DCリンクを包含するエネルギ貯蔵モジュール

申请号 JP2016522416 申请日 2014-06-20 公开(公告)号 JP2016525859A 公开(公告)日 2016-08-25
申请人 エンリッチメント テクノロジー カンパニー リミテッド ツヴァイクニーデルラッスング ドイチュラント; エンリッチメント テクノロジー カンパニー リミテッド ツヴァイクニーデルラッスング ドイチュラント; 发明人 シェーファー,クリストフ; デム エッシェ,ライナー フォル; デム エッシェ,ライナー フォル; スパンジェンバーグ,アルネ;
摘要 本発明は、電気エネルギの可逆的貯蔵のためのエネルギ貯蔵モジュール(1)に関係し、当該モジュールは、共有DCリンク(3)を介して電気的に並列に接続されるいくつかのフライホイール・エネルギ貯蔵ユニット(2)を包含し、DCリンク(3)と接続され、かつ正常運転(NO)の間においては、外部電 力 網(1つまたは複数)(ES1,ES2)からエネルギを吸い上げる(En)ため、またはそこへエネルギをリリース(Ep)するために、DCリンク(3)を1つまたは複数の外部電力網(ES1,ES2)へ接続する第1の調整システム(31)を包含し、かつ入力側(32E)および出力側(32A)を有する第2の調整システム(32)であって、フライホイール・エネルギ貯蔵ユニット(2)の運転に必要な1つまたは複数の電力供給される運転集合体(51,52,53,54)へ供給する目的のために、入力側(32E)が少なくともDCリンク(3)と接続され、出力側(32A)が内部供給網(4)と接続され、それによって、外部電力網(ES1,ES2)が利用できない少なくとも緊急運転(NF)の間にわたってDCリンク(3)を内部供給網(4)と接続し、少なくとも第1の時間間隔(T)の間にわたって、フライホイール・エネルギ貯蔵ユニット(2)の連続運転を確保するために、必要な供給電力(VL)を、DCリンク(3)だけから、供給網(4)へ供給するべく構成された第2の調整システム(32)を包含する。本発明は、その種のエネルギ貯蔵モジュール(1)をコントロールするための方法にも関係する。【選択図】図1
权利要求

電気エネルギの可逆的貯蔵のためのエネルギ貯蔵モジュール(1)であって、共有DCリンク(3)を介して電気的に並列に接続されるいくつかのフライホイール・エネルギ貯蔵ユニット(2)を包含し、前記DCリンク(3)と接続され、かつ正常運転(NO)の間においては、外部電網(1つまたは複数)(ES1,ES2)からエネルギを吸い上げる(En)ため、またはそこへエネルギをリリース(Ep)するために、前記DCリンク(3)を1つまたは複数の前記外部電力網(ES1,ES2)へ接続する第1の調整システム(31)を包含し、かつ入力側(32E)および出力側(32A)を有する第2の調整システム(32)であって、前記フライホイール・エネルギ貯蔵ユニット(2)の運転に必要となる1つまたは複数の電力供給される運転集合体(51,52,53,54)へ供給する目的のために、前記入力側(32E)が少なくとも前記DCリンク(3)と接続され、前記出力側(32A)が内部供給網(4)と接続され、それによって、前記外部電力網(ES1,ES2)が利用できない少なくとも緊急運転(NF)の間にわたって前記DCリンク(3)を前記内部供給網(4)と接続し、少なくとも第1の時間間隔(T)の間にわたって、前記フライホイール・エネルギ貯蔵ユニット(2)の連続運転を確保するために、必要となる供給電力(VL)を、前記DCリンク(3)だけから、前記供給網(4)へ供給するべく構成された第2の調整システム(32)を包含する、エネルギ貯蔵モジュール(1)。緊急運転(NF)の間においては、前記第2の調整システム(32)が、需要に応じて前記DCリンク(3)から電力を供給することから、本質的に一定の態様で前記内部供給網(4)内の供給網電圧(VS)を調整することを特徴とする、請求項1に記載のエネルギ貯蔵モジュール(1)。前記第2の調整システム(32)の前記入力側(32E)が、さらに前記外部電力網(ES2)と接続され、前記第2の調整システムが、正常運転(NO)の間においては前記外部電力網から、緊急運転の間においては前記DCリンク(3)から、前記内部供給網のための前記供給電力を提供するべく構成されることを特徴とする請求項2に記載のエネルギ貯蔵モジュール(1)。前記エネルギ貯蔵モジュール(1)が、前記DCリンク(3)内の直流電圧を連続的に監視するべく構成されることと、前記フライホイール・エネルギ貯蔵ユニット(2)のそれぞれがモータ・コントロール手段(6)を有し、それが、正常運転の間にわたって前記フライホイール・エネルギ貯蔵ユニット(2)をコントロールするためのモジュール・コントロール・ユニット(6)とは独立して、緊急運転(NF)——監視される直流電圧(GS)を少なくとも基礎とする——の場合においては、関係している前記フライホイール・エネルギ貯蔵ユニット(2)から、少なくとも、前記関係している前記フライホイール・エネルギ貯蔵ユニット(2)内に貯蔵されているエネルギの量が最小エネルギ・レベルより下に落ちない限りにおいて、エネルギをリリース(EFp)するという点において、前記DCリンク(3)内の前記直流電圧(GS)が下側スレッショルド値(SW2)より下に落ちることを許容しないように構成されることと、を特徴とする、請求項3に記載のエネルギ貯蔵モジュール(1)。前記DCリンク(3)内の前記直流電圧(GS)を測定する目的のために前記DCリンク(3)内に少なくとも1つの測定デバイス(33)が存在し、かつ前記デバイスが前記フライホイール貯蔵ユニット(2)の少なくとも前記関係しているモータ・コントロール手段と接続されることを特徴とする、請求項4に記載のエネルギ貯蔵モジュール(1)。個別の前記フライホイール貯蔵ユニット(2)の前記モータ・コントロール手段(51)は、前記モジュール・コントロール・ユニット(6)とは独立して互いに直接接続され、かつそれらがそれぞれ、緊急運転(NF)の間にわたってすべての前記フライホイール貯蔵ユニット(2)によって前記DCリンク(3)内の前記直流電圧(GS)の連帯的に調和されたサポート運転(SB)を実行するべく構成されたフライホイール・コントロール手段を包含することを特徴とする、請求項5に記載のエネルギ貯蔵モジュール(1)。前記エネルギ貯蔵モジュール(1)が、前記エネルギ貯蔵モジュール(1)と接続される前記外部電力網(ES1,ES2)の電圧の質を連続測定する1つまたは複数の測定ユニット(7)を包含し、それにより前記1つまたは複数の測定ユニット(7)が、前記接続されている前記外部電力網(ES2)のうちの少なくとも1つにおける過大電圧または過小電圧の場合に、前記エネルギ貯蔵モジュール(1)内に緊急運転信号(NFS)を発するべく構成されること、および前記第2の調整システムが、前記緊急運転信号(NFS)に対する自動的な応答として正常運転(NO)から緊急運転(NF)へ切り替わるべく構成されることを特徴とする、請求項6に記載のエネルギ貯蔵モジュール(1)。前記第1の調整システム(31)が、前記緊急運転信号(NFS)に応答して前記外部電力網(ES1,ES2)から前記DCリンク(3)を切り離すべく構成されること、および/または前記第2の調整システム(32)が、前記緊急運転信号(NFS)に応答して前記外部電力網(ES2)から前記内部供給網(4)を切り離すべく構成されることを特徴とする、請求項7に記載のエネルギ貯蔵モジュール(1)。前記測定ユニット(7)が、前記外部電力網(ES1,ES2)が再び利用可能になった後に前記エネルギ貯蔵モジュール(1)内において正常運転信号(NOS)を送信するべく構成されること、および前記エネルギ貯蔵モジュール(1)が、前記正常運転信号(NOS)に対する自動的な応答として、緊急運転(NF)から正常運転(NO)へ切り替わり、かつ前記DCリンク(3)および前記内部供給網(4)を前記外部電力網(1つまたは複数)(ES1,ES2)と接続するべく構成されることを特徴とする、請求項8に記載のエネルギ貯蔵モジュール(1)。請求項1に記載のエネルギ貯蔵モジュールをコントロールするための方法であって、 − いくつかのフライホイール貯蔵ユニット(2)が電気的に並列に接続された共有DCリンク(3)からのエネルギを、第1の調整システム(31)を介して前記DCリンク(3)と接続されている1つまたは複数の前記外部電力網(ES1,ES2)へリリース(Ep)するか、またはそこから吸い上げる(En)ステップと、 − 前記フライホイール貯蔵ユニット(2)の運転(BT)に必要とされる前記1つまたは複数の運転集合体(51,52,53,54)に、前記運転集合体(4)の運転(BT)に必要とされるエネルギを、エネルギ貯蔵モジュールの正常運転(NO)の間においては、前記内部供給網(4)を介して供給し、それによって前記供給網(4)が、前記入力側(32E)が少なくとも前記DCリンク(3)と接続される第2の調整システム(32)の前記出力側(32A)と接続されるステップと、 − 前記外部電力網(ES1,ES2)が利用できないとき、前記エネルギ貯蔵モジュールを正常運転(NO)から緊急運転(NF)へ切り換えるステップと、 − 前記外部電力網(ES1,ES2)が利用できないとき、少なくとも第1の時間間隔(T)の間にわたって、前記フライホイール貯蔵ユニット(2)の連続運転(BT)のための供給電力(VL)を前記内部供給網(4)へ供給(V)するステップであって、前記DCリンク(3)からのみこれが行なわれるとするステップと、 を包含する方法。さらに、 − 前記内部供給網(4)の供給網電圧(VS)が、需要に応じて電力が前記第2の調整システム(32)を経由して前記DCリンク(3)から供給されることから一定値に調整(R)されるステップ、 を包含する、請求項10に記載の方法。さらに、 − 前記DCリンク(3)の直流電圧(GS)を連続的に、好ましくは前記DCリンク(3)内にアレンジされた少なくとも1つの測定デバイス(33)によって監視するステップと、 − 正常運転(NO)の間にわたって前記フライホイール貯蔵ユニット(2)をコントロールするためのモジュール・コントロール・ユニット(6)とは独立して、緊急運転(NF)の場合においては、前記フライホイール貯蔵ユニット(2)を、個別の前記フライホイール貯蔵ユニット(2)内の関係しているモータ・コントロール手段(51)によって、前記監視した直流電圧(GS)を基礎として、前記フライホイール貯蔵ユニット(2)内に貯蔵されているエネルギの量が最小エネルギ・レベルより下に少なくとも落ちない限りにおいて、前記関係しているフライホイール貯蔵ユニット(2)から前記DCリンク(3)へのエネルギのリリース(EFp)により、前記直流電圧(GS)が下側スレッショルド値(SW2)より下に落ちることのないように、好ましくは、前記関係している前記フライホイール貯蔵ユニット(2)のための時間に関係付けたトルク仕様(DV)を規定することによって、コントロール(ST)するステップと、 を包含する、請求項11に記載の方法。さらに、 − 各モータ・コントロール手段が前記フライホイール・コントロール手段を包含し、かつ前記フライホイール貯蔵ユニット(2)の個別のモータ・コントロール手段が、前記モジュール・コントロール・ユニット(6)とは独立して互いに接続されていることから、前記緊急運転(NF)の間において前記DCリンク(3)内の前記直流電圧(GS)を一定値に調整するために、連帯的に調和されるすべての前記フライホイール貯蔵ユニット(2)のサポート運転(SB)を、前記モータ・コントロール手段(51)によって実行するステップと、 − 前記フライホイール貯蔵ユニット(2)のコントロールされた漸減のための最小量のエネルギを提供するために、個別のフライホイール貯蔵ユニット(2)が共有サポート運転(SB)から系統的に除外されるステップと、 を包含する、請求項12に記載の方法。さらに、 − 前記フライホイール貯蔵ユニット(2)内に貯蔵されたエネルギの量が最小エネルギ・レベルより下に落ちると、前記第2の調整システム(32)によって前記DCリンク(3)から前記内部供給網(4)を切り離すステップ、 を包含する、請求項13に記載の方法。さらに、 − 前記エネルギ貯蔵モジュールの1つまたは複数の測定ユニット(7)を使用して、前記エネルギ貯蔵モジュール(1)と接続されている前記外部電力網(ES1,ES2)内の電圧の質を連続的に測定(KM)するステップと、 − 前記接続されている外部電力網(ES1,ES2)のうちの少なくとも1つにおける過大電圧または過小電圧の場合に1つの測定ユニット(7)によって前記エネルギ貯蔵モジュール(1)内において前記緊急運転信号(NFS)を発するステップと、 − 前記第1の調整システム(31)によって少なくとも前記DCリンク(3)から前記外部電力網(1つまたは複数)(ES1,ES2)を切り離すステップと、 − 前記DCリンク(3)内の前記直流電圧(GS)の低下に対する自動的な応答として、または前記緊急運転信号(NFS)に対する自動的な応答として、前記フライホイール貯蔵ユニット(2)を正常運転(NO)から緊急運転(NF)へ切り換え、前記第2の調整システム(32)を経由して前記DCリンク(3)から必要な供給電力(VL)を前記内部供給網(4)へ供給するステップと、 − 前記外部電力網(ES1,ES2)が再び利用可能になった後に前記測定ユニット(7)によって正常運転信号(NOS)を発するステップと、 − 前記エネルギ貯蔵モジュール(1)を緊急運転(NF)から正常運転(NO)へ切り換えるステップと、 − 前記正常運転信号(NOS)に対する自動的な応答として、前記内部供給網(4)を前記外部電力網(1つまたは複数)(ES2)へ、好ましくは前記第2の調整システム(32)によって接続するステップと、 を包含する、請求項10乃至14のいずれかに記載の方法。

说明书全文

本発明は、DCリンクを包含するエネルギ貯蔵モジュールをはじめ、その種のエネルギ貯蔵モジュールをコントロールするための方法に関する。

網の運転に必要なエネルギは、いくつかの異なるタイプの発電プラントによって供給される。この情況に関して言えば、殆どの発電プラント、たとえば、原子力発電プラント、石炭火力発電プラント、天然ガス発電プラント、風力発電プラント、バイオガス発電プラント、または太陽光発電プラント等は、非局所的(またはそれ以外の外部の)電力網へエネルギを供給するだけの単なるエネルギ生産者に過ぎない。非局所的電力網は、たとえば、独国における例を挙げれば、Amprion(アンプリオン)、50Hertz(50ヘルツ)、Tennet(テンネット)、およびTransnetEnBW(トランスネットEnBW)によって運営されている送電網である。これらの送電網は、欧州相互接続グリッド(European interconnection grid)の一部である。上述の発電プラントは、純粋なエネルギ生産者であることから、必要時に電力網から余剰エネルギを吸い上げて貯蔵しておくことが可能でない。エネルギ貯蔵システムは、これとは対照的に、エネルギを吸い上げ、電力網へそれをリリースすることが可能である。エネルギ貯蔵システムの例は、揚式発電プラント等の集中型エネルギ貯蔵システム、またはそれ以外にはバッテリまたはフライホイール・エネルギ貯蔵システム等の分散型エネルギ貯蔵システムである。揚水式発電プラントは、おしなべて天候非依存エネルギ貯蔵システムを構成し、したがって、概して常に利用可能である。集中型エネルギ貯蔵システムは、通常、大容量のための規模を有する。非局所的電力網のための運転準備量を提供するためには、集中型エネルギ貯蔵システムが、その利用可能な出力から、非局所的電力網におけるその種の目的に適している。発電機は、一般に、全負荷において電気を生み出すべく構成されるとはいえ、揚水式発電プラントは、それらの規模に応じて、数百MW以上の出力を有することが可能であり、したがって、対応するレベルの効率を伴って揚水式発電プラントの全出力を即座に利用できる。この運転モードは、揚水式発電プラントの容量と比較して極めてわずかな電力需要を有する電力網内における局所的な網の質の安定化または改善に向いていない。

集中的に採用されるバッテリ貯蔵システムは、現在のところ、網安定化(非場所限定)タスク(運転準備量)のための試験運転を実装するねらいで建造中である。しかしながら、これまでに計画されているシステムは、いかなる場所限定タスクも充足しない。しかしながら、根本的に述べれば、バッテリ貯蔵システムは、出力、容量、および経年変化の間における本質的な相互関係から、日毎数負荷サイクルを伴う類の応用にあまり適さず、温度の影響、システムの障害、および誤った運転に起因して迅速に劣化する。この理由のため、バッテリ貯蔵システムは、非常に高メンテナンスである。それに加えて、バッテリ貯蔵システムは、それらの高い火災および化学的リスクに起因して、環境および/または水に対する危険を呈し、したがって幅広い安全防護対策資源を必要とする。

分散型エネルギ貯蔵システムは、概して、局所的な電力需要の安定化のために最適化され、それらは、非局所的電力網をサポートする運転準備量を供給するべく構成されていないか、またはそれに適格でない。その種のシステムは、すべての電力網のための需要を満たすべく寄与できない。これまでのところ、分散型貯蔵システムは、局所的および非局所的に運転されるシステムを形成するべく相互接続されていない。

特許文献1は、正常条件下において、一次電源としての網から中間DCバスを介して排他的に供給される負荷のための過渡的エネルギ・システムを開示している。一次電源が故障した場合には、負荷へ、同じくDCバスに接続されている過渡的電源を介してエネルギが一時的に供給される。この情況に関して言えば、過渡的電源が、2つの別々の過渡的電力のソースを包含し、それによって、1秒の範囲内の網の障害時間の場合に高速かつ短時間の過渡的電源としてフライホイール・エネルギ貯蔵システムが提供される一方、より長い網の障害を埋めるための第2の過渡的電源としてガス・リザーバを伴うガス・タービンが提供される。これにおいては網の障害の場合に、第1の短い時間間隔の間にわたり、フライホイール・エネルギ貯蔵システムがDCバスへ電力を供給することが排他的に行なわれ、その後に続く第2の時間間隔の間にわたり、フライホイール・エネルギ貯蔵システムをはじめガス・タービン発電プラントがDCバスへエネルギを供給し、その後に続く第3の時間間隔の間にわたり、ガス・タービン発電プラントのみがDCバスへエネルギを供給し、その一方で、フライホイール・エネルギ貯蔵システムがDCバスから再充電される。したがって、ガス・タービン発電プラントは、正常条件下においてはグリッドによって生じている、すなわち過渡的運転の間は利用可能でない、フライホイール・エネルギ貯蔵システムの電源もまた引き継ぐ。その種のエネルギ貯蔵設備が、信頼性をもってそれらのタスクを充足し得るためには、それらが第1および第2の時間間隔の間にわたって網の障害を埋めることが可能となるように、それらに過渡的な集合体が備えられなければならない。より長く続く網障害の場合には、ガス・タービン発電プラント自体がエネルギ源として過渡的電源を引き継ぐことが可能であるが、その結果としてそれが、充分に大きな規模を有しなければならないことになり、これは複雑であり、分散型エネルギ貯蔵ユニットの流動性を制限し、したがって、その運用がより難しくなる。この状況に関して言えば、供給側、すなわち(a)フライホイール・エネルギ貯蔵システムおよび(b)ガス・タービン発電プラントは、網障害の場合にのみDCバスへエネルギを供給し、特許文献1においては、グリッドが利用可能な間に外部電力網をサポートする運転準備量を供給するべくそれらが採用されていない。それに加えて、これにおいてフライホイール・エネルギ貯蔵システムの運転集合体は、DCバスから供給されず、したがって、それらは別々の電源を有する必要がある。

この理由のため、効果的であり、環境に優しく、フェイルセーフ、かつ運転容易であり、大容量を有し、かつ接続されている外部電力網へ、需要に応じてエネルギを供給することが可能であるか、またはそれ以外にはそれらからエネルギを吸い上げることが可能であり、かつ網障害発生時には、それにもかかわらず運転準備が整った状態にとどまることが可能なエネルギ貯蔵システムへのアクセスを有することが望ましい。

米国特許第7,400,052B1号公報

これを背景にして、本発明は、効果的であり、環境に優しく、フェイルセーフ、かつ運転容易であり、大容量を有し、かつ接続されている外部電力網へ、需要に応じてエネルギを供給することが可能であるか、またはそれ以外にはそれらからエネルギを吸い上げることが可能であり、かつ網障害発生時には、それにもかかわらず運転準備が整った状態にとどまることが可能なエネルギ貯蔵システムを提供することをその目的とする。

この目的は、電気的エネルギの可逆貯蔵のためのエネルギ貯蔵モジュールによって達成され、当該エネルギ貯蔵モジュールは、共有DCリンクを介して電気的に並列に接続されるいくつかのフライホイール・エネルギ貯蔵ユニットを包含し、DCリンクと接続され、正常運転の間においては、は、外部電力網(1つまたは複数)からエネルギを吸い上げるか、またはそれらへエネルギをリリースするために、DCリンクを1つまたは複数の外部電力網に接続する第1の調整システムを包含し、かつ入力側および出力側を有する第2の調整システムであって、フライホイール・エネルギ貯蔵ユニットの運転に必要となる1つまたは複数の電力供給される運転集合体へ供給する目的のために、入力側が少なくともDCリンクと接続され、出力側が内部供給網と接続され、それによって、外部電力網が利用できない少なくとも緊急運転の間にわたってDCリンクを内部供給網と接続し、少なくとも第1の時間間隔の間にわたって、フライホイール・エネルギ貯蔵ユニットの連続運転を確保するために、必要となる供給電力をDCリンクからのみ供給網へ供給するべく構成された第2の調整システムを包含する。

フライホイール・エネルギ貯蔵ユニットの使用を通じて、エネルギが機械的回転エネルギの形式で貯蔵される。このエネルギ貯蔵のモダリティは、化学的な危険および/または火災の危険のある材料をまったく必要とせず、したがって、その種の貯蔵システムは、環境および/または水に対するリスクを呈することがない。DCリンクへの個別のフライホイール・エネルギ貯蔵ユニットの並列電気接続によって、エネルギ貯蔵モジュールについての共有されるモジュール貯蔵容量およびモジュール出力を作り出すために必要とされる個別のフライホイール・エネルギ貯蔵ユニットの、個別のユニット毎容量とユニット毎出力の結合の技術的努力は殆どわずかである。それに加えて、原理的には、任意の所望数のフライホイール・エネルギ貯蔵ユニットを、DCリンクと並列に電気接続することが可能であり、その結果として、モジュール容量およびモジュール出力を需要に適応させることが可能であり、かつ原理的には、所望に応じたエネルギ貯蔵モジュールのためのスケーリングが可能である。これは、局所的な電力または電流の網(たとえば、AC網)における局所的な網の質を改善するだけでなく、非局所的な電力または電流の網(たとえば、AC網)のための供給の信頼性を達成することを可能にする大容量を伴ったエネルギ貯蔵モジュールを提供する。

第1の調整システムとして、大型の網インバータが1つだけ採用されるときは、いくつかの小型の網インバータが使用されるときより、たとえば、すべてのフライホイール・エネルギ貯蔵ユニットが互いに別々に、独自の網インバータを伴って電力網と接続されている場合より損失が少ない。それに加えて、大型の網インバータが1つだけ使用する方が、いくつかのより小型の網インバータを使用するよりコスト効果が高い。本発明に従ったエネルギ貯蔵モジュールは、したがって、両方の目的のための充分な有効性を伴うエネルギ貯蔵システムとして採用可能である。エネルギ貯蔵モジュールは、モジュールの貯蔵容量および提供されるモジュールの出力が、DCリンクへ接続するフライホイール・エネルギ貯蔵ユニットの数の適切な選択によって特定の要件に適応され得ることから非常に効果的な運転も可能であり、その結果として、利用されない過剰容量を回避することが可能である。さらにまた、DCリンクを目標直流電圧へ調整することは容易であり、それが、エネルギ貯蔵モジュールの全体的な調整を簡素化する。それに加えて、フライホイール・エネルギ貯蔵ユニットの電気的な並列アレンジメントは、誤り冗長に転化され、それによって1つのフライホイール・エネルギ貯蔵ユニットの障害が、接続されている外部電力網(たとえば、AC網)内における調整およびシステム・タスクのためのエネルギ貯蔵モジュールの可用性を実質的に損なうことが防止される。これは、エネルギ貯蔵モジュールのフェイルセーフ性を強化する。この情況に関して言えば、目標直流電圧は、接続される外部電力網およびエネルギ貯蔵モジュール内において使用される構成要素に依存する。

設備が低電圧網と接続されるときのDCリンク内の電圧のための技術的に有意の範囲は、たとえば、550Vから1000Vまでの間である。下限は、本質的に低電圧網の電圧条件によって定義されるが、上限は、本質的に、エネルギ貯蔵モジュール内に採用される構成要素の技術的な性質によって決定される。中電圧網またはDC網においては、技術的および財務的な理由から、DCリンク内の目標直流電圧が、それらの網の電圧条件に基づいた異なる値を有する可能性もある。1つの実施態様においては、DCリンク内の目標直流電圧が750V±5Vである。DCリンク内の直流電圧の瞬時値は、第1の調整システムの適切な構成によって、DCリンク内の相応の測定デバイスによって、および/またはフライホイール・エネルギ貯蔵ユニットのモータ・コントロール手段によって確認可能であり、それらの値は、その後に続いて調整の基礎として働くことができる。このプロセスにおいては、DCリンクの直流電圧が排他的に、フライホイール・エネルギ貯蔵ユニットによって、また外部電力網が利用可能である間(エネルギ貯蔵モジュールの正常運転の間)は、接続される外部電力網(1つまたは複数)を介して第1の調整システムによってもサポートされる。DCリンクへの追加の異なるタイプの電力源の接続はない。正常運転の間は、そのほかの電力シンクがDCリンクへ接続されることがない。網障害の場合には、網障害が長引く場合、たとえば数時間またはそれ以上に続く場合であっても、DCリンク内の直流電圧がフライホイール・エネルギ貯蔵ユニットによって排他的にサポートされる。この運転状態は、緊急運転と呼ばれる。

用語『フライホイール・エネルギ貯蔵ユニット』は、ここでは、回転によって機械的回転エネルギの形式でエネルギを貯蔵するフライホイール・マスとしてロータを包含する機能ユニットを言い、ベアリング構成要素、および、電磁トランスフォーマを包含して電気的エネルギを機械的エネルギへ、またはその逆の変換を行なうロータの加速、減速、および、所定の回転速度における回転を行なうべく働くモータ構成要素をはじめ、ほかの運転集合体、たとえば真空システムまたは内部電源への内部供給網を介した接続を包含する運転集合体を包含する。負荷の状態に応じて、フライホイール・エネルギ貯蔵ユニットのロータは、50,000rpmの回転速度でさえ回転可能である。典型的な回転速度範囲は、15,000rpmから最大回転速度までの間となる。個別のフライホイール・エネルギ貯蔵ユニットは、たとえばロータの回転速度および電磁トランスフォーマの構成といった運転条件に応じたユニット毎容量およびユニット毎出力を有する。たとえば、ユニット毎容量を約5kWhとすることが可能であり、最大ユニット毎出力を200kWに至るまですることが可能である。回転エネルギの形式でのエネルギの貯蔵は、必要であれば回転エネルギとして貯蔵されているエネルギを再びフライホイール・エネルギ貯蔵ユニットから吸い上げることが可能であり、かつその後、電気エネルギとしてDCリンクを介し、かつ調整システムを介して外部電力網へ供給すること、およびその逆が可能であることから可逆的である。フライホイール・エネルギ貯蔵システムは、非常に柔軟かつ的確な態様で吸い上げられるか、またはリリースされる大量のエネルギを消費者へ提供可能であり、かつこのエネルギを機械的なエネルギの形式で貯蔵可能であるという利点を有する。したがって、フライホイール・エネルギ貯蔵システムは、火災の場合に、たとえば、バッテリ・エネルギ貯蔵設備として相互接続される大規模バッテリ・アレイより、または可燃性水素の入った水素タンクまたは圧縮エア・タンクを有する水素貯蔵設備よりはるかに小さい潜在的リスクを呈する。したがって、フライホイール・エネルギ貯蔵ユニットは、ほかの貯蔵テクノロジと比較して、エネルギ提供のための環境的により安全なテクノロジ構成し、かつそれは任意の所望の数の日毎負荷サイクルに良好に適している。エネルギまたは電力の提供ということについて言えば、エネルギまたは電力が外部電力網から、および/またはDCリンクから吸い上げられて、その後、機械的な回転エネルギの形式でフライホイール・エネルギ貯蔵ユニット内に貯蔵されるときの負のエネルギ提供(エネルギ・フロー)または負の電力提供(電力フロー)を『En』と呼ぶ。相応じてフライホイール(または、ロータ)を減速することによってフライホイール・エネルギ貯蔵ユニットから獲得される機械的回転エネルギの形式で貯蔵されたエネルギまたは電力を電気的エネルギまたは電力として外部電力網および/またはDCリンクへ供給するときの正のエネルギ提供(エネルギ・フロー)または正の電力提供(電力フロー)を『Ep』と呼ぶ。この情況に関して言えば、わずか数ミリ秒内にエネルギを利用可能にするフライホイール・エネルギ貯蔵システムのケイパビリティは有利な側面であり、それらの、数分またはそれ以上の時間期間にわたって指定電力を引き渡すケイパビリティもまた然りである。たとえば、50,000rpmの回転速度においては、200kWに至る出力を、構成によるが、吸い上げるか、またはリリースすることが可能である。1つの実施態様においては、フライホイール・モジュール内のフライホイール・エネルギ貯蔵ユニットの数が、30秒を超える時間期間にわたって定格電流を非局所的電力網内へ供給可能となるに少なくとも充分なエネルギ貯蔵モジュールのためのモジュール貯蔵容量を提供するべく適応される。

エネルギ貯蔵モジュールの運転のために、特にフライホイール・エネルギ貯蔵ユニットの運転のために、このモジュールは、たとえばフライホイール・モータ、インバータ、真空ポンプを伴う真空システム、冷却集合体を伴う冷却システム、モジュール・コントロール・ユニット、およびそのほかの多様な、電気的に運転されることになる構成要素およびセンサ等の複数の運転集合体を包含する。これらの運転集合体のすべては、トラブルのない正常運転を確保するために電気エネルギが供給されなければならない。たとえば、冷却システムが故障すると、フライホイール・エネルギ貯蔵ユニットの、特にフライホイール・エネルギ貯蔵ユニット内のロータのベアリングの過熱を生じさせることになる。これらのロータが、正常運転の間にわたって摩擦損を可能な限り低く維持するために、たとえば10−3barより低い真空中で運転されなければならないことから、真空システムの障害は、エネルギ損失の上昇を導くことになり、それが自動的に、エネルギ貯蔵モジュール内の摩擦熱に起因して温度上昇を生じさせることになる。外部電力網による供給のなくなった運転集合体のための内部供給網も同様に、短い時間期間内に潰れ、その結果として運転集合体が故障し、相応じてエネルギ貯蔵モジュールの否定的な結論を招くことになる。

しかしながら、外部電力網のその種の障害の場合に、概して、エネルギ貯蔵モジュールが、典型的な平均充電レベルである50%というかなりの量のエネルギをまだ貯蔵していることから、またこのエネルギを需要に応じて引き伸ばされる時間期間にわたってDCリンク内へリリース可能であることから、フライホイール・エネルギ貯蔵システムは、緊急用電源ユニット、すなわちエネルギ貯蔵モジュール内に取り付けられなければならず、かつその後も監視および維持を行なわなければならない、余分なメンテナンスを必要とする追加の複雑な緊急用電源ユニットを伴うことなく、DCリンクを介する運転集合体のための内部緊急用電源として機能し得る。内部供給網への第2の調整システムを介したDCリンクの接続から、——それへもまた、運転集合体(フライホイール・エネルギ貯蔵ユニットを運転するための個別のフライホイール・エネルギ貯蔵ユニットの運転集合体およびエネルギ貯蔵モジュールの運転集合体)が接続される——フライホイール・エネルギ貯蔵ユニット内に存在するエネルギを、内部供給網への供給を行なうべく働く外部電力網が再び利用可能となるまで、内部電力網へ向けて単純に、かつ高い信頼性をもって利用可能にすることが可能である。この態様においては、数分またはそれ以上の網障害を埋めることが可能であり、その間にわたってエネルギ貯蔵モジュールが、その後に再接続されることになる外部電力網に代わって運転可能な状態にとどまる。したがって、ガス・タービン、ディーゼル発電機、または緊急用バッテリの形式による緊急用電源を用いることなしに済ますことが可能であり、それによってエネルギ貯蔵システムのフェイルセーフ運転の確保に必要とされる構成要素が減じられる。構成要素数の低減は、同時に、なんらかの追加の緊急用電力集合体の提供および維持の必要性が皆無となることからより効果的であり、より環境に優しく、かつより単純な運転を可能にする。その種の追加の緊急用電力集合体が回避できることから、異なる地理的な場所において限られた時間期間にわたって柔軟に採用され得るコンパクトな可搬ユニットとしてこのエネルギ貯蔵モジュールを展開することがより容易になる。DCリンクからの内部電源は、限られた持続時間の網障害を埋めることを可能にし、かつより長引く網障害の場合には、フライホイール・エネルギ貯蔵ユニット内に含まれる残留エネルギを使用し、停止モードの範囲内においてコントロールされる態様でフライホイール・エネルギ貯蔵ユニットを漸減させることが可能である。DCリンクから運転集合体へのエネルギの供給が可能でなかった場合には、網障害が、コントロールされていない緊急オフまたはフライホイール・エネルギ貯蔵ユニットの潰れを導き、考え得るにエネルギ貯蔵設備へのダメージを結果として伴うことになろう。

本発明に従ったエネルギ貯蔵モジュールは、外部電力網内における調整およびシステム関係のタスクを実行する目的のために、効果的であり、環境に優しく、フェイルセーフ、かつ運転容易であり、大容量を有するエネルギ貯蔵システムを提供し、それによって、需要に応じて前記システムは、接続されている外部電力網へエネルギを供給することが可能であるか、またはそれ以外にはそれらからエネルギを吸い上げることが可能であり、かつ限られた持続時間の網障害発生時には、その後に続く正常運転のために準備が整った状態にとどまることが可能である。

この情況に関して言えば、外部電力網が利用可能な正常運転の間にわたって、第1の調整システムが、1つまたは複数の接続されている外部電力網(局所的電力網および/または非局所的電力網)と、エネルギ貯蔵モジュールのフライホイール・エネルギ貯蔵ユニットの間におけるエネルギ・フローを調整する。このプロセスにおいては、第1の調整システムが、DCリンクの直流電圧を、それが、目標の、たとえば750Vの直流電圧において本質的に一定にとどまるように調整する。この『本質的に一定』という表現は、直流電圧が、それにもかかわらず、たとえば±5Vの許容差内において一時的に変動し得ることを意味し、それによって第1の調整システムは、DCリンクの実際に存在する直流電圧が目標直流電圧に向かって補正されるか、またはそれ以外には、理想的な場合であれば、それと一致するような方法で常に調整する。しかしながら、許容範囲は、上述の値より大きくすることも可能である。第1の調整システムは、電力フローの方向に応じて、無尽蔵の電力源(フライホイール・エネルギ貯蔵ユニットにエネルギを充填する)またはDCリンク内の余剰エネルギのためのシンクとして1つまたは複数の外部電力網を使用するという点においてこの調整をもたらす。この目的のために、適切な第1の調整システムは、1つまたは複数の網インバータまたはフライバック・コンバータを包含する。第1の調整システムによるこのタイプの調整は、外部電力網が利用できなければエネルギ貯蔵モジュールへのエネルギ源またはシンクとしてそれらが利用可能でなくなることから正常運転に対してのみ適用される。

本発明に従ったエネルギ貯蔵モジュールにおいては、第2の調整システムが、(a)正常運転の間をはじめ緊急運転の間にわたって、DCリンクから供給網へエネルギを供給するために供給網とDCリンクの接続が可能であり、相応じて正常運転をはじめ緊急運転のためにコントロールされるか、またはそれ以外には(b)緊急運転の間においてのみ、第2の調整システムが緊急運転の間にわたってDCリンクから供給網へエネルギを供給するために供給網とDCリンクの接続を確立する。後者の場合においては、正常運転の間にわたって、外部電力網から供給網へエネルギが直接提供される。対照的に、最初の場合においては、外部電力網に対する供給網の接続が、DCリンクを介し、かつ第1および第2の調整システムを介してすでに間接的に存在することから、別々の接続は必要ない。

1つの実施態様においては、緊急運転の間にわたって、第2の調整システムが、需要に応じてDCリンクから電力を供給するという点において本質的に一定の態様で内部供給網内の供給網電圧を調整する。このプロセスにおいては、外部電力網が利用できない緊急運転の間にわたって、第2の調整システムがDCリンクと内部供給網の間のエネルギ・フローを調整し、すなわちこれは、第2の調整システムが供給電圧を内部供給網のための目標電圧に調整するプロセスである。実施態様に応じて、ここでの供給網は、たとえば、240V−ACまたは230V−AC、またはそれ以外には110V−DCまたは24V−DC等の異なる供給電圧を有することが可能であるか、またはいくつかの下位供給網に、当て嵌まる場合には異なる下位供給網電圧を用いて、分割する。この『本質的に一定』という表現は、電圧が、それにもかかわらず、たとえば±5Vの許容差内において一時的に変動し得ることを意味し、それによって第2の調整システムは、内部供給網の実際に存在する電圧が目標電圧に向かって補正されるか、またはそれ以外には、理想的な場合であれば、それと一致するような方法で常に調整する。第2の調整システムは、DCリンクを擬似外部および擬似無尽蔵電源として使用するという点においてこの調整をもたらす。この『擬似外部』という表現は、内部供給網にエネルギを供給する供給網の外側にあるエネルギ源(DCリンク)のアレンジメントを言う。また『擬似無尽蔵』という表現は、ここで用いられる場合、概してフライホイール・エネルギ貯蔵システムを介して利用可能な大量のエネルギと、単位時間当たりに運転集合体によって消費され、かつ結果としてその後に続いてDCリンクから内部供給網へ供給されなければならない比較的少量のエネルギの間の大きな差を言う。この目的のために、適切な第2の調整システムは、1つまたは複数の網インバータまたはフライバック・コンバータを包含する。

1つの実施態様においては、第2の調整システムの入力側が、さらに外部電力網と接続され、第2の調整システムが、正常運転の間においては外部電力網から、また緊急運転の間においてはDCリンクから、内部供給網のための供給電力を提供するべく構成される。結局、第2の調整システムがDCリンクから供給網への電力フローを調整する必要があるのは緊急運転の間においてのみであり、正常運転の間は、たとえば、直流電圧から(AC網としての)供給網内の考え得る交流電圧への変換のためにそれが求められることはなく、むしろ、この交流電圧は、外部電力網によってすでに提供されていることになり、単に供給網内の目標電圧に対してそれを調整しなければならないだけのことになる。したがって、第2の調整システムは、コントロール・エンジニアリングの観点からいえば、はるかに係り合いが少ない。それに加えて、この態様においては、外部電力網に対する内部供給網の接続が希望される場合に、内部供給網を外部電力網へ接続する追加の別々の構成要素の必要性が回避できる。

別の実施態様においては、エネルギ貯蔵モジュールが、DCリンク内の直流電圧を連続的に監視するべく構成され、フライホイール・エネルギ貯蔵ユニットのそれぞれがモータ・コントロール手段を有し、それらが、正常運転の間にわたってフライホイール・エネルギ貯蔵ユニットをコントロールするためのモジュール・コントロール・ユニットとは独立して、緊急運転——監視される直流電圧を少なくとも基礎とする——の場合に、関係しているフライホイール・エネルギ貯蔵ユニットから、少なくとも、当該関係しているフライホイール・エネルギ貯蔵ユニット内に貯蔵されたエネルギの量が最小エネルギ・レベルより下に落ちない限りにおいて、エネルギをリリースするという点において、DCリンク内の直流電圧が下側スレッショルド値より下に落ちることを許容しないように構成される。内部供給網のサポート運転の目的のために、DCリンク内の電圧が供給網内の電圧より下に下がってはならない。好ましくは、DCリンク内の電圧が、正常運転の間にわたって目標電圧と内部供給網の目標電圧の間の値に維持され、これはフライホイール・エネルギ貯蔵ユニットからのエネルギを供給することによってなされる。この実施態様においては、下側スレッショルド値が供給網目標電圧の目標値になる。好ましい実施態様においては、外部電力網の一時的な障害の場合であっても、DCリンクの電圧が、正常運転の目標電圧、たとえば750Vに調整される。この実施態様においては、下側スレッショルド値が、たとえば745Vになる。この情況に関して言えば、外部電力網の存在が更新された直後は、エネルギ貯蔵モジュールが、DCリンク内の電圧が前もってすでに目標値に調整されてきていることから、その電圧をその値まで上昇させる必要がない以上は適応時間を必要とすることなく、再び正常運転に戻ることが可能である。

別の実施態様においては、DCリンク内の直流電圧を測定する目的のためにDCリンク内に少なくとも1つの測定デバイスが存在し、前記デバイスは、少なくともフライホイール貯蔵ユニットの関係しているモータ・コントロール手段と接続される。この測定デバイスは、DCリンク内の瞬時的な直流電圧をモータ・コントロール手段へ供給し、それを使用して、目標電圧への調整の目的のためにフライホイール貯蔵ユニットをコントロールできる。その種の測定デバイスは、存在する電圧を非常に精密に測定することが可能であり、この測定データを用いて電圧をコントロールするための精密な基礎を提供できる。電圧を測定するための適切な測定デバイスは、この分野の当業者に周知である

1つの実施態様においては、個別のフライホイール貯蔵ユニットのモータ・コントロール手段が、モジュール・コントロール・ユニットとは独立して互いに直接接続され、かつそれらがそれぞれ、緊急運転の間にわたってすべてのフライホイール貯蔵ユニットによってDCリンク内の直流電圧の連帯的に調和されたサポート運転を実行するべく構成されたフライホイール・コントロール手段を包含する。この態様においては、フライホイール貯蔵ユニットが、電圧の変化に対してより迅速に応答することが可能であり、かつより精密なサポート運転を実行することが可能である。モータ・コントロール手段は、第1または第2の調整システムより、たとえば、大きさにおいて1桁違う迅速さで応答する。この高速応答は、フライホイール貯蔵ユニット間の直接通信によってより良好に利用され得る。

代替実施態様においては、モジュール・コントロール・ユニットが、正常運転の間だけでなく、緊急運転の間にわたっても、フライホイール貯蔵ユニットへ、エネルギがDCリンクへリリースされ得るように緊急運転に適したトルク仕様を送信するために提供される。この情況に関して言えば、モジュール・コントロール・ユニットを、フライホイール貯蔵ユニットのための時間に関係付けたトルク仕様の生成および送信のために構成することが可能であり、緊急運転の間においては、それに応答してフライホイール貯蔵ユニットが、その時間に関係付けたトルク仕様を基礎としてDCリンクへ電力を、DCリンク内の電位がスレッショルド値より上で可能な限りもっとも一定値に調整されるように供給する。この目的のために、各フライホイール貯蔵ユニットは、モジュール・コントロール・ユニットから個別のトルク仕様を受信する。不都合なまでに回転速度が低い場合には、当のフライホイール貯蔵ユニットのロータの最適な軸受および運転が可能でなくなることから、可能なときは常に、いずれのフライホイール貯蔵ユニットの回転速度も最小値より下に落ちることのないように個別のフライホイール貯蔵ユニットの異なる負荷状態を考慮することが、個別のフライホイール貯蔵ユニットのこの個別のコントロールによって可能になる。

1つの実施態様においては、最適エネルギ供給(またはエネルギの吸い上げ)を達成するために、フライホイール貯蔵ユニットのそれぞれが、モータ・コントロール手段、好ましくは周波数コンバータを介してDCリンクと電気的に接続される電磁トランスフォーマを包含する。電磁トランスフォーマは、以下においてモータとも呼ばれる。モータ・コントロール手段は、目標値の仕様(たとえば、トルク仕様)の受信が可能となり、かつ電力および出力制限のフレームワーク内において、DCリンクから所望の量の電力を受け取る(充電またはエネルギを吸い上げる)か、またはそれ以外にはそれをDCリンク内へリリースする(放電またはエネルギをリリースする)ことが可能となるようにデータ・ラインを介してモジュール・コントロール・ユニットと接続される。この情況に関して言えば、DCリンクのすべての構成要素が、たとえば、DCリンクの短絡回路または発振といった相互影響が排除されるような方法で構成される。

フライホイール貯蔵ユニットのコントロールを個別にそれらの負荷状態に適応させることを可能にするために、1つの実施態様においては、モジュール・コントロール・ユニットが、個別のフライホイール貯蔵ユニットの瞬時的な回転速度のクエリをそれらのモータ・コントロール手段に対して行ない、クエリ結果の回転速度に基づいて、個別のフライホイール貯蔵ユニットの、関係している瞬時負荷状態を、モジュール・コントロール・ユニット内にストアされている回転速度と負荷状態の間の関係を基礎として決定する。可能回転速度は、最大回転速度と最小回転速度(極端な場合には、回転なし)の間において変動可能であり、負荷状態は最大回転速度において100%になる。結局、瞬時負荷状態は、各場合において瞬時回転速度から結果としてもたらされる。回転速度のクエリは、周期的に、たとえば1Hzの頻度で行なうことが可能である。ここでの回転速度のクエリは、モジュール・コントロール・ユニットによって送信された、この効果をもたらす能動的なクエリ信号に応答して行なうことが可能であるか、またはそれ以外には、モジュール・コントロール・ユニットによって自律的に生じることが可能である(モジュール・コントロール・ユニットによる受動的なクエリ)。モータ・コントロール手段による自律的な送信は、連続的に生じること、または回転速度が規定された値だけ変化した後においてのみ生じることができる。正常運転の間にわたる典型的な回転速度範囲は、たとえば、許容差の範囲として300Hzから800Hz±5%である。

1つの実施態様においては、回転速度の上限および/または回転速度の下限が、フライホイール貯蔵ユニットのモータ・コントロール手段内に実装される。オンサイトで(フライホイール貯蔵ユニット内に)存在する回転速度制限は、マシンの保護、すなわちフライホイール貯蔵ユニットの過充電に対する保護として働くか、またはそれ以外には枯渇的な放電に対する保護を提供する。好ましい実施態様においては、回転速度の上限および/または回転速度の下限が、構成要素によって、たとえば別々のマイクロコントローラによって実装される。しかしながら、回転速度制限は、モータ・コントロール手段内におけるソフトウエア・プログラムによっても実装可能である。追加の構成要素の形式でのいわゆるハードウエア実装は、モータ・コントロール手段の機能的な状態とは無関係に回転速度制限が適正に機能することを保証する。同様に、適切なハードウエア手段が、最大トルク、またはDCリンクへの、またはそこからの電力量を制限するためにモータ・コントロール手段内に実装される。

別の実施態様においては、回転速度仕様のための回転速度の上限および/または回転速度の下限が、モジュール・コントロール・ユニット内に実装される。好ましい実施態様においては、回転速度制限の変更があった場合にそれの迅速な実現が可能となるように、回転速度制限が、コンピュータ・プログラム内のインストラクションとして実装される。モジュール・コントロール・ユニット内の回転速度制限は、モータ・コントロール手段内のそれと同じ回転速度制限である必要はない。後者は、マシンを保護するべく働く。それとは対照的に、モジュール・コントロール・ユニット内の回転速度制限は、特に効果的な回転速度範囲内においてエネルギ貯蔵モジュールをコントロールするべく働くことが可能である。この情況に関して言えば、モジュール・コントロール・ユニット内の上側または下側の回転速度制限は、モータ・コントロール手段内の上側または下側の回転速度制限より高くないか、または低くない値になる。この実施態様においては、モータ・コントロール手段内の回転速度制限または最大トルクおよび電流が、送信されることになるトルク仕様が計算されるときに、モジュール・コントロール・ユニットによって考慮される。

1つの実施態様においては、エネルギ貯蔵モジュールが、エネルギ貯蔵モジュールに接続される外部電力網の電圧の質を連続測定する1つまたは複数の測定ユニットを包含し、それにより当該1つまたは複数の測定ユニットが、接続されている外部電力網のうちの少なくとも1つにおける過大電圧または過小電圧の場合に、エネルギ貯蔵モジュール内に緊急運転信号を発するべく構成される。この情況に関して言えば、エネルギ貯蔵モジュール、特に第2の調整システムが、緊急運転信号に対する自動的な応答として正常運転から緊急運転へ切り替わるべく構成される。1つまたは複数の外部電力網の異常または障害の場合においては、それらをエネルギ貯蔵モジュールから切り離して緊急運転を開始しなければならない。連続測定を行なっていることから、測定ユニットが外部電力網内の潜在的に有害な過小電圧または過大電圧を早期検出することが可能であり、その結果、グリッドからの切り離しによってエネルギ貯蔵モジュールを損傷から保護し、したがってエネルギ貯蔵モジュールのフェイルセーフ性が強化される。測定ユニットは、ここでは、外部電力網内に統合すること、またはそれ以外に外部電力網内の1つまたは複数の場所にアレンジすることが可能である。測定ユニットは、また、エネルギ貯蔵モジュールと外部電力網の間の接続ポイントにアレンジすることも可能である。本発明の範囲内で示されるところの『測定ユニット』という表現は、たとえば、接続される局所的電力網のための関係のあるデータの例として、網周波数および網電圧を測定する測定プローブを言う。そのほかの被測定変量には、たとえば、時間の関数としての電圧推移、位相、スター・ポイント、網周波数、網電流をはじめそのほかの変量がある。50Hzの外部AC網の所望の網周波数において、網周波数の降下に基づいて、測定ユニットは、その瞬間に外部電力網が脱落したか否かを確認できる。被測定変量のそのほかの例は、局所的AC網の位相角の測定、または電圧の質の維持のための外部電力網内における過大または過小負荷吸収の場合の電圧測定である。この情況に関して言えば、第2の調整システムが、緊急運転信号に応答して必要な供給をDCリンクから内部供給網へ供給するべく構成される。

別の実施態様においては、モジュール・コントロール・ユニットが正常および緊急運転の間におけるエネルギ貯蔵モジュールの運転だけでなく、正常運転から緊急運転への切り替わりもコントロールする。好ましくは、同様にDCリンクが外部電力網から切り離され、それによってこの切り離しを測定ユニットから直接開始することも可能になる。

別の実施態様においては、第1の調整システムが、緊急運転信号に応答して外部電力網からDCリンクを切り離すべく構成される。第1の調整システムは、モジュール・コントロール・ユニットによって規定された態様で接続されている外部電力網に対するエネルギ・フローをコントロールする。別の実施態様においては、第1の調整システムが、接続されている外部電力網がいくつか存在する場合に、故障した外部電力網だけを切り離すべく構成される。いずれの場合においても、第1の調整システムによる切り離しは、即座に、わずか数ミリ秒内に生じることが可能である。これは、エネルギ貯蔵モジュールに対する損傷を回避し、そのことが将来におけるエネルギ貯蔵モジュールのフェイルセーフ性を、追加の接続される外部電力網をはじめ、内部供給網の内部サポート運転のためにそれが動作可能なまま存続するように強化する。それが行なわれない場合には、短絡回路または過負荷状況が生ずる可能性がある。別の実施態様においては、この目的のために、調整システムが、少なくとも1つのコントロール要素をはじめ、当該コントロール要素によってコントロールされる1つまたは複数の、すなわち調整ユニットに接続される外部電力網の数に依存する数の切り離しスイッチを伴うコントロール・ボックスを包含する。この情況に関して言えば、コントロール・ボックスは、直接または調整システムを介してモジュール・コントロール・ユニットへ、および/またはデータ・ラインを介して測定ユニットへ接続され、それによってモジュール・コントロール・ユニットが、調整機能の構成データをコントロール要素へ送信できる。ここでは、第1の調整システムに代えて、またはそれに追加して、第2の調整システムを、緊急運転信号に応答して外部電力網から内部供給網を切り離すべく構成することができる。結果として、外部電力網からの切り離しをはじめ、内部供給網へのDCリンクの接続を、共有構成要素内において実行できる。したがって、モジュール・コントロール・ユニットを介したさらなるコントロール通信を不要にすることが可能であり、いずれの手順も緊急運転信号に応答して第2の調整システム内において即座に実行可能であり、その目的のために、第2の調整システムの関係しているスイッチが、好ましくはハードウエアによって互いにすでに接続されている。したがって、わずか数ミリ秒内に外部電力網を切り離すこと、および内部供給網のサポート運転のためのDCリンクを追加することが可能であり、その結果として、供給網内の電圧変動、および運転集合体の考え得る障害を防止することが可能になる。別の実施態様においては、この目的で第2の調整システムが、少なくとも1つのコントロール要素をはじめ、当該コントロール要素によってコントロールされる1つまたは複数の、すなわち調整ユニットに接続される外部電力網の数に依存する数の切り離しスイッチを伴うコントロール・ボックスを包含する。この情況に関して言えば、コントロール・ボックスは、直接または第2の調整システムを介してモジュール・コントロール・ユニットへ、および/またはデータ・ラインを介して測定ユニットへ接続され、それによって測定ユニットおよび/またはモジュール・コントロール・ユニットが、調整機能の構成データをコントロール要素へ送信できる。

別の実施態様においては、測定ユニットが、外部電力網が再び利用可能になった後にエネルギ貯蔵モジュール内において正常運転信号を、好ましくはモジュール・コントロール・ユニットに直接送信するべく構成される。この情況に関して言えば、エネルギ貯蔵モジュール、好ましくはモジュール・コントロール・ユニットが、正常運転信号に対する自動的な応答として緊急運転から正常運転へ切り替わるべく構成され、それによってDCリンクおよび内部供給網が再び外部電力網(1つまたは複数)へ接続される。この態様においては、正常電源が自動的に再設定され、したがって、外部電力網が存在するにもかかわらずエネルギ貯蔵モジュールが緊急運転モードにとどまり続けること、すなわちエネルギ貯蔵モジュールを無負荷で走らせることが防止される。

別の実施態様においては、モジュール・コントロール・ユニットが、内部運転データに対して運転集合体のコントロールを適応させるべく構成される。この情況に関して言えば、内部運転データが、好ましくは、フライホイール貯蔵ユニットからの熱負荷、またはそのほかの、真空システム、加熱または冷却システム、またはそのほかの供給システム等の運転集合体からの熱負荷といったエネルギ貯蔵モジュール内の熱負荷を包含する。これは、エネルギ貯蔵モジュールの効率を向上させる。内部の電気的損失は、設備の内部または外部の瞬時的な被測定変量の関数として運転集合体の運転挙動または運転ポイントに系統的に影響を及ぼすことによって最小化することが可能である。たとえば、冷却機——運転集合体の例として——のフロー温度は、瞬時的な内部または外部負荷に応じて上昇または低下し得る。これは、緊急運転の間において、長引く外部電力網の障害さえ埋めることが可能となるようにエネルギ貯蔵モジュール内の利用可能なエネルギを非常に効果的に使用する必要があるとき、特に有利である。たとえば、フライホイール貯蔵ユニットの廃熱の低減は、冷却機の冷却出力が低減可能であることを意味し、そのことは、冷却機のために必要となる運転エネルギの見地からの節約になる。別の例においては、フライホイール貯蔵システム内の真空の運転環境を生成するための真空ポンプの出力を、エネルギ貯蔵手段の内部圧力に応じて、刻時モードで運転すること、または完全にオフにすることさえ可能である。その種の方策は、運転エネルギを節約し、したがって正常運転の間における効率を増加し、フライホイール・エネルギ貯蔵システムの規定負荷状態における内部供給網のサポート運転の持続時間を延長し、それによってより効果的であり、かつフェイルセーフのエネルギ貯蔵モジュールを提供することが可能になる。

別の実施態様においては、エネルギ貯蔵モジュールが、運転集合体に接続される1つまたは複数の電力シンクを追加的に包含する。これは、フライホイール貯蔵ユニットが完全に充電されたときに追加のエネルギをさらに吸い上げることを意味する。たとえば、エネルギ貯蔵モジュールの容量は、一次および二次冷却回路を有する冷却設備の系統的な利用を通じて、二次冷却回路が一次回路によって冷却され、同時に、電気的に、たとえば第1の電力シンクとしてのリザーバ内の浸漬ヒータによって加熱され、それが一次冷却回路のより大きな冷却容量に転化される(第2の電力シンクとしての冷却機のより大きな電力吸い上げる)ことから、外部電力(たとえば、AC網の1つからの一次または二次運転準備量)を吸い上げることになる。環境条件または設備の運転ポイントに応じて、個別のフライホイール貯蔵ユニットのユニット毎の貯蔵容量の公称合計を超えるモジュール貯蔵容量における増加は、冷却システムから、および/または真空システムから電力を吸い上げることによって正常運転のために必要とされるレベルを超えて意図的に増加させることが可能であり、その結果として、より大量のエネルギが緊急運転のために利用可能になり、供給網のサポート運転によって、さらに長引く外部電力網の障害さえ、何らの問題を伴うことなく埋めることができるようになる。その種の貯蔵された冷却量または追加的に達成される目標値より低い真空のレベルは、いずれも、運転されてなく、したがってエネルギ消費を節約している運転集合体が存在するという事実に起因して利用可能であり、それを蓄えておき、したがってその後の時点において需要が増加するか、または長引くことがあった場合にそれを利用することが可能である。

したがって、本発明に従ったエネルギ貯蔵モジュールは、任意の所望の場所で迅速かつ柔軟に、しかも殆ど努力を必要とせずに使用可能なエネルギ貯蔵システムを構成する。1つの実施態様においては、エネルギ貯蔵モジュールが、輸送可能なコンテナ内において可搬ユニットとして構成される。この場合、エネルギ貯蔵モジュールは、第1の調整システムを介して外部電力網(局所的または非局所的電力網)と接続されるべく構成されるか、またはそれ以外には、第1の調整システムが適切に構成されているときには、1つまたは複数の外部電力網、たとえば、1つまたは複数の局所的な網および/または非局所的な網と接続されるべく構成される。外部電力網(1つまたは複数)内へのエネルギのリリース、または外部電力網(1つまたは複数)からのエネルギの吸い上げは、トルク仕様を基礎として生じ、モジュール・コントロール・ユニットによってこれが行なわれ、一方、当該ユニットは、外部ソースからコントロール仕様を受信できる。その種のコントロール・タスクは、たとえば、接続されている外部電力網内において実行されることになる調整およびシステム・タスクとすることが可能であり、それがトルク仕様のための基礎として働く。この情況に関して言えば、調整およびシステム・タスクは、局所的電力網のための場所限定の調整およびシステム・タスクと、非局所的電力網のための非場所限定の調整およびシステム・タスクに分割される。これにおいて、非場所限定をはじめ、場所限定の調整およびシステム・タスクを実行するために、エネルギ貯蔵モジュールを、非局所的電力網および1つまたは複数の局所的電力網と直接接続するか、またはそれ以外には局所的電力網自体が非局所的電力網と接続されていることを前提として、接続されている局所的電力網を介して非局所的電力網と間接的に接続することが可能である。

モジュール・コントロール・ユニットは、別々に接続された局所的および非局所的電力網内において、エネルギ貯蔵モジュールが異なる調整およびシステム・タスク——該当がある場合——を実行し、したがって、局所的電力網内における局所的な網の質の改善および非局所的電力網内における供給の信頼性の改善を同時にもたらすことを可能にする。この『場所限定の調整およびシステム・タスク』という表現は、局所的電力網(たとえば、局所的AC網)を指し、たとえば、必要な網電圧の安全防護対策、電圧信号の振幅角および位相角の調整による無効電力の補償、接続済みとし得る、より大きな電力消費者のため、または突発的電流ピーク時のためをはじめ、局所的なエネルギ余りの貯蔵のための局所的な電力準備量の用意を包含できる。この情況に関して言えば、『非場所限定の調整およびシステム・タスク』という表現は、非局所的電力網(非局所的AC網)を指し、たとえば一次または運転準備量の容易を包含する。運転準備量(予備電力とも言う)は、電力網内における予期しない出来事の場合に網の安定性を確保する。この目的のために、調整可能な発電プラントのための短い出力適応が実行され、迅速に立ち上がる発電プラントまたはエネルギ貯蔵システム、たとえば本発明に従ったエネルギ貯蔵モジュール等を採用できる。そのほか、網障害の場合の自力起動サポート、電力ピークのための包括的貯蔵、および非局所的電力網内の無効電力の補償もまた非場所限定の調整およびシステム・タスクの例である。そのほかの局所的および非局所的電力網のための場所限定および非場所限定の調整およびシステム・タスクには、既存のエネルギ・サプライヤとの組合せにおける電力供給のための冗長性(フェイルセーフ性)の提供および無効電力管理がある。

この情況に関して言えば、『非局所的電力網』という表現は、たとえば、非場所限定の調整およびシステム・タスクが実行される非常に広いエリアにわたって地域を横断して延びるAC網を示す。非局所的電力網の例は、送電または配電網(公共電力グリッド)である。独国における公共電力グリッドは、たとえば、4つの送電網からなり、それらは電力網事業者のAmprion(アンプリオン)、50Hertz(50ヘルツ)、Tennet(テンネット)、およびTransnetEnBW(トランスネットEnBW)によって運営されている。これら4つの送電網は、合同で独国のための相互接続グリッドを形成する。これらを補助して、地域配電網が存在する。ほかの国々においては、対応する送電網がそのほかの電力網事業者によって運営されている。電力網の周波数は、送電網内において安定維持(周波数調整)される。個別の国内の関係している送電網からなる上位の欧州相互接続グリッドも同様に、非局所的電力網として見る必要があるが、現時点においては、運転準備量のための標準しか規定されていない。非場所限定の調整およびシステム・タスクは、関係している送電網内において実行される。本発明の中で示している局所的電力網は、たとえば、上述の場所限定の調整およびシステム・タスクが実行されるAC網も指す。概して言えば、局所的電力網は、物理的に限定された、たとえば、プラント設備内のプラント内電力網、または単一の建物または複合建築物内の電力網である。

モジュール・コントロール・ユニットは、エネルギ貯蔵モジュールをコントロールするエネルギ貯蔵モジュール内の構成要素であり、言い換えると、所望の運転状態(たとえば、正常運転または緊急運転)および運転パラメータを設定し、かつ時間の関数として所望の運転状態が収められている運転計画に従ってエネルギ貯蔵モジュールをコントロールする構成要素である。場所限定および非場所限定の調整およびシステム・タスク(コントロール・インストラクション)は、運転計画のための基礎として働く。エネルギ貯蔵モジュールをコントロールするために、モジュール・コントロール・ユニットが、相応のデータ・ライン、たとえばCANbus(キャンバス)、PROFIBUS(プロフィバス)(Process Field Bus(プロセス・フィールド・バス))またはイーサネット(Ethernet)の形式のデータ・バス・システムを介して、第1および第2の調整システムおよびフライホイール貯蔵ユニットを包含するエネルギ貯蔵モジュール内の関係している構成要素に接続される。

別の実施態様においては、すべてのフライホイール貯蔵ユニットのモータ・コントロール手段が、上側スレッショルド値に関してDCリンク内の直流電圧を連続監視し、かつ遅くともこの上側スレッショルド値の超過があると、フライホイール貯蔵ユニットからDCリンクへのあらゆる電力フローを自律的に防止するべく構成される。可能な限り一定となるように行なわれるDCリンク内の直流電圧の調整にもかかわらず、異常な外部網状態(大事故)に起因して、たとえばエネルギ貯蔵モジュール外のソースからAC網内への一時的な大量のエネルギの供給に起因してDCリンク内に過剰に高い直流電圧が生じることがある。調整およびシステム・タスクが実行されたばかりであり、エネルギ貯蔵モジュールから外部電力網へのエネルギの供給が導かれることになる場合には、接続されている外部網(1つまたは複数)自体がまさしくエネルギ源を構成することから、正常な条件の下においてなされているとおり、それらがシンクとしてそのエネルギを吸い上げることができないと、DCリンク内の直流電圧が臨界電力レベルより上まで上昇することがある。この理由から、設備を保護するために、個別のフライホイール貯蔵ユニットのモータ・コントロール手段が、未決の調整およびシステム・タスクとは独立して自律的にエネルギの供給を中断(防止)する。フライホイール貯蔵ユニットからDCリンクへの電力フローの防止は、上側スレッショルド値を超えてないときであっても、直流電圧が上側スレッショルド値に近づきすぎている場合、たとえば、DCリンク内の直流電圧と上側スレッショルド値の間の差が、モータ・コントロール手段内における臨界として定義済みの値より下に落ちた場合に生じることが可能である。

本発明は、本発明に従ったエネルギ貯蔵モジュールをコントロールするための方法にも関係し、当該方法は、 − いくつかのフライホイール貯蔵ユニットが電気的に並列に接続された共有DCリンクからのエネルギを、第1の調整システムを介してDCリンクと接続されている1つまたは複数の外部電力網へリリースするか、またはそこから吸い上げるステップと、 − フライホイール貯蔵ユニットの運転に必要な1つまたは複数の運転集合体に、当該運転集合体の運転に必要なエネルギを、エネルギ貯蔵モジュールの正常運転の間においては、内部供給網を介して供給し、それによって供給網が、入力側が少なくともDCリンクと接続される第2の調整システムの出力側に接続されるステップと、 − 外部電力網が利用できないとき、エネルギ貯蔵モジュールを正常運転から緊急運転へ切り換えるステップと、 − 外部電力網が利用できないとき、少なくとも第1の時間間隔の間にわたって、フライホイール貯蔵ユニットの連続運転のために必要な供給電力を内部供給網へ供給するステップであって、DCリンクからのみこれが行なわれるとするステップと、 を包含する。

1つの実施態様においては、この方法が、さらに、 − 内部供給網の供給網電圧が、需要に応じて電力が第2の調整システムを経由してDCリンクから供給されることから一定値に調整されるステップ、 を包含する。

調整差分を差し引いた内部供給網内の目標電圧がこの一定値に対応する。

別の実施態様においては、この方法が、さらに、 − DCリンクの直流電圧を連続的に、好ましくはDCリンク内にアレンジされた少なくとも1つの測定デバイスによって監視するステップと、 − 正常運転の間にわたってフライホイール貯蔵ユニットをコントロールするためのモジュール・コントロール・ユニットとは独立して、緊急運転の場合においては、監視した直流電圧を基礎としてフライホイール貯蔵ユニットを、個別のフライホイール貯蔵ユニット内の関係しているモータ・コントロール手段によって、フライホイール貯蔵ユニット内に貯蔵されているエネルギの量が最小エネルギ・レベルより下に少なくとも落ちない限りにおいて、関係しているフライホイール貯蔵ユニットからDCリンクへのエネルギのリリースにより、それの直流電圧が下側スレッショルド値より下に落ちないように、好ましくは、関係しているフライホイール貯蔵ユニットのための時間に関係付けたトルク仕様を規定することによって、コントロールするステップと、 を包含する。

エネルギ貯蔵モジュールの最小エネルギ・レベルに到達するか、値がそれを下回るときは(たとえば、外部電力網が数日間にわたって利用できない場合は)、残りのエネルギが、エネルギ貯蔵モジュールの通常の漸減および遮断をもたらすために使用される。

1つの実施態様においては、この方法が、さらに、 − 各モータ・コントロール手段がフライホイール・コントロール手段を包含し、フライホイール貯蔵ユニットの個別のモータ・コントロール手段が、モジュール・コントロール・ユニットとは独立して互いに接続されていることから、緊急運転の間においてDCリンク内の直流電圧を一定値に調整するために、連帯的に調和されるすべてのフライホイール貯蔵ユニットのサポート運転を、モータ・コントロール手段によって実行するステップ、を包含する。

この情況に関して言えば、好ましい実施態様においては、フライホイール貯蔵ユニットのコントロールされた漸減のための最小量のエネルギを提供するために、エネルギ貯蔵モジュールの個別のフライホイール貯蔵ユニットが共有サポート運転から系統的に除外できる。サポート運転から除外されたフライホイール貯蔵ユニット内に貯蔵されているエネルギの量は、網障害が長引く場合に全体の設備が安全な停止モードに移行できるように、すべてのフライホイール貯蔵ユニットのコントロールされた漸減および遮断を最終的に実行するために取り置かれる。

1つの実施態様においては、この方法が、さらに、 − フライホイール貯蔵ユニット内に貯蔵されたエネルギの量が最小エネルギ・レベルより下に落ちると、第2の調整システムによってDCリンクから内部供給網を切り離すステップ、 を包含する。

別の実施態様においては、この方法が、さらに、 − エネルギ貯蔵モジュールの1つまたは複数の測定ユニットを使用して、エネルギ貯蔵モジュールと接続されている外部電力網内の電圧の質を連続的に測定するステップと、 − 接続されている外部電力網のうちの少なくとも1つにおける過大電圧または過小電圧の場合に少なくとも1つの測定ユニットによってエネルギ貯蔵モジュール内において緊急運転信号を発するステップと、 − 第1の調整システムによって少なくともDCリンクから外部電力網(1つまたは複数)を切り離すステップと、 − DCリンク内の直流電圧の低下(降下)に対する自動的な応答として、または緊急運転信号に対する自動的な応答として、フライホイール貯蔵ユニットを正常運転から緊急運転へ切り換え、第2の調整システムを経由してDCリンクから必要な供給網電圧を内部供給網へ供給するステップと、 − 外部電力網が再び利用可能になった後に測定ユニットによって正常運転信号を発するステップと、 − エネルギ貯蔵モジュールを緊急運転から正常運転へ切り換えるステップと、 − 正常運転信号に対する自動的な応答として、内部供給網を外部電力網(1つまたは複数)へ、好ましくは第2の調整システムによって接続するステップと、 を包含する。

本発明のこれらの、およびそのほかの側面を、次に挙げる図面内に詳細に示す。

本発明に従ったエネルギ貯蔵モジュールの実施態様を示したブロック図である。

コントロール・ボックスを伴った第1の調整システムの実施態様を示したブロック図である。

コントロール・ボックスを伴った第2の調整システムの実施態様を示したブロック図である。

本発明に従った、正常運転の間におけるエネルギ貯蔵モジュールの運転のための方法の実施態様を示したフローチャートである。

本発明に従った、緊急運転の間におけるエネルギ貯蔵モジュールの運転のための方法の別の実施態様を示したフローチャートである。

図1は、電気的なエネルギを機械的な回転エネルギの形式で可逆的に貯蔵するための本発明に従ったエネルギ貯蔵モジュール1の実施態様を示しており、ここではそれが、関係しているユニット毎の貯蔵容量およびユニット毎の出力を伴う4つのフライホイール貯蔵ユニット2を包含する。小さい数の選択は、略図内の図示の明瞭化のためである。実際の応用のためには、エネルギ貯蔵モジュールが、たとえば30基のフライホイール貯蔵ユニット2を包含する。この構成においては、上述の個別の容量が、フライホイール貯蔵デバイス毎150kWの最大貯蔵容量をもたらし、エネルギ貯蔵モジュール毎0.6MWの最大出力をもたらす。フライホイール貯蔵ユニット2のそれぞれは、モータ・コントロール手段51、好ましくは周波数コンバータ51を介してDCリンク3と電気的に接続される電磁トランスフォーマ53を包含する。ユニット毎の貯蔵容量EKおよびユニット毎の出力ELを合計のモジュール貯蔵容量および合計のモジュール出力に合算できるように、また、欠陥のある1つのフライホイール貯蔵ユニットによって全体のエネルギ貯蔵モジュール1の機能が危険にさらされることのないように、DCリンク3は、すべてのフライホイール貯蔵ユニット2が互いに電気的に並列に接続されることを可能にするべく働く。DCリンクは、第1の調整システム31を介して2つの外部電力網ES1、ES2と接続される。モジュール・コントロール・ユニット6は、エネルギ貯蔵モジュール1の運転の間にわたり、モジュール・コントロール・ユニット6が生成してフライホイール貯蔵ユニット2へ送信するトルク仕様DV(好ましくは、時間に関係付けたトルク仕様)によってエネルギ貯蔵モジュール1をコントロールする。トルク仕様DVを基礎として、フライホイール貯蔵ユニット2は、DCリンク3内へ電流の形式でエネルギを供給し、またはそれ以外にはDCリンク3から電流の形式でエネルギを吸い上げる。ここでは、正常運転NOの間にわたって、調整システム31が、直流電圧GSが本質的に一定の値、たとえば750Vにとどまるように、2つの外部電力網ES1、ES2のうちの少なくとも1つへエネルギをリリースEpするか、または2つの外部電力網ES1、ES2のうちの少なくとも1つからエネルギを吸い上げることEnによって、DCリンク3内の直流電圧GSを、上側スレッショルド値SW1(たとえば、目標直流電圧+5V)と下側スレッショルド値SW2(たとえば、目標直流電圧+5V)の間に調整する。それに加えて、DCリンク3内の直流電圧GSを上側と下側スレッショルド値SW1、SW2の間において一定に維持する第1の調整システム31とは別に、第2の調整システム32が、それの入力側32EにおいてDCリンク3と接続されている。1つの実施態様においては、正常運転NOの間にわたって内部供給網4への供給を行なうために、さらに電力網ES2へも入力側32Eを接続できる。この接続がない場合には、第1の調整システム31を介し、DCリンク3を介し、さらに第2の調整システム32を介して供給網4へ間接的にエネルギが供給される。外部電力網ES1、ES2がない緊急運転NOの間においては、第2の調整システム32がオフグリッド運転を実行する(DCリンク3を介してフライホイール貯蔵ユニット2から内部供給網4へ排他的に供給する)。これは、エネルギ貯蔵モジュール1が外部電力網(1つまたは複数)ES1、ES2が再び利用可能になる時点のために低いモジュール内部の資源を伴って運転状態にとどまることから有利である。DCリンク3から内部供給網4への供給がある限り、調整およびシステム・タスクは、外部電力網ES1、ES2への接続が欠けていることに起因して処理されないままとどまる。外部電力網ES2が利用できないとき、第1の調整システム31が機能を継続している別の外部電力網ES1と接続されたままをとどめていれば、外部電力網ES1第1の調整システム31によって供給されるDCリンクを介することはもとより、第2の調整システム32を経由して外部電力網ES1から内部供給網4へも供給することが可能である。第1の調整システム31およびモジュール・コントロール・ユニット6は、この運転状態を実行するべく構成も行なわれている。フライホイール貯蔵ユニット2をコントロールするために、モジュール・コントロール・ユニット6は、個別のフライホイール貯蔵ユニット2の回転速度のクエリを、それらのモータ・コントロール手段51に対して行ない、このクエリにより得た回転速度を基礎として個別のフライホイール貯蔵ユニット2の具体的な瞬時的負荷状態を決定する。マシンの保護を行なわなければならないという理由から、回転速度の上側の制限および/または回転速度の下側の制限が、フライホイール貯蔵ユニット2の、関係しているモータ・コントロール手段51内の特別な構成要素52(センサおよびレギュレータ)として、ハードウエアの形式で実装される。それに代えて、またはそれに加えて、モジュール・コントロール・ユニット6内において、好ましくはモジュール・コントロール・ユニット6内において実行されるコンピュータ・プログラム内に、回転速度制限を実装することも可能である。下側の回転速度制限は、最低を毎秒0回転とするが、運転上の技術的理由のために必要とされる最低出力をモータ・システムが提供できるように、より高い最低回転速度を選択する方が技術的に有利となり得る。上側においては、回転速度が、モータ・コンバータの周波数またはそれ以外にはロータ構成要素の堅牢性のいずれかによって制限される。通常、最大回転速度は、たとえば、800Hzになる。

モジュール・コントロール・ユニット6は、関係している外部AC網ES1、ES2のために実行される外部コントロール・インストラクションSA(調整およびシステム・タスク)を基礎として正常運転NOの間におけるエネルギ貯蔵モジュール1のコントロールを行なう。モジュール・コントロール・ユニット6は、調整およびシステム・タスクSAを、外部データの形式で、相応のデータ・インターフェース(ここには明示的に示されていない)を介し、エネルギ貯蔵モジュールの外側に配置された網コントロール・デバイスから受信する。モジュール・コントロール・ユニット6は、受信した外部データを基礎として、フライホイール貯蔵ユニット2へ送信されるべきトルク仕様DVを生成する。外部データは、たとえば、測定された物理量、論理量、リアルタイム・コントロール・コマンド、またはシーケンス・コントロールのためのコントロール・コマンドである。1つの実施態様においては、モジュール・コントロール・ユニット6が外部データ、特に調整およびシステム・タスクSAをストアするためのストレージ・ユニット61も包含している。それに加えて、別の実施態様においては、モジュール・コントロール・ユニット6が、コントロール・インストラクションを実行するための優先度管理62を包含する。エネルギ貯蔵モジュール1をコントロールするために、モジュール・コントロール・ユニット6は、接続されている外部電力網ES1、ES2内において実行する調整およびシステム・タスクSAのための実行計画を作成し、対応するトルク仕様DV、好ましくは、個別のフライホイール貯蔵ユニット2の、関係している負荷状態に対して個別に適応済みとするトルク仕様DVを、関係しているフライホイール貯蔵ユニット2へ送信する。1つの実施態様においては、モジュール・コントロール・ユニット6が、エネルギ貯蔵モジュール1をコントロールするための瞬時的な外部データを常に受信するために、モジュール・コントロール・ユニット6が、テスト信号を送出し、外部システムがそれに基づいて対応する戻り信号を送り返すことによって、外側への既存の通信接続が適正に機能していることをチェックする。戻り信号の受信は、エネルギ貯蔵モジュールが、実行するべきそれの調整およびシステム・タスクSAを、たとえば、外部データの形式で受信する外部システムに対する通信接続が適正に機能していることを確証する。この外部データをエネルギ貯蔵モジュール1の瞬時的な状態を考慮に入れたものとするために、1つの実施態様においては、モジュール・コントロール・ユニット6がエネルギ貯蔵モジュール1の運転データを、たとえば周期的に、外部システムへ送信する。

この情況に関して言えば、運転データが、フライホイール貯蔵ユニット2の負荷状態、したがって、瞬時的および原理的に利用可能なモジュール貯蔵容量およびモジュール出力、エネルギ貯蔵モジュール1のアイデンティティ、またはエネルギ貯蔵モジュール1のそのほかの構成要素の状態を同様に包含できる。

AC網ES1、ES2からDCリンク3内への、またはそれ以外にはDCリンク3からAC網ES1、ES2内へのエネルギおよび電力フローが、関係しているAC網ES1、ES2に関して適切に分割され、相応の調整およびシステム・タスクSAが充足されるように、エネルギ貯蔵モジュール1は、DCリンク3から到来する合計のエネルギおよび電力フローを、AC網ES1のためのエネルギおよび電力フローEF1、LF1と、AC網ES2のためのエネルギおよび電力フローEF2、LF2に分割するコントロール・ボックス8(この情況に関して言えば、図2も併せて参照されたい)を包含している。接続されているAC網ES1、ES2内において調整およびシステム・タスクSAを最適実行するために、ここではエネルギ貯蔵モジュール1が測定ユニット7を包含し、それが、AC網ES1、ES2内の電圧の質および電流強度を評価するために、2つのAC網ES1、ES2についての電圧の質および/または電流強度を連続的に測定し、かつ関係のあるデータRDを測定する。ほかの実施態様においては、いくつかの測定ユニット7を採用することも可能である。測定ユニット(1つまたは複数)7は、内部供給網4に接続されている外部電力網ES2内における少なくとも過大電圧または過小電圧の場合に、エネルギ貯蔵モジュール1内において、ここではモジュール・コントロール・ユニット6へ、緊急運転信号NSFを送出するべく構成される。エネルギ貯蔵モジュール1、特に第2の調整システムが、ここでは、緊急運転信号NFSに対する自動的な応答として、正常運転NOから緊急運転NFへ切り替わり、かつ内部供給網4およびDCリンク3を外部電力網ES2またはすべての外部電力網ES1、ES2から切り離すべく構成され、それによって第2の調整システム32は、緊急信号NFSに応答して、必要となる供給網電圧VSをDCリンク3から内部供給網4へ供給するべく構成される。第2の調整システム32が、需要に応じたエネルギを供給することによって緊急運転NFの間にわたり内部供給網4内において供給網電圧VSを本質的に一定値に調整することを可能とするために、供給網4内において、適切な手段によって供給網電圧VSを、たとえば、連続的に測定することが可能であり、かつ供給網電圧の値をモジュール・コントロール・ユニット6へ送信することが可能である。測定ユニット7は、外部電力網ES1、ES2が再び利用可能になったときにエネルギ貯蔵モジュール1内において正常運転信号NOSを発するべく構成もなされ、それによってエネルギ貯蔵モジュール1が、ここではたとえばモジュール・コントロール・ユニット6によって、正常運転信号NOSに対する自動的な応答として、緊急運転NFから正常運転NOへ切り替わり、かつそれらは、DCリンク3および内部供給網4を再び外部電力網(1つまたは複数)ES1、ES2へ接続するべく、かつ該当がある場合には、DCリンク3と内部供給網4の間の電気接続を、第2の調整システム32によって切り離すべく構成もなされる。1つの実施態様においては、外部電力網ES1およびES2を、互いに接続された共有外部電力網とすることが可能である。

関係のあるデータRDの獲得のために適切な測定量は、時間の関数としての電圧推移、位相角、スター・ポイント、網周波数、または網電流である。本発明の範囲内において、当業者は、適切な測定ユニットまたは測定プローブを選択することが可能であり、かつ相応の位置にそれらをアレンジできる。エネルギ貯蔵モジュール1は、したがって、AC網ES1、ES2内において規定の限界値を超えたとき、能動的にAC網ES1、ES2との接続を切り離すことができる。

フライホイール貯蔵ユニット2の運転のために、電力供給される運転集合体51、52、53、54のすべてが、正常運転NOの間においては、運転集合体51、52、53、54へエネルギを供給するために、外部電力網ES2と直接または間接的に(DCリンクを介して)接続される内部供給網4に接続されている。この実施態様においては、外部電力網ES2への第2の調整システム32の入力側32Eのオプションの接続10が破線によって図示されている。第2の調整システム32と接続される電気接続は、コントロール・ボックス8によって調整され、この情況に関して言えば、それが、図3に示される。ここでは、第2の調整システム32がDCリンク3と接続され、緊急運転NFの間にわたるフライホイール貯蔵ユニット2の連続運転を確保するために、それが、少なくとも第1の時間間隔Tの間にわたって、DCリンク3を介してフライホイール貯蔵ユニット自体から内部供給網4へ必要となる供給網電圧VSが供給されるべく構成される。DCリンク3内においては直流電圧GSが連続的に監視され、それによってフライホイール貯蔵ユニット2は、それぞれ、関係しているフライホイール貯蔵ユニット2内に貯蔵されているエネルギの量が最小エネルギ・レベルより下に、少なくとも落ちない限りにおいて、DCリンク3内の直流電圧GSが下側スレッショルド値SW2より下に落ちなくするために、関係しているフライホイール貯蔵ユニット2から獲得されるエネルギを——緊急運転NFの間は、監視している直流電圧GSを少なくとも基礎とし、かつ正常運転NOの間にわたってフライホイール貯蔵ユニット2をコントロールするモジュール・コントロール・ユニット6とは独立に——リリースEpするべく構成されたモータ・コントロール手段51を包含する。ここでは、内部供給網4のサポート運転の目的のために、DCリンク3内の直流電圧GSが供給網内の電圧より下に落ちなくする必要がある。それに加えて、DCリンク3は、DCリンク3内の電圧GSを測定する測定ユニット33を含むことが可能であり、その後その電圧はモジュール・コントロール・ユニット6へ送信される。1つの実施態様においては、モータ・コントロール手段51に代えて、モジュール・コントロール・ユニット6が、測定された電圧GSを基礎として、1つまたは複数のフライホイール貯蔵ユニット2からDCリンク3内へエネルギをリリースEFpすることによって、フライホイール貯蔵ユニット2内に貯蔵されているエネルギの量が最小エネルギ・レベルMEより下に、少なくとも落ちない限りにおいて、それの電圧GSが下側スレッショルド値SW2より下に落ちなくするような方法でフライホイール貯蔵ユニット2を作動することも可能である。

正常運転については、モジュール・コントロール・ユニット6が、DCリンク3の電圧GSが上側目標値SW1より上に上昇した場合に、それからのエネルギの吸い上げEFnおよび1つまたは複数のフライホイール貯蔵ユニット2へのそれの供給もコントロールする。このコントロールは、たとえば、測定ユニット33によって測定された電圧GSを基礎として生じる。しかしながら、1つの実施態様においては、緊急運転NFのために、個別のフライホイール貯蔵ユニット2のモータ・コントロール手段51を、モジュール・コントロール・ユニット6とは独立して、互いに直接接続することも可能であり、それらはそれぞれ、緊急運転NFの間にわたってすべてのフライホイール貯蔵ユニット2を通じてDCリンク3内の電圧GSの連帯的に調和されたサポート運転SBを実行するべく構成されたフライホイール・コントロール手段(ここには明示的に示されていない)を包含する。モータ・コントロール手段51の直接接続は、破線51dによって図示されている。

たとえば、モータ・コントロール手段51といったフライホイール貯蔵ユニット2内の運転集合体とは別に、何らかの運転集合体、たとえば、ロータ(遠心マス)が高い回転速度において可能な限り低い損失を伴って回転することを保証する上で不可欠な真空、たとえば40,000rpmを超える回転速度において10−3mbar未満とする真空を生成するために、フライホイール貯蔵ユニット2内のロータのための容器とパイプ・システム(簡明のためここには図示されていない)を介して接続される真空システム等の運転集合体54を、フライホイール貯蔵ユニット2の外側にアレンジできる。別の運転集合体54を、エネルギ貯蔵モジュール1からの運転熱を消散する冷却ユニットとすることができる。モジュール・コントロール・ユニット6は、受信した内部運転データまたは外部データに対して運転集合体54のコントロールを適応させるべく構成可能であり、これが、運転集合体54がモジュール・コントロール・ユニット6とも接続されている理由である。内部電気損失は、設備内部または外部の瞬時的な測定量の関数として、運転集合体54の運転挙動または運転ポイントに系統的な影響を及ぼすことによって最小化できる。たとえば、冷却機54——運転集合体54の例として——のフロー温度は、瞬時的な内部または外部の負荷に応じて上昇または低下する。たとえば、フライホイール貯蔵ユニット2の廃熱の低減は、冷却機54の冷却出力が低減可能であることを意味し、そのことは、冷却機54のために必要となる運転エネルギを削減する。別の例においては、フライホイール・エネルギ貯蔵システム2のロータ容器内の真空の運転環境を生成するための真空モジュール54内の真空ポンプの出力を、遠心マス(ロータ)のガス抜け挙動の関数として刻時モードで運転すること、または完全にオフにすることさえ可能である。その種の方策は、運転エネルギを節約し、したがって一時的な効率を最大で10%増加し、したがって、より効果的なエネルギ貯蔵モジュール1の提供を可能にする。

この実施態様においては、エネルギ貯蔵モジュール1が、さらに、運転集合体51、52、53、54のうちの1つまたは複数に接続される電力シンク9を包含し、それを用いて、フライホイール貯蔵ユニット2が完全に充電されたときに、さらに追加のエネルギの吸い上げが可能になる。たとえば、エネルギ貯蔵モジュール1が外部電力を吸い上げるモジュール貯蔵容量(たとえば、AC網ES1、ES2のうちの1つからの一次または二次運転準備量)は、一次および二次冷却回路を有する冷却設備54の系統的な利用によって、すなわち冷却設備54の二次冷却回路を、たとえば第1の電力シンク9として、たとえば400リットルの体積を有する冷媒リザーバ(たとえば、水タンク)内の浸漬ヒータを用いて電気的に加熱し、それが一次冷却回路のより大きな冷却容量に転化されることから増加(第2の電力シンクとしての冷却機54のより大きな電力消費)が可能である。環境条件または設備の運転ポイントに応じて、モジュール貯蔵容量は、個別のフライホイール貯蔵ユニット2のユニット毎貯蔵容量EKの公称合計を超えて意図的に、冷却システム54および/または真空システム54の、正常運転に必要な量を超える大きさまで到達するような電力消費によって増加できる。その種の貯蔵された冷却量、または追加達成された目標真空度、たとえば10−3mbarを下回る真空レベルは、両方ともに、運転されてない、したがってエネルギ消費を節約している運転集合体54が存在するという事実に起因して利用可能であり、それらを蓄えておき、したがって、後の時点における需要の上昇または長期化の場合に利用することが可能である。

エネルギ貯蔵モジュール1をコントロールするために、エネルギ貯蔵モジュール1のモジュール・コントロール・ユニット6および個別の構成要素が、互いにデータ・ライン(図1においては破線によって示されている)、たとえばデータ・バス(CANbus(キャンバス)またはPROFIBUS(プロフィバス))を介して接続されている。調整システム31、32につながるデータ・ライン13(図2および3参照)を介して、モジュール・コントロール・ユニット6が、コントロール・ボックス8のレギュレータ機能へ構成データKDを送信する。図2は、コントロール・ボックス8の実施態様を示している。接続されている電力網ES1、ES2とエネルギ貯蔵モジュール1の間のエネルギおよび電力フローEF、LFを、調整およびシステム・タスクSAに従って分配するために、エネルギ貯蔵モジュール1は、この実施態様において、コントロール要素81、および接続されている電力網ES1、ES2のそれぞれのために別々の切り離しスイッチ82を伴うコントロール・ボックス8を包含する。モジュール・コントロール・ユニット6は、データ接続10を介してコントロール・ボックス8のコントロール要素81と接続されており、エネルギおよび電力フローをコントロールする目的のために、コントロール・ボックス8へ、ここではコントロール要素81へ直接、相応のレギュレータ機能の構成データKDを送信する。コントロール要素81は、レギュレータ機能の構成データKDに基づいて、接続されている電力網ES1、ES2に対するエネルギおよび電力フローEF1、LF1——DCリンク3から到来する——の分配を、電力網ES1のためのエネルギおよび電力フローEF1、LF1として、および非局所的電力網ES2のためのエネルギおよび電力フローEF2、LF2としてコントロールする。この実施態様においては、ここに示されているすべてが、接続されている電力網ES1、ES2の両方へエネルギが供給されるときのエネルギ・フローEFの分配である。コントロール・ボックス8は、同様に、接続されている電力網ES1、ES2のうちの1つ(それらが、AC網であるかまたはDC網であるかによらない)からのエネルギ・フロー、および接続されている電力網ES1、ES2のうちの他方へのエネルギ・フローをコントロールするべく構成もなされ、それによって、これら2つのエネルギ・フローの大きさに応じて、エネルギ貯蔵モジュール1によって負のエネルギ余剰分が貯蔵されるか、またはそれ以外にはエネルギ貯蔵モジュール1によって正のエネルギ余剰分が提供されるかのいずれかになる。ここにはエネルギ貯蔵モジュール1が明示的に示されてなく、むしろ関係している構成要素によって表象的に示されているに過ぎない。コントロール・ボックス8は、同時に、2つの接続されている電力網ES1、ES2から関係のあるデータRDを、関係している測定ユニット7を介して受信し、それを基礎としてコントロール要素81が、関係のあるデータRDのためのコントロール要素81内にストアされている評価基準またはスレッショルド値によって、2つの接続されている電力網ES1、ES2の存在を演繹する。この情況に関して言えば、第1の調整システム31は、緊急運転信号NFSを基礎として外部電力網ES1、ES2からDCリンクを切り離すべく構成される。接続されている電力網ES1、ES2のうちの1つまたは両方が、網障害に起因して利用可能でなくなると、関係している電力網ES1、ES2のこの障害が、対応する関係のあるデータRD内においても明白になり、この実施態様においてはそれがコントロール要素81へも送信され、それに応答して、この実施態様においてはコントロール要素81自体が、緊急運転信号NFSを基礎とする関係している構成データの送信がない場合であっても、接続されている電力網(1つまたは複数)ES1、ES2からエネルギ貯蔵モジュール1を切り離す相応の切り離しインストラクションTA(破線矢印)を、モジュール・コントロール・ユニット6から関係している切り離しスイッチ(1つまたは複数)82へ自動的に送信し、その後、切り離しスイッチ(1つまたは複数)82が、以前に接続された電力網ES1、ES2をエネルギ貯蔵モジュール1から切り離す。このプロセスにおいては、接続されている電力網が、わずか数ミリ秒内に切り離される。1つの電力網だけが切り離された場合には、エネルギ貯蔵モジュール1が、他方の、まだ接続されている電力網のために機能し得る状態をとどめる。この態様においては、1つの電力網が故障した場合に、エネルギ貯蔵モジュール1内の短絡回路または過負荷状態を効果的に防止することが可能である。ここに示されている、局所的電力網ES1への接続を1つ、非局所的電力網ES2への接続を1つ伴う実施態様は、2つの接続されている電力網の単なる例に過ぎない。ほかの実施態様においては、2を超える数の電力網とコントロール・ボックス8を接続することが可能である。2またはそれを超える数の接続されている電力網は、非場所限定の調整およびシステム・タスクSA(コントロール・インストラクション)を実行するために、局所的電力網のうちの少なくとも1つが非局所的電力網と接続される局所的電力網とすることが可能である。ここに示されているコントロール・ボックス8は、たとえば、第1の調整システム31内にアレンジされる。

図3は、第2の調整システム32内にアレンジされるコントロール・ボックス8を示した別の実施態様を図示しており、正常運転NOの間にわたって、供給網4へ供給するために、追加的に入力側32Eと接続される外部電力網ES2を有する。これにおいては、切り離しスイッチ82のうちの1つが外部電力網ES2と接続され、他方の切り離しスイッチ82がDCリンク3と接続される。ここでは、コントロール要素81が、緊急運転NFの間において、切り離しスイッチ82が外部電力網ES2から切り離された後に、内部供給網4へ供給網電圧VS(破線矢印は、電力フローの方向を示す)を供給するために、内部供給網4をDCリンク3へ接続するように、DCリンク3に対して以前に開かれた切り離しスイッチ82を閉じるといった方法で切り離しスイッチ82をコントロールする。ここにはエネルギ貯蔵モジュール1が明示的に示されてなく、むしろ関係している構成要素によって表象的に示されているに過ぎない。コントロール・ボックス8は、同時に、接続されている電力網ES2から関係のあるデータRDを、測定ユニット7を介して受信し、それを基礎としてコントロール要素81が、関係のあるデータRDのためのコントロール要素81内にストアされている評価基準またはスレッショルド値によって、接続されている電力網ES2の存在を演繹する。接続されている電力網ES2が網障害に起因して利用可能でなくなると、電力網ES2のこの障害が、対応する関係のあるデータRD内においても明白になり、それがコントロール要素81へ送信され、それに応答して、1つの実施態様においては、コントロール要素81自体が、関係している構成データKDの送信がない場合であっても、電力網ES2から内部供給網電圧4を切り離す相応の切り離しインストラクションTA(破線矢印)を、モジュール・コントロール・ユニット6から関係している切り離しスイッチ82へ自動的に送信し、その後、切り離しスイッチ82が、以前に接続された電力網ES2を供給網から切り離す。このプロセスにおいては、接続されている電力網が、わずか数ミリ秒内に切り離される。これに応答して、内部供給網4が、その後に続いて供給電圧VSを供給するためにDCリンク3へ接続されるという事実から、運転集合体は、運転を継続できる。この態様においては、1つの電力網ES2が故障した場合に、エネルギ貯蔵モジュール1内の短絡回路または過負荷状態を効果的に防止することが可能であり、それによって連続運転能力が確保される。

図4は、本発明に従った、正常運転NOの間にわたるエネルギ貯蔵モジュール1の運転のための方法の実施態様を示す。モジュール・コントロール・ユニット6が、外部コントロール・インストラクションSA(調整およびシステム・タスクSA)を受信し、DCリンク3の直流電圧GSが直流電圧の目標値GS−Sと整合するか否かをチェックする。それを満たし(GS−S=“J”[イエス]はSW2

図5は、本発明に従った、当初はまだ正常運転NOにあるときに開始された、緊急運転NFの間にわたるエネルギ貯蔵モジュール1の運転のための方法の別の実施態様を示す。このエネルギ貯蔵モジュールは、供給網4へ供給する外部電力網ES2へ直接接続される第2の調整システム32を包含する。これにおけるコントロール・ボックス8は、図3のコントロール・ボックスに対応する。正常運転NOの間に、エネルギ貯蔵モジュール1と接続されている外部電力網ES1、ES2の電圧の質が、エネルギ貯蔵モジュール1の1つまたは複数の測定ユニット7によって連続的に測定KMされる。このプロセスにおいて、内部供給網4に接続されている少なくとも外部電力網ES2内に過大電圧または過小電圧がある場合に、測定ユニット7が、エネルギ貯蔵モジュール1内において緊急運転信号NFSを送信する。その後に続いてモジュール・コントロール・ユニット6が、正常運転NOから緊急運転NFへ切り替わり(矢印によって示されている)、それが、第2の調整システム32に、少なくとも内部供給網4から外部電力網ES2を切り離させ、それにおいては、相応の構成データKDが、第2の調整システム32のコントロール・ボックス8へ送信され、それに応答してコントロール・ボックス8が、切り離し信号TAによってエネルギ貯蔵モジュール1から外部電力網ES2を切り離す。その後、フライホイール貯蔵ユニット2の連続運転BTを確保するために、DCリンク3が第2の調整システム32を介して内部供給網4と接続VBされ、必要となる供給網電圧VSがDCリンク3から内部供給網4へ供給Vされる。エネルギ貯蔵モジュールが充分に大きな貯蔵容量を有している場合には、この供給を、機能的な制限を伴うことなく長い第1の時間間隔Tにわたって維持することが可能である。この情況に関して言えば、内部供給網4の供給網電圧VSが一定値に調整Rされ、それにおいては、需要に応じて電力がDCリンク3から供給され、その目的のためにDCリンク3の電圧が、モータ・コントロール手段51または少なくとも1つの測定ユニット33のいずれかによって測定Mされ、フライホイール貯蔵ユニット2が、測定された電圧GSを基礎として、1つまたは複数のフライホイール貯蔵ユニット2からDCリンク3へのエネルギのリリースEpを通じて、フライホイール貯蔵ユニット2内に貯蔵されているエネルギの量が最小エネルギ・レベルより下に、少なくとも落ちない限りにおいて、電圧GSを下側スレッショルド値SW2より下に落ちなくするような方法で、時間に関係付けたトルク仕様DVの関数として、モータ・コントロール手段51によって(それに代えて、モジュール・コントロール・ユニット6によっても)コントロールSTされる。外部電力網ES1、ES2(少なくとも外部電力網ES2)が、再び内部供給網4への供給に利用可能になると、測定ユニット7が正常運転信号NOSを発し、モジュール・コントロール・ユニット6が緊急運転NFから切り替わって正常運転NOへ戻り、それによって、内部供給網4が外部電力網(1つまたは複数)ES2と再び接続され、DCリンク3と内部供給網4の間の電気接続の切り離しTが、再び、第2の調整システム32によって正常運転信号NOSに対する自動的な応答として行なわれる。その後、図4に示されているとおりの正常運転NOが再び継続される。エネルギ貯蔵モジュール1内に貯蔵されているエネルギの量が最小値より下に落ちると、別の実施態様においては、エネルギ貯蔵モジュール1が漸減され、内部供給網4が、第2の調整システム32によってDCリンク3から切り離される。

ここに示されている実施態様は、本発明の単なる例であって、限定的な態様として解釈されるべきではない。当業者によって考慮される代替実施態様は、同様に、本発明の保護範囲によって囲い込まれる。

1 本発明に従ったエネルギ貯蔵モジュール 13 データ・ライン、データ・バス 2 フライホイール貯蔵ユニット 3 DCリンク 31 第1の調整システム 32 第2の調整システム 32A 第2の調整システムの出力側 32E 第2の調整システムの入力側 33 DCリンク内の電圧を測定する測定デバイス 4 内部供給網 51 運転集合体:モータ・コントロール手段 51d NFの間のモータ・コントロール手段間の直接データ接続 52 運転集合体:回転速度制限のための構成要素 53 運転集合体:電磁トランスフォーマ 54 運転集合体:真空システム、冷却システム、磁気ベアリング・システム、そのほかの供給システム 6 モジュール・コントロール・ユニット 61 外部データをストアするストレージ・ユニット 62 コントロール・インストラクションを実行するための優先度管理 7 測定ユニット 8 コントロール・ボックス 81 コントロール要素 82 切り離しスイッチ 9 電力シンク 10 第2の調整システムの入力側に対する外部電力網の接続 A フライホイール貯蔵ユニットの減速 B フライホイール貯蔵ユニットの加速 DV トルク仕様 EF エネルギ・フロー EF1、EF2 外部電力網ES1、ES2へのエネルギ・フロー En、LFn エネルギ貯蔵モジュールへの、またはフライホイール貯蔵ユニットへのエネルギ・フロー/電力フロー(負のエネルギ・フロー/電力フロー) Ep、LFn エネルギ貯蔵モジュールからの、またはフライホイール貯蔵ユニットからのエネルギ・フロー/電力フロー(正のエネルギ・フロー/電力フロー) EK フライホイール貯蔵ユニットのユニット毎貯蔵容量 EL フライホイール貯蔵ユニットのユニット毎貯蔵出力 En 電力網からのエネルギの吸い上げ Ep 電力網へのエネルギのリリース ES1 第1の調整システムと接続される外部電力網 ES2 第2の調整システムと接続される外部電力網 GS DCリンク内の直流電圧 GS−S DCリンク内の直流電圧の目標値 KM ES1、ES2内の電圧の質の連続測定 LF 電力フロー LF1、LF2 外部電力網ES1、ES2への電力フロー M DCリンク内の電圧の測定 NO 正常運転 NOS 正常運転信号 NF 緊急運転 NFS 緊急運転信号 KD 構成データ R 供給網電圧の調整 RD 関係のあるデータ SA 外部コントロール・インストラクション(調整およびシステム・タスク) ST フライホイール貯蔵ユニットのコントロール SW1 直流電圧のための上側スレッショルド値 SW2 直流電圧のための下側スレッショルド値 TA 切り離しインストラクション、外部電力網からの切り離し V 供給網への電圧の供給 VB DCリンクに対する内部供給網の接続 VS 供給網電圧

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