圧着端子および端子付き電線

申请号 JP2016223273 申请日 2016-11-16 公开(公告)号 JP2018081818A 公开(公告)日 2018-05-24
申请人 株式会社オートネットワーク技術研究所; 住友電装株式会社; 住友電気工業株式会社; 发明人 蜂矢 賀一; 宮本 賢次; 嶋田 高信; 西村 直也;
摘要 【課題】良好な機械的強度(保持 力 )と電気的性能(電気抵抗)とを両立することができ、なおかつ、安価に製造可能な圧着 端子 、および端子付き電線。 【解決手段】電線から露出された芯線に圧着されるワイヤバレルを備える圧着端子であって、前記ワイヤバレルのうち、前記電線の延びる延び方向における両端部より内側の中間領域に、前記芯線が配される側に切り起こされるとともに前記延び方向に沿って折り返された状態の折り返し片が設けられている。 【選択図】図8
权利要求

電線から露出された芯線に圧着されるワイヤバレルを備える圧着端子であって、 前記ワイヤバレルのうち、前記電線の延びる延び方向における両端部より内側の中間領域に、前記芯線が配される側に切り起こされるとともに前記延び方向に沿って折り返された状態の折り返し片が設けられている、圧着端子。前記ワイヤバレルのうち前記芯線が配される面には、前記折り返し片より前記延び方向における端部寄りの領域に、前記延び方向と交差する交差方向に延びる溝部が形成されている、請求項1に記載の圧着端子。複数の前記電線の各前記芯線を径方向に並列に並べて圧着することにより接続するスプライス端子である、請求項1または請求項2に記載の圧着端子。芯線を含む電線と、前記電線から露出された前記芯線に圧着されたワイヤバレルを備える圧着端子と、を備え、 前記ワイヤバレルのうち前記電線が延びる延び方向における両端部より内側の中間領域に、前記芯線側に切り起こされるとともに前記延び方向に沿って折り返された状態の折り返し片が設けられており、前記折り返し片が圧着された領域が前記芯線に対して高圧縮な状態とされた高圧縮部とされており、 前記ワイヤバレルのうち前記折り返し片より前記延び方向における端部寄りの領域は、前記芯線に対して前記高圧縮部より低圧縮な状態とされた低圧縮部とされている、端子付き電線。

说明书全文

本発明は、電線から露出された芯線に対して圧着される圧着端子および端子付き電線に関する。

従来より、電線から露出された芯線に、端子に設けられたバレルを外側から巻き付けるように圧着することにより、電気的導通を図った端子付き電線が知られている。

ところで、芯線の表面に酸化被膜が形成されると、芯線と端子、あるいは芯線同士の電気抵抗が大きくなることが懸念される。電気抵抗を小さくするためには、例えば芯線に対して高い圧でバレルを巻き付けることにより、芯線の表面の酸化被膜を破壊することが考えられる。この結果、芯線の表面に形成された酸化被膜が破れて芯線の新生面が露出し、この新生面同士、あるいは新生面と端子とが接触することにより、電気抵抗が小さくなる。

しかしながら上記の手法によると、芯線の断面積が大きく減少するため、機械的強度、すなわち、圧着端子が電線を保持する強度が低下する。特に芯線がアルミ製の場合には、素線表面の酸化被膜を破壊するために銅製の芯線と比較してより高圧縮で圧着しなければならないことが知られているが、背反として、素線切れの問題があり、素線切れを防止するためにはできる限り低圧縮で圧着することが望ましい。

上記の問題を解決するため、特許文献1では、バレルの端縁部に電線の軸方向に沿って延びる延出片を形成し、これをバレルの芯線の接触面に折り返す技術が開示されている。このような構成とすることにより、電線の軸方向の前後においてバレルの芯線に対する圧縮率に差を与えることができ、端子付き電線の機械的強度の確保と、芯線と端子、および、芯線同士の電気抵抗を小さくすることと、を両立させることが期待された。

特開2010−62097号公報

しかし上記の構成では、機械的強度が未だ充分とは言えず、改良の余地があった。すなわち、バレルの端縁部は特に保持力を高めたい部位であるにも関わらず、上記構成ではバレルの一方側の端縁部が高圧縮な状態とされるため、高圧縮とされた端縁部側における保持力が充分でない場合がある。

そこで、バレルの中間部分を高圧縮な状態とし、両端部を低圧縮な状態とするために、端子の中間部分に端子とは異なる別部材を重ね合わせることにより、端子の中間部分の厚さを厚くすることが考えられる。しかしそのような構成は、部品点数や作業工程が増えるとともに、コスト高を招くという問題があった。

本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、より良好な機械的強度(保持力)と電気的性能(電気抵抗)とを両立することができ、なおかつ、安価に製造可能な圧着端子、および端子付き電線を提供することを目的とするものである。

本発明は、電線から露出された芯線に圧着されるワイヤバレルを備える圧着端子であって、前記ワイヤバレルのうち、前記電線の延びる延び方向における両端部より内側の中間領域に、前記芯線が配される側に切り起こされるとともに前記延び方向に沿って折り返された状態の折り返し片が設けられている。

また本発明は、芯線を含む電線と、前記電線から露出された前記芯線に圧着されたワイヤバレルを備える圧着端子と、を備え、前記ワイヤバレルのうち前記電線が延びる延び方向における両端部より内側の中間領域に、前記芯線側に切り起こされるとともに前記延び方向に沿って折り返された状態の折り返し片が設けられており、前記折り返し片が圧着された領域が前記芯線に対して高圧縮な状態とされた高圧縮部とされており、前記ワイヤバレルのうち前記折り返し片より前記延び方向における端部寄りの領域は、前記芯線に対して前記高圧縮部より低圧縮な状態とされた低圧縮部とされている、端子付き電線である。

上述した本発明の圧着端子および端子付き電線によれば、ワイヤバレルのうち電線の延び方向における中間領域が芯線に対して高圧縮な状態(高圧縮部)とされ、ワイヤバレルの両端部は、低圧縮な状態(低圧縮部)とされる。すなわち、バレルの一方側の端部だけでなく、両側の端部における機械的強度(保持力)が高くなり、もって、全体的に保持力が優れる圧着端子および端子付き電線が得られる。

また、上述したようにバレルの中間領域は高圧縮な状態(高圧縮部)とされるから、この部分において電気的性能を確保することができる。

さらに、高圧縮部を形成する折り返し片は、一般的に使用されているワイヤバレルの中間領域を芯線が配される側に切り起こして折り返すだけで形成することができるから、専用の金型や端子の一部を肉厚とするための別部材が不要であり、安価に製造可能である。

圧着端子は、以下の構成を備えていてもよい。

ワイヤバレルのうち芯線が配される面には、折り返し片より延び方向における端部寄りの領域に、延び方向と交差する交差方向に延びる溝部が形成されていてもよい。

このような構成によれば、電線(芯線)に対する保持力がより高まる。

また圧着端子は、複数の電線の各芯線を径方向に並列に並べて圧着することにより接続するスプライス端子であってもよい。

本発明によれば、良好な機械的強度(保持力)と電気的性能(電気抵抗)とを両立することができ、なおかつ、安価に製造可能な圧着端子、および端子付き電線が得られる。

一実施形態の端子付き電線を示す斜視図

端子付き電線を示す側面図

スプライス端子の展開平面図

プレス加工したスプライス端子の平面図

スプライス端子の斜視図

スプライス端子の側面図

スプライス端子の背面図

端子付き電線の縦断面図

本発明の一実施形態を図1ないし図8を参照しつつ説明する。

本実施形態の端子付き電線10は、図1および図2に示すように、2本の電線11,12のうち1本を本線11とし、他の1本を支線12として、圧着端子としてのスプライス端子20により電線11,12同士を圧着して導通接続したものである。

(電線11,12) 電線11,12は、共に、複数の金属細線を撚り合わせてなる芯線13と、芯線13の外周を覆う合成樹脂製の絶縁被覆14とを備える。芯線13は、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金等、必要に応じて任意の金属を用いることができる。本実施形態においては、アルミニウム又はアルミニウム合金が用いられている。

本線11は、スプライス端子20により圧着される部分を含む所定の長さについて絶縁被覆14が除去されて、芯線13が露出している。一方支線12は、端末部の絶縁被覆14が除去されて芯線13が露出されている。本線11から露出した芯線13と支線12の端末部で露出した芯線13とは径方向に並列に並べられ、互いが接触した状態でスプライス端子20を外側から巻き付けるように圧着することで、本線11と支線12とが電気的に接続されている。

(スプライス端子20) スプライス端子20は、金属板材を所定形状にプレス加工することにより形成されている。金属板材は銅又は銅合金等、必要に応じて任意の金属を用いることができる。本実施形態では銅又は銅合金が用いられる。また、金属板材にはスズ、ニッケル等任意の金属によるメッキが施されていてもよい。本実施形態ではスズメッキが施されている。

図5に示すように、スプライス端子20は、並列に並べられた電線11,12の芯線13が載置される受け部21と、受け部21の両側部から斜め上方に立ち上がるように延出された概ね矩形状をなす一対のバレル片22,22と、を備えた、正面視略U字形状のワイヤバレルからなる。

受け部21は、芯線13を載置可能な凹み形状で湾曲した形状とされている。受け部21における電線11,12の延び方向Xの一方の端部21Aは、受け部21に配された本線11が外部に導出され、他方の端部21Bは、本線11および支線12が外部に導出される。以下、端部21A側を前方、端部21B側を後方として説明する。

一対のバレル片22,22は、圧着前の状態では、上述したように斜め上方に平板状に延びており、圧着後は、内方側に巻き込むように湾曲して本線11及び支線12の芯線13を押し潰して圧縮する。なお、芯線13におけるバレル片22,22が食い込む位置は、本線11及び支線12の双方の芯線13にバレル片22が食い込むようにすることができるが、これに限られず、本線11と支線12との境界部に食い込むようにしてもよい。

受け部21及び一対のバレル片22,22には、前後方向(電線11,12の延び方向X)と直交する方向(交差方向Y)に延びる複数の溝部23が、前端寄りおよび後端寄り(延び方向Xにおける両端部寄り)に2本ずつ並んで形成されている。前端寄りに形成された一対の溝部23A間の距離と、後端寄りに設けられた一対の溝部23B間の距離は、同等とされている(図3参照)。

本実施形態のスプライス端子20には、折り返し片25が設けられている。折り返し片25は、図3および図8に示すように、前後方向(延び方向X)における中央部分よりやや前方寄りの位置(中間領域の一例)において、受け部21から各一対のバレル片22,22にわたる領域の一部を芯線13の載置面側に向けて切り起こすとともに後方に向けて折り返し、受け部21およびバレル片22,22にほぼぴったり重ね合わせた状態とされている。

より詳細には、折り返し片25は、ワイヤバレルからなるスプライス端子20の左右方向(交差方向Y)に延びる第1縁部25Aと、第1縁部25Aの両端部から後方に向けて延びる一対の第2縁部25Bと、からなる切断線により囲まれた矩形の領域(片)を、後方に向けて折り返すとともに、下方に配された受け部21およびバレル片22,22に重ね合わせた状態とされている。

以下、スプライス端子20のうち、この折り返し片25が重ね合わされて肉厚とされた領域を肉厚部26とする。

肉厚部26の前後方向(延び方向X)の寸法は、図8に示すように、スプライス端子20(ワイヤバレル)のうち芯線13に圧着される圧着領域の寸法の約5分の1とされている。また、周方向の寸法は、スプライス端子20(ワイヤバレル)が芯線13に圧着された状態において、バレル片22,22の先端の内側に向けて巻き込まれる領域以外の領域に設けられるように設定されている。

肉厚部26は、スプライス端子20の板厚分だけ、その前後の領域(端部寄りの領域)よりも載置面側に向けて突出している。

(端子付き電線10の製造方法) 次に、本実施形態の端子付き電線10の製造方法について説明する。まず、金属板材をプレス機により打ち抜き加工し、展開形状の複数のスプライス端子20が帯状のキャリア30で連結された連鎖端子を形成する(図3参照)。次に、所定の位置に切り起こした矩形の折り返し片25を折り返し、載置面に重ね合わせる。また、受け部21および一対のバレル片22,22に曲げ加工を施し、キャリア30の連結部分を切断する切断工程を行うことにより、スプライス端子20を形成する。なお、キャリア30は、例えば圧着後に切断したり、圧着後に切断せずに残してもよい。

次に、電線11,12から露出された各芯線13をスプライス端子20の受け部21に並べて載置し、スプライス端子20を図示しない圧着装置のアンビル上に位置決めして、上方に配されたクリンパを下降させる。これにより、一対のバレル片22,22は芯線13に巻き付くように湾曲され、圧着される。

この時、スプライス端子20の一部には、折り返し片25が重ねられた肉厚部26が設けられているから、芯線13はスプライス端子20の前後方向において圧縮率が異なった状態とされる。

すなわち、図8に示すように、スプライス端子20(ワイヤバレル)のうち前後方向(延び方向X)における中間部では、芯線13は肉厚部26によりその前後の領域(端部寄りの領域)より強く圧縮されているので、高圧縮な状態とされている(高圧縮部27とする)。一方、スプライス端子20(ワイヤバレル)のうち前後方向における肉厚部26より両端部寄りの領域では、芯線13は高圧縮部より低圧縮な状態とされている(低圧縮部28とする)。

上述した本実施形態のスプライス端子20および端子付き電線10によれば、スプライス端子20、すなわち、ワイヤバレルのうち電線11,12の延び方向Xにおける中間領域が芯線13に対して高圧縮な状態(高圧縮部)とされ、ワイヤバレルの両端部は、低圧縮な状態(低圧縮部)とされる。すなわち、ワイヤバレルの一方側の端部だけでなく、両側の端部における機械的強度(保持力)が高くなり、もって、全体的に保持力が優れるスプライス端子20および端子付き電線10が得られる。

また、上述したようにワイヤバレルの中間領域は高圧縮な状態(高圧縮部)とされるから、この部分において電気的性能を確保することができる。

さらに、高圧縮部を形成する折り返し片25は、一般的に使用されているワイヤバレルの中間領域を芯線13が配される側に切り起こして折り返すだけでよく、専用の金型や端子の一部を肉厚とするための別部材が不要であり、安価に製造可能である。

また、ワイヤバレルのうち芯線13が配される面には、折り返し片25より延び方向Xにおける端部寄りの領域に、延び方向Xと交差する交差方向Yに延びる溝部26が形成されているから、電線11,12(芯線13)に対する保持力がより高まる。

<他の実施形態> 本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。

(1)上記実施形形態では、圧着端子がスプライス端子20である形態を示したが、例えば、圧着端子は電線の端末部に圧着され、相手側端子との接続部を備える雌型や雄型の圧着端子でもよい。

(2)また、本線11や支線12の本数は、上記実施形態に限らず、適宜変更することができる。

(3)上記実施形態では、ワイヤバレル(スプライス端子20)のうち芯線13を配する面に溝部26を設ける形態としたが、溝部26は省略してもよい。あるいは、溝部を設ける場合でも、位置や数は上記実施形態に限るものではない。

10:端子付き電線 11:本線(電線) 12:支線(電線) 13:芯線 14:絶縁被覆 20:スプライス端子(圧着端子、ワイヤバレル) 21:受け部 22:バレル片 23:溝部 25:折り返し片 26:肉厚部 27:高圧縮部 28:低圧縮部 X:延び方向 Y:交差方向

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