多回路の素線間止構造

申请号 JP2014062034 申请日 2014-03-25 公开(公告)号 JP6131894B2 公开(公告)日 2017-05-24
申请人 住友電装株式会社; 发明人 若林 正剛; 長谷川 和人;
摘要
权利要求

被覆材を切除した皮剥ぎ素線露出部を中途に有し前記皮剥ぎ素線露出部において2つ折りにされた複数の被覆電線と、 複数の前記被覆電線の前記皮剥ぎ素線露出部同士が短絡しないように複数の前記被覆電線を保持する非導電性の電線保持体と、 前記電線保持体、複数の前記被覆電線の前記電線保持体に保持された部分および前記皮剥ぎ素線露出部を収容する容器と、 前記容器内に少なくとも複数の前記被覆電線の前記皮剥ぎ露出部が浸漬するように充填され、かつ複数の前記被覆電線の前記皮剥ぎ素線露出部から素線間に浸透した状態で硬化している熱硬化促進性止剤と、を備えたことを特徴とする多回路の素線間止水構造。前記容器は、一端部が閉止している熱収縮チューブにより形成され、前記熱硬化促進性止水剤を充填した後、加熱により縮径された形状であることを特徴とする請求項1に記載の多回路の素線間止水構造。前記容器は、熱収縮チューブにより形成され、一端部内に止め栓が収容され、かつ一端部が加熱により縮径されて、前記止め栓で閉じられ、前記熱硬化促進性止水剤を充填した後、加熱により全長にわたり縮径された形状であることを特徴とする請求項1に記載の多回路の素線間止水構造。前記電線保持体は、筒状部と、前記筒状部の長手方向に所定の間隔をおき、かつ前記筒状部から径方向外側に向けて放射状に突出する複数のフック部とを、有して構成され、 複数の前記被覆電線は、前記皮剥ぎ素線露出部が前記電線保持体の前記筒状部にループ状に巻き掛けられるとともに、前記皮剥ぎ素線露出部同士が短絡しないように前記電線保持体の所定の前記フック部に支持されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の多回路の素線間止水構造。前記電線保持体は、平行に延びる複数の溝部と、複数の前記溝部の底面部から突出するフック部と、を有して構成され、 複数の前記被覆電線は、前記皮剥ぎ素線露出部同士が短絡しないように前記電線保持体の前記溝部に挿入されるとともに、前記皮剥ぎ素線露出部が前記電線保持体の前記フック部にループ状に巻き掛けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の多回路の素線間止水構造。前記電線保持体は、平板部と、前記平板部の一側面部から突出する多数のフック部と、を有して剣山状に構成され、 複数の前記被覆電線は、前記皮剥ぎ素線露出部同士が短絡しないように前記電線保持体の前記フック部にループ状に巻き掛けられ、前記皮剥ぎ素線露出に隣接する部分が前記電線保持体の互いに隣接する所定の前記フック部により電線径方向に挟持されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の多回路の素線間止水構造。前記電線保持体は、一端部から他端部に向けて貫通する電線挿通部を有して構成され、 複数の前記被覆電線は、前記電線保持体の前記電線挿通部に挿通され、前記皮剥ぎ素線露出部同士が短絡しないように前記電線保持体の外部に突出していることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の多回路の素線間止水構造。

说明书全文

本発明は、多回路の素線間止構造に関する。

従来、自動車に配索されるワイヤハーネスを構成する被覆電線の端末スプライス部の防水処理構造として、熱収縮チューブと、熱硬化促進性止水剤とを用いたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。

図10は特許文献1に記載された端末スプライス部の防水構造を示す。図10において、端末スプライス部の防水構造は、複数の被覆電線101の端部から露出する素線露出部101aを溶接して端末スプライス部101bを形成し、筒状の熱収縮チューブ102aの下端部を止め栓102bにより閉止した容器102を形成し、容器102内に端末スプライス部101を収容するとともに、熱硬化促進性止水剤103を充填し、その後、容器102を全体的に加熱して熱収縮させるとともに、熱硬化促進性止水剤103を硬化させた構成を有している。

特開2006−81319号公報

しかしながら、従来の端末スプライス部の防水構造は、端末スプライス部101bを共有して素線間止水を行うことができるものであり、多回路の素線間止水については考慮されていない。

本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、多回路を構成する複数の被覆電線の素線間止水を1まとめにすることができる多回路の素線間止水構造を提供することを目的とする。

本発明に係る多回路の素線間止水構造は、上記目的を達成するため、被覆材を切除した皮剥ぎ素線露出部を中途に有し前記皮剥ぎ素線露出部において2つ折りにされた複数の被覆電線と、複数の前記被覆電線の前記皮剥ぎ素線露出部同士が短絡しないように複数の前記被覆電線を保持する非導電性の電線保持体と、前記電線保持体、複数の前記被覆電線の前記電線保持体に保持された部分および前記皮剥ぎ素線露出部を収容する容器と、前記容器内に少なくとも複数の前記被覆電線の前記皮剥ぎ露出部が浸漬するように充填され、かつ複数の前記被覆電線の前記皮剥ぎ素線露出部から素線間に浸透した状態で硬化している熱硬化促進性止水剤と、を備えた構成である。

この構成により、本発明に係る多回路の素線間止水構造は、容器内に充填した熱硬化促進性止水剤が、電線保持体に保持されている複数の被覆電線の皮剥ぎ素線露出部から被覆電線の素線間に、毛細管現象により浸透して硬化する。よって、本発明に係る多回路の素線間止水構造は、多回路を構成する複数の被覆電線の素線間止水を1まとめにすることができる。

上述した構成の多回路の素線間止水構造において、前記容器は、一端部が閉止している熱収縮チューブにより形成され、前記熱硬化促進性止水剤を充填した後、加熱により縮径された形状であることが好ましい。

この構成により、本発明に係る多回路の素線間止水構造は、容器が縮径された形状であるので、例えば、ワイヤハーネスに適用する場合に、容器の形状に応じてワイヤハーネスに形成される凸部を小さくすることができ、ワイヤハーネスの配索に際して凸部と他の部材とが干渉し難くなる。

また、上述した多回路の素線間止水構造において、前記容器は、熱収縮チューブにより形成され、一端部内に止め栓が収容され、かつ一端部が加熱により縮径されて、前記止め栓で閉じられ、前記熱硬化促進性止水剤を充填した後、加熱により全長にわたり縮径された形状であることが好ましい。

この構成により、本発明に係る多回路の素線間止水構造は、容器が全長にわたり縮径された形状であるので、例えば、ワイヤハーネスに適用する場合に、容器の形状に応じてワイヤハーネスに形成される凸部を小さくすることができ、ワイヤハーネスの配索に際して凸部と他の部材とが干渉し難くなる。

また、上述した多回路の素線間止水構造において、前記電線保持体は、筒状部と、前記筒状部の長手方向に所定の間隔をおき、かつ前記筒状部から径方向外側に向けて放射状に突出する複数のフック部とを、有して構成され、複数の前記被覆電線は、前記皮剥ぎ素線露出部が前記電線保持体の前記筒状部にループ状に巻き掛けられるとともに、前記皮剥ぎ素線露出部同士が短絡しないように前記電線保持体の所定の前記フック部に支持されていることが好ましい。

また、上述した多回路の素線間止水構造において、前記電線保持体は、平行に延びる複数の溝部と、複数の前記溝部の底面部から突出するフック部と、を有して構成され、複数の前記被覆電線は、前記皮剥ぎ素線露出部同士が短絡しないように前記電線保持体の前記溝部に挿入されるとともに、前記皮剥ぎ素線露出部が前記電線保持体の前記フック部にループ状に巻き掛けられていることが好ましい。

また、上述した多回路の素線間止水構造において、前記電線保持体は、平板部と、前記平板部の一側面部から突出する多数のフック部と、を有して剣山状に構成され、複数の前記被覆電線は、前記皮剥ぎ素線露出部同士が短絡しないように前記電線保持体の前記フック部にループ状に巻き掛けられ、前記皮剥ぎ素線露出に隣接する部分が前記電線保持体の互いに隣接する所定の前記フック部により電線径方向に挟持されていることが好ましい。

また、上述した多回路の素線間止水構造において、前記電線保持体は、一端部から他端部に向けて貫通する電線挿通部を有して構成され、複数の前記被覆電線は、前記電線保持体の前記電線挿通部に挿通され、前記皮剥ぎ素線露出部同士が短絡しないように前記電線保持体の外部に突出していることが好ましい。

本発明によれば、多回路を構成する複数の被覆電線の素線間止水を1まとめにすることができる多回路の素線間止水構造を提供することができる。

本発明の第1の実施の形態に係る多回路の素線間止水構造において、電線保持体および複数の被覆電線の皮剥ぎ素線露出部を含む電線延長方向中間部を収容した容器内に熱硬化促進性止水剤を充填して硬化させる工程を示す概略構成図である。

本発明の第1の実施の形態に係る多回路の素線間止水構造において、電線保持体に電線を組み付ける工程を示す概略構成図である。

本発明の第1の実施の形態に係る多回路の素線間止水構造において、電線保持体のフランジ部にカバーを組み付ける工程を示す斜視図である。

本発明の第2の実施の形態に係る多回路の素線間止水構造において、電線保持体および複数の被覆電線の皮剥ぎ素線露出部を含む電線延長方向中間部を収容した容器内に熱硬化促進性止水剤を充填して硬化させる工程を示す概略構成図である。

本発明の第2の実施の形態に係る多回路の素線間止水構造において、電線保持体のフランジ部にカバーを組み付ける工程を示す斜視図である。

本発明の第3の実施の形態に係る多回路の素線間止水構造において、電線保持体および複数の被覆電線の皮剥ぎ素線露出部を含む電線延長方向中間部を収容した容器内に熱硬化促進性止水剤を充填して硬化させる工程を示す概略構成図である。

本発明の第3の実施の形態に係る多回路の素線間止水構造において、電線保持体に電線を組み付ける工程を示す斜視構成図である。

本発明の第4の実施の形態に係る多回路の素線間止水構造において、電線保持体および複数の被覆電線の皮剥ぎ素線露出部を含む電線延長方向中間部を収容した容器内に熱硬化促進性止水剤を充填して硬化させる工程を示す概略構成図である。

本発明の第4の実施の形態に係る多回路の素線間止水構造において、電線保持体に電線を組み付ける工程を示す斜視図である。

従来の端末スプライス部の防水構造を示す概略構成図である。

次に、本発明に係る多回路の素線間止水構造の実施の形態について図面を参照して説明する。

(第1の実施の形態) 図1に示すように、本実施の形態に係る多回路の素線間止水構造は、多回路を構成する複数の被覆電線10と、各被覆電線10を保持する電線保持体20と、電線保持体20および複数の被覆電線10の所定部分を収容する有底構造の容器30と、容器30内に充填される熱硬化促進性止水剤40と、を有して構成されている。

各被覆電線10は、図2に示すように、被覆材10aを切除した皮剥ぎ素線露出部10bを中途に有し、皮剥ぎ素線露出部10bにおいて2つ折りにされている。

電線保持体20は、図3に示すように、非導電性材料によって形成され、上下方向に延びる筒状部20aと、筒状部20aの下端部、上下方向中間部および下端部に設けたフランジ部20bと、隣接するフランジ部20bの間に位置するように筒状部20aから径方向外側に向けて放射状に突出する複数の細棒状のフック部20cと、各フランジ部20bの外縁部の半周を超える範囲に接して筒状部20aの所定範囲および所定のフック部20cを覆うように各フランジ部20bに係合する格子状のカバー20dとを、有して構成されている。

各被覆電線10は、皮剥ぎ素線露出部10bが電線保持体20の筒状部20aにループ状に巻き掛けられるとともに、皮剥ぎ素線露出部10b同士が短絡しないように所定のフック部20cに支持されており、カバー20dによって皮剥ぎ素線露出部10bがフック部20cから脱落しないように保護されている。

容器30は、図1に示すように、上下に延びる熱収縮チューブ30aと、熱収縮チューブ30aの下端部に収容した止め栓30bと、を有して構成されており、熱収縮チューブ30aの一端部が加熱により縮径されて止め栓30bで閉じられている。この容器30は、電線保持体20、複数の被覆電線10の電線保持体20に保持された部分および皮剥ぎ素線露出部10bを収容するようになっている。

熱硬化促進性止水剤40としては、2液エポキシ止水剤が好ましい。2液エポキシ止水剤は、主剤と硬化剤とによって構成され、容器30内に電線保持体20、複数の被覆電線10の電線保持体20に保持された部分および皮剥ぎ素線露出部10bが浸漬するように充填され、かつ複数の被覆電線10の皮剥ぎ素線露出部10bから素線間に毛細管現象により浸透した状態で硬化している。

多回路を構成する複数の被覆電線10の素線間止水を行うときには、図2に示すように、各被覆電線10の皮剥ぎ素線露出部10bを、電線保持体20の筒状部20aにループ状に巻き掛けるとともに、皮剥ぎ素線露出部10b同士が短絡しないように所定のフック部20cに支持させる。

また、図3に示すように、各フランジ部20bに格子状のカバー20dを筒状部20aの所定範囲および所定のフック部20cを覆うように係合させて、各被覆電線10の皮剥ぎ素線露出部10bがフック部20cから脱落しないように保護する。

次いで、図1に示すように、電線保持体20、複数の被覆電線10の電線保持体20に保持された部分および皮剥ぎ素線露出部10bを容器30に収容する。このとき、容器30の外部において図示しない治具により被覆電線10を支持し、容器30の内底部に対して電線保持体20の下端部が所定の間隔を保つようにする。

この後、容器30内に未硬化状態の熱硬化促進性止水剤40を、電線保持体20、複数の被覆電線10の電線保持体20に保持された部分および皮剥ぎ素線露出部10bが浸漬するように充填して、複数の被覆電線10の皮剥ぎ素線露出部10bから素線間に毛細管現象により浸透させる。

さらに、容器30を全体的に所定温度に加熱して熱収縮により縮径させるとともに、容器30内の熱硬化促進性止水剤40および被覆電線10の素線間に浸透した状態の熱硬化促進性止水剤40を熱硬化させる。

本実施の形態に係る多回路の素線間止水構造は、容器30内に充填した熱硬化促進性止水剤40が、電線保持体20に保持されている複数の被覆電線10の皮剥ぎ素線露出部10bから被覆電線10の素線間に毛細管現象により浸透した状態で硬化する。このため、本実施の形態に係る多回路の素線間止水構造は、多回路を構成する複数の被覆電線10の素線間止水を1まとめにすることができる。

また、本実施の形態に係る多回路の素線間止水構造は、容器30を全体的に熱収縮により縮径させている。このため、本実施の形態に係る多回路の素線間止水構造は、例えば、ワイヤハーネスに適用する場合に、容器30の形状に応じてワイヤハーネスに形成される凸部を小さくすることができ、ワイヤハーネスの配索に際して凸部と他の部材とが干渉し難くなる。

(第2の実施の形態) 図4に示すように、本実施の形態に係る多回路の素線間止水構造は、多回路を構成する複数の被覆電線10と、各被覆電線10を保持する電線保持体21と、電線保持体21および複数の被覆電線10の所定部分を収容する有底構造の容器30と、容器30内に充填される熱硬化促進性止水剤40と、を有して構成されている。被覆電線10、容器30は、図1に示すものと同様な構造であるので詳細については説明を省略する。

電線保持体21は、図5に示すように、非導電性材料によって形成され、平行に延びる複数の溝部21aと、各溝部21aの底面部から溝部延長方向に対して直交する向きに突出する細棒状のフック部21bと、各溝部21aの底面部から隆起する凸湾曲部21cと、各凸湾曲部21cに間隔をおいて対向する押え部21dと、を有して構成されている。

各被覆電線10は、皮剥ぎ素線露出部10b同士が短絡しないように電線保持体21の溝部21aに挿入されるとともに、皮剥ぎ素線露出部10bが電線保持体21のフック部21bにループ状に巻き掛けられている。また、各被覆電線10の皮剥ぎ素線露出部10bに隣接する個所は、電線保持体21の凸湾曲部21cと押え部21dにより電線径方向に挟持されている。

多回路を構成する複数の被覆電線10の素線間止水を行うときには、図5に示すように、各被覆電線10を電線保持体21の溝部21aに挿入するとともに、皮剥ぎ素線露出部10bを電線保持体21のフック部21bにループ状に巻き掛ける。

次いで、図4に示すように、電線保持体21、複数の被覆電線10の電線保持体21に保持された部分および皮剥ぎ素線露出部10bを容器30に収容する。このとき、容器30の外部において図示しない治具により被覆電線10を支持し、容器30の内底部に対して電線保持体21の下端部が所定の間隔を保つようにする。

この後、容器30内に未硬化状態の熱硬化促進性止水剤40を、電線保持体21、複数の被覆電線10の電線保持体21に保持された部分および皮剥ぎ素線露出部10bが浸漬するように充填して、複数の被覆電線10の皮剥ぎ素線露出部10bから素線間に毛細管現象により浸透させる。

さらに、容器30を全体的に所定温度に加熱して熱収縮により縮径させるとともに、容器30内の熱硬化促進性止水剤40および被覆電線10の素線間に浸透した状態の熱硬化促進性止水剤40を熱硬化させる。

本実施の形態に係る多回路の素線間止水構造は、容器30内に充填した熱硬化促進性止水剤40が、電線保持体21に保持されている複数の被覆電線10の皮剥ぎ素線露出部10bから被覆電線10の素線間に毛細管現象により浸透した状態で硬化する。このため、本実施の形態に係る多回路の素線間止水構造は、多回路を構成する複数の被覆電線10の素線間止水を1まとめにすることができる。

また、本実施の形態に係る多回路の素線間止水構造は、容器30を全体的に熱収縮により縮径させている。このため、本実施の形態に係る多回路の素線間止水構造は、例えば、ワイヤハーネスに適用する場合に、容器30の形状に応じてワイヤハーネスに形成される凸部を小さくすることができ、ワイヤハーネスの配索に際して凸部と他の部材とが干渉し難くなる。

(第3の実施の形態) 図6に示すように、本実施の形態に係る多回路の素線間止水構造は、多回路を構成する複数の被覆電線10と、各被覆電線10を保持する電線保持体22と、電線保持体22および複数の被覆電線10の所定部分を収容する有底構造の容器30と、容器30内に充填される熱硬化促進性止水剤40と、を有して構成されている。被覆電線10、容器30は、図1に示すものと同様な構造であるので詳細については説明を省略する。

電線保持体22は、図7に示すように、非導電性材料によって形成され、平板部22aと、平板部22aの一側面部から突出する多数の細棒状のフック部22bと、を有して剣山状に構成されている。

各被覆電線10は、皮剥ぎ素線露出部10b同士が短絡しないように電線保持体22のフック部22bにループ状に巻き掛けられ、皮剥ぎ素線露出部10bに隣接する部分が電線保持体22の互いに隣接する所定のフック部22bにより電線径方向に挟持されている。

多回路を構成する複数の被覆電線10の素線間止水を行うときには、図7に示すように、各被覆電線10の皮剥ぎ素線露出部10bを皮剥ぎ素線露出部10b同士が短絡しないように電線保持体22のフック部22bにループ状に巻き掛けるとともに、皮剥ぎ素線露出部10bに隣接する部分を互いに隣接する所定のフック部22bに挟持させる。

次いで、図6に示すように、電線保持体22、複数の被覆電線10の電線保持体22に保持された部分および皮剥ぎ素線露出部10bを容器30に収容する。このとき、容器30の外部において図示しない治具により被覆電線10を支持し、容器30の内底部に対して電線保持体22の下端部が所定の間隔を保つようにする。

この後、容器30内に未硬化状態の熱硬化促進性止水剤40を、電線保持体22、複数の被覆電線10の電線保持体22に保持された部分および皮剥ぎ素線露出部10bが浸漬するように充填して、複数の被覆電線10の皮剥ぎ素線露出部10bから素線間に毛細管現象により浸透させる。

さらに、容器30を全体的に所定温度に加熱して熱収縮により縮径させるとともに、容器30内の熱硬化促進性止水剤40および被覆電線10の素線間に浸透した状態の熱硬化促進性止水剤40を熱硬化させる。

本実施の形態に係る多回路の素線間止水構造は、容器30内に充填した熱硬化促進性止水剤40が、電線保持体22に保持されている複数の被覆電線10の皮剥ぎ素線露出部10bから被覆電線10の素線間に毛細管現象により浸透した状態で硬化する。このため、本実施の形態に係る多回路の素線間止水構造は、多回路を構成する複数の被覆電線10の素線間止水を1まとめにすることができる。

また、本実施の形態に係る多回路の素線間止水構造は、容器30を全体的に熱収縮により縮径させている。このため、本実施の形態に係る多回路の素線間止水構造は、例えば、ワイヤハーネスに適用する場合に、容器30の形状に応じてワイヤハーネスに形成される凸部を小さくすることができ、ワイヤハーネスの配索に際して凸部と他の部材とが干渉し難くなる。

(第4の実施の形態) 図8に示すように、本実施の形態に係る多回路の素線間止水構造は、多回路を構成する複数の被覆電線10と、各被覆電線10を保持する電線保持体23と、電線保持体23および複数の被覆電線10の所定部分を収容する有底構造の容器30と、容器30内に充填される熱硬化促進性止水剤40と、を有して構成されている。被覆電線10、容器30は、図1に示すものと同様な構造であるので詳細については説明を省略する。

電線保持体23は、図9に示すように、非導電性材料によって形成され、一端部から他端部に向けて貫通する電線挿通部23aを有して構成されている。

各被覆電線10は、電線保持体23の電線挿通部23aに挿通され、皮剥ぎ素線露出部10b同士が短絡しないように電線保持体23の外部に突出するとともに、被覆材10aにより被覆されている部分が、電線挿通部23aの内周部に対して締り嵌め状態となって固定されている。

多回路を構成する複数の被覆電線10の素線間止水を行うときには、図9に示すように、各被覆電線10を電線保持体23の電線挿通部23aに挿通し、皮剥ぎ素線露出部10b同士が短絡しないように電線保持体23の外部に突出させる。

次いで、図8に示すように、電線保持体23、複数の被覆電線10の電線保持体23に保持された部分および皮剥ぎ素線露出部10bを容器30に収容する。このとき、容器30の外部において図示しない治具により被覆電線10を支持し、容器30の内底部に対して電線保持体23の下端部が所定の間隔を保つようにする。

この後、容器30内に未硬化状態の熱硬化促進性止水剤40を、電線保持体23、複数の被覆電線10の電線保持体23に保持された部分および皮剥ぎ素線露出部10bが浸漬するように充填して、複数の被覆電線10の皮剥ぎ素線露出部10bから素線間に毛細管現象により浸透させる。

さらに、容器30を全体的に所定温度に加熱して熱収縮により縮径させるとともに、容器30内の熱硬化促進性止水剤40および被覆電線10の素線間に浸透した状態の熱硬化促進性止水剤40を熱硬化させる。

本実施の形態に係る多回路の素線間止水構造は、容器30内に充填した熱硬化促進性止水剤40が、電線保持体23に保持されている複数の被覆電線10の皮剥ぎ素線露出部10bから被覆電線10の素線間に毛細管現象により浸透した状態で硬化する。このため、本実施の形態に係る多回路の素線間止水構造は、多回路を構成する複数の被覆電線10の素線間止水を1まとめにすることができる。

また、本実施の形態に係る多回路の素線間止水構造は、容器30を全体的に熱収縮により縮径させている。このため、本実施の形態に係る多回路の素線間止水構造は、例えば、ワイヤハーネスに適用する場合に、容器30の形状に応じてワイヤハーネスに形成される凸部を小さくすることができ、ワイヤハーネスの配索に際して凸部と他の部材とが干渉し難くなる。

本発明は、上記の実施の形態に限定されるものでなく、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的範囲には、発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々、設計変更した形態が含まれる。

以上説明したように、本発明に係る多回路の素線間止水構造は、多回路を構成する複数の被覆電線の素線間止水を1まとめにすることができるという効果を有し、多回路の素線間止水構造全般に有用である。

10 被覆電線 10a 被覆材 10b 素線露出部 20,21,22,23 電線保持体 30 容器 30a 熱収縮チューブ 30b 止め栓 40 熱硬化促進性止水剤

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