【考案の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】この考案は、変圧器を遮断した場合、即ち負荷時タップ切換変圧器のタップ巻線のタップ間の無損失の切換のための切換器作動用手動式変圧器に関する。 【0002】 【従来の技術】各切換の前に負荷時タップ切換変圧器を遮断する必要から、比較的僅かな切換が期待できる場合には切換器をただ規則的に投入する。 従って大抵の場合は簡単な手動式駆動装置による切換作動で充分に間に合う。 【0003】このような手動式駆動装置は公知である。 本出願人の社誌「手動式駆動装置MR404」は次の構成群から成る切換器の手動式駆動装置について記載している。 【0004】即ち1. 本来の負荷伝達装置。 これはかさ歯車から成り、クランクハンドルから来る駆動軸と切換器に通じる駆動軸との間の結合に役立つ。 2. 最終位置、即ち切換工程が完了したときに駆動を停止するギア。 【0005】3. 位置指示用の別のギアである。 多数の組の歯車と追加のマルタクロスから成る各種のギア部分によって限定されるこの手動式駆動装置は製造に費用がかかる。 【0006】DE-PS 3541888 には簡単な手動式駆動装置が提案されている。 この手動式駆動装置は指示を簡単にし、被駆動軸のかさ歯車中に切欠部によるロック装置があり、この切欠部にばね負荷された爪が係止される。 しかしこのロック部は、各切換に被駆動軸の回転を厳密に必要とする切換器にのみ使用可能である。 【0007】それに反してこの公知の装置はたとえば滑り切換器には全く不向きである。 この滑り切換器では、 接触フィンガーを備えたスピンドル錠の線運動によって一つの操作位置から他の位置への移動が行われる。 このスピンドル錠はおねじとして形成されたかさ歯車装置の被駆動軸によって形成される。 このような滑り切換器では被駆動軸も切換毎に多数回の回転が必要で、従って直接の被駆動軸によるロックは不可能である。 【0008】 【考案が解決しようとする課題】この考案の課題は、極めて簡単化された手動式駆動装置の提供にある。 この手動式駆動装置は簡単な位置指示をギア段の追加なしに最終位置ロックとしても且つ各回転毎の被駆動スピンドルの回転数と無関係に行う。 【0009】 【課題を解決するための手段】この課題は駆動軸がウォーム歯を有し、このウォーム歯はケーシング中に回転可能に支承された指標車の歯部に係合し、指標車は同心の円弧上に切換器の切換位置と同数の切欠部を等間隔をおいて有し、空間的に指標車に近い所に停止レバーが回動可能に支承されており、この停止レバーはその自由端部に接触ピンを有し、この接触ピンはばねの力に抵抗して指標車に押しつけて、切欠部のそれぞれに自動的に係合し、手動式解除手段によって再度係合が解除されるように構成したことにより解決される。 【0010】技術水準によって公知のように被駆動軸から位置指示へロックをこの考案によって変更することによって、被駆動軸が切換器の切換段毎に多数回の切換またはほぼ一つの分数回転を実施する必要がある場合にも許容できるロックが可能である。 【0011】この考案の別の利点は、全手動式駆動装置を任意の切換器に合わせるためにただ一つの伝導比、即ち駆動軸から指標車に変化させる比が必要であるにすぎないことである。 【0012】 【実施例】この考案について以下に図をもとに詳細に説明する。 ケーシング1の中には駆動軸2を支承してあり、駆動軸の先端部にはクランクハンドル3がある。 駆動軸2上にはウォーム歯2.1があり、このウォーム歯はケーシング1中に支承された指標車4の歯部4.1と対応する。 指標車4は同心の円弧上に、対応する切換器が有する切換位置と同数の切欠部4.2を相互に同間隔をおいて有する。 【0013】図示の実施例では6つの切換位置を有する切換器の手動駆動装置を示してある。 歯部2.1と4. 1から構成されるウォームギアはそれぞれ、指標車4が各回転毎に隣接する二つの切欠部4.2の間の角度分だけ回転する。 【0014】図示の指標車4ではこの回転角度は60° である。 たとえば切換毎にクランクハンドル3と駆動軸2の12回の回転を必要とする動かすべき摺動切換器で説明すると、ウォームギアの伝達比は72対1となる。 【0015】指標車4は指示ドラム5に固定されるか、 或いは自体も、その周縁部に切欠部4.2と同じ角度間隔をおいてそれぞれの位置シンボル5.1を有するものとして構成してあるので、それぞれタップ段がケーシング1中の覗き窓6によって読取可能である。 【0016】指標車4の前方に停止レバー7がケーシング1中に回転支承点7.2を中心に支承さている。 停止レバー7の自由端部には接触ピン7.1をを形成してある。 接触ピンは停止レバー7に作用する回転ばね7.3 によって指標車4に押しつけ、最終位置ロックは、接触ピンがそれぞれ指標車4の切欠部4.2に落ちることにより達成される。 【0017】停止レバー7にはケーシング1に通してあって、外側から手が届くロック解除レバー8が連結してあり、ロック解除レバーの作動によって回転ばね7.3 の力に逆らって接触ピン7.1の指標車4中の定着が解かれる。 【0018】従って通常の場合には手動式駆動装置は切換器のそれぞれの切換位置にロックされる。 同時にそれぞれのタップ段が読み取れる。 切換えようとすれば、ロック解除レバー8が回転ばね7.3の力に抵抗して短く作動させられ、同時にクランクハンドル3の回転運動が始まり、必要な「双手操作」は意図しない移動を防ぐ。 接触ピン7.1は指標車4の回転の最中その円形面上を滑り、この運動の際円弧を描き、この運動は新切換位置に到達して切換運動が終わると、次の切欠部4.2に落ちて、クランクハンドル3が阻止するまで続く。 切換器の切換位置がn個の場合は指標車4が(360対n)度回転する。 覗き窓6に新しい位置取りシンボル5.1が見え、切換工程は終了する。 【0019】この考案の別の展開では、停止レバー7に追加の停止栓7.4を備えることも可能である。 この停止栓は最終位置ロックに追加して駆動軸の対応溝2.2 に係止する。 この追加の手段によって駆動軸2の確実な定着がクランクハンドル3に消費される力が大きい場合も保証される。 【0020】 【考案の効果】この考案による効果は位置取り指示器と最終位置ロックを特に有利な態様で機械的に連結することができることにある。 【図面の簡単な説明】 【図1】この考案の手動式駆動装置の縦断面図 【図2】図1の手動式駆動装置の正面断面図。 【符号の説明】 1 ケーシング 2 駆動軸 2.1 ウォーム歯 2.2 溝 3 クランクハンドル 4 指標車 4.1 歯部 4.2 切欠部 5 指示ドラム 5.1 位置取りシンボル 6 覗き窓 7 停止レバー 7.1 接触ピン 7.2 回転支承ピン 7.3 回転ばね 7.4 停止栓 8 ロック解除レバー |