Switch and welding method of the same

申请号 JP2009293462 申请日 2009-12-24 公开(公告)号 JP2010201920A 公开(公告)日 2010-09-16
申请人 Niles America Wintech Inc; Niles Co Ltd; ナイルス アメリカ ウインテック インクNiles America Wintech, Inc.; ナイルス株式会社; 发明人 MATSUHASHI HISASHI; HILDEBRAND ATSUKO; BORMES ANTHONY; AMIMOTO KENJI;
摘要 PROBLEM TO BE SOLVED: To make inner soil and spark hardly visible by coloring, while performing heat welding by laser beams using a laser permeable material and a laser non-permeable material. SOLUTION: The switch comprises a switch housing 3 connecting a terminal block 11 and a cover 13 and a moving block 5 provided with a movable contact point 35 corresponding to a fixed contact point 15 and rotatable in relation to the switch housing 3. The cover 13 is formed of the laser permeable material, and the terminal block 11 is formed of the laser non-permeable material. A thin part 30 thinner than other parts is circularly provided to the cover 13 formed of the colored laser permeable material on the outer peripheral side of the switch housing 3. A heat welding part 17 by the laser beams is circularly formed along the thin part 30 for connecting. COPYRIGHT: (C)2010,JPO&INPIT
权利要求
  • ターミナル・ブロック及びカバーを結合したスイッチ・ハウジングと、
    操作部を備えて前記スイッチ・ハウジングに対し移動可能なムービング・ブロックと、
    スイッチ・ハウジングとムービング・ブロックとの間で操作部の移動を検出する検出部を備え、
    前記カバー又はターミナル・ブロックの一方を有色のレーザー透過性材料で形成し他方をレーザー非透過性材料で形成し、
    前記スイッチ・ハウジングの外周部側で前記有色のレーザー透過性材料で形成したカバー又はターミナル・ブロックに、他の箇所よりも薄くした薄肉部を周回状に設け、
    前記薄肉部に沿って、レーザー光による熱溶着部を周回状に形成して前記結合を行った、
    ことを特徴とするスイッチ。
  • 請求項1記載のスイッチであって、
    前記薄肉部を、前記カバー又はターミナル・ブロックの一方に周回状に設けた溶着溝により形成し、
    前記カバー又はターミナル・ブロックの他方に、前記溶着溝に嵌合する突条を周回状に設け、
    前記熱溶着部を、前記溶着溝及び突条間に形成した、
    ことを特徴とするスイッチ。
  • 請求項1記載のスイッチであって、
    前記薄肉部は、前記カバー又はターミナル・ブロックの一方に周回状に設けた段付き部により形成し、
    前記カバー又はターミナル・ブロックの他方に、前記段付き部に対向する突部を周回状に設け、
    前記熱溶着部を、前記段付き部及び突部間に形成した、
    ことを特徴とするスイッチ。
  • 請求項1〜3の何れかに記載のスイッチであって、
    前記薄肉部は、1mm以上2mm以下の厚さである、
    ことを特徴とするスイッチ。
  • 請求項1〜4の何れかに記載のスイッチであって、
    スイッチが自動変速機の変速位置を検出するインヒビター・スイッチであり、操作部が自動変速機のマニュアル・シャフトへの嵌合部を構成する ことを特徴とするスイッチ。
  • ターミナル・ブロック及びカバーを結合したスイッチ・ハウジングと、
    操作部を備えて前記スイッチ・ハウジングに対し移動可能なムービング・ブロックと、
    スイッチ・ハウジングとムービング・ブロックとの間で操作部の移動を検出する検出部を備え、
    前記カバー又はターミナル・ブロックの一方をレーザー透過性材料で形成し他方をレーザー非透過性材料で形成し、
    前記スイッチ・ハウジングの外周部側で前記カバー又はターミナル・ブロックに、他の箇所よりも薄くした薄肉部を周回状に設け、
    前記薄肉部に沿ってレーザー光を照射し、ターミナル・ブロックとカバーを周回状に熱溶着させて前記結合を行なう、
    ことを特徴とするスイッチの溶着方法。
  • 請求項6記載のスイッチの溶着方法であって、
    前記カバー側面又はターミナル・ブロック側面の前記薄肉部に対向する部位に、溶着突部を設け、
    前記溶着突部を対向するカバー側面又はターミナル・ブロック側面に当接させ、
    薄肉部に沿ってレーザー光を照射しながら溶着突部を溶融させて前記熱溶着を行う、
    ことを特徴とするスイッチの溶着方法。
  • 請求項7記載のスイッチの溶着方法であって、
    前記カバー側面又はターミナル・ブロック側面の少なくともどちらか一方に、溶着突部位置に隣接して溶融逃げ溝を設けた ことを特徴とするスイッチの溶着方法。
  • 说明书全文

    本発明は、自動変速機の変速位置を電気的に検出するインヒビター・スイッチ等、ターミナル・ブロック及びカバーを結合し内部に位置検出部を有したスイッチ及びその溶着方法に関する。

    従来のインヒビター・スイッチとしては、例えば図8の断面図に示すようなものがある。 図8のように、インヒビター・スイッチ101は、ターミナル・ブロック103と、カバー105と、ムービング・ブロック107とを備えている。

    前記ターミナル・ブロック103には、固定接点109が複数備えられている。 このターミナル・ブロック103が前記カバー105に結合され、スイッチ・ハウジング111が構成されている。 このスイッチ・ハウジング111の内部に、接点収容室113が形成されている。 前記ターミナル・ブロック103とカバー105とは、例えば超音波溶着等による熱溶着部115において結合されている。

    前記熱溶着部115は、シェア・ジョイントが採用され、溶着強度を確保している。 シェア・ジョイントは、溶着前に熱溶着部115対応箇所においてターミナル・ブロック103側の周回状の溶着溝117にカバー105側の周回状の突条119を全周で嵌合ガイドさせ、ムービング・ブロック107の軸心回りでターミナル・ブロック103及びカバー105の芯合わせ及び軸回り回転方向の位置決めを行わせている。 この位置決め状態でターミナル・ブロック103及びカバー105を挟圧しながら超音波により加振し、突条119及び溶着溝117側面間で熱溶着させ、強固な超音波溶着を行っている。

    しかし、超音波溶着では、図10のように超音波振動により溶着時に樹脂内のガラス繊維118が溶着面に対して平行となり、部分的な隙間120ができ易く、スイッチ・ハウジング111内部の気密性を保持するために熱溶着部115の内周側にパッキン121を設けなければならなかった。

    このため、形状の不安定なパッキン121の組み付けを伴い、自動組み付けが困難となっていた。 また、パッキン121の噛み込み等の組み付け不良を招く恐れもあった。 さらに、パッキン121を使用しているため組み付け時にターミナル・ブロック103及びカバー105間の押し付け圧が高く、超音波溶着時に高エネルギーを必要として非常に高い音が発生し、作業者の負担になっていた。

    これに対し、例えばカバー105をレーザー透過性材料で形成しターミナル・ブロック103をレーザー非透過性材料で形成してレーザー光をカバー105側からターミナル・ブロック103側に照射し、熱溶着することも考えられる。

    しかし、カバー105を単にレーザー透過性材料で形成すると、カバー自体の剛性を確保するため所定の肉厚が必要であり、一方熱溶着部対応箇所ではレーザー非透過性材料までレーザー光を透過させる為、透過性が40%以上等と高いものでなければ熱溶着できなかった。

    このため、カバー105に顔料の割合調整などにより着色を施したとしても可視光線を通してしまい、スイッチ・ハウジング111内部の経時的な汚れが見えたり、或いは接点の接離により発生するスパークが外部から見えるという不都合があった。 この現象は、自動車の自動変速機の変速位置を検出するインヒビター・スイッチの様に、大きな電流をオン・オフする必要のあるスイッチにおいて、顕著に現れる。

    特開2002−192617号公報

    特表平9−510930号公報

    解決しようとする問題点は、レーザー溶着する場合にカバー或いはターミナルブロックの一方を単にレーザー透過性材料で形成してレーザー非透過性材料の上記他方に対してレーザー光により熱溶着すると、カバー及びターミナルブロックには剛性確保のため所定の肉厚が必要であり一方ではレーザー光の高い透過性を必要とするため、レーザー透過性材料を有色にしても可視光線を通すものとせざると得ず、スイッチ・ハウジング内部の汚れや接点を有する構造にあってはスパークが見えるといった点である。

    本発明は、レーザー透過性材料及びレーザー非透過性材料を用いてレーザー光により熱溶着するものでありながら、内部の汚れやスパークを見えにくくするため、ターミナル・ブロック及びカバーを結合したスイッチ・ハウジングと、操作部を備えて前記スイッチ・ハウジングに対し回転可能なムービング・ブロックとを備え、前記カバー又はターミナル・ブロックの一方を有色のレーザー透過性材料で形成し他方をレーザー非透過性材料で形成し、前記スイッチ・ハウジングの外周部側で前記有色のレーザー透過性材料で形成したカバー又はターミナル・ブロックに、他の箇所よりも薄くした薄肉部を周回状に設け、前記薄肉部に沿って、レーザー光による熱溶着部を周回状に形成して前記結合を行ったことをスイッチの最も主要な特徴とする。

    また、ターミナル・ブロック及びカバーを結合したスイッチ・ハウジングと、操作部を備えて前記スイッチ・ハウジングに対し回転可能なムービング・ブロックとを備え、前記カバー又はターミナル・ブロックの一方をレーザー透過性材料で形成し他方をレーザー非透過性材料で形成し、前記スイッチ・ハウジングの外周部側で前記カバー又はターミナル・ブロックに、他の箇所よりも薄くした薄肉部を周回状に設け、前記薄肉部に沿って、レーザー光を照射し、ターミナル・ブロックとカバーを周回状に熱溶着させて前記結合を行なうことをスイッチの溶着方法の最も主要な特徴とする。

    本発明のスイッチは、上記構成により、有色のレーザー透過性材料で形成したカバーのレーザー光の透過性がある程度低くても、薄肉部では溶着のためのレーザー光の透過性を得ることができ、確実な熱溶着を行わせることができる。

    従って、有色のレーザー透過性材料で形成したカバーは、肉厚を確保して可視光線を通さないようにすることが可能となり、スイッチ・ハウジング内部の経時的な汚れや、接点を有する構造であっても内部で発生するスパークが見えないようにすることができる。

    また、本発明におけるスイッチの溶着方法は、上記構成により有色のレーザー透過性材料で形成したカバー又はターミナル・ブロックのレーザー光の透過性がある程度低くても、薄肉部では溶着のためのレーザー光の透過性を得ることができ、確実な熱溶着を行わせることができる。

    従って、有色のレーザー透過性材料で形成したカバー又はターミナル・ブロックは可視光線を通さないようにすることが可能となり、スイッチ・ハウジング内部の経時的な汚れや内部で発生するスパークが見えないようにすることができる。

    インヒビター・スイッチの断面図である。 (実施例1)

    (a)(b)は、熱熔着部対応箇所の熔着前におけるそれぞれ異なった例を示す要部拡大断面図である。 (実施例1)

    (a)(b)は、スイッチ・ハウジングの位置決めに係るそれぞれ異なった例を示す平面図である。 (実施例1)

    レ―ザー熔着のガラス繊維の状態を示す説明図である。 (実施例1)

    インヒビター・スイッチの断面図である。 (実施例2)

    (a)(b)は、熔着部の熔着前におけるそれぞれ異なった例を示す要部拡大断面図である。 (実施例2)

    インヒビター・スイッチの断面図である。 (実施例3)

    (a)(b)は、熔着部の熔着前におけるそれぞれ異なった例を示す要部拡大断面図である。 (実施例3)

    インヒビター・スイッチの断面図である。 (従来例)

    超音波熔着のガラス繊維の状態を示す説明図である。 (従来例)

    レーザー透過性材料及びレーザー非透過性材料を用いてレーザー光により熱溶着するものでありながら、スイッチ・ハウジングを構成する部材を有色とすることにより内部の汚れやスパークを見えにくくするという目的を、熱溶着部を薄肉部として形成することにより実現した。

    [スイッチ装置の全体構造]
    図1は本発明を適用した実施例1に係るインヒビター・スイッチ1の断面図を示し、図2(a),図2(b)は、熱溶着部対応箇所の溶着前における要部拡大断面図でそれぞれ異なった例を示し、図3(a),図3(b)は、スイッチ・ハウジングの位置決めに係る平面図でそれぞれ異なった例を示している。

    図1のように、スイッチとしてのインヒビター・スイッチ1は、スイッチ・ハウジング3とムービング・ブロック5とシール・リング7,9とを備えている。

    前記スイッチ・ハウジング3は、ターミナル・ブロック11及びカバー13を溶着し内部のターミナル・ブロック11側に検出部としての固定接点15を複数有している。

    前記ターミナル・ブロック11は、レーザー非透過性材料で形成されている。 レーザー非透過性材料は、例えばナイロンなどの樹脂が用いられ、黒色の顔料等の添加剤の割合調整によりレーザー光を吸収して発熱するようにしている。

    前記カバー13は、有色のレーザー透過性材料で形成されている。 レーザー透過性材料は、例えばナイロンなどの樹脂が用いられ、紺色の顔料等の添加剤の割合調整により後述する薄肉部でレーザー光は通すが、少なくとも薄肉部位外では可視光は通さないようにしている。

    このように、カバー13をターミナル・ブロック11の黒色と区別して紺色とすることにより、カバー13側かターミナル・ブロック11側かを明確に視認することができ、スイッチ組み立て時、着色されたカバー13を確認することで後述する薄肉部からレーザー光を確実に当てることができる。 また、カバー13を可視光は通さない紺色とすることでスイッチ・ハウジング3内部の経時的な汚れや内部に発生するスパークを外部から見えないようにすることができる。

    但し、カバー13をターミナル・ブロック11の黒色と同一の黒色で形成し、或いは透明、半透明にすることも可能である。

    これらターミナル・ブロック11及びカバー13それぞれの外周部は、図1,図3のようにレーザー光による熱溶着部17で周回状に熔着されている。

    前記熱溶着部17対応箇所は、溶着前において図2のように形成されている。 すなわち、図2(a)では、前記ターミナル・ブロック11の外周部に平坦なターミナル・ブロック突合面19が周回状に形成され、このターミナル・ブロック突合面19に沿って突条21が周回状に形成されている。 前記カバー13には、外周部にカバー側突合面23が形成され、このカバー側突合面23に溶着溝25が周回状に形成されている。

    前記溶着溝25の形成によりカバー13の肉厚を熱溶着部17対応箇所において薄くして薄肉部30とし、レーザー光を透過させ易くしている。 本実施例において、薄肉部30は、1mm以上2mm以下の厚さに設定され、従来の3mmに対し、及びカバー13の他の箇所に比較して薄肉となっている。 従って、薄肉部30以外でのレーザー光の透過率は15%程度まで設定可能であり、薄肉部30ではレーザー光を通すが、薄肉部30以外では可視光を通さない。 勿論、薄肉部30以外では、レーザー光をも通さなくてもよい。

    溶着溝25の奥壁25aには、溶着突部27が溶着溝25に沿って周回状に形成されている。 前記突条21は、前記溶着溝25に嵌合し、ムービング・ブロック5の回転軸芯に対する径方向で突条21及び溶着溝25の内外周相互間に隙間26a,26bを有している。

    図2(b)では、突条21Aの頂面21aAに溶着突部27Aが形成され、溶着溝25Aのカバー側面である奥壁25aAは、平坦面となってカバー13の薄肉部30Aが設けられている。 突条21A及び溶着溝25A間の径方向の隙間26a,26bは図2(a)と同様である。

    前記ターミナル・ブロック11は、回転軸芯と同心の円形凹部32を有し、この円形凹部32にカバー13の周回状の突部34が嵌合し、円形凹部32及び突部34間にも、ムービング・ブロック5の回転軸芯に対する径方向に相対移動を可能とする隙間28を備えている。

    なお、カバー13の突部34は接点支持盤31の押さえとカバー13の孔回りの剛性を確保するためのもので、ターミナル・ブロック11側の円形凹部32は、突部34を逃げるためのものである。

    前記ムービング・ブロック5は、ナイロンなどの樹脂で形成され、嵌合部(操作部)であるボス部29と接点支持盤31とからなっている。 前記ボス部29は、前記ターミナル・ブロック11及びカバー13に回転自在に支持されている。 ターミナル・ブロック11及びカバー13とボス部29との内外周面間には、前記シール・リング7,9が介設されている。 シール・リング7,9は、弾性体であるOリングなどのゴム製である。 前記ボス部29には、二面幅を有した嵌合穴33が設けられている。 嵌合穴33には、自動変速機のマニュアル・シャフト(図示せず)を嵌合させる。

    前記接点支持盤31は、前記スイッチ・ハウジング3内に延出している。 接点支持盤31には、前記固定接点15に対応し検出部として複数の可動接点35が支持されている。

    固定接点15及び可動接点35によりスイッチ・ハウジング3とムービング・ブロック5との間で操作部であるボス部29の回転移動を検出することができる。
    [組立]
    前記ムービング・ブロック5にグリスを塗り、ボス部29外周にシール・リング9を取り付ける。

    このムービング・ブロック5をカバー13に組み付け、ボス部29外周にシール・リング7を取り付ける。

    このムービング・ブロック5を組み付けたカバー5に対してターミナル・ブロック11を組み付け、カバー13のカバー突合面23にターミナル・ブロック11のターミナル・ブロック突合面19を対向させる。

    この時、ターミナル・ブロック11の突条21のターミナル・ブロック側面である頂面21aがカバー13の溶着溝25内に遊嵌してその頂面21aに溶着突部27が突き当たり、ターミナル・ブロック突合面19及びカバー突合面23間に溶着代となる隙間が形成される。

    この場合、ターミナル・ブロック11及びカバー13にを加えないフリーの状態にすると、ゴム製のシール・リング7,9が全周で径方向に均等に発生させる弾発力でムービング・ブロック5のボス部29に対しターミナル・ブロック11及びカバー13が自動的に位置決めされ、セルフ・センタリングが行われる。

    ターミナル・ブロック11及びカバー13の回転方向の位置決めは、図3のように行われる。

    図3(a)では、治具37のピン39によりムービング・ブロック5の回転軸芯を中心としたターミナル・ブロック11及びカバー13の回転方向の位置決めを行っている。 図3(b)では、ターミナル・ブロック11に突設した突部41をカバー13に形成した位置決め溝43に係合させて回転方向の位置決めを行っている。

    こうしてセルフ・センタリング及び回転方向の位置決めが行われた状態で、治具37によりターミナル・ブロック11及びカバー13間に押圧力を付与しつつカバー13の外周部表面において熱溶着部17対応箇所、即ちカバー13の薄肉部30にレーザー光を照射する。

    このレーザー光は、図2(a)において、カバー13の薄肉部30を透過し、突条21の頂面21aに達し、この頂面21aに吸収される。 この吸収によりレーザー光照射スポット及びその周辺が加熱され、突条21の頂面21aが溶融する。 突条21の頂面21aの溶融熱は、溶着溝25の溶着突部27にも伝達され、この溶着突部27も溶融する。

    図2(b)の場合は、薄肉部30Aを透過したレーザー光により溶着突部27A及びその近辺が加熱により溶融すると共に、溶着突部27側から溶着溝25Aの奥面25aAにも熱が伝達され、溶融する。

    この溶融により、ターミナル・ブロック突合面19及びカバー突合面23間の隙間が詰められ、同時にレーザー・スポットの熱溶着部17対応箇所に沿った等速移動により溶融箇所が移動し、既に溶融した箇所は温度が下がり硬化する。

    このようにして、スイッチ・ハウジング3の全周で溶着溝25及び突条21間にレーザー光による熱溶着部17が形成される。
    [実施例1の効果]
    本発明実施例1に係るインヒビター・スイッチ1は、ターミナル・ブロック11及びカバー13を結合し内部に固定接点15を有したスイッチ・ハウジング3と、自動変速機のマニュアル・シャフトを嵌合させるボス部29及び前記固定接点15に対応した可動接点35を備えて前記スイッチ・ハウジング3に対し回転可能なムービング・ブロック5とを備え、前記カバー13を有色のレーザー透過性材料で形成しターミナル・ブロック11をレーザー非透過性材料で形成し、前記スイッチ・ハウジング3の外周部側で前記有色のレーザー透過性材料で形成したカバー13に、他の箇所よりも薄くした薄肉部30を周回状に設け、前記薄肉部30に沿って、レーザー光による熱溶着部17を周回状に形成して前記結合を行った。

    このため、有色のレーザー透過性材料で形成したカバー13のレーザー光の透過性がある程度低くても、薄肉部30では溶着のためのレーザー光の透過性を得ることができ、確実な熱溶着を行わせることができる。

    従って、有色のレーザー透過性材料で形成したカバー13は、肉厚を確保して可視光線を通さないようにすることが可能となり、スイッチ・ハウジング3内部の経時的な汚れや発生するスパークを見えないようにすることができる。

    また、前記薄肉部30を、前記カバー13に周回状に設けた溶着溝25により形成し、前記ターミナル・ブロック11に、前記溶着溝25に嵌合する突条21を周回状に設け、前記熱溶着部17を、前記溶着溝25及び突条21間に形成した。

    このため、薄肉部30を形成してレーザー光の透過性を確保しながら、熱溶着部17の確実な接合を保持させることができる。

    前記薄肉部30は、1mm以上2mm以下の厚さである。

    このため、カバー13の透過性が15%を上回れば、薄肉部30でレーザー光を透過させることができ、確実に熱溶着させることができる。

    前記薄肉部30で熔着前に対向する奥壁25aに、溶着突部27を設け、前記溶着突部27を対向する突条21の頂面21aに当接させながら溶融させて前記熱溶着を行う。

    このため、溶着突部27により溶着代を確保し、より確実な熱溶着を行わせることができる。

    熱溶着部17では、図4のようにターミナル・ブロック11及びカバー13の樹脂内にガラス繊維44を含んだ場合でも加振されることが無いため、このガラス繊維44が元の状態を維持し溶着面に対して平行になり難い。 従って、樹脂内にガラス繊維を含んだ場合であっても超音波溶着のように溶着固化後に隙間ができると言った図10のような不具合もなく、全周確実な溶着を行わせることができ、ターミナル・ブロック11及びカバー13間のシールを省略することもできる。

    しかも、溶着突部27,27aの存在により溶融部分に集中的に押圧力を作用させることができ、且つ溶着代も十分に確保し、より確実な溶着を行わせることができる。

    超音波溶着とは異なり、溶着溝25及び突条21間には隙間があり、ムービング・ブロック5回転方向でのターミナル・ブロック11及びカバー13の位置決めを溶着溝25及び突条21間によっては行わないから、組み付け作業を容易に行うことができる。

    図5,図6は、本発明の実施例2に係り、図5は、インヒビター・スイッチの断面図を示し、図6(a),図6(b)は、熱溶着部対応箇所の溶着前における要部拡大断面図でそれぞれ異なった例を示している。 なお、基本的な構成は実施例1と同様であり、同一又は対応する構成部分には同符号又は同符号にBを付し、重複説明は省略する。

    本実施例のインヒビター・スイッチ1Bは、カバー13Bの外周縁部が段付き部13Baとして周回状に形成され、他の箇所に比較して段付き状に薄肉に形成された薄肉部30Bが設けられている。

    カバー13Bは、剛性確保のためにある一定の肉厚を必要とする。 このため、接合部のみを薄肉部30Bとして全体の肉厚を確保するため、縦壁13Bbによる段部が形成される。

    ターミナル・ブロック11Bの外周縁部は、前記薄肉部30Bに合わせるために突部11Baとして段付き状に厚肉に形成され、突部11Baの内周面が、カバー13Bの縦壁13Bbに対向する縦壁26Bとなっている。 カバー13Bの段付き部13Baには、溶着面となるカバー突合面19Bが周回状に形成され、ターミナル・ブロック11Bの突部11Baには、溶着面となるターミナル・ブロック突合面23Bが周回状に形成されている。

    カバー突合面19B又はターミナル・ブロック突合面23Bには、図6(a),図6(b)のように、熱熔着部17B対応箇所に沿って熔着突部27B,27Baが周回状に設けられている。

    組立時に、カバー13Bのターミナル・ブロック11Bに対する嵌合用の周回状の縦壁13Bbとターミナル・ブロック11Bのカバー13Bに対する嵌合用の周回状の縦壁26Bとの間には、隙間が形成される。 この隙間により、実施例1同様にシール・リング7,9の弾性力を利用したセルフ・センタリングを行わせる時の邪魔にならない様にすることができる。

    そして、図6(a)の場合は、レーザー光が薄肉部30Bを通して照射されると、レーザー光照射スポット及びその周辺が加熱され、ターミナル・ブロック突合面23Bの該当個所が溶融する。 ターミナル・ブロック突合面23B側の溶融熱は、カバー突合面19Bの溶着突部27Bにも伝達され、この溶着突部27Bも溶融する。

    図6(b)の場合は、レーザー光が薄肉部30Baを通して照射されると、溶着突部27Ba及びその近辺が加熱により溶融すると共に、溶着突部27Ba側からカバー突合面19Baにも熱が伝達され、溶融する。

    こうして、熱溶着部17Bが、対向する前記段付き部13Ba及び突部11Ba間に形成され、熱溶着部17Bの確実な接合を保持している。

    なお、組み付けの際、溶着突部27B,27Baが溶融前にターミナル・ブロック突合面23B,カバー突合面19Baに突き当たるとき、ターミナル・ブロック11B及びカバー13Bの回転軸芯に沿った方向での突き当て位置決め用の壁面11Bc、13Bc間の間隔は、溶着突部27B,27Baの高さと同一か若干広いのが望ましい。

    そして、本実施例でも、実施例1と同様な作用効果を奏することができる。 また、本実施例では、溶着溝及び突条の嵌合構造が無く、ターミナル・ブロック11B及びカバー13Bの形状をより簡素化することができる。

    図7,図8は、本発明の実施例3に係り、図7は、インヒビター・スイッチの断面図を示し、図8(a),図8(b)は、溶着部の溶着前における要部拡大断面図でありそれぞれ異なった例を示している。 なお、基本的な構成は実施例2と同様であり、同一又は対応する構成部分には同符号を付し、或いは同符号のBをCに代えて付し、重複説明は省略する。

    本実施例のインヒビター・スイッチ1Cは、実施例2の構造に対し、図8(a),図8(b)のように溶融逃げ溝23Ca,23Caaを設けた。

    従って、本実施例では、レーザー光の照射により溶融した溶着突部27C,27Ca等が溶融逃げ溝23Ca,23Caaに入ることができる。 このため、カバー突合面19C及びターミナル・ブロック突合面23C間、カバー突合面19Ca及びターミナル・ブロック突合面23Ca間から溶融樹脂が外部へはみ出さないようにすることができ、シール機能をより高度に発揮させることができると共に、見栄えの向上を図ることが出来る。
    [その他]
    ターミナル・ブロック11,11B,11C側をレーザー透過性材料とし、カバー13,13B,13C側をレーザー非透過性材料とすることも可能である。 この場合、薄肉部は、ターミナル・ブロック11,11B,11C側に形成される。

    尚、ターミナル・ブロックが固定接点等の検出機能に関する構成、自動変速機等への取付部、検出信号の取り出しコネクタ部等多くの機能、構成を有しているのに対し、カバーの方が果たすべき機能が少ないため、カバーをレーザー透過性材料とした方が、材料選択の自由度が大きく、設計の自由度も増す。

    熔着突部27,27A,27B,27Ba,27C,27Caは、複数形成することができ、省略することもできる。

    また、各実施例では固定接点と可動接点からなる検出部の例を示したが、磁石と磁気センサとの組合せ、発光素子と受光素子との組合せ等からなる非接触式の検出部を備えたスイッチにも同様に適用可能である。

    1B,1C インヒビター・スイッチ 3,3B,3C スイッチ・ハウジング 5 ムービング・ブロック 7,9 シール・リング 11,11B,11C ターミナル・ブロック 11Ba,11Ca 突部 13Ba,13Ca 段付き部 13,13B,13C カバー 15 固定接点(検出部)
    23Ca,23Caa 溶融逃げ溝 27,27A,27B,27Ba,27C,27Ca 熔着突部 29 ボス部(嵌合部)
    30,30A,30B,30Ba,30C,30Ca 薄肉部 35 可動接点(検出部)

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