波数応答

申请号 JP2016562014 申请日 2015-03-26 公开(公告)号 JP2017515444A 公开(公告)日 2017-06-08
申请人 リアクティブ テクノロジーズ リミテッドReactive Technologies Limited; リアクティブ テクノロジーズ リミテッドReactive Technologies Limited; 发明人 ヘイッキ ウォモ,; ヘイッキ ウォモ,;
摘要 電 力 グリッドでグリッド周 波数 を制御する、制御システム及び方法が説明される。グリッド周波数は、グリッド内の1つ又は複数の予め定義された 位置 で監視装置(120)によって監視され、監視対象のグリッド周波数に関する1つ又は複数の条件が満たされているかどうかの判断が行われる。1つ又は複数の予め定義された位置のうち1つ又は複数の位置のグリッド周波数が制御される制御期間が、判断に基づいて開始される。制御期間中のグリッド周波数の変化に関する1つ又は複数の変化特性が、判断される。監視対象のグリッド周波数を制御するように、第1の複数の電力ユニット(119)のそれぞれへの電力潮流及び/又はそれぞれからの電力潮流を制御する命令を含む制御命令が送信される。制御命令は、電力ユニット及び判断される1つ又は複数の変化特性に関するプロファイル情報に基づいて、生成される。【選択図】図5
权利要求

グリッドで使用する制御システムであって、電気がグリッド周波数に従って前記グリッドを流れ、前記電力グリッドが、分散された複数の電力ユニットのうち1つ又は複数に接続され、前記電力ユニットによる電力供給及び/又は電力消費の変化が、前記電力グリッドの電力潮流の変化をもたらすように、前記電力グリッドからの電力を消費し、及び/又は前記電力グリッドに電力を供給するように前記電力ユニットのそれぞれが構成され、以て前記グリッド周波数への前記電力ユニットの寄与を変化させる、前記制御システムが、 処理手段と、 通信手段と、を備え、 前記処理手段が、 前記電力グリッドの1つ又は複数の予め定義された位置でグリッド周波数を監視し、 前記監視対象のグリッド周波数に関する1つ又は複数の条件が満たされたことを判断し、 前記判断に基づいて、前記1つ又は複数の予め定義された位置のうち1つ又は複数の位置での前記グリッド周波数が制御される制御期間を開始し、 前記監視に基づいて、前記制御期間中のグリッド周波数の変化に関する1つ又は複数の変化特性を判断し、 前記通信手段を介して、前記分散された複数の電力ユニットのうち第1の複数の電力ユニットに制御命令を送信するように構成され、前記制御命令が、前記監視対象のグリッド周波数を制御するように、前記第1の複数の電力ユニットのそれぞれへの電力潮流、及び/又は前記第1の複数の電力ユニットのそれぞれからの電力潮流を制御する命令を含み、 前記第1の複数の電力ユニットが、前記期間中に前記グリッド周波数に対して時間変化する寄与をもたらすように、前記制御命令が、 前記分散された複数の電力ユニットに関するプロファイル情報であって、前記第1の複数の電力ユニットの1つ又は複数の電力消費特性及び/又は電力供給特性に関する情報を含む前記プロファイル情報と、 前記判断される1つ又は複数の変化特性と、に基づいて生成される、制御システム。前記第1の複数の電力ユニットが、前記プロファイル情報に基づいて、前記分散された複数の電力ユニットから選択される、請求項1に記載の制御システム。前記第1の複数の電力ユニットに含めるための前記電力ユニットの選択が、前記監視対象のグリッド周波数に関する前記1つ又は複数の条件が満たされたことを前記判断することに応じて行われる、請求項2に記載の制御システム。前記プロファイル情報を記憶するデータ記憶を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の制御システム。前記データ記憶が、1つ又は複数の電力ユニットのグループの1つ又は複数の電力消費特性及び/又は電力供給特性に関するプロファイル情報を記憶するように構成され、前記グループが、前記第1の複数の分散された電力ユニットのうち少なくともいくつかによって形成される、請求項4に記載の制御システム。前記1つ又は複数の電力ユニットのグループが、共通又は類似の電力クラス、応答時間特性、グリッド位置及び地理的位置のうち1つ又は複数を有する電力ユニットからなる、請求項5に記載の制御システム。前記1つ又は複数の電力消費特性及び/又は電力供給特性が、供給容量、消費容量、特徴応答時間、特徴応答関数、供給状態又は消費状態、及び可用性状態のうち1つ又は複数に関係する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の制御システム。前記制御システムが、グリッド周波数に関する1つ又は複数の測定を実行する1つ又は複数の測定装置を含み、前記判断される1つ又は複数の変化特性が、前記1つ又は複数の測定から導出される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の制御システム。前記制御システムが、1つ又は複数の遠隔測定装置から、前記監視対象のグリッド周波数に関する前記1つ又は複数の条件が満たされたという1つ又は複数の標識を受信するように構成され、前記監視対象のグリッド周波数に関する前記1つ又は複数の条件が満たされたという前記判断が、前記条件に少なくとも部分的に基づく、請求項1〜8のいずれか一項に記載の制御システム。前記1つ又は複数の条件が満たされたという前記判断が、前記監視対象のグリッド周波数に関連付けられる1つ又は複数の値を1つ又は複数の閾値と比較することを含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の制御システム。前記判断は、前記1つ又は複数の値が、1つ又は複数の範囲内にあるかどうかを評価することを含み、前記1つ又は複数の範囲のそれぞれが、前記閾値のうち2つの間にあるものとして定義され、前記1つ又は複数の値のうち1つ又は複数が、前記1つ又は複数の範囲のうち1つ又は複数の範囲外にあるときに、前記1つ又は複数の条件が満たされる、請求項10に記載の制御システム。前記1つ又は複数の値のうち1つが、グリッド周波数の予測値に関係する、請求項10又は11に記載の制御システム。前記予測値が、予測手続きに基づいて生成され、前記手続きが、 前記監視対象のグリッド周波数に関連付けられる一連の値を定義することと、 前記監視対象のグリッド周波数に関連付けられる前記一連の値に基づいて、多項式関数を判断することと、を含む、請求項12に記載の制御システム。前記1つ又は複数の変化特性が、グリッド周波数の変化の予測に基づいて判断される、請求項1〜13のいずれか一項に記載の制御システム。前記グリッド周波数の前記予測が、 少なくとも1つの周波数特性に関連付けられる一連の値を定義することと、 前記少なくとも1つの周波数特性に関連付けられる前記一連の値に基づいて、多項式関数を判断することと、を含む、請求項14に記載の制御システム。前記処理手段が、 第1の期間に第1の周波数特性に関連付けられる第1の一連の値と、後の第2の期間に第1の周波数特性に関連付けられる第2の一連の値とを定義し、 前記第1の一連の値に基づいて第1の係数のセットを有する第1の多項式関数と、前記第2の一連の値に基づいて第2の係数のセットを有する第2の多項式関数とを判断するようにさらに構成される、請求項1〜15のいずれか一項に記載の制御システム。前記制御命令が、前記第1の係数のセットと前記第2の係数のセットとの差に基づいて生成される、請求項16に記載の制御システム。前記1つ又は複数の条件が満たされたことを前記判断することが、前記第1の係数のセットと前記第2の係数のセットとの差を評価することを含む、請求項17に記載の制御システム。前記1つ又は複数の条件が満たされたことを前記判断することが、前記第1の係数のうちの係数の1つと、前記第2の係数のうちの係数の1つとの差が、所定の閾値より小さいか若しくは大きいこと、及び/又は所定の範囲内であることを判断することをさらに含む、請求項18に記載の制御システム。前記周波数特性が、交流電圧の周波数、交流電流の周波数、前記電力グリッドを流れる電力の周波数、周波数の変化率、及び交流電流の周期のうち1つ又は複数に関係する、請求項15〜20のいずれか一項に記載の制御システム。前記制御命令を送信することは、 1つ又は複数の制御命令の第1のセットを送信することと、 前記1つ又は複数の制御命令の第1のセットを送信することに続いて、1つ又は複数の制御命令の1つ又は複数のさらなるセットを送信することと、を含む、請求項1〜20のいずれか一項に記載の制御システム。1つ又は複数の制御命令の前記1つ又は複数のさらなるセットのうち少なくとも1つが、前記1つ又は複数の制御命令の第1のセットを前記送信することに続く前記グリッド周波数の監視に基づいて、1つ又は複数のさらなる条件が満たされたことを判断することに応じて生成される、請求項21に記載の制御システム。前記1つ又は複数のさらなる条件は、前記監視対象のグリッド周波数特性に関する1つ又は複数の値が、所定の閾値より小さいか若しくは大きいこと、及び/又は所定の値の範囲内であることを含む、請求項22に記載の制御システム。前記1つ又は複数の制御命令のさらなるセットのうち少なくとも1つが、前記分散された複数の電力ユニットのうち第2の複数の電力ユニットに送信され、前記第2の複数の電力ユニットは、前記第1の複数の電力ユニットとは異なる、請求項21〜23のいずれか一項に記載の制御システム。前記処理手段が、前記プロファイル情報に基づいて制御スケジュールを生成し、前記制御スケジュールに基づいて、前記制御命令を送信するように構成され、前記制御スケジュールが、前記第1の複数の電力ユニットへの電力潮流及び/又は前記第1の複数の電力ユニットからの電力潮流を制御する、1つ又は複数の時間を指定する、請求項1〜24のいずれか一項に記載の制御システム。前記制御スケジュールが、前記監視対象のグリッド周波数の所望の経時的プロファイルに従って生成される、請求項25に記載の制御システム。前記制御命令が、オフにする命令、オンにする命令、電力供給を増加又は減少させる命令、電力消費を増加又は減少させる命令、一定時間の間電力供給及び/又は電力消費を変化させる命令、特定の時間プロファイルに従って電力供給及び/又は電力消費を変化させる命令のうち、1つ又は複数を含む、請求項1〜26のいずれか一項に記載の制御システム。電力グリッドで電気の周波数を制御する方法であって、電気がグリッド周波数に従って前記グリッドを流れ、前記電力グリッドが、分散された複数の電力ユニットのうち1つ又は複数に接続され、前記電力ユニットによる電力供給及び/又は電力消費の変化が、前記電力グリッドの電力潮流の変化をもたらすように、前記電力グリッドからの電力を消費し、及び/又は前記電力グリッドに電力を供給するように前記電力ユニットのそれぞれが構成され、以て前記グリッド周波数への前記電力ユニットの寄与を変化させる、前記方法が、 前記電力グリッドの1つ又は複数の予め定義された位置でグリッド周波数を監視するステップと、 前記監視対象のグリッド周波数に関する1つ又は複数の条件が満たされたことを判断するステップと、 前記判断するステップに基づいて、前記1つ又は複数の予め定義された位置のうち1つ又は複数の位置での前記グリッド周波数が制御される制御期間を開始するステップと、 前記監視に基づいて、前記制御期間中のグリッド周波数の変化に関する1つ又は複数の変化特性を判断するステップと、 通信手段を介して、前記分散された複数の電力ユニットのうち第1の複数の電力ユニットに制御命令を送信するステップと、を含み、前記制御命令が、前記監視対象のグリッド周波数を制御するように、前記第1の複数の電力ユニットのそれぞれへの電力潮流、及び/又は前記第1の複数の電力ユニットのそれぞれからの電力潮流を制御する命令を含み、 前記第1の複数の電力ユニットが、前記期間中に前記グリッド周波数に対して時間変化する寄与をもたらすように、前記制御命令が、 前記分散された複数の電力ユニットに関するプロファイル情報であって、前記第1の複数の電力ユニットの1つ又は複数の電力消費特性及び/又は電力供給特性に関する情報を含む前記プロファイル情報と、 前記判断される1つ又は複数の変化特性と、に基づいて生成される、方法。処理ユニットで実行されるときに、前記処理ユニットに請求項28に記載の前記方法を実行させる命令のセットを含む、コンピュータプログラム。処理ユニットで実行されるときに、前記処理ユニットに請求項28に記載の前記方法を実行させる命令のセットが記憶された、コンピュータ可読媒体。

说明书全文

本発明は、電グリッドでのグリッド周波数の制御に関する。

20世紀半ばに世界中で、大規模電力グリッドにおいて交流(AC:alternating current)電気の周波数を標準化して以来、電気の消費者は、安全で再生可能な電気機器の使用を保証する、一貫した信頼できる電気サービスを享受することができている。例えば、英国では、標準化された公称グリッド周波数は、50Hzに設定されている。グリッド周波数の信頼性を促進するために、グリッド運用者は、公称グリッド周波数を中心とする周波数の範囲を設け、グリッド周波数がその範囲外に外れることはないということを、サービス提供者や消費者に保証することができる。例えば、英国の50Hzの公称グリッド周波数を用いると、グリッド運用者は、グリッド周波数が、50±0.5Hz(即ち、公称周波数±1%)の範囲外に出てはいけないということを目標とし得る。

グリッド周波数は、グリッドに設置された発電機によって発生される電気の周波数に強く依存する。大容量の発電機は、例えば、ワイヤコイル内部で回転する磁極を組み込んだ駆動質量体からなることができる。この質量体は、例えば、化石燃料の燃焼によって蒸気が発生するタービンに作用する、例えば蒸気によって、駆動され得る。発電機に付随する極の数を考慮すると、発生される電気の周波数は、発電機の回転速度に比例する。例えば、6個の極を有し1000RPMで回転する発電機は、50Hzの周波数で電気を発生することになる。発電の他の例では、例えば、太陽光パネル、インバータなどの直流(DC:direct current)の電気を発生させるものを利用して、ある周波数、例えば、公称グリッド周波数でACの電気をグリッドに供給することができる。

電力の供給及び消費のバランスがとれたグリッドでは、発電機の回転速度は、例えば、公称グリッド周波数のグリッド周波数を正確にもたらすように設定することができる。一方、電力バランスの変化、例えば、急激な需要増加がある場合、その変化に応じた発電機の回転速度は、タービンの所与の駆動に対して、例えば低下され得る。結果として、発生される電気の周波数は減少し、したがって、グリッド周波数は減少する恐れがある。この状況は、発電機のタービンに、より大きな駆動力を加えることによって修正され得るが、これにはかなりの時間がかかり、又は発電機が全力で作動している場合には不可能であるかもしれない。急激な電力の不均衡は、例えば、発電所又はインターコネクタがグリッドから突然失われた場合に起こることもある。急激に電力需要が減少した場合、発電機は、それに応じてグリッド周波数を公称周波数に戻すために、その電力出力を減少させてもよい。それと同時に、需要減少の結果として、又は例えば、インターコネクタは、それが失われたときにグリッドから電力を移出しており、その両方が電力バランスに影響を与える場合、発電機の回転速度が上昇し、したがって発生される電気の周波数が増加し、グリッド周波数が増加し得る。

望ましくない周波数の変化に対処する既存の方法は、容量を減少させて発電機を稼働させることであり、例えば、発電機の電力出力を発電機の総出力容量の95%に設定してもよい。例えば、電力バランスに変化があり、結果としてグリッド周波数が変化する場合に、これらの発電機は、数秒又は数十秒以内に、それに応じて増加又は減少した電力出力をもたらすことによって応答することができる。

しかしながら、比較的まれであるかもしれない事象に備えて、電力出力レベルを低下させて発電ユニットを稼働させることは経済的ではない。さらに、例えば、特に急激な事象、周波数の特に大きな変化を伴う事象、又は英国やニュージーランドなどの島国に関連するグリッドなどの比較的小さなグリッドで発生する事象に対して、指定された範囲内にグリッド周波数を保つためには、発電機が応答することができる速度が十分ではないことがある。急激な変化後の最初の1秒ほどの内にもたらされる応答は、公称値からのグリッド周波数の偏差に関する負の影響、例えば大きな電気機器への損傷を低減するのに最大の効果を有し得る。

グリッド周波数の変化に対処するさらなる方法は、ユーザ器具などの装置が、それらの位置でグリッド周波数を監視し、所定の基準に従って同様の変化に反応するように構成することである。例えば、周波数の急激な低下に応じて、そのような変化に対抗するために電力消費を減少させてもよい。国際公開第2011085477号は、そのような方法の例を提供している。しかしながら、これらの取り組みは、電力バランスの局所的な変化に対する局所的な応答をもたらすことに限定されているため、柔軟性がない。さらに、いくつかの局所的に実装された応答がもたらす集合的な応答は不安定であり、例えば、集合的な過度の応答につながる恐れがある。

従来技術の1つ又は複数の問題を少なくとも軽減することが、本明細書で説明する本発明の実施形態の目的である。

本発明の第1の態様によれば、電力グリッドで使用する制御システムであって、電気がグリッド周波数に従ってグリッドを流れ、電力グリッドが、分散された複数の電力ユニットのうち1つ又は複数に接続され、上記電力ユニットによる電力供給及び/又は電力消費の変化が、電力グリッドの電力潮流の変化をもたらすように、電力グリッドからの電力を消費し、及び/又は電力グリッドに電力を供給するように電力ユニットのそれぞれが構成され、以てグリッド周波数への電力ユニットの寄与を変化させる、制御システムが、 処理手段と、 通信手段と、を備え、 処理手段が、 電力グリッドの1つ又は複数の予め定義された位置でグリッド周波数を監視し、 監視対象のグリッド周波数に関する1つ又は複数の条件が満たされたことを判断し、 判断に基づいて、1つ又は複数の予め定義された位置のうち1つ又は複数の位置でのグリド周波数が制御される制御期間を開始し、 監視に基づいて、上記制御期間中のグリッド周波数の変化に関する1つ又は複数の変化特性を判断し、 通信手段を介して、分散された複数の電力ユニットのうち第1の複数の電力ユニットに制御命令を送信するように構成され、制御命令が、監視対象のグリッド周波数を制御するように、第1の複数の電力ユニットのそれぞれへの電力潮流、及び/又は第1の複数の電力ユニットのそれぞれからの電力潮流を制御する命令を含み、 第1の複数の電力ユニットが、上記期間中にグリッド周波数に対して時間変化する寄与をもたらすように、制御命令が、 分散された複数の電力ユニットに関するプロファイル情報であって、第1の複数の電力ユニットの1つ又は複数の電力消費特性及び/又は電力供給特性に関する情報を含むプロファイル情報と、 判断される1つ又は複数の変化特性と、に基づいて生成される、制御システムが提供される。

いくつかの実施形態では、第1の複数の電力ユニットが、プロファイル情報に基づいて、分散された複数の電力ユニットから選択される。

いくつかの実施形態では、第1の複数の電力ユニットに含めるための電力ユニットの選択が、監視対象のグリッド周波数に関する1つ又は複数の条件が満たされたことを判断することに応じて行われる。

いくつかの実施形態では、プロファイル情報を記憶するデータ記憶を含む。

いくつかの実施形態では、データ記憶が、1つ又は複数の電力ユニットのグループの1つ又は複数の電力消費特性及び/又は電力供給特性に関するプロファイル情報を記憶するように構成され、グループが、第1の複数の分散された電力ユニットのうち少なくともいくつかによって形成される。

いくつかの実施形態では、1つ又は複数の電力ユニットのグループが、共通若しくは類似の電力クラス、応答時間特性、グリッド位置及び/又は地理的位置のうち1つ又は複数を有する電力ユニットからなる。

いくつかの実施形態では、1つ又は複数の電力消費特性及び/又は電力供給特性が、供給容量、消費容量、特徴応答時間、特徴応答関数、供給状態又は消費状態、及び可用性状態のうち1つ又は複数に関係する。

いくつかの実施形態では、制御システムが、グリッド周波数に関する1つ又は複数の測定を実行する1つ又は複数の測定装置を含み、判断される1つ又は複数の変化特性が、1つ又は複数の測定から導出される。

いくつかの実施形態では、制御システムが、1つ又は複数の遠隔測定装置から、監視対象のグリッド周波数に関する1つ又は複数の条件が満たされたという1つ又は複数の標識を受信するように構成され、監視対象のグリッド周波数に関する1つ又は複数の条件が満たされたという判断が、条件に少なくとも部分的に基づく。

いくつかの実施形態では、1つ又は複数の条件が満たされたという判断が、監視対象のグリッド周波数に関連付けられる1つ又は複数の値を1つ又は複数の閾値と比較することを含む。

いくつかの実施形態では、判断は、1つ又は複数の値が、1つ又は複数の範囲内にあるかどうかを評価することを含み、1つ又は複数の範囲のそれぞれが、閾値のうち2つの間にあるものとして定義され、1つ又は複数の値のうち1つ又は複数が、1つ又は複数の範囲のうち1つ又は複数の範囲外にあるときに、1つ又は複数の条件が満たされる。

いくつかの実施形態では、1つ又は複数の値のうち1つが、グリッド周波数の予測値に関係する。

いくつかの実施形態では、予測値が、予測手続きに基づいて生成され、手続きが、 監視対象のグリッド周波数に関連付けられる一連の値を定義することと、 監視対象のグリッド周波数に関連付けられる一連の値に基づいて、多項式関数を判断することと、を含む。

いくつかの実施形態では、1つ又は複数の変化特性が、グリッド周波数の変化の予測に基づいて判断される。

いくつかの実施形態では、グリッド周波数の予測が、 少なくとも1つの周波数特性に関連付けられる一連の値を定義することと、 少なくとも1つの周波数特性に関連付けられる一連の値に基づいて、多項式関数を判断することと、を含む。

いくつかの実施形態では、処理手段が、 第1の期間に第1の周波数特性に関連付けられる第1の一連の値と、後の第2の期間に第1の周波数特性に関連付けられる第2の一連の値とを定義し、 上記第1の一連の値に基づいて第1の係数のセットを有する第1の多項式関数と、上記第2の一連の値に基づいて第2の係数のセットを有する第2の多項式関数とを判断するようにさらに構成される。

いくつかの実施形態では、制御命令が、第1の係数のセットと第2の係数のセットとの差に基づいて生成される。

いくつかの実施形態では、1つ又は複数の条件が満たされたことを判断することが、第1の係数のセットと第2の係数のセットとの差を評価することを含む。

いくつかの実施形態では、1つ又は複数の条件が満たされたことを判断することが、第1の係数のセットのうちの係数の1つと、第2の係数のセットのうちの係数の1つとの差が、所定の閾値より小さいか若しくは大きいこと、及び/又は所定の範囲内であることを判断することをさらに含む。

いくつかの実施形態では、周波数特性が、交流電圧の周波数、交流電流の周波数、電力グリッドを流れる電力の周波数、周波数の変化率、及び交流電流の周期のうち1つ又は複数に関係する。

いくつかの実施形態では、制御命令を送信することは、 1つ又は複数の制御命令の第1のセットを送信することと、 1つ又は複数の制御命令の第1のセットを送信することに続いて、1つ又は複数の制御命令の1つ又は複数のさらなるセットを送信することと、を含む。

いくつかの実施形態では、1つ又は複数の制御命令の1つ又は複数のさらなるセットのうち少なくとも1つが、1つ又は複数の制御命令の第1のセットを送信することに続くグリッド周波数の監視に基づいて、1つ又は複数のさらなる条件が満たされたことを判断することに応じて生成される。

いくつかの実施形態では、1つ又は複数のさらなる条件は、監視対象のグリッド周波数特性に関する1つ又は複数の値が、所定の閾値より小さいか若しくは大きいこと、及び/又は所定の値の範囲内であることを含む。

いくつかの実施形態では、1つ又は複数の制御命令のさらなるセットのうち少なくとも1つが、分散された複数の電力ユニットのうち第2の複数の電力ユニットに送信され、第2の複数の電力ユニットは、第1の複数の電力ユニットとは異なる。

いくつかの実施形態では、処理手段が、プロファイル情報に基づいて制御スケジュールを生成し、制御スケジュールに基づいて、制御命令を送信するように構成され、制御スケジュールが、第1の複数の電力ユニットへの電力潮流及び/又は第1の複数の電力ユニットからの電力潮流を制御する、1つ又は複数の時間を指定する。

いくつかの実施形態では、制御スケジュールが、監視対象グリッド周波数の所望の経時的プロファイルに従って生成される。

いくつかの実施形態では、制御命令が、オフにする命令、オンにする命令、電力供給を増加又は減少させる命令、電力消費を増加又は減少させる命令、一定時間の間電力供給及び/又は電力消費を変化させる命令、特定の時間プロファイルに従って電力供給及び/又は電力消費を変化させる命令のうち、1つ又は複数を含む。

本発明の第2の態様によれば、電力グリッドで電気の周波数を制御する方法であって、電気がグリッド周波数に従ってグリッドを流れ、電力グリッドが、分散された複数の電力ユニットのうち1つ又は複数に接続され、上記電力ユニットによる電力供給及び/又は電力消費の変化が、電力グリッドの電力潮流の変化をもたらすように、電力グリッドからの電力を消費し、及び/又は電力グリッドに電力を供給するように電力ユニットのそれぞれが構成され、以てグリッド周波数への電力ユニットの寄与を変化させる、方法が、 電力グリッドの1つ又は複数の予め定義された位置でグリッド周波数を監視するステップと、 監視対象のグリッド周波数に関する1つ又は複数の条件が満たされたことを判断するステップと、 判断基づいて、1つ又は複数の予め定義された位置のうち1つ又は複数の位置でのグリッド周波数が制御される制御期間を開始するステップと、 監視に基づいて、上記制御期間中のグリッド周波数の変化に関する1つ又は複数の変化特性を判断するステップと、 通信手段を介して、分散された複数の電力ユニットのうち第1の複数の電力ユニットに制御命令を送信するステップと、を含み、制御命令が、監視対象のグリッド周波数を制御するように、第1の複数の電力ユニットのそれぞれへの電力潮流、及び/又は第1の複数の電力ユニットのそれぞれからの電力潮流を制御する命令を含み、 第1の複数の電力ユニットが、上記期間中にグリッド周波数に対して時間変化する寄与をもたらすように、制御命令が、 分散された複数の電力ユニットに関するプロファイル情報であって、第1の複数の電力ユニットの1つ又は複数の電力消費特性及び/又は電力供給特性に関する情報を含むプロファイル情報と、 判断される1つ又は複数の変化特性と、に基づいて生成される、方法が提供される。

本発明の第3の態様によれば、処理ユニットで実行されるときに、処理ユニットに第2の態様による方法を実行させる命令のセットを含む、コンピュータプログラムが提供される。

本発明の第4の態様によれば、処理ユニットで実行されるときに、処理ユニットに第2の態様による方法を実行させる命令のセットが記憶された、コンピュータ可読媒体が提供される。

本発明が実装され得る同期型電力グリッドを示す概略図である。

本発明で使用する電力ユニットコントローラの例示的な実施形態を示す概略図である。

本発明で使用する電力ユニットコントローラの例示的な実施形態を示す概略図である。

本発明で使用する制御ノードの例示的な実施形態を示す概略図である。

本発明が実装され得る例示的なネットワークを示す概略図である。

本発明の実施形態に従って実行されるステップを示すフローチャートである。

(a),(b)及び(c)は、例示的なグリッド周波数の値の予測を示す、時間に対する監視対象グリッド周波数の例示的なプロットである。

a)は、監視対象のグリッド周波数のために定義された一連の区間を示す図である。b)〜f)は、監視対象のグリッド周波数をどのように多項式関数に適合させることができるかを示す図である。

(a)は、3つの異なるシナリオにおける、時間に対する監視対象グリッド周波数の例示的なプロットである。(b)は、本発明の実施形態に従って生成される例示的な制御スケジュールを示す図である。(c)は、本発明の実施形態に従って生成される例示的な制御スケジュールを示す図である。

発電所などの供給者から家庭及び企業などの消費者への電気の供給は、典型的には、配電ネットワーク又は電力グリッドを介して行われる。図1は、例示的な電力グリッド100を示す。本発明の実施形態は、電力グリッド100において、送電グリッド102及び配電グリッド104を含んで実装され得る。

送電グリッド102は、発電機106に接続されている。発電機106は、原子力プラント又はガス燃焼プラントであってもよく、例えば、送電グリッド102が、発電機106から大量の電気エネルギーを非常に高い電圧(典型的には、数100kV程度)で、架空送電線などの送電線を経て配電グリッド104に送電する。

送電グリッド102は、変圧器108を介して配電グリッド104に繋がっており、変圧器108は、配電グリッド104での配電のために、給電をより低い電圧(典型的には、50kV程度)に変換する。

配電グリッド104は、さらに低い電圧に変換するための変圧器をさらに含む変電所110を介してローカルネットワークに接続され、ローカルネットワークは、電力グリッド100に接続されている電力消費機器に電力を供給する。ローカルネットワークは、都市ネットワーク112などの家庭消費者ネットワークを含むことができる。家庭消費者ネットワークは、数kW程度の比較的少量の電力を引き出す、個人住宅113内の家電機器に電力を供給する。個人住宅113は、光電変換装置115を使用して、住宅の機器による消費のため又はグリッドへの供給のために、比較的少量の電力を供給することもできる。ローカルネットワークは、工場114などの産業用建物も含むことができ、産業用建物内で動作しているさらに大きな機器は、数kW〜数MW程度の、より大量の電力を引き出す。ローカルネットワークは、電力グリッドに電力を供給する風力発電所116などの、より小さな電力を供給する発電機も含むことができる。

簡潔さのため、1つの送電グリッド102及び1つの配電グリッド104のみが図1に示されているが、実際には、典型的な送電グリッド102は、複数の配電グリッド104に電力を供給し、1つの送電グリッド102は、1つ又は複数の他の送電グリッド102と相互接続されることもできる。

電力は、システム周波数で流れる、交流(AC)として電力グリッド100を流れる。システム周波数は、グリッド周波数と呼ばれることがある(典型的には、国によって50Hz又は60Hzである)。電力グリッド100は、周波数がグリッドの各点で実質的に同じであるように、同期した周波数で動作する。

電力グリッド100は、1つ又は複数の直流(DC)インターコネクト117を含むことができる。DCインターコネクト117は、電力グリッド100と他の電力グリッドとの間にDC接続を提供する。典型的には、DCインターコネクト117は、電力グリッド100の、典型的な高電圧の送電グリッド102に接続している。電力グリッド100が、他の電力グリッドのグリッド周波数の変化によって影響を受けない、所与の同期化されたグリッド周波数で動作する領域を定義するように、DCインターコネクト117は、様々な電力グリッド間にDCリンクを提供している。例えば、英国の送電グリッドは、DCインターコネクトを介して、欧州大陸同期型グリッド(Synchronous Grid of Continental Europe)に接続されている。

電力グリッド100は、電力ユニット119も含む。電力ユニット119は、電力グリッド100から電力を消費し、又は電力グリッド100に電力を供給することができる。各電力ユニット119は、関連する電力ユニット119からの電力の供給及び/又は消費を制御する装置(本明細書では「電力ユニットコントローラ」(PUC:power unit controller)118と呼ぶ)に関連付けられている。

電力グリッド100は、グリッドの同期動作周波数(以下、グリッド周波数と呼ぶ)を測定するように構成されている測定装置120の形式の、測定システムも含む。

電力ユニットコントローラ118は、電力ユニット119と別々に提供されてもよく、及び/又は電力ユニット119にインストールされてもよい。電力ユニットにインストールされている電力ユニットコントローラの利点は、PUCが、記憶された情報がインストールされた電力ユニットに特化されている、専用装置の形式をとることができ、したがってPUCがプログラム可能である必要性が低下し、よってプログラム可能な機能性(例えば、ユーザインターフェース)を提供することに関連するコストが減少することである。一方、電力ユニットと別々に提供されている電力ユニットコントローラの利点は、PUCが、汎用的なプログラム可能な装置の形式をとることができ、任意の電力ユニットに適用可能であり、よって、柔軟性が増すことである。

電力ユニット119は、発電機106、居住用建物113若しくは産業用建物114内の機器、及び/又は風力タービン116若しくは太陽光パネル115などの小規模発電機を含むことができる。

電力ユニットコントローラ118は、いくつかの電力ユニット119に関連付けられることができる。例えば、風力発電所116では、風力発電所内に多くのタービンがあっても、タービンの電力出力の全てが、グリッドへの単一の接続を介してグリッドに供給されることがあり、その場合には、単一の接続に関連付けられる1つの電力ユニットコントローラ118があるだけであってもよい。

単純化のために、図1には電力ユニットコントローラ118が7個だけ示されているが、実際には、電力グリッド100は、何百又は何千のそのような装置を含み得ると理解されたい。さらに、単純化のために、図1には測定装置120が3つだけ示されているが、実際には、図4に関して以下でより詳細に説明するように、多くの測定装置120が、同じ同期型の電力グリッド100において動作し得ると理解されたい。

図1の電力グリッドは、本発明の制御システムの例示的な実施形態である、図3に関して以下でより詳細に説明する制御ノード(CN:Control Node)130も含む。制御ノード130は、電力ユニットコントローラ118のうち1つ又は複数、及び測定装置120の1つ又は複数と通信可能であり(図1でアンテナによって概略的に表されている例示的な通信手段)、制御命令を電力ユニットコントローラ118に送信して、コントローラ118が関連付けられている電力ユニット119の電力消費及び/又は電力供給に変化をもたらすことができる。グリッド内の電力ユニットの電力供給及び/又は電力消費を制御して、測定された周波数において明白な、グリッド内の電力不均衡に対抗することができる。例えば、発電機が突然グリッドから失われた場合、供給不足となり、所与の駆動装置を有する回転型発電機の回転速度が、負荷の相対的な増加に応じて減少することとなる。発生される電気の周波数がそれに従って減少することとなり、そのためグリッド周波数も減少することとなる。電力ユニットがその消費を減少させ、供給を増加させるように制御される場合、しかしながら、発電機が経験した負荷の相対的な増加が軽減され得る。例えば、グリッド周波数への影響が低下して、電力供給及び電力消費の不均衡が改善され得る。

図2aは、同期型電力グリッド100に接続されている電力ユニット119に接続された、例示的な電力ユニットコントローラ(PUC)118の概略的表現を示す。この例示的な実施形態では、PUC118は、入力/出力通信インターフェース(I/O)202と、プロセッサ204と、データ記憶208とを含む。PUC118は、PUC118が関連付けられている電力ユニット119の動作を制御するように構成される。I/Oインターフェース202は、情報、例えば、制御命令を表す情報を、固定又は無線通信ネットワークを介してCN130から受信するように構成される。固定又は無線通信ネットワークは、汎欧州デジタル移動電話方式(GSM:Global System for Mobile Communications)、ユニバーサル移動体通信システム(UMTS:Universal Mobile Telecommunications System)、ロングタームエボリューション(LTE:Long Term Evolution)、固定無線アクセス(IEEE 802.16 WiMaxなど)、及び無線ネットワーキング(IEEE 802.11 WiFiなど)のうち1つ又は複数を含むことができる。例示的な通信手段が、I/O202に接続されたアンテナ203によって、図2aで概略的に表されている。通信ネットワークは、固定通信手段と無線通信手段との混合からなってもよい。通信ネットワークは、例えば、ZigBeeメッシュネットワークなどのメッシュネットワークを含んでもよい。例えば、そのようなメッシュネットワークを含む通信ネットワークにおいて、CN130は、メッシュの1つ又は複数の他のPUC118を介して、第1のPUC118と通信することができる。通信ネットワークは、複数のメッシュネットワークを含むことができ、例えば、複数のメッシュネットワークのそれぞれが、例えば、固定通信ネットワークに接続されたPUC118の付近のPUC118に制御命令を配信する。

I/Oインターフェース202で受信された情報は、プロセッサ204によって処理され、データ記憶208に記憶されることができる。

プロセッサ204は、以下で説明するように、関連する電力ユニット119が解釈及び実行可能な制御命令に、受信した情報を変換するように構成され得る。

データ記憶208は、データ記憶208が関連付けられる電力ユニット119に関するプロファイル情報を記憶することができる。この情報は、例えば、関連する電力ユニット119の識別番号、ユニットの可用性状態、ユニットの地理的位置若しくはグリッド位置の標識、ユニットの制御履歴、ユニットの使用に関連する報酬率、又はユニットの使用予定のスケジュールに関する情報を含むことができる。プロファイル情報は、PUC118が関連付けられている電力ユニット119の1つ又は複数の電力消費特性及び/又は電力供給特性に関する情報も含むことができる。電力消費特性及び/又は電力供給特性は、例えば、供給容量、消費容量、特徴応答時間、特徴応答関数、又は供給状態若しくは消費状態を含むことができる。

データ記憶208に記憶される情報は、I/O202を介して、例えば、CN130からPUC118へ、及び/又はPUC118からCN130へ伝送されることができる。双方向通信の能力は、PUC118のデータ記憶208に記憶されたプロファイル情報の変更、例えば、可用性状態の変更がCN130に伝送されることができ、CN130は次いで、記憶しているプロファイル情報を更新することができるという点で、有利であり得る。逆に、PUCがCNから制御命令を受信することに加えて、CNが、プロファイル情報をPUCに伝送してもよく、その結果、PUCは、その記録、例えば、識別番号又はグループ割り当てに関するプロファイル情報を更新することができる。

データ記憶208に記憶された情報を考慮して、プロセッサは、I/O202で受信した汎用的な制御命令を解釈し、電力ユニット119専用の電力ユニット119の制御を実行することができる。例えば、汎用的な制御命令は、「位置インジケータYを有するクラスXの電力ユニットが、その消費容量のZ%に低減する」効果に対してPUC118のI/O202によって受信され、データ記憶208内の情報に従って、PUC118によって適宜実行されてもよく、又は実際には実行されなくてもよい。

特定の制御命令が、送信され、特定のPUC118のI/O202によって受信され得る。プロセッサは、データ記憶に記憶されたプロファイル情報を参照することなく、命令を実行し得る。例えば、これは、ブロードキャストメッセージの形式をとってもよい。ブロードキャストメッセージは、例えば、各電力ユニット又は電力ユニットのグループに一意の識別番号を使用することによって、例えば、命令が向けられている電力ユニットを指定するヘッダを含む。各電力ユニット又は電力ユニットのグループは、ヘッダにそれらの一意の又はグループ識別番号が含まれている制御命令に応答するだけである。ブロードキャストされる必要がある命令が、比較的少なく、別々の命令であるため、CN及びPUCの間で必要とされる通信帯域幅が比較的狭いという点で、ブロードキャストメッセージは有利であり得る。ブロードキャストは、他の手段による通信、例えば、既存のコンピュータネットワーク上の通信が、例えば、遠隔地にありコストが掛かるか又は不可能であるというシナリオにおいても有利であり得る。

特定の制御命令は、各電力ユニットに特定して送信される制御命令の形式をとることもできる。例えば、各電力ユニットは、電力ユニット自体のインターネットプロトコル(IP:Internet Protocol)アドレスを有することができ、特定の制御命令は、制御命令が向けられている電力ユニットに関連付けられた特定のIPアドレスに送信され得る。各PUCに特定して送信される特定の制御命令を送信することの利点は、それによって、制御命令を待って解釈するためのPUCの要件が減少し、比較的大きな帯域幅を有する既存のパケット交換ネットワークを利用することができることである。特定の制御命令を受信するための通信チャネルは、PUCがCNと通信するため、例えば、PUCのプロファイル情報の更新を送信するためにも使用されることができる。

図2bは、代替的なPUC118’の例示的な実施形態を示し、PUC118’は、アンテナ203’に接続されている入力/出力通信インターフェース202’、プロセッサ204’、データ記憶208’、及び電力調整器206’を含む。本実施形態では、電力ユニット119は、電力調整器206’を介して同期型電力グリッド100に接続されている。プロセッサ204が、関係する電力ユニット119の動作を制御してグリッド100からの電力消費及び/又はグリッド100への電力供給をもたらす代わりに、PUC118’のプロセッサ204’が電力調整器206’を制御することを除いて、PUC118’は、図2aのPUC118と実質的に同一の方法で動作し得る。電力調整器206’は、電力ユニット119によって利用可能となる電力のうち、電力ユニット119による消費のために利用可能な電力、及び/又はグリッド100に供給される電力を調整するように構成される。例えば、PUC118’は、消費者機器のプラグに実装され、例えば、機器によって引き出し可能な最大電力を調整し得る。

PUC118’のこの代替的実施形態は、制御回路を介して電力ユニットを制御することにコストが掛かるか若しくは困難である、又は、グリッドへの単一の共通電気接続をいくつかの点において共有する、電力装置のセット(例えば、単一の住宅内の全ての機器)を制御するのに都合がよい、内部的な制御回路(例えば変圧器)を有していないか、又は外部の制御回路とインターフェースする手段若しくは制御命令若しくは制御信号に応答する手段を有しない制御回路を有する電力ユニット(例えば、サーモスタット制御式の発熱体などの古い家庭用暖房機器)に対して有利であり得る。

本発明の制御システムの例は、図3に関して以下でより詳細に説明する制御ノード130である。

図3は、制御ノード(CN:Control Node)130の例示的な実施形態の概略的表現である。制御ノード130は、入力/出力通信インターフェース(I/O)302の形態の通信手段と、プロセッサ304の形態の処理手段と、データ記憶306とを含む。この例示的な実施形態では、CN130は、同期型電力グリッド100のグリッド周波数を測定するように構成される測定装置120に通信可能に接続されている。例示的な通信手段は、I/O302に接続されているアンテナ303によって、図3に概略的に表されている。

測定装置120は、CN130に組み込まれてもよい。

測定装置120は、CN130から離れていてもよい。CN130に通信可能に接続されている1つより多くの測定装置120があってもよく、異なる測定装置120が、異なる地理的位置又はグリッド位置を有して、グリッド周波数に関する異なるローカル特性を測定してもよい。

グリッド100に関係して動作する1つより多くのCN130があってもよく、各測定装置120が、各CN130に通信可能に接続されていてもよい。

測定装置120は、電力グリッドの同期領域内で、十分な精度でグリッド周波数を検出し、又は測定することが可能な任意の装置であってもよい。

グリッド周波数に関する期間は、グリッド周波数の測定値として使用されてもよい。例えば、電圧が0Vを超える時間の間の期間である、半サイクルの測定が、グリッド周波数の測定値として使用されてもよい。

いくつかの実施形態では、瞬間グリッド周波数は、半サイクル(又は全サイクル)を完了するのにかかる時間の逆数に対応して、判断され得る。周波数データは等化され、例えば、雑音に関係する周波数成分を除去するためにデジタル的にフィルタリングされてもよい。

測定装置120は、グリッド周波数よりも高い周波数で電圧をサンプリングするように構成された電圧検出器と、サンプリングされた電圧をデジタルの電圧信号に変換するように構成されたアナログデジタル変換器と、を含むことができる。例えば、電圧検出器は、1サイクルあたり1000回、電圧をサンプリングするように構成されてもよい。次いで、デジタル電圧信号は、電圧が0Vを超える時間を高い精度(例えば、μs〜msの範囲内)で判断するように処理されてもよい。

測定装置120は、グリッド周波数よりも高い周波数で電流をサンプリングするように構成された電流検出器と、サンプリングされた電流をデジタルの電流信号に変換するように構成されたアナログデジタル変換器を含むことができる。デジタルの電流信号は、次いで、電流が0Vを超える時間又は電流波形に関する他の特徴を、高い精度(例えば、μs〜msの範囲内)で判断するように処理され得る。

測定装置120は、電圧検出器及び電流検出器の両方を含んでもよい。電圧及び電流の両方が、0Vを超える時間を測定することによって、測定装置120が、電圧及び電流の相対位相の変化を判断することが可能となり、以って測定装置120が、グリッド内の同期領域における無効電力の変化を補償することが可能となる。これにより、同様に、より正確な周波数(又は周波数に関する特性)の測定が可能となる。

図3に示す実施形態では、測定装置120によって測定されるグリッド周波数は、CN130のプロセッサ304に伝送され、データ記憶130に記憶されることができる。

プロセッサ304は、測定装置120によって伝送されたグリッド周波数測定値を用いて、グリッド周波数に関する特性、例えば、グリッド周波数の周波数、グリッド周波数の変化率(即ち、時間に対する周波数の1次導関数)、又はグリッド周波数の変化の曲率(即ち、時間に対する周波数の2次導関数)を判断するように構成されることができる。これらの特性は、データ記憶306に記憶されてもよい。

いくつかの実施形態では、測定装置120は、例えば、プロセッサの形態で処理手段を含み、測定装置120のプロセッサは、グリッド周波数に関する特性を判断するように構成され得る。これは、測定装置によって伝送される必要がある情報量を低減することができるという点において、かつ、CNのプロセッサに掛かる負担を低減することができる、即ち、測定された周波数の分散処理を可能にするという点においても、有利であり得る。

図3に示すCNの例示的な実施形態のデータ記憶306は、同期型電力グリッド100に接続されている電力ユニット119に関するプロファイル情報を含むことができる。このプロファイル情報は、上述のような図2に示すPUC118の例示的な実施形態のデータ記憶208に記憶され得るプロファイル情報のうちのいくつか又は全てを含むことができる。データ記憶306に記憶されたプロファイル情報は、グリッドに接続されている電力ユニット119の通信の詳細も含んでもよい。データ記憶306は、電力ユニットのグループのプロファイル情報も含んでもよい。例えば、グループ情報は、グループのメンバーである電力ユニットの識別、グループによって生じる集合的な電力消費及び/又は電力供給の特性、及びグループの集合的な特徴応答時間又は特徴応答関数を含んでもよい。グループは、類似の電力ユニット、例えば、共通又は類似の電力クラスを有する電力ユニットから形成されてもよい。グループは、例えば、最大動作電力消費が1〜10kWの範囲にある電力ユニットから形成されてもよい。グループは、また、例えば、共通若しくは類似の応答時間特性、グリッド位置、地理的位置、時間/日/週/月/季節/年による可用性及び/又は最後の寄与若しくは任意の他の特徴を有する電力ユニットから形成されてもよい。電力ユニットをグループ化すること、及びグループの集合的な特質の情報を有することは、それによって、所与の集合的応答をもたらすのに使用され得るあらゆる電力ユニットを個々に識別する必要が低下し、あらゆる個々の電力ユニットに対して別々の制御命令を生成する必要が低下し得るため、制御命令の生成において有利であり得る。

データ記憶306は、CN130から離れていてもよく、例えば、関連するPUC118のデータ記憶208の間で分散されていてもよい。プロセッサ304は、その代わりに何らかの情報、例えばプロファイル情報を、I/O302を介した処理で使用するために引き出してもよい。これにより、CNに対する記憶量の要件を低減し、システムに記憶される情報の冗長性を低減することができる。I/O302は、任意の固定又は無線通信手段を介して、PUC118のI/O202と通信することができる。固定又は無線通信手段の例は、図2aのPUC118のI/O202に関して上記で示された。システムの電力ユニットのプロファイル情報の全てを記憶する、CN130と通信可能な、単一又は複数の集中型の大容量データ記憶があってもよい。これは、バックアップの目的について有利であり、大量の情報を記憶するのに、多くの小さなデータ記憶よりもコスト効果のある方法であり得る。

プロセッサ304は、1つ又は複数の測定装置120で測定されたグリッド周波数に関する変化特性に基づいて、及び、電力ユニット119に関するプロファイル情報に基づいて、I/O302を介して、電力ユニット119に関連付けられているPUC118のうち1つ又は複数に送信するための制御命令を生成するように構成される。

図4は、本発明の実施形態による、例示的なネットワークにおける制御ノード130の例示的な実装の概略図である。例示的なネットワークは、電力ユニット119a〜119gをさらに含み、電力ユニット119a〜119gのそれぞれが、対応する電力ユニットコントローラ(PUC)118a〜118g、及び測定装置120a〜120cに関連付けられている。CN130は、通信リンク401によって、PUC118a〜118gのそれぞれ、及び測定装置120a〜120cのそれぞれに通信可能に連結される。通信リンク401は、任意の固定又は無線通信手段、例えば、図2aに関して既に上述したものによって提供されている。測定装置(例えば、120a)は、電力ユニットのうちのいくつか(例えば、119a及び119b)と同一若しくは類似の地理的位置若しくはグリッド位置、及び/又は任意の電力ユニットから離れた位置にあってもよい。

図4に示す例示的な実装では、制御ノード130は、グリッド周波数の測定値を測定装置120から受信し、測定された周波数に基づいて、及び電力ユニット119a〜119gのプロファイル情報に基づいて、制御命令を生成し、関連する電力ユニット119a〜119gの電力供給及び/又は電力消費を制御するために、制御命令をPUC118a〜118gのうちの1つ又は複数に送信する。集中型の制御ノードからグリッド周波数の制御を連携させることは、例えば、局所的な電力ユニットにわたる連携されていない局所制御に対して多数の利点を有する。例えば、集中型の制御によって、グリッド全体の応答が、局所的、地域的なグリッド周波数の変化、及び/又はグリッド全体のグリッド周波数の変化に応じて連携することが可能となり、制御される電力ユニット全ての集合的な応答を概観することができる。異なる電力ユニットが、柔軟性を改善し、制御期間中のグリッド周波数の変化(例えば、グリッド周波数の公称値からの偏差の増加又は減少)を考慮してそれに即した応答を可能にして、制御期間中の異なる時間に異なる寄与をするように、行われる応答が、時間変化するように連携することができる。この変化は、後述する技術により、又は制御期間中進行中のグリッド周波数の監視に基づいて、予め判断され得る。異なる電力ユニットの制御は、例えば、1つ又は複数の変化特性の変化、例えば、公称周波数からの増加する偏差又は偏差の割合を動的応答として考慮するように、交互に実行され得る。

図5は、グリッド周波数に寄与するように電力ユニットを制御するための、本発明の実施形態による例示的な手続きを概説するフロー図である。これは、例えば、グリッド周波数の突然の変化などの事象に応じて、グリッド周波数を所望の値又は公称値に操作することに寄与するために行われ得る。

ステップ502で、グリッド内のもう1つの予め定義された位置でグリッド周波数が監視される。監視は、既に図3に関して上述したように、1つ又は複数の予め定義された位置で、1つ又は複数の測定装置120において行われたグリッド周波数の測定結果を、CN130で受信することを含む。測定結果は、CN130のプロセッサ304に伝送され得る。プロセッサ304は、測定された周波数に関連付けられる値を処理し、データ記憶306に記憶することができる。1つより多くの位置でグリッド周波数を測定することによって、グリッド全体の周波数の振る舞いの図を構築することが可能となり、したがって、最も有効な応答が連携させることが可能となる。例えば、1つの領域にもたらされるグリッド周波数の大きな変化が、関連する領域での応答によって補償される必要があるだけでなく、その領域での変化が、他の領域で必要とされ得る応答を示している可能性がある。例えば、グリッド周波数の大きな変化が、低いグリッド慣性を有する位置で測定される場合、これは、高い慣性を有するグリッドの異なる遠隔の領域が、すぐに大きな周波数変化を経験するかもしれないということを示している可能性があり、例えば、この高い慣性の場所で検出された周波数の任意の変化が、むしろ言ってみれば雑音であり、それが実際の周波数変化に起因する可能性が高いということを、慣性の高い場所からの測定値の分析に知らせている可能性がある。

ステップ504で、CN130のプロセッサは、監視対象のグリッド周波数に関する1つ又は複数の条件が満たされているかどうかを判断する。これらの条件は、グリッド周波数を公称値に戻すために電力ユニットを制御する、制御期間を開始するかどうかについての条件であり得る。

プロセッサは、監視対象のグリッド周波数に関連付けられた1つ又は複数の値を閾値と比較することによって、ステップ504の条件が満たされていること、及び閾値を越えているときに、条件が満たされていることを判断するように構成され得る。閾値は、CN130のデータ記憶306に記憶されてもよく、及び/又は、例えばI/O302を介して、比較に使用するためにCN130のプロセッサ302に伝送されてもよい。閾値は、例えば、グリッド運用者によって設定されている、測定されたグリッド周波数の公称周波数からの変化の許容限度、例えば50Hzの公称値に対して49.5Hzの範囲内に設定されてもよく、測定された周波数が、例えば49.5Hzより低くなるとき、閾値を越えて条件が満たされる。

プロセッサは、監視対象のグリッド周波数が、2つの閾値によって境界を区切られた、値の範囲内にあるかどうかを評価することによって、条件が満たされたこと、及び周波数が範囲外にあるときに、条件が満たされていることを判断するように構成され得る。例えば、範囲は、50±0.5Hzに設定されてもよく、監視対象のグリッド周波数が範囲外にあるときに、条件が満たされる。周波数の変化の重大度を判断するために複数の範囲が使用されてもよく、例えば、監視対象のグリッド周波数が、第1の範囲、例えば50±0.2Hzの外に出る場合、周波数の変化は、「低い重大度」であり、「低い重大度」の変化に適した応答のみが実行される。一方、例えば、監視対象のグリッド周波数が、第2の範囲、例えば、50±0.4Hzの外に出る場合、周波数の変化は、「高い重大度」であり、「高い重大度」の周波数変化に適した応答が実行される。「高い重大度」の周波数変化に適した応答は、例えば、必要に応じて、電力ユニットをより多くすること、又は、電力消費及び/若しくは電力供給の変化をより大きく制御することを伴い得る。

いくつかの実施形態では、グリッド周波数の変化への応答に取られる時間を減らすために、局所的に測定された周波数特性を分析して、グリッド周波数の重大な変化を早期に識別できるようにしてもよい。この分析は、例えば、後述するように、測定装置120から収集されたデータに基づいて、CN130のプロセッサ302で実行されてもよい。分析は、多項式外挿関数及び/又は円錐外挿関数などの数学関数を、(例えば、観測ウィンドウ内の一連の時間においてプロットされた)監視対象のグリッド周波数の一連の値に適合することによって実行されてもよい。これは、「スライディングウィンドウ(sliding window)」法を使用して、第1の観測ウィンドウにわたる、監視対象のグリッド周波数の第1の一連の値に関数を適合することを含み得る。次いで、ウィンドウは、その後の第2のウィンドウにわたる、監視対象のグリッド周波数の第2の一連の値に移動されて関数を適合する。

ステップ504で、監視対象のグリッド周波数に関する1つ又は複数の条件が満たされたという肯定的な判断がされた後、1つ又は複数の予め定義された監視位置のうち1つ又は複数の位置におけるグリッド周波数が制御されることとなる制御期間が、ステップ506で開始される。

制御期間は、不確定であってもよく、例えば、制御期間の開始で始まり、監視対象のグリッド周波数が閾値を越えた、又は周波数の範囲内に戻ったと判断されたときまで継続してもよく、例えば、監視対象のグリッド周波数が、公称グリッド周波数を中心とする範囲、例えば、50±0.5Hzの範囲内に戻るときに、制御期間が終了してもよい。

例えば、電力ユニットの電力消費及び/又は電力供給の制御が、最大の複合期間、例えば、5分までの間だけ行われることが許容できるか又は望ましいと予め決められており、その時間の後は、例えば、この方法で制御を行うことが経済的でない可能性がある場合、制御期間は、予め定義された長さであってもよい。

ステップ502〜506に続いて、ステップ508で、上記制御期間中のグリッド周波数の変化に関する一つ又は複数の変化特性が、グリッド周波数の監視に基づいて判断される。

いくつかの実施形態では、CNのプロセッサ304が、1つ又は複数の変化特性を判断するように構成される。

1つ又は複数の変化特性は、監視対象のグリッド周波数から導出されることができ、例えば、後述する数学的手法に基づいて、及び/又は制御期間中継続されるグリッド周波数の監視に基づいて、予め判断されることができる。1つ又は複数の変化特性は、制御期間中の周波数の変化の標識、例えば、公称値からの偏差の変化、及び/又は周波数の変化の「形状」表現を含んでもよい。

変化特性は、図6の(a)〜(c)に関して後述するように、観測ウィンドウ内の監視対象のグリッド周波数に適合される多項式関数の1つ若しくは複数の係数、又は将来の特定の時間における監視対象のグリッド周波数の予測値を含んでもよい。

変化特性は、図7のa)〜f)に関してさらに詳細に説明するように、第1の観測ウィンドウの第1の一連の値に適合される第1の多項式関数の1つ若しくは複数の係数と、その後の第2の観測ウィンドウの第2の一連の値に適合される第2の多項式関数の1つ若しくは複数の係数との、1つ若しくは複数の差、又はさらに、その後のさらなる観測ウィンドウのさらなる一連の値に適合されるさらなる多項式関数のさらなる1つ又は複数の係数との、1つ又は複数の差を含んでもよい。

変化特性は、制御期間中に変化することがあり、したがって、図5のステップ508の1つ又は複数の変化特性の判断は、制御期間中、連続的に、又は間隔をおいて発生することがあると理解されたい。制御期間中に判断される変化特性は、制御期間内の監視対象のグリッド周波数の変化の性質を説明可能な任意の特性を含み得る。例えば、監視対象のグリッド周波数が、どの程度、どのくらいの割合で、どの関数形に従って、低下若しくは上昇するかどうか又は低下若しくは上昇する可能性が高いかどうか、いつ及びどのように低下若しくは上昇を止めたか若しくは止めそうか、並びに、いつ及びどのように制御期間を終了する条件を満たしたか若しくは満たす可能性が高いかなど、その全てが、ステップ502〜506に関して上述したように、監視対象のグリッド周波数の連続的な、又は間隔をおいた分析により判定され得る。

図5のステップ510に表されるように、508で判断される1つ又は複数の変化特性に基づいて、及びグリッド100に接続されている、分散された複数の電力ユニット119に関するプロファイル情報に基づいて、第1の複数の電力ユニットの電力消費及び/又は電力供給を制御するための制御命令が生成され得る。制御命令は、ステップ508で判断される変化特性によって示される、グリッド周波数の変化に対抗するように生成され得る。

いくつかの実施形態では、制御命令は、CN130のプロセッサ304によって生成される。制御命令は、ステップ502〜508と同時に、又はステップ502〜508に続いて生成されてもよい。制御命令がステップ502〜508と同時に生成される、いくつかの実施形態では、制御命令は、例えば、ステップ504の1つ又は複数の条件が満たされたという判断を一度だけ送信することが承認された制御命令として、例えば、アクティブ化されるだけであってもよい。

図5のステップ512で、ステップ510で生成された制御命令が、第1の複数の電力ユニットに送信され、第1の複数の電力ユニットは、以て、制御期間中時間変化する寄与をグリッド周波数に対してもたらすように制御される。制御命令は、CN130のI/O302を介して、各電力ユニットに関連付けられたPUC118のI/O202に送信される。

例示的な実施形態では、プロセッサ304は、グリッド周波数の予測を行い、グリッド周波数の予測値が閾値を越えたかどうか、又は周波数の範囲外にあるかどうかに基づいて、条件が満たされたかどうかを判断するように構成される。グリッド周波数の予測値に従って、条件が満たされたかどうかを判断するプロセスは、図6の(a)〜(c)に関して後述する。

図6の(a)〜(c)は、時間tに対するグリッド周波数fの例示的な概略プロットを示し、各場合において、監視対象のグリッド周波数は、実線のプロット「E」で表され、グリッド周波数の予測値が黒い星で表されている。図6の(a)〜(c)のそれぞれの時間軸の「0」は、それぞれの場合において概念上の現在を表し、図6の(a)〜(c)のそれぞれが、連続したさらに後の時間における監視対象のグリッド周波数及び予測周波数のプロットを連続して表す。これらの例における正常動作の仮定上の公称グリッド周波数は、50Hzであり、周波数の仮定上の「許容範囲」は、±0.5Hzである。しかしながら、公称グリッド周波数は、公称動作値であるように選択された、同期型電力グリッドの任意の周波数であり得ること、及び、グリッド周波数の「許容範囲」は、グリッド周波数がその中に維持されることが望ましい、任意の範囲であり得ることを理解されたい。

図6の(a)は、一連の中の初期のプロットであり、記録された監視対象のグリッド周波数「E」が、時間「0」の概念上の現在に至るまで50Hz付近であることを示している。観測ウィンドウは、2つの時間「A」及び「B」の間に定義され、そこで、時間「B」は、概念上の現在「0」として定義され、時間「A」は、「B」の点から過去の設定時間、例えば、約1秒として定義される。多項式適合手続きが、例えば、最小二乗を適合することに基づいて、この観測ウィンドウ内で記録された監視対象のグリッド周波数に適用される。例えば、この手続きは、観測ウィンドウ内で関数f=at2+bt+cの係数a、b、及びcを決定することができ、それによって関数から監視対象のグリッド周波数の最小合計偏差という結果を得る。観測ウィンドウについて係数が一度決定されたら、t=C、例えば、C=2秒でfについての等式を解くことによって、即ち、観測ウィンドウの監視対象のグリッド周波数に適合された関数を将来時間まで外挿することによって、将来のある特定の時間t=0+Cについてのグリッド周波数の予測が可能である。図6の(a)では、観測ウィンドウで適合された関数は、主に線形であり、時間「C」までのこの関数の外挿の結果、塗り潰された星で表されている予測周波数となる。図6の(a)において適合された関数は、小さな勾配を有し、結果として予測周波数は、50+/−0.5Hzの範囲内にある。したがって、例えば、予測周波数が範囲50+/−0.5Hzの範囲外にあるという条件は、図6の(a)では満たされていない。

図6の(b)は、時間が進んでおり、さらなる監視対象のグリッド周波数「E」がプロットされ、時間「A」及び「B」の間に定義された観測ウィンドウが進んでいることを除いては、図6の(a)と同様に示されている。上述した多項式適合手続きが、ここでも再び、この後の観測ウィンドウに含まれる監視対象のグリッド周波数に適用される。観測ウィンドウに対して適合される関数f’=a’t2+b’t+c’は、図6の(b)において破線D’で表され、いくらかの曲率を有するが小さな勾配を有し、それは監視対象のグリッド周波数が、観測ウィンドウの終わりで減少したという事実を反映している。時間C’における周波数についての予測は、t=C’についてf’を解くことによって行われ、ここで例えば、C’=2秒である。この予測値は、図6の(b)において、塗り潰された星で表されている。ここでも、予測周波数は、50+/−0.5Hzの範囲外にはなく、したがって、例えば、予測周波数が50+/−0.5Hzの範囲外にあるという条件は、図6の(b)において満たされていない。

図6の(c)は、時間がさらに進み、さらなる監視対象のグリッド周波数「E”」がプロットされ、時間「A”」及び「B”」の間に定義された観測ウィンドウがさらに進んでいることを除いては、図6の(b)と同様に示されている。上述した多項式適合手続きが、ここでも再び、このさらに後の観測ウィンドウに含まれる監視対象のグリッド周波数に適用される。観測ウィンドウに対して適合される関数f”=a”t2+b”t+c”は、図6の(c)において破線D”で表され、いくらかの曲率を有するがより大幅な勾配を有し、それは監視対象のグリッド周波数が、「A”」及び「B”」の間に定義された観測ウィンドウのほぼ全ての間減少していたという事実を反映している。時間C”における周波数についての予測は、t=C”についてf”を解くことによって行われ、ここで例えば、C”=2秒である。この予測値は、図6の(c)において、塗り潰された星で表されている。ここでは、予測周波数は、50+/−0.5Hzの範囲外にあり、したがって、例えば、予測周波数が50+/−0.5Hzの範囲外にあるという条件は、図6の(c)では満たされている。したがって、例えば、電力ユニットが制御され得る制御期間が開始されることができる。

さらに例示的な実施形態では、プロセッサは、図7のa)〜f)に関してここで説明される、1つ又は複数の連続した観測ウィンドウ内の監視対象のグリッド周波数に適合される1つ又は複数の関数の係数を比較することによって、条件が満たされているかどうかを判断するように構成される。

図7のa)〜f)は、時間tの周波数の変化を示し、そこで、監視対象のグリッド周波数の値は、2次多項式関数で適合される。2次多項式関数の関数形は、at2+bt+cであり、関数の形状を定義するパラメータは、係数a、b、及びcである。ここでも、多項式関数が、各観測ウィンドウについての監視対象のグリッド周波数に連続的に適合され、そこで、適合する目的で「t=0」が、連続的な観測ウィンドウそれぞれの中の一貫した点に連続的に再定義される。

図7のa)は、1〜10とラベルが付けられた、10個の観測ウィンドウの期間にわたって測定された周波数特性を示す。10個の観測ウィンドウの経過にわたって、監視対象のグリッド周波数に変化があることが分かる。特に、監視対象のグリッド周波数は、観測ウィンドウ1、2及び3の間安定しており、その後観測ウィンドウ4で、値が低下し始める。監視対象のグリッド周波数の変化率は、観測ウィンドウ6における最大変化率までわずかに増加し、その後、変化率は、観測ウィンドウ10まで減少する。

図7のb)〜f)は、図7のa)で示した監視対象のグリッド周波数への2次多項式関数の適合を示している。

観測ウィンドウ2の間(図7のb))、監視対象のグリッド周波数は安定しており、その結果、適合された多項式関数は、勾配が0に近い線形関数になる。

観測ウィンドウ4の間(図7のc))、周波数特性は、減少し始める。このウィンドウでは、監視対象のグリッド周波数は、破線の曲線で示されるように、反転した放物線を描く多項式関数に最もよく適合され得る。この反転した放物線は、例えば、係数「a」の負の値によって、特徴付けられ得る。ウィンドウ5の間(図7のd))、監視対象のグリッド周波数の変化率(減少率)が増加する。したがって、例えば、ウィンドウ5の監視対象のグリッド周波数(図7のd))は、ウィンドウ全体にわたって急勾配を有する、より鋭い反転した放物線を描く多項式に最もよく適合され得る。この急勾配は、例えば、係数「b」の大きさが増加することによって、特徴付けられ得る。

ウィンドウ6の間(図7のe))、監視対象のグリッド周波数は、実質的に単調にではあるがさらに低下し、したがって、線形関数に最もよく適合され得る。線形関数は、係数a=0を有し、それは、また、監視対象のグリッド周波数の概念的な関数形の変曲点に印を付ける。

ウィンドウ8の間(図7のf))、監視対象のグリッド周波数は、変曲点を通過し、監視対象のグリッド周波数の変化率は低下している。したがって、監視対象のグリッド周波数は、反転していない放物線に最もよく適合され得る。この反転していない放物線は、例えば、係数「a」の正の値によって特徴付けられ得る。ある観測ウィンドウについての監視対象のグリッド周波数の値に適合される多項式関数の係数を、次の観測ウィンドウ中の係数と比較することによって、例えば、監視対象のグリッド周波数の減少(又は、実際には増加)の始まり(係数が0でない値を有することを検出することによる)、監視対象のグリッド周波数の変化率の変化(係数の大きさの変化を検出することによる)、及び監視対象のグリッド周波数における転換点又は変曲点(1つ又は複数の係数の符号の変化を検出することによる)などの、適合される関数の形状の重大な変化を検出することが可能であることが、上述の例から分かる。本実施形態では、1つ又は複数の条件が満たされていることの判断は、したがって、連続する観測ウィンドウの係数のうち1つ又は複数の間の差を判断すること、並びに、差の大きさ及び/又は符号が、1つ又は複数の範囲内にあるかどうか、及び差の1つ又は複数が、範囲の1つ又は複数の外にあるとき、条件が満たされることを判断することを含み得る。

さらに、多項式関数の係数が、時間間隔の間にどのように変化するかを判断することによって、周波数特性が変化しそうな量を外挿することが可能である。典型的には、監視対象のグリッド周波数が転換点に近づくにつれて、周波数特性の全体的な減少(又は増加)の正確な推定を行うことが可能である(図7のe))。これは、典型的には、約500msの周波数特性の減少の始まりに続く時間に一致し、閾値に到達するのにかかる時間(例えば、およそ数秒)よりも著しく短い時間フレームであり得る。

上記実施形態では、例えば、最も大きな重みが、直前の観測ウィンドウの監視対象のグリッド周波数に与えられるように、異なる重みが、異なる観測ウィンドウの監視対象のグリッド周波数に対して与えられることができる。この重み付け手続きは、適合される関数の係数の判断において、監視対象のグリッド周波数のスプリアス成分の影響を減らすことができる点で、フィルタとして動作し得る。

適合手続きは、他の関数形、例えば、指数関数、べき関数、又は例えば、任意の次数の多項式関数に監視対象のグリッド周波数を適合することに基づいてもよい。

条件は、測定装置120固有の領域内のグリッド慣性の測定に関して設定されてもよい。電力バランスの所与の突然の変化のために、比較的大きな慣性を有する領域についてのグリッド周波数に対する影響は比較的小さいため、例えば、その外側で条件が満たされる周波数の範囲は、比較的大きな慣性を有するグリッド領域からの測定には比較的小さく設定され得る。

図5のステップ510の制御命令の生成、及び、図5のステップ512の電力ユニットへの制御命令の送信から生じる電力ユニットの制御がもたらす、グリッド周波数への寄与が、図8の(a)〜8cに関してここでより詳細に説明される。

図8の(a)は、1〜5とラベルが付けられた時間の特定の点によって区間に分けられた、3つの異なる仮定のシナリオ「A」、「B」及び「C」における、時間に対する監視対象のグリッド周波数の仮定のプロットを示す。

図8の(a)のシナリオ「A」で1において、グリッド内の監視対象領域での電力供給に突然の損失があり、したがって、グリッド周波数が減少している。シナリオ「A」では、突然の損失に対して何の処置も取られず、即ち、本明細書に記載する発明は展開されていない。したがって、2〜5を通じて、グリッドが、新たな、より低いグリッド周波数で平衡状態に近づくにつれて、グリッド周波数は、徐々によりゆっくりとした下降速度ではあるが低下し続け、ちょうど4の前で、グリッド周波数の仮定の許容下限の49.5Hzより下に下降する。このシナリオに対処する従来の方法は、1の後数秒又は数十秒、グリッド内の別の大きな発電機が、返されるグリッド周波数をその公称値に戻すために、電力供給を増加させることであり得る。しかしながら、その時までに、グリッド周波数が公称値について仮定する許容範囲外となって既に、約数十秒が経過している。

図8の(a)のシナリオBでは、シナリオAと同様の突然の電力不均衡が1で発生し、周波数は、最初のうち1と2との間で同様に下降する。しかしながら、このシナリオでは、本発明の実施形態による制御期間が開始される。2より前に監視された周波数の(例えば、上述したような)分析から、条件が満たされ、制御期間が開始されるべきであるとCN130によって判断され、制御期間が2で開始される。さらに、この例示的なシナリオでは、グリッド周波数が時間で変化し、かつ変化しそうな方法を特徴付ける周波数特性が、1及び2と間の監視対象のグリッド周波数の分析から(例えば、図6の(a)〜(c)及び7a〜7fに関して上述した方法を使用して)導出される。これらの周波数特性は、例えば、1及び2の間の周波数に関連する電力の不均衡の大きさを判断するための監視に固有の領域の、例えば慣性の特性と組み合わされる。したがって、不均衡を補償するために制御する必要がある電力供給及び/又は電力消費の大きさ及び持続期間が計算される。

例示的なシナリオBで2において、CN130のプロセッサ304は、また、電力ユニット119のプロファイル情報をデータ記憶306から読み出す。次いで、プロセッサは、電力ユニット119をフィルタリングして、例えば、制御、及び例えばこの例に利用可能であるとプロファイル情報によって示されている電力ユニットが、現在電力を消費中の電力消費ユニット、又は現在全容量で電力を供給していない電力供給ユニットのいずれかであるとさらに考えるようにしてもよい。次いで、プロセッサは、例えば、電力消費容量及び/又は電力供給容量などのさらなるプロファイル情報に基づいて、フィルタリング後残っている各電力ユニットについて、計算された不均衡を補償するのに十分な、組み合わされた応答を行うために、各電力ユニットに送信する必要がある制御命令を例えば計算してもよい。それは、例えば、十分な(例えば、応答が配信され得る大きさ及び速度において十分な)応答を行うことができる電力ユニット、又は電力ユニットのグループがあるということであってもよい。このグループは、図8の(b)のブロック804によって表される。図8の(b)は、電力ユニットの例示的な制御スケジュールを示す概略図であり、制御スケジュールは、シナリオBに関連付けられている。ブロック804で表されるグループは、例えば、供給容量が限られているが、応答時間が非常に短く、例えば、工業上又は商業上のプロセスが短い期間の間だけで終結され得る電力供給ユニットを含み得る。

2において、制御命令が生成されて、ブロック804で表されたグループに送信される。ブロック804で表される電力ユニットは、図8の(b)のブロック802で表された短い期間を、3まで続く制御命令への応答にかけ得る。

ブロック804で表される電力ユニットグループの制御の結果、図8の(a)のシナリオBの監視対象のグリッド周波数は、3で降下しなくなり、ゆっくり増加する。しかしながら、それは、グループ804の電力ユニットが、例えば、工業プロセスの中断期間の制限に起因して、限られた期間の間に応答を行うことしかできず、限られた期間は、例えば、グリッド周波数を公称周波数についての許容範囲内に戻すために、システムの発電/消費に平衡をもたらすことになる予備の発電に従事する必要があると判断された時間よりも短いということであり得る。追加的に又は代替的に、グループ804の電力ユニットが延長された期間の間応答を行うことは、例えば、電力ユニットのユーザに不便をかける恐れがあるため、望ましくないかもしれない。

2において、プロファイル情報、例えば、特徴応答時間、又はブロック804で表された電力ユニットの時間の可用性の最大長時間の標識からこれを判断すると、CN130のプロセッサ304は、2において、図8の(b)のブロック808で表される、第2の電力ユニット又は第2のグループの電力ユニットに対しても、制御命令を生成し送信する。ブロック808で表されるグループは、ブロック806で表された制御命令に応答する期間を有し、その期間は、例えば、ユニット内の比較的遅い制御回路に起因して中間の長さである。したがって、ブロック808で表されるグループは、ブロック804で表されるグループに関連付けられる応答が終わる少し前に、4において応答に寄与し始める。

ブロック808で表される電力ユニットのグループは、例えば、冷却ユニットを含み得る。冷却ユニットは、図らずも比較的ゆっくりと制御命令に応答し、そのプロファイル情報において、冷却ユニットが、例えば、十分な冷却の全体レベルを維持するために、限られた時間の間オフにされることもできると指定されている。ブロック804で表される電力ユニットの制御は、図8の(a)の例示的なシナリオBの監視対象のグリッド周波数に強い影響を与え、シナリオBでは、周波数が、4及び5の間で一定レベルに維持される。

上述したように、ブロック808の電力ユニットの制御の長さもまた限定され、グループの制御は、5の後に終了するということであってもよい。2において、ブロック808の電力ユニットのプロファイル情報からこれを判断すると、CN130のプロセッサ304は、図8の(b)のブロック812で表される、第3の電力ユニット又は第3のグループの電力ユニットのための制御命令も生成する。このグループは、制御命令810に応答する期間を有し、その期間は、例えば、グループが含まれるディーゼル発電機の比較的長い起動時間に起因して比較的長く、したがって、第3のグループの電力ユニットは、ブロック808に関連付けられる応答が終わる少し前に、5において応答に寄与し始める。

ブロック812のユニットの制御は、図8の(a)の例示的なシナリオBの監視対象のグリッド周波数に大きな影響を与える。シナリオBでは、周波数は、5の先で増加し、公称周波数50Hz付近に戻る。ブロック812の電力ユニットの制御は、周波数を公称値付近に維持するために制御がもはや必要ないと判断されるまで、継続し得る(ブロック812の端部の破線で表される)。監視対象のグリッド周波数が、公称周波数についての周波数の許容範囲内に戻ったという判断が行われる場合に、制御期間が終了し、実際に制御期間の終了によって、監視対象のグリッド周波数の変化がさらなる制御期間を開始するのに十分と判断されることにつながる場合、さらなる制御が実行されることになることもある。

図8の(a)のシナリオCでは、監視対象のグリッド周波数の変化、制御期間の開始、周波数特性の判断、及び制御命令の生成が、シナリオBと同様に起こり、図8cの最初の3列の制御ブロックで示されるように、図8の(b)と同一の最初の制御スケジュールが生成され、実行される。しかしながら、シナリオCでは、ブロック804’の電力ユニットの制御が、3の後で低下し続けるのを妨げない。一方、CN130は、制御命令が2で生成されて送信された後、グリッド周波数を監視し続け、2と4との間隔の間に、例えばこの期間中に導出された周波数特性の分析から、1つ又は複数のさらなる条件が満たされたこと、例えば、監視対象のグリッド周波数が依然として低下していること、及びさらなる制御命令が生成され送信される必要があることを判断する。したがって、CN130のプロセッサ304は、2と4との間で判断された、周波数の低下を補償するのに必要な追加的な電力消費及び/又は電力供給の制御を計算することができる。次いで、CN130のプロセッサ304は、グリッド100に接続されている分散された複数の電力ユニットのプロファイル情報をさらに取得し、さらなる制御で使用するために電力ユニットをさらにフィルタリングして選択し、さらなる制御命令を生成して、必要に応じてさらに計算された補償をもたらすことができる。これらの制御命令は、5で、ブロック816のような、図8cの例示的な制御スケジュールに表されるグループに送信される。電力ユニットがブロック814で表される制御命令に応答する、短い時間間隔があることもある。

ブロック816の電力ユニットの制御によって行われる追加の応答は、図8の(a)のシナリオCの監視対象のグリッド周波数の例示的なプロットに反映されており、4と5の間の間隔でのように、周波数は低下するのをやめて上昇し始める。シナリオCでは、ブロック816の電力ユニットの追加的な寄与が、5の少し後で終わるが、5においてブロック812’の電力ユニットから応答が開始されることにより、監視対象のグリッド周波数は公称値付近に十分戻る。シナリオCにおいて制御期間は終了し、シナリオBで上述したのと同じ方法で再開され得る。

このように、電力ユニットは、グリッド周波数を公称値に戻すために、グリッド周波数の変化に、動的で明確に定義され、かつ継続的な応答を行うように、集約及び制御され得る。

制御期間において電力ユニットを制御することから作り出される、組み合わされた電力供給及び/又は電力消費が、予め定義された経時的プロファイルに従うように、制御命令の生成が制限され得る。このプロファイルは、例えば、速過ぎる応答によって引き起こされ得る、電子機器に対する損傷を制限するために、例えば、グリッド運用者によって予め定義されてもよい。

予め定義された経時的プロファイルを定義するパラメータは、例えば、静的パラメータとして、システム運用者によって定義されてもよい。パラメータ及び/又は経時的プロファイルは、グリッドの局所的な領域又は地域に対して固有であってもよく、例えば、1日又は1週間の間のある時間の特定の時間ウィンドウにのみ有効であるように定義されてもよく、周波数特性の所与の判断に対して柔軟性があってもよく、例えば、監視対象のグリッド周波数の変化の重大度の一定レベルの判断に応じて制限が緩やかであってもよい。

予め定義された経時的プロファイルを生成するための制御命令が、例えば、監視対象のグリッド周波数に関する任意の条件が満たされるのに先立って、生成されてもよい。例えば、図5のステップ510の制御命令の生成は、例えば、予め定義された電力ユニットのセットのための予め定義された制御命令のセットを、データ記憶、例えば、CN130のデータ記憶306から取得することを含み得る。

予め生成された制御命令のセットは、送信時に、例えば、予め定義された経時的応答を起こしてもよい。経時的プロファイルは、例えば、上述のような1つ又は複数のパラメータによって定義されており、予め定義された異なる経時的プロファイルからなる、予め生成された制御命令の異なるセットがあってもよい。

予め生成された制御命令の特定のセットは、1つ又は複数の変化特性に基づいて取得され得る。例えば、図5〜8cに関して上記で詳細に説明した方法を用いて、ある位置の周波数の変化事象が、「高い重大度」として分類されると変化特性が示していると判断され得る。この場合、例えば、その位置での「高い重大度」の事象に応答するために、予め生成されている制御命令のセットが、例えば、CN130のデータ記憶306から取得され、制御命令に定義されたPUC118に送信されてもよい。

周波数の変化には、判断される変化特性、並びに、例えば、変化が測定された時間及び/又は位置のグリッド慣性に基づいて、例えば、数値化した等級が与えられてもよい。例えば、グリッド周波数の比較的急速な減少若しくは比較的大きな減少、又はその両方の組み合わせを起こす可能性が高い、又は可能性が高いと予想される変化は、例えば、「−10」で等級付けされてもよく、一方、比較的緩やかな増加の変化若しくは比較的小さな変化、又はその両方を伴う変化は、例えば、「+2」で等級付けされてもよい。20個の異なる予め生成された制御命令のセット(即ち、−10〜−1及び+1〜+10)があり、送信時に、判断された重大度の変化の等級に比例する応答をもたらすようにそれぞれ定義されている。例えば、変化が、例えば、等級「−7」に含まれる変化特性を有する場合、等級「−7」の周波数の変化に比例する応答をもたらすために、予め生成されている「−7」とラベル付けされた、対応する予め生成された制御命令が、取得され、送信され得る。これにより、制御期間の開始時又は開始後に、どの電力ユニットが応答に含まれ、それらが、十分な応答をもたらすためにどの制御命令が送信されるべきであるかの計算のレベルが低下するため、より速い応答が可能となるかもしれない。

例えば、さらなる制御命令が、その後のグリッド周波数の監視に基づいて生成され、送信される前に、予め生成された制御命令のセットが、判断される変化特性の変化への最初の応答として、制御命令中に定義された電力ユニットへ送信されてもよい。例えば、図8cのブロック804’、808’及び812’で表されるグループに送信される制御命令が、予め生成され、1及び2の間の監視対象のグリッド周波数の変化に応じて、2及び3の間で取得されてもよい。次いで、制御命令は、その後のグリッド周波数の監視に応じて、4の時点で、生成されて図8cのブロック816で表される電力ユニットのグループに送信されてもよい。

制御命令の生成には、特定の時間における、グリッド内の特定の位置でのグリッド慣性に関する情報も組み込んでもよい。例えば、特定の時間に、特定のグリッド位置が、例えば、低い慣性を有する場合、著しい周波数の変化に応じて、電力ユニットを制御して、例えば、最も急速な応答をもたらすことが可能な電力ユニットを選択することにより、適切に急速な応答を可能な限り近くにもたらすように、制御命令が生成されてもよい。一方、ある時間におけるグリッドの領域が、例えば、高い慣性を有すると判断される場合、高速に応答する電力ユニットのための制御命令を生成することの重要性が低いということが、制御命令の生成において考慮され得る。

連携された応答の制御の精度及びレベルを向上させるために、CN130のプロセッサ304が、制御命令の生成において、電力ユニットに関連付けられる特徴応答時間を使用することに加えて、又は使用しなければ、プロセッサ304は、プロファイル情報の一部をさらに形成し得る、電力ユニットの特徴応答関数も使用してもよい。特徴応答関数は、例えば、図8の(b)のブロック804の電力ユニットのための、ブロック802で示されるような特徴応答時間に単に関係すると同様に、所与の制御命令の受信に応じた、電力ユニットの電力消費及び/又は電力供給の変化の関数形に関係する。例えば、図8の(b)のブロック802は、時間を表し、その時間の後、ブロック804の電力ユニットが、制御命令の受信に応じて所与のレベルの供給を行うことができる。一方、いくつかの実施形態では、ブロック802は、ある時間の関数を表してもよく、その関数は、制御命令で指定された電力の供給が達成される前に、電力が電力ユニットによって供給される方法を特徴付ける。代替的に、特徴応答関数は、パラメータ化された関数形を特徴付けるパラメータによって表されてもよい。例えば、機械式発電機の電力供給は、起動期間によって最初は特徴付けられ得る。起動期間は、例えば、パラメータ化された関数P(t)=A−BeCtによって特徴付けられ得る。ここで、P(t)は、時間tにおける電力出力であり、A、B及びCは、関数を特徴付けるパラメータである。別の例では、ディーゼル発電機は、電力を供給する前に、始動モーターの使用によって、最初に電力を消費する可能性があり、したがって、異なる関数形によって特徴付けられ得る。別の例では、スロー制御回路は、電力ユニットからの電力出力が0の期間をもたらす可能性があり、したがって、特徴応答関数は、例えば、時間におけるオフセットをパラメータ化することによって、このことを反映させてもよい。特徴応答関数は、電力ユニットの応答のそれぞれのデータポイントを含む、測定された又は適切な応答を表してもよく、したがって、関数形又はそれに関連付けられたパラメータによって必ずしも特徴付ける必要はない。

生成され、例えば、図8の(b)のブロック804で表される電力ユニットのグループに送信された制御命令は、オフにする命令、オンにする命令、電力供給を増加又は減少させる命令、電力消費を増加又は減少させる命令、一定時間の間電力供給及び/又は電力消費を変化させる命令、並びに特定の時間プロファイルに従って電力供給及び/又は電力消費を変化させる命令を含み得る。応答全体の予め定義された経時的プロファイルを高精度で達成するために、ブロック804の制御命令は、パラメータ化された関数に従って、例えば、P(t)=A−BeCtに従って、電力供給を増加させる命令を含んでもよい。ここで、P(t)は、時間tにおける電力出力であり、A、B、及びCは、関数を特徴付けるパラメータである。制御命令は、例えば、関数のパラメータ、又はCN130及びPUC118の双方に既知の予め定義された関数形の識別子だけを含んでもよい。電力ユニットの電力供給及び/又は電力消費の所望の経時的応答を生じさせるために、必要に応じて他の関数形が定義され、パラメータ化されてもよいと理解されたい。

いくつかの実施形態では、制御システムの処理手段は、例えば、1つ又は複数のCN、1つ又は複数のPUC、及び1つ又は複数の測定装置120からプロセッサを構成する、分散された複数のプロセッサを含み得る。上述の計算、判断、導出、又は上述のプロセッサのいずれかによって実行される任意の他のそのような動作のうちのいずれかが、本明細書に記載された様々な実施形態のプロセッサのうちの任意のプロセッサ、又は任意の組み合わせを使用して実装され得る。例として、例えば、図5のステップ502で表されるグリッド周波数の監視、及び、例えば、図5のステップ504で表される、監視対象のグリッド周波数に関する条件が満たされていることの判断は、周波数が測定されている測定装置のプロセッサを使用して達成されてもよい。次いで、測定装置は、満たされている条件の詳細をCN130に伝送してもよく、CN130のプロセッサ304及び通信手段I/O302は、次いで、図5の506〜512で表されるステップを引き受けてもよい。さらなる例では、測定装置のプロセッサは、例えば、図5のステップ506で表されるように制御期間を開始してもよく、制御期間の詳細をCN130に伝送してもよい。処理関数を分散することによって、CNのプロセッサに対する要件を減少させることができ、したがって、これらの要素のコストを省くことができる。処理する機能を分散することによって、システムのプロセッサを最も効率良く使用するように、異なるプロセッサ間で負荷分散することも可能となり、また、任意のプロセッサの過負荷や、これがもたらすこととなる関連する応答遅延を回避することも可能となる。

グリッド周波数の一定の減少に応じた電力ユニットの制御に関して上述した任意の例示的な実施形態は、グリッド周波数の一定の増加に応じた電力ユニットの制御にも同様に適用することができると理解されたい。例えば、タイマーに設定されている街灯の消費電力が、急激に相関して減少することに起因して、需要が急激に減少することがある。例えば、発電機や発電機群の管理若しくは誤った制御、又は、例えば、多くの風力発電所及び太陽光パネルが、大容量でグリッドへ電力を供給することが可能な、非常に日当たりが良く風の強い期間に起因して、恐らく急激に、供給が増加することもある。これらの場合、電力の需要よりも供給の方が多い可能性があり、それは恐らく急激なグリッド周波数の増加につながり得る。この周波数の増加によって、グリッド周波数は、公称グリッド周波数付近の所望の周波数範囲外に出るか、又は出る可能性が高いと判断され得る。したがって、例示的な実施形態に関して上記で詳細に説明したように、制御システムは、監視対象のグリッド周波数を、その公称値又はその公称値付近に戻すように動作し得る。上記で詳細に説明したのと同様に、これは、電力を供給する電力ユニットに、供給を止めるか又は減少させるための制御命令を送信すること、及び/又は電力を消費する電力ユニットに、消費を維持するか又は増加させるための制御命令を送信することを含み得る。いずれの場合でも、上記で詳細に説明したように、制御命令は、電力ユニットのプロファイル情報に基づいて、かつ判断される変化特性に基づいて生成される。したがって、本発明の実施形態は、本質的に、増加及び減少の両方のグリッド周波数の変化に適用されることができることが、容易に理解されるであろう。

いずれか1つの実施形態に関連して説明した任意の特徴は、単独で、又は説明した他の特徴と組み合わせて使用されてもよく、また、実施形態のうちのいずれかの他の実施形態の1つ又は複数の特徴と組み合わせて、又は、実施形態のうちのいずれかの他の実施形態の任意の組み合わせで使用されてもよい。さらに、上述されていない均等物及び修正物は、添付の特許請求の範囲で定義される、発明の範囲から逸脱することなく使用されてもよい。

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