【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、2進情報の送信の分野に関するものであり、特に、送信チャネルにより導入されるエラーに対して、送信されるビットの少なくともいくつかを保護できるようにするプロセスに関する。 【0002】なお、“送信チャネル”とは、送信装置と受信装置との間において、情報ビットを運ぶための信号が通る任意の経路を意味する。 したがって、送信チャネルには送信装置と受信装置との間に設置された無線、有線その他のリンクが含まれ、記憶装置に応用される場合においては、送信装置から送信された情報が受信装置により受信されるのを待つ間に該情報が格納されるメモリもチャネルに含まれる。 【0003】 【従来の技術】チャネル符号化技術においては、送信チャネルにより生じるエラーについてある程度の耐性を与えるために開発されている。 特に、冗長度が使用されている修正符号化技術においては、エラーを検出および/ もしくは修正するために広く利用されており、これらの技術には、畳み込み符号化およびブロック符号化が含まれる。 冗長符号化器の原理はn>kであるkの被送信情報ビットを特徴付けるnビットが送出されることであり、k/nの比率によって符号の効率が規定されるが、 その比率においては、低すぎて所要帯域幅に関して不利になってはならない。 所与の効率の符号の修正能力を高めるために、通常、保護は符号化器、特に実質的により複雑な(畳み込み符号の場合には制約長さが長くなり、 ブロック符号の場合にはブロック長さが長くなる)復号器へ向けられる。 【0004】あるチャネル符号化器は、1フレームのビットに対して数クラスの保護を行うことができる。 各保護クラスは、効率が1よりも低い修正子符号のアプリケーションに対応しており、符号毎に異なる修正能力を有している。 これにより、フレームのビットをその重要度に応じてクラス間に分散させてビットの重要度に応じた保護を行うことができる。 【0005】冗長度が使用されているエラー修正によれば、エラー確率が記号毎に無相関である場合に最善の結果が得られる。 この無相関状態は、実際上、良好な近似においてしばしば発生する加法性白ガウスノイズのあるチャネルの場合に満たされる。 しかしながら、特に、レーリーチャネルを介した無線リンクの場合のように、無相関状態が満たされない場合がある。 移動無線端末は動き廻ると、さまざまな伝搬経路に沿って受信され、破壊的に干渉している同じ信号のいくつかの互いに移相している信号を受信する、いわゆるディープフェージングを受けることがある。 このようなフェージングは、いくつかの記号にわたって拡がり修正子符号の性能が損なわれる。 この現象を除去するために、大概の移動無線システムにおいては、1つ以上の連続フレームの記号を並べ換えるインターリービングを使用して、それにより符号語の記号内のエラー確率に対して無相関状態をうまく満たすようにしている。 【0006】ある無線伝送システムにおいては、冗長符号化後に得られたビットは、適切にインターリーブされていれば、差分符号化されてから送出される。 差分符号化においては、ビット自体ではなく2つの連続ビット間の差が送信される。 送信されるNビットのフレームをB 0 ,B 1 ,. . . ,B N-1とすると、差分符号化により0 ≦n≦Nについて 【0007】 【数4】 が実施される。 なお、 【0008】 【外3】 は排他的OR演算を示し、B'-1は送信すべき初期化ビットを示す(B' -1は先行フレームの最後の差分符号化ビットとすることができる)。 関連する復号化は0≦n ≦Nに対する単なる
【0009】 【数5】 となる。 差分符号化においては、冗長度が導入されない。 それが使用される理由は、ある変調モード、特にG MSK変調、によりもたらされる波数ベクトル反転問題に関係がある。 特に符号の検出に関して、復調器による波数ベクトルの追尾は困難である。 ディープフェージング等のチャネル外乱によって波数ベクトルの振幅が低下すると、外乱の後で波数ベクトルの符号に関するあいまいさに直面することがあるが、差分符号化によってこのような符号反転から生じるエラーによるフレームの残りの伝搬が防止される。
【0010】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述したような従来のものにおいては、差分符号化により復号ビットの符号問題を克服することができるが、送信ビットに影響を及ぼすエラーが2倍になってしまうという問題点がある。 伝搬チャネルにB' nビット内の局在エラーが含まれる場合には、それによりB nビット内にエラーが生じ、復号後にB n+1ビット内にもう1つのエラーが生じる。 したがって、差分符号化の保護によりフレームのビット内の送信エラーの確率が高くなる。 【0011】本発明の目的は、平均エラーレートを増加させずむしろ減少させながら差分符号化の利点を取り入れた送信プロセスを提供することである。 また、もう1 つの目的は全体チャネル符号化手順の比較的高い効率を保持しながら送信されるシーケンスのビットのいくつかのクラスを保護できるようにすることである。 【0012】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために本発明は、情報ビットの第1シーケンスを送信する情報ビットシーケンスプロセスであって、送信装置は、0 ≦M<Lである前記第1のシーケンスのMビットを表すLビットからなる少なくとも1つの冗長サブセット)を含むように冗長度を示す第2のビットシーケンスを第1 のシーケンスに基づいて形成するプロセスと、c nおよびd nをそれぞれ第2および第3のシーケンスのnランクのビットとし、f(n)をn−1以下の整数とした場合に、前記c nと前記f(n)との排他的OR演算の形式の差分符号化を前記第2のシーケンスへ適用することにより第3のビットシーケンスを形成するプロセスと、 該第3のシーケンスのビットを表す信号を指定された順序で送信するプロセスとを順次実行し、受信装置は、符号が前記第3のシーケンスの各ビットd nの値における尤度データアイテム、r nの絶対値r nと共に増大する信頼度の推定値を表す尤度データr nを送信チャネルを介して前記送信装置から受信する信号に基づいて求めるプロセスと、各々がr n・r f(n)の符号によって決まる冗長サブセットのビットc nの第1の各推定値を計算するプロセスと、前記冗長サブセット内に存在する冗長度を利用して送信チャネルから生じるエラーによる誤った第1の推定値を有する冗長サブセットのビットを検出するプロセスと、前記第1の推定値が誤りであるとして検出されている冗長サブセットの各ビットc nについて2つの尤度データアイテムr nおよびr f(n)の絶対値が小さい方の符号を修正するプロセスとし、r n・r f(n)の符号によって決まる第2のシーケンスのビットc nの第2 の各推定値を求めるプロセスと、前記第2のシーケンスのビットの第2の推定値に基づいて第1のシーケンスのビットの推定値を求めるプロセスとを順次実行することを特徴とする。 【0013】エラー符号が付いて受信される尤度データアイテムr nは一般的に絶対値が小さい。 差分復号後のビットc nの推定値が正しくないことを確認する手段を利用できる場合には、2つの尤度データアイテムr nおよびr f(n)のいずれの符号が正しくないかをかなり良い確率で推定することができる。 大概の場合、絶対値が小さいのは尤度データアイテムである。 冗長サブセット内に存在する冗長度により実際に正しくないビットを識別することができ、関連する尤度データを修正して冗長サブセットに属さない他のビットは修正により恩恵を受けるようにすることができる。 【0014】したがって、付加保護により恩恵を受けるビットは冗長サブセットには属さずしかも冗長サブセットに属する少なくとも1ビットc nがありn'=f(n) もしくはf(n')=nあるいはf(n)であるc n '形式のビットである。 【0015】差分符号化によるこの付加保護には送信に必要なビットレートの増加が伴わない。 【0016】M≧1である場合には、冗長サブセットは第2のシーケンス形成中の第1のシーケンスのMビットに基づいてエラー修正符号化により作り出されるLビットにより構成される。 【0017】M=0であれば、冗長サブセットは受信装置には周知のLビットにより構成される。 これら周知のビットレートは特に同期化ビットレートとすることができる。 【0018】エラー修正能力を最適化するために、第2 のシーケンスの構造および関数fはn'=f(n1)かつf(n')=n2もしくはf(n2)である冗長サブセットの2ビットc n1 ,c n2があるように冗長サブセットに属さない第2のシーケンスのL以下のビットcn ' の数L'を最適化するように有利に選択される。 事実、 冗長サブセットにより修正可能な2つの尤度データアイテムの関数として推定される場合にはこれらのビットc n 'は相当な保護による恩恵を受ける。 【0019】また、MおよびM'を少なくとも1に等しい整数とした場合に、少なくとも第1のシーケンスのM ビットに対する第1の保護クラスおよび前記第1のシーケンスのM'ビットに対する第2の保護クラスを有する情報ビットシーケンス符号化プロセスであって、少なくともM<Lである第1のシーケンスの第1のクラスのM ビットを表すLビットからなる第1の冗長サブセットおよび第1のシーケンスの第2のクラスのM'ビットによって決まるL'ビットからなる第2のサブセットを含むような冗長度を示す第2のビットシーケンスを第1のシーケンスから形成するプロセスと、第2および第3のシーケンスのnランクのビットをそれぞれc nおよびd nとし、n−1以下の整数をf(n)とした場合に、前記c nと前記f(n)との排他的OR演算の形式の差分符号化を前記第2のシーケンスへ適用することにより第3のビットシーケンスを形成するプロセスと、該第3のシーケンスのビットを表す信号を指定された順序で送信するステップとを順次実行し、n'=f(n)およびf (n')=nもしくはf(n)である第2のシーケンスの第1のサブセットに属する少なくとも1ビットc nがあるように前記第2のシーケンスの第2のサブセットに属する各ビットc nに対して第2のシーケンスの構造および関数fが選択されることを特徴とする。 【0020】また、送信チャネルを介して送信装置から受信される信号から得られる一連の尤度データr nを修正するプロセスであって、各尤度データアイテムr nの符号は、送信装置による第2のビットシーケンスの差分符号化による得られる符号化されたビットシーケンスの各ビットd nの値におけるr nの絶対値r nと共に増大する信頼度の推定値を表し、第2のビットシーケンスは0 ≦M<Lである通信されるM情報ビットを表すLビットからなる少なくとも1つの冗長サブセットを含み、第2 のシーケンスおよび符号化されたシーケンスのnランクのビットをそれぞれc nおよびd nとし、n−1以下の整数をf(n)とした場合に、前記差分符号化は、前記c nと前記f(n)との排他的OR演算から求められ、各々がr n・r f(n)の符号によって決まる冗長サブセットのビットc nの第1の各推定値を計算するステップと、 冗長サブセット内に存在する冗長度を利用して送信チャネルから生じるエラーによる誤った第1の推定値を有する冗長サブセットのビットを検出するステップと、誤った第1の推定値が検出されている冗長サブセットの各ビットc nについて2つの尤度データアイテムr nおよびr f(n)の絶対値が小さい方の符号を修正するステップとを順次実行することにより一連の尤度データr nの修正を行うことを特徴とする。 【0021】 【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。 【0022】図1は、本発明の情報ビットシーケンス送信プロセスの実施の一形態を示す図であり、送信される情報ビットa 0 ,a 1 ,. . . のシーケンスT1(図1には図示せず)から形成されるビットc 0 ,c 1 ,. . . のシーケンスT2が示されている。 【0023】ここで、各シーケンスT1,T2は所与数のビットにより構成され、シーケンス、すなわちフレーム、T2はシーケンス、すなわちフレーム、T1に対する冗長度を示し、したがってフレームT1のビット数K よりも大きいビット数Nを有している。 単純な実施例では、フレームT2の長さNは10であり、フレームT1 は例えばK=8の長さを有している。 フレームT2はL =5ビットc 0 ,c 2 ,c 4 ,c 6 ,c 8からなる冗長サブセットEを含み、フレームの他のL'=5ビットはサブセットE'を構成するものとする。 【0024】差分符号化によってフレームT2は同じビット数Nを有するシーケンスすなわちフレームT3へ変換される。 図1に斜線で示す差分符号化は単なる 【0025】 【数6】 に過ぎない、すなわち前に使用した表記法によれば、f は関数f(n)=n−1である。 フレームT3は連続的に送出されるため、初期化ビット数d
-1は例えば先行するフレームT3の最終ビット数である。 【0026】サブセットEおよびE'のビットが交互にフレームT2内に現れるものとすると、フレームT3の各ビットd nは冗長サブセットEのビット、すなわちビットc n+(n modulo 2) 、の符号化へ入る。 受信装置において、このビットc n+(n mod ulo 2)の第1の推定値は、 サブセットE内に存在する冗長度を利用して修正することができ、それにより修正時に第3のフレームのビットd nの推定値を反転することができ、この反転により引き続きサブセットE'に属するビットc n+1-(n modulo 2) の推定値を修正することもできる。 【0027】受信装置においては、各フレームT3に対して、Nの実数すなわちr n =A n (1−2d n )+B nの形式のソフトビットr 0 ,r 1 ,. . . ,r N-1が求められる。 なお、A nは受信信号の相対エネルギーレベルであり(A nの符号は予め判っていない場合もある)、B n はノイズサンプルである。 また、加法性ガウスノイズのあるチャネルに対して、r nは、ln[Pr{d n =0| r n }/Pr{d n =1|r n }]に比例し、Pr{d n = i|r n }については、値r nが受信されている場合にd n =iである確率を示すことが容易に判る場合には、値r nはビットd nに関連する尤度データと見なすことができる。 言い換えれば、r nの符号はビットd nの推定値を構成し、r nの絶対値はこの推定値の信頼度を表す。 【0028】使用される差分符号化によって、受信装置において、フレームT2のビット 【0029】 【数7】 の第1の推定値 【0030】 【外4】 がrn・r f(n)の符号sgn(r n・r f(n) )=±1および随意r nおよびr f(n)の絶対値の関数として計算される。 これらの第1の推定値はハード決定したり、例えば 【0031】 【数8】 あるいは 【0032】 【数9】 の形式のソフト決定したりすることができる。 なお、g は推定値の確率、例えば、g(X,Y)=xyを測定する関数である。 差分符号化により、エネルギーレベルA
nの符号のあいまいさは推定値 【0033】 【外5】 に影響を及ぼすことがない。 サブセットEの冗長度を利用してそのビットcnの推定値 【0034】 【外6】 が誤っていることが判れば、それはrnもしくはr f(n) の符号が正しくないためである。 2つのデータアイテムr
n ,r f(n)の信頼度が低いと考えられる、すなわち絶対値が小さい、方の符号が次に反転される。 符号が反転されたこのデータアイテムがフレームT2のもう1つのビット(もしくは数ビット)の差分符号化へ入るかぎり、この後者のビットも尤度データの第2の差分符号化中に行われる修正の恩恵を受けることができる。 【0035】サブセットEのビットの第1の推定値の修正によって確実な結果が得られるものとすると、サブセットEのビットの差分符号化へ入る尤度データアイテムr nの符号のエラー確率を評価することができる。 【0036】 【数10】 ここで、Erfcはエラー関数を示し、Eb/N0は信号/ノイズ比を示す。 【0037】E'はフレームT2の基数L'≦min (L,N−L)のあるサブセットを示し、このサブセットはサブセットEには属さないビットc n 'からなり、冗長サブセットEの2ビットc n1 ,c n2がn'=f(n 1)およびf(n')=n2を満たすようにされている。 2つの関連する尤度データアイテムr n ',r f(n') が修正可能であれば、これらのビットc n 'は二重保護による恩恵を受ける。 (1)式からサブセットE'のビットのエラー確率は次式で表される。 【0038】 【数11】 この確率Prerr (c n ')は差分符号化を使用せずに送出する場合に得られる確率よりも実質的に低い。 【0039】E”はフレームT2の基数L”≦N−L− L'のあるサブセットを示し、このサブセットはビットc n ”により構成され、n”=f(n)もしくはf (n”)=nまたはf(n)を満たす冗長サブセットE のビットc nが1つだけ存在するようにされている。 これらのビットc n ”は単一保護の恩恵を受ける。(1) 式からサブセットE”のビットのエラー確率は次式で表される。 【0040】 【数12】 この確率Prerr (c n ”)は差分符号化を使用せずに送出する場合に得られる確率と同程度である。 【0041】E'''はフレームT2の基数L'''のあるサブセットを示し、このサブセットはEにも、E'にもE”にも属さないビットc perm(n''')からなっている。これらのビットは差分符号化による保護の恩恵を受けない。関連するエラー確率は次式で表される。 【0042】 【数13】 差分符号化を使用しない場合に較べて2進エラーレートは3dB低下することが判る。 一般的に、フレームT2 の構造およびサブセットE'''が空である(L'''=0)
関数fを選択することができる。
【0043】好ましくは、フレームT2の構造および関数fはサブセットE'の基数L'を最大にするように選択される。 理想的には、図1の場合のように、サブセットE'は冗長サブセットEに属さないフレームT2の全ビットからなっている。 この状態はL≧N/2である時に満たされる。 【0044】図1で考慮した例では、冗長度はサブセットEにしか適用されないが、フレームT2の全ビットが送信エラーに対する保護の恩恵を受ける。 したがって、 差分符号化によりチャネル符号化の全体効率を低減させることなくフレームのあるビットについて特定の保護を導入することができる。 【0045】冗長サブセットEのビットc nに関連する尤度データr n ,r f(n)の符号修正にはこれらのデータの信頼度修正が伴うことがある。 例えば、 【0046】 【外7】 が冗長サブセットのビットcnの第1の各推定値を示し、かつ、 【0047】 【外8】 がサブセットE内に存在する冗長度に基づいて修正を実施した後のこれらのいくつかの推定値を示す場合 【0048】 【数14】 、次の関係に従って尤度rnを変換することができる。 【0049】 【数15】 【0050】 【数16】 これらの関係(5),(6)は 【0051】 【数17】 である場合に必要な符号修正に影響を及ぼす。 さらに、 確率|r'
n |および|r' f(n) |が調整され、|r' n | =|r'
f(n) |となり、これは尤度データに適用される処理演算にソフト決定手順が伴う場合に重要である。 したがって、符号を修正した尤度データアイテム(例えば、r n )が最初に比較的信頼度が高い(|r n |が比較的大きい)場合には、他の尤度データアイテムの絶対値は一般的にかなり相似したものとなり、 【0052】 【数18】 及び式(5),(6)により比較的小さい信頼度|r'n |および|r'
f(n) |が得られ、符号修正が予め正当化される確率は50%よりも僅かに高いにすぎないという事実を示している。 一方、r nの符号は、 【0053】 【数19】 である場合に修正すべきであり、符号修正は正当化される確率が非常に高く、式(5),(6)により修正データr'nおよびr' f(n)に比較的高い確率が割り当てられる。 信頼度|r' n |および|r' f(n) |のこの調整は修正手順によりエラーが無い冗長サブセットEのビットc
nについても介入する。 【0054】前述したように、サブセットEのビットは、同期化ビット等の、受信機に周知のビットとすることができる。 同期化ビットは連続フレームの各フレームに現れ、例えば先行フレームの分析により同期化が一部実施されている事実により、これら周知の同期化ビットの1つに影響を及ぼすエラーを修正できるようになる。 送信装置による第2のフレームT2の形成にはフレームT1に同期化ビットを付加してフレームT1のビット間に分散することが含まれる。 フレームT1のビットのインターリービングが必要であれば、同期化ビットを付加する前に実施することができる。 【0055】サブセットEに存在する冗長度はフレームT1からフレームT2を形成する間に実施されるエラー修正から生じることもある。 したがって、図2に示す例では、フレームT2の偶数ランクのビットのサブセットEは送信される情報ビットのフレームT1のM=3ビットだけで決まるL=5ビットからなっている。 この例では、フレームT1はK=8情報ビットからなり、その1 つのクラスCL1={a 0 ,a 1 ,a 2 }はサブセットE の冗長度により符号化される。 フレームT1はサブセットE'内に冗長度が無くても(L'=M')再生されるM' =5の他のビットa 3からa 7により構成される第2のクラスCL2を含んでいる。 なお、サブセットE'は、ある冗長度を含むこともできる(すなわちL'>M')。 図2の例では、フレームT1からフレームT2を形成することは2ステップで実施される。 第1のステップでは(系統的もしくは非系統的に)クラスCL1のビットへ冗長2ビットが付加され、N=19ビットb nのフレームT1の始めに冗長サブセットEがコンパイルされる。 フレームT1'の他方の5ビットは2位置だけシフトさせたクラスCL2のビットである。 図1に示す差分符号化を単純にフレームT1'に適用すると、(ビットd 4を介した)ある保護の恩恵を受けるのはサブセットE'のビットb 5だけである。 修正能力を最適化するために、 サブセットEおよびE'のビットの所望する交替を確立するのに適切なフレームT1'のビットの並べ換えが行われる。 図2に示す例では、この並べ換えはc n =b perm(n)であり、nが偶数であればperm(n)=n /2となり、nが奇数(0≦n≦9)であればperm (n)=(n+9)/2となる。 次に、こうして得られるフレームT2を図1の場合と同様に差分符号化してフレームT3が得られる。 【0056】例えば、レーリーチャネルを考慮してビットのインターリービングが必要である場合には、フレームT1'からフレームT2へ通過する時にこのインターリービングを実施することができる。 事実、インターリービングはビットの並べ換えにすぎない。 インターリービングによりビット間の混合が幾分生じるが、この混合は修正能力を最適化するのに必要なサブセットEおよびE'のビットの交替を保証するのに十分ではないと思われる。 したがって、従来のインターリービングにより規定される並べ換えを局所的に変更して近隣ビットのエラー確率間に相関を再導入することなくサブセットEおよびE'のビットを適切に分散しなければならない。 【0057】インターリービングがいくつかのフレームT1'にわたって拡がる場合には、フレームT1'の全ビットを含むインターリーブされた2進シーケンスのセグメントとしてフレームT2を理解しなければならない。 対角インターリービングを使用する場合には連続フレームT2が特に相互に重畳することがある。 【0058】符号化器のレベルでフレームT2を明確な形式で生じないようにできることわかる。 したがって、 【0059】 【数20】 に従ってフレームT1'に基づいて直接差分符号化を実施することができ、permは整数0からN−1にわたる前述した並べ換えである(すなわちサブセットEおよびe'のビットの交番および適切であればインターリービングを保証する)。 【0060】図1および図2の特別なケースとして、差分符号化に使用される関数fはf(n)=n−1である。 フレームT2に適切な構造が採用されている(あるいは適切な並べ換えpermが採用されている)場合、 この関数は冗長サブセットEのビット数Lが少なくともフレームT2およびT3の長さNの半分に等しい時に適切である。 フレームT2の各ビットは冗長サブセットE もしくはサブセットE'のいずれかに属するようになる。 【0061】しかしながら、L<N/2であれば、E' の基数L'がEのLを越えることがないためこの状態はもはや満たされない。 したがって、E'の基数を最大にするように関数fを修正するのが賢明である。 冗長サブセットEがi=0,1,. . . に対する3iランクのL =N/3ビットからなるケースを図3に示す。 ここでは、基数L'はi=0,1,. . . に対する関数f(3 i)=3i−1,f(3i+1)=3i,f(3i+ 2)=3iにより最大とされる。 3i+2ランクのビットにより二重保護ビットのサブセットE'が構成される。 3i+1ランクのビットは基数L”=L'=L=N /3のサブセットE”を構成し、尤度データアイテムr 3iは修正できるがr 3i+1は修正できない。 図3の例では、送信される情報ビットのフレームT1はそれぞれM <L,M'≦L'およびM”≦L”ビットを有しそれぞれサブセットE,E'およびE”のビットを規定する3つのクラスCL1,CL2,CL3へ分解することができる。これら3つのクラスは保護レベルが異なる。 【0062】フレームT3のビットd nの送出順序は差分符号化器の出力に存在する順序ではなくてもよいことがわかる。 したがって、フレームT3は0≦n<Nについてe perm'(n) =d nである送出フレームT4=(e 0 , e 1 ,. . . ,e N-1 )を形成するように再び順序付けしてから送出することができ、perm'は整数0からN −1にわたる並べ換えを示す。 特に、差分符号化されたフレームにインターリービングを実施することができる。 このような場合、s 0 ,s 1 ,. . . ,s N-1がビットe 0 ,e 1 ,. . . ,e N-1に関して受信装置により得られる尤度データを示す場合には、差分符号化に使用されるフレームT3のビットd 0 ,d 1 ,. . . ,d N-1に対応する尤度データr 0 ,r 1 ,. . . ,r N-1はr n =s perm'(n)により与えられる。 一般的に、差分符号化手順は送出されたフレームT4の明確な2ビットを冗長度を示すフレームT1'の各ビットに結合するグラフと考えることができ、このグラフは閉ループを含んでいない。 例えば、図4に示す変換T1'→T4はd n =b perm(n) +d f(n)であるe perm'(n) =d nへ分解することができperm,perm'およびfは、図5に示すように、 表1に示されている。 E'''≠φであるため図4および図5の例は最適例ではない。 さらに、ビットb 2はビットe 0およびe 5間に生じる波数ベクトルの(修正不能な)反転に感応する。 一般的に、波数ベクトル反転問題が起こる時に送出されたフレームの2つの遠すぎるビットがフレームT1'もしくはT2のビットを符号化することは興味のないことである。 【0063】 【表1】 さらに、本発明によるプロセスは無線通信で従来使用されているスクランブリングプロセスと完全にコンパチブルである。 スクランブリングではいくつかのビットを反転させて送出端において0と1の疑似ランダム分布が得られる。 これは送出されるビットシーケンスに対して1 ビットが反転すべきビットの位置を示す2進シーケンスの排他的OR演算を行って実施され、同じ演算はデスクランブリングのために受信機でも実施される。 発明の範囲内で、差分符号化の前(フレームT2の形成時)あるいは差分符号化の後(フレームT3からフレームT4への通過時)にスクランブリングを実施することができる。 送出されたフレームT4の各ビットe
jはフレームT3のビットd nを表さなければならず、随意j≠nとしたり送信機や受信機に周知の位置で反転を行うことができる。 【0064】図1から図5を参照して説明した例では、 フレームT2は保護できる1つの冗長サブセットEを含み、それは差分符号化によりフレームT2の他のビットへある程度拡張することができる。 しかしながら、本発明により、このようなサブセットE 1 ,. . . ,E Qの1 よりも大きい数Qを与えることができる。 各サブセットE q (1≦q≦Q)はフレームT1のM qビットによって決まるL qビットからなり、0≦M q <L Q <Nである。 長さN=10のフレームT2内にQ=2冗長サブセットE 1 ={c 0 ,c 3 ,c 6 ,c 9 }およびE 2 ={c 1 ,c 4 , c 7 }を与えるケースを図6に示す。 尤度データr nの修正は各々がセットE qの1つに対して下記の手順を含むQステージ(もしくはそれ以下)の手順となる。 【0065】r n・r f(n)の符号(および随意|r n | および|r f(n) |)の関数としてのE qのビットの第1 の推定値 【0066】 【外9】 の計算 第1の推定値 【0067】 【外10】 内の任意のエラーを修正するようにEq内に存在する冗長度を利用することによる、誤りであるE qのビットの第1の推定値 【0068】 【外11】 の検出 【0069】 【外12】 が誤りであると検出されており、かつ|rn |<|r
f(n) |であるような各尤度データアイテムr nおよびc n が誤りであると検出されており、かつ|r
f(n) |<|r
n |であるような各尤度データアイテムr f(n)の符号の反転。 【0070】図6の例では、サブセットE 1に関する第1のステージによりデータアイテムr 0 ,r 2 ,r 3 , r 5 ,r 6 ,r 8 ,r 9を修正することができる。 例えば、 サブセットE 2のビットを求めるのに使用される冗長符号により1つのエラーしか修正できないものとする。 また、データアイテムr 4 ,r 6の符号が受信端で誤っているものとする。 データアイテムr 6は第1の修正ステージ中にデータアイテムr 4は第2の修正ステージ中に修正することができるが、このような二重修正は第1のステージからすぐサブセットE 2を復号しようとしていたならば不可能であったと思われる。 この場合、本発明によりq>1であるサブセットE qの修正能力を改善することができる。 したがって、サブセットE'={c 2 ,c 5 ,c 8 }のビット保護が向上する。 【0071】次に、送信装置および受信装置間でデータおよび音声を伝達することができる特別な無線リンクの例により本発明の説明を行う。 送信フレームの長さは1 60ビットであり本例では8同期化ビットが含まれている。 図7および図8は使用する送信機および受信機の一般的な略図である。 【0072】送信装置はK (P) =120ビットの音声フレームa 0 (P) ,. . . ,a 119 (P)を送出するオーディオ符号化器10を具備し、その最初のM (P) =20ビットa 0 (P ) ,. . . ,a 19 (P)は保護クラスCL1 (P)に、次のM' (P) =52ビットa 20 (P) ,. . . ,a 71 (P)は保護クラスCL2 (P)に、最後のM” (P) =48ビットa 72 (P) ,. . . ,a 119 (P)は保護クラスCL3 (P)にそれぞれ割り当てられる。 クラスCL1 (P) ,CL2 (P)およびCL3 (P)は低減する保護レベルに対応している。 送信装置はさらにK (D) =66ビットのデータフレームa 0 (D) ,. . . ,a 65 ( D)を送出するデータソース12を具備し、その最初のM (D) =23であるa 0 (D) ,. . . , a 22 (D)は保護クラスCL1 (D)に、次のM' (D) =23であるa 23 (D) ,. . . ,a 45 (D)は保護クラスCL2 (D) に、最後のM” (D) =20であるa 46 ( D) ,...,a 65 (D)は保護クラスCL3 (D)にそれぞれ割り当てられる。 クラスCL1 (D) ,CL2 (D)およびCL3 (D)は低減する保護レベルに対応している。 【0073】モジュール14は音声/データ識別を行い、エラー検出のための巡回冗長検査を導入する。 符号化器10から生じる音声フレームに対して、モジュール14は下記のようにビットa' i (−2≦i≦25)を定義する。 【0074】・a' 0 =0(音声/データ識別ビット) ・a' i+1 =a i (P) ,0≦i≦19(クラスCL1 (P) ) ・a' 21 ,a' 22およびa' 23は多項式a' 0 Z 23 +a' 1 Z 22 +. . . +a' 22 Z+a' 23が1+Z+Z 3の倍数となるようなCRCビットである。 【0075】・畳み込み符号化の初期化に対してa' -2 =a' -1 =a' 24 =a' 25 =0. ソース12から生じるデータフレームに対して、モジュール14は下記の連続ステップによりビットa' i (−2 ≦i≦25)およびa” j (−2≦j≦49)を定義する。 【0076】・a' 0 =1(音声/データ識別ビット) ・a' i+1 =a i (D) ,0≦i≦65 ・a' 67 ,. . . ,a' 71は多項式a' 0 Z 71 +a' 1 Z 70 +. . . +a' 70 Z+a' 71が1+Z 2 +Z 5の倍数となるようなCRCビットである。 【0077】・a” j =a' j+24 ,0≦j≦47(クラスCL2 (D)およびCL3 (D) ) ・畳み込み符号化の初期化に対してa' -2 =a' -1 =a' 24 =a' 25 =a” -2 =a” -1 =a” 48 =a” 49 =0. モジュール14には冗長符号化を実施するモジュール1 6が続き、これは実施例では畳み込み符号化CC(2, 1,3)である。 モジュール16はn=152ビットb 0 ,b 1 ,. . . ,b 151のフレームT1'を定義し、ビットb 0からb 51は下記のように定められる。 【0078】 【数21】 音声フレーム(a'0 =0)のビットb 52からb 151は5 2≦n≦151に対して、b
n =a n-32 (P)で与えられ(クラスCL2 (P)およびCL3 (P)に対する冗長度は無い)、データフレーム(a' 0 =1)に対するビットb 52 からb
151は同じ畳み込み符号化CC(2,1,3)により求められる。 【0079】 【数22】 畳み込み符号化モジュール16から出力されると、ビットb0からb 51は予めEと表示された(L=52)冗長サブセットを構成し、元のフレームのクラスCL1 (P) およびCL1
(D)のビットを表す。 ビットbは並べ換えられてから差分符号化されクラスCL2 (P)もしくはC L2
(D)のビットによって決まるビットb 52からb 103によりサブセットE'(L'=L=52)が構成されるようにする。 ビットb 104からb 151はサブセットE”(L” =48)を構成する。 E”のこれらのビットは音声フレームの場合はクラスCL3
(P)のM” (P) =L”ビットによって決まる。 【0080】モジュール16にはモジュール18が続き、フェージングによるエラー確立を均一にするようにインターリービングを行う。 実施例では、モジュール1 8が実施するインターリービングによりさらにサブセットE'の基数L'を最大にできるビット分布が保証される。 インターリービングでは0≦n≦151に対して、 b' n =b tab intr(n)が実施されtab intr (n)は例えば下記の適切なインターリービングテーブルの第(n+1)番目の値を示す。 【0081】 【表2】 上記tab intr表において、太字エントリーは冗長サブセットEのビットを示し、下線エントリーはサブセットE'のビットを示し、他のエントリーはサブセットE”のビットを示す。 【0082】モジュール20はインターリービングモジュール18から送られるビットb' nをスクランブルしてそこに8同期化ビットを加える。 スクランブリングには例えば0≦k≦6に対してはS(k)=0で定義され、 7≦k≦127に対しては、 【0083】 【数23】 で定義される期間127のS(k)が使用される。 スクランブルされたフレームT2は0≦n≦151に対して、 【0084】 【数24】 に従って形成され、使用されるスクランブリングパラメータscrは送信装置および受信装置においては周知である。 フレームT2の前に置かれる同期化ビットc-8 , c
-7 ,. . . ,c -1は固定されており、例えば0110 0010である。
【0085】差分符号化はモジュール22により実施される。 【0086】同期化ビットは差分符号化されず、−8≦ i≦−1に対してd i =c iである。 次に、ビットd -1 = c -1 =0が差分符号化の初期化ビットとして働く。 実施例における差分符号化式は、 【0087】 【数25】 であり、tab difはサブセットE,E',E”のビットの所望する分布が得られるように構成された2進テーブルである。 【0088】 【表3】 8同期化ビットd-8 ,. . . ,d -1およびフレームT3 のN=152ビットd
0 ,. . . ,d 151からなるシーケンスが変調ステージ24へ送られ、無線信号S Eが発生してアンテナ26から送り出される。 実施例では、GM SK(“Gaussian Minimum Shif
t Keying”)型の変調が使用された。
【0089】図8に図7の送信装置に関連する受信装置を示す。 アンテナ30において受信された無線信号S R は最初にステージ32により復調される。 復調ステージ32は、特に、8同期化ビットによりフレームの同期化を行う。 復調ステージ32はビットd -8 ,. . . , d -1 ,d 0 ,d 1 ,. . . ,d 151に関連する尤度データr - 8 ,. . . ,r -1 ,r 0 ,r 1 ,. . . ,r 151を発生する。 【0090】モジュール34は差分符号化を実施する。 実施例では、これはハード決定復号であって、0≦n≦ 151に対して、 【0091】 【数26】 であり、関数fは予め定義されている。 【0092】 【数27】 はフレームT2のビットcnの第1の推定値である。 デスクランブリングはモジュール36により、0≦n≦1 51に対するb'
n =c' n +S(scr+n)に従って実施される。 デインターリービングはモジュール38により、0≦n≦151に対する 【0093】 【数28】 に従って実施される。 【0094】エラー修正復号器40により冗長サブセットEに関連するビットb 0 ,b 1 ,. . . ,b 51のL=5 2推定値 【0095】 【数29】 が復号される。 この復号は例えばハード決定ビタービアルゴリズムに従って実施される。 このようにして、0≦ i≦23に対するビットa'
iの推定値 【0096】 【外13】 が求められる。 【0097】図8に42で示すモジュールは次に尤度データr nの(任意の)修正を実施する。 モジュール42 は最初に送信装置の符号化器16が使用した畳み込み符号CC(2,1,3)に従ってビット 【0098】 【数30】 を再符号化し、 【0099】 【数31】 である。 【0100】 【数32】 ビット 【0101】 【数33】 は、冗長サブセットEに関連するビットbnの修正された推定値を構成する。 【0102】 【数34】 は、復号器40が使用するビタービトレリスにより直接発生できることもわかる。 次に、モジュール42は第1 の推定値が誤りである冗長サブセットEのビットを検出する。 これらは0≦n≦151および
【0103】 【数35】 であるようなビットctab intr(n)である。 第1の推定値が誤りであると検出されている冗長サブセットEの各ビットc mに対して、モジュール42は2つのデータアイテムr m ,r f(m)の絶対値が小さい方の符号を反転する。 復号器40の入力へ供給される第1の推定値 【0104】 【外14】 および対応する修正された推定値 【0105】 【外15】 に基づいて、モジュール42は下記の命令を実行する。 【0106】 【数36】 畳み込み復号器がソフト決定に基づいて作動する場合には、モジュール42は前記した式(5)および(6)を有利に使用して絶対値を修正し、適切であれば、冗長サブセットEのビットに関連する尤度データrnの符号も修正する。 これは下記の命令を実行して実行される 【0107】 【数37】 であることをお判り願いたい)。 【0108】 【数38】 少なくとも1つの尤度データアイテムrn がモジュール42により修正されていれば、モジュール34,36, 38と同じであるが修正されたデータrn で作動する各モジュール44,46,48により差分符号化
【0109】 【数39】 デスクランブリング 【0110】 【数40】 およびデインターリービング 【0111】 【数41】 が再開される。 【0112】受信装置が実施する残りの動作は考慮するフレームの性質(音声もしくはデータ)によって決まる。 モジュール50が復号器40から供給されるビットa' 0に基づいてこの識別を実施する。 【0113】音声フレーム 【0114】 【数42】 の場合には、モジュール52は多項式 【0115】 【数43】 が実際に1+Z+Z3の倍数であるかを検証することによりCRCビット 【0116】 【外16】 【0117】 【外17】 および 【0118】 【外18】 の有効性をチェックする。 エラーである場合には、フレームは正しくないものとしてオーディオ復号器54に表示される。 さもなくば、オーディオ復号器54は、 【0119】 【数44】 で与えられるフレームT1のK(P) =120ビットa 0
(P) ,. . . ,a 119 (P)を受信し、 【0120】 【外19】 はモジュール38から送られるかもしくは、少なくともつのデータアイテムrnが修正されていれば、モジュール48から送られるものである。 【0121】データフレーム 【0122】 【数45】 の場合には、エラー修正符号化がやはりビタービアルゴリズムに従って作動する復号器56により(モジュール38もしくは、少なくとも1つのデータアイテムrnが修正されている場合には、モジュール48から送られる)ビット 【0123】 【数46】 へ適用される。 このようにして、0≦j≦47に対するビットa”jの推定値 【0124】 【外20】 が求められる。 モジュール58は多項式 【0125】 【数47】 が実際に1+Z2 +Z 5の倍数であるかを検証することによりCRCビット 【0126】 【数48】 の有効性をチェックする。 エラーである場合には、フレームは正しくないものとしてデータ処理モジュール60 に表示される。 さもなくば、データ処理モジュール60
は
【0127】 【数49】 で与えられるフレームT1の情報ビット 【0128】 【数50】 のK(D) =66の推定値a 0 ,. . . ,a 65を受信する。 【0129】 【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成されているので、符号反転から生じるエラーによるフレームの残りの伝搬を防止するとともに、平均エラーレートを減少させることができる。 【0130】また、全体チャネル符号化手順の比較的高い効率を維持しながら、送信されるシーケンスのビットをエラーから保護することができる。 【図面の簡単な説明】 【図1】本発明に従ったプロセスで使用できる差分符号化のさまざまなモードを示す線図。 【図2】本発明に従ったプロセスで使用できる差分符号化のさまざまなモードを示す線図。 【図3】本発明に従ったプロセスで使用できる差分符号化のさまざまなモードを示す線図。 【図4】本発明に従ったプロセスで使用できる差分符号化のさまざまなモードを示す線図。 【図5】本発明に従ったプロセスで使用できる差分符号化のさまざまなモードを示す線図。 【図6】本発明に従ったプロセスで使用できる差分符号化のさまざまなモードを示す線図。 【図7】本発明に従った符号化プロセスのさまざまなステップを示す略図。 【図8】図7の符号化プロセスに対応する復号プロセスのさまざまなステップを示す略図。 【符号の説明】 10 オーディオ符号化器 12 データソース 14 識別及びCRC 16 畳み込み符号化器 18 インターリービング 20 デスクランブル/同期化 22 差分符号化 24,32 変調 26,30 アンテナ 34,44 差分復号化 36,46 デスクランブル 38,48 デインターリービング 40,56 ビタービ復号化 42 尤度データ修正 50 識別 52,58 CRCチェック 54 オーディオ復号器 60 データ処理 |