High-frequency detection device and coaxial tube provided with high-frequency detection device

申请号 JP2010163667 申请日 2010-07-21 公开(公告)号 JP2012026780A 公开(公告)日 2012-02-09
申请人 Daihen Corp; 株式会社ダイヘン; 发明人 TABUCHI ISAO;
摘要 PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a high-frequency detection device of which the capacitance of a capacitor formed in between a power transmission conductor and an inner conductor of a coaxial tube is not limited by a thickness of a substrate.SOLUTION: In the high-frequency detection device 1 for detecting a high-frequency voltage signal according to the high-frequency voltage which is generated on the inner conductor 8 of the coaxial tube, a ring-shaped conductor 23 is prepared on a printed substrate 2 and the capacitors are connected thereto in series. The ring-shaped conductor 23 is fixed on the printed substrate 2 so that an axial direction of the inner conductor 8 penetrated with a cylindrical part 23a and the printed substrate 2 almost become orthogonal. The high-frequency voltage signal is output based on a voltage generated in the ring-shaped conductor 23 penetrated with the inner conductor 8. A height of the cylindrical part 23a of the ring-shaped conductor 23 (length of printed substrate 2 in the thickness direction) can be arranged larger than the thickness of the printed substrate 2. The capacitance of the capacitor formed in between the power transmission conductor and the inner conductor 8 is not limited by the thickness of the printed substrate 2 accordingly.
权利要求
  • 高周波電力が伝送される電力伝送用導電体に生じる高周波電圧に応じた所定の電圧レベルの信号である高周波電圧信号を検出する高周波検出装置であって、
    基板と、
    前記電力伝送用導電体を貫通させる部分を有し、前記電力伝送用導体が前記貫通させる部分を貫通するように配置されたときに、前記電力伝送用導体の軸方向と前記基板とが略直交するように前記基板に固定することによって、前記電力伝送用導電体と対向する箇所がコンデンサの電極として機能する貫通導体と、
    前記貫通導体に接続された配線と、
    を備えたことを特徴とする高周波検出装置。
  • 前記貫通導体に接続された配線を介して前記貫通導体に直列接続された分圧用の素子を有し、前記電力伝送用導電体に生じる高周波電圧を分圧することで所定の電圧レベルまで減衰させた前記高周波電圧信号を出力する電圧用変換手段をさらに備えた、請求項1に記載の高周波検出装置。
  • 前記分圧用の素子はコンデンサ又は抵抗によって構成されている、請求項2に記載の高周波検出装置。
  • 前記貫通導体はリング形状の導体である、請求項1ないし3のいずれかに記載の高周波検出装置。
  • 前記基板を貫通する貫通穴が設けられ、前記貫通導体は前記貫通穴に挿入して固定されている、請求項1ないし4のいずれかに記載の高周波検出装置。
  • 前記貫通導体の周囲に沿って前記基板上に形成されたコイル状の配線と、
    前記電力伝送用導電体が前記貫通導体を貫通するように配置されたときに、前記電力伝送用導電体を流れる高周波電流に応じて前記コイル状の配線に流れる電流に基づいて、所定の電圧レベルの信号である高周波電流信号を出力する電流用変換手段と、
    をさらに備えている、請求項1ないし5のいずれかに記載の高周波検出装置。
  • 前記コイル状の配線と前記貫通導体との間の前記基板上に、前記電力伝送用導電体を流れる電流によって発生する磁束を前記コイル状の配線に作用させつつ、前記電力伝送用導電体に生じる電界が前記コイル状の配線に与える影響を低減するために設けられた遮蔽部をさらに備えている、請求項6に記載の高周波検出装置。
  • 前記電力伝送用導電体は、内部導体と外部導体とを有する同軸管の前記内部導体であって、
    前記基板は前記外部導体の内側に固定されている、
    請求項1ないし7のいずれかに記載の高周波検出装置。
  • 前記基板の形状は円形状である、請求項8に記載の高周波検出装置。
  • 前記電力伝送用導電体を伝送される高周波電力によって発生する電磁波から、前記基板上の配線または前記基板に搭載された回路を保護するための保護手段をさらに備えている、請求項8または9に記載の高周波検出装置。
  • 前記保護手段は、前記電力伝送用導電体の軸方向に前記基板を挟むように設けられた2つの保護基板である、請求項10に記載の高周波検出装置。
  • 請求項8ないし11のいずれかに記載の高周波検出装置と、前記内部導体と外部導体とを備えている同軸管。
  • 说明书全文

    本発明は、同軸線路内を伝送される高周波電の高周波信号を検出する高周波検出装置、および、当該高周波検出装置を備えた同軸管に関する。

    従来、高周波電源装置から出力される高周波電力をプラズマ処理装置に供給し、エッチング等の方法を用いて半導体ウェハや液晶基板等の被加工物を加工するプラズマ処理システムが開発されている。

    図12は、一般的なプラズマ処理システムの構成を示すブロック図である。

    プラズマ処理中にプラズマ処理装置300のインピーダンスは変動するので、当該プラズマ処理装置300の入力端で反射した反射波電力が高周波電源装置100を損傷するおそれがある。 したがって、プラズマ処理システムにおいては、一般に、高周波電源装置100とプラズマ処理装置300との間にインピーダンス整合装置200が設けられており、当該インピーダンス整合装置200がプラズマ処理装置300のインピーダンス変動に応じて整合動作を行っている。 また、プラズマ処理中のプラズマ処理装置300のインピーダンスやプラズマ処理装置300の入力端における高周波電圧および高周波電流などの監視を行う必要がある。

    プラズマ処理装置300の監視は、インピーダンス整合装置200とプラズマ処理装置300とを接続する伝送線路400上のプラズマ処理装置300に近い位置に高周波測定装置500を配置し、当該高周波測定装置500が測定する各種高周波パラメータを用いて行われる。

    高周波測定装置500は、高周波電圧信号と高周波電流信号とを検出し、その検出信号から高周波電圧と高周波電流の位相差θを求めるとともに、電圧実効値V、電流実効値I、インピーダンスZ=R+jX(測定点がプラズマ処理装置300の入力端近傍なので、プラズマ処理装置300のインピーダンスに相当する。)、反射係数Γ、プラズマ処理装置300に入力される進行波電力Pf、インピーダンス不整合によりプラズマ処理装置300の入力端で反射される反射波電力Prなどの高周波パラメータを算出する。

    高周波測定装置500は、伝送線路400上に配置されて高周波電圧信号と高周波電流信号とを検出する高周波検出装置510と、高周波検出装置510が検出した高周波電圧信号と高周波電流信号とから演算によって各種高周波パラメータを算出する演算装置520とを備えている。

    図13は、高周波検出装置510の一般的な内部構成を説明するための図である。

    同図に示すように、高周波検出装置510は、電力伝送用導電体511、カレントトランス部512、電流用変換回路513、コンデンサ部514、および電圧用変換回路515を備えている。

    電力伝送用導電体511は、伝送線路400の内部導体に接続されて、高周波電源装置100が出力する高周波電力を伝送するものである。 電力伝送用導電体511は例えば円筒形状の銅製の棒などの導電体であって、その外周は絶縁体で覆われている。 カレントトランス部512は、電力伝送用導電体511に流れる高周波電流に応じた電流を検出するものであり、検出した電流を電流用変換回路513に出力する。 電流用変換回路513は、入力された電流を所定の電圧レベルの信号である高周波電流信号に変換して、演算装置520に出力する。 コンデンサ部514は、電力伝送用導電体511に生じる高周波電圧に応じた電圧を検出するものであり、検出した電圧を電圧用変換回路515に出力する。 電圧用変換回路515は、入力された電圧を所定の電圧レベルの信号である高周波電圧信号に変換して、演算装置520に出力する。 演算装置520は、高周波検出装置510から高周波電流信号と高周波電圧信号とを入力され、演算によって各種高周波パラメータを算出して出力する。 各種高周波パラメータの演算方法については、説明を省略する。

    電流検出のためのカレントトランス、電圧検出のためのコンデンサ、および各配線の形状にバラツキがある場合、個々の高周波検出装置510から出力される検出値にバラツキが生じる。 このバラツキを抑制するために、カレントトランス、コンデンサ、および各配線をプリント基板上にプリント配線として形成する技術が開発されている。

    図14は、カレントトランス、コンデンサ、および各配線をプリント配線として形成したプリント基板を用いた高周波検出装置510を説明するための図である。

    同図に示すように、高周波検出装置510は、電力伝送用導電体511、電流検出用プリント基板516、電圧検出用プリント基板517、および筐体518を備えている。

    電流検出用プリント基板516は、図13に示す高周波検出装置510の内部構成の内のカレントトランス部512および電流用変換回路513と、カレントトランス部512が検出した電流を電流用変換回路513に出力するための配線とをプリント基板上に形成したものである。 また、電圧検出用プリント基板517は、高周波検出装置510の内部構成の内のコンデンサ部514および電圧用変換回路515と、コンデンサ部514が検出した電圧を電圧用変換回路515に出力するための配線とをプリント基板上に形成したものである。 筐体518は、電流検出用プリント基板516および電圧検出用プリント基板517を固定し、かつ、両基板516、517を外部からの電磁波などから保護するものであり、例えばアルミニウム等の導電体からなる。

    図15(a)は、電圧検出用プリント基板517の一例を説明するための図である。 電圧検出用プリント基板517は、貫通穴を設けた基板上に所定のプリント配線を形成し、電圧用変換回路515を搭載したものである。

    リング状配線514aは、貫通穴を貫通するように配置される電力伝送用導電体511(図13および図14参照)との間でコンデンサ部514(図13参照)を構成するものであり、貫通穴の外周に形成されたリング状の配線である。 図15(b)および(c)は、リング状配線514aを説明するための図である。 同図(b)は同図(a)に示す破線で囲まれた範囲c部分の拡大図であり、同図(c)は同図(b)のD−D'線断面図である。 同図(b)および(c)に示すように、リング状配線514aは、基板を貫通するスルーホールと当該スルーホールを接続するプリント配線とによって形成されている。 なお、この例における「スルーホール」とは、基板を貫通した穴にメッキなどを施して基板の両面を電気的に接続させるための穴である。

    また、一般的に、スルーホールとは、基板の層間に貫通穴を開け、その内側に導体層(例えば銅)を設けることによって、基板の層間の導通をさせるものである。 なお、基板の層間とは、基板の表裏間にある全ての層間の場合もあるし、一部分の層間の場合もある。 このようなスルーホールは、リード線を挿入するタイプのものもあるが、層間の導通のみを目的としたスルーホールは、特にバイアホール(Via Hole)と呼ばれる。 そして、バイアホールには、基板の表面から裏面に亘って貫通穴を開ける貫通型のバイアホール(Via Hole)と、特定の層間だけで貫通穴を開けるインターステシャルバイアホール(Interstitial Via Hole)とがある。 また、インターステシャルバイアホールには、基板の片面から穴が見えるブラインドバイア(Blind Via)と、基板の両面から穴が見えないベリードバイア(Buried Via)とがある。

    電圧用変換回路515は、コンデンサ部514(以下、場合により「コンデンサC1」とする。)に直列接続するコンデンサC2と、コンデンサC1とコンデンサC2との接続点に接続される抵抗R1とを備えている。 電圧検出用プリント基板517は、貫通穴を貫通するように配置される電力伝送用導電体511に生じる高周波電圧をコンデンサC1とコンデンサC2とで分圧し、コンデンサC1とコンデンサC2との接続点に生じる分圧された電圧のレベルを抵抗R1で調整して、高周波電圧信号として出力する。

    図14に示す高周波検出装置510は、カレントトランス部512、コンデンサ部514、および各配線をプリント基板上にプリント配線として形成しているので、これらの形状にバラツキが生じることを抑制することができる。 したがって、個々の高周波検出装置510の検出値にバラツキが生じることを抑制することができる。

    特開2009−36553号公報

    特開2009−58449号公報

    しかしながら、電圧検出用プリント基板517のリング状配線514aによって形成されるコンデンサC1の静電容量が制限されるという問題がある。 すなわち、コンデンサC1の静電容量はリング状配線514aのスルーホールの長さ、すなわち、電圧検出用プリント基板517の厚さに比例するが、技術的な面およびコスト的な面から電圧検出用プリント基板517を厚くすることができないので、コンデンサC1の静電容量を大きくすることが困難である。

    例えば、プラズマ処理では高電圧を使用するので、電力伝送用導電体511に生じる高周波電圧は数千ボルト程度になる場合がある。 電圧用変換回路515が出力する高周波電圧信号は演算装置520に入力されるため、電圧用変換回路515が出力する高周波電圧信号の電圧レベルを数ボルト程度にする必要がある。 すなわち、電圧用変換回路515は、電力伝送用導電体511に生じる高周波電圧を1/1000程度に減衰させて出力する必要がある。 そのため、コンデンサC1の静電容量C 1をコンデンサC2の静電容量C 2の1/1000程度にする必要がある。 これにより、電圧用変換回路515は、コンデンサC1とコンデンサC2との接続点に生じる分圧された電圧のレベルを、電力伝送用導電体511に生じる高周波電圧の1/1000程度に減衰させて出力することができる。

    また、コンデンサC1とコンデンサC2の合成静電容量が大きすぎると、電力伝送用導電体511に流れる高周波電流のうち、コンデンサC1側に分岐する電流が大きくなり好ましくない。 逆に合成静電容量が小さすぎるとコンデンサC1側に分岐する電流が小さくなりすぎて、高周波電圧信号の検出精度が低下する。 したがって、コンデンサC1側に分岐する電流を所定の範囲内にするように、コンデンサC1とコンデンサC2の合成静電容量を設計する必要がある。

    以上のように、減衰率および合成静電容量を考慮して、コンデンサC1およびコンデンサC2の静電容量C 1 ,C 2を設計する必要がある。 例えば、コンデンサC1の静電容量C 1を0.5〜1pF程度、コンデンサC2の静電容量C 2を500〜1000pF程度にする。 また、演算装置520には通常、入力端にボルテージフォロア回路(入力インピーダンスが高インピーダンス)が設けられているので、調整用の抵抗R1には殆ど電流が流れない。 もちろん、演算装置520側の設計によっては電流が流れる場合がある。 例えば、演算装置520の入力端において、グランド電位との間に抵抗が設けられた場合には抵抗R1にも若干の電流が流れる。 そのため、抵抗R1によって調整が可能となる。

    電力伝送用導電体511の外径をa、リング状配線514aの内径をb(図15(a)参照)、リング状配線514aの高さ(スルーホールの長さ、図15(c)参照)をlとすると、コンデンサC1の静電容量C 1は、

    1 =2πε・l/(ln(b/a)) ・・・・・ (1)

    で算出される。 なお、πは円周率、εは誘電率であり、ln()は自然対数を示している。 なお、リング状配線514aにはスルーホール間に隙間があるので、実際には上記(1)式で算出される静電容量C 1より小さい静電容量となる。

    電力伝送用導電体511に生じる高周波電圧は高いので、電力伝送用導電体511とリング状配線514aとの間隔が狭いと絶縁破壊を生じる。 これを避け、安全のために余裕をもって、電力伝送用導電体511とリング状配線514aとの間隔を設計するのが望ましい。 例えば、間隔を20mm以上とするのが望ましい(なお、使用条件によって、必要な間隔は異なる。)。 例えば、電力伝送用導電体511の外径aが20mmの場合、電力伝送用導電体511とリング状配線514aとの間隔を20mmとするためには、リング状配線514aの内径bを60mmにする必要がある。 この場合に、コンデンサC1の静電容量C1を0.5pFとするためには、上記(1)式より、リング状配線514aの高さlを約9.9mmにする必要がある。 また、電力伝送用導電体511とリング状配線514aとの間隔を20mmより大きくすると、リング状配線514aの高さlをより大きくする必要がある。

    電力伝送用導電体511とリング状配線514aとの間隔を狭くすると、リング状配線514aの高さlを小さくできるが、例えば、電力伝送用導電体511の外径aが20mmの場合で、電力伝送用導電体511とリング状配線514aとの間隔を10mmであったとしても、コンデンサC1の静電容量C 1を0.5pFとするためには、上記(1)式より、リング状配線514aの高さlを約6.2mmにする必要がある。 また、コンデンサC1の静電容量C 1を0.5pFより大きくする場合は、リング状配線514aの高さlをより大きくする必要がある。

    なお、リング状配線514aのスルーホール間の隙間による静電容量の低下を考慮すると、リング状配線514aの高さlをさらに大きくする必要がある。 しかし、電圧検出用プリント基板517の厚さは現在では5mm程度が最大である。 したがって、使用条件によっては、コンデンサC1を所望の静電容量にすることができない。

    本発明は上記した事情のもとで考え出されたものであって、電力伝送用導電体との間に形成されるコンデンサの静電容量が基板の厚さによって制限されない高周波検出装置を提供することをその目的としている。

    上記課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。

    本発明の第1の側面によって提供される高周波検出装置は、高周波電力が伝送される電力伝送用導電体に生じる高周波電圧に応じた所定の電圧レベルの信号である高周波電圧信号を検出する高周波検出装置であって、基板と、前記電力伝送用導電体を貫通させる部分を有し、前記貫通させる部分を貫通させた前記電力伝送用導体の軸方向と前記基板とが略直交するように前記基板に固定されている貫通導体と、前記貫通導体に直列接続されたコンデンサとを備えており、前記電力伝送用導電体を貫通させた前記貫通導体に生じる電圧に基づいて、前記高周波電圧信号を出力することを特徴とする。

    本発明の好ましい実施の形態においては、前記貫通導体に接続された配線を介して前記貫通導体に直列接続された分圧用の素子を有し、前記電力伝送用導電体に生じる高周波電圧を分圧することで所定の電圧レベルまで減衰させた前記高周波電圧信号を出力する電圧用変換手段をさらに備えた。

    本発明の好ましい実施の形態においては、前記分圧用の素子はコンデンサ又は抵抗によって構成されている

    本発明の好ましい実施の形態においては、前記貫通導体はリング形状の導体である。

    本発明の好ましい実施の形態においては前記基板を貫通する貫通穴が設けられ、前記貫通導体は前記貫通穴に挿入して固定されている。

    本発明の好ましい実施の形態においては、前記貫通導体の周囲に沿って前記基板上に形成されたコイル状の配線と、前記電力伝送用導電体が前記貫通導体を貫通するように配置されたときに、前記電力伝送用導電体を流れる高周波電流に応じて前記コイル状の配線に流れる電流に基づいて、所定の電圧レベルの信号である高周波電流信号を出力する電流用変換手段とをさらに備えている。

    本発明の好ましい実施の形態においては、前記コイル状の配線と前記貫通導体との間の前記基板上に、前記電力伝送用導電体を流れる電流によって発生する磁束を前記コイル状の配線に作用させつつ、前記電力伝送用導電体に生じる電界が前記コイル状の配線に与える影響を低減するために設けられた遮蔽部をさらに備えている。

    本発明の好ましい実施の形態においては、前記電力伝送用導電体は、内部導体と外部導体とを有する同軸管の前記内部導体であって、前記基板は前記外部導体の内側に固定されている。

    本発明の好ましい実施の形態においては、前記基板の形状は円形状である。

    本発明の好ましい実施の形態においては、前記電力伝送用導電体を伝送される高周波電力によって発生する電磁波から、前記基板上の配線または前記基板に搭載された回路を保護するための保護手段をさらに備えている。

    本発明の好ましい実施の形態においては、前記保護手段は、前記電力伝送用導電体の軸方向に前記基板を挟むように設けられた2つの保護基板である。

    本発明の第2の側面によって提供される同軸管は、本発明の第1の側面によって提供される高周波検出装置と、前記内部導体と外部導体とを備えている。

    本発明によれば、基板に固定された貫通導体を備えており、電力伝送用導体が貫通導体に設けた貫通させる部分を貫通するように配置されたときに、当該貫通導体と電力伝送用導電体とでコンデンサが形成される。 電力伝送用導電体に生じる高周波電圧をこの貫通導体に接続された配線を介して出力する。 貫通導体の厚さ(貫通させた電力伝送用導体の軸方向の長さ)は、基板の厚さより大きくすることができるので、貫通導体と電力伝送用導電体との間に形成されるコンデンサの静電容量を、基板の厚さにかかわらず、大きくすることができる。 つまり、当該静電容量は、基板の厚さによって制限されない。

    また、基板を同軸管の外部導体の内側に固定した場合、内部導体は外部導体と同軸となるように固定されており、貫通導体は基板に固定されているので、貫通導体の内部導体に対する相対位置は固定されている。 したがって、内部導体に対する貫通導体の相対位置が変化したり不安定になったりすることが抑制され、検出値にバラツキが生じることを抑制することができる。

    本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。

    第1実施形態に係る高周波検出装置の構成を説明するための図であり、同軸管に配置された高周波検出装置を同軸管の軸方向に見た図である。

    第1実施形態に係る高周波検出装置の構成を説明するための図であり、同軸管に配置された高周波検出装置を同軸管の径方向に見た図である。

    第1実施形態に係るプリント基板を説明するための平面図である。

    コイル状配線を説明するための図である。

    電圧用変換回路の内部構成の一例を説明するための図である。

    高周波検出装置の内部構成を回路図で表した図である。

    第2実施形態に係る高周波検出装置の構成を説明するための図であり、同軸管に配置された高周波検出装置を同軸管の径方向に見た図である。

    第2実施形態に係るプリント基板を説明するための平面図である。

    遮蔽配線を説明するための図である。

    保護基板の代わりに配置される保護ケースを説明するための図である。

    第3実施形態に係る高周波検出装置の構成を説明するための図である。

    一般的なプラズマ処理システムの構成を示すブロック図である。

    高周波検出装置の一般的な内部構成を説明するための図である。

    従来の高周波検出装置の構成を説明するための図である。

    電圧検出用プリント基板の一例を説明するための図である。

    以下、本発明の実施の形態を、同軸管の途中に配置される高周波検出装置の場合を例として、添付図面を参照して具体的に説明する。

    図1および図2は、第1実施形態に係る高周波検出装置1の構成を説明するための図であり、当該高周波検出装置1を同軸管に配置した状態を示している。 同軸管は、高周波電力の伝送経路であって、内部導体8および外部導体9を備えている。 高周波検出装置1は、同軸管の内部導体8と外部導体9との間の空間に配置され、同軸管によって伝送される高周波電力の高周波電圧信号と高周波電流信号とを検出するものである。 外部導体9は接地されて0ボルト電位の基準(グランド)となるものなので、実質的には、高周波検出装置1は内部導体8を伝送される高周波電力の高周波電圧信号と高周波電流信号とを検出する。 高周波検出装置1によって検出された高周波電圧信号と高周波電流信号とは図示しない演算装置(図12参照)に出力され、演算装置は入力された高周波電圧信号と高周波電流信号とから演算によって各種高周波パラメータを算出する。

    図1は、同軸管に配置された高周波検出装置1を同軸管の軸方向に見た図であり、同軸管を径方向に切断して見た状態を示している。 なお、同図においては、手前にある保護基板5(後述)を省略して記載している。 図2は、同軸管に配置された高周波検出装置1を同軸管の径方向に見た図であり、図1に示すA−A'線で同軸管を切断して見た状態を示している。

    図1および図2に示すように、高周波検出装置1は、プリント基板2、固定具4、保護基板5、および固定具6を備えている。

    プリント基板2は、高周波電圧信号と高周波電流信号とを検出するための回路が形成された基板であり、高周波検出装置1の実質的な機能(高周波電圧信号と高周波電流信号の検出機能)を果たすものである。 プリント基板2には、カレントトランス、コンデンサ、電流用変換回路、電圧用変換回路、および各配線が形成されている。

    以下に、図3〜図5を参照して、プリント基板2の詳細を説明する。

    図3は、プリント基板2を説明するための平面図である。 なお、以下では、同図に表示されている方の搭載面を「表面」とし、他方の搭載面を「裏面」とする。

    同図に示すように、プリント基板2は、中央に円形状の貫通穴29を形成された円形状の基板20に、コイル状配線21、リング接続配線(出力配線)22、リング状導体23、グランド配線24、回路搭載部25、電流用変換回路26、および電圧用変換回路27を設けたものである。

    基板20は、例えばガラスエポキシ等の絶縁材料からなり、外部導体9の内径以下の直径を有する円形状の基板である。 本実施形態では、基板20と外部導体9の内壁との間に若干の空間を生じさせつつ、基板20を外部導体9の内壁に固定しやすいように、基板20の直径を外部導体9の内径より少し小さいものとしている。 なお、これに限られず、基板20が外部導体9の内壁に固定できればよいので、搭載面が狭くなりすぎない程度に基板20の半径を小さいものとしてもよい。 また、基板20の形状は円形状に限られず、基板20を外部導体9の内壁に固定できるのであれば、他の形状(例えば、矩形や八形などの多角形形状や楕円形状)でもよい。

    貫通穴29は、基板20の中央を貫通するように形成された穴であり、内部導体8の外径以上の直径を有する穴である。 本実施形態では、貫通穴29と内部導体8との間にリング状導体23(後述)を配置する空間を生じさるために、貫通穴29の直径を内部導体8の外径より大きいものとしている。 なお、貫通穴29の形状は円形状に限られず、内部導体8やリング状導体23を挿入することができるのであれば、他の形状(例えば、矩形や八角形などの多角形形状や楕円形状)でもよい。

    コイル状配線21は、基板20の貫通穴29の外周にコイル状に形成されたプリント配線であり、カレントトランスとして機能する。 コイル状配線21の両端部には回路搭載部25(後述)に延びる出力配線21a,21a'が形成されている。 出力配線21a,21a'は、回路搭載部25で後述する電流用変換回路26と接続される。

    図4は、コイル状配線21を説明するための図である。 同図(a)は図3に示す破線で囲まれた範囲a部分の拡大図であり、同図(b)は同図(a)のB−B'線断面図である。 なお、同図においては、通常は見えないプリント配線を説明のために破線で図示している。

    同図に示すように、コイル状配線21はスルーホール21cおよびプリント配線21d,21eによって形成されている。 なお、「スルーホール」とは、前述したように、基板を貫通した穴にメッキなどを施して基板の両面を電気的に接続させるための穴である。 基板が多層構造の場合は、層間を貫通して電気的に接続させる穴も含まれる。 同図(a)に実線で示すプリント配線21dはプリント基板2の表面に形成されたプリント配線であり、破線で示すプリント配線21eは、基板20の裏面に形成されたプリント配線である。 プリント配線21dとプリント配線21eとはスルーホール21cによって接続されており、プリント配線21dが隣り合う2つのプリント配線21eとそれぞれ接続されることで、コイル状のプリント配線を形成している。 同図(b)においては、図の上側がプリント基板2(基板20)の表面であり、図の下側がプリント基板2の裏面である。 同図(b)に実線で示すスルーホール21cは切断面に位置するスルーホール(すなわち、同図(a)の下側のスルーホールであり、貫通穴29側のスルーホール)であり、破線で示すスルーホール21cは当該断面図では見えないスルーホール(すなわち、同図(a)の上側のスルーホールであり、貫通穴29とは反対側のスルーホール)である。

    内部導体8はプリント基板2の貫通穴29を貫通するように配置されるので(図1および図2参照)、コイル状配線21は内部導体8の周囲を取り囲むように配置されたカレントトランスとして機能する。 すなわち、内部導体8を流れる高周波電流によって発生する磁束がコイル状配線21に作用して、コイル状配線21に電流が流れる。 したがって、このコイル状配線21に流れる電流を検出することで、内部導体8を流れる高周波電流に応じた電流を検出することができる。

    コイル状配線21は、プリント基板2上にスルーホール21cとプリント配線21d、21eとで形成されるので、形状や位置のバラツキがほとんどない。 したがって、巻線間隔や巻き付け強さにバラツキがほとんど生じないので、複数のプリント基板2を製作した場合に、個々のプリント基板2に起因する電流検出値のバラツキを低減させることできる。 また、コイル状配線21はプリント基板2上に形成されているので、取り扱いが容易であり、プリント基板2を所定の位置に配置することでコイル状配線21を所定の位置に適切に配置することができる。 また、基板20は、例えばガラスエポキシ等の絶縁材料で作られる。 このような絶縁材料の比透磁率は、磁性体よりも小さい。 そのために、従来のようにコアとして用いる磁性体に配線を巻き付けてカレントトランスを構成する場合よりも、自己共振周波数を高くすることができる。 したがって、検出可能な高周波電流の周波数帯域の上限を高くすることができる。

    なお、コイル状配線21の構成はこれに限られない。 例えば、プリント基板2を多層構造の基板とし、スルーホール21cを一部の層間を貫通させるだけにして、プリント配線21dまたはプリント配線21eを層間に形成することで、コイル状配線21の一部または全部をプリント基板2の内部に形成するようにしてもよい。 また、コイル状配線21を2重以上形成して(例えば、図3においてコイル状配線21と貫通穴29との間にもう1つコイル状配線21を形成したり、コイル状配線21の各配線と配線の間にも1つコイル状配線21を形成して2つのコイル状配線21が2重螺旋構造となるようにするなど)、複数のカレントトランスを備えるようにしてもよい。 この場合、複数のコイル状配線21を直列接続してもよいし、並列接続してもよい。

    図3に戻って、リング接続配線22は、後述するリング状導体23を後述する電圧用変換回路27に電気的に接続するためのプリント配線である。 リング接続配線22の一方端はリング状導体23に接続され、他方端は回路搭載部25で電圧用変換回路27に接続される。 これにより、リング状導体23と電圧用変換回路27とが電気的に接続される。 なお、リング接続配線22はリング状導体23と電圧用変換回路27とを電気的に接続することができればよく、リング接続配線22の形状は限定されない。

    リング状導体23は、コンデンサの一方の電極として機能するものである。 リング状導体23は、リング状の導体であって、例えば銅のリングである。 リング状導体23は、筒状の筒状部分23aと当該筒状部分の外側に形成された鍔状の鍔状部分23bとからなり、切断面が略T字形状となっている(図2参照)。 なお、リング状導体23の形状および素材はこれに限定されるものではない。 例えば、切断面が略L字形状となるように鍔状部分23bが筒状部分23aのいずれかの端部に形成されていてもよし、素材がアルミニウムなどであってもよい。 また、リング状導体23の形状はリング状に限定されず、内部導体8を貫通させて配置させることができる形状であればよい。 例えば、リング状の一部が欠けた略C字形状であってもよいし、円ではなく多角形のリング形状でもよい。

    リング状導体23の筒状部分23aの外径はプリント基板2の貫通穴29(図3参照)の内径以下であり、筒状部分23aが貫通穴29に挿入されて、鍔状部分23bがプリント基板2の表面に固定されている。 本実施形態では、鍔状部分23bに設けられたネジ穴とプリント基板2に設けられたネジ穴とをネジで固定しているが、これに限られない。 また、鍔状部分23bはリング接続配線22に電気的に接続されている。

    内部導体8はプリント基板2の貫通穴29を貫通するように配置されるので(図1および図2参照)、リング状導体23の筒状部分23aの内面部分は、内部導体8の内のリング状導体23と対向する箇所と対になるコンデンサの電極として機能する。 すなわち、内部導体8に生じる高周波電圧に応じた電圧を検出することができる。

    グランド配線24は、基準(グランド)電位となるプリント配線であって、基板20の両搭載面上の外側部分に形成されている。 グランド配線24の形状は、後述する回路搭載部25となる部分を除いたドーナツ形状であり、基板20および貫通穴29と中心を共通にしている。 なお、グランド配線24の形状はこれに限定されない。 導電体である固定具4(後述)を介して、グランド配線24は外部導体9と電気的に接続されている(図1および図2参照)ので、グランド配線24の電位は基準(グランド)電位となる。

    回路搭載部25は、電流用変換回路26および電圧用変換回路27が搭載される場所であり、プリント基板2の両搭載面の外側部分の一部(グランド配線24が形成されていない部分)である。 回路搭載部25には電流用変換回路26および電圧用変換回路27が搭載され、電流用変換回路26と出力配線21a,21a'とが接続され、電圧用変換回路27とリング接続配線22とが接続されている。

    電流用変換回路26は、コイル状配線21より入力される電流を所定の電圧レベルの信号である高周波電流信号に変換して出力するものである。 電流用変換回路26は、回路搭載部25に配置され、回路搭載部25で出力配線21a,21a'と接続されている。 なお、図3においては記載を省略しているが、電流用変換回路26には高周波電流信号を出力するための出力配線が接続されている。 出力配線は、外部導体9に設けられた開口部(図示しない)から外部導体9の外側に伸び、演算装置(図12参照)に接続されている。 なお、本実施形態では、1つの電子部品としての電流用変換回路26を搭載した場合について記載しているが、電流用変換回路26が複数の電子部品で構成されていてもよい。 この場合、これらの電子部品を回路搭載部25に搭載して、各電子部品間をプリント配線で接続すればよい。

    電圧用変換回路27は、リング状導体23より入力される電圧を所定の電圧レベルの信号である高周波電圧信号に変換して出力するものである。 電圧用変換回路27は、回路搭載部25に配置され、回路搭載部25でリング接続配線22と接続されている。

    図5は、電圧用変換回路27の内部構成の一例を説明するための図である。

    電圧用変換回路27は、リング接続配線22(図3参照)を介してリング状導体23に直列接続するコンデンサC2と、リング状導体23とコンデンサC2との接続点に接続される抵抗R1とを備えている。 内部導体8に生じる高周波電圧は、リング状導体23と内部導体8との間で形成されるコンデンサ(以下、場合により「コンデンサC1」とする。)とコンデンサC2とによって分圧される。 リング状導体23に生じる分圧された電圧のレベルが抵抗R1で調整され、高周波電圧信号として出力される。

    なお、演算装置には通常、入力端にボルテージフォロア回路(入力インピーダンスが高インピーダンス)が設けられているので、調整用の抵抗R1には殆ど電流が流れない。 もちろん、演算装置側の設計によっては電流が流れる場合がある。 例えば、演算装置の入力端において、グランド電位との間に抵抗が設けられた場合には抵抗R1にも若干の電流が流れる。 そのため、抵抗R1によって調整が可能となる。 上記から分かるように、コンデンサC1およびコンデンサC2で構成される分圧回路が構成できればよい。 そのため、調整用の抵抗R1は必要なければ設けなくても良い。 すなわち、コンデンサC1はリング状導体23等によって形成されるため、電圧用変換回路27は少なくともコンデンサC2を備えていればよい。

    また、電圧用変換回路27のコンデンサC2の代わりに、分圧用の抵抗を用いることによって、分圧回路を構成してもよい。 これらコンデンサC2や分圧用の抵抗は、分圧用の素子となる。 なお、コンデンサC2や分圧用の抵抗のような分圧用の素子は、1つの素子から構成されていてもよいし、複数の素子によって構成されていてもよい。 また、コンデンサと抵抗とを組み合わせてもよい。 もちろん、上述したように、減衰率および合成静電容量を考慮して、コンデンサC1の静電容量や分圧用の抵抗の抵抗値を設計する必要がある。

    なお、図3においては記載を省略しているが、電圧用変換回路27には高周波電圧信号を出力するための出力配線が接続されている。 出力配線は、外部導体9に設けられた開口部(図示しない)から外部導体9の外側に伸び、演算装置(図12参照)に接続されている。 なお、本実施形態では、1つの電子部品としての電圧用変換回路27を搭載した場合について記載しているが、電圧用変換回路27が複数の電子部品で構成されていてもよい。 この場合、これらの電子部品を回路搭載部25に搭載して、各電子部品間をプリント配線で接続すればよい。

    電流用変換回路26および電圧用変換回路27、または、これらを構成する各電子部品は、プリント基板2の一方の搭載面の回路搭載部25に搭載されていてもよいし、プリント基板2の両方の搭載面の回路搭載部25に搭載されていてもよい。 両方の搭載面の回路搭載部25に搭載されている場合は、スルーホールを介してプリント配線で接続すればよい。

    なお、電流用変換回路26および電圧用変換回路27をプリント基板2上に設けずに、別途設ける様にしてもよい。 この場合は、出力配線21a,21a'の端部にそれぞれ出力端子を設け、これらの出力端子と電流用変換回路26とを接続配線で接続し、リング接続配線22の端部に出力端子を設け、この出力端子と電圧用変換回路27とを接続配線で接続すればよい。

    図1および図2に戻って、固定具4は、プリント基板2を外部導体9の内側に固定するものである。 固定具4は、導電体であって、プリント基板2のグランド配線24(図3参照)上に導通するように固着されており、外部導体9に導通するように固定される。 これにより、グランド配線24と外部導体9とは電気的に接続されており、グランド配線24の電位は基準(グランド)電位となる。 本実施形態では、固定具4として4つの取り付けブロックをプリント基板2に固着し、当該取り付けブロックと外部導体9に設けられたネジ穴(図示しない)とをそれぞれネジ(図示しない)を用いて固定している。 なお、プリント基板2が外部導体9の内側に固定されればよいのであって、固定具4の取り付け方法はこれに限られるものではない。 例えば、固定具4を外部導体9に溶接してもよいし、接着材で接着してもよい。 また、固定具4を用いずに、プリント基板2を外部導体9に直接固定してもよい。 また、グランド配線24と外部導体9とは他の方法で電気的に接続してもよい。

    保護基板5は、内部導体8を伝送される高周波電力によって発生する電磁波から、プリント基板2上の配線および搭載された電子回路を保護するためのものである。 保護基板5は、プリント基板2の基板20(図3参照)と同様の基板(貫通穴を形成された円形状の基板)の一方の搭載面(または、両方の搭載面)の全体にグランド配線を行ったものであり、内部導体8の軸方向にプリント基板2を挟むように2枚配置される。 本実施形態では、保護基板5とリング状導体23とによって浮遊容量が生じることを抑制するために、保護基板5の貫通穴の内径をリング状導体23の外径と同程度とし、内部導体8の軸方向に見て保護基板5とリング状導体23との重なり部分が生じないようにしている。 なお、保護基板5の貫通穴の大きさおよび形状は、これに限定されない。 また、保護基板5の大きさおよび形状も限定されない。

    保護基板5は、後述する固定具6によって、プリント基板2に固定されている。 また、保護基板5のグランド配線とプリント基板2のグランド配線24(図3参照)とが導通するように、導電体である固定具6で固定されているので、保護基板5のグランド配線の電位は基準(グランド)電位となる。 なお、内部導体8から発生する電磁波が配線および電子回路に与える影響が小さい場合は、保護基板5を設けなくてもよい。

    固定具6は、保護基板5をプリント基板2に固定するものである。 固定具6は、導電体であって、プリント基板2のグランド配線24(図3参照)と保護基板5のグランド配線とを導通するように、保護基板5をプリント基板2に固定する。 これにより、保護基板5のグランド配線とグランド配線24とは電気的に接続され、保護基板5のグランド配線の電位は基準(グランド)電位となる。 本実施形態では、固定具6として4つの金属製のスペーサーを用いて、保護基板5がプリント基板2に平行となるように固定している。 なお、図1においては保護基板5および固定具6の記載を省略している。 なお、保護基板5がプリント基板2に固定されればよいのであって、固定具6の取り付け方法はこれに限られるものではない。 例えば、固定具6を保護基板5およびプリント基板2に接着材で接着してもよい。 また、固定具4によるプリント基板2の固定と同様に、保護基板5を外部導体9の内側に固定するようにしてもよい。 また、保護基板5を外部導体9に直接固定してもよい。 また、保護基板5のグランド配線とプリント基板2のグランド配線24とは他の方法で電気的に接続してもよい。

    図6は、高周波検出装置1の内部構成を回路図で表した図である。

    同図に示すように、コイル状配線21は内部導体8に流れる高周波電流に応じた電流を検出するカレントトランスとして機能し、リング状導体23は内部導体8に生じる高周波電圧に応じた電圧を検出するコンデンサの一方の電極として機能する。 コイル状配線21によって検出された電流は、出力配線21a,21a'を介して電流用変換回路26に入力される。 電流用変換回路26は、入力された電流を所定の電圧レベルの信号である高周波電流信号に変換して出力する。 リング状導体23によって検出された電圧は、リング接続配線22を介して電圧用変換回路27に入力される。 電圧用変換回路27は、入力された電圧を所定の電圧レベルの信号である高周波電圧信号に変換して出力する。

    本実施形態において、リング状導体23の筒状部分23aの高さ(図2における上下方向の長さ)は、プリント基板2の厚さ(図2における上下方向の長さ)より大きくすることができる。 これにより、プリント基板2にプリント配線でリング状配線を形成しこれを電極とした場合のコンデンサの容量と比べて、リング状導体23を電極としたコンデンサの容量を大きくすることができる。 したがって、内部導体8との間に形成されるコンデンサの静電容量は、プリント基板2の厚さによって制限されない。 すなわち、リング状導体23の筒状部分23aの高さは、プリント基板2の厚さよりも低くすることもできるが、プリント基板2の厚さよりも高くすることができる。 そして、プリント基板2の厚さよりも高くすれば、従来技術では実現できなかった静電容量を得ることができる。 前述したように、基板の厚さは現在では5mm程度が最大であるので、リング状導体23の筒状部分23aの高さが5mm以上の場合に特に有用な効果がある。

    例えば、図15に示す従来技術において、内部導体8の外径aが20mm、リング状配線514aの内径bが60mm、電圧検出用プリント基板517の厚さが5mmの場合、上記(1)式により、リング状配線514aを電極としたコンデンサの静電容量は最大でも0.25pFにしかできない。 一方、内部導体8の外径a、リング状導体23の内径b、およびプリント基板2の厚さが同じ条件でも、リング状導体23の筒状部分23aの高さを9.9mmとすれば、リング状導体23を電極としたコンデンサの静電容量を0.5pFとすることができる。 なお、上記の例で示した条件は一例であって、リング状導体23を電極としたコンデンサの静電容量等は、これに限定されない。 例えば、リング状導体23を電極としたコンデンサの静電容量等の適正値は、内部導体8に生じる高周波電圧によっても異なるし、高周波電源装置から出力される高周波電力の周波数によっても異なる。

    また、リング状導体23はプリント基板2上に固定されているので取り扱いが容易であり、プリント基板2を所定の位置に配置することでリング状導体23を所定の位置に適切に配置することができる。

    さらに、高周波検出装置1のプリント基板2は外部導体9に固定されており、同軸管において内部導体8は外部導体9と同軸となるように固定されている。 したがって、プリント基板2上に形成されたコイル状配線21、および、プリント基板2上に固定されたリング状導体23の、内部導体8に対する相対位置は固定されている。 したがって、内部導体8に対するコイル状配線21およびリング状導体23の相対位置が変化したり不安定になったりすることが抑制される。 これにより、検出値にバラツキが生じることを抑制することができる。

    また、高周波検出装置1は外部導体9の内側に配置される。 したがって、高周波検出装置1を配置するためのスペースを新たに用意する必要がない。 また、外部導体9を分断するなどの改造は必要なく、例えば、外部導体9に高周波検出装置1を固定するためのネジ穴を設けるなどの簡単な作業のみで高周波検出装置1を配置することができる。 したがって、高周波検出装置1を伝送経路に容易に配置することができる。

    次に、図7〜図9を参照して、第2実施形態に係る高周波検出装置を説明する。

    内部導体8に生じる電界がコイル状配線21に与える影響が大きい場合、電界の影響を低減する必要がある。 一方、内部導体8を流れる高周波電流によって発生する磁束をコイル状配線21に作用させる必要があるので、コイル状配線21を完全に遮蔽することはできない。 したがって、磁束をコイル状配線21に作用させつつ、電界がコイル状配線21に与える影響を低減するような遮蔽部を設ける必要がある。 第2実施形態に係る高周波検出装置は、このような遮蔽部を設けているものである。

    図7〜図9は、第2実施形態に係る高周波検出装置1'の構成を説明するための図である。 図7は、同軸管に配置された高周波検出装置1'を同軸管の径方向に見た図であり、上記図2に対応する図である。 なお、同軸管に配置された高周波検出装置1'を同軸管の軸方向に見た図は、図1と同様となるので省略している。 なお、図7において、図2に示す高周波検出装置1と同一または類似の要素には、同一の符号を付している。 図7に示す高周波検出装置1'は、保護基板5上に遮蔽部5aを備えている点と、プリント基板2'の構成とが、図2に示す高周波検出装置1と異なる。

    遮蔽部5aは、保護基板5のプリント基板2'に対向する面に設けられている環状の導電体である。 遮蔽部5aはプリント基板2'に設けられている遮蔽配線28(後述)と同様の形状となるように設けられており、保護基板5をプリント基板2'に固定したときに遮蔽部5aが遮蔽配線28に接続するようになっている。 また、遮蔽部5aは保護基板5のグランド配線上に設けられており、グランド配線に接続している。 コイル状配線21は、保護基板5のグランド配線と遮蔽部5a、プリント基板2'の遮蔽配線28、および外部導体9からなる遮蔽部によって囲まれている。

    図8は、プリント基板2'を説明するための平面図であり、上記図3に対応する図である。 なお、図8において、図3に示すプリント基板2と同一または類似の要素には、同一の符号を付している。 図8に示すプリント基板2'は、遮蔽配線28を備えている点が図3に示すプリント基板2と異なる。

    遮蔽配線28は、プリント基板2'のコイル状配線21とリング状導体23との間に形成されたプリント配線であり、コイル状配線21を遮蔽する遮蔽部の一部として機能する。 遮蔽配線28にはグランド配線24に延びる接続プリント配線28aが形成されており、遮蔽配線28は接続プリント配線28aを介してグランド配線24に接続している。 なお、遮蔽配線28が保護基板5の遮蔽部5aに接続される場合、遮蔽部5a、保護基板5、固定具6およびプリント基板2'のグランド配線24を介してグランドに接続される。 そのため、接続プリント配線28aが形成されていなくてもよい。

    図9は、遮蔽配線28を説明するための図である。 同図(a)は図8に示す破線で囲まれた範囲b部分の拡大図であり、同図(b)は同図(a)のC−C'線断面図である。

    同図に示すように、遮蔽配線28はスルーホール28c,28c'およびプリント配線28d,28d',28e,28e'によって形成されている。 なお、図9に示したスルーホール28c,28c'は、インターステシャルバイアホール(Interstitial Via Hole)と呼ばれている特定の層間だけで貫通穴を開けるタイプのスルーホールである。 同図(a)に示すプリント配線28d,28d'はプリント基板2'の表面に形成されたプリント配線である。 なお、同図(a)においては表示さないプリント配線28e,28e'が基板20の裏面に形成されている(同図(b)参照)。 プリント配線28e,28e'は、それぞれプリント配線28d,28d'の対向する位置に配置されているので、同図(a)においては、破線の引き出し線で符合を付している。 同図(b)においては、図の上側がプリント基板2'(基板20)の表面であり、図の下側がプリント基板2'の裏面である。 基板20の表面に形成された各スルーホール28cは表面に形成されたプリント配線28dによって接続され、基板20の裏面に形成された各スルーホール28cは裏面に形成されたプリント配線28eによって接続されている。 また、基板20の表面に形成された各スルーホール28c'は表面に形成されたプリント配線28d'によって接続され、基板20の裏面に形成された各スルーホール28c'は裏面に形成されたプリント配線28e'によって接続されている。 なお、図7に示す保護基板5の遮蔽部5aによって、各スルーホール28c,28c'がそれぞれ接続されるので、プリント配線28d,28d',28e,28e'が形成されていなくてもよい。 図9では、遮蔽配線28は、リング接続配線22の部分を除いて、貫通穴29の周囲を略1周するように設けられている。

    同図(a)に示すように、遮蔽配線28は、スルーホール28cがリング状導体23側に、スルーホール28c'がコイル状配線21側になるように、2重に形成されている。 また、スルーホール28cとスルーホール28c'とは、貫通穴29から見た場合に隙間がなくなる(同図(b)における各スルーホール28cの間に各スルーホール28c'が位置する)ように、互いにずらして配置されている。 これにより、プリント基板2'の貫通穴29に配置された内部導体8に生じる電界の影響を低減することができる。 また、プリント基板2'(基板20)の表面側のスルーホール28c,28c'と、プリント基板2'の裏面側のスルーホール28c,28c'との間には、遮蔽されていない隙間があるので、内部導体8を流れる高周波電流によって発生する磁束をコイル状配線21に作用させることができる。

    なお、遮蔽配線28の構成はこれに限られない。 例えば、スルーホールが3重以上配置されるようにしてもよい。 また、遮蔽配線28はコイル状配線21とリング状導体23との間に形成されていればよいのであって、円形状に配置されるものに限定されない。 保護基板5の遮蔽部5aの形状は、遮蔽配線28の形状に合わせればよい。 また、スルーホール28c,28c'を基板20の表面から裏面に亘って貫通するタイプのスルーホールとして、保護基板5の遮蔽部5aとスルーホール28c,28c'との間に遮蔽されていない隙間を設ける様にしてもよい。

    保護基板5のグランド配線と遮蔽部5a、プリント基板2'の遮蔽配線28、および外部導体9からなる遮蔽部は、その内部に配置されているコイル状配線21を内部導体8に生じる電界から遮蔽することによって、電界がコイル状配線21に与える影響を低減することができる。 また、当該遮蔽部には遮蔽されていない隙間(図9の例では、遮蔽配線28の表面側のスルーホール28c,28c'と、裏面側のスルーホール28c,28c'との間の隙間)があるので、内部導体8を流れる高周波電流によって発生する磁束をコイル状配線21に作用させることができる。

    上記第1実施形態では、保護基板5をプリント基板2と同様の大きさにした場合について記載したが、これに限られない。 電磁波がプリント配線に与える影響が小さい場合は、プリント基板2上に搭載された電子回路のみを保護すればよい。 この場合、保護基板5でコイル状配線21を覆う必要はなく、保護基板5の大きさを回路搭載部25を覆うことができる大きさにしてもよい。 また、保護基板5を配置する代わりに、図10の破線に示す保護ケース5'を回路搭載部25のみを覆うように配置してもよい。

    上記第1実施形態および第2実施形態では、高周波検出装置1,1'が高周波電圧信号と高周波電流信号の両方を検出する場合について説明したが、これに限られない。 本発明は、高周波電圧信号のみを検出する高周波検出装置にも適用することができる。 高周波電圧信号のみを検出する場合は、図3に示すプリント基板2において、コイル状配線21および電流用変換回路26を設ける必要がない。 また、この場合、プリント基板2に貫通穴29を設けなくてもよい。 例えば、プリント基板2に切り欠き部分を設けて、当該切り欠き部分にリング状導体23を固定するようにしてもよい。 また、プリント基板2の外縁にリング状導体23を固定するようにしてもよい。

    また、高周波電圧信号を検出するためのリング状導体23および電圧用変換回路27と、高周波電流信号を検出するためのコイル状配線21および電流用変換回路26とを、1つのプリント基板2に形成する場合に限定されない。 リング状導体23および電圧用変換回路27を形成したプリント基板とコイル状配線21および電流用変換回路26を形成したプリント基板とをそれぞれ外部導体9に固定する場合にも、本発明を適用することができる。

    上記第1実施形態および第2実施形態では、高周波検出装置1,1'を外部導体9の内側に固定する場合について説明したが、これに限られない。 例えば、プリント基板2,2'を筐体に固定し、当該筐体を外部導体9の内側に固定するようにしてもよい。 また、当該筐体を内部導体8を覆う絶縁体に固定するようにしてもよい。 これらの場合でも、内部導体8との間に形成されるコンデンサの静電容量がプリント基板2,2'の厚さによって制限されないという効果を奏することができる。

    また、内部導体8に代えて絶縁体で覆われた電力伝送用導電体に筐体を固定する場合、当該電力伝送用導電体の両端に同軸ケーブルをコネクタで接続するようにしてもよい。 図11は、図14に示す従来の高周波検出装置510の電流検出用プリント基板516および電圧検出用プリント基板517に代えてプリント基板2を用いた第3実施形態に係る高周波検出装置1”を説明するための図である。

    同図に示すように、高周波検出装置1”は、プリント基板2(リング状導体23などを含む)、電力伝送用導電体511、および筐体518を備えている。プリント基板2は筐体518に固定され、筐体518は電力伝送用導電体511を覆う絶縁体に固定されている。高周波検出装置1”は、電力伝送用導電体511の両端に設けられたコネクタを同軸ケーブル400の端部に設けられたコネクタに接続することで、同軸ケーブル400の途中に接続させることができる。

    本実施形態においても、電力伝送用導電体511との間に形成されるコンデンサの静電容量がプリント基板2の厚さによって制限されないという効果を奏することができる。

    本発明に係る高周波検出装置、および、当該高周波検出装置を備えた同軸管は、上述した実施形態に限定されるものではない。 また、本発明に係る高周波検出装置、および、当該高周波検出装置を備えた同軸管の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。

    1,1',1” 高周波検出装置 2,2' プリント基板 20 基板 21 コイル状配線 21a,21a' 出力配線 21c スルーホール 21d,21e プリント配線 22 リング接続配線 23 リング状導体(貫通導体)
    23a 筒状部分 23b 鍔状部分 24 グランド配線 25 回路搭載部 26 電流用変換回路 27 電圧用変換回路 28 遮蔽配線 28a 接続プリント配線 28c,28c' スルーホール 28d,28d',28e プリント配線 29 貫通穴 4 固定具 5 保護基板(保護手段)
    5a 遮蔽部 5' 保護ケース(保護手段)
    6 固定具 8 同軸管内部導体 9 同軸管外部導体

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