内燃機関の可変動弁装置

申请号 JP2016534340 申请日 2015-06-23 公开(公告)号 JPWO2016009790A1 公开(公告)日 2017-04-27
申请人 日立オートモティブシステムズ株式会社; 发明人 幹弘 梶浦; 幹弘 梶浦; 陽輔 岩瀬; 陽輔 岩瀬;
摘要 装置の軸方向の長さを短くしてコンパクト化を図り、エンジンルーム内でのレイアウトの 自由度 を向上し得る内燃機関の可変動弁装置を提供する。電動モータ(8)の前端側に設けられた給電用のスリップリング(26a、26b)と、電動モータの前端側に対向配置されたカバー部材(4)と、を備え、カバー部材は、外部電源に電気的に接続される給電用コネクタ(33)から通電される給電用ブラシ(31a、31b)と、該給電用ブラシをスリップリング方向へ付勢する一対の捩りコイルばね(32)と、を備え、カバー本体(28)の外側面(28j)に給電用ブラシと並列な 位置 に収容溝(49)を設け、この収容溝内に捩りコイルばねの巻き線部(32a)を収容配置した。
权利要求
  • 第1部材に対する第2部材の相対回転位相を変更することによって、機関弁の作動特性を可変にする内燃機関の可変動弁装置であって、
    前記第1部材に設けられた電動モータと、
    該電動モータのモータ出力軸の回転速度を減速して前記第2部材に伝達する減速機構と、
    前記電動モータの前端側に設けられた給電用のスリップリングと、
    前記電動モータの前端側に対向配置されたカバー部材と、
    該カバー部材は、外部電源に電気的に接続される給電用コネクタと、該給電用コネクタからハーネスを介して通電される給電用ブラシと、該給電用ブラシを前記スリップリング方向へ付勢する付勢部材と、を備え、
    該付勢部材を、前記カバー部材における前記給電用ブラシの軸方向に対して側方に配置すると共に、前記給電用ブラシの端部に弾接させたことを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  • 請求項1に記載の内燃機関の可変動弁装置において、
    前記付勢部材を捩りコイルばねによって構成し、該捩りコイルばねの巻き線部を前記カバー部材に形成された凹溝内に収容配置したことを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  • 請求項2に記載の内燃機関の可変動弁装置において、
    前記捩りコイルばねは、巻き線部が前記給電用ブラシの軸方向に対して側方に配置されていることを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  • 請求項3に記載の内燃機関の可変動弁装置において、
    前記捩りコイルばねの前記凹溝内から突出した一端部の閉じ方向のばね力で前記給電用ブラシを付勢したことを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  • 請求項4に記載の内燃機関の可変動弁装置において、
    前記捩りコイルばねを、前記給電用ブラシを中心とした前記給電用コネクタと反対側に配置したことを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  • 請求項5に記載の内燃機関の可変動弁装置において、
    前記給電用ブラシをカバー部材のほぼ径方向に沿って内外2つ設ける一方、前記捩りコイルばねもカバー部材のほぼ径方向に沿って2つ設け、該2つの捩りコイルばねの巻き線部の軸心を、前記2つの給電用ブラシの並び方向とほぼ平行に配置したことを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  • 請求項4に記載の内燃機関の可変動弁装置において、
    前記給電用コネクタは、開口部が前記カバー部材の外周面からほぼ径方向に沿って突設されていることを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  • 請求項7に記載の内燃機関の可変動弁装置において、
    前記給電用コネクタは、巾方向の一部が前記電動モータ側に突出して前記スリップリングと径方向でオーバーラップするように形成されていることを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  • 請求項8に記載の内燃機関の可変動弁装置において、
    前記給電用コネクタは、並設された2つの端子片を有し、該2つの端子片の一端側の2つの端子が導線を介して前記2つの給電用ブラシに接続されていると共に、前記2つの端子片が前記2つの給電用ブラシとほぼ並行に設けられていることを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  • 請求項9に記載の内燃機関の可変動弁装置において、
    前記電動モータのモータ出力軸とカバー部材との間に、モータ出力軸の回転角度を検出する回転角検出機構を設け、
    該回転角検出機構の、被検出部を前記モータ出力軸の先端部に設けると共に、検出部を前記カバー部材に設けたことを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  • 請求項10に記載の内燃機関の可変動弁装置において、
    前記カバー部材に、前記検出部から出力された信号を、内燃機関のコントロールユニットに出力する信号用コネクタを設けると共に、該信号用コネクタを前記給電用コネクタと隣接して設けたことを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  • 請求項11に記載の内燃機関の可変動弁装置において、
    前記信号用コネクタと給電用コネクタを、並列に設けたことを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  • 請求項11に記載の内燃機関の可変動弁装置において、
    前記給電用コネクタと信号用コネクタを、それぞれの端部が重力下方向に向かって設けられていることを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  • 請求項3に記載の内燃機関の可変動弁装置において、
    前記カバー部材は、外周に内燃機関に固定される際の位置決め用孔を有することを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  • 請求項3に記載の内燃機関の可変動弁装置において、
    前記給電用ブラシを、前記カバー部材の径方向の内側と外側に2つ並設させたことを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  • 請求項1に記載の内燃機関の可変動弁装置において、
    前記付勢部材を、板ばねによって構成したことを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  • クランクシャフトの回転力が伝達される第1部材と、
    カムシャフトに固定された第2部材と、
    前記第1部材に一体的に設けられ、モータ出力軸を回転させることにより、前記第1部材に対して第2部材を相対回転させる電動モータと、
    該電動モータに設けられたスリップリングと、
    該スリップリングに対向配置されたカバー部材と、
    を備え、
    前記カバー部材は、外部電源に電気的に接続された給電用コネクタと、該給電用コネクタにハーネスを介して接続され、前記電動モータに給電する給電用ブラシと、該給電用ブラシを前記電動モータ側に付勢する捩りコイルばねと、を有し、
    前記捩りコイルばねの巻き線部が、前記給電用ブラシの摺動方向の側方に配置されていることを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  • 請求項9に記載の内燃機関の可変動弁装置において、
    前記捩りコイルばねを、巻き線部が閉じ方向へばね変形するようにセットしたことを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  • 請求項9に記載の内燃機関の可変動弁装置において、
    前記給電用コネクタは、カバー部材の外周側にほぼ径方向に沿って配置されていると共に、巾方向の電動モータ側の一部が前記スリップリングと径方向で重なる位置に設けられていることを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  • クランクシャフトの回転力が伝達される第1部材と、
    カムシャフトに固定された第2部材と、
    前記第1部材に一体的に設けられ、モータ出力軸を回転させることにより、前記第1部材に対して第2部材を相対回転させる電動モータと、
    該電動モータの一端部に設けられたスリップリングと、
    前記電動モータの一端部の少なくとも一部を覆うように設けられたカバー部材と、
    該カバー部材に設けられ、外部電源に電気的に接続された給電用コネクタと、
    該給電用コネクタに導線を介して接続され、前記スリップリングに当接することにより給電する給電用ブラシと、
    該給電用ブラシを前記スリップリング側に付勢すると共に、巻き線部が前記給電用ブラシの径方向の側部に配置された捩りコイルばねと、
    を備えたことを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  • 说明书全文

    本発明は、例えば吸気弁や排気弁の開閉タイミングなどを制御する内燃機関の可変動弁装置の一つである例えばバルブタイミング制御装置に関する。

    内燃機関のバルブタイミング制御装置としては、本出願人が先に出願した以下の特許文献1に記載されているものが知られている。

    このバルブタイミング制御装置は、電動モータの軸方向の先端面に有する樹脂プレートに内外2つのスリップリングが設けられていると共に、モータハウジングの前端側を覆うように配置されたカバー部材には、保持部材が設けられており、この保持部材に、前記各スリップリングに当接する2つの給電用ブラシが設けられている。 この各給電用ブラシは、該各給電用ブラシの軸方向の端部に設けられた一対のコイルスプリングのばねによって前記各スリップリング方向へ付勢されている。

    そして、外部電源から給電用コネクタを介して前記給電用ブラシに供給された電流は、前記各スリップリングを介して切り換え用ブラシやコミュテータから電動モータのコイルに通電されて、モータ出力軸が回転駆動されることにより、クランクシャフトに対するカムシャフトの相対回転位相を変更して吸気弁のバルブタイミングを制御するようになっている。

    特開2012−132367号公報

    しかしながら、前記公報記載のバルブタイミング制御装置にあっては、前記各コイルスプリングが、各給電用ブラシの軸方向端部に軸方向に沿って直列状態に設けられていることから、装置の軸方向の長さが必然的に長くなってしまう。 この結果、車両のエンジンルーム内でのレイアウトの自由度が制約されてしまう。

    本発明は、前記従来の技術的課題に鑑みて案出されたもので、装置の軸方向の長さを短くしてコンパクト化を図り、エンジンルーム内でのレイアウトの自由度を向上し得る内燃機関の可変動弁装置を提供することを目的としている。

    本願請求項1に記載の発明は、とりわけ、第1部材に設けられた電動モータと、該電動モータのモータ出力軸の回転速度を減速して前記第2部材に伝達する減速機構と、前記電動モータの前端側に設けられた給電用のスリップリングと、前記電動モータの前端側に対向するように設けられたカバー部材と、該カバー部材は、外部電源に電気的に接続される給電用コネクタと、該給電用コネクタからハーネスを介して通電される給電用ブラシと、該給電用ブラシを前記スリップリング方向へ付勢する付勢部材と、を備え、該付勢部材を、前記カバー部材における前記給電用ブラシの軸方向に対して側方に配置すると共に、前記給電用ブラシの端部に弾接させたことを特徴としている。

    この発明によれば、付勢部材を給電用ブラシの軸方向に対して側方に配置することによって、装置の軸方向の長さを可及的に短くすることにより、エンジンルーム内でのレイアウトの自由度を図ることができる。

    本発明に係るバルブタイミング制御装置の一実施形態を示す縦断面図であり、図中左側のカバー部材は図7のC−C線断面図である。

    本実施形態における主要な構成部品を示す分解斜視図である。

    図1のA−A線断面図である。

    図1のB−B線断面図である。

    本実施形態に供される給電プレートの背面図である。

    本実施形態に供されるカバー部材の斜視図である。

    同カバー部材の縦断面図である。

    同カバー部材の正面図である。

    図8のD−D線断面図である。

    図8のE−E線断面図である。

    本実施形態に供されるリテーナを示し、Aは該リテーナの正面図、Bは左側面図である。

    本実施形態に供されるリテーナに捩りコイルばねが装着された状態を示し、Aは正面図、Bは左側面図である。

    本発明に供される付勢部材の他例として板ばねを示す断面図である。

    以下、本発明に係る内燃機関の可変動弁装置としてのバルブタイミング制御装置の実施形態を図面に基づいて説明する。 なお、この実施形態では、吸気弁側のバルブタイミング制御装置に適用したものであるが、排気弁側にも適用可能である。

    前記バルブタイミング制御装置は、図1及び図2に示すように、内燃機関のクランクシャフトによって回転駆動する第1部材であるタイミングスプロケット1と、シリンダヘッド01上に軸受02を介して回転自在に支持されていると共に、前記タイミングスプロケット1に相対回転自在に設けられ、該タイミングスプロケット1から伝達された回転力によって回転するカムシャフト2と、前記タイミングスプロケット1とカムシャフト2の間に配置されて、機関運転状態に応じて両者1,2の相対回転位相を変更する位相変更機構3と、該位相変更機構3の前端側に配置されたカバー部材4と、を備えている。

    前記タイミングスプロケット1は、全体が鉄系金属によって環状一体に形成され、内周面が段差径状のスプロケット本体1aと、該スプロケット本体1aの外周に一体に設けられて、巻回された図外のタイミングチェーンを介してクランクシャフトからの回転力を受けるギア部1bと、前記スプロケット本体1aの前端側に一体に設けられた内歯構成部19と、から構成されている。

    また、このタイミングスプロケット1は、スプロケット本体1aと前記カムシャフト2の前端部に設けられた後述する第2部材である従動部材9との間に、1つの大径ボールベアリング43が介装されており、この大径ボールベアリング43によって、タイミングスプロケット1と前記カムシャフト2が相対回転自在に軸受されている。

    前記大径ボールベアリング43は、一般的なもので、外輪43a及び内輪43bと、該両輪の間に介装されたボールと、から構成され、前記外輪43aがスプロケット本体1aの内周側に固定されているのに対して内輪43bが従動部材9の外周側に圧入固定されている。

    前記スプロケット本体1aは、内周側に、前記カムシャフト2側に開口した円環溝状の外輪固定部60が切欠形成されている。

    この外輪固定部60は、段差径状に形成されて、前記大径ボールベアリング43の外輪43aが軸方向から圧入されると共に、この外輪43aの軸方向一方側の位置決めをするようになっている。

    前記内歯構成部19は、前記スプロケット本体1aの前端部外周側に一体に設けられ、位相変更機構3の前方へ延出した円筒状に形成されていると共に、内周には波形状の複数の内歯19aが形成されている。

    さらに、スプロケット本体1aの内歯構成部19と反対側の後端部には、円環状の保持プレート61が配置されている。 この保持プレート61は、金属板材によって一体に形成され、図1及び図4に示すように、外径が前記スプロケット本体1aの外径とほぼ同一に設定されていると共に、内径が前記大径ボールベアリング43の外輪の内径よりも小さい径に設定されている。

    前記保持プレート61の内周部61aは、前記外輪の軸方向の外端面に当接配置されている。 また、前記内周部61aの内周縁所定位置には、径方向内側、つまり中心軸方向に向かって突出したストッパ凸部61bが一体に設けられている。

    このストッパ凸部61bは、ほぼ扇状に形成されて、先端縁61cが後述するストッパ溝2bの円弧状内周面に沿った円弧状に形成されている。 さらに、前記保持プレート61の外周部には、各ボルト7が挿通する6つのボルト挿通孔61dが周方向の等間隔位置に貫通形成されている。

    前記スプロケット本体1a(内歯構成部19)及び保持プレート61の各外周部には、それぞれボルト挿通孔1c、61dが周方向のほぼ等間隔位置に6つ貫通形成されている。 なお、前記スプロケット本体1aと内歯構成部19は、後述する減速機構12のケーシングとして構成されている。

    また、前記スプロケット本体1aと前記内歯構成部19、保持プレート61及びハウジング本体5aは、それぞれの外径がほぼ同一に設定されている。

    前記モータハウジング5は、図1に示すように、鉄系金属材をプレス成形によって有底筒状に形成された前記ハウジング本体5aと、該ハウジング本体5aの前端開口を封止する給電プレート11と、を備えている。

    前記ハウジング本体5aは、後端側に円板状の隔壁5bを有し、該隔壁5bのほぼ中央には、後述する偏心軸部39が挿通される大径な軸挿通孔5cが形成されていると共に、該軸挿通孔5cの孔縁にカムシャフト2の軸方向へ突出した円筒状の延出部5dが一体に設けられている。 また、前記隔壁5bの外周部の内部には、雌ねじ孔6が軸方向に沿って形成されている。 なお、ハウジング本体5aの隔壁5bの後端面には、前記内歯構成部19が軸方向から当接している。

    また、前記雌ねじ孔6は、各ボルト挿通孔1c、61dと対応した位置に形成されており、これらに挿通した6本のボルト7によって前記タイミングスプロケット1(内歯構成部19)と保持プレート61及びハウジング本体5aが軸方向から共締め固定されている。

    前記カムシャフト2は、外周に図外の吸気弁を開作動させる一気筒当たり2つの駆動カムを有していると共に、前端部に前記フランジ部2aが一体に設けられている。

    このフランジ部2aは、図1に示すように、外径が後述する従動部材9の固定端部9aの外径よりも僅かに大きく形成されて、各構成部品の組み付け後に、前端面の外周部が前記大径ボールベアリング43の内輪43bの軸方向外端面に当接配置されるようになっている。 また、フランジ部2aの前端面が、従動部材9に軸方向から当接した状態でカムボルト10によって軸方向から結合されている。

    また、前記フランジ部2aの外周には、図4に示すように、前記保持プレート61のストッパ凸部61bが係入するストッパ凹溝2bが円周方向に沿って形成されている。 このストッパ凹溝2bは、円周方向へ所定長さの円弧状に形成されて、この長さ範囲で回動したストッパ凸部61bの両端縁が周方向の対向縁2c、2dにそれぞれ当接することによって、タイミングスプロケット1に対するカムシャフト2の最大進側あるいは最大遅角側の相対回転位置を規制するようになっている。

    なお、前記ストッパ凸部61bは、前記保持プレート61の大径ボールベアリング43の外輪43aに軸方向外側から対向して固定する部位よりもカムシャフト2側に離間して配置されて、前記従動部材9の固定端部9aとは軸方向で非接触状態になっている。 これによって、ストッパ凸部61bと固定端部9aとの干渉を抑制できる。

    前記カムボルト10は、図1に示すように、頭部10aの軸方向端面が小径ボールベアリング37の内輪を軸方向から支持していると共に、軸部10bの外周に前記カムシャフト2の端部から内部軸方向に形成された雌ねじ2cに螺着する雄ねじ10cが形成されている。

    前記従動部材9は、鉄系金属によって一体に形成され、図1に示すように、後端側(カムシャフト2側)に形成された円板状の固定端部9aと、該固定端部9aの内周前端面から軸方向へ突出した円筒部9bと、前記固定端部9aの外周部に一体に形成されて、複数のローラ48を保持する円筒状の保持器41と、から構成されている。

    前記固定端部9aは、後端面が前記カムシャフト2のフランジ部2aの前端面に当接配置されて、前記カムボルト10の軸力によってフランジ部2aに軸方向から圧接固定されている。

    前記円筒部9bは、図1に示すように、中央に前記カムボルト10の軸部10bが挿通される挿通孔9dが貫通形成されていると共に、外周側にはニードルベアリング38が設けられている。

    前記保持器41は、図1に示すように、前記固定端部9aの外周部前端から前方へ断面ほぼL字形状に折曲されて、前記円筒部9bと同方向へ突出した有底円筒状に形成されている。

    この保持器41の筒状先端部41aは、前記内歯構成部19や隔壁5bなどによって隔成された円環凹状の収容空間を介してモータハウジング5の隔壁5b方向へ延出している。 また、前記筒状先端部41aの周方向のほぼ等間隔位置には、図1及び図2に示すように、前記複数のローラ48をそれぞれ転動自在に保持するほぼ長方形状の複数のローラ保持孔41bが周方向の等間隔位置に形成されている。 このローラ保持孔41b(ローラ48)は、先端部側が閉塞されて前後方向に細長い形状に形成され、その全体の数が前記内歯構成部19の内歯19aの全体の歯数よりも少なくなっており、これによって、減速比を得るようになっている。

    前記位相変更機構3は、前記従動部材9の円筒部9bの前端側に配置された前記電動モータ8と、該電動モータ8の回転速度を減速してカムシャフト2に伝達する減速機構12と、から主として構成されている。

    前記電動モータ8は、図1及び図2に示すように、ブラシ付きのDCモータであって、前記タイミングスプロケット1と一体に回転するヨークであるモータハウジング5と、該モータハウジング5の内部に回転自在に設けられたモータ出力軸13と、モータハウジング5の内周面に接着剤によって固定されたステータであるそれぞれ円弧状の4つの永久磁石14と、モータハウジング5の前端部に固定された前記給電プレート11と、を備えている。

    前記モータ出力軸13は、段差円筒状に形成されてアーマチュアとして機能し、軸方向のほぼ中央位置に形成された段差部を介してカムシャフト2側の大径部13aと、そのカバー部材4側の小径部13bと、から構成されている。 前記大径部13aは、外周に鉄心ロータ17が固定されていると共に、後端側に減速機構12の一部を構成する偏心軸部39が一体に形成されている。

    一方、前記小径部13bは、外周に円環部材20が圧入固定されていると共に、該円環部材20の外周面に後述するコミュテータ21が軸方向から圧入固定されている。 前記円環部材20は、その外径が前記大径部13aの外径とほぼ同一に設定されていると共に、小径部13bの軸方向のほぼ中央位置に配置されている。

    前記鉄心ロータ17は、複数の磁極を持つ磁性材によって形成され、外周側がコイル18のコイル線を巻回させるスロットを有するボビンとして構成されており、この鉄心ロータ17の内周部が前記モータ出力軸13の段差部外周に軸方向の位置決めされつつ固定されている。

    一方、前記コミュテータ21は、導電材によって円環状に形成されて、前記鉄心ロータ17の極数と同数に分割された各セグメントに前記コイル18の引き出されたコイル線の端末が電気的に接続されている。

    前記各永久磁石14は、円周方向に所定隙間をもって配設されて全体が円筒状に形成され、円周方向に複数の磁極を有していると共に、その軸方向の位置が前記鉄心ロータ17の軸方向の中心に対して前記給電プレート11側にオフセット配置されている。 これによって、前記各永久磁石14の前端部が、径方向で前記コミュテータ21や給電プレート11に設けられた後述する切換用ブラシ25a、25bなどとオーバーラップするように配置されている。

    前記給電プレート11は、図1及び図5に示すように、鉄系金属材からなる円盤状の金属プレート部16と、該金属プレート部16の前後両側面にモールドされた円板状の樹脂部22と、から構成されている。 なお、この給電プレート11は、電動モータ8への給電機構の一部として構成されている。

    前記金属プレート16は、図1及び図5に示すように、前記樹脂部22に覆われていない外周部16aが前記モータハウジング5の前端部内周に形成された円環状の段差状の凹溝にかしめによって位置決め固定されていると共に、中央部にはモータ出力軸13の小径部13bなどが挿通される軸挿通孔16bが貫通形成されている。 また、金属プレート16は、前記軸挿通孔16bの内周縁に連続した所定の位置に矩形状の2つの保持孔16c、16dが打ち抜きにより形成されており、この各保持孔16c、16dには、後述するブラシホルダ23a、23bが嵌入保持されている。

    また、前記給電プレート11には、図1、図5に示すように、前記金属プレート16の各保持孔16c、16dの内側に配置されて、前記樹脂部22の前端部22aに複数のリベット40により固定された銅製筒状の一対のブラシホルダ23a、23bと、該各ブラシホルダ23a、23bの内部に径方向に沿って摺動自在に収容配置されて、コイルスプリング24a、24bのばね力で円弧状の各先端面が前記コミュテータ21の外周面に径方向から弾接する整流子である一対の切換用ブラシ25a、25bと、前記樹脂部22の前端部22a側に、それぞれの外側面を露出した状態でモールド固定された内外二重の給電用スリップリング26a,26bと、前記各切換用ブラシ25a、25bと各スリップリング26a,26bを電気的� ��接続する導線であるハーネス27a、27bと、が設けられている。

    前記内周側の小径なスリップリング26aと、外周側の大径なスリップリング26bは、銅材からなる薄板をプレスによって円環状に打ち抜き形成されている。

    前記カバー部材4は、図1及び図6に示すように、ほぼ円盤状に形成されて、前記給電プレート11の前端側に前記ハウジング本体5aの前端部に対向し、少なくとも一部を覆う形で配置されており、円板プレート状のカバー本体28と、該カバー本体28の前端部を覆う合成樹脂製のカバー部29と、から構成されている。

    前記カバー本体28は、図1及び図6〜図10に示すように、主として合成樹脂材によって所定の肉厚に形成されていると共に、外径が前記ハウジング本体5aの外径より大きく形成されており、内部には線膨張係数が合成樹脂材よりも小さな金属製の補強プレート28aがモールド固定されている。

    また、カバー本体28は、外周部の4箇所に突設された円弧状のボス部28cに、図外のチェーンケースに固定されるボルトが挿通されるボルト挿通孔28dが樹脂材にモールドされた金属製のスリーブ28eによってそれぞれ形成されていると共に、図8中、下側の左右2つのボス部28cには、カバー部材4をチェーンケースに取り付ける際に位置決めピンを挿通する2つのピン挿通孔28i、28iが貫通形成されている。

    前記補強プレート28aは、図7に示すように、カバー本体28の外径よりも小さなほぼ円盤状に形成されて、中央位置に円形状の貫通孔28fが形成されていると共に、該貫通孔28fの一側縁にほぼ矩形状の窓部28gが貫通形成されている。 また、図7中、下部側には後述する信号用コネクタ34の導電材が配置される細長い長方形状の切欠部28jが径方向に沿って形成されている。

    前記貫通孔28fは、その内径が後述する凹溝36aの内径より大きく、かつ大径溝36bの内径よりも小さく形成されている。

    前記窓部28gは、前記貫通孔28fの一側部に連通状態に設けられ、この窓部28g内に充填された合成樹脂材によって角筒状のブラシホルダ30a、30bが軸方向に沿ってモールド固定されていると共に、後述する一対の捩りコイルばね32、32を収容する矩形状の収容溝49が窓部28g内に充填された合成樹脂材を切り欠いて形成されている。

    前記切欠部28jは、内部に充填された合成樹脂材の内部に後述する信号用コネクタの端子片34aが埋設されている。

    前記カバー部29は、円盤プレート状に形成されて、外周縁に一体に形成された円環状の係止凸部29aが前記カバー本体28の外周部に形成された段差係止溝28hに軸方向から圧入によって係止固定されている。

    前記カバー本体28は、前記各スリップリング26a、26bと軸方向から対向する位置に銅製の一対の角筒状ブラシホルダ30a、30bが軸方向に沿って固定されていると共に、該各ブラシホルダ30a、30bの内部には、各先端面が前記各スリップリング26a、26bに摺接する一対の給電用ブラシ31a、31bが軸方向へ摺動自在に保持されている。

    前記ブラシホルダ30a、30b及び給電用ブラシ31a、31bは、図7にも示すように、前記カバー本体28の中心から延びた径方向線上の内側と外側に並設されていると共に、それぞれの後端部が前記カバー本体28の外側面28bに臨んでいる。

    また、カバー本体28の電動モータ8側の内面のほぼ中央位置には、図1に示すように、円形状の凹溝36aが形成されている。 この凹溝36aは、カバー本体28の軸方向外側に凹んで形成され、内径が後述する被検出部50の先端部50bの外径よりも大きく形成されていると共に、その深さは前記カバー本体28の軸方向の幅長さよりも僅かに小さく形成されて、薄肉な底壁を有している。 また、この薄肉な底壁の外面ほぼ中央位置には、位置決め用凸部28kが外側面28bから突設されている。

    前記収容溝49は、図6及び図7に示すように、前記窓部28g内の合成樹脂材を、カバー本体28のほぼ径方向に沿って長方形状に切り欠いて形成され、前記両給電用ブラシ31a、31bの上方位置にほぼ並行状態に配置されている。 つまり、この収容溝49の形成位置は、各給電用ブラシ31a、31bを挟んで後述する給電用コネクタ33と反対側の径方向位置に設けられている。

    また、この収容溝49に内部には、前記各給電用ブラシ31a、31bを前記スリップリング26a、26b方向へ付勢する付勢部材である一対の捩りコイルばね32、32が収容されている。

    この一対の捩りコイルばね32、32は、図6、図7及び図10に示すように、各巻き線部32a、32aが前記収容溝49の内部に沿って直列状に配置収容されていると共に、該各巻き線部32a、32aの内部に挿通されたリテーナ56によって収容溝49内に収容保持されている。

    このリテーナ56は、図11A、Bに示すように、合成樹脂材によって1本の軸状に一体に形成され、軸方向の中央位置に矩形状の支持片56aが一体に設けられていると共に、該支持片56aを挟んだ左右両側の軸部56b、56bに一対のスリット状の係止溝56c、56cが軸方向に沿って形成されている。

    前記支持板56aは、リテーナ56の軸方向中央位置を横断する形で一体に形成され、前記収容溝49の長手方向のほぼ中央位置の対向内側面に形成されたスリット状の一対の固定用溝49a、49aに上方から圧入嵌合して、リテーナ56の両軸部56b、56に保持された各捩りコイルばね32,32を前記収容溝49内に安定に保持するようになっている。

    前記各係止溝56c、56cは、一方側の開口端が前記各捩りコイルばね32,32のほぼU字形状に内方へ折曲された一端部32b、32bが係入し易いように円弧面56d、56dに形成されている。

    また、前記各捩りコイルばね32,32は、図10及び図12A、Bに示すように、内側にU字形状に折曲された前記各一端部32b、32bが前記各係止溝56c、56cに係入固定されていると共に、径方向へ突出した他端部32c、32cが前記各給電用ブラシ31a、31bの後端面に弾接してスリップリング26a、26b方向へ押圧するようになっている。 つまり、捩りコイルばね32,32は、閉じ方向のばね力によって各給電用ブラシ31a、31bを付勢している。

    なお、前記各捩りコイルばね32,32の他端部32c、32cは、先端部がほぼL字形状に折曲形成されて、前記各給電用ブラシ31a、31bの後端面に対して安定に当接するようになっている。

    前記各ブラシホルダ30a、30bは、前後端に開口部が形成されて、前端側の開口部から前記各給電用ブラシ31a、31bの先端部が進退自在になっていると共に、各一側壁の長手方向に形成されたスリット孔を介して各給電用ブラシ31a、31aの後端側部にピグテールハーネス57、57の一端部57a、57aが接続されている。

    前記各ピグテールハーネス57,57は、各他端部57b、57bが後述する給電用コネクタ33の端子片33a、33aの各一端部33b、33bに半田付けによって接続されており、その長さが前述したように、前記給電用ブラシ31a、31bが前記捩りコイルばね32、32のばね力によって押し出されてもブラシホルダ30a、30bから脱落しないような長さに設定されている。

    前記各給電用ブラシ31a、31bは、角柱状に形成されて所定の軸方向長さに設定されていると共に、平坦な各先端面が前記各スリップリング26a,26bに軸方向からそれぞれ当接するようになっている。

    また、前記カバー本体28の下端部には、前記各給電用ブラシ31a、31bに図外のコントロールユニットを介して電源バッテリーから電流を供給する給電用コネクタ33が一体に設けられていると共に、前記検出部51で検出された回転角度信号を前記コントロールユニットに出力する信号用コネクタ34が前記給電用コネクタ33と並行かつ径方向に沿って突設されている。

    前記給電用コネクタ33は、図6及び図10に示すように、その開口部がカバー部材4の外周側下端部にほぼ径方向に沿って形成されて、全体の巾長さWがカバー部材4の巾長さとほぼ同じ長さになっているが、電動モータ8側の一部が電動モータ8方向へ突出して前記スリップリング26a、26bと巾方向でオーバーラップしている。

    また、給電用コネクタ33は、前記カバー本体28の内部に部分的に埋設された導電材である一対の端子片33a、33aの各一端部33b、33bが前記ピグテールハーネス57,57に接続されていると共に、前記開口部の内部に配置されて外部に露出した他端部33c、33cがコントロールユニット側の雌コネクタ端子に接続されるようになっている。

    一方、前記信号用コネクタ34は、図1及び図6〜図9に示すように、開口部がカバー部材4の外周側下端部にほぼ径方向に沿って形成されて、前記給電用コネクタ33の開口部と並行に形成されていると共に、全体の巾長さW1がカバー部材4の巾長さとほぼ同じ長さになっているが、電動モータ8側の一部が電動モータ8方向へ突出している。 また、この信号用コネクタ34は、カバー本体28内に部分的に埋設された導電材である複数の端子片34aを有し、外部に露出された各一端部34bが前記プリント基板51の集積回路54に接続されていると共に、他端部34cがコントロールユニット側の図外の雌コネクタ端子に接続されるようになっている。

    前記モータ出力軸13の小径部13bと、前記カバー本体28の凹溝36aの底壁を挟んだ中央部との間には、モータ出力軸13の回転角度位置を検出する前記角度センサ35が設けられている。

    この角度センサ35は、電磁誘導型であって、図1に示すように、前記モータ出力軸13の小径部13b内に固定された被検出部50と、前記カバー本体28のほぼ中央位置に固定されて、前記被検出部50からの検出信号を受信する検出部51と、から構成されている。

    前記被検出部50は、合成樹脂材からなるほぼ有底円筒状の支持部50aの軸方向先端部50bの底壁外面に3葉形状の薄板な被検出ロータ52が固定されていると共に、支持部50aの後端部外周に前記モータ出力軸13の小径部13bの内部に圧入される円環状突起50cが一体に設けられている。

    また、前記支持部50aは、外径が前記凹溝36aの内径よりも小さく形成されて、前記モータ出力軸13の小径部13bの先端から突出した前記先端部50bが前記カバー本体28の前記凹溝36a内に挿入配置されて、前記被検出ロータ52が凹溝36aの薄肉な底壁の底面に微少クリアランスCを介して対向配置されている。

    前記検出部51は、前記カバー本体28のほぼ中央位置から径方向に延設されたほぼ長方形状のプリント基板53と、該プリント基板53の長手方向の一端部外面に設けられた集積回路(ASIC)54と、該集積回路54と同じ外面の他端部側に設けられた図外の受信回路及び発振回路と、を備えている。

    前記プリント基板53は、図外の前記受信、発振回路の中央に位置決め用小孔53aが形成されており、この位置決め用小孔53aが前記位置決め用凸部28kに圧入嵌合して前記被検出ロータ52の中心と受信、発振回路の中心が位置決めされるようになっている。

    また、このプリント基板53は、前記カバー本体28の前端面に対してビスなどの所定の固定手段によって固定されており、したがって、前記受信、発振回路は、前記凹溝36aの底壁と微少クリアランスCを介して前記被検出ロータ52に軸方向から対峙している。

    よって、前記モータ出力軸13の回転に伴って前記被検出ロータ52が支持部50aを介して回転することにより、図外の前記受信、発信回路と前記被検出ロータ52との間に誘導電流が流れて、この電磁誘導作用によって前記集積回路54がモータ出力軸13の回転角度を検出し、この検出信号をコントロールユニットに出力するようになっている。

    また、前記カバー本体28の前記凹溝36aの開口部側外周には、該凹溝36aの内径よりも大きな内径を有する大径溝36bが形成されている。 この大径溝36bは、図1及び図8,図9に示すように、内径が前記円環部材20の外径とほぼ同じ大きさに形成されていると共に、深さが前記カバー本体28の中央部後端面から軸方向のほぼ中央位置(凹溝36aの開口端)までの深さに形成されている。 この大径溝36bと前記凹溝36aは、前記各スリップリング26a、26bと各給電用ブラシ31a、31bの先端部との当接位置よりも外側にオフセットされていると共に、両者が協働してラビリンス溝として構成されるようになっている。

    前記モータ出力軸13と偏心軸部39は、前記カムボルト10の軸部10b外周面に設けられた小径ボールベアリング37と、前記従動部材9の円筒部9bの外周面に設けられて小径ボールベアリング37の軸方向側部に配置された前記ニードルベアリング38とによって回転自在に支持されている。

    前記ニードルベアリング38は、偏心軸部39の内周面に圧入された円筒状のベアリングリテーナ38aと、該ベアリングリテーナ38aの内部に回転自在に保持された複数の転動体であるニードルローラ38bと、から構成されている。 このニードルローラ38bは、前記従動部材9の円筒部9bの外周面を転動している。

    前記小径ボールベアリング37は、内輪が前記従動部材9の円筒部9bの前端縁とカムボルト10の頭部10aとの間に挟持状態に固定されている一方、外輪が前記偏心軸部39の段差拡径状の内周面に圧入固定されていると共に、前記内周面に形成された段差縁に当接して軸方向の位置決めがなされている。

    また、前記モータ出力軸13(偏心軸部39)の外周面と前記モータハウジング5の延出部5dの内周面との間には、減速機構12の内部から電動モータ8内への潤滑油のリークを阻止する小径なオイルシール46が設けられている。 このオイルシール46は、電動モータ8と減速機構12とをシール機能をもって隔成するものである。

    前記コントロールユニットは、図外のクランク角センサやエアーフローメータ、温センサ、アクセル開度センサなど各種のセンサ類からの情報信号に基づいて現在の機関運転状態を検出し、これに基づいて機関制御を行うと共に、前記給電用ブラシ31a、31bや各スリップリング26a,26b、切換用ブラシ25a、25b、コミュテータ21などを介してコイル18に通電してモータ出力軸13の回転制御を行い、減速機構12によってカムシャフト2のタイミングスプロケット1に対する相対回転位相を制御するようになっている。

    前記減速機構12は、図1〜図3に示すように、偏心回転運動を行う前記偏心軸部39と、該偏心軸部39の外周に設けられた中径ボールベアリング47と、該中径ボールベアリング47の外周に設けられた前記ローラ48と、該ローラ48を転動方向に保持しつつ径方向の移動を許容する前記保持器41と、該保持器41と一体の前記従動部材9と、から主として構成されている。

    前記偏心軸部39は、図1に示すように、外周面に形成されたカム面39aの軸心Yがモータ出力軸13の軸心Xから径方向へ僅かに偏心している。

    前記中径ボールベアリング47は、前記ニードルベアリング38の径方向位置で全体がほぼオーバーラップする状態に配置され、内輪47aと外輪47b及び該両輪47a、47bとの間に介装されたボールとから構成されている。 前記内輪47aは、前記偏心軸部39の外周面に圧入固定されているのに対して、前記外輪47bは、軸方向で固定されることなくフリーな状態になっている。 つまり、この外輪47bは、軸方向の電動モータ8側の一端面がどの部位にも接触せず、また軸方向の他端面がこれに対向する保持器41の内側面との間に微小な第1隙間C1が形成されてフリーな状態になっている。 また、この外輪47bの外周面には、前記各ローラ48の外周面が転動自在に当接していると共に、この外輪47bの外周側には、円環状の第2隙間C2が形成されて、この第2隙間C2によって中径ボールベアリング47全体が前記偏心軸部39の偏心回転に伴って径方向へ移動可能、つまり偏心動可能になっている。

    前記各ローラ48は、鉄系金属によって形成され、前記中径ボールベアリング47の偏心動に伴って径方向へ移動しつつ前記内歯構成部19の内歯19aに嵌入すると共に、保持器41のローラ保持孔41bの両側縁によって周方向にガイドされつつ径方向へ揺動運動させるようになっている。

    前記減速機構12の内部には、潤滑油供給手段によって潤滑油が供給されるようになっている。 この潤滑油供給手段は、前記シリンダヘッド01の軸受02の内部に形成されて、図外のメインオイルギャラリーから潤滑油が供給される油供給通路と、前記カムシャフト2の内部軸方向に形成されて、前記油供給通路にグルーブ溝51aを介して連通した油供給孔51と、前記従動部材9の内部軸方向に貫通形成されて、一端が該油供給孔51に環状溝51bを介して開口し、他端が前記ニードルベアリング38と中径ボールベアリング47の付近に開口した前記小径なオイル孔52と、同じく従動部材9に貫通形成された図外のオイル排出孔と、から構成されている。

    この潤滑油供給手段によって、減速機構12の内部に潤滑油が供給されて滞留し、ここから中径ボールベアリング47や各ローラ48を潤滑すると共に、さらには偏心軸部39とモータ出力軸13の内部に流入してニードルベアリング38や小径ボールベアリング37などの可動部の潤滑に供されるようになっている。
    〔本実施形態の作動〕
    以下、本実施形態の作動について説明すると、まず、機関のクランクシャフトの回転駆動に伴ってタイミングチェーンを介してタイミングスプロケット1が回転し、その回転力が内歯構成部19と雌ねじ形成部6を介してモータハウジング5に伝達されて、該モータハウジング5が同期回転する。 一方、前記内歯構成部19の回転力が、各ローラ48から保持器41及び従動部材9を経由してカムシャフト2に伝達される。 これによって、カムシャフト2のカムが吸気弁を開閉作動させる。

    そして、機関始動後の所定の機関運転時には、前記コントロールユニットから各端子片33a、33a、各ピグテールハーネス57,57及び給電用ブラシ31a、31bや各スリップリング26a,26bなどを介して電動モータ8のコイル18に通電される。 これによって、モータ出力軸13が回転駆動され、この回転力が減速機構12を介してカムシャフト2に減速された回転力が伝達される。

    すなわち、前記モータ出力軸13の回転に伴い偏心軸部39が偏心回転すると、各ローラ48がモータ出力軸13の1回転毎に保持器41の各ローラ保持孔41bで径方向へガイドされながら前記内歯構成部19の一つの内歯19aを乗り越えて隣接する他の内歯19aに転動しながら移動し、これを順次繰り返しながら円周方向へ転接する。 この各ローラ48の転接によって前記モータ出力軸13の回転が減速されつつ前記従動部材9に回転力が伝達される。 このときの減速比は、前記内歯19aの数とローラ48の数の差によって任意に設定することが可能である。

    これにより、カムシャフト2がタイミングスプロケット1に対して正逆相対回転して相対回転位相が変換されて、吸気弁の開閉タイミングを進角側あるいは遅角側に変換制御するのである。

    前記タイミングスプロケット1に対するカムシャフト2の正逆相対回転の最大位置規制(角度位置規制)は、前記ストッパ凸部61bの各側面が前記ストッパ凹溝2bの各対向面2c、2dのいずれか一方に当接することによって行われる。

    したがって、吸気弁の開閉タイミングが進角側あるいは遅角側へ最大に変換されて、機関の燃費や出力の向上が図れる。

    また、前記電動モータ8のモータ出力軸13の回転に伴って前記角度センサ35の被検出部50が回転すると、検出部51との間の誘導電流が流れ、この電磁誘導作用によって前記集積回路54がモータ出力軸13の回転角度を検出して、この検出信号によってコントロールユニットにおいてモータ出力軸13の現在の回転角度位置を検出する。 この回転角度位置とクランクシャフトとの回転位置によってコントロールユニットが前記電動モータ8に回転駆動信号を出力して、現在の機関運転状態に応じて前記クランクシャフトに対するカムシャフト2の相対回転位相を精度良く制御するようになっている。

    そして、本実施形態では、前述したように、カバー本体28に設けられた収容溝49を、各ブラシホルダ30a、30b(給電用ブラシ31a、31b)に対して直列ではなく、給電用ブラシ31a、31bの軸方向に対して側方に配置し、ここに各捩りコイルばね32、32の各巻き線部32a、32aを収容した。 換言すれば、収容溝49を、各ブラシホルダ30a、30b(給電用ブラシ31a、31b)に対して径方向の近接した側部位置に並列状態に形成したことから、給電用ブラシ31a、31bに対する各捩りコイルばね32,32との配置構成が装置の軸方向ではなく径方向の配置となる。 このため、前記カバー部材4全体を扁平化することが可能になって、装置全体の軸方向の長さを十分に短くすることが可能になる。

    この結果、このバルブタイミング制御装置を搭載した内燃機関のエンジンルーム内でのレイアウトの自由度が向上する。

    特に、前記各捩りコイルばね32,32は、全体がカバー部材4の外面に露出した状態でなく、各巻き線部32a、32aの大部分が前記収容溝49内に収容されて、カバー本体28の外側面28jからの突出量を低くできることから、軸方向の長さをさらに短くすることが可能になる。

    また、各捩りコイルばね32,32の外方へ突出した他端部32b、32bもカバー本体28の外側面28bに沿いながら延出して各給電用ブラシ31a、31bの後面に当接していることから、この構造によっても前記外面28bからの突出量を抑制できるので、カバー部材4全体をさらに扁平化することが可能になって、装置の軸方向の長さを短くすることができる。

    さらに、前記給電用コネクタ33と信号用コネクタ34が、カバー本体28の外周面から径方向に沿って突設されて、該各コネクタ33,34がカバー部29を含めたカバー部材4全体の投影巾とほぼ同じ巾になるように形成されており、特に、前記給電用コネクタ33は、電動モータ8側の一部がカバー本体28の内側面よりも電動モータ8側へ僅かに突出して、カバー部29方向への突出が抑えられている。 この点でも装置の軸方向の長さを短くすることが可能になる。

    また本実施形態では、前記カバー本体28の合成樹脂材の内部に補強プレート28aがモールド固定されて埋設状態になっていることから、カバー本体28全体の剛性が高くなっている。 このため、前記機関の駆動中における振動が前記カバー本体28に伝達されても、該カバー本体28での大きな振動の発生が抑えられる。 このため、被検出ロータ52と凹溝36aの底壁との間の前記微少クリアランスCの変動が抑制され、この結果、前記角度センサ35の回転角度検出精度の低下を抑制することが可能になる。

    さらに、前記被検出部50の支持部50aの先端部50bが前記凹溝36a内に挿入配置されて、被検出ロータ52の位置が前記各スリップリング26a、26bと給電用ブラシ31a、31bとの摺接位置よりも外側(カバー部29側)にオフセットした配置構成になっていることから、前記被検出ロータ52が前記凹溝36aや大径溝36bの内周面に覆われてカバーされた状態になる。 したがって、前記金属摩耗粉の被検出ロータ52への付着を十分に抑制することができる。

    特に、前記凹溝36aと大径溝36bがラビリンス溝として構成されていることから、このラビリンス効果によって、各スリップリング26a、26bと給電用ブラシ31a、31bとの間に摺動時に発生した金属摩耗粉は前記支持部50aの先端部50b方向への流動が阻止されて被検出ロータ52側への流れを十分に抑制することが可能になる。

    これによって、斯かる金属摩耗粉の影響による前記角度センサ35の回転検出精度の低下を抑制することができると共に、耐久性の向上が図れる。

    また、前記被検出部50の支持部50aの先端部50bは、前述したように、凹溝36aの内部に軸方向から嵌入された状態で収容保持されていることから、これによっても装置全体の軸方向の長さを短尺化することができる。

    したがって、車両に搭載されるエンジンの中でも、車両の幅によるレイアウト制限の厳しい、横置きエンジンに搭載する場合にはよりレイアウト上有利となる。

    本発明は、前記実施形態の構成に限定されるものではなく、例えば、付勢部材としては、前記捩りコイルばね32の他に、図13に示されるように細長い板ばね58などを用いることができ、この場合は板ばねの一端部をカバー本体28の外側面28jにビス59等によって固定して他端部を各給電用ブラシ31a、31bの後面と弾接させることも可能である。

    前記第1部材としては、前記タイミングスプロケットの他に、タイミングプーリなどとしても良い。

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