【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、サブセットに分割された2次元QAM配置に基づくブロック符号化或はトレリス符号化変調を用い、送信器とその変調を復号化するための復号化器を備える受信器よりなり、この復号化器は付加的に、各受信サンプルと、これに最も近い2次元配置の各サブセット内の点との間の距離を計算可能なモジュールよりなる伝送システムに関する。 【0002】 【従来の技術】そのような復号化器は、雑音のあるチャンネルを通して受信され、そして伝達されるべき情報内容のシーケンスの畳み込み符号化やブロック符号化の結果であるサンプルシーケンスを復号化することが可能である。 畳み込み符号化器の動作は、2状態間の各遷移が、あるサブセット内の2点間の距離が原配置の2点を隔てる距離より大きいようにサブセットに分割された配置の一点の伝達に対応するトレリスによって説明される。 【0003】ビテルビアルゴリズムは、畳み込み符号化に対する最適復号化方法として知られる。 ビテルビ復号化器の原理は、「Proceedings of the IEEE 」1973年3 月に掲載された、David Forneyによる「Viterbi Algori thm 」に説明されている。 簡単に、ビテルビ復号化器による復号化は以下の3段階を含むことが注目される。 − 受信された2次元信号の各サンプルに対して、それに最も近い2次元配置の各サブセット内の点が見つけられる。 各2N次元サンプルと関連する枝の長さは、従ってそれらのN個の距離を基に計算される。 −次に、受信されたサンプルシーケンスに最も近い許可されたシーケンス、即ち、経路長(この経路を形成する枝の長さの総和に等しい)が最も短いシーケンス、が見つけられる。 −最後に、この最短経路に対応するビットの元のシーケンスがトレリス手段によって見つけられる。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】原理的に、枝の長さの計算は2乗ユークリッド距離を用いる。 2乗値の計算は複雑であり、その表現のために数多くのビット数を必要とする。 ある種の応用、特にデータレートが非常に高いヘルツビームの分野においては、十分に高速なメモリが存在しない。 従って、ビテルビアルゴリズム用メモリを使わない構成を可能とするように枝の長さの計算を単純化する必要がある。 例えば、1991年12月17日から20日にかけてパリで開催された第3回ECRR(Europiean Confer ence on Radio Relay systems )のTerje Roste とJonn y Normann Skalvik によって編集されたプロシーディングスに説明されるように、2乗和を絶対値の和で置き換えるマンハッタン距離を使用することが知られている。 しかしながら、このマンハッタン距離は以下の欠点を有する。 即ち、受信された点が配置の境界に位置するとき、得られた距離は誤差を受ける。 【0005】本発明は、近似無しに、必要な最小数のビットで枝の長さを計算する単純な手段を提供することを目的とし、従ってメモリレスなビテルビ復号化器の構成を可能にする。 【0006】 【課題を解決するための手段】この目的を達成するために、本発明による、導入段落で説明されたごとくの伝送システムは、用いられる距離 【0007】 【数8】 【0008】が以下の関数 【0009】 【数9】 【0010】 【数10】 【0011】で与えられる相対距離であり、ここで −インデックスiは、これが指示される量の横軸(i= x)或は縦軸(i=y)であることを示し、 −|△ i |は配置の2点間の隔たりの大きさを表し、 −E iは受信された点を、それに最も近い2次元配置内の点から隔てる誤差であり、 −sgn()は符号関数を示す。 【0012】特に有利な実現において、用いられる相対距離 【0013】 【数11】 【0014】は以下の型の表現から計算される。 【0015】 【数12】 【0016】第1の実施例において、相対距離 【0017】 【数13】 【0018】は以下の型の表現から得られる。 n. (n±|E i |) ここで、nは自然数であり、使用される配置のサブ分割に関連するその値は小さい。 故に全ての2乗演算は、近似することなくここで除去され、小さい値の自然数による積算によって置き換えられ、これは非常に単純に達成される。 【0019】原配置が最大8つのサブセットにサブ分割される第2の実施例において、相対距離 【0020】 【数14】 【0021】は、|△ i |が1に等しいとき以下の型の表現の計算、 (1±|E i |) によって得られ、また|△ i |が2に等しいとき、以下の型の表現の計算、 (2±|E i |) に続いて最も大きな重みのビットに向かって結果をシフトすることによって得られる。 【0022】従ってこの計算段階のために、積算器或は加算器でさえも用いる必要がない。 本発明はまた、上述のような伝送システム用の受信器、及びそのような受信器用に設計された復号化器に関する。 本発明の他の特徴、詳細、及び利点は、添付の図面に参照した以下の説明から明らかになり、全てが、限定的ではない例によって与えられる。 【0023】 【実施例】以下の説明においては、4次元配置が取り扱われる。 この配置A0×A0は、配置A0×A0の一点の伝送が配置A0の連続する2点の伝送に対応するような、2次元配置A0に各々属する点のペアの集合体である(積集合体A×Bは集合体Aの集合体Bによるデカルト積によって定義され、即ち、x∈Aでy∈Bであるようなペア(x、y)の集合体である)。 従って、配置A 0×A0のサブ分割は配置A0のサブ分割に基づく。 【0024】図1は、2次元QAM16配置の様々な可能なサブ分割A、B、C、D、及びEを示す。 原配置A 0は距離d 0によって隔てられた点によって形成される。 第1段階において、それは、点が距離d 1 =√2d 0によって隔てられた2つのサブセットB0及びB1に分割される。 第2段階において、次に、各サブセットB 0及びB1は、サブセットCの2点がd 2 =2d 0によって隔てられるように、一方で2つのサブセットC0とC2に、他方でC1とC3とに分割される。 サブセットCは更に各々2つのサブセットに分割され、従って、2 点からなる8つのサブセットによって形成されるサブ分割Dを形成する。 最後に、各サブセットDはサブ分割E を形成する2つのサブセットに分割され、サブ分割Eは各々一つの単一な点を含む16のサブセットよりなる。 【0025】以下の説明はサブ分割Cに関する。 図2 は、4つの2次元配置QAM16、31、64、128 の正の象限を示し、4つのサブセットC0、C1、C 2、及びC3のいずれに各点が属するかを示す。 QAM 16配置の4点によって形成される窓を考えたとき、座標(1,1)、(3,1)、(3,3)、及び(1, 3)がそれぞれ、C0、C1、C2、およびC3に属する。 この窓が横軸或は縦軸に平行に距離2d 0だけ広げたとき、同じダイアグラムが他の配置に関して見つけられる。 システムの他の象限は、現在のものからπ/2の倍数回転することによって容易に得ることができる。 【0026】L0からL7に番号付けられた8つのサブセットへの配置A0×A0のサブ分割は、以下のような配置A0のサブ分割から帰結する。 L0=C0×C0∪C2×C2 L4=C0×C2∪C2×C0 L2=C1×C1∪C3×C3 L6=C1×C3∪C3×C1 L1=C0×C3∪C2×C1 L5=C0×C1∪C2×C3 L3=C1×C0∪C3×C2 L7=C1×C2∪C3×C0 ここで、記号×と∪は、各々デカルト積と2つのセットの和集合を表す。 【0027】図3は、以下の説明で用いられるトレリスを示す。 これはS0からS7に番号付けられた8状態トレリスであり、図において矢印で表される各状態からの4つの遷移を可能にする。 ある状態から次への推移は、 8つのサブセットL0からL7の一つに属する4次元の一点の伝送に対応する。 従って、状態S0、S1、S 4、及びS5からは、サブセットL0、L4、L2、或はL6;L6、L2、L4、或はL0;L2、L4、L 0、或はL6;及びL4、L0、L6、或はL2;の各点を伝送することで状態S0、S1、S2、S3を達成することができる。 同様に、状態S2、S3、S6、及びS7からは、サブセットL1、L5、L3、或はL 7;L7、L3、L5、或はL1;L3、L7、L1、 或はL5;及びL5、L1、L7、或はL3;の各点を伝送することで状態S4、S5、S6、S7を達成することができる。 【0028】図4は、本発明に従って、そのようなトレリスによって説明される畳み込み積分を最適復号化可能な復号化器の例のブロックダイアグラムである。 この復号化器は、2つのブロック10A及び10Bから構成される第1のブロック10よりなる。 ブロック10Aは、 受信された2つの2次元の点のそれぞれに関連付けられた4つの距離を計算することが可能である。 それより結果として得られる4つの距離の2つのセットは、対応する4次元の点に関連付けられた8つの枝経路Λ oからΛ 7を得るようにブロック10Bによって相互結合される。 【0029】λ n,jを、受信されたn th点とそれに最も近いサブセットC j内の点との間の距離としよう(nは1から2の値をとり、それが受信された第1或は第2の2次元の点に関連することを示し、一方jは0、1、 2、及び3の値をとり、それぞれそれがサブセットC 0、C1、C2、或はC3に関連する距離に関することを示す)。 8つの4次元の枝経路Λ 0からΛ 7は、以下の式から得られる。 【0030】 Λ 0 =min(λ 1,0 +λ 2,0 ;λ 1,2 +λ 2,2 ) Λ 1 =min(λ 1,0 +λ 2,3 ;λ 1,2 +λ 2,1 ) Λ 2 =min(λ 1,1 +λ 2,1 ;λ 1,3 +λ 2,3 ) Λ 3 =min(λ 1,1 +λ 2,0 ;λ 1,3 +λ 2,2 ) Λ 4 =min(λ 1,2 +λ 2,2 ;λ 1,2 +λ 2,0 ) Λ 5 =min(λ 1,2 +λ 2,1 ;λ 1,2 +λ 2,3 ) Λ 6 =min(λ 1,3 +λ 2,1 ;λ 1,3 +λ 2,1 ) Λ 7 =min(λ 1,3 +λ 2,2 ;λ 1,3 +λ 2,0 ) ブロック11は、次に、(図3のトレリスによって定義される)8つの可能な状態の各々に対して、2つの状態間の許可される遷移に対応する4つの経路長を計算する。 それらの経路長の最短のもののみが保持され、これは時間t+1における8つの可能な状態の各々に対して、それが最ももっともらしい結果である時間tにおける状態の選択を含む。 例えば、時間t+1において状態「0」にあるための4つの可能性は以下のようである。 【0031】−時間tにおいて状態「0」にあり、サブセットL0の点を伝送した、 −時間tにおいて状態「1」にあり、サブセットL6の点を伝送した、 −時間tにおいて状態「4」にあり、サブセットL2の点を伝送した、 −時間tにおいて状態「5」にあり、サブセットL4の点を伝送した。 従って保持される経路長は以下のようである。 【0032】Γ 0 (t+1)=min〔Γ 0 (t)+Λ 0 ;Γ 1 (t)+Λ 6 ;Γ 4 (t)+Λ 2 ;Γ 5 (t) +Λ 4 〕 次に、ブロック12は、計算された8つのうちから最短経路長を選択することを可能にし、ブロック13は最後に、トレリスを用いて、この最短経路に対応する初期ビットシーケンスを見つけ出し、従ってその出力に、送信器から発する最も確からしいビットシーケンスを供給する。 【0033】図5は、本発明による計算モジュール10 Aを詳細に示す。 このモジュールは、処理される2次元の点の座標X及びYと、使用される配置(16、21、 64、或は128)のフォーマットを示す2ビットに符号化された変数Qとを、その入力で受け取る限定ブロック20よりなる。 この限定ブロックは、配置の境界において、その外にある受信された点を収集することを可能にし、その配置の一点Rに対応する修正された可能性のある座標X'及びY'をその出力に供給する。 それらの座標はブロック21、23、25、及び26の入力に供給される。 ブロック21は受信された点Rに最も近い配置の点P 0の座標を計算する。 結果はブロック24と2 5に伝送される。 −ブロック24は、この点P 0がどのサブセットC iに属するかを決定し、それより、以下の説明で定義される変数I k XとI k yの値を導く、 −ブロック25は、受信された点Rを最も近い点P 0から隔てる誤差Eを計算する。 【0034】ブロック23、26、及び28は、点P 0 から開始して、配置の他の3つのサブセットの各々における、受信点Rの他の3つの近隣点P kを決定することを可能にする3つの隔たりベクトル△ k (kは1、2、 或は3)の計算に必要な中間変数(各々、以下に定義されるg k 、δ x及びδ y 、W k )を計算する。 ブロック26はその入力において、座標X'及びY'だけではなく、変数Q及びそれが符号を決定する誤差Eもまた受け取る。 【0035】変数Qと同様にブロック20、21、2 3、24、25、及び26から入来するデータは第1のレジスタ27に格納され、そこから、一方でブロック2 1、23、24、26、及び変数Qの出力データがブロック28の入力に提供され、他方では、ブロック20、 24、25、26、及び28から入来するデータが第2 のレジスタ29に格納される。 レジスタ29に格納されているブロック20、24、26、及び28から入来するデータは、後に、3つの隔たりベクトル△ Kを計算するブロック30の入力に提供される。 ブロック30の出力は、ブロック31の入力に結合され、このブロック3 1はまた、レジスタ29に格納されているブロック25 からの誤差Eを受け取り、受信点と原配置の4つの最も近い点との間の距離を計算する。 結果は第3のレジスタ32に格納される。 【0036】隔たりベクトル△ kの計算原理は以下に説明される。 最も近い点P 0が属するサブセットCiが決定されると、サブセットCj(j=0、1、2、或は3 で、j≠i)の受信点Rに最も近い点P kを得ることを可能にする隔たりが探される。 この目的のために、ソース(Ci)とデスティネーション(Cj)サブセットの関数として、どの座標(横軸或は/又は縦軸)が増加されるべきかを知る必要がある。 例えば、ソースサブセットC0からデスティネーションサブセットC1、C2、 及びC3へ移るためには、各々、最も近い点P 0の横軸、横軸と縦軸、及び縦軸を増加する必要がある。 従って2つのビットI k x及びI k yが定義され、各々、点P 0の横軸と縦軸が、点P 0から3つの点P kの各々に移るために増加されるべきかどうかを示す。 それらの2 つのビットはブロック24によって以下のようにして決定される。 【0037】 【数15】 【数16】 【0038】ここで(b 1 s,b 0 s)及び(b 1 d,b 0 d) は、ソースサブセット及びkth次元のサブセットのインデクス(0、1、2、或は3)の対応する2値であり、 記号 【0039】 【数17】 【0040】は「排他的論理和」演算を示す。 隔たりベクトル△ kの計算は、次に、配置の形状と受信点Rが置かれる配置の領域とに依存する幾つかの場合同士の区別を必要とする。 実際、隔たりベクトル△ kを計算する一般的原理は、隔たりが誤差Eの方向に行われるということによる。 しかしながら、2つの例外が考慮されるべきである。 第1に、配置の端の点に対して、隔たりの方向は配置の外にでないように逆転されるべきである。 第2 に、配置32と128は正方形ではなく、隔たりを推定する一般的原理により、ある仮想的な点が最も近い点として得られるべきである。 この場合、初期推定は変更される必要がある。 【0041】考慮されるべき様々な場合が、平面の正の象限に対して図6に示される。 クロス配置のCCの場合には、3つの領域が区別されるべきである。 第3の領域Z3は、クロス配置を延長しそれを正方形にするようなものである。 第2の領域Z2は、この正方形の境界にあるほかの全ての点よりなる。 この配置の残りの点は第1 の領域Z1を形成する。 正方形配置SCの場合、従って、配置は最初の2つの領域Z1とZ2のみによって形成される。 【0042】この図において、2つの新たな量が同様に定義される:それらは配置の点の横軸と縦軸の上限であるlmax (配置の境界はしたがってX=lmax +1とY =lmax +1によって定義される直線によって決定される)と、配置の正方形部分の点の横軸と縦軸の上限であるkmax である。 正方形配置に対して、量lmax とkma x は従って同一である。 受信点Rが第1の領域Z1に属するとき、隔たり△ kは、誤差Eの方向に等しい方向を有し、 △ k x =I k x・sgn(E x ) △ k y =I k y・sgn(E y ) 受信点Rが第2の領域Z2に属するとき、隔たり△ kの方向は、前の場合と比較して逆転されており、 △ k x =−I k x・sgn(E x ) △ k y =−I k y・sgn(E y ) これらの2つの場合は従って、以下の式で一緒にされてもよい。 【0043】△ k x =h x・I k x・sgn(E x ) △ k y =h y・I k y・sgn(E y ) ここでh x及びh yは、次の式(I)で定義される変数である。 h x = −1 |X|>lmax 1 それ以外 h y = −1 |Y|>lmax 1 それ以外 そのような隔たり(I)によって得られた配置の点は以下の説明において、 【0044】 【数18】 【0045】と書かれる。 しかしながら、受信点Rが第3の領域Z3に属するときには、式(I)によって得られた隔たりは、単に第1の推定であり、点P kを得るために以下の式(II)に従って変更されるべきである。 【0046】 【数19】 【0047】 【数20】 【0048】ここで関数fと変数g kは次のように定義される。 【0049】 【数21】 【0050】g 0 = 1 |X+1|>|Y+1| 0 それ以外 g 1 = 1 |X−1|>|Y+1| 0 それ以外 g 2 = 1 |X−1|>|Y−1| 0 それ以外 g 3 = 1 |X+1|>|Y−1| 0 それ以外 それらの変数g kは、2次元サブセットC0、C1、C 2、C3の対称軸に関しての受信点Rの位置を示し、それ故、可能性のある2点(第1の推定 【0051】 【数22】 【0052】に関して水平隔たりか或は垂直隔たりによって得られる点)のうちで、Rに最も近い点に関する決定を可能にする。 前の式で用いられるファクターsgn (X)或はsgn(Y)は、平面の4つの象限への一般的な適用を可能にする。 隔たり△ kの2値形式での一般的な表現は以下のようである。 △ k x =I k x・(1−2δ x )−2W k x・(1−2S x ) △ k y =I k y・(1−2δ y )−2W k y・(1−2S y ) ここで 1−2S x =sgn(X) 1−2S y =sgn(Y) 1−2δ x =h x・sgn(E x ) 1−2δ y =h y・sgn(E y ) 【0053】 【数23】 【0054】これは以下に示されるように得られる3つのビット△2、△1、及び△0によって隔たり△ kを符号化することを可能にする。 【0055】 【数24】 【0056】 【数25】 【0057】△0=I δは、受信された点Rの座標、用いられる配置に対するlmax の値、及び誤差Eからブロック26によって計算される。 Wは、以下のようにしてクロス配置に対する 【0058】 【数26】 【0059】の値を予め評価するブロック28によって計算される:(b3、b2、b1、b0)を点P 0の成分の2値とし、次にQAM32配置に対する 【0060】 【数27】 【0061】の値は以下の計算によって得られる: 【0062】 【数28】 【0063】そしてQAM128配置に対しては以下の計算によって与えられ: 【0064】 【数29】 【0065】ここで 【0066】 【数30】 【0067】 【数31】 【0068】 【数32】 【0069】 【数33】 【0070】である。 ブロック31によって実行される以下の段階は、それらの隔たりベクトル△ kによる4つの距離の計算による。 前の段落で説明されたように、最も近い点は: P k =P 0 +2(△ k x ,△ k y ) であり、ここで△ k xと△ k yは、サブ分割Cの場合には0、±1、±2の値をとる。 受信された点RとサブセットCjの点P kとの間のユークリッド距離μ kは、 従って: μ k =|R−P k | 2 μ k =|R−P 0 −2(△ k x ,△ k y )| 2 μ k =|(E x ,E y )−2(△ k x ,△ k y )| 2 【0071】 【数34】 【0072】と書かれ、ここで 【0073】 【数35】 【0074】である。 本発明により計算モジュールで用いられるのはこの相対距離 【0075】 【数36】 【0076】である。 それは代わりに以下のように書かれることもでき: 【0077】 【数37】 【0078】これは、強い重みに向かうビットのシフト操作が続く もし|△ k |=1の場合、項1±|E|の計算で十分である、 もし|△ k |=2の場合、項2±|E|の計算で十分である の2つの場合を区別することを可能にする。 従って積算器或は加算器でさえ、これらの操作を実行するのに必要とされない。 【0079】本発明による復号化器の実際の実施例において、誤差E xとE yは3つのビットによって符号化され、従って極値として±7/8を有し、また正方形配置(QAM16、64、・・・)が用いられる。 従って、 値±2はクロス配置の仮想点に対してのみ得られるので、隔たり△ kは0及び±1の値のみをとることができる。 すると相対距離 【0080】 【数38】 【0081】は、以下の不等式に従い、 【0082】 【数39】 【0083】従って5つのビットによって符号化され、 一方、同一のパラメータを用いて、2乗ユークリッド距離は9つのビットによって符号化される(μ≦265/ 16<512/16)。 経路長従って枝の長さを表現するのに必要なビット数に強く依存するそのような復号化器の複雑性は、従って計算精度に悪影響を与えることなく軽減され、復号化器の性能は保持される。 【0084】図7は、本発明による伝送システムの原理を示すダイアグラムである。 そのようなシステムは、2 つの同一な送信器/受信器100と200よりなり、図においては送信器/受信器回路100のみが詳細に示される。 この送信器/受信器回路100は送信器110と受信器120よりなる。 受信器120は、ミキサー回路122の第1の入力に結合された受信アンテナ121よりなり、ミキサー回路122の第2の入力は局部発振器123の出力に結合される。 ミキサー回路の出力は、図4を参照して説明されたように復号化器125に更に結合される復調回路124に結合される。 この復号化器1 25の出力に得られる受信された情報は、ユーザー12 6に供給される。 【0085】このユーザー126は、送信されるべき情報を送る送信器110にもまた結合され、送信器110 は、送信アンテナ111に結合される。 本発明の範囲からでることなく、特に等価な技術手段の置き換えなど、 上述の実施例に対する変更が可能なことは明らかである。 特に、選択されるサブ分割、原配置の次元、及び使用されるトレリスは異なり得る。 選択されるサブ分割がサブ分割Cでないときは、隔たり△ k x及び△ k yの計算はそれに従って変更されなければならず、それらの隔たりは絶対値で2を越えるより高いサブ分割に対しては整数値を有することができるが、それらは複合器の複雑性に対して何等影響をもたらさないよう低く保たれるだろう。 【図面の簡単な説明】 【図1】2次元のQAM16配置の異なった可能なサブ分割を示す図である。 【図2】4つの配置QAM16、32、64、及び12 8の正の象限を示す図である。 【図3】後続の説明において用いられる8状態のトレリスの一例を示す図である。 【図4】本発明による伝送システムの受信器で用いられる復号化器の一例の動作のブロックダイアグラムである。 【図5】そのような復号化器の計算モジュールの一例の動作のブロックダイアグラムである。 【図6】隔たりベクトルの計算に用いられるクロス配置と正方形配置の異なった領域を示す系統図である。 【図7】本発明による伝送システムを表す図である。 【符号の説明】 10、10A、10B、11、12、13、20、2 1、23、24、25、26、28、30、31 ブロック 27 第1のレジスタ 29 第2のレジスタ 32 第3のレジスタ 100、200 送信器/受信器 110 送信器 111 送信アンテナ 120 受信器 121 受信アンテナ 122 ミキサー回路 123 局部発振器 124 復調回路 125 復号化器 126 ユーザー フロントページの続き (72)発明者 ジョルジュ マルティネ フランス国 91560 クロン リュ・ジョ ルジュ ・ビゼ 5 |