【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、電気部品が直接接続される回路体に関する。 【0002】 【従来の技術】図2は、A/Tユニット1の一部を示す。 このユニット1には、本体2内にソレノイドバルブ(油圧回路のON−OFFを行う電磁弁)等の複数個の電気部品(図5参照)3が収容されている。 また、各電気部品3は、本体2内に配置された回路体(図4参照) 4に直接接続されている。 回路体4は、内部回路30有する回路体本体5と、電気部品3が直接接続される複数個のコネクタブロック6と、回路体本体5の裏面側を閉鎖するカバー(図3参照)31とからなる。 【0003】内部回路30は、図3及び図4に示すように、回路体本体5内に配索された電線32、34と、端子33とで構成されている。 端子33は、コネクタブロック6の端子収容室35内に収容される接触部33aと電線32、34が圧接される圧接部33bとからなる。 そして、コネクタブロック6に配置された接触部33a と電気部品3の端子部3aとが直接接続される。 【0004】また、図5(a)に示すように、ソレノイドバルブ等の電気部品3が直接接続された回路体4は、 ユニット1の本体2にねじ7によって固定されている。 また、電気部品3はコネクタブロック6に直接嵌合することによって回路体4の内部回路と接続され、内部回路から引き出されたワイヤハーネス8によって外部の電源と接続されている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】ところが、電気部品3 のユニット1の本体2への組付誤差が生じると、コネクタブロック6に接続される端子部3aの位置もずれるため、コネクタブロック6に配置されたブスバーの端子部との位置ずれが発生する。 このため、電気部品3の端子部3aによる端子33の接触部33aへのいわゆるどつき等が生じ、接点部における信頼性に欠けるという問題があった。 【0006】そこで、本発明は、電気部品の位置ずれを吸収して、接続における信頼性の向上を図ることができる回路体の提供を目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、請求項1の発明は、内部回路を有する回路体本体と、この回路体本体に一体に支持されて電気部品と直接接続される複数個のコネクタブロックとからなる回路体であって、前記複数個のコネクタブロックを、前記電気部品との接続方向に対して交差する方向に移動自在に前記回路体本体にそれぞれ独立して支持する可撓性の脚部を有することを特徴とする。 【0008】この回路体では、電気部品をコネクタブロックに直接接続する場合、接続方向に対して交差する方向にコネクタブロックが移動自在なので、電気部品の位置ずれを吸収することができる。 この結果、コネクタブロックと電気部品との良好な接続が得られる。 【0009】請求項2の発明は、請求項1記載の回路体であって、前記内部回路が、各コネクタブロック内に収容されて相手端子の接触部及び電線が圧接される圧接部を有する複数個の端子と、所定の経路に配索された電線とからなることを特徴とする。 【0010】この回路体では、内部回路が、所定の経路に配索された電線で形成されて、電線は端子によって接続される。 【0011】 【発明の実施の形態】以下、本発明に係る回路体の一実施形態について説明する。 図1(a)は回路体10を示し、(b)は回路体10の一部を拡大した平面図である。 【0012】図1(a)に示すように、回路体10は、 図4に示す回路体30と基本的な構成は同じで配索経路のみが異なる内部回路を有する回路体本体12と、この回路体本体12に一体に支持されて電気部品(図5参照)と直接接続される二つのコネクタブロック13、1 4とからなる。 回路体本体12は、2つのコネクタブロック13、14が一体に形成された本体15と、本体1 5の下部側を閉鎖するカバー16とで形成されている。 【0013】本体15は、合成樹脂で一体形成され、内部回路と接続されたワイヤハーネス17が引き出される引出部18と、この引出部18より幅広の接続部19とで形成されている。 この接続部19に、コネクタブロック13、14が、接続部19の面方向に、すなわち、電気部品の接続方向に対して交差する方向にそれぞれ独立して移動自在に一体支持されている。 【0014】図1(b)に示すように、接続部19には、コネクタブロック13、14より一回り大きな矩形状の貫通孔20、20が設けられている。 この貫通孔2 0の4つの内壁20a、20b、20c、20d中央部からは、4本の可撓性の脚部21a、21b、21c、 21dがそれぞれ一体に突設されている。 4本の可撓性の脚部21a、21b、21c、21dは、貫通孔20 の略中央部分に配されたコネクタブロック13の4つの外周面13a、13b、13c、13dの下部に一体に連結されている。 これにより、コネクタブロック13 は、接続部19の面方向のいずれの方向(図において矢印の方向)に対しても移動自在となっている。 同様に、 コネクタブロック14も接続部19に可撓性の脚部21 a、21b、21c、21dによって移動自在に支持されている。 【0015】コネクタブロック13、14には、内部に2つの端子収容室23、23がそれぞれ設けられており、これらの端子収容室23、23内には、図3で示したように、端子33の接触部33aがそれぞれ収容されている。 【0016】カバー16は、本体15の下部側を閉鎖する閉鎖部27と、複数の係止枠28とかなり、係止枠2 8は、本体15の側端部から突設された複数の係止突起29と係合して本体15にカバー16を保持する。 【0017】この実施形態において、電気部品3をコネクタブロック13、14に直接接続する際に、電気部品3の位置がずれていても、コネクタブロック13、14 は、接続方向に対していずれの方向にもそれぞれ独立して移動自在になっているので、電気部品の位置ずれを吸収することができる。 【0018】従って、電気部品の位置ずれを吸収して、 接続における信頼性の向上を図ることができる。 【0019】また、複数のコネクタブロック13、14 に一括して電気部品を接続することができるので、コネクタの抜け等の不具合を防止することができる。 【0020】また、電気部品の位置ずれを吸収することができるので、組み付けにおける自動化に対応することができる。 【0021】さらに、電気部品の位置を調節しつつコネクタブロックに直接接続する作業に比べて、本実施形態では、電気部品の位置ずれを吸収することができるので脱着が容易になりメンテナンス性が向上する。 【0022】また、本実施形態の回路体では、各コネクタブロック13、14がそれぞれ独立して移動することができるので、各コネクタブロック13、14に接続される電気部品の位置ずれがそれぞれ異なっていても、これらの電気部品の位置ずれをそれぞれ吸収することができる。 【0023】 【発明の効果】以上説明したように請求項1の発明によれば、接続方向に対して交差する方向にコネクタブロックが移動自在なので、電気部品の位置ずれを吸収することができる。 この結果、コネクタブロックと電気部品との良好な接続が得られる。 【0024】請求項2の発明によれば、内部回路が、所定の経路に配索された電線で形成されて、電線は端子によって接続されているので、配索が容易になり、製造コストの低減を図ることができる。 【図面の簡単な説明】 【図1】本発明に係る回路体を示し、(a)は全体を示す斜視図、(b)は回路体の一部を拡大した平面図である。 【図2】A/Tユニットの一部を示す正面図である。 【図3】A/Tユニットに組み付けられた従来の回路体と電気部品の接続を示し、(a)は従来の回路体をユニット本体にねじ止めする状態を示す断面図、(b)は従来の回路体に電機部品を直接接続する状態を示す断面図である。 【図4】従来の回路体4の裏面側の内部回路を示す背面図である。 【図5】A/Tユニットに従来の回路体を固定する状態を示し、(a)はねじ止めする状態を示す断面図、 (b)はコネクタブロックに電気部品を固定する状態を示す断面図である。 【符号の説明】 10 回路体 12 回路体本体 13、14 コネクタブロック 21a、21b、21c、21d 脚部 |