Trip unit of the circuit breaker

申请号 JP27304698 申请日 1998-09-28 公开(公告)号 JP3359575B2 公开(公告)日 2002-12-24
申请人 寺崎電気産業株式会社; 发明人 省三 金子;
摘要
权利要求 (57)【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 開閉接点と、前記開閉接点を接触及び開離させる開閉機構と、掛止が解除されることによって前記開閉機構を動作させて前記開閉接点を開離させるトリップラッチ機構と、少なくとも前記開閉接点を収納する収納部 を有する回路遮断器を引き外す装置であって、 繰り返し使用が可能な薄体を備えた壁部を有する圧力検知空間と、前記圧力検知空間の圧力が上昇したとき前記圧力検知空間から突き出る動作棒と、前記動作棒を復帰させる復帰ばねとを備え、 前記圧力検知空間は前記開閉接点 周辺に配置され、
    記開閉接点の収納部の圧力が上昇したとき、前記薄体が
    前記収納部側から圧迫されることにより前記圧力検知空
    間の内圧が上昇し、前記動作棒は突き出たとき前記トリップラッチ機構の掛止を解除させるように配置されていることを特徴とする回路遮断器の引外し装置。
  • 【請求項2】 前記圧力検知空間は、前記収納部の壁内に形成された空洞に収められ、前記圧力検知空間を収める前記空洞と前記開閉接点を収納する前記収納部とを隔する壁に、貫通孔が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の回路遮断器の引外し装置。
  • 【請求項3】 前記圧力検知空間は、前記収納部の壁内に形成された空洞と、前記空洞と前記収納部とを隔する壁に開けられた貫通孔と、前記貫通孔をふさぐように設けられた前記薄体とからなることを特徴とする請求項1
    に記載の回路遮断器の引外し装置。
  • 【請求項4】 前記回路遮断器はそれぞれの極に開閉接点が備えられた多極型であって、隣り合う異極を隔離する前記収納部の前記壁に前記隣り合う異極に共通の前記圧力検知空間が備えられていることを特徴とする請求項2又は3に記載の回路遮断器の引外し装置。
  • 【請求項5】 前記圧力検知空間は、外気との流通を可能にする小さい開口部を備えることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の回路遮断器の引外し装置。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【発明の属する技術分野】本発明は、短絡電流のような大電流をできるだけ迅速に遮断するための回路遮断器の引外し装置に関する。

    【0002】

    【従来の技術】回路遮断器には、開閉接点と、この開閉接点を開閉する開閉機構と、過電流が流れたとき自動的にトリップラッチ機構の掛止を解除して開閉機構を動作させて開閉接点を開離させる引外し装置と、開閉接点が開離して電流を遮断するときに発生するアークを強制的に消滅させる消弧装置とを絶縁成型物製の箱体に収納して構成されているものがある。

    【0003】一般に電気回路においては、このような回路遮断器が電路の短絡事故によって生ずる大きな異常電流をできるだけ速く遮断して回路に流れる電流を小さく限流すれば、電路の損傷を最小限に留めることができるとともに回路遮断器自体の損傷も小さくすることが可能となる。 したがって、短絡電流をより速く遮断できる回路遮断器は、大きな短絡電流を迅速に遮断できるため定格遮断容量を大きくすることが可能となる。

    【0004】短絡電流が流れたとき動作する従来の回路遮断器の引外し装置は、電磁石を応用したものであって、回路遮断器の主回路導体に流れる電流が所定の閾値を超えると電磁石が動作し、開閉機構に含まれるトリップラッチ機構の掛止を解除して開閉接点を開離させるものであった。

    【0005】

    【発明が解決しようとする課題】このような電磁石は、
    可動コアーの慣性などのために動作が遅く、電流が閾値を超えたとき短絡電流をより迅速に遮断することはできなかった。 特に、その開閉接点が電磁によって反発して開離するような大きな異常電流が流れたときは、迅速にトリップラッチ機構の掛止を解除しないと再び接点が接触するなどの現象が発生して、回路遮断器自体に大きな損傷が生じる可能性もあった。

    【0006】本発明の目的は、動作が確実で高速動作が可能な回路遮断器の引外し装置を提供することにある。

    【0007】

    【課題を解決するための手段】上記の問題を解決するために、請求項1の発明の回路遮断器の引外し装置は、開閉接点と、開閉接点を接触及び開離させる開閉機構と、
    掛止が解除されることによって開閉機構を動作させて開閉接点を開離させるトリップラッチ機構と、少なくとも開閉接点を収納する収納部を有する回路遮断器を引き外す装置であって、繰り返し使用が可能な薄体を備えた壁部を有する圧力検知空間と、圧力検知空間の圧力が上昇したとき圧力検知空間から突き出る動作棒と、動作棒を復帰させる復帰ばねとを備え、上記の圧力検知空間は開閉接点周辺に配置され、 開閉接点の収納部の圧力が
    上昇したとき、薄体が収納部側から圧迫されることによ
    り圧力検知空間の内圧が上昇し、動作棒は突き出たときトリップラッチ機構の掛止を解除させるように配置されていることとする。

    【0008】このような構成により、大きな異常電流が流れてその電磁反発力により開閉接点が開離したとき、
    瞬間的に発生する高温高圧のアークガスによって圧力検知空間の薄体を備えた壁部が圧迫される。 この圧迫により薄体がたわんでその内部の圧力が高くなり動作棒が突き出てトリップラッチ機構の掛止を解除するため、瞬時に開閉機構を動作させてトリップ操作を完了させる。 この動作において、アークガスの直接的動作は圧力検知空間を囲む薄体を圧迫するだけの単純な動作であり、高温によって溶解する開閉接点周辺の金属部材の溶片などによってその動作が阻害されることはない。 また、アークガス自体がトリップラッチ機構に作用してその掛止の解除をしないため、トリップラッチ機構付近がアークガスに曝されることはない。 異常電流が遮断された後は、アークガスが消滅して開閉接点の収納部の内部圧力が大気圧になって、たわんでいた薄体が復帰するため圧力検知空間の内部圧力も元の状態まで戻り、復帰ばねによって動作棒も復帰し、次の遮断に対する待機状態となる。

    【0009】請求項2の発明は、請求項1の発明において、圧力検知空間は上記収納部の壁内に形成された空洞に収められ、圧力検知空間を収める空洞と開閉接点を収納する収納部とを隔する壁には貫通孔が形成されることとする。 このため、圧力検知空間装着のための特別な部材やスペースが不要となり構造が簡単となる。

    【0010】請求項3の発明は、請求項1の発明において、圧力検知空間は、収納部の壁内に形成された空洞と、空洞と収納部とを隔する壁に開けられた貫通孔と、
    貫通孔をふさぐように設けられた薄体とからなる構造とする。

    【0011】この結果、収納部の壁そのものを圧力検知空間として利用できるため、構成がより簡単となる。

    【0012】請求項4の発明は、請求項2又は3の発明において、回路遮断器をそれぞれの極に開閉接点を備えた多極型とし、隣り合う異極を隔離する収納部の壁内に、隣り合う異極に共通の圧力検知空間を備えることとしている。 このため、すべての極に対して個々にこの引外し装置を備える必要がなく、構成が簡単となる。

    【0013】請求項5の発明は、圧力検知空間には外気との流通を可能にする小さい開口部を備えることとしている。 このため、圧迫された後の圧力検知空間の復帰を容易にすることができる。

    【0014】

    【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を、図1ないし図7に示す実施例により説明する。

    【0015】図1及び図2は、この実施例の引外し装置を装着した3極型の回路遮断器を示す図である。 成型絶縁物製のモールドベース1とモールドカバー2からなる箱体の内部に、開閉接点を含む主回路導電部と、開閉接点を操作する開閉機構と、過電流が流れたとき開閉機構を動作させて開閉接点を開離させる引外し装置と、開閉接点が開離して電流を遮断したとき発生するアークを消滅させる消弧装置が収納されている。

    【0016】主回路導電部は、電源側接続端子3と、一端に電源側接続端子3を備え他端に固定接点4を備える固定接触子5と、固定接点4に対応して可動接点6を一端に備える可動接触子7と、可動接触子7の他端と中間接続子8との間に接続される可とう導体9と、一端が中間接続子8と共にモールドベース1に固定され他端が端子導体10の一端に接続される逆U字状に曲げられたヒータ11と、端子導体10の他端に備えられた負荷側接続端子12とを、各極ごとに備えて構成されている。

    【0017】なお、可動接触子7は軸13によって接触子ホルダ14に回転自在に保持されるとともに接圧ばね15によって反時計方向に付勢されており、各極の接触子ホルダ14はその端部が各極共通の絶縁物製のクロスバー16に保持され、後述する各極共通の開閉機構の動作によって、クロスバー16の軸心を支点としてクロスバー16と共に3極が同時に回転する。

    【0018】開閉機構は、モールドカバー2の開口部から突き出た絶縁物からなる操作ハンドル17と、この操作ハンドル17が取り付けられている断面がコ字状の開閉レバー18と、一端に係合爪19aを有するトリップレバー19と、係合爪19aとの係合片20aを備えたフック20と、フック20の回転を係止する爪21を設けたトリップシャフト22と、開閉レバー18とトリップレバー19とフック20とをそれぞれ軸23と軸24
    と軸25とによって回転自在に支持するとともにトリップシャフト22をも回転自在に支持する固定フレーム2
    6と、一対のトグルリンク27及びトグルリンク28
    と、一方のトグルリンク27とトリップレバー19の中央上端とを連結する軸29と、トグルリンク27とトグルリンク28とを相互に連結するトグルリンク軸30
    と、開閉レバー18の上部と軸30との間に設けられる操作スプリング31とを備えて構成されている。 なお、
    他方のトグルリンク28の一端は軸13に連結されている。

    【0019】引外し装置は、従来の引外し装置と本発明による引外し装置を共に備えており、いずれも過電流が流れたとき動作してトリップシャフト22を回転させる。 従来の引外し装置は各極ごとに設けられており、自由端がトリップシャフト22の各極ごとに対応して備えられている第1トリップピース32に対向するようにヒータ11に取り付けられているバイメタル33と、ヒータ11を取り囲むように設けられる固定コアー34と可動コアー35とからなる電磁石と、可動コアー35を回転自在に支持する軸36と、可動コアー35を固定コアー34から離れるように時計方向に付勢する設定ばね3
    7とから構成される。

    【0020】本実施例の引外し装置38は、図3ないし図6において、対称形の一対の成型絶縁物を貼り合わせて形成される受圧室40とピストン室41とによって構成される実質的に閉鎖空間である圧力検知空間を有する。 成型絶縁物は、周囲を略長方形の厚みのある枠状部分40aを側壁とし薄体部分40bを底部とする底の浅い箱状部分と、円筒を軸方向に半分に切断した半円筒形状の部分とを有する。 この一対の成型絶縁物を対向させて双方の枠状部分40a及び半円筒形状の壁部分を貼り合わせたとき、対向する双方の薄体部分40bと貼り合わされた枠状部分とによって形成される略直方体の空間部分が受圧室40であり、円筒状に形成される部分がピストン室41である。

    【0021】この成型絶縁物は、その受圧室40の薄体部分40bが、短絡電流の遮断動作が少なくとも所定の回数繰り返し行われても、遮断の度に発生するアークガスの圧力によって圧迫されたときたわみ、圧迫がなくなったとき略元の状態に復帰する程度の弾性を有するとともに、高温のアークガスに曝されても著しく変質しない性質を兼ね備えた素材と寸法が選定される。

    【0022】ピストン室41には、下側には受圧室との空気の流通を可能にする孔41a、上側には後述する動作棒43の挿通孔41b、側壁には後述する外気との流通を可能にする小孔41cが形成される。 この一対の成型絶縁物を貼り合わせるとき、ピストン室41に、その内壁に沿って移動自在のピストン42と、ピストン42
    に取り付けられピストン室41の開口部から突き出る動作棒43と、ピストン42を内部方向へ付勢する復帰ばね44とを封じ込め、小孔41cの部分にはピストン室内の空気の排出及び外気吸入を可能にする細管39とを取り付ける。

    【0023】受圧室40は、その薄体部分40bが圧迫されると内圧が上がり、復帰ばね44の作用力に抗してピストン42が付勢されて動作棒43が上方に突き出て、トリップシャフト22に設けられた第2トリップピース47を押してトリップ動作をさせる。 このとき、ピストン室41内の空気が細管39から排出されることによってピストン室内の気圧が上昇しないため、ピストン42が速く変位しトリップ動作がより速く行われる。 さらに、薄体部分40bの圧迫が解除されると、薄体部分40bの弾性及び復帰ばね44の作用力により、受圧室40もピストン室41も元の状態に復帰する。 ピストン室のピストン42が復帰するとき、細管39から外気が吸入されるためピストン室内の気圧が低下することなく、確実に且つ速やかに復帰する。

    【0024】この引外し装置38は、図7に示されるようにモールドベース1の裏面に形成される細長い開口部45、45から挿入され、中央極と両端極との間を隔離するモールドベース1の極間壁46,46の内部に形成された空洞にそれぞれ装着される。 このように装着されたとき、図1及び図2に示すように、この引外し装置3
    8の受圧室40は回路遮断器の開閉接点の側面に位置するとともに、引外し装置38のピストン室41はその動作棒43がトリップシャフト22に備えられる第2トリップピース47と対向するような部分に位置している。
    さらに、受圧室40の位置する極間壁46の両面には大きな孔48が形成されており、この孔48の部分においては、中央極と端極との間に受圧室40が介在し、双方が隔離される構成となっている。

    【0025】消弧装置は各極ごとに備えられ、対向する絶縁板49の間に保持される複数の磁性板50から構成されており、開閉接点が開離したとき発生するアークを磁気的作用により磁性板50の方向へ誘引し、磁性板5
    0の冷却作用などによってアークを消滅させる作用を備える。

    【0026】このように構成される回路遮断器の動作について説明する。 図1は、この回路遮断器が、可動接点6が固定接点4と接触しているONの状態を示している(実線)。 この状態では、トグルリンク27を介してトリップレバー19が操作スプリング31の作用により反時計方向に付勢され、この付勢により係合爪19aが主フックの係合片20aの下縁と係合してフック20が時計方向に付勢され、この付勢により係合片20aの右下部の側面がトリップシャフトに備えられた爪21と係合して、トリップシャフト22が時計方向に付勢されている。 このトリップシャフト22は、図示の位置から時計方向には回転しないように図示されていないストッパ手段が設けられているため、これらの係合状態が維持されている。

    【0027】一方、軸29が操作スプリング31の作用線の右側にあるため操作ハンドル17が操作スプリング31の作用により反時計方向に付勢されているがトリップレバー19の軸24によってその回転が阻止されている。 この状態ではトグルリンク27とトグルリンク28
    とは相互にほぼ伸直状態にあり、軸13を介して接触子ホルダ14が反時計方向に回転した状態であり、可動接点6が固定接点4と接触している。 この接触状態では接圧ばね15によって十分な接触圧力が作用している。

    【0028】この回路遮断器の開閉接点を開離するOF
    F操作は、図1のON状態において、操作ハンドル17
    を時計方向に回転すると操作スプリング31の作用線が軸29の付近に位置するデッドポイントを超えると、トグルリンク軸30が右方向に付勢されトグルリンク27
    とトグルリンク28が逆「く」字状に屈曲する。 この屈曲により、図示はしていないが、接触子ホルダ14が時計方向に回転し可動接点6が固定接点4から開離する。
    ON操作はこの逆である。

    【0029】次に、引外し装置が動作して開閉接点が開離するトリップ動作について説明する。

    【0030】まず、比較的小さい過電流がこの回路遮断器に流れたときは、ヒータ11が過熱してバイメタル3
    3が左方向に湾曲し、比較的長時間経過後、その自由端に取り付けられたねじが第1トリップピース32を押してトリップシャフト22を反時計方向に回転させる。 この回転により爪21と係合片20aとの係合が解消しフック20が時計方向に回転し、係合片20aと係合爪1
    9aとの係合が解消しトリップレバー19が反時計方向に回転する。 このトリップレバー19の回転により軸2
    9が操作スプリング31の作用線の左側方向に移動して、デッドポイントを超えるとトグルリンク軸30が右方向に付勢され、トグルリンク27とトグルリンク28
    は逆く字状に屈曲して開閉接点が開離した図2の状態となる。 なお、フック20やトリップシャフト22は図示されていない弱い作用力の復帰ばねによって時計方向に付勢されているため、図2はそれらが復帰した状態となっている。

    【0031】図2に示すトリップ状態では、操作ハンドル17はON位置とOFF位置の中間の位置にあり、この操作ハンドル17を時計方向に回転させると、再びトリップレバーの係合爪19aと主フックの係合片20a
    及び係合片20aとトリップシャフトの爪21とを係合させるリセット操作を行うことができる。

    【0032】次に、設定ばね37によって設定された電流値を超えるような比較的大きい過電流が流れた場合は、瞬時に近い時間経過で可動コアー35の下部の脚が電磁吸引力によって固定コアー34に吸引される。 このため、可動コアー35が反時計方向に回転し、その上部の腕が第1トリップピース32を押してトリップシャフト22を回転させてバイメタル33の場合と同様に開閉接点を開離する。 この電磁石による動作は、設定電流値を大きくしたりトリップシャフト22に対する回転駆動力を発生させる必要上、比較的大きく重量のある可動コアーが採用されるためその慣性を無視できず、瞬時に近いとはいっても相応の時間遅れがある。

    【0033】一方、短絡電流のように過電流が上記設定電流値よりも非常に大きい場合は、可動コアー35が回転付勢されるが、その動作より早くこの発明の引外し装置38が動作してトリップシャフト22を回転させる。
    すなわち、このような電流が流れると、固定接点4と可動接点6との間には接圧ばね15による接触圧力を超える大きな電磁反発力が作用する。 この電磁反発力により開閉機構の動作がなくても、図1の鎖線で示されるように、可動接触子7が軸13の周りを時計方向に回転し、
    可動接点6が固定接点4から開離し高温のアークが発生する。 この高温のアークにより、固定接点4、固定接触子5、可動接点6、可動接触子7や磁性板50などの金属部品が部分的に溶解して金属蒸気を含むアークガスが発生し、開閉接点の周辺は急激に圧力が上昇する。 この圧力の上昇が極間壁46の孔48を通して受圧室40に加わり、その弾性のある薄体部分40bを圧迫して受圧室40内の体積を減少させて内部の圧力を増大させる。
    この結果、ピストン42が動作棒43と共に上方に移動し、第2トリップピース47を押してトリップシャフト22を瞬時に回転させる。

    【0034】電流が遮断された後は開閉接点周辺の圧力も低下して大気圧となり、薄体部分40bも略元の状態に戻り、ピストン42や動作棒43も復帰ばね44の作用により元の状態に戻る。 この細管39はその開口部が開閉接点の周辺から離れた部分に設けられているため、
    ピストン室41に吸入される空気は低温の新鮮な外気である。 このため、この引外し装置38は遮断時に発生する金属溶片などによって復帰動作が阻害されることはない。 このため、再び大きな電流が流れても確実に動作する。

    【0035】本実施例の引外し装置38の受圧室40
    は、上記のように薄体部分と枠部分を一体成型した一対の成型絶縁物の枠部分が貼り合わされて形成されている。 この実施例のほかに、受圧室を厚みのある枠の両側に上記の薄体部分が有する程度の弾性率を有するように薄体を取り付けて形成してもよい。 また、極間壁の孔4
    8に上記のように弾性を生じるような薄体を取り付け、
    本実施例の引外し装置を挿入する開口部45を密閉し、
    ピストン機構を第2トリップピース47に対向するように極間壁46に装着して、極間壁内の空洞を受圧室として利用してもよい。 この発明による圧力検知空間の薄体は、前述のごとく、高温のアークガスに曝される可能性があるが薄体を圧迫する圧力はかなり高く圧迫時間が短いため、耐熱性のよいものであれば、素材としての弾性率が小さいものを選定してもよい。

    【0036】また、本実施例では、受圧室40とピストン室41を一対の一体成型物で構成しているが、双方を別々に構成して管で連結するようにしてもよい。

    【0037】さらに、アークが発生したとき開閉接点の収納部全体の圧力が瞬時に高くなるため、受圧室40は必ずしも開閉接点の側方に位置させなくてもよい。

    【0038】上記において、本発明の実施の形態について説明を行なったが、上記に開示された実施の形態は、
    あくまで例示であって、本発明の範囲はこれら実施の形態に限定されるものではない。 本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内のすべての変更を含むことを意図するものである。

    【0039】

    【発明の効果】本発明は、以上説明した形態で実施され、大電流による電磁反発力で開閉接点が開離したとき発生するアークガスによって薄体によって囲まれる圧力検知空間が圧迫され、その内部の圧力上昇によって、電磁石によって動作する従来の引外し装置よりも迅速に、
    動作棒がトリップラッチの掛止を解除して短絡電流を遮断するため遮断性能を向上することができるという効果を奏する。 さらに、アークガスで直接トリップラッチの掛止を解除するような構成ではないため金属溶片の付着による動作不良やトリップラッチ機構付近の絶縁性を悪化させることはない。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】本発明による引外し装置の実施例を装着した回路遮断器のON状態の側面断面図である。

    【図2】図1の回路遮断器のトリップ状態における側面断面図である。

    【図3】回路遮断器から取り外された図1の引外し装置の斜視図である。

    【図4】回路遮断器から取り外された図1の引外し装置の平面図である。

    【図5】回路遮断器から取り外された図1の引外し装置の側面図であって、引外し装置の圧力検知空間が圧迫されていない状態を示す図である。

    【図6】回路遮断器から取り外された図1の引外し装置の側面図であって、圧力検知空間が圧迫されている状態を示す図である。

    【図7】本発明の引外し装置を装着するための挿入口を示す図である。

    【符号の説明】

    1 モールドベース 2 モールドカバー 3 電源側接続端子 4 固定接点 5 固定接触子 6 可動接点 7 可動接触子 8 中間接続子 9 可とう導体 10 端子導体 11 ヒータ 12 負荷側接続端子 13 軸 14 接触子ホルダ 15 接圧ばね 16 クロスバー 17 操作ハンドル 18 開閉レバー 19 トリップレバー、 19a 係合爪 20 フック、 20a 係合片 21 爪 22 トリップシャフト 23 軸 24 軸 25 軸 26 固定フレーム 27 トグルリンク 28 トグルリンク 29 軸 30 トグルリンク軸 31 操作スプリング 32 第1トリップピース 33 バイメタル 34 固定コアー 35 可動コアー 36 軸 37 設定ばね 38 本実施例による引外し装置 39 細管 40 受圧室、 40a 枠状部分、 40b 薄体部分 41 ピストン室 42 ピストン 43 動作棒 44 復帰ばね 45 開口部 46 極間壁 47 第2トリップピース 48 孔 49 絶縁板 50 磁性板

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