Electrical connector

申请号 JP2012154902 申请日 2012-07-10 公开(公告)号 JP5360271B1 公开(公告)日 2013-12-04
申请人 第一精工株式会社; 发明人 隆吉 遠藤; 境 八木; 拓也 武田;
摘要 An electric connector (10) includes at least one terminal pin (20) having, at opposite ends thereof, terminals (21) to be inserted into through-holes formed through printed circuit boards (P1, P2) spaced away from and facing each other, and an aligner (32) for aligning the terminal pins (20) in a row in such a condition that the terminal pins (20) are movable relative to the aligner (32), the terminal pin (20) including a movement-limiter (22) which restricts movement of the terminal pin (20) in a direction of an axis thereof.
权利要求
  • 対向配置された2枚のプリント基板のスルーホールに嵌入される端子部が両端部に形成された端子ピンと、
    前記端子ピンを、列状に非固定状態で拘束し、配列させる整列部とを備え、
    前記端子ピンには、前記端子ピンの軸線方向の移動を規制する抜け防止部が形成されていることを特徴とする電気コネクタ。
  • 前記端子ピンには、一端部と他端部との軸線のずれに応じて変形する緩衝部が形成されている請求項1記載の電機コネクタ。
  • 前記緩衝部は、複数の弾性片により形成されている請求項2記載の電気コネクタ。
  • 前記緩衝部は、一部を狭幅部とした弾性片により形成されている請求項2記載の電気コネクタ。
  • 前記整列部は、前記端子ピンの列方向に沿った支持部と、前記端子ピンが差し込まれると、弾性変形しながら収容室へ案内する前記支持部から突出した一対の爪部とが、列状に配置されたものであり、
    前記収容室内に突出させて、前記収容室に位置した前記端子ピンを固定状態とする凸部を設けた請求項1から4のいずれかの項に記載の電気コネクタ。
  • 前記整列部は、一対設けられたうちの少なくとも一方が前記端子ピンを非固定状態で拘束し、配列させており、
    前記抜け防止部は、前記一対の整列部の外側同士または内側同士のいずれかに当接して、前記端子ピンの軸線方向の移動を規制する一対の突起部で形成されている請求項1から5のいずれかの項に記載の電気コネクタ。
  • 说明书全文

    本発明は、対向配置された2枚のプリント基板のスルーホールに、列状に配置された端子ピンの両端部の端子部がそれぞれ嵌入されることで、基板同士を電気的に接続する電気コネクタに関するものである。

    電気コネクタとして、棒状の端子ピンが列状に配列され、一方の端部の端子部を一方のプリント基板のスルーホールに嵌入させ、他方の端部の端子部を他方のプリント基板のスルーホールに嵌入させて、2枚のプリント基板に実装された電気回路同士を電気的に接続するものが知られている(例えば、特許文献1、2参照。)。

    特許文献1に記載のプリント基板用コネクタは、端子ピン(ポストコンタクト)の一端が、L字状に略90°に折り曲げられ、第1のプリント基板上にハンダ付けされ、他端が、第2のプリント基板に雌側コネクタを組み込んだものである。

    また、特許文献2に記載のプリント基板用ピンヘッダーでは、端子ピンがボード部の上下各端に設けられた上側保持部と下側保持部により保持されていると共に、ボード中央部に設けられ、各端子ピンの隙間ごとに設けられた横並びの突起片が端子ピンを絶縁している。

    特公平4−29196号公報

    特開平7−230862号公報

    プリント基板同士を、列状に配置された端子ピンにより電気的に接続する電気コネクタにおいては、プリント基板の位置関係が重要である。 例えば、プリント基板に設けられたスルーホールに端子ピンの端子部を嵌入してプリント基板同士を接続するときに、基板同士の位置関係がずれていると、一方の基板のスルーホールに接点部を嵌入させられても、他方の基板のスルーホールに嵌入できないおそれがある。 特に、電気コネクタを複数使用する場合は、他方のプリント基板に嵌入できない恐れが高くなる。

    特許文献1に記載のプリント基板用コネクタでは、一方の端子部が雌側コネクタを介してプリント基板と接続されるので、プリント基板の多少の位置ずれがあっても、雌側コネクタによりずれが吸収できるものと思われる。 しかし、プリント基板の位置ずれ吸収のために雌側コネクタを設ける必要があるため、部品点数の増加が伴う。

    また、特許文献2に記載のプリント基板用ピンヘッダーでは、端子ピンを直接プリント基板に嵌入するものの、上下各端に上側保持部と下側保持部によりしっかりと端子ピンが固定され、突起片は端子ピン同士を隔離しているだけである。 従って、プリント基板同士の位置関係がずれていると、端子ピンの位置およびその間隔は上側保持部と下側保持部により規制されてしまっているため、一方の基板のスルーホールに接点部を嵌入させられても、他方の基板のスルーホールに嵌入できないおそれがある。

    そこで本発明は、プリント基板に端子部を確実に嵌入することができることで、接続性を向上させることができる電気コネクタを提供することを目的とする。

    本発明の電気コネクタは、対向配置された2枚のプリント基板のスルーホールに嵌入される端子部が両端部に形成された端子ピンと、前記端子ピンを、列状に非固定状態で拘束し、配列させる整列部とを備え、前記端子ピンには、前記端子ピンの軸線方向の移動を規制する抜け防止部が形成されていることを特徴とする。

    本発明の電気コネクタによれば、プリント基板同士の位置関係がずれていても、端子ピンが整列部に非固定状態で拘束されているため、端子部を電極用スルーホールの方向へ寄せることができるので、端子部をスルーホールに嵌入することができる。 このとき、端子ピンは抜け防止部により軸線方向の移動が規制されているため、端子ピンが非固定状態であっても、端子部をプリント基板のスルーホールへ圧入することができる。

    前記端子ピンには、一端部と他端部との軸線のずれに応じて変形する緩衝部が形成されているので、端子部に軸線のずれによる過度な応が掛からない。 従って、一方の端子部をプリント基板へ嵌入した状態で、なんら支障なく、他方の端子部をプリント基板へ嵌入することができる。

    前記緩衝部を複数の弾性片により形成することもできる。 複数の弾性片のそれぞれを軸線のずれの方向に応じて変形させることができると共に、プリント基板間に流れる信号が大電流であっても導通を図ることができる。 また、前記緩衝部を、一部を狭幅部とした弾性片により形成することもできる。 一部が狭幅部となった弾性片であれば、狭幅部の位置で湾曲しやすくなるので、軸線のずれに応じて狭幅部を変形させることができる。

    前記整列部は、前記端子ピンの列方向に沿った支持部と、前記端子ピンが差し込まれると、弾性変形しながら収容室へ案内する前記支持部から突出した一対の爪部とが、列状に配置されたものであり、前記収容室内に突出させて、前記収容室に位置した前記端子ピンを固定状態とする凸部を設けることができる。 このように整列部を形成することで、支持部を作製した後に、端子ピンを収容室に差し込むことで、端子ピンを整列部に配列することができる。

    前記整列部は、一対設けられたうちの少なくとも一方が前記端子ピンを非固定状態で拘束し、配列させており、前記抜け防止部が、前記一対の整列部の外側同士または内側同士のいずれかに当接して、前記端子ピンの軸線方向の移動を規制する一対の突起部で形成されていることで、端子ピンが整列部に非固定状態であっても軸線方向へ移動しない。

    本発明は、端子部を電極用スルーホールの方向へ寄せることができることにより、プリント基板同士の位置関係にずれがあっても、それぞれのプリント基板に端子部を確実に嵌入することができるので、接続性を向上させることができる。

    本発明の実施の形態1に係る電気コネクタにより2枚のプリント基板を接続した状態を示す斜視図である。

    図1に示す電気コネクタの正面図である。

    図2に示す電気コネクタの平面図である。

    図2に示す電気コネクタの背面図である。

    図2に示す電気コネクタのA−A線断面図である。

    図2に示す電気コネクタのB−B線断面図である。

    図5に示す電気コネクタの整列部の一部拡大図である。

    図6に示す電気コネクタの整列部の一部拡大図である。

    図1に示す電気コネクタのベース部を示す斜視図である。

    図1に示す電気コネクタの端子ピンを示す斜視図である。

    図10に示す端子ピンの正面図である。

    図10に示す端子ピンの側面図である。

    図11に示す端子ピンのC−C線断面図である。

    図11に示す端子ピンを展開した状態の図である。

    端子ピンの軸線が後方へ湾曲した状態を示す側方からの端子ピンの垂直断面図である。

    端子ピンの軸線が後方へ湾曲した状態を示す整列部の位置の端子ピンの平断面図である。

    端子ピンの軸線が前方へ湾曲した状態を示す側方からの端子ピンの垂直断面図である。

    端子ピンの軸線が前方へ湾曲した状態を示す整列部の位置の端子ピンの水平断面図である。

    端子ピンの軸線が左方向へ湾曲した状態を示す正面からの端子ピンの垂直断面図である。

    端子ピンの軸線が左方向へ湾曲した状態を示す整列部の位置の端子ピンの水平断面図である。

    端子ピンの軸線が右方向へ湾曲した状態を示す正面からの端子ピンの垂直断面図である。

    端子ピンの軸線が右方向へ湾曲した状態を示す整列部の位置の端子ピンの水平断面図である。

    本発明の実施の形態2に係る電気コネクタの端子ピンを示す斜視図である。

    図15に示す端子ピンの正面図である。

    図15に示す端子ピンの側面図である。

    図15に示す端子ピンを展開した状態の図である。

    (実施の形態1)
    本発明の実施の形態1に係る電気コネクタを図面に基づいて説明する。 図1および図2に示す電気コネクタ10は、対向配置された2枚のプリント基板P1、P2を電気的に接続する車載用の雄側コネクタである。
    電気コネクタ10は、略棒状の端子ピン20と、列状に配置される端子ピン20を支持してプリント基板P1,P2に固定するベース部30とを備えている。

    図10から図13に示す端子ピン20は、両端部に形成され、それぞれのプリント基板P1、P2に形成された電極用スルーホール(図示せず)に嵌入される端子部21と、端子ピン20の軸線方向の移動を規制する抜け防止部として機能する一対の突起部22と、一端部と他端部との軸線のずれに応じて変形する緩衝部23とを備えている。 端子ピン20は、図14に示す弾力性を有する1枚の金属板210に曲げ加工を施すことによって形成される。

    端子部21は、半田付けなしにプリント基板P1,P2と接続することができるプレスフィット端子である。 端子部21は、図14に示すように、横断面がU字形状をなす中軸部211と、く字形状をなす複数の接触片212の長手方向が中軸部211の長手方向に沿うように、かつ外に凸をなす状態で中軸部211を囲繞するように等間隔に配置して形成された接触部213とを備えている。 中軸部211の周囲にて樽形状をなす接触部213は、弾性的に縮径・拡径可能な構造をなしている。 また、接触部213を構成する複数の接触片212の先端側および基端側にはそれぞれ、中軸部211を包囲する断面C字形状の連設部214,215が設けられている。

    一対の突起部22は、図10から図13に示すように、それぞれの端子部21の基端側に隣接する位置であって、ベース部30の後述する整列部の外側となる位置に当接するように設けられている。

    緩衝部23は、両端部に設けられた端子部21の間で、端子ピン20の中央部となる位置に形成されている。 緩衝部23は、図10および図14に示すように、く字形状をなす複数の弾性片231が内に凸をなす状態で等間隔に配置して形成されている。 また、緩衝部23を構成する複数の弾性片231の両端部にはそれぞれ断面C字形状の連設部232,233が設けられている。 この連接部232,233は、後述する整列部に差し込んだ際に固定状態とするために挟持される被挟持部として機能する。

    ここで、端子ピン20の製造方法について、図14に基づいて説明する。
    まず、両端部の中軸部211を、中心線Lを中心として、横断面がU字形状をなすように折り曲げた後、中軸部211と接触部213との間に位置する折り返し部24を、横切る折り返し位置241を中心にして、U字形状をなした中軸部211を接触部213に向かって180度折り曲げる。
    この後、中心線Lと交差する方向に位置する接触部213の辺縁部である連設部214,215がC字形状となるように曲げ加工を施し、中心線Lと平行をなす接触片212がく字形状となるように曲げ加工を施し、接触部213が中軸部211を囲繞する樽形状をなすようにする。
    そして、中心線Lと交差する方向に位置する接触部23の辺縁部である連設部232,233がC字形状となるように曲げ加工を施し、中心線Lと平行をなす弾性片231がく字形状となるように曲げ加工を施せば、図10から図13に示す端子ピン20が完成する。

    図3から図9に示すように、ベース部30は、樹脂成形により略H字形状に形成されている。 ベース部30は、列状に配置された端子ピン20の一端から他端まで列方向に沿う支持部31と、端子ピン20を列状に配列させる一対の整列部32と、整列部32に差し込まれた端子ピン20を固定状態としたり、非固定状態としたりする凸部33(図7および図8参照)と、プリント基板P1,P2に固定するための固定脚部34とにより形成されている。

    支持部31は、略矩形状に形成されている。 支持部31の幅は、一対の突起部22(図11参照)同士の間隔である。
    整列部32は、端子ピン20の配列数に対応させて等間隔に列状に配置された一対の爪部321と、緩衝部23を間に位置させる一対のガイド壁322とにより形成されている。

    一対の爪部321は、支持部31から突出して端子ピン20が差し込まれるときに弾性変形する腕部321aと、腕部321aの先端部に形成され、奥側に向かうに従って間隔が狭くなる楔部321bとを備えている。 一対の爪部321の間隔が拡がった奥部(腕部31aの間)が端子ピン20を収容する略矩形状の空間である収容室Rとなっている。
    プリント基板P2側の一対の爪部321(図2においては上側)は、図7に示すように、端子ピン20の差し込み方向の腕部321aの内壁と端子ピン20との間に、隙間ができるように形成されている。
    プリント基板P1側の一対の爪部321(図2においては下側)は、図8に示すように、差し込み方向の腕部321aの内壁が端子ピン20に当接して隙間ができないように、出っ張りが形成されている。

    凸部33は、一対の爪部321の腕部321aの間の支持部31から爪部321の先端側へ向かって突出させている。
    プリント基板P2側の凸部33は、図7に示すように、緩衝部23の連設部232が収容室Rに収容されても、差し込み方向と交差する方向の楔部321bの内壁と端子ピン20との間、および端子ピン20と凸部33の先端面とのいずれかまたは両方の間に隙間ができた状態となることで、端子ピン20を非固定状態としている。
    プリント基板P1側の凸部33は、図8に示すように、緩衝部23の連設部233が収容室Rに収容されると、端子ピン20の差し込み方向と交差する方向の楔部321bの内壁と凸部33の先端面とで端子ピン20を挟持した状態となることで、固定状態としている。

    固定脚部34は、支持部31の両端部に設けられている。 固定脚部34は、プリント基板P1,P2に形成された案内用スルーホール(図示せず)に嵌入されることで、プリント基板P1,P2の間隔を維持してベース部30をプリント基板P1,P2の間に固定すると共に、端子ピン20を補強する機能を備えている。 固定脚部34は、段差を有する両端面の突出側の先端面がプリント基板P1,P2の基板面に当接することで、プリント基板P1,P2の間隔を確保する当接部341と、当接部341の両端部のそれぞれから、軸線方向に突出した嵌入部342とから形成されている。
    嵌入部342は、一対の半円筒形状を対向させて円筒形とし、プリント基板P1,P2に嵌入されたときに案内用スルーホールの開口縁に係止する楔部が先端に形成された構成である。

    以上のように構成された本発明の実施の形態に係る電気コネクタの使用状態について、図面に基づいて説明する。
    まず、図2に示すように、プリント基板P1の案内用スルーホールに一方の嵌入部342を嵌入すると共に、プリント基板P1に列状に形成された電極用スルーホールに、一方のそれぞれの端子部21を圧入する。

    端子部21が、図14に示す中軸部211を中心として、接触片212を囲繞させて形成され、U字形状とした中軸部211が芯となって補強しているため、図2に示す端子部21の軸線が湾曲することなく、端子部21をプリント基板P1に嵌入することができる。 また、弾性変形した接触片212の復帰力によりプリント基板P1の電極用スルーホールの内周面に半田付けなしに密着した状態で接触させることができるので、しっかりと導通を図ることができる。

    また、プリント基板P1側の端子部21を電極用スルーホールに圧入するために軸線方向に力が掛かっても、プリント基板P1側の突起部22が爪部321に引っ掛かるため、端子ピン20は軸線方向への移動が規制される。 従って、端子ピン20は軸線方向へ移動しないため、プリント基板P1側の端子部21をプリント基板P1の電極用スルーホールへ圧入することができる。

    次に、プリント基板P2を電気コネクタ10の上方に位置させ、他方の嵌入部342をプリント基板P2の案内用スルーホールに嵌入すると共に、プリント基板P2に列状に形成された電極用スルーホールに、他方のそれぞれの端子部21を嵌入する。

    このとき、プリント基板P1,P2の位置関係がずれ、プリント基板P2の電極用スルーホールの位置がプリント基板P1の電極用スルーホールの位置と少しずれていても、プリント基板P2側(図1においては上側)の整列部32の収容室Rでは端子ピン20が非固定状態で拘束されているため、端子部21を電極用スルーホールの方向へ寄せることができるので、端子部21を嵌入することができる。
    図2に示す端子ピン20はプリント基板P1,P2の位置関係がずれたまま嵌入されると、端子ピン20の軸線に曲がりが生じる。 しかし、端子ピン20に緩衝部23が形成されているため、緩衝部23の弾性片231(図14参照)がプリント基板P1側の一方の端子部21とプリント基板P2側の他方の端子部21との軸線のずれに応じて変形することで、一端部の端子部21に過度な応力が掛からない。 緩衝部23は、複数の弾性片231により形成したものであるため、軸線のずれの方向に応じて変形させることができると共に、プリント基板P1,P2間に流れる信号が大電流であっても導通を図ることができる。

    例えば、プリント基板P2側の端子部21が嵌入する電極用スルーホールが、プリント基板P1側の電極用スルーホールに対して、支持部31側(後方)へずれていた場合には、図15および図16に示すように、端子ピン20がプリント基板P2側の収容室R内で、収容室Rの後壁となる凸部33に当接する範囲まで、緩衝部23を撓ませることができるので、端子ピン20を後方へ向かって湾曲させることができる。

    また、プリント基板P2側の電極用スルーホールが、プリント基板P1側の電極用スルーホールに対して、支持部31と反対側(前方)へずれていた場合には、図17および図18に示すように、端子ピン20が収容室R内で、収容室Rの前壁となる楔部321bに当接する範囲まで、緩衝部23を撓ませることができるので、端子ピン20を前方へ向かって湾曲させることができる。

    また、プリント基板P2側の電極用スルーホールが、プリント基板P1側の電極用スルーホールに対して、前後方向と交差する一方の方向(例えば、左方向)へずれていた場合には、図19および図20に示すように、端子ピン20が収容室R内で、収容室Rの左壁となる一方の腕部321aの内側壁に当接する範囲まで、緩衝部23を撓ませることができるので、端子ピン20を左方向へ向かって湾曲させることができる。

    更に、プリント基板P2側の電極用スルーホールが、プリント基板P1側の電極用スルーホールに対して、前後方向と交差する他方の方向(例えば、右方向)へずれていた場合には、図21および図22に示すように、端子ピン20が収容室R内で、収容室Rの右壁となる他方の腕部321aの内側壁に当接する範囲まで、緩衝部23を撓ませることができるので、端子ピン20を右方向へ向かって湾曲させることができる。
    このように、プリント基板P1,P2の位置関係が相対的に前後左右方向へずれていても、このずれに対応させて端子ピン20をプリント基板P1,P2のそれぞれに嵌入させることができる。

    また、プリント基板P2側の端子部21を電極用スルーホールに圧入するために軸線方向に力が掛かっても、プリント基板P2側の突起部22が爪部321に引っ掛かるため、端子ピン20は軸線方向への移動が規制される。 従って、端子ピン20がプリント基板P2側の収容室Rにて非固定状態であっても、端子ピン20は軸線方向へ移動しないため、端子部21をプリント基板P2の電極用スルーホールへ圧入することができる。
    従って、一方の端子部21をプリント基板P1へ嵌入した状態で、なんら支障なく、他方の端子部21をプリント基板P2へ嵌入することができる。

    特に、プリント基板P1とプリント基板P2とに複数の列状に形成された電極用スルーホールが平行に形成され、これらの電極用スルーホールを複数の電気コネクタ10で導通接続する場合には、列状の電極用スルーホール同士の間隔や、それぞれの電極用スルーホールの間隔に少しのずれがあると、これらが累積され、大きなずれとなる。 このような場合でも、プリント基板P2側の収容室Rでは端子ピン20が非固定状態で拘束されており、端子ピン20に緩衝部23が形成されているため、端子部21の向きが1ピンごとにずれていても、端子部21をずれた方向へ寄せることができるので、端子ピン20を双方のプリント基板P1,P2に無理なく嵌入することができる。
    このように、電気コネクタ10は、双方のプリント基板P1. P2に端子部21を確実に嵌入することができるので、接続性を向上させることができる。

    また、一対の整列部32の間に緩衝部23を位置させて、端子ピン20を一対の爪部321の間の隙間に差し込み、一対の爪部321を弾性変形させながら、端子ピン20の軸線と交差する方向となる奥側へ進めることで、収容室Rへ案内することができるので、ベース部30を成形した後に端子ピン20を装着することができる。 従って、ベース部30を成形する際に端子ピン20を一緒に成形型内にセットしてなくてもよい。
    また、収容室Rは凸部33の長さと腕部321aの間隔とにより、端子ピン20を固定状態としたり、非固定状態としたり、また非固定状態でも揺動範囲を決定したりすることができるので、容易に端子調整することができる。

    車両搭載の電子機器に使用されるプリント基板などでは−20〜80℃という幅広い温度変化により熱による膨張収縮が生じる。 電気コネクタを半田付けによりプリント基板に接続する場合では、プリント基板の膨張収縮により半田に大きな応力が掛かり、この応力の繰り返しにより半田にクラックが発生し、最終的に導通不良を招く。 しかし、電気コネクタ10は、端子部21がプレスフィット端子により形成されているため、プリント基板P1,P2に嵌入するだけで、半田付けなしに接続を完了させることができる。 従って、プリント基板の膨張収縮による、導通不良を抑制することができる。

    (実施の形態2)
    本発明の実施の形態2に係る電気コネクタを図面に基づいて説明する。 なお、図23から図26においては、図10から図14と同じ構成のものは同符号を付して説明を省略する。
    本実施の形態2に係る電気コネクタの端子ピン20xは、緩衝部23xが一部を狭幅部とした板材により形成されていることを特徴とするものである。

    図23から図25に示す端子ピン20xは、図26に示す弾力性を有する1枚の金属板210xに曲げ加工を施すことによって形成される。 緩衝部23xは、一端部の端子部21と他端部の端子部21との軸線のずれを変形により吸収する弾性片231xと、整列部32に差し込まれた際に固定状態とするために挟持される被挟持部232x,233xとを備えている。
    弾性片231xは、両端部のそれぞれから中央に向かうに従って、幅が徐々に細くなるように、一部を狭幅部としたものである。
    被挟持部232x,233xは、弾性片231xの両端部に設けられ、それぞれ断面C字形状に折り曲げられる。 この被挟持部232x,233xは、図14に示す連接部232,233と同形状に形成されている。

    このように緩衝部23xが形成されていることで、一端部の端子部21と他端部の端子部21との軸線のずれが発生すると緩衝部23xが撓み変形して、緩衝部23xによりずれを吸収することができるので、一端部の端子部21をプリント基板に嵌入した後に、他端部の端子部21をプリント基板に嵌入する際に、プリント基板同士に位置ずれが発生していても、一端部の端子部21に過度な応力が掛からない。

    また、端子ピン20の突起部22が爪部321の外側に当接するように設けられているため、端子部21をプリント基板P1,P2に圧入する際の軸線方向の応力は、挿入されるプリント基板側の突起部22により軸線方向のずれが規制されるため、狭幅部が形成された軟弱な緩衝部23xであっても、問題無くプリント基板P1,P2に圧入することができる。

    以上、実施の形態1,2に係る電気コネクタを説明したが、本発明は上記実施の形態1,2に限定されるものではない。 例えば、実施の形態1,2では、端子部21をプレスフィット端子としたが、いずれか一方、または両方を単なる棒状の端子としてもよい。 この場合、プリント基板P1,P2には半田付けにより接続することになるが、構造を簡単とすることができ、直径をプレスフィット端子より小さく形成できるため、隣接する端子ピン同士の間を狭い間隔で配置することができる。
    また、実施の形態1,2に係る電気コネクタでは、端子ピン20が1列に配置されていたが、複数列の端子ピン20が配置された電気コネクタとしてもよい。 例えば、支持部31の背面側に整列部32と凸部33を設けることで2列とすることができ、更に、ベース部30を複数設けて、それぞれのフレーム部30の固定脚部34同士を繋ぐことで、所望とする列数とすることが可能である。
    更に、突起部22を支持部31から突出する爪部321の外側に当接するように設けられているが、支持部31に開口部または凹部を設け、プリント基板P1側およびプリント基板P2側の突起部を一対の整列部32の内側となる開口部または凹部の周壁に当接するようにしても、端子ピン20の軸線方向のずれを規制することができる。

    本発明は、2枚の基板にそれぞれ設けられた端子であるスルーホールに、列状に配置された端子ピンの両端部の接点部が嵌入されることで、基板同士を電気的に接続する電気コネクタに好適であるため、プリント基板と嵌合する各種電気・電子機器用のコネクタ、あるいは車載用のコネクタとして、電気・電子産業や自動車産業などの分野において広く利用することができる。

    10 電気コネクタ 20,20x 端子ピン 21 端子部 210,210 金属板 211 中軸部 212 接触片 213 接触部 214,215 連設部 22 突起部 23,23x 緩衝部 231,231x 弾性片 232,233 連設部 232x,233x 被挟持部 24 折り曲げ部 241 折り返し位置 30 ベース部 31 支持部 32 整列部 321 爪部 321a 腕部 321b 楔部 322 ガイド壁 33 凸部 34 固定脚部 341 当接部 342 嵌入部 R 収容室

    QQ群二维码
    意见反馈