【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、2進デジタル・データをパーシャル・レスポンス・チャネル上で伝送する方法及び装置に関する。 特に本発明は、高レート変調ランレングス制限符号及び関連符号器及び最尤検出器を用い、 代数制限を有するトレリス符号により、制限入力を有するパーシャル・レスポンス・チャネルの出力シーケンス間の最小距離を増加するように、データ記憶装置の信頼性を改善する方法及び装置に関する。 【0002】 【従来の技術】次に本発明に関連する従来技術に関する参考文献を示す。 [A]米国特許第4888779号"Matched Spectral Null Trellis Codes For Partial Response Channel s. "(1989年12月19日認可)。 [B]米国特許第5257272号"Time-Varying Modu lo N Trellis Codes For Input Restricted Partial Re sponse Channels. "(1993年10月26日認可)。 [C]米国特許第5280489号"Time-Varying Vite rbi Detector For Control of Error Event Length. " (1994年1月18日認可)。 [D]米国特許出願番号第174904号(Docket SA9 93023)"Permuted Trellis Codes For Input Restricte d Partial Response Channels. "(1993年12月2 4日出願)。 【0003】データ記憶装置のパーシャル・レスポンス・チャネルは、P(D)=(1−D n )または(1+ D n )の形式のチャネル多項式を有し、ここでnは負でない整数である。 この形式のチャネルは、n個の別々の(1−D)チャネルまたはn個の別々の(1+D)チャネルにそれぞれインタリーブ解除(de-interleave)される点で、実際に実現する上での利点を有する。 【0004】参考文献[A]は、チャネル・パーシャル・レスポンス多項式内のスペクトル・ヌル(spectral n ull)に一致するように設計された、いわゆる一致スペクトル・ヌル(MSN:matched spectral null)・トレリス符号を用いて、符号化出力シーケンス間の最小距離を増加することにより、パーシャル・レスポンス記憶チャネルの信頼性を向上する方法を開示する。 参考文献[A]のビタビ(Viterbi)検出器は、検出シーケンスのスペクトル内容だけを追跡することにより、複雑化を低減する。 【0005】特定の検出器トレリスの"最小距離"(時にd 2 freeとして参照される)は、トレリス上の共通状態から発散し、共通状態に再併合する2つの異なるパスから生じるノイズレス・サンプル値のシーケンス間の2乗差の最小合計として定義される。 パーシャル・レスポンス最尤(PRML)検出において、最小距離は2であるが、参考文献[A]の第1位一致スペクトル・ヌル符号(the first-order matched-spectral null codes) は、最小距離を4に増加する。 有限パス・メモリを有するビタビ検出器における最小距離の増加の利点を実現するために、符号化シーケンス及び別の検出器トレリス・ シーケンスを含む任意の対のシーケンスが、有限数のサンプル内の距離を累算することが要求される。 符号が検出器トレリスを通過する複数の異なるパスにより表されるシーケンスとして定義される"準破局的(quasi-catas trophic)"シーケンスを含む場合、最小距離は有限サンプル数において累算されないので、符号がこうしたシーケンスを回避することが必要である。参考文献[A]は準破局的シーケンスを除去する方法について述べている。 【0006】参考文献[B]は、所望のチャネルにおいて従来のトレリス・パターンをN回繰返すビタビ検出器について述べている。 予め選択された関数がトレリスの各状態をモジュロNの特定の整数値に関連付けるように、チャネル応答トレリスのN個のコピーが相互接続される。 数値Nは、最小距離の発散エラー・シーケンスが、正しい検出器状態とは異なる検出器状態に導かれるように、チャネル検出及び符号化制限に従い選択される。 パーシャル・レスポンス・チャネルにおける出力シーケンス間の最小距離を増加するために、また準破局的シーケンスを除去するために、予め選択された関数により追跡されるモジュロNの特定の値だけが、mビット目ごとに許可される。 参考文献[B]に述べられる符号は、チャネルに対応する多項式のスペクトル・ヌルに一致しない。 【0007】参考文献[C]は、スペクトル・ヌルまたはスペクトル密度ヌルを有する符号を検出する時間的可変(time-varying)トレリス構造にもとづくビタビ検出器について述べている。 トレリスが出力シーケンスのスペクトル内容を追跡するトレリスからの状態及びエッジの選択的消去により、獲得される。 時間的可変構造が、 特定の準破局的シーケンスに対応するパスを取り除くことにより、エラー事象の長さの低減を提供する。 しかしながら、従来、所望の高符号レートを維持するために、 コードワード・ブロック長またはトレリス状態数を多大に増大することが必要であり、符号の増大及び検出器の複雑化を招いていた。 【0008】参考文献[D]は、シーケンス及びその後続のシーケンスのランニング・デジタル合計(RDS: running digital sum)値に依存する規則に従い連結されるシーケンスについて述べている。 検出器トレリス構造が、RDSまたはRDSモジュロN(RDS/Nの剰余)を追跡するサブトレリスを結合し、シーケンス連結規則に従い、サバイバ・メトリック(survivor metric s)及びサバイバ・シーケンスがサブトレリス境界において再度割当てられる。 結果の検出器トレリス構造が、 状態の周期的な置換(permutation)を要求するので、" 置換トレリス符号(permuted trellis code)"としても参照される。シーケンス及び連結規則は、再度符号化を実現し、検出器トレリスから準破局的シーケンスを除去し、最尤検出器の複雑化を制限し、以前に提案された方法に関するランレングス制限を改善するように、選択される。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これらの参考文献は、(1)指定エラー事象の検出を可能にするために、許容可能な符号シーケンスのセットにもとづき、代数制限を課する符号器を提供すること、(2) (i)受信サンプルから最もありうる2進シーケンスの予測を生成するだけでなく、(ii)検出シーケンスに関し、代数制限の違反を調査し、(iii)前記指定エラー事象の1つの発生を検出するために、こうした違反をフラグ化する検出器を提供すること、及び(3)前記エラー事象を訂正するために、拡大された時間的可変検出器トレリスを用いること、について提案していない。 【0010】 【課題を解決するための手段】パーシャル・レスポンス・チャネル上で、2進データをコードワードとして伝送するデータ記憶装置の信頼性を向上する装置及び方法が述べられる。 符号器が2進データから、コードワードに対して代数制限を課するトレリス符号を構成する。 この制限は互いに異なる出力シーケンスを、少なくとも1つの予め選択されたエラー事象により識別する所定の代数属性として課せられる。 【0011】検出器はチャネルから受信されたコードワードから、最もありうる2進出力シーケンスを生成する。 検出器は検出器トレリスから順次出力される記号から、繰返し代数属性の値を計算することにより、代数属性を追跡する。 少なくとも1つのコードワードの後尾のこの属性値は、代数制限の違反をフラグ化するために使用され、それにより任意の予め選択されたエラー事象の発生が検出される。 許容可能なチャネル入力シーケンスは単一の値または値のセットだけを、時間的に周期的に、予め指定された数の前記記号の最後に呈するように制限される。 【0012】検出器トレリスは、好適には、トレリスから予め選択された代数制限を満足しない全ての出力シーケンスを除去し、それにより任意の前記の予め選択されたエラー事象を訂正するように、時間的に可変に形成される。 チャネルがチェネル・メモリを含む非符号化パーシャル・レスポンス・チャネルの場合、トレリスはチャネル・メモリの現状態及び代数属性の現状態だけを組込むように構成される。 パーシャル・レスポンス・チャネルが内部符号を使用し、チャネル・メモリを含む場合には、トレリスは内部符号、チャネル・メモリ及び代数属性の現状態を組込む。 【0013】 【実施例】 【数3】 は以降「ハットX」と記載する。 【0014】 【数4】 は以降「ティルドX」と記載する。 【0015】図1に示されるように、例えば2進記号ストリング形式の入力データが、バス10から符号器11 に伝送される。 本発明によれば、符号器11は後述されるように、代数制限を有する2進符号記号シーケンスを生成する手段を含み、このシーケンスが、チャネル・メモリを表すシステム多項式P(D)を有するパーシャル・レスポンス・チャネル12への入力となる。 チャネル出力シーケンスがパーシャル・レスポンス・チャネル1 2により生成され、ノイズにより汚染され、本発明を実現する変更ビタビ検出器13により、チャネル出力において検出される。 変更ビタビ検出器13はチャネル出力シーケンスから、最もありうる符号化シーケンスを計算し予測する。 復号器14は変更ビタビ検出器13により計算されたこの予測により、元の入力データを回復し、 それをバス15に出力する。 【0016】本発明の特徴によれば、変更ビタビ検出器13は、検出シーケンスが符号器11により課せられる代数制限に違反するかどうかを調査し、指定エラー事象の発生を検出するために、こうした違反をフラグ化する回路(後述)を含む。 【0017】トレリス符号及びビタビ検出器は、P (D)=1±D n形式の特性多項式を有する非符号化パーシャル・レスポンス・チャネル、及びパーシャル・レスポンス・チャネルに対応する既存の内部符号を有するシステムのために設計される。 各チャネル入力シーケンスを、有限フィールドの特定の要素において評価される対応するチャネル入力多項式の値に関連付けるために、 有限フィールド演算が使用される。 有限フィールド及びフィールド要素は、最小距離エラー事象を形成するシーケンスに関連する値の差分が、非ゼロの値となるように選択される。 所望のチャネルに対応する従来のトレリス・パターンの相互接続が繰返されて、変更検出器トレリスが生成され、そこでは各状態がその状態に導くチャネル入力シーケンスの値(有限フィールド評価において決定される)に関連付けられる。 【0018】符号器11及び変更ビタビ検出器13は、 好適には上記参考文献[B]、[C]及び[D]において教示されるように、特定の多項式値だけがmビット目ごとに許可されるように、時間的に可変に形成される。 符号器11は、チャネル入力ビット・ストリームの多項式評価が、mビット目ごとに許可された値に帰するように、冗長チャネル入力ビットを付加することにより、この時間変化を提供する。 許容値は最小距離においてエラー・シーケンスが所定長を越えて拡張しないように選択される。 このように、記憶チャネルの信頼性が好適に向上される。 なぜなら、追加距離を越え、符号化シーケンスを誤って見分けるためには、より大きなノイズが必要となるからである。 【0019】ここで考慮される各パーシャル・レスポンス・チャネル多項式において、チャネル・メモリの状態は、最も最近のjビットのNRZ(non-return-to zer o)チャネル入力を含み、ここでjはパーシャル・レスポンス多項式の次数(degree)である。 パーシャル・レスポンス・チャネル及び内部チャネル符号を含むベースライン・システムでは、システム状態がチャネル・メモリと内部符号との結合状態から成る。 【0020】トレリス・シーケンス及びエラー事象は、 従来、D変換表記法(D-transformnotation)により表された。 ここでDはユニット遅延演算子である。 例えば、長さnの符号化シーケンスcは、次の多項式により表される。 【数5】 【0021】また、長さnのトレリス支援シーケンスt は、次式により表される。 【数6】 【0022】これらの差分に対応するエラー・シーケンスeは、次の差分多項式により表される。 【数7】 【0023】ここで、e i =c i −t i 【0024】ダイコード(dicode)・パーシャル・レスポンス・チャネルでは、P(D)=(1−D)であり、 長さrを有する最小距離2エラー事象が、次の形式の入力差分シーケンス多項式に対応する。 【数8】 【0025】チャネル入力シーケンスが、同一値を有するk+1個の連続記号よりも多くを有さないように制限されると、r≦k+1である。 【0026】次の最小距離(すなわち距離4)エラー事象は、次の形式の入力差分多項式に対応する。 【数9】 【0027】ここで、r及びsは最小距離2の2つの別個のエラー事象における相異なる連続ビット数である。 これは2つの事象が異なるためには、q>p+rであることを意味する。 【0028】ダイコード・チャネルにおける参考文献[A]の第1位スペクトル・ヌル符号は、全ての入力エラー事象がdcフリー、すなわちe(1)=0であることを要求する。 符号化システムは、次の形式の最小距離入力エラー事象を有する。 【数10】 【0029】ここで、q≧r 【0030】同様に、参考文献[B]は、全ての入力エラー事象がdcフリーのモジュロNであることを要求する。 【0031】詳細説明:本発明によれば、トレリス符号が符号器11(図9に関連して後述)を用いて構成される。 符号器11は、パーシャル・レスポンス・チャネル12の出力において、指定入力エラー事象(例えば最小距離)の識別を可能にする代数制限を課するための冗長性を追加する。 改善された変更ビタビ検出器13は、検出処理の間に、その改善された変更ビタビ検出器13からの検出器出力シーケンスの代数特性を追跡し、代数制限の違反をフラグ化することにより、トレリス内における指定入力エラー事象の1つの発生を効果的に検出する回路(図10に関連して後述)を有する。 指定入力エラー事象を訂正するために、変更ビタビ検出器13のトレリスは拡大され、好適には符号化シーケンスに対する代数制限を反映するように、時間的に可変に形成される。 【0032】本発明は説明の都合上、パーシャル・レスポンス・ダイコード(1−D)・チャネルに適用されるように述べられる。 しかしながら、本発明は次に述べるステップを実行することにより、異なるチャネル多項式を有するパーシャル・レスポンス・チャネルにも適用しうるものである。 【0033】A. ベースライン・システムによりサポートされるフラグ化されるべきエラー事象の選択(例えば、最小距離または次の最小距離)。 【0034】例えば、式(4)及び式(5)は、非符号化2進ダイコード・チャネルにおける最小距離入力エラー事象(最小距離2)及び次の最小距離入力エラー事象(最小距離4)のD変換をそれぞれ特徴づける。 式(6)は一致スペクトル・ヌル(MSN:matched-spec tral-null)符号化2進ダイコード・チャネルにおける最小距離入力エラー事象(最小距離4)を特徴づける。 【0035】B. 選択エラー事象の1つと異なるチャネル出力シーケンスを互いに見分けるために追跡される代数属性の選択。 例えば、属性が式(2)におけるD=α の多項式を評価することにより定義される。 ここでαは有限フィールドGF[q](GFはガロア体(Galois f ield)を意味する)内にある。 全ての指定エラー事象に対する式(3)のD=αにおける値は、非ゼロである。 【0036】有限フィールドGF[q]のように、乗算され加算される要素(例えば、モジュロNの整数のリング)を含む他の代数システムが使用されてもよい。 これらの他の代数システムを使用する場合、上述の方法も、 D=αにおける前記シーケンスのD変換多項式を評価することにより、指定セットにおいてエラー事象を形成するシーケンスを見分ける。 【0037】ハードウェアの複雑化を低減するために、 全ての指定エラー事象の評価が非ゼロの値に帰するように、モジュロNの整数の有限フィールドまたはリングが最小であるべきである。 【0038】C. 予め選択されたエラー事象を検出するために、長さnの各コードワードの後尾において追跡される属性値の範囲を限定するトレリス符号内の許容入力シーケンスを制限する。 これはベースライン・システムの予め選択された数のチャネル入力記号にパリティ記号を追加することにより、或いは長さnのコードワードを形成するシーケンスを直接選択することにより達成される。 それにより、任意の対の符号化入力シーケンスが、 選択エラー事象の1つと異なることが阻止される。 この制限は符号化出力シーケンス間の最小距離を増加させる。 【0039】符号化入力シーケンスcの許容値c(α) は、符号制限の仕様に特定の追加の冗長性を導入することにより規定される。 通常、許容される符号化入力シーケンスは、c(α)がL個の記号の各シーケンスの後尾に単一の値だけを周期的に呈するように制限される。 これは検出器出力シーケンスであるハットc(D)におけるハットc(α)の反復計算により、ターゲットのエラー事象e(D)の検出を可能にする。 このステップが実行されると、選択エラー事象が検出される。 【0040】D. 追跡される代数属性の許容値をトレリスの状態に組込むために、検出器トレリスを拡大する。 【0041】変更トレリスの状態が、D=αにおいて符号化入力シーケンスc(D)を評価することにより得られる許容値と同様に、パーシャル・レスポンス・チャネル・メモリを反映するように(すなわち、例えばダイコート・チャネルにおいて、最後の符号ビット値が0であるか1であるか)、ベースライン・システムをサポートするトレリスが拡大される。 ステップBにおけるGF [q]及びαの選択から、指定エラー事象(最小距離事象など)に対応する拡大トレリスのパスが個別の状態で終了する。 これは次に示すように、非符号化及び内部符号化パーシャル・レスポンス・チャネルの両方に当てはまる。 【0042】(a)(1±D)形式の非符号化パーシャル・レスポンス・チャネルでは、トレリスがチャネル・ メモリの状態及び追跡される代数属性の状態の両方を組込むことにより、トレリスの状態数を増加させる。 【0043】(b)内部符号を用いる(1±D)形式のパーシャル・レスポンス・チャネルでは、トレリスにチャネル・メモリを含む内部符号の状態と、追跡される代数属性の状態の両方を組込む。 【0044】E. 好適には、周期的な時間変化をトレリスに導入することにより、各コードワードの後尾において追跡される属性値に関する制限を満足しない全てのシーケンスを、拡大トレリスから除去する。 【0045】拡大トレリスにおける特定の状態及び相互接続を削除することにより、L個の記号の任意のシーケンスの後尾において、許容不能な値t(α)を生成するトレリス・シーケンスt(D)を削除することが可能になる。 その結果、トレリスは任意の選択エラー事象による符号シーケンスとは異なるシーケンスをサポートしない。 これにより関連するエラー事象e(D)が効果的に訂正され、検出器性能が変更符号化システムの拡大距離特性を反映することを可能にする。 【0046】選択代数制限をトレリスに組込むには、D =αεGF[q]において評価される次の値を追跡することが必要となる。 【数11】 【0047】前記式において、uはチャネル入力シーケンスを表す。 【0048】後述の特定の符号制限において、u 1 (α)≠u 2 (α)であることを認識すれば十分であり、 【数12】 【0049】従ってD=α ー1 εGF[q]において評価される次の値を等価的に追跡することができる。 【数13】 【0050】これは特定の要素β≠0に対して、前記のように記述することにより検証される。 【0051】次に、ホーナー(Horner)の規則(Richar d Blahutによる"Theory and Practice of Error Contro l Codes"、page 172に記載)により、ティルドu(D) が次のように評価される。 【数14】 【0052】もしvが次の記号u nを付加することにより、uから獲得されるシーケンスを表すのであれば、次のように表される。 【数15】 【0053】この式はベースライン・トレリスから拡大トレリスを生成するために使用される。 【0054】代数制限を有するトレリス符号: I. 次に示す例は、トレリスへの追跡される代数属性の組込みを表す。 【0055】第1の例として、GF[4]復号器トレリスにおいて、式(8)の多項式を評価する。 ここでD= α、√M(x)=x 2 +x+1である。 8状態を有する変更ビタビ検出器13が構成され、検出器の各状態がチャネル・メモリの特定の値、及びGF[4]におけるティルドu(α)の特定の値に関連付けられる。 トレリスの状態の相互接続が図2に示される。 図2の各状態はE、Fによりラベル付けされ、ここでEはティルドu (α)の最も最近の値であり、Fはチャネル・メモリの最も最近の値である。 図2の各分岐またはエッジは、G /Hによりラベル付けされ、ここでGはNRZ表記法におけるチャネル入力ビットであり、Hは理想ノイズレス・サンプル値である。 例えば、図2において、状態(α 2 ,1)を残す2つの分岐が存在する。 続く状態は式(8)の現在値にαを乗算し、最も最近の入力ビットを加算することにより獲得される。 α(α 2 )=α 3 =1なので、状態(α 2 ,1)の続く状態は(1+u n ,u n ) により与えられる。 ここで加算はフィールド演算により計算される。 u n =0と仮定すると、続く状態は(1, 0)となり、u n =1と仮定すると続く状態は(0, 1)となる。 【0056】第2の例として、GF[5]復号器トレリスにおいて、式(8)の多項式を評価する。 ここでD= α=2である。 10状態を有する変更ビタビ検出器13 が構成され、検出器の各状態はチャネル・メモリの特定の値、及びGF[5]におけるティルドu(2)の特定の値に関連付けられる。 トレリスの状態の相互接続が図3に示される。 図3の各状態はE、Fによりラベル付けされ、ここでEはティルドu(2)の最も最近の値であり、Fはチャネル・メモリの最も最近の値である。 図3 では冗長分岐ラベルは省かれている。 図3において、状態(4,1)を残す2つの分岐が存在する。 続く状態は式(8)の現在値に2を乗算し、最も最近の入力ビットを加算することにより獲得される。 2(4)=8=3 (モジュロ5)なので、続く状態は(3+u n ,u n )により与えられる。 ここで加算はフィールド演算により計算される。 u n =0と仮定すると、続く状態は(3, 0)となり、u n =1と仮定すると続く状態は(4, 1)となる。 【0057】II. 次に示す例は、最小距離4の新たな代数トレリス符号を生成する幾つかの既知の方法を、ダイコード(1−D)チャネルに適用する場合を表す。 【0058】現実的な変調符号を生成するために、トレリスは好適には参考文献[B]、[C]及び[D]で教示されるように、時間的に可変であるべきであり、シーケンスは最小距離を増大し、最小距離エラー事象の最大長を制限し、連続同一記号の許容ランレングスを制限するように選択されるべきである。 最小距離4の符号を生成するために、検出器はエラー事象に関連する判断、すなわち最小距離2の符号化シーケンスまたはトレリス・ シーケンスの選択において発生しうる判断から解放されなければならない。 これは符号内で使用可能な各最小距離2の対の特定のメンバを優先するように、検出器をプリバイアス(pre-bias)する追加の論理をこれらの判断に追加するか、或いは符号からシーケンスを削除することにより、これらの判断を除去することにより達成される。 図4の時間的可変トレリスは前者のアプローチを表し、図5のトレリスは置換トレリスを用いて符号からシーケンスを削除することにより、これらの判断を除去する。 【0059】最小距離エラー事象の最大長を制限するために、準破局的トレリス・シーケンスが時間的可変トレリスから削除される。 ランレングス制限される準破局的シーケンスの対が共通入力シーケンスから生じ、共通チャネル・メモリを有する1対の状態から発散(emanat e)しなければならない。 【0060】準破局的シーケンスを削除する1つの方法は、チャネル・メモリの各値に対応する複数の状態対を時間的に周期的に許可する。 ここで(x 0 ,x 1 )を、2 つのこうした準破局的シーケンスの初期状態ラベルとして使用される式(8)の初期値とする。 長さLビットの共通入力シーケンスがこれらの各状態から許可されると、式(8)の値はLビット後に(D L x 0 +y,D L x 1 +y)となる。 ここでyは最後のLビットに対して、式(8)に共通に寄与する。 状態値の初期の差分x 0 −x 1 は、D L (x 0 −x 1 )となる。 Lビット後にチャネル・ メモリの共通値を有する状態対だけが、D L (x 0 − x 1 )に等しくない状態値の差分を有する場合に、この準破局的振舞いが削除される。 参考文献[C]は、時間的可変MSNトレリスの例においてこの方法を使用し、 ここではDが1であり、周期的に許容される状態対が、 近接するRDS値及びそうでないRDS値を交互に有する。 図4及び図5は、それぞれGF[4]及びGF [5]上のレート8/10の符号に対応する時間的可変トレリスにおいて、この方法を使用する。 【0061】準破局的シーケンスを削除する別の方法は、チャネル・メモリの各値に対応する1状態だけを、 時間的に周期的に許可する。 これは図6のGF[3]上のレート9/15符号に対応する時間的可変ダイコード・トレリスにおいて表される。 図6の符号において使用される各コードワードは、高々2つの連続する同一記号のランレングスを含む。 【0062】本発明によれば、符号の最小距離を少なくとも6に増加し、ベースライン・ビタビ検出器において最小距離4の事象を検出するために、MSNトレリス符号が次に述べるように増補される。 説明の都合上、MS N符号のコードワードは、以降では"ブロック"と呼ばれる。 符号が準破局的でない場合、最小距離2の発散シーケンスが制限され、最小距離4で再併合する発散シーケンスもLビット内に制限される。 ここでLは特定のMS N符号の特性により決定される。 最小距離4のMSNトレリス上で再併合するシーケンスc及びtは、式(6) の特殊な場合に相当し、(上記ステップAごとに)フラグ化のために選択される事象の多項式が、次のように表される。 【数16】 【0063】式(12)が(ステップBごとに)有限フィールド上で評価され時、式(12)の右辺の3つの項の各々が非ゼロであれば、e(D)は非ゼロである。 有限フィールドにおいてD≠1の場合、次式が成り立つ。 【数17】 【0064】但し、式(13)は次式を前提とする。 【数18】 【0065】D=αが十分に大きなフィールドGF [q]における基本要素の場合、rを拘束するランレングス制限、及びn−m<Lに制限するMSN最小距離事象長が与えられると、式(12)は非ゼロである。 【0066】次に(ステップCごとに)、少なくとも1 つの冗長ブロックが一連のhブロックに追加され、h+ 1のブロックのあらゆるコードワードが、GF[q]上で定義される代数値を有するように保証される。 変更ビタビ検出器13は、h+1のブロックの各コードワードの値を計算し、定義値が一致しない場合に、最小距離エラーが検出されたことを宣言する回路(後述)を含む。 【0067】追跡される代数属性の値を組込むように、 (ステップDごとに)検出器トレリスを拡大することにより、またh+1のブロックの各コードワードの後尾における追跡代数属性の値に対する制限を反映するように、(ステップBごとに)拡大トレリスに時間変化を導入することにより、時間的可変拡大トレリスにもとづく変更トレリス符号及びビタビ検出器を含むシステムが、 ベースライン・システムにおいて距離4の事象を効果的に訂正する。 【0068】特定の例では、MSN符号はレート6/8 符号であり、そこでは各8ビット・ブロックがdc平衡化され、最小距離4の事象が8ビット内で再併合する。 表1及び以降で参照される他の全ての表については、付録の中で説明される。 表1は64ブロックの名目セットが選択される68の可能なブロックをリストする。 これらのブロックは、8ビット目ごとに単一の許容RDS値を有する6状態時間的可変トレリス(図7参照)により定義される。 【0069】参考文献[C]において開示される方法により、図7に示されるチャネル・メモリ及び内部符号を組込む時間的可変RDSトレリス検出器13が構成される。 時間的可変RDS検出器は、任意の瞬間に高々6つのトレリス状態を有する。 【0070】図8は、瞬間0、1、. . . 、7における時間的可変RDS検出器トレリスの8つのステージを示す。 図8の各状態は(F,J)により指定され、Fは値0または1を取る(1−D)チャネル・メモリを示し、 JはRDS値を表す。 偶数の瞬間には、RDS値は− 2、0または2であり、奇数の瞬間にはRDS値は− 3、−1、1または3である。 状態(F,J)から(F',J')へのエッジに関連付けられるラベルG/H は、F'/(F'−F)であり、ここで図2に示されるように、GはNRZ表記法のチャネル入力ビットであり、 Hは理想ノイズレス・チャネル出力サンプル値である。 RDS値は関係J'=J+(−1) (F'+1)を満足する。 換言すると、トレリス内の相互接続は、チャネル入力ビットF'に対し、規則(F,J)→(F',J+(−1) (F'+1) )を満足する 【0071】図8に表されるチャネル出力シーケンス間の最小距離が4であることが検証される。 【0072】図8の検出器トレリスにより、(ステップAごとに)許容される最小距離の出力エラー事象は、次の形式のいずれかの入力エラー事象に対応する。 【数19】e(D)=±D m (D n −1) (15) 【0073】ここで、n=2、3、4、5、6または7、或いは、 【数20】 e(D)=±D m (D n −1)(D+1) (16) 【0074】ここで、n=3、4、5または6 【0075】ガロア体GF[q]及びGF[q]の要素βは、GF[q]上でのe(β)の多項式評価が全ての最小距離エラー事象に対して非ゼロであるように、(ステップBごとに)求められる。 この符号に対してフィールドGF[9]が使用され、ここでGF[9]はGF [3]からの係数を有する原始多項式、 【数21】M(x)=x 2 +x+2 【0076】をモジュロ(法)とする多項式剰余クラスにより表される。 【0077】βが多項式xの剰余クラスを表すと仮定すると、表2は便宜上、βの累乗並びに底3表記をリストする。 GF[9]上でD=βにおいて評価される時、上述のエラー事象における多項式が非ゼロであることが直接検証されうる。 表3はGF[9]上において、表1の6/8符号の可能な符号シーケンスに対して、式(8) の多項式を評価するものであり、評価結果が底3表記で示される。 【0078】後述のように、(ステップCごとに)追加ブロックが符号器11により一連のhブロックに追加され、GF[9]上でh+1ブロックの各コードワードの後尾において追跡される属性の値が0(0)であることが保証される。 これは結果的に生じる符号から、全ての距離4エラー事象を削除し、それにより最小距離を6に増加する。 【0079】この特定の例では、レート6/8符号の任意の一連のhブロックに対して4つの冗長ブロックが存在し、それらの任意の1つがその一連のブロックに追加され、h+1の連結8ビット・ブロックの代数属性が所定値、例えば0となることを強要する。 【0080】これはトレリス符号のレートRが、 【数22】R=(6h+2)/(8h+8) 【0081】の形式であることを意味する。 ここで分子はユーザ・ビットの総数を表し、分母は符号化ビットの総数を表す。 表4は冗長ブロックを底3表記のデータ多項式評価と2つのユーザ・ビットとの関数として示す。 【0082】最小距離エラー事象を検出するために、変更ビタビ検出器13は後述のように、GF[9]において代数属性を追跡し、h+1の連続検出ブロックの各コードワードの後尾において追跡される属性値を、所定値0と比較する回路により拡張される。 【0083】拡大トレリスは、図8に示される6/8符号トレリスの9つのコピーを相互接続し、54状態トレリス(図示しないが後述される)を形成することにより、獲得される。 トレリスの各状態は、最も最近のチャネル・メモリ、RDSの値及びGF[9]上で計算された代数属性の値を示す3個組(3-tuple)によりラベル付けされる。 トレリスは6/8トレリス符号の基礎構造を反映し、またGF[9]上でh+1のブロックの各コードワードの後尾において、所定値(0)だけを容認するように、(ステップEごとに)時間的に可変に形成される。 従って、変更拡大トレリスは、拡張レート6/8 符号の最小距離6を反映する。 【0084】より詳細には、ステップD及びEを実施するために、拡大トレリスの状態が(E,F,J)により指定され、ここでF及びJは、図8に示されるベースライン検出器トレリスの場合と同一の意味及び範囲を有し、EはGF[9]における追跡属性値である。 拡大トレリスの相互接続は次の規則、すなわち 【数23】 【0085】を満足し、座標値E・β+F'は表2により評価される。 【0086】拡大トレリスの相互接続もまた、追跡属性に関する時間依存制限(属性がh+1のブロックの各コードワードの後尾において、値E=0を取ることを要求する)と同様に、ベースライン検出器トレリスにより課せられる時間的に可変な制限に整合しなければならない。 【0087】拡大54状態トレリスの最初の4つのステージの状態が、表5の例により示される。 【0088】図9に表されるように、本発明によれば、 符号器11は従来のレート6/8符号器82、レジスタ83、マルチプレクサ(MUX)84、GF[9]上のブロック多項式評価器86、GF[9]加算器87、レジスタ88、及び冗長ブロック発生器89を含む。 従来のレート6/8符号器82、ブロック多項式評価器86 及び冗長ブロック発生器89は、論理回路により実現されるか、或いは図示のように、表1、表3及び表4の内容をそれぞれ含む読出し専用メモリ(ROM)として実現される。 【0089】6ビット・ユーザ・データ・バス80は、 6ビット・データ・ワードを従来のレート6/8符号器82に伝達する。 従来のレート6/8符号器82は各6 ビット・ワードに対応して、表1にリストされるものの中から特定の8ビット・ブロックc iを生成する。 このようにして生成される各ブロックはレジスタ83に記憶され、またブロック多項式評価器86にも供給される。 ブロック多項式評価器86は表3に示されるように、各ブロックに対応して、GF[9]における代数属性の特定の値を生成する。 GF[9]加算器87は代数属性のこの特定の値を、レジスタ88からフィードバックされる代数属性の累算値と結合する。 【0090】従来のレート6/8符号器82は個数hの連続6ビット・データ・ワードを符号化し、生成された8ビット・ブロックをレジスタ83を介してMUX84 に渡す。 MUX84は信号線81の信号により、符号化された8ビット・ブロックを符号化出力バス85に渡すように制御される。 個数hの連続データ・ワードが符号化された後、2つの追加データ・ビットが第2のバス9 1を介して、冗長ブロック発生器89に供給される。 バス91からの2データ・ビット及びレジスタ88からの累算属性値が、冗長ブロック発生器89に供給され、冗長ブロック発生器89が表4に従い冗長ブロックを生成する。 この冗長ブロックがMUX84に供給される。 【0091】制御ライン81が次に相補信号をMUXに供給し、それによりMUX84は、冗長ブロック発生器89からの冗長ブロックを符号化出力としてバス85に送信するように状態を変化する。 リセット信号がその際、制御ライン90を介してレジスタ88に供給され、 その内容が値0にリセットされ、レート(6h+2)/ (8h+8)符号に対する符号化サイクルが完了する。 【0092】図10に表されるように、本発明によれば、変更ビタビ検出器13は、検出シーケンスの代数属性値を追跡し、符号器11により課せられる代数制限の違反をフラグ化することにより、予め選択されたエラー事象の発生を検出する回路99を含む。 【0093】変更ビタビ検出器13からバス100上に受信される検出ブロック、すなわちハットc i (i= 0、. . . 、h)が順次レジスタ101に記憶される。 属性評価器102が、表3の累算値に対応する値v iを生成する。 この値v iがGF[9]加算器103の一方の入力として供給される。 レジスタ104は、以前に検出されたブロックすなわちハットc j (j= 0、. . . 、i−1)に対応する追跡代数属性の値を記憶する。 この追跡値は有限フィールド・マルチプレクサ109を介してフィードバックされ、加算器103の他方の入力を提供する。 【0094】h+1ブロックの最後のブロックの追跡属性の累算値がレジスタ104に記憶された後、信号線1 06の信号に応答して、その累算値が比較器107(0 との比較器として表される)に供給される。 比較器10 7は比較の論理結果をエラー・フラグ信号線108に伝達する。 エラー・フラグ信号線108の単一ビット信号は、累算属性値が0に等しい場合(すなわち代数制限違反が存在しない場合)、論理値0を有し、それ以外では(すなわち違反が存在する場合)、値1を有する。 制御ライン106からの遅延信号が次にレジスタ104を0 にリセットする。 【0095】GF[9]と共にレート6/8符号を用いる上述の特定の例では、定数γがβ 8に等しく、GF [9]ではこれが1に等しいため、固定マルチプレクサ回路109が削除できる。 【0096】本発明はダイコード(1−D)・チャネルに適用されるように述べられてきたが、当業者には、本発明が本明細書の従来の技術で述べられた異なるチャネル多項式P(D)を有するパーシャル・レスポンス・チャネルにも適用可能であることが理解されよう。 更に上述のように、8h+8ビットの各コードワードの後に代数制限の違反をフラグ化することが好適ではあるが、違反が各一連の予め選択された数のコードワードの後にフラグ化されてもよい。 また本発明の精神、範囲及び教示を逸脱することなしに、開示された実施例において、その形態及び詳細に関する様々な変更が可能である。 【0097】まとめとして、本発明の構成に関して以下の事項を開示する。 【0098】(1)パーシャル・レスポンス・チャネル上で2進データをコードワードとして伝送するデータ記憶装置の信頼性を改善する方法であって、所定の代数属性に対して予め指定された代数制限を有するトレリス符号を構成するステップと、前記チャネルからの連続出力シーケンスを分析し、予め選択されたエラー事象を検出するために、前記代数属性を追跡するステップと、チャネル・メモリ及び前記代数属性の現状態を含む拡大検出器トレリスを提供するステップと、各少なくとも1つの前記コードワードの後尾において追跡される前記代数属性の値に対して前記予め指定された代数制限を満足しない全ての出力シーケンスを前記トレリスから除去するように、前記トレリスに時間変化を追加し、前記エラー事象を訂正するようにする前記追加ステップと、を含む、 方法。 (2)非符号化パーシャル・レスポンス・チャネルにおいて、前記チャネル・メモリ及び前記代数属性の前記現状態だけを組込むように、前記トレリスを構成するステップを含む、前記(1)記載の方法。 (3)内部符号を使用するパーシャル・レスポンス・チャネルにおいて、前記チャネル・メモリ及び前記代数属性の前記現状態と同様に、前記内部符号の現状態も組込むように前記トレリスを構成するステップを含む、前記(1)記載の方法。 (4)パーシャル・レスポンス・チャネルに関連付けられた検出器トレリスから、出力シーケンス内の予め選択されたエラー事象をフラグ化することを可能にする代数制限を有するコードワードを生成する符号により、データ記憶装置の信頼性を改善する方法であって、前記予め選択されたエラー事象と異なる前記出力シーケンスを見分ける前記代数属性を選択するステップと、任意の出力シーケンス対が前記予め選択されたエラー事象と異なることを防止するために、許容チャネル入力シーケンスを前記代数属性値の範囲を限定する前記符号内の前記シーケンスに制限するステップと、前記トレリスから順次出力される記号から、前記代数属性値を繰返し計算し、各少なくとも1つの前記コードワードの後尾に、前記代数制限の違反をフラグ化するステップと、を含む、方法。 (5)前記制限ステップの間に、予め指定された数の前記記号の後尾に周期的に単一の値だけを呈するように、 前記許容入力シーケンスを制限するステップを含む、前記(4)記載の方法。 (6)前記代数属性が、 【数24】 として表される(tがトレリスによりサポートされる長さnのシーケンスであり、Dが乗算され加算される要素を含む代数システムの要素αに等しい)、前記(4)記載の方法。 (7)前記エラー事象を識別する前記代数属性が、 【数25】 として表される(ei =c i −t iであり、c iは長さnの符号化シーケンスであり、tはトレリスによりサポートされる長さnのシーケンスであり、要素αは、D=αにおける前記予め選択されたエラー事象に対応するe (D)の全ての値が、予め選択された値と異なるように、有限ガロア体において選択される)、前記(4)記載の方法。 (8)前記予め選択された値が0である、前記(7)記載の方法。 (9)D=αにおける前記予め選択されたエラー事象に対応するe(D)の全ての値が、予め選択された値と異なるように、前記有限フィールドが最小の前記有限フィールドである、前記(7)記載の方法。 (10)パーシャル・レスポンス・チャネル上で2進データをコードワードとして伝送するデータ記憶装置の信頼性を改善する方法であって、前記チャネルへの前記コードワードの許容入力シーケンスを、前記コードワード内の連続記号から計算される各前記コードワードの後尾の代数属性値に対して予め指定された代数制限を有するトレリス符号内の前記シーケンスに制限するステップと、各前記コードワードの後尾における前記代数属性値を分析し、予め選択されたエラー事象により、前記チャネルからの許容出力シーケンスとは異なる出力シーケンスを識別する分析ステップと、を含む、方法。 (11)予め指定された長さの各周期の最後において周期的に単一の値だけを呈するように、前記許容入力シーケンスを制限するステップを含む、前記(10)記載の方法。 (12)パーシャル・レスポンス・チャネル上で2進データをコードワードとして伝送するデータ記憶装置の信頼性を改善する方法であって、所定の代数属性に対して予め指定された代数制限を有するトレリス符号を構成するステップと、前記チャネルからの連続出力シーケンスを分析し、複数の予め選択されたエラー事象の任意の1
つを検出するために、前記代数属性を追跡するステップと、チャネル・メモリ及び前記代数属性の現状態を含む拡大検出器トレリスを提供するステップと、各少なくとも1つのコードワードの後尾において追跡される前記代数属性値に対する前記予め指定された代数制限を満足しない全ての出力シーケンスを前記トレリスから除去するように、前記トレリスに時間変化を追加し、前記複数のエラー事象の任意の1つを訂正するようにする前記追加ステップと、を含む、方法。 (13)パーシャル・レスポンス・チャネル上で2進データをコードワードとして伝送するデータ記憶装置の信頼性を改善する装置であって、前記コードワードに対して予め指定された代数制限を課し、予め選択されたエラー事象の検出を可能にするトレリス符号を、前記2進データから構成する符号器と、前記チャネルから受信された前記コードワードから、最もありうる2進出力シーケンスを生成し、前記代数制限の違反のために前記出力シーケンスを調査し、前記予め選択されたエラー事象の発生を検出するために前記違反をフラグ化する回路を含む検出器と、を含む、装置。 (14)前記符号器が前記代数制限を、前記予め選択されたエラー事象とは異なる出力シーケンスを識別する所定の代数属性として課し、前記検出器が前記チャネルからの連続出力シーケンスを分析し、前記予め選択されたエラー事象を検出するために、前記代数属性を追跡する、前記(13)記載の装置。 (15)前記検出器が、前記予め指定された代数制限を満足しない全ての出力シーケンスを前記トレリスから除去するように、時間的に可変に生成されるトレリスを有し、前記予め選択されたエラー事象を訂正する、前記(13)記載の装置。 (16)前記チャネルがチャネル・メモリを含む非符号化パーシャル・レスポンス・チャネルであり、前記トレリスが前記チャネル・メモリ及び前記代数属性の前記現状態だけを組込むように構成される、前記(15)記載の装置。 (17)前記パーシャル・レスポンス・チャネルが内部符号を使用し、チャネル・メモリを含み、前記トレリスが前記内部符号、前記チャネル・メモリ及び前記代数属性の現状態を組込む、前記(15)記載の装置。 (18)パーシャル・レスポンス・チャネル上で2進データをコードワードとして伝送するデータ記憶装置の信頼性を改善する装置であって、前記コードワードに対して、各前記コードワードの後尾に、代数属性値に対して予め指定された代数制限を課する手段を含む符号器と、
i)前記トレリスから順次出力される記号に適用される反復計算により、前記代数属性値を追跡し、ii)各コードワードの後尾において追跡される前記代数属性値を分析し、前記代数制限の違反をフラグ化するトレリス及び回路を含む検出器と、を含む、装置。 (19)前記チャネルがチャネル・メモリを含み、前記トレリスが前記チャネル・メモリと前記代数属性の両方の現状態を含むように拡大される、前記(18)記載の装置。 (20)前記トレリスが、前記予め指定された代数制限を満足しない全ての出力シーケンスを前記トレリスから除去するように時間的に可変に形成され、前記予め選択されたエラー事象を訂正する、前記(18)記載の装置。
【0099】 【発明の効果】本発明の実施により、記憶チャネルの信頼性が好適に向上される。 【表1】 【表2】 【表3】 【表4】 【表5】 【図面の簡単な説明】 【図1】変更符号器、パーシャル・レスポンス・チャネル、変更ビタビ検出器及び復号器を含む、本発明を実現するデータ記憶システムのブロック図である。 【図2】ガロア体GF[4]上において、ダイコード(1−D)チャネル・メモリ及び代数追跡属性を組込んだトレリスを表す図である。 【図3】ガロア体GF[5]上において、ダイコード(1−D)チャネル・メモリ及び代数追跡属性を組込んだトレリスを表す図である。 【図4】最小距離が4で、準破局的シーケンスを有さないGF[4]上のレート8/10時間的可変ダイコード・トレリスを表す図である。 【図5】最小距離が4で、準破局的シーケンスを有さないGF[5]上の置換レート8/10時間的可変ダイコード・トレリスを表す図である。 【図6】最小距離が4で、準破局的シーケンスを有さないGF[3]上のレート9/15時間的可変ダイコード・トレリスを表す図である。 【図7】dc平衡化されたレート6/8符号の時間的可変RDS制限を示す図である。 【図8】ダイコード・チャネルにおける図7に示されるレート6/8符号の検出器トレリスを表す図である。 【図9】ダイコード・チャネル上において最小距離6を有し、レートがR=(6h+2)/(8h+8)形式のトレリス符号に対応して、本発明により構成される符号器を表す図である。 【図10】検出シーケンスの代数属性を評価し、図1の符号器により課せられる代数制限の違反をフラグ化する回路を表す図である。 【符号の説明】 3 底 10、15 バス 11 符号器 12 パーシャル・レスポンス・チャネル 13 変更ビタビ検出器 14 復号器 80 6ビット・ユーザ・データ・バス 81、90、106 信号線、制御ライン 82 従来のレート6/8符号器 83、88、104 レジスタ 84 マルチプレクサ(MUX) 85 符号化出力バス 86 GF[9]上のブロック多項式評価器 87 GF[9]加算器 89 冗長ブロック・レジスタ 99 回路 101 順次レジスタ 102 属性評価器 109 有限フィールド・マルチプレクサ、固定マルチプレクサ回路 103 加算器 107 比較器 108 エラー・フラグ信号線 |