Laminated structure for amplifying surface acoustic wave and amplifier

申请号 JP2826195 申请日 1995-02-16 公开(公告)号 JPH10284762A 公开(公告)日 1998-10-23
申请人 Asahi Chem Ind Co Ltd; 旭化成工業株式会社; 发明人 KUZE NAOHIRO; SHIBATA YOSHIHIKO; SUGANO YASUTO;
摘要 PURPOSE: To obtain a surface acoustic wave amplifier, in which a large amplification degree is generated at low voltage by forming a semiconductor active layer having high carrier mobility onto a piezoelectric substrate.
CONSTITUTION: A laminated structure 6 consists of a piezoelectric substrate 1, a semiconductor buffer layer 2 on the substrate 1 and a semiconductor active layer 3 having a film thickness in a range of 5 nm or larger to 500 nm or smaller. The lattice constant of the semiconductor buffer layer 2 is equalized to the lattice constant of the semiconductor active layer 3 or has a value close to the lattice constant of the semiconductor active layer 3 at that time. Reed screen-shaped input/output electrodes 4, 5 are formed onto the piezoelectric substrate 1 in the amplifier, the laminated structure 6 is arranged between both electrodes 4, 5, and electrodes 7 are formed to the semiconductor active layer 3.
COPYRIGHT: (C)1998,JPO
权利要求 【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 圧電体基板の上に、半導体緩衝層を介して半導体活性層があり、膜厚h 1が、5nm≦h 1 ≦5
    00nmの半導体活性層が積層されており、該半導体緩衝層を構成する結晶の格子定数が、半導体活性層を構成する結晶の格子定数と同じか、もしくは近い値を有していることを特徴とする積層構造。
  • 【請求項2】 前記半導体緩衝層が、Sbを含有する化合物半導体から成ることを特徴とする請求項1に記載の積層構造。
  • 【請求項3】 請求項1、2に記載の積層構造を有していることを特徴とする表面弾性波素子。
  • 【請求項4】 圧電体基板の上に、入力用すだれ状電極と出力用すだれ状電極があり、該入出力すだれ状電極の間に、請求項1、2に記載の積層構造が配置されており、前記半導体活性層に直流電界を印加するための電極が形成されていることを特徴とする表面弾性波増幅器。
  • 【請求項5】 携帯通信機器の高周波部における低雑音増幅器とバンドパスフィルタの部分に、単一部品として用いられることを特徴とする請求項4に記載の表面弾性波増幅器。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【産業上の利用分野】本発明は、表面弾性波の増幅器に関するものである。

    【0002】

    【従来の技術】近年、携帯電話等の移動体通信機器の小型化、低電圧化、低消費電化に伴い、携帯機器内部に搭載される素子のモノリシック化が活発に検討されてきた。 ところが、高周波部分の素子のうち、バンドパスフィルタはそのサイズが大きいために他の素子とのモノリシック化の効果はほとんどない。 それ故、バンドパスフィルタおよびそれより前に配置されている低雑音増幅器はそれぞれ別々のディスクリート素子として開発され、
    モジュール化されてきた。 低雑音増幅器とバンドパスフィルタをモジュール化する際には、複数部品を接続する配線やインピーダンスマッチングを取るための回路が必要となる。

    【0003】一方、表面弾性波を増幅させる研究は様々な試みがなされてきた。 表面弾性波を増幅するには、圧電性のある基板表面に表面弾性波を伝搬させ、この波によって生じる電界と半導体中のキャリアを結合させればよいことが知られている。 実際の表面弾性波増幅器は、
    表面弾性波を伝える圧電材料と半導体の組み合わせによって直接型増幅器(図2)、分離型増幅器(図3)、モノリシック型増幅器(図4)の3つに分類される。 第1
    の直接型増幅器は、CdSやGaAsのような圧電性と半導体性を同時にもつ基板8を用いて表面弾性波を増幅させる構造の増幅器である。 しかし、大きな圧電性と大きな移動度を同時にもった圧電性半導体は現在のところ見つかっていない。 第2の分離型増幅器は、大きな圧電性をもった圧電体基板の上に、移動度の大きな半導体が空隙9を介して配置されている構造の増幅器である。 この型の増幅器は、半導体と圧電体基板の表面の平坦性と空隙の大きさが増幅度に大きく影響する。 実用に耐える増幅度を得るためには、空隙をできるだけ小さくし、しかも動作領域にわたって一定に保つ必要があり、工業的な生産は極めて難しい。 一方、第3のモノリシック型増幅器は、圧電体基板の上に半導体が空隙を持たずに形成されている構造の増幅器である。 モノリシック型増幅器は高利得が得られ、高周波化も可能であり、大量生産にも向いていると言われている。 ただし、これらの表面弾性波増幅器を携帯電話などの移動体通信機器への応用を検討した例はない。

    【0004】

    【発明が解決しようとする課題】しかしながら、モノリシック型増幅器を実現するためには、圧電体基板の上に良好な電気特性を有する半導体膜を形成させ、しかも表面弾性波と半導体のキャリアとの相互作用を効率よく行わせるために、該半導体膜の膜厚を薄膜化させる必要がある。 1970年代の東北大・山之内らの研究(Yam
    anouchiK. 、et. al. 、Proceedi
    gs of the IEEE、75、p726(19
    75))によれば、LiNbO 3基板上にSiOを30
    nmコートし、その上にInSb薄膜50nmを蒸着した構造で、InSbの電子移動度として1600cm 2
    /Vsが得られ、この膜を使った表面弾性波の増幅器では1100Vの直流電圧を印加し、中心周波数195M
    Hzで正味利得40dBの増幅度が得られた。 また、彼らは理論的計算から、50nmという薄いInSb薄膜においては、キャリアの表面散乱により電子移動度は3
    000cm 2 /Vsが最大であると予測していた(山之内ら、信学技報、US78−17,CPM78−26,
    p19(1978))。 即ち、モノリシック型増幅器には、圧電体基板の上に良好な電気特性を持った薄膜の半導体層を形成することが極めて困難であるという問題点があった。 また、携帯機器の高周波部の低雑音増幅器とバンドパスフィルタの機能として表面弾性波増幅器を用いる場合には、3〜6Vの駆動電圧で増幅効果がなければ使用できない。 従来のモノリシック型増幅器では、大電圧が必要であり、低電圧駆動が可能な表面弾性波増幅器は存在していなかった。

    【0005】

    【課題を解決するための手段】前記課題を解決するために、発明者らが鋭意検討を行った結果、圧電体基板と半導体活性層の間に半導体緩衝層をはさむことにより、薄膜でしかも電気特性の良好な半導体活性層が得られることを見いだし、さらに該積層構造を用いて表面弾性波増幅器を作製し、実用的な低電圧で良好な増幅度が得られ、本発明を完成した。 しかも、本発明の積層構造により、半導体活性層のキャリア移動度として5000cm
    2 /Vs以上を実現し、前記山之内らの理論的予測を凌ぐことに成功した。

    【0006】即ち本発明は、圧電体基板の上に、半導体緩衝層を介して、膜厚h 1が、5nm≦h 1 ≦500n
    mの半導体活性層が積層されており、該半導体緩衝層を構成する結晶の格子定数が、半導体活性層を構成する結晶の格子定数と同じか、もしくは近い値を有していることを特徴とする積層構造、さらに、本発明の表面弾性波増幅器は、圧電体基板の上に、すだれ状の入力電極と出力電極を形成し、両電極の間に前記積層構造が配置され、該半導体活性層に直流電圧を印加できる電極を備えていることを特徴とする。 ここで、半導体活性層というのは、伝搬してきた表面弾性波を半導体中のキャリアのエネルギーによって励振させる層をいう。

    【0007】本発明において半導体活性層のきわめて良好な電気特性を薄膜において実現できたのは、圧電体基板と半導体活性層の間に半導体緩衝層を挿入することにより、半導体活性層の結晶性を向上させることができたことにより、薄膜でも該半導体活性層の電気特性が飛躍的に向上することを見い出した。 さらに、本発明の半導体緩衝層として、Sbを含有する化合物半導体を用いることにより、さらに良好な電気特性が得られることを見い出した。 即ち、本発明において半導体活性層のキャリア移動度を薄膜で5000cm 2 /Vs以上が可能になり、さらに本発明の表面弾性波増幅器において、携帯機器などに使用できる実用的な低電圧ではじめて増幅効果を得ることができた。 なお、本発明の積層構造を用いれば、表面弾性波増幅器だけでなく、表面弾性波コンボルバやコリレータなどの表面弾性波素子にも応用が可能である。

    【0008】以下に本発明をさらに詳細に説明する。 図1が本発明の基本となる表面弾性波増幅のための積層構造と表面弾性波増幅器の例である。 図1−(a)が積層構造の断面図であり、図1−(b)が表面弾性波増幅器の斜視図である。 1が圧電体基板、2が半導体緩衝層、
    3が半導体活性層である。 図1−(b)に示すように、
    本発明の表面弾性波増幅器は、入力用すだれ状電極4、
    出力用すだれ状電極5、入出力電極の間に配置された半導体積層構造6と半導体活性層へ直流電界が印加できる電極7から構成されている。

    【0009】本発明における圧電体基板は、圧電体単結晶でも圧電体薄膜基板でもよい。 圧電体単結晶基板は酸化物系圧電体基板が好ましく、例えば、LiNbO 3
    LiTaO 3やLi 247等は好ましく用いられる。 また、64゜Yカット、41゜Yカット、128゜Yカット、YカットのLiNbO 3や36゜YカットのLiTaO 3などの基板カット面を用いることも好ましい。 圧電体薄膜基板は、サファイアやSi等の単結晶基板の上に圧電体薄膜が形成されたものであり、圧電体薄膜として例えば、ZnO、LiNbO 3 、LiTa
    3 、PZT、PbTiO 3 、BaTiO 3やLi 2
    47などは好ましく用いられる薄膜材料である。 また、サファイヤやSi等の単結晶基板と上記圧電体薄膜との間にSiOやSiO 2などの誘電体膜が挿入されていてもよい。 さらに、圧電体薄膜基板として、サファイアやSi等の単結晶基板の上に、上記圧電体薄膜の異なる種類の薄膜が交互に積み重ねられたような多層積層膜を形成していてもよい。 例えばLiNbO 3とLiTa
    3からなる多層積層膜などは好ましい例である。

    【0010】半導体活性層は、電子もしくはホールの移動度が大きいものが好ましく用いられる。 半導体活性層を構成する半導体膜として、例えば、GaAs、InS
    b、InAs、PbTeなどが好ましく用いられる。 また2元系だけでなく、これら2元系を組み合わせた3元混晶や4元混晶も好ましく用いられる。 例えば、In x
    Ga 1-x AsやInAs y Sb 1-yなどが3元混晶、I
    x Ga 1-x As y Sb 1-yなどが4元混晶の例である。 また、半導体活性層は、異なる組成の半導体膜が積層された多層積層膜が形成されていてもよい。 半導体活性層のキャリア移動度は表面弾性波増幅器の増幅度を大きくするために5000cm 2 /Vs以上が好ましく、
    極めて良好な増幅度を得るためには10000cm 2
    Vs以上のキャリア移動度を有していることがより好ましい。 この高キャリア移動度を得るために、半導体活性層の組成として、In x Ga 1-x Asのxは、0≦x≦
    1.0が可能だが、0.5≦x≦1.0が好ましく、
    0.8≦x≦1.0がより好ましい範囲である。 InA
    y Sb 1-yのyは、0≦y≦1.0の範囲で高キャリア移動度が可能であり、0.5≦y≦1.0がより好ましい。

    【0011】また、半導体活性層の膜厚h 1については、h 1が5nm以下になると半導体活性層の結晶性が悪くなり、5000cm 2 /Vs以上というような高いキャリア移動度が得られない。 また、逆にh 1が500
    nm以上になると半導体活性層が低抵抗化すると同時に、表面弾性波とキャリアの相互作用効率が低下してしまう。 即ち、高キャリア移動度を実現し、表面弾性波とキャリアとの相互作用を効率よく行うために、半導体活性層の膜厚h 1は、5nm≦h 1 ≦500nmである必要があり、好ましくは、10nm≦h 1 ≦350nmであり、より好ましくは12nm≦h 1 ≦200nmの範囲である。 さらに、半導体活性層の抵抗値は、10Ω以上が好ましく、より好ましくは50Ω以上であり、さらに好ましくは100Ω以上である。

    【0012】本発明における圧電体基板の上に形成される半導体緩衝層の抵抗値は絶縁もしくは半絶縁が好ましいが、これらに準じた高い抵抗値であればよい。 例えば、半導体緩衝層の抵抗値が半導体活性層の少なくとも5〜10倍以上高く、好ましくは100倍以上、より好ましくは1000倍以上高いものである。 高抵抗な半導体緩衝層として、例えば、GaSb、AlSb、ZnT
    eやCdTeなどの2元系、AlGaSb、AlAsS
    b、GaAsSb、AlInSbなどの3元系、AlG
    aAsSb、AlInGaSb、AlInAsSb、A
    lInPSbやAlGaPSbなどの4元系が好ましい例である。 また、これらの半導体緩衝層の組成を決める際に、半導体活性層を構成している結晶の格子定数と同じか、もしくは近い値を有する組成に調整することで、
    半導体活性層のより大きなキャリア移動度を実現させることができる。 ここで格子定数が近いというのは、半導体活性層を構成する結晶の格子定数と半導体緩衝層を構成する結晶の格子定数との違いが、±5%以内、より好ましくは±2%以内をいう。

    【0013】また、実際に圧電体基板の上に、半導体緩衝層を形成する工程において、特にSb含有の半導体緩衝層は格子緩和がきわめて速く、圧電体基板との格子不整が大きくても半導体緩衝層の超薄膜を成長するだけで格子乱れは緩和し、半導体緩衝層を構成している結晶独自の格子定数で成長をはじめる。 そして半導体活性層を成長する直前には、半導体緩衝層の表面状態はきわめて良好となり、その上に形成される半導体活性層の結晶性を大きく向上させることができる。 半導体緩衝層の膜厚は、結晶性の面から見れば厚いほど良いが、表面弾性波とキャリアの相互作用のしやすさの面から見ると薄いほど好ましい。 即ち、半導体緩衝層の膜厚h 2は、20n
    m≦h 2 ≦2000nmが好ましく、50nm≦h 3
    1000nmがより好ましい範囲である。

    【0014】また、圧電体基板と半導体緩衝層との間に誘電体層が挿入されていてもよい。 この誘電体層は圧電体基板およびその上に形成される半導体層の保護の目的で用いられる場合がある。 誘電体層としては、例えば、
    SiO、SiO 2 、窒化シリコン、CeO 2 、Ca
    2 、BaF 2 、SrF 2 、TiO 2 、Y 23 、Zr
    2 、MgO、Al 23などが用いられる。 誘電体層の膜厚は薄いほうがよいが、200nm以下が好ましく、100nm以下がより好ましい。

    【0015】さらに半導体活性層の保護の目的で半導体活性層の上に誘電体層や半導体層が積層されていてもよい。 誘電体層としては前記の組成のものを用いることができる。 半導体層としては、前記半導体緩衝層と同じ組成のものが使用できる。 半導体緩衝層や半導体活性層などの成膜は、一般に薄膜の単結晶が成長できる方法であれば何でもよいが、分子線エピタキシー(MBE)法や、有機金属分子線エピタキシー(MOMBE)法、有機金属化学気相成長(MOCVD)法や原子層エピタキシー(ALE)法は特に好ましい方法である。 また、本発明のすだれ状電極4、5の材質には特に制限はないが、例えば、Al、Au、Pt、Cu、Al−Ti合金、Al−Cu合金、AlとTiの多層電極等が好ましく用いられる。

    【0016】

    【実施例】以下に本発明を具体的な実施例により述べるが、本発明はこれらの例のみに限定されるものではない。 また、実際の表面波増幅器のデバイス化の際には、
    一方向性電極の利用により、表面弾性波の双方向性による損失分は軽減できる。 また、電気機械結合定数のより大きい圧電体基板の使用等で利得を改善することもできる。

    【0017】

    【実施例1】直径3インチの64度YカットLiNbO
    3単結晶基板の上にSiO 2 10nmを蒸着したのち、
    MBE法により、半導体緩衝層としてAl 0.38 In 0.62
    Sb .を150nm成長させた。 次に半導体活性層としてInSbを50nm成長させたのち、保護層としてG
    aSbを2nm成長させた。 この積層膜の電子移動度は、32000cm 2 /Vsであった。 なお、積層膜の電子移動度は、Vander Pauw法により測定した。

    【0018】次に所定の位置の半導体層をエッチングにより除き、圧電体基板を露出させた。 その圧電体基板表面に入出力電極としてすだれ状のAl電極をリソグラフィプロセスによって形成した。 電極はピッチが0.75
    μmの正規型電極とし、伝搬長は、300μmとした。
    引き続き半導体活性層に直流電界印加用の電極を形成した。 表面弾性波の伝搬長は、表面弾性波の波長の整数倍に形成することが好ましい。

    【0019】次に、表面弾性波増幅器の特性を測定した。 増幅度の評価は、ネットワークアナライザー(Yo
    kokawa Hewlett Packard、85
    10B)で、電界印加後の利得(または挿入損失)と電界印加前の挿入損失の差から求めた。 本実施例1の表面弾性波増幅器を評価した結果、その増幅度は、直流印加電圧3V、中心周波数1520MHzで22dBであった。 この値は、携帯機器の高周波部の低雑音増幅器とバンドパスフィルタの部分に用いる場合に良好な増幅度であり、しかもモノリシック化された単一素子で形成されているため、携帯機器の小型化や配線によるリターンロスの低減化が実現できる。

    【0020】

    【実施例2】実施例1のサンプルを用いて、所定の位置の半導体層をエッチングにより除き、圧電体基板を露出させた。 その圧電体基板表面に入出力電極としてすだれ状のAl電極をリソグラフィプロセスによって形成した。 電極はピッチが1.4μmの正規型電極とし、伝搬長は、280μmとした。 引き続き半導体活性層に直流電界印加用の電極を形成した。 次に、表面弾性波増幅器の特性を測定した。 増幅度の評価は、実施例1と同様の方法で行った。 実施例2の表面弾性波増幅器を評価した結果、その増幅度は、直流印加電圧3V、中心周波数8
    00MHzで12dBであった。 この値は、携帯機器の高周波部の低雑音増幅器とバンドパスフィルタの部分に用いる場合に良好な増幅度であり、しかもモノリシック化された単一素子で形成されているため、携帯機器の小型化や配線によるリターンロスの低減化が実現できる。

    【0021】

    【実施例3】直径3インチの64度YカットLiNbO
    3単結晶基板の上にSiO 2 10nmを蒸着したのち、
    MBE法により、半導体緩衝層としてAl 0.5 Ga 0.5
    Sb .を200nm成長させた。 次に半導体活性層としてInAs 0.5 Sb 0.5を60nm成長させたのち、保護層としてGaSbを2nm成長させた。 この積層膜の電子移動度は、30000cm 2 /Vsであった。 次に所定の位置の半導体層をエッチングにより除き、圧電体基板を露出させた。 その圧電体基板表面に入出力電極としてすだれ状のAl電極をリソグラフィプロセスによって形成した。 電極はピッチが0.6μmの正規型電極とし、伝搬長は、240μmとした。 引き続き半導体活性層に直流電界印加用の電極を形成した。

    【0022】次に、表面弾性波増幅器の特性を測定した。 増幅度の評価は、実施例1と同様の方法で行った。
    実施例3の表面弾性波増幅器を評価した結果、その増幅度は、直流印加電圧3V、中心周波数1900MHzで26dBであった。 この値は、携帯機器の高周波部の低雑音増幅器とバンドパスフィルタの部分に用いる場合に極めて良好な増幅度であり、しかもモノリシック化された単一素子で形成されているため、携帯機器の小型化や配線によるリターンロスの低減化が実現できる。

    【0023】

    【実施例4】直径3インチの64度YカットLiNbO
    3単結晶基板の上にSiO 2 10nmを蒸着したのち、
    MBE法により、半導体緩衝層としてAl 0.5 Ga 0.5
    Sb .を150nm成長させた。 次に半導体活性層としてInAs 0.5 Sb 0.5を50nm成長させたのち、保護層としてGaSbを2nm成長させた。 この積層膜の電子移動度は、20900cm 2 /Vsであった。 次に所定の位置の半導体層をエッチングにより除き、圧電体基板を露出させた。 その圧電体基板表面に入出力電極としてすだれ状のAl電極をリソグラフィプロセスによって形成した。 電極はピッチが0.75μmの正規型電極とし、伝搬長は、300μmとした。 引き続き半導体活性層に直流電界印加用の電極を形成した。

    【0024】次に、表面弾性波増幅器の特性を測定した。 増幅度の評価は、実施例1と同様の方法で行った。
    実施例4の表面弾性波増幅器を評価した結果、その増幅度は、直流印加電圧3V、中心周波数1530MHzで13dBであった。 この値は、携帯機器の高周波部の低雑音増幅器とバンドパスフィルタの部分に用いる場合に良好な増幅度であり、しかもモノリシック化された単一素子で形成されているため、携帯機器の小型化や配線によるリターンロスの低減化が実現できる。 以上の実施例からわかるように、本発明の表面弾性波増幅器は、実用的な低電圧で良好な増幅度が得られており、現在のアナログ及びデジタル携帯電話(800MHz)やGSM用携帯電話(900MHz)だけでなく、PDCデジタル携帯電話(1500MHz)やPHS簡易型携帯電話(1900MHz)など高周波用にも広く応用が可能である。

    【0025】

    【実施例5】直径3インチの64度YカットLiNbO
    3単結晶基板の上にSiO 2 10nmを蒸着したのち、
    MBE法により、半導体緩衝層としてAl 0.5 Ga 0.5
    Sb .を100nm成長させた。 次に半導体活性層としてInAs 0.5 Sb 0.5を200nm成長させたのち、
    保護層としてGaSbを2nm成長させた。 この積層膜の電子移動度は、32000cm 2 /Vsであった。

    【0026】次に所定の位置の半導体層をエッチングにより除き、圧電体基板を露出させた。 その圧電体基板表面に入出力電極としてすだれ状のAl電極をリソグラフィプロセスによって形成した。 電極はピッチが0.75
    μmの正規型電極とし、伝搬長は、300μmとした。
    引き続き半導体活性層に直流電界印加用の電極を形成した。 次に、表面弾性波増幅器の特性を測定した。 増幅度の評価は、実施例1と同様の方法で行った。 実施例5の表面弾性波増幅器を評価した結果、その増幅度は、直流印加電圧6V、中心周波数1505MHzで6dBであった。 6Vという低電圧で増幅効果が得られた。

    【0027】

    【実施例6】直径3インチの64度YカットLiNbO
    3単結晶基板の上にSiO 2 10nmを蒸着したのち、
    MBE法により、半導体緩衝層としてAl 0.5 Ga 0.5
    Sb .を150nm成長させた。 次に半導体活性層としてInAsを350nm成長させたのち、保護層としてGaSbを2nm成長させた。 この積層膜の電子移動度は、22000cm 2 /Vsであった。

    【0028】次に所定の位置の半導体層をエッチングにより除き、圧電体基板を露出させた。 その圧電体基板表面に入出力電極としてすだれ状のAl電極をリソグラフィプロセスによって形成した。 電極はピッチが0.6μ
    mの正規型電極とし、伝搬長は、240μmとした。 引き続き半導体活性層に直流電界印加用の電極を形成した。 次に、表面弾性波増幅器の特性を測定した。 増幅度の評価は、実施例1と同様の方法で行った。 実施例6の表面弾性波増幅器を評価した結果、その増幅度は、直流印加電圧6V、中心周波数1500MHzで2dBであった。 6Vという低電圧で増幅効果が得られた。

    【0029】

    【実施例7】直径3インチの64度YカットLiNbO
    3単結晶基板の上にSiO 2 10nmを蒸着したのち、
    MBE法により、半導体緩衝層としてAl 0.5 Ga 0.5
    As 0.12 Sb 0.88を150nm成長させた。 次に半導体活性層としてInAsを50nm成長させたのち、保護層としてGaSbを2nm成長させた。 この積層膜の電子移動度は、13000cm 2 /Vsであった。 次に所定の位置の半導体層をエッチングにより除き、圧電体基板を露出させた。 その圧電体基板表面に入出力電極としてすだれ状のAl電極をリソグラフィプロセスによって形成した。 電極はピッチが1.4μmの正規型電極とし、伝搬長は、560μmとした。 引き続き半導体活性層に直流電界印加用の電極を形成した。 次に、表面弾性波増幅器の特性を測定した。 増幅度の評価は、実施例1
    と同様の方法で行った。 実施例7の表面弾性波増幅器を評価した結果、その増幅度は、直流印加電圧5V、中心周波数810MHzで6dBであった。 5Vという低電圧で増幅効果が得られた。

    【0030】

    【実施例8】直径3インチの64度YカットLiNbO
    3単結晶基板の上にSiO 2 10nmを蒸着したのち、
    MBE法により、半導体緩衝層としてAl 0.5 Ga 0.5
    As 0.12 Sb 0.88.を150nm成長させた。 次に半導体活性層としてInAsを20nm成長させたのち、保護層としてGaSbを2nm成長させた。 この積層膜の電子移動度は、8000cm 2 /Vsであった。

    【0031】次に所定の位置の半導体層をエッチングにより除き、圧電体基板を露出させた。 その圧電体基板表面に入出力電極としてすだれ状のAl電極をリソグラフィプロセスによって形成した。 電極はピッチが1.4μ
    mの正規型電極とし、伝搬長は、560μmとした。 引き続き半導体活性層に直流電界印加用の電極を形成した。 次に、表面弾性波増幅器の特性を測定した。 増幅度の評価は、実施例1と同様の方法で行った。 実施例8の表面弾性波増幅器を評価した結果、その増幅度は、直流印加電圧6V、中心周波数835MHzで3dBであった。 6Vという低電圧で増幅効果が得られた。

    【0032】

    【実施例9】直径3インチの64度YカットLiNbO
    3単結晶基板の上にSiO 2 10nmを蒸着したのち、
    MBE法により、半導体緩衝層としてAl 0.5 Ga 0.5
    As 0.12 Sb 0.88を150nm成長させた。 次に半導体活性層としてInAsを10nm成長させたのち、保護層としてGaSbを2nm成長させた。 この積層膜の電子移動度は、5000cm 2 /Vsであった。

    【0033】次に所定の位置の半導体層をエッチングにより除き、圧電体基板を露出させた。 その圧電体基板表面に入出力電極としてすだれ状のAl電極をリソグラフィプロセスによって形成した。 電極はピッチが0.75
    μmの正規型電極とし、伝搬長は、300μmとした。
    引き続き半導体活性層に直流電界印加用の電極を形成した。 次に、表面弾性波増幅器の特性を測定した。 増幅度の評価は、実施例1と同様の方法で行った。 実施例9の表面弾性波増幅器を評価した結果、その増幅度は、直流印加電圧6V、中心周波数1560MHzで4dBであった。 6Vという低電圧で増幅効果が得られた。

    【0034】

    【比較例1】直径3インチの64度YカットLiNbO
    3単結晶基板の上にSiO 2 10nmを蒸着したのち、
    MBE法により、半導体活性層としてInSbを50n
    m成長させたのち、保護層としてGaSbを2nm成長させた。 そしてこの積層膜の電気特性を測定したが、本比較例では半導体活性層であるInSbを直接、圧電体基板の上に形成したために、半導体活性層の結晶性が悪く、電子移動度は1700cm 2 /Vsにすぎなかった。 次に所定の位置の半導体層をエッチングにより除き、圧電体基板を露出させた。 その圧電体基板表面に入出力電極としてすだれ状のAl電極をリソグラフィプロセスによって形成した。 電極はピッチが1.4μmの正規型電極とし、伝搬長は、560μmとした。 引き続き半導体活性層に直流電界印加用の電極を形成した後、表面弾性波増幅特性を測定したが、増幅はみられなかった。

    【0035】

    【比較例2】直径3インチの64度YカットLiNbO
    3単結晶基板の上にSiO 2 10nmを蒸着したのち、
    MBE法により、半導体活性層としてInAs 0.5 Sb
    0.5を50nm成長させたのち、保護層としてGaSb
    を2nm成長させた。 そしてこの積層膜の電気特性を測定したが、本比較例では半導体活性層であるInAs
    0.5 Sb 0.5を直接、圧電体基板の上に形成したために、半導体活性層の結晶性が悪く、電子移動度は120
    0cm 2 /Vsにすぎなかった。 次に所定の位置の半導体層をエッチングにより除き、圧電体基板を露出させた。 その圧電体基板表面に入出力電極としてすだれ状のAl電極をリソグラフィプロセスによって形成した。 電極はピッチが0.75μmの正規型電極とし、伝搬長は、300μmとした。 引き続き半導体活性層に直流電界印加用の電極を形成した後、表面弾性波増幅特性を測定したが、増幅はみられなかった。

    【0036】

    【比較例3】直径3インチの64度YカットLiNbO
    3単結晶基板の上にSiO 2 10nmを蒸着したのち、
    MBE法により、半導体活性層としてInAsを50n
    m成長させたのち、保護層としてGaSbを2nm成長させた。 そしてこの積層膜の電気特性を測定したが、本比較例では半導体活性層であるInAsを直接、圧電体基板の上に形成したために、半導体活性層の結晶性が悪く、電子移動度は900cm 2 /Vsにすぎなかった。
    次に所定の位置の半導体層をエッチングにより除き、圧電体基板を露出させた。 その圧電体基板表面に入出力電極としてすだれ状のAl電極をリソグラフィプロセスによって形成した。 電極はピッチが1.4μmの正規型電極とし、伝搬長は、560μmとした。 引き続き半導体活性層に直流電界印加用の電極を形成した後、表面弾性波増幅特性を測定したが、増幅はみられなかった。

    【0037】

    【発明の効果】本発明の積層構造は、これまでの理論予測を凌ぐ高キャリア移動度を達成でき、しかもこの積層構造を用いた表面弾性波増幅器は、実用的な低電圧でこれまでにない大きな増幅度を実現できる。 また、本発明の表面弾性波増幅器を携帯機器の高周波部に導入すれば、これまでディスクリート素子として使用されてきた低雑音増幅器とバンドパスフィルタの2つの素子を単一部品で置き換えることが可能となる。 即ち、モノリシック化された表面弾性波増幅器ではこれまで複数の部品をつないでいた配線やインピーダンスマッチング回路も不要となり、携帯機器の小型化、軽量化に大きく貢献できる。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】本発明の一実施例を示す(a)積層構造の断面図(b)表面弾性波増幅器の斜視図

    【図2】直接型増幅器

    【図3】分離型増幅器

    【図4】モノリシック型増幅器

    【符号の説明】

    1 圧電体基板 2 半導体緩衝層 3 半導体活性層 4 入力用すだれ状電極 5 出力用すだれ状電極 6 半導体膜積層構造 7 半導体活性層へ直流電界が印加できる電極 8 圧電性半導体基板 9 空隙 10 誘電体膜

    フロントページの続き (51)Int.Cl. 6識別記号 FI H03H 9/25 H03H 9/25 E H01L 41/08 S

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