スタータ用電磁スイッチ装置

申请号 JP2017510833 申请日 2015-04-07 公开(公告)号 JP6309164B2 公开(公告)日 2018-04-11
申请人 三菱電機株式会社; 发明人 森本 芳宏;
摘要
权利要求

一対の主固定接点、主可動接点、吸引コイル及び保持コイルを有し、前記一対の主固定接点を介してモータの電気回路を開閉すると共に、前記吸引コイル及び保持コイルの付勢時にシフトレバーを介してオーバランニングクラッチを移動させる電磁スイッチと、 一対の副固定接点、副可動接点及び副コイルを有し、前記一対の副固定接点を前記電磁スイッチの前記吸引コイル及び保持コイルに接続され、始動信号に応じて、前記一対の副固定接点を介して前記電磁スイッチの前記吸引コイル及び保持コイルを付勢する補助リレーと、 導電材を打ち抜いて形成された複数のコネクタを有し、前記モータ電気回路及び前記吸引コイルと前記保持コイルに電を供給する電気回路を形成するコネクタ集合体とを備え、 前記コネクタ集合体は、 前記一対の副固定接点の一方とバッテリと接続するためのバッテリ端子を接続するコネクタ(A)と、 前記一対の副固定接点の他方と前記吸引コイルの一端および前記保持コイルの一端を接続するコネクタ(B)と、 前記吸引コイルの他端と前記モータと接続するためのモータ端子を接続するコネクタ(C)と、 前記副コイルの一端とS端子を接続するコネクタ(D)と、 前記コネクタ(A)と前記コネクタ(B)と前記コネクタ(C)と前記コネクタ(D)との少なくとも一対を一体に固定する樹脂部材とで構成されている ことを特徴とするスタータ用電磁スイッチ装置。モータへ電力を供給するモータ電気回路を形成し電気的および機械的に離れた位置に配置される一対の主固定接点と、 一端に前記一対の主固定接点の一方を構成すると共に、他端にバッテリのプラス側端子と電気的に接続する配線が固定されるバッテリ端子と、 一端に前記一対の主固定接点の他方を構成すると共に、他端に前記モータと接続する配線が固定されるモータ端子と、 前記一対の主固定接点の間を電気的に接続することで前記モータ電気回路を形成する主可動接点と、 前記主可動接点を前記一対の主固定接点の方向に移動させる磁性体からなる主可動鉄心と、 前記主可動鉄心との間で吸引力を発生する磁性体からなる主固定鉄心と、 前記主可動鉄心を前記主固定鉄心に吸引する磁界を発生する吸引コイルと、 前記主可動鉄心を吸引後の移動端に保持する磁界を発生する保持コイルと、 前記吸引コイルと前記保持コイルが発生する磁界の磁気回路であり磁性体からなる主継鉄と、 前記吸引コイルと前記保持コイルに電力を供給する電気回路を形成し電気的および機械的に離れた位置に配置される一対の副固定接点と、 前記一対の副固定接点の間を電気的に接続することで前記吸引コイルおよび前記保持コイルに電力を供給する電気回路を形成する副可動接点と、 前記副可動接点を前記一対の副固定接点の方向に移動させる推進力を発生する磁性体からなる副可動鉄心と、 前記副可動鉄心の推進力のもとになる磁界を発生する副コイルと、 前記副コイルの磁界の磁気回路となる副継鉄と、 前記副継鉄の両端に配置し磁気回路となる一対の副固定鉄心と、 前記一対の主固定接点を配置し前記主可動接点が可動する空間を形成する主接点室と、 前記一対の副固定接点を配置し前記副可動接点が可動する空間を形成する副接点室と、 導電材を打ち抜いて形成された複数のコネクタを有し、前記モータ電気回路及び前記吸引コイルと前記保持コイルに電力を供給する電気回路を形成するコネクタ集合体とを備え、 前記コネクタ集合体は、 前記一対の副固定接点の一方と前記バッテリ端子を接続するコネクタ(A)と、 前記一対の副固定接点の他方と前記吸引コイルの一端および前記保持コイルの一端を接続するコネクタ(B)と、 前記吸引コイルの他端と前記モータ端子を接続するコネクタ(C)と、 前記副コイルの一端とS端子を接続するコネクタ(D)と、 前記コネクタ(A)と前記コネクタ(B)と前記コネクタ(C)と前記コネクタ(D)との少なくとも一対を一体に固定する樹脂部材とで構成されている ことを特徴とするスタータ用電磁スイッチ装置。前記コネクタ集合体は、前記コネクタ(A)と前記コネクタ(B)と前記コネクタ(C)と前記コネクタ(D)の少なくとも一対が形成された板材をタイバーカットされたものであることを特徴とする請求項1または2に記載のスタータ用電磁スイッチ装置。前記一対の副固定接点の一方と前記コネクタ(A)、または、前記一対の固定接点の他方とコネクタ(B)のいずれか一方が同一部材で形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のスタータ用電磁スイッチ装置。前記コネクタ(A)と前記コネクタ(B)と前記コネクタ(C)と前記コネクタ(D)は、絶縁処理された導電体であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のスタータ用電磁スイッチ装置。前記副コイルと前記主接点室を分離する隔壁を介して互いに径方向に隣り合うように前記主接点室と前記副コイルを配置した筒状の端子台とを備えたことを特徴とする請求項2に記載のスタータ用電磁スイッチ装置。前記端子台は、前記モータの出力軸方向の一端に前記主接点室の開口部を有し、前記出力軸方向の他端に前記副接点室を構成する開口部を有することを特徴とする請求項6に記載のスタータ用電磁スイッチ装置。前記バッテリ端子の外周と前記モータ端子の外周の少なくとも一方に浸防止用のOリングを備えたことを特徴とする請求項6または7に記載のスタータ用電磁スイッチ装置。前記副継鉄は、前記端子台の隔壁方向と最外周方向を避けて配置されていることを特徴とする請求項6から8のいずれか一項に記載のスタータ用電磁スイッチ装置。前記一対の副固定鉄心は、少なくとも一方が前記副継鉄と同一部材で構成され前記副継鉄と一体に形成されていることを特徴とする請求項6から9のいずれか一項に記載のスタータ用電磁スイッチ装置。前記バッテリ端子の中心と前記モータ端子の中心を結んだ線に対して、一方の側に前記副コイルと前記副接点室を備え、他方の側に前記S端子を備えたことを特徴とする請求項6から10のいずれか一項に記載のスタータ用電磁スイッチ装置。前記副コイルの磁気回路であり前記端子台と前記一対の固定鉄心を固定する磁性体からなる固定部材を備えたことを特徴とする請求項6から11のいずれか一項に記載のスタータ用電磁スイッチ装置。前記端子台は、前記主継鉄より外周に突出する突出部を備え、この突出部の内側に前記副コイルと前記副接点室を配置したことを特徴とする請求項6から12のいずれか一項に記載のスタータ用電磁スイッチ装置。前記突出部の少なくとも一部を前記モータの外周と前記主継鉄の外周を結ぶ接線の内側に配置したことを特徴とする請求項13に記載のスタータ用電磁スイッチ装置。前記一対の主固定接点と前記一対の副固定接点をそれぞれの中心線が互いに平行なるように配置したことを特徴とする請求項1から14のいずれか一項に記載のスタータ用電磁スイッチ装置。前記コネクタ集合体は、一端が前記副コイルの一端と接続され、他端が前記保持コイルと電気的に接続されるコネクタ(E)を備えたことを特徴とする請求項4から15のいずれか一項に記載のスタータ用電磁スイッチ装置。前記コネクタ集合体は、前記コネクタ(E)と一体の部材で形成され、一端が前記保持コイルのマイナス配線と接続されると共に、前記バッテリのマイナス端子と電気的に接続されるコネクタ(F)を備えたことを特徴とする請求項16に記載のスタータ用電磁スイッチ装置。前記コネクタ集合体は、一端が前記副コイルの一端と接続され、他端が前記副コイルの電気回路を構成するE1端子と電気的に接続されるコネクタ(E)を備えたことを特徴とする請求項4から15のいずれか一項に記載のスタータ用電磁スイッチ装置。前記コネクタ集合体は、一端が前記副コイルの一端と接続され、他端が前記副コイルの電気回路を構成するE1端子と電気的に接続されるコネクタ(E)と、前記コネクタ(E)と一体の部材で形成され、一端が前記保持コイルのマイナス配線と接続されると共に、他端が前記バッテリのマイナス端子と電気的に接続されるE端子と電気的に接続されるコネクタ(F)とを備えたことを特徴とする請求項4から15のいずれか一項に記載のスタータ用電磁スイッチ装置。

说明书全文

本発明は、例えば自動車などに搭載されるエンジンを始動するスタータに用いられるスタータ用電磁スイッチ装置に関するものである。

従来、特にバス、トラックといった大排気量エンジンを始動させるスタータに用いられるスタータ用電磁スイッチ装置は、これを作動させるために大電流を供給する必要があり、この電流供給手段として補助リレーと呼ばれるスタータ用電磁スイッチ装置より小型のリレーを使用している。 補助リレーはスタータ用電磁スイッチ装置の近傍に設置し電気回路を構成するよう配線で接続するが、エンジン室内でこの補助リレーの設置空間を確保することが困難であったり配線の配策が難しいことも多いため、この設置空間および配線を不要とした補助リレーを内蔵したスタータ用電磁スイッチ装置が知られている(例えば特許文献1〜3)。 特許文献1のFig.1の実施例および特許文献2、3の実施例においてはソレノイドコイルと可動接点の間に補助リレーを内蔵したスタータ用電磁スイッチ装置の記載がある。 また特許文献1のFig.5の実施例においては端子台の軸方向外側に補助リレーの一部が突出するように内蔵されたスタータ用電磁スイッチ装置の記載がある。

US2009/0002105 A1

特開2002−138931

特表平8−504913

しかしながら、上記特許文献1のFig.1の実施例や特許文献2,3の実施例においては、スタータ用電磁スイッチ装置の可動接点の外周に補助リレーのソレノイドコイルを巻回しているためコイルの展開長が長くなる。 コイルの展開長が長くなるとコイル抵抗が大きくなり、補助リレーが作動するために必要な電流を流すことができないという問題が生じる。 この問題を解決するためには補助リレーのソレノイドコイルのコイル素線断面積を大きくする必要があり、補助リレーのソレノイドコイルの大型化と製造原価が高くなるという問題があった。

また上記特許文献1のFig.5の実施例においては、補助リレーを軸方向に突出するように内蔵することで補助リレーのソレノイドコイルの大型化と製造原価が高くなるという問題を解決しているが、軸方向に突出することで車両搭載性が悪化する。 さらにスタータのエンジン取付面から離れた位置に補助リレーが配置されるため振動応答が大きくなり耐振性が悪化するという問題があった。

本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、補助リレーを内蔵し車輛搭載性が良好で低コストなスタータ用電磁スイッチ装置を提供することを目的とする。

本発明に係るスタータ用電磁スイッチ装置は、 一対の主固定接点、主可動接点、吸引コイル及び保持コイルを有し、前記一対の主固定接点を介してモータの電気回路を開閉すると共に、前記吸引コイル及び保持コイルの付勢時にシフトレバーを介してオーバランニングクラッチを移動させる電磁スイッチと、 一対の副固定接点、副可動接点及び副コイルを有し、前記一対の副固定接点を前記電磁スイッチの前記吸引コイル及び保持コイルに接続され、始動信号に応じて、前記一対の副固定接点を介して前記電磁スイッチの前記吸引コイル及び保持コイルを付勢する補助リレーと、 導電材を打ち抜いて形成された複数のコネクタを有し、前記モータ電気回路及び前記吸引コイルと前記保持コイルに電を供給する電気回路を形成するコネクタ集合体とを備え、 前記コネクタ集合体は、 前記一対の副固定接点の一方と前記バッテリ端子を接続するコネクタ(A)と、 前記一対の副固定接点の他方と前記吸引コイルの一端および前記保持コイルの一端を接続するコネクタ(B)と、 前記吸引コイルの他端と前記モータ端子を接続するコネクタ(C)と、 前記副コイルの一端とS端子を接続するコネクタ(D)と、 前記コネクタ(A)と前記コネクタ(B)と前記コネクタ(C)と前記コネクタ(D)との少なくとも一対を一体に固定する樹脂部材とで構成されている。

本発明に係るスタータ用電磁スイッチ装置によれば、導電材を打ち抜いて形成された複数のコネクタを有するコネクタ集合体により、モータ電気回路及び吸引コイルと保持コイルに電力を供給する電気回路を形成しているので、組立作業や接続作業が簡単になる上、装置全体を小型化でき、車輛搭載性が向上し耐振性も向上するといった効果が得られる。

本発明の実施の形態1に係るスタータ用電磁スイッチ装置を搭載したスタータの部分断面図である。

本発明の実施の形態1に係る内燃機関装置の模式図である。

本発明の実施の形態1に係るスタータ用電磁スイッチ装置を搭載したスタータの電気回路図である。

図1におけるスタータ用電磁スイッチ装置の拡大断面図である。

本発明の実施の形態1に係るスタータ用電磁スイッチ装置におけるモータ側(図1の左側)から見た側面図である。

本発明の実施の形態1に係るスタータ用電磁スイッチ装置における図5のVI−VI断面図である。

本発明の実施の形態1に係るスタータ用電磁スイッチ装置における図5のVII−VII断面図の端子台周辺の断面図である。

本発明の実施の形態1に係るスタータ用電磁スイッチ装置における図4のVIII−VIII断面図である。

本発明の実施の形態1に係るスタータ用電磁スイッチ装置における端子台を示した斜視図である。

図9に示した端子台の断面斜視図である。

本発明の実施の形態1に係るスタータ用電磁スイッチ装置における副固定鉄心の斜視図である。

本発明の実施の形態1に係るスタータ用電磁スイッチ装置におけるコネクタ集合体の板金プレス後、樹脂成型前のフープ材の一部を示した平面図である。

本発明の実施の形態1に係るスタータ用電磁スイッチ装置におけるコネクタ集合体の樹脂成型後の平面図である。

本発明の実施の形態1に係るスタータ用電磁スイッチ装置におけるコネクタ集合体の平面図である。

本発明の実施の形態1に係るスタータ用電磁スイッチ装置の液状シール材塗布前をモータ側(図1の左側)から見た側面図である。

本発明の実施の形態1及び実施の形態3に係るスタータ用電磁スイッチ装置の保持コイル接続部を示した斜視図である。

本発明の実施の形態2に係る内燃機関装置の模式図である。

本発明の実施の形態2に係るスタータ用電磁スイッチ装置を搭載したスタータの電気回路図である。

本発明の実施の形態2及び実施の形態4に係る保持コイル接続部を示した斜視図である。

本発明の実施の形態2に係るスタータ用電磁スイッチ装置の液状シール材塗布前をモータ側(図1の左側)から見た側面図である。

本発明の実施の形態2に係るスタータ用電磁スイッチ装置の液状シール材塗布後をモータ側(図1の左側)から見た側面図である。

本発明の実施の形態2に係るスタータ用電磁スイッチ装置のコネクタ集合体の平面図である。

本発明の実施の形態3に係る内燃機関装置の模式図である。

本発明の実施の形態3に係るスタータ用電磁スイッチ装置を搭載したスタータの電気回路図である。

本発明の実施の形態3に係るスタータ用電磁スイッチ装置の液状シール材塗布前をモータ側(図1の左側)から見た側面図である。

本発明の実施の形態3に係るスタータ用電磁スイッチ装置の液状シール材塗布後をモータ側(図1の左側)から見た側面図である。

本発明の実施の形態3に係るスタータ用電磁スイッチ装置のコネクタ集合体の平面図である。

本発明の実施の形態4に係る内燃機関装置の模式図である。

本発明の実施の形態4に係るスタータ用電磁スイッチ装置を搭載したスタータの電気回路図である。

本発明の実施の形態4に係るスタータ用電磁スイッチ装置の液状シール材塗布前をモータ側(図1の左側)から見た側面図である。

本発明の実施の形態4に係るスタータ用電磁スイッチ装置の液状シール材塗布後をモータ側(図1の左側)から見た側面図である。

本発明の実施の形態4に係るスタータ用電磁スイッチ装置のコネクタ集合体の平面図である。

実施の形態1. 図1〜16において、内燃機関装置1は、エンジン2、リングギヤ3、スタータ4、バッテリ5、キースイッチ6、制御装置7、バッテリプラス配線8、バッテリマイナス配線9、S回路(+)配線10を備えている。

エンジン2は内燃機関であり、自力始動できないためスタータ4の回転力をリングギヤ3を介して受けることで自力回転を始める。 リングギヤ3はスタータ4の回転力をエンジン2に伝達するものであり、エンジン2と直結される。 スタータ4はバッテリ5の電力により回転力を発生し、その回転力をリングギヤ3を介してエンジン2に伝達する。 バッテリ5はスタータ4を回転させる電力を蓄えている二次電池であり、スタータ4とバッテリプラス配線8、バッテリマイナス配線9によって電気的に接続される。 キースイッチ6はON状態でスタータ4を回転させ、OFF状態でスタータ4を停止状態にするスイッチである。

制御装置7はキースイッチ6のON/OFF状態と、その他の始動条件を総合的に判断し、スタータ4に始動信号を送る装置である。 バッテリプラス配線8はバッテリ5のバッテリプラス端子5aとスタータ4のバッテリ端子11を接続し、バッテリマイナス配線9はバッテリマイナス端子5bとエンジン2に接続することでバッテリ5とスタータ4を電気的に接続する。 S回路配線(+)10は制御装置7とスタータ4のS端子(始動端子)12を電気的に接続する配線である。

次に、スタータ4の構成について説明する。 スタータ4はモータ13、出力軸14、オーバランニングクラッチ15、ピニオン16、スタータ用電磁スイッチ装置17、シフトレバー18、フロントブラケット19を備えている。 モータ13はバッテリ5の電力により回転力を発生する。出力軸14はモータ13の回転力をオーバランニングクラッチ15に伝達する。 オーバランニングクラッチ15は出力軸14上に軸方向に移動可能に配置され、出力軸14から伝達されたモータ13の回転力をピニオン16に伝達する。 ピニオン16はオーバランニングクラッチ15から伝達されたモータ13の回転力をエンジン2のリングギヤ3に伝達する。 スタータ用電磁スイッチ装置17は、シフトレバー18を介してオーバランニングクラッチ15を出力軸14上で軸方向に移動させると共に、制御装置7からの始動信号に対応してバッテリ5とモータ13間の電気回路を開閉する。 シフトレバー18はスタータ用電磁スイッチ装置17の推力をオーバランニングクラッチ15に伝達し出力軸14上を移動させる。 フロントブラケット19はスタータ4をエンジン2に固定すると共に、モータ13とスタータ用電磁スイッチ装置17の電気回路を形成する。

次に、スタータ用電磁スイッチ装置17の構成について説明する。 実施の形態1のスタータ用電磁スイッチ装置17は、モータ13へ電力を供給するモータ電気回路を構成し電気的及び機械的に離れた位置に配置される一対の主固定接点20と、一端に一対の主固定接点20の一方の主固定接点20aを構成すると共に、他端にバッテリ5のバッテリプラス側端子5aと電気的に接続する配線が固定されるバッテリ端子11と、一端に一対の主固定接点20の他方の主固定接点20bを構成すると共に、他端にモータ13と接続する配線が固定されるモータ端子21と、一対の主固定接点20間を電気的に接続することでモータ電気回路を構成する主可動接点22と、主可動接点22を一対の主固定接点20の方向に移動させる磁性体からなる主可動鉄心23と、主可動鉄心23との間で吸引力を発生する磁性体からなる主固定鉄心24と、主可動鉄心23を主固定鉄心24に吸引する磁界を発生する吸引コイル25と、主可動鉄心23を吸引後の移動端に保持する磁界を発生する保持コイル26と、吸引コイル25と保持コイル26が発生する磁界の磁気回路であり磁性体からなる主継鉄27とを備えている。

また、スタータ用電磁スイッチ装置17は、吸引コイル25と保持コイル26に電力を供給する電気回路を構成し電気的及び機械的に離れた位置に配置される一対の副固定接点28と、一対の副固定接点28間を電気的に接続することで吸引コイル25及び保持コイル26に電力を供給する電気回路を構成する副可動接点29と、副可動接点29を一対の副固定接点28の方向に移動させる推進力を発生する磁性体からなる副可動鉄心31と、副可動鉄心31の推進力のもとになる磁界を発生する副コイル32と、副コイル32の磁界の磁気回路となる副継鉄30と、副継鉄30の両端に配置され磁気回路となる一対の副固定鉄心(A)60,(B)61と、一対の主固定接点20が配置され主可動接点22が可動する空間を形成する主接点室34と、一対の副固定鉄心(A)60,(B)61が配置され副可動接点29が可動する空間を形成する副接点室35とを備えている。

更に、スタータ用電磁スイッチ装置17は、副コイル32と主接点室34を分離する隔壁36を介して互いに径方向に隣り合うように主接点室34と副コイル32が配置された端子台37とを備えている。 この端子台37は、図9及び10に示すように、基本的に円筒形状を有し、その径方向に主接点室34や突出部37aが形成され、隔壁36を介して副コイル32と主接点室34が互いに径方向に隣り合うように配置されている。

更に、スタータ用電磁スイッチ装置17は、導電材を打ち抜いて形成された複数のコネクタを有し、モータ電気回路及び吸引コイル25と保持コイル26に電力を供給する電気回路を形成するコネクタ集合体45を備えている。

上記のような構成において、一対の主固定接点20は、それぞれバッテリ端子11の一端に設けられた主固定接点20aと、モータ端子21の一端に設けられた主固定接点20bからなり、主可動接点22が当接する接触面を有し、主可動接点22が接触することでモータ13の電気回路を形成する。

バッテリ端子11は導電体であって一端(図6左側)にネジ部、他端に頭部が形成されている。 バッテリ端子11のネジ部には端子台37を固定するナット46及びバッテリプラス配線8を固定するナット(図示しない)を螺合する。 他端の頭部の端面は一対の主固定接点20の一方の主固定接点20aをなし、主可動接点22と接触する面となる。 頭部の側面11aは端子台37との嵌合面であり、端子台37に対してバッテリ端子11が回転することを規制している。

モータ端子21は導電体であってバッテリ端子11と同様に一端(図6左側)にネジ部、他端に頭部が形成されている。 モータ端子21のネジ部には端子台37を固定するナット47及びモータ配線49を固定するナット48を螺合する。 他端の頭部の端面は一対の主固定接点20の他方の主固定接点20bをなし、主可動接点22と接触する面になる。バッテリ端子11と同様に頭部は端子台37との嵌合面であり、端子台37に対してモータ端子21が回転することを規制している。

主可動接点22は中央に主可動鉄心23が貫通する貫通穴を有する板状の導電材である。主可動接点22の板厚方向における端面の一端(図6左側)は、一対の主固定接点20との当接面と絶縁板50との当接面を、他端は絶縁部材51との当接面を形成し、貫通穴の内周は絶縁部材51との当接面を形成する。 主可動接点22は絶縁部材51と絶縁板50より主可動鉄心23に絶縁保持される。

主可動鉄心23は磁性材からなる中実段付き丸棒であって磁気回路を構成する。 主可動鉄心23の小径部23aには、絶縁板50と絶縁部材51と主可動接点22と主接点バネ52が止め輪53で固定されている。 主可動鉄心23の主固定鉄心24との対向面は主固定鉄心24との当接面を形成する。 小径部23aと反対側の鉤状部23bにはシフトレバー18を係合させる。 なお、本実施例では、主可動鉄心23を中実段付き丸棒としたが、磁気回路としての断面積を確保できるのであれば中空でも問題なく、また中空として噛合いバネを内蔵させて電磁押込式スタータに適用してもよい。

主固定鉄心24は磁性材からなる円筒であって、一端にフランジ部24aと、中央に段付の貫通穴を有し、磁気回路を構成する。 フランジ部24aの外周は主継鉄27と嵌合し、フランジ部24aの一方の端面は主継鉄27を嵌合後に円周状にカシメ固定する面となる。 フランジ部24aの他方の端面には、主継鉄27及び吸引コイル25と保持コイル26を巻回したボビン54が当接する。 またフランジ部24aに形成された貫通穴24b,24c,24dには、それぞれボビン54の吸引コイル25及び保持コイル26の口出し部54a、吸引コイル25の口出し部54b、保持コイルの口出し部54cが嵌合する。中央の貫通穴には主可動鉄心23の小径部23aが貫通する。(図16参照)

吸引コイル25はボビン54に巻回されたエナメル被覆された導電体であって、主可動鉄心23を主固定鉄心24の方向に吸引するための磁界を発生する。 吸引コイル25の一端はターミナル(A)79と接続され、他端はターミナル(B)80に接続される。

保持コイル26は吸引コイル25の外周に巻回されたエナメル被覆された導電体であって、主可動鉄心23を主固定鉄心24の方向に吸引及び保持するための磁界を発生する。保持コイル26の一端は、吸引コイル25と共にターミナル(A)79と接続され、他端はターミナル(C)81に固定されバッテリマイナス配線9と電気的に接続される。

主継鉄27は磁性材であって、吸引コイル25及び保持コイル26で発生した磁界の磁気回路となる。 主継鉄27は有底筒形状であって、底には主可動鉄心23が貫通する貫通穴とフロントブラケット19と固定するためのねじ穴(図示しない)を備え、筒形状の内側に吸引コイル25と保持コイル26を収納する。 筒形状の底部と反対側の端面には筒部よりも厚みが薄い薄肉部27aが形成され、この薄肉部27aに主固定鉄心24を嵌合させた後に、薄肉部27aの端部全周を内周側に倒すようにかしめることにより主固定鉄心24が固定される。

一対の副固定接点28の一方の副固定接点28aはコネクタ(A)39と同一の導電体からなる板材で形成され、他方の副固定接点28bはコネクタ(B)40と同一の導電体からなる板材で形成され、吸引コイル25及び保持コイル26の電気回路を形成する。 一対の副固定接点28の板厚方向の一端面である副可動接点29との対向面は、副可動接点29と当接する当接面である。

副可動接点29は導電体からなる板材であって、中央にロッド55が貫通する貫通穴を有し、吸引コイル25及び保持コイル26の電気回路を形成する。 副可動接点29の板厚方向の一端面は一対の副固定接点28と当接する当接面である。

副固定鉄心(A)60は副継鉄30と同一部材で形成される磁気回路であり磁性材からなる。 副固定鉄心(A)60は、中心には副可動鉄心31が貫通する貫通穴と鍔部を有し、一端面はスペーサ56との当接面、他端面はボビン57との当接面を形成する。

副固定鉄心(B)61は副固定鉄心(A)60と同様に磁気回路であり磁性材からなる。副固定鉄心(B)61は、中心には副復帰バネ58が貫通する貫通穴を有し、一端にはフランジを有し、フランジの一端面はギャップ調整バネ59との当接面、他端面はボビン57との当接面を構成する。

副継鉄30は副固定鉄心(A)60と同一部材で形成される磁気回路であり磁性材からなる。 副継鉄30は、副固定鉄心(A)60の中心からバッテリ端子11の方向に伸びた平板部を副固定鉄心(B)61の方向に直に折り曲げた副継鉄30aと、副固定鉄心(A)60の中心からモータ端子21の方向に伸びた平板部を副固定鉄心(B)61の方向に直角に折り曲げた副継鉄30bからなる(図11参照)。 副継鉄30aはバッテリ端子11の方向に、副継鉄30bはモータ端子21の方向に配置されているため、副継鉄30a,30bは隔壁36方向と端子台37の最外周方向を避けて配置される。(図8参照) 副継鉄30aは、軸方向の内周面には副コイル32を配置し、一端(図7右側)の内周面に副固定鉄心(B)61との対向面を形成する。 なお、実施の形態1では副継鉄30と副固定鉄心(B)61との対向面を副継鉄30の内周面としたが、副継鉄の軸方向端面でも良いし、双方が凹凸で嵌合する形状として内周面と軸方向端面の両方で対向面を形成しても良い。

副可動鉄心31は副コイル32で発生した磁界の磁気回路であって、磁性材からなる円筒形状の一端にテーパ面31aと中心に段付き穴を有する。 副可動鉄心31の円筒部の外周にはボビン57に巻回された副コイル32と副固定鉄心(A)60が配置され、テーパ面31aは副固定鉄心(B)61と当接する面であって、他端はスペーサ56と対向する。 テーパ面31a側の中心に形成された穴には副復帰バネ58の一端部が収納され、他端の中心に形成された穴にはロッド55が収納される。

副コイル32はボビン57に巻回されたエナメル被覆された導電体であって、副可動鉄心31を副固定鉄心(B)61の方向に移動及び保持するための磁界を発生する。 副コイル32の一端はコネクタ(D)42と接続しS端子12と電気的に接続する。他端はコネクタ(E)43に接続し、バッテリ5のバッテリマイナス端子5bと電気的に接続する。

主接点室34は端子台37に設けた一対の主固定接点20を配置し、主可動接点22が可動する空間である。

副接点室35は、端子台37に設けた副コイル32とスペーサ56を配置した空間においてカバー63に設けた一対の副固定接点28と副可動接点29を配置する空間である。

端子台37は、絶縁材からなる円筒形状の一部が径方向に突出した形状であって、一端(図6,7の左側)にコネクタ(A)39とコネクタ(B)40とコネクタ(C)41とコネクタ(D)42とコネクタ(E)43とS端子12を配置すると共に、副コイル32を配置する空間の開口部を備え、他端(図6,7の右側)に主固定鉄心24との当接面と共に主接点室34の開口部を備え、主接点室34内にバッテリ端子11の嵌合面とモータ端子21の嵌合面を備える。 副コイル32を配置する空間と主接点室34は互いに径方向に隣り合うように配置され、隔壁36によって副コイル32と主接点室34を隔離している。

端子台37を主固定鉄心24に固定するために、副コイル32側に配置したボルト38aとS端子12側に配置したボルト38bが用いられ、それぞれ頭部が端子台37の端面に当接し、ネジ部が主固定鉄心24が備える螺子穴24eに螺合する。 これらのボルト38a,38bの材料は磁性材であり、副コイル32側に配置したボルト38aは、副継鉄30と同様に副固定鉄心(A)60と副固定鉄心(B)61の間の磁気回路を構成する。

コネクタ(A)39は導電材であって吸引コイル25と保持コイル26の電気回路を形成する。 コネクタ(A)39は、一端には一対の副固定接点28の一方の副固定接点28aを備え、他端はバッテリ端子11の外周に樹脂であるカバー63と一体に成形された金属ブッシュ(A)64と当接する。 なお、金属ブッシュ(A)64のコネクタ(A)39との当接面の反対側は、ワッシャ74aと当接し、バッテリ端子11に螺合したナット46で固定される。

コネクタ(B)40は導電材であって吸引コイル25と保持コイル26の電気回路を構成する。コネクタ(B)40は、一端には一対の副固定接点28の一方の副固定接点28bを備え、他端はターミナル(A)79に接続され吸引コイル25の一端と保持コイル26の一端と電気的に接続される。

コネクタ(C)41は導電材であって吸引コイル25の電気回路を形成する。コネクタ(C)41の一端にはターミナル(B)80が接続され吸引コイル25と電気的に接続される。 コネクタ(C)41の他端は、モータ端子21の外周に樹脂であるカバー63と一体に成形された金属ブッシュ(B)65と当接する。 なお、金属ブッシュ(B)65のコネクタ(C)41との当接面の反対側は、ワッシャ74bと当接し、モータ端子21に螺合したナット47で固定される。

コネクタ(D)42は導電材であって副コイル32の電気回路を形成する。コネクタ(D)42の一端はS端子12と接続され、他端は副コイル32の一端と接続される。

コネクタ(E)43は導電材であって副コイル32の電気回路を形成する。コネクタ(E)43の一端は副コイル32の一端と接続され他端はターミナル(C)81と接続され、保持コイル26と電気的に接続される。

コネクタ集合体45はコネクタ(A)39とコネクタ(B)40とコネクタ(C)41とコネクタ(D)42とコネクタ(E)43とコネクタ(F)44とタイバー45aと支持枠45bを備える導電材である板材を打ち抜いたものをインサート材料として、樹脂部材67で一体に成形後、タイバー45aを打ち抜いて、コネクタ(A)39、コネクタ(B)40、コネクタ(C)41、コネクタ(D)42、コネクタ(E)43、コネクタ(F)44に電気的に分離したものである。 コネクタ集合体45はタイバー45aを打ち抜いた後に電気的に分離されるが、樹脂部材67により機械的には分離されない。 コネクタ集合体45は大量生産を行うため、1枚の板材に複数構成される場合や、板材をコイル状に巻いたフープ材に連続的に構成されるのが一般的であり、本実施の形態1である図12,13はフープ材に構成した一部を示している。

液状シール材68は絶縁と防錆の機能を持ち塗布後に温度、湿気、紫外線等で硬化させることが可能な液状シール材であって、コネクタ(A)39とコネクタ(B)40とコネクタ(C)41とコネクタ(D)42とコネクタ(E)43をそれぞれ相手側部材と接続した後に、コネクタ(A)39とコネクタ(B)40とコネクタ(C)41とコネクタ(D)42とコネクタ(E)43と表面と周囲に塗布する。

Oリング66はバッテリ端子11と金属ブッシュ(A)64の間及びモータ端子21と金属ブッシュ(B)65の間に配置され、外部からコネクタ(A)39と金属ブッシュ(B)64の接触部、コネクタ(C)41と金属ブッシュ(B)65の接触部、主接点室34への浸を防止する。

S端子12は導電材であって副コイル32の電気回路を構成する。 S端子12はネジ及びコネクタ(D)42との接続部及び端子台37との嵌合部を備える。ネジにはS回路(+)配線10をナット(図示しない)で螺合する。この螺合時のトルクに対してS端子12が回転しないように端子台37との嵌合部を設ける。 図5において、S端子12はバッテリ端子11とモータ端子21の中心を結んだ線の右側に配置される(対して副コイル32は左側に配置される)。

ターミナル(A)79は板状の導電材からなりボビン54の口出し部54aに嵌合固定される。 ターミナル(A)79はコネクタ(B)40と吸引コイル25と保持コイル26を接続する。 コネクタ(B)40との接続はコネクタ(B)40と端部79cを溶接固定し、吸引コイル25との接続は吸引コイル25とU曲げ部79aを溶接固定し、保持コイル26との接続は保持コイル26とU曲げ部79bを溶接固定する。

ターミナル(B)80はターミナル(A)79と同一部品である。ターミナル(B)はコネクタ(C)41と吸引コイル25を接続する。 コネクタ(C)41との接続はコネクタ(C)41と端部80bを溶接固定し、吸引コイル25との接続は吸引コイル25とU曲げ部80aを溶接固定する。

ターミナル(C)81は板状の導電材からなる。ターミナル(C)81は主固定鉄心24とコネクタ(E)43と保持コイル26を接続する。 主固定鉄心24との接続は主固定鉄心24とL曲げ部81aを溶接固定し、コネクタ(E)43との接続はコネクタ(E)43と端部81cを溶接固定し、保持コイル26との接続は保持コイル26とU曲げ部81bを溶接固定する。

以上のように構成されたスタータ用電磁スイッチ装置17は、端子台37の突出部37aが主継鉄27の外周とモータ13の外周を結んだ接線75よりも内側に配置される(図5参照)。

次にスタータ用電磁スイッチ装置17の動作について説明する。キースイッチ6がONになり、制御装置7からS回路(+)配線10を通じてS端子12に電圧が印加されると副コイル32に電流が流れる。 この副コイル32に流れる電流は数百mAから数A程度であって、制御装置7内の有接点リレーや半導体リレーでON/OFF制御されている。

副コイル32に電流が流れると磁界が発生し、副継鉄30、副固定鉄心(A)60、副固定鉄心(A)60、副可動鉄心31及びそれぞれの部品間に存在する空隙からなる磁気回路に磁束が流れる。 副固定鉄心(B)61と副可動鉄心31の間には、一対の副固定接点28と副可動接点29の接点間ギャップと製造バラツキ等を加味した数値を加算した鉄心間ギャップが存在し、磁気回路に流れる磁束は、この鉄心間ギャップが小さくなるように副可動鉄心31を副固定鉄心(B)61の方向に移動する吸引力を発生する。

副可動鉄心31の一端、副固定鉄心(B)61との対向面の反対側にはロッド55、副可動接点29、副接点バネ69を順に配置しているので、副可動鉄心31が副固定鉄心(B)61の方向に移動すると、副接点バネ69の荷重で副可動接点29は一対の副固定接点28の方向に移動する。

副可動接点29と一対の副固定接点28間の接点間ギャップが無くなると、吸引コイル25と保持コイル26の電気回路が閉路するので、吸引コイル25と保持コイル26に電流が流れる。 吸引コイル25と保持コイル26に電流が流れた後も副コイル32には電流が流れ続けるので、副可動鉄心31が副固定鉄心(B)61に当接するまで副可動鉄心31は移動を続け、副固定鉄心(B)61に当接した後はその状態で保持される。

吸引コイル25と保持コイル26に電流が流れると、磁界が発生し主継鉄27、主固定鉄心24、主可動鉄心23、及びそれぞれの部品間に存在する空隙からなる磁気回路に磁束が流れる。 主固定鉄心24と主可動鉄心23の間には、一対の主固定接点20と主可動接点22間の接点間ギャップと主接点バネ52のたわみ代と製造バラツキ等を加味した数値を加算した鉄心間ギャップが存在し、磁気回路に流れる磁束はこの鉄心間ギャップが小さくなるように主可動鉄心23を主固定鉄心24の方向に移動する吸引力を発生する。

主可動鉄心23の一端には主可動接点22を配置しているので、主可動鉄心23が一対の主固定接点20の方向に移動し、主可動接点22と一対の主固定接点20が当接すると、モータ回路が閉路されモータ端子21に電圧が印加されモータ13が回転を始める。 吸引コイル25の一端は一対の副固定接点28の一端と電気的に接続され、他端がモータ端子21と電気的に接続されているため、一対の主固定接点20と主可動接点22が当接しモータ端子21に電圧が印加されると同時に吸引コイル25の両端の電位差がほぼなくなるため、吸引コイル25の電流は過渡現象の経過後、ほぼ流れなくなる。

主可動鉄心23は自身の慣性力及び吸引コイル25の過渡電流及び保持コイル26の電流により主固定鉄心24に当接するまで移動を続ける。 主可動鉄心23と主固定鉄心24が当接した後は鉄心間ギャップがなくなるので保持に必要な磁束量は激減し、保持コイル26による保持力で主可動鉄心23と主固定鉄心24は当接した状態を保持する。

主可動鉄心23が主固定鉄心24に吸着される過程で、主可動鉄心23に結合したシフトレバー18によってピニオン16がリングギヤ3の方向に移動しピニオン16とリングギヤ3が歯面同士で噛合い、モータ13の発生トルクがピニオン16からリングギヤ3に伝達される。 ピニオン16とリングギヤ3は歯車であって歯車の端面同士で衝突し歯面同士で噛み合わない場合もあり、そのままでは一対の主固定接点20と主可動接点22は当接しない。本実施の形態1である補助回転式スタータの場合は吸引コイル25の一端がモータ端子21に接続されているため、吸引コイル25の電流でモータ13が回転し、歯面同士で噛み合う位置までピニオン16が回転するとピニオン16は再び前進を始め、歯面同士で噛み合い、一対の主固定接点20と主可動接点22が当接する。 また、本発明の実施の形態には記載していないが、電磁押込式スタータの場合は主可動鉄心23に内蔵した噛合いバネによって主可動鉄心23は移動を続け、一対の主固定接点20と主可動接点22が当接し、モータ13が回転することでピニオン16がリングギヤ3と歯面同士で噛み合う位置まで回転し、歯面同士で噛み合う。

モータ13が回転するとピニオン16及びリングギヤ3を介してエンジン2が回り始める。 エンジン2が自力で回転できる回転速度まで到達するとエンジン2が自力で回転を始める。以上がスタータ4がエンジン2を回し始める時の動作説明である。

以降はエンジン2が自力で回転を始めた後のスタータ4の停止動作について説明する。なお、エンジン2が自力で回転を始める前にキースイッチ6の操作者がキースイッチ6をOFFにした場合や制御装置7自身が始動不要・不可と判断した場合もスタータ4の停止動作は同じである。

エンジン2が自力で回転を始めるとスタータ4の作動は不要になるので、キースイッチ6の操作者はキースイッチ6をOFFに、または制御装置7自身が判断を下し、S端子12への電圧印加を停止する。 S端子12への電圧印加が停止されると、副コイル32に電流が流れなくなるので副可動鉄心31と副固定鉄心(B)61間の保持力が無くなり、副復帰バネ58の力で副可動鉄心31は副固定鉄心(B)61から離れ元の位置に戻る。 その過程で副可動接点29はロッド55を介して一対の副固定接点28から離れる方向に力を受け、一対の副固定接点28から離れ、吸引コイル25と保持コイル26の電気回路は開路され、吸引コイル25と保持コイル26に電流が流れなくなる。

吸引コイル25と保持コイル26に電流が流れなくなると、主可動鉄心23を主固定鉄心24に保持する力が無くなり、主復帰バネ70の力で主可動鉄心23は元の位置に戻る。その過程で主可動接点22は一対の主固定接点20から離されるため、モータ回路が開路されモータ13に電流が流れなくなり、モータ13の回転が停止する。 また、その過程で主可動鉄心23と結合したシフトレバー18によってピニオン16が元の位置に戻され、ピニオン16がリングギヤ3から離脱する。 以上がスタータ4の停止動作についての説明である。

このように構成されたスタータ用電磁スイッチ装置17によれば、主接点室34と副コイル32を端子台37の中に隔壁36を介して径方向に隔離して配置したので、副コイル32の巻枠径を最小化できるため副コイル32を小型化できる。 即ち、特許文献1〜3のように、副コイル32を主可動鉄心23と同軸に配置した場合、主可動接点22や主可動接点22が固定される軸23aの外周にそれらとの干渉を避けるようにボビン57を配置するため、巻枠(ボビン57)の外径が大きくなるのに比べて、本発明の実施の形態1のように副コイル32を主接点室34と並列に配置した場合、ボビン57内を貫通する部品の外形が小さいため、副コイル32を小型化できる。

また、軸方向への突出が無いため車輛搭載性が向上し耐振性も向上し、主接点室34と副接点室35を隔離したのでそれぞれの接点室で発生した接点粉が他方の接点室に移動することがない。

またコネクタ(A)39とコネクタ(B)40とコネクタ(C)41とコネクタ(D)42とコネクタ(E)43を樹脂部材67で一体に固定しているので組立作業が簡単になり、コネクタ(A)39とコネクタ(B)40とコネクタ(C)41とコネクタ(D)42とコネクタ(E)43が、支持枠45bとタイバー45aで一体の状態で樹脂成形金型にセットできるので、各々が分離している場合に比べて各々を樹脂成形金型に供給する作業が簡単になる。

またコネクタ(A)39と副固定接点28a及びコネクタ(B)40と副固定接点28bを同一部材で形成することでコネクタ(A)39と副固定接点28a及びコネクタ(B)40と副固定接点28bを接続する作業が不要になる。

また表面が導電体であるコネクタ(A)39及びコネクタ(B)40及びコネクタ(C)41及びコネクタ(D)42及びコネクタ(E)43を組立後に絶縁処理することで、あらかじめ表面が絶縁材で覆われた導電体を使う場合の電気的接合部の絶縁材除去作業が不要であるにもかかわらず良好な絶縁状態を保てると共に各々の電気的接合部の防錆性も確保することが可能である。

また副継鉄30は隔壁36方向と端子台37の最外周方向を避けて配置することで端子台37の突出部37aが小さくなる。 また副継鉄30は副固定鉄心(A)60と同一部材で一体としたので組み立て部品点数が削減できる。

また副コイル32とS端子12をバッテリ端子11とモータ端子21の中心線に対して左右に振り分けることで端子台37の一方向への突出がなく左右に分散できる。

また端子台37の副コイル収納部をモータ13と主継鉄27の外周を結ぶ接線75の内側に配置することで軸方向投影面積が減少し車両搭載性が向上する。

また常時電圧印加部である主固定接点20aと副固定接点28bは万が一の冠水等に備えて天方向に向けておくことが望ましく、一対の主固定接点20と一対の副固定接点28のそれぞれの中心線を平行にすることで常時電圧印加部である主固定接点20aを天方向に向ければ同様に常時電圧印加部である副固定接点28bも天方向にすることが可能である。

またバッテリ端子11とモータ端子21の外周にOリング66を備えることで防水性が向上するといった効果が得られる。

実施の形態2. 次に、実施の形態2によるスタータ用電磁スイッチ装置の構成について説明する。 実施の形態1による内燃機関装置1は、スタータ4のフロントブラケット19とエンジン2の接合面がアース回路を構成するボディアースと呼ばれる構成であるが、内燃機関装置によってはスタータとエンジン間の電気的接続を無くしたアースフロート方式のスタータを用いることがある。 この場合、スタータのモータ回路のマイナス側と、スタータ用電磁スイッチ装置の電気回路のマイナス側は専用の端子(E端子)とバッテリマイナス端子5bを電気的に接続する。 実施の形態2はこのような内燃機関装置に対応させるためのものであり、ここでは実施の形態1から変更になる点について説明を行う。

図17〜22において、実施の形態2による内燃機関装置1は実施の形態1の構成に加えて、スタータ4にE端子71、スタータ用電磁スイッチ装置17にコネクタ(F)44と保持コイルマイナス配線76を備える。

E端子71は導電体であって、スタータ4及びスタータ用電磁スイッチ装置17の電気回路を構成する。 E端子71はネジを備え、絶縁材(図示しない)を介してリヤブラケット77に固定される。E端子71のネジにはバッテリマイナス配線9と保持コイルマイナス配線76を嵌合しナットで螺合する。

実施の形態1でターミナル(C)81のL曲げ部81aは主固定鉄心24に溶接固定したが、実施の形態2ではターミナル(C)81を主固定鉄心24と溶接固定せず、ターミナル(A)79及びターミナル(B)80と同一の部品をボビン54に嵌合固定する。 ターミナル(C)81の端部81cにコネクタ(E)43を溶接し、U曲げ部81bに保持コイル26を溶接する構成は変更ない。 コネクタ(F)44はコネクタ(E)43と一体の部材で形成され、コネクタ(F)44の一端を保持コイルマイナス配線76と接続し、バッテリマイナス端子5bと電気的に接続する。

保持コイルマイナス配線76は絶縁被覆された銅線であって、保持コイル26及び副コイル32の電気回路を構成する。 保持コイルマイナス配線76の一端はコネクタ(F)44と接続し他端はE端子71と接続する。

コネクタ集合体45は実施の形態1と異なる形状になるが、実施の形態1の図13の状態からタイバーカットをする箇所を変更するだけで作り分けることが可能である。

このように構成されたスタータ用電磁スイッチ装置によれば、アースフロート方式のスタータであっても実施の形態1と同じ効果を得ることができる。

実施の形態3. 次に、実施の形態3によるスタータ用電磁スイッチ装置の構成について説明する。 実施の形態1よるスタータ用電磁スイッチ装置17は、副コイル32の上流側(S端子12側)を開路・閉路することでスタータ用電磁スイッチ装置の動作を制御するが、実施の形態3では副コイル32のマイナス側(コネクタ(E)43側)を開路・閉路することでスタータ用電磁スイッチ装置の動作を制御するものであって、実施の形態1がプラスコントロール方式と呼ばれるものに対し、実施の形態3はマイナスコントロール方式と呼ばれるものである。

図23〜図27において、実施の形態2による実施の形態1の構成に加えて、内燃機関装置はS回路(−)配線33、スタータ用電磁スイッチ装置17はE1端子72を備える。

実施の形態1でコネクタ(E)43はターミナル(C)81と接続していたが、実施の形態3はターミナル(C)と接続せず、E1端子72と接続する。

E1端子72は導電材であって副コイル32の電気回路を構成する。 E1端子72はネジ及びコネクタ(E)43との接続部及び端子台37との嵌合部を備える。E1端子72のネジにはS回路(−)配線33をナット(図示しない)で螺合する。この螺合時のトルクに対してE1端子72が回転しないように端子台37に嵌合部を設ける。 E1端子72と端子台37の嵌合部は、バッテリ端子11とモータ端子21の中心を結んだ線の右側に配置される(対して副コイル32は左側に配置される)。(図25,26参照)

コネクタ集合体45は実施の形態1と異なる形状になるが、実施の形態1の図13の状態からタイバーカットをする箇所を変更するだけで作り分けることが可能である。

このように構成されたスタータ用電磁スイッチ装置によれば、マイナスコントロール方式のスタータであっても実施の形態1と同じ効果を得ることができる。

実施の形態4. 次に、実施の形態4によるスタータ用電磁スイッチ装置の構成について説明する。 実施の形態4によるスタータ用電磁スイッチ装置は、実施の形態2と同じくアースフロート方式のスタータにおいて実施の形態3と同じくマイナスコントロール方式としたものである。

図28〜図32において、実施の形態1の構成に加えて、内燃機関装置1はS回路(−)配線33、スタータ4にE端子71、スタータ用電磁スイッチ装置17にE1端子72とコネクタ(F)44と保持コイルマイナス配線76を備える。

E端子71は導電体であって、スタータ4及びスタータ用電磁スイッチ装置17の電気回路を構成する。E端子71はネジを備え、絶縁材を介してリヤブラケット77に固定される。ネジにはバッテリマイナス配線9と保持コイルマイナス配線76を嵌合しナットで螺合する。

実施の形態1でコネクタ(E)43はターミナル(C)81と接続していたが、実施の形態4はターミナル(C)81と接続せず、E1端子72と接続する。

E1端子72は導電材であって副コイル32の電気回路を構成する。 E1端子72はネジ及びコネクタ(E)43との接続部及び端子台37との嵌合部を備える。E1端子72のネジにはS回路(−)配線33をナット(図示しない)で螺合する。この螺合時のトルクに対してE1端子72が回転しないように端子台37に嵌合部を設ける。 E1端子72と端子台37の嵌合部は、バッテリ端子11とモータ端子21の中心を結んだ線の右側に配置される(対して副コイル32は左側に配置される)。(図30,31参照)

実施の形態1でターミナル(C)81のL曲げ部81aは主固定鉄心24に溶接固定したが、実施の形態4では実施の形態2と同様に、ターミナル(C)81を主固定鉄心24と溶接固定せず、ターミナル(A)79及びターミナル(B)80と同一の部品をボビン54に嵌合固定する。 ターミナル(C)81の端部81cにコネクタ(E)43を溶接し、U曲げ部81bに保持コイル26を溶接する構成は変更ない。 コネクタ(F)44はコネクタ(E)43と一体の部材で形成され、コネクタ(F)44の一端を保持コイルマイナス配線76と接続し、バッテリマイナス端子5bと電気的に接続する。

保持コイルマイナス配線76は絶縁被覆された銅線であって保持コイル26及び副コイル32の電気回路を構成する。 保持コイルマイナス配線76の一端はコネクタ(F)44と接続し他端はE端子71と接続する。

コネクタ集合体45は実施の形態1と異なる形状になるが、実施の形態1の図13の状態からタイバーカットをする箇所を変更するだけで作り分けることが可能である。

このように構成されたスタータ用電磁スイッチ装置によれば、アースフロート方式かつマイナスコントロール方式のスタータであっても実施の形態1と同じ効果を得ることができる。

なお、本発明は、本発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。

1:内燃機関装置、2:エンジン、3:リングギヤ、4:スタータ、5:バッテリ、5a:バッテリプラス端子、5b:バッテリマイナス端子、6:キースイッチ、7:制御装置、8:バッテリプラス配線、9:バッテリマイナス配線、10:S回路(+)配線、11:バッテリ端子、11a:側面、12:S端子、13:モータ、14:出力軸、15:オーバランニングクラッチ、16:ピニオン、17:スタータ用電磁スイッチ装置、18:シフトレバー、19:フロントブラケット 20:一対の主固定接点、20a,20b:主固定接点、21:モータ端子、22:主可動接点、23:主可動鉄心、23a:小径部、23b:鉤状部、24:主固定鉄心、24a:フランジ部、24b〜24d:貫通穴、24e:螺子穴、25:吸引コイル、26:保持コイル、27:主継鉄、28:一対の副固定接点、28a,28b:副固定接点、29:副可動接点、30:副継鉄、31:副可動鉄心、31a:テーパ面、32:副コイル、33:S回路(−)配線、34:主接点室、35:副接点室、36:隔壁、37:端子台、37a:突出部、38a,38b:ボルト 39:コネクタ(A)、40:コネクタ(B)、41:コネクタ(C)、42:コネクタ(D)、43:コネクタ(E)、44:コネクタ(F)、45:コネクタ集合体、45a:タイバー、45b:支持枠 46:ナット、47:ナット、48:ナット、49:モータ配線、50:絶縁板、51:絶縁部材、52:主接点バネ、53:止め輪、54:ボビン、54a,54b,54c:口出し部、55:ロッド、56:スペーサ、57:ボビン、58:副復帰バネ、59:ギャップ調整バネ、60:副固定鉄心(A)、61:副固定鉄心(B)、63:カバー、64:金属ブッシュ(A)、65:金属ブッシュ(B)、66:Oリング、67:樹脂部材、68:液状シール材、69:副接点バネ、70:主復帰バネ 71:E端子、72:E1端子、74a,74b:ワッシャ、75:接線、76:保持コイルマイナス配線、77:リヤブラケット、79:ターミナル(A)、79a,79b:U曲げ部、79c:端部、80:ターミナル(B)、80a:U曲げ部、80b:端部、81:ターミナル(C)、81a:L曲げ部、81b:U曲げ部、81c:端部

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