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量子増幅器を作製するための技術ならびに関連する系および方法

申请号 JP2017545328 申请日 2016-02-26 公开(公告)号 JP2018513580A 公开(公告)日 2018-05-24
申请人 イェール ユニバーシティー; Yale University; 发明人 ショックス,ラスロ,ジェイ.; ナーラ,アニルド; ハットリッジ,マイケル; スリワ,カトリーナ; シャンカー,シャム; フルンジオ,ルイージ; デボレット,マイケル;
摘要 いくつかの局面によると、一緒になって直列および並列に連結される複数の非線形回路素子を含む量子回路が提供され、該回路素子の少なくとも2つは、一緒になって直列に連結され、該回路素子の少なくとも2つは、一緒になって並列に連結され、該量子回路は、増幅器として働くように構成される。
权利要求

一緒になって直列および並列に連結される複数の非線形回路素子を含む量子回路であって、該回路素子の少なくとも2つは、一緒になって直列に連結され、該回路素子の少なくとも2つは、一緒になって並列に連結され、 該量子回路は、増幅器として働くように構成される、量子回路。回路素子がジョセフソン接合である、請求項1記載の量子回路。量子回路のサブ回路中でN個の回路素子が一緒になって直列に連結され、複数の前記サブ回路が量子回路中で、一緒になってM個並列に(in parallel M times)連結される、請求項1記載の量子回路。Nが少なくとも3であり、Mが少なくとも3である、請求項3記載の量子回路。複数のサブ回路のそれぞれに、第1のコンデンサをさらに含む、請求項3記載の量子回路。複数のサブ回路のそれぞれに、少なくとも1つのインダクタをさらに含む、請求項3記載の量子回路。少なくとも1つのインダクタが1つ以上の回路素子を含む、請求項6記載の量子回路。少なくとも1つのインダクタが、1つ以上の回路素子とは異なる1つ以上のインダクタを含む、請求項7記載の量子回路。それぞれが隣り合うサブ回路の対の間で連結される複数の第2のコンデンサをさらに含む、請求項3記載の量子回路。複数の非線形回路素子が、実質的に互いに同一である、請求項1記載の量子回路。ハイブリッドコモンモードで複数の回路素子を操作するように構成される、請求項1記載の量子回路。

说明书全文

関連出願についての相互参照 本願は、2015年2月27日に、発明の名称「JOSEPHSON ‘FABRIC’ FOR IMPROVED AMPLIFIERS」で出願され、その全体において参照により本明細書に援用される米国仮特許出願第62/126,381号の35 U.S.C. §119(e)の利益を主張する。

分野 本願は一般的に、量子情報処理に関する。より具体的に、本願は、量子増幅器を作製するための技術に関する。

背景 増幅器は、実験物理学において遍在する構成要素であり、典型的に測定デバイス由来のシグナルのエネルギーを、該シグナルを読み取るために使用される電子機器のノイズ超えるのに十分なレベルまで上げるために使用される。従来の増幅器はエネルギー散逸性(dissipative)であり、一般的に入末端に適用される入力シグナルに応答して、増幅された出力シグナルに加えて一定量のノイズを生じる。

量子情報処理は、エネルギーの量子化、重ね合わせおよび/またはエンタングルメントなどの量子力学的現象を使用して、従来の情報処理には使用されない方法で情報を暗号化および処理する。量子計算(quantum computation)を使用することにより、従来の古典計算よりも効率的に特定のコンピューターの使用上の(computational)問題を解決し得ることが期待される。量子回路中で使用される低エネルギーのために、量子回路の測定は、増幅を必要とし、その後巨視的(非量子)スケールで読まれ得る。しかしながら、従来の増幅器は、大きすぎるノイズを導入し、使用可能な出力シグナルを生じず、量子回路の低エネルギーに対して不十分な感度を示すので、量子回路における使用に適切でない。

概要 いくつかの局面は、一緒になって直列および並列に連結される複数の非線形回路素子を含む量子回路に関し、該回路素子の少なくとも2つは一緒になって直列に連結され、該回路素子の少なくとも2つは一緒になって並列に連結され、該量子回路は増幅器として働くように構成される。

いくつかの態様によると、量子回路素子はジョセフソン接合である。

いくつかの態様によると、N個の回路素子は量子回路のサブ回路(sub-circuit)中で一緒になって直列に連結され、前記サブ回路の複数は、量子回路中で、一緒になってM個並列(in parallel M times)に連結される。

いくつかの態様によると、Nは少なくとも3であり、Mは少なくとも3である。

いくつかの態様によると、量子回路はさらに、複数のサブ回路のそれぞれの中に第1のコンデンサを含む。

いくつかの態様によると、量子回路はさらに、複数のサブ回路のそれぞれの中に少なくとも1つのインダクタを含む。

いくつかの態様によると、少なくとも1つのインダクタは1つ以上の回路素子を含む。

いくつかの態様によると、少なくとも1つのインダクタは、1つ以上の回路素子から離れた1つ以上のインダクタを含む。

いくつかの態様によると、量子回路はさらに、それぞれがサブ回路の隣り合う対の間で連結される複数の第2のコンデンサを含む。

いくつかの態様によると、複数の非線形回路素子は実質的に互いに同一である。

いくつかの態様によると、量子回路は、ハイブリッドコモンモードで複数の回路素子を操作するように構成される。

以下の図面を参照して、種々の局面および態様を説明する。図面は必ずしも同じ縮尺で描かれていないことが理解されるべきである。図面において、種々の図に図示されるそれぞれの同じであるかまたはほぼ同じである構成要素は、同様の番号で示される。明確化のために、全ての図において、全ての構成要素が表示されないことがある。

図1は、例示的量子増幅器の性能を示すグラフである。

図2は、いくつかの態様による、量子増幅器回路の回路図である。

図3は、いくつかの態様による、ジョセフソン接合を含む量子増幅器回路の回路図である。

図4A〜4Cは、いくつかの態様による、図3に示される回路の縮小された回路表示を示す。

図5は、いくつかの態様による、量子増幅器の利得を示すグラフである。

図6は、いくつかの態様による、インダクタンスに基づいておよび一緒になって直列に連結される量子増幅器素子の数に基づいて、量子増幅器の利得がどのように変化するかを示す三次元等高線プロット(contour plot)である。

図7Aは、いくつかの態様による、回路の並行性(parallelism)の2つの異なる測定についての増幅器のインダクタンスに対する量子増幅器の無限利得点(infinite gain point)のグラフである。図7Bは、いくつかの態様による、回路の並行性の2つの異なる測定についての増幅器のインダクタンスに対する量子増幅器の第1のキャパシタンスのグラフである。

図7Cは、いくつかの態様による、回路の並行性の2つの異なる測定についての増幅器のインダクタンスに対する量子増幅器の分路(shunt)キャパシタンスのグラフである。

図8は、いくつかの態様による、例示的量子増幅器の一部の上面図である。

図9は、いくつかの態様による、一緒になって並列に接続された複数のサブ回路を示す例示的量子増幅器の一部の上面図である。

詳細な説明 増幅器は、実験対象から入力シグナルを受信し、出力としてシグナルの大きさを増加させる。入力シグナルは典型的に、1つ以上のノイズ源由来のノイズ成分を含み、増幅器は、その入力においてもノイズの新規の供給源を導入しながら、この成分の大きさを増加し得る。効率的な増幅器は、増幅されたシグナルとノイズの分離をより困難にする非常に大きなノイズ出力を導入することなく、その入力の情報積載部分(実験対象由来のシグナル)のエネルギーを増加する仕事を実行する。増幅器の「利得」は、増幅器の入力に対する増幅器の出力(ノイズを含む)の振幅の増加であり、増幅器の「帯域幅」は、増幅器が増幅された出力を生成し得る入力周波数の範囲である。

量子増幅器は、量子力学的技術を使用して、情報保存様式で量子シグナルを増幅する増幅器である。いくつかの場合、量子シグナルは、いくつかの量子励起(例えば光子)のみを含み得る。量子増幅器は典型的に、非線形で散逸性の低い回路素子であるジョセフソン接合を使用した。かかる素子は量子増幅器として操作され得るが、これらのデバイスのダイナミックレンジは限定され得る。増幅器のダイナミックレンジは、効率的に増幅され得る最大入力シグナルと最少入力シグナルの比であり、量子増幅器が増幅器の利得および帯域幅に対し高いダイナミックレンジを有することは、有益であり得る。例えば、比較的低いダイナミックレンジを有する量子増幅器は、3〜5個の光子に対応するエネルギーを含む入力シグナルのみを増幅し得、量子回路におけるこのようなデバイスの利用を制限することがある。

図1は、例示的な量子増幅器の性能を示す。図1の例において、グラフ100の横軸101は増幅器へのパワー入力を表し、縦軸は増幅器からのパワー出力を表す。入力パワーは、測定シグナルおよび1つ以上のノイズ源を含み得る。入力パワーPNF未満では、増幅器出力は、ノイズフロアにより示されるノイズのみに支配される。量子増幅器において、ノイズフロアは、量子測定に固有の物理量の不確定性のためであり、理想的な量子増幅器は、量子ノイズフロアよりも大きいノイズを生じない。量子測定の固有の不確定性のために最小量のノイズのみを追加する量子増幅器はしばしば、「量子限定される(quantum-limited)」と称される。

図1の例において、入力パワーPNFとPCの間の領域103では、増幅器は入力パワーに伴って直線的に比例する出力パワーを生じる。グラフ100のこの領域の傾きは増幅器の利得である。入力パワーPCを超えると、増幅器は、圧縮領域において直線的な利得からの逸脱を開始し、最終的に増幅器利得は入力パワーPFより高くでユニティ(unity)まで落ち込み(しばしば「不首尾(failure)」という)、ここで出力パワーは入力パワーとは独立して一定になる。示されるとおり、増幅器のダイナミックレンジは、増幅器がノイズフロアを超える出力を生じる点(入力パワーPNF)と、圧縮が開始する点(入力パワーPC)の間のパワーの差である。これらの点のそれぞれを測定するために種々の方法があり、例示される図は、ダイナミックレンジの定義を任意の特定の技術に限定することを意図しない。例えば、PCは、増幅器がその利得に応じて出力を生じた場合の出力パワーの1dB下まで出力パワーが落ち込む、いわゆる「1dB圧縮点」であり得る。しかしながら、これはダイナミックレンジの1つの端を決定するほんの1つの例であり、一般的に任意の適切な技術が使用され得る。

本発明者らは、向上したダイナミックレンジを有する量子増幅器は、複数の量子回路素子が直列および並列の両方で配列される回路を作製することにより実現し得ることを認識し理解している。量子回路素子は、孤立して使用する場合に増幅器として操作され得てもよいが、個々の素子により発揮されるよりも大きいダイナミックレンジを有する増幅を生じるように量子回路中で組み合わせてもよい。直列および並列の量子回路素子の特定の配列は、量子回路が増幅器として働く際に、量子回路の利得または帯域幅を損なう(scarifying)ことなく、所望のダイナミックレンジを発揮し得るように調節され得る。

いくつかの態様によると、量子回路素子は、ジョセフソン接合などの非線形回路素子である。インダクタおよびコンデンサなどの巨視的(非量子)増幅器を作製するために典型的に使用される回路素子は、線形構成要素であるので、回路中のそれらの組合せは一般的に、予測可能かつ設計するのは簡単である。しかしながら、増幅器として操作され得る量子素子は典型的に、自然には非線形であるので、これらを直列および/または並列のいずれかで回路中に組み合わせることは、巨視的回路によるほどには簡単ではない。

いくつかの態様によると、量子増幅器中の量子回路素子は、実質的に互いに同一である。デバイスのそれぞれの部分は他の部分と同じように機能するので、素子の間の差を低減することによりデバイスの性能が向上し得る。しかしながら、量子回路素子は互いに直接的に連結されるので、これにより量子回路素子がハイブリダイズ(hybridize)されてデバイスのパラメーターの変動から保護される。したがって、量子回路素子は、それらの中でわずかな変動を示し得るが、結果的に回路中の直接的な連結は性能の損失から保護され得る。

以下は、量子増幅器を作製するための技術に関する種々の概念、および該技術の態様のより詳細な説明である。本明細書に記載される種々の局面は多くの方法のいずれかで実行され得ることが理解されるべきである。例示目的のみのために、具体的な実行の例を本明細書に示す。また、本態様において以下に記載される種々の局面は、単独でまたは任意の組合せで使用され得、本明細書に明示的に記載される組み合わせに限定されない。

図2の回路図に示される例示的回路200において、サブ回路210aは、一緒になって直列に連結される複数の量子回路素子211を含む。サブ回路201aは、N個の量子回路素子などの直列に連結される任意の数の量子回路素子211を含み得る。本明細書で使用する場合、「直列」に配列される素子は、シグナルがそれぞれの素子を流れるために1つの経路のみがあるように接続される素子をいう。例えば、図2の例において、シグナルが、サブ回路210a内の全ての素子211を通って端子221と端子222の間を流れるために1つの経路のみがある。図2の非限定的な例においてN=4が示される。図2の例において、サブ回路210a中で直列に連結される量子回路素子(例えば素子211)は実質的に互いに同じであるが、いくつかの態様において、それぞれの量子回路素子は、量子増幅器の性能を向上するために異なる量子回路特性を有するように選択的に調節され得る。

示されないが、図2のサブ回路210aは、示される量子回路素子に加えて、さらなるキャパシタンス、インダクタンスおよび/または抵抗を示すインピーダンスを有する任意の数のさらなる回路素子を含み得、該回路素子は、量子回路素子と直列および/または並列に整列され得る。例えば、サブ回路210a中のさらなる回路素子は、サブ回路内部および/またはサブ回路とサブ回路の外側の素子の間に意図されない寄生インピーダンスおよび/または漂遊(stray)インピーダンスをもたらし得る。いくつかの態様において、さらなる回路素子は、量子増幅器の性能を向上するために選択的に調節されたインピーダンスを意図的に導入され得る。

図2の例における回路200は、任意の適切な電圧および/または電流源を含み得る、供給源230を含む。回路200はさらに、サブ回路201aに並列に接続されたソースインピーダンス220(例えば抵抗器)を含む。本明細書で使用する場合、「並列」に配列される素子は、同じ2つの端子間で両方が接続される素子をいう。例えば図2の例において、サブ回路201aは、供給源230の2つの端子221および222の間で接続される。

回路200は、供給源230により提供されるソースシグナルを増幅し得る。例えばいくつかの態様において、供給源230は、電流源であり得、回路200の残りに適用された場合に回路200により比例して増幅される入力電流シグナルを含み得る。供給源230はさらに、210aなどのサブ回路中の素子の操作に電力を供給するための任意の適切なシグナルを提供し得る。

図2の例において、複数のサブ回路210a、210b...210nは一緒になって並列に連結される。図2に示されるように、M個のサブ回路など任意の数のサブ回路210が一緒になって並列に結合され得る。図2の例において、サブ回路は互いに実質的に同じであるが、一般的に、必ずしもそうである必要はない。M個のサブ回路のそれぞれは、図2の例においてNxMの量子回路素子の二次元ネットワークが一緒にハイブリダイズされるように直列に接続されるN個の量子回路素子を含む。それぞれのサブ回路はまた、同じ入力シグナルを増幅し、かつ供給源230から任意の適切な電力供給シグナルを受けるために、電流供給源230およびソースインピーダンスと並列に連結される。NxMの実質的に同一である量子回路素子の二次元ネットワークが示されるが、本発明者らは、異なる量子回路特性を有するようにそれぞれの直列サブ回路中の素子を調節し得ることおよび量子増幅器の性能を向上するためにそれぞれの並列サブ回路中に異なる数の直列素子を提供し得ることを認識している。

図3は、いくつかの態様による、ジョセフソン接合を含む量子増幅器回路の回路図である。図3に示す回路300は、量子回路素子がジョセフソン接合であり、かつそのいくつかが回路300のサブ回路に含まれるコンデンサおよびインダクタを含む多くのさらなる回路素子も回路中に含まれる図2に示される回路200の例である。

図3の回路図は、回路300内のサブ回路310aの例を示す。サブ回路310aは、直列に接続される量子回路素子としてN個の同じジョセフソン接合311のアレイを含む。それぞれのジョセフソン接合はジョセフソンエネルギーEJを有しそれぞれの個々のジョセフソン接合を通じてのゲージ不変ジョセフソン位相差(gauge-invariant Josephson phase difference)は、第1の自己共鳴モードにおいて

は、ジョセフソン接合の全直列アレイにわたる合計ジョセフソン位相差である。ジョセフソン接合311のアレイはまとめて、電流

(示さず)を提供し、式中I0はそれぞれのジョセフソン接合の臨界電流である。いくつかの態様において、ジョセフソン接合は非エネルギー散逸性であり得る。

図3の例において、サブ回路310aは、N個のジョセフソン接合のアレイの両末端と直列に連結される2個のインダクタンスL 313を含む。Lは、漂遊インダクタンスであり得るかまたはいくつかの態様において量子増幅器の性能を調節するように選択される値を有する意図した(intentional)インダクタンスであり得る。図3のサブ回路310aはまた、ジョセフソン接合の共鳴特性を調節して量子増幅器の性能を向上するために、インダクタンスL、ジョセフソン接合のアレイおよび第2のインダクタンスLを含む直列アレイの両端を分路するように選択される値を有する分路キャパシタンスCs(314)を含む。

図3の例において、並列のサブ回路を電流供給源I(t)および供給源抵抗Rに連結するために、それぞれがサブ回路310a中にインダクタンスL、ジョセフソン接合のアレイおよび第2のインダクタンスLを含む直列アレイの一つの端にある2つのキャパシタンスCa 315を使用する。電流供給源I(t)は、増幅される入力シグナルに基づく成分、およびサブ回路210a中の非線形ジョセフソン接合振動子の増幅器利得をパラメトリックに調整するためのポンプシグナル成分を含む。

図3の例において、M個のサブ回路310a、310b...310nは一緒になって並列に連結される。並列に連結されるM個のサブ回路のそれぞれは、NxMのジョセフソン接合の二次元ネットワークが一緒になってハイブリダイズされるように直列に接続されるN個のジョセフソン接合を含む。図3の例において、それぞれのサブ回路は、同じ入力シグナルを増幅し、供給源I(t)から任意の適切なポンプシグナルを受信するために、サブ回路のそれぞれの側で、キャパシタンスCaを介して電流供給源I(t)および供給源抵抗Rと並列に連結される。

図3の例において、それぞれのサブ回路は、2個のキャパシタンスCcを介して隣接するサブ回路に連結される。いくつかの態様において、Ccは、空間的に互いに近接するサブ回路の間で、意図的ではない寄生キャパシタンスであり得る。いくつかの場合、これがそうであるかどうかはサブ回路の作製方法に依存し得る。いくつかの態様において、増幅プロセス中、Ccは、全ての他のモードが周波数を低下させるために拒絶されてそのために他のモードが増幅プロセスから排除される場合、全てのジョセフソン接合中で作動するコモンモードから他のモードを拒絶するように働き得る。

図3には本発明の態様の例示的回路図が記載されるが、図4は、いくつかの態様を例示するための、分析の容易さのための図3の回路図の縮小された回路表示の配列を示す。

図4Aは、図3における回路図の上半分部分316の回路素子を示す縮小された回路である。図4Aは、M個のサブ回路を同じ数を並列に含み、それぞれのサブ回路は、1つのみのインダクタンスL、値2Csの分路キャパシタンスならびにそれぞれのサブ回路の第1の末端431を電流源I(t)およびソース抵抗R/2の端子421にさらに接続する1つのみのキャパシタンスCaを有する直列のN/2個のジョセフソン接合を含む。それぞれのサブ回路の第2の末端432は底に示され、図3の回路の平中央面315になぞられられ得る。中央面315の周囲の図3における回路図の対称性のために、図3の例における中央面の上の部分316中の素子のそれぞれについての電流および電圧などの回路パラメーターは、中央面の反対にある対応する素子のものと同一である。そのため、図3における完全な回路の性能特性を分析するために、本質的に素子、またはCs、RおよびI(t)の場合は、図3の回路の半分から均等に分けた素子を含む、図4Aにおける縮小された回路において回路パラメーターを分析することは十分であり得る。(N/2)xM ジョセフソン接合を含む図4Aにおける縮小された回路を分析することは、回路分析の複雑さを低減し得る。

図4Aの縮小された回路表示におけるM個の並列サブ回路は、さらに縮小され得る。図4Aの例におけるM個の並列サブ回路のそれぞれ1つは、互いに実質的に同じであるので、それぞれのサブ回路における回路パラメーターについての釈明(solution)は実質的に同じであり得、すなわちそれぞれのサブ回路はサブ回路の残りとのコモンモードにある。1つのみの例示的なサブ回路の分析は、図4Aまたは図3における回路全体を釈明するための十分な情報を示し得る。図4Bの例において、N/2個のみの直列に接続されたジョセフソン接合、インダクタンスL、分路キャパシタンス2Csおよび接続キャパシタンスCaを含む縮小されたサブ回路は、均等に分けたソースインピーダンスMR/2に接続されるように示される。ソースインピーダンスは、M個のサブ回路が並列に合わされた場合、図4AにおいてR/2の均等抵抗が再現されるように分けられる。

図4Cは、インピーダンスCa、2CsおよびMR/2を同等のインピーダンス

に変換することにより図4Bにおける1つのサブ回路を示す縮小された回路の別の例を示す。図4Cにおける縮小された回路は、より少ない数の素子を含み、分析について図3における例の元の回路よりも単純である。インピーダンスL、

と直列な直列に連結されたわずかな(N/2個)ジョセフソン接合を図4Cに示す。示されないが、

の値は図3の元の回路において整列されるM個の並列サブ回路の並行性Mの測定に依存する。図4Cの縮小された表示を介した図3の回路の分析を補助するために、いくつかの場合において、図4Cの回路に入力電流源が含まれ得る。図4Cの縮小された1つのサブ回路において非線形量子回路分析を実行すること、および結果をM回合わせることにより、図3の態様に示されるように、N個の直列およびM個の並列ジョセフソン接合アレイからの完全な量子増幅器回路応答を決定し得る。

いくつかの態様において、非線形量子回路についての回路ハミルトニアン(Hamiltonian)を決定することにより、量子回路が増幅器としてどのように機能し得るかおよび重要な増幅器特性が回路ハミルトニアンにより示されるような量子回路の非線形性にどのように依存し得るかの定量化が可能になり得る。図4Cに示される縮小された量子回路モデルについての非線形有効回路ハミルトニアンは、量子力学と組み合わせた回路分析を使用して、

である。

式1において、

、aは、それぞれ、生成および消滅演算子である。式2において、NおよびMは、図3の例におけるジョセフソン接合のNxMネットワーク中の直列ジョセフソン接合およびジョセフソン接合の並列サブ回路の数であり、φ0は、磁束(magnetic flux)量子であり、

のジョセフソン接合インダクタンスを有し、EJは、それぞれのジョセフソン接合の構築に依存して調節され得るそれぞれの接合のジョセフソンエネルギーである。pは、図4Cの例示的回路図におけるN/2個の直列に連結されたジョセフソン接合由来のインダクタンスと、同じ回路中の合計インダクタンスのパーティシペーション(participation ratio)であり、

により定義され、ここでLは、図4Cに示されるインダクタンスである。

図4Cの縮小された回路の振動子周波数は、回路ハミルトニアンに基づいて、

であり、式中、

は、図4Cの例における等価キャパシタンスである。

回路ハミルトニアンに基づく振動子の品質係数Qは、

であり、式中

は、図4Cの例における有効抵抗である。ωおよびQの両方は、式4および5に従った

の関数である。図4Cに示される

の両方は、図4Bに示される2つの独立変数Caおよび2Csを含む回路から変換される有効インピーダンスであるので、図3の例における量子増幅器回路などの量子回路の構築の際にCaおよび2Csの値のそれぞれを調整することにより、量子増幅器のωおよびQの、量子増幅器の性能を向上するための任意の適切な値への独立した調節が可能になり得る。

上述のように、増幅器のダイナミックレンジは、効率的に増幅され得る最大入力シグナルと最少入力シグナルの差であり、量子増幅器がその利得および帯域幅に対して高いダイナミックレンジを有することは有益であり得る。いくつかの態様において、量子増幅器への入力シグナルのパワーは、シグナル入力源、例えば図3の例における電流源I(t)のポンプシグナルにおける光子の数npにより表され得る。

いくつかの態様において、非線形パラメトリック増幅器からの利得は、入力シグナルのパワーに依存し得る。図5の曲線501は、例示的非線形ジョセフソン接合量子増幅器における入力パワーnpの関数としての利得を示す。図5に示されるように、非線形量子増幅器の利得は、npが無限利得点nに近づき、その後利得-npの関係があてはまらなくなる(cease to apply)までnpの増加に伴って超線形的に(superlinearly)増加する。光子の数についての無限利得点nは、一定の利得を有する図5の例において量子増幅器により効率的に増幅され得る入力シグナルパワーの最大量を示す。そのため、0からnまでの入力シグナルパワーは、量子増幅器のダイナミックレンジを示し、nは、ダイナミックレンジを示すための性能指数(figure of merit)として使用され得る。そのため、一般的に言えば、大きなダイナミックレンジを有するために量子増幅器が大きなnを有することが望ましくあり得るが、下記のように、その値を超えると特定の有害な効果が利益よりも重大になり得るn(下記ではnc)の値があり得る。

いくつかの態様において、振動子共鳴周波数ωのシフトがライン幅と等しい場合に、nの値は定義され得る。式1の形態の回路ハミルトニアンを有する非線形量子増幅器について、nは、以下:

は、振動子の基本モードのエネルギーである。

式1における回路ハミルトニアンを使用して式6をこ解くとにより、

が得られる。そのため、式7によると、L、Caおよび2Csなどの他の回路パラメーターに加えて、直列シグナル接合数Nおよび並行性Mの測定は、量子増幅器のダイナミックレンジを向上するためにnの値を調節するように選択され得る。上述のように、最終的な目標は、図3の回路300についてのL、Ca、CcおよびCsの適切な値を選択することであり、図4A〜4Cに示される縮小された表示は、本明細書に記載されるように分析の簡易化を可能にするのに有用である。

いくつかの態様において、その光子数を超えると非線形量子増幅器が双安定(bistable)状態に入り、効率的な増幅に不適切になり得る光子数ncにより示される特定の入力パワー値があり得る。図5の例において、ncよりも大きい入力パワーnpを有するシグナルは、もはや安定には増幅されない。n

cの場合、ダイナミックレンジはn

に等しく、n

>n

cの場合、ダイナミックレンジはn

cに制限される。そのため、本明細書に記載されるように回路を調節することは、n

がn

cを超えないことを確実にしながらも、n

により表されるダイナミックレンジを最大化することの両方を含み得る。

図4Cの例示的回路において、N/2個の直列ジョセフソン接合アレイのそれぞれ1つにおけるジョセフソン位相変化の平均値が

の場合、ncに到達し、式中、Φは、ジョセフソン接合の直列アレイ全体にわたる合計磁束である。図4Cにおける縮小された回路図を解くことにより

が得られる。そのため、式8によると、L、Caおよび2Csなどの他の回路パラメーターに加えて、直列接合数Nおよび並行性Mの測定は、ncの値を調節するように選択され得る。いくつかの態様において、量子増幅器のダイナミックレンジを向上するために、回路パラメーターN、M、L、Ca、Ccおよび/またはCsは、nの値がncの値を超えることなく最大化されるようにまとめて調節され得る。

図6は、M=1およびそれぞれのジョセフソン接合について臨界電流I0=5μAである態様について、図4Cにおける例示的回路図に示されるような回路インダクタンスLおよび直列接合数Nの両方の関数としてのnについての計算された三次元等高線プロットを示す。N個の直列ジョセフソン接合のそれぞれの所定のアレイについて、式3および7の結果として、Lの増加は、nの増加を引き起こす。一方、インダクタンスLが固定されると、ゼロに近いLについてNが増加するにつれて、nおよびしたがってダイナミックレンジは増加する。しかしながら、図6の例において、Lの他の値について、Nが1から増加する場合、nは最初に減少し、その後、Nの増加に伴って徐々に増加する。したがって結果は、従来の線形増幅器の直列連結と、個々のジョセフソン接合などの非線形量子増幅器の直列連結の間の差を示す。N個の直列に連結された同一の線形増幅器にかけられる全負荷電圧Vを有する従来の回路において、それぞれの線形増幅器は、低い負荷部分V/Nを受ける。それぞれの個々の線形増幅器が0からVtまでのダイナミックレンジを有する場合、N個の直列に連結された線形増幅器についてのダイナミックレンジはNVtであり、より多くの数のNの追加に伴って増加する。一方で、N個の直列に連結された非線形ジョセフソン接合増幅器アレイのアレイにおいて、それぞれ個々のジョセフソン接合の間のジョセフソン位相差はφ/N、すなわち全位相差φの一部であるが、アレイのダイナミックレンジは、図6の例における前述の分析で示すように、古典線形回路では適用されない量子ジョセフソン接合インダクタンス

と回路インダクタンスLの間の相互作用(式7の誘導パーティシペーションpと表される)のために、Nに伴って増加または減少し得る。

図7AのM=1 曲線701は、図6の等高線プロットの断面図に対応する。この例において、Nは5直列接合で固定される。インダクタンスLについての適切な値は、図7Aに示されるn対 Lの関係に基づいて選択され得る。いくつかの態様において、直列に接続されたジョセフソン接合の複数のサブ回路は、nの値のより高い範囲を提供するように並列に連結され得る。図7Aの例において、M=5 曲線702は、並行性Mの測定を5に増加して、5個のアレイを並列に連結し、ジョセフソン接合増幅器の5x5ネットワークを形成することにより、ダイナミックレンジまたはnが、1つのみのジョセフソン接合の直列アレイが使用される場合に達成されるL=2.0nHでn=0.6よりも高い、L=2.0nHのインダクタンスについて3.1x103まで調節可能になり得ることを示す。そのため、Mおよび/またはNの値を調節することにより、nが値ncを超えることなく、向上したダイナミックレンジがもたらされ得る。

図7Bの例において、振動子の基本周波数(fundamental frequency)は、品質係数Q=100を有して

で選択され、これは、図4Cの例示的回路図について式4および5で定義されるような

の値に対する特定の拘束を設定し、そのため図4Bに示されるようなキャパシタンスCaおよび2Csについての値の選択において特定の拘束を設定する。図7Bの例のM=1 曲線721は、5個の接合を直列におよび1個のかかる直列接合を並列に有するジョセフソン接合増幅器のアレイについてのCaとLとの選択の関係を示す。図7Bの例におけるM=5 曲線722は、並行性の測定をM=5の並列アレイを含むように拡張することで、所定のLについてCaのより小さい値がもたらされることを示す。そのため、いくつかの態様において、さらなる並列サブ回路が構築される場合に、より小さいコンデンサCa値が選択され得る。発明者らは、図7Bの例における影付き領域に示される、例えば20fFより小さいキャパシタンス値を有する小さいコンデンサを、量子回路素子を含むデバイス中に作製することがより困難であり得ることを認識している。しかしながら、任意の適切な半導体製造技術を使用して、量子増幅器の性能を向上するために調節されたキャパシタンス値を有する構造を作製し得る。

図7Bの例と同様に、図7Cの例は、基本周波数

および品質係数Q=100を有する振動子について、分路キャパシタンスCsの値とインダクタンスLの値の関係を示す。図7Cの例におけるM=1 曲線741およびM=5 曲線742は、所定のLについてのCsの選択が、図7Bの例に示されるCaほどには、並列接合の数Mに対して感受性(sensitive)ではないことを示す。図7Cによると、Lがより大きくなる場合により小さいCsが使用され得るので、いくつかの態様において、窒化シリコンを含む分路コンデンサの使用は、さらなるインダクタンスを有するジョセフソン接合のアレイを使用することにより排除され得る。

示されないが、図4Cの回路図における各ジョセフソン接合について固有の接合キャパシタンスCJを追加することで、図7Cにおける計算される結果に非常に小さい変化が生じる。そのため、固有のアレイキャパシタンスCJを含むことは、非常にわずかに分路キャパシタンスCsの選択に影響するのみである。

図8は、N=5、M=1を有する非線形ジョセフソン接合増幅器800の例示的アレイの上面図を示す。図8の例によると、直列ジョセフソン接合アレイ810における5個のジョセフソン接合811のそれぞれは、臨界電流I0=6μAを有し得る。図8における直列ジョセフソン接合増幅器800はさらに、インダクタンスLとして上および下に配置される2つの曲折(meandering)ワイヤインダクタ813を含む。分路コンデンサCs 814は、直列アレイおよびインダクタと平行に配置される。2つの分路コンデンサCa 815は、直列接合アレイ810およびインダクタ813を、図8の回路800の両端に配置される2つの接触パッド816に接続する。コンデンサCaについて700μmの長さが示されるが、キャパシタンスCaおよびCsを構築するために任意の適切な寸法を使用し得る。

図9は、M=3を有する非線形ジョセフソン接合増幅器900の例示的アレイの上面図を示す。図9の例によると、910aおよび910bなどの隣接するサブ回路は互いに固定された距離で間隔を空けられる。50μmが使用されるが、コモンモード以外のモードの拒絶のための連結キャパシタンスCcを構築するために、任意の適切な間隔が使用され得る。

本発明の少なくとも1つの態様のいくつかの局面がこのように記載されるが、種々の変更、改変および向上は、当業者に容易であることが理解されよう。

かかる変更、改変および向上は、本開示の一部であることが意図され、本発明の精神および範囲の範囲内にあることが意図される。さらに、本発明の利点が示されるが、本明細書に記載される技術の全ての態様が記載される全ての利点を含むものではないことが理解されるべきである。いくつかの態様は、本明細書において有利であると記載される特徴を何ら実行しないこともあり、いくつかの例においては記載される特徴の1つ以上を実行して、さらなる態様が達成されることもある。したがって、前述の記載および図面は、例示のみのためのものである。

本発明の種々の局面は、単独、組合せまたは前述のものに記載される態様中に具体的に記載されない種々の配列で使用され得、そのためその適用において前述の記載に示されるかまたは図面に示される構成要素の詳細および配列に限定されない。例えば、一態様に記載される局面は、何らかの様式で他の態様に記載される局面と組み合されてもよい。

また、本発明は、例示が提供される方法として表現され得る。該方法の一部として実施される行為は、任意の適切な方法で順序づけられ得る。したがって、例示態様において連続的な行為として示されたとしても、示されるものとは異なる順序で行為が実施される態様が企図され得、いくつかの行為を同時に実施することが含まれ得る。

請求項の構成要素を修飾するための特許請求の範囲における「第1」、「第2」、「第3」などの順序を示す用語の使用は、それ自体では、別の請求項の構成要素に対する1つの請求項の構成要素の優先、先行もしくは順序または方法の行為が実施される時間的な順序のいずれも意味しないが、単に、特定の名称を有する1つの請求項の構成要素を、同じ名称(順序を示す用語の使用以外)を有する別の請求項の構成要素と区別して、請求項の構成要素を区別するための表示として使用される。

また、本明細書で使用される語法および用語法は、説明を目的とするものであり、限定とみなされるべきではない。本明細書中の「含む(including)」、「含む(comprising)」または「有する(having)」、「含む(containing)」、「含む(involving)」およびそれらの変形の使用は、以降に列挙される項目およびそれらの同等物ならびにさらなる項目を包含することを意味する。

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