ワイヤハーネス

申请号 JP2011210101 申请日 2011-09-27 公开(公告)号 JP5895318B2 公开(公告)日 2016-03-30
申请人 矢崎総業株式会社; 发明人 足立 英臣; 尾崎 佳昭;
摘要
权利要求

一又は複数の導電路と、多数の極細の素線からなり且つ前記一又は複数の導電路を覆う筒形状の編組とを含むワイヤハーネスにおいて、 前記素線は、導電性を有し且つ金属繊維よりも単位長さ当たり軽い非金属繊維からなる、又は、非導電性材料に導電性材料を混合してなり且つ金属繊維よりも単位長さ当たり軽い非金属繊維からなる ことを特徴とするワイヤハーネス。請求項1に記載のワイヤハーネスにおいて、 前記非金属繊維は炭素繊維又は樹脂材料に導電性材料を混ぜた導電性樹脂繊維である ことを特徴とするワイヤハーネス。請求項1又は2に記載のワイヤハーネスにおいて、 導電性の金属部品となる金属シェル又は導電性の樹脂成型品となる導電性樹脂シェルを更に含み、前記編組はこの端末部が前記金属シェル又は前記導電性樹脂シェルに一体化する ことを特徴とするワイヤハーネス。

说明书全文

本発明は、一又は複数の導電路と、これを覆うシールド部材とを含むワイヤハーネスに関する。

下記特許文献1には、電線の外側に配設された編組の端部と、電線の端末側に配設されたシールドシェルとを、リング状のシールドリングを加締めて電気的に接続するシールド構造が開示されている。上記構成において、編組は、所謂シールド部材であって、導電性を有する極細の金属素線を筒形状に編んで形成されている。シールドシェルは、導電性を有する金属部品であって、この外周面に編組の端部を接続する部分が形成されている。シールドリングは、この内側に編組の端部を挿入する部分が形成されている。シールドリングは、加締め金型により加締めが施されるようになっている。編組は、シールドリングに加締めが施されると、シールドシェルに対し接触して電気的に接続されるようになっている。

特開2009−87902号公報

上記従来技術における編組は、この形成に例えば300本もの金属素線(金属繊維)が用いられている。従って、編組は比較的重量のある部材になっている。近年の自動車部品にあっては、軽量化の要求が大きくなってきていることから、編組に関しても軽量化を目的とした改善をする必要があると本願発明者は考えている。

ところで、近年は鋼材の高騰によってコスト増の傾向にあることから、コスト影響の受け難い材料を用いる必要があると本願発明者は考えている。

本発明は、上記した事情に鑑みてなされたもので、編組の軽量化及びコスト低減を図り、以て全体的な軽量化及びコスト低減を図ることが可能なワイヤハーネスを提供することを課題とする。

上記課題を解決するためになされた請求項1に記載の本発明のワイヤハーネスは、一又は複数の導電路と、多数の極細の素線からなり且つ前記一又は複数の導電路を覆う筒形状の編組とを含むワイヤハーネスにおいて、前記素線は導電性を有し且つ金属繊維よりも単位長さ当たり軽い非金属繊維からなる、又は、非導電性材料に導電性材料を混合してなり且つ金属繊維よりも単位長さ当たり軽い非金属繊維からなることを特徴とする。

このような特徴を有する本発明によれば、導電性を有する非金属繊維の素線を筒形状に編んで編組を形成する。そして、このような編組をワイヤハーネスの構成部材として用いる。編組は、これを構成する素線が金属繊維よりも例えば単位長さ当たり軽い非金属繊維からなる。従って、編組は、素線が金属繊維からなるものと比べて軽量化されたもの、また、鋼材の高騰に影響されないものになる。

請求項2に記載の本発明のワイヤハーネスは、請求項1に記載のワイヤハーネスに係り、前記非金属繊維は炭素繊維又は樹脂材料に導電性材料を混ぜた導電性樹脂繊維であることを特徴とする。

このような特徴を有する本発明によれば、非金属繊維として炭素繊維又は導電性樹脂繊維を素線に用いる。

請求項3に記載の本発明のワイヤハーネスは、請求項1又は2に記載のワイヤハーネスに係り、導電性の金属部品となる金属シェル又は導電性の樹脂成型品となる導電性樹脂シェルを更に含み、前記編組はこの端末部が前記金属シェル又は前記導電性樹脂シェルに一体化することを特徴とする。

このような特徴を有する本発明によれば、編組の端末部を金属シェル又は導電性樹脂シェルに一体化したワイヤハーネスになる。

請求項1に記載された本発明によれば、編組の軽量化及びコスト低減を図ることができるという効果を奏する。従って、本発明によれば、ワイヤハーネスの軽量化及びコスト低減を図ることができるという効果を奏する。

請求項2に記載された本発明によれば、非金属繊維からなる素線として炭素繊維又は導電性樹脂繊維を挙げ、これらであればいずれを用いても編組の軽量化及びコスト低減を図ることができるという効果を奏する。

請求項3に記載された本発明によれば、編組の端末部を金属シェル又は導電性樹脂シェルに一体化したワイヤハーネスを提供することができるという効果を奏する。

本発明のワイヤハーネスを示す図である(実施例1)。

ワイヤハーネス端末のシールド構造を示す拡大斜視図である。

外装部材を示す図である。

他の例となるシールド構造を示す拡大斜視図である(実施例2)。

図4のバラケ状態に係る説明図である。

更に他の例となるシールド構造を示す拡大断面図である(実施例3)。

更に他の例となるシールド構造を示す拡大断面図である(実施例4)。

図7の高圧電線の切断状態を示す拡大断面図である。

更に他の例となるシールド構造を示す拡大断面図である(実施例5)。

ワイヤハーネスは、導電性を有する非金属繊維の素線を筒形状に編んで編組を形成し、この編組をシールド部材として用い、一又は複数の導電路を覆う。非金属繊維としては、炭素繊維又は導電性樹脂繊維を用いる。

以下、図面を参照しながら実施例1を説明する。図1は本発明のワイヤハーネスを示す図である。また、図2はワイヤハーネス端末のシールド構造を示す拡大斜視図、図3は外装部材を示す図である。

本実施例においては、ハイブリッド自動車(電気自動車であってもよいものとする)に本発明のワイヤハーネスを採用する例を挙げて説明するものとする。

図1(a)において、引用符号21はハイブリッド自動車を示している。ハイブリッド自動車21は、エンジン22、フロントモーターユニット23、及びリアモーターユニット24を併用して駆動する車両であって、フロントモーターユニット23はフロントインバータユニット25を介して、また、リアモーターユニット24はリアインバータユニット26を介してバッテリー27(電池パック、組電池)からの電が供給されるようになっている。エンジン22、フロントモーターユニット23、及びフロントインバータユニット25は、本実施例において前輪等がある位置のエンジンルーム28に搭載されている。また、リアモーターユニット24、リアインバータユニット26、及びバッテリー27は、後輪等がある自動車後部29に搭載されている(搭載位置は一例であるものとする。尚、バッテリー27に関しては、ハイブリッド自動車21や電気自動車等に使用可能であれば特に限定されないものとする)。

フロントモーターユニット23とフロントインバータユニット25は、高圧のワイヤハーネス30により接続されている。また、フロントインバータユニット25とバッテリー27も高圧のワイヤハーネス31により接続されている。さらに、リアモーターユニット24とリアインバータユニット26も高圧のワイヤハーネス32により接続されている。さらにまた、リアインバータユニット26とバッテリー27も高圧のワイヤハーネス33により接続されている。

ワイヤハーネス31は、この中間部34が車体床下35の地面側に配索されている。ワイヤハーネス31は、車体床下35に沿って略平行に配索されている。車体床下35は、公知のボディであるとともに所謂パネル部材であって、所定位置には貫通孔(符号省略)が形成されている。この貫通孔は、ワイヤハーネス31の挿通部分となっている。

ワイヤハーネス32は、この中間部36が自動車後部29における車体床下37を貫通するように配索されている。ワイヤハーネス32が挿通される貫通孔は、上記ワイヤハーネス31の貫通孔と同様に形成されている。引用符号38は室内を示している。

尚、ワイヤハーネス30は、フロントモーターユニット23に接続されることから、また、ワイヤハーネス32は、リアモーターユニット24に接続されることから、モーターケーブルやモーターケーブル装置と呼ばれることもある。

以下、本発明に関し、ワイヤハーネス32を例に挙げて説明をするものとする。本発明は、ワイヤハーネス32に限らず、ワイヤハーネス30、31、33にも適用可能であるものとする。

図1(b)において、ワイヤハーネス32は、三本の高圧電線39(導電路)と、この三本の高圧電線39を一括してシールドする編組40と、編組40の本体部外側に設けられる外装部材41と、三本の高圧電線39の一端側に設けられるモーター側接続部42と、他端側に設けられるインバータ側接続部43とを備えて構成されている。

図1(b)及び図2において、高圧電線39は、導体及び絶縁体(被覆)を含む高圧の導電路であって、電気的な接続に必要な長さを有するように形成されている。導体は、銅や銅合金、アルミニウムやアルミニウム合金により製造されている。導体に関しては、素線を撚り合わせてなる導体構造のものや、断面矩形又は丸形となる棒状の導体構造(例えば平単心や丸単心となる導体構造であり、この場合、電線自体も棒状となる)のもののいずれであってもよいものとする。

尚、本実施例においては高圧電線39を用いているが、この限りでないものとする。すなわち、公知のバスバーに絶縁体を設けて高圧の導電路としたもの等を用いてもよいものとする。

編組40は、電磁シールド用の筒状部材(電磁波対策用のシールド部材)に形成されている。また、編組40は、本実施例において、三本の高圧電線39をこの全長にわたって覆うことのできる形状に形成されている。

編組40としては、導電性を有し且つ金属繊維よりも軽い非金属繊維からなる極細の素線を多数編んでなるものが用いられている。素線に関しては(非金属繊維に関しては)、本実施例において、炭素繊維、又は樹脂材料に導電性材料を混ぜた導電性樹脂繊維からなるものが用いられている。

編組40は、上記素線が金属繊維よりも例えば単位長さ当たり軽い非金属繊維からなるものである。従って、編組40は、素線が金属繊維の場合と比べて軽量化されたもの、また、鋼材の高騰に影響されないものになる。尚、素線の径は適宜設定されるものとする。

ワイヤハーネス32の端末に係るシールド構造は、編組40の一端及び他端(端末部)をモーター側接続部42及びインバータ側接続部43に固定し、そして、一体化させるようなシールド構造になっている。また、シールド構造は、モーター側接続部42及びインバータ側接続部43を介してシールドケース44及び45に編組40を接続するシールド構造になっている。

ここで上記シールド構造について、もう少し具体的に説明をすると、モーター側接続部42及びインバータ側接続部43は、樹脂材料に導電性材料を混ぜこれを成型金型に充填して成型される導電性樹脂成型品であって、外観は公知の金属シェルと同じ形状に成型されている。モーター側接続部42及びインバータ側接続部43は、導電性樹脂シェルとして成型されている(金属シェルの場合については後述するものとする)。尚、上記樹脂材料及び導電性材料は、例えばPBT等の樹脂材料にカーボンファイバを混ぜたものであるものとする。

導電性樹脂シェルであるモーター側接続部42及びインバータ側接続部43は、上記の如く金属シェルと同じ形状であることから、固定部材としての機能を有している。また、金属シェルと同じ形状であることから、シールドケース44及び45に対し容易に接続固定をすることができる形状を有している(引用符号46はボルト止め用の貫通孔を示している)。

上記シールド構造において、図中の引用符号47は編組40の端末部における端部(端末開口部)をインサートしてなるインサート部分を示している。尚、一体化はインサート成型に限らず、加締めや溶着・溶接等であってもよいものとする。

図1(b)及び図3(a)において、外装部材41は、三本の高圧電線39及び編組40を覆い、これらを保護をするための部材であって、例えばツイストチューブ48等が用いられている。ツイストチューブ48は、編組40の外側に巻き付くものとして形成されおり、テープ巻き49によって保持されている。

尚、外装部材41は、図3(b)に示す如くの管体50であってもよいものとする。本実施例の管体50は、導電性樹脂成型品であるものとする。すなわち、管体50は、樹脂材料に導電性材料を混ぜこれを成型金型に充填して成型されている(上記樹脂材料及び導電性材料は、例えばPBT等の樹脂材料にカーボンファイバを混ぜたものである)。管体50は、例えば断面円形のパイプ形状に成型されている。管体50の成型にあっては、編組40の端部をインサートして一体化させることが一例として挙げられるものとする。引用符号51は、インサート部分を示している。

管体50に関しては、上記導電性樹脂成型品の他に一般的な金属パイプも一例として挙げることができるものとする。この場合、編組40の端末部をバンドや加締めリング等で固定すれば、金属パイプにシールド部材としての機能を持たせることができるのは勿論である。

以上、図1ないし図3を参照しながら説明してきたように、本発明に係るワイヤハーネス32によれば、導電性を有する非金属繊維の素線を筒形状に編んだ編組40を用いることから、素線が従来例のような金属繊維の場合と比べて軽量化されたもの、また、鋼材の高騰に影響されないものになる。

本発明によれば、編組40の軽量化及びコスト低減を図ることができるという効果を奏する。従って、本発明によれば、ワイヤハーネス32の軽量化及びコスト低減を図ることができるという効果を奏する。

この他、本発明のワイヤハーネス32は軽量化されていることから、これを配索するハイブリッド自動車21の燃費向上に貢献することができるという効果を奏する。

尚、ハイブリッド自動車21や電気自動車に限らず、軽量化の必要がある例えばスポーツカー等に本発明を適用することができるのは勿論である。

以下、図面を参照しながら実施例2を説明する。図4は他の例となるシールド構造を示す拡大斜視図である。また、図5は図4のバラケ状態に係る説明図である。尚、上記実施例1と同一の構成部材には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。実施例2は図1も参照するものとする。

図1(b)及び図4において、実施例1と同様に配索されるワイヤハーネス32は、三本の高圧電線39(導電路)と、この三本の高圧電線39を一括してシールドする編組52と、編組52の本体部外側に設けられる外装部材41と、三本の高圧電線39の一端側に設けられるモーター側接続部42と、他端側に設けられるインバータ側接続部43とを備えて構成されている。このような構成のワイヤハーネス32には、実施例1と同様のインサート成型によるシールド構造が採用されている。

編組52は、電磁シールド用の筒状部材(電磁波対策用のシールド部材)として形成されている。また、編組52は、本実施例において、三本の高圧電線39をこの全長にわたって覆うことのできる形状に形成されている。

編組52としては、実施例1と同様、導電性を有し且つ金属繊維よりも軽い非金属繊維からなる極細の素線を多数編んでなるものが用いられている。編組52は、上記素線が金属繊維よりも例えば単位長さ当たり軽い非金属繊維からなるものであることから、素線が金属繊維の場合と比べて軽量化されたもの、また、鋼材の高騰に影響されないものになる。編組52に関し、実施例1との相違点は、編組52の後述する端末部54が二重構造になっている点である。以下、二重構造について説明をする。

図4において、引用符号53は編組52の本体部を示している。また、引用符号54は本体部53に連続する端末部を示している。編組52は、端末部54の内径が本体部53の内径よりも拡開するように形成されている。また、編組52は、端末部54の端末55が編組52の軸方向内側に折り曲げられて二重構造となるように形成されている。すなわち、端末部54は、外側端末部分56及び内側端末部分57からなる二重構造に形成されている。

編組52は、端末部54の端末55が未処理となる切断したままの状態(編組52を単に切断したままの状態)にして二重に形成されている。また、編組52は、上記切断したままの状態で、内側端末部分57が端末55を含んで素線のバラケ状態に形成されている。図4においては、端部内側57が網掛けにて模式的に図示されている。また、図4の円内においては、バラケ状態が分かるように内側端末部分57が図示されている。

ここで、上記バラケ状態についてもう少し詳しく説明をすると、バラケ状態は図4の円内に示す如く、外側端末部分56の編み目58に対し、この内側で素線59が交差するような状態を指すものとなっている。バラケ状態の形成に関しては、図5(a)に示す如く複数の素線59から構成されるピック60を見ると、先端となる端末55が切断したままの状態(切りっぱなしの状態)になっており、この後に、各ピック60における素線59の束が図5(b)から図5(c)に示す如く、解れるようにして形成されている。バラケ状態は、特に図示しないが、素線59が「もじゃもじゃ」になるような形成状態も含まれるものとする。

以上のようなバラケ状態において、端末部54の端末55は、本体部53との連続位置に配置されるように、若しくは、本体部53との連続位置近傍に配置されるように設定されている。

ワイヤハーネス32の端末に係るシールド構造は、編組52の端末部54をモーター側接続部42及びインバータ側接続部43に固定し、そして、一体化させるようなシールド構造になっている。また、シールド構造は、モーター側接続部42及びインバータ側接続部43を介してシールドケース54及び45に編組52を接続するシールド構造になっている。

上記シールド構造は、実施例1と同様であって、編組52の端末部54に形成された軸方向内側折り曲げ部分を含んで一体成型する構造になっている。尚、図中の引用符号61は編組52の端末部54をインサートしてなるインサート部分を示している。

以上、図4及び図5を参照しながら説明してきたように、本発明に係るワイヤハーネス32によれば、導電性を有する非金属繊維の素線を筒形状に編んだ編組52を用いることから、素線が従来例のような金属繊維の場合と比べて軽量化されたもの、また、鋼材の高騰に影響されないものになる。

本発明によれば、編組52の軽量化及びコスト低減を図ることができるという効果を奏する。従って、本発明によれば、ワイヤハーネス32の軽量化及びコスト低減を図ることができるという効果を奏する。

尚、編組52を特徴づけてみると、「編組52は、筒状の本体部53と該本体部53に連続する筒状の端末部54とを有し、該端末部54の内径を前記本体部53の内径よりも拡開させるとともに、前記端末部54の端末55を軸方向内側に折り曲げて前記端末部54を外側端末部分56及び内側端末部分57の二重構造に形成してなり、さらに、前記編組52は、前記端末部54の前記端末55を未処理となる切断したままの状態にし、且つ該切断したままの状態の前記端末55を含んで前記内側端末部分57を素線59のバラケ状態に形成する」ことが特徴づけられる。

以下、図面を参照しながら実施例3を説明する。図6は更に他の例となるシールド構造の拡大斜視図である。尚、上記実施例1、2と同一の構成部材には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。

図6において、実施例3のシールド構造は、実施例1、2に対し編組62を用いる点が相違している。編組62としては、実施例1、2と同様、導電性を有し且つ金属繊維よりも軽い非金属繊維からなる極細の素線を多数編んでなるものが用いられている。編組62は、上記素線が金属繊維よりも例えば単位長さ当たり軽い非金属繊維からなるものであることから、素線が金属繊維の場合と比べて軽量化されたもの、また、鋼材の高騰に影響されないものになる。編組62は、実施例1よりも編み目を小さくしてシールド効果を高めることができるように形成されている。

編組62は、例えば端末部63の内径と、この端末部63に連続する図示しない本体部の内径とが同じになるような筒状に形成されており、端末部63の端末開口部がモーター側接続部42及びインバータ側接続部43に一体成型されている。

尚、図中の引用符号64は編組62の端末部63をインサートしてなるインサート部分を示している(インサート成型に限らず、加締めや溶着・溶接等で一体化してもよいものとする)。

以上のようなシールド構造であっても、実施例1、2と同様の効果を奏するのは勿論である。すなわち、本発明に係るワイヤハーネス32によれば、導電性を有する非金属繊維の素線を筒形状に編んだ編組62を用いることから、素線が従来例のような金属繊維の場合と比べて軽量化されたもの、また、鋼材の高騰に影響されないものになる。

本発明によれば、編組62の軽量化及びコスト低減を図ることができるという効果を奏する。従って、本発明によれば、ワイヤハーネス32の軽量化及びコスト低減を図ることができるという効果を奏する。

以下、図面を参照しながら実施例4を説明する。図7は更に他の例となるシールド構造の拡大断面図である。また、図8は図7の高圧電線の切断状態を示す拡大断面図である。尚、実施例4は図1も参照するものとする。

実施例4は、ワイヤハーネス32でなくワイヤハーネス31を例に挙げて説明をするものとする。

図7において、ワイヤハーネス31は、二本の高圧電線65(導電路。ここでは一本のみ図示)と、この二本の高圧電線65を一括してシールドする編組66と、編組66の外側に設けられる図示しない外装部材と、高圧電線65の一端側に設けられるインバータ側接続部67と、他端側に設けられる図示しないバッテリー側接続部とを備えて構成されている。図示しないバッテリー側接続部は、基本的にインバータ側接続部67と同様に構成されている。

高圧電線65は、導体68と、この導体68を被覆する絶縁体69とを備えて構成されている。高圧電線65は、この端末において所定の長さ分だけ絶縁体69が皮剥されて導体68が露出するように加工されている。導体68は、ここでは素線(銅や銅合金、アルミニウムやアルミニウム合金からなる素線)を撚り合わせてなる導体構造のものが用いられている。導体68は、特に限定するものでないが、断面略丸形(円形)となる形状に形成されている。尚、導体68に関し、断面矩形又は丸形となる棒状の導体構造(例えば平角単心や丸単心となる導体構造)のものであってもよいものとする。また、例えば編組バスバーからなる導体構造のものであってもよいものとする。

絶縁体69は、絶縁性を有する樹脂材料を導体68の外側に押し出し被覆することによりなるものであって、ここでは公知のものが用いられている。

高圧電線65は、高圧用であることから、太物の電線に形成されている。

編組66は、電磁シールド機能を発揮させるための部材であって、筒状に形成されている。本実施例の編組66は、実施例1の編組40(図2参照)、実施例2の編組52(図4参照)、及び、実施例3の編組62(図6参照)のいずれかが用いられるものとする。編組66の一端(端末部)は、一体成型によりインバータ側接続部67の後述する導電性樹脂成型品79に一体成型されている。また、他端(端末部)も図示しないバッテリー側接続部に同様に一体成型されている。

インバータ側接続部67は、所謂コネクタであって、フロントインバータユニット25のシールドケース70に差し込まれ、内部において電気的な接続がなされるように構成されている。インバータ側接続部67は、端子金具71と、ハウジング72と、端子係止部材73と、防用のシール部材74〜76と、リアホルダ77と、絶縁カバー78と、導電性樹脂成型品79と、固定用のボルト(図示省略)とを備えて構成されている。

端子金具71は、導電性を有する金属板をプレス加工することにより形成されている。端子金具71は、ここでは雄型のものが用いられている。端子金具71は、電気接触部80と、この電気接触部80に連続する電線接続部81とを有している。

電気接触部80は、タブ状に形成されている。電気接触部80には、第一貫通孔82と、第二貫通孔83とが形成されている。第一貫通孔82は、フロントインバータユニット25の内部において電気的な接続に用いられる部分として形成されている。一方、第二貫通孔83は、端子係止部材73により係止される部分として形成されている。

電線接続部81は、高圧電線65の導体68を接続固定することができるように形成されている。本実施例においては、バレル形状であって加締めにより導体68を圧着して接続することができるように形成されている(接続に関しては、溶接等も可能であるものとする)。

ハウジング72は、絶縁性を有する樹脂成形品(絶縁部材)であって、ハウジング本体84を有して図示形状に形成されている(形状は一例であるものとする)。

ハウジング本体84の内部には、端子収容室85が形成されている。端子収容室85は、高圧電線65の導体68に接続固定された端子金具71の電線接続部81を主に収容することができるように形成されている。端子収容室85には、ハウジング先端に向けて貫通する電気接触部導出穴86が形成されている。端子金具71は、端子収容室85に収容されると、電気接触部導出穴86を介して電気接触部80がハウジング先端から突出するようになっている。

ハウジング本体84には、電気接触部導出穴86に連通する端子係止部材収容穴87が下方から上方へ向けて形成されている。端子金具71は、端子係止部材収容穴87に嵌合する端子係止部材73により第二貫通孔83が係止され、これにより抜け止めがなされるようになっている。

端子収容室85と電気接触部導出穴86との連続部分には、シール部材収容穴88が形成されている。シール部材収容穴88に収容されたシール部材74は、電気接触部80に対して水密に接触するようになっている。

端子収容室85には、この後方に連続するようにシール部材収容穴89が形成されている。また、この後方には、リアホルダ収容穴90が連成されている。シール部材収容穴89に収容されたシール部材75は、高圧電線65の絶縁体69に対して水密に接触するようになっている。リアホルダ収容穴90は、リアホルダ77を嵌合させることができるような形状に形成されている。

ハウジング本体84の外部には、フランジ部91が形成されている。このフランジ部91には、シール部材収容溝92が形成されている。シール部材収容溝92に収容されたシール部材76は、フロントインバータユニット25のシールドケース70に対して水密に接触するようになっている。

リアホルダ77は、絶縁性を有する樹脂成形品であって、特に図示しないが二分割可能な形状に形成されている。リアホルダ77は、高圧電線65の直径に合わせて貫通する電線挿通孔93と、リアホルダ収容穴90に嵌合する大径の嵌合部94と、この嵌合部94に連続して高圧電線65を引き出す小径の電線引き出し部95と、電線引き出し部95の端部に例えば上下に突出形成される係止凸部96とを有している。係止凸部96は、絶縁カバー78を引っ掛けてこの抜けを規制することができるように形成されている。

絶縁カバー78は、リアホルダ77に対し別体の部材として備えられている。また、絶縁カバー78は、柔軟性を有する部材であって、ここではゴム製の部材(エラストマー製の部材)として備えられている。絶縁カバー78は、筒形状に形成されており、大径の係止部97と、この係止部97から後方に伸びるカバー部98とを有している。係止部97には、リアホルダ77の係止凸部96に引っ掛かり係止される係止凹部99が形成されている。絶縁カバー78は、180度回転させて上下逆にしてもリアホルダ77に係止されるような形状に形成されている。

絶縁カバー78は、仮にワイヤハーネス31に外力等が加わった場合に有効な部材と言える。以下、この理由について説明をする。

仮にワイヤハーネス31に外力等が加わった場合に、力は高圧電線65の導体68及び端子金具71の電線接続部81の接続部分に掛かる。そして、接続部分での導体68は、図8に示す如く切断される。具体的には、電線接続部81における加締め部分に導体68の一部が残り、また、高圧電線65側は導体切断端部100が露出するような状態で切断される。この時、高圧電線65は導体切断端部100が露出するものの、導体切断端部100の外側は絶縁カバー78により覆われることから、編組66に対し電気的な接触が規制された状態になる(移動量が小さい場合、導体切断端部100の外側はハウジング本体84、又はリアホルダ77における嵌合部94や電線引き出し部95により覆われ、これにより電気的な接触が規制された状態になる)。

従って、絶縁カバー78等の存在により導体切断端部100の露出を防止して安全性を確保することができることから、絶縁カバー78は外力等が加わった場合に有効な部材であると言える。

導電性樹脂成型品79は、所謂金属シェル(シールドシェル)の代替品であって、樹脂材料に導電性材料を混ぜこれを成型金型に充填して成型されている。導電性樹脂成型品79は、略筒状の成型品本体101(シェル本体)と、複数の成型品固定部102(シェル固定部)とを有している。成型品本体101は、この内部にハウジング本体84を収容することができるような形状に形成されている。成型品固定部102は、図示しない固定用のボルトを用いてフロントインバータユニット25のシールドケース70に固定されるような形状に形成されている。

成型品本体101には、編組66の端末部(端末開口部)が一体成型されている。尚、図中の引用符号103は編組66の端末部におけるインサート部分を示している(インサート成型に限らず、加締めや溶着・溶接等で一体化してもよいものとする)。

以上のようなシールド構造であっても、実施例1〜3と同様の効果を奏するのは勿論である。すなわち、本発明に係るワイヤハーネス31によれば、導電性を有する非金属繊維の素線を筒形状に編んだ編組66を用いることから、素線が従来例のような金属繊維の場合と比べて軽量化されたもの、また、鋼材の高騰に影響されないものになる。

本発明によれば、編組66の軽量化及びコスト低減を図ることができるという効果を奏する。従って、本発明によれば、ワイヤハーネス31の軽量化及びコスト低減を図ることができるという効果を奏する。

以下、図面を参照しながら実施例5を説明する。図9は更に他の例となるシールド構造の拡大断面図である。尚、上記実施例4と同一の構成部材には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。

図9において、実施例5のシールド構造は、実施例4に対し編組66を一体化する構造が異なっている。すなわち、編組66をインサート成形により固定する構造ではなく、加締めにより固定する構造になっていることが異なっている。加締めによる固定構造は、図9と以下説明から分かるようになるが、金属シェル104と加締めリング105とを用いるようになっている。

インバータ側接続部106を構成する金属シェル104は、実施例4の導電性樹脂成型品79(図7及び図8参照)に相当する部材として備えられている。このような金属シェル104は、略筒状のシェル本体107と、複数のシェル固定部108とを有している。シェル固定部108は、図示しない固定用のボルトを用いてフロントインバータユニット25のシールドケース70に固定されるような形状に形成されている。

シェル本体107には、加締め受け部109が形成されている。この加締め受け部109と加締めリング105との間には、編組66の端末部が挟み込まれるようになっている。編組66は、この端末部が加締めにより挟み込まれて固定されると、シールドケース70に対し電気的に接続されるようになっている。

以上、編組66を一体化する構造が実施例4と相違しても、実施例5は実施例4と同様の効果を奏することが分かる。すなわち、本発明によれば、ワイヤハーネス31の軽量化及びコスト低減を図ることができるという効果を奏する。

本発明は本発明の主旨を変えない範囲で種々変更実施可能なことは勿論である。

21…ハイブリッド自動車、 22…エンジン、 23…フロントモーターユニット、 24…リアモーターユニット、 25…フロントインバータユニット、 26…リアインバータユニット、 27…バッテリー、 28…エンジンルーム、 29…自動車後部、 30〜33…ワイヤハーネス、 34、36…中間部、 35、37…車体床下、 38…室内、 39…高圧電線(導電路)、 40…編組、 41…外装部材、 42…モーター側接続部(導電性樹脂シェル)、 43…インバータ側接続部(導電性樹脂シェル)、 44、45…シールドケース、 46…貫通孔、 47…インサート部分、 48…ツイストチューブ、 49…テープ巻き、 50…管体、 51…インサート部分、 52…編組、 53…本体部、 54…端末部、 55…端末、 56…外側端末部分、 57…内側端末部分、 58…編み目、 59…素線、 60…ピック、 61…インサート部分、 62…編組、 63…インサート部分、 64…端末部、 65…高圧電線(導電路)、 66…編組、 67…インバータ側接続部、 71…端子金具、 72…端子金具、 73…端子係止部材、 74〜76…シール部材、 77…リアホルダ、 78…絶縁カバー、 79…導電性樹脂成型品(導電性樹脂シェル)、 96…係止凸部、 97…係止部、 98…カバー部、 99…係止凹部、 100…導体切断端部、 101…成型品本体、 102…成型品固定部、 103…インサート部分、 104…金属シェル、 105…加締めリング、 106…インバータ側接続部、 107…シェル本体、 108…シェル固定部、 109…加締め受け部

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