System and method for vector power amplification

申请号 JP2007538115 申请日 2005-10-24 公开(公告)号 JP5296381B2 公开(公告)日 2013-09-25
申请人 パーカーヴィジョン インコーポレイテッド; 发明人 エフ.ソレルズ デビッド; エス.ローリンズ グレゴリー; ダブリュ.ローリンズ マイケル;
摘要 Methods and systems for vector combining power amplification are disclosed herein. In one embodiment, a plurality of signals are individually amplified, then summed to form a desired time-varying complex envelope signal. Phase and/or frequency characteristics of one or more of the signals are controlled to provide the desired phase, frequency, and/or amplitude characteristics of the desired time-varying complex envelope signal. In another embodiment, a time-varying complex envelope signal is decomposed into a plurality of constant envelope constituent signals. The constituent signals are amplified equally or substantially equally, and then summed to construct an amplified version of the original time-varying envelope signal. Embodiments also perform frequency up-conversion.
权利要求
  • 所望する出力周波数に対応する周波数の入力クロックを受け取るステップと、
    同相および直交ベースバンド情報を受け取るステップと、
    前記同相および直交ベースバンド情報から複数の制御信号を生成するステップと、
    前記入力クロック及び前記複数の制御信号を用いて、互いに関連して位相が変化する2つ以上の実質的に一定の包絡線信号を生成するステップと、
    前記2つ以上の実質的に一定の包絡線信号を、MISO(複数入力単一出力)増幅器に供給するステップであって、前記MISO増幅器は、それぞれが1つ又は複数のトランジスタを有する2つ以上の回路ブランチ と、前記1つ又は複数のトランジスタのコレクタ・ベース間又はドレイン・ゲート間に結合されるフィードバック回路と、を備え るステップと を含み、
    前記2つ以上の回路ブランチ内の前記1つ又は複数のトランジスタの出力は、単一の回路ノードを形成し、前記2つ以上の実質的に一定の包絡線は、同時に増幅され、かつ組み合わされて、前記単一の回路ノードにおいて前記MISO増幅器の所望の出力信号が生成され
    前記フィードバック回路は、前記1つ又は複数のトランジスタのコレクタ・ベース間電圧又はドレイン・ゲート間電圧を監視し、かつ、前記1つ又は複数のトランジスタを通る1又は複数の電流をそれぞれ調整する、ように構成される
    ことを特徴とする増幅方法。
  • 1つ又は複数のバイアス制御機能を使用して、前記2つ以上の実質的に一定の包絡線信号を同時に増幅し、かつ、組み合わせるステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の増幅方法。
  • 前記同相および直交ベースバンド情報から、位相シフト角度を有する正規化クロック信号と、振幅情報を決定するステップをさらに含み、
    前記2つ以上の実質的に一定の包絡線信号を生成するステップは、決定された前記正規化クロック信号および決定された前記振幅情報を処理して、前記2つ以上の実質的に一定の包絡線信号を生成するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の増幅方法。
  • 前記同相および直交ベースバンド情報から、位相シフト角度を有する正規化クロック信号と、振幅情報を決定するステップをさらに含み、
    前記2つ以上の実質的に一定の包絡線信号を生成するステップは、決定された前記振幅情報を処理して、前記2つ以上の実質的に一定の包絡線信号を生成するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の増幅方法。
  • 前記所望の出力信号の出力電力レベルに従って1つ又は複数の電力増幅ステージのバイアスを制御するステップをさらに含むことを特徴とする請求項1記載の増幅方法。
  • 前記2つ以上の実質的に一定の包絡線信号は、同時に増幅され、かつ、実質的に電気的に遮蔽されることなく、前記単一の回路ノードにおいて組み合わされることを特徴とする請求項1記載の増幅方法。
  • 前記複数の制御信号を生成するステップは、
    前記同相および直交ベースバンド情報および伝達機能から前記制御信号を生成するステップであって、前記伝達機能は、前記単一の回路ノードにおいて前記2つ以上の実質的に一定の包絡線信号の前記同時増幅および組み合わせを可能にするように生成されたものであるステップを含むことを特徴とする請求項1記載の増幅方法。
  • 说明书全文

    本発明は一般に、変調およびオン・フレクエンシ電増幅(on-frequency power amplification)に関する。 より詳細には、本発明は、ベクトル合成電力増幅(vector combining power amplification)のための方法およびシステムに関する。

    電力増幅器では、線形性と電力効率の間に、複雑なトレードオフが一般に存在する。

    線形性は、電力増幅器の入力を出力変化に関係付ける特性曲線上での電力増幅器の動作範囲によって決定され―動作範囲が線形であればあるほど、電力増幅器はより線形であると言われる。 線形性は、電力増幅器の望ましい特性である。 一態様では、例えば、振幅および/または位相および/または周波数が変動する信号を、電力増幅器が一様に増幅することが望まれる。 したがって、線形性は、電力増幅器の出力信号品質の重要な決定要因である。

    電力効率は、負荷に供給される全電力を増幅器に供給される全電力によって除算した関係を使用して、算出されることができる。 理想的な増幅器の場合、電力効率は100%である。 一般に、電力増幅器は、増幅器の最大理論電力効率を決定するクラスに分類される。 電力効率は、明らかに電力増幅器の望ましい特性であり、特に、電力消費が電力増幅器によって著しく支配される無線通信システムにおいて、そうである。

    残念ながら、電力増幅器における線形性と効率の間の従来のトレードオフは、電力増幅器が線形になればなるほど、電力効率は低下するというものである。 例えば、最も線形な増幅器は、クラスA動作用にバイアスがかけられるが、クラスAは、増幅器の最も低効率なクラスである。 他方、クラスB、C、D、Eなどのより高いクラスの増幅器は、より電力効率が大きいが、かなり非線形であり、スペクトル的に歪んだ出力信号をもたらす可能性がある。

    上述されたトレードオフは、典型的な無線通信信号に対して、さらに強調される。 例えば、OFDM、CDMA、およびW−CDMAなどの無線通信信号は一般に、ピーク対平均電力比(peak-to-average power ratio)によって特徴付けられる。 非線形増幅器が利用される場合、信号のピーク対平均比が大きくなればなるほど、より大きな非線形歪みが生み出される。

    RF増幅器設計に対して、アウトフェージング(outphasing)増幅技法が提案された。 しかし、いくつかの態様では、既存のアウトフェージング技法は、複雑な信号増幅要件、特に、例えば無線通信規格によって定義されるような要件を満たすのに不十分である。

    一態様では、既存のアウトフェージング技法は、所望する出力信号についての定包絡線構成要素を合成する場合、アイソレーション要素(isolating element)および/または合成要素(combining element)を利用する。 例えば、通常の場合には、電力合成器(power combiner)が、複数の構成要素信号を合成するために使用される。 しかし、この合成手法は一般に、挿入損失および制限された帯域幅に起因する出力信号電力の減損、およびそれに対応して電力効率の低下をもたらす。

    別の態様では、一般に大きな合成素子のサイズが、それらをモノリシック増幅器として設計すること妨げる。

    したがって、必要とされるのは、電力効率を最大化し、非線形歪みを最小化しながら、既存の電力増幅技法の不具合を解決する、電力増幅方法およびシステムである。 さらに、従来の電力合成回路および技法についての制限なしに、実装することができる、電力増幅方法およびシステムが必要とされている。

    ベクトル合成電力増幅の実施形態が、本明細書で開示される。

    一実施形態では、複数の実質的に一定の包絡線信号が個別に増幅され、その後、合成され、所望する時間変化する複素包絡線信号(time-varying complex envelope signal)が形成される。 1つまたは複数の信号の位相および/または周波数特性が制御され、所望する時間変化する複素包絡線信号についての所望する位相、周波数、および/または振幅特性が提供される。

    別の実施形態では、時間変化複素包絡線信号は、複数の実質的に一定の包絡線構成要素信号に分解される。 この複数の構成要素信号は増幅され、その後再合成され、元の時間変化包絡線信号の増幅されたバージョンが構成される。

    本発明の実施形態は、変調された搬送波信号を用いて、またベースバンド情報およびクロック信号を用いて実施されることができる。 本発明の実施形態は、周波数アップ・コンバージョンも達成する。 したがって、本発明の実施形態は、周波数アップ・コンバージョン、増幅、および変調のための統合された解決策を提示する。

    本発明の実施形態は、アナログおよび/またはデジタル制御を用いて実装されることができる。 本発明は、アナログ構成要素を用いて、またはアナログ構成要素とデジタル構成要素の組合せを用いて実装されることができる。 後者の実施形態では、デジタル信号処理は、追加コスト節約のため、既存のベースバンド・プロセッサ内に実装されることができる。

    本発明のさらなる特徴および利点が、以下の記述において説明される。 さらに他の特徴および利点は、本明細書で行われる説明に基づいて当業者には明らかであり、または本発明の実施によって学ばれることもあろう。 本発明の利点は、本発明の書き表された説明および特許請求の範囲、ならびに添付の図面において特に指摘される構造および方法によって実現および達成される。

    上記の要約および以下の詳細な説明はともに、例示的かつ説明的なものであり、特許請求される本発明の実施形態のさらなる説明を提供することが意図されていることが理解されよう。

    本発明の実施形態は、添付の図面を参照して説明され、添付の図面では一般に、同様の参照番号は同一または機能的に類似の要素を指示する。 また一般に、参照番号の最も左側の数字は、関連要素が最初に紹介される図面を特定する。

    本発明は、添付の図面を参照して説明される。 要素が最初に出現した図面は一般に、対応する参照番号の最も左側の数字によって指示される。

    目次
    1. 序論
    1.1. 時間変化複素包絡線入力信号の生成例
    1.2. 一定の包絡線信号からの時間変化複素包絡線信号の生成例
    1.3. ベクトル電力増幅の概要
    2. 一般的な数学的概要
    2.1. フェーザー(Phasor)信号表現
    2.2. 時間変化複素包絡線信号
    2.3. 時間変化包絡線信号の一定包絡線分解
    3. ベクトル電力増幅(VPA)方法およびシステム
    3.1. カルテシアン4ブランチ・ベクトル電力増幅器
    3.2. カルテシアン極カーテシアン極(CPCP)2ブランチ・ベクトル電力増幅器
    3.3. 直接カルテシアン2ブランチ・ベクトル電力増幅器
    3.4. ベクトル変調器へのIおよびQのデータの伝達機能(Transfer Function)
    3.4.1. カルテシアン4ブランチVPA伝達機能
    3.4.2. CPCP2ブランチVPA伝達機能
    3.4.3. 直接カルテシアン2ブランチVPA伝達機能
    3.4.4. 振幅から位相シフトへの変換
    3.4.4.1. 正弦信号に関する振幅から位相シフトへの変換
    3.4.4.2. 方形波信号に関する振幅から位相シフトへの変換
    3.4.5. 波形歪み補償
    3.5. 出力ステージ
    3.5.1. 出力ステージ実施形態
    3.5.2. 出力ステージ電流整形
    3.5.3. 出力ステージ保護
    3.6. 高調波制御
    3.7. 電力制御
    3.8. 例示的なベクトル電力増幅器実施形態
    4. 要約
    5. 結論

    1. 序論 ベクトル合成電力増幅のための方法、装置、およびシステムが、本明細書で開示される。

    ベクトル合成電力増幅は、線形性および電力効率を同時に最適化するための手法である。 一般的に言えば、図50のフローチャート502を参照すると、ステップ504で、変化する振幅および位相を有する時間変化複素包絡線入力信号が、一定包絡線構成要素信号に分解される。 ステップ506で、一定包絡線構成要素信号は増幅され、その後、ステップ508で、合算されて、入力複素包絡線信号の増幅されたバージョンを生成する。 実質的に一定の包絡線信号は、非線形歪みをあまり気にせずに増幅することができるので、一定包絡線信号を合算した結果は、最適な効率を提供しながら、最小の非線形歪みしか受けない。

    したがって、ベクトル合成電力増幅は、非線形電力増幅器が、最小の非線形歪みレベルを維持しながら、複素信号を効率的に増幅するために使用されることを可能にする。

    限定のためではなく便宜的に、本発明の方法およびシステムは、時に、本明細書において、ベクトル電力増幅(VPA:vector power amplification)方法およびシステムと呼ばれる。

    本発明の実施形態によるVPA方法およびシステムの高準の説明が、今から提供される。 明確さのため、いくつかの用語が、最初に以下で定義される。 このセクションで説明される定義は、便宜的な目的で提供されるに過ぎず、限定的なものではない。 これらの用語の意味は、本明細書で提供される教示の全体に基づいて、当業者には明らかであろう。 これらの用語は、本明細書のいたるところで、さらに詳細に説明されることもある。

    信号包絡線(signal envelope)という用語は、本明細書で使用される場合、信号が時間領域(time domain)で変動するときに信号が含まれる振幅境界を指す。 直交変調信号は、i(t)およびq(t)が、信号包絡線e(t)の同相および直交信号を表している場合で、

    に等しく、r(t)に関連する位相(phase angle)が、arctan(q(t)/i(t))に関係付けられている場合に、r(t)=i(t)・cos(ωc・t)+q(t)・sin(ωc・t)と記述されることができる。

    一定包絡線信号(constant envelope signal)という用語は、本明細書で使用される場合、

    であるe(t)が、相対的または実質的に一定の値をもつ、同相および直交信号を指す。

    時間変化包絡線信号(time-varying envelope signal)という用語は、本明細書で使用される場合、時間変化する信号包絡線を有する信号を指す。 時間変化包絡線信号は、時間変化する値を有するe(t)が

    である、同相および直交信号によって記述される。

    位相シフト(phase shifting)という用語は、本明細書で使用される場合、基準位相に対して、相対的に、時間変化する、または一定包絡線信号の位相成分を遅らせること、または進めることを指す。

    1.1)複素包絡線時間変化入力信号の生成例 図1Aおよび図1Bは、時間変化包絡線および位相複素入力信号の生成を説明する例である。 図1Aでは、時間変化包絡線搬送波信号104、106が、位相コントローラ110に入力される。 位相コントローラ110は、信号104、106の位相成分を操作する。 言い換えると、位相コントローラ110は、信号104、106を位相シフトすることができる。 したがって、結果の信号108、112は、信号104、106に対して位相シフトされていることになる。 図1Aの例では、信号108、112から分かるように、位相コントローラ110は、時刻刻t 0に、信号104、106において位相反転(180度位相シフト)を引き起こす。 信号108、112は、時間変化複素搬送波信号を表す。 信号108、112は、時間変化包絡線および位相成分の両方を有する。 信号108、112は、合算されると、信号114をもたらす。 信号114も、時間変化複素信号を表す。 信号114は、本発明のVPA実施形態への入力信号例(例えば、図50のステップ504への入力例)とすることができる。

    時間変化複素信号は、図1Bに示されるように、生成されることもできる。 図1Bでは、信号116、118は、ベースバンド信号を表す。 例えば、信号116、118は、信号の同相(I)および直交(Q)ベースバンド成分とすることができる。 図1Bの例では、信号116、118は、+1から−1に移行する際にゼロ交差を受ける。 信号116、118は、信号120によって、または90度位相シフトされた信号120によって乗算される。 信号116は、信号120の0度シフト・バージョン(0 degree shifted version)によって乗算される。 信号118は、信号120の90度シフト・バージョン(90 degree shifted version)によって乗算される。 結果の信号122、124は、時間変化複素搬送波信号を表す。 信号122、124が、信号116、118の時間変化振幅に従って変化する包絡線を有することに留意されたい。 さらに、信号122、124はともに、信号116、118のゼロ交差のところで、位相反転を受ける。 信号122、124は、合算されて、信号126をもたらす。 信号126は、時間変化複素信号を表す。 信号126は、本発明のVPA実施形態への入力信号例を表すことができる。 加えて、信号116、118も、本発明のVPA実施形態への入力信号例を表すことができる。

    1.2)時間変化複素包絡線信号の一定包絡線信号からの生成例 このセクションの説明は、一般に、図50のステップ508の動作に関する。 図1Cは、時間変化複素信号の、2つ以上の実質的に一定の包絡線信号の和からの生成についての3つの例を説明する。 しかし、本明細書で提供される教示に基づいて、図1Cの例で説明される概念が、2つ以上の一定包絡線信号の場合にも同様に拡張され得ることは、当業者であれば理解されよう。

    図1Cの例1では、一定包絡線信号132、134が、位相コントローラ130に入力される。 位相コントローラ130は、信号132、134の位相成分を操作して、それぞれ信号136、138を生成する。 信号136、138は、実質的に一定の包絡線信号を表し、信号140を生成するために合算される。 例1に関連する図1Cのフェーザー(phasor)表現は、信号136、138をそれぞれフェーザーP 136 、P 138として示す。 信号140は、フェーザーP 140として示される。 例1では、P 136 、P 138は、フェーザー表現の実軸に揃えられると仮定される基準信号に対して、角度φ 1だけ対称的に位相シフトされている。 それに対応して、時間領域信号136、138は、等しい量だけ、しかし基準信号に対して互いに逆方向に位相シフトされる。 したがって、P 136とP 138の和であるP 140は、基準信号と同相である。

    図1Cの例2では、実質的に一定の包絡線信号132、134は、位相コントローラ130に入力される。 位相コントローラ130は、信号132、134の位相成分を操作して、それぞれ信号142、144を生成する。 信号142、144は、実質的に一定の包絡線信号を表し、信号150を生成するために合算される。 例2に関連するフェーザー表現は、信号142、144をそれぞれフェーザーP 142 、P 144として示す。 信号150は、フェーザーP 150として示される。 例2では、P 142 、P 144は、基準信号に対して対称的に位相シフトされている。 したがって、P 140と同様に、P 150も基準信号と同相である。 しかし、P 142 、P 144は、基準信号に対してφ 2 ≠φ 1である角度だけ位相シフトされている。 その結果、P 150は、例1のP 140とは異なる大きさを有する。 時間領域表現では、信号140、150は、同相であるが、互いに対して異なる振幅を有することに留意されたい。

    図1Cの例3では、実質的に一定の包絡線信号132、134は、位相コントローラ130に入力される。 位相コントローラ130は、信号132、134の位相成分を操作して、それぞれ信号146、148を生成する。 信号146、148は、実質的に一定の包絡線信号を表し、信号160を生成するために合算される。 例3に関連するフェーザー表現は、信号146、148をそれぞれフェーザーP 146 、P 148として示す。 信号160は、フェーザーP 160として示される。 例3では、P 146は、基準信号に対して角度φ 3だけ位相シフトされている。 P 148は、基準信号に対して角度φ 4だけ位相シフトされており、φ 3とφ 4は、等しくても、または等しくなくてもよい。 したがって、P 146とP 148の和であるP 160は、もはや基準信号と同相ではない。 P 160は、基準信号に対して角度Θだけ位相シフトされている。 同様に、P 160は、例1および例2のP 140およびP 150に対してΘだけ位相シフトされている。 P 160は、図3に示されるように、P 140に対して振幅が変化することもできる。

    要約すると、図1Cの例は、時間変化振幅信号が、2つ以上の実質的に一定の包絡線信号の和によって獲得され得ることを示している(例1)。 さらに、時間変化信号は、2つ以上の実質的に一定の包絡線信号を逆方向に等しくシフトすることによっては、振幅変化をもつことができるが、それに与えられる位相変化をもつことはできない(例2)。 信号の2つ以上の一定の包絡線構成要素を同じ方向に等しくシフトすると、時間変化信号に対して、振幅変化なしで位相変化を与えることができる。 任意の時間変化振幅および位相信号が、2つ以上の実質的に一定の包絡線信号を使用して、生成されることができる(例3)。

    図1Cの例の信号は、説明の目的でのみ正弦波形として示されていることに留意されたい。 本明細書の教示に基づいて、その他のタイプの波形も使用され得ることは、当業者であれば理解されよう。 図1Cの例は、説明の目的でのみ本明細書で提供され、本発明の特定の実施形態に対応してもよく、または対応しなくてもよいことも留意されるべきである。

    1.3)ベクトル電力増幅の概要 ベクトル電力増幅の高水準の概要が、今から提供される。 図1Dは、例示的な時間変化複素入力信号172の電力増幅を示している。 図1Aおよび図1Bで説明されたような信号114および126は、信号172の例とすることができる。 さらに、信号172は、104および106(図1A)、108および112(図1A)、116および118(図1B)、ならびに122および124(図1B)など、2つ以上の構成要素信号によって生成されることができ、または2つ以上の成分信号から構成されることができる。

    図1Dの例では、VPA170は、本発明によるVPAシステム実施形態を表す。 VPA170は、信号172を増幅して、増幅出力信号178を生成する。 出力信号178は、最小歪みしかをもたないように効率的に増幅される。

    図1Dの例では、信号172および178は、それぞれ電圧信号V in (t)およびV olt (t)を表す。 任意の時刻刻において、図1Dの例では、V in (t)およびV olt (t)は、Kがスケール係数(scale factor)であり、t'がVPAシステムに存在する可能性のある時間遅延を表すとした場合に、V olt (t)=Kev in (tat')となるように関係付けられる。 電力の意味合いでは、

    であり、出力信号178は、入力信号172の電力増幅されたバージョンである。

    図1Dに示されるような、時間変化複素信号の線形(または実質的に線形)な電力増幅は、図1Eに示されるような本発明の実施形態によって達成される。

    図1Eは、本発明の実施形態によるベクトル電力増幅実施形態を概念的に説明するブロック図例である。 図1Eでは、入力信号172は、時間変化複素信号を表す。 例えば、入力信号172は、図1Aおよび図1Bで説明されたように生成されることができる。 実施形態では、信号172は、デジタルまたはアナログ信号とすることができる。 さらに、信号172は、ベースバンドまたは搬送波ベース信号(carrier-based signal)とすることができる。

    図1Eを参照すると、本発明の実施形態によれば、入力信号172またはその同等物が、VPA182に入力される。 図1Eの実施形態では、VPA182は、状態機械(state machine)184およびアナログ回路186を含む。 状態機械184は、デジタルおよび/またはアナログ構成要素を含むことができる。 アナログ回路186は、アナログ構成要素を含むことができる。 VPA182は、図1Eに示されるように、入力信号172を処理して、2つ以上の信号188−{1,. . . ,n}を生成する。 図1Cで信号136、138、142、144、および146、148に関して説明されたように、信号188−{1,. . . ,n}は、異なる期間にわたって、互いに対して位相シフトされても、または位相シフトされなくてもよい。 さらに、VPA182は、信号188−{1,. . . ,n}の和が、ある種の実施形態で信号172の増幅されたバージョン(amplified version)とすることができる信号194を生じさせるように、信号188−{1,. . . ,n}を生成する。

    図1Eを続けて参照すると、信号188−{1,. . . ,n}は、実質的に一定の包絡線信号である。 したがって、先の段落の説明は、図50のステップ504に対応する。

    図1Eの例では、一般に図50のステップ506に対応して、一定包絡線信号188−{1,. . . ,n}は各々、対応する電力増幅器(PA)190−{1,. . . ,n}によって独立に増幅されて、増幅された信号192−{1,. . . ,n}を生成する。 実施形態では、PA190−{1,. . . ,n}は、実質的に等しいそれぞれの一定包絡線信号188−{1,. . . ,n}を増幅する。 増幅された信号192−{1,. . . ,n}は、実質的に一定の包絡線信号であり、ステップ508で、合算されて、出力信号194を生成する。 出力信号194が、入力信号172の線形(または実質的に線形)に増幅されたバージョンであることができることに留意されたい。 出力信号194は、本明細書で説明されるように、入力信号172の周波数アップコンバート・バージョン(frequency-upconverted version)であることもできる。

    2. 一般的な数学的概要 2.1)フェーザー信号表現 図1は、信号r(t)のフェーザー表現

    102を示している。 信号のフェーザー表現は、信号の包絡線の振幅(magnitude)および基準信号に対する信号の位相シフトを明示的に表現する。 本文書では、限定のためではなく便宜的に、基準信号は、フェーザー表現の直交空間の実(Re)軸に揃えられるものとして定義される。 しかし、本発明は、この実施形態に限定されない。 信号の周波数情報は、この表現では暗黙に決まっており、基準信号の周波数によって与えられる。 例えば、図1を参照し、実軸がcos(ωt)基準信号に対応すると仮定すると、フェーザー

    は、関数r(t)=R(t)cos(ωt+φ(t))に変換され、ここでRは

    の大きさ(magnitude)である。

    図1を続けて参照すると、フェーザー

    は、実部フェーザー

    および虚部フェーザー

    に分解されることができる。

    および

    は、基準信号に関する

    の同相および直交フェーザー成分であると言われる。 さらに、

    および

    に対応する信号は、それぞれI(t)=R(t)・cos(φ(t))およびQ(t)=R(t)・sin(φ(t))として、r(t)に関係付けられることに留意されたい。 時間領域では、信号r(t)は、同相および直交成分によって以下のように書き表されることもできる。
    r(t)=I(t)・cos(ωt)+Q(t)・sin(ωt)=
    R(t)・cos(φ(t))・cos(ωt)+R(t)・sin(φ(t))・sin(ωt) (1)
    図1の例では、R(t)は、特定の時刻において示されていることに留意されたい。

    2.2)時間変化複素包絡線信号 図2は、2つの異なる時刻t1およびt2における、信号r(t)のフェーザー表現を示している。 信号の包絡線の振幅で表されるフェーザーの大きさおよびその相対位相シフトはともに、時間t1から時間t2にかけて変化する。 図2では、これは、フェーザー

    および

    の変化する大きさ、ならびに対応する位相シフト角(phase shift angle)φ 1およびφ 2によって示されている。 したがって、信号r(t)は、時間変化複素包絡線信号である。

    さらに、図2から、信号r(t)の実数部および虚数部のフェーザー成分も、振幅について時間変化することに留意されたい。 したがって、それらの対応する時間領域信号(time domain signals)も、時間変化包絡線を有する。

    図3A〜図3Cは、時間変化複素包絡線信号を生成するための変調例を示している。 図3Aは、信号m(t)の図である。 図3Bは、搬送波信号c(t)の部分の図である。 図3Cは、信号m(t)およびc(t)の乗算から得られる信号r(t)を示している。

    図3Aの例では、信号m(t)は、大きさが時間変化する信号である。 m(t)はさらに、ゼロ交差を受ける。 搬送波信号c(t)は、図3Bの例では、一般に信号m(t)の周波数より高いある搬送波周波数で振動している。

    図3Cから、結果の信号r(t)が時間変化包絡線を有することが認められ得る。 さらに図3Cから、変調信号m(t)がゼロ交差する瞬間に、r(t)が位相反転を受けることにも留意されたい。 一定でない包絡線および位相をともにもつ場合、r(t)は、時間変化複素包絡線信号であると言われる。

    2.3)時間変化包絡線信号の一定包絡線分解 大きさおよび位相が時間変化する任意のフェーザーは、基準フェーザーに対して適切に指定された位相シフトを有する、2つ以上の一定の大きさのフェーザーの合算によって、獲得されることができる。

    図3Dは、時間変化包絡線および位相信号S(t)の例の図を示している。 説明を簡単にするため、信号S(t)は、最大包絡線振幅Aを有する正弦信号であると仮定する。 図3Dはさらに、2つの一定包絡線信号S 1 (t)およびS 2 (t)の和によって、任意の時刻において、信号S(t)がどのように獲得され得るかの例を示している。 一般に、S 1 (t)=A 1 sin(ωt+φ 1 (t))であり、S 1 (t)=A 2 sin(ωt+φ 2 (t))である。

    説明の目的で、信号S 1 (t)およびS 2 (t)をS(t)に対して適切に位相調整(phase)することによって、S(t)=K(S 1 (t)+S 2 (t))(Kは定数)となるように、S 1 (t)およびS 2 (t)がどのように合算され得るかを説明する3つの図が、図3Dに提供されている。 言い換えると、信号S(t)は、任意の時刻に、2つ以上の信号に分解されることができる。 図3Dから、期間T 1の間、S 1 (t)およびS 2 (t)はともに、信号S(t)に対して同相であり、したがって、合算すると信号S(t)の最大包絡線振幅Aになる。 しかし、期間T 3の間、S 1 (t)およびS 2 (t)は、互いに対して180度位相がずれており、したがって、合算すると信号S(t)の最小包絡線振幅になる。

    図3Dの例は、正弦波信号の場合を説明している。 しかし、フーリエ級数またはフーリエ変換によって表すことができる搬送波信号を変調する任意の時間変化包絡線も同様に、2つ以上の実質的に一定の包絡線信号に分解することができることは、当業者であれば理解されよう。 したがって、複数の実質的に一定の包絡線信号の位相を制御することによって、任意の時間変化複素包絡線信号を生成することができる。

    3. ベクトル電力増幅方法およびシステム 本発明の実施形態によるベクトル電力増幅方法およびシステムは、任意の時間変化包絡線信号を2つ以上の実質的に一定の包絡線構成要素信号に分解する能力、またはそのような構成要素信号を受け取りもしくは生成し、構成要素信号を増幅し、その後、増幅された信号を合算して、時間変化複素包絡線信号の増幅バージョン(amplified version)を生成する能力に依存する。

    セクション3.1〜3.3で、4ブランチ(4−branch)および2ブランチ(2−branch)実施形態を含む、本発明のベクトル電力増幅(VPA)実施形態が提供される。 この説明において、各VPA実施形態は、先ず、実施形態の基礎をなす概念の数学的誘導を使用して、概念的に提示される。 次に、VPA実施形態の動作方法の実施形態が提示され、続いて、VPA実施形態の様々なシステム・レベルの実施形態が提示される。

    セクション3.4は、本発明の実施形態による制御モジュールの様々な実施形態を提示する。 本発明の実施形態による制御モジュールは、本発明のある種のVPA実施形態を可能にするために使用されることができる。 いくつかの実施形態では、制御モジュールは、VPA実施形態の入力ステージと、VPA実施形態の後続のベクトル変調ステージとの間にある中間モジュールである。

    セクション3.5は、本発明の実施形態によるVPA出力ステージ実施形態を説明する。 出力ステージ実施形態は、VPA実施形態の出力信号を生成することに関する。

    セクション3.6は、本発明の実施形態による高調波制御に関する。 高調波制御は、本発明のある種の実施形態において実装して、VPA実施形態の高調波における実数部および虚数部の電力を操作し、その結果、出力において基本周波数に存在する電力を増大させることができる。

    セクション3.7は、本発明の実施形態による電力制御に関する。 電力制御は、本発明のVPA実施形態を利用することができる応用例の電力レベル要件を満たすために、本発明のある種の実施形態に実装することができる。

    3.1)カルテシアン4ブランチ・ベクトル電力増幅器 限定のためではなく説明を容易にするために本明細書でカルテシアン4ブランチ(Cartesian 4-Branch)VPA実施形態と呼ばれる、本発明の一実施形態によれば、時間変化複素包絡線信号は、4つの実質的に一定の包絡線構成要素信号に分解される。 構成要素信号は、等しくまたは実質的に等しく個別に増幅され、その後、元の時間変化複素包絡線信号の増幅バージョンを構成するために合算される。

    この実施形態では、限定のためではなく説明の目的で、4ブランチが利用されることに留意されたい。 本発明の範囲は、その他の数のブランチの使用を包含し、そのような変形の実装は、本明細書に含まれる教示に基づいて、当業者には明らかであろう。

    一実施形態では、時間変化複素包絡線信号は、最初にその同相および直交ベクトル成分に分解される。 フェーザー表現では、同相および直交ベクトル成分は、それぞれ信号の実数部および虚数部の各フェーザーに対応する。

    上で説明されたように、信号の同相および直交ベクトル成分の大きさは、信号の振幅に比例して変化し、したがって、信号が時間変化包絡線信号である場合、一定包絡線ではない。 したがって、4ブランチVPA実施形態はさらに、信号の同相および直交ベクトル成分の各々を、2つは同相信号成分用、2つは直交信号成分用の、4つの実質的に一定の包絡線成分に分解する。 この概念は、フェーザー信号表現を使用して、図4で説明される。

    図4の例では、フェーザー

    および

    は、それぞれ2つの時刻t1およびt2における、例示的な時間変化複素包絡線信号の実数部フェーザーに対応する。 フェーザー

    および

    が異なる大きさをもつことに留意されたい。

    図4を続けて参照すると、瞬間t1において、フェーザー

    は、上側および下側フェーザー

    および

    の合算によって、獲得されることができる。 同様に、瞬間t2において、フェーザー

    は、上側および下側フェーザー

    および

    の合算によって、獲得されることができる。 フェーザー

    および

    が、等しいまたは実質的に等しい大きさをもつことに留意されたい。 同様に、フェーザー

    および

    も、実質的に等しい大きさをもつ。 したがって、時間変化包絡線信号の実数部フェーザーは、少なくとも2つの実質的に一定の包絡線成分の合算によって、任意の時刻に獲得されることができる。

    に対するフェーザー

    および

    の位相シフト、ならびに

    に対するフェーザー

    および

    の位相シフトは、それぞれフェーザー

    および

    の所望する大きさに従って設定される。 1つのケースでは、上側および下側フェーザーが等しい大きさをもつように選択される場合、上側および下側フェーザーは、フェーザーに対して対称的に位相シフトされる。 これは、図4の例に示されており、すべてが等しい大きさをもつ

    および

    に対応する。 第2のケースでは、上側および下側フェーザーの位相シフトは、フェーザーに対して実質的に対称的に位相シフトされる。 本明細書の説明に基づいて、上側および下側フェーザーの大きさおよび位相シフトが正確に等しい値である必要はないことは、当業者であれば理解されよう。

    一例として、図4に示されたケースについて、図4で、

    および

    として示される相対位相シフトは、正規化されたフェーザー

    および

    の大きさに関係付けられ得ることが、さらに確認されることができる。

    ここで、I 1およびI 2は、それぞれフェーザー

    および

    の正規化された大きさを表し、I 1およびI 2の定義域は、式(2)および(3)が有効である定義域に従って適切に制限される。 式(2)および(3)は、相対位相シフトを正規化された大きさに関係付けるための1つの表現であることに留意されたい。 式(2)および(3)のその他の解法、等価表現、および/または簡略化表現も、利用されることができる。 相対位相シフトを正規化された大きさに関係付ける検索表が、使用されることもできる。

    上で説明された概念は同様に、図4に示されるように、信号r(t)の虚数部のフェーザーまたは直交成分部分にも適用されることができる。 したがって、任意の時刻tにおいて、信号r(t)の虚フェーザー部分

    は、実質的に等しいまたは一定の大きさの上側および下側フェーザー成分

    および

    を合算することによって、獲得されることができる。 この例では、

    および

    は、時間tにおける

    の大きさに従って設定される角度だけ、

    に対して対称的に位相シフトされる。

    および

    の所望するフェーザー

    に対する関係は、I 1およびI 2をそれぞれQ 1およびQ 2で置き換えることによって、式2および3で定義されるように関係付けられる。

    上の説明から、フェーザー表現では、大きさおよび位相が可変の任意のフェーザー

    は、以下のように、4つの実質的に大きさが一定のフェーザー成分の合算によって構成され得ることが導かれ、

    ここで、I U 、I L 、Q U 、およびQ Lは、それぞれフェーザー

    および

    の大きさを表す。

    それに対応して、時間領域では、時間変化複素包絡線正弦信号r(t)=R(t)cos(ωt+φ)は、以下のように、4つの一定の包絡線信号の和によって構成される。

    ここで、

    は、

    が正の実軸と同相か、それとも180°位相がずれているかに依存する。 同様に、

    は、

    が虚軸と同相か、それとも180°位相がずれているかに依存する。

    は、実軸に対する

    および

    の位相シフトに対応する。 同様に、

    は、虚軸に対する

    および

    の位相シフトに対応する。

    および

    は、(2)および(3)で与えられる式を使用して、算出されることができる。

    式(5)は、以下のように、さらに簡略化されることができる。

    ここで、

    および

    である。

    式(5)および式(6)の時間領域表現は正弦波形の場合について提供されたが、非正弦波形についても、適切な基底関数(basis function)を使用して、等価表現が展開できることは、当業者であれば理解できよう。 さらに、当業者であれば本明細書の教示に基づいて理解されるように、上で説明された実質的に一定の包絡線信号への2次元分解は、多次元分解に適切に拡張されることができる。

    図5は、カルテシアン4ブランチVPA実施形態のブロック図例である。 所望する電力レベルおよび周波数特性の出力信号r(t)578が、カルテシアン4ブランチVPA実施形態によるベースバンド同相および直交成分から生成される。

    図5の例では、シンセサイザ510などの周波数ジェネレータが、出力信号r(t)578のものと同じ周波数をもつ基準信号A*cos(ωt)511を生成する。 基準信号の選択が所望する出力信号に従って行われることは、当業者であれば理解できよう。 例えば、所望する出力信号の所望する周波数が2.4GHzである場合、基準信号の周波数は、2.4GHzに設定される。 このようにして、本発明の実施形態は、周波数アップ・コンバージョンを達成する。

    図5を参照すると、1つまたは複数の位相スプリッタが使用されて、基準信号511に基づいて信号521、531、541および551を生成する。 図5の例では、これは、位相スプリッタ512、514、516を使用し、各位相スプリッタにおいて0°の位相シフトが適用されることによって、行われる。 しかし、基準信号511から信号521、531、541、551を生成するために様々な技法が使用され得ることは、当業者であれば理解されよう。 例えば、単一ステップで4つの複製信号(replica)521、531、541、551を生成するために、1:4位相スプリッタが使用されることができ、あるいは、図5の実施形態例では、信号511は、信号521、531、541、551に直接結合されることができる。 実施形態に応じて、所望する信号521、531、541、551をもたらすために、様々な位相スプリッタが適用されることもできる。

    図5を続けて参照すると、信号521、531、541、551の各々は、それぞれ対応するベクトル変調器520、530、540、550に提供される。 ベクトル変調器520、530、540、550は、適切な入力信号を用いて、式(6)で提供される式に従って、信号r(t)の4つの一定包絡線構成要素を生成する。 図5の実施形態例では、ベクトル変調器520および530は、それぞれ信号r(t)のI U (t)およびI L (t)成分を生成する。 同様に、ベクトル変調器540および550は、それぞれ信号r(t)のQ U (t)およびQ L (t)成分を生成する。

    各ベクトル変調器520、530、540、550の実際の実装は、様々であることができる。 例えば、(6)の式による一定包絡線構成要素を生成するために様々な技法が存在することは、当業者であれば理解されよう。

    図5の実施形態例では、各ベクトル変調器520、530、540、550は、信号522、531、541、551を位相調整するための入力位相スプリッタ522、532、542、552を含む。 したがって、同相および直交成分、またはそれぞれの入力信号を生成するために、入力位相スプリッタ522、532、542、552が使用される。

    各ベクトル変調器520、530、540、550では、同相および直交成分が、振幅情報と乗算される。 図5では、例えば、乗算器524は、信号521の直交成分を、I U (t)の直交振幅情報I UYと乗算する。 並列して、乗算器526は、同相複製信号を、I U (t)の同相振幅情報sgn(I)×I UXと乗算する。

    U (t)の一定包絡線構成要素を生成するため、信号525および527が、位相スプリッタ528または代替合算技法を使用して合算される。 結果の信号529は、信号r(t)のIU(t)成分に対応する。

    上で説明されたのと同様の方法で、ベクトル変調器530、540、550は、それぞれ信号r(t)のI L (t)、Q U (t)、およびQ L (t)成分を生成する。 I L (t)、Q U (t)、およびQ L (t)は、それぞれ図5の信号539、549、559に対応する。

    さらに、上で説明されたように、信号529、539、549、559は、実質的に等しくかつ一定の振幅の包絡線を有することによって特徴付けられる。 したがって、信号529、539、549、559が対応する電力増幅器(PA)562、564、566、568に入力されるとき、対応する増幅された信号563、565、567、569は、実質的に一定の包絡線信号である。

    電力増幅器562、564、566、568は、それぞれ各信号529、539、549、559を増幅する。 一実施形態では、実質的に等しい電力増幅が、各信号529、539、549、559に適用される。 一実施形態では、PA562、564、566、568の電力増幅レベルは、出力信号r(t)の所望する電力レベルに従って設定される。

    図5を続けて参照すると、増幅された信号563および565は、加算器572を使用して合算されて、信号r(t)の同相成分

    の増幅されたバージョン573を生成する。 同様に、増幅された信号567および569は、加算器574を使用して合算されて、信号r(t)の直交成分

    の増幅されたバージョン575を生成する。

    信号573および575は、図5に示されるように、所望する出力信号r(t)に対応する結果の信号をもたらすように、加算器576を使用して合算される。

    図5の例では、説明の目的でのみ加算器572、574、576が使用されているに過ぎないことが留意されなければならない。 増幅された信号563、565、567、569を合算するために、様々な技法が使用されることができる。 例えば、増幅された信号563、565、567、569はすべて、1つのステップで合算されて、信号578をもたらすことができる。 実際、本発明の様々なVPA実施形態によれば、増幅後に合算が行われれば十分である。 本発明のある種のVPA実施形態は、以下でさらに説明されるように、導線(wire)を介した直接結合などの最小損失合算技法を使用する。 代替として、ある種のVPA実施形態は、従来の電力合成技法を使用する。 その他の実施形態では、以下でさらに説明されるように、電力増幅器562、564、566、568は、複数入力単一出力(multiple-input single-output)電力増幅器として実装されることができる。

    カルテシアン4ブランチVPA実施形態の動作が、図6のプロセス・フローチャートを参照して、今からさらに説明される。 プロセスは、所望する出力信号のベースバンド表現を受け取ることを含むステップ610で開始する。 一実施形態では、これは、所望する出力信号の同相(I)および直交(Q)成分を受け取ることを含む。 別の実施形態では、これは、所望する出力信号の振幅および位相を受け取ることを含む。 カルテシアン4ブランチVPA実施形態の一実施形態では、IおよびQはベースバンド成分である。 別の実施形態では、IおよびQはRF成分であり、ベースバンドにダウン・コンバートされる。

    ステップ620は、所望する出力信号の所望する出力信号周波数に従って設定されたクロック信号を受け取ることを含む。 図5の例では、ステップ620は、基準信号511を受け取ることによって達成される。

    ステップ630は、出力信号周波数をもつ第1および第2の信号を生成するためにI成分を処理することを含む。 第1および第2の信号は、実質的に一定でかつ等しい振幅の包絡線を有し、和(sum:合算した結果)はI成分に等しい。 第1および第2の信号は、上で説明されたI U (t)およびI L (t)一定包絡線構成要素に対応する。 図5の例では、ステップ630は、適切な入力信号を用いて、ベクトル変調器520および530によって達成される。

    ステップ640は、出力信号周波数をもつ第3および第4の信号を生成するためにQ成分を処理することを含む。 第3および第4の信号は、実質的に一定でかつ等しい振幅の包絡線を有し、和はQ成分に等しい。 第3および第4の信号は、上で説明されたQ U (t)およびQ L (t)一定包絡線構成要素に対応する。 図5の例では、ステップ630は、適切な入力信号を用いて、ベクトル変調器540および550によって達成される。

    ステップ650は、第1、第2、第3、および第4の信号の各々を個別に増幅し、所望する出力信号を生成するために増幅された信号を合算することを含む。 一実施形態では、第1、第2、第3、および第4の信号の増幅は、実質的に等しく、所望する出力信号の所望する電力レベルに従う。 図5の例では、ステップ650は、それぞれの信号529、539、549、559を増幅する電力増幅器562、564、566、568によって、また出力信号578を生成するために増幅された信号563、565、567、569を合算する加算器572、574、576によって達成される。

    図7Aは、図6のプロセス・フローチャート600を実装するベクトル電力増幅器700の例示的な一実施形態を示すブロック図である。 図7Aの例では、オプションの構成要素は、破線を用いて示されている。 その他の実施形態では、さらなる構成要素を、オプションとすることができる。

    ベクトル電力増幅器700は、同相(I)ブランチ703および直交(Q)ブランチ705を含む。 IブランチおよびQブランチの各々はさらに、第1のブランチおよび第2のブランチを備える。

    同相(I)情報信号702は、Iデータ伝達機能モジュール(Transfer Function module)710によって受け取られる。 一実施形態では、I情報信号702は、デジタル・ベースバンド信号を含む。 一実施形態では、Iデータ伝達機能モジュール710は、サンプル・クロック706に従ってI情報信号702をサンプリングする。 別の実施形態では、I情報信号702は、アナログ・ベースバンド信号を含み、アナログ・ベースバンド信号は、Iデータ伝達機能モジュール710に入力される前に、アナログ−デジタル変換器(ADC)(図7Aには図示されず)を使用して、デジタルに変換される。 別の実施形態では、I情報信号702は、アナログ・ベースバンド信号を含み、アナログ・ベースバンド信号は、アナログ形式で、アナログ回路も含むIデータ伝達機能モジュール710に入力される。 別の実施形態では、I情報信号702は、RF信号を含み、RF信号は、Iデータ伝達機能モジュール710に入力される前に、上で説明された実施形態のいずれかを使用して、ベースバンドにダウン・コンバートされる。

    Iデータ伝達機能モジュール710は、I情報信号702を処理し、I情報信号702の少なくとも2つの一定包絡線構成要素信号についての同相および直交振幅情報を決定する。 図5を参照して上で説明されたように、同相および直交ベクトル変調器は、それぞれsgn(I)×I UXおよびI UYに対応する振幅情報を入力する。 Iデータ伝達機能モジュール710の動作は、以下のセクション3.4でさらに説明される。

    Iデータ伝達機能モジュール710は、ベクトル変調器760および762の同相および直交振幅成分を制御するために使用される情報信号722および724を出力する。 一実施形態では、信号722、724は、デジタル信号である。 したがって、各信号722、724は、それぞれ対応するデジタル−アナログ変換器(DAC)730、732に供給される。 DAC730、732の分解能(resolution)およびサンプル・レートは、出力信号782の所望するI成分を得るように選択される。 DAC730、732は、それぞれDACクロック信号723、725によって制御される。 DACクロック信号723、725は、同じクロック信号から取り出されることもでき、または独立であることもできる。

    別の実施形態では、信号722、724は、アナログ信号であり、DAC730、732は必要とされない。

    図7Aの例示的な実施形態では、DAC730、732は、デジタル情報信号722、724を対応するアナログ信号に変換し、これらのアナログ信号をそれぞれオプションの補間フィルタ731、733に入力する。 アンチ・エイリアス・フィルタとしても働く補間フィルタ731、733は、所望する出力波形を生成するためにDAC出力を整形する。 補間フィルタ731、733は、それぞれ信号740、742を生成する。 信号741は、信号740の反転を表す。 信号740〜742は、ベクトル変調器760、762に入力される。

    ベクトル変調器760、762は、I情報信号702の一定包絡線構成要素を生成するために、信号740〜742を適切に位相調整されたクロック信号と乗算する。 クロック信号は、所望する出力信号周波数に従ったレートを有するチャネル・クロック信号708から取り出される。 例えば750、752などの複数の位相スプリッタ、およびベクトル変調器乗算器(vector modulator multipliers)に関連付けられたフェーザーが、適切に位相調整されたクロック信号を生成するために使用されることができる。

    図7Aの実施形態では、例えば、ベクトル変調器760は、直交振幅情報信号740を用いて、90°シフトされたチャネル・クロック信号を変調する。 並行して、ベクトル変調器760は、同相振幅情報信号742を用いて、同相チャネル・クロック信号を変調する。 ベクトル変調器760は、2つの変調信号を合成して、I情報信号702の第1の変調された一定包絡線構成要素761を生成する。 同様に、ベクトル変調器762は、信号741および742を使用して、I情報信号702の第2の変調された一定包絡線構成要素763を生成する。 信号761および763は、それぞれ、図5を参照して説明されたI U (t)およびI L (t)一定包絡線構成要素に対応する。

    並行して同様の方法で、ベクトル電力増幅器700のQブランチは、直交(Q)情報信号704の少なくとも2つの一定包絡線構成要素信号を生成する。

    図7Aの実施形態では、例えば、ベクトル変調器764は、信号744および746を使用して、Q情報信号704の第1の一定包絡線構成要素765を生成する。 同様に、ベクトル変調器766は、信号745および746を使用して、Q情報信号704の第2の一定包絡線構成要素767を生成する。

    図5に関係して上で説明されたように、構成要素信号761、763、765、767は、実質的に等しくかつ一定の振幅の包絡線を有する。 図7Aの例示的な実施形態では、信号761、763、765、767は、それぞれ対応する電力増幅器(PA)770、772、774、776に入力される。 PA770、772、774、776は、線形または非線形電力増幅器とすることができる。 一実施形態では、PA770、772、774、776は、スイッチング電力増幅器を含む。

    回路714および716(限定のためではなく参照を容易にするために、本明細書では「オートバイアス回路(autobias circuitry)」と呼ばれる)は、この実施形態では、I情報信号702およびQ情報信号704に従って、PA770、772、774、776のバイアスを制御する。 図7Aの実施形態では、オートバイアス回路714および716は、それぞれバイアス信号715および717を、PA770、772およびPA774、776に提供する。 オートバイアス回路714、716は、以下のセクション3.5でさらに説明される。 PA770、772、774、776の実施形態も、以下のセクション3.5で説明される。

    一実施形態では、PA770、772、774、776は、実質的に等しい電力増幅を、それぞれの実質的に一定の包絡線信号761、763、765、767に適用する。 その他の実施形態では、追加の電力増幅を提供するために、PAドライバが追加的に利用される。 図7Aの実施形態では、PAドライバ794、795、796、797は、ベクトル電力増幅器700の各ブランチの、それぞれのベクトル変調器760、762、764、766とそれぞれのPA770、772、774、776の間に任意選択で追加される。

    PA770、772、774、776の出力は、ベクトル電力増幅器700の出力信号782を生成するために、一緒に結合される。 一実施形態では、PA770、772、774、776の出力は、導線(wire)を使用して直接的に一緒に結合される。 このような直接結合は、PA770、772、774、776の出力の間に、抵抗性、誘導性、もしくは容量性のアイソレーション(isolation)が、ごくわずか存在するだけか、または全く存在しないことを意味する。 言い換えると、PA770、772、774、776の出力は、介在構成要素なしに一緒に結合される。 代替として、一実施形態では、PA770、772、774、776の出力は、低いもしくは最低インピーダンス接続をもたらすインダクタンスおよび/もしくはキャパシタンスを介して、ならびに/または最小アイソレーションおよび最低電力損失をもたらす接続を介して、間接的に一緒に結合される。 代替として、PA770、772、774、776の出力は、ウィルキンソン(Wilkinson)、ハイブリッド、変圧器、または知られた能動合成器など、よく知られた合成技法を使用して結合される。 一実施形態では、PA770、772、774、776は、統合された増幅および電力合成を単一動作で提供する。 一実施形態では、本明細書で説明される1つまたは複数の電力増幅器および/またはドライバは、複数入力、単一出力電力増幅技法を使用して実装され、その例が図7Bおよび図51A〜Hに示されている。

    出力信号782は、I情報信号702およびQ情報信号704のIの特性およびQの特性を含む。 さらに、出力信号782は、その各構成要素の周波数と同じ周波数を有し、その結果、所望するアップ・コンバートされた出力周波数を有する。 ベクトル電力増幅器700の実施形態では、プルアップ・インピーダンス(pull-up impedance)780が、ベクトル増幅器700の出力と電源の間に結合される。 本発明の電力増幅方法およびシステムによる出力ステージ実施形態は、以下のセクション3.5でさらに説明される。

    ベクトル電力増幅器700のその他の実施形態では、増幅器の回路内のプロセス変動を補償するために、プロセス検出器が利用される。 図7Aの実施形態では、例えば、プロセス検出器791〜793が、PAドライバ794〜797および位相スプリッタ750における変動を監視するために、任意選択で追加される。 さらなる実施形態では、周波数変動を補償するために、周波数補償回路799が利用されることができる。

    図7Bは、ベクトル電力増幅器700の別の例示的な実施形態を示すブロック図である。 オプションの構成要素は、破線を用いて示されているが、その他の実施形態では、オプションの構成要素を多くしたり少なくしたりすることができる。

    この実施形態は、図7Aの増幅器の複数入力単一出力(MISO)実装を示している。 図7Bの実施形態では、ベクトル変調器760、762、764、766から出力される一定包絡線信号761、763、765、767が、MISO PA784、786に入力される。 MISO PA784、786は、2入力単一出力電力増幅器である。 一実施形態では、MISO PA784、786は、図7Aの実施形態に示されたような要素770、772、774、776、794〜797、またはそれらの機能的同等物を含む。 別の実施形態では、MISO PA784、786は、オプションのプレ・ドライバ(pre-driver)およびオプションのプロセス検出回路など、その他の要素を含むことができる。 さらに、MISO PA784、786は、図7Bに示されるような2入力PAには限定されない。 図51A〜Hを参照して以下でさらに説明されるその他の実施形態では、PA784、786は、任意の数の入力および出力を有することができる。

    図8Aは、図6に示されたカルテシアン4ブランチVPA方法によるベクトル電力増幅器の別の例示的な実施形態800Aを示すブロック図である。 オプションの構成要素は、破線を用いて示されているが、その他の実施形態は、より多いまたはより少ないオプションの構成要素を有してもよい。

    図8Aの実施形態では、十分な分解能およびサンプル・レートのDAC830が、図7Aの実施形態のDAC730、732、734、736に取って代わる。 DAC830のサンプル・レートは、DACクロック信号826によって制御される。

    DAC830は、上で説明されたように、Iデータ伝達機能モジュール710およびQデータ伝達機能モジュール712から、それぞれ同相および直交情報信号810および820を受け取る。 一実施形態では、入力セレクタ822が、DAC830に入力される信号810および820の順序を選択する。

    DAC830は、一度に単一のアナログ信号を出力することができる。 一実施形態では、図8Aに示されるように、増幅器の4つのブランチへの適切な信号タイミングを保証するために、サンプル・アンド・ホールド構成が使用されることになる。

    DAC830は、アナログ信号832、834、836、838を、第1の組のサンプル・アンド・ホールド回路(sample-and-hold circuit)842、844、846、848に順次出力する。 一実施形態では、DAC830は、図7Aの実施形態のDAC730、732、734、736の動作をエミュレートするために、十分なレートでクロックされる。 出力セレクタ824は、出力信号832、834、836、838のどれが出力として選択されるべきかを決定する。

    DAC830のDACクロック信号826、出力セレクタ信号824、入力セレクタ822、およびサンプル・アンド・ホールド・クロック840A〜D、850は、制御モジュールによって制御され、制御モジュールは、独立とすることができ、または伝達機能モジュール710および/もしくは712に統合することができる。

    一実施形態では、サンプル・アンド・ホールド回路(S/H)842、844、846、848は、クロック信号840A〜Dに従って、DAC830から受け取られたアナログ値をサンプルし、ホールドする。 サンプル・アンド・ホールド回路852、854、856、858は、それぞれサンプル・アンド・ホールド回路842、844、846、848からのアナログ値をサンプルし、ホールドする。 次に、サンプル・アンド・ホールド回路852、854、856、858は、受け取られたアナログ値をホールドし、共通クロック信号850に従って、その値をベクトル変調器760、762、764、766に同時にリリースする。 別の実施形態では、サンプル・アンド・ホールド回路852、854、856、858は、アンチ・エイリアス・フィルタでもあるオプションの補間フィルタ731、733、735、737に値をリリースする。 一実施形態では、S/H852、854、856、858の出力が時間的に揃えられることを保証するために、共通クロック信号850が使用される。

    ベクトル電力増幅器800Aのその他の態様は、ベクトル電力増幅器700に関係して上で説明された態様に実質的に対応する。

    図8Bは、図6に示されたカルテシアン4ブランチVPA方法によるベクトル電力増幅器の別の例示的な実施形態800Bを示すブロック図である。 オプションの構成要素は、破線を用いて示されているが、その他の実施形態は、オプションの構成要素を多くしたり少なくしたりすることができる。

    実施形態800Bは、ベクトル電力増幅器の別の単一DAC実装を示している。 しかし、図8Aの実施形態と対照すると、サンプル・アンド・ホールド構成は、サンプル・アンド・ホールド回路(S/H)の単一の組を含む。 図8Bに示されるように、S/H842、844、846、848は、DAC830から、信号832、834、836、838として示されるアナログ値を受け取る。 S/H回路842、844、846、848の各々は、示されるように異なるクロック840A〜Dに従って、受け取られた値をリリースする。 信号740、741、742、744、745、746を生成するために使用されるアナログ・サンプルの間の時間差は、伝達機能710および712において補償されることができる。 図8Bの実施形態によれば、図8Aの実施形態と比べて、S/H回路の1つのレベルが除去されることができ、それによって、増幅器のサイズおよび複雑さを減らすことができる。

    ベクトル電力増幅器800Bのその他の態様は、ベクトル電力増幅器700および800Aに関係して上で説明された態様に実質的に対応する。

    図8Cは、ベクトル電力増幅器700の別の例示的な実施形態800Cを示すブロック図である。 オプションの構成要素は、破線を用いて示されているが、その他の実施形態は、オプションの構成要素を多くしたり少なくしたりすることができる。 図8Cの実施形態は、図8Aの増幅器の複数入力単一出力(MISO)実装を示している。 図8Cの実施形態では、ベクトル変調器760、762、764、766からの出力される一定包絡線信号761、763、765、767が、MISO PA860、862に入力される。 MISO PA860、862は、2入力単一出力電力増幅器である。 一実施形態では、MISO PA860、862は、図7Aの実施形態に示されたような要素770、772、774、776、794〜797、またはそれらの機能的同等物を含む。 別の実施形態では、MISO PA860、862は、オプションのプレ・ドライバおよびオプションのプロセス検出回路など、その他の要素を含むことができる。 別の実施形態では、MISO PA860、862は、プレ・ドライバなど、図7Aの実施形態に示されていないその他の要素を含むことができる。 さらに、MISO PA860、862は、図8Cに示されるような2入力PAには限定されない。 図51A〜Hを参照して以下でさらに説明されるその他の実施形態では、PA860、862は、任意の数の入力および出力を有することができる。

    ベクトル電力増幅器800Cのその他の態様は、ベクトル電力増幅器700および800Aに関係して上で説明された態様に実質的に対応する。

    図8Dは、ベクトル電力増幅器700の別の例示的な実施形態800Dを示すブロック図である。 オプションの構成要素は、破線を用いて示されているが、その他の実施形態は、オプションの構成要素を多くしたり少なくしたりすることができる。 図8Dの実施形態は、図8Bの増幅器の複数入力単一出力(MISO)実装を示している。 図8Dの実施形態では、ベクトル変調器760、762、764、766からの出力される一定包絡線信号761、763、765、767が、MISO PA870、872に入力される。 MISO PA870、872は、2入力単一出力電力増幅器である。 一実施形態では、MISO PA870、872は、図7Aの実施形態に示されたような要素770、772、774、776、794〜797、またはそれらの機能的同等物を含む。 別の実施形態では、MISO PA870、872は、オプションのプレ・ドライバおよびオプションのプロセス検出回路など、その他の要素を含むことができる。 別の実施形態では、MISO PA870、872は、プレ・ドライバなど、図7Aの実施形態に示されていないその他の要素を含むことができる。 さらに、MISO PA870、872は、図8Dに示されるような2入力PAには限定されない。 図51A〜Hを参照して以下でさらに説明されるその他の実施形態では、PA870および872は、任意の数の入力および出力を有することができる。

    ベクトル電力増幅器800Dのその他の態様は、ベクトル電力増幅器700および800Bに関係して上で説明された態様に実質的に対応する。

    3.2)カルテシアン極カルテシアン極2ブランチ・ベクトル電力増幅器 カルテシアン極カルテシアン極(CPCP:Cartesian-Polar-Cartesian-Polar)2ブランチVPA実施形態が、今から説明される(この実施形態の名称は、限定のためではなく説明を容易にするために提供される)。

    カルテシアン極カルテシアン極(CPCP)2ブランチVPA方法によれば、時間変化複素包絡線信号は、2つの実質的に一定の包絡線構成要素信号に分解される。 構成要素信号は、個別に増幅され、その後、元の時間変化複素包絡線信号の増幅バージョンを構成するために合算される。 加えて、時間変化複素包絡線信号の位相角が決定され、複数の構成要素信号の結果の和は、適切な角度だけシフトされた位相を有する。

    CPCP2ブランチVPA方法の一実施形態では、時間変化複素包絡線信号の振幅および位相角は、信号の同相および直交成分から算出される。 振幅情報を与えられると、2つの実質的に一定の包絡線構成要素が、所望する時間変化包絡線信号の正規化バージョンから算出され、正規化は、位相および/または振幅の実装固有の操作を含む。 その後、2つの実質的に一定の包絡線構成要素は、所望する時間変化包絡線信号の位相シフトに関係する適切な角度だけ位相シフトされる。 その後、実質的に一定の包絡線構成要素は、個別に実質的に等しく増幅され、元の所望する時間変化包絡線信号の増幅バージョンを生成するために合算される。

    図9Aおよび図9Bは、フェーザー信号表現を使用して、CPCP2ブランチVPA実施形態を概念的に説明する。 図9Aでは、フェーザー

    は、時間変化複素包絡線入力信号r(t)を表す。 任意の時刻において、

    は、信号r(t)の振幅および位相シフト角を反映する。 図9Aに示される例では、

    は、大きさRおよび位相シフト角θによって特徴付けられる。 上で説明されたように、位相シフト角は、基準信号に対して測定される。

    図9Aを参照すると、

    は、

    および

    によって生成される

    の相対振幅成分を表す。

    図9Aを続けて参照すると、任意の時刻において、

    は、上側フェーザー

    および下側フェーザー

    の合算によって獲得され得ることに留意されたい。 さらに、

    および

    は、実質的に一定の大きさを有するように維持されることができる。 したがって、フェーザー

    および

    は、2つの実質的に一定の包絡線信号を表す。 したがって、r'(t)は、任意の時刻において、フェーザー

    および

    に対応する2つの実質的に一定の包絡線信号の合算によって獲得されることができる。

    に対するフェーザー

    および

    の位相シフトは、

    の所望する大きさRに従って設定される。 最も簡単なケースでは、上側および下側フェーザー

    および

    が等しい大きさをもつように選択される場合、上側および下側フェーザー

    および

    は、

    に対して実質的に対称的に位相シフトされる。 これは、図9Aの例に示されている。 「上側」および「下側」などの、ただしこれらに限定されない、向きを指示または暗示する語および句は、本明細書では参照を容易にするために使用され、機能的または構造的に限定するものではないことに留意されたい。

    図9Aに示されるケースについて、図9Aで角

    として示される

    に対する

    および

    の位相シフトは、以下のように、

    の大きさに関係付けられることが確認されることができ、

    ここで、Rはフェーザー

    の正規化された大きさを表す。

    式(7)はさらに、

    に変形されることができ、ここで、Rはフェーザー

    の正規化された大きさを表す。

    代替として、任意の実質的に等価な数学的式、またはルックアップテーブルなどその他の実質的に等価な数学的技法が、使用されることができる。

    上の説明から、フェーザー表現では、可変の大きさおよび位相の任意のフェーザー

    は、2つの一定の大きさのフェーザー成分によって構成され得ることが導かれる。

    それに対応して、時間領域では、時間変化包絡線正弦信号r'(t)=R(t)×cos(ω)は、以下のように、2つの一定の包絡線信号によって構成され、

    ここで、Aは一定であり、

    は、式(7)で示されるものである。

    図9Aから、式(9)は、
    r'(t)=U'(t)+L'(t);
    U'(t)=Ccos(ωt)+αsin(ωt); (10)
    L'(t)=Ccos(ωt)−βsin(ωt);
    と書き直され得ることがさらに確認されることができ、ここで、Cはフェーザー

    および

    の実部成分を示し、

    に等しい。 Cが

    および

    の共通成分であることに留意されたい。 αおよびβは、それぞれフェーザー

    および

    の虚部成分を示し、

    である。 したがって、式(12)から、

    である。 当業者であれば本明細書の教示に基づいて理解されるように、例えば、ルックアップテーブルを含む、量A、B、およびCの上記表現のその他の等価および/または簡略化された表現が使用されることができる。

    に対してθ度だけシフトされていることに留意されたい。 したがって、式(8)を使用して、

    であることが、演繹されることができる。

    式(11)は、

    の表現が、θ度だけシフトされた、上で説明されたフェーザー

    および

    を合算することによって獲得され得ることを含意している。 さらに、

    の増幅された出力バージョン

    は、フェーザー

    および

    のθ度シフト・バージョンの各々を実質的に等しく、別々に増幅し、それらを合算することによって獲得されることができる。 図9Bは、この概念を示している。 図9Bでは、フェーザー

    および

    は、フェーザー

    および

    のθ度シフトかつ増幅バージョンを表す。

    および

    は、一定の大きさのフェーザーであるので、

    および

    も、一定の大きさのフェーザーであることに留意されたい。 フェーザー

    および

    は合算されて、図9Bに示されるように、入力信号

    の電力増幅されたバージョンであるフェーザー

    になる。

    等価的に、時間領域では、
    out (t)=U(t)+L(t);
    U(t)=K[Ccos(ωt+θ)+αsin(ωt+θ)]; (12)
    L(t)=K[Ccos(ωt+θ)−βsin(ωt+θ)]
    と示されることができ、ここで、r out (t)は、フェーザー

    によって表される時間領域信号に対応し、U(t)およびL(t)は、フェーザー

    および

    によって表される時間領域信号に対応し、Kは電力増幅係数である。

    式(9)および(10)の時間領域表現は正弦波形の場合について提供されたが、非正弦波形についても、適切な基底関数を使用して、等価表現が展開開発されることができることは、当業者であれば理解できよう。

    図10は、CPCP2ブランチVPA実施形態の例示的な一実施形態1000を概念的に示すブロック図である。 所望する電力レベルおよび周波数特性の出力信号r(t)が、CPCP2ブランチVPA実施形態に従って、同相および直交成分から生成される。

    図10の例では、クロック信号1010は、出力信号r(t)を生成するための基準信号を表す。 クロック信号1010は、所望する出力信号r(t)の周波数と同じ周波数を有する。

    図10を参照すると、Iclk_phase信号1012およびQclk_phase信号1014は、Clk信号1010の同相および直交成分によって乗算され、ベースバンドのIおよびQ信号化から算出された、振幅アナログ値を表す。

    図10を続けて参照すると、クロック信号1010は、Iclk_phase信号1012と乗算される。 並行して、クロック信号1010の90°シフト・バージョンは、Qclk_phase信号1014と乗算される。 2つの乗算された信号は、合成されて、Rclk信号1016を生成する。 Rclk信号1016は、クロック信号1010と同じ周波数を有する。 さらに、Rclk信号1016は、Q(t)とI(t)の比に従う位相シフト角によって特徴付けられる。 Rclk信号1016の大きさは、R 2 clk=I 2 clk_phase+Q 2 clk_phaseのようになる。 したがって、Rclk信号1016は、所望する出力信号r(t)の位相特性を有する実質的に一定の包絡線信号を表す。

    図10を続けて参照すると、Rclk信号1016は、並列して、2つのベクトル変調器1060および1062に入力される。 ベクトル変調器1060および1062は、それぞれ、(12)に記述されるような、所望する出力信号r(t)の実質的に一定の包絡線構成要素U(t)およびL(t)を生成する。 ベクトル変調器1060では、共通信号1028と乗算された同相Rclk信号1020が、第1の信号1026と乗算された、Rclk信号の90°シフト・バージョン1018と合成される。 並行して、ベクトル変調器1062では、共通信号1028と乗算された同相Rclk信号1022が、第2の信号1030と乗算された、Rclk信号の90°シフト・バージョン1024と合成される。 共通信号1028、第1の信号1026、および第2の信号1030は、それぞれ、式(12)に記述されるような、実部C、ならびに虚部αおよびβに対応する。

    それぞれのベクトル変調器1060および1062の出力信号1040および1042は、それぞれ、入力信号r(t)の実質的に一定の包絡線構成要素U(t)およびL(t)に対応する。

    上で説明されたように、信号1040および1042は、実質的に等しくかつ一定の振幅の包絡線を有することによって特徴付けられる。 したがって、信号1040および1042が、対応する電力増幅器(PA)1044および1046に入力される場合、対応する増幅された信号1048および1050は、実質的に一定の包絡線信号である。

    電力増幅器1044および1046は、実質的に等しい電力増幅を、それぞれ信号1040および1042に適用する。 一実施形態では、PA1044および1046の電力増幅レベルは、出力信号r(t)の所望する出力レベルに従って設定される。 さらに、増幅された信号1048および1050は、互いに対して同相である。 したがって、図10に示されるように、一緒に合算されるとき、結果の信号1052は、所望する出力信号r(t)に対応する。

    図10Aは、CPCP2ブランチVPA実施形態の別の例示的な実施形態1000Aである。 実施形態1000Aは、図10の実施形態1000の複数入力単一出力(MISO)実装を表す。

    実施形態1000Aでは、ベクトル変調器1060および1062から出力される一定包絡線信号1040および1042は、MISO PA1054に入力される。 MISO PA1054は、2入力単一出力増幅器である。 一実施形態では、MISO PA1054は、例えば、プレ・ドライバ、ドライバ、電力増幅器、およびプロセス検出器など(図10Aには図示されず)、様々な要素を含むことができる。 さらに、MISO PA1054は、図10Aに示されるような、2入力PAに限定されない。 図51A〜Hを参照して以下でさらに説明されるその他の実施形態では、PA1054は、任意の数の入力を有することができる。

    CPCP2ブランチVPA実施形態の動作が、図11のプロセス・フローチャート1100に示されている。

    プロセスは、所望する出力信号のベースバンド表現を受け取ることを含むステップ1110で開始する。 一実施形態では、これは、所望する出力信号の同相(I)および直交(Q)成分を受け取ることを含む。 別の実施形態では、これは、所望する出力信号の振幅および位相を受け取ることを含む。

    ステップ1120は、所望する出力信号の所望する出力信号周波数に従って設定されるクロック信号を受け取ることを含む。 図10の例では、ステップ1120は、クロック信号1010を受け取ることによって達成される。

    ステップ1130は、クロック信号を処理して、受け取られたI成分およびQ成分に従う位相シフト角度を有する正規化クロック信号を生成することを含む。 一実施形態では、正規化クロック信号は、I成分およびQ成分の比に従う位相シフト角度を有する一定包絡線信号である。 正規化信号の位相シフト角度は、元のクロック信号に対するものである。 図10の例では、ステップ1130は、クロック信号1010の同相および直交成分を、Iclk_phase信号1012およびQclk_phase信号1014で乗算し、その後、Rclk信号1016を生成するために乗算された信号を合算することによって達成される。

    ステップ1140は、I成分およびQ成分の処理を含み、第1および第2の実質的に一定の包絡線構成要素信号を生成するのに必要な振幅情報を生成する。

    ステップ1150は、ステップ1140の振幅情報および正規化クロック信号Rclkを処理して、所望する出力信号の第1および第2の一定包絡線構成要素信号を生成することを含む。 一実施形態では、ステップ1150は、所望する出力信号の第1および第2の一定包絡線構成要素を、正規化クロック信号の位相シフト角だけ位相シフトすることを含む。 図10の例では、ステップ1150は、Rclk信号1016を第1の信号1026、第2の信号1030、および共通信号1028で変調して、信号1040および1042を生成する、ベクトル変調器1060および1062によって達成される。

    ステップ1160は、第1および第2の一定包絡線構成要素を個別に増幅し、増幅された信号を合算し、所望する出力信号を生成することを含む。 一実施形態では、第1および第2の一定包絡線構成要素の増幅は、実質的に等しく、所望する出力信号の所望する電力レベルに基づいている。 図10の例では、ステップ1160は、信号1040および1042を増幅して、増幅された信号1048および1050を生成する、PA1044および1046によって達成される。

    図12は、プロセス・フローチャート1100を実装するベクトル電力増幅器1200の例示的な一実施形態を示すブロック図である。 オプションの構成要素は、破線を用いて示されているが、その他の実施形態では、より多いまたはより少ない構成要素を、オプションとすることができる。

    図12を参照すると、同相(I)および直交(Q)情報信号1210が、IおよびQのデータ伝達機能モジュール1216によって受け取られる。 一実施形態では、IおよびQのデータ伝達機能モジュール1216は、サンプル・クロック1212に従って信号1210をサンプリングする。 IおよびQの情報信号1210は、所望する出力信号r(t)のベースバンドIおよびQの情報を含む。

    一実施形態では、IおよびQのデータ伝達機能モジュール1216は、信号1210を処理して、情報信号1220、1222、1224、1226を生成する。 IおよびQのデータ伝達機能モジュール1216の動作は、以下のセクション3.4でさらに説明される。

    図12を参照すると、情報信号1220は、所望する出力信号r(t)のベースバンド・バージョンの第1および第2の一定包絡線構成要素の直交振幅情報を含む。 例えば、図9Aを参照すると、情報信号1220は、αおよびβ直交成分を含む。 図12を参照すると、情報信号1226は、信号r(t)のベースバンド・バージョンの第1および第2の一定包絡線構成要素の同相振幅情報を含む。 例えば、図9Aを参照すると、情報信号1226は、共通C同相成分を含む。

    図12を続けて参照すると、情報信号1222および1224は、それぞれ正規化された同相Iclk_phaseおよび直交Qclk_phase信号を含む。 Iclk_phaseおよびQclk_phaseは、信号1210に含まれるIおよびQの情報信号の正規化バージョンである。 一実施形態では、Iclk_phaseおよびQclk_phaseは、(I 2 clk_phase+Q 2 clk_phase=定数)となるように正規化される。 信号1250の位相は、所望する出力信号の位相に対応し、Iclk_phaseおよびQclk_phaseから生成されることに留意されたい。 図9Bを参照すると、Iclk_phaseおよびQclk_phaseは、以下のように、IおよびQに関係付けられ、

    ここで、θは、図9Bでフェーザー

    によって表される、所望する出力信号の位相を表す。 ベースバンドIおよびQの情報の符号情報は、4つの象限すべてについてθを算出するために考慮されなければならない。

    図12の例示的な実施形態では、情報信号1220、1222、1224、1226は、デジタル信号である。 したがって、情報信号1220、1222、1224、1226の各々は、対応するデジタル−アナログ変換器(DAC)1230、1232、1234、1236に供給される。 DAC1230、1232、1234、1236の分解能およびサンプル・レートは、特定の信号方式(specific signaling schemes)に従って選択される。 DAC1230、1232、1234、1236は、それぞれDACクロック信号1221、1223、1225、1227によって制御される。 DACクロック信号1221、1223、1225、1227は、同じクロック信号から取り出されることもでき、または独立であることもできる。

    他の実施形態では、情報信号1220、1222、1224、1226は、アナログ形式で生成され、DACは必要とされない。

    図12を参照すると、DAC1230、1232、1234、1236は、デジタル情報信号1220、1222、1224、1226を対応するアナログ信号に変換し、これらのアナログ信号をそれぞれオプションの補間フィルタ1231、1233、1235、1237に入力する。 アンチ・エイリアス・フィルタとしても働く補間フィルタ1231、1233、1235、1237は、所望する出力波形を生成するためにDAC出力信号を整形する。 補間フィルタ1231、1233、1235、1237は、それぞれ信号1240、1244、1246、1248を生成する。 信号1242は、信号1240の反転を表す。

    図12を続けて参照すると、Iclk_phaseおよびQclk_phase情報を含む信号1244および1246が、ベクトル変調器1238に入力される。 ベクトル変調器1238は、信号1244をチャネル・クロック信号1214で乗算する。 チャネル・クロック信号1214は、所望する出力信号周波数に従って選択される。 並行して、ベクトル変調器1238は、信号1246をチャネル・クロック信号1214の90°シフト・バージョンで乗算する。 言い換えると、ベクトル変調器1238は、Iclk_phaseの振幅を有する同相成分およびQclk_phaseの振幅を有する直交成分を生成する。

    ベクトル変調器1238は、2つの変調信号を合成して、Rclk信号1250を生成する。 Rclk信号1250は、所望する出力周波数、および信号1210に含まれるIおよびQのデータに従う位相シフト角、を有する実質的に一定の包絡線信号である。

    図12を続けて参照すると、信号1240、1242、1248は、それぞれ信号r(t)の複素包絡線のU、L、および共通C振幅成分を含む。 信号1240、1242、1248は、Rclk信号1250とともに、ベクトル変調器1260および1262に入力される。

    ベクトル変調器1260は、Rclk信号1250の90°シフト・バージョンと乗算された信号1240と、Rclk信号1250の0°シフト・バージョンと乗算された信号1248とを合算して、出力信号1264を生成する。 並行して、ベクトル変調器1262は、Rclk信号1250の90°シフト・バージョンと乗算された信号1242と、Rclk信号1250の0°シフト・バージョンと乗算された信号1248とを合算して、出力信号1266を生成する。

    出力信号1264および1266は、実質的に一定の包絡線信号を表す。 さらに、Rclk信号1250に対する出力信号1264および1266の位相シフトは、それぞれ比α/Cおよびβ/Cに関連付けられた角度関係によって決定される。 一実施形態では、α=−βであり、したがって、出力信号1264および1266は、Rclk信号1250に対して対称的に位相調整されている。 例えば、図9Bを参照すると、出力信号1264および1266は、それぞれ一定の大きさのフェーザー

    および

    に対応する。

    出力信号1264および1266の和が、ベースバンド信号r(t)のIおよびQの特性を有するチャネル・クロック変調信号(channel-clock-modulated signal)をもたらす。 しかし、ベクトル変調器1200の出力で所望する電力レベルを達成するため、信号1264および1266は、増幅されて、増幅された出力信号を生成する。 図12の実施形態では、信号1264および1266は、それぞれ電力増幅器(PA)1270および1272に入力され、増幅される。 一実施形態では、PA1270および1272は、スイッチング電力増幅器を含む。 オートバイアス回路1218は、以下のセクション3.5.2でさらに説明されるように、PA1270および1272のバイアスを制御する。 図12の実施形態では、例えば、オートバイアス回路1218は、PA1270および1272にバイアス電圧1228を提供する。

    一実施形態では、PA1270および1272は、それぞれの一定包絡線信号1264〜1266に、実質的に等しい電力増幅を適用する。 一実施形態では、電力増幅は、所望する出力電力レベルに従って設定される。 ベクトル電力変調器1200のその他の実施形態では、追加の電力増幅能力を増幅器に提供するために、PAドライバおよび/またはプレ・ドライバが追加的に利用される。 図12の実施形態では、例えば、PAドライバ1284および1286が、それぞれベクトル変調器1260および1262と後続のPA1270および1272の間に任意選択で追加される。

    PA1270および1272のそれぞれ出力信号1274および1276は、実質的に一定の包絡線信号である。 さらに、出力信号1274および1276が合算されるとき、結果として得られる信号は、最小の非線形歪みを有する。 図12の実施形態では、出力信号1274および1276は、ベクトル電力増幅器1200の出力信号1280を生成するために一緒に結合される。 一実施形態では、PA1270および1272の出力を結合する際にアイソレーションは使用されない。 したがって、結合によって受けるのは最小電力損失に過ぎない。 一実施形態では、PA1270および1272の出力は、導線を使用して直接的に一緒に結合される。 このような直接結合は、PA1270および1272の出力の間に、抵抗性、誘導性、もしくは容量性のアイソレーションがごくわずか存在するだけか、またはまったく存在しないことを意味する。 言い換えると、PA1270および1272の出力は、介在構成要素なしに一緒に結合される。 代替として、一実施形態では、PA1270および1272の出力は、低いもしくは最低インピーダンス接続をもたらすインダクタンスおよび/もしくはキャパシタンスを介して、ならびに/または最小アイソレーションおよび最低電力損失をもたらす接続を介して、間接的に一緒に結合される。 代替として、PA1270および1272の出力は、ウィルキンソン、ハイブリッド合成器、変圧器、または知られた能動合成器など、よく知られた合成技法を使用して結合される。 一実施形態では、PA1270および1272は、統合された増幅および電力合成を単一動作で提供する。 一実施形態では、本明細書で説明される1つまたは複数の電力増幅器および/またはドライバは、複数入力単一出力電力増幅技法を使用して実装され、その例が、図12A、図12Bおよび図51A〜Hに示されている。

    出力信号1280は、ベースバンド信号r(t)のIおよびQの特性、ならびに所望する出力電力レベルおよび周波数、を有する信号を表す。 ベクトル電力増幅器1200の実施形態では、プルアップ・インピーダンス1288が、ベクトル電力増幅器1200の出力と電源の間に結合される。 その他の実施形態では、インピーダンス整合ネットワーク1290が、ベクトル電力増幅器1200の出力において結合される。 本発明の電力増幅方法およびシステムによる出力ステージ実施形態は、以下のセクション3.5でさらに説明される。

    ベクトル電力増幅器1200のその他の実施形態では、増幅器の回路内のプロセス変動を補償するために、プロセス検出器が利用される。 図12の例示的な実施形態では、例えば、プロセス検出器1282が、PAドライバ1284および1286における変動を監視するために、任意選択で追加される。

    図12Aは、プロセス・フローチャート1100を実装するベクトル電力増幅器1200Aの別の例示的な実施形態を示すブロック図である。 オプションの構成要素は、破線を用いて示されているが、その他の実施形態では、より多いまたはより少ない構成要素を、オプションとすることができる。

    実施形態1200Aは、実施形態1200の複数入力単一出力(MISO)実装を示している。 実施形態1200Aでは、ベクトル変調器1260および1262から出力される一定包絡線信号1261および1263は、MISO PA1292に入力される。 MISO PA1292は、2入力単一出力電力増幅器である。 一実施形態では、MISO PA1292は、図12の実施形態に示されるような要素1270、1272、1282、1284、1286を含む。 別の実施形態では、MISO PA1292は、プレ・ドライバなど、図12の実施形態に示されていないその他の要素を含むことができる。 さらに、MISO PA1292は、図12Aに示されるような2入力PAには限定されない。 図51A〜Hを参照して以下でさらに説明されるその他の実施形態では、PA1292は、任意の数の入力および出力を有することができる。

    図12Aを続けて参照すると、実施形態1200Aは、オートバイアス信号をMISO PA1292に送るための一実装を示している。 図12Aの実施形態では、オートバイアス回路1218によって生成されるオートバイアス信号1288は、MISO PA1292の異なるステージにバイアスをかけるために、それから1つまたは複数の信号を引き出される。 図12Aの例に示されるように、3つのバイアス制御信号Bias A、Bias B、Bias Cが、オートバイアス信号1288から引き出され、その後、MISO PA1292の異なるステージに入力される。 例えば、Bias Cは、MISO PA1292のプレ・ドライバ・ステージへのバイアス信号とすることができる。 同様に、Bias BおよびBias Aは、MISO PA1292のドライバおよびPAステージへのバイアス信号とすることができる。

    図12Bの実施形態1200Bに示される別の実装では、オートバイアス回路1218は、それぞれBias A、Bias B、Bias Cに対応する別々のオートバイアス信号1295、1296、1295を生成する。 信号1295、1296、1297は、オートバイアス回路1218内で別々に生成されてもよく、または別々に生成されなくてもよいが、示されるように別々に出力される。 さらに、信号1295、1296、1297は、MISO PA1294の異なるステージのバイアシングによって決定されるように関係付けられてもよく、または関係付けられなくてもよい。

    ベクトル電力増幅器1200Aおよび1200Bのその他の態様は、ベクトル電力増幅器1200に関係して上で説明された態様に実質的に対応する。

    図13は、CPCP2ブランチVPA実施形態によるベクトル電力増幅器の別の例示的な実施形態1300を示すブロック図である。 オプションの構成要素は、破線を用いて示されているが、その他の実施形態では、より多いまたはより少ない構成要素を、オプションとすることができる。

    図13の例示的な実施形態では、十分な分解能およびサンプル・レートのDAC1320が、図12の実施形態のDAC1230、1232、1234、1236に取って代わる。 DAC1320は、DACクロック信号1324によって制御される。

    DAC1320は、IおよびQのデータ伝達機能モジュール1216から、情報信号1310を受け取る。 情報信号1310は、図12の実施形態の信号1220、1222、1224、1226と同一の情報内容を含む。

    DAC1320は、一度に単一のアナログ信号を出力することができる。 したがって、図13に示されるように、サンプル・アンド・ホールド構成が使用されることになる。

    DAC1320は、アナログ信号1332、1334、1336、1336を、第1の組のサンプル・アンド・ホールド回路1342、1344、1346、1348に順次出力する。 一実施形態では、DAC1320は、図12の実施形態のDAC1230、1232、1234、1236に取って代わるために、十分なレートでクロックされる。 出力セレクタ1322は、出力信号1332、1334、1336、1338のどれが出力として選択されるべきかを決定する。

    DAC1320のDACクロック信号1324、出力セレクタ信号1322、およびサンプル・アンド・ホールド・クロック1340A〜D、1350は、制御モジュールによって制御され、制御モジュールは、独立とすることができ、または伝達機能モジュール1216に統合することができる。

    一実施形態では、サンプル・アンド・ホールド回路(S/H)1342、1344、1346、1348は、受け取られたアナログ値をホールドし、クロック信号1340A〜Dに従って、その値を第2の組のサンプル・アンド・ホールド回路1352、1354、1356、1358にリリースする。 例えば、S/H1342は、受け取られたクロック信号1340Aに従って、その値をS/H1352にリリースする。 次に、サンプル・アンド・ホールド回路1352、1354、1356、1358は、受け取られたアナログ値をホールドし、共通クロック信号1350に従って、その値を補間フィルタ1231、1233、1235、1237に同時にリリースする。 共通クロック信号1350は、S/H1352、1354、1356、1358の出力が時間的に揃えられることを保証するために使用される。

    別の実施形態では、S/H1342、1344、1346、1348を含む単一の層のS/H回路が利用されることができる。 したがって、S/H回路1342、1344、1346、1348は、DAC1320からアナログ値を受け取り、各回路は、その受け取られた値を他から独立のクロックに従ってリリースする。 例えば、S/H1342は、S/H1344を制御するクロック1340Bと同期しなくてもよいクロック1340Aによって制御される。 S/H回路1342、1344、1346、1348の出力が時間的に揃えられることを保証するため、クロック1340A〜Dの間の遅延は、増幅器の前のステージにおいて事前補償される。 例えば、DAC1320は、クロック1340A〜Dの間の時間差を補償するために、適切に選択された遅延を有する信号1332、1334、1336、1338を、S/H回路1342、1344、1346、1348に出力する。

    ベクトル電力増幅器1300のその他の態様は、ベクトル電力増幅器1200に関係して上で説明された態様と実質的に等価である。

    図13Aは、CPCP2ブランチVPA実施形態によるベクトル電力増幅器の別の例示的な実施形態1300Aを示すブロック図である。 オプションの構成要素は、破線を用いて示されているが、その他の実施形態では、より多いまたはより少ない構成要素を、オプションとすることができる。 実施形態1300Aは、図13の実施形態1300のMISO実装である。

    図13Aの実施形態では、ベクトル変調器1260および1262から出力される一定包絡線信号1261および1263は、MISO PA1360に入力される。 MISO PA1360は、2入力単一出力電力増幅器である。 一実施形態では、MISO PA1360は、図13の実施形態に示されるような要素1270、1272、1282、1284、1286を含む。 別の実施形態では、MISO PA1360は、プレ・ドライバなど、図13の実施形態に示されていないその他の要素、またはそれらの機能的同等物を含むことができる。 さらに、MISO PA1360は、図13Aに示されるような2入力PAには限定されない。 図51A〜Hを参照して以下でさらに説明されるその他の実施形態では、PA1360は、任意の数の入力を有することができる。

    図13Aの実施形態はさらに、示されるように単一または2つのレベルのS/H回路を有する2つの異なるサンプル・アンド・ホールド構成を示している。 2つの実装は、図13に関係して上で説明された。

    実施形態1300Aは、オプションのバイアス制御回路1218および関連バイアス制御信号1325、1326、1327も示している。 信号1325、1326、1327は、ある種の実施形態においてMISO PA1360の個々の異なるステージにバイアスをかけるために使用されることができる。

    ベクトル電力増幅器1300Aのその他の態様は、ベクトル電力増幅器1200および1300に関係して上で説明された態様と等価である。

    3.3)直接カルテシアン2ブランチ・ベクトル電力増幅器 直接カルテシアン2ブランチ(Direct Cartesian 2-Branch)VPA実施形態が、今から説明される。 この名称は、本明細書では参照目的で使用され、機能的または構造的に限定するものではない。

    直接カルテシアン2ブランチVPA実施形態によれば、時間変化包絡線信号は、2つの一定包絡線構成要素信号に分解される。 構成要素信号は、個別に等しくまたは実質的に等しく増幅され、その後、元の時間変化包絡線信号の増幅バージョンを構成するために合算される。

    直接カルテシアン2ブランチVPA実施形態の一実施形態では、時間変化包絡線信号の振幅および位相角は、入力信号の同相および直交成分から算出される。 振幅および位相情報を使用して、時間変化包絡線信号の2つの一定包絡線構成要素用の同相および直交振幅成分が、算出される。 その後、2つの一定包絡線構成要素が生成され、等しくまたは実質的に等しく増幅され、元の時間変化包絡線信号R inの増幅バージョンを生成するために合算される。

    直接カルテシアン2ブランチVPAの概念が、図9Aおよび図14を参照して今から説明される。

    図9Aに関係して説明され確認されたように、フェーザー

    は、

    を生成するために適切に位相調整された、上側フェーザー

    および下側フェーザー

    の合算によって獲得されることができる。

    は、大きさR inに比例するように算出される。 さらに、

    および

    は、実質的に一定の大きさを有するように維持されることができる。 時間領域では、

    および

    は、2つの実質的に一定の包絡線信号を表す。 したがって、

    の時間領域同等物r'(t)は、任意の時刻において、2つの実質的に一定の包絡線信号の合算によって獲得されることができる。

    図9Aに示されたケースの場合、図9Aで角

    として示された、

    に対する

    および

    の位相シフトは、以下のように、

    の大きさに関係付けられ、

    ここで、Rは、フェーザー

    の正規化された大きさを表す。

    時間領域では、時間変化包絡線信号、例えば、r'(t)=R(t)cos(ωt)は、以下のように、2つの一定包絡線信号の和によって構成されることができ、
    r'(t)=U'(t)+L'(t);
    U'(t)=C×cos(ωt)+α×sin(ωt); (14)
    L'(t)=C×cos(ωt)−β×sin(ωt);
    ここで、Cはフェーザー

    および

    の同相振幅成分を示し、

    に等しいか、または実質的に等しい(Aは一定)。 αおよびβは、それぞれフェーザー

    および

    の直交振幅成分を示す。

    である。 式(14)は、基底関数を正弦関数から所望する関数に変更することによって、非正弦信号用に変更することができることに留意されたい。

    図14は、フェーザー

    ならびにその2つの一定の大きさの構成要素フェーザー

    および

    を示している。

    は、図9Aにおける

    に対してθ度だけシフトされている。 したがって、

    であることが確認されることができる。

    式(15)から、

    であることがさらに示されることができる。

    同様に、

    であることが示されることができる。

    式(16)および(17)は、

    と書き直されることができる。

    等価的に、時間領域では、
    U(t)=U x φ 1 (t)+U y φ 2 (t);
    L(t)=L x φ 1 (t)+L y φ 2 (t); (19)
    であり、ここで、φ 1 (t)およびφ 2 (t)は、適切に選択された直交基底関数を表す。

    式(18)および(19)から、時間変化包絡線信号r(t)の2つの一定包絡線構成要素を決定するには、α、β、C、ならびにsin(Θ)およびcos(Θ)の値を算出すれば十分であることが知られる。 さらに、α、β、およびCは、信号r(t)の振幅および位相情報から、等価的にIおよびQの成分から、完全に決定されることができる。

    図15は、直接カルテシアン2ブランチVPA実施形態の例示的な一実施形態1500を概念的に示すブロック図である。 所望する電力レベルおよび周波数特性の出力信号r(t)が、直接カルテシアン2ブランチVPA実施形態に従って同相および直交成分から生成される。

    図15の実施形態では、クロック信号1510は、出力信号r(t)を生成するための基準信号を表す。 クロック信号1510は、所望する出力信号r(t)の周波数と同じ周波数を有する。

    図15を参照すると、例示的な実施形態1500は、第1のブランチ1572および第2のブランチ1574を含む。 第1のブランチ1572は、ベクトル変調器1520および電力増幅器(PA)1550を含む。 同様に、第2のブランチ1574は、ベクトル変調器1530および電力増幅器(PA)1560を含む。

    図15を続けて参照すると、クロック信号1510が、ベクトル変調器1520および1530に並行して入力される。 ベクトル変調器1520では、U x信号1526と乗算されたクロック信号1510の同相バージョン1522が、U y信号1528と乗算されたクロック信号1510の90°シフト・バージョン1524と合算される。 並行して、ベクトル変調器1530では、L x信号1536と乗算されたクロック信号1510の同相バージョン1532が、L y信号1538と乗算されたクロック信号1510の90°シフト・バージョン1534と合算される。 U x信号1526およびU y信号1528は、それぞれ、式(19)で提供される、信号r(t)の一定包絡線構成要素分U(t)の同相および直交振幅成分に対応する。 同様に、L x信号1536およびL y信号1538は、それぞれ、式(19)で提供される、信号r(t)の一定包絡線構成要素L(t)の同相および直交振幅成分に対応する。

    したがって、ベクトル変調器1520および1530のそれぞれの出力信号1540および1542は、上の式(19)に記されたように、それぞれ信号r(t)の一定包絡線構成要素U(t)およびL(t)に対応する。 上で説明されたように、信号1540および1542は、等しくかつ一定のまたは実質的に等しくかつ一定の振幅の包絡線を有することによって特徴付けられる。

    図15を参照すると、所望する電力レベルの出力信号r(t)を生成するため、信号1540および1542が、対応する電力増幅器1550および1560に入力される。

    一実施形態では、電力増幅器1550および1560は、等しいまたは実質的に等しい電力増幅を、それぞれ信号1540および1542に適用する。 一実施形態では、PA1550および1560の電力増幅は、出力信号r(t)の所望する電力レベルに従って設定される。

    増幅出力信号1562および1564は、実質的に一定の包絡線信号である。 したがって、図15に示されるように、一緒に合算された場合、結果の信号1570は、所望する出力信号r(t)に対応する。

    図15Aは、直接カルテシアン2ブランチVPA実施形態の別の例示的な実施形態1500Aである。 実施形態1500Aは、図15の実施形態1500の複数入力単一出力(MISO)実装を表す。

    実施形態1500Aでは、ベクトル変調器1520および1530から出力される一定包絡線信号1540および1542は、MISO PA1580に入力される。 MISO PA1580は、2入力単一出力増幅器である。 一実施形態では、MISO PA1580は、例えば、プレ・ドライバ、ドライバ、電力増幅器、およびプロセス検出器など(図15Aには図示されず)、様々な要素を含むことができる。 さらに、MISO PA1580は、図15Aに示されるような、2入力PAに限定されない。 図51A〜Hを参照して以下でさらに説明されるその他の実施形態では、PA1580は、任意の数の入力を有することができる。

    直接カルテシアン2ブランチVPA実施形態の動作が、図16のプロセス・フローチャート1600に示されている。 プロセスは、所望する出力信号のベースバンド表現を受け取ることを含むステップ1610で開始する。 一実施形態では、ベースバンド表現は、IおよびQの成分を含む。 別の実施形態では、IおよびQの成分は、ベースバンドにダウン・コンバートされるRF成分である。

    ステップ1620は、所望する出力信号の所望する出力信号周波数に従って設定されるクロック信号を受け取ることを含む。 図15の例では、ステップ1620は、クロック信号1510を受け取ることによって達成される。

    ステップ1630は、所望する出力信号の第1および第2の一定包絡線構成要素信号の同相および直交振幅情報を生成するためにIおよびQの成分を処理することを含む。 図15の例では、同相および直交振幅情報は、U x 、U y 、L x 、およびL yによって示されている。

    ステップ1640は、所望する出力信号の第1および第2の一定包絡線構成要素信号を生成するために振幅情報およびクロック信号を処理することを含む。 一実施形態では、第1および第2の一定包絡線構成要素信号は、所望する出力信号周波数に従って変調される。 図15の例では、ステップ1640は、信号1540および1542を生成するために、ベクトル変調器1520、1530、クロック信号1510、および振幅情報信号1526、1528、1536、1538によって達成される。

    ステップ1650は、第1および第2の一定包絡線構成要素を増幅し、所望する出力信号を生成するために増幅された信号を合算することを含む。 一実施形態では、第1および第2の一定包絡線構成要素の増幅は、所望する出力信号の所望する電力レベルに基づいている。 図15の例では、ステップ1650は、それぞれの信号1540および1542を増幅するPA1550および1560によって、またそれに続いて、出力信号1574を生成するために増幅された信号1562および1564を合算することによって達成される。

    図17は、プロセス・フローチャート1600を実装するベクトル電力増幅器1700の例示的な一実施形態を示すブロック図である。 オプションの構成要素は、破線を用いて示されているが、その他の実施形態は、より多いまたはより少ないオプションの構成要素を有することができる。

    図17を参照すると、同相(I)および直交(Q)情報信号1710が、IおよびQのデータ伝達機能モジュール1716によって受け取られる。 一実施形態では、IおよびQのデータ伝達機能モジュール1716は、サンプル・クロック1212に従って信号1710をサンプリングする。 IおよびQの情報信号1710は、ベースバンドIおよびQの情報を含む。

    一実施形態では、IおよびQのデータ伝達機能モジュール1716は、信号1710を処理して、情報信号1720、1722、1724、1726を生成する。 IおよびQのデータ伝達機能モジュール1716の動作は、以下のセクション3.4でさらに説明される。

    図17を参照すると、情報信号1720は、信号1740を生成するためにDAC1730によって処理される、ベクトル変調器1750用の直交振幅情報を含む。 情報信号1722は、信号1742を生成するためにDAC1732によって処理される、ベクトル変調器1750用の同相振幅情報を含む。 信号1740および1742は、実質的に一定の包絡線信号1754を生成するために算出される。 例えば、図14を参照すると、情報信号1720および1722は、それぞれ上側直交および同相成分U yおよびU xを含む。

    図17を続けて参照すると、情報信号1726は、信号1746を生成するためにDAC1736によって処理される、ベクトル変調器1752用の直交振幅情報を含む。 情報信号1724は、信号1744を生成するためにDAC1734によって処理される、ベクトル変調器1752用の同相振幅情報を含む。 信号1744および1746は、実質的に一定の包絡線信号1756を生成するために算出される。 例えば、図14を参照すると、情報信号1724および1726は、それぞれ下側同相および直交成分L xおよびL yを含む。

    図17の例示的な実施形態では、情報信号1720、1722、1724、1726は、デジタル信号である。 したがって、情報信号1720、1722、1724、1726の各々は、対応するデジタル−アナログ変換器(DAC)1730、1732、1734、1736に供給される。 DAC1730、1732、1734、1736の分解能およびサンプル・レートは、特定の所望する信号方式(signaling schemes)に従って選択される。 DAC1730、1732、1734、1736は、それぞれDACクロック信号1721、1723、1725、1727によって制御される。 DACクロック信号1721、1723、1725、1727は、同じクロック信号から取り出されることもでき、または互いに独立であることもできる。

    他の実施形態では、情報信号1720、1722、1724、1726は、アナログ形式で生成され、DACは必要とされない。

    図17を参照すると、DAC1730、1732、1734、1736は、デジタル情報信号1720、1722、1724、1726を対応するアナログ信号に変換し、これらのアナログ信号をそれぞれオプションの補間フィルタ1731、1733、1735、1737に入力する。 アンチ・エイリアス・フィルタとしても働く補間フィルタ1731、1733、1735、1737は、所望する出力波形を生成するためにDAC出力信号を整形する。 補間フィルタ1731、1733、1735、1737は、それぞれ信号1740、1742、1744、1746を生成する。

    図17を続けて参照すると、信号1740、1742、1744、1746は、ベクトル変調器1750および1752に入力される。 ベクトル変調器1750および1752は、第1および第2の一定包絡線構成要素を生成する。 図17の実施形態では、チャネル・クロック1714は、所望する出力信号周波数に従って設定され、それによって、出力信号1770の周波数を確立する。

    図17を参照すると、ベクトル変調器1750は、チャネル・クロック1714の90°シフト・バージョンで乗算された信号1740と、チャネル・クロック1714の0°シフト・バージョンで乗算された信号1742とを合算して、出力信号1754を生成する。 並行して、ベクトル変調器1752は、チャネル・クロック1714の90°シフト・バージョンで乗算された信号1746と、チャネル・クロック1714の0°シフト・バージョンで乗算された信号1744とを合算して、出力信号1756を生成する。

    出力信号1754および1756は、実質的に一定の包絡線信号を表す。 出力信号1754および1756の和は、元のベースバンド信号のIおよびQの特性を有する搬送波信号をもたらす。 実施形態では、ベクトル電力増幅器1700の出力において所望する電力レベルを生成するため、信号1754および1756が増幅され、その後、合算される。 図17の実施形態では、例えば、信号1754および1756は、それぞれ対応する電力増幅器(PA)1760および1762に入力される。 一実施形態では、PA1760および1762は、スイッチング電力増幅器を含む。 オートバイアス回路1768は、PA1760および1762のバイアスを制御する。 図17の実施形態では、例えば、オートバイアス回路1718は、PA1760および1762にバイアス電圧1728を提供する。

    一実施形態では、PA1760および1762は、それぞれの一定包絡線信号1754および1756に、等しいまたは実質的に等しい電力増幅を適用する。 一実施形態では、電力増幅は、所望する出力電力レベルに従って設定される。 ベクトル電力増幅器1700のその他の実施形態では、追加の電力増幅能力を増幅器に提供するために、PAドライバが追加的に利用される。 図17の実施形態では、例えば、PAドライバ1774および1776が、それぞれベクトル変調器1750および1752と後続のPA1760および1762の間に任意選択で追加される。

    PA1760および1762のそれぞれ出力信号1764および1766は、実質的に一定の包絡線信号である。 図17の実施形態では、出力信号1764および1766は、ベクトル電力増幅器1700の出力信号1770を生成するために一緒に結合される。 実施形態では、PA1760および1762の出力が直接的に結合されることに留意されたい。 このような直接結合は、PA1760および1762の出力の間に、抵抗性、誘導性、もしくは容量性の、ごくわずかのアイソレーションが存在するだけか、または存在しないことを意味する。 言い換えると、PA1760および1762の出力は、介在構成要素なしに一緒に結合される。 代替として、一実施形態では、PA1760および1762の出力は、低いもしくは最低インピーダンス接続をもたらすインダクタンスおよび/もしくはキャパシタンスを介して、ならびに/または最小アイソレーションおよび最低電力損失をもたらす接続を介して、間接的に一緒に結合される。 代替として、PA1760および1762の出力は、ウィルキンソン、ハイブリッド結合器、変圧器、または知られた能動合成器など、よく知られた合成技法を使用して結合される。 一実施形態では、PA1760および1762は、統合された増幅および電力合成を単一動作で提供する。 一実施形態では、本明細書で説明される1つまたは複数の電力増幅器および/またはドライバは、複数入力単一出力電力増幅技法(MISO)を使用して実装され、その例が、図17A、図17Bおよび図51A〜Hに示されている。

    出力信号1770は、ベースバンド信号の所望するIおよびQの特性、ならびに所望する出力電力レベルおよび周波数を有する信号を表す。 ベクトル電力増幅器1700の実施形態では、プルアップ・インピーダンス1788が、ベクトル電力増幅器1700の出力と電源の間に結合される。 その他の実施形態では、インピーダンス整合ネットワーク1780が、ベクトル電力増幅器1700の出力において結合される。 本発明の電力増幅方法およびシステムによる出力ステージ実施形態は、以下のセクション3.5でさらに説明される。

    ベクトル電力増幅器1700のその他の実施形態では、増幅器の回路内のプロセスおよび/または温度変動を補償するために、プロセス検出器が利用される。 図17の例示的な実施形態では、例えば、プロセス検出器1772が、PAドライバ1774および1776における変動を監視するために、任意選択で追加される。

    図17Aは、プロセス・フローチャート1600を実装するベクトル電力増幅器の別の例示的な実施形態1700Aを示すブロック図である。 オプションの構成要素は、破線を用いて示されているが、その他の実施形態は、より多いまたはより少ないオプションの構成要素を有することができる。 実施形態1700Aは、図17の増幅器の複数入力単一出力(MISO)実装を示している。 図17Aの実施形態では、ベクトル変調器1750および1760から出力される一定包絡線信号1754および1756は、MISO PA1790に入力される。 MISO PA1790は、2入力単一出力電力増幅器である。 一実施形態では、MISO PA1790は、図17の実施形態に示されるような要素1760、1762、1772、1774、1776、またはそれらの機能的同等物を含む。 別の実施形態では、MISO PA1790は、プレ・ドライバなど、図17の実施形態に示されていないその他の要素を含むことができる。 さらに、MISO PA1790は、図17Aに示されるような2入力PAには限定されない。 図51A〜Hを参照して以下でさらに説明されるその他の実施形態では、PA1790は、任意の数の入力を有することができる。

    図17Bの実施形態1700Bとして示される、実施形態1700の別の実施形態では、オプションのオートバイアス回路1218が、それぞれBias A、Bias B、Bias Cに対応する別々のバイアス制御信号1715、1717、1719を生成する。 信号1715、1717、1719は、オートバイアス回路1718内で別々に生成されてもよく、または別々に生成されなくてもよいが、示されるように別々に出力される。 さらに、信号1715、1717、1719は、MISO PA1790の個々のステージのために必要とされるバイアシングによって決定されるように関係付けられてもよく、または関係付けられなくてもよい。

    図18は、図16の直接カルテシアン2ブランチVPA実施形態によるベクトル電力増幅器の別の例示的な実施形態1800を示すブロック図である。 オプションの構成要素は、破線を用いて示されているが、その他の実施形態は、より多いまたはより少ないオプションの構成要素を有することができる。

    図18の例示的な実施形態では、十分な分解能およびサンプル・レートのDAC1820が、図17の実施形態のDAC1730、1732、1734、1736に取って代わる。 DAC1820は、DACクロック信号1814によって制御される。

    DAC1820は、IおよびQのデータ伝達機能モジュール1716から、情報信号1810を受け取る。 情報信号1810は、図17の実施形態の信号1720、1722、1724、1726と同一の情報内容を含む。

    DAC1820は、一度に単一のアナログ信号を出力することができる。 したがって、図18に示されるように、サンプル・アンド・ホールド構成が使用されることになる。

    図18の実施形態では、DAC1820は、アナログ信号1822、1824、1826、1828を、それぞれサンプル・アンド・ホールド回路1832、1834、1836、1838に順次出力する。 一実施形態では、DAC1820は、図17の実施形態のDAC1720、1722、1724、1726に取って代わるために、十分な分解能およびサンプル・レートを有する。 出力セレクタ1812は、出力信号1822、1824、1826、1828のどれが出力として選択されるべきかを決定する。

    DAC1820のDACクロック信号1814、出力セレクタ信号1812、およびサンプル・アンド・ホールド・クロック1830A〜D、および1840は、独立とすることができ得る、または伝達機能モジュール1216に統合され得る、制御モジュールによって制御される。

    一実施形態では、サンプル・アンド・ホールド回路(S/H)1832、1834、1836、1838は、それぞれ値をサンプリングおよびホールドし、クロック信号1830A〜Dに従って、その値を第2の組のサンプル・アンド・ホールド回路1842、1844、1846、1848にリリースする。 例えば、S/H1832は、受け取られたクロック信号1840Aに従って、その値をS/H1842にリリースする。 次に、サンプル・アンド・ホールド回路1842、1844、1846、1848は、受け取られたアナログ値をホールドし、共通クロック信号1840に従って、その値を補間フィルタ1852、1854、1856、1858に同時にリリースする。

    別の実施形態では、S/H1832、1834、1836、1838を含む単一の組のS/H回路が利用されることができる。 したがって、S/H回路1832、1834、1836、1838は、DAC1820からアナログ値を受け取り、各回路は、その受け取られた値を独立のクロック1830A〜Dに従ってサンプリングおよびホールドする。 例えば、S/H1832は、S/H1834を制御するクロック1830Bと同期しなくてもよいクロック1830Aによって制御される。 例えば、DAC1820は、クロック1830A〜Dの間の時間差を補償するために、伝達機能モジュール1716によって算出された適切に選択されたアナログ値を有する信号1822、1824、1826、1828を、S/H回路1832、1834、1836、1838に出力する。

    ベクトル電力増幅器1800のその他の態様は、ベクトル電力増幅器1700に関係して上で説明された態様に実質的に対応する。

    図18Aは、直接カルテシアン2ブランチVPA実施形態によるベクトル電力増幅器の別の例示的な実施形態1800Aを示すブロック図である。 オプションの構成要素は、破線を用いて示されているが、その他の実施形態では、より多いまたはより少ない構成要素を、オプションとすることができる。 実施形態1800Aは、図18の実施形態1800の複数入力単一出力(MISO)実装である。

    図18Aの実施形態では、ベクトル変調器1750および1752から出力される一定包絡線信号1754および1756は、MISO PA1860に入力される。 MISO PA1860は、2入力単一出力電力増幅器である。 一実施形態では、MISO PA1860は、図18の実施形態に示されるような要素1744、1746、1760、1762、1772、またはそれらの機能的同等物を含む。 別の実施形態では、MISO PA1860は、プレ・ドライバなど、図17の実施形態に示されていないその他の要素を含むことができる。 さらに、MISO PA1860は、図18Aに示されるような2入力PAには限定されない。 図51A〜Hを参照して以下でさらに説明されるその他の実施形態では、PA1860は、任意の数の入力を有することができる。

    図18Aの実施形態はさらに、示されるように単一または2つのレベルのS/H回路を有する2つの異なるサンプル・アンド・ホールド構成を示している。 2つの実装は、図18に関係して上で説明された。

    ベクトル電力増幅器1800Aのその他の態様は、ベクトル電力増幅器1700および1800に関係して上で説明された態様と実質的に等価である。

    3.4)ベクトル変調器へのIおよびQのデータの伝達機能 上で説明された実施形態のいくつかにおいて、受け取られたIおよびQのデータを、ベクトル変調および増幅の後続ステージのための振幅情報入力に変換する、IおよびQのデータ伝達機能が提供された。 例えば、図17の実施形態では、IおよびQのデータ伝達機能モジュール1716は、IおよびQの情報信号1710を処理して、信号r(t)の第1および第2の一定包絡線構成要素1754および1756の同相および直交振幅情報信号1720、1722、1724、1726を生成する。 その後、ベクトル変調器1750および1752は、生成された振幅情報信号1720、1722、1724、1726を利用して、第1および第2の一定包絡線構成要素信号1754および1756を生成する。 その他の例は、図7、図8、図12、および図13のモジュール710、712、1216を含む。 これらのモジュールは、Iおよび/またはQデータを、ベクトル変調および増幅という後続ステージのための振幅情報入力に変換するために、伝達機能を実装する。

    本発明によれば、IおよびQのデータ伝達機能モジュールは、デジタル回路、アナログ回路、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組合せを使用して、実装されることができる。

    複数の要因が、本発明による伝達機能の実際の実装に影響を与え、実施形態によって異なる。 一態様では、選択されたVPA実施形態が、伝達機能および関連モジュールの振幅情報出力を支配する。 例えば、CPCP2ブランチVPA実施形態1200のIおよびQのデータ伝達機能モジュール1216が、出力に関して、直接カルテシアン2ブランチVPA実施形態1700のIおよびQのデータ伝達機能モジュール1716と異なるのは明らかである。

    別の態様では、伝達機能の複雑さは、VPA実装によってサポートされる必要がある所望する変調方式によって様々である。 例えば、サンプル・クロック、DACサンプル・レート、およびDAC分解能は、所望する出力波形を構成するために、適切な伝達機能に従って選択される。

    本発明に基づいて、伝達機能の実施形態は、サポートされる実施形態の間で望むように切り換えを行う能力を有して、1つまたは複数のVPA実施形態をサポートするように、設計されることができる。 さらに、伝達機能の実施形態および関連モジュールは、複数の変調方式に対応できるように設計されることができる。 例えば、本発明の実施形態は、BPSK、QPSK、OQPSK、DPSK、CDMA、WCDMA、W−CDMA、GSM、EDGE、MPSK、MQAM、MSK、CPSK、PM、FM、OFDM、およびマルチトーン信号を含むが、これらに限定されない、複数の変調方式を(個別にまたは組み合わせて)サポートするように設計することができることは、当業者であれば理解されよう。 一実施形態では、変調方式は、伝達機能モジュールを介して構成可能かつ/またはプログラム可能とすることができる。

    3.4.1)カルテシアン4ブランチVPA伝達機能 図19は、カルテシアン4ブランチVPA実施形態によるIおよびQの伝達機能実施形態例を示すプロセス・フローチャート1900である。 プロセスは、同相データ成分および直交データ成分を受け取ることを含む、ステップ1910で開始する。 例えば、図7Aのカルテシアン4ブランチVPA実施形態では、これは、I情報信号702を受け取るIデータ伝達機能モジュール710、およびQ情報信号704を受け取るQデータ伝達機能モジュール712によって示されている。 図7Aの実施形態では、Iデータ伝達機能モジュール710およびQデータ伝達機能モジュール712が別々の構成要素として示されていることに留意されたい。 しかし、実装によって、IおよびQデータ伝達機能モジュール710および712は、別々でもよく、または単一モジュールに組み合わされてもよい。

    ステップ1920は、I成分の第1および第2の実質的に等しくかつ一定の包絡線構成要素の間の位相シフト角を算出することを含む。 並行して、ステップ1920は、Q成分の第1および第2の実質的に等しくかつ一定の包絡線構成要素の間の位相シフト角を算出することを含む。 上で説明されたように、I成分の第1および第2の一定包絡線構成要素は、I成分に対して適切に位相調整される。 同様に、Q成分の第1および第2の一定包絡線構成要素は、Q成分に対して適切に位相調整される。 例えば、図7Aの実施形態では、ステップ1920は、IおよびQデータ伝達機能モジュール710および712によって実行される。

    ステップ1930は、I成分の第1および第2の一定包絡線構成要素に関連付けられた同相および直交振幅情報を算出することを含む。 並行して、ステップ1930は、Q成分の第1および第2の一定包絡線構成要素に関連付けられた同相および直交振幅情報を算出することを含む。 例えば、図7Aの実施形態では、ステップ1930は、IおよびQデータ伝達機能モジュール710および712によって実行される。

    ステップ1940は、算出された振幅情報を後続するベクトル変調ステージに出力することを含む。 例えば、図7Aの実施形態では、IおよびQデータ伝達機能モジュール710および712が、振幅情報信号722、724、726、728を、DAC730、732、734、736を介して、ベクトル変調器760、762、764、766に出力する。

    図20は、図7Aの伝達機能モジュール710および712など、プロセス・フローチャート1900を実装する伝達機能モジュールの例示的な一実施形態2000を示すブロック図である。 図20の例では、伝達機能モジュール2000は、IおよびQデータ信号2010および2012を受け取る。 一実施形態では、IおよびQデータ信号2010および2012は、図7Aの信号702および704など、ベースバンド信号のIおよびQデータ成分を表す。

    図20を参照すると、一実施形態では、伝達機能モジュール2000は、サンプリング・クロック2014に従ってIおよびQデータ信号2010および2012をサンプリングする。 サンプリングされたIおよびQデータ信号は、それぞれ、伝達機能モジュール2000の構成要素2020および2022によって受け取られる。 構成要素2020および2022は、サンプリングされたIおよびQデータ信号の大きさを測定する。 一実施形態では、構成要素2020および2022は、大きさ検出器である。

    構成要素2020および2022は、測定されたIおよびQ大きさ情報を、それぞれ伝達機能モジュール2000の構成要素2030および2032に出力する。 一実施形態では、測定されたIおよびQ大きさ情報は、デジタル信号の形式をとる。 I大きさ情報に基づいて、構成要素2030は、サンプリングされたI信号の第1および第2の、等しくかつ一定の、または実質的に等しくかつ一定の包絡線構成要素の間の位相シフト角φ Iを算出する。 同様に、Q大きさ情報に基づいて、構成要素2032は、サンプリングされたQ信号の第1および第2の、等しくかつ一定の、または実質的に等しくかつ一定の包絡線構成要素の間の位相シフト角φ Qを算出する。 この演算が今からさらに説明される。

    図20の実施形態では、φ Iおよびφ Qは、IおよびQ大きさ信号の関数

    および

    として示されている。 実施形態では、関数

    および

    は、それぞれベースバンドIおよびQ信号の相対的な大きさに従って設定される。 本発明の実施形態による

    および

    は、以下のセクション3.4.4でさらに説明される。

    図20を参照すると、構成要素2030および2032は、算出された位相シフト情報を、それぞれ構成要素2040および2042に出力する。 位相シフト角φ Iに基づいて、構成要素2040は、サンプリングされたI信号の第1および第2の一定包絡線構成要素の同相および直交振幅情報を算出する。 同様に、位相シフト角φ Qに基づいて、構成要素2042は、サンプリングされたQ信号の第1および第2の一定包絡線構成要素の同相および直交振幅情報を算出する。 対称性のため、本発明に実施形態では、算出は4つの値についてのみ必要とされる。 図20の例では、値は、図5で提供されたように、sgn(I)×I UX 、I UY 、Q UX 、およびsgn(Q)×Q UYとして示されている。

    構成要素2040および2042は、算出された振幅情報を、ベクトル電力増幅器の後続ステージに出力する。 実施形態では、4つの算出された値の各々は、別々にデジタル−アナログ変換器に出力される。 例えば、図7Aの実施形態に示されるように、信号722、724、726、728は、それぞれ別々にDAC730、732、734、736に出力される。 その他の実施形態では、信号722、724、726、728は、図800Aおよび図800Bに示されるような単一のDACに出力される。

    3.4.2)CPCP2ブランチVPA伝達機能 図21は、CPCP2ブランチVPA実施形態によるIおよびQ伝達機能の実施形態例を示すプロセス・フローチャート2100である。 プロセスは、ベースバンド信号の同相(I)および直交(Q)データ成分を受け取ることを含む、ステップ2110で開始する。 例えば、図12のCPCP2ブランチVPA実施形態では、これは、IおよびQ情報信号1210を受け取るIおよびQデータ伝達機能モジュール1216によって示されている。

    ステップ2120は、受け取られたIおよびQデータ成分の大きさ|I|および|Q|を決定することを含む。

    ステップ2130は、測定された大きさ|I|および|Q|に基づいて、ベースバンド信号の大きさ|R|を算出することを含む。 一実施形態では、|R|は、|R| 2 =|I| 2 +|Q| 2のようになる。 例えば、図12の実施形態では、ステップ2120およびステップ2130は、受け取られた情報信号1210に基づいて、IおよびQデータ伝達機能モジュール1216によって実行される。

    ステップ2140は、測定された大きさ|I|および|Q|を正規化することを含む。 一実施形態では、|I|および|Q|は、|I clk_phase2 +|Q clk_phase2 =定数となるように、(図10に示される)Iclk_phaseおよびQclk_phaseを生成するために、正規化される。 例えば、図12の実施形態では、ステップ2140は、受け取られた情報信号1210に基づいて、IおよびQデータ伝達機能モジュール1216によって実行される。

    ステップ2150は、第1および第2の一定包絡線構成要素に関連する同相および直交振幅情報を算出することを含む。 例えば、図12の実施形態では、ステップ2150は、包絡線の大きさ|R|に基づいて、IおよびQデータ伝達機能モジュール1216によって実行される。

    ステップ2160は、(ステップ2140から)生成されたIclk_phaseおよびQclk_phase、ならびに(ステップ2150から)算出された振幅情報を、適切なベクトル変調器に出力することを含む。 例えば、図12の実施形態では、IおよびQデータ伝達機能モジュール1216が、情報信号1220、1222、1224、1226を、DAC1230、1232、1234、1236を介して、ベクトル変調器1238、1260、1262に出力する。

    図22は、プロセス・フローチャート2100を実装する(図12のモジュール1216などの)伝達機能モジュールの例示的な一実施形態2200を示すブロック図である。 図22の例では、伝達機能モジュール2200は、IおよびQデータ信号2210を受け取る。 一実施形態では、IおよびQデータ信号2210は、例えば、図12の実施形態の信号1210など、ベースバンド信号のIおよびQデータ成分を含む。

    一実施形態では、伝達機能モジュール2200は、サンプリング・クロック2212に従ってIおよびQデータ信号2210をサンプリングする。 サンプリングされたIおよびQデータ信号は、伝達機能モジュール2200の構成要素2220によって受け取られる。 構成要素2220は、サンプリングされたIおよびQデータ信号の大きさ

    および

    を測定する。

    測定された大きさ

    および

    に基づいて、構成要素2230は、ベースバンド信号の大きさ|R|を算出する。 一実施形態では、

    は、

    のようになる。

    並行して、構成要素2240は、測定された大きさ

    および

    を正規化する。 一実施形態では、

    および

    は、正規化されて、|Iclk_phase| 2 +|Qclk_phase| 2 =定数となるように、Iclk_phaseおよびQclk_phase信号を生成し、ここで、|Iclk_phase|および|Qclk_phase|は、

    および

    の正規化された大きさを表す。 一般に、定数が値Aをもつとすると、測定された大きさ

    および

    はともに、数量

    によって除算される。

    構成要素2250は、構成要素2230から算出された大きさ

    を受け取り、それに基づいて、第1および第2の一定包絡線構成要素の間の位相シフト角φを算出する。 その後、算出された位相シフト角φを使用して、構成要素2050は、第1および第2の一定包絡線構成要素に関連する同相および直交振幅情報を算出する。

    図22の実施形態では、位相シフト角φは、算出された大きさ

    の関数

    として示されている。

    図22を参照すると、構成要素2240および2250は、正規化された大きさ情報|Iclk_phase|および|Qclk_phase|、ならびに算出された振幅情報を、適切なベクトル変調器への入力用にDACに出力する。 実施形態では、出力値は、デジタル−アナログ変換器に別々に出力される。 例えば、図12の実施形態に示されるように、信号1220、1222、1224、1226は、それぞれDAC1230、1232、1234、1236に別々に出力される。 その他の実施形態では、信号1220、1222、1224、1226は、図13および図13Aに示されるように、単一のDACに出力される。

    3.4.3)直接カルテシアン2ブランチ伝達機能 図23は、直接カルテシアン2ブランチVPA実施形態によるIおよびQ伝達機能の実施形態例を示すプロセス・フローチャート2300である。 プロセスは、ベースバンド信号の同相(I)および直交(Q)データ成分を受け取ることを含む、ステップ2310で開始する。 例えば、図17の直接カルテシアン2ブランチVPA実施形態では、これは、IおよびQ情報信号1710を受け取るIおよびQデータ伝達機能モジュール1716によって示されている。

    ステップ2320は、受け取られたIおよびQデータ成分の大きさ|I|および|Q|を測定することを含む。

    ステップ2330は、測定された大きさ|I|および|Q|に基づいて、ベースバンド信号の大きさ|R|を算出することを含む。 一実施形態では、|R|は、|R| 2 =|I| 2 +|Q| 2のようになる。 例えば、図17の実施形態では、ステップ2320およびステップ2330は、受け取られた情報信号1710に基づいて、IおよびQデータ伝達機能モジュール1716によって実行される。

    ステップ2340は、測定された大きさ|I|および|Q|に基づいて、ベースバンド信号の位相シフト角θを算出することを含む。 一実施形態では、θは、

    のようになり、IおよびQの符号が、θの象限(quadrant)を決定する。 例えば、図17の実施形態では、ステップ2340は、情報信号1210において受け取られたIおよびQデータ成分に基づいて、IおよびQデータ伝達機能モジュール1216によって実行される。

    ステップ2350は、ベースバンド信号の第1および第2の一定包絡線構成要素に関連する同相および直交振幅情報を算出することを含む。 例えば、図17の実施形態では、ステップ2350は、先に算出された大きさ|R|および位相シフト角θに基づいて、IおよびQデータ伝達機能モジュール1716によって実行される。

    ステップ2360は、算出された振幅情報を、適切なベクトル変調器への入力用にDACに出力することを含む。 例えば、図17の実施形態では、IおよびQデータ伝達機能モジュール1716が、情報信号1720、1722、1724、1726を、DAC1730、1732、1734、1736を介して、ベクトル変調器1750、1752に出力する。 その他の実施形態では、信号1720、1722、1724、1726は、図18および図18Aに示されるように、単一のDACに出力される。

    図24は、プロセス・フローチャート2300を実装する伝達機能モジュールの例示的な一実施形態2400を示すブロック図である。 図24の例では、(伝達機能モジュール1716などの)伝達機能モジュール2400は、図17の信号1710などのIおよびQデータ信号2410を受け取る。 一実施形態では、IおよびQデータ信号2410は、ベースバンド信号のIおよびQデータ成分を含む。

    一実施形態では、伝達機能モジュール2400は、サンプリング・クロック2412に従ってIおよびQデータ信号2410をサンプリングする。 サンプリングされたIおよびQデータ信号は、伝達機能モジュール2200の構成要素2420によって受け取られる。 構成要素2420は、サンプリングされたIおよびQデータ信号の大きさ

    および

    を測定する。

    測定された大きさ

    および

    に基づいて、構成要素2430は、大きさ

    を算出する。 一実施形態では、

    は、

    のようになる。

    並行して、構成要素2240は、ベースバンド信号の位相シフト角θを算出する。 一実施形態では、θは、

    のようになり、IおよびQの符号が、θの象限を決定する。

    構成要素2450は、構成要素2430から算出された大きさ

    を受け取り、それに基づいて、第1および第2の一定包絡線成分信号の間の位相シフト角φを算出する。 図24の実施形態では、位相シフト角φは、算出された大きさ

    の関数

    として示されている。 これは、セクション3.4.4でさらに説明される。

    並行して、構成要素2450は、構成要素2440から計算された位相シフト角θを受け取る。 φおよびθの関数として、構成要素2450は、第1および第2の一定包絡線構成要素を生成するベクトル変調器入力用に同相および直交振幅情報を算出する。 一実施形態では、ベクトル変調器に供給される同相および直交振幅情報は、(18)で提供される式に従う。

    構成要素2450は、算出された振幅情報を、ベクトル電力増幅器の後続ステージに出力する。 実施形態では、出力値は、デジタル−アナログ変換器に別々に出力される。 例えば、図17の実施形態に示されるように、信号1720、1722、1724、1726は、それぞれDAC1730、1732、1734、1736に別々に出力される。 その他の実施形態では、信号1720、1722、1724、1726は、図18および図18Aに示されるように、単一のDACに出力される。

    3.4.4)振幅から位相シフトへの変換 図20のf(|I|)、f(|Q|)、ならびに図22および図24のf(|R|)の実施形態が、今からさらに説明される。

    本発明によれば、フーリエ級数およびフーリエ変換によって表され得る任意の周期的波形は、2以上の一定包絡線信号に分解されることができる。

    以下では、正弦波形および方形波形についての2つの例が提供される。

    3.4.4.1)正弦波信号に関する振幅から位相シフトへの変換 時間変化複素包絡線の正弦波信号r(t)について考察する。 時間領域では、この信号は、R(t)が、時刻tにおける信号の包絡線振幅を表し、δ(t)が、時刻tにおける信号の位相シフト角を表し、ωが、秒当たりのラジアンを単位とする信号の周波数を表すとすると、
    r(t)=R(t)sin(ωt+δ(t)) (20)
    と表現されることができる。

    任意の時刻tにおいて、信号r(t)を、2つの適切に位相調整された等しくかつ一定の、または実質的に等しくかつ一定の包絡線信号の和によって獲得することができることが、証明されることができる。 言い換えると、2つの一定包絡線信号の間の適切に選択された位相シフト角をφ(t)とすると、
    R(t)sin((ωt+δ(t))=Asin(ωt)+Asin(ωt+φ(t)) (21)
    と示されることができる。 位相シフト角φ(t)は、以下の説明ではR(t)の関数として導き出される。 これは、正弦信号に関する振幅から位相シフトへの変換に等価である。

    正弦三角恒等式(sine trigonometric identity)を使用すると、式(21)は、
    R(t)sin((ωt+δ(t))=Asin(ωt)+Asin(ωt)cosφ(t)+Asin(φ(t))cos ωt;
    ⇒R(t)sin((ωt+δ(t))=Asin(φ(t))cos ωt+A(1+cosφ(t))sin ωt (22)
    と書き直されることができる。

    式(22)から、信号r(t)は同相成分および直交成分の和として書き直されることに留意されたい。 したがって、包絡線振幅R(t)は、

    と書き表されることができる。

    式(23)は、信号r(t)の包絡線振幅R(t)を、信号r(t)の2つの一定包絡線構成要素の間の位相シフト角φ(t)に関係付ける。 一定包絡線構成要素は、一般に1に正規化される、等しいまたは実質的に等しい包絡線振幅を有する。

    反対に、式(23)から、位相シフト角φ(t)は、以下のようにR(t)の関数として書き表されることができる。

    式(24)は、正弦波信号の場合についての、振幅から位相シフトへの変換を表し、図26に示されている。

    3.4.4.2)方形波信号に関する振幅から位相シフトへの変換 図28は、本発明の実施形態による2つの一定包絡線方形波信号の合成を示している。 図28では、信号2810および2820は、周期T、デューティ・サイクルγT(0<γ<l)をもち、それぞれ包絡線振幅A1およびA2をもつ、一定包絡線信号である。

    信号2830は、信号2810および2820を合成することから生じる。 本発明の実施形態によれば、信号2830は、信号2810および2820の積に等しいまたは実質的に等しい振幅を有する。 言い換えると、信号2830は、信号2810または2820の一方がゼロの振幅を有する場合は常にゼロの振幅を有し、信号2810および2820の両方が非ゼロの振幅を有する場合に非ゼロの振幅を有する。

    さらに、信号2830は、パルス幅変調信号を表す。 言い換えると、信号2830の包絡線振幅は、信号の1周期における信号2830のパルス幅によって決定される。 より具体的には、信号2830の包絡線振幅は、信号2830の曲線の下の面積に等しいか、または実質的に等しい。

    図28を参照すると、信号2810および2820は、時間シフトt'だけ互いに対して時間シフトされて示されている。 等価的に、信号2810および2820は、位相シフト角

    ラジアンだけ互いに対して位相シフトされている。

    図28を続けて参照すると、信号2830の包絡線振幅Rは、図28では、
    R=A 1 ×A 2 ×(γT−t') (25)
    によって与えられることに留意されたい。

    したがって、φは

    にしたがってRに関係付けられることが演繹されることができる。

    式(26)から、φ=0のとき、Rは最大値γA 12にあることに留意されたい。 言い換えると、2つの一定包絡線信号が互いに同相である場合に、包絡線振幅は最大値にある。

    典型的な実装では、信号2810および2820は、正規化され、等しいまたは実質的に等しい包絡線振幅である1を有する。 さらに、信号2810および2820は一般に、0.5のデューティ・サイクルを有する。 したがって、式(28)は、

    と簡略になる。

    式(27)は、正規化された、等しいまたは実質的に等しい包絡線振幅の方形波信号の場合についての、振幅から位相シフトへの変換を示している。 式(27)は、図26に示されている。

    3.4.5)波形歪み補償 ある種の実施形態では、振幅から位相シフトへの変換は、理論的または実際的に導出される際に、正確には実装されない可能性がある。 実際、最適な動作のために導出される変換についての調整または調節を必要とする複数の要因が存在することがある。 波形歪み補償は、振幅から位相シフトへの変換についての調整または調節を必要とすることがある1つの要因である。 波形歪み補償が今から以下で説明される。

    実際には、複数の要因が、所望する出力信号r(t)の一定包絡線構成要素の波形歪みを引き起こす可能性がある。 さらに、各構成要素の波形歪みが、各構成要素が合成されるときに、所望する出力信号における波形歪みに形を変えることが予想される。 図25は、フェーザー信号表現を使用して、信号に対する波形歪みの影響を示している。 図25では、

    は、所望する信号r(t)のフェーザー表現を表す。 実際には、波形歪みは、r(t)の実際のフェーザー表現が、

    の最大誤差ベクトル大きさ(maximum error vector magnitude)の範囲内のどこかに収まる結果をもたらす可能性がある。 図25の例では、これは、

    を中心とし、最大誤差ベクトル大きさに等しいまたは実質的に等しい半径を有する円を使用して示されている。 フェーザー

    および

    は、所望する信号r(t)の実際のフェーザー表現の例を表す。

    本発明の実施形態によれば、所望する出力信号に対して予想される波形歪みは推定することができる。 いくつかの実施形態では、予想される波形歪みは、電力増幅器のベクトル変調ステージで補償される。 その他の実施形態では、予想される波形歪みは、電力増幅器の伝達機能ステージで補償される。

    前者の手法では、ベクトル変調ステージ出力で、適切な振幅および位相シフト調節を適用することによって、補償が達成される。 したがって、波形歪みは、所望する出力信号の構成要素信号を波形整形することによって除去される。

    後者の手法では、伝達機能は、予想される波形歪みの影響を考慮して、それを打ち消すように、または少なくとも低減するように、設計される。 伝達機能についての上の説明から理解され得るように、波形歪み補償は、伝達機能ステージ内の個々位置で導入されることができる。 いくつかの実施形態では、伝達機能の出力ステージで補償が適用される。 例えば、図17を参照すると、伝達機能モジュール出力1720、1722、1274、1726は、DAC1730、1732、1734、1736に入力される前に調節されることができる。 その他の実施形態では、伝達機能の振幅から位相シフトへの変換ステージで補償が適用される。 例えば、図24を参照すると、振幅から位相シフトへの変換φ=f(|R|)が、予想波形歪みを補償するために適切に調整されることができる。

    3.5)出力ステージ 本発明の実施形態の一態様は、ベクトル電力増幅器(VPA)の出力ステージで構成要素信号を合算することに存する。 これは、例えば、図7でPA770、772、774、776の出力が合算されている。 これは、例えば、図8、図12、図13、図17、および図18にも同様に示されている。 VPAの出力を合成するための様々な実施形態が、本明細書で説明される。 以下はVPAの文脈で説明されるが、以下の教示が一般に、任意の応用例の任意の能動デバイスの出力の結合または合算に当てはまることを理解されたい。

    図29は、本発明の一実施形態によるベクトル電力増幅器の出力ステージ実施形態2900を示している。 出力ステージ2900は、複数の対応する電力増幅器(PA)2920−{1,. . . ,n}に入力される、複数のベクトル変調器信号2910−{1,. . . ,n}を含む。 上で説明されたように、信号2910−{1,. . . ,n}は、ベクトル電力増幅器の所望する出力信号の構成要素信号を表す。

    図29の例では、PA2910−{1,. . . ,n}は、入力信号2910−{1,. . . ,n}を、等しく、または実質的に等しく増幅して、増幅された出力信号2930−{1,. . . ,n}を生成する。 増幅された出力信号2930−{1,. . . ,n}は、合算ノード2940で直接的に一緒に結合される。 本発明のこの実施形態例によれば、合算ノード2940は、例えば電力合成器などの、結合またはアイソレーション要素を含まない。 図29の実施形態では、合算ノード2940は、ゼロ・インピーダンス(または近ゼロ・インピーダンス)導線である。 したがって、合成要素を利用する従来のシステムとは異なり、本発明のこの実施形態による出力信号の合成は、最小電力損失しか招かない。

    別の態様では、本発明の出力ステージ実施形態は、複数入力単一出力(MISO)電力増幅器を使用して実装されることができる。

    別の態様では、本発明の出力ステージ実施形態は、所望する出力電力レベルに従って出力ステージ電流を制御することによって、増幅器の電力効率を高めるように制御される。

    以下では、本発明のVPA実施形態による様々な出力ステージ実施形態が、セクション3.5.1で提供される。 セクション3.5.2では、本発明のある種のVPA実施形態の電力効率を高めるための、出力ステージ電流整形機能の実施形態が提供される。 セクション3.5.3は、本発明のある種の出力ステージ実施形態用に利用され得る出力ステージ保護技法の実施形態を説明する。

    3.5.1)出力ステージ実施形態 図30は、本発明の一実施形態による電力増幅器(PA)出力ステージ実施形態3000を示すブロック図である。 出力ステージ実施形態3000は、複数のPAブランチ3005−{1,. . . ,n}を含む。 それぞれのベクトル変調器から来る信号3010−{1,. . . ,n}は、出力ステージ3000用の入力を表す。 本発明のこの実施形態によれば、信号3010−{1,. . . ,n}は、電力増幅器の所望する出力信号についての等しくかつ一定の、または実質的に等しくかつ一定の包絡線構成要素信号を表す。

    PAブランチ3005−{1,. . . ,n}は、等しいまたは実質的に等しい電力増幅を、それぞれの信号3010−{1,. . . ,n}に適用する。 一実施形態では、PAブランチ3005−{1,. . . ,n}を介する電力増幅レベルは、所望する出力信号の電力レベル要件に従って設定される。

    図30の実施形態では、PAブランチ3005−{1,. . . ,n}は各々、電力増幅器3040−{1,. . . ,n}を含む。 その他の実施形態では、図30に示されるように、ドライバ3030−{1,. . . ,n}およびプレ・ドライバ3020−{1,. . . ,n}も、電力増幅器要素より前でPAブランチに追加されることができる。 実施形態では、必要とされる出力電力レベルが単一の電力増幅器では達成することができない場合は常に、ドライバおよびプレ・ドライバが利用される。

    所望する出力信号を生成するため、PAブランチ3005−{1,. . . ,n}の出力は、合算ノード3050で直接的に結合される。 合算ノード3050は、結合される出力の間にわずかなアイソレーションしか提供せず、またはアイソレーションをまったく提供しない。 さらに、合算ノード3050は、相対的に損失のない合算ノードを表す。 したがって、PA3040−{1,. . . ,n}の出力を合算する際、最小の電力損失しか招かれない。

    出力信号3060は、出力ステージ3000の所望する出力信号を表す。 図30の実施形態では、出力信号3060は、負荷インピーダンス3070の両端で測定される。

    図31は、本発明による別の電力増幅器(PA)出力ステージ実施形態3100を示すブロック図である。 図30の実施形態と同様に、出力ステージ実施形態3100は、複数のPAブランチ3105−{1,. . . ,n}を含む。 PAブランチ3105−{1,. . . ,n}の各々は、プレ・ドライバ3020−{1,. . . ,n}、ドライバ3030−{1,. . . ,n}、および電力増幅器3040−{1,. . . ,n}によって表される、複数の電力増幅ステージを含むことができる。 出力ステージ実施形態3100はさらに、そのステージのバイアシングを提供するために、各電力増幅ステージの出力に結合されるプルアップ・インピーダンスを含む。 例えば、プルアップ・インピーダンス3125−{1,. . . ,n}および3135−{1,. . . ,n}は、それぞれプレ・ドライバおよびドライバ・ステージ出力を電源または独立のバイアス電源に結合する。 同様に、プルアップ・インピーダンス3145は、PAステージ出力を電源または独立のバイアス電源に結合する。 本発明のこの実施形態によれば、プルアップ・インピーダンスは、出力ステージ実施形態の効率に影響を与え得るが、必ずしもその動作には影響しない、オプションの構成要素を表す。

    図32は、本発明による別の電力増幅器(PA)出力ステージ実施形態3200を示すブロック図である。 図30の実施形態と同様に、出力ステージ実施形態3200は、複数のPAブランチ3205−{1,. . . ,n}を含む。 PAブランチ3205−{1,. . . ,n}の各々は、プレ・ドライバ3020−{1,. . . ,n}、ドライバ3030−{1,. . . ,n}、および電力増幅器3040−{1,. . . ,n}によって表される、複数の電力増幅ステージを含むことができる。 出力ステージ実施形態3200も、そのステージの適切なバイアシングを達成するために、各電力増幅ステージの出力に結合されるプルアップ・インピーダンスを含む。 さらに、出力ステージ実施形態3200は、そのステージからの電力伝達を最大化するために、各電力増幅ステージの出力に結合される整合インピーダンスを含む。 例えば、整合インピーダンス3210−{1,. . . ,n}および3220−{1,. . . ,n}は、それぞれプレ・ドライバおよびドライバ・ステージ出力に結合される。 同様に、整合インピーダンス3240は、PAステージ出力に結合される。 整合インピーダンス3240が、合算ノード3250の後方でPAステージ出力に結合されることに留意されたい。

    図30〜図32の上で説明された実施形態では、PAステージ出力は、合算ノードで直接結合によって合成される。 例えば、図30の実施形態では、PAブランチ3005−{1,. . . ,n}の出力は、合算ノード3050で一緒に結合される。 合算ノード3050は、結合される出力の間に最小アイソレーションを提供する近ゼロ・インピーダンス導線である。 同様の出力ステージ結合が、図31および図32に示されている。 本発明のある種の実施形態では、図30〜図32の実施形態、または以下で後ほど説明される実施形態に示されるような出力結合は、ある種の出力ステージ保護手段を利用することができることに留意されたい。 これらの保護手段は、PAブランチの異なるステージにおいて実装されることができる。 さらに、必要とされる保護手段のタイプは、PA実装に固有であってよい。 本発明の一実施形態による出力ステージ保護のさらなる説明は、セクション3.5.3で提供される。

    図33は、本発明による別の電力増幅器(PA)出力ステージ実施形態3300を示すブロック図である。 図30の実施形態と同様に、出力ステージ実施形態3300は、複数のPAブランチ3305−{1,. . . ,n}を含む。 PAブランチ3305−{1,. . . ,n}の各々は、プレ・ドライバ3020−{1,. . . ,n}、ドライバ3030−{1,. . . ,n}、および電力増幅器3040−{1,. . . ,n}によって表される、複数の電力増幅ステージを含むことができる。 出力ステージ実施形態3300も、そのステージの適切なバイアシングを達成するために、各電力増幅ステージの出力に結合されるプルアップ・インピーダンス3125−{1,. . . ,n}、3135−{1,. . . ,n}、3145を含むことができる。 さらに、出力ステージ実施形態3300は、そのステージからの電力伝達を最大化するために、各電力増幅ステージの出力に結合される整合インピーダンス3210−{1,. . . ,n}、3220−{1,. . . ,n}、3240を含む。 さらに、出力ステージ実施形態3300は、各PAブランチ3305−{1,. . . ,n}のPAステージ入力に結合されるオートバイアス・モジュール3340から、オートバイアス信号3310を受け取る。 オートバイアス・モジュール3340は、PA3040−{1,. . . ,n}のバイアスを制御する。 一実施形態では、オートバイアス信号3340は、所望する出力電力レベルおよび出力波形の信号包絡線に従って、PAを通る電流の量を制御する。 オートバイアス信号およびオートバイアス・モジュールの動作のさらなる説明は、以下のセクション3.5.2で提供される。

    図34は、本発明による別の電力増幅器(PA)出力ステージ実施形態3400を示すブロック図である。 図30の実施形態と同様に、出力ステージ実施形態3400は、複数のPAブランチ3405−{1,. . . ,n}を含む。 PAブランチ3405−{1,. . . ,n}の各々は、プレ・ドライバ3020−{1,. . . ,n}、ドライバ3030−{1,. . . ,n}、および電力増幅器3040−{1,. . . ,n}によって表される、複数の電力増幅ステージを含むことができる。 出力ステージ実施形態3400も、そのステージの所望するバイアシングを達成するために、各電力増幅ステージの出力に結合されるプルアップ・インピーダンス3125−{1,. . . ,n}、3135−{1,. . . ,n}、3145を含むことができる。 さらに、出力ステージ実施形態3400は、そのステージからの電力伝達を最大化するために、各電力増幅ステージの出力に結合される整合インピーダンス3210−{1,. . . ,n}、3220−{1,. . . ,n}、3240を含む。 さらに、出力ステージ実施形態3400は、各PAブランチ{1,. . . ,n}のPAステージ入力に結合される複数の高調波制御回路(harmonic control circuit)ネットワーク3410−{1,. . . ,n}を含む。 高調波制御回路ネットワーク3410−{1,. . . ,n}は、直列または並列に結合される、複数の抵抗、キャパシタンス、および/もしくは誘導性要素、ならびに/または能動デバイスを含むことができる。 本発明の一実施形態によれば、高調波制御回路ネットワーク3410−{1,. . . ,n}は、電力増幅器の出力周波数スペクトルを制御するための高調波制御機能を提供する。 一実施形態では、高調波制御回路ネットワーク3410−{1,. . . ,n}は、出力波形の高調波コンテンツ(harmonic content)が減少すると、合算出力スペクトル内の基本波へのエネルギー伝達が増加するように選択される。 本発明の実施形態による高調波制御のさらなる説明は、以下のセクション3.6で提供される。

    図35は、本発明による別の電力増幅器(PA)出力ステージ実施形態3500を示すブロック図である。 出力ステージ実施形態3500は、図32の出力ステージ実施形態3200の差動出力同等物を表す。 実施形態3500では、PAステージ出力3510−{1,. . . ,n}は、連続的に合成されて、2つの集約信号を生じさせる。 その後、2つの集約信号は、負荷インピーダンスにおいて(across a loading impedance)合成され、それによって、2つの集約信号の間の差を表す、電力増幅器の出力が得られる。 図35を参照すると、集約信号3510および3520は、負荷インピーダンスの両端に結合される。 電力増幅器の出力は、ノード3540および3550の間の電圧差として、負荷インピーダンスの両端で測定される。 実施形態3500によれば、電力増幅器の最大出力は、2つの集約信号の位相が互いに180度ずれているときに獲得される。 反対に、最小出力電力は、2つの集約信号が互いに同相であるときに生じる。

    図36は、本発明による別の出力ステージ実施形態3600を示すブロック図である。 図30の実施形態と同様に、出力ステージ3600は、複数のPAブランチ3605−{1,. . . ,n}を含む。 PAブランチ{1,. . . ,n}の各々は、プレ・ドライバ3020−{1,. . . ,n}、ドライバ3030−{1,. . . ,n}、および電力増幅器(PA)3620−{1,. . . ,n}によって表される、複数の電力増幅ステージを含むことができる。

    実施形態3600によれば、PA3620−{1,. . . ,n}は、スイッチング電力増幅器を含む。 図36の例では、電力増幅器3620−{1,. . . ,n}は、npnバイポーラ接合トランジスタ(BJT)要素Q1,. . . ,Qnを含む。 BJT要素Q1,. . . ,Qnは、共通コレクタ・ノードを有する。 図36を参照すると、BJT要素Q1,. . . ,Qnのコレクタ端子は、合算ノード3640を提供するために一緒に結合される。 BJT要素Q1,. . . ,Qnのエミッタ端子は、接地ノードに結合され、一方、BJT要素Q1,. . . ,Qnのベース端子は、PAステージへの入力端子を提供する。

    図37は、方形波入力信号に応答する、実施形態3600のPAステージの出力信号を示した、(図36に関係する)一例である。 説明を容易にするため、2ブランチPAステージが考察される。 図37の例では、方形波信号3730および3740は、それぞれBJT要素3710および3720に入力される。 BJT要素3710または3720のどちらかがオンになると、合算ノード3750は接地に短絡されることに留意されたい。 したがって、入力信号3730または3740のどちらかがハイである場合、出力信号380はゼロである。 さらに、入力信号3730および3740の両方がゼロである場合にのみ、出力信号3780はハイになる。 この構成によれば、PAステージ3700は、パルス幅変調を実行し、そのため、出力信号の振幅は、入力信号間の位相シフト角の関数である。

    実施形態は、本明細書で説明されたようなnpn BJT実装に限定されない。 例えば、本発明の実施形態が、pnp BJT、CMOS、NMOS、PMOS、またはその他のタイプのトランジスタを使用して実装され得ることは、当業者であれば理解されよう。 さらに、実施形態は、検討要因となる、所望する、トランジスタのスイッチング速度を有するGaAsおよびまたはSiGeトランジスタを使用して実装されることができる。

    図36を参照し直すと、各PA3620−{1,. . . ,n}は、単一のBJT表記を使用して示されているが、各PA3620−{1,. . . ,n}は、複数の直列結合トランジスタを含むことができることに留意されたい。 実施形態では、各PA内に含まれるトランジスタの数は、電力増幅器の必要とされる最大出力電力レベルに従って設定される。 その他の実施形態では、PA内に含まれるトランジスタの数は、プレ・ドライバ、ドライバ、およびPAステージ内のトランジスタの数が幾何形状的連鎖に適合するような数である。

    図38は、本発明の一実施形態による例示的なPA実施形態3800を示している。 PA実施形態3800は、BJT要素3870、LCネットワーク3860、およびバイアス・インピーダンス3850を含む。 BJT要素3870は、直列に結合された複数のBJTトランジスタQ1,. . . ,Qnを含む。 図38に示されるように、複数のBJTトランジスタQ1,. . . ,Qnは、それらのベース、コレクタ、およびエミッタ端子で一緒に結合される。 BJT要素3870のコレクタ端子3880は、PA3800用の出力端子を提供する。 BJT要素3870のエミッタ端子3890は、基板に、または先行する増幅器ステージのエミッタ端子に結合されることができる。 例えば、エミッタ端子3890は、先行するドライバ・ステージのエミッタ端子に結合される。

    図38を参照すると、LCネットワーク3860は、PA入力端子3810とBJT要素3870の入力端子3820との間に結合される。 LCネットワーク3860は、複数の容量性および誘導性要素を含む。 任意選択で、高調波制御回路ネットワーク3830も、BJT要素3870の入力端子3820で結合される。 上で説明されたように、HCCネットワーク3830は、電力増幅器の出力周波数スペクトルを制御するための高調波制御機能を提供する。

    図38を続けて参照すると、バイアス・インピーダンス3850が、Iref信号3840をBJT要素3870の入力端子3820に結合する。 Iref信号3840は、所望する出力電力レベルおよび信号包絡線特性に従ってBJT要素3870のバイアスを制御するオートバイアス信号を表す。

    図38の実施形態では、BJT要素3870は、8つのトランジスタを含むように示されていることに留意されたい。 しかし、BJT要素3870が、電力増幅器の所望する出力電力レベルを達成するのに必要とされる任意の数のトランジスタを含み得ることは、当業者であれば理解されよう。

    別の態様では、出力ステージ実施形態は、複数入力単一出力(MISO)電力増幅器を使用して実装されることができる。 図51Aは、例示的なMISO出力ステージ実施形態5100Aを示すブロック図である。 出力ステージ実施形態5100Aは、MISO電力増幅器(PA)5120に入力される、複数のベクトル変調器信号5110−{1,. . . ,n}を含む。 上で説明されたように、信号5110−{1,. . . ,n}は、電力増幅器の出力信号5130の一定包絡線構成要素を表す。 MISO PA5120は、複数入力単一出力電力増幅器である。 MISO PA5120は、信号5110−{1,. . . ,n}を受け取り、増幅して、出力信号5130を生成するための、分散複数信号増幅プロセス(distributed multi signal amplification process)を提供する。

    図51Aに示される実装に類似するMISO実装は、上で説明されたどの出力ステージ実施形態にも同様に拡張され得ることに留意されたい。 より具体的には、図29〜図37のどの出力ステージ実施形態も、MISO手法を使用して実装されることができる。 さらなるMISO実施形態が、図51B〜図51Iを参照して今から提供される。 上で説明されたどの実施形態も、今から提供されるMISO実施形態のいずれを使用しても実装され得ることに留意されたい。

    図51Aを参照すると、MISO PA5120は、複素包絡線入力信号の実質的に一定の包絡線分解に必要とされる、任意の数の入力を有することができる。 例えば、2次元分解では、2入力電力増幅器が使用されることができる。 本発明の実施形態によれば、任意の数の入力のMISO PAを作成するための構築ブロックが提供される。 図51Bは、本発明の一実施形態によるいくつかのMISO構築ブロックを示している。 MISO PA5110Bは、2入力単一出力PAブロックである。 一実施形態では、MISO PA5110Bは、2つのPAブランチを含む。 MISO PA5110BのPAブランチは、例えば、図29〜図37を参照して上で説明された任意のPAブランチと等価とすることができる。 MISO PA5120Bは、3入力単一出力PAブロックである。 一実施形態では、MISO PA5120B、3つのPAブランチを含む。 MISO PA5120BのPAブランチは、例えば、図29〜図37を参照して上で説明された任意のPAブランチと等価とすることができる。

    図51Bを続けて参照すると、MISO PA5110Bおよび5120Bは、本発明の実施形態による任意の複数入力単一出力電力増幅器のための基本構築ブロックを表す。 例えば、MISO PA5130Bは、4入力単一出力PAであり、例えば、MISO PA5110Bなど、2つの2入力単一出力PAの出力を一緒に結合することによって、作成されることができる。 これは、図51Cに示されている。 同様に、n入力単一出力PAであるMISO PA5140Bは、基本構築ブロック5110Bおよび5120Bから作成され得ることが確認されることができる。

    図51Dは、本発明の実施形態による2入力単一出力PA構築ブロックの様々な実施形態を示している。

    実施形態5110Dは、2入力単一出力PA構築ブロックのnpn実装を表す。 実施形態5110Dは、共通コレクタ・ノードを使用して一緒に結合される2つのnpnトランジスタを含む。 プルアップ・インピーダンス(図示されず)が、共通コレクタ・ノードと給電ノード(図示されず)の間に結合されることができる。

    実施形態5130Dは、実施形態5110Dのpnp同等物を表す。 実施形態5130Dは、PAの出力を提供する共通コレクタ・ノードで結合される2つのpnpトランジスタを含む。 プルアップ・インピーダンス(図示されず)が、共通コレクタ・ノードと接地ノード(図示されず)の間に結合されることができる。

    実施形態5140Dは、2入力単一出力PA構築ブロックの相補的npn/pnp実装を表す。 実施形態5140Dは、PAの出力を提供する共通コレクタ・ノードで結合されるnpnトランジスタおよびpnpトランジスタを含む。

    図51Dを続けて参照すると、実施形態5120Dは、2入力単一出力PA構築ブロックのNMOS実装を表す。 実施形態5120Dは、PAの出力を提供する共通ドレーン・ノードで結合される2つのNMOSトランジスタを含む。

    実施形態5160Dは、実施形態5120DのPMOS同等物を表す。 実施形態5120Dは、PAの出力を提供する共通ドレーン・ノードで結合される2つのPMOSトランジスタを含む。

    実施形態5150Dは、2入力単一出力PA構築ブロックの相補的MOS実装を表す。 実施形態5150Dは、PAの出力を提供する共通ドレーン・ノードで結合されるPMOSトランジスタおよびNMOSトランジスタを含む。

    図51Dの2入力単一出力実施形態は、さらに複数入力単一出力PA実施形態を作成するために拡張されることができる。 図51Eは、本発明の実施形態による複数入力単一出力PAの様々な実施形態を示している。

    実施形態5150Eは、複数入力単一出力PAのnpn実装を表す。 実施形態5150Eは、PAの出力を提供する共通コレクタ・ノードを使用して一緒に結合される複数のnpnトランジスタを含む。 プルアップ・インピーダンス(図示されず)が、共通コレクタ・ノードと供給電圧(図示されず)の間に結合されることができる。 実施形態5150Eによるn入力単一出力PAは、追加のnpnトランジスタを2入力単一出力PA構築ブロック実施形態5110Dに結合することによって獲得され得ることに留意されたい。

    実施形態5170Eは、実施形態5150Eのpnp同等物を表す。 実施形態5170Eは、PAの出力を提供する共通コレクタ・ノードを使用して一緒に結合される複数のpnpトランジスタを含む。 プルアップ・インピーダンス(図示されず)が、共通コレクタ・ノードと接地ノード(図示されず)の間に結合されることができる。 実施形態5170Eによるn入力単一出力PAは、追加のpnpトランジスタを2入力単一出力PA構築ブロック実施形態5130Dに結合することによって獲得され得ることに留意されたい。

    実施形態5110Eおよび5130Eは、複数入力単一出力PAの相補的npn/pnp実装を表す。 実施形態5110Eおよび5130Eは、PAの出力を提供する共通コレクタ・ノードを使用して一緒に結合される複数のnpnおよび/またはpnpトランジスタを含む。 実施形態5110Eによるn入力単一出力PAは、追加のnpnおよび/またはpnpトランジスタを2入力単一出力PA構築ブロック実施形態5140Dに結合することによって獲得され得ることに留意されたい。 同様に、実施形態5130Eによるn入力単一出力PAは、追加のnpnおよび/またはpnpトランジスタを2入力単一出力PA構築ブロック実施形態5130Dに結合することによって獲得されることができる。

    実施形態5180Eは、複数入力単一出力PAのPMOS実装を表す。 実施形態5180Eは、PAの出力を提供する共通ドレーン・ノードを使用して一緒に結合される複数のPMOSトランジスタを含む。 実施形態5180Eによるn入力単一出力PAは、追加のNMOSトランジスタを2入力単一出力PA構築ブロック実施形態5160Dに結合することによって獲得され得ることに留意されたい。

    実施形態5160Eは、複数入力単一出力PAのNMOS実装を表す。 実施形態5160Eは、PAの出力を提供する共通ドレーン・ノードを使用して一緒に結合される複数のNMOSトランジスタを含む。 実施形態5160Eによるn入力単一出力PAは、追加のPMOSトランジスタを2入力単一出力PA構築ブロック実施形態5120Dに結合することによって獲得され得ることに留意されたい。

    実施形態5120Eおよび5140Eは、複数入力単一出力PAの相補的MOS実装を表す。 実施形態5120Eおよび5140Eは、PAの出力を提供する共通ドレーン・ノードを使用して一緒に結合される複数のnpnおよびpnpトランジスタを含む。 実施形態5120Eによるn入力単一出力PAは、追加のNMOSおよび/またはPMOSトランジスタを2入力単一出力PA構築ブロック実施形態5150Dに結合することによって獲得され得ることに留意されたい。 同様に、実施形態5140Eによるn入力単一出力PAは、追加のNMOSおよび/またはPMOSトランジスタを2入力単一出力PA構築ブロック実施形態5150Dに結合することによって獲得されることができる。

    図51Fは、本発明の実施形態によるさらなる複数入力単一出力PA実施形態を示している。 実施形態5110Fは、複数入力単一出力PAの相補的npn/pnp実装を表す。 実施形態5110Fは、PA構築ブロック5140Dの実施形態を反復的に一緒に結合することによって獲得されることができる。 同様に、実施形態5120Fは、複数入力単一出力PAのNMOS/PMOS相補的実装を表す。 実施形態5120Fは、PA構築ブロック5150Dの実施形態を反復的に一緒に結合することによって獲得されることができる。

    上で説明された複数入力単一出力実施形態は各々、PAの単一または複数ブランチに対応することができることが留意されなければならない。 例えば、図29を参照すると、複数入力単一出力実施形態のいずれかが、単一または複数のPA2920−{1,. . . ,n}を置き換えるために使用されることができる。 言い換えると、各PA2920−{1,. . . ,n}は、上で説明された複数入力単一出力PAのいずれかを使用して、または図29に示されるような単一入力単一出力PAを用いて、実装されることができる。

    図51D、図51E、および図51Fの実施形態で示されたトランジスタは各々、例えば、図38の例示的な実施形態に示されるような直列のトランジスタを使用して、実装されることができる。

    図51Gは、複数入力単一出力PA構築ブロックのさらなる実施形態を示している。 実施形態5110Gは、2入力単一出力PA構築ブロックの実施形態を示している。 実施形態5110Gは、単一入力単一出力または上で説明されたような複数入力単一出力PA実施形態によって各々が実装され得る、2つのPAブランチを含む。 さらに、実施形態5110Gは、PA実施形態絵の2つのブランチに結合されるオプションのバイアス制御信号5112Gを示している。 バイアス制御信号5112Gは、PAブランチの具体的な実装に基づいて、実施形態5110Gで任意選択的に利用される。 ある種の実装では、PAの適切な動作のためにバイアス制御が必要とされる。 その他の実装では、バイアス制御は、PAの適切な動作のためには必要とされないが、改善されたPA電力効率、出力回路保護、またはパワーオン電流保護を提供することができる。

    図51Gを続けて参照すると、実施形態5120Gは、3入力単一出力PA構築ブロックの実施形態を示している。 実施形態5120Gは、単一入力単一出力または上で説明されたような複数入力単一出力PA実施形態によって各々が実装されることができる、3つのPAブランチを含む。 さらに、実施形態5120Gは、PA実施形態絵のブランチに結合されるオプションのバイアス制御信号5114Gを示している。 バイアス制御信号5114Gは、PAブランチの具体的な実装に基づいて、実施形態5120Gで任意選択的に利用される。 ある種の実装では、PAの適切な動作のためにバイアス制御が必要とされる。 その他の実装では、バイアス制御は、PAの適切な動作のためには必要とされないが、改善されたPA電力効率を提供することができる。

    図51Hは、2入力単一出力PA構築ブロックのさらなる例示的な実施形態5100Hを示している。 実施形態5100Hは、単一入力単一出力または上で説明されたような複数入力単一出力PA実施形態によって各々が実装され得る、2つのPAブランチを含む。 実施形態5100Hは、実施形態5100Hの実施形態で追加的に利用され得る、図51Hにおいて破線を使用して示されるオプションの要素をさらに含む。 一実施形態では、PA構築ブロック5100Hは、図51Hに示されるように、ドライバ・ステージおよび/またはプレ・ドライバ・ステージを各PAブランチに含むことができる。 プロセス検出器も、PAのドライバおよび/またはプレ・ドライバ・ステージにおいてプロセスおよび温度変動を検出するために任意選択的に利用されることができる。 さらに、オプションのバイアス制御が、PA実施形態の各ブランチのプレ・ドライバ、ドライバ、および/またはPAステージの各々に提供されることができる。 バイアス制御は、そのステージの固有の実装に基づいて、1つまたは複数のステージに提供されることができる。 さらに、バイアス制御は、ある種の実装のためには必須なことがあるが、その他の実装では任意選択的に利用されることができる。

    図51Iは、複数入力単一出力PAのさらなる例示的な実施形態5100Iを示している。 実施形態5100Iは、単一入力単一出力または上で説明されたような複数入力単一出力PA実施形態によって各々が実装されることができる、少なくとも2つのPAブランチを含む。 実施形態5100Iは、実施形態5100Iの実施形態で追加的に利用され得るオプションの要素をさらに含む。 一実施形態では、PAは、図51Iに示されるように、ドライバおよび/またはプレ・ドライバ・ステージを各PAブランチに含むことができる。 プロセス検出器も、PAのドライバおよび/またはプレ・ドライバ・ステージにおいてプロセスおよび温度変動を検出するために任意選択的に利用されることができる。 さらに、オプションのバイアス制御が、PA実施形態の各ブランチのプレ・ドライバ、ドライバ、および/またはPAステージの各々に提供されることができる。 バイアス制御は、そのステージの固有の実装に基づいて、1つまたは複数のステージに提供されることができる。 さらに、バイアス制御は、ある種の実装のためには必須なことがあるが、その他の実装では任意選択的に利用されることができる。

    3.5.2)出力ステージ電流制御―オートバイアス・モジュール 本発明による、出力ステージならびにオプションのプレ・ドライバおよびドライバ・ステージの、バイアスおよび電流制御技法が、以下で説明される。 ある種の実施形態では、出力ステージ電流制御機能は、ベクトル電力増幅器(VPA)実施形態の出力ステージ効率を高めるために利用される。 その他の実施形態では、出力ステージ電流制御は、セクション3.5.3でさらに説明される、過剰電圧および電流からの出力ステージ保護を提供するために使用される。 実施形態では、出力ステージ電流制御機能は、図33を参照して上で説明されたオートバイアス・モジュールを使用して実行される。 これらの電流制御機能を実行する際のオートバイアス・モジュールの動作の説明も、本発明の一実施形態により以下で提示される。

    本発明の実施形態によれば、VPAの出力ステージの電力効率は、出力電力および出力波形の包絡線の関数としてVPAの出力ステージ電流を制御することによって、高められることができる。

    図37は、入力信号S1およびS2を有する、2つのNPNトランジスタから成る複数入力単一出力増幅器の部分概要図を示している。 S1およびS2が実質的に同様の波形および実質的に一定の包絡線であるように設計される場合、任意の時間変化複素包絡線出力信号は、S1およびS2の位相関係を変化させることによって、回路ノード3750で生成されることができる。

    図39は、時間変化複素包絡線出力信号例3910およびそれに対応する包絡線信号3920を示している。 信号3910が時刻t 0において位相反転を経験することに留意されたい。 それに対応して、包絡線信号3920は、時刻t 0においてゼロ交差を経験する。 出力信号3910は、例えば、W−CDMA、QPSK、およびOFDMなどの無線信号方式による出力信号の例である。

    図40は、出力信号3910に応じた、図37の出力ステージ電流の図例を示している。 I out信号4010は、オートバイアス制御なしの場合の出力ステージ電流を表し、I out信号4020は、オートバイアス制御ありの場合の出力ステージ電流を表す。 オートバイアス制御なしの場合、S1およびS2の間の位相シフトが0から180度に変化するにつれて、出力電流I outは増加する。 オートバイアス制御ありの場合、出力電流I outは減少し、図39のt 0でまたはt 0の付近で最小化されることができる。

    out信号4020は、包絡線信号3920の関数として変化することに留意されたい。 したがって、I out信号4020は、最大出力電力が必要とされるときに最大となるが、必要出力電力が低下するにつれて減少する。 特に、I out信号4020は、関連する電力出力がゼロに向かうと、ゼロに接近する。 したがって、本発明の実施形態による出力ステージ電流制御が、著しい電力節約をもたらし、電力増幅器の電力効率を高めることは、当業者であれば理解されよう。

    本発明の実施形態によれば、出力ステージ電流制御は、様々な関数に従って実装されることができる。 一実施形態では、出力ステージ電流は、増幅器の所望する出力電力に対応するように整形されることができる。 そのような実施形態では、出力ステージ電流は、所望する出力信号の包絡線から導出される関数であり、電力効率が高まる。

    図41は、本発明の実施形態による例示的なオートバイアス出力ステージ電流制御関数4110および4120を示している。 関数4110は、上で説明されたような、出力電力および信号包絡線の関数を表すことができる。 他方、関数4120は、出力電力が閾値を下回ったときに所定の時間だけ最小値になる単純な整形関数(shaping function)を表すことができる。 したがって、関数4110および4120は、オートバイアス制御信号4110がI out応答4130をもたらし、オートバイアス制御信号4120がI out応答4140をもたらす、オートバイアス出力ステージ電流制御関数の2つのケースを表す。 しかし、本発明は、それらの2つの例示的な実施形態に限定されない。 本発明の実施形態によれば、出力ステージオートバイアス電流制御関数は、特定のベクトル電力増幅器設計の効率および電流消費要件に適合するように、設計および実装されることができる。

    実装においては、出力ステージ電流制御を実行するためのいくつかの手法が存在する。 いくつかの実施形態では、出力ステージ電流整形は、オートバイアス・モジュールを使用して実行される。 オートバイアス・モジュールは、図7および図8の実施形態にオートバイアス回路714および716として示されている。 同様に、オートバイアス・モジュールは、図12および図13の実施形態にオートバイアス回路1218として、図17および図18の実施形態にオートバイアス回路1718として示されている。

    オートバイアスを使用する出力ステージ電流制御が、図48の実施形態のプロセス・フローチャート4800に示されている。 プロセスは、ベクトル電力増幅器(VPA)の所望する出力信号の出力電力および出力信号包絡線情報を受け取ることを含むステップ4810で開始する。 いくつかの実施形態では、オートバイアスを使用する出力ステージ電流制御の実装は、増幅器の所望する出力電力についての事前知識を必要とする。 出力電力情報は、包絡線および位相情報の形式をとることができる。 例えば、図7、図8、図12、図13、図17、および図18の実施形態では、出力電力情報は、VPA実施形態によって受け取られるIおよびQデータ成分に含まれる。 その他の実施形態では、出力電力情報は、その他の手段を使用して受け取られ、または算出されることができる。

    ステップ4820は、出力電力および出力包絡線信号情報に従って信号を算出することを含む。 実施形態では、オートバイアス信号は、所望する出力電力のいくつかの測定の関数として算出される。 例えば、オートバイアス信号は、所望する出力信号の包絡線振幅の関数として算出されることができる。 例えば、図7、図8、図12、図13、図17、および図18を参照すると、オートバイアス信号(図7および図8での信号715および717、図12および図13での信号1228、図17および図18での信号1728)が所望する出力信号の受け取られたIおよびQデータ成分に従って算出されることが分かる。 図7、図8、図12、図13、図17、および図18で説明された実施形態などのある種の実施形態では、オートバイアス信号は、出力電力情報を提供されるオートバイアス・モジュールによって算出される。 その他の実施形態では、オートバイアス信号は、VPAのIおよびQ伝達機能モジュールによって算出されることができる。 そのような実施形態では、オートバイアス・モジュールは、実装において必要とされないこともある。 実施形態では、IおよびQ伝達機能モジュールは、信号を算出し、その信号をDACに出力し、DACは、オートバイアス信号を表す信号を出力する。

    ステップ4830は、VPAの出力ステージで算出された信号を適用し、それによって、所望する出力信号の出力電力に従って出力ステージの電流を制御することを含む。 実施形態では、ステップ4830は、VPAのPAステージ入力でオートバイアス信号を結合することを含む。 これは、例えば、オートバイアス信号3310がVPA実施形態のPAステージ入力で結合される、図33および図42の実施形態に示されている。 これらの実施形態では、オートバイアス信号3310は、VPA実施形態の所望する出力信号の出力電力に従ってPAステージ・トランジスタのバイアスを制御する。 例えば、オートバイアス信号3310は、所望する出力電力が最小または近ゼロであるときに、PAステージ・トランジスタをカットオフ状態で動作させることができ、それによって、出力ステージ電流をわずかしか、またはまったく引き出さない。 同様に、最大出力電力が望まれる場合、オートバイアス信号3310は、クラスC、D、Eなどのスイッチングモードで動作するように、PAステージ・トランジスタにバイアスをかけることができる。 オートバイアス信号3310はまた、所望する出力電力および信号包絡線情報に従って、PAステージ・トランジスタまたはFETを順または逆バイアス状態で動作させることもできる。

    その他の実施形態では、ステップ4830は、プルアップ・インピーダンスを使用してオートバイアス信号をPAステージ入力で、また任意選択的にVPAのドライバおよびプレ・ドライバ・ステージの入力で結合することを含む。 図38および図43は、そのような実施形態を示している。 例えば、図38の実施形態では、バイアス・インピーダンス3850が、オートバイアスIref信号3840をBJT要素3870の入力端子3820に結合する。 BJT要素3870は、例示的なVPA実施形態の1つのPAブランチのPAステージを表す。 同様に、図43の実施形態では、オートバイアス信号4310は、対応するバイアス・インピーダンスZ1,. . . ,Z8を介してトランジスタQ1,. . . ,Q8に結合される。 トランジスタQ1,. . . ,Q8は、例示的なVPA実施形態の1つのブランチのPAステージを表す。

    上で説明されたオートバイアス回路を実装するための実施形態が今から提供される。 図27は、オートバイアス回路を実装するための3つの実施形態2700A、2700B、および2700Cを示している。 これらの実施形態は、限定のためではなく、説明の目的で提供される。 その他の実施形態は、本明細書に含まれる教示に基づいて、当業者には明らかであろう。

    実施形態2700Aでは、オートバイアス回路2700Aは、オートバイアス伝達機能モジュール2712、DAC2714、およびオプションの補間フィルタ2718を含む。 オートバイアス回路2700Aは、IおよびQデータ信号2710を受け取る。 オートバイアス伝達機能モジュール2712は、受け取られたIおよびQデータ信号2710を処理して、適切なバイアス信号2713を生成する。 オートバイアス伝達機能モジュール2712は、バイアス信号2713をDAC2714に出力する。 DAC2714は、オートバイアス伝達モジュール2712で生成され得るDACクロック2716によって制御される。 DAC2714は、バイアス信号2713をアナログ信号に変換し、アナログ信号を補間フィルタ2718に出力する。 アンチ・エイリアス・フィルタとしても機能する補間フィルタ2718は、DAC出力を整形して、実施形態5112GでBias Aとして示されるオートバイアス信号2720を生成する。 オートバイアス信号2720は、増幅器のPAステージおよび/またはドライバ・ステージおよび/またはプレ・ドライバ・ステージにバイアスをかけるために使用されることができる。 一実施形態では、オートバイアス信号2720は、それから導出されて、PAステージ内の異なるステージにバイアスをかける、複数のその他のオートバイアス信号を有することができる。 これは、実施形態2700Aに含まれていない追加回路を使用して行われることができる。

    対照的に、実施形態2700Bは、複数のオートバイアス信号がオートバイアス回路内で取り出される、オートバイアス回路実施形態を示している。 実施形態2700Bに示されるように、実施形態2700Bで回路ネットワークA、B、Cとして示される、回路ネットワーク2722、2726、2730は、オートバイアス信号2720からオートバイアス信号2724および2728を取り出すために使用される。 オートバイアス信号2720、2724、2728は、異なる増幅ステージにバイアスをかけるために使用される。

    実施形態2700Cは、複数のオートバイアス信号がオートバイアス伝達機能モジュール2712内で独立に生成される、別のオートバイアス回路実施形態を示している。 実施形態2700Cでは、オートバイアス伝達機能モジュール2712は、受け取られたIおよびQデータ信号2710に従って、複数のバイアス信号を生成する。 バイアス信号は、関係していてもよく、または関係していなくてもよい。 オートバイアス伝達機能モジュール2712は、生成されたバイアス信号を後続のDAC2732、2734、2736に出力する。 DAC2732、2734、2736は、それぞれDACクロック信号2733、2735、2737によって制御される。 DAC2732、2734、2736は、受け取られたバイアス信号をアナログ信号に変換し、アナログ信号をオプションの補間フィルタ2742、2744、2746に出力する。 アンチ・エイリアス・フィルタとしても機能する補間フィルタ2742、2744、2746は、DAC出力を整形して、オートバイアス信号2720、2724、2728を生成する。 実施形態2700Bと同様に、オートバイアス信号2720、2724、2728は、プレ・ドライバ、ドライバ、およびPAなどの個々の増幅ステージにバイアスをかけるために使用される。

    上で言及されたように、本発明によるオートバイアス回路実施形態は、実施形態2700A、2700B、および2700Cで説明された実施形態に限定されない。 例えば、実施形態5200Bおよび5200Cに示されるような3つだけでなく、増幅の様々なステージのバイアスを制御するのに必要とされる任意の数のバイアス制御信号を生成するために、オートバイアス回路が拡張され得ることは、当業者であれば理解されよう。

    3.5.3)出力ステージ保護 上で説明されたように、本発明の実施形態による出力ステージ実施形態は、合成またはアイソレーション要素を使用せずにPAステージで出力を直接結合できることの結果として、非常に電力効率がよい。 しかし、ある種の環境および/または応用例におけるある種の出力ステージ実施形態は、そのような直接結合手法に耐えるために、追加の特別な出力ステージ保護手段を必要とすることがある。 これは、例えば、図51Dおよび51Eに示される5110D、5120D、5130D、5160D、5150E、5160E、5170E、および5180Eなどの出力ステージ実施形態の場合とすることができる。 一般に、5140D、5150D、5110E、5120E、5130E、および5140Eなどの相補的な出力ステージ実施形態は、本明細書のこのセクションで説明されるのと同じ出力ステージ保護手段を(任意選択的に使用することはできるが)必要としない。 出力ステージ保護手段およびそのような手段をサポートする実施形態が今から提供される。

    一態様では、PAステージの異なるブランチのトランジスタは一般に、長時間にわたって、動作について逆の状態に同時にあるべきではない。 最終PAステージに供給される入力のないリスタートまたはパワーオンに続いて、PAブランチ内の過渡電流(transient)は、このモードを発生させることがあり、PAステージ・トランジスタに互いを潜在的に損傷させ、または出力に接続された電流要素を潜在的に損傷させる。 したがって、本発明の実施形態はさらに、PAステージにおける出力電流を制限するために、オートバイアス・モジュールを制約する。

    別の態様では、オートバイアス・モジュールが出力電圧をPAステージ・トランジスタの降伏電圧仕様より低く制限するように保証することが望ましいことがある。 したがって、例えば、図42に示される実施形態などの本発明の実施形態では、フィードバック要素4210が、PAステージの共通コレクタ・ノードとオートバイアス・モジュールの間に結合される。 フィードバック要素4210は、PAステージ・トランジスタのコレクタ対ベース電圧を監視し、トランジスタおよび/または回路要素を保護する必要に応じて、オートバイアス信号を制約することができる。

    その他の出力ステージ保護技法も実装され得ることは当業者であれば理解されよう。 さらに、出力ステージ保護技法は、実装固有とすることができる。 例えば、PAステージ・トランジスタのタイプ(npn、pnp、NMOS、PMOS、npn/pnp、NMOS/PMOS)に応じて、異なる保護機能が必要とされることがある。

    3.6)高調波制御 本発明の実施形態によれば、各ブランチPAの基礎原理は、出力スペクトルの基本波への電力伝達を最大化することである。 一般に、各ブランチPAは、高調波が豊富な出力スペクトルを生じさせる複数ステージとすることができる。 一態様では、基本波に関して、実電力伝達が最大化される。 別の態様では、非基本波に関して、実電力伝達が最小化され、一方、虚電力伝達は許容されることができる。 本発明の実施形態による高調波制御は、様々な方法で実行されることができる。

    一実施形態では、基本波への実電力伝達は、PAステージ入力信号の波形整形手段によって最大化される。 実際には、基本波への最大実電力伝達をもたらす最適な波形整形を決定する際に、複数の要因が役割を演じる。 上で説明された本発明の実施形態3400は、PAステージ入力信号の波形整形を利用する一実施形態を表す。 実施形態3400では、複数の高調波制御回路(HCC)ネットワーク3410−{1,. . . ,n}が、各PAブランチ{1,. . . ,n}のPAステージ入力で結合される。 HCCネットワーク3410−{1,. . . ,n}は、PAステージ入力を波形整形する効果を有し、一般に、合算される出力スペクトルの基本波への実電力伝達を最大化するように選択される。 本発明の実施形態によれば、波形整形は、高調波的に多様な波形の変化を生み出すために使用されることができる。 その他の実施形態では、当業者に理解され得るように、波形整形は、プレ・ドライバおよび/またはドライバ・ステージで実行されることができる。

    別の実施形態では、高調波制御は、PA出力ステージの波形整形手段によって達成される。 図43は、本発明の例示的なPAステージ実施形態4300を示している。 実施形態4300では、オートバイアス信号4310は、対応するバイアス・インピーダンスZ1,. . . ,Z8を介して、トランジスタQ1,. . . ,Q8に結合される。 インピーダンスZ1,. . . ,Z8が異なる値を有する場合、トランジスタQ1,. . . ,Q8は、異なるバイアス・ポイントを有し、異なる時間にオンにされ得ることに留意されたい。 トランジスタQ1,. . . ,Q8にバイアスをかけるこの手法は、スタガード・バイアス(staggered bias)と呼ばれる。 スタガード・バイアスを使用すると、PA出力波形は、バイアス・インピーダンスZ1,. . . ,Z8に割り当てられた値に応じた様々な方法で整形され得ることに留意されたい。

    スタガード・バイアスを使用する高調波制御が、図49の実施形態のプロセス・フローチャート4900に示されている。 プロセスは、電力増幅器(PA)スイッチング・ステージの複数のトランジスタの第1のポートで入力信号を結合することを含むステップ4910で開始する。 例えば、図43の実施形態例では、ステップ4910は、複数のトランジスタQ1,. . . ,Q8のベース端子でPA_IN信号4310を結合することに対応する。

    ステップ4920は、複数のトランジスタの第1のポートとバイアス信号の間に複数のインピーダンスを結合することを含む。 例えば、図43の実施形態例では、ステップ4920は、それぞれのトランジスタQ1,. . . ,Q8のベース端子とIref信号の間にインピーダンスZ1,. . . ,Z8を結合することによって達成される。 一実施形態では、複数のインピーダンスの値は、入力信号の時間スタガード・スイッチング(time-staggered switching)を引き起こし、それによって、PAステージの出力信号を高調波的に整形するように選択される。 実施形態では、複数ステージ・スタガード出力は、複数のインピーダンスの複数の異なる値を選択することによって生成されることができる。 その他の実施形態では、スイッチングは、等しいまたは実質的に等しい値をもつように複数のインピーダンスを選択することによって達成される。

    図44は、2ステージ・スタガード・バイアス手法を使用する例示的な波形整形PA出力を示している。 2ステージ・スタガード・バイアス手法では、PAトランジスタの第1の組が最初に、第2の組がオンにされる前にオンにされる。 言い換えると、バイアス・インピーダンスは、2つの異なる値をとる。 波形4410は、PAステージへの入力波形を表す。 波形4420は、2ステージ・スタガード・バイアスによる波形整形PA出力を表す。 出力波形4420は、1から0に遷移するときに2段階の勾配をもち、それは、逐次的にオンになるトランジスタの第1および第2の組に対応する。

    本発明の実施形態によれば、様々な複数ステージ・スタガード・バイアス手法が設計されることができる。 バイアス・インピーダンス値は、一定でもよく、または可変でもよい。 さらに、バイアス・インピーダンス値は、等しくもしくは実質的に等しくても、異なっても、または様々な順列(permutation)に従って設定されてもよい。 例えば、図43の例を参照すると、1つの例示的な順列は、Z1=Z2=Z3=Z4およびZ5=Z6=Z7=Z8と設定することができ、2ステージ・スタガード・バイアスをもたらす。

    3.7)電力制御 本発明のベクトル電力増幅実施形態は本質的に、出力電力制御を実行するための機構を提供する。

    図45は、本発明の一実施形態による電流制御を実行するための1つの手法を示している。 図45では、フェーザー

    および

    は、第1のフェーザー

    の上側および下側構成要素を表す。

    および

    は、一定の大きさであり、位相が

    に対して位相シフト角

    だけ対称的にシフトされている。 フェーザー

    および

    は、第2のフェーザー

    の上側および下側構成要素を表す。

    および

    は、一定の大きさであり、位相が

    に対して位相シフト角

    だけ対称的にシフトされている。

    図45から、

    および

    は互いに対して同相であるが、大きさだけが異なることに留意されたい。 さらに、

    および

    は、それぞれ

    および

    に対して等しくまたは実質的に等しく位相シフトされている。 したがって、本発明によれば、信号の振幅は、その位相シフト角を変化させることなく、その構成要素信号を等しくまたは実質的に等しく対称的にシフトすることによって、操作され得ることが推察されることができる。

    上の観察によれば、出力電流制御は、所望する出力信号の構成要素信号の位相シフト角に制約を課すことによって、実行されることができる。 例えば、図45を参照すると、位相シフト角

    がとり得る値の範囲を制約することによって、大きさの制約が、

    に課されることができる。

    本発明の実施形態によれば、最大出力電力レベルは、最小位相シフト角条件を課すことによって達成されることができる。 例えば、図45を参照すると、

    のように条件を設定することによって、フェーザー

    の大きさは、一定の最大レベルを超過しないように制約される。 同様に、最大位相シフト角条件は、最小大きさレベル要件を課す。

    電流制御の別の態様では、出力電力分解能が、最小電力増加または減少ステップ・サイズによって定義される。 本発明の一実施形態によれば、出力電力分解能は、最小位相シフト角ステップ・サイズを定義することによって実装されることができる。 したがって、位相シフト角の値は、所定のステップ・サイズを有する離散値範囲に従って設定される。 図46は、例示的な位相シフト角スペクトルを示しており、それによって、位相シフト角

    は、最小ステップφ stepを有する所定の値範囲に従って設定される。

    様々な電流制御方式が上で説明された技法に類似する仕方で実装され得ることを当業者であれば理解されよう。 言い換えると、様々な電流制御アルゴリズムが、位相シフト角の値に対する対応する制約を定めることによって、本発明に従って設計されることができる。 データ伝達機能の上の説明に基づいて、電流制御方式が伝達機能実装に必然的に組み込まれることになることが明らかである。

    3.8)例示的なベクトル電力増幅器実施形態 図47は、本発明によるベクトル電力増幅器の例示的な一実施形態4700を示している。 実施形態4700は、直接カルテシアン2ブランチVPA方法によって実装されている。

    図47を参照すると、信号4710、4712は、伝達機能ステージから到来した信号を表す。 伝達機能ステージは、図47には示されていない。 ブロック4720は、本発明の一実施形態に従って任意選択的に実装され得る直交ジェネレータを表す。 直交ジェネレータ4720は、それぞれベクトル変調器4740、4742によって使用されるクロック信号4730、4732を生成する。 同様に、信号4710、4712は、ベクトル変調器4740、4742に入力される。 上で説明されたように、ベクトル変調器4740、4742は、後でPAステージによって処理される一定包絡線構成要素を生成する。 実施形態4700では、PAステージは複数ステージであり、そのため、各PAブランチは、プレ・ドライバ・ステージ4750〜4752、ドライバ・ステージ4760〜4762、および電力増幅器ステージ4770〜4772を含む。

    さらに、図47には、オートバイアス信号4774、4776、ならびに高調波制御回路およびネットワークを結合するための端子4780、4782が示されている。 端子ノード4780は、ベクトル電力増幅器の出力端子を表し、2つのPAブランチの出力を直接結合することによって獲得される。

    4. 要約 電力増幅およびアップ・コンバージョンを提供するために信号を処理することについての新しい概念についての数学的基礎が本明細書で提供された。 これらの新しい概念は、本質的に包絡線が実質的に一定の波形の和から任意の波形が構成されることを可能にする。 所望する出力信号および波形は、所望する出力信号の複素包絡線の知識から生成され得る、実質的に一定の包絡線構成要素信号から構成されることができる。 構成要素信号は、市販されておらず、文献または関連技術で教示または見出されていない、新しい独特な新規の技法を使用して合算される。 さらに、本開示で提供された様々な技法および回路の混合が、現在提供されるものと比較された場合に優れた線形性、電力追加効率、モノリシック実装、および低コストを可能にする、本発明の独特な態様を提供する。 加えて、本発明の実施形態は、本質的にプロセスおよび温度変動に対して感受性がより低い。 ある種の実施形態は、本明細書で説明された複数入力単一出力増幅器の使用を含む。

    本発明の実施形態は、ハードウェア、ソフトウェア、およびファームウェアの混合によって実装されることができる。 デジタルおよびアナログ技法がともに、マイクロ・プロセッサおよびDSPを用いてまたは用いずに、使用されることができる。

    本発明の実施形態は、通信システムおよび電子機器一般用に実装されることができる。 加えて、また限定することなく、機械学、電気機械学、電気光学、および流体力学が、効率的に信号を増幅および変換するために、同じ原理を利用することができる。

    5. 結論 本発明が、特定機能の実行およびそれらの関係を示す機能構築ブロックを活用して上で説明された。 これらの機能構築ブロックの境界は、説明の便宜上、本明細書では恣意的に定義された。 特定機能およびそれらの関係が適切に実行される限り、代替の境界も定義されることができる。 したがって、そのような代替の境界はどれも、特許請求される本発明の範囲および主旨の範囲内にある。 これらの機能構築ブロックが、離散構成要素、特定用途向け集積回路、適切なソフトウェアを実行するプロセッサなど、およびそれらの組合せによって実装され得ることを、当業者であれば理解されよう。

    本発明の様々な実施形態が上で説明されたが、それらは限定のためではなく、例としてのみ提示されたことを理解されたい。 したがって、本発明の広さおよび範囲は、上で説明された例示的な実施形態のいずれによっても限定されるべきではなく、添付の特許請求の範囲およびその均等物によってのみ確定されるべきである。

    信号のフェーザー表現を示す図である。

    例示的な時間変化複素包絡線信号の生成を説明する例の図である。

    例示的な時間変化複素包絡線信号の生成を説明する別の例の図である。

    2つ以上の一定の包絡線信号の和からの例示的な時間変化複素包絡線信号の生成を説明する一例の図である。

    本発明の一実施形態による時間変化複素包絡線信号例の電力増幅を示す図である。

    本発明のベクトル電力増幅実施形態を示すブロック図である。

    時間変化複素包絡線信号のフェーザー表現を示す図である。

    時間変化複素包絡線信号を生成するための変調例を示す図である。

    時間変化複素包絡線信号を生成するための変調例を示す図である。

    時間変化複素包絡線信号を生成するための変調例を示す図である。

    時間変化包絡線信号の一定包絡線分解を説明する例の図である。

    本発明の一実施形態によるカルテシアン4ブランチ・ベクトル電力増幅(VPA)方法を説明するフェーザー図である。

    カルテシアン4ブランチVPA方法の例示的な一実施形態を示すブロック図である。

    カルテシアン4ブランチVPA方法による電力増幅についてのプロセス・フローチャート実施形態である。

    カルテシアン4ブランチVPA方法を実装するためのベクトル電力増幅器の例示的な一実施形態を示すブロック図である。

    カルテシアン4ブランチVPA方法を実装するためのベクトル電力増幅器の別の例示的な実施形態を示すブロック図である。

    カルテシアン4ブランチVPA方法によるベクトル電力増幅器の別の例示的な実施形態を示すブロック図である。

    カルテシアン4ブランチVPA方法によるベクトル電力増幅器の別の例示的な実施形態を示すブロック図である。

    カルテシアン4ブランチVPA方法によるベクトル電力増幅器の別の例示的な実施形態を示すブロック図である。

    カルテシアン4ブランチVPA方法によるベクトル電力増幅器の別の例示的な実施形態を示すブロック図である。

    本発明の一実施形態のカルテシアン極カルテシアン極(CPCP)2ブランチ・ベクトル電力増幅(VPA)方法を示すフェーザー図である。

    本発明の一実施形態のカルテシアン極カルテシアン極(CPCP)2ブランチ・ベクトル電力増幅(VPA)方法を示すフェーザー図である。

    CPCP2ブランチVPA方法の例示的な一実施形態を示すブロック図である。

    CPCP2ブランチVPA方法の別の例示的な実施形態を示すブロック図である。

    CPCP2ブランチVPA方法による電力増幅についてのプロセス・フローチャート実施形態である。

    CPCP2ブランチVPA方法を実施するためのベクトル電力増幅器の例示的な一実施形態を示すブロック図である。

    CPCP2ブランチVPA方法を実施するためのベクトル電力増幅器の別の例示的な実施形態を示すブロック図である。

    CPCP2ブランチVPA方法を実施するためのベクトル電力増幅器の別の例示的な実施形態を示すブロック図である。

    CPCP2ブランチVPA方法を実施するためのベクトル電力増幅器の別の例示的な実施形態を示すブロック図である。

    CPCP2ブランチVPA方法を実施するためのベクトル電力増幅器の別の例示的な実施形態を示すブロック図である。

    本発明の一実施形態の直接カルテシアン2ブランチ・ベクトル電力増幅(VPA)方法を示すフェーザー図である。

    直接カルテシアン2ブランチVPA方法の例示的な一実施形態を示すブロック図である。

    直接カルテシアン2ブランチVPA方法の別の例示的な実施形態を示すブロック図である。

    直接カルテシアン2ブランチVPA方法による電力増幅についてのプロセス・フローチャート実施形態である。

    直接カルテシアン2ブランチVPA方法を実装するためのベクトル電力増幅器の例示的な一実施形態を示すブロック図である。

    直接カルテシアン2ブランチVPA方法を実装するためのベクトル電力増幅器の別の例示的な実施形態を示すブロック図である。

    直接カルテシアン2ブランチVPA方法を実装するためのベクトル電力増幅器の別の例示的な実施形態を示すブロック図である。

    直接カルテシアン2ブランチVPA方法を実装するためのベクトル電力増幅器の別の例示的な実施形態を示すブロック図である。

    直接カルテシアン2ブランチVPA方法を実装するためのベクトル電力増幅器の別の例示的な実施形態を示すブロック図である。

    カルテシアン4ブランチVPA方法によるIおよびQデータの伝達機能を示すプロセス・フローチャートである。

    カルテシアン4ブランチVPA方法によるIおよびQデータの伝達機能の例示的な一実施形態を示すブロック図である。

    CPCP2ブランチVPA方法によるIおよびQデータの伝達機能を示すプロセス・フローチャートである。

    CPCP2ブランチVPA方法によるIおよびQデータの伝達機能の例示的な一実施形態を示すブロック図である。

    直接カルテシアン2ブランチVPA方法によるIおよびQデータの伝達機能を示すプロセス・フローチャートである。

    直接カルテシアン2ブランチVPA方法によるIおよびQデータの伝達機能の例示的な一実施形態を示すブロック図である。

    信号フェーザーの表現に対する波形歪みの効果を示すフェーザー図である。

    本発明の一実施形態による振幅から位相シフトへの変換関数を示す図である。

    本発明の一実施形態によるバイアシング回路の例示的な実施形態を示す図である。

    本発明の一実施形態による一定包絡線信号を合成する方法を示す図である。

    本発明によるベクトル電力増幅器出力ステージ実施形態を示す図である。

    電力増幅器(PA)出力ステージ実施形態のブロック図である。

    別の電力増幅器(PA)出力ステージ実施形態のブロック図である。

    別の電力増幅器(PA)出力ステージ実施形態のブロック図である。

    本発明による別の電力増幅器(PA)出力ステージ実施形態のブロック図である。

    本発明による別の電力増幅器(PA)出力ステージ実施形態のブロック図である。

    本発明による別の電力増幅器(PA)出力ステージ実施形態のブロック図である。

    本発明による別の電力増幅器(PA)出力ステージ実施形態のブロック図である。

    本発明の一実施形態による出力信号例を示す図である。

    例示的なPA実施形態を示す図である。

    時間変化複素包絡線PA出力信号および対応する包絡線信号の例を示す図である。

    PA出力ステージ電流のタイミング図例である。

    例示的な出力ステージ電流制御機能を示す図である。

    別の電力増幅器(PA)出力ステージ実施形態のブロック図である。

    例示的なPAステージ実施形態を示す図である。

    例示的な波形整形されたPA出力信号を示す図である。

    電流制御方法を示す図である。

    別の電流制御方法を示す図である。

    例示的なベクトル電力増幅器実施形態を示す図である。

    本発明の一実施形態による出力ステージ電流整形を実装するためのプロセス・フローチャートである。

    本発明の一実施形態による高調波制御を実装するためのプロセス・フローチャートである。

    本発明の一実施形態による電力増幅についてのプロセス・フローチャートである。

    例示的な複数入力単一出力(MISO)出力ステージ実施形態を示す図である。

    例示的な複数入力単一出力(MISO)出力ステージ実施形態を示す図である。

    例示的な複数入力単一出力(MISO)出力ステージ実施形態を示す図である。

    例示的な複数入力単一出力(MISO)出力ステージ実施形態を示す図である。

    例示的な複数入力単一出力(MISO)出力ステージ実施形態を示す図である。

    例示的な複数入力単一出力(MISO)出力ステージ実施形態を示す図である。

    例示的な複数入力単一出力(MISO)出力ステージ実施形態を示す図である。

    例示的な複数入力単一出力(MISO)出力ステージ実施形態を示す図である。

    例示的な複数入力単一出力(MISO)出力ステージ実施形態を示す図である。

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