【0001】 本発明は請求項1の上位概念記載のターボ符号器へ供給されるデータブロックの適合化方法に関している。 本発明はまた請求項17の上位概念記載の相応の通信装置に関している。 【0002】 通信装置ではいわゆるチャネル符号器が相応の受信機へ送信すべきデータビットを符号化するために使用されている。 チャネル符号化によれば本来のデータビットに冗長ビットが付加され、この冗長ビットにより受信機におけるデータビットの確実な検出が可能となる。 【0003】 チャネル符号化に対していわゆるターボ符号を使用することも公知である。 これは例えばこんにち標準化が進みつつあるUMTS移動無線規格(Universal Mobile Telecommunication System)に対して構成されている。 【0004】 ターボ符号器は2つの畳み込み符号器から成る並列回路である。 2つの畳み込み符号器の一方にインタリーバが前置接続されており、これが符号化すべきデータビットを時間的に整列させている。 データビットはターボ符号器にブロックごとに供給される。 ターボ符号器の内部のインタリーバは所定のブロックサイズからしか定義されていないので、ターボ符号器に供給される各データブロックは相応の最小サイズM、すなわち相応のM個の最小数のデータビットを有していなければならない。 UMTS規格にしたがえばこの最小ブロックサイズは例えばM=40Bitに定められている。 【0005】 ターボ符号器に供給されるデータブロックがターボ符号器の最小ブロックサイズMよりも小さいブロックサイズを有する場合には、データブロックをターボ符号器へ供給する前にこのデータブロック長を相応に適合化しなければならない。 【0006】 図3には従来技術によるターボ符号器が示されている。 これは例えばUMTS移動無線送信機で使用されているものである。 【0007】 図示のターボ符号器2は第1の畳み込み符号器3および第2の畳み込み符号器4を有しており、ここで符号化すべきデータブロックのデータビットは第2の畳み込み符号器4へインタリーバ5を介して供給され、このインタリーバにより時間的に整列される。 2つの畳み込み符号器3、4は再帰形のレジスタ回路によって形成されている。 ターボ符号器2の入力側では符号化すべきビットが符号化されていない状態で取り出され、いわゆる系列ビットX(t)として送出される。 第1の畳み込み符号器3は符号化されたデータビットに相応する第1のパリティビットY(t)を送出し、これに対して第2の畳み込み符号器は第2のパリティビットY'(t)を送出する。 個々の信号分岐X(t),Y(t),Y'(t)を相応に切り替えることにより、ターボ符号器2の出力側にはビットシーケンスX(0),Y(0),Y(0);X(1),Y(1),Y'(1)などが出力ビットストリームとして出力される。 【0008】 全データビットまたは全情報ビットが符号化された後、まず図3の上方の畳み込み符号器3に配属されている入力側スイッチが切り替えられる。 これにより相応に図3に破線で示されているフィードバック結合路が活性化される。 同時に下方の畳み込み符号器4は不活性化される。 このようにしてX(t)およびY(t)に対して得られる次の3つの値が出力シーケンスに付加され、上方の畳み込み符号器3のいわゆるターミネーションに用いられる。 これにより畳み込み符号器3は再び所定の出力状態に至る。 続いて図3の下方の畳み込み符号器4に配属されている入力側スイッチが切り替えられ、相応に図3に破線で示されているフィードバック結合路が活性化される。 同時に上方の畳み込み符号器3が不活性化される。 このようにしてX'(t),Y'(t)に対して得られた次の3つの値が同様に出力シーケンスに付加され、下方の畳み込み符号器4のターミネーションに用いられる。 【0009】 ターボ符号器2に供給されるデータブロックをターボ符号器2で必要とされる最小のブロック長Mに適合させるために、各データブロックのデータビットU(t)の終了部に予め定義されたビット、すなわちダミービットを充填する。 このダミービットは例えば値0を有する。 こうしたダミービットのデータブロックへの挿入は“パディング”とも称され、図3によればターボ符号器2に前置接続されたパディング装置1からも見てとることができる。 【0010】 ただし個々のデータブロックの終了部にダミービットを充填することは、ターボ符号器2のリセットまたはターミネーションの際に不定データビットが形成されてしまう欠点を有する。 このためデータを充分に活用できなくなったり、受信機の複雑性が高まったりする。 【0011】 したがって本発明の課題は、ターボ符号器へ供給されるデータブロックの適合化方法および相応の通信装置において、データブロックのブロック長をターボ符号化に必要な最小のブロック長へ適合化し、その際にも前述のターボ符号器の副次的なターミネーションの欠点が生じないように保証することである。 【0012】 この課題は本発明の請求項1または14記載の特徴を有するデータブロックの適合化方法により解決される。 この課題はまた本発明の請求項15記載の特徴を有する通信装置、請求項17記載の特徴を有する通信システムにより解決される。 従属請求項には本発明の有利な実施形態が示されている。 【0013】 本発明によれば、予め定められた既知の値を有する相応数のビット(ダミービット)を符号化すべき各データブロックの前方に配置することにより、ターボ符号器で必要な最小のデータブロック長が得られる。 この手段はきわめて簡単に構成することができ、回路の複雑化もほとんど招かない。 さらにこの手段によれば、ターボ符号器のリセットまたはターミネーションの際に設けられた“テールビット”を超えてそれ以上の不定ビットが形成されないことが保証される。 さらに付加された冗長的なダミービットは後に簡単に伝送品質の改善に用いることができる。 【0014】 ターボ符号器から送出されるビットストリームのさらなる処理のために、有利には、付加されたダミービットは少なくとも部分的にターボ符号化後に再び削除される。 【0015】 このために、削除すべきダミービットはマークされ、続いてデータ伝送時に取り除かれる。 ここでターボ符号器から送出されたビットストリームを後続のレートマッチング前に分離することを考慮して、有利には、ダミービットがつねに3つのビットのグループごとに削除されるようにする。 【0016】 さらに各ビットシーケンスの個々の情報担体ビット(データビット)を反復することによりダミービット位置を置換することができる。 この場合反復は周期的に行ってもよいしブロックごとに行ってもよい。 【0017】 データブロック長をターボ符号器で必要な最小のデータブロック長へ適合化させる問題を、前述の手段に代えて、符号化すべき各データブロックのデータビットを反復することによりターボ符号器で必要な最小のブロック長とする手法により実現することもできる。 このとき個々のビットの反復は周期的に行ってもよいしブロックごとに行ってもよい。 【0018】 本発明は有利にはUMTS移動無線装置で使用されるが、当該の適用分野のみに限定されるものではない。 【0019】 本発明を以下に有利な実施例に則して添付図を参照しながら詳細に説明する。 図1には本発明の第1の実施例によるターボ符号器を備えた通信装置のブロック回路図が示されている。 図2には本発明の第2の実施例によるターボ符号器を備えた通信装置のブロック回路図が示されている。 図3には従来技術によるターボ符号器を備えた周知の通信装置のブロック回路図が示されている。 【0020】 図1にはターボ符号器2が示されており、これは本発明の通信装置、例えばUMTS移動電話装置で使用される。 ターボ符号器2の構造および機能は図3に則して説明したターボ符号器に相応しているので、ここで繰り返しては立ち入らない。 以下では図1のコンポーネントと図3の従来のターボ符号器とのあいだの相違点のみを説明する。 【0021】 ターボ符号器2には図3と同様にパディング装置1が前置接続されている。 このパディング装置は符号化すべき個々のデータブロックにダミービットを充填して、データブロックのブロック長がターボ符号器2に必要な最小ブロック長Mへ適合化されるようにする。 ただし従来技術とは異なって、ここでのパディング装置1は符号化すべき各データブロックに対して相応する数のダミービットを後方に配置するのではなく前方に配置するように構成されている。 したがってターボ符号器2には付加されたダミービットが最初に供給される。 これにより図3に則して説明したターボ符号器2のリセットによる不都合が生じないという利点が生じる。 さらにこの手法では従来技術とは異なって、第1のパリティビットY(t)を冗長ビットとしてマークすることができる。 このため(後述のように)、符号化されたビットストリームをさらに処理する際にも有利である。 【0022】 データビットU(0),U(1),U(2),. . . ,U(N−1)を有する長さN<Mのデータブロックが符号化される場合、パディング装置1の機能は次式によって記述される。 ここでX(0),X(1),X(2),. . . ,X(i)はパディング装置1の送出ビットまたはターボ符号器2の入力ビットであり、すなわち系列ビットに相応している。 データブロックの充填に予め定められた値0を有するダミービットが使用されることに基づいて0≦i≦M−Nのとき X(i)=0 M−N≦i≦M−1のとき X(i)=U(i−M+N) が成り立つ。 【0023】 このことはまた次のように記述することもできる。 【0024】 【外1】
【0025】 またP=M−Nでは、予め定められた値0を有する挿入ダミービットの数として、次のように記述される。
【0026】
【外2】
【0027】
またi=k−1(1でなく0から開始されるインデクス)、P=Y
i 、M=K i 、X=o il 、U=x iでは次のように記述される。 【0028】
【外3】
【0029】
前述の手法により、系列ビットX(t)においても第1のパリティビットY(t)においても最初のM−N個のビットは一定の値0を有する(UMTS規格ではM=40である)。 これに対してパディングがデータブロックの終了部で行われる場合、一般に第1のパリティビットY(t)の最後のM−N個のビットは値0を有さず、データビットと見なさなければならない。 このためターボ符号化後にもこれを置換できず、また削除することもできない。
【0030】
当該のビットが一定の値0を有しているという知識は、例えば受信機内で、符号化されたデータビットの受信を改善するために使用される。 移動無線技術の分野で使用される復号器は受信データビットの復号に使用されるが、これは典型的にはいわゆる軟判定アルゴリズムにしたがっている。 つまり各受信ビットの評価値だけでなく、付加的にそのビットに割り当てられている有意性が評価されるのである。 この有意性とは当該のビットが実際に検出値を有する確率を表している。 事前に既知となっているビット、例えば本発明で付加されるダミービットを使用すれば、受信を改善するために事前に既知のビットを備えた受信信号を無視し、さらなる処理に対して絶対確実な受信ビット値と置換することができる。
【0031】
パディングが上述のように個々のデータブロックの開始部で行われるいわゆるフロントパディングによれば最適な受信アルゴリズムを実行することができる。 しかもこれはデータブロックの終了部でパディングを行うケースと比べてきわめて簡単に達成可能である。
【0032】
前述のパディングにより挿入されるダミービットは有利にはターボ符号化後に再びターボ符号器2の出力データストリームから削除される。 ダミービットは最も簡単なケースではターボ符号器2の入力ビットに相応する系列ビットX(t)および/または第1のパリティビットY(t)から取り除かれる。 これは当該のビット列で既知のダミービットがそのつどデータブロックの最初に位置しているからである。 これに対して第2のパリティビットY'(t)は入力ビット列X(t)からインタリーバ5によるスクランブル後に計算されて形成される。 これにより第2のパリティビットY'(t)は既知のダミービットと未知の情報ビットとをばらばらの順序で有することになり、このため既知のダミービットの識別が困難となる。
【0033】
ターボ符号化後にどれだけの数のビットが再び削除されるかに応じて以下の種々のケースが区別される。
【0034】
ターボ符号器2の符号化されていない系列ビットX(t)は(前述したように)パディング時に前方に配置されたダミービットを不変のまま有しているので、情報を有さないダミービットをマークして後の処理の際に削除することが推奨される。 この理由から、図1に示されている実施例ではマーキング装置6が系列ビットX(t)の信号路に設けられており、この装置により0≦i≦M−NのときビットX(i)がマークされる。 マークされたビットは後のデータ伝送の際に取り除かれる。
【0035】
ターボ符号器2の第1のパリティビットY(t)はパディングで挿入されたダミービットに相応して最初は値0を有する。 したがって0≦i≦M−NのときのビットY(i)も系列ビットX(t)と同様に前述の手法でマークされ、後の伝送の際に取り除かれる。
【0036】
ターボ符号化後、一般にターボ符号器2から送出されるビットストリームのデータレートの適応化(レートマッチング)が行われる。 その際に系列ビットX(t)、第1のパリティビットY(t)および第2のパリティビットY'(t)を有するビットストリームが再び個々のビットシーケンスX(t),Y(t),Y'(t)へ分割される。 この分割のステップは“分離”と称される。 続いて一般にパリティビットY(t),Y'(t)のデータレートのみが個々のビットの削除(パンクチャリング)によりデータ伝送に必要なデータレートへ適応化される。 同様にデータレートの適応化は個々のビットの反復(リピーティング)によっても可能である。 ここで反復が行われる場合には3つの全てのビットクラスX(t),Y(t),Y'(t)が反復される。
【0037】
分離に必要なのは、ターボ符号器から送出されるビット数が値3により割り切れるという条件である。 したがって分離を変更なしに行うためには、基本的に全ての既知のダミービットをマークし伝送の際に削除するのではなく、3つのダミービットから成るダミービットグループごとにマークするとよい。 パディングの際に例えば8つのダミービットが付加されたとすると、この手法では6つのビットが取り除かれる。 ここで各クラスのビットから3で割り切れる数のビットが取り除かれるか、または全体で3により割り切れる数のビット、例えば7つのパリティビットY(t)および8つの系列ビットX(t)から成るビットが取り除かれる。
【0038】
この手法では、UMTS送信機において、分離された3つのビットストリームが分離後に1つのクラスのビットのみを有するのではなく、各ビットストリームがブロックの開始部に第2のパリティビットを有するはずである。 このため、第2のパリティビットY'(t)はレートマッチング中に全体が完全に均等にはパンクチャされない。 ただしUMTSではこんにちレートマッチングのために第1のパリティビットY(t)と第2のパリティビットY'(t)とを交互にパンクチャするパンクチャリングアルゴリズムが定義されている。 このパンクチャリングアルゴリズムにより、各ブロックの開始部に位置している第2のパリティビットY'(t)のパンクチャリングは比較的均等に行われ、これにより既知のダミービットのマーキングおよび削除に関して前述したUMTS通信システムでの手法や後続のレートマッチングに際しても障害とならない。 さらに分離の際に系列ビットX(t)の前方に配置された第2のパリティビットY'(t)はパンクチャされず、これにより開始部の第2のパリティビットY'(t)のパンクチャリングレートは効率的に小さくなる。 したがって本発明の出力能すなわちパフォーマンスも損なわれない。
【0039】
前述したように、ターボ符号器2から送出されるビットシーケンスX(t),Y(t),Y'(t)のビット数が相応の通信装置、例えば移動電話に関連したアルゴリズムに適するように注意しなければならない。 特に個々のビットシーケンスX(t),Y(t),Y'(t)から成るビットストリームの前述の分離はレートマッチングのために必要であり、ビットシーケンスX(t),Y(t),Y'(t)あたりの出力ビット数が等しくなければならない(ターボ符号器2のターミネーションの際に付加されるテールビットは除く)。 この前提条件は個々のビットシーケンス内の既知のダミービットが不均一に削除されたり取り除かれたりする(パンクチャリング)と障害を受ける。 このことが望ましくない場合、ダミービットを単純に削除するのみでなく、他のビット、特に情報担体ビットを複数回伝送することによりその位置を埋めることができる。 このために図1にはY(t)の信号路について、第1のパリティビットシーケンスY(t)に含まれる既知のダミービットを無視する装置7と、これにより空いた第1のパリティビットシーケンスY(t)の位置に所定の情報担体ビットを埋める(すなわち当該の情報担体ビットを反復する)装置8とが設けられている。
【0040】
この手法を実現するには、図1に示された実施例で第1のパリティビットY(t)の情報担体ビット、すなわちM−N≦i≦M−1+TのときのビットY(i)をメモリ内へ書き込む。 ここでMは1つのデータブロックに必要な最小ビット長であり、Nはパディング前のデータブロック長であり、Tはターボ符号器2のターミネーションに必要なテールビットの数である。 UMTS通信システムではM=40、T=6である。 続いてパディングの際に付加されたダミービットが所望の位置を占めるまで、メモリ内に書き込まれた情報担体ビットが周期的に読み出される。 このようにして反復装置8から送出されたビットシーケンスZ(t)のビットに対して次の値が得られる。 すなわち0≦i≦M−1+TのときZ(i)=S(imod(N+T))であり、ここでS(i)は順次にメモリ内へ書き込まれた情報担体ビットを表す。 したがってこの手法では情報担体ビットがシーケンスS(0),S(1),S(2),. . . ,S(N+T−1),S(0),S(1),. . . 内の相応のダミービットの置換物として出力される。
【0041】
同様に0≦i≦M−1+Tのとき式Z(i)=S((i+N−M)mod(N+T))による反復も可能である。 ここでモジュロ関数はいずれの場合にも正の値を形成するので、例えば−9mod10=1である。 当該の手法の利点は受信機側で2つの選択手段を実現できることである。 第1の選択手段によれば、受信機は開始部の反復ビットを無視し、最後のビットブロックのビット、すなわち42−N−T−1≦i≦42−1のときのZ(i)のみを評価する。 第2の選択手段によれば、全ビット、すなわち反復ビットを含むビット全体が評価される。
【0042】
上述の式では42−N−T−1≦i≦42−1のとき“後方のビット”Z(i)の値は反復が行われず、本発明のフロントパディングのみが適用される。 このとき受信機がパディングのために構成され、ダミービットが“確実に0”の軟判定情報値で埋められ、また上述の反復を行った信号をも処理できる利点が得られる。 この場合反復を利用しないので確かにパフォーマンスの改善は得られないが、相応の移動無線規格ではこの反復を後段で挿入することができ、その際にも従来の受信機との互換性が変化することはない。 ただしこのためには、受信機が既知のダミービットを無視する(評価しない)かまたは特に系列ビットX(t)および第1のパリティビットY(t)に関するビットに置換するようにこの受信機を構成しなければならない。
【0043】
情報担体ビットの周期的な読み出しおよび反復に代えて、メモリ内に存在するビットをブロックごとに反復することもできる。 ブロックごとに反復することによりわずかに複雑性は増すが、これに対してビットエラー頻度はレートマッチングまたはインタリーブの後に続くアルゴリズムで低減される。
【0044】
ブロックごとの反復に対して例えば次のアルゴリズムを使用することができる。 0≦i≦M−1+TのときZ(i)=S(i・(N+T)/(M+T))であり、すなわちメモリ内に存在する情報担体ビットはシーケンスS(0),S(0),. . . ,S(0),S(1),S(1),. . . ,S(1),S(2),S(2),. . . 内のダミービットの置換物として出力され、これによりそれぞれの情報担体ビットが複数回反復される。
【0045】
これに代えて第1の情報担体ビットを(M+T)/(N+T)回反復することもできるし、後続のビットをこれより1回減らして反復することもできる。 この手段は前述の選択手段よりも簡単であるが、第1の選択手段のほうが頻繁に送信されるビットを全ビットにわたって均等に分配できる。
【0046】
図2には本発明のターボ符号器の別の実施例が示されている。
【0047】
この実施例はダミービットの無視に関している。 相応の反復装置8、9により第1のパリティビットY(t)も系列ビットX(t)も反復され、一方パディング装置1は第2のパリティビットY'(t)を形成する下方の畳み込み符号器4の前方にのみ接続されている。 ビットシーケンスX(t),Y(t)の個々のビットを反復することにより、個々のビットシーケンスX(t),Y(t),Y'(t)内にデータブロックごとに出力されるビットの数の適合化が達成される。 この実施例では全てのデータブロックサイズN<Mについてターボ符号器2の出力側でのビットと同じ数が得られる(UMTSでは全体で3・N+12=3・40+12=132個の出力ビットが形成される)。
【0048】
データブロックサイズをターボ符号器2に必要な最小データブロック長Mへ適合させる問題は、データブロックの開始部での前述のパディング法に代えて、符号化すべき各データブロックをターボ符号器2の前方に接続された反復装置を用いてデータビットU(t)の反復によりターボ符号器3の最小ブロック長Mへ適合化させることによっても可能である。 ターボ符号器3そのものにはこうした手法においても変更は必要とされない。 反復は周期的に行ってもよいしまたブロックごとに行ってもよい。 つまり種々の複数ビットを順次に反復してもよいし、同一のビットを複数回反復してもよい。
【0049】
本発明を送信機、例えばUMTS移動無線送信機での使用のケースに則して説明したが、本発明はもちろん受信機に対しても拡張可能である。 ここで本発明により形成される送信信号はそれぞれデータブロック長の適合化に使用されるスキーマに応じて処理される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施例によるターボ符号器のブロック回路図である。
【図2】 本発明の第2の実施例によるターボ符号器のブロック回路図である。
【図3】 従来技術によるターボ符号器のブロック回路図である。
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