コネクタの嵌合状態を検査する検査方法および検査装置、並びにコネクタを有する電気機器の組立方法

申请号 JP2012038672 申请日 2012-02-24 公开(公告)号 JP5680005B2 公开(公告)日 2015-03-04
申请人 株式会社東芝; 发明人 大史 栗田; 大史 栗田; 加島 規安; 規安 加島; 朋弘 嶋本; 朋弘 嶋本;
摘要
权利要求
  • 係合部を有する第1コネクタと前記係合部と係合する弾性変形可能な係合爪を有する第2コネクタとを嵌合させ、前記係合爪が弾性変形を伴い前記係合部を乗り越えて当該係合部に係合することで前記第1コネクタと第2コネクタとが適正に嵌合したとされる前記第1コネクタと第2コネクタとの嵌合状態を検査する検査方法であって、
    前記係合爪を含む部分をカメラにより撮影し、その撮影により得られた画像から、前記係合爪が前記係合部に乗り上げて変形することによって変化するデータを測定し、その測定データと予め設定された基準データとを比較することにより前記第1コネクタと第2コネクタとが適正に嵌合されているか否かを判定するようにしたことを特徴とするコネクタの嵌合状態を検査する検査方法。
  • 前記第1コネクタは、前記係合部を対向する両側部に有し、
    前記第2コネクタは、前記係合爪を対向する両側部に有し、
    前記測定データは、前記第2コネクタにおいて対向する両係合爪の一方の係合爪から他方の係合爪までの長さ寸法であることを特徴とする請求項1記載のコネクタの嵌合状態を検査する検査方法。
  • 前記第2コネクタは、前記係合爪を上面部に有し、
    前記測定データは、前記係合爪にあって前記第1コネクタから外部へ露出した部分の上面にて反射される光の反射領域の大きさであることを特徴とする請求項1記載のコネクタの嵌合状態を検査する検査方法。
  • 前記カメラによる撮影、前記データの測定、前記第1コネクタと第2コネクタの嵌合状態の判定を自動的に行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載のコネクタの嵌合状態を検査する検査方法。
  • 係合部を有する第1コネクタと前記係合部と係合する弾性変形可能な係合爪を有する第2コネクタとを嵌合させ、前記係合爪が弾性変形を伴い前記係合部を乗り越えて当該係合部に係合することで前記第1コネクタと第2コネクタとが適正に嵌合したとされる前記第1コネクタと第2コネクタとの嵌合状態を検査する検査装置であって、
    前記係合爪を含む部分を照明する照明手段と、
    前記係合爪を含む部分を撮影するカメラと、
    このカメラにより撮影された画像から、前記係合爪が前記係合部に乗り上げて変形することによって変化するデータを測定する測定手段と、
    この測定手段にて測定された測定データと予め設定された基準データとを比較することにより前記第1コネクタと第2コネクタとが適正に嵌合されているか否かを判定する判定手段と、
    を備えたことを特徴とするコネクタの嵌合状態を検査する検査装置。
  • 係合部を有する第1コネクタと、前記係合部と係合する弾性変形可能な係合爪を有する第2コネクタと、これら第1および第2コネクタのうちの一方のコネクタが実装された回路基板とを備え、前記第1および第2コネクタのうち他方のコネクタを前記一方のコネクタに嵌合させ、前記係合爪が弾性変形を伴い前記係合部を乗り越えて当該係合部に係合することで前記第1コネクタと第2コネクタとが適正に嵌合されるコネクタ嵌合工程と、
    前記係合爪を含む部分をカメラにより撮影し、その撮影により得られた画像から、前記係合爪が前記係合部に乗り上げて変形することによって変化するデータを測定し、その測定データと予め設定された基準データとを比較することにより前記第1コネクタと第2コネクタとが適正に嵌合されているか否かを判定する検査工程と、
    この検査工程の結果前記第1コネクタと第2コネクタとが適正に嵌合されていないと判定された場合にそれら第1コネクタと第2コネクタの嵌合をやり直すやり直し工程と、
    を実行することを特徴とするコネクタを有する電気機器の組立方法。
  • 说明书全文

    本発明の実施形態は、コネクタの嵌合状態を検査する検査方法および検査装置、並びにコネクタを有する電気機器の組立方法に関する。

    電気配線や光配線の接続にはコネクタが用いられている。 それらの配線は、対をなす2つのコネクタ同士を嵌合させることによって接続される。 例えば量産の組立作業工程では複数の配線接続が行われ、1箇所のコネクタの嵌合が不完全であっても、組立不良の原因となるばかりか、製品の品質低下にもつながる。 このため、コネクタの嵌合作業を正確に行い、品質を向上させることが要望されている。 しかし、コネクタの嵌合作業は、人手による作業であり、ミスは起こり得る。

    そこで、例えば特許文献1には、オスコネクタを保持する保持部材と、メスコネクタをオスコネクタの嵌合凹部に挿入させる治具と、この治具に移動可能に設けられた基準部材と、この基準部材に設けられた指標と、治具に設けられた光センサを用いて、オスコネクタの嵌合凹部にメスコネクタを挿入させ、光センサが、受光量の変化で指標を検出することで、2つのコネクタが適正に嵌合されたか否かを検査する方法が開示されている。 この場合、オスコネクタの嵌合凹部には係合部(ロック突起)が設けられ、メスコネクタには弾性変形可能な係合爪(ロックアーム)が設けられていて、係合爪が弾性変形して係合部を乗り越えて当該係合部に係合することで、2つのコネクタが適正に嵌合された状態となる。

    特開2010−113907号公報

    上記した構成のものでは、指標の位置を検出することで、2つのコネクタが適正に嵌合されたか否かを判断している。 しかし、指標の位置を設定するには、コネクタの嵌合方向の複数箇所の寸法が関係してくる。 特に、前記係合部と係合爪が係合するには、コネクタの嵌合方向に必ず遊び寸法が必要となる。 近年ではコネクタの小型化も進んでいて、この遊び寸法は、コネクタの形状が小さくなればなるほど小さくなる。 また、前記指標の位置を設定するには、前記遊び寸法の他にも、各部材の寸法公差も関係してくるため、その指標の位置設定が難しくなり、ひいてはコネクタの嵌合状態の検査精度を向上させることが難しい。

    そこで、コネクタの嵌合状態の検査精度の向上を図ることができるコネクタの嵌合状態の検査方法および検査装置、並びにコネクタを有する電気機器の組立方法を提供する。

    本実施形態は、係合部を有する第1コネクタと前記係合部と係合する弾性変形可能な係合爪を有する第2コネクタとを嵌合させ、前記係合爪が弾性変形を伴い前記係合部を乗り越えて当該係合部に係合することで前記第1コネクタと第2コネクタとが適正に嵌合したとされる前記第1コネクタと第2コネクタとの嵌合状態を検査する検査方法であって、前記係合爪を含む部分をカメラにより撮影し、その撮影により得られた画像から、前記係合爪が前記係合部に乗り上げて変形することによって変化するデータを測定し、その測定データと予め設定された基準データとを比較することにより前記第1コネクタと第2コネクタとが適正に嵌合されているか否かを判定するようにしたことを特徴とする。

    第1実施形態を示すもので、(a)〜(c)は第1コネクタと第2コネクタを嵌合させる過程を模式的に示す平面図

    第1コネクタと第2コネクタの嵌合状態を検査する様子を模式的に示す側面図

    第1コネクタと第2コネクタが適正に嵌合された状態の画像を模式的に示す図

    第1コネクタと第2コネクタが適正に嵌合されていない状態の画像を模式的に示す図その1

    第1コネクタと第2コネクタが適正に嵌合されていない状態の画像を模式的に示す図その2

    検査工程を示す図

    第2実施形態を示すもので、(a)〜(c)は第1コネクタと第2コネクタを嵌合させる過程を模式的に示す側面図

    第1コネクタと第2コネクタの嵌合状態を検査する様子を模式的に示す側面図(第1コネクタと第2コネクタが適正に嵌合された状態)

    第1コネクタと第2コネクタの嵌合状態を検査する様子を模式的に示す側面図(第1コネクタと第2コネクタが適正に嵌合されていない状態)

    図8の状態を撮影した画像を模式的に示す図

    図9の状態を撮影した画像を模式的に示す図

    (第1実施形態)
    第1実施形態について図1〜図6を参照して説明する。 図1の(a)〜(c)は、回路基板1上に実装された第1コネクタ2に対して第2コネクタ3を嵌合する様子を模式的に示した平面図であり、回路基板組立(コネクタを有する電気機器)の一例である。 図1において、(a)は嵌合する前の状態、(b)は嵌合途中の状態、(c)は嵌合後の状態が示されている。

    回路基板1は、この場合プリント配線基板であり、上面が紙面と平行する状態で配置されている。 第1コネクタ2は、この場合メスコネクタで、回路基板1の上面に実装されている。 この第1コネクタ2は、コネクタ本体2aの対向する両側部(図1(a)において上下両側部)に外側へ突出する凸部からなる係合部4を有しているとともに、図1(a)において左端部側の一端部に複数本の接続端子(図示せず)を有している。 その接続端子は、この場合雌端子である。

    第2コネクタ3は、この場合、第1コネクタ2と対をなすオスコネクタで、コネクタ本体3aの対向する両側部(図1(a)において上下両側部)に、図1(a)において右側へ向けて突出する係合爪5を有しているとともに、図1(a)において右側へ向けて突出する接続端子3bを有している。 接続端子3bは、この場合雄端子で、複数本がまとめて表示されている。 2本の係合爪5は、それぞれの基端部を支点にして弾性変形が可能であり、自由端部側の先端部の内側に係合凸部5aを一体に有している。 係合凸部5aは、この場合断面が三形状をなしている。 第2コネクタ3は、2本の係合爪5が対向していて、平面的に見てコ字形をなしている。 第2コネクタ3のコネクタ本体3aには、複数本の電線(ワイヤーハーネス)6が接続されている。 電線6は、係合爪5とは反対方向(図1(a)において左方向)へ導出されている。

    上記構成において、第1コネクタ2と第2コネクタ3の嵌合は、次のようにして行われる。 図1(a)に示すように、第2コネクタ3の係合爪5を第1コネクタ2側に向けた状態で、第2コネクタ3を第1コネクタ2側(矢印方向)へ移動させ、第2コネクタ3の2本の係合爪5を第1コネクタ2の係合部4に係合させるようにする。 このとき、図1(b)に示すように、第2コネクタ3の対向する2本の係合爪5がそれぞれ弾性変形を伴い、係合凸部5aが第1コネクタ2の対応する係合部4に乗り上げた後、その係合部4を乗り越えることにより当該係合部4に抜け止め状態で係合する状態となる(図1(c)参照)。 これにより、第1コネクタ2の接続端子と第2コネクタ3の接続端子3bとが嵌合され、第1コネクタ2と第2コネクタ3とが適正に嵌合された状態となる。 これら第1コネクタ2と第2コネクタ3との嵌合作業は作業者(人)によって行われる。

    次に、このような第1コネクタ2と第2コネクタ3とが適正に嵌合された否かを判定する検査方法および検査装置について説明する。 この場合、嵌合状態により変化する第2コネクタ3の係合爪5を含む寸法の変化を利用して検査を行う。

    図2は、これら第1コネクタ2と第2コネクタ3との嵌合状態を検査する状態を模式的に示した側面図である。 検査エリア9には、照明手段を構成するライト10と、コネクタの嵌合状態を撮影するカメラ11が設置されている。 ライト10およびカメラ11は、コネクタの嵌合状態を撮影するのに適した位置および角度にセットされている。 この場合、ライト10は、嵌合状態の第1および第2コネクタ2,3を斜め上方から照明する位置に設置され、カメラ11は、少なくとも第2コネクタ3の2本の係合爪5が含まれるように、嵌合状態の第1および第2コネクタ2,3をほぼ真上から撮影できる位置に設置される。 カメラ11には、画像処理装置12が接続されている。 ライト10、カメラ11、画像処理装置12は、制御装置13により制御される。 制御装置13は、例えばマイクロコンピュータを主体に構成されている。 これらライト10、カメラ11、画像処理装置12、および制御装置13は、検査装置14を構成する。

    図3〜図5は、カメラ11により撮影した画像が模式的に示されている。 図3は、第1コネクタ2と第2コネクタ3とが適正に嵌合された状態の画像である。 第1コネクタ2と第2コネクタ3とが適正に嵌合された状態であるということは、第2コネクタ3における2本の係合爪5の係合凸部5aが、第1コネクタ2における係合部4(側方への突出寸法L4)をそれぞれ乗り越えて当該係合部4に適正に係合された状態である。 両係合爪5は、対応する係合部4を乗り越えることで、変形状態から嵌合前の状態に復帰する。

    図3の画像から対向する2本の係合爪5,5の一方の係合爪5から他方の係合爪5までの長さ寸法を画像処理装置12にて測定するために、まず画像処理装置12に予め登録しておいたコネクタ形状のパターンマッチングを行い、測定する箇所(図3におけるラインM)を決定する。 そして、第2コネクタ3における各係合爪5のパターンエッジ(係合爪5と、背景である回路基板1との境界)を検出して、一方の係合爪5から他方の係合爪5までの長さ寸法(2本の係合爪の開き寸法)を測定することで、寸法L1が得られる。 その寸法L1は、第2コネクタ3を第1コネクタ2に嵌合させる前の状態での寸法と同じである。

    図4は、コネクタの嵌合作業が適正に行われず、第2コネクタ3の2本の係合爪5のうち、一方の係合爪5の係合凸部5aは第1コネクタ2における一方の係合部4を乗り越えて係合しているが、他方の係合爪5の係合凸部5aは他方の係合部4に乗り上げており、その他方の係合爪5は外側へ変形したままの状態での画像である。 この図4の画像において、図3の場合と同様にして、一方の係合爪5から他方の係合爪5までの長さ寸法(2本の係合爪の開き寸法)を測定することで、寸法L2が得られる。 この場合、L2は次の(1)式で表わされる。

    L2≒L1+L4 …(1)
    図5もコネクタの嵌合作業が適正に行われず、第2コネクタ3の2本の係合爪5の係合凸部5aが対応する係合部4に乗り上げており、2本の係合爪5はともに外側へ変形したままの状態での画像である。 この図5の画像において、図3の場合と同様にして、一方の係合爪5から他方の係合爪5までの長さ寸法(2本の係合爪の開き寸法)を測定することで、寸法L3が得られる。 この場合、L3は次の(2)式で表わされる。

    L2≒L1+2L4 …(2)
    図3、図4、図5の画像から得られた寸法L1,L2,L3は、次の(3)式の関係となる。

    L1<L2<L3 …(3)
    そこで、上記した第1コネクタ2と第2コネクタ3が適正に嵌合された状態のものを合格、適正に嵌合されていない状態のものを不合格という判定をするためにしきい値X1(基準データ)を設定する。 そのしきい値X1は、次の(4)式を満たすように設定する。

    L1<X1<L2<L3 …(4)
    具体的には、次の(5)式で設定する。
    X1=(L1+L2)/2 …(5)
    制御装置13には、このしきい値X1が基準データとして記憶されている。

    次に、上記したコネクタの嵌合作業から検査終了までの工程について、図6を参照して説明する。 まず、作業者は、回路基板1上に実装された第1コネクタ2と第2コネクタ3との嵌合作業を行い(ステップS1)、そのワーク(第1コネクタ2と第2コネクタ3とを嵌合させた製品)を検出エリア9に投入する(ステップS2)。 すると、制御装置13は、ライト10を点灯させて嵌合状態の第1コネクタ2と第2コネクタ3を上方から照明し(ステップS3)、また、カメラ11を制御して、嵌合状態の第1コネクタ2と第2コネクタ3を上方から撮影する(ステップS4)。

    制御装置13は、カメラ11にて撮影された画像を画像処理装置12にて処理し、その画像から、第2コネクタ3における2本の係合爪5の開き寸法Lを測定する(ステップS5)。 制御装置13は、さらに、その測定により得られた測定データLと、基準データとなる前記しきい値X1とを比較し、嵌合状態が適正か否かを判定する(ステップS6)。 具体的には、測定データLがしきい値X1以下であれば合格、しきい値X1を超えれば不合格と判定する。 制御装置13は、判定の結果、合格であれば検査を完了し(ステップS7)、ワークを次の工程へ移動させる。 判定の結果、不合格であれば、制御装置13は、ブザーあるいは表示ランプなどの報知器(図示せず)を作動させて、作業者に不合格であることを報知する。 報知器が作動した場合には、作業者は、検査エリア9内のワークを取り出して嵌合作業をやり直し、ワークを再度検査エリア9内へ投入して検査をやり直す。 このようにすることで、不良品の発生を防止でき、ワーク(製品)の品質を保つことができる。

    この実施形態においては、画像処理装置12と制御装置13は、前記測定データLを測定する測定手段を構成し、また、制御装置13は、第1コネクタ2と第2コネクタ3とが適正に嵌合されているか否かを判定する判定手段を構成する。

    上記した実施形態においては、係合部4を有する第1コネクタ2と前記係合部4と係合する弾性変形可能な係合爪5を有する第2コネクタ3とが適正に嵌合されているか否かを検査するについて、係合爪5を含む部分をカメラ10により撮影し、その撮影により得られた画像から、前記係合爪5が前記係合部4に乗り上げて変形することによって変化するデータとして2本の係合爪5の開き寸法を測定し、その測定データLと予め設定された基準データであるしきい値X1とを比較することにより、第1コネクタ2と第2コネクタ3とが適正に嵌合されているか否かを判定するようにした。 前記測定データLは、係合爪5が係合部4に乗り上げて変形することによって変化する寸法であり、係合爪5が係合部4を乗り越えて適正に係合した状態と、係合爪5が係合部4に乗り上げて変形した状態とで、大きく変化する。 この係合爪5の変形を利用することで、それら第1コネクタ2と第2コネクタ3とが適正に嵌合されているか否かを確実に判定することができる。 これにより、第1コネクタ2と第2コネクタ3との嵌合方向に設定される遊び寸法が小さい場合でも、従来技術のものに比べて、コネクタの嵌合状態の検査精度を向上させることができる。

    また、第1コネクタ2は、係合部4を対向する両側部に有し、第2コネクタ3は、係合爪5を対向する両側部に有し、前記測定データLは、第2コネクタ3において対向する両係合爪5の一方の係合爪5から他方の係合爪5までの長さ寸法である。 これによれば、2本の係合爪5のうち少なくとも一方の係合爪5が係合部4に係合していない状態でも、良好に判定することができる。

    上記した実施形態において、例えば第1コネクタ2および第2コネクタ3の形態がほぼ同じで、大きさが異なる場合には、基準データとなるしきい値X1を変更することで、容易に対応することが可能となる。

    (第2実施形態)
    次に第2実施形態について図7〜図11を参照して説明する。 第1実施形態と同一の部分には同一の符号を付して説明は省略し、異なる部分について説明する。 図7の(a)〜(c)は、回路基板1上に実装された第1コネクタ15に対して第2コネクタ16を嵌合する様子を模式的に示した側面図であり、回路基板組立(コネクタを有する電気機器)の一例である。 図7において、(a)は嵌合する前の状態、(b)は嵌合途中の状態、(c)は嵌合後の状態が示されている。

    第1コネクタ15は、この場合メスコネクタで、回路基板1の上面に実装されている。 この第1コネクタ15のコネクタ本体15aは、図7(a)において左側が開口した嵌合凹部15bを有するとともに、その嵌合凹部15bの開口部の上縁部に下方へ突出する係合部17を有している。 嵌合凹部15bの奥部に、複数本の接続端子(図示せず)を有している。 その接続端子は、この場合雌端子である。 図9および図10に示すように、この第1コネクタ15の両側部には、取付部18が設けられている。

    第2コネクタ16は、この場合、第1コネクタ15と対をなすオスコネクタで、コネクタ本体16aの上面部に1本の係合爪を有し、また、コネクタ本体16aにあって図7(a)の右部に右側へ向けて突出する接続端子16bを有している。 接続端子16bは、この場合雄端子で、複数本がまとめて表示されている。 係合爪19は、この場合、図10および図11に示すように矩形の板状であり、右側の基端部を支点にして上下方向に弾性変形が可能である。 この係合爪19は、自由端部側の先端部に凸部19aを有しているとともに、延び方向(図7(a)の左右方向)の中間部に上方へ突出する係合凸部19bを有している。 係合凸部19bは、この場合断面が三角形状をなしている。 係合爪19において、凸部19aと係合凸部19bとの間の上面19cは、平面状に形成されている。 係合爪19の下方には、当該係合爪19の下方への弾性変形を許容するための空間部20が形成されている。 第2コネクタ16のコネクタ本体16aには、複数本の電線(ワイヤーハーネス)21が接続されている。 電線21は、図7(a)において左方向へ導出されている。

    上記構成において、第1コネクタ15と第2コネクタ16の嵌合は、次のようにして行われる。 図7(a)に示すように、第2コネクタ16の係合爪19を第1コネクタ15側に向けた状態で、第2コネクタ16を第1コネクタ15側(矢印方向)へ移動させ、第2コネクタ16の先端部を第1コネクタ15の嵌合凹部15bに挿入する。 すると、図7(b)に示すように、第2コネクタ16の係合爪19の係合凸部19bが第1コネクタ15の係合部17に下方から乗り上げるようにして、係合爪19が下方へ弾性変形し、この後、係合凸部19bがその係合部17を乗り越えることにより当該係合部17に抜け止め状態で係合する状態となる(図7(c)参照)。 これにより、第2コネクタ16が第1コネクタ15の嵌合凹部15bに嵌合するとともに、第2コネクタ16の接続端子16bが第1コネクタ15の接続端子と嵌合され、第1コネクタ15と第2コネクタ16とが適正に嵌合された状態となる。 このとき、係合爪19において、凸部19aと係合凸部19bとの間の上面19cの大部分は、第1コネクタ15のコネクタ本体15aの外部へ露出している。 これら第1コネクタ15と第2コネクタ16との嵌合作業も作業者(人)によって行われる。

    次に、このような第1コネクタ15と第2コネクタ16とが適正に嵌合されたか否かを判定する検査方法および検査装置について説明する。 この場合、嵌合状態により変化する第2コネクタ16の係合爪19の状態と、撮影に使用する照明の反射を利用して検査を行う。

    図8は、第1コネクタ15と第2コネクタ16との嵌合状態を検査する状態を模式的に示した側面図である。 検査エリア22には、照明手段を構成するライト10と、コネクタの嵌合状態を撮影するカメラ11が設置されている。 ライト10およびカメラ11は、後述するように、コネクタの嵌合状態を撮影するのに適した位置および角度にセットされている。

    図8は、第1コネクタ15と第2コネクタ16とが適正に嵌合された状態である。 第1コネクタ15と第2コネクタ16とが適正に嵌合された状態であるということは、第2コネクタ16における係合爪19の係合凸部19bが、第1コネクタ15における係合部17を乗り越えて当該係合部17に適正に係合された状態である。 係合爪19は、対応する係合部17を乗り越えることで、変形状態から嵌合前の平状態に復帰する。 図8においては、係合爪19は、回路基板1の上面と平行な状態である。

    図8のように適正に嵌合された第1および第2コネクタ15,16に対してライト10から光を照射し、その光の一部は特に係合爪19の上面19cで反射し、その反射光H1がカメラ11に向かうように、ライト10およびカメラ11が設置されている。 図10は、図8の状態をカメラ11にて撮影した画像を画像処理装置12にて画像処理した画像の模式図である。 図10において、係合爪19の上面19cにて反射した部分は白く光っている状態で観察される。 その白く光って観察される反射領域の大きさを測定するために、まず画像処理装置12に予め登録しておいた撮影する予定であるコネクタの形状のパターンマッチングを行い、測定する箇所を設定する。 図10において、第1マッチングエリア24、第2マッチングエリア25は、第1コネクタ15の位置を合わせるためのものである。 このうち、第1マッチングエリア24は、第1コネクタ15の一側部の取付部18付近を確認するためのものである。 第2マッチングエリア25は、第1コネクタ15の右端部の位置を確認するためのものである。 また、第3マッチングエリア26は、第2コネクタ16の位置を確認するためのものである。 そして、測定エリア27は、係合爪19の上面19cにおいて反射する光の反射領域の大きさを測定するためのもので、例えば白く光るドットの数で面積を測定する。 これによって得られた面積をA1とする。

    図9は、第1コネクタ15と第2コネクタ16とが適正に嵌合されていない状態を示したもので、第2コネクタ16の係合爪19の係合凸部19bが、第1コネクタ15の係合部17に下方から乗り上げ、係合爪19が下側に変形した状態となっている。 このような嵌合状態のコネクタが上記検査エリア22内に投入された場合、ライト10から第1および第2コネクタ15,16に対して光が照射され、その光のうち係合爪19の上面19にて反射した反射光H2は、カメラ11から外れた部位に向かうことになる。 図11は、図9の状態をカメラ11にて撮影した画像を画像処理装置12にて画像処理した画像の模式図である。 図11における測定エリア27においては、係合爪19の上面19cにおいて反射する光が白く光って観察される面積が、ほとんどない、もしくはあっても図10の場合よりも著しく小さくなる。 このとき得られた面積をA2とする。 図10、図11の画像から得られた面積A1,A2の関係は、次の式(5)の関係となる。

    A1>A2 …(5)
    そこで、上記した第1コネクタ15と第2コネクタ16が適正に嵌合された状態のものを合格、適正に嵌合されていない状態のものを不合格という判定をするためにしきい値X2(基準データ)を設定する。 そのしきい値X2は、次の(6)式を満たすように設定する。

    A1≧X2>A2 …(6)
    制御装置13には、このしきい値X2が基準データとして記憶されている。
    この第2実施形態において、上記したコネクタの嵌合作業から検査終了までの工程についても、図6を参照して説明する。 まず、作業者は、回路基板1上に実装された第1コネクタ15と第2コネクタ16との嵌合作業を行い(ステップS1)、そのワーク(第1コネクタ5と第2コネクタ16とを嵌合させた製品)を検出エリア22に投入する(ステップS2)。 すると、制御装置13は、ライト10を点灯させて嵌合状態の第1コネクタ15と第2コネクタ16を上方から照明し(ステップS3)、また、カメラ11を制御して、嵌合状態の第1コネクタ15と第2コネクタ16を上方から撮影する(ステップS4)。

    制御装置13は、カメラ11にて撮影された画像を画像処理装置12にて処理し、その画像から、測定エリア27における反射領域の面積Aを測定する(ステップS5)。 制御装置13は、さらに、その測定により得られた測定データAと、基準データとなる前記しきい値X2とを比較し、嵌合状態が適正か否かを判定する(ステップS6)。 具体的には、測定データAがしきい値X2以上であれば合格、しきい値X2未満であれば不合格と判定する。 制御装置13は、判定の結果、合格であれば検査を完了し(ステップS7)、ワークを次の工程へ移動させる。 判定の結果、不合格であれば、制御装置13は、ブザーあるいは表示ランプなどの報知器(図示せず)を作動させて、作業者に不合格であることを報知する。 報知器が作動した場合には、作業者は、検査エリア22内のワークを取り出して嵌合作業をやり直し、ワークを再度検査エリア22内へ投入して検査をやり直す。 このようにすることで、不良品の発生を防止でき、ワーク(製品)の品質を保つことができる。

    この実施形態においても、画像処理装置12と制御装置13は、前記測定データAを測定する測定手段を構成し、また、制御装置13は、第1コネクタ15と第2コネクタ16とが適正に嵌合されているか否かを判定する判定手段を構成する。

    上記した実施形態においては、係合部17を有する第1コネクタ15と前記係合部17と係合する弾性変形可能な係合爪19を有する第2コネクタ16とが適正に嵌合されているか否かを検査するについて、係合爪19を含む部分をカメラ10により撮影し、その撮影により得られた画像から、前記係合爪19が前記係合部17に乗り上げて変形することによって変化するデータとして係合爪19の上面19cにて反射した反射領域の面積Aを測定し、その測定データAと予め設定された基準データであるしきい値X2とを比較することにより、第1コネクタ15と第2コネクタ16とが適正に嵌合されているか否かを判定するようにした。 前記測定データAは、係合爪19が係合部17に乗り上げて変形することによって変化するデータであり、係合爪19が係合部17を乗り越えて適正に係合した状態と、係合爪19が係合部17に乗り上げて変形した状態とで、大きく変化する。 この係合爪19の変形と光の反射を利用することで、それら第1コネクタ15と第2コネクタ16とが適正に嵌合されているか否かを確実に判定することができる。 これによっても、第1コネクタ15と第2コネクタ16との嵌合方向に設定される遊び寸法が小さい場合でも、従来技術のものに比べて、コネクタの嵌合状態の検査精度を向上させることができる。

    (その他の実施形態)
    上記した実施形態においては、第1コネクタを回路基板上に実装した例を示したが、回路基板以外の部材に実装した場合や、回路基板1などに実装せず、単に第1コネクタと第2コネクタとを嵌合する場合にも適用することができる。
    電気配線を接続するコネクタに限られず、例えば光配線を接続するコネクタにも適用することができる。

    以上のように本実施形態によると、係合爪を含む部分をカメラにより撮影し、その撮影により得られた画像から、前記係合爪が係合部に乗り上げて変形することによって変化するデータを測定し、その測定データと予め設定された基準データとを比較することにより、第1コネクタと第2コネクタとが適正に嵌合されているか否かを判定するようにした。 前記測定データは、係合爪が係合部に乗り上げて変形することによって変化する寸法であり、係合爪が係合部を乗り越えて適正に係合した状態と、係合爪が係合部に乗り上げて変形した状態とで、大きく変化する。 この係合爪の変形を利用することで、それら第1コネクタと第2コネクタとが適正に嵌合されているか否かを確実に判定することができる。 これにより、第1コネクタと第2コネクタとの嵌合方向に設定される遊び寸法が小さい場合でも、従来技術のものに比べて、コネクタの嵌合状態の検査精度を向上させることができる。

    本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。 これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。 これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。

    図面中、1は回路基板、2は第1コネクタ、3は第2コネクタ、4は係合部、5は係合爪、10はライト(照明手段)、11はカメラ、12は画像処理装置(測定手段)、13は制御装置(測定手段、判定手段)、14は検査装置、15は第1コネクタ、16は第2コネクタ、17は係合部、19は係合爪、19cは上面を示す。

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