【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】この発明は、電動モーター付きの摺動、可動装置、特に、走行クレーンやホイストなどへ給電する給電装置の改良に関するものである。 【0002】 【従来の技術】前記した従来の給電装置は、櫓状の装置本体に複数のストリップ導電体を配置し、前記装置本体にそって走行する可動のピックアップトロリーのワイパーが前記導電体に接触して、集電するような構成になっている。 【0003】前記装置本体は、断面がU形状のもので、 該装置本体の内面に、前記ストリップ導電体が配置され、例えば、内部側面や上部側面に配置され、前記装置本体の内部に形成された走行面にそって、可動のピックアップトロリーが走行するようになっている。 【0004】前記装置本体は、塩化ポリビニルのようなプラスチックス素材から成形されていて、蟻溝状の溝を有し、該溝に銅からなるストリップ導電体が配置されて、可動のピックアップトロリーのワイパーが接触する。 このような導電体を配置する装置本体は、一つ一つが例えば、全長が5乃至6メーターのもので、複数個の装置本体が端部連結され、ボルト止めされている。 前記トロリーからのケーブルは、前記装置本体の中央スロットを通過し、前記トロリーのローリングローラーが走行するローリングパスも前記装置本体に設けられている。 【0005】前記の構造は、フランス特許第2,547,465 号に開示されている。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】前記した給電装置は、 ストリップ導電体が給電装置の装置本体の内面に配置されているため、該導電体を外部から点検することが困難であり、例えば、導電面に接触不良や短絡事故につながる不良が発生しても発見することに問題があって導電不良事故を生じやすい欠点がある。 【0007】また、例えば、給電装置を長さ約50メーターのような長いものとする必要がある場合、ストリップ導電体の連結をネジで行うため、連結作業が給電装置の内部で行わなければならないため、作業に困難さが伴い、さらに、複数個の装置本体の連結作業も困難となる。 また、つなげる必要のない連続したストリップ導電体を用いることも提案されているが、これも取付作業が給電装置の内部で行うため、作業が困難となる。 【0008】さらに、可動のピックアップトロリーを実装するに当り、電気安全性のために給電装置の長さ方向両端部が閉じれているために、極めて困難で面倒な作業が要求される。 この作業のために、給電装置に開閉自由の部分を設け、この部分から内部に前記トロリーを実装するようになっているが、これでは、作業能率が悪くなり、また、給電装置のコストも高くなる。 【0009】さらにまた、給電装置の強度にも問題があり、前記トロリーが立ち往生したり、ケーブル等に作用する外力で脱線することもある。 【0010】また、給電装置の内部構造も複雑になっていて、蟻溝状のリブに断面C形状のストリップ導電体が係合するもので、この点でも、ストリップ導電体の特殊形状によって、コスト高となるばかりか、敷設にも細心の注意が必要となる。 【0011】さらにまた、給電装置の装置本体の内部にエッジが玉縁状のリブを形成し、このようなリブに数字の8の断面形状のストリップ導電体を係合させる構造も知られているが、これも導電体の特殊形状と取付作業の困難性からコスト高と作業能率の低下の欠点を免れない。 【0012】また、断面U字状の装置本体をもつ給電装置もフランス特許第2,578,109 号に開示されている。 この構造によっても、ストリップ導電体の取付作業は、装置本体の内部で行う必要があり、前記した従来の構造と同じ欠点を有している。 【0013】米国特許第3,980,368 号、スイス特許第48 1,504 号にも従来の構造が開示されている。 【0014】以上、前記したストリップ導電体の内部設置による点検作業の困難性、給電装置の装置本体の強度不足さらには可動のピックアップトロリーの実装作業の困難性などが、この発明の解決課題となる。 【0015】 【課題を解決するための具体的手段】この発明の目的は、前記課題を解決した給電装置を提供するものであり、ストリップ導電体の内部設置による点検作業の困難性、給電装置の装置本体の強度不足さらには可動のピックアップトロリーの実装作業の困難性などの従来構造において問題となっている点すべてを解決した給電装置が提供される。 【0016】この発明の目的は、また、給電装置を構成する複数の給電装置ユニット、即ち給電装置の装置本体を複数個、長さ方向に連結し、このような連結された給電装置の外側面にストリップ導電体を配置し、装置本体の個々の構造に工夫を凝らして強度を向上させ、従来の問題点を解決する。 【0017】自走クレーンやホイストにピックアップトロリーを介して給電装置から集電するための本発明の給電装置は、複数のストリップ導電体を設置方向に配設した、電気絶縁材料からなる装置本体を備え、前記ストリップ導電体には、可動トロリーのワイパーなどの集電子が接触し、さらに、前記トロリーは、前記装置本体に設けられたローリングパスを走行する前記給電装置において、前記給電装置の装置本体は、断面が閉止されたビーム状の装置本体部を備え、装置本体部の両側面と底面とに、ストリップ導電体を配置する溝が形成され、該溝の開口寸法における幅寸法と深さ寸法とが可動ピックアップトロリーのワイパーの挿入を許す寸法で、かつ、前記ストリップ導電体を保護する寸法になっており、さらに、前記装置本体部の底部に前記トロリーのローリングパスを構成する二つのリブが形成されている給電装置である。 【0018】この発明による給電装置の装置本体は、複数個、長さ方向に連結されて給電装置を構成し、前記溝は、給電装置の長さ全長にわたり、電気的に接続されて長く延び、前記装置本体の側面に形成された溝には、位相導電体が配置され、さらに前記装置本体の底面に、補助の溝が形成されていて、これに接地導電体が配置される。 【0019】前記溝は、断面T形状のもので、該溝の中央部分が前記ワイパーの挿入スペースで、奥部が前記ストリップ導電体の配設スペースとなるものであり、断面T形状の溝の奥部が異なる厚さのストリップ導電体の設置に対応できる寸法を有している。 【0020】また、この発明では、断面T形状の溝の奥部の段部が異なる厚さと幅寸法のストリップ導電体の設置に対応できる寸法を有しており、前記溝に関連する壁部分の端部領域が凹んでいて、前記ストリップ導電体の自由端部を前記凹んだ壁部分の端部で装置本体部の内方へ折り返し、前記壁部分に添わせるようにした構成を有する。 【0021】前記装置本体の装置本体部の内壁に複数のリブは、前記溝に相当する部位に設けてあり、これらのリブで前記ストリップ導電体の折り返し端部を支えるものであり、前記リブは、凹部を有し、前記折り返しのストリップ導電体の端部のリーケージパスを増加させる。 【0022】さらに、前記装置本体に保護屋根が設けられ、該屋根が張り出して、前記溝を埃や雨水から保護するもので、また、前記装置本体の中心線の両側にクリップ取付の覆い部材が配置され、ワイパーを備えた可動のピックアップトロリーの上半身を覆い保護する。 【0023】さらに、この発明においては、カーブした端縁を有する屋根が装置本体に設けられ、可動ピックアップトロリーの縦軸のローリングローラーが走行するローリングパスを構成し、前記装置本体100の下位に、 二つのリブが中心線の左右にそれぞれ張り出し、可動ピックアップトロリーのローリングローラーが走行するローリングパスを構成する。 【0024】また、前記張り出しのリブは、壁によって、廊下状に構成された二つの廊下を構成し、該廊下は、高さ寸法が異なっていて、前記トロリーの径が異なるローリングローラーの走行を案内すると共に該ローラーの実装の取付違いをなくすようにしてある。 【0025】前記装置本体は、断面矩形形状のビームの形態であり、前記給電装置の装置本体は、断面三角形状のビームの形態ものでもよく、左右の壁が傾斜し、それぞれの壁に溝が設けられていて、トロリーのワイパーが斜めの方向から前記溝に挿入されるようになっている。 【0026】また、この発明では、前記装置本体の複数個を端部連結し、各ストリップ導電体を端部接続して、 全長に亘り、電気的に接続、連続佐瀬、さらにまた、前記装置本体の複数個を連結ブロックを介して端部連結し、各ストリップ導電体を端部接続して、全長に亘り、 電気的に接続、連続させ、前記連結ブロックが前記装置本体の内部に内蔵させる構造も含まれる。 【0027】また、前記連結ブロックが円弧状に張り出した接触部を有し、前記装置本体のストリップ導電体を抑える。 【0028】前記連結ブロックにより隣り合う装置本体を端部連結し、前記連結ブロックが上部にネジ孔つきスリーブを有し、これらが前記装置本体の隣り合うものそれぞれにネジ止めされ、該連結部分が着脱自由の覆いで覆われる構造も本発明に含まれる。 【0029】前記装置本体は、一方の端部に止めネジが螺合する丸い孔と、他方の端部に他の止めネジが通される長いスリットが形成され、連結の時の位置調整が可能になっているものである。 そして、中央部材の左右に側面部材が配置され、前記中央部材は、前記給電装置の下面に位置し、各側面部材は、前記装置本体のストリップ導電体の方向に向いているワイパーを備え、前記中央部材は、前記装置本体の接地導電体に向いたワイパー20 4を備えている給電装置に関連する可動のピックアップトロリーも本発明に含まれる。 【0030】断面矩形のビーム状の給電装置に関連し、 中央部材と、その左右の側面部材により構成され、これらは、左右対称の形状で、前記給電装置に備えたストリップ導電体に接触するワイパーを備えている可動のピックアップトロリーも効果的である。 【0031】 【実施例】図1に示す第1の実施例は、鞘または櫓状の形式の給電装置であって、該給電装置1は、電動モーター付き摺動可動装置に適したもの、例えば、走行クレーンまたは電動ホイストのトロリーへの給電作用に適した装置である。 給電装置1の装置本体100は、櫓状になっていて、複数のストリップ状の導電体(コンダクタ) 105,105'が装置本体100の軸線に対し平行に設けられている。 これら導電体には、可動ピックアップトロリー(図1では、ローリングローラー201,20 2が図示されている)の集電子(ワイパー)(図1では、ワイパー204として表示されている)が接触、摺動して、給電装置本体100からの給電が行われる。 そして、前記ローリングローラー201,202は、前記装置本体100の回転パスにそって回転する。 前記装置本体100は、例えば、アルミニウムを素材とする懸垂吊り体2により支持され、該懸垂吊り体2の支持部にそって前記懸垂吊り体に対しスライドできるようになっている。 このようなスライド作用をしなくするためには、 図示のように、ナット3によりロックされるネジ4が前記両者に螺合され、前記装置本体100を前記懸垂吊り体に対し固定する。 【0032】前記した櫓状の装置本体100は、塩化ポリビニールなどのプラスチックス素材などの電気絶縁素材によりビーム形状に成形されたものであり、断面矩形状の閉止断面を有する本体部101を有し、該本体部1 01の左右両側面と下面には、複数の溝部103が形成されている。 そして、これらの溝部の底面(前記本体部の垂直壁面の外側面と底壁の下面)には、ストリップ状(帯状)の導電体105,105'が配置されていて、 前記溝部への開口部分の開口幅寸法aと深さ寸法bは、 可動ピックアップトロリーのワイパー204が前記開口部分の隙間を介して前記導電体に接触できる寸法で、前記導電体を保護できる寸法に設定されている。 また、前記本体部の下方部分には、前記トロリーのローリングパスとなる一対のリブ(棚部)106,107が一体に形成されている。 【0033】前記したように、ストリップ導電体10 5,105'に外部から集電子としてのワイパーが接触できることにより、前記ストリップ導電体105,10 5'が外部から視認でき、これによって、電気火花の痕跡やワイパーなどの集電子の異常な摩耗状態を必要に応じて調査したり、検知したりする作業が容易に行える。 さらに、複数の前記櫓状の装置本体を接続して構成した長い装置本体に長く連続した長いストリップ導電体を配設することができ、この配設作業も合わせた前記溝に前記長い連続のストリップ導電体を配置し、これをぴんと引張して配置すればよく、簡単に作業が行え、複数のストリップ導電体を添接させる必要がない。 さらに、前記装置本体の個々にストリップ導電体を配置し、該ストリップ導電体の自由端部を前記装置本体の壁面側に折り返し、個々の前記装置本体を連結するときに、互いに相手方の前記装置本体における折り返された部分のストリップ導電体同士を電気的に接続させることもできる。 【0034】前記した装置本体100のロ字状の本体部101は、閉止断面になっているので、構造強度にすぐれ、前記可動ピックアップトロリーの回転運動に充分耐えることができ、さらに、前記可動ピックアップトロリーが回転中に外れたりするおそれがない。 図1に図示された装置本体100は、ビーム状のもので、矩形断面を有しているが、他の断面形状、例えば、正方形、三角形(図6参照)、多角形などの断面形状でもよい。 【0035】前記したように、装置本体100は、導電体105が配置される左右側面側の溝部103と導電体105'が配置される底面側の溝部103とを備える。 しかしながら、前記溝部の数は、図示のものに限定されない。 図示の構成の左右に位置する溝部においては、装置本体100の垂直方向の中心軸線Pに対し垂直方向にトロリーのラテラルチークに支持されたワイパー204 が互いに接近してアクセスでき、さらに、トロリーの回転ローラー201,202は、外部に対し開放状態の棚部116,117に対し簡単に位置決めできる。 【0036】前記した溝部103は、断面がT字状のものであり、開放された部分108はワイパー204などが挿通される開放部であり、奥部109は、ストリップ導電体105,105'のハウジングとなる。 前記溝1 03それぞれの幅寸法aは、ワイパー204などの集電子が挿通できる充分な寸法のものであると共に作業者の指などが差し込めない幅寸法になっていて、感電事故が防げる仕組みになっている(フランス規格NFC200 10による保安基準としてのIP2タイプ)。 前記溝1 03の奥行寸法bは、ストリップ導電体105,10 5'の完全な保護に充分な寸法になっている。 前記溝1 03は、平行な壁111で範囲が限定されており、これらの壁は、図1の実施例においては、補強壁112と一体または接合している。 各溝103の壁111は、中心の線または面Pに対し垂直であり、ストリップ導電体1 05の保護屋根または庇として作用する。 接地導電体105'と関連の溝103は、前記の他の溝103と同じ保護構造を有している。 また、位相導電体105をさらに保護するために、保護庇113が左右の側方へ張り出しており、埃や雨水、雨滴から前記導電体を保護する。 【0037】図1に示すように、断面T形状の溝103 の各々の奥部109は、ストリップ導電体105の厚さよりも余裕のある大きな隙間寸法を有し、例えば、40 アンペアの厚さ1mmのストリップ導電体から140アンペアの容量で厚さ3.5mmの幅寸法10mmの銅またはスチールのストリップ導電体などの寸法が種々異なるストリップ導電体を収容できる寸法になっている。 図3 に示す実施例においては、断面T形状の溝103の奥部109'は、段部110を有する二段階の幅寸法と深さ寸法を有し、種々異なる幅寸法と厚さ寸法の導電体10 5,105'に対応できるようになっている。 各ストリップ導電体105,105'は、溝の底部にぴったり納められるもので、また図3の例においては、特に長い溝の場合、ストリップ導電体が凸凹に敷設されないように、ストリップ導電体を前記段部で抑えこむことができるようになっている。 【0038】図2に示すように、装置本体100の自由端部には、溝103の底部に相当する壁部分104の端面にノッチまたは凹部118が設けられていて、ストリップ導電体105または105'の端部を前記装置本体100の両端部それぞれにおいて、前記壁部分104の凹部にそって本体部101側へ図5に示すように折り曲げ、壁部分104の内面に添接されている。 このように凹部は装置本体100同士を端部と端部で接触させるようになっており、ローリングトラック106,107の連続性を確保すると共に壁部分104とストリップ導電体の曲げ部分との間に遊び空間を残し、装置本体の素材とストリップ導電体の素材の熱膨張の差を吸収できるようになっている。 そして、装置本体100の本体部10 1の内面には、互いに対となっているリブまたは段部1 19が装置本体の長さ方向に設けられた溝103の背面の位置に設けられており、各リブまたは段部は、ストリップ導電体105,105'の曲げられた端部を支持し、位置決めストッパーとして作用する。 図1の断面図に示すように、互いに隣り合う前記リブまたは段部は、 断面V形状のV溝120を介して連接し、隣り合うストリップ導電体105の曲げ端部の間のリーケージパスを増加させている。 【0039】各装置本体100は、その下部に二つの突出したリブ106,107を有し、これらリブは、中心線または中心面Pの左右へ突き出ており、位相導電体1 05と関連する溝103のエントリーの方向と平行の方向に突き出ている。 これらリブは、可動ピックアップトロリーのローリングパスを構成する。 突出した各リブ1 06,107は、張り出ている壁111で覆われ、トロリーのローラー201,202に対する平行な回廊または廊下116,117を構成する。 これらの廊下11 6,117の開口寸法(高さ寸法)は、互いに異なり、 可動ピックアップトロリーのアッセンブリーにおいて、 取付方向を間違えないようにしてある。 図1に示す装置本体100は、天井壁123と屋根壁114とを有し、 吊り支部材2で吊り支えられるようになっている。 【0040】図4は、図1の装置本体の変形例であり、 ストリップ導電体は、図示省略されている。 図4の装置本体100は、図1の装置本体と基本的には同一であるが、溝103における横方向の壁111を連結する壁1 12がなく、その分、軽量化され、成形素材も節約されている。 そして、本体部の外側の四隅に切り欠き122 で切断された円形の溝部121が設けられ、これらの溝部121は、図示されていないアライメントペグ(隣接する装置本体同士の間の)を受けるもので、これらのペグは、前記切り欠きを介して溝部121に挿入される。 前記アリメントペグは、長さの長い装置本体同士を連結する場合に役立つ。 また、隣り合うリブ119の間の溝120は、断面U形状であり、これもリーケージパスを増加させる。 【0041】シース状の給電装置1は、複数の装置本体100同士を端部で長さ方向に連結して構成され、各装置本体に配置されるストリップ導電体は、電気的に接続されて、給電装置の長さ全長に亘り連続する。 【0042】変形例として、給電装置1は、複数の装置本体100同士を連結ブロックを介して端部連結するようにして、ストリップ導電体105,105'の電気的接続性を確保するようにしてもよい。 この場合、前記連結ブロックは、前記装置本体の本体部101の内部空間115に挿入される。 【0043】前記の内部空間115により、前記連結ブロックは、連結される装置本体の端部と接触する位置に配置されるもので、前記内部空間115は、また、装置本体に形成された硬い曲げ部材を受けることもできるようになっている。 【0044】図5に示すように、連結ブロック300 は、両側に円弧状に張り出た接触部302を有し、それらの曲面303は、リーフスプリングの作用をなしてストリップ導電体105,105'の内側に曲げられた端部に弾力的に当接する。 ストリップ導電体が互いに添接する領域においては、カーボンワイパー204の接触トラックは、約7mmの寸法の極めて短い長さ寸法cにわたりリトラクトするもので、これによって、ワイパー2 04の適当な寸法が選択されるもので、例えば、接触面27x5=135mm 2の場合、連結ゾーン通過の接触表面は、100mm 2に相当し、完全に充分な値を構成する。 図5には、ワイパー204に対するジャンクション撚り線205が図示されている。 【0045】この発明の他の例によれば、各連結ブロック300により、装置本体100同士の端部連結が確実になる。 図7に示すように、連結ブロック300は、電気絶縁素材による一体構造のブロック本体301に円弧状に張り出た接触部302が適当な数で設けられ、上部に二つのスリーブ308,309が設けられ、これらスリーブにネジ孔304,305が設けてあって、互いに連結すべき二つの装置本体100それぞれを前記ネジ孔にネジを螺合させて止着、連結させる。 図6に示すように、各装置本体100は、一端に丸い孔124を有し、 該孔に固定、連結のためのネジ306を挿通し、また、 他方の端部に横長のスリット125を設け、これに固定、連結のネジ307を通す。 このスリットは、図2にも示されている。 この場合、丸い孔124と長いスリット125とは、装置本体100の上部壁123に設けられている。 吊り支え、または、固定のための上部構造体114は、前記孔とスリット形成のために、連結部分で途切れていて、屋根壁113に着脱自在に取り付けられる覆い部材114'により、連結部分が覆われる。 図8 は、連結ブロック300を備えた装置本体を示すもので、覆い部材114'の取付状態と、外した状態とが示されている。 この覆い部材を取付けた連結部分の連結作業は、極めて簡単で、覆い部材114'を外した状態でネジ306を丸い孔124に螺合し、ネジ307をスリット125に挿入し、スリット125を設けた装置本体100に対し前記連結ブロックをスライドさせて連結すべき装置本体同士の位置合わせをしたあとに、前記ネジ307を締め付ける。 また、連結解除の作業も前記手順の逆を行えばよい。 【0046】図9から図14により、前記給電装置と可動のピックアップトロリーとの関連を説明する。 【0047】図9に示すように、可動のピックアップトロリー200は、中央部材208にボルト217止めされた一対の側面部材206,207を備え、前記中央部材208は、前記給電装置の装置本体の下側に通される。 側面部材206,207と中央部材208とにより、前記トロリーは、U字形の断面形状を備え、前記装置本体の下側から実装され、上部側が前記装置本体の屋根壁113に近接配置されるもので、これによってワイパー204とストリップ導電体105,105'を保護できるようになっている。 各側面部材206,207でワイパー204とローリングローラー201,202が保持され、該ワイパーは、前記装置本体のストリップ導電体105の方向へ突き出ており、前記ローリングローラーは、前記装置本体のローリングパス106,107 に支承されて、該パスにそって回転、走行する。 中央部材208それ自体は、前記装置本体の接地導電体10 5'に向けて突出するワイパー204を備える。 【0048】給電装置が、図9に示すように、断面矩形形状のビーム構成であれば、側面部材206,207 は、中央部材208に対し横方向に取り付けられる。 ワイパー204も、前記横方向にそって中心線Pを軸として対称に取り付けられる。 ワイパー204は、ストリップ導電体との接触を確実にするために、スプリング20 9で付勢されている。 このスプリング209は、ワイパーの軸に形成された盲孔に装着されており、図9に示すように、ワイパーには、撚り線205が接続し、この撚り線は、ジャンクションターミナル210に電気的に接続し、このターミナルには、ケーブル211が接続し、 該ケーブルは、中央部材208の下位にあるボックス2 12ヘ延びて、給電を行う。 図12に示すように、覆い部材213は、ボルト216により、側面部材206に着脱自由に取り付けられる。 図10に示すように、側面部材206、207は、ボルト217により、ストリップ導電体105'(接地導電体)に接触するワイパー2 04を備えた中央部材208に着脱自由に取り付けられる。 そして、図10に示すように、複数本(4本)のケーブル211が前記したストリップ導電体105,10 5'(4個の位相導電体と1個の接地導電体)と接触する前記ワイパーに接続し、前記装置本体の外部へ配線される。 【0049】図12から図14は、可動のピックアップトロリー200の側面部材206の詳細を示す。 該側面部材には、図12,13に示すように、二つのワイパー204,204に関連する突起215が突出し、長く突出するレバーアームをなくす役目がある。 また、ローリングローラー201を支承するラグ214も前記側面部材に形成されている。 図13に示すように、覆い部材2 13で覆われた側面部材の部分には、撚り線205、ジャンクションターミナル210、ケーブル21などが配置されている。 覆い部材213を取り外しするには、ボルト216を外せばよく、ボルト216を緩めれば、ワイパー204に作用するスプリング209の付勢力を弱め、さらには、可動ピックアップトロリーの取り外しが可能となる。 【0050】図15は、この発明の他の実施例を示す。 給電装置の装置本体100は、中心線Pの両側面にクリップ止めの覆い部材が取り付けてある。 図示のように、 装置本体100は、覆い部材の屋根部材113''' と垂下した壁部材114''とを有しており、屋根部材11 3''' の内面に設けられたリム114''' により係合取付が行われる。 前記壁部材114''は、ワイパーを含む前記側面部材を覆う。 このようにして、覆い部材により埃や雨水などから前記トロリーを含む給電装置全体を守り、屋外での使用に有効であり、悪天候などの条件にも耐え、安全な使用が確保される。 また、装置本体100 は、上位に端縁113''がカーブしたリブ113'を有し、該リブの下側に縦軸のローラー201',202' (トロリー200に支持されている)が配置されて、これらローラーのローリングパスが構成されている。 これらのローラーは、前記トロリーの上位部分を案内する。 また、水平軸のローラーを前記リブ113'に作用させ、可動のピックアップトロリーの転覆を防ぐこともできる。 図15に示した給電装置の装置本体には、左右側面それぞれに3個の位相導電体105が配置され、接地導電体105'は、装置本体の下部に位置する。 【0051】図16は、他の実施例を示すもので、給電装置の装置本体100'は、断面三角形形状のビーム構成のもので、頂点と底面とが対面し、壁部分104は、 斜めに傾斜し、左右対称になっている。 この例においては、平行な部分がない。 したがって、トロリーのワイパーは、矢印400,401の方向からストリップ導電体105に接触するもので、構造が堅牢となり、埃や雨水も浸入し難い。 この例では、ストリップ導電体105 は、両側に2個づつである。 屋根板113が前記溝に対しオーバーハングの状態に張り出し、さらに、溝111 の壁や屋根板113の傾斜によって、雨水や埃が溜ったり、内部へ侵入したりせず、屋外使用に最適である。 【0052】 【発明の効果】この発明によれば、ストリップ導電体の内部設置による点検作業の困難性、給電装置の装置本体の強度不足さらには可動のピックアップトロリーの実装作業の困難性などの従来構造において問題となっている点すべてを解決した給電装置が提供される。 【図面の簡単な説明】 【図1】 この発明の一実施例における給電装置の装置本体の断面図を示す。 【図2】 前記装置本体の斜視図である。 【図3】 ストリップ導電体を配置する溝の前記実施例の他の実施例を示す拡大断面図である。 【図4】 装置本体の他の実施例を示す断面図である。 【図5】 連結ブロックにより連結される前記装置本体の連結状態を示す要部拡大断面平面図である。 【図6】 同じく連結ブロックにより連結される前記装置本体の連結状態を示す要部拡大断面側面図である。 【図7】 連結ブロックの一例を示す斜視図である。 【図8】 この発明の他の実施例における給電装置の装置本体の断面図を示し、屋根部分が取り外された状態と取り付けた状態の両状態を示している。 【図9】 可動のピックアップトロリーを本発明の給電装置に実装した一部切断正面図である。 【図10】 図9の実施例において、側面の覆い部材を取り外した状態のピックアップトロリーの側面部材における内部構造を示す側面図である。 【図11】 ワイパーの取付構造を示す説明図である。 【図12】 前記ピックアップトロリーの側面構造を示す側面図である。 【図13】 他の例における側面の覆い部材を取り外した状態のピックアップトロリーの側面部材における内部構造を示す側面図である。 【図14】 図13のXIV-XIV 線矢視方向の断面図である。 【図15】 可動のピックアップトロリーを本発明の給電装置に実装した他の例の一部切断正面図である。 【図16】 本発明の他の実施例における給電装置の装置本体の断面図である。 【符号の説明】 100 給電装置 101 ビーム状の装置本体部 103 ストリップ導電体が配設される溝 105,105 ストリップ導電体 106,107 可動ピックアップトロリーのローラーのパス 204 可動ピックアップトロリーのワイパー |