【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、例えばデジタル通信において、信号点をマッピングする場合、並びに伝送されてきた信号点を検出する場合に用いて好適な信号点マッピング方法および信号点検出方法に関する。 【0002】 【従来の技術】図16は、従来のデジタル信号伝送装置の構成例を示している。 情報源1は、伝送すべきデジタル信号を発生する。 符号化器2は、例えば図17に示すように構成され、この例の場合、(x3x2x1)の3 ビットのデータを、(y3y2y1y0)の4ビットのデータに符号化し、出力するようになされている。 【0003】この例においては、入力された3ビットのデータx3,x2,x1は、そのまま出力の上位3ビットy3,y2,y1とされる。 出力のLSBとしてのy 0は、レジスタ11乃至13と、排他的論理和回路1 4,15により構成される演算器により、x2とx1を演算して生成されるようになされている。 【0004】即ち、x1が、レジスタ11にラッチされているデータと排他的論理和回路14において排他的論理和が演算され、その結果がレジスタ12にラッチされるようになされている。 そして、レジスタ12にラッチされたデータとx2との排他的論理和が排他的論理和回路15において演算され、レジスタ13に保持されるようになされている。 そして、レジスタ13に保持されたデータが、出力y0として出力されるとともに、レジスタ11に戻されるようになされている。 【0005】このように、この符号化器2は、符号化率3/4、拘束長4の畳み込み符号化器を構成している。 x1とx2に対応するビットが、実質的な畳み込み符号化に関与し、x3に対応するビットが、所謂パラレルパスに対応している。 【0006】このように、符号化器2より4ビットの出力が得られるが、この4ビットの情報を伝送するには、 例えば、PSK、QAMなどのトレリス符号化変調方式で変調して伝送路5に伝送することが、雑音による影響を軽減するために有効である。 【0007】例えばデジタル変調方式として、16QA Mを用いるものとすると、マッピング回路3において、 16QAMに対応するマッピングが行われた後、変調器4において、マッピングされた信号点に対応して搬送波の変調が行われる。 【0008】この16QAMは、4ビットの情報を、例えば図18に示すような16個の信号点に割り当て、各信号点の情報を搬送波の振幅と位相に対応させて伝送するものである。 【0009】図18に示す16個の各信号点は、直行する2つの成分に分解することができる。 この2つの成分は、例えば、cos成分(I成分)とsin成分(Q成分)として考えることができる。 このため、図18に示すようにスケーリングした場合、16個の各信号点Si (S0乃至S15)のうち、例えばS9は、次式で表すことができる。 Si=3cosωt+3sinωt ・・・(1) ここで、ωは搬送波の角周波数であり、tは時間である。 【0010】上記(1)式は、信号点SiのI成分をS ii 、Q成分をS iqとするとき、次式で一般化することができる。 Si=S ii ×cosωt+S iq ×sinωt ・・・(2) 【0011】図18に示す16個の信号点S0乃至S1 5を、4ビットの情報(y3y2y1y0)に、マッピング回路3においてマッピングし、そのマッピング結果に対応して、変調器4において搬送波の振幅と位相を変調する。 即ち、搬送波とI成分とを乗算するとともに、 搬送波を90度移相した信号とQ成分とを乗算し、両者を加算して出力する。 このとき、マッピングをランダムに行うと、伝送路5における雑音の影響を受け易くなる。 【0012】そこで、図19に示すように、所謂セット分割法を用いて、16個の信号点を8個のサブセット(グループ)に分割する。 【0013】即ち、図19に示すように、16個の信号点を、信号点間の最小距離が最大となるように、2つのサブセットに分割する。 そして、各サブセットを、各信号点間の最小距離が最大となるように、さらに2つのサブセットに分割し、その結果得られた各サブセットをさらにまた2つのサブセットに分割する。 このように、各サブセットが2個の信号点を有するように分割すると、 図20に示すような8個のサブセット0乃至7が得られる。 これらの各サブセット0乃至7は、パラレルパスに対応するMSBを除く下位3ビットが同一の2つの信号点を含んでいる。 【0014】サブセット0は、信号点S0((y3y2 y1y0)の4ビットで表すと、0000)とS8(1 000)を含んでいる。 また、サブセット1は、信号点S1(0001)とS9(1001)を含み、サブセット2は、S2(0010)とS10(1010)を含み、さらにサブセット3は、信号点S3(0011)とS11(1011)を含んでいる。 【0015】同様に、サブセット4乃至7は、信号点S 4(0100)とS12(1100)、S5(010 1)とS13(1101)、S6(0110)とS14 (1110)、並びにS7(0111)とS15(11 11)を含んでいる。 即ち、文字Sに付加して示す数字は、4ビットのデータを10進数で表したものとなっている。 【0016】図20に示すサブセット0乃至7において、2つの信号点をパラレルパスに対応するMSBのいずれに割り当てるかは、セット分割法に定められておらず、任意に割り当てることができる。 例えば、サブセット0において、2つの信号点S0とS8を、図21 (a)に示すように、左上方の点をS8に、中央より若干右下の点をS0に、それぞれ割り当てることもできるし、図21(b)に示すように、その逆に割り当てることも可能である。 【0017】このようにして、図20に示すように、マッピング回路3でマッピングされたデータが、変調器4 に入力され、搬送波の位相と振幅を、その信号点に対応して変調して伝送路5に伝送される。 即ち、変調器4 は、信号点Siに対応して、上記(2)式で表される搬送波を生成し、伝送路5に出力する。 【0018】このように、伝送路5に伝送された搬送波は、図22に示すような構成の受信装置で受信される。 即ち、復調器31は、伝送路5より伝送されてきた搬送波を直交検波してI,Q成分を検出する。 このI,Q成分は、例えばビタビ復号器などよりなる復号器32に入力され、3ビットのデータ(x3x2x1)に復号される。 【0019】この復号器32において復号を行うためには、受信された信号点(I,Q成分により特定される) が、図20に示す16個の信号点S0乃至S15のいずれに対応するのかを判定する必要がある。 例えば、図2 3に示すように、復調器31により復調して得られた信号点をPとするとき、復号器32においては、この信号点Pと、各サブセット0乃至7の信号点S0乃至S15 とのユークリッド距離の2乗を求める。 そして、最も距離が短い信号点が、信号点Pに対応する信号点として選択される。 図23の例においては、信号点Pは、信号点S8と最も近いため、この信号点Pは信号点S8として、即ち、データ1000として復号される。 【0020】ところで、上記(2)式で示すように変調された信号の復調を行う際、直交検波して得られたI成分とQ成分から搬送波の再生を行う。 そして、再生搬送波と受信信号を乗算してI成分を再生するとともに、再生搬送波を90度移相した信号と受信信号を乗算してQ 成分を再生する。 【0021】16QAMのように、90度対称なシステムにおいては、所謂コスタスループにより搬送波再生が行われる場合がある。 この方法により、搬送波再生を行うと、90度の整数倍の不確定性が発生する。 即ち、必要とされる搬送波の位相と、再生された搬送波の位相との間に、90度、180度または270度の位相ずれが発生することがある。 【0022】例えば、位相ずれが起きない場合において、図23に示すような信号点Pが受信されるものとすると、90度の位相ずれが発生すると、信号点Pは各サブセット0乃至7において、図24に示すような位置に配置されることになる。 【0023】例えば、復号器32において、ビタビ復号が行われる場合、各サブセット0乃至7毎に、受信信号点の尤度を表すブランチメトリックとパラレルパスの情報が抽出される。 ブランチメトリックとしては、受信信号点と各サブセット内に含まれる信号点とのユークリッド距離の平方の最小値が演算される。 即ち、図23または図24における各信号点S0乃至S15と、信号点P との距離の自乗の最小値が選ばれる。 【0024】そして、最小のブランチメトリックを有する信号点に割り当てられたパラレルパスの情報も抽出される。 図17の例においては、x3がパラレルパスに対応する情報となる。 【0025】図24に示すように、再生搬送波(従って、受信信号点)の位相が90度だけずれた場合、基本的には、各サブセット0乃至7におけるブランチメトリックは正しい値ではなくなるため、信号点Pの位置を、 図23に示すように、正しい位置に戻した上で、各サブセット0乃至7において、正しいブランチメトリックを演算し直す必要がある。 【0026】しかしながら、実際には、そのような演算を行わなくとも、次のようにして、正しいブランチメトリックを得ることができる。 即ち、例えば、信号点Pが90度回転した場合、サブセット0における正しい信号点Pと信号点S0との2乗ユークリッド距離と、信号点Pと信号点S8の2乗ユークリッド距離は(即ち、図2 3におけるサブセット0のブランチメトリックは)、図24のサブセット1の信号点Pと信号点S9の2乗ユークリッド距離と、信号点Pと信号点S1の2乗ユークリッド距離(図24におけるサブセット1のブランチメトリック)に等しい。 【0027】また、サブセット1における正しい信号点Pと信号点S9との間の2乗ユークリッド距離と、信号点Pと信号点S1との間の2乗ユークリッド距離は(図23におけるサブセット1のブランチメトリックは)、 図24のサブセット2において演算される値と等しい。 即ち、図24のサブセット2の信号点Pと信号点S10 の2乗ユークリッド距離と、信号点Pと信号点S2の2 乗ユークリッド距離は、図23のサブセット1の信号点Pと信号点S9の2乗ユークリッド距離と、信号点Pと信号点S1の2乗ユークリッド距離に、それぞれ等しい。 【0028】同様に、図23のサブセット2における正しいブランチメトリックは、図24のサブセット3において演算されたブランチメトリックと対応しており、図23のサブセット3における正しいブランチメトリックは、図24のサブセット0において演算されたブランチメトリックと対応している。 【0029】さらにまた、図23のサブセット4の正しいブランチメトリックは、図24のサブセット5において演算されたブランチメトリックに対応しており、図2 3のサブセット5における正しいブランチメトリックは、図24のサブセット6において演算されたブランチメトリックに対応しており、図23のサブセット6における正しいブランチメトリックは、図24のサブセット7において演算されたブランチメトリックに対応しており、図23のサブセット7における正しいブランチメトリックは、図24のサブセット4において演算されたブランチメトリックに対応している。 【0030】従って、実際には、搬送波の位相が90度回転している場合、ブランチメトリックを演算し直すのではなく、0→1→2→3→0の順に、隣接するサブセットで得られたブランチメトリックをそのまま用いることができる。 同様に、4→5→6→7→4の順で、隣接する番号のサブセットのブランチメトリックを用いることができる。 【0031】 【発明が解決しようとする課題】このように、搬送波の位相が90度回転している場合、隣接するサブセットで演算されたブランチメトリックを転用することが可能であるが、パラレルパスに対応する情報は、信号点Pを9 0度だけ元に戻した状態にして検出しなければならなかった。 【0032】即ち、例えば信号点Pが90度回転している場合、サブセット0の正しいブランチメトリックは、 サブセット1において演算されているのであるが、例えば図24のサブセット0を90度時計方向に回転した場合において、信号点S0とS8に対応するサブセット1 の信号点は、それぞれS9とS1となる。 そして、信号点S0のパラレルパスに対応する情報(MSB)は0であるのに対して、対応する信号点S9のパラレルパスに対応する情報(MSB)は1となっている。 【0033】また、サブセット0の信号点S8のパラレルパスに対応する情報(MSB)は1であるのに対して、それに対応するサブセット1の信号点S1のパラレルパスに対応する情報(MSB)は0である。 これに対して、サブセット1を90度回転して、サブセット2と対応させた場合における信号点S9とS10のパラレルパスに対応する情報(MSB)は、いずれも1であり、 信号点S1とS2のパラレルパスに対応する情報(MS B)は、いずれも0である。 【0034】このように、パラレルパスに対応する情報は、単に他のサブセットにおいて求められたものを転用するようなことができず、結局、搬送波の位相が90度回転している場合においては、パラレルパスに対応する情報は、検出処理をやり直す必要があり、検出に時間がかかる課題があった。 【0035】本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、より迅速に、パラレルパスに対応する情報も検出することを可能にするものである。 【0036】 【課題を解決するための手段】本発明の信号点マッピング方法は、符号化された情報を信号点にマッピングし、 所定のデジタル変調方式でデジタル変調し、伝送するシステムに用いられる信号点マッピング方法において、信号点を複数のサブセットに分割し、2以上の信号点を有する第1のサブセットを、原点を中心として、角度φだけ回転したとき、2以上の信号点が、第2のサブセットの2以上の信号点と対応するように、第1のサブセットと第2のサブセットを点対称になるように構成するとともに、第2のサブセットと、角度φだけ回転したときの第1のサブセットの信号点のパラレルパスに対応するM SB側のビットを一致させることを特徴とする。 【0037】デジタル変調方式はQAMとすることができ、また、角度φは90度とすることができる。 【0038】本発明の信号点検出方法は、請求項1,2 または3に記載の信号点マッピング方法によりマッピングされた信号点に対応して変調され、伝送された搬送波を受信し、受信した搬送波から信号点を検出する信号点検出方法において、受信した信号点と複数のサブセットとのブランチメトリックを演算するとともに、受信した信号点の複数のサブセットにおけるパラレルパスに対応するMSB側のビットを検出し、搬送波の位相の回転を検出し、搬送波の位相の回転に対応して、信号点のMS B側のビットとブランチメトリックの組のうち所定のものを選択することを特徴とする。 【0039】 【作用】上記構成の信号点マッピング方法においては、 第2のサブセットと、角度φだけ回転したときの第1のサブセットの信号点のパラレルパスに対応するMSB側のビットを一致させるようにする。 従って、信号点が角度φだけ回転した場合においても、パラレルパスに対応する情報を迅速に検出することが可能となる。 【0040】さらに本発明の信号点検出方法においては、搬送波の位相の回転に対応して、信号点のMSB側のビットとブランチメトリックの組のうち所定のものを選択する。 従って、信号点を迅速に検出することが可能となる。 【0041】 【実施例】次に、本発明の信号点マッピング方法と信号点検出方法について説明する。 これらの方法を適用するデジタル信号伝送装置と受信装置は、それぞれ図16と図22に示した従来の場合と基本的に同様の構成とされており、図16のマッピング回路3における信号点マッピング方法と、図22の復号器32における信号点検出方法が従来の場合と異なっている。 【0042】図1は、本発明の信号点マッピング方法を説明する図である。 本実施例においても、図17に示す符号化器2により、3ビットの入力データ(x3x2x 1)が、4ビットのデータ(y3y2y1y0)に符号化されるものとする。 そして、この4ビットのデータが、マッピング回路3において16個の信号点にマッピングされる。 【0043】16個の信号点は、図19に示した場合と同様に、セット分割法により、サブセット0乃至7の8 個のサブセットに分割される。 そして、この各サブセットへの分割に当たって、従来における場合と同様に、サブセット0を時計方向に90度回転したとき、サブセット0の2つの信号点が、サブセット1の2つの信号点に、それぞれ対応するように信号点が配置される。 【0044】また、サブセット1を時計方向に90度回転したとき、その2つの信号点が、サブセット2の2つの信号点に対応するように信号点が配置される。 さらに、サブセット2を時計方向に90度回転したとき、その2つの信号点が、サブセット3の2つの信号点にそれぞれ対応するように信号点が配置され、サブセット3を時計方向に90度回転したとき、その2つの信号点が、 サブセット0の2つの信号点にそれぞれ対応するように信号点が配置される。 【0045】また同様に、サブセット4乃至7においても、1つ前のサブセットを時計方向に90度回転したとき、その2つの信号点が、次のサブセットの2つの信号点に対応するように、各サブセットの信号点が配置されている。 【0046】このように、第1のサブセットiを90度だけ時計方向に回転したとき、第2のサブセットi+1 と信号点が対応するように、サブセットiとサブセットi+1が点対称に構成される。 さらに、本発明においては、サブセットiとサブセットi+1の対応する信号点のパラレルパスに対応する情報が一致するように、信号点が配置される。 【0047】例えば、サブセット0は、2つの信号点S 0とS8を有し、サブセット0を90度時計方向に回転したとき対応するサブセット1は、2つの信号点S1とS9を有するのであるが、信号点S0に対応する信号点としては、信号点S0(0000)のMSBが0であるため、やはりMSBが0である信号点S1(0001) を対応させ、MSBが1である信号点S8(1000) に対しては、やはりMSBが1である信号点S9(10 01)を対応させる。 【0048】また、サブセット1とサブセット2の間においても、サブセット1のMSBが0である信号点S1 (0001)に対して、サブセット2のMSBが0である信号点S2(0010)を対応させ、サブセット1のMSBが1である信号点S9(1001)に対して、サブセット2のMSBが1である信号点S10(101 0)を対応させる。 【0049】同様に、サブセット2とサブセット3の間においても、サブセット2のMSBが0である信号点S 2(0010)に対して、サブセット3のMSBが0である信号点S3(0011)を対応させ、サブセット2 のMSBが1である信号点S10(1010)に対して、サブセット3のMSBが1である信号点S11(1 011)を対応させる。 サブセット3とサブセット0の間においても、サブセット3のMSBが0である信号点S3(0011)に対して、サブセット0のMSBが0 である信号点S0(0000)を対応させ、サブセット3のMSBが1である信号点S11(1011)に対して、サブセット0のMSBが1である信号点S8(10 00)を対応させる。 【0050】このことは、サブセット4乃至7の間においても同様に行われる。 即ち、サブセット4のMSBが0である信号点S4(0100)に対して、サブセット5のMSBが0である信号点S5(0101)を対応させ、サブセット4のMSBが1である信号点S12(1 100)に対して、サブセット5のMSBが1である信号点S13(1101)を対応させる。 サブセット5のMSBが0である信号点S5(0101)に対して、サブセット6のMSBが0である信号点S6(0110) を対応させ、サブセット5のMSBが1である信号点S 13(1101)に対して、サブセット6のMSBが1 である信号点S14(1110)を対応させる。 【0051】また、サブセット6のMSBが0である信号点S6(0110)に対して、サブセット7のMSB が0である信号点S7(0111)を対応させ、サブセット6のMSBが1である信号点S14(1110)に対して、サブセット7のMSBが1である信号点S15 (1111)を対応させる。 また、サブセット7のMS Bが0である信号点S7(0111)に対して、サブセット4のMSBが0である信号点S4(0100)を対応させ、サブセット7のMSBが1である信号点S15 (1111)に対して、サブセット4のMSBが1である信号点S12(1100)を対応させる。 【0052】このようにマッピングすると、搬送波の位相が90度(または、180度、270度)回転したとき、対応するサブセットからブランチメトリックだけでなく、パラレルパスに対応する情報(MSB)も求めることができる。 【0053】即ち、例えば、いま、図2に示すような信号点Pが伝送されたとする。 この信号点Pは、搬送波が90度回転すると、各サブセット0乃至7において、図3に示す信号点Pとなる。 【0054】この場合、例えばサブセット0においては、図4に示すように、位相が90度回転していない状態における信号点P(I,Q)と信号点S0(S 0i ,S 0q )との2乗ユークリッド距離と、信号点P(I,Q) と信号点S8(S 8i ,S 8q )との2乗ユークリッド距離が求められるべきものとなる。 即ち、この場合の2乗ユークリッド距離は、それぞれ次式で表すことができる。 BM 01 =(I−S 0i ) 2 +(Q−S 0q ) 2 BM 02 =(I−S 8i ) 2 +(Q−S 8q ) 2 【0055】これに対して、90度回転した信号点が検出された場合、サブセット1においては、図5に示すような信号点配置となる。 その結果、このサブセット1においては、次のような2乗ユークリッド距離が求められる。 BM 11 =(I−S 1i ) 2 +(Q−S 1q ) 2 BM 12 =(I−S 9i ) 2 +(Q−S 9q ) 2 【0056】図4と図5を比較して明らかなように、図4のサブセット0において求められるべき2乗ユークリッド距離BM 01は、図5のサブセット1において求められた2乗ユークリッド距離BM 11に等しい。 また、図4 のサブセット0において求められるべき2乗ユークリッド距離BM 02は、図5のサブセット1において求められた2乗ユークリッド距離BM 12に等しい。 従って、90 度位相が回転した状態におけるサブセット1の2乗ユークリッド距離BM 11またはBM 12を、位相が90度回転しない状態におけるサブセット0の2乗ユークリッド距離BM 01またはBM 02として、それぞれ用いることができる。 【0057】また、図5に示す、位相が90度回転した状態におけるサブセット1のMSBが1である信号点S 9(1001)に対して、図4に示す位相が90度回転しない状態におけるサブセット0のMSBが1である信号点S8(1000)が対応しているので、そのパラレルパスに対応する情報(MSB)は一致している(MS Bは共に1となっている)。 【0058】同様に、図5のサブセット1のMSBが0 である信号点S1(0001)に対して、図4のサブセット0のMSBが0である信号点S0(0000)が対応しているため、両者のMSB(パラレルパスに対応する情報)は共に0であり、一致している。 従って、信号点Pの位相が90度回転した状態におけるサブセット1 のパラレルパスに対応する情報を、信号点Pの位相が9 0度回転しない状態におけるサブセット0のパラレルパスに対応する情報として用いることができる。 【0059】以上のことは、他の相互に対応するサブセット間においても同様となる。 【0060】本発明においては、以上のようにして、マッピング回路3によりマッピングされた4ビット(y3 y2y1y0)のデジタル情報が、変調器4により16 QAM方式で変調され、伝送路5に伝送される。 【0061】この搬送波の位相と振幅を変調することで伝送された情報は、復調器31に供給され、I成分とQ 成分に復調される。 そして、復号器32において、元の3ビットのデータ(x3x2x1)に復号される。 【0062】この復号器32は、例えば図6と図7に示すように構成される。 【0063】即ち、伝送路5より受信された搬送波から、I成分(S ii )とQ成分(S iq )が復調器31で直交検波され、これらのI成分とQ成分が、例えばROM などにより構成される演算器50乃至57(ED0乃至ED7)に供給される。 これらの演算器50乃至57 は、それぞれ図1に示したサブセット0乃至7の信号点SiのIQ座標軸上のデータ(S ii ,S iq )を有しており、受信信号の信号点P(I,Q)と信号点Siの2乗ユークリッド距離を、次式に従って演算する。 ED i =(I−S ii ) 2 +(Q−S iq ) 2・・・(3) 【0064】そして、演算器50乃至57は、それぞれ求められたED i (ED i1 ,ED i2 )のうち、最小値を求め、それをブランチメトリックBMiとする。 また、 パラレルパスに対応する信号点の選択情報(識別子)P Piを出力する。 【0065】例えば演算器50においては、図4に示すように、信号点S0と信号点Pとの2乗ユークリッド距離ED 01が、次式で示すように演算される。 ED 01 =(I−S 0i ) 2 +(Q−S 0q ) 2 【0066】また、信号点S8と信号点Pとの2乗ユークリッド距離ED 02が、次式により演算される。 ED 02 =(I−S 8i ) 2 +(Q−S 8q ) 2 【0067】そして、求められた2乗ユークリッド距離ED 01とED 02のうち、小さい方が選択され、それがブランチメトリックBM0とされる。 【0068】さらにまた、2乗ユークリッド距離ED 01 とED 02のうち、小さい方に対応する信号点のパラレルパスに対応する情報としてのMSBが、PP0とされる。 図4の実施例においては、信号点S0と信号点Pとの2乗ユークリッド距離BM 01の方が、信号点S8と信号点Pとの2乗ユークリッド距離BM 02より小さいので、BM0=BM 01とされ、PP0には、選択された信号点S0のMSBである0が設定される(PP0=0とされる)。 【0069】演算器51においては、受信された信号点Pと信号点S1との2乗ユークリッド距離と、信号点P と信号点S9との2乗ユークリッド距離のうち、小さい方の2乗ユークリッド距離を演算し、その2乗ユークリッド距離をブランチメトリックBM1として出力する。 また、小さい方の2乗ユークリッド距離を有する信号点がS1であれば、PP1=0とされ、S9であれば、P P1=1とされる。 【0070】演算器52乃至57においても、それぞれサブセット2乃至7における同様の処理が実行され、B M2,PP2乃至BM7,PP7が出力される。 【0071】演算器50の出力は、スイッチ60の0度の接点、スイッチ61の270度の接点、スイッチ62 の180度の接点、およびスイッチ63の90度の接点に、それぞれ供給される。 また、演算器51の出力は、 スイッチ60の90度の接点、スイッチ61の0度の接点、スイッチ62の270度の接点、およびスイッチ6 3の180度の接点に、それぞれ供給される。 また、演算器52の出力は、スイッチ60の180度の接点、スイッチ61の90度の接点、スイッチ62の0度の接点、およびスイッチ63の270度の接点に、それぞれ供給される。 さらに、演算器53の出力は、スイッチ6 0の270度の接点、スイッチ61の180度の接点、 スイッチ62の90度の接点、およびスイッチ63の0 度の接点に、それぞれ供給される。 【0072】即ち、スイッチ60乃至63の0度、27 0度、180度、または90度の各接点には、それぞれ演算器50乃至53の出力が供給される。 【0073】同様に、演算器54の出力は、スイッチ6 4の0度の接点、スイッチ65の270度の接点、スイッチ66の180度の接点、およびスイッチ67の90 度の接点に、それぞれ供給される。 また、演算器55の出力は、スイッチ64の90度の接点、スイッチ65の0度の接点、スイッチ66の270度の接点、およびスイッチ67の180度の接点に、それぞれ供給される。 また、演算器56の出力は、スイッチ64の180度の接点、スイッチ65の90度の接点、スイッチ66の0 度の接点、およびスイッチ67の270度の接点に、それぞれ供給される。 さらに、演算器57の出力は、スイッチ64の270度の接点、スイッチ65の180度の接点、スイッチ66の90度の接点、およびスイッチ6 7の0度の接点に、それぞれ供給される。 【0074】このように、スイッチ64乃至67の0 度、270度、180度、または90度の各接点には、 それぞれ演算器54乃至57の出力が供給される。 【0075】これらのスイッチ60乃至67は、図10 を参照して後述する回路から出力される角度情報に対応して、0度、270度、180度または90度の4つの接点のいずれかに切り換えられるようになされている。 この角度情報は、搬送波の位相のずれに対応しており、 そのずれが0度の(ずれがない)場合、0度の接点に切り換えられ、ずれが90度の場合、90度の接点に切り換えられ、ずれが180度の場合、180度の接点に切り換えられ、ずれが270度の場合、270度の接点にそれぞれ切り換えられる。 【0076】例えば、搬送波の位相ずれが90度である場合、スイッチ60は、サブセット1のブランチメトリックBM1とパラレルパス識別子PP1を、位相ずれがない場合におけるサブセット0のブランチメトリックB M0とパラレルパス識別子PP0として選択し、出力する。 その出力は、レジスタ70に供給され、保持される。 【0077】同様にして、位相ずれが180度の場合においては、演算器52が出力するブランチメトリックB M2とパラレルパス識別子PP2が、位相ずれがない場合におけるサブセット0のブランチメトリックBM0とパラレルパス識別子PP0として選択され、位相ずれが270度である場合においては、演算器53が出力するブランチメトリックBM3とパラレルパス識別子PP3 が、位相ずれがない場合におけるサブセット0のブランチメトリックBM0とパラレルパス識別子PP0として選択、出力される。 【0078】このようにして、レジスタ70には、位相ずれを補正したブランチメトリックBM0とパラレルパス識別子PP0が保持されることになる。 【0079】他のスイッチ61乃至67(スイッチ60 と同期して、対応する角度の接点に切り換えられる)においても同様の処理が行われ、それらに対応するレジスタ71乃至77には、位相ずれが補正されたブランチメトリックBM1とパラレルパス識別子PP1乃至BM7 とPP7が保持される。 【0080】このようにして、レジスタ70乃至77に保持された、位相ずれが補正されたブランチメトリックBM0乃至BM7は、さらに図7に示す装置に供給される。 【0081】BM0乃至BM7のうち、BM0,BM 2,BM4,BM6が、演算器(ACS:Add,Co mpare,Select)90乃至93に供給され、 BM1,BM3,BM5,BM7が、演算器94乃至9 7に供給される。 演算器90乃至93は、入力されたブランチメトリックBM0乃至BM3のステートメトリックSM0乃至SM3を、次式に示すように演算する。 【0082】即ち、例えば演算器90は、次のような演算を行う。 SM 00 =SM0+BM0 SM 01 =SM2+BM4 SM 02 =SM4+BM2 SM 03 =SM6+BM6 SM0=min{SM 0i }(i=0乃至3) 【0083】即ち、演算器90は、初めてBM0,BM 2,BM4,BM6が入力されたとき、その中から最小のものを選択し、それをSM0としてレジスタ100に供給し、保持させる。 次に、BM0,BM2,BM4, BM6が入力されたとき、演算器90は、レジスタ10 0に保持されているそれまでのステートメトリックSM 0に対して、いま入力されたブランチメトリックBM0 を加算し、SM 00を演算する。 【0084】レジスタ102,104,106には、レジスタ100における場合と同様に、ステートメトリックSM2,SM4またはSM6が、それぞれ保持されている。 演算器90は、新たに入力されたブランチメトリックBM2に対して、レジスタ104に保持されているそれまでのステートメトリックSM4を加算し、SM 01 を演算する。 同様に、新たなブランチメトリックBM4 に対して、レジスタ102に保持されているそれまでのステートメトリックSM2を加算し、SM 02を演算する。 また、新たなブランチメトリックBM6に対して、 レジスタ106に保持されているそれまでのステートメトリックSM6を加算し、SM 03を演算する。 【0085】そして、このようにして得られたSM 00乃至SM 03のうち、最小のものを求め、それを新たなステートメトリックSM0として、レジスタ100に供給し、記憶させる。 このような処理が、順次繰り返される。 【0086】演算器91乃至93においても同様の処理が行われ、レジスタ101乃至103には、ステートメトリックSM1乃至SM3が順次更新、保持される。 【0087】また、演算器94は、次式に示すような演算を実行する。 SM 40 =SM1+BM1 SM 41 =SM3+BM5 SM 42 =SM5+BM3 SM 43 =SM7+BM7 SM4=min{SM 4i }(i=0乃至3) 【0088】即ち、演算器94は、初めてBM1,BM 3,BM5,BM7が入力されたとき、そのうちの最小のものを選択し、それをSM4としてレジスタ104に供給し、保持させる。 そして次に、BM1が入力されたとき、レジスタ101に保持されているそれまでのステートメトリックSM1を加算し、SM 40を演算する。 【0089】また、新たなにブランチメトリックBM3 に対して、レジスタ105に保持されているそれまでのステートメトリックSM5を加算し、SM 41を演算する。 【0090】新たなブランチメトリックBM5に対しては、レジスタ103に保持されているそれまでのステートメトリックSM3を加算し、SM 42を演算する。 【0091】さらに、新たなブランチメトリックBM7 に対しては、レジスタ107に保持されているそれまでのステートメトリックSM7を加算し、SM 43を演算する。 【0092】このようにして得られたステートメトリックSM 40乃至SM 43のうち、最小のものを求め、それを新たなステートメトリックSM4として、レジスタ10 4に供給し、記憶させる。 このような動作が、順次繰り返される。 【0093】演算器95乃至97においても、演算器9 4と同様の処理が実行され、レジスタ105乃至107 には、ステートメトリックSM5乃至SM7が順次更新、保持される。 【0094】次に、図8と図9を参照して、図7において、ステートメトリックSM0乃至SM3を演算するのに、ブランチメトリックBM0,BM2,BM4,BM 6を用い、ステートメトリックSM4乃至SM7を演算するのに、ブランチメトリックBM1,BM3,BM 5,BM7を用いる理由について説明する。 【0095】いまの場合、4ビットのデータ(y3y2 y1y0)は、図17に示す構成の符号化器2により、 3ビットの入力データ(x3x2X1)より生成されたものである。 3ビットの入力データのうちのMSBx3 は、4ビットの出力データのMSBy3にそのまま出力されるパラレルパスとなっているため、これを除いて、 入力x2,x1が与えられたとき、レジスタ11,12 または13に保持されるデータR2,R1,R0の変化前と変化後の値、さらにそのとき得られる出力y2,y 1,y0の関係を表すと、図8に示すようになる。 【0096】そして、この図8に示す関係をトレリス線図に表すと、図9に示すようになる。 【0097】図9において、縦方向に示す0(000) 乃至7(111)の数字は、符号化器2におけるレジスタ11乃至13により表される3ビットのデータ(R2 R1R0)により表される状態を表しており、左側の値は変化前の状態を示し、右側の値は変化後の状態を示している。 【0098】そして左側の状態0乃至7の近傍に示されている数字00乃至11は、(x2x1)で表される2 ビットの入力データを表し、その右側に示すS0,S 1,S2,・・・は、符号化器2の出力(y2y1y 0)で表される3ビットのデータに対応して与えられたシンボル(図1における信号点)を表している。 【0099】例えば、(R2R1R0)が000である状態において、(x2x1)として00が入力されると、(R2R1R0)は000の状態に変化する(この場合、状態は変化しない)。 そして、この場合において、出力はS0(0000)またはS8(1000)となる。 即ち、これらの信号点S0とS8に対応するパスは、パラレルパスを構成し、S0の場合、図6におけるパラレルパス識別子PP0が0とされ、S8の場合、P P0=1とされる。 【0100】このように、(R2R1R0)で表される状態のうち、状態0(000)乃至3(011)の状態は、状態0(000),2(010),4(100)または6(110)から遷移し、状態1(001),3 (011),5(101)または7(111)から遷移することはない。 【0101】同様に、状態4(100)乃至7(11 1)は、状態1(001),3(011),5(10 1)または7(111)から遷移し、状態0(00 0),2(010),4(100)または6(110) から遷移することはない。 【0102】従って、(R2R1R0)で表される状態0乃至7に対して、ステートメトリックSM0乃至SM 7を対応させると、ステートメトリックSM0乃至SM 3は、変化前のステートメトリックSM0,SM2,S M4,SM6からのみ影響を受け、ステートメトリックSM4乃至SM7は、変化前のステートメトリックSM 1,SM3,SM5,SM7からのみ影響を受ける。 そこで、これらの影響を受けるステートメトリックのみを演算して、新たなステートメトリックを求めればよいことになる。 【0103】図9においては、状態0乃至7がステートメトリックSM0乃至SM7に対応しており、SiがブランチメトリックBMiに対応している。 従って、例えば、状態0から状態0へのパスにおいて、 SM01=SM0+S0=SM0+BM0 とされ、状態2から状態0へのパスにおいて、 SM02=SM2+S4=SM2+BM4 とされ、状態4から状態0へのパスにおいて、 SM03=SM4+S2=SM4+BM2 とされ、状態6から状態0へのパスにおいて、 SM04=SM6+S6=SM6+BM6 とされる。 【0104】図10は、角度情報を生成する回路の構成例を示している。 この実施例においては、図7に示すレジスタ100乃至107より出力されたステートメトリックSM0乃至SM7が、最小値選択回路111に供給されるようになされている。 最小値選択回路111は、 入力されたステートメトリックSM0乃至SM7のうち、最小のものを選択し、比較回路112に供給する。 【0105】いま、例えば図6のスイッチ60乃至67 が、0度の接点に切り換えられた状態にあるとすると、 この場合において、所定の期間、順次受信されるデータを復号処理して得られるステートメトリックSM0乃至SM7のうち、最小のものは、比較的小さな値となる。 これに対して、例えば90度の位相ずれが存在する場合、スイッチ60乃至67を0度の接点に切り換えた状態において得られるステートメトリックSMiは、正しいパスを得ているものではないので、比較的大きな値となる。 【0106】そこで、最小値選択回路111が出力する最小のステートメトリックSMiを、基準回路113が出力する基準値と比較回路112において比較し、ステートメトリックSMiの値が基準値の範囲外にあるとき、制御回路144は角度情報を出力し、スイッチ60 乃至67を、例えば90度の接点に切り換えさせる。 【0107】そして、所定の期間にわたってデータを復号し、その結果得られるステートメトリックSMiの最小値を、最小値選択回路111で選択し、その値を基準値と比較する。 その値が基準値より大きいとき、制御回路114は再びスイッチ60乃至67の接点を次の接点に切り換える。 【0108】このようにして、スイッチ60乃至67の接点を、0度、90度、180度または270度の接点に切り換え、最小値選択回路111で選択した最小のステートメトリックSMiが基準の範囲内の大きさであるとき、スイッチ60乃至67が正しい切換接点に切り換えられたことになる。 【0109】尚、基準回路113が設定する基準値は、 入力されるデータを処理する時間が長くなれば、それだけ大きくなる。 そこで、この基準値が制御回路114により制御される。 【0110】図11は、図6に示した実施例の他の構成例を示している。 即ち、図6の実施例においては、演算器50乃至57により演算した結果を、スイッチ60乃至67により選択するようにしたが、これらの演算器と対応するスイッチとを一体化し、演算器120乃至12 7として構成したのが、図11の実施例である。 従って、この実施例においては、例えばROMなどにより構成される演算器120乃至127に、受信した信号点のデータI,Qだけでなく、図10に示した制御回路11 4が出力する角度情報(PH)も供給される。 そして、 演算器120乃至127は、角度情報に対応する所定のブランチメトリックBMiとパラレルパスの識別子PP iを、対応するレジスタ70乃至77に出力する。 【0111】図12は、符号化器2の他の構成例を示している。 この実施例においては、図17に示す符号化器2における場合に比べ、入力データと出力データが1ビットだけさらに追加された構成とされている。 即ち、入力データが(x4x3x2x1)の4ビットとされ、出力データが(y4y3y2y1y0)の5ビットとされている。 そして、x4は、そのまま出力y4として出力されるようになされている。 その他の構成は、図17における場合と同様である。 【0112】この実施例の場合、サブセットは、例えば図13に示すように構成することができる。 この実施例においても、サブセット0とサブセット1、サブセット1とサブセット2、サブセット2とサブセット3、サブセット3とサブセット0が、それぞれ点対称となるように、4つの信号点が配置されている。 そして、各信号点は、対応する信号点のパラレルパスに対応するMSB側のビットが一致するように構成されている。 【0113】例えば、サブセット0の信号点S8(01 000)は、サブセット1の信号点S9(01001) に対応するが、そのMSB側の2ビットはいずれも01 とされている。 また、サブセット0の信号点S0(00 000)は、サブセット1の信号点S1(00001) に対応しているが、そのMSB側の2ビットはいずれも00とされている。 サブセット0の信号点S16(10 000)は、サブセット1の信号点S17(1000 1)に対応されているが、そのMSB側の2ビットはいずれも10とされている。 さらに、サブセット0の信号点S24(11000)は、サブセット1の信号点S2 5(11001)に対応しているが、そのMSB側の2 ビットはいずれも11とされている。 【0114】また、サブセット1の信号点S1(000 01)は、サブセット2の信号点S2(00010)に対応され、そのMSB側の2ビットはいずれも00とされている。 サブセット1の信号点S9(01001) は、サブセット2の信号点S10(01010)に対応され、そのMSB側の2ビットはいずれも01とされている。 サブセット1の信号点S17(10001)は、 サブセット2の信号点S18(10010)に対応され、そのMSB側の2ビットはいずれも10とされている。 さらに、サブセット1の信号点S25(1100 1)は、サブセット2の信号点S26(11010)に対応され、そのMSB側の2ビットはいずれも11とされている。 【0115】以下、サブセット2とサブセット3の間の信号点、さらにサブセット3とサブセット0の間の信号点においても、同様の関係が保持されるようになされている。 【0116】さらにまた、サブセット4乃至7においても、サブセット0乃至3における場合と同様の関係が保持されるように、各サブセットの信号点がマッピングされている。 【0117】図14は、符号化器2のさらに他の構成例を示している。 この実施例においては、図12に示した符号化器に、さらに1ビットを付加し、5ビットの入力データ(x5x4x3x2x1)を、6ビットの出力データ(y5y4y3y2y1y0)に変換する構成とされている。 入力データのMSBx5は、そのまま出力データのMSBy5として出力されるようになされている。 その他の構成は、図12における場合と同様である。 【0118】図15は、図14に示す符号化器2を用いる場合におけるマッピングの構成例を示している。 この実施例においても、サブセット0乃至3の間において、 各サブセットの信号点が点対称となるように配置されるとともに、対応する信号点のパラレルパスに対応するM SB側のビットが同一となるようになされている。 【0119】このことは、サブセット4乃至7においても同様とされている。 【0120】サブセット0とサブセット1の間についてだけ、この関係をさらに説明しておくと、サブセット0 の信号点S0(000000)は、サブセット1の信号点S1(000001)に対応しており、そのMSB側の3ビットはいずれも000とされている。 サブセット0の信号点S8(001000)は、サブセット1の信号点S9(001001)に対応されており、そのMS B側の3ビットはいずれも001とされている。 サブセット0の信号点S16(010000)は、サブセット1の信号点S17(010001)に対応しており、そのMSB側の3ビットはいずれも010とされている。 【0121】サブセット0の信号点S24(01100 0)は、サブセット1の信号点S25(011001) に対応しており、そのMSB側の3ビットはいずれも0 11とされている。 サブセット0の信号点S32(10 0000)は、サブセット1の信号点S33(1000 01)に対応されており、そのMSB側の3ビットはいずれも100とされている。 【0122】サブセット0の信号点S40(10100 0)は、サブセット1の信号点S41(101001) に対応されており、そのMSB側の3ビットはいずれも101とされている。 サブセット0の信号点S48(1 10000)は、サブセット1の信号点S49(110 001)に対応されており、そのMSB側の3ビットはいずれも110とされている。 サブセット0の信号点S 56(111000)は、サブセット1の信号点S57 (111001)に対応されおり、そのMSB側の3ビットはいずれも111とされている。 【0123】この実施例の場合、各サブセットの最小の番号の信号点の下位3ビットが、サブセットの番号を表すことになる。 【0124】この図13と図15に示す実施例においても、図1に示した場合と同様の効果を奏することができる。 【0125】 【発明の効果】以上の如く請求項1に記載の信号点マッピング方法によれば、角度φだけ回転したときの第1のサブセットの信号点のパラレルパスに対応するMSB側のビットを第2のサブセットと一致させるようにしたので、角度φの不確定性が発生した場合においても、パラレルパスに対応する識別子を迅速かつ確実に得ることが可能となる。 【0126】また、請求項4に記載の信号点検出方法によれば、搬送波の位相の回転に対応して、信号点のMS B側のビットとブランチメトリックの組のうち、所定のものを選択するようにしたので、搬送波の位相が回転している場合においても、信号点を迅速かつ確実に復号することが可能となる。 【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の信号点マッピング方法を説明する図である。 【図2】受信信号点とサブセットとの関係を説明する図である。 【図3】位相が回転した受信信号点と各サブセットとの関係を説明する図である。 【図4】図2のサブセット0におけるブランチメトリックを説明する図である。 【図5】図3のサブセット1におけるブランチメトリックを説明する図である。 【図6】本発明の信号点検出方法を適用した復号器の構成例を示すブロック図である。 【図7】ステートメトリックを演算する回路の構成例を示すブロック図である。 【図8】図17の符号化器の各部におけるデータの関係を説明する図である。 【図9】図8のデータに対応するトレリス線図である。 【図10】角度情報を生成する回路の構成例を示すブロック図である。 【図11】本発明の信号点検出方法を応用した復号器の他の実施例の構成を示すブロック図である。 【図12】符号化器の他の構成例を示すブロック図である。 【図13】図12の構成の符号化器を用いる場合におけるマッピングを説明する図である。 【図14】符号化器のさらに他の構成例を示すブロック図である。 【図15】図14の構成の符号化器を用いる場合におけるマッピングを説明する図である。 【図16】従来のデジタル伝送装置の構成例を示すブロック図である。 【図17】図16の符号化器2の構成例を示すブロック図である。 【図18】図16のマッピング回路3におけるマッピングを説明する図である。 【図19】セット分割法を説明する図である。 【図20】従来のマッピング方法を説明する図である。 【図21】サブセットにおける信号点を説明する図である。 【図22】従来の受信装置の構成例を示すブロック図である。 【図23】従来のマッピング方法における受信した信号点とサブセットとの関係を説明する図である。 【図24】位相が回転した信号点とサブセットとの関係を説明する図である。 【符号の説明】 1 信号源 2 符号化器 3 マッピング回路 4 変調器 5 伝送路 11乃至13 レジスタ 14,15 排他的論理和回路 31 復調器 32 復号器 50乃至57 演算器 60乃至67 スイッチ 70乃至77 レジスタ 90乃至97 演算器 100乃至107 レジスタ 111 最小値選択回路 112 比較回路 113 基準回路 114 制御回路 120乃至127 演算器 |