Amplifier for converting charge signal

申请号 JP2003076130 申请日 2003-03-19 公开(公告)号 JP2004289278A 公开(公告)日 2004-10-14
申请人 Ee Ii Syst Kk; Fuji Heavy Ind Ltd; Pop Denshi Kk; エー・イー.システム株式会社; ポップ電子株式会社; 富士重工業株式会社; 发明人 KASHIWASE HAJIME; WATABE HIROMICHI; YOKOYAMA HIROSHI;
摘要 PROBLEM TO BE SOLVED: To provide an amplifier for converting a charge signal, which automatically corrects an offset of a signal level due to electric charge leakages and which reduces an operating load necessary for the signal processing. SOLUTION: A voltage conversion capacitor Cx is charged by positive electric charges of a sensor element, an amplifier A1 converts the electric charges into a positive voltage, which is outputted. On the other hand, when the polarity of the electric charges of the sensor element are inverted negative and reversely flow through the voltage conversion capacitor Cx and are fed back to a capacitor Cp resulting that an output of the amplifier A1 is decreased, the leaked electric charges are superimposed on a signal voltage and the output of the amplifier A1 is negative, then an automatic correction circuit 3 detects the negative output. Then a field effect transistor Q1 is conductive and discharges the electric charges so as to set the input of the amplifier A1 to '0', thereby automatically correcting the offset of the signal level due to the leakage of the electric charges. COPYRIGHT: (C)2005,JPO&NCIPI
权利要求
  • 検出対象の作用によって電荷を発生するセンサからの電荷信号を電圧信号に変換して出力する信号変換回路と、
    信号伝達系で発生する上記電荷の漏洩量を検出し、上記信号変換回路の出力レベルが上記センサの電荷発生開始時と終了時とで同一レベルとなるよう自動的に補正する自動補正回路とを備えたことを特徴とする電荷信号変換アンプ。
  • 外部信号により、上記信号変換回路の入力電荷を放電するリセット回路を備えたことを特徴とする請求項1記載の電荷信号変換アンプ。
  • 上記センサを、エンジンの気筒内の燃焼圧力を検出対象とする筒内圧センサとすることを特徴とする請求項2記載の電荷信号変換アンプ。
  • 上記外部信号を上記エンジンの回転角に同期した信号として、所定燃焼サイクル毎に上記信号変換回路の入力電荷を放電することを特徴とする請求項3記載の電荷信号変換アンプ。
  • 说明书全文

    【0001】
    【発明の属する技術分野】
    本発明は、電荷発生型のセンサから出される電荷信号を電圧に変換する電荷信号変換アンプに関する。
    【0002】
    【従来の技術】
    一般に、機械的に作用する負荷の大きさに比例して電荷を発生する圧電素子等の電荷発生型のセンサは、連続する動的圧力等の計測に適しており、例えば、エンジンの気筒内の燃焼圧力を計測するための圧力センサ(筒内圧センサ)等に使用される。 この電荷発生型のセンサからの信号を取り出すには、超高入力インピーダンスのアンプを用いて電圧信号に変換するのが一般的であり、図9に示すような逆位相で無限大のゲインを持つアンプA0の入出力間に帰還コンデンサCを設けた電荷信号変換アンプ(所謂チャージアンプ)が多用されている。
    【0003】
    しかしながら、電荷発生型センサを用いた計測では、電荷のリークという問題が常につきまとい、電荷信号変換アンプを接続すると、そのリーク量は増加する。 例えば、圧電素子を用いた圧力センサに電荷信号変換アンプを接続して圧力計測を行う場合、圧力をゼロから上昇させ、再びゼロに戻すと、電荷がリークした分だけセンサの電荷が負になり、電荷信号変換アンプから出力される信号のゼロ点レベルが変動して正確な計測を阻害する。
    【0004】
    この電荷の漏洩によるゼロ点レベルの変動について、エンジンの燃焼室に取り付けた圧電素子からなる筒内圧センサにチャージアンプを接続し、筒内の燃焼圧を計測する場合を例に取って説明する。
    【0005】
    通常の4サイクル(吸気→圧縮→燃焼→排気)エンジンでは、ピストンが上死点近辺に到達し、排気弁が閉じて吸気弁が開いた状態での筒内圧は、自然吸気型エンジンでは大気圧、過給器付き型エンジンでは、大気圧に過給圧(例えば、500mmHg〜1500mmHg程度)を加えた圧力である。
    【0006】
    このとき、センサ素子の圧電効果により筒内の圧力負荷に比例した電荷が発生する。 この電荷を−qとすると、電荷−qはチャージアンプの帰還コンデンサCに蓄積され、アンプA0により電圧信号+Vに変換されて出力される。 従って、筒内圧が大気圧の状態での信号レベルをゼロレベル、過給圧がある場合には、大気圧ゼロのレベルに過給圧をDC電圧成分として上乗せしたレベルとして、やがて発生する燃焼圧により立ち上がる燃焼波形の基本レベルとなる。
    【0007】
    ピストンが上死点から下死点に向かう間、吸気が継続し、この間、筒内圧に大きな変化は見られず略基本レベルに維持される。 次に、ピストンが下死点近辺に到達し、吸気弁が閉じて下死点から上死点に向かう間に圧縮が始まると、この圧縮の開始と共に筒内圧が上昇を開始し、圧電素子の電荷が増加してチャージアンプの帰還コンデンサCに順次蓄積され、アンプA0で変換・出力される電圧信号+Vも上昇する。
    【0008】
    そして、上死点に到達する直前(圧縮圧が最大値となる直前)での点火により燃焼圧が発生し、この燃焼圧の発生により、圧電素子の電荷が急激に増大し、アンプA0で変換・出力される電圧信号+Vも急激に上昇する。 このとき、燃焼圧として出力される信号は、前述の基本レベルからの信号、すなわち、自然吸気型エンジンにおいては、大気圧のレベルからのものであり、過給器付き型エンジンの場合には、過給圧のDC電圧成分に重累したものである。
    【0009】
    次に、筒内圧が最大となった後、ピストンが上死点から下死点に向かい、それと共に筒内の圧力が減少に転じると、電荷が極性を反転して圧電素子に帰還を開始する。 即ち、この現象を圧電素子側から見ると、燃焼圧により圧電素子に正の応力(圧縮力)が働くときには、−qの極性の電荷が応力に正比例して帯電し、燃焼圧が減衰して圧電素子に負の応力(引っ張り)が働くときには、応力に反比例して電荷は+qに極性を反転する。 この現象は、帰還コンデンサCの極性を反転させ、結果として出力信号の極性も反転する。
    【0010】
    その後、ピストンが下死点近辺に到達して排気弁が開き(吸気弁は閉じたまま)、ピストンが上死点に向かう行程で燃焼ガスを排気すると、自然吸気型エンジンの筒内圧は大気圧に、過給器付き型エンジンの筒内圧は過給圧に夫々復帰し、1燃焼サイクルが完了して信号のレベルも夫々燃焼サイクル開始以前のレベルに復帰することになる。
    【0011】
    これらの信号電圧をオシログラフの縦軸に、横軸には時間もしくはクランク軸の回転度を入力すると、1サイクルの筒内圧の変化すなわち燃焼波形が描けるが、この燃焼波形は、自然吸気型エンジンにおいては大気圧(信号レベル)から立ち上がって燃焼の終結と共に元の信号レベルに回帰し、過給器付き型エンジンにおいては、過給圧のレベル(DC電圧のレベル)から立ち上がり燃焼の終結とともに元の過給圧のレベルに回帰することになる。
    【0012】
    しかしながら、センサとアンプとを接続して構成される実際の電子回路においては、絶縁抵抗は現実には無限大ではないため、エンジンの燃焼のような急速に繰り返しされる燃焼サイクルでは、サイクル毎に電荷が漏洩し、漏洩した電荷がマイナスの信号電圧に変換されてしまう。 このため、図10に示すように、有効燃焼圧ECPに対し、信号レベルのドリフトDVが発生し、結果として波形の立ち上がり点がオフセットする原因となる。
    【0013】
    このような信号レベルのオフセットを含んだ波形データに対しては、研究開発の段階等、高速・大容量の演算装置を利用できる環境下においては、連続する燃焼波形から一つのサイクルの燃焼波形を取り出して処理し、大気圧又は絶対圧上の燃焼波形を想定して波形解析を行うことが可能であるが、量産市販車に適用するには、解決すべき問題が多々ある。
    【0014】
    すなわち、量産市販車にエンジンの燃焼圧と燃焼波形を計測するシステムを搭載するには、発生する信号レベルのドリフトに対し、車載の装置でオフセット値を演算処理して信号レベルを求めなければならず、結果として車載の装置に膨大な処理能力を付加させる必要が生じ、装置の大型化やコスト上昇を招いてしまう。
    【0015】
    この問題解決の一手段として、例えば、特許文献1には、電荷信号変換アンプの出力段に0.01〜1.0Hzのスレッショルド値を有するフィルタを接続し、圧力波形の低周波成分を除去することで実質的にゼロ・レベルを維持する技術が提案されている。
    【0016】
    【特許文献1】
    特許第3123798号公報【0017】
    【発明が解決しようとする課題】
    しかしながら、特許文献1で提案されている技術は、ハイパスフィルタにより燃焼波形の低周波成分を除去するため、実質的にはACカップリングであり、波形の全直流成分を削除する。 従って、正確な波形解析のためには、削除された直流分の補正が更に必要となり、信号処理に要する演算負荷を軽減することは困難である。
    【0018】
    本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、電荷の漏洩による信号レベルのオフセットを自動的に補正し、信号処理に要する演算負荷を軽減することのできる電荷信号変換アンプを提供することを目的としている。
    【0019】
    【課題を解決するための手段】
    上記目的を達成するため、本発明は、検出対象の作用によって電荷を発生するセンサからの電荷信号を電圧信号に変換して出力する信号変換回路と、信号伝達系で発生する上記電荷の漏洩量を検出し、上記信号変換回路の出力レベルが上記センサの電荷発生開始時と終了時とで同一レベルとなるよう自動的に補正する自動補正回路とを備えたことを特徴とする。
    【0020】
    その際、エンジンの気筒内の燃焼圧力を検出対象とする筒内圧センサの場合には、エンジンの回転角に同期した信号をリセット回路への外部信号として所定燃焼サイクル毎に与え、信号変換回路の入力電荷を放電することが望ましい。
    【0021】
    【発明の実施の形態】
    以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。 図1〜図4は本発明の実施の第1形態に係わり、図1は電荷発生型センサを接続した電荷信号変換アンプの基本等価回路を示す回路図、図2は負電荷入力正転型の電荷信号変換アンプを示す回路図、図3は正電荷入力反転型の電荷信号変換アンプを示す回路図、図4は負電荷入力反転型の電荷信号変換アンプを示す回路図である。
    【0022】
    本発明による電荷信号変換アンプは、入力電荷の極性が正負何れの極性にも対応可能であり、また、反転型アンプ、正転型(非反転型)アンプの何れのタイプも適応可能である。 図1は、正電荷入力正転型の基本等価回路を示し、同図において、符号Cpは、圧電素子を用いた圧力センサ等の電荷発生型センサの発生電荷を示す等価キャパシタ、符号1は、この等価キャパシタCpに接続する電荷信号変換アンプである。
    【0023】
    電荷信号変換アンプ1は、等価キャパシタCpに、正転型のアンプA1を用いた信号変換回路2が接続され、更に、この信号変換回路2に、アンプA1からの負の出力を検知してアンプA1の入力が“0”になるように自動的に補正動作を行う自動補正回路3が接続されて構成されている。
    【0024】
    信号変換回路2は、従来の電荷信号変換アンプと同様の構成であり、電荷発生型センサの発生電荷を等価的に示すキャパシタCpに、電圧変換用のキャパシタCxが並列接続され、この電圧変換用キャパシタCxがアンプA1の非反転入力に接続されている。 アンプA1の反転入力には、この反転入力と共通接地との間に挿入される利得設定用抵抗R1及び反転入力と出力との間に挿入される利得設定用抵抗R2が接続されている。
    【0025】
    尚、電圧変換用キャパシタCxに並列接続されるキャパシタCsは、電荷発生型センサと電圧変換用キャパシタCxとを接続する同軸ケーブルや電圧変換用キャパシタCxとアンプA1の入力ピンとの間の信号線等の信号伝達系の浮遊容量を等価的に表すキャパシタである。
    【0026】
    自動補正回路3は、アンプA1からの出力を検出する反転型のアンプA2と、電圧変換用キャパシタCx(等価キャパシタCsを含む)の電荷を放電するためのスイッチ素子Q1とを主として構成される。 スイッチ素子Q1としては、アンプA2によって駆動される半導体スイッチ、或いはアンプA2によって駆動されるリレースイッチ等を用いることが可能である。 本形態においては、半導体スイッチとしての電界効果型トランジスタを用い、図1においてはNチャンネルMOS型の電界効果型トランジスタである。 以下、スイッチ素子Q1を電界効果型トランジスタQ1として説明する。
    【0027】
    アンプA2は、その非反転入力側が共通接地されると共に反転入力側がアンプA1の出力側に抵抗R3を介して接続され、出力側が電界効果型トランジスタQ1のゲートに、ダイオードD1を介して接続されている。 電界効果型トランジスタQ1は、ゲートにゲート抵抗Rgが接続され、ドレインがアンプA1の非反転入力側に接続されてソースが共通接地されている。 尚、アンプA2の反転入力−出力間には、キャパシタCf及びダイオードDfが接続され、例えば、100,000〜1,000,000程度の利得となっている。
    【0028】
    以上の構成において、電荷発生型センサのセンサ素子に機械的負荷を与えると、この機械的負荷の大きさに直接比例した+q(正)の極性を有する電荷が発生する。 そして、電荷発生型センサの等価キャパシタCpにより、信号変換回路2の電圧変換用キャパシタCxが蓄電され、アンプA1により正の電圧に変換されて出力される。 一方、センサ素子の機械的負荷が減少に転じると、電荷の極性は−q(負)に反転し、電圧変換用キャパシタCxから逆流してキャパシタCpに帰還する。
    【0029】
    このとき、アンプA1の出力電圧VO、すなわち電荷発生型センサの発生電荷qを電圧に変換した値は、以下の(1)式で与えられる。 但し、Cdsは電界効果型トランジスタのドレイン−ソース間容量、Cdgはドレイン−ゲート間容量である。 また、図1中に示すCgsは、ゲート−ソース間容量である。
    VO=(1+R2/R1)q/(Cp+Cs+Cx+Cds+Cdg)…(1)
    【0030】
    この現象をアンプA1の出力で観察すると、センサ素子に機械的負荷が加わる以前の電圧はゼロであり、負荷が加わると同時にプラス電圧となり、負荷の減少が始まるとマイナス電圧に転じる。 従って、電荷の漏洩がなければ電荷はゼロになり、アンプA1の出力電圧もゼロになる。
    【0031】
    しかしながら、現実には、センサ素子と電圧変換用キャパシタCxとを接続する同軸ケーブルや電圧変換用キャパシタCxからアンプA1の入力ピンに至る信号線等の信号伝達系の絶縁抵抗は有限であり、電圧変換用キャパシタCxに蓄電された電荷の一部は漏洩し、機械的負荷の減少が始まると、マイナス電圧に転じる信号電圧に重累して出力される。 このため、荷重開始時の初期のレベルに復帰すべき信号電圧が負の領域に到達してしまう。
    【0032】
    従って、自動補正回路3では、信号変換回路2のアンプA1からの負の出力を電荷の漏洩として検知し、この負の出力を検知したとき、電界効果型トランジスタQ1を導通させて電荷を放電させ、アンプA1の入力が“0”になるようにする。 その結果、アンプA1の出力は、ほぼ“0”の状態を維持する。 そして、センサ素子の機械的負荷が上昇に転じると、電界効果型トランジスタQ1がOFFとなり、アンプA1の出力が上昇する。
    【0033】
    以下、圧電素子を用いた圧力センサにより圧力を計測する場合を例に取り、自動補正回路3の動作について説明する。
    【0034】
    説明を簡単にするために、アンプA1の利得設定用抵抗R1,R2を、それぞれ、無し(∞)、短絡(0Ω)とする。 これにより、アンプA1の利得は1になり、センサで発生した電荷は、電圧変換用キャパシタCxにより、アンプA1の取り扱える低圧の電圧になる。 アンプA1は電圧として取り出すためのバッファーアンプとして動作する。
    【0035】
    先ず、センサに正の圧力が加わり、正の電荷が発生した場合、信号変換回路2のアンプA1は正の電圧を出力する。 一方、電荷がリークしてゼロに戻るとき、或いは負の圧力になるときには、アンプA1は、負の出力をしようとする。 自動補正回路3のアンプA2は、このアンプA1の負の出力を、電荷の漏洩として検出する。
    【0036】
    自動補正回路3のアンプA2は、前述したように高利得(100,000〜1,000,000程度)であり、信号変換回路2のアンプA1の負電圧を反転増幅し、その増幅出力を電界効果型トランジスタQ1のゲートに加える。 電界効果型トランジスタQ1のゲート電圧がスレッシホルド電圧Vth(1〜3V程度)以下の場合には、ドレイン−ゲート間容量Cdgを通して電圧変換用キャパシタCxに電荷が注入される。
    【0037】
    その後、電界効果型トランジスタQ1のゲート電圧がスレッシホルド電圧Vthを超えると、ドレイン−ソース間が導通を始める。 その結果、センサの電荷は電界効果型トランジスタQ1を通じて放電され、アンプA1の出力が最低圧力(負圧を含む)を“0”とする自動補正が機能する。
    【0038】
    すなわち、アンプA2,電界効果型トランジスタQ1による自動補正回路3は、信号変換回路2のアンプA1側から見れば、出力が負のとき一種の負帰還回路を構成しており、アンプA1の入力を電界効果型トランジスタQ1でゼロ点と導通することにより自動補正をかけ、以後、圧力が上昇すると、最低圧力(負圧を含む)を“0”として動作する。
    【0039】
    この自動補正が機能している状態では、電界効果型トランジスタQ1のゲートに正の電圧がかかっており、継続的に圧力が変化しない場合、或る点でバランスし、そのバランス状態が維持される。 このようなバランス状態は、各部の電圧、アンプA1,A2の利得やオフセット、電界効果型トランジスタQ1のスレッシホルド電圧Vthや相互コンダクタンスgm等のパラメータの影響を受けるが、アンプA1の出力は、ほぼゼロとなる。
    【0040】
    すなわち、電界効果型トランジスタQ1のゲート電圧が下がると、ドレイン−ゲート間容量Cdgに蓄えられた電荷がアンプA1の入力電圧を下げる方向に働き、その結果、アンプA1とアンプA2とを通してゲート電圧を上げるように作用する。 逆に、ゲート電圧が下がる場合も同様である。 従って、アンプの他の電圧が変動しない限り、その状態を維持する。
    【0041】
    以上のバランス状態から脱却する要因としては、次の(A),(B)に示す2つの要因を挙げることができる。 これらの要因によってバランス状態が解かれたとき、自動補正回路3は機能を停止する。
    【0042】
    (A)圧力が上昇する。
    アンプA1の入力が上昇すると、アンプA1の出力が上昇し、アンプA2の出力(電界効果型トランジスタQ1のゲート電圧)が低下する。 更に圧力が上昇すると、アンプA2の出力がゼロとなり、自動補正回路3による補正が終了する。 尚、このとき、電界効果型トランジスタQ1のドレイン−ゲート間容量Cdgに蓄えられた電荷が一部入力と相殺され、この入力との相殺がゲート電圧が“0”になるまで続く。 結果として、アンプA1は、入力の立ち上がり時に出力が圧縮される。 この圧縮量は、ドレイン−ゲート間容量Cdgとスレッシホルド電圧Vthにより決まる。 従って、半導体スイッチとしての電界効果型トランジスタQ1には、ドレイン−ゲート間容量Cdgが小さいものを使用することが望ましい。
    【0043】
    (B)電荷がリークする。
    電荷がリークすると、この場合、正の方向へ向かうことになるので、同様に、アンプA1の出力が上昇し、アンプA2の出力が減少する。 但し、電荷がリークした結果、入力が正の領域に達しないとバランス状態からは抜け出ない。
    【0044】
    このように、電荷発生型センサに電荷信号変換アンプを接続して電荷信号を電圧信号に変換する際には、信号伝達系での電荷の漏洩は避けることのできないものであるが、自動補正回路3により電荷の漏洩を検出してゼロ点のオフセットを抑えるため、簡潔な回路構成、少ない部品点数等による低価格を実現しつつ、計測信号を処理する際の演算負荷を軽減することができる。
    【0045】
    更には、エンジンの筒内燃焼圧に代表されるような急激な圧力の上昇とそれに続く降下が連続して繰り返され、この圧力変動に比例した電荷の急速な流出と流入に伴って発生する電荷の漏洩により、1サイクル毎に累積される信号レベルのオフセットに対し、自動補正回路3によるオフセット補正により正確な燃焼解析が可能となり、最適な燃焼制御により燃料消費の向上、排ガス抑制等が可能になる。
    【0046】
    尚、本発明の電荷信号変換アンプは、以上の正電荷入力正転型に限定されることなく、入力電荷の正負、アンプの正転型/反転型、スイッチ素子等の組み合わせにより、図2〜図4に例示するように、種々の回路構成とすることが可能である。
    【0047】
    図2に示す電荷信号変換アンプ1Aは、図1に示す電荷信号変換アンプ1を、負電荷入力に対応するよう、自動補正回路3の電界効果型トランジスタQ1をPチャンネルMOS型の電界効果型トランジスタQ1pに変更するものであり、負電荷入力正転型の電荷信号変換アンプである。
    【0048】
    一方、図3,図4に示す電荷信号変換アンプ1B,1Cは、信号変換回路2のアンプA1を反転型アンプとして用いるものであり、図3は正電荷入力に対応し、図4は負電荷入力に対応する。
    【0049】
    すなわち、図3の電荷信号変換アンプ1Bでは、アンプA1の反転入力と出力との間に、電圧変換用キャパシタCxを接続すると共にNチャンネルMOS型の電界効果型トランジスタQ1のドレイン−ソースを接続し、アンプA1の出力をアンプA2の非反転入力側に接続する。 また、図4の電荷信号変換アンプ1Cは、図3の電荷信号変換アンプに対し、NチャンネルMOS型の電界効果型トランジスタQ1をPチャンネルMOS型の電界効果型トランジスタQ1pに変更することで、負電荷入力に対応する。
    【0050】
    これらの各回路構成においても、基本的な動作は上述したとおりであり、電荷の漏洩を検出してゼロ点のオフセットを自動的に補正し、計測信号を処理する際の演算負荷を軽減することができる。
    【0051】
    尚、反転型アンプを用いた場合の出力電圧VOすなわちセンサの発生電荷qを電圧に変換した値は、以下の(2)式で与えられる。 この反転型アンプを用いる場合には、浮遊容量(等価キャパシタCs)の影響を受けないが、アンプ電源として正負の電源が必要である。
    VO=−q/(Cx+Cds+Cdg) …(2)
    【0052】
    次に、本発明の実施の第2形態について説明する。 図5〜図7は本発明の実施の第2形態に係わり、図5は半導体スイッチによるリセット回路を有する電荷信号変換アンプの回路図、図6は機械的スイッチによるリセット回路を有する電荷信号変換アンプの回路図、図7は圧力波形と自動補正及び同期リセットとの関係を示す説明図である。
    【0053】
    温度変化の激しい環境下で電荷発生型センサに電荷信号変換アンプを接続して計測を行う場合、例えば、圧電素子を使用した圧力センサを用いてエンジンの筒内燃焼圧を計測する場合には、温度の変化が出力として重畳してしまい、あたかも直流の上に圧力信号が載っているかのようになる。 このため、第2形態では、第1形態に対し、外部信号により信号変換回路2の入力電荷を放電するリセット回路を付加することで、温度による直流分の削除を可能とする。
    【0054】
    図5に示す電荷信号変換アンプ1Dは、図1に示す電荷信号変換アンプ1の回路構成において、自動補正機能とリセット機能との連携動作を実現するため、自動補正回路3の一部をリセット回路として機能させるものである。 すなわち、電界効果型トランジスタQ1のゲートに、ダイオードD2を介して外部リセット信号を与えるためのリセット信号ライン4を接続することで、半導体スイッチによるリセット回路を形成する。
    【0055】
    尚、図2〜図4に示す回路構成の電荷信号変換アンプにおいても、同様に電界効果型トランジスタQ1のゲートにリセット信号ラインを追加することで、自動補正回路3の一部をリセット回路として機能させることができる。
    【0056】
    この自動補正回路3をリセット回路として兼用させた電荷信号変換アンプ1Dでは、信号変換回路2及び自動補正回路3の動作は第1形態と同様であるが、電界効果型トランジスタQ1のゲートに、スレッシホルド電圧Vthより高い電圧のリセット信号を外部から強制的に加えると、電界効果型トランジスタQ1が導通する。 その結果、センサ信号の入力状態に拘わらず電荷が放電され、アンプA1の入力がゼロとなる。
    【0057】
    リセット信号がなくなるときには、ゲート抵抗Rgによりゲート電圧はゼロに向かうので、スレッシホルド電圧Vth以下では、ドレイン−ゲート間容量Cdgに蓄えられた電荷が電圧変換用キャパシタCxに渡され、アンプA1の入力は負方向となる。 このときのアンプA1の入力電圧は−Vth・Cdg/(Cs+Cx+Cdg+Cds)であり、この電圧は自動補正回路3が動作するに十分な値であるので、自動補正回路3が動作する。 従って、入力がどうであろうと、その点をゼロとして回路は動作する。 圧力が下がる場合には、自動補正回路3が作動し、最低圧力点をゼロとして作動する。
    【0058】
    一方、図6に示す電荷信号変換アンプ1Eは、自動補正回路3とは独立したリセット回路を備えるものであり、機械的スイッチを用いてリセット回路を形成する。 すなわち、図1に示す電荷信号変換アンプ1に対し、アンプA1の入力側にリレーRYの常開接点を接続して共通接地することで、自動補正回路3の電界効果型トランジスタQ1と並列の放電路を形成し、リレーRYのコイルを駆動するリセット信号ライン4を設ける。
    【0059】
    そして、外部リセット信号によりリレーRYのコイルを駆動し、リレー接点を閉じて電荷を放電することで、センサ信号の入力状態に拘わらず、アンプA1の入力を“0”とする。 この機械的スイッチによるリセット回路は、図2〜図4に示す電荷信号変換アンプに適用することも可能である。
    【0060】
    以上のリセット信号は、計測対象と同期して与えることにより、精密な計測が可能となる。 例えば、エンジンの筒内燃焼圧を計測する場合、センサ信号には温度による出力分が含まれており、圧力分のみを分離することには困難を伴う。 リセットをかけることにより一時的に温度分を取ることは可能であるが、温度変化もかなり早いので、1サイクル或いは数サイクル毎にエンジン回転角と同期してリセットをかけることで、温度による出力分を取り去り、温度変化による出力誤差を小さくすることができる。
    【0061】
    本形態におけるリセット付き自動補正機能を有する電荷信号変換アンプを、圧電素子等からなる圧力センサに接続して圧力計測を行った場合の出力信号は、図7に例示される。 図7(a)に示すように、急激な圧力の上昇とそれに続く降下が周期的に繰返される圧力の場合、一定のレベルで推移する最低圧力のラインに対し、従来の電荷信号変換アンプでは、信号伝達系の電荷の漏洩により、図7(b)に示すように、アンプ出力のゼロ点がドリフトして基本レベルからオフセットしてしまうが、本発明による電荷信号変換アンプでは、自動補正(AUTO ADJ)により、ゼロ点が基本レベルに補正されて維持される。 更に、圧力変動の周期に同期させてリセット信号(RESET SIG)を入力することにより、自動補正では補正しきれない温度変化によるドリフトも補正することができる。
    【0062】
    次に、本発明の実施の第3形態について説明する。 図8は本発明の実施の第3形態に係わり、単一電源動作型の電荷信号変換アンプの回路図である。
    【0063】
    第3形態は、自動車に搭載される装置に適用する場合等に有利な単一電源で動作する電荷信号変換アンプに関するものである。 この単一電源の電荷信号変換アンプを構成する場合、負電圧を扱えないので、アンプの“0”出力となる基準電圧を、電源電圧を分圧して生成する。
    【0064】
    図8の回路例は、図1に示す基本構成の電荷信号変換アンプ1を、車載電源等の単一電源で動作する電荷信号変換アンプ1Fとしたものであり、筒内圧センサ等の電荷発生型センサで発生した電荷がコネクタCN1を経て電圧変換用キャパシタCxに蓄電するよう結線され、また、コネクタCN2,CN3を介して、図示しない制御装置への信号出力やリセット信号の入力が行われると共に回路電源が供給される。
    【0065】
    この単一電源動作の電荷信号変換アンプ1Fは、基本動作は前述した通りであるが、単一電源動作としての回路構成上、抵抗R4,R5で電源電圧Vcc(例えば、+DC5V)を分圧して“0”に該当する基準電圧Vref(例えば、+2mV)を生成し、この基準電圧VrefをアンプA2の非反転入力に与える。 従って、アンプA2は、基準電圧Vrefを“0”とし、基準電圧Vrefより小さい電圧を負、基準電圧Vrefより大きい電圧を正として扱う。
    【0066】
    また、この単一電源動作の電荷信号変換アンプ1Fでは、電界効果型トランジスタQ1のゲートが、強制リセットをかけた場合のアンプA1の入力電圧を定める電位点に接続されている。 この電位点は、抵抗R6,R7で電源電圧Vccを分圧した電圧Vrt(例えば、+6mV)に設定されており、用途により調整される。
    【0067】
    強制リセットのための信号は、耐ノイズ性の向上のためフォトカプラPC1からゲート抵抗Rgを介して電界効果型トランジスタQ1のゲートに与えられる。 このリセット信号により、電界効果型トランジスタQ1が導通すると、アンプA1の入力は電圧Vrtとなり、出力は電圧VrtにアンプA1の利得をかけた値になる。
    【0068】
    リセット信号がなくなるときに、電界効果型トランジスタQ1のドレイン−ゲート間容量Cdgに蓄えられた電荷が放出され、その分アンプA1の入力が低下する。 その結果、アンプA1の出力が基準電圧Vref以上であればそのまま、基準電圧Vrefより低くなると、自動補正が作動する。
    【0069】
    【発明の効果】
    以上説明したように本発明によれば、検出対象の作用によって電荷を発生するセンサからの電荷信号を電圧信号に変換して出力する際に、信号伝達系で発生する電荷の漏洩による信号レベルのオフセットを自動的に補正することができ、信号処理に要する演算負荷を軽減することができる。
    【図面の簡単な説明】
    【図1】本発明の実施の第1形態に係わり、電荷発生型センサを接続した電荷信号変換アンプの基本等価回路を示す回路図【図2】同上、負電荷入力正転型の電荷信号変換アンプを示す回路図【図3】同上、正電荷入力反転型の電荷信号変換アンプを示す回路図【図4】同上、負電荷入力反転型の電荷信号変換アンプを示す回路図【図5】本発明の実施の第2形態に係わり、半導体スイッチによるリセット回路を有する電荷信号変換アンプの回路図【図6】同上、機械的スイッチによるリセット回路を有する電荷信号変換アンプの回路図【図7】同上、自動補正及び同期リセットと圧力波形の関係を示す説明図【図8】本発明の実施の第3形態に係わり、単一電源動作型の電荷信号変換アンプの回路図【図9】従来例に係わり、チャージアンプの回路図【図10】同上、電荷の漏洩による信号レベルのオフセットを示す説明図【符号の説明】
    1〜1F 電荷信号変換アンプ2 信号変換回路3 自動補正回路4 リセット信号ライン

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