Method of fabricating mems device and mems device

申请号 JP2010048008 申请日 2010-03-04 公开(公告)号 JP2011183469A 公开(公告)日 2011-09-22
申请人 Fujitsu Ltd; 富士通株式会社; 发明人 KATSUKI TAKASHI; SHIMAUCHI TAKEAKI; IMAI MASAHIKO; TOYODA OSAMU; UEDA TOMOSHI;
摘要 PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a method which properly forms a second electrode such as a movable beam formed on a sacrificial layer, by maximally flattening the surface of the sacrificial layer even when using Si as a material.
SOLUTION: This method includes a process of forming a base electrode 14a having a tapered sidewall TS1 in at least one end above a substrate 11, a process of forming the sacrificial layer BGP0 having a tapered end surface TS2 inclining in the inverse direction of the tapered sidewall TS1 in an end so as to overlap with the upper part of the tapered sidewall TS1 by extending from an area formed with no base electrode 14a, a process of forming a spacer 14b abutting on the tapered end surface TS2 of the sacrificial layer BGP0 on the base electrode 14a, a process of forming a movable electrode 15 on the sacrificial layer BGP0 and the spacer 14b, and a process of removing the sacrificial layer BGP0 after forming the movable electrode 15.
COPYRIGHT: (C)2011,JPO&INPIT
权利要求
  • 基板の上方に、少なくとも一方の端部にテーパ側壁を有した第1の電極を形成する工程と、
    前記第1の電極が形成されていない領域から延びて前記第1の電極のテーパ側壁の上方に重なるようにかつ端部に当該テーパ側壁と逆の方に傾斜するテーパ端面を有する犠牲層を形成する工程と、
    前記第1の電極の上に、前記犠牲層のテーパ端面に当接するスペーサ層を形成する工程と、
    前記犠牲層および前記スペーサ層の上に第2の電極を形成する工程と、
    前記第2の電極を形成した後で前記犠牲層を除去する工程と、
    を含むMEMSデバイスの製造方法。
  • 前記第1の電極を形成する工程において、間隔をあけて互いに対向する端部がいずれも前記テーパ側壁となるように2つの前記第1の電極を形成し、
    前記犠牲層を形成する工程において、2つの前記第1の電極のテーパ側壁の間の領域から2つの前記第1の電極のテーパ側壁の上方に重なるようにかつ両方の端部にテーパ端面を有するように、前記犠牲層を形成し、
    スペーサ層を形成する工程において、2つの前記第1の電極の上に、かつ前記犠牲層のテーパ端面にそれぞれ当接するように、前記スペーサ層を形成する、
    請求項1記載のMEMSデバイスの製造方法。
  • 前記犠牲層を形成する工程において、前記第1の電極のテーパ側壁の頂部の位置を中心位置とした当該犠牲層の厚さ寸法の範囲内の位置に当該犠牲層のテーパ端面の少なくとも一部が重なるように、前記犠牲層を形成する、
    請求項1または2記載のMEMSデバイスの製造方法。
  • 前記犠牲層を形成する工程において、当該犠牲層のテーパ端面の頂部が前記第1の電極のテーパ側壁の上方に位置するように、前記犠牲層を形成する、
    請求項3記載のMEMSデバイスの製造方法。
  • 前記犠牲層を形成する工程において、リフトオフによって第1の犠牲層を形成した後、前記第1の犠牲層の上にエッチングにより第2の犠牲層を形成し、これにより、第1の犠牲層および第2の犠牲層からなって前記第1の電極のテーパ側壁の上方に重なる犠牲層を形成する、
    請求項3または4記載のMEMSデバイスの製造方法。
  • 請求項1ないし5のいずれかの方法を用いて製造されたMEMSデバイス。
  • 说明书全文

    本発明は、MEMSデバイスの製造方法およびそれによって製造されたMEMSデバイスに関する。

    近年において、マイクロマシニング技術(「MEMS技術」ということがある。MEMS:Micro Electro Mechanical Systems)により形成される微小構造を有するデバイス(MEMSデバイス)が、様々な分野で応用されている。

    例えば、携帯電話機をはじめとする移動体通信機において、高周波回路用のRFデバイスである可変キャパシタおよびスイッチなどについて、MEMS技術による開発が進められている。

    これらのMEMSデバイスでは、基板上において上下方向に移動可能な梁構造がしばしば必要となる。

    例えば、基板の凹部を跨ぐように設けられた圧電膜、圧電膜の中央部に設けられた第1電極を有する可動梁、および第1電極と対向するよう凹部に設けられた第2電極を備えたMEMSデバイスが提案されている(特許文献1)。

    また、空洞の下部に位置する下部電極と、空洞の上部または内部に位置するアクチュエータと、アクチュエータに結合される上部電極とを有したMEMSデバイスが提案されている(特許文献2)。

    特開2005−313276

    特開2006−289520

    MEMSデバイスにおいては、通常、可動梁のような第2の電極の下方に、その支持基部となる基部電極や第2の電極を駆動するための駆動電極などの第1の電極が存在する。 そのため、MEMSデバイスの製造過程において、第2の電極は、第1の電極の存在によって表面が凹凸となった箇所の上に形成されることとなる。

    しかし、可動梁それ自体は、応集中などの影響を避けるため、なるべく表面が平坦な箇所に形成するのが好ましい。 表面の平坦域を確保するために、通常は、レジストなどの樹脂材料をスピンコートなどにより塗布して平坦な犠牲層を形成する。 そうしておいて、平坦な犠牲層の上に、可動梁の材料を適用してパターニングする。 その後に犠牲層を除去することで、中空の可動梁を形成する。

    ところが犠牲層の材料として樹脂を用いた場合に、樹脂の温度特性の点から、可動梁の形成工程および犠牲層を除去するまでの種々の工程において、加熱工程やリフトオフ工程が適用できなくなるといった、プロセス上の制約が大きくなる。

    これに対し、犠牲層の材料として融点の高いSi(シリコン)を用いることにより、MEMSデバイスの製造過程における加熱やリフトオフといったプロセス上の自由度が向上する。

    しかし、犠牲層の材料にSiを用いた場合に、その形成のためにスパッタリングなどを行うことになるが、Siは結晶成長が行われ易いため、基板上の細かな凹凸を起点として、その凹凸が強調されるような形状になり易い。 また、基板に垂直な側面が存在した場合に、その側壁から膜が形成された部分と基板平面から形成された部分との境界部に鋭の凹みが生じたりする。

    このように、Siを用いた場合に犠牲層の表面が凸凹になり易く、その上に形成される可動梁のような第2の電極を適正に形成することが容易でない。

    本発明は、上述の問題に鑑みてなされたもので、Siを材料として用いた場合でも犠牲層の表面をできるだけ平坦とすることができ、犠牲層の上に形成される可動梁のような第2の電極を適正に形成することのできる方法を提供することを目的とする。

    ここで述べる実施形態の方法は、基板の上方に、少なくとも一方の端部にテーパ側壁を有した第1の電極を形成する工程と、前記第1の電極が形成されていない領域から延びて前記第1の電極のテーパ側壁の上方に重なるようにかつ端部に当該テーパ側壁と逆の方に傾斜するテーパ側壁を有する犠牲層を形成する工程と、前記第1の電極の上に、前記犠牲層のテーパ側壁に当接するスペーサ層を形成する工程と、前記犠牲層および前記スペーサ層の上に第2の電極を形成する工程と、前記第2の電極を形成した後で前記犠牲層を除去する工程と、を含む。

    本発明によると、Siを材料として用いた場合でも犠牲層の表面をできるだけ平坦とすることができ、犠牲層の上に形成される可動梁のような第2の電極を適正に形成することができる。

    本実施形態のMEMSデバイスの概略の構造を示す図である。

    MEMSデバイスの製造過程における可動電極の形状の例を示す図である。

    MEMSデバイスの製造工程を示す図である。

    MEMSデバイスの製造工程を示す図である。

    MEMSデバイスの製造工程を示す図である。

    MEMSデバイスの製造工程を示す図である。

    マスクの位置と各層の位置関係を示す図である。

    比較のためのマスクの位置と各層の位置関係を示す図である。

    実験により製造した可動電極の写真に基づく断面図である。

    本実施形態の概略の製造工程を示すフローチャートである。

    以下においては、MEMSデバイスとして、可変容量型のMEMSキャパシタ1について説明する。

    図1において、MEMSキャパシタ1は、基板11、固定電極12、誘電体層13、支持部14、および可動電極15などからなる。

    MEMSキャパシタ1は、基板11上に固定電極12および可動電極15が設けられたものである。 固定電極12と可動電極15との間に印加する電圧による静電吸引力によって、可動電極15が撓み、それらの間の静電容量が可変される。 可動電極15は可動梁の一例である。

    誘電体層13によって、固定電極12と可動電極15との間の静電容量が真空の場合のεr倍(εrは誘電体層13の比誘電率)となり、またそれらの間の短絡が防止される。

    支持部14は、基部電極14aおよびスペーサ14bを有し、可動電極15の両端部を支持するように設けられている。 つまり、支持部14は、可動電極15の付け根の部分であり、その中でも基部電極14aは、可動電極15および支持部14の全体の土台となる部分である。

    基板11として、ガラス基板または熱酸化膜つきのSi基板などが用いられる。 固定電極12、基部電極14a、および可動電極15の材料として、金、銅、アルミニウムなどの金属材料が用いられる。 また、スペーサ14bの材料として、アルミニウム、銅、金などの金属材料が用いられる。

    なお、MEMSキャパシタ1の構造は、図1に示す以外の種々の構造とすることができる。

    図2には、図1に示すMEMSキャパシタ1の右側の支持部14が拡大して示されている。 なお、MEMSキャパシタ1の左側の支持部14については、概ね図2と左右対称であって、左右の基部電極14aおよびスペーサ14bは同時に形成される。

    図2において、可動電極15は、その両端部において、基部電極14aおよびスペーサ14bからなる支持部14によって基板11上に支持されている。

    MEMSキャパシタ1の製造過程において、基部電極14a、スペーサ14b、および犠牲層21を、パターニングまたはリフトオフなどによって形成する。 その後、スペーサ14bおよび犠牲層21の上に、可動電極15をスパッタリングまたはリフトオフなどによって形成する。 その後、犠牲層21を除去することによって、中空の可動電極15が形成される。

    次に、MEMSキャパシタ1の製造方法について、支持部14およびそれに隣接する犠牲層21の部分を中心に説明する。

    図3〜図6には、図2に対応した部分の製造工程が示されている。 これら図2〜図6においては、各部の形状を示すために、図1および図2と比べて横方向を大きく拡大して示している。

    図3(A)に示すように、基板11を準備し、基板11の上に、固定電極12および基部電極14aの元となる電極層BMを、金、銅、アルミニウムなどによるスパッタリングまたはメッキなどによって形成する。 電極層BMの厚さは例えば0.5〜数μm程度である。 そして、電極層BMの上にレジストBR1を塗布する。

    図3(B)に示すように、レジストBR1をパターニングし、パターニングされたレジストBRP1とする。 すなわち、このパターニングに際し、基部電極14aのためのマスクM1の端をマスク位置PM1に合わせる。

    マスク位置PM1は、後で述べるマスク位置PM2よりもMEMSキャパシタ1の中央寄りである。 これにより、マスク位置PM1よりも右側部分にレジストBRP1が残ることとなり、レジストBRP1によって基部電極14aがパターニングされる。

    すなわち、図3(C)に示すように、適当なエッチング液を用いて電極層BMのエッチングを行い、基部電極14aを形成する。 つまり、電極層BMのレジストBRP1のない部分は除去され、電極層BMのレジストBRP1のある部分のみが基部電極14aとして残る。

    このとき、エッチング液として、適度な界面活性剤などが入った液を用いる。 これにより、レジストBR1と電極層BMとの隙間にエッチング液が入り込み、形成される基部電極14aは、アンダーカットとなり、その端部に比較的緩やかな傾斜を持ったテーパ側壁TS1が形成される。

    テーパ側壁TS1の先端位置(図の左端位置)は、マスク位置PM1とほぼ同じである。 なお、このとき、他方の基部電極14aおよび固定電極12も同時に形成される。 また、誘電体層13については、固定電極12を形成した後で適当な工程において形成しておけばよい。

    そして、レジストBRP1を取り去った後で、新しいレジストBR2を塗布する。 塗布したレジストBR2をパターニングし、図4(A)に示すようにパターニングされたレジストBRP2とする。

    レジストBRP2は、後の犠牲層のリフトオフのためにパターニングされたものでありる。 すなわち、このレジストBRP2のパターニングに際し、そのためのマスクM2の端をマスク位置PM2に合わせる。 これにより、マスク位置PM2よりも右側部分にレジストBRP2が残る。

    なお、このマスク位置PM2は、マスク位置PM1よりも図の右方であって、基部電極14aのテーパ側壁TS1の頂部の近辺か、または頂部よりも右方の平坦部と重なる位置にある。

    次に、図4(B)に示すように、基板11上の基部電極14aおよびレジストBRP2の上に、第1の犠牲層BG1をスパッタリングなどによって形成する。 第1の犠牲層BG1の材料として、ここではSi(シリコン)を用いる。 このとき、第1の犠牲層BG1の厚さを基部電極14aの厚さと同じにしておく。

    そして、レジストBRP2を、その上の第1の犠牲層BG1とともに取り去る。 これにより、図4(C)に示すように、パターニングされた第1の犠牲層BGP1が、リフトオフにより形成される。

    さらに、図5(A)に示すように、それら全体の上に、第2の犠牲層BG2をスパッタリングなどによって形成する。 第2の犠牲層BG2は、その上面が後で形成する可動電極15の下面と同じ高さになるような厚さとする。 第2の犠牲層BG2の上に、図5(B)に実線と二点鎖線で示すように、新しいレジストBR3を塗布する。

    塗布したレジストBR3をパターニングし、図5(B)の実線で示すようにパターニングされたレジストBRP3とする。 このレジストBRP3のパターニングに際し、そのマスクM3の端を、マスクM2の場合と同じマスク位置PM2に合わせる。 これにより、マスク位置PM2よりも左側部分にレジストBRP3が残る。

    次に、ドライエッチングなどによって第2の犠牲層BG2をパターニングする。 これにより、図5(C)に示すようにパターニングされた第2の犠牲層BGP2が形成される。 エッチングによって、第2の犠牲層BGP2および第1の犠牲層BGP1は、ともに、レジストBRP3に対してアンダーカットとなり、その端部にテーパ端面TS2が形成される。 テーパ端面TS2は、基部電極14aのテーパ側壁TS1とは逆の方向に傾斜する端面である。

    つまり、パターニングされた第1の犠牲層BGP1および第2の犠牲層BGP2によって、それらを合わせた全体としての犠牲層BGP0(21)が形成される。 この犠牲層BGP0は、基部電極14aが形成されていない領域から延びて、基部電極14aのテーパ側壁TS1の上方に重なるように、かつ端部にテーパ端面TS2を有するように、形成される。

    このとき、犠牲層BGP0のテーパ端面TS2は、基部電極14aのテーパ側壁TS1の上方に形成されるので、犠牲層BGP0のテーパ端面TS2が傾斜のない平面の上に形成された場合と比べて水平線とのなす角度が小さくなり、傾斜が緩く形成される。

    次に、図6(A)に示すように、スペーサ14bを形成するためのスペーサ層BSを、スパッタリングなどによって形成する。 このとき、スペーサ14bは、その上面が後で形成する可動電極15の下面と同じ高さ、つまり犠牲層BGP0の上面と同じ高さになるような厚さとする。

    そして、レジストBRP3を、その上のスペーサ層BSとともに取り去る。 これにより、図6(B)に示すようにスペーサ14bが形成される。 スペーサ14bは、その端面が犠牲層BGP0のテーパ端面TS2に当接した状態となる。

    したがって、マスクM3は、犠牲層BGP0のエッチング形成のためのマスクとスペーサ14bのリフトオフ形成のためのマスクとの、両方の機能を兼ねたこととなる。

    次に、スペーサ14bおよび犠牲層BGP0の上に、図6(C)に示すように可動電極15を、スパッタリングやリフトオフなどによって形成する。 そして、犠牲層BGP0を除去することによって、中空の可動電極15となる。

    図7において、各マスクM1〜4の位置関係および各マスクM1〜4によってパターニングされた各層の位置関係が示されている。

    図7(A)において、基部電極14aをパターニングするためのマスクM1の位置は、マスク位置PM1である。 これに対し、第1の犠牲層BGP1をパターニングするためのマスクM2、および犠牲層BGP0(21)およびスペーサ14bをパターニングするためのマスクM3の位置は、マスク位置PM2である。

    このように、マスクM1とマスクM2,3とでは、パターニングされたエッジの位置が異なるように配置される。 その結果、図7(B)に示されるように、基部電極14aのテーパ側壁TS1の頂部TB1の位置を中心位置とした犠牲層BGP0の厚さ寸法L1の範囲内の位置に、当該犠牲層BGP0のテーパ端面TS2の少なくとも一部が重なるように、犠牲層BGP0が形成される。

    このとき、犠牲層BGP0のテーパ端面TS2の頂部TB2が、基部電極14aのテーパ側壁TS1の上方に位置するように、犠牲層BGP0を形成するのが好ましい。 しかし、頂部TB2の位置が必ずしも基部電極14aのテーパ側壁TS1の上方に位置しなくてもよい。

    マスクM1〜3をこのように配置して犠牲層BGP0を形成することにより、犠牲層BGP0の表面の凹凸を少なくし、十分に平坦な状態とすることができる。 これにより、犠牲層BGP0およびスペーサ14bの上に形成される可動電極15は、適正な形状となり、十分な強度を得てその機能を十分に果たすことが可能となる。

    ここで、本実施形態の製造方法と比較するために、マスクM1〜3を同じ位置に配置して製造した場合について説明する。

    すなわち、比較例では、図8(A)に示すように、3つのマスクM1〜3を全て同じマスク位置PM2に配置する。 マスクM1〜3の配置以外については、上に述べた本実施形態と同じ工程とする。

    そうすると、図8(B)に示すように、基部電極14ajの端部にはテーパ側壁TS1jが形成されるが、その先端位置は、マスク位置PM2とほぼ同じである。 犠牲層BGP0jは、基部電極14ajのテーパ側壁TS1jと重なることはなく、それらの間にV字形の大きな凹部HBができてしまう。 そのため、スペーサ14bjは、その凹部HBに沿った形状となり、やはり同様の凹部ができてしまう。

    その結果、その上に形成される可動電極15jは、マスク位置PM2の近辺において生じる凹みによって大きく括れた不適正な形状となる。 このような場合に、可動電極15jは強度的に弱くなり、十分な機能を果たすことが困難となる。

    図9は、実験によって製造した可動電極15および可動電極15jの断面を写真撮影に基づいて示す図である。

    図9(A)に示すように、本実施形態による方法で製造した場合に、犠牲層BGP0の表面がかなり平坦となり、犠牲層BGP0の上に形成される可動電極15を、平坦な適正な形状とすることができた。

    これに対し、3つのマスクM1〜3を全て同じマスク位置PM2に配置した場合には、図9(B)に示すように、可動電極15jには大きな凹みと括れが生じ、平坦な適正な形状とすることができなかった。

    このように、3つのマスクM1〜3を全て同じマスク位置PM2に配置した場合には、犠牲層BGP0jは、基部電極14ajのテーパ側壁TS1jの上方に重ならない。 そのため、犠牲層BGP0jの成膜時に、犠牲層BGP0jが基板11の表面から直接に堆積されることとなり、犠牲層BGP0jの端部のテーパ端面TS2jがかなり急峻なものつまり垂直に近いものとなってしまう。

    その結果、犠牲層BGP0jとスペーサ14bjとの間に、スペーサ材料で埋め込むことができないボイドKG(図9参照)が生じることとなり、可動電極15jを適切に形成することができない。

    これに対し、本実施形態の方法によると、基部電極14aを形成するためのマスクM1のマスク位置PM1を他のマスクM2,3のマスク位置PM2と異ならせ、基部電極14aのテーパ側壁TS1がスペーサ14bよりも外側に延長して形成されるようにする。

    つまり、上に述べたように、基部電極14aのテーパ側壁TS1を外側に延ばして形成しておき、テーパ側壁TS1の上に重なるように犠牲層BGP0を形成する。 その場合に、好ましくは、テーパ側壁TS1の頂部TB1の位置を中心位置として、犠牲層BGP0の厚さ寸法L1の範囲内において犠牲層BGP0のテーパ端面TS2の少なくとも一部が重なるようにする。 マスク位置PM2についてこのような調整幅を持たせるように、マスクM1〜3を設計する。

    このようにして、テーパ側壁TS1の上に犠牲層BGP0を形成する。 テーパ側壁TS1の上に犠牲層BGP0が重なることにより、犠牲層BGP0のテーパ端面TS2の傾斜が緩やかとなり、犠牲層BGP0とスペーサ14bとの間にはボイドKGのようなものが生じない。

    つまり、スペーサ14bの端部の側壁が犠牲層BGP0のテーパ端面TS2の全体に密着するように形成される。 これにより、可動電極15の下地となるスペーサ14bの材料と犠牲層BGP0とがなだらかに繋がることとなり、可動電極15を平坦な適切な形状に形成することができる。 これにより、可動電極15の強度が確保されることとなる。

    なお、犠牲層BGP0のテーパ端面TS2が基部電極14aのテーパ側壁TS1の途中の適当な位置で立ち上がるようにすることにより、テーパ端面TS2の傾斜をより緩やかにすることが可能である。 これにより、テーパ端面TS2の頂部の膨らみを抑えることができ、可動電極15をより平坦なものとすることができる。

    上に述べた本実施形態の方法によると、犠牲層21にSiを用いることができるので、プロセスにおける温度制約が大幅に緩和される。 したがって、例えば可動電極15を形成する際の基板温度を変えることができ、内部応力やリリース後の反り量などについて設計自由度が大幅に改善される。

    因みに、犠牲層の材料として樹脂を用いた場合には、犠牲層を除去するまではプロセス温度が最高で100°C程度に制約されるので、プロセス上の制約が大きい。 なお、犠牲層21の材料として樹脂を用いることを妨げるものではない。

    なお、上に述べた説明では、可動電極15の両端の2つの支持部14の内の一方について主に説明したが、上にも述べたように、これら2つの支持部14は互いに同じ工程において同時に形成される。

    すなわち、例えば、基部電極14aを形成する工程において、間隔をあけて互いに対向する端部がいずれもテーパ側壁TS1となるように2つの基部電極14aを形成する。 また、犠牲層BGP0を形成する工程において、2つの基部電極14aのテーパ側壁TS1の間の領域から2つの基部電極14aのテーパ側壁TS1の上方に重なるように、犠牲層BGP0を形成する。 その際に、犠牲層BGP0の両方の端部にテーパ端面TS2を有するように形成する。

    また、スペーサ14bを形成する工程において、2つの基部電極14aの上に、かつ犠牲層BGP0のテーパ端面TS2にそれぞれ当接するように、スペーサ14bを形成する。

    次に、本実施形態の製造方法について、フローチャートを参照して説明する。

    図10において、基板11の上方に、端部にテーパ側壁TS1を有した基部電極14aを形成する(#11)。 このとき、固定電極12を同時に形成する。 基部電極14aが形成されていない領域から延びて基部電極14aのテーパ側壁TS1の上方に重なるように、かつ端部にテーパ側壁TS1と逆の方に傾斜するテーパ端面TS2を有する犠牲層BGP0を、形成する(#12)。

    基部電極14aの上に、犠牲層BGP0のテーパ端面TS2に当接するスペーサ層BS(スペーサ14b)を形成する(#13)。 犠牲層BGP0およびスペーサ14bの上に可動電極15を形成する(#14)。 可動電極15を形成した後で、犠牲層BGP0を除去する(#15)。

    上に述べた実施形態において、基板11、固定電極12、誘電体層13、スペーサ14b、可動電極15の材料、形状、寸法、形成方法、形成工程などは、上に述べた以外の種々のものとすることが可能である。 また、犠牲層BGP0の形成の仕方として、上に述べた以外の種々の方法を採用することが可能である。

    上に述べた実施形態では、MEMSキャパシタ1を例にあげてその製造方法を説明したが、これとは構造の異なるMEMSキャパシタについても適用可能である。 例えば、可動電極15を駆動するための駆動電極が固定電極12とは別途設けられた構造でもよい。 また、MEMSキャパシタ以外に、MEMSスイッチ、高周波フィルタ、その他のMEMSデバイスの製造に適用することが可能である。

    1 MEMSキャパシタ(MEMSデバイス)
    11 基板12 固定電極14 支持部14a 基部電極(第1の電極)
    14b スペーサ15 可動電極(第2の電極)
    21 犠牲層BGP0 犠牲層BG1 第1の犠牲層(犠牲層)
    BG2 第2の犠牲層(犠牲層)
    TS1 テーパ側壁TS2 テーパ端面TB1 頂部

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