端子接続構造及び端子接続方法

申请号 JP2014093005 申请日 2014-04-28 公开(公告)号 JP6302345B2 公开(公告)日 2018-03-28
申请人 矢崎総業株式会社; 发明人 長西 幸成; 長田 健児; 吉田 友和;
摘要
权利要求

導体が絶縁性の被覆で覆われた電線と、 前記電線の端末部の前記被覆が除去されて前記導体が露出した導体露出部が電気的に接続される導体接続端子と、 前記導体接続端子をモールドする止剤と、 被取付部材に固定されて電気的に接続される端子固定部を有し、前記導体接続端子の固定端子接続部を覆っている部分の前記止水剤を除去した状態で前記導体接続端子の固定端子接続部と電気的に接続される固定端子と、を備えることを特徴とする端子接続構造。複数の前記固定端子における前記端子固定部同士が電気的に接続された状態で前記被取付部材に固定されることを特徴とする請求項1に記載の端子接続構造。前記固定端子に接触する前記導体接続端子の固定端子接続部を覆った前記止水剤が、前記導体接続端子と前記固定端子との嵌合構造による嵌合動作によって削り取られることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の端子接続構造。前記固定端子に接触する前記導体接続端子の固定端子接続部を覆った前記止水剤が、前記導体接続端子と前記固定端子との熱接合による熱によって溶融除去されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の端子接続構造。前記固定端子に接触する前記導体接続端子の固定端子接続部を覆った前記止水剤が、前記導体接続端子と前記固定端子との超音波接続による振動及び熱によって除去されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の端子接続構造。導体が絶縁性の被覆で覆われた電線の端末部の前記導体を露出させる導体露出工程と、 導体接続端子に、前記導体が露出した前記電線の導体露出部を電気的に接続する導体接続工程と、 前記導体接続端子における少なくとも前記導体露出部を止水剤でモールドする止水工程と、 被取付部材に固定されて電気的に接続される端子固定部を有する固定端子に、前記導体接続端子の固定端子接続部を覆っている部分の前記止水剤を除去しながら前記導体接続端子の固定端子接続部を電気的に接続する端子接続工程と、を備えることを特徴とする端子接続方法。

说明书全文

本発明は、端子接続構造及び端子接続方法に関する。

自動車では、多くの電気電子装置が電源であるバッテリーに接続され、車体パネル等の被取付部に固定したアース端子を介してアースされている。このようなアース方法では、電気回路を構成する複数の電線が集合されて(束ねられて)、種々の端子接続構造によってアース端子と接続される。アース端子等の端子接続構造は、接続信頼性、要求電流電圧値の供給、隣接回路への電磁気的なリーク防止、電気ショートの排除、防性等の他、車両への組付け作業性の容易さや組付け信頼性の確保、さらには、資源保護の観点からの易解体性も要求される。

例えば特許文献1に開示されたアース端子を車体パネルに固定した取付構造では、図7(a)に示すように、電線501が、アース端子523の電線かしめ爪525によってかしめられ、裸線の熱圧着部がアース端子523の熱圧着面527に熱圧着される。アース端子523は、ボルト529及びナット531の締結と、車体固定爪533による係合力とにより、車体パネル(被取付部)535に固定されている。アース端子523は、かしめ力及び熱圧着力が固定力より弱く設定されている。これにより、アース端子523の熱圧着面527と直交する方向に電線501を引き剥がせば、ボルト529及びナット531を取り除くことなく電線501を車体パネル535から容易に取り外せる。アース端子523に破断溝を形成する必要がないため、通電時に電気抵抗値が上昇しない。電線501の取り外し力を低く設定する場合でも、製造上ばらつきの要素が入りにくく、量産品にも易解体性を付与して容易に適用できる。

また、特許文献2に開示された防水処理用のボルト止め端子の防水構造では、図7(b)に示すように、電線501の先端の導体露出部503が端子505の一端に形成された導体接続部507に接続され、電線501の絶縁被覆部509が端子505の他端に形成された絶縁被覆保持部511により保持される。絶縁被覆保持部511の両端には、側壁の上端に延長した加締め片513が設けられる。導体接続部507と絶縁被覆保持部511とよりなる電線固定部515の側方には、導体接続部507よりも絶縁被覆保持部511の側に位置されて相手部材に固定するためのボルト締結板部517が突設されている。導体接続部507と導体露出部503と絶縁被覆部509の端部とは、止水剤519に浸漬してモールドされる。それにより、電線501の絶縁被覆と導体521の隙間及び導体521と導体521の隙間に止水剤519が浸透され、防水性が確保されている。

特開2007−305362号公報

特開2008−262787号公報

ところで、車体パネルに固定したアース端子を介してアースする従来のアース方法では、上述したように車体パネル535(被取付部)のアースポイント(ボルト529)に対して、アース端子523を使って電線501をまとめながら接続したり、ジョイント(ボンダー或いはジョイントコネクタ)を使って複数の電線501をまとめながらボデー(被取付部)へ接続したりしていた。すなわち、従来のアース方法は、アース端子等の端子接続構造を用いると共に、ボデーを経由してバッテリーのマイナス端子へ電気的接続を行っていた。 しかしながら、電線501の導体露出部503と端子505を接続(熱溶着、超音波接続)した導体接続部507に止水剤519を設ける際には、導体接続部507だけに止水剤519を設けなければならない。このため、一般的にはマスキング等の工程が増え、製造コストが高くなる。また、図7(b)に示した防水構造では、ボルト締結板部517が先端に配置された端子505とすることができない。

本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、その目的は、マスキングを不要にして、ジャブ付け工法による防水、防食が可能な端子接続構造及び端子接続方法を提供することにある。

本発明に係る上記目的は、下記構成により達成される。 (1) 導体が絶縁性の被覆で覆われた電線と、前記電線の端末部の前記被覆が除去されて前記導体が露出した導体露出部が電気的に接続される導体接続端子と、前記導体接続端子をモールドする止水剤と、被取付部材に固定されて電気的に接続される端子固定部を有し、前記導体接続端子の固定端子接続部を覆っている部分の前記止水剤を除去した状態で前記導体接続端子の固定端子接続部と電気的に接続される固定端子と、を備えることを特徴とする端子接続構造。

上記(1)の構成の端子接続構造によれば、接続端子が、導体接続端子と、固定端子とを有する導体接続端子には、被覆が除去されて導体が露出した導体露出部が電気的に接続される。電気的な接続は、例えば、圧着接続、超音波接続、熱接合等によって行われる。導体露出部が接続された導体接続端子は、少なくとも導体露出部の全てが浸かるようにして、液状の止水剤の中に入れられて(所謂ジャブ付けされて)、止水剤によりモールドされる。ジャブ付けは、例えば、電線の端末部に取り漬けられた導体接続端子を下側にし、電線を保持して、導体接続端子を液状の止水剤中に漬けることで行われる。この際、液状の止水剤は、浸透性の高いものが好適となる。これにより、導体接続端子と導体露出部との電線接続部が、止水剤によって形成された皮膜によって覆われる。即ち、モールドされた止水剤の皮膜は、電線接続部を外部から遮断して、電線接続部を気密、水密に保持する。 電線接続部が止水剤によってモールドされた導体接続端子は、固定端子と電気的に接続される。導体接続端子と固定端子との電気的接続は、オスメス嵌合構造や熱接合、超音波接続等によって行われる。この際、導体接続端子と固定端子との接続部分を覆っている止水剤は、オスメス嵌合時の削り取りや、熱接合時の熱等によって除去される。

(2) 複数の前記固定端子における前記端子固定部同士が電気的に接続された状態で前記被取付部材に固定されることを特徴とする上記(1)の端子接続構造。

上記(2)の構成の端子接続構造によれば、異種金属の導体を有してなる電線同士が接続される場合、異なる金属の導体ごとに電線を導体接続端子に接続することができる。例えば、アルミニウム導体はアルミニウム電線用の導体接続端子に接続され、銅導体は銅線用の導体接続端子に接続される。即ち、アルミニウム導体の接続されたアルミニウム電線用の導体接続端子と、銅導体の接続された銅電線用の導体接続端子とは、それぞれが固定端子と一体に組み立てられて、アルミニウム電線用端子と、銅電線用端子とになる。これらアルミニウム電線用端子と、銅電線用端子の端子とは、それぞれの端子固定部同士が重ねられて一体となって被取付部材に固定される。従って、異種金属のアルミニウム導体と銅導体とが接触することがなくなる。これにより、異種金属の腐食電位の違いにより、よりひ(卑)な電位の金属(例えばアルミニウム)の腐食が促進される所謂ガルバニック腐食を抑止できる。

(3) 前記固定端子に接触する前記導体接続端子の固定端子接続部を覆った前記止水剤が、前記導体接続端子と前記固定端子との嵌合構造による嵌合動作によって削り取られることを特徴とする(1)または(2)の端子接続構造。

上記(3)の構成の端子接続構造によれば、電線が接続され、止水剤によって電線接続部がモールドされた導体接続端子は、嵌合構造によって固定端子と一体に組み立てられる。嵌合構造では、導体接続端子の固定端子接続部が、固定端子と摺接する。この嵌合時における嵌合動作によって、導体接続端子の固定端子接続部を覆っている止水剤が削り取られて除去される。止水剤が除去された固定端子接続部は、嵌合の完了によって固定端子と導通接続される。

(4) 前記固定端子に接触する前記導体接続端子の固定端子接続部を覆った前記止水剤が、前記導体接続端子と前記固定端子との熱接合による熱によって溶融除去されることを特徴とする(1)または(2)の端子接続構造。

上記(4)の構成の端子接続構造によれば、電線が接続され、止水剤によって電線接続部がモールドされた導体接続端子は、熱接合によって固定端子と一体に組み立てられる。熱接合は、例えば熱溶着や熱圧着によって行われる。この際に発生する熱によって、導体接続端子の固定端子接続部を覆っている止水剤が溶融除去される。止水剤が除去された固定端子接続部は、熱接合の完了によって固定端子と導通接続される。

(5) 前記固定端子に接触する前記導体接続端子の固定端子接続部を覆った前記止水剤が、前記導体接続端子と前記固定端子との超音波接続による振動及び熱によって除去されることを特徴とする(1)または(2)の端子接続構造。

上記(5)の構成の端子接続構造によれば、電線が接続され、止水剤によって電線接続部がモールドされた導体接続端子は、超音波接続によって固定端子と一体に組み立てられる。超音波接続は、例えば固定端子と導体接続端子の接合面に超音波振動を与えることによって行われる。この際に発生する振動と熱によって、導体接続端子の固定端子接続部を覆っている止水剤が除去される。止水剤が除去された固定端子接続部は、超音波接続の完了によって固定端子と導通接続される。

(6) 導体が絶縁性の被覆で覆われた電線の端末部の前記導体を露出させる導体露出工程と、導体接続端子に、前記導体が露出した前記電線の導体露出部を電気的に接続する導体接続工程と、前記導体接続端子における少なくとも前記導体露出部を止水剤でモールドする止水工程と、被取付部材に固定されて電気的に接続される端子固定部を有する固定端子に、前記導体接続端子の固定端子接続部を覆っている部分の前記止水剤を除去しながら前記導体接続端子の固定端子接続部を電気的に接続する端子接続工程と、を備えることを特徴とする端子接続方法。

上記(6)の構成の端子接続方法によれば、導体接続工程において、電線の導体が露出される。露出した導体露出部は、導体接続工程において、導体接続端子に接続される。導体露出部が接続された導体接続端子は、止水工程において、少なくとも電線接続部が液状の止水剤に漬けられて、モールドされる。このモールドは、所謂ジャブ付けによって行われる。ジャブ付けは、例えば、電線の端末部に取り付けられた導体接続端子を下側にし、電線を保持して、導体接続端子を液状の止水剤中に漬けられることで行われる。この際、導体露出部よりも下方に位置する導体接続端子の固定端子接続部には、止水剤が付着することになる。 この止水剤による皮膜は、端子接続工程において、導体接続端子と固定端子とが、オスメス嵌合構造や溶着、超音波接続等によって行われる際に、嵌合による削り取りや、熱接合時の熱等によって除去される。 このため、止水剤のモールド時、マスキングを施した後にモールド処理する煩雑な作業が不要となる。

本発明に係る端子接続構造及び端子接続方法によれば、マスキングを不要にして、ジャブ付け工法による防水、防食が可能となる。

以上、本発明について簡潔に説明した。さらに、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細はさらに明確化されるであろう。

本発明の一実施形態に係る端子接続構造を備えた一対の接続端子の使用状態を示す斜視図である。

図1に示した一対の接続端子を分離した状態を示す斜視図である。

(a)〜(c)は図2に示した接続端子の止水工程を説明するための説明図である。

(a)〜(b)は図2に示した接続端子の端子接続工程を説明するための説明図であり、(c)は(b)のA−A断面図である。

(a)〜(b)は図2に示した接続端子の他の端子接続工程を説明するための説明図であり、(c)は(b)のB−B断面図である。

(a)は端子固定部がマスキングされた比較例に係る接続端子の正面図、(b)は(a)の止水工程後にマスキングが取り除かれた比較例に係る接続端子の正面図である。

(a)は従来の防水処理用のボルト止め端子の接続部分を止水処理している状態を示す断面図、(b)は従来の取付構造の斜視図である。

以下、本発明に係る実施形態を図面を参照して説明する。 図1及び図2に示すように、本発明の一実施形態に係る端子接続構造を備えた接続端子は、アルミ電線用接続端子33および銅電線用接続端子37である。これらアルミ電線用接続端子33および銅電線用接続端子37に電気的に接続される複数の電線23は、それぞれの導体27が絶縁性の被覆29によって覆われる。これら複数の電線23のそれぞれは、各補機に接続されている。導体27は、複数本の素線からなるものであっても、単一の素線からなるものであってもよい。本実施形態における電線23は、導体27がアルミニウム導体又は銅導体である。本実施形態において、アルミニウム導体を有するアルミニウム電線31は、アルミ電線用接続端子33に接続される。また、銅導体を有する銅電線35は、銅電線用接続端子37に接続される。これらアルミ電線用接続端子33及び銅電線用接続端子37のそれぞれは、導体接続端子15と、固定端子25とによって構成されている。

導体接続端子15には、図3の(a)に示すように、電線23の端末部の被覆29が除去されて導体27の露出した導体露出部13が電気的に接続される。導体露出部13が接続された導体接続端子15は、止水剤17によってモールドされる。この導体接続端子15には、固定端子接続部39が形成されている。導体接続端子15は、この固定端子接続部39を介して固定端子25と接続される。

導体接続端子15と共にアルミ電線用接続端子33および銅電線用接続端子37を構成する固定端子25は、車体パネル(被取付部材)41に固定されて、電気的に接続される端子固定部19,19Aを有する。固定端子25は、固定端子接続部39の止水剤17が除去された状態で、導体接続端子15と電気的に接続される。

本実施形態に係る端子接続構造は、図4に示すように、固定端子25に接触する導体接続端子15の固定端子接続部39を覆った止水剤17が、導体接続端子15と固定端子25との熱接合による熱によって溶融除去される構成とすることができる。

また、本実施形態に係る端子接続構造は、図5に示すように、固定端子25に接触する導体接続端子15の固定端子接続部39を覆った止水剤17が、導体接続端子15と固定端子25との嵌合構造による嵌合によって削り取られる構成としてもよい。

本実施形態に係るアルミニウム電線31及び銅電線35のそれぞれは、各端末部の被覆29の一部が除去されて導体27が露出した導体露出部13となる。アルミ電線用接続端子33及び銅電線用接続端子37は、車体パネル(被取付部材)41に固定されて、電気的に接続される端子固定部19,19Aをそれぞれ有する。車体パネル41は、図示しないバッテリーのマイナス端子に接続される。すなわち、アルミ電線用接続端子33および銅電線用接続端子37は、車体パネル41を経由して例えばバッテリーのマイナス端子に電気的に接続される。勿論、本発明の接続端子は、バッテリーのマイナス端子に電気的に接続されるものに限らない。

アルミ電線用接続端子33及び銅電線用接続端子37は、図2に示すように、導体接続部43の後端側(端子固定部19と反対側)に、電線23の被覆29を外周側から加締めつける一対の加締め爪45が形成されている。 アルミ電線用接続端子33の固定端子25は、端子固定部19を有する。端子固定部19は、導体接続部43よりも幅広の略正方形状の板状に形成されている。端子固定部19は、導体接続部43の中心線に対して側方に偏芯して形成されている。一方、銅電線用接続端子37の固定端子25における端子固定部19Aは、導体接続部43の中心線に対して端子固定部19とは反対側に偏芯して形成された略正方形状の板状に形成されている。これにより、アルミ電線用接続端子33および銅電線用接続端子37は、端子固定部19と端子固定部19Aを重ねた際に、それぞれの電線23が重ならないように構成されている。

すなわち、本実施形態に係る端子接続構造を備えたアルミ電線用接続端子33及び銅電線用接続端子37は、図1に示すように、端子固定部19,19A同士が電気的に接続された状態で車体パネル41に固定可能となっている。そこで、本実施形態では、アルミ電線用接続端子33と銅電線用接続端子37とが、重ねられて車体パネル41に固定されることにより、端末集中アースが構成されている。なお、本実施形態に係るアルミ電線用接続端子33および銅電線用接続端子37は、それぞれ単独で車体パネル41に固定されてもよい。

端子固定部19,19Aには、ボルト11が挿通されるボルト穴47が穿設されている。端子固定部19,19Aは、ボルト穴47に挿通されたボルト11が車体パネル41のボルト貫通部41aを貫通し、貫通先端にナット42が螺合されることで、車体パネル41に導通した状態に固定される。端子固定部19,19Aには、リサイクル用薄肉部49が形成されている。これにより、解体時、電線23を所定の力で引っ張ることにより、端子固定部19,19Aの一部分がリサイクル用薄肉部49を境に電線23と共に引き剥がせるようになっている。その結果、ボルト11を締結解除せずに、容易な解体が可能となっている。また、端子固定部19,19Aには、相互に重ねた際に接触する導通用インデント51及び挟持片52が形成されている。これにより、アルミ電線用接続端子33および銅電線用接続端子37は、2枚合わせ使用時における電気的な接触信頼性が高められている。

次に、本実施形態に係る端子接続方法を説明する。 本実施形態に係る端子接続方法は、導体露出工程と、導体接続工程と、止水工程と、端子接続工程と、を有する。なお、アルミ電線用接続端子33および銅電線用接続端子37における端子接続方法は同じなので、以下、アルミ電線用接続端子33の端子接続方法を例に説明する。 導体露出工程では、導体27が絶縁性の被覆29で覆われた電線23の端末部の導体27を、被覆29を皮剥きすることによって露出させる。

導体接続工程では、アルミ電線用接続端子33の導体接続端子15における導体接続部43に、導体27が露出した複数のアルミニウム電線31における導体露出部13を電気的に接続する。この接続は、例えば熱接合、超音波接続等によって行われる。 先ず、図3の(a)に示すように、複数のアルミニウム電線31のまとめられた端末部が導体接続端子15の導体接続部43に置かれ、被覆29が加締め爪45により加締められる。 そして、超音波接続による接続では、図示しない超音波溶接機のアンビル上に導体接続端子15の導体接続部43が載置され、導体接続部43に置かれた導体露出部13を挟んでアンビルと対に超音波溶接機のホーン(振動子)が配置される。次いで、導体露出部13をアンビルとホーンとで挟んだ状態で、ホーンを超音波振動させる。ホーンが超音波振動するのに伴い、導体露出部13が摩擦により加熱されて、導体27同士、及び導体27と導体接続部43とが接合される。

止水工程では、導体接続端子15における少なくとも導体露出部13を止水剤17でモールドする。モールドは、図3(b)に示すジャブ付けによって行われる。

端子接続工程は、車体パネル41に固定されて、電気的に接続される端子固定部19を有する固定端子25に、止水剤17を除去しながら導体接続端子15を電気的に接続する。 図4に示すように、導体接続端子15と固定端子25とが、熱接合や超音波接続によって接続される場合、導体接続端子15と固定端子25との接続部分を覆っている止水剤17は、熱接合時の熱や超音波接続時の振動によって除去される(図4の(c)参照)。 また、図5に示すように、導体接続端子15と固定端子25とが、オオスメス嵌合構造によって接続される場合、導体接続端子15と固定端子25との接続部分を覆っている止水剤17は、嵌合時の摺接によって止水剤17が削り取られて除去される(図5の(c)参照)。

アルミ電線用接続端子33に上記の加工が行われることで、アルミニウム電線31が接続されたアルミ電線用接続端子33が完成する。

次に、上記の構成を有する端子接続構造及び端子接続方法の作用を説明する。 本実施形態に係る端子接続構造では、アルミ電線用接続端子33および銅電線用接続端子37が、それぞれ導体接続端子15と固定端子25とを有する導体接続端子15には、被覆29が除去されて導体27が露出した導体露出部13が電気的に接続される。電気的な接続は、例えば、圧着接続、超音波接続、熱接合等によって行われる。導体露出部13が接続された導体接続端子15は、少なくとも導体露出部13の全てが浸かるようにして、液状の止水剤17の中に入れられて(所謂ジャブ付けされて)、止水剤17によりモールドされる。ジャブ付けは、例えば、電線23の端末部に取り漬けられた導体接続端子15を下側にし、電線23を保持して、導体接続端子15を液状の止水剤17中に漬けることで行われる。この際、液状の止水剤17は、浸透性の高いものが好適となる。これにより、導体接続端子15と導体露出部13との電線接続部が、止水剤17によって形成された皮膜によって覆われる。即ち、モールドされた止水剤17の皮膜は、電線接続部を外部から遮断して、電線接続部を気密、水密に保持する。

電線接続部が止水剤17によってモールドされた導体接続端子15は、固定端子25と電気的に接続される。導体接続端子15と固定端子25との電気的接続は、オスメス嵌合構造や熱接合、超音波接続等によって行われる。この際、導体接続端子15と固定端子25との接続部分である固定端子接続部39を覆っている止水剤17は、嵌合や熱接合等によって除去される。

また、本実施形態の端子接続構造では、図1に示したように、異種金属の導体27を有してなるアルミニウム電線31と銅電線35同士が接続される場合、異なる金属の導体27ごとに電線23が導体接続端子15に接続される。例えば、アルミニウム導体はアルミ電線用接続端子33の導体接続端子15に接続され、銅導体は銅電線用接続端子37の導体接続端子15に接続される。アルミニウム導体が接続された導体接続端子15と、銅導体が接続された導体接続端子15は、それぞれが固定端子25と一体に組み立てられて、アルミ電線用接続端子33と、銅電線用接続端子37とになる。これらアルミ電線用接続端子33と、銅電線用接続端子37は、それぞれの端子固定部19,19A同士が重ねられて一体となって車体パネル41に固定される。従って、異種金属のアルミニウム導体と銅導体とが接触しなくなる。これにより、異種金属の腐食電位の違いにより、よりひ(卑)な電位の金属(例えばアルミニウム)の腐食が促進される所謂ガルバニック腐食を抑止できる。

本実施形態に係る端子接続構造では、電線23が接続され、止水剤17によって電線接続部がモールドされた導体接続端子15は、嵌合構造によって固定端子25と一体に組み立てられる。嵌合構造では、導体接続端子15の固定端子接続部39が、固定端子25と摺接する。この嵌合時における嵌合動作によって、導体接続端子15の固定端子接続部39を覆っている止水剤17が削り取られて除去される。止水剤17が除去された固定端子接続部39は、嵌合の完了によって固定端子25と導通接続される。

また、本実施形態に係る他の端子接続構造では、電線23が接続され、止水剤17によって電線接続部がモールドされた導体接続端子15は、熱接合によって固定端子25と一体に組み立てられる。熱接合は、例えば熱溶着や熱圧着によって行われる。この際に発生する熱によって、導体接続端子15の固定端子接続部39を覆っている止水剤17が溶融除去される。止水剤17が除去された固定端子接続部39は、熱接合の完了によって固定端子25と導通接続される。

また、本実施形態に係る他の端子接続構造では、電線23が接続され、止水剤17によって電線接続部がモールドされた導体接続端子15は、超音波接続によって固定端子25と一体に組み立てられる。超音波接続は、例えば固定端子25と導体接続端子15の接合面に超音波振動を与えることによって行われる。この際に発生する振動と熱によって、導体接続端子15の固定端子接続部39を覆っている止水剤17が除去される。止水剤17が除去された固定端子接続部39は、超音波接続の完了によって固定端子25と導通接続される。

本実施形態に係る端子接続方法によれば、導体接続工程において、電線23の導体27が露出される。露出した導体露出部13は、導体接続工程において、導体接続端子15に接続される。導体露出部13が接続された導体接続端子15は、止水工程において、少なくとも電線接続部が液状の止水剤17に漬けられて、モールドされる。このモールドは、所謂ジャブ付けによって行われる。ジャブ付けは、例えば、電線23の端末部に取り付けられた導体接続端子15を下側にし、電線23を保持して、導体接続端子15を液状の止水剤17中に漬けられることで行われる。この際、導体露出部13よりも下方に位置する導体接続端子15の固定端子接続部39には、止水剤17が付着することになる。

この止水剤17による皮膜は、端子接続工程において、導体接続端子15と固定端子25とが、オスメス嵌合構造や溶着、超音波接続等によって行われる際に、嵌合による削り取りや、熱溶着時の熱等によって除去される。 このため、止水剤17のモールド時、図6に示すようなマスキング21を施した後にモールド処理し、更にマスキング21を剥がすような煩雑な作業が不要となる。

従って、本実施形態に係る端子接続構造及び端子接続方法によれば、マスキング21を不要にして、ジャブ付け工法による防水、防食が可能となる。

ここで、上述した本発明に係る端子接続構造及び端子接続方法の実施形態の特徴をそれぞれ以下に簡潔に纏めて列記する。 [1] 導体27が絶縁性の被覆29で覆われた電線23と、前記電線23の端末部の前記被覆29が除去されて前記導体27が露出した導体露出部13が電気的に接続される導体接続端子15と、前記導体接続端子15をモールドする止水剤17と、被取付部材(車体パネル41)に固定されて電気的に接続される端子固定部19,19Aを有し、前記止水剤17を除去した状態で前記導体接続端子15と電気的に接続される固定端子25と、を備えることを特徴とする端子接続構造。 [2] 複数の前記固定端子25における前記端子固定部19,19A同士が電気的に接続された状態で前記被取付部材(車体パネル41)に固定されることを特徴とする上記[1]の端子接続構造。 [3] 前記固定端子25に接触する前記導体接続端子15の固定端子接続部39を覆った前記止水剤17が、前記導体接続端子15と前記固定端子25との嵌合構造による嵌合動作によって削り取られることを特徴とする上記[1]または[2]に記載の端子接続構造。 [4] 前記固定端子25に接触する前記導体接続端子15の固定端子接続部39を覆った前記止水剤17が、前記導体接続端子15と前記固定端子25との熱接合による熱によって溶融除去されることを特徴とする上記[1]または[2]に記載の端子接続構造。 [5] 前記固定端子25に接触する前記導体接続端子15の固定端子接続部39を覆った前記止水剤17が、前記導体接続端子15と前記固定端子25との超音波接続による振動及び熱によって除去されることを特徴とする上記[1]または[2]に記載の端子接続構造。 [6] 導体27が絶縁性の被覆29で覆われた電線23の端末部の前記導体27を露出させる導体露出工程と、導体接続端子15に、前記導体27が露出した前記電線23の導体露出部13を電気的に接続する導体接続工程と、前記導体接続端子15における少なくとも前記導体露出部13を止水剤17でモールドする止水工程と、被取付部材(車体パネル41)に固定されて電気的に接続される端子固定部19,19Aを有する固定端子25に、前記止水剤17を除去しながら前記導体接続端子15を電気的に接続する端子接続工程と、を備えることを特徴とする端子接続方法。

なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。

13…導体露出部 15…導体接続端子 17…止水剤 19…端子固定部 23…電線 25…固定端子 27…導体 29…被覆 33…アルミ電線用接続端子 37…銅電線用接続端子 39…固定端子接続部 41…車体パネル(被取付部材)

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