システムの改善された安定性のためのシステム及び方法

申请号 JP2016080776 申请日 2016-04-14 公开(公告)号 JP2016208826A 公开(公告)日 2016-12-08
申请人 ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ; 发明人 チャイタニヤ・アショク・バオーネ; ナレッシュ・アチャリヤ; ニランジャン・レイ・チョウドリー;
摘要 【課題】発電システムの発電再ディスパッチを使用して電 力 システム振動安定性を強化するのに適した技法を提供する。 【解決手段】プロセッサ38を含む発電再ディスパッチ最適化(GRDO)システム10であって、プロセッサは、複数のグリッドシステム偶発事故から少なくとも1つのグリッドシステム偶発事故を選択するように構成される。プロセッサは、少なくとも1つのグリッドシステム偶発事故に基づいて1つ又は複数の固有感度値を導出するように更に構成される。プロセッサはまた、固有感度値に少なくとも部分的に基づいて1つ又は複数の制御アクションを導出するように更に構成される。プロセッサは、電力グリッドシステムの発電再ディスパッチのために1つ又は複数の制御アクションを適用するように更に構成される。 【選択図】図1
权利要求

システムであって、 プロセッサ(38)を備え、前記プロセッサ(38)は、 複数のグリッドシステム偶発事故から少なくとも1つのグリッドシステム偶発事故を選択し、 前記少なくとも1つのグリッドシステム偶発事故に基づいて1つ又は複数の固有感度値を導出し、 前記固有感度値に少なくとも部分的に基づいて1つ又は複数の制御アクションを導出し、 グリッドシステム(8)の発電再ディスパッチのために前記1つ又は複数の制御アクションを適用する ように構成される、システム。前記プロセッサ(38)は、摂動によって、複数の発電機システム(152、154、156、158)内に含まれる1つの発電機システム(152、154、156、158)の電に摂動を与えることによって、前記1つ又は複数の固有感度値を導出し、前記複数の発電機システム(152、154、156、158)の残りの発電機システムの間で前記摂動を分配するように構成される、請求項1記載のシステム。前記摂動は、前記複数の発電機システム(152、154、156、158)の残りの発電機システムの間で平等に分配される、請求項2記載のシステム。前記1つ又は複数の固有値の第1の固有値は、前記グリッドシステム(8)の特定の振動モードについてベースケースシグマを示すベースケースσbaseを含む、請求項1記載のシステム。前記1つ又は複数の固有値の第2の固有値は、前記グリッドシステム(8)の特定の振動モードについて偶発事故後ケースシグマを示す偶発事故後ケースσpostを含む、請求項1記載のシステム。前記プロセッサ(38)は、再ディスパッチ後で偶発事故後の条件に対応するシグマが、所望の減衰比、所望のセトリングタイム、又はその組合せを示す閾値を超えるように前記ベースケースσbaseを移動させるように構成される、請求項4記載のシステム。前記1つ又は複数の固有値の第3の固有値は、σtargetを含み、前記プロセッサ(38)は、前記σbase及びΔσtargetを使用することによってσtargetを導出するように構成される、請求項4記載のシステム。前記プロセッサ(38)は、σpost-target及びσpostを適用することによってΔσtargetを導出するように構成され、前記σpost-targetは、前記グリッドシステム偶発事故後のターゲットセトリングタイムを示し、前記σpostは、前記グリッドシステム偶発事故後のセトリングタイムを含む、請求項7記載のシステム。前記1つ又は複数の制御アクションを導出するための最適化問題を解くため2次計画法を適用することを含む、請求項1記載のシステム。前記最適化問題は、 を含み、ここで、Ngは、前記グリッドシステム(8)に含まれる発電機システム(152、154、156、158)の総数であり、ΔPiは、前記発電機システム(152、154、156、158)の各発電機システムiについての再ディスパッチ電力の量である、請求項9記載のシステム。前記1つ又は複数の制御アクションが容認できるかどうかを判定するため、また、容認できる場合、前記発電再ディスパッチのために前記制御アクションを適用するため、前記1つ又は複数の制御アクションをシミュレートすることを含む、請求項1記載のシステム。方法であって、 複数のグリッドシステム偶発事故から少なくとも1つのグリッドシステム偶発事故を、プロセッサ(38)によって選択すること、 前記少なくとも1つのグリッドシステム偶発事故に基づいて1つ又は複数の固有感度値を、前記プロセッサ(38)によって導出すること、 前記固有感度値に少なくとも部分的に基づいて1つ又は複数の制御アクションを、前記プロセッサ(38)によって導出すること、及び、 グリッドシステム(8)の発電再ディスパッチのために前記1つ又は複数の制御アクションを、前記プロセッサ(38)によって適用することを含む、方法。前記1つ又は複数の固有感度値を、前記プロセッサ(38)によって導出することは、摂動によって、複数の発電機システム(152、154、156、158)内に含まれる1つの発電機システムの電力に摂動を与えること、及び、前記複数の発電機システム(152、154、156、158)の残りの発電機システムの間で前記摂動を分配することを含む、請求項12記載の方法。前記グリッドシステム(8)のシミュレーションモデルを、前記プロセッサ(38)によって生成することを含み、前記シミュレーションモデルは、1つ又は複数の発電システム、1つ又は複数の負荷、並びに、前記1つ又は複数の発電システムを前記1つ又は複数の負荷に電気結合させる1つ又は複数の電力線を備え、前記1つ又は複数の固有感度値を、前記プロセッサ(38)によって導出することは、摂動によって、複数の発電機システム(152、154、156、158)内に含まれる1つの発電機システムの電力に摂動を与えること、及び、前記複数の発電機システム(152、154、156、158)の残りの発電機システムの間で前記摂動を分配することを含み、前記電力に摂動を与えることは、前記シミュレーションモデルのシミュレーションを実行することを含む、請求項12記載の方法。前記1つ又は複数の固有感度値を、前記プロセッサ(38)によって導出することは、1つ又は複数の負荷ベース固有感度値を、前記プロセッサ(38)によって導出することを含み、前記1つ又は複数の制御アクションは、前記グリッドシステム(8)から電力を受取るように構成される1つ又は複数の負荷の制御を含む、請求項12記載の方法。命令を格納する非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記命令は、プロセッサ(38)によって実行されると、前記プロセッサ(38)が、 複数のグリッドシステム偶発事故から少なくとも1つのグリッドシステム偶発事故を選択し、 前記少なくとも1つのグリッドシステム偶発事故に基づいて1つ又は複数の固有感度値を導出し、 前記固有感度値に少なくとも部分的に基づいて1つ又は複数の制御アクションを導出し、 グリッドシステム(8)の発電再ディスパッチのために前記1つ又は複数の制御アクションを適用する ようにさせる、非一時的コンピュータ可読媒体。前記プロセッサ(38)が前記1つ又は複数の固有感度値を導出するようにさせる前記命令は、前記プロセッサ(38)が、摂動によって、複数の発電機システム(152、154、156、158)内に含まれる1つの発電機システムの電力に摂動を与え、前記複数の発電機システム(152、154、156、158)の残りの発電機システムの間で前記摂動を分配するようにさせる命令を含む、請求項16記載の非一時的コンピュータ可読媒体。前記1つ又は複数の固有感度値は、前記グリッドシステム(8)の特定の振動モードについてベースケースシグマを示すベースケースσbaseを含み、前記命令は、前記プロセッサ(38)が、前記ベースケースσbaseが、所望の減衰比、所望のセトリングタイム、又はその組合せを示す閾値を超えるように前記ベースケースσbaseを移動させるようにさせる命令を含む、請求項16記載の非一時的コンピュータ可読媒体。前記プロセッサ(38)が、前記1つ又は複数の制御アクションを導出するための最適化問題を解くため2次計画法を適用するようにさせる命令を含み、前記最適化問題は、 を含み、ここで、Ngは、前記グリッドシステム(8)に含まれる発電機システム(152、154、156、158)の総数であり、ΔPiは、前記発電機システム(152、154、156、158)の各発電機システムiについての再ディスパッチ電力の量である、請求項16記載の非一時的コンピュータ可読媒体。前記1つ又は複数の制御アクションが容認できるかどうかを判定するため、また、容認できる場合、前記発電再ディスパッチのために前記制御アクションを適用するため、前記プロセッサ(38)が、前記1つ又は複数の制御アクションをシミュレートするようにさせる命令を含む、請求項16記載の非一時的コンピュータ可読媒体。

说明书全文

本明細書で開示される主題は、発電システムに関し、より具体的には、発電システムの発電再ディスパッチを使用して電システム振動安定性を強化するのに適した技法に関する。

電力グリッドは、電力を発生するのに適した発電システムを含むことができる。電力は、その後、居住世帯及び商業用施設を含む種々のエンティティが消費するため、電気グリッドインフラストラクチャを介して配電及び送電することができる。電力消費は、他の因子の中でもとりわけ、エンティティのニーズ及び運用に応じて変動する場合がある。現代の電力システムにおいて、多数の発電機及び関連するコントローラが存在する場合があり、単純な抵抗性負荷から電子コントローラを有する複雑な負荷に及ぶ多くのタイプの負荷が存在する。負荷の流入量及び異なる負荷タイプは、電力システムの複雑さ及び非線形性を増加させる。結果として、電力システムは、複雑な非線形動的システムである。

システム運用者は、発電再ディスパッチによってグリッドシステムの運転を強化することができ、発電再ディスパッチにおいて、発電施設は、運転中に遭遇する場合がある或る振動モード下で電力生成及び配電を改善するように再構成される。例えば、電力生成システムは、不十分に減衰される複数の周波数の振動モードを有する場合がある。これらのモードの減衰は、より安定した電力生成、配電、及び送電をもたらす。減衰されない場合、振動は、望ましくない電気グリッド問題をもたらす場合があり、また、電力生成システムがその負荷又は需要家需要においてより大きな変動を受けるため、より頻繁になる場合がある。発電システムの発電再ディスパッチによってこうしたモードの減衰を改善する技法を提供することが有用である場合がある。

米国特許出願公開第2013/0234680号明細書

当初特許請求される本発明と範囲が相当する或る実施形態が以下で要約される。これらの実施形態は、特許請求される本発明の範囲を制限することを意図されるのではなく、むしろ、これらの実施形態は、本発明の考えられる形態の簡潔な要約を提供することだけを意図される。実際には、本発明は、以下で述べる実施形態と同様であるか又は異なる場合がある種々の形態を包含することができる。

第1の実施形態は、プロセッサを含むシステムを提供する。プロセッサは、複数のグリッドシステム偶発事故から少なくとも1つのグリッドシステム偶発事故を選択するように構成される。プロセッサは、少なくとも1つのグリッドシステム偶発事故に基づいて1つ又は複数の固有感度値を導出するように更に構成される。プロセッサはまた、固有感度値に少なくとも部分的に基づいて1つ又は複数の制御アクションを導出するように更に構成される。プロセッサは、グリッドシステムの発電再ディスパッチのために1つ又は複数の制御アクションを適用するように更に構成される。

第2の実施形態は、方法を提供し、方法は、複数のグリッドシステム偶発事故から少なくとも1つのグリッドシステム偶発事故を、プロセッサによって選択することを含む。方法は、少なくとも1つのグリッドシステム偶発事故に基づいて1つ又は複数の固有感度値を、プロセッサによって導出することを更に含む。方法は、固有感度値に少なくとも部分的に基づいて1つ又は複数の制御アクションを、プロセッサによって導出することを更に含む。方法はまた、グリッドシステムの発電再ディスパッチのために1つ又は複数の制御アクションを、プロセッサによって適用することを含む。

第3の実施形態は、命令を格納する非一時的コンピュータ可読媒体を提供し、命令は、プロセッサによって実行されると、プロセッサが、複数のグリッドシステム偶発事故から少なくとも1つのグリッドシステム偶発事故を選択するようにさせる。命令は、プロセッサが、少なくとも1つのグリッドシステム偶発事故に基づいて1つ又は複数の固有感度値を導出するように更にさせる。命令はまた、プロセッサが、固有感度値に少なくとも部分的に基づいて1つ又は複数の制御アクションを導出するようにさせる。命令は、プロセッサが、グリッドシステムの発電再ディスパッチのために1つ又は複数の制御アクションを適用するように更にさせる。

本発明のこれらの、及び他の特徴、態様、及び利点は、以下の詳細な説明を、添付図面を参照して読むと、より理解されるであろう。添付図面において、同様の参照符号は、図面全体を通じて同様の部品を示す。

発電、送電、及び配電システムの一実施形態のブロック図である。

発電機システムのモード形状グループ化の一実施形態のグリッド図である。

発電機システムの固有感度グループ化の一実施形態のグリッド図である。

11の配電線によって相互接続される4つの発電機システムの一実施形態を示す概略図である。

改善された発電再ディスパッチのために適した固有値実数部感度及び閾値を示すグラフである。

N−1の偶発事故を含む改善された発電再ディスパッチのために適したプロセスの一実施形態のフローチャートである。

本発明の1つ又は複数の特定の実施形態が以下で説明される。これらの実施形態の簡潔な説明を提供しようとして、本明細書において、実際の実装形態の全ての特徴が述べられない場合がある。こうしたいかなる実際の実装形態の開発においても、いずれの工学的プロジェクト又は設計プロジェクトとも同様に、実装形態ごとに異なる場合があるシステム関連制約及びビジネス関連制約の順守等の、開発者の特定の目標を達成するための多数の実装形態固有の意思決定が行われなければならないことを認識されたい。更に、こうした開発努力は、複雑で時間がかかるが、それでも、本開示の利益を受ける当業者にとって、設計、製作、製造の日常的な仕事であることを認識されたい。

本発明の種々の実施形態の要素を導入するとき、冠詞「1つの(a)」、「1つの(an)」、「その(the)」、及び「前記(said)」は、その要素の1つ又は複数が存在することを意味することを意図される。「備える(comprising)」、「含む(including)」、及び「有する(having)」という用語は、包含的であることを意図され、挙げた要素以外の更なる要素が存在する場合があることを意味する。

本開示は、発電再ディスパッチによって振動安定性を改善するのに適した技法を述べる。本明細書で更に述べるように、或る制御要素を予防的に識別するための感度因子及び最適化ベースのアプローチ並びに電力システムエリア内振動問題をリアルタイムに又はほぼリアルタイムに解決するのに適したその最適制御アクションが提供される。制御要素及びアクションは、発電機有効電力再ディスパッチ、負荷シェディング、キャパシタバンク切換え等を含む場合がある。一実施形態において、制御変数の変化に関する固有値の感度は、電力システムモデルに摂動を与えることによって確定される。摂動は、制約付き最適化問題に対する入力として使用するのに適した情報をもたらす場合がある。最適化問題を、電力システムについて最小量の減衰を提供するように構成することができる。最適化問題を、その後、或る制御アクションの全体の量及びコストを最小にすること等の目的を使用することによって解くことができる。

有利には、本明細書で述べる技法は、発電機システムが利用可能でなくなるシナリオ、配電線がダウンするシナリオ等の信頼できる「状況を仮定した(what if)」シナリオの場合に、グリッド安定性を増加させることができる標的固有値のより予防的な確定を可能にする。ソフトウェアベースツール、ハードウェアベースツール、又はその組合せ等のツールは、公益事業者制御室内で作成され配設される場合があり、また、入力として、解決される電力潮流事例、関連する動的モデル、及び重大な偶発事故を採用し、出力として、振動問題を解決することができるより最適な制御アクションを導出することになる。

前記を考慮すると、図1に示すように、発電再ディスパッチ最適化(GRDO:generation re−dispatch optimization)システム10に運転可能に結合された電力グリッドシステム8等のシステムの一実施形態を述べることが有用である場合がある。示すように、電力グリッドシステム8は、1つ又は複数の公益事業者12を含むことができる。公益事業者12は、電力グリッドシステム8の電力生成及び監督運転(oversight operations)を可能にする場合がある。例えば、公益事業者制御センタ14は、1つ又は複数の発電ステーション16及び代替の発電ステーション18によって生成される電力をモニターし方向付けることができる。発電ステーション16は、燃料のために、ガス、石炭、バイオマス、及び他の炭素質製品を使用する発電ステーション等の従来の発電ステーションを含むことができる。代替の発電ステーション18は、電気を生成するため、太陽光電力、風力電力、力電力、地熱電力、及び他の代替の電力源(例えば、再生可能エネルギー)を使用する発電ステーションを含むことができる。他のインフラストラクチャ構成要素は、水電力生成プラント20及び地熱電力生成プラント22を含むことができる。例えば、水電力生成プラント20は水力発電を可能にすることができ、地熱電力生成プラント22は地熱発電を可能にすることができる。

発電ステーション16、18、20、及び22が発生する電力は、送電グリッド24を通して送電することができる。送電グリッド24は、1つ又は複数の地方自治体、州、又は国等の1つ又は複数の広い地理的領域をカバーすることができる。送電グリッド24はまた、単相交流(AC:alternating current)システムである場合があるが、最も一般的に3相ACシステムである場合がある。示すように、送電グリッド24は、一連のオーバヘッド電気伝導体を種々の構成で支持する一連の塔を含むことができる。例えば、超高電圧(EHV:extreme high voltage)伝導体は、3つの相のそれぞれについて1つの伝導体を有する3つの伝導体束で配置することができる。送電グリッド24は、110キロボルト(kV)〜765キロボルト(kV)の範囲内の公称システム電圧をサポートすることができる。示す実施形態において、送電グリッド24は、分配システム(例えば、配電サブステーション26)に電気結合することができる。配電サブステーション26は、伝送電圧(例えば、765kV、500kV、345kV、又は138kV)からの到来電力の電圧を1次分配電圧(例えば、13.8kV又は4160V)及び2次分配電圧(例えば、480V、230V、又は120V)に変換する変圧器を含むことができる。

高度計量インフラストラクチャ(Advanced metering infrastructure)メータ(例えば、スマートメータ)30が使用されて、商用需要家32及び家庭用需要家34に送出される電力に基づいて電力関連情報をモニターし通信することができる。例えば、スマートメータ30は、グリッド8、及び、電力使用量、電圧、周波数、位相、電力品質モニタリング、及び同様なものを含む種々の情報を通信するのに適したGRDO10との一方向及び/又は2方向通信を含むことができる。スマートメータ30は、情報、例えば、需要応答アクション、時間帯別料金情報(time−of−use pricing information)、遠隔サービス遮断、及び同様なものを更に受信することができる。

需要家32、34は、家庭用機器、産業用機械、通信機器、及び同様なもの等の種々の電力消費デバイス36を運転することができる。或る実施形態において、電力消費デバイス36は、グリッドシステム8、GRDO10、及び/又はメータ30に通信可能に結合することができる。例えば、電力消費デバイス36は、スイッチを含むことができ、スイッチは、遠隔で作動されて、デバイス36をターンオン/オフする、かつ/又は、電力消費を変化させる(例えば、暖房、換気、及び空調(HVAC:heating ventilation and air conditioning)温度設定点を下げるか又は上げる)ことができる。スマートメータ30及び電力消費デバイス36は、例えば、ホームエリアネットワーク(HAN:home area network)(居住需要家34用)、ワイヤレスエリアネットワーク(WAN:wireless area network)、電力線ネットワーク、ローカルエリアネットワーク(LAN:local area network)、メッシュネットワーク、及び同様なものを通して通信可能に結合することができる。

先に述べたように、GRDO10は、グリッドシステム8(スマートグリッド)に運転可能に結合し、発電再ディスパッチをより効率的に管理するために使用することができる。GRDO10は、ソフトウェアシステム及び/又はハードウェアシステムであるとすることができる。したがって、GRDO10は、メモリ40に格納されたコンピュータコード又は命令を実行するのに適したプロセッサ38を含むことができる。GRDO10は、発電機システム、電力貯蔵システム、及び負荷等の、制御される可能性があるグリッドシステム10内の種々のデバイスに制御信号を提供することができる。一実施形態において、GRDO10は、公益事業者制御センタ14内に配設することができ、また、振動モード挙動を含むグリッド8の挙動を観測し管理するために使用することができる。例えば、GRDO10は、グリッド8からのデータのログを連続的にとって、感度因子、固有値ベースモデル、制約付き最適化問題等のような或る計算を調整し、それにより、振動モードに対してより最適な応答を提供することができる。GRDO10は、その後、発電機有効電力再ディスパッチ、負荷シェディング、キャパシタバンク切換え等を管理するのに適した導出物を提供することができる。種々の振動モードに応答するのに適した動的システムを提供することによって、GRDO10は、種々の振動状態に対する応答を含むグリッドシステム8のより最適な管理をもたらすことができる。

図2及び3は、発電システムの或るグループ化を示す、グリッド8の地理的に局在化された部分のグリッド図の実施形態を示す図である。図2に示すように、地理的エリア100及び102が示される。地理的エリア100及び102は、発電機104〜136によってサーブすることができる。すなわち、発電機104〜136からの電力が使用されて、地理的エリア100、102内の電気デバイス又は負荷を運転することができる。発電機104〜136を示すアイコンは、或る振動モード中に振動方向を示すベクトル又は矢印を含む。図2に示す実施形態において、モードは、6%と8%との間の減衰を有する0.3Hzと0.5Hzとの間の周波数を含むことができる。発電機104、106、108は、図の中の発電機110〜136に対して振動しているものとして示される。更に、図2の発電機104〜136は、モード形状(mode−shape)によってグループ化される。

モード形状によってグループ化するため、システム行列(例えば、グリッド8を示す行列)の右固有ベクトルφを導出することができ、右固有ベクトルφは、特定のモード、例えば、6%と8%との間の減衰を有する0.3Hzと0.5Hzとの間の周波数を有する図2に示すモードにおける或る発電機(例えば、発電機104〜136)の関与を示す。特定のモードにおける各発電機104〜136の関与の意義は、モード形状φによって導出される。モード形状φを、

を解くこと等、固有値及び固有ベクトル分析を通して、解くことができ、 ここで、λは固有値であり、Asysはシステム行列であり、γは発電又は負荷を示すパラメータであり、φはモード形状(例えば、Asysの右固有ベクトル)であり、ψはAsysの左固有ベクトルであり、iは特定の発電機(例えば、発電機104〜136)を示す。

モード形状グループ化を適用することによって、発電機104〜136は、振動方向を示す矢印を有して示される。本明細書で述べる技法は、図3に示すように、固有感度グループ化を提供することができる。モード形状φだけに依存するのではなく、固有感度グループ化において、固有感度は、特定の発電機(例えば、発電機104〜136のうちの1つの発電機)の電力の小さな摂動が、特定の関心モードに対応する固有値にどのように影響を及ぼすかを導出する。換言すれば、方程式1の全体は、発電機電力の小さな変化に基づいて固有値の変化を確定すると考えられる。したがって、固有感度に基づいて発電機(例えば、発電機104〜136)がグループ化される場合、より的を絞った固有感度グループ138を提供することができる。図示するように、固有感度グループ138は、発電機110、112、114、118、120、122、124、及び136を含む。固有感度及びより的を絞った固有感度グループ(例えば、グループ138)を提供することによって、本明細書で述べる技法は、より効率的でかつ改善された発電再ディスパッチを提供することができる。例えば、本明細書で述べる技法は、1)どの発電機が出力を増加させるべきか、また、どの発電機が出力を減少させるべきか、2)どの発電機が、或る振動モードに影響を及ぼすときにより効率的であることになるか、3)振動を減衰させるのに適したより最適な量の発電再ディスパッチは何か、また、4)どのようにして複数の振動モード間のネガティブな相互作用をよりよく回避するかを導出することができる。

ここで図4を考えると、図は、σ、減衰比、及び/又はセトリングタイムを導出するのに適した4発電機電力生成及び配電システム150の一実施形態の略図であり、σは、ωで示す虚数部と対照的に、固有値λの実数部である。低いσは、高い減衰比及び低いセトリングタイム(例えば、振動を減衰させる時間)に対応する。σを導出することによって、減衰比及びセトリングタイムが導出される可能性がある。σ又は固有値感度を導出するため、発電機システム、例えば数値152で示すG1、発電機システムG1は、少量、例えば、100MWだけの増加電力によって摂動が与えられ、また、一実施形態において、残りの発電機システム(例えば、数値154で示す発電機システムG2、数値156で示す発電機システムG3、及び数値158で示す発電機システムG4)は、互いの間で均等に摂動を与えられて(例えば、それぞれが、減少電力33.33MWによって摂動を与えられて)、ゼロのシステム全体総摂動(total perturbation system−wide of zero)に達する。摂動シナリオに対応する新しい固有値λが計算される。したがって、感度

及び/又は

を、固有値λの実数部σ、虚数部ω、及びPに基づいて計算することができる。ここで、Pは摂動電力(例えば、100MW)である。別の摂動シナリオにおいて、残りの発電機システム(例えば、数値154で示す発電機システムG2、数値156で示す発電機システムG3、及び数値158で示す発電機システムG4)は、互いの間で非均等に摂動を与えられる場合があるが、ゼロのシステム全体総摂動を有する。

更に、N−1の偶発事故等の或る偶発事故を、識別し、固有感度導出中に使用することができる。N−1の偶発事故は、発電機システム又は送電線等の1つのシステムのオフライン化を指すことができる。例えば、送電線A〜Kのうちの任意の送電線がダウンすること、発電機システムG1〜G4がダウンすること、及び/又はその組合せ等の或る偶発事故が考慮され、電力出力が、所望の振動モード減衰を可能にするように調整される場合がある。第1に、固有感度Sを、偶発事故後の状況下で(すなわち、偶発事故が起こった後に)各発電機システムG1〜G4(又は、キャパシタバンク等の他の電力源)について計算することができる。一実施形態において、以下に示す或る方程式を使用することができる。

ここで、σpostは偶発事故後に(例えば、発電機又は線がダウンした後に)計算されたσに対応し、σpost-targetは、偶発事故後に達成されることが所望されるターゲットσに対応する。したがって、それぞれが或る偶発事故に基づく複数のΔσtargetを導出することができる。その後、Δσtargetが使用されて、以下で規定されるσtargetを計算することができる。

ここで、σbaseは、ベースケースσ(例えば、偶発事故前の運転)に対応する。その後、システム8は、σtargetに合うように運転することができる。σtargetに合うように運転することは、偶発事故後のσpost-targetに等しいワーストケースσをもたらす場合があり、ワーストケースσは、所望の減衰比で及び/又はターゲットセトリングタイム後に運転するのに適した所望の値にセットされなければならない。したがって、再ディスパッチ後のシステムは偶発事故によりよく応答することができる。実際には、本明細書で述べる技法は、或る偶発事故(例えば、線のダウン、発電機の運転不能)が起こった場合でも、システム8が所望の減衰比を含む、かつ/又は、所望のセトリングタイムに達するように適用することができる。

上述した導出物を絵で示すことが有用である場合がある。したがって、図5は、−0.14の値を有するベースケースσ0178(例えば偶発事故前のケース)を示すグラフ170の一実施形態を示す。σ1172、σ2184、及びσ3182は、−0.10、−0.11、及び−0.12の値をそれぞれ有する3つの偶発事故に対応するシグマである。図5に示す値は例に過ぎず、また、他の値又は値の範囲を使用することができることが留意されたい。或る(又は、全ての)考えられる偶発事故についてシステムが安定であるために、偶発事故後のシグマは、−0.13等の閾値にあるか又はそれを超える必要がある。−0.13の閾値が、例での使用のためのものであり、他の値を導出又は提供することができることが留意される。目的は、図に示すように、例えば、全ての重大な偶発事故が所望の閾値にあるか又はそれを超えるように、ベースケース178の運転状態を「移動させる(move)」又は変更することである。この実施形態において、σ1は、その値がゼロに最も近いため、ワースト偶発事故に対応するとすることができる。示す実施形態において、σ1172を、軸174の現在の位置から、或る減衰比(例えば、5〜8%)及び/又は或るセトリングタイム(例えば、10〜40秒)を示すことができる−0.13の値を有する少なくとも閾値又はσtarget176まで移動させることが所望される場合がある。本明細書で述べる値が例に過ぎず、任意の数の値を使用することができることもまた留意される。σ1172をσtarget176まで移動させるのに適した量は−0.03(すなわち、−0.13に付加された−0.10)である。

偶発事故ケースを所望の閾値(例えば、−0.13)に維持するため、−0.14の現在位置から新しい位置−0.17への移動が行われ、偶発事故後に、所望の減衰比(例えば、5〜8%)及び/又は或るセトリングタイム(例えば、10〜40秒)を提供することができるσ0180をもたらすことができる。再ディスパッチの量がワースト偶発事故に基づいて確定されるため、残りの重大性が低い偶発事故は、暗黙的に、ディスパッチ後に安定になることになる。

特定の例、例えば、図4の線G−Hがモード1(例えば、6%と8%との間の減衰を有する、周波数が0.3Hzと0.5Hzとの間にあるモード)の下になる偶発事故を提供することもまた有用である場合がある。固有感度S(例えば、

及び/又は

)を、偶発事故後σpostが−0.12になるように導出され、σbaseが−0.08になるように導出されるように、モード1について計算することができる。システム8の運用者は、偶発事故後ターゲットが−0.13にセットされることを所望する場合がある。したがって、方程式2は、Δσtarget=−0.13−0.12=−0.25をもたらす。その後、方程式3は、σtarget=−0.25+(−0.08)=−0.33をもたらす。したがって、ターゲットσとして0.33を維持するように再ディスパッチを維持することが有益であることになる。

2次計画法(QP:quadratic programming)等の或る技法が使用されて、QP最適再ディスパッチを確定し、それにより、ターゲットσを提供することができる。例えば、モード1の場合:

である。

ここで、minJは最小発電再ディスパッチを示し、Ngは発電機の総数であり、ΔPiは発電機iについての再ディスパッチの量である。minJは、その後、制約:

を受ける。

ここで、Siはi番目の発電機の電力の変化に対する固有値の実数部の感度であり、σbaseはベースケースについての固有値の実数部であり、σtargetはディスパッチ後の固有値の標的又は所望の実数部であり、

は発電機iについての最小の所望の再ディスパッチであり、

は発電機iについての再ディスパッチ用の最大限度であり(通常、ユニット当たり1にセットされる)、

及び

は、発電機iについての固有値の虚数部の偏差(deviation)に関する、それぞれ、最小制約及び最大制約である。

電力生成デバイス又は電力貯蔵デバイス(例えば、発電機、キャパシタバンク)に加えて、本明細書で述べる技法は、負荷変化を組込むことができる。実際には、その電力が制御される可能性がある任意の数のデバイスが、本明細書で述べる技法を使用して再ディスパッチされる可能性がある。実際には、幾つかの負荷点(例えば、図1の34、36)がシステム8内の幾つかの発電点をかなり超えている間に、負荷についての固有感度SLを計算し使用することができる。SLが計算されると、SLを、Sの代わりに上述したように使用することができる。負荷の固有感度を計算するため、第1のステップは、2つのグループの感度情報を使用して発電エリアを計算することができ、グループ1は正の感度に対応し、グループ2は負の感度に対応する。その後、第2のステップは、グループ1内の凝集した負荷L1を減少させ、システム8にわたる全ての発電機の間で減分を分配して、SL=Δσ/ΔPLを計算することができる。その後、第3のステップ及び最後のステップは、第2のステップを繰返して、L2についてSLを計算することができる。勾配ベース最適化技法(例えば、勾配降下法、共役勾配法、非線形共役勾配法)を含む他の技法を、QPに対する付加的方法又は代替方法として使用することができることが理解される。

上記導出物に基づいて、シミュレーションが実行されて、解minJが所望通りに働くことを検証することができる。例えば、システム8又はシステム8の複数の部分(例えば、図2及び3の領域100、102)を含むシミュレータが、N−1の偶発事故を組込むシミュレーションを含む、再ディスパッチのシミュレーションを実行することができる。シミュレーションが所望通りに働く場合、運用者は、その後、ディスパッチを始動し、相応して、電力を割当てることができる。

図6は、グリッドシステム8内の偶発事故を考慮する再ディスパッチを含む発電機システムについて固有感度ベース再ディスパッチを提供するのに適したプロセス200の一実施形態を示す。プロセス200を、プロセッサ38によって実行可能なコンピュータコード又は命令として実装し、メモリ40に記憶することができる。示す実施形態において、プロセス200は、シミュレーションに適した、グリッドシステム8又はグリッドシステム8の一部分(例えば、部分100、102)のモデルを作成することができる(ブロック202)。モデルは、発電機システム、負荷、電力貯蔵システム等を含む、その電力を制御することができる任意のデバイスを含むことができる。モデルはまた、種々のデバイスに相互接続する複数の電力送出線を含むことができる。

N−1の偶発事故を含む偶発事故のセットを、その後、選択することができる(ブロック204)。例えば、高い発生確率を有する偶発事故(例えば、ダウンする場合がある古い線、オフラインになることを計画される場合がある発電機)、年の或る時間に歴史的に起こる偶発事故等を選択することができる(ブロック204)。プロセス200は、その後、固有感度S及び関連する導出物(例えば、

Δσtarget、Δσpost-target、Δσpost、σtarget、σbase)並びに制御アクションを導出することができる(ブロック206)。制御アクションは、電力生成、送出、及び消費を増加及び/又は減少させることができる制御信号を含む、再ディスパッチ運転を提供するのに適したminJ及び関連する導出物を導出することを含むことができる。

プロセス200は、その後、例えば、ブロック202にて作成されたモデルに制御アクションを適用することによって制御アクションをシミュレートすることができる(ブロック208)。シミュレート結果を、その後、容認できるか又は容認できないと見なすことができる(決定210)。容認できる(決定210)場合、その後、制御アクションを再ディスパッチに適用することができる(ブロック212)。先に述べたように、電力生成、電力送出、及び電力消費を増加及び/又は減少させる制御信号を送信することができる。容認できない(決定210)場合、その後、プロセス200は、運用者が変更を行う(例えば、異なる固有感度グループ化、モデルに対する入力、制御アクション等を選択する)ことを可能にし、新しい導出物及び/又は制御アクションを計算することができるようにブロック206を繰返すことができる。こうして、本明細書で述べる技法は、強化された再ディスパッチ運転を提供する。

技術的効果は、固有感度ベース再ディスパッチ制御アクションを実行することを含む。固有感度グループを、モード形状グループの代替として又はそれに加えて選択することができる。固有感度ベース導出物は、グリッドシステム内で起こる場合があるN−1の偶発事故等の偶発事故を考慮することができる。偶発事故は、発電機システム及び/又は電力線がオフラインになることを含むことができる。固有感度ベース導出物は、所与の振動モードについて所望の減衰比及び/又はセトリングタイムを提供することができる。固有感度ベース導出物はまた、より効率的でかつ応答性のよい再ディスパッチに適した制御アクションを含むことができる。制御アクションがシミュレートされて、使用前に検証及び妥当性確認を行うことができる。その後、制御アクションを、例えば、電力生成、電力送出、及び電力消費を増加及び/又は減少させるのに適した制御信号を送信することによって実装することができる。

この書面による説明は、最良モードを含む本発明を開示するために、また同様に、任意のデバイス又はシステムを作り使用すること、及び、組込まれる任意の方法を実施することを含む、本発明を当業者ならだれもが実施することを可能にするために例を使用する。本発明の特許可能な範囲は、特許請求の範囲によって規定され、当業者が思い付く他の例を含むことができる。こうした他の例は、特許請求の範囲の逐語的言語と異ならない構造的要素を有する場合、又は、特許請求の範囲の逐語的言語と非実質的相違を有する等価な構造的要素を含む場合、特許請求の範囲内にあることを意図される。

8 電力グリッドシステム 10 発電再ディスパッチ最適化(GRDO)システム 12 公益事業者 14 公益事業者制御センタ 16 発電ステーション 18 代替の発電ステーション 20 水電力生成プラント 22 地熱電力生成プラント 24 送電グリッド 26 分配システム(配電サブステーション) 30 高度計量インフラストラクチャメータ(スマートメータ) 32 商用需要家 34 家庭用需要家 36 電力消費デバイス 38 プロセッサ 40 メモリ 100、102 地理的エリア 104、106、108、110、112、114、118、120、122、124、126、128、130、132、134、136 発電機 138 固有感度グループ 150 4発電機発電及び配電システム 152 G1発電機システム 154 G2発電機システム 156 G3発電機システム 158 G4発電機システム 178 ベースケースσ0

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