると、数字B(0)〜
    B(L+1)(ここでB(0)=S(0))を有する二進ワードの値は、前記入力ワードの値と同じとなる第1
    0項記載の装置。 (12)i=2〜Lに対する前記分解ステージD(n)
    は、n個の値域4、底2−二進コンバータと一つ以上の加算回路とを含む、第11項記載の装置。 (13)前記値域4、底2−二進コンバータは、分圧器により接続された入力端を有するマルチレベルフォールディング回路を含む、第12項記載の装置。 (14)前記マルチレベルのフォールディング回路はマルチ負性相互コンダクタンス差回路を含む、第13項記載の装置。 (15)前記マルチ負性相互コンダクタンス差回路は、
    負性抵抗差デバイスと直列なスイッチングデバイスを含む、第14項記載の装置。 (16)前記負性抵抗差デバイスはマルチピーク形共振トンネルデバイスである、第15項記載の装置。 (17)前記マルチピーク形共振トンネルデバイスは、
    その電流−電圧特性において、3つのピークを示す、第16項記載の装置。

    【0054】(18)マルチ共振トンネルデバイスは、
    多値数システムにより示される値を、従来の二進表示に効率的に変換する回路を実現する大きな利点を有するものである。 本発明の一態様によれば、値域4、底2のワードにより示される数字を、同じ値を有する従来の二進ワード(値域2、底2)に変換する。 この変換は、一連の分解ステージ53により行われ、各分解ステージ53
    は中間の値域4、底2のワードおよび二進数を発生し、
    二進数は二進出力ワードの数字のうちの一つとなる。 各ステージにおける分解は一組の値域4、底2−二進コンバータ50により行われ、各コンバータは中間ワードの一つの数字に演算を行うことが好ましい。 加算回路52
    は、隣接する値域4、底2−二進コンバータ50の出力を加算し、新しい中間ワードを形成することが好ましい。 分解ステージの出力の最小位の数字は、出力二進ワードのうちの一つの数字となる。 値域4、底2−二進コンバータ50は、分圧器により接続されたマルチレベルのフォールディング回路54であることが好ましい。 更に、マルチレベルフォールディング回路は、多数の負性相互コンダクタンス差を示すマルチピーク形トンネルトランジスタ56(例えばFET58およびマルチピーク形共振トンネルダイオード60)を含むことが好ましい。 ここに示された新規な回路は、多値論理演算の結果を極めて高速度で、二進表示に変換することを可能とするものであり、更にこの回路は、共振トンネルデバイスを使用しているので、本明細書に記載した新規なコンバータ回路は、ごく少数の部品で製造できる。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】冗長な正の、値域4、底2の数の加算器のブロック図である。

    【図2】多値論理プロセッサおよび多値−二進コンバータのブロック図である。

    【図3】正の、値域4、底2の数−二進コンバータの好ましい実施例のブロック図である。

    【図4】値域4、底2−二進コンバータの好ましい実施例の略図である。

    【図5】代表的な共振トンネルダイオードの電流−電圧特性のグラフである。

    【図6】印加電圧を増加した場合の代表的な共振トンネルダイオードの導通エネルギーバンドの図である。

    【図7】8ピーク形共振トンネルダイオードの電流−電圧特性のグラフである。

    【図8】値域4、底2−二進コンバータの一つの出力を構成するマルチレベルフォールディング回路の略図である。

    【図9】Aは図8のマルチレベル形共振トンネルトランジスタの電流−電圧特性と、図8のアクティプ負荷の負荷ラインとの交点を示すグラフである。 Bは図8のマルチレベルフォールディング回路の伝達関数のグラフである。

    【図10】値域4、底2−二進コンバータの好ましい実施例の伝達関数のグラフである。

    【図11】実証された3ピーク形狂信トンネルダイオードの電流−電圧特性のグラフである。

    【図12】加算回路の好ましい実施例の略図である。

    【符号の説明】 40 加算回路 42 値域7、多値−二進コンバータ 44 3入力加算回路 46 多値論理プロセッサ 48 多値−二進コンバータ 50 値域4、底2−二進コンバータ 52 加算回路 53 分解ステージ 54 マルチレベルフォールディング回路 56 マルチピーク形共振トンネルトランジスタ 58 FET 60 マルチピーク形共振トンネルダイオード

    QQ群二维码
    意见反馈