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ジョセフソン接合ベースのサーキュレータならびに関連する系および方法

申请号 JP2017545319 申请日 2016-02-26 公开(公告)号 JP2018514104A 公开(公告)日 2018-05-31
申请人 イェール ユニバーシティー; Yale University; 发明人 スリワ,カトリーナ; ハットリッジ,マイケル; ナーラ,アニルド; シャンカー,シャム; フルンジオ,ルイージ; シェールコプフ,ロバート,ジェイ.,ザ サード; デボレット,マイケル;
摘要 いくつかの局面によると、ループ中に直列に配列される複数のジョセフソン接合、ループを通して磁束を生じる少なくとも1つの 磁性 素子、複数の超伝導共振器、ここでそれぞれの共振器は、複数のジョセフソン接合の異なった隣り合うジョセフソン接合の対の間でループに連結される、複数のポート、ここでそれぞれのポートは、共振器がループに連結される末端とは反対にある共振器の末端で、複数の共振器の少なくとも1つに連結される、および複数のポートのそれぞれに入 力 エネルギーを提供するように構成される少なくとも1つの制御器、ここで該制御器は、複数のポートの間で回路をサーキュレータとして機能させる、を含む回路が提供される。
权利要求

ループ中に直列に配列される複数のジョセフソン接合、 ループを通して磁束を生じる少なくとも1つの磁性素子、 複数の超伝導共振器、ここでそれぞれの共振器は、複数のジョセフソン接合の異なった隣り合うジョセフソン接合の対の間でループに連結される、 複数のポート、ここでそれぞれのポートは、共振器がループに連結される末端とは反対にある共振器の末端で、複数の共振器の少なくとも1つに連結される、および 複数のポートのそれぞれに入エネルギーを提供するように構成される少なくとも1つの制御器、ここで該制御器は、複数のポートの間で回路をサーキュレータとして機能させる、 を含む回路。複数の超伝導共振器が、複数のポートの1つ以上にそれぞれ容量的に(capacitively)連結される、請求項1記載の回路。ジョセフソン接合が、ループの周囲に均等な間隔で配置される、請求項1記載の回路。入力エネルギーが、複数のポートのそれぞれに提供されるポンピングシグナル(pumping signal)を含み、該ポンピングシグナルが、複数のポートのそれぞれで異なる周波数を有する、請求項1記載の回路。入力エネルギーが、複数のポートの第1のポートに入力される第1のポンピングシグナル、複数のポートの第2のポートに入力される第2のポンピングシグナル、および複数のポートの第3のポートに入力される第3のポンピングシグナルを含み、 第1のポートが、第1の共鳴周波数を有する回路の第1の共鳴モードと関連し、 第2のポートが、第2の共鳴周波数を有する回路の第2の共鳴モードと関連し、 第3のポートが、第3の共鳴周波数を有する回路の第3の共鳴モードと関連する、 請求項1記載の回路。第1のポンピングシグナルが、第2の共鳴周波数と第3の共鳴周波数の差に等しい主たる周波数(primary frequency)を有する、請求項5記載の回路。第2のポンピングシグナルが、第1の共鳴周波数と第3の共鳴周波数の差に等しい主たる周波数を有し、第3のポンピングシグナルが、第1の共鳴周波数と第2の共鳴周波数の差に等しい主たる周波数を有する、請求項6記載の回路。サーキュレータが、ポートの間で第1の方向で機能し、第1のポンピングシグナルの位相プラス第2のポンピングシグナルの位相マイナス第3のポンピングシグナルの位相が、π/2の奇数倍(odd integer multiple)に等しい、請求項5記載の回路。第1のポンピングシグナルの位相プラス第2のポンピングシグナルの位相マイナス第3のポンピングシグナルの位相が、-π/2の奇数倍に等しく、サーキュレータが、第1の方向とは反対のポートの間の第2の方向で機能する、請求項8記載の回路。入力エネルギーが、第1の入力エネルギーであり、少なくとも1つの制御器がさらに、複数のポートのそれぞれに、第1の入力エネルギーとは異なる第2の入力エネルギーを提供するように構成され、制御器が、回路を方向性を有する増幅器(directional amplifier)として機能させる、請求項1記載の回路。第2の入力エネルギーが、複数のポートの第1のポートに入力される第1のポンピングシグナル、複数のポートの第2のポートに入力される第2のポンピングシグナル、および複数のポートの第3のポートに入力される第3のポンピングシグナルを含み、 第1のポートが、第1の共鳴周波数を有する回路の第1の共鳴モードと関連し、 第2のポートが、第2の共鳴周波数を有する回路の第2の共鳴モードと関連し、 第3のポートが、第3の共鳴周波数を有する回路の第3の共鳴モードと関連し、 第1のポンピングシグナルが、第2の共鳴周波数と第3の共鳴周波数の合計に等しい主たる周波数を有する、請求項10記載の回路。第2のポンピングシグナルが、第1の共鳴周波数と第3の共鳴周波数の差に等しい主たる周波数を有し、 第3のポンピングシグナルが、第1の共鳴周波数と第2の共鳴周波数の合計と等しい主たる周波数を有する、請求項11記載の回路。回路を操作する方法であって、該回路が、 ループ中に直列に配列される複数のジョセフソン接合、 ループを通して磁束を生じる少なくとも1つの磁性素子、 複数の超伝導共振器、ここでそれぞれの共振器は、複数のジョセフソン接合の異なった隣り合うジョセフソン接合の対の間でループに連結される、 複数のポート、ここでそれぞれのポートは、共振器がループに連結される末端とは反対にある共振器の末端で、複数の共振器の少なくとも1つに連結される、 を含み、該方法は、 複数のポートのそれぞれに入力ポンピングシグナルを提供して、複数のポートの間で回路をサーキュレータとして機能させる工程 を含む、方法。それぞれの入力ポンピングシグナルがそれぞれ異なる周波数を有する、請求項13記載の方法。第1の入力ポンピングシグナルが複数のポートの第1のポートに入力され、第2の入力ポンピングシグナルが複数のポートの第2のポートに入力され、第3の入力ポンピングシグナルが複数のポートの第3のポートに入力され、 第1のポートが、第1の共鳴周波数を有する回路の第1の共鳴モードと関連し、 第2のポートが、第2の共鳴周波数を有する回路の第2の共鳴モードと関連し、 第3のポートが、第3の共鳴周波数を有する回路の第3の共鳴モードと関連し、 第1の入力ポンピングシグナルが、第2の共鳴周波数と第3の共鳴周波数の差に等しい主たる周波数を有する、 請求項13記載の方法。第2の入力ポンピングシグナルが、第1の共鳴周波数と第3の共鳴周波数の差に等しい主たる周波数を有し、第3の入力ポンピングシグナルが、第1の共鳴周波数と第2の共鳴周波数の差に等しい主たる周波数を有する、請求項15記載の方法。サーキュレータがポートの間の第1の方向で機能し、第1の入力ポンピングシグナルの位相プラス第2の入力ポンピングシグナルの位相マイナス第3の入力ポンピングシグナルの位相が、π/2の奇数倍に等しい、請求項15記載の方法。第1の入力ポンピングシグナルの位相プラス第2の入力ポンピングシグナルの位相マイナス第3の入力ポンピングシグナルの位相が、-π/2の奇数倍と等しく、サーキュレータが、第1の方向とは反対のポートの間の第2の方向において機能する、請求項17記載の方法。

说明书全文

関連出願についての相互参照 本願は、2015年2月27日に、発明の名称「Integrated Directional Amplifiers and Circulators」で出願され、その全体において参照により本明細書に援用される米国仮特許出願第62/126,423号の35 U.S.C. §119(e)の利益を主張する。

分野 本願は一般的に、サーキュレータ回路に関する。より具体的に、本願は、可逆的(reversible)サーキュレータとして操作され得る量子回路に関する。

背景 情報が一方向のみに流れるように方向性を有させて(directionally)素子を接続することが、シグナル処理の要件である。方向性を有する(directional)素子は、供給源から目的地まで情報の経路を決定するが、同時に、逆にその一続き(chain)を通過するシグナルからの干渉を防ぐ。規範的に、入と出力の分離は、サーキュレータによりなされる。サーキュレータは、1つのポートに到着する入力シグナルがある順序で次のポートからの出力されるように該順序で作動し得るいくつかのポート(典型的には3または4個)を有する構成要素である。

第2の重要な方向性を有するデバイスは、そうしなければ弱すぎてその後の素子により十分に処理されないシグナルパワーレベルを高めるために使用される2ポート増幅器である。増幅器の方向性(directionality)は、通常方向性を有する増幅器についてのユニティ(unity)よりもかなり低い逆利得、すなわち増幅器を逆に移動するシグナルがうける利得により特定される。

概要 いくつかの局面は、ループ中に直列に配列される複数のジョセフソン接合、ループを通して磁束(magnetic flux)を生じる少なくとも1つの磁性素子、複数の超伝導共振器、ここでそれぞれの共振器は、複数のジョセフソン接合の異なった隣り合うジョセフソン接合の対の間でループに連結される、複数のポート、ここでそれぞれのポートは、共振器がループに連結される末端とは反対にある共振器の末端で、複数の共振器の少なくとも1つに連結される、および複数のポートのそれぞれに入力エネルギーを提供するように構成される少なくとも1つの制御器、ここで制御器は、複数のポートの間で回路をサーキュレータとして機能させる、を含む回路に関する。

いくつかの態様によると、複数の超伝導共振器は、複数のポートの1つ以上にそれぞれ容量的に(capacitively)連結される。

いくつかの態様によると、ジョセフソン接合は、ループの周囲に均等な間隔で配置される。

いくつかの態様によると、入力エネルギーは、複数のポートのそれぞれに提供されるポンピングシグナル(pumping signal)を含み、ポンピングシグナルは、複数のポートのそれぞれで異なる周波数を有する。

いくつかの態様によると、入力エネルギーは、複数のポートの第1のポートに入力される第1のポンピングシグナル、複数のポートの第2のポートに入力される第2のポンピングシグナルおよび複数のポートの第3のポートに入力される第3のポンピングシグナルを含み、第1のポートは、第1の共鳴周波数を有する回路の第1の共鳴モードと関連し、第2のポートは、第2の共鳴周波数を有する回路の第2の共鳴モードと関連し、第3のポートは、第3の共鳴周波数を有する回路の第3の共鳴モードと関連する。

いくつかの態様によると、第1のポンピングシグナルは、第2の共鳴周波数と第3の共鳴周波数の差に等しい主たる周波数を有する。

いくつかの態様によると、第2のポンピングシグナルは、第1の共鳴周波数と第3の共鳴周波数の差に等しい主たる周波数を有し、第3のポンピングシグナルは、第1の共鳴周波数と第2の共鳴周波数の差に等しい主たる周波数を有する。

いくつかの態様によると、サーキュレータは、ポートの間の第1の方向で機能し、第1のポンピングシグナルの位相プラス第2のポンピングシグナルの位相マイナス第3のポンピングシグナルの位相は、π/2の奇数倍(odd integer multiple)に等しい。

いくつかの態様によると、第1のポンピングシグナルの位相プラス第2のポンピングシグナルの位相マイナス第3のポンピングシグナルの位相は、-π/2の奇数倍と等しく、サーキュレータは、第1の方向とは反対のポートの間の第2の方向で機能する。

いくつかの態様によると、入力エネルギーは第1の入力エネルギーであり、少なくとも1つの制御器はさらに、複数のポートのそれぞれに、第1の入力エネルギーとは異なる第2の入力エネルギーを提供するように構成され、制御器は、回路を方向性を有する増幅器として機能させる。

いくつかの態様によると、第2の入力エネルギーは、複数のポートの第1のポートに入力される第1のポンピングシグナル、複数のポートの第2のポートに入力される第2のポンピングシグナルおよび複数のポートの第3のポートに入力される第3のポンピングシグナルを含み、第1のポートは、第1の共鳴周波数を有する回路の第1の共鳴モードと関連し、第2のポートは、第2の共鳴周波数を有する回路の第2の共鳴モードと関連し、第3のポートは、第3の共鳴周波数を有する回路の第3の共鳴モードと関連し、第1のポンピングシグナルは、第2の共鳴周波数と第3の共鳴周波数の合計に等しい主たる周波数を有する。

いくつかの態様によると、第2のポンピングシグナルは、第1の共鳴周波数と第3の共鳴周波数の差に等しい主たる周波数を有し、第3のポンピングシグナルは、第1の共鳴周波数と第2の共鳴周波数の合計に等しい主たる周波数を有する。

いくつかの局面は、回路を操作する方法に関し、該回路は、ループ中に直列に配置される複数のジョセフソン接合、ループを通して磁束を生じる少なくとも1つの磁性素子、複数の超伝導共振器、ここでそれぞれの共振器は、複数のジョセフソン接合の異なった隣り合うジョセフソン接合の対の間でループに連結される、複数のポート、ここでそれぞれのポートは、共振器がループに連結される末端とは反対にある共振器の末端で、複数の共振器の少なくとも1つに連結される、を含み、該方法は、複数のポートのそれぞれに入力ポンピングシグナルを提供して、複数のポートの間で回路をサーキュレータとして機能させる工程を含む。

いくつかの態様によると、それぞれの入力ポンピングシグナルはそれぞれ異なる周波数を有する。

いくつかの態様によると、第1の入力ポンピングシグナルは、複数のポートの第1のポートに入力され、第2の入力ポンピングシグナルは、複数のポートの第2のポートに入力され、第3の入力ポンピングシグナルは、複数のポートの第3のポートに入力され、第1のポートは、第1の共鳴周波数を有する回路の第1の共鳴モードと関連し、第2のポートは、第2の共鳴周波数を有する回路の第2の共鳴モードと関連し、第3のポートは、第3の共鳴周波数を有する回路の第3の共鳴モードと関連し、第1の入力ポンピングシグナルは、第2の共鳴周波数と第3の共鳴周波数の差に等しい主たる周波数を有する。

いくつかの態様によると、第2の入力ポンピングシグナルは、第1の共鳴周波数と第3の共鳴周波数の差に等しい主たる周波数を有し、第3の入力ポンピングシグナルは、第1の共鳴周波数と第2の共鳴周波数の差に等しい主たる周波数を有する。

いくつかの態様によると、サーキュレータは、ポートの間の第1の方向で機能し、第1の入力ポンピングシグナルの位相プラス第2の入力ポンピングシグナルの位相マイナス第3の入力ポンピングシグナルの位相は、π/2の奇数倍に等しい。

いくつかの態様によると、第1の入力ポンピングシグナルの位相プラス第2の入力ポンピングシグナルの位相マイナス第3の入力ポンピングシグナルの位相は、-π/2の奇数倍に等しく、サーキュレータは、第1の方向とは反対のポートの間の第2の方向で機能する。

以下の図面を参照して、種々の局面および態様を説明する。図面は必ずしも同じ縮尺で描かれていないことが理解されるべきである。図面において、種々の図に図示されるそれぞれの同じであるかまたはほぼ同じである構成要素は、同様の番号で示される。明確化のために、全ての図において、全ての構成要素が表示されないことがある。

図1は、いくつかの態様による、一体化されたサーキュレータ/増幅器回路のブロック図である。

図2Aは、いくつかの態様による、3つのポートおよび4つの共振器を有する一体化されたサーキュレータ/増幅器回路のブロック図である。

図2Bは、いくつかの態様による、図2Aの回路の3つの直交する共鳴モードの空間的励起パターンを示す。

図3Aは、いくつかの態様による、他の2つのポートの間で変換を生じるための図2Aの回路のポートのポンピングを示す。図3Bは、いくつかの態様による、他の2つのポートの間で利得を生じるための図2Aの回路のポートのポンピングを示す。

図4は、いくつかの態様による、図2Aの回路が変換および利得の機能の組合せを生じるようにポンピングされ得る種々の方法(way)を示す。

図5A〜5Cは、いくつかの態様による、可逆的サーキュレータとしての図2Aの回路の操作を示す。

図6A〜6Dは、いくつかの態様による、方向性を有する増幅器としての図2Aの回路の操作を示す。

詳細な説明 量子系の測定は、しばしばわずかな光子のみを含むシグナルを使用して、量子系を探査すること(probing)を必要とする。高い忠実度でのこのような弱いシグナルの測定は、頻繁に、高利得、低ノイズの一続きの増幅器を要求する。また、サーキュレータはしばしば、量子系の周囲のエネルギーの流れを制御するために使用される。上述のように、サーキュレータは、1つのポートに到達する入力シグナルがある順序で次のポートから出力されるように該順序で作動し得るいくつかのポートを有する。

しかしながら、かかるサーキュレータおよび増幅器は、量子回路において使用される場合、しばしば許容できないレベルのノイズを生じる。ほんの1dBだけシグナル-対-ノイズを生じさせる比較的低ノイズの増幅器またはサーキュレータであっても、シグナルのパワーの25%の低減を生じる。量子回路の低パワー(power)の領域(regime)について、かかる減衰は回路には大きすぎて、目的のように機能できないことがある。量子ノイズは、達成され得るノイズの量の下限を設定するが、理想的なサーキュレータまたは増幅器は、量子ノイズのみにより限定される(しばしば、「量子限定される(quantum-limited)」と称される)。

量子回路について最も広く選択される増幅器は超伝導パラメトリック増幅器であり、しばしば「パラアンプ(paramp)」と称される。標準的なパラアンプ設計は方向性を有さないが、その代り反射において増幅し、入力および出力されるシグナルを分離するために外部サーキュレータを必要とする。さらに、市販のサーキュレータは典型的に、異なる方向に伝播する偏波(polarized wave)を区別するためにフェライトおよび/または永久磁石に頼る。このような材料はかさばる傾向があるので、サーキュレータが使用される回路の測定可能性(scalability)が制限される。また、それらの磁石の性質は、該材料を回路内の超伝導素子(例えばキュービット)と両立できないものにし得、該材料は、その挿入損失(insertion loss)の結果として回路内でシグナルにノイズを追加し得る。

本発明者らは、いくつかの共振器に結合されたジョセフソン接合のループを特徴とする回路の選択された共鳴モードを励起させることにより、サーキュレータを作製し得ることを認識し、理解している。いくつかの態様において、同じデバイスはまた、共鳴モードを励起するために使用される1つ以上のポンプ入力の周波数および相対位相のみを変化することにより、方向性を有する増幅器として操作され得る。さらに、いくつかの態様において、サーキュレータ機能の方向性は、ポンプ入力の相対位相を単に変化させることにより切り替えられ得る。

本明細書に記載される一体化されたデバイスは、市販のサーキュレータに使用される嵩高い磁気的に偏りのあるフェライト材料を回避するので、キュービットデバイスを有するオンチップ(on-chip)で作製され得る。いくつかの実施において、サーキュレータとして機能する場合、デバイスは、光が1つのポートから別のポートへと通過する際の光の量子状態を保存することにより、ノイズを追加しないことができ、いくつかの実施において、増幅器として機能する場合、デバイスは、量子限定されるノイズを生じ得る。

以下は、一体化された可逆的サーキュレータおよび方向性を有する増幅器に関する種々の概念、ならびにそれらの態様のより詳細な説明である。本明細書に記載される種々の局面は多くの方法のいずれかで実行され得ることが理解されるべきである。例示目的のみのために、具体的な実行の例を本明細書に示す。また、以下の本態様において記載される種々の局面は、単独でまたは任意の組合せで使用され得、本明細書に明示的に記載される組み合わせに限定されない。

図1は、いくつかの態様による、一体化されたサーキュレータ/増幅器回路のブロック図である。図1に示される回路100は、制御器およびシグナル源105により作動されて、サーキュレータまたは方向性を有する増幅器として機能し得るが、サーキュレータまたは増幅器以外の操作のさらなるモードが以下の記載により必ずしも排除されるわけではない。回路100はまた、複数のポート110、ポートを1つ以上の共振器130へと経路を決定するサブ回路120、およびその周囲にいくつかのジョセフソン接合140が配置され、かつ共振器130への接続により散在される回路ループ150を含む。磁束Φは、ループ150の内部を通って方向づけられ、適切な磁性構成要素(示さず)により生じ得る。

図1の例において、ループ150およびジョセフソン接合140a、140b、...140nを介して一緒に連結される共振器130a、130b、...130n内の定在(standing)電磁モード間の1つ以上の二体相互作用(2-body interaction)を含む1つ以上のパラメトリックプロセスがあり得る。いくつかの態様によると、定在電磁モードは、電磁スペクトルのマイクロ波領域内にあり得る。これらの共鳴モードを励起する入力シグナルは、デバイスを、例えば下記のようにサーキュレータまたは増幅器として作動させるために使用され得る。

図1に回路100を特定の物理的レイアウトを有するように示すが、回路100がかかる構成に限定されることは意図されない。むしろ、図1は、単に、回路100の構成要素がどのように互いに接続され、一般的に構成要素は任意の適切な様式で配列され得ることを示すことを意図する。いくつかの態様において、回路100の構成要素のいくつかが特定の様式で配列されることが好ましくあり得、その例を以下に記載する。

制御器およびシグナル源105は、1つ以上のシグナルを含む入力エネルギーを、ポート110a、110b、110c、...110nの任意の1つ以上に提供する。一般的に、回路100は、任意の数の入力ポートを含み得、4つの入力ポートが示されるが、ポートの数は4つよりも数が少なくあり得る。伝統的に、サーキュレータは、少なくとも3つのポートを有し、系100はまた、いくつかの態様において、絶縁体として機能するように2つのポートにより実行され得るが、一般的に、サーキュレータ機能性を提供するために、回路100において、少なくとも3つのポートが好ましく、すなわち1つのポートへの入力シグナルは、ある順序で次のポートから出力される。例えば、図1の例において、回路100がサーキュレータとして機能している場合、ポート110aに入力される入力シグナルはポート110bから出力され得、ポート110bに入力される入力シグナルはポート110cから出力され得、...ポート110nに入力される入力シグナルはポート110aから出力され得る。

図1の例において、制御器およびシグナル源105は、ポート110a、110b、110c、...110nに提供される1つ以上の入力シグナルの周波数、位相および振幅の任意の組合せを選択し得る。制御器およびシグナル源105は、入力シグナル周波数、位相および振幅の特定の値を選択するように提供され得、回路100にサーキュレータまたは増幅器の機能を実行させるために、選択された周波数、位相および振幅を入力シグナルに提供されるべきであるポートを選択するように提供され得る。回路100を励起してサーキュレータ、増幅器または他の適切な機能を実行させるために、制御器およびシグナル源105によりポートに提供される入力シグナルは、本明細書においてまとめて「ポンプシグナル」と称される。

ポートに入力される入力シグナルは、回路100のモードの1つの共鳴周波数を励起するポンプシグナルを含み得、さらに回路100が連結される回路(示さず)由来の1つ以上の情報シグナルを含み得、ここで該情報シグナルは、かかる情報シグナル(1つまたは複数)に応じて回路100がサーキュレータおよび/または増幅器の機能を実行し得るように入力として提供される。例えば、ポート110a、110b、110c、...110nの1つ以上は、回路100がサーキュレータとして機能するように構成されるように、回路の共鳴を励起するための入力ポンピングシグナルを受信し得る。同じ時点またはその後に、ポートの1つ(ポンピングシグナルが適用されるポートを含んでも含まなくてもよい)に入力される情報シグナルは、上述のように循環配列において、次のポートから出力され得る。

どの入力シグナルがポートに提供されるかに関係なく、それぞれのポートは、それぞれのポートをそれが連結される1つ以上の共振器へと経路を決定し、かかる経路決定通路に沿って回路構成要素をさらに提供し得るサブ回路120を介して共振器130a、130b、...130nの1つ以上に連結される。

いくつかの態様によると、サブ回路120は、シグナルの位相調整バージョンが共振器130a、130b、...130nの1つに供給される前に、ポート110a、110b、110c、...110nの1つに供給されるシグナルの位相を調整する1つ以上の構成要素を含む。例えば、シグナルの位相は、例えばπ、π/2、π/4などのいくつかの固定された量で調整され得る。いくつかの場合、入力シグナルの位相調整バージョンは、共振器130a、130b、...130nの第1の共振器に供給され得、また同じ入力シグナルの非位相調整バージョンは、共振器130a、130b、...130nの異なる共振器に供給され得る。かかるアプローチは、特定の周波数のポンピングシグナルが同時に異なる位相で2つの異なる共振器に供給されることを可能にするので、回路100の共鳴周波数の励起を補助し得る。

共振器130a、130b、...130nは、同じまたは異なる寸法を有し得、例えば超伝導共振器(例えば伝送線路共振器)であり得る。いくつかの態様によると、共振器の1つ以上は、容量的にサブ回路120に連結され得る。いくつかの態様において、共振器130a、130b、...130nは、1/4波または1/2波共振器である。いくつかの態様において、共振器130a、130b、...130nは、1/4波マイクロ波共振器である。

いくつかの態様によると、共振器130a、130b、...130nは、かかる共振器を通過するシグナルが互いの内で共鳴効果を生じるように、互いに近接して配列され得る。例えば、2つの1/4波共振器は、1/2波共振器と機能的に同等であるように、互いに末端と末端が近接するように配置され得る。作製に関して、共振器130a、130b、...130nが、nλ/2共振器の2個分のように作動しているいくつかのnλ共振器(ここでnは0.5などの任意の値である)のみからなる場合の間にわずかな(marginal)差が存在し得ることが理解される。したがって、共振器130a、130b、...130nがかかる配列を示すことは図1の例の精神および範囲の範囲内にある。

いくつかの態様によると、ジョセフソン接合140a、140b、...140nは、ループ150の周囲に等間隔で(equidistantly)配列され得る。ループ150は、任意の適切な形状を有し得、図1に示される形状に限定されない。例えば、ループ150は、正方形、長方形、円形、楕円形または任意の他の適切な形状として配列され得る。示されるように、共振器130a、130b、...130nは、ジョセフソン接合140a、140b、...140nの隣り合う対の間でループに連結するように配列される。かかる配列は、共振器の間の適切な連結を配列するのに有利であり得るが、さらなるジョセフソン接合はまた、共振器の間の適切な連結が提供される限りは、回路ループ150内に提供され得ることが理解される。

図2Aは、いくつかの態様による、一体化されたサーキュレータ/増幅器回路のブロック図である。図2Aに示される回路200は、3つのポートおよび4つの共振器を有するより一般的な図1に示される回路の特定の例である。図2Bは、さらに以下に記載されるように、回路200の3つの直交する共鳴モードの空間的励起パターンを示す。

図2Aの例において、3つのポート211、212および213は、それぞれポートa、bおよびcとしても表示される(および本明細書において称される)。3つのポートは、180°ハイブリッドユニット221、222および223の1つ以上を介して、共振器231、232、233および234に連結される。共振器は、4つのジョセフソン接合が等間隔で配列され、かつ4つの共振器の間に散在されるループ250の周囲に連結される。磁束Φは、ループ250の内部を通過するように方向づけられ、適切な磁性構成要素(示さず)により生じる。例えば、Φは、磁束量子(flux quantum)の1/2に等しくあり得る。図2Aの例において、共振器231〜234のそれぞれは、コンデンサを介して180°ハイブリッドユニット221、222に連結される。

180°ハイブリッドユニット221、222および223は、合計ポート(図2Aにおいて「Σ」と表示される)を通して入力が送られる場合に2つの等しい振幅同位相(in-phase)シグナルを出力し、異なるポート(図2Aにおいて「Δ」と表示される)を通して入力が送られる場合に2つの等しい振幅180°異位相(out-of-phase)シグナルを出力するデバイスである。逆に、図2Aにおいて「C」および「D」と表示されるポートを通してシグナルが入力される場合は、これらのシグナルは、合計ポート(Σ)での合計としておよび異なるポート(Δ)での2つのシグナルの差として出力される。これらのデバイスは、ポンピングシグナルの位相シフトバージョンを調製して、共鳴モードを励起するために回路200内で使用されるが、一般的に、かかるタスクを実行するための任意の適切なデバイスが、180°ハイブリッドユニットの代わりに使用され得る。

いくつかの態様によると、共振器231、232、233および234は、それぞれ1/4波共振器であり得る。いくつかの態様によると、共振器231、232、233および234は、交差した(crossed)共振器の組であり得る。例えば、共振器231および233は、ループ250およびジョセフソン接合により交差される(cross)第1の共振器であり得、共振器232および234は、ループおよびジョセフソン接合により交差される(cross)第2の共振器であり得る。例えば、ループ250は、2つの共振器の中央電流波腹(central current antinode)で埋め込まれ得る。いくつかの態様によると、2つのかかる共振器はそれぞれ、231、232、233および234がそれぞれ1/4波共振器として効率的に機能するような1/2波共振器であり得る。

図2Bは、図2Aに関して本明細書に記載される回路200の3つの直交する共鳴モードの空間的励起パターンを示す。以下の記載において、共振器231、232、233および234は、第1に232および234から、および第2に231および233から形成される2つの交差した共振器であると仮定され、それぞれ周波数ωaおよびωbを有する共鳴モードを有する。

図2Bに示される第1のモード250は、図2Aに示されるポートa(211)に入力ポンピングシグナルを提供することにより励起され得る。入力ポンピングシグナルは、異なるポートで180°ハイブリッド222に進入し、そのため共振器232および234の両方に出力され、これらの出力のそれぞれが互いに180°異位相である。この位相差を図2Bに示し、これは、正方形の形状のループ250を示し、ループの周囲の対応する位置で共振器への入力の相対位相を「+」および「-」の記号を用いて示す。ここで記載の目的で、位相の間に180度の差がある限りは、今後「aモード」と称されるこの第1のモードを含むモードのいずれかが任意の特定の絶対位相値を使用して励起されるということは重要ではない。したがって、図2Bに示される「+」および「-」の記号は任意であり、ループ250の周囲のそれぞれの位置での共振器への入力の間の相対位相差を単に例示することを意図する。回路200の「aモード」を励起するために、ポート211に入力されるポンピングシグナルは、共振器232および234で形成される共振器の共鳴周波数ωaであり得る。

図2Bに示される第2のモード260は、図2Aに示されるポートb(212)に入力ポンピングシグナルを提供することにより励起され得る。入力ポンピングシグナルは、異なるポートで180°ハイブリッド221に進入し、そのため共振器231および233の両方から出力され、これらの出力のそれぞれが互いに180°異位相である。この位相差を図2Bに示し、これは、正方形の形状のループ250を示し、ループの周囲の対応する位置での共振器への入力の相対位相を「+」および「-」の記号を用いて示す。上述のように、これらの記号は、絶対的な位相ではなく、相対的な位相を伝えることを意図する。回路200のこの「bモード」を励起させるために、ポート212に入力されるポンピングシグナルは、共振器231および233で形成される共振器の共鳴周波数ωbであり得る。

図2Bに示される第3のモード270は、2つの他の共鳴モードのコモンモード周波数で(すなわちωaおよびωbのコモンモードで)図2Aに示されるポートc(212)に入力ポンピングシグナルを提供することにより励起され得る。このコモンモード周波数は、以降ωcと称される。入力ポンピングシグナルは、異なるポートで180°ハイブリッド223に進入し、そのため、それぞれの合計ポートで180°ハイブリッド221および180°ハイブリッド222の両方に出力される。180°ハイブリッド221は、そのため、同一のシグナルを共振器231および233に出力し、一方で、180°ハイブリッド222はまた、同一のシグナルを共振器232および234に出力するが、共振器231および233に出力されるシグナルは、180°ハイブリッド223の機能のために共振器232および234に出力されるシグナルに対して180°異位相である。この位相差を図2Bに示し、これは4つの共振器270の相対位相を示す。

本発明者らは、図1に示される回路100または図2に示される回路200などの回路は、回路のモードを一緒に結合して例えばサーキュレータまたは増幅器に関連する機能性を生じるために、共鳴から離れたポンピングをされ得ることを認識し、理解している。

図2A〜2Bの例に関して上述されるように、回路200の3つの共鳴モードのそれぞれは、特定の周波数 (ポートa、bまたはcのそれぞれでωa、ωbまたはωc)でポンピング入力を提供することにより励起され得る。下記の例示態様は、これらの共鳴周波数から異なる周波数での、さらにモードの少なくともいくつかの共鳴周波数に基づく周波数でのポートのポンピングは、回路200のポートの間で利得または変換機能をどのように実行させ得るかを示す。これらの利得および変換機能は、回路200が例えばサーキュレータまたは方向性を有する増幅器として機能するような適切な様式で組み合され得るが、同じ回路を使用して、およびポートに適切なポンピング入力を提供することにより、他の機能が可能であり得る。

図3Aは、いくつかの態様による、他の残りのポートの間の変換を生じるための図2Aの回路の1つのポートのポンピングを示す。図3Aの例において、図2Aのポートc(213)は、2つの他のポートa(211)とb(212)の共鳴周波数の差と等しい周波数でポンピングされる。すなわち、ポートcは、周波数

でポンピングされる。これは、入射シグナルが反射される(係数

で伝達される、ポートaとbの間の変換プロセスを引き起こす。この様式でデバイスを通って伝達されたシグナルは、ポンプ位相依存的非相反シフト(pump-phase dependent non-reciprocal shift)を経験する(ここで、図中、ポンプ位相は、φpで表示される)

図3Aの図300は、この変換操作により生じる散乱マトリックスのグラフ表示を示す。図3Aの例において、チャート310は、プローブ周波数に対してプロットされる散乱マトリックスSbbのb->b成分を示す。示されるように、周波数ωbで一時的減少(dip)があり(この例において、周波数ωbは5.25GHzにほぼ等しい)、ここで、光子は、約1-C=-18dBで示される変換係数Cで、ωbからωaへと上方変換(up-converted)される。

図3Aの例は、ポートcの適切なポンピングによるポートaとbの間の変換を示すが、ポートaとbで同様にポンピングすることにより、同様の変換操作がなされ得る。すなわち、周波数

でポートbをポンピングすることにより、ポートcとaの間の変換が誘導され得る。

図3Bは、いくつかの態様による、他の2つのポートの間の利得を生じるための図2Aの回路のポートのポンピングを示す。図3Bの例において、図2Aのポートb(212)は、2つの他のポートa(211)およびc(213)の共鳴周波数の合計に等しい周波数でポンピングされる。すなわち、ポートbは、周波数

でポンピングされる。これは、ポンプ位相依存的非相反位相シフトφpと一緒になって、入射シグナルが電圧利得

を伴って伝達される、ポートaとcの間の利得プロセスを引き起こす。1つのポートにおけるシグナル入射は、他のポートからの増幅された真空変動と合わされて、位相保存増幅を達成し得る。増幅プロセスの対称性のために、増幅されたシグナルは、いずれかの出力ポートから回収され得る。

図3Bの図350は、この利得操作により生じる散乱マトリックスのグラフ表示を示す。図3Bの例において、チャート360は、プローブ周波数に対してプロットされた散乱マトリックスSaaのa->a成分を示す。示されるように、周波数ωaでピークがあり(この例において、周波数ωaは9.15GHzにほぼ等しい)、ここで、光子が増幅される。

図3Bの例は、ポートbの適切なポンピングによるポートaおよびcでの利得を示すが、同様にポートaおよびcでポンピングすることにより、同様の利得操作が実行され得る。すなわち、周波数

でポートbをポンピングすることにより、ポートcおよびaでの利得が誘導され得る。

図3A〜3Bの例において、周波数ωaおよびωbを有する共鳴モードは、エネルギー減衰速度κa、κbのそれぞれを有するように採られる。ただし、図3Aに示される変換プロセスにおいては、ポンプ周波数

およびbは、それらのそれぞれのモードaおよびbについての生成および消滅演算子であり、gabは、ポンプパワー依存的カップリングであり、φpは、ポンプ位相である)。次いで、変換プロセスは、ゼロ離調(zero detuning)での変換係数:

の場合の完全変換)の範囲である。

同様に、図3Bに示される利得プロセスにおいて、相互作用ハミルトニアンは:

と記載され得る。

次いで、ゼロ離調で得られる増幅プロセスの利得は、

と記載され得る。

について高利得が達成される。

上述の記載のように、図2に示される例示的回路200における3つのポートのそれぞれは、2つの経路のいずれかまたは両方でポンピングされ得ることが明らかである。すなわち、それぞれは、上述の変換プロセスに従ってポンピングされ得るか、および/または上述の利得プロセスに従ってポンピングされ得る。両方のプロセスで、一般的にそれぞれのポートで異なるポンピング周波数が利用されるので、両プロセスは一般的に、互いに両立可能であり、理論上は同時に適用され得る。図4は、いくつかの態様による、図2Aの回路が変換と利得の機能の組合せを生じるようにポンピングされ得る種々の方法を示す。

本発明者らは、回路200などの回路は、上述の変換操作の適切な組合せを使用して回路をサーキュレータとして機能させるように操作され得ることを認識し、理解している。上述のように、回路が、ポート間の変換器として励起される場合、エネルギーはこれらのポート間で両方向に流れ得る(それにより、おそらく、サーキュレータよりも高い周波数変換(frequency translation)を有するジャイレータ(gyrator)に似たデバイスが生じる)が、本発明者らは、回路に入力されるポンプの位相および周波数を適切に調節することにより、それでもなおデバイスが可逆的サーキュレータとして機能し得ることを認識している。図2Aの例示的回路に関するこのポンピング構成をここで説明する。

図5A〜5Cは、いくつかの態様による、可逆的サーキュレータとしての図2Aの回路の操作を示す。図2に示す回路200は、上述の「変換モード」において、すなわち、他の2つのポートの共鳴周波数の差と等しい周波数(

)で3つのポートのそれぞれをポンピングすることにより、サーキュレータとして操作され得、ポートa、bおよびcでの3つのポンピングシグナルは、位相φa、φbおよびφcのそれぞれを有する。具体的に、回路200は、

またはその奇数倍である場合に、サーキュレータとして働く。

理想的な場合において、サーキュレータ500は、それぞれが個々に完全変換(C=1)を達成する3つの変換プロセスを使用する。シグナルがデバイスの周囲を移動すると正または負の干渉が生じ、それぞれの位相は、

により制御され、これは従来のサーキュレータにおいて磁場の役割を担うゲージ流束(gauge flux)と同様に本明細書で働くと考えられる。いくつかの態様によると、図5Aの3つのポンピングシグナルの振幅(パワー)は、互いに等しいかまたは実質的に等しい。

図5Bに示すように、

について、時計回りの循環を有する適合されたサーキュレータが作製される。一般的に、π/2の任意の奇数倍はまた、同様の結果を生じる(すなわち、3π/2、5π/2など)。同様に、図5Cに示されるように、

について、反時計回りの循環を有する適合されたサーキュレータが作製される。一般的に、-π/2の任意の奇数倍はまた、同様の結果を生じる(すなわち、-3π/2、-5π/2など。

このサーキュレータは、サーキュレータを通過するシグナルの周波数を変換する点でフェライトベースのサーキュレータとはある程度異なるが、少なくともいくつかの実行においては、シグナルの中心周波数は情報の内容を劣化させることなくシフトされ得るので、これは実際的にはほとんど取るに足らないことがあるということに注意されたい。

1つの非限定的な例として、ωa=9.18GHz、ωb=5.25GHz、ωc=7.17GHzであり、サーキュレータは、

(式中、nは奇数である)となるように3つの入力ポンピングシグナルの位相が合わせられる。サーキュレータの方向は、単純に、ポンピングシグナルの1つ以上の位相を変化させることにより切り替えられ得る(例えば、φab=π/4およびφc=0の場合、時計回りのサーキュレータが作製され、φcは、-πと等しくなるように調整され得るので、サーキュレータの方向は、単純に、ポンピング入力のわずか1つの位相を変化させることにより、反時計回りに調整される。

図6A〜6Dは、いくつかの態様による、方向性を有する増幅器としての図2Aの回路の操作を示す。図2に示される回路200は、図6Aに示されるように、3つのポートのうちの2つを上述の「利得モード」でおよび他のポートを「変換モード」でポンピングすることにより方向性を有する増幅器として操作され得る。すなわち、2つのポートはそれぞれ、他の2つのポートの共鳴周波数の合計と等しい周波数でポンピングされ、残りのポートは、他の2つのポートの差に等しい周波数(例えば、

)でポンピングされる。ポートa、bおよびcにおける3つのポンピングシグナルが位相φa、φbおよびφcのそれぞれを有する場合、方向性を有する(direction)増幅器として機能する回路について、合わされた位相は、

に等しいかまたはその奇数倍である。いくつかの態様によると、3つのポンピングシグナルの振幅(パワー)は、互いに等しいかまたは実質的に等しい。

サーキュレータとは異なり、方向性を有する増幅器は、図6Bの図示される散乱マトリックス610に示されるように、デバイスを通過するシグナルフローにおいて顕著な非対称性を有する。方向性を有する増幅器において3つのポートが担う役割は、シグナル(S)入力、アイドラー(I)入力、および真空(V)入力と表示される。Sポートは適合され(パワーの反射なし)、その代わりに入射パワーは、利得を伴ってIおよびVポートに伝達される。Iに対する真空変動入射は、位相保存増幅を必ず伴うさらなる増幅された量子変動のためである。

図6BにおけるポートIまたはVのいずれかは、方向性を有する増幅器の出力であると考えられ得る。Vポートは、ユニティ利得を伴って、ノイズが少なくかつ方向性を有して、デバイスを通過してSポートへと伝達される。少なくともいくつかの実行において、これは、量子限定された増幅(他の2つの出力ポートのいずれかに送信することによりデバイスのノイズ性能が劣化する)、およびデバイスの情報保存性質(エントロピーが生じず、ポンプは完全に堅い(stiff)ものであると推測される)のために必要とされ得る。

図6A〜6Dの例において、

のサインは、Iが変化しないままでどの物理的ポートがSおよびVの役割を担うかを決定する。図6Aの例示構成において

である場合、ポートaはSの役割を果たし、ポートbはVの役割を果たし、一方で、図6Aの例示構成において、

である場合、ポートaはVの役割を果たし、ポートbはSの役割を果たす。

モードのどの対が変換によりカップリングされるかを変化させることにより役割はさらに再マッピングされ得るので、一般的に3つの物理的ポートのそれぞれは、それぞれの役割を果たし得る。例えば、図6Aのどのポートが変換モードにおいてポンピングされるポートであるかおよびどの2つのポートが利得モードにおいてポンピングされるかを変化させることにより、ポートのいずれかがV、SまたはIの役割のいずれかを果たすように選択され得る方向性を有する増幅器の作製が可能になる。かかる構成は純粋に、ポンピングシグナルの周波数および/または位相に基づくので、操作中に容易に適合され得る方向性を有する増幅器が作製され得る。

さらに、同じ回路は、可逆的サーキュレータまたは方向性を有する増幅器として働くようにポンピングされ得るので、両方の機能は、ポンピングシグナルの周波数および/または位相を変化させることにより、同じ回路から容易に作製され得ることが明らかである。

上述される例示的回路にはジョセフソン接合が利用されるが、本明細書に記載される技術は、ジョセフソン接合の使用または超伝導共振器に必ずしも限定されるわけではない。実際、非線形連結を提供する他の種類のデバイスおよび他の種類の共振器も、上述の回路の種類において構想され、使用され得る。

さらに、周波数と位相の間の数学的関係の概要を上述するが、それらは理想的な状況を示すことを意図すること、およびかかる関係からのわずかなずれにより、数学的に正確な値と実質的に同じ結果が生じることがあるということが明らかである。例えば、上述の数式により示唆されるようにポンピング周波数が例えば2GHzである場合、同一の結果でない場合は、2GHzに非常に近い周波数も有用なものを生じることがある。例えばいくつかの場合において、1980MHz〜2020MHzの周波数は、2000MHzの周波数と同じまたは実質的に同様の結果を生じることが期待され得る。したがって、理想的な数値から1%未満でずれる周波数および位相は、上述の目的のために、記載される技術的局面の精神と適合するものとみなされ得る。

本発明の少なくとも1つの態様のいくつかの局面がこのように記載されるが、種々の変更、改変および向上は、当業者に容易であることが理解されよう。

かかる変更、改変および向上は、本開示の一部であることが意図され、本発明の精神および範囲の範囲内にあることが意図される。さらに、本発明の利点が示されるが、本明細書に記載される技術の全ての態様が記載される全ての利点を含むものではないことが理解されるべきである。いくつかの態様は、本明細書において有利であると記載される特徴を何ら実行しないこともあり、いくつかの例においては記載される特徴の1つ以上を実行して、さらなる態様が達成されることもある。したがって、前述の記載および図面は、例示のみのためのものである。

本発明の種々の局面は、単独、組合せまたは前述のものに記載される態様中に具体的に記載されない種々の配列で使用され得、そのためその適用において前述の記載に示されるかまたは図面に示される構成要素の詳細および配列に限定されない。例えば、一態様に記載される局面は、何らかの様式で他の態様に記載される局面と組み合されてもよい。

また、本発明は、例示が提供される方法として表現され得る。該方法の一部として実施される行為は、任意の適切な方法で順序づけられ得る。したがって、例示態様において連続的な行為として示されたとしても、示されるものとは異なる順序で行為が実施される態様が企図され得、それにはいくつかの行為を同時に実施することが含まれ得る。

請求項の構成要素を改変するための特許請求の範囲における例えば「第1」、「第2」、「第3」などの順序を示す用語の使用は、それ自体では、別の請求項の構成要素に対する1つの請求項の構成要素の優先、先行もしくは順序または方法の行為が実施される時間的な順序のいずれも意味しないが、単に、特定の名称を有する1つの請求項の構成要素を、同じ名称(順序を示す用語の使用以外)を有する別の請求項の構成要素と区別して、請求項の構成要素を区別するための表示として使用される。

また、本明細書で使用される語法および用語法は、説明を目的とするものであり、限定とみなされるべきではない。本明細書中の「含む(including)」、「含む(comprising)」または「有する(having)」、「含む(containing)」、「含む(involving)」およびそれらの変形の使用は、以降に列挙される項目およびそれらの同等物ならびにさらなる項目を包含することを意味する。

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