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Ac amplifier and piezoelectric vibrator oscillator

申请号 JP2005260161 申请日 2005-09-08 公开(公告)号 JP2007074465A 公开(公告)日 2007-03-22
申请人 Interchip Kk; インターチップ株式会社; 发明人 KAMIYA MASAAKI;
摘要 PROBLEM TO BE SOLVED: To provide an AC amplifier that can reduce a consumption current without damaging low-voltage operation of an AC amplifier and has almost no duty deviation of an output signal waveform and further sufficient amplification characteristics.
SOLUTION: The AC amplifier has an amplifier circuit AP1 and a bias circuit VS1 mutually connected with a coupling wiring Nd. The AC signal of the amplifier circuit AP1 is input to the bias circuit VS1 via the coupling wiring Nd. The DC voltage of the bias circuit VS1 corresponding to the amplitude of the AC signal of the amplifier circuit AP1 is supplied to the amplifier circuit AP1 via the coupling wiring Nd.
COPYRIGHT: (C)2007,JPO&INPIT
权利要求
  • 増幅回路とバイアス回路とを有し、前記バイアス回路は前記増幅回路に入力される交流信号の振幅に応じたバイアス電圧を発生し、前記バイアス電圧が前記増幅回路の動作点を制御するように構成したことを特徴とする交流増幅器。
  • 請求項1記載の交流増幅器において、
    前記交流信号は連結配線を介して前記バイアス回路に入力され、前記バイアス回路が発生するバイアス電圧を前記連結配線を介して前記増幅回路へ供給するように構成したことを特徴とする交流増幅器。
  • 請求項2記載の交流増幅器において、
    前記増幅回路は、互いにドレンを接続されたp型又はn型の第1のMOSトランジスタとn型又はp型の第2のMOSトランジスタを有し、前記第2のMOSトランジスタのドレンとゲート間に接続された第1の帰還抵抗と、前記第1のMOSトランジスタのゲートと前記第2のMOSトランジスタのゲート間に接続された第1の結合キャパシタとを含み、前記第1のMOSトランジスタのゲートを前記連結配線に結線し、前記第1又は前記第2のMOSトランジスタのゲートを増幅する信号の入力端子とし、前記第1のMOSトランジスタと前記第2のMOSトランジスタの互いに接続されたドレンを増幅された信号の出力端子としたことを特徴とする交流増幅器。
  • 請求項2又は請求項3記載の交流増幅器において、
    前記バイアス回路は、相互に接続された基準電圧源と非線形抵抗素子とを含み、しかも前記非線型抵抗素子の一端を前記連結配線に接続したことを特徴とする交流増幅器。
  • 請求項4記載の交流増幅器において、
    前記基準電圧源の代わりに当該交流増幅器の電源電圧を与える電源に前記非線形抵抗素子を接続するか、又は前記基準電源を介することなく前記非線形抵抗素子を接地したことを特徴とする交流増幅器。
  • 請求項4又は請求項5記載の交流増幅器において、
    前記非線型抵抗素子をMOSトランジスタで構成したことを特徴とする交流増幅器。
  • 請求項6記載の交流増幅器において、
    前記非線型抵抗素子をデプレッションMOSトランジスタで構成したことを特徴とする交流増幅器。
  • 請求項2又は請求項3の何れか一つに記載の交流増幅器において、
    前記バイアス回路は、互いにドレンが接続されたp型又はn型の第3のMOSトランジスタとn型又はp型の第4のMOSトランジスタと、前記第3のMOSトランジスタのドレンとゲート間に接続された第2の帰還抵抗と、前記第3のMOSトランジスタのゲートと前記第4のMOSトランジスタのゲート間に接続された第2の結合キャパシタと、前記第4のMOSトランジスタのゲートにバイアス抵抗を介して直流バイアスを与える基準電圧源とを含み、しかも前記第3のMOSトランジスタのゲートを前記連結配線に接続して構成したことを特徴とする交流増幅器。
  • 請求項8記載の交流増幅器において、
    前記基準電圧源の代わりに当該交流増幅器の電源電圧を与える電源に前記非線形抵抗素子を接続するか、又は前記基準電圧源を介することなく前記非線形抵抗素子を接地したことを特徴とする交流増幅器。
  • 請求項1乃至請求項9の何れか一つに記載の交流増幅器を有することを特徴とする圧電振動子発振器。
  • 说明书全文

    本発明は交流増幅器に関し、特にPMOSトランジスタとNMOSトランジスタから構成されるCMOS型の交流増幅器に適用して有用なものである。

    図9は、CMOS型の基本的な交流増幅器を示す回路図である。 同図に示すように、当該交流増幅器において、PMOSトランジスタT1とNMOSトランジスタT2とは直列に接続してあり、両トランジスタT1、T2のゲートの接続点に入端子INが、また両トランジスタT1、T2のドレンの接続点に出力端子OUTがそれぞれ接続してある。 また、帰還抵抗Rf1が入力端子INと出力端子OUTとの間に接続されて、セルフバイアス回路を構成している。

    上述の如き交流増幅器において、最低動作電圧VDDminを低減するには、PMOSトランジスタT1の閾値電圧Vtn及びNMOSトランジスタT2の閾値電圧Vtnをともに低減する必要がある。 ところが、通常使用されているn型ポリシリコンをゲート電極材料としたMOSトランジスタにおいて、PMOSトランジスタの閾値電圧Vtnが0.4V以下になると、急激にPMOSトランジスタのオフリークが増大する。 一般に、低電圧動作を要求されるICにおいては、消費電流に対する要求も厳しく、オフリーク電流の大きい素子の使用は敬遠される。

    ちなみに、NMOSトランジスタの閾値電圧Vtnは0.35V程度まで低減可能であるが、それでもなお、最低動作電圧VDDminを1.0V以下とすることは困難である。

    一方、例えば晶発振器に適用する交流増幅器において、その増幅特性Aを損なうことなくその最低動作電圧VDDminを低減させたいとの要望がでてきている。 具体的には、最低動作電圧VDDminが1.0V以下の交流増幅器の出現が待望されている。

    かかる要望に応え、交流増幅器を構成するMOSトランジスタの閾値電圧を限界まで下げることなく、低電圧で動作し、かつ所要の増幅率を有する交流増幅器は図10に示す回路で実現し得る。

    図10に示す交流増幅器において、そのPMOSトランジスタT1のゲートはバイアス抵抗Rbと基準電圧源VB1とによりバイアスされている。 基準電圧源VB1のバイアス電圧Vb1は、PMOSトランジスタT1の閾値電圧Vtpよりもオーバードライブ電圧Xp分大きく設定される。 以下バイアス電圧Vb1をVtp+Xpと表す。

    当該交流増幅器において、PMOSトランジスタT1のゲートとNMOSトランジスタT2のゲートとの間にはキャパシタCc1が挿入されており、両ゲートは交流的には短絡されるが、それぞれのゲートに異なるバイアス電圧を与えることができる構成になっている。 また、NMOSトランジスタT2のゲートとドレンは帰還抵抗Rf1を介して接続されている。

    図11は、図10に示す交流増幅器を低電圧、例えば0.9Vで動作させたときの電圧電流特性図である。 そして、図11(a)は、図10に示す交流増幅器を構成するPMOSトランジスタT1とNMOSトランジスタT2のゲート電圧Vg(Vgはトランジスタによらず接地電位を基準としている。)に対する飽和ドレン電流の関係を示す特性図である。 図11(a)に示すように、特性曲線L7はPMOSトランジスタT1のゲートにVtp+Xpのバイアス電圧が印加されたことで、動作点B1に対応するドレン電流Id1を流すことができるようになる。 図11(a)と図11(b)の特性曲線L8は、図10に示す交流増幅器の出力電圧Voutと、セルフバイアスされたNMOSトランジスタT2のドレン電流Idとの関係を示す特性図である。

    図9に示す基本構造の交流増幅器では、動作点B1においてPMOSトランジスタT1およびNMOSトランジスタT2が、ともにその飽和領域で動作している。 したがって、当該交流増幅器においても、図9に示す交流増幅器と同レベルの増幅特性を有するためには、PMOSトランジスタT1およびNMOSトランジスタT2が、ともに飽和領域で動作している必要がある。 ここで、帰還抵抗Rf1でゲート・ドレン間が結ばれたNMOSトランジスタT2は、ゲート・ソース間電圧とドレン・ソース間電圧が同じで、閾値電圧Vtnが正であるため、常に飽和領域で動作する。

    図11(b)に示す特性曲線L9は、PMOSトランジスタT1のドレン特性図である。 PMOSトランジスタT1が飽和領域で動作するためには、図11(b)に示すように、PMOSトランジスタT1のドレン・ソース間電圧が非飽和領域電圧Ypより大きくなければならない。 ここで非飽和領域電圧YpはPMOSトランジスタT1のゲート・ソース間にバイアス電圧(Vtp+Xp)が印加されている時にドレン電流Idが飽和するのに必要なドレン電圧Vdであり、一般にYp≦Xpの関係が成り立っている。 PMOSトランジスタT1に飽和ドレン電流が流れているときに、NMOSトランジスタT2のドレン・ソース間電圧を(Vtn+Xn)と表すと、PMOSトランジスタT1のドレン・ソース間電圧は図11(a)のVdspと一致し、次式(1)で表される。
    VDD=Vdsp+(Vtn+Xn) ・・・(1)

    一方、当該交流増幅器に十分な増幅動作をおこなわせる電源電圧VDDは、Vdsp≧Ypより次式(2)で表される。
    VDD≧Vtn+Xn+Yp ・・・(2)

    したがって、当該交流増幅器の最低動作電圧VDDminは、(Vtp+Xp)と(Vtn+Xn+Yp)の両者のうち、何れか大きい方の値で規定される。 すなわち、最低動作電圧VDDmin=MAX(Vtp+Xp、Vtn+Xn+Yp)となる。 VtpとVtnが等しく、XnとXpも等しいとすると、最低動作電圧VDDmin=Vtn+Xn+Yp となる。 ここで、図9に示す交流増幅器の最低動作電圧VDDminと基本的な交流増幅器AMP0の最低動作電圧VDDminを比較すると、当該交流増幅器の最低動作電圧VDDminは、少なくともPMOSトランジスタT1の閾値電圧Vtpに相当する電圧分の低減できることがわかる。

    なお、図10に示す交流増幅器と同様の思想で、同様の目的を達成することができる公知技術として次の特許文献1を挙げることができる。 ちなみに、特許文献1に示す交流増幅器は、図10の基準電圧源VB1を零としてバイアス抵抗Rb1を直接接地した場合と等価である。

    特公昭61−17406号公報

    さて、交流増幅器を利用した代表的な電子回路である水晶発振器等は、今やあらゆる電子機器に利用されても過言ではない。 一般的に、水晶発振器では発振開始時に大きな増幅特性Aが必要になるために、動作点のドレン電流Idを大きくする必要がある。 一方、安定した発振状態では、大きな動作点電流は無駄な貫通電流となり、低消費電力の観点からみると大きな問題である。

    図10に示す交流増幅器では、その入力端子INに図12に示すような徐々に振幅が大きくなる周期Tなる交流信号を与えた場合、ドレン電流は図13のように変動する。 図13の特性曲線L4は、PMOSトランジスタT1のゲートが、基準電圧源VB1によりバイアス電圧Vb1が供給されているときのドレン電流Id1を示している。 即ち、PMOSトランジスタT1のゲートGのバイアス電圧が固定されていることにより、図11(a)に示したように動作点B1に対応するドレン電流Id1が、信号周期Tの半サイクル毎に貫通電流として流れる。 よって、当該交流増幅器では、発振開始に必要とされる大きなドレン電流Id1が周期的に流れ、交流増幅器の消費電流を少なくすることが困難である。

    また、当該交流増幅器では、動作点B1が電源電圧VDD側に大きく偏っているので、入力交流信号に比べて、出力交流信号のデュティー(波形が高レベルとなっている時間と波形の周期との比)が大きくずれてしまう。 このデュティーのずれを除去するには、新たに補正回路などの追加が必要となる。

    本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、交流増幅器の低電圧動作を損なうことなく、消費電流を低減でき、かつ出力信号波形のデュティーのずれが少なく、更に十分な増幅特性を有する交流増幅器を提供することを目的とする。

    上記目的を達成する本発明の第1の態様は、
    増幅回路とバイアス回路とを有し、前記バイアス回路は前記増幅回路に入力される交流信号の振幅に応じたバイアス電圧を発生し、前記バイアス電圧が前記増幅回路の動作点を制御するように構成したことを特徴とする交流増幅器である。

    本発明の第2の態様は、
    上記第1の態様に記載の交流増幅器において、
    前記交流信号は連結配線を介して前記バイアス回路に入力され、前記バイアス回路が発生するバイアス電圧を前記連結配線を介して前記増幅回路へ供給するように構成したことを特徴とする交流増幅器である。

    本発明の第3の態様は、
    上記第2の態様に記載の交流増幅器において、
    前記増幅回路は、互いにドレンを接続されたp型又はn型の第1のMOSトランジスタとn型又はp型の第2のMOSトランジスタを有し、前記第2のMOSトランジスタのドレンとゲート間に接続された第1の帰還抵抗と、前記第1のMOSトランジスタのゲートと前記第2のMOSトランジスタのゲート間に接続された第1の結合キャパシタとを含み、前記第1のMOSトランジスタのゲートを前記連結配線に結線し、前記第1又は前記第2のMOSトランジスタのゲートを増幅する信号の入力端子とし、前記第1のMOSトランジスタと前記第2のMOSトランジスタの互いに接続されたドレンを増幅された信号の出力端子としたことを特徴とする交流増幅器である。

    本発明の第4の態様は、
    上記第2又は第3の態様に記載の交流増幅器において、
    前記バイアス回路は、相互に接続された基準電圧源と非線形抵抗素子とを含み、しかも前記非線型抵抗素子の一端を前記連結配線に接続したことを特徴とする交流増幅器である。

    本発明の第5の態様は、
    上記第4の態様に記載の交流増幅器において、
    前記基準電圧源の代わりに当該交流増幅器の電源電圧を与える電源に前記非線形抵抗素子を接続するか、又は前記基準電源を介することなく前記非線形抵抗素子を接地したことを特徴とする交流増幅器である。

    本発明の第6の態様は、
    上記第4又は第5の態様に記載の交流増幅器において、
    前記非線型抵抗素子をMOSトランジスタで構成したことを特徴とする交流増幅器である。

    本発明の第7の態様は、
    上記第6の態様に記載の交流増幅器において、
    前記非線型抵抗素子をデプレッションMOSトランジスタで構成したことを特徴とする交流増幅器である。

    本発明の第8の態様は、
    上記第2又は第3の態様の何れか一つに記載の交流増幅器において、
    前記バイアス回路は、互いにドレンが接続されたp型又はn型の第3のMOSトランジスタとn型又はp型の第4のMOSトランジスタと、前記第3のMOSトランジスタのドレンとゲート間に接続された第2の帰還抵抗と、前記第3のMOSトランジスタのゲートと前記第4のMOSトランジスタのゲート間に接続された第2の結合キャパシタと、前記第4のMOSトランジスタのゲートにバイアス抵抗を介して直流バイアスを与える基準電圧源とを含み、しかも前記第3のMOSトランジスタのゲートを前記連結配線に接続して構成したことを特徴とする交流増幅器である。

    本発明の第9の態様は、
    上記第8の態様に記載の交流増幅器において、
    前記基準電圧源の代わりに当該交流増幅器の電源電圧を与える電源に前記非線形抵抗素子を接続するか、又は前記基準電圧源を介することなく前記非線形抵抗素子を接地したことを特徴とする交流増幅器である。

    本発明の第10の態様は、
    上記第1乃至第9の態様の何れか一つに記載の交流増幅器を有することを特徴とする圧電振動子発振器である。

    上述の如き本発明によれば、交流増幅器を構成するMOSトランジスタの閾値電圧を下げることなく、低電圧低消費電流で動作し、更に出力信号波形のデュティーのずれが小さい交流増幅器を容易に実現することができる。 本発明の交流増幅器を用いれば、数十MHzの発振周波数で1V以下の電圧で安定に発振動作をし、且つ低消費電流の水晶発振器等の圧電素子発振器を提供することができる。

    以下本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。 なお、本発明は、勿論以下の実施の形態に限定するものではない。

    <第1の実施の形態>
    本形態に係る交流増幅器は、図1に示すように、増幅回路AP1とバイアス回路VS1及び両回路AP1、VS1間で信号を受け渡しするための連結配線Ndから構成されている。 すなわち、増幅回路AP1のPMOSトランジスタT1のゲートがバイアス回路VS1に接続されていることを除き、図10に示す従来技術に係る交流増幅器と同じ構造である。 連結配線Ndは、増幅回路AP1への入力交流信号をバイアス回路VS1に伝達すると共に、バイアス回路VS1が入力交流信号の振幅に応じたバイアス電圧を増幅回路AP1に返す二つの役割を担っている。

    バイアス回路VS1は、基準電圧源VB1と非線型抵抗素子としてのデプレッションNMOSトランジスタDMにより構成されている。 デプレッションNMOSトランジスタDMのゲートとソースは共に基準電圧源VB1に接続され、ドレンは連結配線Ndに接続されている。

    (バイアス回路VS1の動作)
    図2は、図1のバイアス回路VS1の連結配線Ndからみた電圧電流特性である。 ここで電流IbはNdからバイアス回路VS1に流れ込む電流を正としている。 増幅回路AP1に入力交流信号Sinがない時は、連結配線Nd、即ちPMOSトランジスタT1のゲートは基準電圧源VB1のバイアス電圧Vb1にバイアスされる。

    次に、図10に示すような入力交流信号が連結配線Ndへ伝えられた場合、小さな振幅の入力交流信号に対しては、バイアス回路VS1はその動作点P1の近傍で信号の線型増幅回路として動作する。 一方、入力交流信号の振幅が大きくなり、連結配線Ndの電圧がVb1より高くなった時にはバイアス回路VS1に流れ出す電流は少ないが、連結配線Ndの電圧がVb1より低くなった時にはバイアス回路VS1から流れ込む電流は大きい。 従って、連結配線Ndの平均電圧は、図3に示すように、動作点P1のVb1から動作点P2のVb2に向かって増大する。 これに伴い、連結配線Ndの平均電圧でバイアスされる増幅回路AP1のPMOSトランジスタT1のゲートバイアス電圧は小さくなる。

    (増幅回路AP1の動作)
    増幅回路AP1は、PMOSトランジスタT1のゲートが、バイアス回路VS1からのバイアス電圧により連結配線Ndを介してバイアスされていることを除き、既に説明した図10に示す従来技術に係るCMOS反転増幅器と同じ回路構成となっている。 従って、入力交流信号がないときの増幅回路AP1の動作についての説明を省略する。

    一方、増幅回路AP1の入力交流信号Sinが与えられた場合、入力交流信号は、連結配線Ndを介してバイアス回路VS1へ伝達される。 バイアス回路VS1は入力端子INから供給される入力交流信号の振幅に応じたバイアス電圧を連結配線Ndに返す。 従って、PMOSトランジスタT1のゲートバイアス電圧Vbは入力交流信号がないときのVb1からVb2に推移する。 交流信号の振幅が大きくなると、PMOSトランジスタT1のゲートバイアス電圧VbはVDD−Vtpを超え、PMOSトランジスタT1はB級あるいはC級動作をすることとなる。

    このとき、NMOSトランジスタT2は出力端子OUTの平均電圧によりバイアスされることになるので、やはりB級あるいはC級動作となる。 図4は、図1の増幅回路AP1に図12の入力交流信号Sを与えた場合に流れる貫通電流の様子を示している。 特性曲線L6は、交流信号の振幅により変動する貫通電流の様子を例示したものである。 特性曲線L4は、交流信号がない時のPMOSトランジスタT1のゲートバイアス電圧Vb1におけるドレン電流Id0を、特性曲線L5は、交流信号が大きくなりPMOSトランジスタT1のゲートバイアス電圧Vb2となった時のドレン電流Id1を示す。 図4ではドレン電流Id1はゼロとなっていない場合を示しているが、交流信号がさらに大きくなると、ドレン電流Id1はゼロとなる。 このようにして本形態に係る交流増幅器によれば、交流信号が大きくなるにつれて、当該交流増幅器を流れる貫通電流を完全に削減できる。 加えて、両トランジスタをほぼ同じ動作条件になるようバイアスすることも可能であり、出力電圧Voutのデュティーを、1/2に近づけることも容易に実現し得る。

    <第2の実施の形態>
    図5は本発明の第2の実施の形態に係る交流増幅器を示す回路図である。 同図に示すように、本形態に係る交流増幅器は、増幅回路AP1とバイアス回路VS2とを有している。 増幅回路AP1は、前記第1の実施の形態にかかる交流増幅器と同様な構成であり、バイアス回路VS2は、図10に示す従来技術の交流反転増幅器を相補的に反転させた構成となっている。 連結配線Ndは、増幅回路AP1のPMOSトランジスタT1のゲートとバイアス回路VS2のPMOSトランジスタT3のゲートとを連結して増幅回路AP1の交流信号をバイアス回路VS2に伝達すると共に、バイアス回路VS2が交流信号の振幅に応じたバイアス電圧を増幅回路AP1に返す二つの役割を担っている。

    バイアス回路VS2において、PMOSトランジスタT3のドレンとNMOSトランジスタT4のドレンは節点N0で互いに接続されている。 また、PMOSトランジスタT3は、そのゲートとドレン間に接続された第2の帰還抵抗Rfbにより自己バイアスされる構成となっている。 NMOSトランジスタT4のゲートには、基準電圧源VB2のバイアス電圧がバイアス抵抗Rbを介して印加されている。 基準電圧源VB2のバイアス電圧は、NMOSトランジスタT4の閾値電圧Vtnよりも大きな電圧に設定されることになるので、以下、このバイアス電圧をVtn+Xnbと表す。 また、連結配線Ndを介して伝達される増幅回路AP1からの交流信号は、PMOSトランジスタT3のゲートに入力されると同時に両トランジスタのゲート間に挿入された第2の結合キャパシタCcbを介してNMOSトランジスタT4のゲートにも入力される。

    (バイアス回路VSの動作)
    図6は、図5のバイアス回路VS2におけるPMOSトランジスタT3とNMOSトランジスタT4のゲート電圧をVg(Vgはトランジスタによらず接地電位を基準としている。)とした時の、PMOSトランジスタT3及びNMOSトランジスタT4のドレン電流Idとの関係を示す特性図である。 バイアス回路VS2は、図10に示す従来技術に係る交流増幅器と相補型の動作となる。 すなわち、NMOSトランジスタT4は、そのゲートに印加されたVtn+Xnbのバイアス電圧により動作点B3にバイアスされ、動作点B3のドレン電流Id2によりPMOSトランジスタT3は動作点B33にバイアスされる。 この動作点B33のPMOSトランジスタT3のゲート・ソース間電圧Vtp+Xpbが、増幅回路AP1のPMOSトランジスタT1のゲートに印加されるバイアス電圧となる。

    次に、交流信号が増幅回路AP1より伝達された場合のバイアス回路VS2の動作について説明する。 小さな振幅の交流信号に対しては、バイアス回路VS2はその動作点の近傍で線型増幅回路として動作するが、交流信号の振幅が大きくなるにつれて、PMOSトランジスタT3がONとOFFを繰り返すようになる。 さらに入力交流信号の振幅が大きくなると、NMOSトランジスタT4もONとOFFを繰り返すようになる。 このようにして節点N0の平均電圧は次第に電源電圧VDDの1/2に近づいていく。 PMOSトランジスタT3のゲートはそのドレンと帰還抵抗Rfbを介して接続されているので、PMOSトランジスタT3のゲート電圧は、ドレン・ソース間電圧の平均値で自己バイアスされることになる。 即ち、PMOSトランジスタT3のゲートバイアス電圧は、交流信号がないときの動作点B33から交流信号の振幅に応じて電源電圧VDDの1/2に漸近することになる。 バイアス回路の節点N0の出力負荷は両トランジスタの浮遊容量と高抵抗に設計されるRfb程度で、極めて軽い。 このため、両トランジスタの駆動能力を下げて、バイアス回路における消費電流を増幅回路の消費電流に較べて無視できる程度まで小さくすることは容易である。

    本形態に係る交流増幅器と前記第1の実施の形態に係る交流増幅器を比較すると、上述の如きバイアス回路VS2、VS1の違いがあるが、同じ原理で動作をする。 すなわち、増幅回路AP1へ入力交流信号が与えられた場合、交流信号は、連結配線Ndを介してバイアス回路VS2に伝達され、バイアス回路VS2は交流信号の振幅により決まるバイアス電圧Vbを連結配線Ndを介して増幅回路AP1のPMOSトランジスタT1のゲートへ伝え、増幅回路AP1はこのバイアス電圧Vbにより、動作点が移動して、貫通電流の少ない増幅器として動作する。 加えて、両トランジスタT1、T2をほぼ同じバイアス条件下で動作させることも可能となるので、出力電圧Voutのデュティーを、1/2に近づけることも容易である。

    <第3の実施の形態>
    図7は本発明の第3の実施の形態に係る交流増幅器を示す回路図である。 同図に示すように本形態に係る交流増幅器は、上記第2の実施の形態における連結配線Ndの代わりに2本の配線L1、L2を設けたものである。 すなわち、増幅回路AP2とバイアス回路VS3とは、2本の配線を介して接続してある。 ここで配線L1がバイアス電圧用、配線2が交流信号用である。 このように、バイアス電圧用、交流信号用を独立した配線L1、L2としても第2の実施の形態と同様の作用・効果を発揮し得る。 すなわち、本発明の思想としては増幅回路AP1及びバイアス回路VS2を一本の連結配線Ndで接続する場合に限らずそれぞれ独立の2本の配線L1、L2で接続する場合も含む。 この点は、第1の実施の形態に関しても同様である。

    なお、図7中、Ccは結合コンデンサ、Rboは抵抗である。 また、図5と同一部分には同一番号を付し重複する説明は省略する。

    <他の実施の形態>
    図1、図5及び図7に示す基準電圧源VB1、VB2の代わりに電源電圧VDDを用いることもできる。 また、これらの交流増幅器において、n型のMOSトランジスタとp型のMOSトランジスタとを逆にすることもできる。 ただ、n型のMOSトランジスタをp型のMOSトランジスタに代えた場合には、電源電圧VDDを接続する代わりにp型のMOSトランジスタのゲートは接地する。

    さらに、上記各実施の形態において増幅する入力交流信号の入力端子はNMOSトランジスタT2のゲートとしているが、これをPMOSトランジスタT1のゲートとしても良いし、両ゲートを入力端子INとしても良い。

    本発明の実施形態の交流増幅器AMP2及びAMP3においては、増幅する入力交流信号Sinの入力端子はNMOSトランジスタT2のゲートGt2としているが、入力交流信号Sinの入力端子INは、PMOSトランジスタT1のゲートGt1としても良いし、両ゲートGを入力端子INとしても良い。

    <応用例
    図8は上記各実施の形態に係る交流増幅器(これをAMPと称す。)の最適な使途の一つである圧電振動子発信器、例えば水晶発振器XOSCへ応用した例を示す回路図である。 同図に示すように、水晶発振器XOSCは、上記各実施の形態に係る交流増幅器AMPが使用されていることを除き、公知の水晶発振器と同じ回路構成となっている。 即ち、交流増幅器AMPは、入力端子INを介して供給する水晶振動子Xtalの振動を増幅して発振を継続させ、所定の発振周波数の信号を出力端子OUTより出力する。 図9に示した従来のCMOS反転増幅器を用いた公知の水晶発振器においては、発振を起動するに必要な増幅特性を確保できるようにするためには、PMOSトランジスタT1とNMOSトランジスタT2の閾値の和以上の電源電圧を必要とした。 また反転増幅器の動作点B1を決めると、発振が安定状態に達しても、動作点B1は殆ど変わらないため、反転増幅器を構成するPMOSトランジスタT1とNMOSトランジスタT2は、常にAB級動作に留まっている。 従って、交流増幅器には大きな貫通電流が流れてしまう。

    一方、本発明の実施の形態に係る交流増幅器AMPを有する上記水晶発振器XOSCにおいては、発振初期の微小振幅の交流信号に対して、大きな増幅特性Aを持つ交流増幅器として動作するように動作点を設定するための電源電圧は、PMOSトランジスタT1とNMOSトランジスタT2の閾値の和以下で十分である。 また、発振信号が成長するとともに、PMOSトランジスタT1とNMOSトランジスタT2は共にA級動作からAB級動作、さらにはB級・C級動作へと移行する。 従って、発振が安定状態に達した時には、交流増幅器に流れる無駄な貫通電流を限りなく小さくでき、かつ水晶振動子に振動を継続するために必要最小な電力を供給できる理想的な発振器を実現できる。

    以上説明したように、本発明の各実施の形態に係る交流増幅器を用いれば、両MOSトランジスタの閾値和よりも低い低電源電圧で、極めて低消費電流で動作し、かつ出力信号のデュティーのずれが小さい水晶発振器を実現することができる。

    なお、図8中、Cg、Cdは結合キャパシタンスである。

    本発明は水晶発振器等の電子機器を製造、販売する産業分野で利用することができる。

    本発明の第1の実施の形態に係る交流増幅器を示す回路図である。

    図1のバイアス回路VS1の連結配線Ndからみた電圧電流特性を示す特性図である。

    図1の連結配線Ndに伝えられる交流信号を示す特性図である。

    本発明の実施形態に係る増幅回路APの電流特性図である。

    本発明の第2の実施の形態に係る交流増幅器を示す回路図である。

    図5に示すバイアス回路VS2の入力電圧Vgと、そのPMOSトランジスタT3及びNMOSトランジスタT4のドレン電流Id2との関係を示す特性図である。

    本発明の第3の実施の形態に係る交流増幅器を示す回路図である。

    本発明の各実施の形態に係る交流増幅器を適用した水晶発振器を示す回路図である。

    従来技術に係る交流増幅器を示す回路図である。

    従来技術に係る他の交流増幅器を示す回路図である。

    図10に示す交流増幅器の特性を示しており、(a)が入力電圧VgとそのPMOSトランジスタT1及びNMOSトランジスタT2のドレン電流Id1との関係を示す特性図、(b)が前記交流増幅器の出力電圧VdとそのPMOSトランジスP1タ及びNMOSトランジスタT2のドレン電流Id1との関係を示す特性図である

    交流増幅器に入力される交流入力信号を示す波形図である。

    図10に示す交流増幅器に図12に示すような徐々に振幅が大きくなる周期Tなる交流信号を与えた場合のドレン電流特性を示す波形図である。

    符号の説明

    AP1、AP2 増幅回路VS1、VS2、VS3 バイアス回路Nd 連結配線
    T1、T3 PMOSトランジスタT2、T4 NMOSトランジスタIN 入力端子OUT 出力端子VB1、VB2 基準電圧源Xtal 水晶振動子Nd 連結配線VDD 電源電圧

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